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1973-12-18 第72回国会 参議院 商工委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十八年十二月十八日(火曜日)    午前十時二十一分開会     ―――――――――――――    委員異動  十二月十八日     辞任         補欠選任      川上 為治君     今泉 正二君      矢野  登君     君  健男君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         剱木 亨弘君     理 事                 佐田 一郎君                 竹内 藤男君                 大矢  正君                 栗林 卓司君     委 員                 今泉 正二君                 植木 光教君                 大谷藤之助君                 君  健男君                 寺下 岩蔵君                 林田悠紀夫君                 細川 護煕君                 安田 隆明君                 竹田 現照君                 林  虎雄君                 中尾 辰義君                 須藤 五郎君    政府委員        通商産業政務次        官        楠  正俊君        資源エネルギー        庁次長      北村 昌敏君        資源エネルギー        庁石油部長    熊谷 善二君    事務局側        常任委員会専門        員        菊地  拓君    参考人        石油連盟会長   密田 博孝君        全国石油商業組        合連合会会長   松村信治郎君        日本LPガス協        会会長      深尾 憲治君        日本瓦斯協会専        務理事      柴崎 芳三君        全国燃料協会会        長        野尻 東一君        東京都個人タク        シー協会会長   若月  勇君        日本鰹鮪漁業協        同組合連合会会        長        増田 正一君        主婦連合会事務        局長       清水 鳩子君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○産業貿易及び経済計画等に関する調査  (石油政策に関する件) ○連合審査会に関する件     ―――――――――――――
  2. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  本日、川上為治君及び矢野登君が委員を辞任され、その補欠として今泉正二君及び君健男君が選任されました。     ―――――――――――――
  3. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) この際申し上げます。  本日は、石油需給適正化法案について、参考人から御意見を承ることとなっておりましたが、本案の衆議院からの送付がおくれましたため、理事会の協議により、諸般の事情を考慮して、石油政策に関する調査のため、ただいま御出席参考人方々から御意見を聴取することといたしますので、御了承をお願いいたします。     ―――――――――――――
  4. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。  本日は、石油政策に関する件について参考人方々から御意見を聴取することといたします。  本日は、午前と午後にわたり、八名の方々参考人として御出席を願っておりますが、まず午前の参考人として、石油連盟会長密田博孝君、全国石油商業組合連合会会長松村信治郎君及び日本LPガス協会会長深尾憲治君、以上三名の方に御出席をいただいております。  この際、参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。  本日は、皆さまには御多用中のところ、本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。本日は、ただいま問題となっております最近の石油政策について、それぞれのお立場から忌憚のない御意見を承りまして、本委員会における今後の石油立法審査参考にいたしたいと存じておりますので、何とぞよろしくお願いいたします。  なお、参考人方々には、まずそれぞれ十五分程度の陳述をお願いし、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じますので、よろしくお願いいたします。  ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止
  5. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 速記を起こして。  それでは、まず密田参考人からお願いいたします。
  6. 密田博孝

    参考人密田博孝君) 石油連盟会長密田でございます。  石油連盟は、石油類輸入、それから精製、元売りを行ないます三十一社によって組織されております。連盟以外にも若干の精製輸入会社があります。また、小売り業者には、ここにおいでの松村さんが会長をされております別団体を組織しておりますし、LPGにつきましても同様でございます。  今日、御承知のように、各地で発生しております石油製品需給上のトラブルにつきましては、何ぶん、急激な情勢の変化によるものであるとは申しながら、たいへん遺憾でございますし、恐縮している次第でございます。一つ一つ調べますと、販売者側としての言い分もございますし、また、いま申しましたとおり、石油連盟会員事業分野から見まして、コントロールの及ばない分野で起こっておるトラブルもございましょうが、ともあれ、社会のすみずみまで使用されております石油製品需給混乱が起きておりますことに対しましては、量の大小にかかわりませず、一日も早く調整いたしまして、需給の安定をせなければならないと考えております。この苦しい需給状況の中でも、公平を欠くことのないように、消費者の御理解を得ながら、新しい情勢への対応策を考えていきたいと石油連盟では思っておる次第でございます。  昭和四十六年の初めから、原油公示価格と、それから産油国石油収入の大幅な引き上げが行なわれまして、その後、相次ぐ原油価格の大幅な高騰に悩み続けてまいりましたけれども数量安定確保ということにつきましては、業界としてあげてあらゆる努力を傾注してまいりまして、今年の十月までは、輸入精製販売、ともに全く順調に進んでまいりましたことは御承知のとおりでございます。十月十六日のOPECによります原油価格の大幅な一方的な引き上げ、これに続きまして、十月の十八日のOAPEC十カ国によります生産制限、さらに次々とカット率引き上げや、あるいは輸出制限等が行なわれましたことによりまして、世界石油情勢文字どおり混乱におちいっております。それがわずか半月だとかあるいは一カ月の間に生じた大変化であるだけに、その混乱も残念ながら非常に広範囲にわたっておることは認めざるを得ないわけでございます。特にわが国の場合は、石油エネルギー依存度は七五%、自給率はほとんどゼロという特異なエネルギー消費形態でありますために、その混乱は他の国よりも一段と大きいわけでございます。このような深刻な認識に立ちまして、石油を預かる業界といたしましては、今後あらゆる努力を傾注いたしたいと考えております。  次に、ただいま申し上げました情勢下におきまして、今般の法律が施行される場合に、その運用上考慮されたい事項を若干申し上げたい。そして、法律早期成立と、その円滑な運営を期待しておるわけでございます。  第一に、本法の目的は、この急迫しました石油不足下におきまして、需給供給を調整しようというものでありますから、まず、供給事情を十分検討された上で需要抑制措置を進めていただきたいことでございます。いやしくも、需要供給が追いつきませず、不均衡が生じました場合は、各所に社会的不安が生ずることになります。特に、従来と違いまして、供給量販売量に十分な余裕がない場合は、地域的にも不均衡が大きくあらわれることが予想されますので、この間の事情を十分配慮していただきまして、供給者側事情意見とを十分勘案された上で法律運用されるようにお願いしたいと思います。  第二には、石油というものの特性といたしまして、原油から生産される製品間におのずと均衡がございます。そのためある特定製品、たとえば灯油を増産いたしますと他の製品、たとえばA重油の減産につながることになりますし、ある製品確保は他の製品供給削減を来たすということになりますので、法律に基づく指導、指示に際しましては、常に総合的な判断の上に立って処理されることを希望いたします。これは法の四条、五条に規定してある事項に対する意見でございます。そうでないと、連鎖反応的に混乱が生ずるおそれがあるわけでございます。  いまさら申し上げるまでもないことでございますが、わが国は、石油のほとんど全量を輸入に依存しておりまして、かつ、石油は典型的な国際商品でございます。たとえば、これは石油需給適正化法運用とは直接の関係はございませんけれども、現在、政府石油消費税を増徴しようという考えがあるように聞いておりますが、今日の流動的な国際政治経済情勢はきわめてデリケートな段階にありますし、また、これまで石油消費国石油税収入に着目して、原油価格引き上げの理由としてきましたOPEC諸国に刺激を与えるなど、消費税の増徴、新設等すら、石油国際商品としての観点から、その悪影響はきわめて大きい、こういうふうにおそれておる次第でございます。本法運用に際しましては、常にこのように国際商品である石油に留意されまして、制約された世界石油事情下にあっても、最大限にわが国石油輸入されるように努力が払われるような法律運用が必要でありまして、いやしくも輸入意欲供給意欲が阻害されることがないように、慎重な配慮が必要と考えます。  この石油需給について、その長期的な見通しが立てがたい状況下におきましては、計画自体、あるいはいろいろな施策自体が機動的、弾力的に行なわれるよう、十分なくふうと配慮が必要であるかと考えます。と同時に、各種の制約の中にあっても、常に経済性が尊重されなくてはならないことは、申し上げるまでもないことでございます。繰り返して申し上げることになりますけれども、この法律の施行に際しましては、抵抗の強い需要を規制することはきわめて困難ではありますが、需要供給限界販売限界を越えることになりますと、混乱をより大きくすることになりますので、常時供給事情を正確に把握いたしまして、その任に当たる輸入生産販売業界の実際的な意見を十分取り入れていただきまして、消費の規制と需給の調整にそごのないように措置されることを希望いたします。それと同時に、業界において判断することが困難な公共性の強い需要優先順位の判定などにつきましては、政府みずから責任のある指導をしていただくように希望する次第でございます。  われわれ石油業界としましては、政府指導もとに、民間のバイタリティーと機動性を十分発揮いたしまして、当局に十分協力申し上げる所存でございます。この法律案早期成立をお願いするとともに、石油業界についての深い御理解と御支援を賜わりますように、この機会にあわせてお願い申し上げます。  以上であります。
  7. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) どうもありがとうございました。  次に、松村参考人にお願いいたします。
  8. 松村信治郎

    参考人松村信治郎君) 全国石油商業組合連合会会長松村であります。  石油販売業者団体の代表でございまして、われわれの団体は、組合員全国傘下約三万二千、それからガソリンスタンドにいたしまして四万三千、このほかにアウトサイダーといたしまして、たとえば農協、生協、あるいは商社系列のものがやはりガソリンスタンドにして約三千でございます。このアウトサイダーを除いたものがわれわれの固有の組合員でございます。そして、主として中小企業団体でございます。それから、主として社会的任務は、われわれは各地域に住居しておりますから、地域の不特定小口多数の一般住民一般産業、そういう地域に対する安定供給を受け持っておるといえると思います。  で、今般の石油需給適正化法案につきましては、全体として賛成でございまして、ただ、業界として非常にお願いいたしたいのは、法案の十条一項に、「通商産業大臣は、一般消費者中小企業者及び農林漁業者並びに鉄道事業通信事業医療事業その他の公益性の強い事業及び活動に対する石油の円滑な供給確保するため必要があると認めるときは、石油販売業者構成員とする団体に対し、石油供給のあつせんその他必要な措置を講ずるよう」とございまして、これはあっせん業務をしろということでございます。そのあっせん業務の玉といたしましては、いまのところ約一・何%かをメーカーに供出していただいて、各府県でもって受け付けて、緊急のあっせんをすることになっておりますが、この緊急の措置としてあっせん業務はたいへん重要であると思いますが、こういう作業の前提には、われわれの業界は、いま申し上げたように、非常に多数で不特定で乱雑な流通秩序でありまして、まず流通秩序の整備を指導すると、こういうときには流通秩序適正化するという御配慮をしておいていただきたいということであります。で、あっせん業務を必要とする段階に至りましたときはあっせん業務をいたしますが、片や流通秩序適正化ということについての御指導法律上していただきたいということをお願いしたいと思います。  で、多少各論になりますが、今般の灯油問題につきまして触れますと、われわれは現在店頭裸渡し三百八十円で業界指導して、それが浸透しつつあると確信しております。しかし、灯油を必要とするのは全国の御家庭でございまして、これは二千八百万世帯ぐらいあると思います。で、これを供給する場合に、基地としてはガソリンスタンド石油販売業者三万二千は役に立ちますが、さらにそれを各御家庭にコンタクトする場合には、どうしても薪炭、米とかという他の業界の御協力を得ないと、これの安定供給というのはまず不可能であるという問題がございます。そういう意味合いで、この灯油問題は各御家庭に関するだけに、その流通問題が非常に困難なところもございます。で、私として申し上げられるのは、少なくとも石油販売業者に関しては指導を徹底しつつあり、また、効果をあげていると思います。しかし、全国、東北、北海道から始まりまして離島に至りますと、なかなか各御家庭に向かっては徹底しにくいことがあるということを御認識を賜わりたい、むしろ御理解を賜わりたいと思っております。  また、灯油問題についてはそういうことでありますが、現在の販売業者のあり方は、従来自由企業でありまして、だれでもがやってきたわけです。ですから、流通秩序は非常に複雑であります。そこへいま連盟会長のおっしゃったように、マクロ需給はとれても、実際に物が流れていく段階になりますと、やはりこの一カ月の事情変更では、なかなか思うように公共性にふさわしい秩序というのを徹底さすのはむずかしいんでございます。で、マクロ需給はとれても、実際に物が流れていく流通秩序についての格段の御配慮をしていただかないと、地域につきまして、あるいは系列につきまして、あるいは個々事情について、消費者の御都合供給者都合、いろんなケースが出てまいりまして、混乱の原因をつくって、一々具体的にいまわれわれがそれを受けておるわけでありますが、そういう事情があるという流通秩序の問題について、重ねてくどく申し上げますが、お願いいたしたいと思います。  それからまた、各論になりますが、いまわれわれの主として扱う商品ガソリン、それから灯油軽油A重油、一口に中間三品と申します。これが主たる取り扱い商品でありますが、このうちのガソリン軽油につきまして、また石油間接消費税増税という問題があります。で、これにガソリン税を例にとりましても、ガソリン税蔵出し税でございまして、もとでかかってまいります。しかし、これを何百万トンのスケールから実際に自動車燃料としてスタンドで何十リッター、リッターずつ小単位に実際に自動車供給いたしまして、お客さまから商品代と一緒に税をいただくのは、スタンド個々に何リッター、何十リッターの単位商品代と同じ金額の税をいただいておくわけです。これには税が上がりますと、税分担保がふえる。  それから、他の間接消費税と違いまして、われわれには売り掛け金段階があって、代金をいただく以前にその税をやはりもとに納めていかないといけない。そうすると、多分売り掛け金を取りそこなうという危険負担を背負わされております。もし貸し倒れになっても、それはほとんど自己負担に終わるわけです。また、小分けするわけですから、もちろん税金を済ました商品が、小分けの段階で量目が欠減していくという問題もございます。  また、これの一般事務取り扱いは、サラリーマン税で、よく会社手数がかかるとおっしゃいますが、あれはすでに給与者に払った税を預かって整理しておるわけですが、われわれはお客さまからいただかない商品代を立てかえて事務をして納めるわけですから、この事務手数はたいへんでございます。まず先ほど申しました担保貸し倒れ負担もございます。そこへもってきまして税額が大きいものですから、品質をごまかしたり、あるいは脱税をするというそういう危険も多分にあるわけです。そういう意味でこの石油間接消費税と申しますのは最高率、最多額、一年間でガソリン税は本年で七千億を突破しておるはずです。軽油税を入れますと、これが三千億近くで、両方合わせて一兆円、一兆円の間接消費税を実際に個々に取っておるのは、われわれの業界お客さまからいただいておる。これもこの間接消費税を取るためには、税のもとでの取りっぱなしではなしに、実際に税を保全する流通秩序適正化の問題を配慮していただく必要がある。そういう意味合いで、増税が単純に、これはOPEC関係とか大きな石油連盟サイドの問題もございますが、われわれ中小企業といたしましても、増税の場合にはたいへんな負担がまたおおいかぶさるものであるということを御認識を賜わりたいと思います。  まあ、そういう各論灯油問題税の問題に触れさしていただきまして、業界意見を申し上げておきます。
  9. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) ありがとうございました。  次に、深尾参考人にお願いをいたします。
  10. 深尾憲治

    参考人深尾憲治君) 私、日本LPガス協会会長をやっております深尾憲治でございます。参考人としての意見を申し述べさしていただきます。  ただいま皆さま方のお手元に、「LPガスの話」という小冊子をお渡し申し上げました。私ども日本LPガス協会と申しますのは、LPガス生産しておる会社並びに輸入しておる会社で構成されております。この会員の名簿は一番最後のページでございますのでごらんいただきますが、四十九社からなっております。この四十九社を代表いたしまして、LPガス業界として今度の石油需給適正化法案につきまして意見を述べさしていただきます。  昌頭に項目を述べさしていただきますが、この法律早期成立を希望いたすものでございます。  第二に、この法律の第四条にございます供給目標、これは早期に御決定願うような措置政府でとっていただきたい。それから、この目標決定にあたりましては、辛目にと申しますか、控え目な数字で目標を立てていただきたいということと、その次に、私ども業界のメンバーが輸入しておりますし、製造しておりますので、この供給目標を策定していただきます段階におきまして、業者意見を十分にお取り入れ願いたいと、そういうことが二番目でございます。  第三番目には、数量が足りませんので、消費にあたりましての優先順位というものの御決定、これは適正化配分をどうしてもしなきゃならないと思いますので、この優先順位の御決定をなるべく早くお取りきめいただきたいということと、これに伴います消費節減目標というものもあわせて早期に御決定願いたい。これが第三番目の問題でございます。  第四番目は、このたびの衆議院商工委員会で、審議会というものができることに相なったかに仄聞いたしておりますが、この審議会ができました場合に、先ほど申し述べました第二の問題、すなわち、供給目標早期策定問題並びに優先順位及び消費節約目標の策定のブレーキにならないような措置業界としては希望いたしたいと思います。  これだけの四つのポイントにつきまして、多少ふえんして御説明さしていただきます。  第一の法律早期成立を希望いたしますのは、諸先生方すでに御存じのことと存じますが、LPガスにつきまして、私ども供給可能量というものは大幅に減ってまいりました。したがいまして、この大幅に減りました供給量を、私どもとしていかに適正に消費者サイドでお使い願えるかということに苦慮いたしております。したがいまして、その消費適正化ということ、これを根っこにいたしまして、早くこの根拠法規としての法律ができることを業界として希望するわけでございます。  第二に、先ほどから申し上げておりますように、OAPEC関係の動きで、まず、原油わが国への搬入数量が減ってまいりまして、LPガス供給源の約半分は、原油精製いたしました段階に出てくるものでございます。もう一つは、OAPEC諸国並びにオーストラリア及びカナダから製品としてのLPガス輸入しておりますが、この数量が大体全供給力のうちの半分でございます。この半分の分、現在のところは原油と違いまして、幸いにして私ども業界としては十年ないし十五年の長期契約を結んでおりまして、搬入いたしておりますので、直接に削減は行なわれておりません。しかしながら、この長期契約輸入LPガスだけでは足りませんので、世界マーケットにございます製品LPガススポットベーシス輸入しておりますが、このスポットベーシス輸入量が、最近、LPガス世界的に非常な貴重なエネルギーということになりまして、引っぱりだこになっておるわけでございます。したがいまして、一年前と異なりまして、わが国LPガス供給力が、国内生産分が落ちたために、それを補給するという意味合いからスポット玉をあさっておりますが、なかなかに入手難であるというようなことが出ております。したがいまして、遺憾ながらかなり供給力が、私どもの予定いたしておりました数量に比べて減っております。この減っていることが、ただいま日本経済におきましていろいろな問題が出ておるところでございます。したがいまして、この供給目標というものを早く御決定願って、この上に立ってあらゆる施策政府サイドで御立案願って、私どもはその方針に従って協力してやっていきたいということでございますので、この目標を早く御決定願いたい。  それから、目標をつくるにあたりましては、将来の計画でございます。御承知のとおり、世界エネルギー事情は非常に流動的でございますので、楽観論悲観論というものでかなり大幅に供給可能量というものが差があるかと思います。しかしながら、私ども業界の考え方としては、楽観論は現在とるべきではないのではないか、できるだけかために供給目標をとっていただいて、その上に立って優先順位をお考えいただく、並びに消費節約目標をお考えいただくということが必要ではないかというふうに考えております。  なお、これに伴いまして私ども業界といたしましては、できるだけ供給力を増強いたしますよう一二〇%の努力を傾倒いたしておりますが、結局、私ども努力いたしまして民間ベース日本に持ってくるLPガスでございますので、私ども意見というものを政府サイドにおきまして十分御聴取いただいて御決定願いたいということを、特に希望するわけでございます。  第三の問題でございますが、LPガスは、石油製品の中でも一番庶民生活に密着しております。いわゆる家庭、業務用と申します部分が全消費量のうち約四八%でございます、まあ六%ないし八%と申し上げていいかと思いますが、その程度でございます。それから一般ガスと申しますか、古いことばで言うと都市ガスでございますが、一般ガスも大体ガス原料といたしまして四%ぐらいを使っておられます。そういたしますと、LPガスの現在の消費量はかれこれ一千万トンでございますが、五百万トン近くのものは家庭皆さまがお使いになっているし、中小企業方々がお使いになっている。それから、都市ガスのガス源として供給されているということでございます。  その次に、約一八%程度のものがタクシーの燃料を主体といたしますものに使われております。一部では小型トラックの燃料としても使っておられるわけでございますが、大体一八%見当がタクシー用でございます。あと残りが一般の工業用燃料並びに化学工業用の原料でございます。化学工業と申しますと、これはメタール、アンモニアそのものをつくります原料として使われておりますのが残りでございます。したがいまして、工業用の占める割合と申しますものは、先ほどのように庶民生活に密着しておりますものが大体六八%見当でございますので、三二%程度のものというふうに相なっております。したがいまして、私どもとしては、この程度にまでLPガス供給量が減ってまいりました場合に、どういうふうにこの優先順位をつけていただくか、この面につきましては、私ども業界は自由商売でございますので、かってにやるわけにまいりません。できるだけ早く一般消費家庭向けはどうするのか……、業務用といいましてもいろいろな種類がございます。料理屋向けのものもございますし、せんべいをお焼きになる部分もございます。また、旅館向けもございます。そういうものについて、どういうふうな優先順位をつけて配給いたしますのが適正な配分であるかということを、公共の官庁において御決定いただきたいと思います。  なお、そういたしましても、供給量確保にあたりまして消費の節減の目標がおのおの異なってくるかと思います。これにつきましても、私どもとしてはたいへん潜越なことでございますので、業界ベースで決定できません。これは政府早期決定いただきたいということでございます。  第四番目の問題の審議会の点でございますが、先ほどるる御説明申し上げましたように、供給目標早期決定していただきたい、優先順位消費節約目標早期に御決定いただきたいというような熱烈な希望を持っております。そういうことで、この審議会運用いかんによりましては、意見が対立いたしましてこの決定が進まないということになりますと、御承知のとおり、LPガスは日々庶民生活のかてでございますので、こういう事態が起きませんように運用につきましては十分の御配慮をいただきたい、そういうふうに思っております。  なお、具体的な御質問がございましたら後ほどお答えさせていただくことにいたしまして、冒頭の陳述はこれでとめさせていただきます。どうもありがとうございました。
  11. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) どうもありがとうございました。  以上で参考人方々の御意見の陳述は終わりました。  これから参考人方々に対する質疑を行ないます。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  12. 大矢正

    ○大矢正君 石油連盟密田さんにお尋ねをいたしますが、これから一体、原油輸入はどういう推移をたどるんだろうかということになりますと、どなたもこうなるというはっきりした見通しというものは持っておられないと思うんですがね。まあその段階で考えると、政府がひとつはっきりした将来の展望なり見通しが持てるかといえば、これまた政府の見通し自身も非常にあいまいなものがあって、むしろその意味では、最もこの正確さを持つ今後の輸入見通しという点になれば、連盟さんが御判断をされることが、私は、どうもいまの判断としては正しいものが出てくるんじゃないかという感じがするわけですがね。政府は、出先機関を特別持っているわけじゃございませんし、たとえば石油開発公団等がありましても、これはもうどの程度の原油世界各地で確保されるかというような点については、何らの能力を持っておりませんし、そう見てまいりますと、石油連盟さんが大体判断されることが、どうも一番確率の高いというか、確度の高い原油輸入見通しということになるんじゃないかという感じがするんですがね。  そこで結論的に申しますと、第一点としては、今後の原油の見通しをどうつけておられるかということが第一点ですね。それからこれは、私が申し上げておりますのは全体としてという意味で、OAPEC諸国から云々という問題に限定をするんじゃなしに、全世界からのわが国輸入見通しというものは、今後一月以降どうなっていくかということについて、ある程度の御判断がおありになったらひとつお聞かせ願いたい。  それから、たとえばわが国が多額の投資をして、まあ言ってみれば、自主開発を標榜してやったアラビア石油自身が結局大幅な削減をされて、実際は日本の国から金を持っていって掘り当てた油ではあるが、その油を日本自身が持ってこれないというような、しかも、メジャーから供給される量よりももっとひどいカットをされるというようなまことに、情けないと言おうか、残念と言おうか、そういう姿があるんであります。そこでかつては、これは新聞の報ずるところでありますから、確率がどの程度あるのかということになりますとむずかしい点もございますが、私の記憶に間違いなければ、日石さんをはじめとして、かなりのメジャーに資本その他でつながっておられる外資系、特に外資系の精製会社等においては、はっきりとその石油精製会社が必要とする、あるいは販売をする場合に必要とする量の原油確保してやるんだというようなことが、もちろん、この中東紛争の起こる以前ではございますが、しばしば繰り返されてきておったんです。しかし、今日はとうていそんなことは考えられないという事態になっております。  そこで、わが国の自主開発原油輸入問題や、あるいはDD原油輸入問題あるいは中東、OPEC以外の諸国からの輸入問題等々ございますが、いずれにいたしましても、わが国石油というものは、メジャーの考え方、メジャーの出方を考慮せずして将来なり展望を判断することは非常にむずかしい情勢に遺憾ながらある。で、このメジャーが今後どういう出方をするのかということについてお考えがあったら、ひとつこの際、いまの輸入見通し等とあわせてお聞かせを願いたい。  それから次の点は、これは価格に関する問題でございます。先般来、公示価格の大幅引き上げ等が行なわれ、そしてまた最近、OPECOAPECを通して明年から再値上げの動きが現に起こりつつあるという情勢がございます。一方において、イランの原油その他アフリカ原油が十七ドルをこえる、DD原油が、というような非常にとほうもない価格の高騰が現に行なわれようとされておるわけで、まあ買う者が行くから値段も上がるんだといえばそれまでの話でありますが、これは単にイランあるいはその他の諸国のDD原油にとどまらずして、石油価格全体に重大な影響を与えるわけですが、その価格全体の今後の見通しと、それから、特にそれに関連をして、十七ドルをこえるようなこのDD原油輸入問題というものについての御判断をひとつお聞かせ願えないものだろうかということです。これが二点目でございます。  それから第三点目は、先般衆議院政府が備蓄内容を公表したのと、それから石油連盟さんが公表されたのと食い違いがあって、新聞でだいぶ非難をされた面がありましたが、まあ、後日、いろいろ資料を出し合って、おそらく検討された上で似たような数字になったようでありますが、通産省が持っている資料というのは、私に言わせれば、これはだいぶおくれた、二カ月くらい普通常識的にはおくれる統計の資料程度しかないのじゃないか、はっきり言って。石油連盟さんのほうは、それこそ船積みまで押えた統計なりあるいは資料は入手できますけれども、通産省は、比較的この資料の入手というのはおそいというわけですね。ですから、その間いろんなずれがあるでありましょうけれども、結局結論的にいうと、あとで一致されたようではありますけれども、何かすっきりしないのですね。どっちの言っていることが正しいのかということになると、完全に一致したわけではなくて、まだ何かこの備蓄量の問題についてはちょっと違いがあるように思う。何かこれは私が申し上げるというよりも、新聞その他ですでに書かれていることでありますが、どうも石油連盟さんはある程度押え込んでおいて、隠して、それを公表しない部分があるのではないかというようなことまで言われている面があるのであって、これは、もしそういうことがあると言われるということが非常に事実に反しているとすれば残念なことでもありますから、その辺のことをひとつお聞かせ願いたいということです。  最後に、今回法律事項になっているものはあくまでも緊急措置で、当面いま何をするかと、ここ半年ないしは一年を限度にした、言うならば緊急対策ですね。しかし、石油それからエネルギーという点になりますると、半年や一年程度の短期間の対策を法律でつくればそれで済むという問題ではなくて、これは政策上もそうでありますが、法律的にもやっぱりもっと幅を広げた、しかも将来展望に立ったエネルギーに関する基本的な政策、それから各論としての石油とか石炭とか、あるいは二次エネルギーとしての電力とかいうような分野にわたって一つの対策が必要になってくると思うのであります。  そこで、特に油の問題に関係されておられまする連盟のほうとして、いまの緊急対策もさることながら、将来に対して、どういうようなことを政府は思い切ってこの際やるべきだ、あるいはやっておくべきだと。たとえば、どういう措置を明年度予算あたりでは組むべきではないかというような、将来展望を踏まえた上の一つの政策的な希望意見があったらあわせてお聞かせいただきたい。  以上です。
  13. 密田博孝

    参考人密田博孝君) どうも御質問はたいへん大きな問題で、しかも将来の予測をどういうふうにするか、何に根拠を置いてそれを考えるかと、たいへん率直に申しますと、ここでだれもなかなか考えにくい問題あるいは考えましても、それぞれ違った結論が出てくると、こういった問題ばかりなものですから、私としてもこれが石油連盟意見であるというふうに申し上げることはできないのですが、いま感じておりますことを中心に、いまの御質問に若干お答えしてみたいと思いますが、そういう意味でひとつお聞き取り願いたいと思うのであります。  原油の見通し、特に来月以降どういうことになるかということにつきましては、いろんな問題も考えなくちゃいかぬのでありますけれども、第一には、やはり将来OAPECがどういう態度で原油供給してくれるであろうか、あるいはそれがどういう要因で動いていくのだろうか、こういうことになりますと、これはどうもいまの段階では、業界があらゆる手段を講じましても、たとえばあとでも価格の問題で出てまいりますけれども、御指摘のありましたイランの十七ドルというような公開入札のDD原油がありましたが、たとえば、むちゃくちゃな値段を出しまして何でもかき集めるのだと、こういいましても、その対象となる量はきわめてわずかであります。したがいまして、たいへんどうもそれからまたいろいろの影響する問題が出てきましても、なかなかそれでもって将来の原油確保という道には私はつながらないと思います。したがいまして、OAPECは、私の考えておりますことは、やはりこの二十二日から始まりますアラブ・イスラエルの平和会議がどういうふうに動くかということが最大の要因でありまして、これは日本の外交政策も関連いたしましょうし、あるいはまた国際情勢もそれによって変化するということでありますから、簡単に言いまして、なかなかどうもそれは急速に進捗するというふうには考えられません、相当長期間かかるのではないか。  そういたしますと、やはりアラブサイドといたしましては、これを有利に解決しようということで、原油を武器に、いつまでも手に持って放さない。これは私は、現段階の予想といたしましてはある程度予想され得るのです。それで現在、御承知のようなことで、アラブの生産削減率は二五%であります。一月からその上に五%上乗せしようということも、これは最終的ではないかもしれませんけれども、きまっております。やはりこの状態が非常に長期ということではありませんが、いま言いましたような平和会議がどういうふうに進むかということと並行して、そのぐらいの減産というものは、当然、やはり将来見込んでおかなくちゃならぬのではないかと思います。  それからもう一つは、やはりメジャーの動向でありますけれども日本供給しておりますいまのOAPEC生産原油も含めまして、大体八〇%以上というものは日本に対してメジャーが供給しております。そうしますと、メジャー自体もやはり減産の影響を受けておりますから、本年の九月以前の原油量はとうてい維持しておりません、手持ちが減っておるわけでありますから。したがいまして、メジャーはメジャー自身の原油繰りと申しますか、それによって各国に対する、特に日本に対する供給量というものを自分できめております。  きめる際に、どういうきめ方をするかということについては、詳細はわれわれ関知し得ないわけでありますが、大体いまのところ平均して二〇%カット、こういったようなことになっております。たいへんでこぼこはございますけれども、総平均いたしますと二〇%カットであります。それで日本に対する態度、これは通産省もメジャーの日本の各社を呼んで考え方を聞かれましたが、その際には、非常に世界各国に公平に供給する考えであるから日本もその例外ではないと、こういう言い方をいたしております。ただし、どうも各国によって、アメリカにしましても、英国にしましても、あるいはフランスにしましても、それぞれ各国の個別の特殊事情というものがございましょうから、そういうその国のやはり方針に沿って、この考え方も影響されないとは断言できないと思うのです。そういうことを前提にいたしまして、生産制限しておりませんイランでありますとか、あるいはインドネシアでありますとか、その他の諸国の原油もやはり当然にそれの影響を受けております。したがいまして、いまの予測から申しますと、そういう要素を総括して考えますれば、現在の日本へ対する供給削減率、これは当然少なくともやはり一-三月の間は続く、こういうふうに私は考えざるを得ないと思います。四月以降につきましては、これはいまのところ全然私はここで申し上げる資料を持ち合わせておりません。  それからもう一つは、やはりこういう混乱状態でありますから、輸送がたいへんに影響を受けております。いま申しましたような量がかりに確定いたしましても、輸送期間が長引くとか、そういうことによって当然入るべき期間に対する量がそれだけ減ってくる、こういうことも当然考えなければいかぬわけでございます。したがって、いまのところわれわれとしましては、最終的に何によって原油の予測をするかということになりますれば、やはりいつ原油を船に積んで、それがいつ日本へ到着するんだと。いろいろな削減率の前に、到着ベースによるところが一番確実であろう、これがミニマムをはじき出す一つのボーダーラインだと考えております。その辺に通産省とわれわれ業者との作業の相違が現在までございました。したがって、以前には通産省は、期中平均で二八%不足するだろう、その当時のわれわれの予測としましては二三、四%不足するのではないか、こういう食い違いがございましたが、いまのところではその両者のいろいろな情報なりデータなりつけ合わせまして、大体意見が一致しております。  そうしますと、期中平均で大体二〇%、正確に申しますと一九・八%ぐらい。十月-三月の間にわれわれが輸入計画を持っておりましたものに対して約二〇%不足するのであろう。これは十月から十二月までの間は、大体予定どおり二千万キロ以上毎月入っております。したがいまして、その二〇%の減少というものは一-三月にしわ寄せがくるわけでございます。したがって、そこは二〇%をオーバーいたしまして、大体二五、六%の不足になるであろう。こういうことで、その一-三月に入ります量を大体五千七百万キロぐらいに考えております。六千万キロ弱でございます。いまの段階で申し上げるのはその辺で、しかも、これは大体毎月の二十日過ぎに見直しをやっております。そうしますと、翌月に入る油が大体の見通しが立つわけでございます。したがって、いま申しましたことも今月の二十五、六日にもう一ぺん一月分を見直しいたします。同様のことを毎月繰り返します。その段階において数字が若干ずつ変わってくると、こういうこともあり得るかと思います。  いまのようなことで、それでたとえば、四十八年度全体がどういうことになるかということの数字を概略申し上げますと、この上期は予定どおり大体入っております。一億四千五百万キロでございます。それで下期はいまのような話を前提にいたしますと、大体一億二千八百万キロ、合計いたしますと二億七千三百万キロ、それで、われわれが持っておりました輸入計画は三億三百万キロでありますから、それに対比いたしますと約九〇%、輸入計画については、年度間を通じますと九〇%というものがこれは予想も含めまして入るであろうと、こういうふうに考えております。それで御参考に申しますと、四十七年度の輸入実績は、これは二億五千五百万キロでありましたから、それに対しますといまの予想数字も入れまして、大体こおしの原油輸入量は一〇七%、結局、こういうふうにたいへん原油が足りないと言っておりますけれども、昨年の実績を七%上回る、そういうものが四十八年度にはもう過去には入っておりますし、あるいはまた一-三月には入るであろう、一応そういうふうに考えておるわけです。  それから、自主開発の問題も先ほどお触れになりましたけれども、これは先ほど御指摘のように、アラビア石油といえどもたいへんな投資をしながら、しかも四十万バーレル、大体年間に二千万キロ、そういう生産を続けてまいりましたけれども、現在入っておるのはその半分でございます。したがって、どう申しますか、たいへんどうも苦労しながら率直に申しますとむだなことをしておるではないかと、こういう緊急時に自主開発したものはまるまる持ってこれてこそ初めて原油開発の意味があるんだ、こういうふうに考えられるわけでございます。私もその意味では同感でございます。しかしながら、中東はもうすでに国有化をやっている国もありますし、あるいはパーティシペーションを五一%、クウェートあたりは六〇%、こういうふうなことも考えております。したがいまして、そういう意味では、どういう事態がどういうことでわれわれの自主開発原油に起こらないとも限らぬ、これはやはり一つのこういう仕事のリスキーな一面だというふうに考えざるを得ないわけであります。  したがいまして、そういう政治的な不安、あるいはどういう問題が起こるかもしれぬというような地域の開発はできるだけ避けまして、これは日本近海でもしも原油を開発できればそれにこしたことはありませんけれども、それとてもやはりいろんな国際問題が起こる可能性もございます。したがいまして、今後の方針としましては、やはりできるだけ正常な、安定した、投資したものが全部回収できると、こういった開発方針を十分頭に入れなくちゃならぬかと思いますけれども、御承知のようなことで、原油のあるところは中東が非常に大きなウエートを持っております。できるだけ原油を早く、あるいは量的にも確実にということになると、やはり中東に目を向けざるを得ない、こういう矛盾があるわけでございます。そこらがやはり日本の今後の原油開発の一つの問題点として大いに研究する必要があるかと思います。  それから、価格の見通しでありますけれども、先ほどおっしゃいましたように、今後の原油価格は、これはもう騰貴することは覚悟せざるを得ないと思います。現在の日本のFOBの平均価格が私は四ドルを上回っておると思います。おそらく、最近の高いDD原油も相当買いましたし、それから、現実にはインドネシア原油はすべて六ドルになっております。そういうことからいたしますと、あるいはもう五ドル近くになっているかもしれません。そこへもっていって、インドネシアは来年一月からさらに価格の見直しをやる。私は、これはやはり八ドルないし十ドルというものを考えなくちゃいかぬのではないかと思います。それからDD原油は、十ドル以上というものが非常に続出してまいりました。これに当然メジャーも実勢価格をさや寄せいたしましょうし、あるいはOPEC諸国公示価格を、現在一応の基準となっておりますアラビアンライトは五ドル十一でございますが、これも早晩また大勢に近寄っていくだろうと思います。そういたしますと、やはり将来の原油価格というものは、少なくとも六ドルないし七ドル、平均いたしましてそういったような日本の平均価格になるのはそう遠いことではない。まあ、それに対するエネルギーコストがどういうことになるかということも、十分早急にわれわれ検討しなくちゃならぬ情勢だと考えます。  それから、在庫の問題でございますけれども、これは私、この前衆議院商工委員会で申し上げましたのは、質問が、製品在庫はどうか、こういうお尋ねでありましたので、半製品を含めずに申し上げました。したがいまして、三月末にはもう十六、七日分、どうもミニマム・ランニングストックはもうその辺まで三月にはいくかと、こういうお話を申し上げましたが、この製品、半製品を含めますれば、通産の考えておる数字とはそう相違はございません。原油につきましては、これはもうほとんどわれわれと通産の数字とは変わりはございません。  それで、われわれといたしましては、先ほども申したように、原油の入るのを、それから各社の生産計画、そういうものを一括いたしまして、一本として必要な場合には外部に発表いたしております。それから役所のほうは、各社別に数字をおとりになって、それを統計として使っておいでになるわけでありますが、原油あるいは製品、半製品の在庫の数字というものは、それぞれ各社のいろんな営業上の機密その他に関係するものですから、個別の発表というものはなかなかどうもしたがらない。しかし役所は、行政上の必要で各社のヒヤリングをおやりになりますから、そういう意味から申しますと、むしろ役所のほうがこまかいデータをお持ちになっているということが、ある意味では言えるような気がいたします。食い違いは現在のところございません。  それから、将来のエネルギーの対策でございますが、お話のように今度の法案は、これは緊急対策でございますから、どうしても将来、たとえば中東の情勢が安定いたしましても、なかなか以前のような、日本エネルギーが年率にいたしまして一〇%、一五%、場合によるといままで二〇%もふえたことがございますが、そういうことは私はとうてい考えられないと思います。したがいまして、それをどの辺に押えるかということが、これは今後の一つの日本経済全体の動きと関連いたしますから、なかなか来年度の予算の問題にいたしましても、やはり来年度の原油輸入量を基礎にしておやりになっております。それからいたしますと、どうしても一〇%、少なくとも一〇%以内のエネルギー増ということしか常識的には考えられないのではないか、しかも、それも相当先のことでございます。  そうだといたしますと、これはどうも省エネルギーエネルギーをいかにして有効に使うか、それをどう産業活動に反映させるか、こういったことになってまいります。したがって、やはり産業構造の問題、将来の産業活動の問題、そういうものに基本的に関連してくるわけでございます。それとともに、いまの緊急事態を見ましても、どうも国民生活のエネルギーの使い方、これも非常に各国が制約しておりますものと比べますとぜいたくでございます。まだ消費ではなくて、浪費の部分が相当あると私は思います。それからもう一つ、非常にきめこまかく、たとえば石油を使うのと電力を使うのとどちらが効率的で、どちらが有効なんだと、こういうきめのこまかいひとつエネルギーの使い方の指導を国民生活の中へもっと入れていく必要がある。その辺はやはり業界には限度がございますので、国全体としての将来のエネルギーの使い方を大いに研究する必要があるかと考えます。  たいへん言い足りませんけれども、お答えいたしました。
  14. 中尾辰義

    ○中尾辰義君 最初に密田参考人にお伺いします。  大体いまのお話である程度了解したんですが、例のOAPECは今度の一月から追加削減もあるということで、かなりきびしいんですが、OAPEC以外の、いまも少しお話がありましたが、イランとか東南アジアの状況、今後輸入の見通しがどうなのか、値上げの動きもいま説明がありましたが、その点OAPEC以外のほうの見通しをもう少しこまかく説明をしていただきたいと思います。値段の問題、将来の見通しの問題、輸入の見通しの問題、いろんなメジャーとの関係の動きの問題等、それが一点。  それから、松村さんにお伺いしたいんですが、少々皮肉な質問かもしれませんが、これは新聞にも出ておりましたが、大蔵省の留易統計によりますと、十一月中の原油輸入は昨年の同月よりか五・四%ふえている、二千三百九十八万キロリットルになっておる、こういうような記事ですね。ところが実際問題は、流通段階でどうなったのか知りませんが、もう先月あたりから相当流通段階では混乱を呈して、不足状態が出ておるわけですが、なお流通の実情というものが、いまはむしろ値段よりか品不足で、数量確保のほうが先決だというようなことで、かなり石油の争奪戦というようなことが演じられておると、こういうようなことも報じられておるわけですが、実情はどうなのか。量はあってもなぜこのように品不足になっているのか。あなたのほうでどういうふうに判断なさっていらっしゃるのか。また、それをこの法律が通りまして、流れが円滑にいける自信があるかどうか、その点ひとつお伺いをいたします。  それからLPガス協会の深尾さんにお伺いしますが、いまLPガスは、家庭用十キロで千三百円と一応指導価格がきまったわけですが、これは、元売りの値段はどうなっておりますのか。  それと、LPガスはいま実際にどの程度カットしていらっしゃるのか。これもいろいろと、三割カットをされておるとか、その三割カットが小売り屋さん、また家庭に行く段階で四割カットのところもあれば、二割カットもあると、いろいろな情報を耳にするわけです。ですから、それも、この法案自体は、値段のほうは国民生活安定法で標準価格をきめますが、これは流通を円滑にするという法案です。ですからそういう点から、そういうような不公平なカット率というものが、将来これが実情とうまくいく自信があるのかどうか。なぜそうなったのか、その辺のところをお伺いしたいと思います。
  15. 密田博孝

    参考人密田博孝君) 先ほどメジャーの供給方針についてお答えいたしましたけれども、先ほど言いましたように、メジャーがはたして一体、どういう考えで日本供給先には供給をいまの段階でしておるかと申しますれば、たとえば、平均二〇%ぐらいの削減通告をしてきておると先ほど申しましたけれども、中にはフランス石油のように、非常に日本に、どう申しますか、いままでの取り引き経過から見ますとたいへんな親近感を持っておった。これもメジャーの一社でありますけれども、そういう会社が、現在の通告率は五〇%にも上へ上がってしまっておる。一体これは何に基因するのであろうかというような、そういう疑問も実は出るわけであります。  それから民族系と外資系につきましては、やはり何と申しましてもメジャーはそういう業務の提携会社でございます。しかし、どうもいままで外資会社を優先して民族会社をあとへ回すと、こういう形跡はいまのところあらわれておりません。したがいまして、メジャーが言っておりますように、公平に配分するんだということは、私は一応信じてもいいかと、こう考えますが、ただ、いま例にあげましたフランス石油なんかは、これはやはり、フランス石油自体にもフランス政府の出資が相当入っております。あるいはまた、その国の特殊事情によりまして自国優先と、こういう考えがないでもないと思います。これは私の想像でございます。事実そうかどうかはわかりません。そういうことで、どうも一律的に今後メジャーの態度がどういうふうになるかということは、これはどうも私ここで申し上げる資料を持ちませんので、これ以上は申し上げかねます。  それから価格の問題でございますけれども、これも先行き相当平均いたしまして上がるということは、これはもう覚悟せざるを得ないと思うんです。それで、価格の値上げが始まりましたのは昭和四十五年の末、四十六年の一月からであります。これは主としてOPECとメジャーとのいろいろな協定がございます。それ以降、もうすでに事業参加協定を含めまして六つか七つの協定があるはずだと思うわけです。その中には、やはり世界的なインフレ傾向にヘッジいたしまして、一応取りきめた価格は毎年一月一日に見直しをする。これはまた、いまの価格に上乗せして、来年の一月にも当然出てくるはずであります。  それから為替の変動相場、これの変動一%によりましては、これもやはりOPEC公示価格に影響してまいります。最近は円安でございますから、それとドルとの関係が変動いたしますれば、その意味においては価格は、ドルが高くなりますれば日本のFOBはそれだけ下がるはずでございます。まあ、そういう要素も一方ございますけれども、先ほど申しましたように、現在の四ドルないし五ドルのFOBの平均というものは、近からずして来年にでも平均六ドル、七ドルというところへ上昇するのではないか、私はこういうふうな考え方、見通しを持っております。  以上でございます。
  16. 松村信治郎

    参考人松村信治郎君) 次に、松村がお答えいたします。  問題は、需給の面と流動秩序の問題と、それから個々需給者の事情の問題と、そういうぐあいに分析して、多少一般論で言いわけのような実情説明になるかもしれませんが、商品の中で、このうちガソリン軽油という運輸にウエートのかかった問題と、それから灯油A重油のような家庭あるいはビル暖房とか、あるいは公害対策に関連する商品と大きく分けまして二種類ございます。それをそういう分類で一つずつ御説明いたしたいと思います。  まず灯油A重油という家庭用あるいは公害対策用、あるいは暖房用ということで需給について申しますと、御存じのとおり、灯油は十月末在庫あるいは十一月末在庫でも、昨年度よりも百万トンも多い在庫の状態で冬に入った、しかも、生産も非常に灯油に重点を置いた生産をして、需給の面からマクロには十分あったと言えます。ところが、昨年と違いますのは、灯油は御存じのとおり季節商品でありますから、昨年でありますと、十二月まであたたこうございまして、むしろ灯油在庫が余りまして、三月、四月に寒さがぶり返して、例の春闘の時分に灯油が非常に払底したというような事情がございました。これに対して本年は早くから寒さが到来して、全国的に非常に需要が多くなったということが言えます。しかし、数量的には、マクロの状態では業界としては確保したつもりでおります、特に灯油につきましては、特にその中の民生用につきましては。ところが、実情は個個の事情は違うわけであります。  それから、今度流通秩序の問題でありますが、民生用灯油灯油供給につきましては、われわれの業界の手だけでは各御家庭には供給ができません。やはりわれわれ以外の約十万と称しますか、薪炭、米業者の手も借りないといけない。これに供給の協力を得る体制でもって御家庭にそれが供給できておると。ところが、時節柄  従来は自由企業でございまして、先ほどから申しましたように、流動秩序が非常に複雑また多数混乱した状況でございます。で、地域別に、あるいは系列別に、あるいは個々のお店の都合に、あるいは従来の需要者、消費者の方がどういうところからお買いになっておったかという個個の事情によって、非常に選択販売かその流通秩序の過程にあったということは認められると思います。そこで、いろんなトラブルが起こっております。  それから価格につきましても、例の三百八十円でありますが、石油業者といたしまして私は責任をもって指導をする確信を持っておりますが、何ぶん、これが地方に行きますと、特に東北がひどいわけですが、三者、四者、五者まで――薪炭屋さんまでいきますと五者とわれわれまあ称しますが、そうしますと、元売りベースでの仕切り価格一万二千八百円、約一万三千円、これは全国平均価格であります。でありますから、東北のようなところはその価格自身が最初からゾーンプライスと称して、一万四千円にほぼいっております。そこからスタートいたしまして、何段階かの流通段階を経ると、中には――だんだんいま改善されておりますが、販売業者が入手した段階ですでに一万七千円、八千円というのもございます。そうしますと、そこからは三百八十円では非常にむずかしいという事態もございましたです。しかし、この仕切り価格もいま地ならしをしております。そういうことで流通秩序にも、従来は非常に自由でございましただけに不備な点がございます。  それからもう一つ、今度暖房用に関連します灯油に関連してA重油でありますが、またあとのガソリン軽油にも関係するわけですが、灯油に重点生産を移したために、他の商品は全部連産品でございます。したがって、一番影響を受けるのはA重油軽油ガソリンというところにまた逆に影響が出てまいります。これの量が、やはり供給が少なくなってまいります。そういう需給に関連して、特に連産品であることと、流通秩序が問題だと、それから個々には従来の取引――お買いになっておる先がいろいろなケースがある。本来の正規のルートでない、だれでも扱うことができた商品でありますから、油を扱っておられればそこから買っておられた。そこが、こういう時勢になりますと、供給体制が非常に不備で、お断わりするという事態が出てきておるという個々事情もございます。  まあ、たいへん説明が乱雑になったきらいもありますが、簡単に申しますと、そういうことになるかと思います。
  17. 深尾憲治

    参考人深尾憲治君) お答えさしていただきます。  ただいま御質問のございました指導価格千三百円の問題でございますが、冒頭にお断わり申しておきましたように、私どもは俗にメーカーといっておりますが、生産並びに輸入分の販売もとでございまして、末端の価格のことについては明確にお答えはできませんが、私どもの下店のほうからいろんな意見を聞いてまいりますと、ただいまのところ新聞紙上では、まだはっきりしていないじゃないかというようなおしかりを受けております。しかし私は、必ずや相当程度の成果があがりまして、いままでの高いものがかなり適正な価格にいくんじゃないかということを期待しております。それだけお答えさしていただきたいと思います。  それから、ただいま中尾さんから御質問のございました元売りの価格といいますと、私どもが出す価格じゃないかというふうに了解さしていただいてよろしゅうございましょうか。
  18. 中尾辰義

    ○中尾辰義君 ええ、けっこうです。
  19. 深尾憲治

    参考人深尾憲治君) この価格は、実は非常に暴騰をいたしました。原油につきましては、OPEC関係のいろいろな操作がございまして、現在までのところ、まあ徐々にと申しますか、毎年と申しますか、毎月と申しますか、徐々に上がってきております。ところがLPガスにつきましては、先ほど御説明いたしましたように、十年ないし十五年の輸入長期契約をいたしております。したがいまして、いままでのところそれほど目ざましい大きな輸入価格、すなわちFOBの上昇はございませんでした。それが、先ほど御説明いたしましたように、ことしの春ごろから世界的にガスエネルギーが不足してまいりまして、LPガス世界マーケットで非常に貴重視されてきたということで、世界各国が高い価格で輸入するという現象が出てきた影響をまともに受けまして、非常な暴騰をいたしました。  ことしの十月ごろのFOBの価格が、これは私、各社の意見を大体聞いておりますが、的確なことは企業秘密もございましてつかんでおりませんが、大体トン当たり二十五ドル見当というふうに想像していいのじゃないかと思っておりますが、それが新聞紙上ですでに大々的に報ぜられましたように、六十九ドルぐらいに暴騰いたしております。こういうことでございますので、この差額を計算いたしますと、そのFOB価格だけで一万三千五百円ぐらい上昇しております。そのほかに運賃の増加とか、それから、非常に品物の入手が現在のところはやや順調にはいっておりますが、私どもが仕立てました船が現地に参りましても相当待たされる。これは専門語でデマレージと申しておりますが、デマレージがかなりかかるということで、大まかに言って、トン当たり一万五千円ぐらい上がってきたのじゃないか、そういうふうに想像いたしております。そういうことで、私どもがこんな多額の金額は負担いたしかねますものですから、これを特約店のほうに値上げをいたしておるというのが現状でございます。  次に御質問がございました、LPガスはえらいカットしているじゃないかという御説でございます。これは、需給バランスを御説明いたしますと長くなりますが、十月から三月まで、すなわち下期について去年とことしを比較いたしてみますと、去年の数量が大体五百万トン出荷いたしております。ことしは五百万トンの出荷がむずかしいんじゃないかというふうに考えております。また、これを四十七年の上期と四十八年の上期、これで比較いたしますと、ことしの上期は、去年に比べまして二〇%出荷量が増加いたしております。これは、即消費量が増加しておるものと私どもは考えております。先ほど申しましたように、去年の数量もことしの十月から三月まではむずかしいということが一つの悩みでございます。  それと同時に、十月、十一月はまだ一般に消費節約なしというような状態でございましたので、かれこれ二〇%までは去年に比較して月別には増加しておりませんが、一〇%見当のものはすでに増加して出荷されております。したがいまして、十二月、一、二、三と、この四カ月分につきましては去年の量がとうてい確保できない。場合によったら、去年の量の一〇%あるいはそれ以上のカットをした数量じゃないと供給できないのじゃないかということを懸念いたしております。こういうことでございますので、一般に三〇%カットされたとか、いや、もっとカットされたと申しますが、これは何に対して二〇%か、三〇%か、四〇%かということになると、私どもさだかでございませんが、特約店とか販売店が、自分が売りたい数量に対して三〇%なんだということになりますと、これはあるいはそういうケースがあるかと思います。  もう一つ申し上げておきたいことは、この「LPガスの話」をちょっと読んでいただきますとおわかり願えますと思いますが、LPガスは、従来非常に順調に供給力がついてまいりました。したがいまして、消費のほうも何ら御心配なく消費されていた。したがって、LPガス業界というものは、役割りとしては非常な大きな国民生活上の役割りを果たしてきたわけでございますが、これが世間の目からは隠れていたということがございます。その隠れていた面の中に、流通経路が多少おかしかった面がございます。たとえば非常に、どこにおろされた品物を持っていったのか、的確にわからないような売り方をされた流通段階もございました。そういうような流通段階の部面に対しては、メーカーといたしましては、非常に玉が足りないものでございますので、適正に売ってくださって消費者に直結されている方には、はっきり削減が影響してまいりますので比較的ゆるやかにした、どこに売っているかどうもさだかでないところは、削減率がしたがって多少大き目になるというような現象が現実に十二月段階で出てきたということは、いなめない事実だと思います。  しかしながら、私ども業界は、末端の業界団体と一緒になりまして、通産省資源エネルギー庁の御指導もございまして、LPガス緊急対策本部というものを近く発足きせる予定でございます。これは県単位で末端の業者LPガス協会にまず受け口をつくりまして、どこで足りなくなっているかというようなことを緊急に調査いたしまして、そういう問題が起きましたらそれに対してクイックアクションをとって、何とかガス切れが起きないようにしたい。もし県単位で解決できなければ通産局単位で解決をはかっていこう、さらに、そこで解決できなければ全国的な解決をはかっていこうというような準備体制を現在整えておる段階でございます。  先生御指摘のように、流通段階が必ずしもうまくないのじゃないかという御指摘は、非常に痛い点でございますが、一つ問題となっております点を御参考までに申し上げますと、このLPガスというものは、特に家庭用に限って申し上げさしていただきますと、配達エネルギーでございます。非常に便利なエネルギーでございますが、配達を伴うエネルギーでございます。灯油のように、店先に置いておきまして、奥さま方がそれを取りにいって、それで自由にお使いになるというようなエネルギーでございませんで、これは法の制約を受けまして、国家試験を受かりました販売者が、あの重いボンベに入りましたLPガス、たとえば五十キロボンベ――中身五十キロのボンベで申し上げますと、中身は五十キロですが、あの鉄のボンベは中身と同じ重量がございます。そういたしまして、大体百キロの重さがあるわけでございます。この百キロの重さがございますものをかつぎ込みまして、お台所の近くのパイプまでつないで、そしてガス漏れがないかどうかということまで確かめてお渡しするわけでございまして、ボンベには一切家庭の奥さま方は手が触れられない、そういうような法規制もございます。これは安全確保の面からできておる法規制でございますが、そういうことになっておるエネルギーでございます。  したがいまして、これはどうしても持ち届けなきゃならないものでございますが、ここで問題がございますのは、定期的に持ち届けができない。新聞でございますと、毎朝一定の時間に配達するということ、夕方夕刊は一定の時間に配達するわけでございますが、LPガスというものはそうはいかない。ある御家庭では五十キロボンベを一カ月でお使いになる、あるいは二カ月でお使いになる、ガス切れを来たさないように業者はしょっちゅうウォッチしておきながら、不連続的に配達しなきゃならないという苦しみを持っておるものでございます。そういうふうなことでございますので、流通問題にいろいろ問題がございまして、世間の皆さま方が簡単にお考えいただくようにはなかなか流通段階の問題がうまくいかないということで悩んでおる実情だけは、ひとつ同情の目を持っていただきたいと、そういうふうに考えております。
  20. 栗林卓司

    ○栗林卓司君 二、三お尋ねをしたいと思うんですけれども……。
  21. 深尾憲治

    参考人深尾憲治君) 私でございますか。
  22. 栗林卓司

    ○栗林卓司君 いや、まず皆さまに同じ質問をしたいのと、個々にお伺いするのと分けてお尋ねしますけれども、お耳ざわりかもしれませんけれども、実は先ほど参考人方々の御意見を伺っておりまして、今回の法案には賛成であるというお話がたいへん私にはけげんに思えた。というのは、どちらにしても、これは皆さまの営業行為の自由を束縛する法案であることは間違いないわけですけれども、それがそれぞれに賛成であるとなぜ言われるのか、これは各参考人から後ほど承りたいと思います。  次は、個々にお伺いするんですけれども、まず深尾参考人にお伺いします。  LPGの供給については楽観論悲観論とあるけれども、きびしい見方をすべきである、当然、今後の政策を考える場合にはおっしゃるとおりだと思うんです。ただ、それと、きょういただきましたこの「LPガスの話」というパンフレットと少し違い過ぎるんじゃないか。これは拝見しますと、ことしの八月にお出しになったわけです。中を拝見すると、供給不安ということは書いてないんですね。こういったものがまた裏打ちされて、ただいまおっしゃったように、今年度上期でいえば前年比二〇%伸びた、下期に入っても余勢がついてまだ伸びたということなんですけれども、なかなか政府にどうこうしろと言いましても、必ずしも専門家じゃないし、専門家じゃない者が何かに言うのがおそらく皆さまの御不満な点もあろうと思うんですけれども、そうであればあるほど見通しをしっかり立てて、どういうぐあいに需要を育てていくかというのは業界御自身の責任ではないのだろうかという点で、理解をしかねる気がいたしました。  そこで、こうなりますと、なるほどこんな見通しつくものかという面があるんでしょうけれども、こうなりますと、優先順位をきめていただきたいと先ほど御強調でございました。ただ、LPガスの場合には、先ほど来おっしゃっておりますように七割近くが民生用である。優先順位をつけるというのは非常に困難なんです。そこで、前途はきびしい見方をすべきであるということと、優先順位をきめるべきだということは、今後はLPガスの利用について見直しをすべきであると理解してよろしいでしょうか。  具体的にしぼってまいりますと、LPガスのタクシーがなぜできたかというと、この原因というのは主として税制だと思います。したがって、税制を直して、きわめて近い将来にLPガスのタクシーはなくす方向にいくべきであるということも内々お考えなんでございましょうか、御意見を承りたいと思います。  今度は密田参考人にお伺いしたいんですけれども、なるほど、石油の得率というものはある関連がありますから、そう変えられるという問題ではないと思うんです。ただ、ガソリンとナフサとの例をとりますと、その間の得率変更というのは技術的にそうむずかしくはないと聞いておるんですけれども、その場合に、たとえば電力用のナフサがある、その他のナフサがあるという意味で得率を変更してガソリンを減らして云々という対策を至急とったほうが、この切所には役に立つんではないかとしろうとながら考えるんですけれども、その点いかがお考えでございますかという点です。  最後は、松村参考人にお伺いしたいのですけれども、現在の流通市場を何とか整理するように御配慮賜わりたいということなんですけれども業界秩序というのは、元来は業界みずからがつくるべきものだと私は思います。なるほど、もうどうにもこうにも手も足も出ないと、まあ、政府のほうでというお気持ちはわかるんですけれども、それはそれとして、どういう対策を業界秩序確立の面で打ったらよろしいとお考えでございましょうか。  以上、承りたいと思います。
  23. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 参考人に申し上げます。時間がだいぶたちましたので、おそれ入りますが、簡潔にお願いをいたします。
  24. 深尾憲治

    参考人深尾憲治君) パンフレットと違っているじゃないか、御説のとおりでございます。ただ、根本的に内容はこういうものであるということでお示し申し上げたわけでございますが、先ほどちょっと触れましたように、ことしの春、私ども輸入玉をどうしてもふやさなきゃならぬと思いましたところが、これが世界的なガスエネルギーの不足状態、特にアメリカが天然ガスが減ってきたという影響を受けまして、大きく買いに世界マーケットに突入してきたということで、ことしの春あたりから、LPガスがどうも供給力に問題があるということが出てまいりましたことと、もう一つは、半分が国内生産でございますが、その分が十月十六日以降の原油削減の問題で大きく影響をした。実は、八月発行でございますが、原稿を書きましたのは春でございます。その段階ととんでもなく舞台回りが違ってきたということでございます。  それからもう一つ、業界としては自由を束縛されるのになぜこの法案に賛成かと、ごもっともでございます。ただ、あまりに舞台回りが変わりまして、LPガス供給力が減ってまいりました。したがいまして、この供給力の減った中で御説のとおり七〇%あたりが民生に影響しております。そういうことでございますので、民間ベースで、減った財源を先ほどから申しておるように、いかに適切に、適正に流していくかということになりますと、民間ベースではどうしてもできない、あるルールを政府の手でおつくりいただかない限り何ともならない。これが結局は国民生活に不測のヒッチを起こしてはいけないという、業界社会的責任感から来ておるものというふうに考えております。  それから、LPガスの利用は将来見直さなきゃならないんじゃないかという御意見、ごもっともでございます。これにつきましては、私どもにわかな結論は出てまいりませんが、いままでと違ってずっと順調に伸びてまいりましたが、これは再検討を迫られるものというふうに了解いたしております。  次に、タクシー向けについて御説がございましたが、これはなるほど税制の面が非常に大きゅうございます。ガソリンでございますと、キロリッター当たりにいたしますと二万八千七百円でございます。ところが、LPガスをこれもキロリッターに換算いたしますと、約九千円から一万円でございます。これだけの差額がございます。これは税金の問題だけじゃなくって、やはり足りないエネルギー、ガスエネルギーというものをどうするかというと、税制とは別にしても、これは国家的な立場からあるいは再検討の必要があるんじゃないか、そういうふうに業界としては考えております。
  25. 密田博孝

    参考人密田博孝君) この立法趣旨は、あくまでも緊急対策であります。したがいまして、緊急時宣言のある間は、これはやはり需給をその法律の趣旨に基づいて適正に吻合させると、こういう意味で、その間はいままでの自由取引ベース、これをそこで調整するのはやむを得ない。  それからもう一つは、原油がもっと窮屈になりますと、自由取引ベースの限界というものがございまして、そういう意味からそこで混乱を起こさないようにという趣旨で賛成であります。  それからもう一つは、ガソリンとナフサの得率の問題です。これはほかの品種ほど得率を変更することはむずかしくございません。ナフサは粗製ガソリンでありますから、したがってナフサを多くし、ガソリンをそれだけ減量させるということは、これはある程度できるわけであります。ところで、ナフサは燃料用ナフサ、あるいはこれは公害対策でございます。それから石化用の原料ナフサ、これがございます。それからガソリンも、これは非常にマイカーが目下のところ対象になっておりますけれども、その中には中小企業を主とした業務用のものが相当ございます。これらを一体、それじゃどういうふうな量をきめたほうが国民経済的に一番有効かということは、これは自由取引ベースではできません。したがいまして、そういう意味の一つの政府のガイドラインと申しますか、その業種別、用途別の総量をひとつ目安をつける、このことが当然これから原油が不足のときには、緊急時には私は特に必要だと思います。したがって、そのガイドラインができますれば、それに適合したようなガソリン、ナフサの量の変更はある程度調整できると考えます。  以上でございます。
  26. 松村信治郎

    参考人松村信治郎君) 申し上げます。  今度の需給問題のトラブルを見まして、石油というものがいかに大きな公共性があるかということをひしひしと実感しております。そういう意味で、マクロ需給問題も大きゅうございますが、実際、その需給もとに物が流れていく流通経路の中でのトラブルというのが非常に個々需要者には大きい。これについては、事石油に関しては、ふだんからそれを整備しておく必要があるのではないか。その場合に、特にわれわれ販売業者の場合には、その地域の住民の方と一緒にわれわれは暮らしておるわけですから、基幹産業に対しては別でありまして、地域の住民の需要地域の農林水産を含めた、中小企業の産業も含めた一般産業に対する供給、これは販売業者がその地域についてはよくキャッチできておるわけです。ただ、流通秩序が全くの自由であったために、非常に現在のままでは混乱しておって、とてもこういう緊急の場合に対処するにはトラブルが大きく出過ぎる。そういう意味で、ふだんからもう少しガイドラインといいますか、許認可というところまでは申しかねますが、資格、権利、義務というようなものを的確にやはり整備しておいたほうがいいんではないかという意見を持っております。
  27. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 まず密田さんにお尋ねしますが、現在、日本の各石油業者が備蓄をしておるところの在庫の石油の総量というものはどれぐらいあるのですか。
  28. 密田博孝

    参考人密田博孝君) それは製品でございますか、備蓄と申しますと。
  29. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 石油です。
  30. 密田博孝

    参考人密田博孝君) 製品ですか。
  31. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 石油になったものですね。
  32. 密田博孝

    参考人密田博孝君) 原油でございましょうか。
  33. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 原油がどれだけで、それから精製したものがどれだけあるか。
  34. 密田博孝

    参考人密田博孝君) 原油の備蓄は、これは石油連盟の調べでありますけれども、十二月末で一千九百三十三万八千キロ――これはまだ十二月途中でございますから、一部予想も入っておりますけれども、そういうことになるであろう、こういう数字でございます。
  35. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 それから精製したものは……。
  36. 密田博孝

    参考人密田博孝君) それから、やはりこれは十二月末の、予想も一部入っておりますけれども、これは燃料油でありますが、全体で一千三百九十五万八千キロ、そういうことになるであろうと思います、月末在庫でありますけれども
  37. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 そうすると、あなたのほうでは、連盟としまして、大体日石にはどれだけある、どこどこにはどれだけあるということはおつかみだろうと思うんですが、その点ちょっと報告していただきたいと思います。
  38. 密田博孝

    参考人密田博孝君) 会社別ですか。
  39. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 はい。
  40. 密田博孝

    参考人密田博孝君) これは各会社の承諾を得ませんと発表いたしかねます。
  41. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 そういうところまで私たちつかまないと石油対策がむずかしいんですね。そうして、どこどこにどれだけのものがあり、どこどこにどれだけのものがある、で、各社総合でこれだけあるということをつかんで、これからせっかくこの法案ができても、需給のアンバランスが起こってくるようなことじゃ困りますので、そこまで調べておいて、そうして私たちは対策を立ててまいりたいと、こういうふうに思っておるんですが、それは各社の秘密に属するんですか。
  42. 密田博孝

    参考人密田博孝君) はい、一応……。
  43. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 須藤君に申し上げます。きょうは参考人ですから、参考人に答えられないところは、ひとつ、なお政府に対して……。
  44. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 それは言えないところを言えとまで言いませんよ。だから事情を聞いておくんですよ、私は。
  45. 密田博孝

    参考人密田博孝君) 衆議院商工委員会でもそのお話ございました。したがいまして、その趣旨は各社に伝えてございます。
  46. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 御参考までに申しますが、私たちのほうで、日石ですね、日本石油に在庫品がどれだけあるかということをお尋ねしましたところ、それは通産省から発表を禁止されておるから申し上げることができませんというような答えだったらしいんですよ。そうすると、それを発表することができないというのは、各社の自主的な立場でおっしゃっているのか、通産省が禁止をしておるからそれが言えないとおっしゃるのか。もしも通産省がそれを禁止しているというようなことならば、私たちは今度は通産省を責めなきゃならぬという立場なものですから、御参考までに伺っておきたいんです。
  47. 密田博孝

    参考人密田博孝君) これは会社で自主的に発表してもよろしいと、こういう考えの会社もございましょうし、また、発表するのは困るという会社も現実にございます。しかし、通産省にはその報告はいたしてあるはずだと考えます。
  48. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 ああそうですか。それじゃ、これ以上は申し上げません。  この法の施行上、需要供給のバランスを考えることが重要だと、こうおっしゃいましたが、もちろんそのとおりだと思うんですね。そのためのこの法案でございますが、実際その需給のバランスがとれるという状況が生まれるのは、あなたのお考えではいつごろだというお考えでしょうか。
  49. 密田博孝

    参考人密田博孝君) これは私は、先ほども申しましたように、やはりいままでの非常に自由取引ベースと申しますか、そういうもので自然に一つの流通秩序というものが成り立っておったわけでございます。ところが、こういうふうに供給が不足してまいりますと、業種的に、あるいは使途別的に非常にアンバランスが起こり始めております。それをできるだけ早く一つの、不足なら不足でもってそのバランスがとれるようにするためには、これは業界だけでは限度がございます。したがいまして、先ほども申し上げましたように、国民経済的にどういう石油の使い方をやったほうが一番いいのだと、こういった一つの目標と申しますか、あるいは言いかえますれば、これは優先順位になるかもしれませんけれども、そういうものがきまりまして、供給者需要者もそれに合わせるようにお互いに努力せなくっては、私は需給のバランスはなかなかとりにくいと思います。  したがいまして、供給者側だけではなかなかこれはやれないので、需要者にもそれに協力していただく。そのために、いま使用制限業種、これは行政指導でございますけれども、十一業種がございますが、その業種ごとに、石油連盟の対策本部の部会といろいろお話し合いをしております。もうすでに電力などは、十二月は消費規模と供給量とが大体見合うようなところまでいっております。そういうものが業種ごとにできますれば、そこで需給バランスが、いままでよりは低いレベルでバランスがとれてくるのではないか。その時期は、お互いのこれは努力の結果だと、こう思うわけでございます。できるだけ早い機会にそれをとらなくちゃいかぬと思います。
  50. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 なかなかむずかしいことだとは思いますがね。  松村さん、一問だけ参考までに伺っておきたいのですが、あなたのさっきの御意見の中で、あっせん条項では流通の適正化はむずかしかろうと、こういうような御意見だったように思うのですが、そのむずかしい点ですね、どういう点であっせん条項だけでは流通がむずかしいのか、どうしたら流通の適正化というものができるのか、その点、参考までに伺っておきたいと思います。
  51. 松村信治郎

    参考人松村信治郎君) あっせん業務の対象になっておる部分だけでも、法案に出ております一般消費者中小企業者農林漁業者、鉄道、通信業、医療事業、その他公益性の強い事業となって、たいへん広範な……。しかし、この中の中小企業公益性の強いものの緊急需要に対して応じる玉が一%余りである。これに応じるわけですが、非常な数であるに相違ございませんです。これに対処しましても、一%の対象は、非常に数は多うございますが、しかし、大部分は何といいましても正規の流れと申し上げたいのですが、その正規の需給の流れが非常に現状を見た場合には混乱しておると申しますか、私たちとして対処しにくい数のある大きな世界でございます。石油という今日のこの公共性が浮かび上がった事態から反省いたしますと、ふだんからやはりもう少し整備をしておく必要のある業種ではないかという気がしておりますです。そういう意味であっせん業務をいたしますが、片やそういう整備の問題がやはり大きいと私は考えます。
  52. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 それでは最後に、深尾さんにお尋ねいたします。  もう各委員が相当お尋ねをしましたので、大体問題はわかっているのですが、けさの毎日新聞を見ますると、「プロパン千三百円を追う」という表題で出ているのですが、千三百円が適正価格といいますか、政府がそういうものを出したのですが、各府県の十七日正午毎日新聞の調査によりますと、千三百円というところは非常に少ないわけですね。例を申しますると、東京が千三百円が千八百円となっておりますが、札幌では千六百円、それから青森が千五百円、それから大阪が一番安いようで千三百円、これずっとありますから、一々言うと時間がかかりますが……。
  53. 深尾憲治

    参考人深尾憲治君) 私もデータを持っております。
  54. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 こういうふうに、長崎では九百五十円から千五百円というような、いろいろの幅があるわけですが、この幅があることは、配達の地域とか、条件でいろいろ違ってくる面もあるかと思うのですが、基本的にこういうふうに値段の違いがあるということは、これはどこに問題があるのでしょうか。
  55. 深尾憲治

    参考人深尾憲治君) お答えいたします。  実は指導価格と申しますか、千三百円が決定いたしましたのは、私の記憶では十三日の夕方だと思います。したがいまして、十七日現在の段階で、いろいろなまだ是正されていない面があるのじゃないかというふうに思いますが、これは私は、先ほど申しましたように、必ずや相当程度是正されるのではないかというふうな見解を持っております。十三日に発表されて十七日現在でございます。その点は御同情を持って見ていただきたい、そういうふうに思います。  それから、地域的に格差があると申しますけれど、これはもう指導方針がきまっております。これによりまして、従来からかなり差がございます。これは地理的な条件、それから非常に過当競争のあったところとか、あるいは適正な販売が行なわれていたところとか、そういうようないろいろのことがございまして、そのひずみはまだ残っておりますが、間もなくこれは是正されていくのではないかというふうに私は思っております。実はメーカー段階でございますので、的確なお答えはできませんが、そういうふうな想像をしております。
  56. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 他に御発言がなければ、午前の参考人方々に対する質疑はこの程度にいたします。  参考人各位には、御多用中、長時間にわたり御出席をいただき、また、貴重なる御意見を拝聴さしていただきまして、まことにありがとうございました。委員一同を代表いたしまして厚くお礼を申し上げます。  これにて午後一時まで休憩をいたします。    午後零時二十七分休憩      ―――――・―――――    午後一時十分開会
  57. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) ただいまから商工委員会を再開いたします。  午前に引き続き産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題とし、石油政策に関する件について、参考人方々から御意見を聴取することにいたします。  午後は、参考人として、日本瓦斯協会専務理事柴崎芳三君、全国燃料協会会長野尻東一君、東京都個人タクシー協会会長若月勇君、日本鰹鮪漁業組合連合会会長増田正一君及び主婦連合会事務局長清水鳩子君、以上五名の方々の御出席を願っております。  この際、参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。  本日は、皆さまには御多用中のところ、本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。  本日は、ただいま問題となっております最近の石油政策について、それぞれのお立場から忌憚のない御意見を承りまして、本委員会における今後の法案審査等の参考にいたしたいと存じておりますので、何とぞよろしくお願いいたします。  なお、参考人方々には、まずそれぞれ十五分程度の陳述をお願いし、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じますので、よろしくお願いいたします。  それでは、まず柴崎参考人にお願いいたします。
  58. 柴崎芳三

    参考人(柴崎芳三君) 日本瓦斯協会の専務理事の柴崎でございます。  本日は、参議院商工委員会意見を述べる機会を与えていただきましたことを心から感謝するものであります。  最初に、都市ガス事業の特徴、あるいは現在当面しております問題点につきまして意見を述べさしていただきまして、次いで、現在審議されております石油需給適正化法案につきましての業界としての意見を述べさしていただきたいと思います。  都市ガス事業の特徴のまず第一でございますが、これは先生方も御承知のとおり、供給対象が一般家庭用が大部分であるという点でございまして、市民の日常生活に不可欠のエネルギー供給しておる事業でございまして、この需要を完全に充足できない場合には、市民生活に重大な支障が生じる可能性がございまして、それが直ちに社会不安とつながるおそれもあるわけでございます。特に、最近の都市生活者にとりましては、ガスがなくなりますと、それの代替燃料の入手が非常に困難であるという事情も加わりまして、以上の特徴が浮かび上がってまいってきておるわけでございます。  まず、ガスの需用家数につきまして、昭和四十七年度末の実態を御説明申し上げますと、全国で一千百八十九万二千戸のガスの需用家がございます。このうち、家庭用の需用家が九四・三%でございまして、約一千百二十万戸でございます。で、次いで商業用が四・四%でございまして、五十二万六千戸、それから官公需、病院等々の公用関係が十万二千戸でございまして、約一%、残りが五万五千戸でこれは〇・四%程度でございますが、これが工業用ということになっております。で、販売量で見ますと、全体の約六六%が家庭用でございまして、商業用が約一八%、官公需用が五%、公共用が五%、残りの一〇%が工業用ということになっておりまして、家庭用並びに関連の商業用あるいは公共用、官公需といったもので大体九割を占めておるというのが実態でございます。  それから、第二の特徴といたしましては、導管網による供給方式をとっておりまして、これは原料を一たん製造設備に投入いたしますれば、途中の販売経路その他は、一般の商品のように中間の販売段階その他は全くございませんで、導管を通じて一定の製造、供給工程を経まして完全に消費者の手元に送り届けられるという特異な方式をとっているわけでございますが、その反面、一定の圧力で安定的に供給いたしませんと、保安上非常に問題が生じてくるという特徴がございます。したがいまして、原料不足によりまして一方的にガスの総出量が削減されたり、あるいは中断されたりする場合には、また、カロリーの低下が生ずるような場合には、非常にいろいろな問題が出てくるわけでございまして、たとえば家庭の使用場所において生ガスが放出されたり、あるいは不完全燃焼が生ずる等の危険が発生するおそれがございます。したがいまして、いかなる条件のもとにおきましてもできる限りの力を尽しまして、常時、安定供給確保するというのがガス事業の一つの使命になっておるわけでございます。  以上のようなガス事業の特徴を踏まえまして、石油との関連につきまして御説明申し上げますと、昭和四十八年度の、これは下期は見込みでございますが、原料別に見た場合にどういう構成になるかという問題でございますが、四十八年度は、石油系の原料から製造いたしますガスは約五〇%でございます。それから石炭系のガスが二五%、天然ガス、これはLPGを含むわけでございますが、この天然ガス系が二五%ということになっておりまして、全体に占める石油糸のガスの割合は半量、約五〇%でございます。  この石油系の中でさらに細分いたしますと、原油とナフサとLPGとオフガスという四種類の原料に分かれるわけでございますが、原油を使って出てまいりますガスは三%、ナフサが三一%、LPG、これはブタンでございますが、ブタンが七%、オフガスが九%という形になっておるわけでございます。戦後、エネルギー革新によりまして、都市ガス事業石油糸の原料に大幅に移行してまいったわけでございますが、ただ原料の多元化という点を従来から心がけておりまして、LNGの導入にも石炭を切って努力いたしましたし、また、石炭系のガスもできるだけ残そうということで、五割は石油以外の原料に依存しておりますので、現在の石油危機も、その影響の度合いは若干他の産業に比べまして緩和されておる点があるわけでございますけれども、しかし、いずれにいたしましても、石油系に五割たよっておるということで、非常にその影響も大きくなっておるわけでございます。  このように石油系の原料を使っておるわけですが、これはわが国原油消費量、本年度の当初見込みの約二億八千万キロリッターに比較いたしますと、原油換算いたしますと約三百八十六万キロリットルで、比率で申しますと一・三六%ということで、全体の消費量の中に占める割合はごくわずかなものでございます。ただ品種別に見ますと、ナフサの中で大体八・四%、LPGの中で四・八%程度の比率を占めておるわけでございます。したがいまして、政策の重点の置き方次第では十分確保することも可能であるという数量でございまして、関係方面にわれわれはそういう面も強調いたしまして、いろいろお願しておるというのが実態でございます。  さらに、ガス事業の特徴といたしまして忘れることのできないのは、事業者の大部分が中小規模の事業者であるという点でございまして、全国ガス事業者二百五十二でございますが、そのうちの二百四十二、すなわち九六%は中小企業本法にいう中小規模の事業者でございまして、この中小規模の事業者の大半がナフサ、ブタンを主原料としておるわけでございまして、ナフサのみに依存するものが三十六、ブタンのみに依存するものが六十一、ナフサとブタンを併用するのが五十一という数字でございまして、合計百四十八はナフサ、ブタンだけにたよっておるわけでございまして、これらの事業者の中には、一部すでに大幅な削減通告を受けておるものもございまして、原料の入手につきましては非常に困難な立場に立ち至っておるわけでございます。  以上が都市ガス事業の特徴並びに概略でございますが、十二月以降のナフサ、ブタンの必要量につきまして御説明申し上げたいと思います。  十一月以降の緊急対策の発表以来、都市ガスは節約の要請を非常に強化いたしまして、新聞、ラジオ、テレビ等を使いましてPRすると同時に、三大都市以外の各地方都市におきましては、各戸ごとにチラシを配りまして節約要請をしておりまして、十二月の目標は、国から与えられました目標値で四%の節約ということで努力してまいっておるわけでございますが、もともとガスのむだ使いというものはあまりございませんことと、それから他の家庭用燃料の逼迫につれまして、また価格が、他の家庭用燃料が非常に上がってまいりましたのにつれまして、ガスへの流入が目立って行なわれておるというようなこともございまして、いま懸命に目標の四%の節約に向かって努力しておる最中でございますが、まだその辺の実績値についてはつまびらかでございません。  このような節約の努力を続けながら、ナフサとブタンにつきまして、十二月から三月の四ヵ月間でナフサが百六十二万キロリッター、ブタンにつきましては十二月から三月まで約二十二万トン、この数量石油連盟並びに日本LPガス協会のほうに提出いたしまして、通産省にもまたお願いいたしまして、確保方をはかっておるわけでございます。ナフサにつきましては、最近石連の中にできました石油緊急対策本部のガス・ナフサ部会におきまして、この百六十二万キロリッターを重点的に取り上げていただきまして、十二月並びに一月については大体のめどを得ております。  ただ、ブタンにつきましては非常に需給が逼迫しておりまして、日本LPガス協会にもお願いしておるわけでございますが、十二月につきましてもまだ年末の四、五日につきまして入手の確約がない業者が数社ございまして、目下鋭意努力中でございます。一月の分につきましても、一月の前半分は大体確約をいただいておりますが、後半分につきましては、まだなかなか手当ての確約がないというのが現状でございまして、この点を目下関連業界に強くお願いしておる最中でございます。  このような状態を前提といたしまして、以下、石油需給適正化法案に関する若干の意見を述べさしていただきたいと思います。  本法案につきましては、適正な石油需給関係確保につきましては、ガス事業としてもきわめて重要であるという認識を持っておりますので、本法案の全体に対しましてガス事業界としては賛成でございます。  ただ、法の運用に関しまして若干の要望事項があるわけでございますが、第一点といたしましては、石油の使用の制限を定めております第六条並びに第七条の関係でございますが、第六条は従来の行政指導におけるいわゆる大口十一業種を対象としたものであり、第七条はその他の業種に関する規定であるというぐあいに解釈いたしますが、ガス事業は第七条の該当業種、いわゆる節減目標業種というクラスかえをしていただきまして、従来どおりの方向でお取り扱い願いたいという点が第一点でございます。  第二点といたしましては、石油の保有の指示等を規定いたしました第九条の関係でございますが、九条の第二項で通産大臣の石油売り渡し指示を規定しておるわけでございますが、その対象業種の中に「公共の利益の確保のために不可欠な事業」という規定がございますが、ガス事業も以上のような性格を前提といたしまして、ぜひこの「公共の利益の確保のために不可欠な事業」の中に含めていただきまして、何らか突発的な事由によりましてガスの供給が中断するような事態の発生を、ぜひ避けるような方法を講じていただきたいということでございます。  第三点といたしましては、石油あっせん指導等を規定いたしました第十条でございますが、あっせん対象事業の中に、「その他の公共性の強い事業」という規定がございますが、ガス事業をぜひこの中に含めていただきたいということ。  それから、第一項が不調に終わった場合には、第五条、第六条等にありますような公表規定を置く必要があるのではないかという感じがいたすわけでございます。  次に、第四点でございますが、第十一条、割り当てまたは配給等に関する規定につきましては、これはきわめて広範な政令委任であり、緊急事態乗り切りのためにはやむを得ない規定であるとは思いますけれども、政令の作成段階におきまして、需要供給両サイドの実情を十分に御検討になり、的確に把握して運用の公正を期していただきたい、かように希望する次第でございます。  以上でございます。
  59. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) ありがとうございました。  次に、野尻参考人にお願いいたします。
  60. 野尻東一

    参考人(野尻東一君) 全国燃料協会会長野尻東一、参考人として申し上げます。  われわれは、自由経済を尊重するものでありますが、現在の石油状況におきましては、石油需給適正化法案の出現もやむを得ないと思います。ただし、これを実行に移す場合においては、私は三点ぜひお願いしたいと存じます。  その一つは、われわれ燃料業者は、家庭灯油、これに対して約十万軒ありまして、約七割を取り扱っております。この業者は大体零細業者であります。この法令を実施するにあたりまして、零細なる業者を圧迫しないようにひとつお願いしたいと存じます。と申しますのは、必ずこういう法令が出ますと標準価格が出ます。標準価格が出て、これを守らなければならないという立場になるわけでありますが、家庭灯油の流通過程を申し上げますと、石油のメーカーから直接に小売り業者のところへ行っている経路もあります。たとえば、ガソリンスタンドなどは直接に入っております。われわれ燃料業者の小売り者は大体第一次、第二次問屋を経まして入手しております。と申しますのは、零細なる業者は設備が十分でありませんので、どうしても直接取引できない、要するに一次二次の問屋を経てとっております。したがいまして、買い手市場の場合は、直接買っているガソリンスタンドも、一次、二次を経由しまして買っている燃料商もほとんど同じ価格で買っております。でありますので、決して販売の上に支障はないのでありますが、売り手市場になりますと、二次、三次を経由いたしまして買っている燃料の小売り商は、たいへん高いものを買うという状態であります。  と申しますのは、買い手市場の場合は、第一次問屋が大量に買いましてそうして第二次問屋へ売ると、第二次問屋から小売り店に売っても、その価格は決して直接ガソリンスタンドなどに売った価格とは変わらないというのが常態であります。しかしながら、こういうふうに売り手市場になったときは、第一次問屋が多量にたくさん買うからといってなかなか安く買えない。たくさん買えば、むしろ高く買わなければならないという状態でありますので、この流通機構によって販売しているわれわれの燃料小売り業者は、いま価格をきめられたために非常に苦しんでおります。なお、直接にローリー車で入る設備を持っていないものは、ドラムかんで二本ずつ問屋から届けてもらって売っているわけです。消防法によりまして五百リッター未満ということになりますと、ドラムかん二本ずつしか取れないわけでありますので、さらに高くなるということでありますので、この価格をきめる場合におきましては、零細なる燃料小売り商が立ち行くようにひとつ御配慮願いたい。  この零細なる燃料業者は、いろいろ薪炭が斜陽化してまいりましたので灯油販売に協力いたしまして、灯油家庭販売については非常に力を尽くしまして、家庭とも密接なる関係にありますし、また、家庭の燃料器具等の故障等については、常によき相談相手となって事故の起こらないようにしておるものであります。どうかこの点をひとつお願いしたいと思います。  次には、これから消費者に対しましていろいろ優先順位をきめられて供給されると思いますが、配給業者に対する供給といいますか、これに対する元売りからの数量も、ぜひ適当なる指導をお願いしたい。先般、三百八十円にきめられたとき通産省に参りましたらば、十二月の民生用の家庭灯油数量については前年どおりの一〇〇%の供給をする、それを通産省が元売りについてフォローするということを確約されておりますが、いま全国にいろいろ電話で問い合わせてみますと、一〇〇%どころか二〇%も三〇%も減らされている、はなはだしいのは五〇%も減らされている。そのために、それにつながるところの消費者が非常に困っているということを言われております。  灯油がたくさんありまして買い手市場のときは、いろいろ系列をとらずに燃料商は買っていたのでありますが、こういうふうに少なくなりますと、油のメーカーは系列強化という名のもとに、自分のところから直接いくところのガソリンスタンド等を重点としまして、それから一次、二次の問屋を通していくところに対しては、できるだけ減らすということでやっている元売りが多いと思います。そのために燃料業者は非常に苦境に立っておりまして、なかなかお客さまが来ても間に合わせられない。新しいお客さまには絶対にお売りできないというような非常に苦しい立場に追い込まれておりますので、この点につきましてもひとつ御配慮願いたいと存ずるものであります。  次は、石油販売業者の、家庭業者構成員とする団体の問題でありますが、私のところの協会も全国に三十六の下部団体を持っております。この団体につきましていろいろ御指示があり、また私のほうの団体としても、今後なお、お国の政策には御協力申し上げなければならないとかたく信じておるものでありますが、二年前に、通産省で灯油の配給実態調査をしたいということで、全国で一万の商店をピックアップして調査するんだ、そのうちおまえのほうは七〇%やっているのだから七千人引き受けろということで、これを引き受けまして、膨大なる費用と人手を使いまして調査いたしました。そうしてこれをようやく四十七年の一月に持ってまいりましたら、いま係がかわったからもう少し待てということで、一年半もうっちゃっておかれまして、そうしてそれをようやく持っていった。これに対して参考になったとも御苦労だとも何も言われておりません。私たちの協会員とすれば非常に憤慨している。ただで動くのは地震ばかりだ、おまえたちただで動いたのかと、こう言われて非常に困ったような問題であります。この間、通産大臣が三百八十円という価格を打ち出しまして、おまえたちの協会もこれに協力してやるようにと言われましたけれども、ふだんからそういうふうな連絡をとっていただいていないと、なかなか早急には御協力はできかねるということでありますので、今後、われわれの協会に対しましてもあたたかい御指導をお願いいたしまして、そうしていつでも国の施策にこたえられるというように、ひとつ御指導あらんことをお願いいたします。  以上三点を申し上げまして終わりといたします。ありがとうございました。
  61. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) どうもありがとうございました。  次に、若月参考人にお願いいたします。
  62. 若月勇

    参考人(若月勇君) 私は、全国九十八都市、三万八千の個人タクシーの会長をやっておりまして、東京一万七千百二十四台の個人タクシーの会長も兼ねております。なお、私も若月タクシーでございます。  個人タクシーは、いまいろいろ業界の方がおっしゃいましたことと違いまして、われわれは、そのものを買って売ってという商売ではございません。灯油で悩んでいる一般のほんとうに末端の消費者と同じで、それを買って使う業者でございます。しかもこのLPの問題は、おのれみずから快しとしてLPになったものではございません。なぜならば、公共料金という形で政府の大きい重荷のために、われわれは三年間ぐらいはいつも料金が上がらない。もちろんこれがやたらに上がることになりますと、それぞれいろいろな影響がございましょう。一部ごもっともでございますけれども、そのような状態の中で、われわれが生き抜くために考えたのはLPを使うことでございます。これも業界がそれぞれ設備投資して、長い十年以上の歳月を経て危険という問題を除去して、そして安い燃料――言いかえれば、これは代用燃料でございます――そのような形で、われわれは隠忍自重して今日までまいったわけでございますが、御案内のようなたいへんなことになりまして、全く個人タクシーはスタンドがございません。あるいはスタンドもなければ、特約もできなければ、中間的な仲買いもできません。全く末端のこれは消費者でございます。  現在におきましては、これはメーカーから、いわゆる元売りと称しておりますが、どのような中間の経路を経て、流通機構があってスタンドにつながっているかわかりませんが、東京ではLPのスタンドはおおよそ百ほどございまして、大別しますと、三十が自家用のスタンド、あとの七十ぐらいが営業用と称しているスタンドでございます。この中での三分の二がタクシー会社が経営しているか、系列化ということで、言いかえれば、営業以外に個人タクシーにガスを売ることができません。自家用と営業用の問題は、立地条件、保安基準によりまして定められてございますから、われわれはタクシー会社の経営しているそのところにも張りついて、そこからガスを供給していただいていたわけでございます。ところがこのような事態になりまして、いわゆる流通機構がどこでどうとまっているかわかりません。政府の発表は、御存じのようにいつもあるあるとおっしゃる。国民はたいへん気が短いから、もらったところで、うん、あったんだという答えが出ますけれども、あるあるとおっしゃいましても、まぼろしのLPと私は言っておりますけれども、ないなどとは絶対申し上げられない。なぜならば、値段が高いところへ流れていっている、これが何よりの証拠でございます。  そのようにタクシー会社スタンドを持っておる、あるいはその他のところも持っておりますけれども、これが全部輸入業者あるいは石油業者とパイプが特約店、仲買い、サブというような形になっておりますから、値段を上げるということになりますと、いまのところ横流れということばが使えない。商取引の大原則でしょう。高ければ品物は出てきている。現に灯油もいわゆる五百円なら何ぼでも買える、そういうわけでございます。したがいまして、これが不明朗のために個人タクシーにさや当てしてきまして、法人も絶対量がなくなりますから、まず自分で生きることを考えましょう、けしからぬと言いましても、これはやむを得ないと思います。したがって、そのしわ寄せがすべて個人タクシーに出てまいりまして、御案内のように延々長蛇のごとく、もらえるであろうという夢を描いて一晩二晩と並ぶ。いまでも自然と並んでおります。しかも先着順ということでございますから、奥さんがそれをかわって、ちょうど上野で年末からいなかへ帰るときの切符の着席券取りが続いておるように、中には全部毛布かぶって寝ている個人タクシーが多い、燃料がないんですから。  そのような全く塗炭の苦しみを今回味わわされたわけでございまして、これも言ってみてもしようがないんですけれども、しかし、政府そのものの責任とか、あるいは行政庁の責任という前に、われわれ自身の考え方に、アラブの油の問題は、砂漠とアラブというような形での受けとめ方がほとんど多かった。そして次には、いろんな機関を通じてアラブは後進国であるという考え方が貫かれておった。そしてなおかつ、最近になって初めて政府そのものも、行政官庁も、国民も、石油資源というのはとうといということを初めて聞かされた。それまでは、金さえ出せば物がある、買ったものはおのれのものだというようなことの堂々めぐりで、とにかく設備投資して、しかも、このような事態になっても依然として、はたして国民の必要なものが材料として輸入されているかどうか、これは何ら押えることのできない現状でございます。したがって、メーカーも、それにつながる系列スタンドも、値上げをすることによって何らアラブの戦争では損をしてない、むしろ全部もうかっている。  これはいかに、幾らで入っているかというと、われわれは実態をつかんでいる。こういう中でいよいよ――まあ、非常に政府そのものもエンジンのかかりがおそかった。全く少々色よい外交をしたところで、本質的にこれはこんがらがっているものですから簡単にいかないと思う。けれども、ようやくここでなってきました。そういう点におきましては、まあ、いろいろな問題がありまして、自由経済だとかたいへんにややこしいことがありますから、できるだけことばの上で統制ということをおやめになって、規制になった。中身は同じです。しかし、ことばはどうあろうとも、この緊急的な事態をお考えになってこの法律をおつくりになることについては、末端の消費者――個人タクシーは末端の消費者です。そういう立場から考えた場合は、われわれとしては即刻やっていただかなくちゃならぬということでございます。しかし、この法律の意図する中で、はたして明朗な配給ルートが確立されるか、あるいはは末端の受け取るいわゆる値段が、はたして納得する値段になるかどうかについては、大いに関心を持っている。  戦争中あるいは以前のことを考えるんでございますけれども、必ず統制とか規制というものには横流しが出てくる。そうして、これを前提にして高く値段が上がることは、絶対ないとだれが言ったところで、これはもうあたりまえのことなんです。したがいまして、この法律をおつくりになるには、これはいわゆるある一つの機関で考える、あるいは業者サイドで、あるいは行政庁だけでこれをやられますというと、絶対にこれについてわれわれは反対である。もちろん、個人タクシーの代表を入れろなどと申し上げているのではない。そうでなくて、われわれの代表を入れていただいて、輸入から製造過程、そして配給の、この流通から末端に出るときには、いかに幾らもらえるかということと値段が幾らということでございます。それから、いろんな問題がございますけれども、そのようなところへわれわれの代表が出て、この目で見て、乏しいものをいかにして国民の末端まで、恩恵ということでなくて、生活ができるような厳重な監視体制がないと、これこそ命取りになる。  そのように考えて、衆議院の場合でも申し上げてきましたけれども、現在、御存じのように、われわれは大作業をしまして、十七日からこれは通産と運輸とで相談されて、乏しいものを配給する機構を寝ずで一週間でこの制度をつくった。そうして通産も運輸もやるとおっしゃった。現にやられているかどうか。この法律が通るということで、あらゆる産業界から圧力がかかっているようでございますけれども、もうとんでもないこと。戦争中だったら、この人たちのグループは非国民ということで死刑にされるべきでしょう。このような重大な関係のときに、おのれみずからが自分たちの業界のことばっかり言っているのではない。私は全体の消費者という立場で申し上げておる。そのように、せっかく十七日からやるということで、十七日には、少ないながらもしかたがないということで並んでいる個人タクシーについて何という答えだ。当分また延びそうだと。政府がやろうということができなければ、われわれがどんな力を出してもできません。  そういう意味におきましては、いまいろいろ申し上げましたけれども、この法律ができるいわゆる前提というものは、すべからく、その分野において国民は平等に、ひとつそれぞれの立場を尊重して考えていただきたい。それについては石油業界がもうけること本位から脱して、日本には乏しい資源である。ない。もしこれが、地下資源がぱたりととまったならば、このような会議をしているひまはないと思う。そういうことを想起して、輸入から製造、そうしていわゆる流通から末端に至るまで、すべてガラス張りにやっていただく制度を何としても入れていただかなければ、必ずやあとで横流し、そして値段のつり上げ――現実、そうなんです。そのようにぜひお願いしたいと思います。  以上でございます。
  63. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) ありがとうございました。  次に、増田参考人にお願いいたします。
  64. 増田正一

    参考人(増田正一君) 私は、ただいま御指名をいただきました日本鰹鮪漁業協組合連合会会長をしております増田でございます。  本日、石油問題に関連いたしまして、カツオ・マグロ漁業界の立場からその実情並びに私の意見を申し述べる機会をいただきましたことを、深く感謝申し上げます。  まず最初に、目下国会に提案されております石油需給適正化法案につきましては、私は賛成するものでございます。  私の関係しておりますカツオ・マグロ漁業は、マグロ船が近海船あるいは遠洋漁船合わせまして千六百五十隻、カツオ漁船が近海船と遠洋船を合わせまして六百五十隻、合計二千三百隻が現実に全世界の海で稼働をいたしております。これらのカツオ・マグロ漁船のうちで、百八十トン以上の総トン数を持ちます遠洋マグロ漁船は約八百隻内外でございますけれども、その船型の大小、あるいは出漁する海域によりまして若干の相違はありますけれども、おおむね石油積み込み量の三分の一を日本を出漁する際に内地で積み込みます。残りの三分の二内外を、海外で数回に分けて補給を受けているのが実態でございます。  いま、国内で石油入手難あるいは先行き不安ということで、非常にこの石油問題がクローズアップしてまいりましたけれども、私ども遠洋のマグロ漁業の立場で申しますと、もうすでにいち早く十一月の十日前後から、海外の全世界の海域におきまして、石油危機に直面してまいりました。いま私の関係しております、日鰹連と一言に申しますが、日鰹連の海外の補給の実情を例にあげながら申し上げてみたいと存じます。  ふだんは、所属するマグロ漁船は、全世界の日鰹連所属になっております海外代理店、八十四カ所でございますけれども、その所在の港におきまして、マグロ船が必要とする油の補給を受けて操業を続けているわけでありますが、十一月の中旬前後から、世界の各地におきまして石油供給がストップされた、あるいは大幅な石油供給がカットされるというような事例が出てまいりました。そのために、港内で一週間ないし二週間立ち往生するという漁船も出てまいりましたし、他の港に回港するだけの油しか補給を受けられないというような漁船もありまして、操業の継続も危ぶまれ、内地に帰港することすら差しつかえるような事態に直面いたした次第でございます。  これを主要な港別に、また、操業海域別に例示して申し上げてみますと、まず第一に、フリマントル、ホバート、シドニー等を補給基地といたしますオーストラリア周辺海域でございますが、現に先行き不安を感じつつも、現在のところ何とか補給を継続いたしております。御存じのように、オーストラリアは需要量の約七〇%を自国で生産しております。これが非常に強みになっているかと存じております。  第二に、ウェリントン、オークランドを補給基地とするニュージーランド周辺海域でありますが、目下、私ども、マグロ漁業の立場からは漁期外でございますので、現実に出漁しておる漁船はございませんけれども、ニュージランドは、石油の全量を海外から輸入に依存いたしております。そのために、今後の見込みはきわめて不安であり、警戒を要するものと存じております。  またミクロネシア、ニューギニア、フィリッピン、インドネシア等を補給基地とする西太平洋海域、これは現時点では石油供給はほとんど不可能でございます。  それからホノルル、マウイ島を補給基地とするハワイ周辺海域。ホノルルは相当長期にわたりまして供給不能でありましたが、ごく最近になりまして少量ずつ供給が可能になっております。それから、そのホノルルの南にありますマウイ島、これは私ども日経連の一番大きな補給基地でございますが、目下専用の一万トンタンクを持っております関係上、現在まで何とか補給を続けてきております。  それからアメリカ、カナダの太平洋岸、大西洋岸の沖合い海域でありますが、ロスアンゼルス、ニューヨーク、それからカナダのハリファックスを主軸といたします港は、現在おおむね供給停止となっております。その他これらの港の周辺の港も、現在のところ見込みはございません。  それからマンサニヨを中心とするメキシコ中米沖合い海域でありますが、目下供給は可能でありますけれども、一隻一航海一回に限る、先ほど申しましたように、私どもの漁船は一航海約十カ月ないし十一カ月かかります。したがって、数回入港して補給するわけでありますが、一航海一回に限るという回数制限を受けているわけであります。しかも十二月の五日からは、トン当たり五万六千七百円というように高値の通告を受けております。これは九月の当時に比較いたしますと、約三倍半の値上げになっております。  それからパナマ運河のバルボア、エクアドルのグアヤキル、ペルーのカヤオ、こういうところを補給基地とする中南米沖合い海域でありますが、バルボアにおきましては、二週間ほど前は何とか補給を続けてきておりますが、目下停止状態に入りました。  それからグアヤキル、カヤオは少量ずつでありますけれども、現在なお補給が可能であります。しかしカヤオは、十二月七日からトン当たり六万三千七百円というように高値の通告を受けております。これは臨時に応急措置として油の補給を受けることは可能でございますけれども、これを恒常的に利用するということは、経営的に見てこれは困難でございます。  それからスペインのラスパルマス、アフリカの西海岸全域、それからケープタウン、それからアフリカの東海岸諸港、インド洋の洋上にありますモーリシャス、これらのアフリカ、大西洋、インド洋沿岸の諸港は総じて供給不能でございます。むしろ、最も供給事情は悪い地域でございます。  以上を総括しますと、現時点では全世界の遠洋マグロ漁船の補給港で補給不能、あるいは補給困難と思われる港での補給不可能な量は、全所要量に対して三〇%強に達しております。しかも、遠洋マグロ漁船の立場でみますと、供給可能の港が全世界に散在することになりますので、実態的には三〇%をはるか上回った実勢にあると申し上げて差しつかえないと思います。しかも私どもは、今後の見通しはいよいよ悪化する、あるいは五〇%をこすのではないかと憂慮している次第でございます。  このような海外補給のストップあるいは大幅なカットに対しまして、私ども業界のこれに対する対応策参考までに申し述べてみたいと存じます。  補給量が全面的にストップされております南アフリカあるいは西アフリカ沖合いの海域には、現在数十隻のマグロ漁船が操業をいたしております。これらの船団は十分な操業ももちろんできませんし、そのまま内地に到達することも困難な状態にありますので、私ども業界といたしましては、特別に船をチャーターいたしまして、補給船を仕立てて、この十二月十九日出港を目途にいたしまして、六千五百キロの油を積み込んで現地のケープタウンにタンク揚げをする、そして各漁船に供給するという応急措置を準備中でございます。  それから第二の点は、先ほど少量ずつ補給を継続していると申し上げましたが、ハワイ周辺海域、これは現に百十隻ほどの漁船が集中的に操業いたしております。この海域につきましても特別に補給船をチャーターいたしまして、五千五百キロの油を現地の洋上において各漁船に配給するという措置をとっております。たまたまこの海域には、私ども日鰹連が所有しております洋上補給診療船「じゃぱんつな」というのが、三千トンのものがおりますが、それが一たん受け取りまして、その補給船から個々の漁船に洋上で補給する。これは十二月の二十四日に一応出港いたしまして、現地に一月の五日前後から配給をいたしたいと思っております。  応急策といたしましてはただいま申し上げたとおりでございますが、ちょうど年末年始を控えまして、先ほど申しました海外で操業しております八百隻の漁船の相当多数が入港してまいります。これをそれぞれ自由に、恣意にまかせてまた出漁させるということになりますと、ただいま全世界の各港での補給状況を御参考までに申し上げましたとおり、再びこの救済の補給船を仕立てなければいけないという事態に追い込まれますので、私どもは入港する漁船については自由に出漁させない。出漁しようとするアフリカ沖合いあるいはインド洋沖合い、東太平洋あるいは大西洋の北部海域というように各海域を区分いたしまして、それぞれの海域の周辺にある補給港の今後の補給見通しというものを見定めて、それに合うように今後出漁させたい。まあ、出港調整というものを真剣に現在検討中でございます。  この問題は、全国の漁業者あるいは船主の経営にも非常に大きく響く問題でありますので、いまそういう問題を、中央では一応結論を出しましたが、それぞれの代表者が全国の各地に戻りまして、各船主、漁業者といろいろ協議中でございます。  それから、さきにもちょっと触れた問題でありますが、遠洋マグロ船は内地の積み込み量が約三分の一、海外の補給量がほぼ三分の二でございますので、内地でかりに積み込む量を一〇〇%いただきましても、漁船みずからが出港しあるいは操業するということはできません。どうしても現地で補給を受ける油の見通しをはっきり確立した上でないと出港はできないわけです。これが先決要件であります。  そのために私どもは、今後、世界各地の補給の実態というものが非常に悪化するという見通しのもとに、私どもが必要とする国内での油、その上にプラスして外地で補給する不足量もあわせて内地で確保していただきたい。そして、海外で補給を必要とする不足部分につきましては、これは油――私どもはロンドンのシェル石油と直接コントラクトを長期で結んでおりますが、シェル・ロンドンの全世界のネットワークを通じまして、振りかえ操作のきくものは国内の油と各港での油を振りかえ操作したい。もし不可能であれば、全世界の海の中で主要な港四カ所ないし五カ所に補給基地を確立いたしまして、これにいま申しました海外用の油として特に認めていただいた油を補給船その他において現地に供給をしたい、こういうように考えております。  それから次に、油全般について漁業の立場から一言申し上げてみたいと思います。  漁業関係におきましては、すでに御存じと思いますが、漁業活動は漁場への往復、それから漁場での漁労活動、この二つに区分されるわけでありますが、漁場への往復というものは、これは油の消費は一定であり、絶対変わらないものでございます。したがって、もし油が削減されると、閣議の決定におきましても、農林水産用の食糧の原動力になる油については優先確保するということを言っておりますけれども、もしこれが今後削減率が高まった結果、私どもにもその削減の影響が国内において直接くるということになりますと、いま申しましたように、漁場の往復に使う油は一定であります。したがって漁場操業、漁場における操業に非常にきびしい比率でもって削減率が加わってくるという実態であります。例をあげて申しますと、かりに油が一割の削減を受ければ、生産量は必然的に一五%なりあるいは二〇%削減という結果につながります。私どもは、いま石油削減で非常に国内が大きくゆれ動いているわけでありますが、これが直接的に今後の食糧危機につながることを最もおそれるものでございます。そういった意味合いに、おきまして、私ども業界は、年間七百万キロということでいま試算をいたしておりますが、この必要量をぜひとも確保できるように特段の御配慮をお願いしたい。  それから第二の問題でございますが、漁業におきましては油の消費価格、これが相当コストの中で大きなウエートを占めているわけであります。したがいまして、漁業経営を今後維持し、国民の食糧を確保するために、石油の価格というものを妥当な線でひとつぜひとも押えていただきたい、かように思います。  以上、漁業の立場から、必要とする量の確保並びに適正価格の維持につきまして特にお願いいたしまして、私の意見開陳を終わりたいと思います。ありがとうございました。
  65. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) ありがとうございました。  次に、清水参考人にお願いいたします。
  66. 清水鳩子

    参考人(清水鳩子君) 主婦連合会の事務局の清水でございます。  過日のトイレットペーパー、それから砂糖の一連の騒ぎの中で、私たち消費者団体が一般の方のお電話を伺ったり、それから会員の方の声を聞いた中からいろいろ感じましたことを織り込んで、この法案について幾つかのお願いをしたいと思います。  御承知のように、最近の物価上昇は、消費者物価だけでなくて卸売り物価にも大幅に影響いたしまして、十一月ではもう対前年度比約二二%という非常に高騰しているわけでございまして、今回、この石油危機がインフレに拍車をかけて深刻な状況はさらに深まって、私たちの暮らしというものは極端に申し上げますと、不安と恐怖という一語に尽きると思うのでございます。  また一方では、政府の発表の資料によりましても、量が当然あるというものでさえ、市場から姿を消してしまって、再び市場にその姿をあらわしたときには、摩詞不思議、何と値段が倍、三倍ということでございます。このような事態の続く中で、石油危機への対応を中心とする統制的な立法を用意せざるを得なくなったというその原因はどこにあるのか。私は何と申し上げても、これは政府の適切な処置のおくれと判断の甘さであったと申し上げて過言でないと思います。その処置の緊急性のもとに、この石油法案が国民の十分な納得を得られないままにもし制定されて、それから統制経済のスタートをもしここで開くとすれば、それは国民が二重に政治に対する不信を持つと思います。法案は、石油危機に引っかけて、かなり政府に大幅な権限がありますし、それから、政府経済と生活に深く介入するという姿勢がはっきりしております。  大体、この法律の大綱を読む限りでは、あまりきめこまかい運営は私どもの目からは望めないのではないかと、これはたいへん悲観的でございますけれども、そういうふうに読めるわけでございます。ですから、逆に強権的にこの法律が使われたら、統制が統制を生んで、企業が優先されて、私たちの暮らしと生活はさらに圧迫されて、やみが横行し、いわゆる正直者がばかをみるという結果になるのではないかという心配を持っております。戦争中の悪夢を思わせるような強権的なやり方ではなくて、高度経済成長というものを根本から考え直して、政策の転換と政治責任を明らかにして、消費者にただ節約を呼びかけるということではなくて、七〇%近くを浪費してきた企業の姿勢そのものをむしろ改めるべきではないかということでございます。  あと、消費者の立場から、一応法案の審議に、差し迫って八つほど私が一応整理をいたしましたので、何か御審議の中でそれを十分御配慮いただいて、いわゆる消費者不在、それから国民生活無視という国民の批判を残さないようにぜひお願いしたいと思います。  その一つは、統制の措置は必要最小限度にとどめていただきたいということです。一片の政令や通達で強権をもし発動しました場合には、その裏返しにはやみ値とか横流しなどが起こります。これは現にもうトイレットペーパー、砂糖、灯油などでも私たちの物価情報デスクにも来ておりますけれども、かなりのやみ行為、それから抱き合わせ販売などの不正が起こっております。伝家の宝刀ということで極力発動はしないというふうな御方針と伺っておりますけれども、このことばが物語っておりますように、もし発動されたならば、それは統制の弊害が起こって、その暗さは私たち大多数の国民があの戦争中に経験した暗さを招いて、国民生活の安定確保の名のもとに非常におそろしい結果を招くと思われますので、この拡大解釈ということは厳重に規制していただきたいと思います。  それから次には、業界の共同行為によることを容認する経済企画庁、それから通産大臣、公正取引委員会との間に覚え書きが取りかわされておりますが、この覚え書きは、これは主婦連合会だけでなく、各消費者団体は一応破棄してほしいという要望をいたしております。これは私たちが再販廃止運動をいたしておりますし、やみ再販、それから独禁法の強化などをかねがねの運動の中で取り上げておりますように、いかなる業界による共同行為も排除して、国の指示によるカルテルを容認して独禁法の風穴をあけないでいただきたいということでございます。  それからいま、いろいろなお立場の御参考人の方がおっしゃっておりましたけれども、その石油の配分についても、これはやはり私たちの暮らしにたいへん影響を及ぼしますので、慎重に配慮していただきたい。ここで問題になりますのは、優先順位のつけ方が一体どこまで妥当性を貫けるかという疑問でございます。総体的な必要量の確保、それからバランス、それからウエートのかけ方というかなりきめこまかい配慮がなければ、一律実績配分ということになると、これはたいへんなことになると思います。国民生活物資というふうに一口に申し上げましても、考えてみれば全産業たわたることでございますから、そのことばの解釈いかんでは過去の実績が最優先するということになりかねないと思います。すでに私たちが見聞きしております暮らしの中でも中小企業と大企業、それから生活面と産業向けとの需給のアンバランスということが現実に起こっているのでございます。この際私は、この配分については、国民の側から見た合理性のある範囲で需給計画の洗い直しを一ぺん全部してみて、そして徹底的にやる以外はないと。それでなければ、力にまかせた配分の実績確保と競争だけがそこに残るのではないか。先ほどから申し上げているように、この配分の実績確保と働きかけは、現実にもうちまたで起こっております。いつも弱い者が押しのけられることのないような政策的な配慮がこの配分の中では最優先すべきだと思います。  それから、価格のことでございますが、石油製品輸入から末端まで、量も価格もかなり正確につかめることにおいて、他の生活物資とは多少趣が異なりますので、元売り価格、それから卸売り価格、小売り価格にわたりましていわゆる指定価格をこの法文の中に盛り込んで押えていただきたいと思います。特にその価格形成にあたりましては、発電用の重油ですとか灯油、それから石油ガス等については、やはり低価格に押えるという政策的な配慮をまず第一にお願いしたいと思います。さらに、灯油やプロパンでもごたごた問題を起こしておりますけれども個々の価格決定にあたりまして、一体地域差をどうするのか、それから全国一律のままとするのか、それから、価格の決定が高値安定のおそれになりはしないか、それからやみが横行しないか、弱い者へのしわ寄せにならないかなどなど、たくさん問題がそこには残っておりますので、その価格の算定の基準については、特に業界提出の資料にのみ片寄ることなく、私たちの生活に密着した、生きた数字を十分に活用して、地域の実情を勘案して慎重に決定していただきたいと思います。そのために物価Gメンですとか、消費者モニターとか、地方の消費者行政機関などを十分に把握されまして、そうして国民生活中心の価格決定になるように、これは特にお願いしたいと思います。どうも行政ベースであがってくる数字というのは、往々にしてその実情から離れると申しますか、生活実感からかけ離れて、ややもするとその机上の数字になって弊害を呼ぶということは、過去の例を見てもはっきりしていると思います。  それから、指定価格の決定の時期でございますけれども、今回の通産省の灯油、プロパンの凍結価格の行政指導の例を見ましても、発動はむしろおそきに失したと。すでに流通段階のかけ込み値上げとか、それからつくられた物不足、それから系列の強化など、弊害がほぼ出尽くしたというところで残念ながら行政指導が行なわれていたと思いますので、もしこの法案が通りまして、その価格決定という時期についてもかなり神経を使ってしていただかないと、かえって消費者にとっては弊害だけが起こってまいります。  それから次の項目では、これは国民のチェック監視機関でございますけれども、価格をはじめ各統制指示事項が、いわゆる国民監視のもとに置かれるべきであるということについては、ややその必要規定が欠除していると思いますので、これは問題の必要に応じて措置の変更を勧告できる消費者参加のチェック機関を設けて政府独走を規制するということを、条項の中にきちっと盛り込んでいただきたいと思います。  次に、違反についてでございますけれども、どうも、公害問題でもそうですけれども、非常にどうでもいいようなところの規制が先に行なわれて、真犯人の追及と処罰というものがややもすると軽んぜられておりますけれども、特にこの石油に対する違反事件には課徴金とか配分の差しとめとか、それから企業名の公表など、きびしい厳罰を科していただきたいと思います。それから具体的な取り締まり方法としては、一般消費者の告発に基づいて、いわゆる地方自治体もしくは中央官庁の職員が摘発に当たると思いますけれども、そのときに、隠れた不正の取り締まりは一体どうなるのかと。どうも隠れた不正の取り締まりというのがしり抜けになっているということが私たちの実感でございます。やはり、こういう重大な世界的な問題を持っておりますこの石油に対する違反というものは、徹底的に真犯人を追及して、処罰していただかなければならないと思います。  それから、これだけいろいろ御注文申し上げましても、いざ、それを運用するということになりますと、どうしてもいまの官庁の人員とか機構では、これはとても対応していけないと私は思います。ただ、法律をつくれば物が出回って需給や価格が安定するものではないということは、私どもも先般のパニックで痛いほど感じております。中には、中央官庁とそれを委任された地方自治体の職員の間にいわゆる責任のなすり合いが行なわれて、私たちはその間に入って、あるときはおこり、あるときはその行政のむずかしさを理解しようと努力しましたけれども、最終的に何を学び取ったかというのは、頼るのは自分だけである、自分の生活は自衛以外にはないというふうな結論に達してしまって、あの買いあさりと、それから中には、小売り店との間に残念ながら不正なやみ取引を消費者自身が行なったのでございます。再びこの轍を踏むようなことがないように、手となり足となる行政機構の整備というものは、むしろ考えようによっては、法律以前に必要なんではないかということを私は申し上げたいと思います。  以上、たいへんざっぱくでございましたけれども、この何カ月かの間に、私たちの素朴な主婦として、また私、素朴な主婦の声を聞いておりました窓口の一人として、この点について十分な御配慮をいただいた上、法案が所期の目的を達せられるようにぜひ御協力をお願いいたしたいと思います。
  67. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) ありがとうございました。  以上で参考人方々の御意見の陳述は終わりました。  これから参考人方々に対する質疑を行ないます。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  68. 林虎雄

    ○林虎雄君 時間もございませんから、それぞれ御発言をいただいた方に一緒にお聞きいたしますから、逐次お答えをいただけばけっこうだと思います。  最初に柴崎参考人に承りたいと存じますが、先ほどのお話によりますと、この石油に依存するガスのエネルギー源ですか、大体五〇%であるというお話でございます。そこで、今後の石油行政の見通しというものは、相手国があることで、半年先になるのか、一年先に好転するのか、さらに延びるのかも全く見当がつかないと思うわけでありますが、ガスの場合は石炭に依存するものが二五%、天然ガスが二五%ですか、大体こういうことのようであります。ガス事業としては、従来は石炭に依存しているパーセンテージが高かったと思いますが、石炭の減産、その他設備も変わっていると思いますが、石油に依存する五〇%を石炭のほうへ技術的に切りかえるというようなことは可能であるかどうか。もし可能であるとすれば、どの程度が可能であるか。それから天然ガスでございますが、今後の開発というものは可能がどの程度見込まれるものであるかという点をまず第一にお聞きし、それから、よく都会でガス漏れなどがいたしまして、爆発事故などもたまに起こるようでありますが、この配管の管理といいますか、かなりロスが出るわけで、むだも出るわけでありますから、そういうものの対策はかなり進められておるのであろうかどうかという点をお聞きしたい。  それからもう一つは、先般、埼玉県でありますか、ある都市でガス会社供給を制限するか停止するというようなことがありましたが、そういうようなことが他に波及するようなおそれがないかどうか、この点を柴崎参考人に承りたい。  それから野尻参考人にお伺いいたしたいのでございますが、燃料のルートというものが一様ではないように承りました。たとえばメーカーから直接小売り業者にいく場合、スタンド等にいく場合、あるいはメーカーから卸売りといいますか、問屋といいますか、それが場合によっては第一次、第二次を通って、そして小売り業者にいくということで、その間にマージン等もありましょうから、値段も同一にいかないということを承ったのでありますが、石油の絶対量についてはいろいろ巷間うわさをされておりますが、メーカー側にかなり大きなストックがある、あるいは卸売りにストックがある、あるいは小売りにストックがあるが、値の上がるのを待っているというので、一そう窮屈になっているのが現状だというような話もよく聞くわけであります。あるいは商社が、大商社が持っておって、それを大口の業者に、大口のメーカーに供給したとか、工場に供給したとかいう、いろいろうわさがございますが、小売り価格に対して今度一つの指定価格というものが出たわけでありますが、いままでそれよりも安く売っておったのが、そのとたんに指定価格まで飛び上がってしまったというようなこともいわれております。こういう点について、小売り業そのものがきわめて個人営業でありますし、零細でありますから、複雑多岐で、一様には言えないと思いますが、今日のようなこういう窮迫した石油状況の中では、やはり社会道義といいますか、そういう点からも、一般の消費者を納得させていただくような措置をとる必要があると思います。大きな業者があり、零細業者があり、価格についても仕入れ価格が必ずしもルートによって一定でないという点もあろうと思いますが、この法律が通りますると、ある程度の制限も受けるわけでありますが、このルートについてもう少し詳細に承れれば幸いだと思います。  それから若月参考人に承りたいのは、個人タクシーの業者が、LPガスがないために、並んで非常な深刻な状態であることを新聞等で承ったのでありますし、私などはよくタクシーを利用させてもらっておりますので、個人タクシーの方にもよく車の中で話を聞くわけでありますが、いままでのLPガス――主としてLPガスだと思いますが、これを購入する場合、つまりスタンドへ行って詰める場合、一定のスタンドをきめてあったのか、あるいはフリーで、その場の必要に応じてどこでも補給ができたというのか、そういう点をお聞きしたい。大体、御説明によりますと、一般のスタンドは、その三分の二がタクシー会社の経営で、そこで特約といいますか、顔見知りといいますか、どういうことですか、そういうところから供給を受けておったのでありましょうが、タクシー会社スタンドから買う場合にも、タクシー会社会社が優先でしょうからあと回しになる。非常に不利な立場に立たれておるようでありますが、すでに東京都だけで個人タクシーは一万二千余あるように承りましたが、こういう方々は共同施設なり、あるいは組合として特約というようなものを横の組織によってつくるといいますか、そういうスタンドなりあるいは配給所なりを専属のものをつくるという、そういうことに対して計画をされたことがあるか、また、そういうものは実際成り立たないのか、この点についてもお聞きをいたしたいと思います。  その次に、増田参考人に承りたいと思いますが、必要の石油は大体三分の二は従来海外において確保されておった、ところが、どこの国も事情が窮迫してきたのでその確保が困難におちいったと、そこでやむを得ないので補給船をチャーターして、そこまで油を持っていかなければならないというようなことになったようでありますが、そうすると、従来三分の一程度は国内から積んでいったと思いますが、これからは三分の二の海外から依存したのまで国内に依存しなければならないということにおおむねなるように承るわけでありますが、そうするとどの程度の量を  従来の全体の量についておおむね承りたいと思います。必要量ですね、千六百六社に個人が六百ですか、この必要量の概算を承れれば幸いだと思っております。  最後に、清水参考人に承りたいわけでございますが、おっしゃったことはよく理解はできるわけでございますが、ただ問題は、石油が非常に窮屈になって少なくなった。これをいかに公平に妥当な値段で配給するかということになろうと思います。そうすると、もう絶対量が制約されておりますから、やはり消費者側においてもある程度の消費節約といいますか、何らかの対策というものを立てないと、どちらにしても、かりに従来の価格としても確保する量というものは減少せざるを得ないということになるわけですね。問題は、いかに公平になるかということでありますが。そういう場合に、家庭の燃料あるいは暖房用、炊事用、いろいろあると思いますが、そういうものに対する家庭石油不足に対する対策、こういうものも考えなければならないと思いますが、そういう点について気のついたことを承れれば幸いだと思います。  簡単でございますが、以上でございます。
  69. 柴崎芳三

    参考人(柴崎芳三君) 質問の第一点、石炭への切りかえは可能かという点でございますが、現在石炭ガスをつくっておりますのは、みずからの工場にコークス炉を持ってやっておりますのが東京、大阪、東邦瓦斯の三社と広島ガスの四社でございます。その他中小ガスで数社、たとえば製鉄工場とか、あるいは化学工場から石炭ガスを買いまして供給しておるという状況でございますが、これらの工場の設備は大体現在フル稼働でございまして、石炭をこれ以上供給しても直ちに石炭ガスがふえるという状況にはございません。で、将来の見込みでございますが、公害問題もございますし、それから石炭ガスを生産するには非常に多くの人手を要するというような点もございまして、新しくコークス炉をつくって石炭のガスを多くするという方法は現在のところ計画はございません。したがいまして、現在程度の数量が当分の間横すべりするであろうという見込みでございます。  第二の、天然ガスに関しまして開発の見込みでございますが、現在天然ガスは、国内のものとLNGという形で輸入しているものと両方ございまして、国内の天然ガスにつきましては、御承知のように、日本海の新潟県の阿賀野沖で大きなガス田が見つかりましたし、それから最近では福島県の沖合で、これも大きなガス田が見つかりまして、国内の生産量は今後相当増加する可能性がございます。ただ、現在の計画では、大体発電所で使用する計画が主になっておりまして、ガス事業で国内の天然ガスをどの程度活用できるか、今後の検討課題となっております。  それで、輸入のLNGでございますが、現在はアラスカから年間九十六万トン、ブルネイから年間五百十四万トン輸入しておるわけでございますが、その他最近インドネシアとの間でプロジェクトの開発の話が進んでおります。それから御承知のように、ソ連のヤクートの開発その他の話も進んでおりますし、その他いろいろ計画があるわけでございますが、いつどの程度増産できるかというのは、何ぶんにも非常にむずかしい国際的な契約を経る問題でございますので、いまここでつまびらかにできませんが、通産省で研究いたしておりましたある一つの研究結果によりますと、昭和六十年に約七千万トン程度のLNGを確保して新しいエネルギー源とすると同時に、公害の防止に役立てたいという一つの研究結果がございますが、これがはたしてどの程度の現実性を持った数量であるか、これはなお今後の検討を要する問題であろうかと思います。  第三点の、ガス漏れのロスの点でございますが、これはガス事業そのもののロスは、平均的に見ますと、導管から漏れるものは一%ないし二%ということで非常にわずかでございますが、たまたまガス漏れということで事件と結びつきますのは、他工事が行なわれまして、たとえば道路の掘さく等で導管にひびが入って、そこからガスが漏れた、あるいは家庭におきまして若干の不注意の結果ガスが漏れて爆発につながったと、そういうケースが非常に多いわけでございます。いずれのケースにつきましても、ガス事業者としては万全の注意を払っておるわけでございますが、先般の大阪におきます地下鉄工事との関連で起きました事故のあと、各事業者とも保安要員を大幅に増加いたしまして、他工事との関係にはより一そうの注意を払っておりますし、また、家庭におけるいろいろの問題につきましても、常時検針時に御注意申し上げるとか、その他を通じまして各戸ごとにいろいろ御注意を申し上げまして、需用家庭と相共同の上でできるだけこういった事故の発生を防いでおるというのが実態でございます。  それから第四点の埼玉県の例、これは関東ガスで時間供給をしたいということを発表した事例でございますが、関東ガスの場合には、大体日量にいたしまして二十二トンのブタンエアが必要でございましたけれども、当時その入荷が非常におくれまして、二十二トンのブタンをできるだけ節約したいということでああいう発表になったわけでございますが、これは公益事業の経営者としては、突然ああいう発表をいたしまして、需用家の皆さま方に御述惑をかけるというのは、まことに遺憾のきわみでございまして、業界といたしましても、厳重にああいったやり方については、社長その他経営陣に注意を申し上げたわけでございますが、現在の状況では、こういった中小ガス事業者が使いますブタンにつきまして、需給が非常に逼迫しておりまして、年末の四日ないし五日間に限って、まだ原料の手当てが十分行なわれていないという事業者も数社ございます。ただ、これにはまだ若干の時間がございますので、通産省にもお願いし、関連の日本LPガス協会にもお願いいたしまして、万全の対策をとるべく目下努力しておりますので、おそらくこの年末までは、埼玉県の関東ガスの例が再発するというおそれはないものと考えております。  さらに、一月以降の問題でございますが、一月の前半につきましては、一応のめどはついておりますが、後半さらに規制が強化される場合にいかなる問題が発生するか、これはまだ未知数の点が多分にございまして、いまわれわれといたしましては、できるだけ関東ガスの例が出ないような形で過ごしたいということで努力を続けておるわけでございます。
  70. 野尻東一

    参考人(野尻東一君) 第一のルートの問題でありますが、ガソリンスタンドは、油会社から直接十トンローリー車で油をとれるような組織じゃなければお店を開けません。でありますので、ガソリンスタンドがありますと、それには必ず製油所から入るような場所、土地を持って始めます。ところが燃料商は、大体もとは炭屋が多いのであります。炭屋がいろいろ薪炭が斜陽になりましたので、どうしても灯油を売る。そこで今度は灯油をとるとき、十トン車でなかなかとれないという場所的な制限があるわけです。それから、それでも地下タンクを入れているところはまだいいんですが、東京のまん中あたりは、とても地下タンクに入れられないで、ドラムかんで配給を受けるわけです。でありますので、第一問屋が油会社から十トン車で受けると、結局、燃料商で地下タンクのあるものはそのところから買える、しかしながら、さらにドラムかんで買わなければならないようなところは、やはり第二問屋を通して小分けしてドラムかんで買わなければいけない。そのドラムかんも、二本以上は一ぺんに買うと消防法違反になるというわけでありますので、結局、ガソリンスタンドは直接に買う、それから燃料商はやはり第一次、第二次を通さないとスムーズにできないという問屋があります。  それでは、ガソリンスタンドのほうが配給に適しているか、油を売るのにいいかというと、決してそうじゃなくて、ガソリンスタンドというのは、自動車がぱっと来てそこで入れていきますので、配達をいやがります。燃料商のほうは喜んで配達するということで、また家庭とも直結しているので、一般の奥さんは燃料商から買いたいということでありまして、ただ、この配給ルートが長くなれば長くなるほど物資の不足のときはどうしても高くなる。しかしながら、余っているようなときは、むしろそういうところの第一問屋、第二問屋を通って買ったほうが安い。ということは、たくさん第一問屋で買いますと、非常に安く買える。だから、分けても決して配給費のために高くなるようなことはないというのがいままでの現状でした。これからは違うと思います。  それから在庫の問題ですが、大体九月末では五百三十万キロ、それから十月には六百万キロと、こういうふうに灯油の在庫はふえていたのでありまして、これを前の年と比べますと、百万キロぐらいふえていたわけです。しかしながら、最近だんだん減っておりますのと、それから石油メーカーは、これからが非常に原油が不足する、それに対処しなければいけないということで、結局一月、二月、三月と極端な減らし方をしたくないというような売り方をしているわけです。われわれとすれば、十二月によけいに出してくれ、こう言うけれども、一時だけよけいに出しても、あと困っては困るじゃないかというようなことと、お互いに油会社も競争になっておりまして、ほかの会社がなくなったとき自分のほうがあればいい、先へ手をあげるのはいやだというようなこともあると思いますが、結局、油などをいろいろ山に隠したとかなんとか言いますが、あんなものは微々たるもので、ドラムかんに入れて置いておいても合うものじゃありません。ドラムかんというのは、一本五千円もかかるものが、あれが一年か二年でむだになっちゃう。それで、もうかるためにやるんじゃなくて、いろいろ配給するとき、お客さんに間に合わせなくちゃいけない、自動車を持っている者は、自動車が動かなくちゃいけないということでやっているんですが、消防のほうでいろいろつかまって大騒ぎになっておりますが、あれは大した数字じゃないと思います。  次に、三百八十円の価格がきまった、そのためにかえってそれより安いものが上がったという御質問でありますが、そういう事例もあるかもしれません。しかしながら、去年がたいへん暖冬で安かったわけであります。それで、ことしは元売りの価格が押えられたといっても、昨年と比べますと四円以上違うわけです。十八リッターかんにしても八十円近く高いわけです。これはお調べになればわかると思います。そこへもってきて、人件費が高いので、去年と比べましてことしは相当値上げしなければならない情勢になっていた。しかも十年前の値段と比べて、決していまの灯油の値段は高くありません。むしろ諸物価に反して安いぐらいです。ただ、去年安かったのをことし一ぺんに、新しく買いに来たから百円上げます、百五十円上げますというのは、商人としては言わないで、十二月までに三回ぐらいにして切って上げたらいいんじゃないかというようなやり方をとっていたのが多いと思います。それで、十一月の二十六日にストップされたので、結局もう少し上げたかったのだけれども、それまでは上げられなかったけれども、二、三十円上げたという事例も出たかと思いますが、これはごく少ないケースだと思います。  以上、三つに対してお答え申し上げました。
  71. 若月勇

    参考人(若月勇君) 東京の一万七千に近い個人タクシーは、LPのスタンドで購入しますときに、従来からさかのぼりますと、十年来、LPに転換いたしましてからは、現金で買う個人タクシーがいつの価格の場合でも、法人から見ますと五円高い、はなはだしいときは七円ぐらい高かったのが、これがもうあたりまえとされておったわけです。これはどこからそういうふうな状態が出てきますかわからないんですが、法人業界は平均七十五日の手形で買っている。個人タクシーは現金で全部買っている。それが五円から七円高い。それは、個人タクシーがこれほどふえてきたというような恨みが、法人業界スタンドを通じて買うときの数字にあらわれているということでございます。なお、そういうことでやってまいりましたので、地元、私の東京の協同組合は、いま六千五百名のシェアでございまして、なおかつ、員外利用で燃料の購入をやっておりますのが約千四、五百名おりますから、大体八千名、東京を半分にしただけの大きな力がございます。  そこで、何とかしてこの燃料の高いものを食いとめようということで、三年前から一つのクレジットカードというシステムを利用しまして、そしてスタンドにいわゆるチェックする、言いかえれば、請求してお金をもらうまでの段階をすべて簡素化しております。全国で私のところだけでございます。非常にロードが何もない。伝票までわがほうで全部つくって差し上げている。カードを持たせまして、そしてインプリンターでガチャンと押せば、コードナンバーでコンピューターにかけるようなシステムになっておりますから、非常に費用は――向こうでは労働時間もなければ請求のシステムもない。このような全く一方的な、いわゆる集金センターのような仕事をわがほうでかぶりまして、二年、三年の経緯を経まして御存じのようなところまでようやくきたんです。  ここで、こういう状態になってまいりますことを考えまして、事前に、わがほうが協同組合でスタンドを持とうということでいろいろ検討したんでございますが、まだまだ立地条件からいいますと、許可されるべき土地は周辺でたくさんございます。これは東京都で調べております。ところが、これには一カ所最低二億五千万円ぐらいの費用がかかります、保安基準の問題等で。ところが実際は、近所の方がこの問題について反対するわけです。夜中でも自動車が並ぶ、そして第一、プロパンはあぶないという潜在的な意識がございます。ところが、それに拍車をかけてあおりますのが既存の業者でございます。業者が全部行きまして、ポケットマネーを出して――その地域方々の同意書がないと認可になりません。聴聞会があるわけです。そのときにその地域方々がみんな出て反対なさる。家庭用のプロパンは爆発しましても、現在タクシーのプロパンは爆発しておりません。まして、プロパンのスタンドが爆発したものはない。保安基準がきびしいのでこの点は万全の措置をしているわけなんです。  ところが、ここに個人タクシーがスタンドをつくってしまったんでは、自分のところのタクシーに入れるコストが高くなるわけですな、結論は。個人タクシーに高く売ることによって、まあ、寄生虫のごとき営業形式でやっておりましたので、スタンドのできることを極力防止するために、既存の業者が全部反対でパワーを起こす。こういう問題がようやくわかりましたので、やむを得ずわれわれはあきらめざるを得ない。そしてなおかつ、このような緊迫した事情になりますと、ここで一挙に個人タクシーを壊滅させてしまおうということをだれかがどこかで考えている。それは大きなメーカーでございます。あるいは元売り、流通機構でございます。これと当初密着したのが法人業界スタンド業者でございます。なぜならば、個人タクシーが、私のところがそのようなシステムをやりますから、市場価格を上げようとしても、わがほうが抵抗しておりますから上がらない。  そういうために、この際一番被害をこうむっておるのがわれわれでございまして、そうして、御存じのように一人犠牲者が出ましたので、極力早くということで作業をしたのですけれども、二人の犠牲者が出てしまったというようなことで、おふろ屋さんもこの間、気の毒に犠牲者が出たようでございますけれども、先ほどの主婦連の方がおっしゃいましたように、弱いところだけ力をそぐように、全く細々しい動脈に入れてくれないといいますと――スタンドに絶対量がどれだけあるかわからない。そういうことで、個人タクシーが最近ふえてきた、これを一挙にたたいてしまおうということを堂々と公の席上で言われている。そうして、わがほうの個人タクシーにガスを売るところ、それをさしまして徹底的にたたいてわがほうで十二のスタンドを契約しておったわけですが、それも二つまでたたき落とされてしまった。  圧力団体としての特にLPのスタンド協会の運営については、あるいはLPの協会の運営については、これは公には社団法人なんです。公益に資するために主務官庁から認可をもらったのが、公益に資するどころか、そういう弱い業界をたたき落とすためにやっている、こういう実情でございます。したがいまして、全国的にもいろいろ問題がございますけれども、一括購入という新しいシステムをやっているのは東京に一カ所でございまして、それぞれここへきますと弱い差が出てきまして、もう何ぼ上げられてもないよりはいいだろう、値段が幾ら上がっても、そんなことを言ったところで政府は配給してくれるわけではないから、もう何ぼ高くてもいい。言いかえれば、トイレットペーパーは高くても手に入る。入らなければ、あれがないと困るのです。そういう現象は、全く思うようにメーカー、元売りの、いわゆる法律ができる、値段が押え込まれるだろうという前提としての露払いをわれわれは全くやらされている、これが現状でございます。
  72. 増田正一

    参考人(増田正一君) 私、増田でございます。御質問にお答えいたしたいと思います。  先ほど私、日経連の立場から海外補給の事情について御説明いたしたわけでありますが、日鰹連の立場としては、海外補給で必要とする油は年間六十万キロリッターでございます。ただ、ほかにも漁業の種類によりまして海外補給を必要とする業種がございます。たとえばトロール漁業あるいはイカ釣り漁業、はえなわ漁業というような業種もございますので、これらの海外補給の総量は百六万キロリッターというように計算されております。その百六万キロリッターは漁業界の全量、先ほどちょっと触れましたが、六百九十二万キロリッターに対して百六万キロリッターということでございます。
  73. 清水鳩子

    参考人(清水鳩子君) 先生のお尋ねは、家庭用の暖房だけで考えてお答えしたほうがよろしいのですか。――私、これは暖房と炊事用とのあれがありますし、それからこのごろできている分譲住宅のように集中方式でやっているところもありますし、それからほかの燃料に、たとえば都市ガスその他に切りかえられないという地域の特殊性もあると思います。それから寒いところとあたたかいところと、いろいろな要素があると思うのですけれども、普通の――これは通産省が御親切に、おふろは二日に一回とか、必要以上にお部屋をあっためないこととか、戸をあけたらすぐ締めろとか、いろいろ項目を書いてくださいましたから、大体あのくらいだと思うんですけれども、でも、あれをやっても全体の消費量というものは、そういうふうに全体の需給の中で目に見えてどうということでもないし、そんなに冬場部屋をあたため過ぎるといって裸になっているわけもないし、おふろに一回何回も入れるはずもないのですから、これは何か非常に私たち、そういう言い方をしてはたいへんいけないのですけれども、行政のよけいなおせっかいというふうな言い方をするのですけれども、あともう少し前向きに考えてれば、私、浪費型の耐久消費財ですね、エネルギーを浪費するような、ああいうものの広告の規制をしたらどうかと思うんです。  いわゆるセントラルヒーティングや何か、かまわずどんどん新聞で全面広告なんかしていますけれども、やっぱりああいうものはもう少しこの際、広告規制をしていいんじゃないかと思います。それと、これは前から私どもよく言っているのですけれども商品を選ぶときに、たとえばこれは縦の寸法がどうだとか、重さがどうだとかということはよくわかるのですけれども消費電力とか、いわゆる消費エネルギーですね、そういうものの表示がいまの商品の中ではあまりされていないのですね。ですから、ただ便利さだけが売り込まれていますから、その便利さの裏にある非常に電力とか灯油、プロパンをむだに使うということは、購入の段階では表示を見てはわからないわけですね。それで小売り店も非常にその辺は売り方が不親切ですから、そういうエネルギー消費の表示義務づけというものをこれからはしていったらどうかなと思います。  それから、これは建築基準法の中にそういうのがあるかどうか存じませんけれども、もう少し新しく家を建てる場合の気密性というものをいわゆる基準法の中にはめ込んでいく。なかなかいまのこんな物不足で物価が高くなりますと、新しい家を建てるということはちょっと不可能に近いのですけれども、断熱材とか遮断するとかという、そういうようなことを少し建築基準法の中へ織り込んで、住宅金融公庫の融資なんかもそういうものに対しては少しめんどうを親切に見るとか、そういうようなことを、ざっといま私もたいへんまとめが悪うございますけれども、ちょっといま思いつくのはそんなことでございます。
  74. 中尾辰義

    ○中尾辰義君 瓦斯協会の柴崎さんに具体的にこまかいことをお伺いしますけれども、先ほどの話で、年末の四日ないし二日間は中小企業のガス会社はまだその原料の手当てがついていないと、こういうような話がありましたが、それで私は勉強不足であって申しわけないのですが、ガス会社はどういうルートから買っていらっしゃるのかですね、原料ですね。  それから、いま数社ということですが、数社のめどがついてない。これはほかの会社がめどがついて、なぜそこの数社だけがめどがついておらないのか。また差しつかえなければ、その数社というのは具体的にどこの会社なのか。  それから、一月のほうは前半がめどがついているとおっしゃったですね。後半のほうはまだこれから見通し難である。まあ一月は石油事情もさらに悪化するんじゃないかと思われますが、われわれ消費者が一番心配しているのは、ガスが関東ガスみたいなふうになると、非常にこれはいろんな問題点が出てくると思いますがね。それで通産省も努力はしてくれるでしょうが、あなた方のほうから、もし最悪の場合、どの程度カットされたらそういったような時間供給だとかあるいはまあ圧力を減らすとか、そういったようなことをしなきゃならないようになるのか、その辺のところをひとつお伺いします。  それから、個人タクシー協会の若月さんにお伺いしますが、まあ、犠牲者も出まして非常に申しわけないと思っていますが、十四日に法人と個人タクシーの話し合いもつきまして、十二月分は大体十一万五千トンということで話し合いもついたけれども、いまのお話を聞きますと、なかなか末端のほうにいきますというと順調にいってないじゃないかということですが、ここで十一万五千トン、大体二、三割方減っているんじゃないかと思いますが、その辺はどうなのか。で、あなた方のほうから見てなぜスムーズにいってないのか。これが二点。  それから三点が、個人タクシーの皆さんの生活の問題ですが、先ほどるると拝聴をいたしました。今度のような削減でどの程度の量が手に入るのか、それが走行キロに当然影響するでしょうが、収入はどの程度減るのか、生活にどういうような影響を来たすのか、その辺のところをお伺いします。
  75. 柴崎芳三

    参考人(柴崎芳三君) まず第一に、どんなルートから購入しておるかという御質問でございますが、これは会社によりまして種々雑多でございますが、ただいま一番問題になっておりますブタンについて申し上げますと、ブタンの会社、ガス事業者自身が非常に小さい規模でございます。また、内陸に存在する事業が多いわけでございます。したがいまして、大半が二次問屋ないし三次問屋から入手しております。で、現在のブタンの需給逼迫を反映しまして、二次問屋、三次問屋がトータルで卸から供給量削減される状況が間々ございます。したがって、そこからガス事業者が買う場合に、トータルとしての削減がそのまま及んでくるというような関係がございます。  で、現在ガス事業者あるいはガス協会として努力しておりますのは、小さい事業者でも一般の消費者に比べますと相当大量に消費することはもちろんでございますので、できるだけ卸までさかのぼりまして、卸に直接状況を伝えまして、元売りのほうからできるだけガス事業に対する供給量をひもつきで出していただきたいということをお願いしておるわけでございますが、一部にはそういうルートが新しくできまして成功した例がございます。まだしかし、交渉中のものもございまして、全体といたしましては二次問屋、三次問屋経由のほうが現在でも依然として多いというのが実情でございます。  それから第二点の、数社だけなぜ手に入らないかという問題でございますが、これはいろいろございまして、その事業者の地理的な位置の問題もございますし、元売りの関係で、ブタンにつきましては非常に苦しい元売りと、それに比べては比較的余裕のある元売りと、非常にそういった供給量に差が出てまいりまして、したがって、苦しい元売りにつながった特約店から買っておる場合には苦しいというような形になるわけでございます。しかし、全般を通じて言えますことは、従来の買い方でございます。従来そのときそのときに価格の低い玉を買いあさりまして、それでその玉、なるべく安いものをその場限りで手当てしておった業者は、現在の需給逼迫状況におきまして非常に苦労しております。その反面、従来から安定的な長期契約を結びまして、ある時点では他よりも高い値段を払って買っておった事業者は、現在むしろ比較的有利な価格で手に入っておるということがございまして、まあ、そういういろいろの要素がからみ合いまして、現在非常に苦労しておる会社も数社存在するということでございます。  その名前でございますが、これは地元の需要者の皆さまに要らざる不安を巻き起こす可能性もございますので、この席での発表は遠慮させていただきたいと思うのでございますが、これらの業者につきましても、現在われわれ瓦斯協会、あるいは通産省、あるいはLPガス協会、全部が一致して努力しておりますので、現在の見通しとしてはおそらくここ数日中に手当てができる見込みが立つものと、われわれは確信しておる次第でございます。  それから第四点でございますが、一月の後半がどうしてめどが立たないかという問題でございますが、大体ブタンにつきましては、乏しいながらも一カ月に大体どの程度というめどをそれぞれの月について供給者側は持っておるわけでございまして、したがって、それを毎日毎日使っていった場合に当然しわが寄るのはその月の後半でございまして、そういう意味で、この十二月を無事に過ごすことができれば、一月の前半はまず量的に見てだいじょうぶでございます。したがって、われわれとしてはさらに消費者皆さま方にお願いいたしまして、できるだけ現在の需給状況を反映した消費の節約をしていただくと同時に、供給不良を起こすようなことでは非常に保安上危険がございますので、供給者のサイドにも強くお願いいたしまして、必要最小限度を確保したいということで、十二月のめどがつき次第、またあらためて一月の後半のめどを立てていきたいという順序で考えておるわけでございます。  それから第五点の、どの程度確保できたら時間供給がなくて済むのかという問題でございますが、先ほどもちょっと触れましたが、現在どちらかと申しますと他の家庭用燃料が非常に不足し、かつ価格が上がっておるために、ガスの使用量がある場合にはふえぎみであるという傾向も出ております。これは、家庭生活を維持する上にあるいはやむを得ない傾向であろうかと思いますが、しかし、ガスの供給量にももちろん限りがございますので、そういった状況に対しましては各戸ごとに節約をお願いしておるわけでございますが、それと同時に、現在私の協会といたしましては、ブタンエアの各業者六十一社から毎日毎日の供給需要の対照表を出させまして、需要量がふえぎみのところはもう少し節約するように事業者としても努力をすべきであるという要請をしておりますし、また、その節約の予想量に応じまして、それに見合った供給量は毎日毎日の集計結果に基づきまして、先ほど申し上げましたようなルートでその確保をお願いしておるということでございますので、トータルとしてどの程度かということは非常にむずかしい問題でございますが、それぞれの事業者の前年度の実績、あるいは最近の実績に応じた必要最低限度というものを各事業者ごとに出しまして、目下非常にきめのこまかい作業をし、かつ指導をしておるというのが実態でございます。
  76. 中尾辰義

    ○中尾辰義君 それはまだわかってないのですね。いまのはまだトータルが出てないのですね。
  77. 柴崎芳三

    参考人(柴崎芳三君) トータルはまだ……。
  78. 若月勇

    参考人(若月勇君) まず、十一万五千トンのはじき出された根拠から申し上げないと、これはちょっとまずくなりますので申し上げますが、先生方は御案内のように、非常に中東から削減されたと、それが一〇%とか、あるいは一五%という情報は、まず、何といいますか、日本のメーカー筋から出てくる情報が非常に多いということでございます。そういうことを背景にして考えているんですけれども、いろいろ調査しますと、昨年度、いわゆる四十七年度と四十八年度では三割よけい買い付けるという形で、このトラブルの現象が起きるまではそれぞれきておりますから、若干いわゆる向こうから削減されましても、今年度はやや昨年程度の輸入になるということがまず前提でございます。  ところが、この十一万五千トンがはじき出されましたのは、すでにずたずたに切られました十一月の実績でございます。ですから、一〇%削減されてOPECOAPEC一から来るとしますと、われわれは一〇%もうすでに十一月に削減されておりますから、消費の答えは非常に少ないものになっていると、それを絶対数で、いわゆる全国自動車がいままで十一月に使った数字、この数字の根拠はガソリンの場合は元蔵出しからで、税金の計算ができます。ところが、LPは筒から、いわゆるパイプ、スタンドで小売りをするときに、そこで絶対量から逆算しまして税金の数字になって、通産省が求めた数字は大蔵省から出ている。この十一万五千トンは十一月につくられて、いわゆるもうずたずたに切られて、消費が減っている、減少されている中での数字ですから、べらぼうにまず第一減っているということ、その実績に基づいて減ったものから、なおかつ一〇%でちょうだいしたのが十一万五千、これはオール自動車でございます。  といいますと、タクシーのほかにバキューム車、ごみの車、その他自家用などまぜまして、量的にいいますというと大体六・三%に該当します。しかし、これは単なる監督機関が運輸省サイドではないものが非常に多い。自家用においては運輸省サイドではございません。その数字において若干異議がございますのと、自家用でLPを使っているというようなことで、その点を大体いろいろ相談して、六・三を実はダウンしまして、そしていただいたのが十一万トン欠けまして約十万八千トン、これを全国のタクシーが分けるのでございますから、全部いわゆるガソリンをとりまして、法人と個人の数を出しまして、中型、小型、これは保持量が違います。そういうことで、基本的に一つのモラルで二対一で分けたわけでございますけれども、いま申し上げたように、絶対量が減ってけ散らされた中で出た数字ですから、受け取り方は一〇%減という受け取り方ですけれども、実際は二〇%減という受け取り方をしております。  さて、それがいろいろやった結果でき上がったわけで、われわれのほうでは、末端についても、東京の個人タクシーは約六十のスタンドを選定しまして、いわゆる登録のまねごとで、もうすでに十七日までに全部作業が終わっております。ところが、これは両省庁が相談しまして、十七日から実施すると、こういうことになったのですけれども、びっくりしたのは私でございまして、作業を主宰してやっておりましたので、十七日に実施するには、われわれのほうは全部カレンダー方式とか、あるいは切り取り方式ということで、当面カレンダー方式でチェックアップする。六百がまんべんなくいくようにやっております。そのようなシステムまでスタンドに言い渡して、準備万端して、さて十七日を迎えたんですが、十七日になるまでの過程において、通産の監督下にございますいわゆる元売り、あるいはそれのLPガス協会、仲買い、あるいはスタンドスタンド協会、何らコミユニケーションが具体的にない。もっぱら石油業法がわれわれのほうに歩が悪くなっちゃ困ると、よけいなものが値段をきめるところまでのぞかれちゃ困ると、何を輸入して何しようがかってじゃないかというような圧力のほうにだけやられまして、そちらのほうで、まあ、行政官庁は防戦に忙しかったのでございましょう。肝心の買うほうの体制が立ったのに、売ろうという、流してくるということが、もう抵抗しておりまして、これがいまだにできない。そうしてきのうあたり、ようやくLPガス協会が仲買いを呼びまして、まあ、どうしようということにきめるのか、法律が通ったからこれからおとなしくしようというのかどうかわかりませんが、まずフランチャイズの相談でございましょう。け散らしてしまって、自分のルートだけをやろうという、これはいままでのような複雑なものでございますから、なかなかきまらぬと思います。そういうようなことで、われわれは単純でございますから十七日からくれるというから、少なくなったけれどもがまんしょうと、今度はうんともらう人も、法人もきまったし、個人タクシーもきまったし、ですから乏しいことで、はっきり申し上げて、あと運賃もらうよりしょうがないというようなことで、ふたをあけたのが、当分延びそうだ、当分というはの一カ月も当分です。法律でも当分の間といって、三年、五年ぐらいやられるのは当分です。ですからまことに困っておりますけれども、この問題については、いま申し上げたように、全く中間のスタンド、あるいはその上の流通機構、仲買人、あるいは代理店、それから元売り、そこにスタンド協会、あるいはLPガス協会というものが介在しております。ですからわれわれの場合は、今回はお米と同じく割り当てをもらったのです。米屋さんを選ぶのはわれわれの自由だ、これはこれだけが権利だと、そうして六百いただいたものは、われわれが自分の好むスタンド、いままで張りついておりましたし、また、あそこは非常に今回めんどうを見てくれたというようなことになりますと、どうしてもいままでもとにつながっていて、個人タクシーをけ散らしていたところにみな張りついてくる。こういう非常に大きな陰謀がやられたということ。  それからもう一つ、あまり困って延々長蛇、いまでも並んでおりますが、特に先生方も骨を折っていただきましたけれども、特に警視庁が動きまして、普通の状態ではない、もう非常事態だ、パニックだということで、通産省や運輸省その他で、われわれもやった結果、緊急用としてアンラ、ラフの放出物資と考え方は同じです。ですから個人タクシーが、いま交通事故でけがをした、病院に入った、輸血が必要だということで、いわゆる千四百トンが、輸血する病人が入っている病院に輸血がくれば、これは助かります。ところがほかのほうに輸血がいってしまったという現象で、これはLP協会が、いわゆるLPのスタンド協会が通産の一次官と話し合いをして、この千四百トンをLP協会の会長から副会長、全部これを称して話のわかる人だそうです。そこの十五のスタンドに全部特配の作業をしてしまった。したがいまして、ほとんどが個人タクシーでなくて、そこのスタンドにつながっていた法人のタクシーのタンクに入ってしまった。個人タクシーは全然もらっていないとはうそでございます。もらっておりますけれども、言いかえれば、緊急病院であるパニックのところに千四百トンを割り当てて、その親心から出てきたものが、困っておる人たちを泣きっぱなしにして、これをほとんど全部七トンのローリーで十五のスタンドへ運びまして、日曜休みのところまで全部やりまして百五トン、次ぐ日も三十トンばかり運んでしまった。これはたいへんだということで……。土曜の日にその作業が向こうで、通産の一課長が、しかもスタンド協会の二、三人と――スタンド協会はきまっていないのです。入れればもうかるだけのことです。だれに売っても同じなんです。ですから、われわれがもらったものなんです。そのように使ってもらわなければ困る。それを一事務官がそのようにして、しかも系列スタンド協会の、非常にいつも値上げのときに協力している役員、値上げを共謀している連中、しかも元売りから出てくることを、ある特殊の個人タクシーを困らそうということでやっているあの元凶の連中がきめて、千四百トンをけ散らしてしまったということで、とめたのですけれども、とめたら今度通産は、あれは全国のパニックだ。  ますますパニックの現象は起きておりますけれども、東京が一番ひどいんです。警視庁が東京のことを考えてくれたんです。それを今度全国の看板の前でたな上げされてしまった。したがって、一部もらった者、あるいは個人タクシーも若干お受けになりましたけれども、実際のパニック状態は解消しておらない。それでなおかつ、先生方、いまどうかと言いますと、いまでもそのスタンドのお覚えのめでたいとこれには、何だか知らないけれどもガスがいっているんです。そして、ほんとに個人タクシーがつながっている主力のところは何かガスがない、これが現象です。十五のスタンドに、今度は逆に向こうへ波が並び始めた。それはあるからです。われわれのスタンドは並んでもないからしようがないというような現象が大体出ている。法律がきまって、どさくさまぎれにいまのうちやっちゃえということでございましょう。しかも、三十七円でやれというのが、三十八円ぐらいでなけりゃならぬというその千四百トンを、現金で法人も個人にも四十五円でみんなぶったくってしまった、こういうことで、われわれとしてはまことにどうにもならないということが現状でございます。
  79. 中尾辰義

    ○中尾辰義君 もう一つありましたよ。その個人タクシーの皆さんの……。
  80. 若月勇

    参考人(若月勇君) 絶対量でございますね。申しわけございません。  絶対量につきましては、法人と違いまして、法人はここで気の毒ですけれども、たとえば百台現在あります。その百台の車が動くに足りない。今度東京の場合は一日五十リッターにきまりました。五十リッターというと、いままでから見ると、三割減です、法人業界は。その三割減を総台数の車で三割カットしました。それで、その三割をあとの残りに入れれば、これはそれだけは動きますわね。ですから、はっきり言うと悪いけれども、この際乗車拒否なんかしてるやつだとか、あるいはいままで日雇い運転手みたいなのを雇っちゃいけないったって、現実雇っています。その連中をこの際、こうやってまじめに長く一緒に定着していた連中を結局中心にするならば、百台のうち三十台だけ休まして、もらったワクをあとに乗せかえて、そしてやっていくという食いつなぎはできます。ところが、個人タクシーはもう一台も二台もできません。これはどうにもならぬ、一台限りで、全くミクロのいわゆる零細ですから。したがって、今回は二十五リッター、そして二十四日という計算でございますから、これがまず、二十日で使って――三十を使わないとこれはやれないんです。家から出るときお客さんがいるとは考えない。また、帰ってくるときは片道で考えてきます。そうすると、実際の二十五の中で使えるものというのは二十二か三きり使えない。あるいは乗車拒否はできません。遠くから行って帰ってくるときには、帰るだけでいわゆる二キロ、三キロ使わなきゃならない。ですから、二十五をもらったというのは、二十という受け取り方にならなくちゃいかぬ。しかも、二十四日を起算してちょうだいしたんですけれども、三十ずつ使いますというと、二十日でございます。とんだところで週休二日制をしなきゃならない。二十日間働いて、あと十日間は全部休みです。ですから、運輸大臣に申し上げて、もう個人タクシーはこれから全部アルバイト、内職にします、個人タクシーを内職にして、あとの十日間はほかで働かにゃできない。そういうことで、収入減としましては、おおよそを考えると四割からの水揚げのダウンになります。ということは、生活は、仕事はあろうがなかろうが家族を食わしていかなければならない。まして物価は天井知らず。そういうことになりますと全く致命的な一そういうことが、ほんとうにいろいろ手当てをしておりますけれども、結局一人あるいは二人と死にまして、いまうつろな顔をしておりますし、全くこの十七日からの実施を千載一遇の、ああよかったと、少なくともしかたがないと、考えようと、一部ガソリンに転換させようといろいろ施策を考えておるんですけれども、この十七日さえこれがだめになりますと、いかにうまいことを言われましても、はたしていつやるか、二十五が私の手に届くかどうか、全くこれはだれかに向かってこれはほんとうかといってお伺いしたい。これがまた実情でございます。  以上でございます。
  81. 栗林卓司

    ○栗林卓司君 いろいろお伺いしてまいりましたので、野尻さんに一つだけお伺いしたいと思うんですけれども、これはお差しつかえがあればけっこうでございます。  実は、午前中に全国石油商業組合連合会の方のお話を伺ったんですけれども、いろいろ流通秩序混乱というか、麻のごとく乱れておりますという説明がありました。そこの中で実は、全国燃料協会のことを頭に置いた御指摘があったように聞き取れたんです。そこで、先ほど来のお話のように、薪炭からかわって今日小規模で灯油等の供給をなさっているわけですけれども、より大きな販売である全国石油商業組合連合会との関係はどうなっているんでしょうか、これが一つです。  それからもう一つ。三百八十円と一律にいわれても困るんですというお話は、流通経路をたどって考えますとよくわかるんですけれども、野尻さんのお立場でもし考えるとすると、やはり価格をもし標準を示し云々ということになるんなら、何段階かに分かれるのではないかということをお考えなんでしょうか。  この二つだけお聞かせいただきます。
  82. 野尻東一

    参考人(野尻東一君) お答えします。  全石商というのはガソリンスタンドの組合です。それで、ガソリンスタンドも十キロタンクまでは入れられるわけです、灯油については。それで入れて売っているところと売っていないところとあるわけです。ガソリンスタンド灯油を売っております。ところが、われわれ燃料商は灯油を主たる商品でやっておりまして、それの違いがあるわけです。  それでよろしゅうございますか、そのほうは。
  83. 栗林卓司

    ○栗林卓司君 重油の元売りからいまのスタンドまでという売り方と、それから全国燃料協会の売り方というのはおのずから違うわけですね。そうすると、販売業界における力関係の違いというのもあるんでしょうし、おそらく、この際言っておきたいということもあるのかもしれないという意味で、お差しつさえなければとお伺いしたわけです。
  84. 野尻東一

    参考人(野尻東一君) 結局、家庭灯油販売については、やっぱり燃料商が一番適していると思います。それで第一次、第二次もありますけれども、実際としてガソリンスタンド家庭用の灯油を売るのはあまり適してないと思います。先ほど申したとおり、どうしても一次、二次を通してもやはり燃料商が売るのが一番いいと私は思っております。  それで、全石あたりもほとんどスタンドの集まりでありまして、ほとんど灯油については関係が薄いわけです。スタンド自動車が買いにくれば、すっと入れてやればそれでいいんで、一々お得意へ持って歩いたり、聞いて歩いたりするのは不適当だと思います。それで一次、二次ありますけれども、先ほど申しましたように設備の点が燃料商というのはあまりありませんので、そういう問題でどうしても一次、二次が必要だということであります。  それから価格の点につきましては、こういう状態ですと地区的に多少価格をきめなければいけないんじゃないか。いろいろ内陸部だとか製油所に近いところとか、同じ都心でも、東京のまん中あたりは何としても配給費が高くかかります。一かんずつしか持っていけない。車へ五かんも十かんも置いて往来へ置くとすぐ罰金を取られるということで、かえって、距離というよりもそういう点で都心が非常に骨が折れる。また、スタンドの地下タンクの設備のあるところとないところでは多少区別してやらなければ無理じゃないか。設備のないところもあるところと同じようでは少し無理じゃないかと思いますけれども、いろいろ国として価格をきめる以上は、なかなか二本ということは困難かと思いますので、それについては配達費か何かでカバーしていかなければならない、こう思います。
  85. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 私、簡単に質問をしますから、簡単にお答えをしていただきたいと思います。  柴崎さんにちょっとお尋ねしますが、いまガスをつくるのに使っておる原料炭は、日本産だけを使っていらっしゃるわけじゃないと思うのです。ベトナムのホンゲー炭とかいろいろ原料炭は手に入ると思うんです。   〔委員長退席、理事竹内藤男君着席〕 だからそれを大量に買って、ガスをどんどんとつくっていくという道は開けておると思うんですが、そういう方向にはいまのあなた方のお考えはいっていないのか、現状をひとつお伺いしたい。まず、柴崎さんにはその点を伺って、それから次にいきますから。
  86. 柴崎芳三

    参考人(柴崎芳三君) 原料炭を大いに輸入すればガスの生産量がふえるではないかという御質問でございますが、現在、原料炭を入れまして、それをガス化するための設備としてはコークス炉があるわけですが、これは東京瓦斯、大阪瓦斯それから東邦瓦斯、広島ガス、この四社に限られておりまして、それぞれのコークス炉のガスがフル稼働しておる状態でございますので、原料炭を入れてすぐにそれをガスにできるという状態にはございません。で、それ以外の中小の数社で、鉄鋼あるいは化学工場のコークス炉からガスを買いまして、それを一般に供給しておるものもございますが、これは購入先の各工場の生産量がどちらかと言えば削減される傾向にありますので、むしろ石炭ガスの購入量も減りぎみでございます。そういう点から考えまして、ホンゲー炭をはじめとして、たとえばオーストラリアあたりにも輸入炭はあるようでございますけれども、ガス事業で使える量というのはおのずから一定の限度があるという状況でございます。
  87. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 私、この間ソビエトへ参りまして、チュメニ油田からシベリアの地下資源をずっと調査してまいりました。そのとき聞いた話によりますと、シベリアには無尽蔵に良質の石炭があるということですね。もちろん天然ガスもありますし、油もあることはあるんです。ですから、石油が非常に高くなって、そして手に入らないというときたは、将来のことを考えて、私は、国民に安価なガスを提供するという立場に立つならば、やはり手を打って、昔は、私たちが子供のときにはみな石炭のガスでしたから、いまからそのことを考えておく必要があるんじゃないか、こういうふうに思うんですが、将来に対してどういうふうなことをお考えになってらっしゃるか。やはり石油に依存するんだという考えから脱することができないのかどうかということですね。
  88. 柴崎芳三

    参考人(柴崎芳三君) 将来の対策でございますが、従来のコークス炉からガスをとるという方式ではなくて、全く新しい技術を開発いたしまして、メタンが非常にリッチな、SNGというそのガスをつくる技術開発、ただいま東京瓦斯を中心にして大阪瓦斯等も、あるいは東邦瓦斯等もそれに加わりまして研究中でございます。  これはどういうねらいかと申しますと、将来の都市ガスのメインはおそらくLNGになるであろう、液化天然ガスに。液化天然ガスとなるべくガスの組成が同じようなガスを、石炭を原料にしてできないだろうかという研究も目下そういう形で進められておるわけでございまして、おそらく近い将来、相当程度の成果があがるのではないかと考えております。
  89. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 この間通産大臣は、これまでは海岸を埋め立てて公害を出し、安い石油を買うて、それで自動車その他たくさんのものをつくって、そして外国へ行って金をふんだんにもうけた、その結果公害もまたひどくなったと、そして、いまや石油を十分に買えなくなるような状態になった、こういう状態では、もう日本の産業構造自体から考え直していかなきゃならぬところに追い込まれたと、こういう答弁をしていらっしゃるんですが、これは私はそのとおりだと思うんです。そういうことをいまごろ気がつくことは、私は少しおそきに失しているように思うんですね。それと同時に、これは政府の責任は非常に重大だと思うんです。今日に至った責任、これは政府を私たちはまた別に追及するわけですが、業界としても非常に安易でなかったかと思うんですね。だから、こうなればこうなるといういろいろな見通しを立てて、世界石油の三分の一を日本が使うなどという、まあ、言えば非常識な大ぶろしきですね。そういうことで業界が自主性を失って踊らされておったということは、業界も非常に責任が重いと思うんですね。それよりもやはり、普通の日本の国内の石炭を使っても公害が出ないような装置ですね。その開発に最も力を入れるのが私はほんとうだと思うんです、企業としてのあり方として。それがなされていない。だから結局、こういうところへ追い込まれていま四苦八苦をしなきゃならぬということですが、その結果しわ寄せは全部国民の肩にかかってくるんですから、私は、やはり企業の責任も非常に重大だと思うんですね。だからこの苦しい立場から企業が脱却して、そして、日本の国民の生活の安定のためにどうするかということを企業として真剣に考えてもらわなければならぬことだと私は思っておりますが、それには少し万事手おくれの形になっているように思うんですが、一刻を争ってものを早く開発して、公害も起こらないような、そして安全に、安価に国民にガスを提供できるように私は努力をしていっていただきたい。  その一つの参考として、シベリアには硫黄分〇・二%というようないわゆる良質の原料炭もあるわけですね。それを買えるならば買うがいいし、ホンゲー炭を買えばいいですね。いろいろなさることが私は一番いい方法じゃないかと思うんですが、その点に対するあなた方の決意を、どういう考え方があるかということをひとつ伺って、それでまた次の質問に参ります。
  90. 柴崎芳三

    参考人(柴崎芳三君) ただいまの御指摘の点につきましては、ガス業界といたしましては、従来から原料の多元化、多角化という点、実は大いに努力してまいったわけでございまして、昭和四十五年に液化天然ガスを東京瓦斯が初めて導入いたしまして、現在、東京瓦斯と大阪瓦斯で全国のガス発生量の二五%程度はこの液化天然ガスでまかなっておる。したがって、現在の石油危機とは直接影響がない形でそれは確保できておるという点と、それから、石炭ガスはだんだん減らしてきたわけでございますけれども、しかし、現在でもなおかつ、全体の二五%程度は石炭ガスを使っておるという点が、ガス源の多角化という点に努力してまいりました結果だと考えておるわけですが、しかし、それにいたしましても、現在五〇%に達しております石油系の原料の逼迫からくる影響は非常に強いわけでございまして、業界といたしましては、なお、さらに大いに努力しなければなりません。したがいまして、石炭をガス化する方法につきましても、最新の技術の開発は大いにやらなければならないと考えております。また、同じ石油を使う場合でも、非常に重いB重油とかあるいはC重油等を使いまして、公害のないガスをつくるという方法も大いに開発しなければならないところでございます。業界のトップ以下そういう考え方で現在努力しておりますし、また将来も努力いたしたい、かように考えております。
  91. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 野尻さんに一言質問いたしたいと思うんですが、このように燃料が非常に不足してくるという状態で、まあ、これは清水さんにもお尋ねする内容なんですが、いま、ことしの冬、家庭内をどういうふうにいわゆる安価に、できるだけ経済的にあたたかく暮らせるかという問題は、非常に主婦として大きな問題になってきていると思うんですよ。それで燃料協会として、これはいまガスをどうのこうのといっても、いまのようなお答えで当座の間に合わなくなってきているのが現状だと思うんですね、いまの話ですと。そうすると、石油はなかなか思うように手に入らないということになってくると、その次に考えることは、私たちはこんなことほめたことでもないと思うんですが、家庭の湯わかしにはいわゆる昔の練炭を使うとか、それから豆炭を使うとか、そういうことも考えておかなければならぬことじゃないか、清水さん、これは私はそういうふうに考えるんですよ、非常に消極的なものの考え方ではありますけれども。  そうすると、野尻さんにこの練炭の供給、豆炭の供給、そして値段の点ですね。そういうことを燃料協会として、家庭の主婦に安価にこういう熱源を供給することができる体制にあるかどうかということを伺っておきたいと思うんです。
  92. 野尻東一

    参考人(野尻東一君) お答えいたします。  いま御質問ありました点ですが、もうすでに消費者は、灯油がないので固形燃料を買っております。そのために練・豆炭にいたしましても、木炭にいたしても不足しております。なかなか買えないという状態に近い状態です。練・豆炭につきましては、毎年毎年二〇%ずつ売れがダウンしてきたわけです。ことしも二〇%ダウンぐらいの計画でメーカーが計画してきたわけです。ところが、ここへきまして非常に売れ出した。前年度よりもよけい売れ出したということで、それで製造が間に合わないという状態です。
  93. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 それで値も上がっちゃったんじゃないですか。
  94. 野尻東一

    参考人(野尻東一君) 値も上がりました。大体十二月で二十円上がって、これからまた月末に四十円ぐらい上がります。それで、これにつきますと増産ですけれども、人手がなかなか急に集まらない。いままで毎年毎年減らしていったものが、また来ない。でも一生懸命に人手をあれする。  それから原料炭の問題ですが、南ベトナムからは来たけれども、これにまぜる朝鮮の石炭が来なくなっちゃった。ということは、朝鮮でも油が足りないためにこっちへ出さなくなっちゃった。それでそれをまぜてつくるのに困る。ですから原料の点からいって、人手の点からいって、それから紙袋がない、ひもがない、それからいろいろまぜる副原料がないということで非常に困ってて、前年並みの生産ができればいいという程度である。これにつきましては私どもの協会といたしましても、練炭工業会及びこれは管轄が農林省になっておりますので、農林省に増産方御願いというのは出しておりますけれども、なかなかこれが急に間に合うようにいかない。木炭につきましても、最近非常に暴騰いたしまして、それで産地では、東京へ出すより自分たちが今度困るんじゃないかというような問題で、なかなか出したがらない。生産も毎年毎年二割ずつダウンしていたんで少ないということで、むろん練・豆炭の増産によりまして灯油の少しでも少ないのをカバーしたいとは思いますけれども、思うようにいっておりません。
  95. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 いまのお答えの中で、私は少し頭にくる点が一つあるんですがね。去年よりもことしは売れて売れて困る、非常に売れる。非常に売れるならば、何もそんなに値段を上げなくてもいいんじゃないかと思うんですよ。非常に売れ口がいいというのに値段が上がっていくというのは、これはもう野尻さん、おかしいことじゃないかと思うんですがね。あなたたちの協会として値段を押えるという自主的な規制を十分努力してやっていってもらわないと、何もかも値は上がってしまって、値は上がると同時に、品物もなくなっちまうというようなこの悪循環ですね、こういうことが起こってくることは国民として耐えがたいことである。だからその点よく注意をしていってもらいたい。どうですか、そういうことはできるんですか。ますます練炭でも豆炭でも値が上がっていくんですか、これから。   〔理事竹内藤男君退席、委員長着席〕
  96. 野尻東一

    参考人(野尻東一君) 練炭会社に対しまして、われわれとしてはできるだけ上げるなということはしょっちゅう言っております。上げてはやっぱり一般の生活にあれだから上げるなと、こう言っておりますが、これにつきましてはことこまかに数字を羅列しまして、たとえば紙袋が幾ら上がった、ビニールが幾ら上がったと、それで原価計算を出して私たちのほうに示しております。これにつきましてもできるだけ安くするようにかけ合いたいとは思っておりますけれど、なかなか困難のようであります。
  97. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 今度は若月さんにちょっとお伺いしたいんですが、実は、私の友人にも個人タクシーをやっている方がたくさんあるわけなんです。で、その一人のある方から、大阪から手紙が参りまして、大阪の状態を綿々と訴えてきてるわけですね。というのは、この間運輸省の発表で、十七日から東京は一般タクシーが一日に五十、それから個人タクシーが二十五、こういうふうにきまったと、これもはなはだ不当だというんですね、一般タクシーと個人タクシーにあまり差があり過ぎると。特に地方へ行くと、大阪では――東京と大阪ではほとんど人口比率からみな同じであるはずなのに、大阪は一般が五十で個人は二十二だというわけですね。これは一体どういうことか、こういう詰問の手紙が私のところへ来たわけです。それで、私はさっそく電話をかけて、君たちのほんとうの気持ちはどうなんだ、どれだけなんだと言ったら、個人タクシーには走行距離が限られておりますね、百七十キロですか。
  98. 若月勇

    参考人(若月勇君) 百八十です。
  99. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 百八十ですか。で、百八十を走ろうと思えば、家から出て家へ帰るまでにはどうしても少なくも三十五リットルは要るんだと、ところがそれが二十二ではどうにもならない、もう働くことができないんだ、こういうことで、週一回休みを入れても、収入は減っちまうし、この物価高で家族を養うには困るんだ、こういう訴えです。そこで私は、この間運輸大臣に会いまして、一体東京の五十と二十五でも比率が合わぬと思う、しかも大阪では五十と二十二ということは、一体東京と大阪を何でこんなに区別する必要があるんだということを運輸大臣に質問しました。運輸大臣は、よく検討して御返事しますと、こういうことでした。まだ返事は参りませんけれども、そういうことなんですね。  それで、その手紙の中にはこういうことが書き添えてありました。個人タクシーは自分が車を持って自分が一人働くんだ、車を遊ばせば自分は収入がなくなっちまうんだ、だからどうしても月一ぱい働きたいんだと。ところが、普通のタクシーはたくさんの車を持っておって、それで運転手がいま非常に不足しておる、だから、かりに百台の車を持っておっても、実際に動いている車は六、七十台ということになってしまうんだと、そうするとあとの三十台分、四十台分はやはりそのタクシー会社にLPの割り当てが来ている、その百台の割り当てを七十台のタクシーで使うから、これは一ぱい一ぱい働けるんだ、ここにも一般と個人との矛盾があるではないか、こういうことですね。だから、一般に多く割り当てておると、こういうことではないけれども個人タクシーにももっと割り当てをよこせ、最低三十五をもらわないとわれわれは生活が成り立たぬ、こういう意見を手紙で綿々と書いて私のところへ参りました。私もこれは同感だと思うんですが、若月さんが東京の個人タクシーの協会会長として、大阪のこの訴えに対してどういうふうにお考えになるか。東京と大阪は同率であるべきだというふうにお考えくださるか、東京も少ないが大阪ももちろん少ないとか、この一般と個人の比率をもっと幅を狭くするように努力していかなきゃならぬと、そういうようにお考えになりますか。そのためにはどういう運動をやっていこうとお考えになっていらっしゃるか、ちょっと聞いておきたい。簡単に答えてください。
  100. 若月勇

    参考人(若月勇君) 先ほど来、十一月の実績だということについては、すでに削減されている――個人タクシーの部分におきましては、三割から四割ぐらい削減されておりましたその売り上げの、言いかえれば、ガスの売り上げの実績で十一万五千トンが一〇%なおかつカットされて出た数字ですから、絶対量をおよそ反映しないことは事実でございます。で、分ける基本的な考え方を出したのが私でございまして、私は、東京の会長全国会長の前に、個人タクシーという信念でやったわけですが、末端においては誤解していると思いますけれども、東京では現在の免許台数の中から、これは毎月陸事に出ておりますその十一月の実働車両、休んでいる車では一割七分あるわけです。現在の東京の免許になっております中から一七%が休んでおります。したがって、一七%が休んでおるというのは、十一万五千トンをはじき出す基礎台数ではないんです。したがって、これは敗者復活戦はないよということで、いわゆるその中での東京の台数から一七%の休業している車は全部割り当ての数に入れておりません。大阪の法人も二〇%ちょっと以上でございます。ですから、二割は割り当ての台数には入れておりません。最小限度に、むちゃくちゃに出てきた矛盾を分けるには、線引きという形で、会社としてはこの二割を動かしたい。一七は最初台数に入っておりまして、総勢約八千台は、全部これはいままでの実績を生み出した人たちじゃないのだからといって台数をカットしました。  ところが、どうして個人と開き出てきますかといいますと、これは、御存じのように、先ほど中型の台数、それから小型の台数、それぞれ法人と出しまして、一リッター当たりの歩く保持キロ、これを中型は中型に全部合わせる、小型は小型に合わせる。これは同じリッターをもらいましても、小型はなおかつ非常によけいに走れます、馬力が小さいから。走るということは働けるということ。それを全部調整しまして、一緒にパーにしませんが、その実態の中で、今度はいわゆる法人のそれを、みんな休ましたのを除きまして、個人タクシーが実働をどれだけやっているか――実働数と、それから総走行キロ、これを出しての長期的の考え方で二対一に割っておりますから、言いかえれば、東京が、大阪が取った場合、もっとほしいからと取ったら、地方の個人タクシーは何もなくなっちゃうんです。そこで、大きな考え方の中で、東京は東京の実態に合わせて、大阪は大阪、各都市ごとに、したがって、個人タクシーの地域で月に二十八リッターもらうところがございます。それは二十八リッター使っていたという実績が出ているんです。ですから、大ぜいになればなるほどパーセンテージはこれは逆になりまして減ります。  なぜなら、中で病気で寝ている人もおる。それからたとえば、おれはもう年で動けないとか、体の調子が悪いとか、どうも昼はいやだとかという、それはもう数が多いほど矛盾がございます。それを全部ミキサーで一緒にして、そういう一つの新しい考え方で割りますと、平均トータルがなくなります。それがたまたま東京の二十五と大阪の二十二という形が、それは大阪の中の家庭事情でそういう数字が出た。ですから、東京と同じことをするということになりますと、それを絶対量ふやせば、ほかの絶対小さいところの比率がまるっきりなくなっちゃう。ですから、最初からそういう十一月の実績の十一万五千トンに矛盾がございますから、それをやるにはとにかく目をあけていてはできません。大基本のもとで線引きでやるには、だれが見てもこれは大阪は大阪の実態なんだ、したがって、旭川の実態については旭川は多くなる。これは旭川はそういう形でやっていたのだから、それも全部平均しまして東京、大阪をプラスしましたら、地方の数の少ない個人タクシーは全部これになってしまう。ですから、全く不平等の中での公平の形で分けましたから、その実数から出ておりますから、これはやむを得ないだろう。  ただ、ふえる、ふえないということになりますと、先生おっしゃったように、えらい何か病気で寝て、たまたまかぜをひいたりしておったり、いなかへ行っていたりというのがそのときの数字に出ますから、先ほど来申し上げましたけれども、もう個人タクシーはこれは全く事業でございませんで、こうなりますと、これは法人業界事業の合理化、近代化もできますけれども個人タクシーは仰せのとおり一人でやっておりますので、その百八十キロというものを、走る原動力の油でもガスでも、これをもらわなければ、たまたまガスのことを論じておりますが、ガスでございますが、これをもらえなければ明日からもうどうにもならない、そういうことでございます。
  101. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 まだ個人タクシーの代表の方には質問もありますけれども、きょうは時間の都合でこれで打ち切りますが、増田さんに一つだけ伺っておきたい点は、補給船を出動さして、そして洋上で油を補給する、こういうお話でしたが、その補給船が積んでいく油というものは、これはどういう経路で入手、どういう価格で入手されるのかという点が一つですね。  それから清水さんにもこの際、御質問と申しますよりも、私、意見なんですが、先ほども練炭や豆炭のことも申しましたけれども、この法案は、一年たったらもう一ぺん再検討する、この一年間の実績をもとにして。まあ言えば、時限立法のような感じのする法案なんですね。だからこの一年間の実績を監視し、それで消費者の立場でこの法案がいかに有利、有効な法案であるか、何の役にも立たない法案であるかという点をよく検討していただくことが、私は一番よいと思うのですよ。それで一年、その間に皆さんの御意見を私たちも今後も伺っていきます。いまあなたがおっしゃった意見は、たいへん私たちみな賛成の意見なんですね。ですから、今後もそういう態度でずっといっていただきたい。そして私たちにいろいろな資料を提供をしていただきたい。これは私のお願いとして、あなたに対する質問は、ほとんど同じような意見ですから別にないと思うのですが、ひとつ増田さん、先ほどの……。
  102. 増田正一

    参考人(増田正一君) ただいま私ども洋上補給船を仕立てて、先ほどケープタウンとハワイ沖に直接漁船に補給するという御説明をいたしましたが、入手経路といたしましては、私ども、外地の分はロンドンのシェル本社とロングタームの契約を現在結んでおります。したがいまして、一部の油につきましては、シンガポールの中で特に捻出しまして確保いたしました。で、大部分は日本の国内におきまして、おそらくこれはまだはっきり打ち合わせがついておりませんけれども、たぶん私どもの将来使う油の先食いという形であろうかと思いますが、そういう形で緊急やむを得ないということで確保いたしました。その合計が約一万一千トン余りでございます。それから価格につきましては、シンガポールの問題は、私どもの実情がいち早く向こうにわかりましたので、非常に高い油、具体的にはキロ当たり二万四千円以上になろうかと思います。そういう高値の油ですが、これもやむを得ないということでございます。国内の油は、従来漁船用が受けておる単価でいま受け取っています。  以上でございます。
  103. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 清水さん、何か御意見を伺えるならば……。
  104. 清水鳩子

    参考人(清水鳩子君) 確かに私たちの情報の集め方自身も問題があるということは、今度よくわかったのですけれども、何せ私たちの世帯というのはほんとうに貧乏世帯でございまして、頭で思うような資料がなかなか集まりませんので、私は、これは何か資料の収集を単発な一つの団体とか一つの地域というふうなもので抱え込まないで、お互いに同じ土俵の人間の情報はこうずうっとどこかで吸収し合うというようなこと、たとえば国民生活センターあたりがそういう情報の収集に少し力をかしていただけたら、もう少し個人個人の団体が持っているささやかな資料が大きく生きるんではないかというふうなことを、これは家計費の調査とか物価調査とかこの問題だけじゃなくて、ずっとそういうことを私は思っておりますので、これからこの法律ができれば、当然下からの上がっていく声というものがどういうふうに生かされているかということがかなり大きく影響すると思いますので、そういう大きな、何というんですか、バックアップというのか、何かささえみたいなものが私たちのような貧乏世帯にはぜひほしいというふうなことを感じております。  それから情報ですけれども、たとえば田中総理とか、それから通産大臣の私書箱一号、それから各消費者行政機関の電話なんかも、私たちは相当有効に皆さまにお知らせしたつもりなんですけれども、何せ人がいないのと何かで、もう私も現実に通産省の方なんかと電話でけんかみたいになったことも何べんもございますけれども、それはいまになって思えば、あちらもたいへんだったんだしこちらもたいへんだったんで、一体何が悪かったのかわからないんですけれども、やっぱりああいう上のほうで考える情報の流し方というのが、現実に家庭の主婦のところに入ってきたときに全然吸収されなかったということが、かなりパニックを早めに防げなかったということじゃないかと思うんです。  それから、いま現実に抱き合わせ販売とかやみ取引というのが灯油その他で起こっているわけです。たとえばお酒を千円以上買った人に灯油を一かん売るとか、そういうふうないままでのお客さんにだけは物を売るけれども、新規のお客には売らないとかいうことが現実に起こっておりますから、そういうふうなものをたとえば主婦の方からどうしたらいいですかとお尋ねがあったときに、どこどこへかけなさいと地域を御紹介するんですけれども、大体それは期待できないんですね。ですから、ただ情報がほしいと言われても、やっぱりそれを受け取るところにも問題があるんじゃないかということを一言……。
  105. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) これにて参考人方々に対する質疑は終了いたしました。  参考人方々には、御多用中、長時間にわたり御出席をいただき、また、貴重なる御意見を拝聴させていただきまして、まことにありがとうございました。委員一同を代表いたしまして厚くお礼を申し上げます。     ―――――――――――――
  106. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) この際、連合審査会に関する件についておはかりいたします。  国民生活安定緊急措置法案について、物価等対策特別委員会に対し連合審査会の開会を申し入れることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  107. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  また、石油需給適正化法案について、地方行政、大蔵、運輸、建設の各委員会からそれぞれ連合審査会開会の申し入れがございますので、これを受諾することとし、さらに、他の関係委員会から連合審査会開会の申し入れがある場合には、これを受諾することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  108. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、連合審査会開会の日時等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  109. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止
  110. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 速記を始めてください。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時五分散会