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国務大臣(
長谷川峻君)
審議会の御
意見、私もよく了承しております。そしてまた、非常に尊重すべき
意見だと思って傾聴し、そういう会合に出席して私も
お話しをお伺いしているわけであります。いまの
答申は、実は私が
大臣に就任する前でございましてね、私も
西ドイツの
制度を研究して、あるいはまたレクチュアも、あるいは本も読ましてもらいました。
西ドイツは
財産形成が始まって十二年、そして、それが
住宅を持っているがゆえに非常に
勤労者の精神の安定と
福祉の向上というものにつながるっていうことは、私もドイツへ行った場合にそういう現場を見ておりましたから、この御
答申の
趣旨というものが非常に理解できたような感じでございました。そこで、
一般の
持ち家だけにあらずして、ほかの
財産形成に対しても
プレミアムをつけるという
趣旨は私もよくわかりましたので、
予算編成の時期に、わが党の中の
諸君が同様な
意見を持ちまして非常に支援してくれましてね。当時、新聞にも報ぜられましたけれ
ども、非常に総
需要抑制のきびしい
予算の査定でございましたが、二回ほど
大蔵大臣と折衝を続けまして、結局するところ、まだ
日本にはなじまないということと、それから農村とか
中小企業の均衡がどうとかいうふうなことで、
一般の
プレミアムというものはこのたび実現しなかったという、私も残念に思っておりまして、まあ、
理想主義は一日にしてならずと、しかしながら、先ほど御報告申し上げましたように、これだけ困る時代に、五百万までの
利子の
非課税とか、あるいはいま
局長が御答弁いたしましたように、七年もかけますと、それの原資のほかの二倍以上のいろいろな
融資を受けられるという
制度などがようやく獲得できましたので、この
プレミアムの問題については、私は一生懸命いまから先もやりたい。と申しますことは、いま
物価が異常に上がることによって
目減りという問題が出ております中にも、
日本の
勤労者というのは、私はたいへんすばらしいと思っておるのです、これは心から。なぜかなれば、
財形の
預金というものは
強制貯蓄でも何でもなくして
話し合いでやられているわけですね。発足してわずか二年の間に、この四十九年二月現在で、すでに
契約を結ばれた
勤労者の
諸君が約二百八十万です。そして、その
契約高が千七百五十億です。千七百五十億、これは
強制でも何でもありません。みんな
契約に基づくのですね。しかも大
企業の場合には、
社内預金などがありながら、アルバイトした、そういう
方々が、
財形の中に、四%の
税額控除の
魅力というものか、あるいは
利子の
非課税というふうな
魅力でございましょうか、そういうことをやっているときでありますから、私は、将来の、私
たち皆さん一緒に
物価抑制もやっておりますが、それによって
目減りを防ぎつつ、一方においては
プレミアムなどをつけることによって、こういう
勤労者の
財産に対する保障と、それからまた形成する意欲というものが、それが実績にあらわれるようにぜひひとつがんばりたいと思っておりますので、こういうところでの御
議論などが対社会的に、あるいはまた
日本のそういう
政策の上に反映されるということを私は心から御期待申し上げております。