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1974-02-15 第72回国会 参議院 交通安全対策特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十九年二月十五日(金曜日)    午前十時二十二分開会     —————————————    委員異動  一月十九日     辞任         補欠選任      森  勝治君     瀬谷 英行君  二月十五日     辞任         補欠選任      岩本 政一君     後藤 義隆君      山崎 竜男君     今泉 正二君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         西村 関一君     理 事                 中村 登美君                 神沢  浄君                 阿部 憲一君                 栗林 卓司君     委 員                 今泉 正二君                 黒住 忠行君                 後藤 義隆君                 橋本 繁蔵君                 瀬谷 英行君                 野々山一三君                 原田  立君    国務大臣        運 輸 大 臣  徳永 正利君        建 設 大 臣  亀岡 高夫君        国 務 大 臣        (国家公安委員        会委員長)    町村 金五君        国 務 大 臣        (総理府総務長        官)       小坂徳三郎君    政府委員        内閣総理大臣官        房交通安全対策        室長       秋山  進君        警察庁交通局長  渡部 正郎君        運輸大臣官房審        議官       原田昇左右君        建設省道路局長  菊池 三男君    事務局側        常任委員会専門        員        池部 幸雄君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○交通安全対策樹立に関する調査  (交通安全対策基本方針に関する件)  (昭和四十九年度における陸上交通安全対策予  算に関する件)  (昭和四十九年度における海上交通及び航空交  通安全対策予算に関する件)  (昭和四十九年度における交通警察運営に関  する件)  (昭和四十九年度における道路交通安全対策  予算に関する件)     —————————————
  2. 西村関一

    委員長西村関一君) ただいまから交通安全対策特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  森勝治君、岩本政一君及び山崎竜男君が委員辞任され、その補欠として瀬谷英行君、後藤義隆君及び今泉正二君が選任されました。     —————————————
  3. 西村関一

    委員長西村関一君) 交通安全対策樹立に関する調査を議題といたします。  まず、交通安全対策基本方針について、関係大臣より所信を聴取いたします。  町村国家公安委員長
  4. 町村金五

    国務大臣町村金五君) 本委員会の開催にあたりまして、国家公安委員長として一言ごあいさつを申し上げます。  この際、所信和一端を申し上げ、一そうの御指導、御協力を賜わりたいと存じます。  委員各位には、平素から交通問題について多大の御尽力をいただいておりまして、まことに感謝にたえません。  御承知のように、昨年の交通事故は、関係機関をはじめ国民各層の方々の懸命な努力によりまして、発生件数死傷者数とも大幅に減少し、戦後初めて三年間連続して減少傾向を維持することができたのであります。  しかしながら、交通事故による死者が、いまなお、一万四千人をこえるということは、まことに悲しむべき事態であり、特に、幼児老人層に多くの死傷者を見ておりますことは、憂慮にたえないところであります。加えて、都市部における交通混雑大気汚染騒音等による交通公害も深刻な問題であります。  このような情勢に対処するため、警察といたしましては、これまでも人命尊重立場に立って交通事故防止交通事故抑制のため、諸般施策を強力に推進してまいったところでありますが、本年はさらに決意を新たにし、変転する交通情勢の推移に対応した実効のあがる交通安全対策を講じてまいる所存であります。  委員各位の一そうの御高示と御鞭撻を賜わりますようお願いして私のごあいさつといたします。
  5. 西村関一

  6. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) 今国会における交通安全対策特別委員会審議が開始されるにあたり、交通安全対策に関する政府方針を申し述べます。  昨年中の道路交通事故による死者数は一万四千五百七十四人、負傷者数は七十八万九千九百四十八人であり、前年の昭和四十七年中に比べ、死者数において千三百四十四人、八・四%の減、負傷者において九万九千二百五十人、一一・二%の減と大幅な減少を示しております。  政府といたしましては、昭和四十五年に制定された交通安全対策基本法に基づき、昭和四十六年度から昭和五十年度までの五カ年を対象として、交通安全基本計画を決定し、関係行政機関地方公共団体及び国民協力のもとに、諸般施策を講じてまいりました。昭和四十六年、同四十七年に引き続き昨年中も交通事故減少という成果を見たのも、このような総合的な交通安全対策が効果をあげてきた結果と考えられます。  しかしながら、死傷者の数は、なお年間八十万人をこえており、国民生活に多大の不安を与えております。特に、交通上最も弱い立場にある幼児老人に多数の犠牲者が出ていることは、まことに憂慮にたえません。  私は、昨年十一月総理府総務長官に就任して以来、交通事故をさらに大幅に減少させなければならないという決意のもとに、当面、幼児交通安全対策自転車安全利用対策推進するとともに、石油供給削減措置という事態契機に、自動車使用抑制対策交通対策本部において決定し、推進してまいりました。  今後も、交通安全基本計画に基づき、現在の交通情勢に適合した総合的かつ計画的な諸施策を効果的に推進するようつとめていく所存であります。  このような施策の実現をはかるため、昭和四十九年度の予算編成に際しては、関係省庁交通安全対策関係予算の調整を行ない、その結果、予算額としては、前年度に比較して約七・五%増の総額約三千五百五十三億円を計上いたしました。  総理府所管予算といたしましては、交通事故被害者救済及びダンプカー安全対策を最重点施策としております。被害者救済対策としては、都道府県交通事故相談所の支所を増設することとしたのをはじめ、交通遺児育英資金確保などをはかることとし、また、ダンプカー安全対策推進するため、新たに、ダンプカー協会が行なう交通安全対策事業に対して都道府県が行なう助成について補助をすることといたしました。  以上、交通安全対策に関する政府方針を申し述べましたが、各位の御指導をお願いいたします。
  7. 西村関一

    委員長西村関一君) 次に、徳永運輸大臣
  8. 徳永正利

    国務大臣徳永正利君) 交通安全対策特別委員会が開催されるにあたり、運輸大臣といたしまして、交通安全対策について所信を申し述べます。  中東戦争契機とした世界的エネルギー危機は、国民生活にきわめて関連の深い交通部門に対しましても深刻な影響を及ぼしつつありますが、このような情勢下におきましても、交通安全の確保事故未然防止は、あらゆる運輸サービス基本として、運輸行政における最も重要な課題と考えております。  この課題を解決するためには、人命尊重が何ものにも優先するとの認識のもとに、安全を確保する上で特に重要な役割をになっている交通業務従事者の自覚と知識、技能の向上をはかるとともに、安全管理体制充実安全施設整備を含む総合的安全対策長期的視野に立って、強力に推進してゆく必要がございます。  このため、運輸省としては、今後とも安全確保を最重点施策の一つとして取り上げ、具体的諸施策を強力に実施してまいる所存であります。  まず、陸上交通のうち自動車交通安全確保につきましては、自動車運送事業者安全管理徹底自動車構造装置等に対する安全規制強化及び検査登録体制充実をはかるとともに、事故未然防止被害者保護を増進するために昨年設立されました自動車事故対策センターを中心として、従来の施策をさらに拡充強化してまいる所存であります。  鉄道交通安全確保につきましては、踏切道立体交差化構造改良及び踏切保安設備整備をはかるほか、運転関係従事者に対する指導訓練強化及び信号保安設備等鉄道交通環境整備推進することとしております。また、長大トンネル内及び地下鉄道における火災事故対策として、車両不燃化推進事故時の即応体制確立等全力を傾注させる所存であります。  次に、海上交通安全確保につきましては、航路港湾航路標識整備船舶安全運航に必要な管理体制整備船体設備安全性強化運航要員資質向上をはかるほか、海上交通安全法をはじめとする各種海事関係法令周知徹底により、海難発生未然防止につとめるとともに、海難救助体制及び大量流出油防除体制充実強化をはかることとしております。  また、最近におけるモーターボート遊漁船等の急増による事故多発に対処するため、小型船舶についても新たに検査実施するとともに、今国会においてお願いしております船舶職員法の一部改正により、操縦者資格免許制度充実強化をはかる等その安全確保につとめることとしております。  さらに、昨年事故の多かったカーフェリーのほか、危険物運搬船等特殊船舶に対しても必要な安全対策強化してまいる所存であります。  航空安全確保につきましては、航空保安施設航空管制施設並びに航空気象業務整備拡充を強力に推進するとともに、騒音対策を含む空港整備ハイジャック防止体制確立航空機乗員及び航空保安要員養成体制強化をはかることとしております。  また、同時に航空会社に対しましては、機材の点検整備強化運航乗務員資質向上等安全運航管理体制整備を強力に指導していくこととしております。  さらに、今回新たに設置した航空事故調査委員会により、適確かつ迅速な事故原因の究明と事故再発防止徹底を期してまいる所存であります。  以上、当面の重点施策について所信一端を申し述べましたが、今後とも国民の期待にこたえるべく交通安全行政推進してまいりたいと存じますので、委員会皆さま方の格別の御指導、御鞭撻のほどを心からお願いを申し上げる次第でございます。
  9. 西村関一

    委員長西村関一君) 次に、亀岡建設大臣
  10. 亀岡高夫

    国務大臣亀岡高夫君) 交通安全対策の諸施策について御審議をお願いするにあたりまして、建設大臣として、建設行政の面から交通安全対策についての所信を申し述べたいと存じます。  御承知のとおり、我が国の経済、社会の発展に伴う自動車輸送需要の増加と多様化は、道路整備必要性を高めており、このため、政府としては、昭和四十八年度を初年度とする第七次道路整備五カ年計画を策定し、道路事業推進をはかっておる次第であります。  しかしながら、このような自動車輸送発達は、反面、交通事故多発をもたらしております。これに対しましては、関係者の懸命の努力により昭和四十六年以降死傷者は漸次減少しておりますが、昨年一年間で、一万四千五百余人死者と七十八万九千余人負傷者発生を見るといういまだ憂慮すべき状況にあります。  このような事態に対処するため、建設省といたしましては、最近の石油供給不足に伴う総需要抑制策の中にありましても、交通安全対策重要性にかんがみ、その一そう強力な推進をはかってまいる所在であります。  その第一は、道路の新設または改築を行なうにあたって交通安全対策基本法の精神にのっとり、交通安全施設等の完備した道路整備することとしております。  第二は、既存道路については、昭和四十六年度以降、交通安全施設等整備事業五カ年計画により、総合的かつ計画的に交通安全施設整備拡充をはかってまいりましたが、昭和四十九年度はその第四年度として一そうの交通安全施設整備を進めてまいりたいと考えております。特に道路交通上弱い立場にある歩行者自転車利用者交通事故から守るための施設整備重点を置くこととしております。  また、既存道路における危険個所の解消をはかるべく道路防災事業を強力に推進してまいることとしております。  第三は、踏切道における交通事故防止交通円滑化をはかるため、国民の要望のきわめて高い日本国有鉄道地方鉄道等における踏切道立体交差事業推進することとしております。  第四は、交通事故防止及び児童、青少年の心身の健全な発達に資するため、都市公園等整備五カ年計画の第三年度として、都市における国民日常生活に密着した児童公園等の住区基幹公園の緊急かつ計画的な整備推進をはかることとしております。  第五は、道路管理体制強化により、道路交通の安全の確保をはかることとしております。特に大型車両による交通事故発生防止するため、道路法に基づきこれら大型車両通行に対する指導、取り締まりを強化し、その秩序正しい通行確保することにより、国民の願いであります交通安全が実現されるよう一そう努力を傾注する所存であります。  以上、交通安全に関する諸施策について所信を申し述べましたが、交通事故防止のため、今後一そう徹底した総合的な交通安全施策を強力に推進していく決意でありますのでよろしくお願い申し上げます。
  11. 西村関一

    委員長西村関一君) 以上をもちまして関係大臣所信聴取を終わります。  次に、昭和四十九年度における陸上交通安全対策関係予算について説明を求めます。  総理府秋山交通安全対策室長
  12. 秋山進

    政府委員秋山進君) ただいまから昭和四十九年度陸上交通安全対策関係予算要求について説明さしていただきます。  要求総額は三千五百五十二億九千三百万円でありまして、前年度予算額に比し二百四十八億六千六百万円、七・五%増となっております。おもな内容につきましては、お手元にお配りしてあります「予算調書」によって御説明申し上げたいと思います。  調書は、左の欄が「事項」で、その次に「四十九年度予算額」、次は「前年度予算額」、次はその両者の「比較増減」をあげており、「備考」欄はその事項内容の概略が記載されてございます。  まず1の「道路交通環境整備」は、総需要抑制に伴う公共事業のワクの制約から大幅な増額はいたしておりませんが、その中で交通安全対策として最も重要な(1)の「交通安全施設等整備」につきましては、特定交通安全施設等整備事業五カ年計画の第四年目として、一〇・一%増の四百七十億七千四百万円を計上し、その推進をはかることといたしております。  二枚目に移りまして、子供の遊び場の確保には特に配意いたしまして、(6)の「基幹公園整備」は一八・九%増の百七十三億六千四百万円、(7)の「校庭開放事業」は四〇・四%増の三億三千七百万円を計上しております。  次は2の「交通安全思想の普及」は、少額ではありますが、四六・三%増の六千万円を計上しております。この中には(1)にありますとおり、新規事業として「ダンプカー事業者交通安全指導経費が含まれております。  三枚目に移りまして、「安全運転確保」につきましては、例年以上に留意し、二三・四%増の百四十六億六千三百万円を計上し、これにより(2)の「交通取締用車両等整備」、(3)の「交通事故事件捜査活動等強化」をはじめとしまして、(7)「自動車検査登録業務処理体制整備」、これが検査施設の増設、検査要員の増員を内容としておりますが、これについて重点を置いております。  次は4の「被害者救済」、これは四枚目にございますが、4の「被害者救済」につきましては、福祉型予算の一環として特に二倍強の増額をいたしております。(2)の「救急医療施設整備」については、三〇・五%増の八億六千百万円。次は五枚目に移りまして、(3)の「脳神経外科等充実」について五倍強の四千二百万円、(5)の、昨年発足いたしました「通勤途上災害保護制度実施」は二倍強の二百六十九億八千六百万円、(8)の「自動車損害賠償責任保険特別会計」の運用益につきましては、昨年十二月発足したアの「自動車事故対策センター」には三倍強の十五億五千八百万円、また六枚目に移りまして、交通遺児育英会をはじめ各種公益法人に対する補助内容とする(イ)の「被害者救済」は四九・三%増の七億一千八百万円を計上し、その充実をはかっております。  5の「その他」の欄は調査研究に要する経費でありますが、ほぼ前年並みであり、この中には交通事故発生件数増減に関する要因の調査総理府の行なう調査も含まれております。  以上、簡単ではありますが説明を終わらしていただきます。
  13. 西村関一

    委員長西村関一君) 次に、昭和四十九年度における海上交通及び航空交通安全対策関係予算について説明を求めます。  運輸省原田審議官
  14. 原田昇左右

    政府委員原田昇左右君) 昭和四十九年度における海上交通及び航空交通安全対策関係予算について御説明申し上げます。  お手元に縦長の用紙で横書きの資料、右端の上に「運輸省」と書いてある資料をお配りしてございますので、これに沿って御説明申し上げます。  まず、「海上交通安全対策関係予算」でございますが、一部未定のものを除きまして、合計百七十七億九百万円を計上してございます。これはほぼ前年並み予算となっております。  内訳を御説明申し上げますと、まず第一に、「交通環境交通安全施設等整備」といたしまして百十六億二千万円計上してございます。内容といたしましては、東京湾口、瀬戸内海、関門航路等の「航路整備」のための経費六十六億五百万円、防波堤の建設、泊地のしゅんせつ等避難港の整備」のための経費三億九千三百万円、その他「シーバース建設調査」のための経費がございます。これは港湾調査費の一部でございまして、現在実施計画を作成中でございますので金額は未定となっております。  以上は昭和四十六年を初年度といたします港湾整備五カ年計画に基づくものでございます。「避難港の整備」が前年度に比べ減少しておりますが、これは四十八年度をもって所要の整備を終了する避難港が二港あるためでございます。  それから「航路標識整備」のための経費四十六億二千二百万円がございます。この中には、レーダー等により船舶の動向を把握し船舶管制を集中して行なう海上交通情報機構整備のための経費が含まれております。  第二に「船舶安全性確保」といたしまして、一億一千五百万円計上してございます。内容といたしましては、「船舶検査」を行ないますための経費九千万円、この中には新たにモーターボート等検査をいたします小型船舶検査機構に対する出資金三千万円が含まれております。それから「船舶安全対策」として各種船舶に対する安全基準整備を行なうための経費二千四百万円、これには四十八年八月に定めましたカーフェリー安全対策に基づくカーフェリー特殊基準充実強化等のための経費九百万円が含まれております。その他、「国際条約履行体制整備」のための経費百万円がございます。  第三に、「安全運航確保」といたしまして二億一千四百万円計上してございます。内容といたしましては、「海上交通安全対策」のための経費一億二百万円。これは最近における船舶大型化交通ふくそう化等に対応して海上交通安全法が一昨年制定され、昨年七月から施行されましたので、その円滑な施行のために、関係者に対する法令内容周知等を行なうための経費でございます。前年度に比べて減少しておりますのは、法律の施行に伴う管制所通信施設等施設整備が四十八年度をもって終了するためでございます。  次のページをごらんいただきますと、(2)「旅客船の安全対策」の経費七百万円がございます。これにはカーフェリー安全対策に基づく運航管理体制強化のための経費が含まれております。  それから一つ飛びますが、乗船指導の監査のための経費がございますが、これもカーフェリー安全対策に基づく乗務員乗務体制強化のための経費でございます。  その他船員法で船長に課されております発航検査義務履行状況を監査するための経費短波放送による船員災害防止指導のための経費がございます。  次いで(6)の「海技従事者国家試験実施」のための経費九千八百万円がございますが、この中にはモーターボート等小型船舶について設けられる新しい資格制度において実技試験を国にかわって実施する機関に対して補助するのに必要な経費三千二百万円が含まれております。この小型船舶操縦者資格免許制度の創設のため、今国会において船舶職員法の一部改正をお願いしております。  第四に、「警備救難体制整備」といたしまして五十六億九千六百万円計上してございます。内容といたしましては、(1)の「巡視船艇及び航空機整備強化」等のための経費五十億七千三百万円、それから(2)の「海難救助体制整備」のための経費が六億二千三百万円でございます。  最後に、「海難防止に関する研究開発」といたしましては、備考にございますとおりの研究実施するための経費六千四百万円を計上してございます。  以上が海上交通安全対策関係予算でございます。  次のページをごらんいただきます。「航空交通安全対策関係予算」でございますが、合計六百八億九千二百万円を計上してございます。これはほぼ前年度並み予算となっております。内訳を御説明申し上げますと、まず第一に、「交通環境交通安全施設等整備」といたしまして四百八十七億八千六百万円を計上してございます。内容といたしましては、まず「空港整備」のための経費三百六十四億五千九百万円。航空の安全を強化するためのレーダー等管制施設航空保安無線施設等航空路整備をするための経費百十六億七千二百万円がございます。これらは昭和四十六年度を初年度とする空港整備五カ年計画に基づくものでございます。それから「航空気象業務整備」のための経費六億五千五百万円がございます。  第二に、「安全運航確保」といたしまして九十  一億六千八百万円計上してございます。内容といたしましては、「空港維持運営」のための経費四十四億七千三百万円、「航空路施設維持運営」のための経費十三億五千五百万円、それから「航空保安施設検査」のための経費三十三億四千万円がございます。  第三に、「航空従事者教育訓練充実」といたしまして二十八億七千五百万円計上してございます。内容といたしましては、「航空保安学校充実」のための経費五億三千二百万円、それから「航空学校充実」のための経費二十三億四千三百万円でございます。「航空保安学校充実」のための経費が前年度に比べ減少しておりますのは、仙台分校整備が四十八年度をもって終了するためでございます。  最後に、「航空事故防止に関する研究開発」といたしまして、備考にございますとおりの研究実施するための経費六千三百万円を計上してございます。  以上が航空交通安全対策関係予算でございます。  簡単でございますが、これで説明を終わらしていただきます。
  15. 西村関一

    委員長西村関一君) 次に、昭和四十九年度における交通警察運営について説明を求めます。  警察庁渡部交通局長
  16. 渡部正郎

    政府委員渡部正郎君) 初めに交通事故の概況について申し上げたいと思いますが、警察におきましては、一昨年の暮れに長官通達をもちまして、昨年の交通事故による死者を一万五千以下に押えたいという目標を立てまして、警察全力をあげて多角的に取り組んでまいったわけでございますけれども、関係機関の御協力国民各位の御協力によりまして、最初はほとんど不可能と見られましたこの目標を大幅に上回りまして死者減少いたしまして、先ほども話が出ておりましたように、減少数が千三百四十四人でございまして、これは昭和三十七年に次ぐ史上二番番目の減少でございます。なお、三年連続の減少でございまして、三年の中では一番大幅な減少になったわけでございます。ただ、昭和三十七年におきましては、死者は大幅に減りましたけれども、負傷者は逆にふえております。その点、昨年は、負傷者が十万人近く減少したわけでございます。また、事故の件数も大幅に減少いたしまして、事故件数、負傷者ともに減少率、減少数とも史上最高の記録を残したわけでございます。昨年は後半減少のペースを著しく速めてまいったのでございますが、ことに十二月におきましては、昨年同期比四百二十六人の減少でございまして、これはいままでに例のないことでございます。これは石油不足による結果ではないかという見方もあるわけでございますけれども、昨年、月別に見まして死者が一番多かったのは八月でございます。ところが、四十七都道府県別に十二月の死者状況を見ますと、昨年最も死者の多かった八月よりも十二月のほうが死者が多かった県が十七ございます。この一事をもって見ましても、石油が非常に減ったために交通量が減って死者が減ったということは言えないというふうに思っているわけでございます。十月に入りましてから死者減少数は二百人台にのせまして、そのペースは今日まで続いております。そのような状況から見ましても、やはり諸対策が定着して効果をあらわしているということが言えるのではないかと思っているわけでございます。なお、ことしに入りましてからも一月中三百四十一人、昨年の一月に比較して死者が減っておりますし、二月十三日現在で減少数は四百七十人になっておりまして、二月に入りましてからも一月を、わずかですけれども、上回るペースで死者が減っております。ことに二月の十一日には全国の死者が十二名という、これは三十八年以来の記録でございますが、非常に大幅な減少を示しているわけでございます。昨年の交通事故死者は、以上申し上げたように、たいへん減少したわけでございますけれども、しさいに検討いたしますと、なお解決すべき問題が非常に多いわけでございます。  まず、現象的な面から申し上げますと、死者全体が大幅に減った中で、小学生だけがわずかでございますが、一・三%の死者の増加を見せております。それから老人の死亡事故が平均の減少率を相当に下回った。従来から問題にされております子供、老人事故死につきましては平均だけの成果も見られなかったということは私どもの重大な反省点でございます。ことしに入りましてから一昨日現在までの状況を見ますと、小学生の死者老人死者ともに平均減少率とほぼひとしい減少を示しておりまして、その点、昨年の一つの反省がことしは成果となってあらわれているということは言えるわけでございますけれども、やはり老人、子供の問題というのは今後とも必死の取り組みをしなければならない問題であるというふうに考えているわけでございます。  なお、お手元に三つ資料が配付してございますけれども、その中に「人口一〇万人以上都市交通事故死者数」というのがございますので、それを見ていただきたいと思います。こまかい数字で見にくい表で恐縮でございますが、これは初めて人口十万人以上の都市につきまして人口十万人当たりの死者の数を統計にあらわしたものでございます。  この表を見ていろんなことが考えられるわけでございますが、一つは、最も十万人当たり死者が出ましたのが小山市でございまして、これが三十四・三人なくなっております。一番少なかったのは三鷹市でございまして、これは十万人当たり〇・六人でございます。その差は実に五十七倍でございます。しかも、三鷹市と小山市では人口の規模はそれほど違っておりません。この表の市の名前の下に書いてある数字が千人単位で人口をあらわしたものでございますけれども、それを見ていただきますとおわかりになりますように、人口・規模がそれほど違わないのに五十七倍の死者率の差が出ているということでございます。このような差があるということは、同じ日本の都市でありながら非常に遺憾なことだと思われるわけでございまして、人命尊重立場から見ましても、あるいは表現が適切ではないかと思いますが、法の前の平等という見地に立って見ましても、全体の死者を減らさなければならないことはもちろんでございますけれども、都市別の格差というものを解消しなければならないというふうに私ども考えているわけでございます。  今年度の対策につきましては、お手元に配付してございます文章になっております資料の中にまとめて書いてございますが、一々読み上げるのもなにでございますので、重点を置いている点について二、三御説明したいと思います。  日本の現在における交通事故死者の数は、私どもが計算したところによりますと、自動車の走行台キロ当たりを分毎にいたしまして、いまだに欧米諸国よりは相当に死者が多いと見ているわけでございます。ことにアメリカ、イギリスなどと比べますと相当に死者が多いというふうに考えているわけでございます。日本が死者の多い理由はいろいろあるとは思いますけれども、まとめて申し上げますと、やはりこれは日本の特有な都市構造道路システムあるいは輸送構造に根ざす面が少なくないと考えられるわけでございまして、一例をとりますと、貨物用の自動車というのは非常に事故率の高い車でございますけれども、登録自動車総台数の中で貨物自動車の占める比率が日本ほど高い国は他の主要国には見当たりません。自動車は相当普及してまいりましたけれども貨物自動車が非常に多いわけでございまして、そういう点に問題があるということも言えるわけでございます。ことに、先ほど申し上げました都市の問題につきまして、人口十万人当たりの死者の数の多い都市をいろいろと検討してみますと、その原因というものは必ずしも単純ではございませんけれども、総じて言えますことは、都市の持っております交通の容量をオーバーして交通量がふえてしまった場合、あるいは都市の地域交通に対して都市を基準にした場合の通過交通の量が非常に多く、しかも、それが都市の地域交通ともろに混在しているような場合には非常に死者率が高くなっております。こういうようなことにかんがみまして、私ども、ことしは「都市総合交通規制」ということばに要約いたしておるのでございますけれども、都市交通の流れそのものを全体として管理し、交通の量と質との両面を最適化するような総合的な規制というものを都市にかぶせて、それで思い切って事故を減らしたい。で、事故のみならず、いろんな交通公害というものをそれで押え込んでいきまして、その押え込んだ中で交通というものを最も円滑に能率的に流していこうという、そういう都市交通の流れの管理をねらいにした総合的な規制を中心に多角的な対策を立ててまいりたいというふうに思っているわけでございます。  それに関連いたしまして、どうしても私ども強く要望しておりますのは、やはり日本の通勤というものの特殊性、それから先ほども申し上げましたが、貨物輸送というものの特殊性、これが事故の背景になっていることは否定できないのでございまして、通勤につきましてはやはり公共輸送の強化がどうしても必要ではなかろうか、ことにバスサービスの拡大、強化ということが非常に必要である。それを前提にしながら思い切ってバス・レーンを敷いて、少なくもマイカーによる通勤を減らすことによって交通量を減らしていきたい。貨物の輸送につきましても、私どもいろいろ検討いたしますと、国民一人当たり貨物用自動車が動き回っている距離は日本は非常に高いのに、貨物自動車一台当たりの年間の輸送量が非常に低いという、そういう特色を持っております。そこにやはり一つの問題があるわけでございまして、貨物輸送につきましても何らかの方法でこれを共同化する、協業化するということによって貨物の自動車交通量も減らしていく。そういうことで量を押え込みながら、なお残された交通については、先ほど申し上げましたような最適化をはかっていくというようなことを考えているわけでございます。  たいへん簡単でございましたけれども、以上をもって説明を終わらしていただきます。
  17. 西村関一

    委員長西村関一君) 次に、昭和四十九年度における道路交通安全対策関係予算について説明を求めます。  建設省菊池道路局長。
  18. 菊池三男

    政府委員(菊池三男君) ただいま警察のほうから話がございましたように、交通事故昭和四十五年をピークに四十六年から件数も負傷者死者もどんどん減っておるというたいへん明るいニュースでございます。私どもも、道路を管理する立場といたしまして、ますます関係の各省庁と緊密な連絡をとりながら、それの一そうの事故減少ということに邁進してまいりたいというふうに考えております。先ほども大臣からも所信表明がございましたが、今度の第七次の道路整備五カ年計画におきましても、生活道路整備ということを特に大きな柱として掲げております。交通安全等につきましても、十分な措置ができるようにという配慮からそういうような考え方で進んでおるわけでございます。  少し具体的に申し上げますと、私どものほうから「交通安全施策について」という資料が差し上げてございます。これについて簡単に要点の御説明を申し上げたいと思います。  第一ページをお開きいただきたいと思います。第一ページは「交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法にもとづく事業」でございます。これは、昭和四十一年にきめられましてから鋭意進めてまいりまして、非常に整備が進んだと思います。この一ページの後半のほうに書いてございますが、その後、昭和四十五年に交通安全対策基本法というものが成立いたしまして、従来やっておりましたこの交通安全の整備計画ではまだ少な過ぎるということで、途中で改訂いたしまして、現在は昭和四十六年度を初年度とする五カ年計画の四十九年度は第四年度目に当たるわけでございます。ところが、実はこの五カ年計画の実際のお金を使っていきます際にどんどん先食いをいたしております。交通安全でありますので早急にやらなければならないということで、実は四十九年度の予算を取りますと、残りはもう四十九年度の予算より少なくなります。したがいまして、これは昭和五十年度の予算要求するときにはもう残額がありませんので、どうしても大幅な改訂をしなければならないということでございます。ますます促進ができることになろうかと思います。  二ページをお開きいただきます。二ページのまん中ごろに書いてございますのが、ただいまの五カ年計画におきましては、特に交通上弱い立場におります歩行者あるいは自転車というものに対して、特にその安全のための整備をはかって、目標年次であります昭和五十年には予想される事故死者を半分ぐらいにしたいということで進めておりますが、ただいまのところは大体その目標に向かって事故が、死者が減っておるということになっております。  それから二ページの下のほうに書いてございますのが、実は特定交通安全事業のほかに、これは改築事業——通常の道路の改築事業で交通安全的なことを大幅にやっております。と申しますのは、この法律によります特定交通安全事業というのは、どちらかといいますと、現在ある道路につきまして横断歩道橋をつくったり、あるいはガードレールによって歩行者を安全に守るというような現状を主体とした道路整備でございますが、狭い道路になりますとガードレールをつけたくてもつけるだけの余地がございません。そういうものにつきましては、小さなバイパスをつくりまして交通をそちらのほうに移して、そして現状にガードレールがつくというような、これはどちらかといいますと、新しい道路をつくって直していこうということでございますので改築事業費でやっております。実はお金的にはその後段の分のほうが大体三倍ぐらいになります。したがいまして、両方合わせて——特定交通安全事業と改築事業と合わせまして積極的な整備をやろうというふうに考えております。  四ページをお開きいただきたいと思います。四ページは、その特定交通安全の内訳でございますが、ここに五百三十二億という事業費が書いてございますが、これは対前年一〇%の伸びになっております。御承知のように、今度道路事業は前年に比べて総額が減っております。しかし、交通安全事業に対しましてはふやすべきであるということで、これは伸ばしてございます。まあ、このほかに、先ほど申しました改築事業でやるものが約千五百億ほどございますので、まあ、交通安全的なものとしては総額約二千億程度の事業ができるということになるわけでございます。  それから五ページに、大規模自転車道の整備が書いてございます。これは最近バイコロジー運動が非常に盛んになりまして、自転車道も分離した安全な自転車道をつくるべきだということから、ここ一、二年の間に急にまた事業も促進しておる問題でございます。たとえば現在までにこういう自転車道というものが約五千キロほどございますけれども、今度の道路整備五カ年計画におきましては同じくらい——五千キロくらいさらにふやそうということで、現在鋭意進めておるところでございます。  それから七ページ道路の防災対策事業のことが書いてございます。これは昭和四十三年に飛騨川のバスの転落という非常に悲惨な事故がございまして、のり面の崩落によります事故でございます。そういう危険なのり面は早急に手当てすべきだということで、全国的に総点検をいたしまして、危険と思われる個所を四十三、四、五と大体三年ぐらいの間に全部手当てを終わったわけでございます。ところが、昭和四十六年になりまして静岡の大崩という、またこれものりのくずれによります大きな災害、そういうものがたくさん出まして、再度再点検をするということで、再点検いたしました結果、やはり緊急に施工すべき場所が九千カ所、それからやっぱりやったほうがいいという場所が二万五千カ所出まして、九千カ所につきましては、これはもう四十八年度末に全部完了いたします。まあ、残りの二万五千カ所にいたしましても、今度の第七次道路整備五カ年計画のうちには全部完了したいというふうに考えております。  それから八ページに、踏切の立体交差化事業のことが書いてございます。踏切はもう事故のもとでございますので、昭和三十六年の踏切道改良促進法がきまりましてから鋭意進めてまいりまして、この八ページの表にございますように、相当踏切がなくなったということでございますが、まだ残っておるものもたくさんございますので、鋭意その立体化を進めてまいりたいということでございます。こまかい数字につきましては一一ページまで書いてございますので、またこれをごらんいただきたいと思います。  それから一三ページに参りまして、子供さんの遊び場所という意味のやはり都市公園の整備が必要であるということで、特にとのまん中のところに「基幹公園整備」というところに、都市公園整備五カ年においては、昭和六十年一人当たり公園面積を九平米とするということを目標に、昭和五十一年に一人当たり四・二平米の水準を確保したいということで、それ以下ずっと書いてございますが、そういう目標で公園の整備を進めてまいりたいと考えております。  以下、一六ページの駐車場の問題、あるいは道路の管理の問題、いろいろ書いてございますが、特にこの中で二〇ページをごらんいただきたいと思います。これは新しい対策でございますので、ちょっと御説明さしていただきます。  これは高速自動車道路におきます救急対策の問題でございます。高速国道は、御承知のように、閉鎖された道路でございますので、その救急についてはいろいろな問題があったわけでございますが、本来ならば市町村が消防法によりまして救急をする立場にございますが、高速道路の場合は非常に特殊でございますので、いろいろ検討いたしました結果、こういうふうにきまったわけでございます。  第一に、インターチェンジのある市町村で救急体制が十分整っておる——大きな市町村は整っておりますけれども、小さな人口の少ない市町村では救急体制が整っておりませんので、そういう市町村が連続するところでは、道路公団がみずから救急の体制をとりまして、二十四時間、そういう準備をしておるということで、いつでも出動できるような体制をとるということでございます。それから、それ以外の市町村につきましては、その事故が出たのに応じまして道路公団のほうで応分の費用の負担もしようということで、やはり市町村の財政に大きな負担がかからないように高速道路のほうで一部の費用を負担するという体制をきめましたので、こういう形で、これは救急につきましては一刻も早く事故車を処置しなければなりませんので、万全を期したいというふうに考えております。  以下、これまたごらんいただきまして、簡単でございますけれども、一応の説明にいたします。
  19. 西村関一

    委員長西村関一君) 以上で説明の聴取を終わりました。  本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午前十一時十四分散会      —————・—————