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政府委員(
石本茂君) ただいま申されました三つのことでございますが、第一番目の潜在看護力をどう一体引き出していくのか、これはなかなか容易な問題ではございませんが、私
考えておりますのは、勤務時間をもっと弾力的に、朝八時に出て来て昼から五時までというんじゃなくて、やはり家庭を持っている
人々がほとんどですから、朝十時から出てくる人もおってよいと思いますし、あるいはまた、午後の三時から出てくる人があってよいと思うんですが、要しますに、国家公務員の場合はちょっと問題抜きにいたしますけれ
ども、いままでの
ようにきちょうめんに三交代でございます、何交代ですという、全くワクにはめてしまった
ような勤務体制ではこれは引き出せません。ですからやはり、もっともっと、どう言いますか、働く
看護婦さんの働きやすい労働環境というものをこれから大至急につくり出していかなければならない。まず、できるとこから、民間からひとつお手本を示していただきたいというので、現に何カ所かもう始めております。朝
子供を送り出して出てきて、昼から三時には帰ってもらう、あるいはまた、もう
子供を育てなくてよくなりましたので、私は夕方から勤務に入りますという
ようなことで、きびしいワクをはめた
ような体制をはずさない限りは、これは無理だ。これは労働環境の問題です。
それからもう
一つは、さっきその次に申されました労働報酬の問題でございますが、これはやはり潜在看護力を引き出すときの問題にもなるわけです。いまの
ような、その辺のマーケットに行って朝四時間ほど働いて二千円なり三千円もらえます。あるいはまた、競馬場のもぎりをしているだけで一日三千円はもらえます。こういう
ような実態でございますから、いまの
ような、付き添いのおばさんよりも少ない
ような資格を持つ
看護婦の給料体系では、これはどんなにがんばって太鼓をたたいて走り回っても、容易には職場には戻ってもらえないと思います。それで、いま私
ども必死になって
努力しておりますのは、もうお聞きだと思いますけれ
ども、人事院が第二次勧告の中で
看護婦のいわゆる基礎給料ですね、本給、医療職日表の本表の手直しをしたいということを言っておりますし、これは先生方、皆さんの御
努力でそこまでいったわけですが、これは先般私が質問したときに
大臣が申されました
ように、柳の枝の
ように落ち込んでいる五%と、それから女子教職員を一応目標にした格上げでございますね。合計一五%の給与の格上げということを厚生当局は人事院に出しております。私も今度こういう
立場になりましたので、一五%が確保できるのかどうか、やるやると言っておりますので……。もう
一つは、教職員の人材確保法案との結びつきがございますので、これは別々にしてください。教職員の人材確保法案が通らなければできませんというのでは困りますところですね。そういうのんびりとした問題ではございませんので、そちらはそちらとして、こちらはこちらとして早急にこれは勧告をしていただきたい。その際に一五%というお願いを出しているのですから、そのとおりでなかったら困りますよと、しかし、たいへんむずかしい
ようなことをおっしゃいますので、これは個人的なことになるかわかりませんが、私は一けたでは承知しませんよと、少なくとも一〇%以上のものを、一五%が無理ならせめて一〇%という線だけは確保してほしいということで、目下懸命になって当局をかけ回っている最中でございます。人事院に参りますと、大蔵との関係もございますし、あるいはまた民間との関係もあるということでございますし、
大蔵省に参りますと、人事院の裁定がありませんからという
ようなことでございますが、まあ両方のところを私
どもなりにめどを押えまして、
局長ももちろんでございますが、
大臣もそうですが、目下必死の
努力をしておる最中でございますから、先生、もうちょっとこの方向見ておっていただきたいと思います。
それから、夜間保育の問題ですが、これ、私の
考えは小さいかわかりませんが、私は、できるだけ病院という事業所の中の環境のよいところに
保育所は持ってほしいんです。少なくとも、預ける
子供が五人以上おりましたら、やはり病院の中に私設
保育所を持ってほしい。
東京の
ようなところは無理かわかりませんが、地方に参りますとかなりそれで食いとめておりますので、それで病院の中にある
保育所の中の、いわゆる
保育所自身に夜間体制ですね、これをつくっていけないだろうかと、それで一般
保育所に話しかけますと、保母さんの深夜勤務を強制しなければなりませんので、その辺はひとつ、まあごかんべんくださいとはおっしゃいませんけれ
ども、
看護婦さんの夜間勤務体制がたいへんな
ように保母さんにもその波及が大きくなるということで、とてもむずかしゅうございますというのがほとんど経営者のことばでございます。
保育所を経営するところのことばでございます。ですけれ
ども、これは協力していただきませんと人間の命が守られませんので、できるだけ夜間保育体制というものを広めていっていただきたいということを、同じ省内におります保育担当の
児童家庭局にもお願いしておりますし、それから労働省等にもお願いいたしまして、企業の中にある、要するに、病院の中にあります
保育所も夜間体制というものをひとつ
考えてもらいたい。
局長がいまその先頭に立ってがんばっていらっしゃるわけですが、そういうことで、今度の国家
予算でもぜひこの三つの条件だけは満たされる
ようにと思ってがんばっている最中でございます。いろんな意味で御指導いただきたいと思っております。ありがとうございました。