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鈴木力君
大臣、これね、さっきも言いましたように、私は
昭和四十四年に
指摘を申し上げている。なぜこういう
状況になっているのかというと、全くおざなりですよ。手当についても
昭和四十四年については、平均で年間一万二千円だと。月千円の手当ですよ。それが今度は少しは、あのときに私がつまらぬことを言ったからというわけでもないだろうけれ
ども、
昭和四十八
年度は
地方交付税の積算の基礎として、一人四万円になっている。一人四万円が積算の基礎になっているわけですから、手当はこのとおりいっているとは思いませんよ。しかし、少なくとも
文部省はこれだけの手当は出せとは言えると思うんですがね。しかし、いまね、薬剤師の資格を持っている人に、
学校に出てそれぞれの
学校保健法に規定しているような仕事をやれと、
学校給食についても定期的に検査をやれと、行管の勧告を受けて
文部省もそういう
指導をしているのです。月三千円の手当で、そんなに仕事をやれと言うことができますか、どだいまず第一にですね。こういう
状況ですから実際
学校に行きましても薬剤師さんはここでは何しているのだというと、そんな人いるかというような、校長さんさえ知らないような
学校が
幾らもある。しかも
学校薬剤師には非常に重要な任務を与えておりますから、執務日誌を書けということまでちゃんと規則につくってあるでしょう。その執務日誌がどの程度に書かれているかというような追跡
調査なんかをされたという話聞いたことがない。
昭和四十四年に私が
指摘をしたけれ
ども、依然としてこういう
状態。すべて
学校給食に関することが、これは
学校給食だけじゃありませんよ。
学校薬剤師は
学校給食のために置いたんじゃないのです。しかし、いずれにしても児童生徒の衛生管理なり発達なり、そういう面については全くこの行政は片すみに置かれておる。私はいまの特に
局長の御
答弁を伺いまして、
学校給食の
現場ではもう
非常事態だと、
給食は
危機に瀕している、そう言っておる。ある
市町村では
値上げ分を自治体負担で持って、何とかその負担を、
値上げをさせないようにしていこうと
苦労しておる。ある自治体では
牛乳の
値上げはやむを得ないと受け入れている。しかしそれは半分は県費で持とうとか全部県費で持とうとか、そういう
苦労をずっとされておる。それなのに当の
文部省は、
学校給食法をつくった
文部省は、まあ
府県知事の権限ですから
府県知事が
値上げをするでしょうと涼しい顔。これでは
学校給食は改善されるはずはないと私は思うのです。
そこで、もうこういうやりとりを
幾らしてもあまり効果はないと思いますけ
ども、私は
大臣に、この際やっぱりこういう
状態になったからこそ
学校給食というものを見直すべきではないのか。抜本的に、いままでの行政の片すみに置いたようなそんなことではなしに、教育活動と、それから
学校給食も
一つの活動として大きくもっと重要な
施策として位置づけたらどうか、そういうことをひとつ提案をしたいのです。たとえば
文部省の構想の中にそういう構想があったでしょう、前から。そういう構想がありながら依然としてそれが前に進んでいない。たとえばですね、またこれも小さい
——小さいといいますか、
一つの具体的な例で申し上げますと、
学校で一番じんあい度の高いのは教室だということは木田前の
体育局長がもう認められておる。私の
質問にそう答えられておる。一番じんあい度の高い教室で食事をさしておる
学校給食というのはこれは望ましい姿じゃないということは
文部省としては認められておったはずだ。そうして、
昭和四十三年ですか四年ですかから食堂をモデル的にやらしてみる、そういうことに踏み切ったはずですよ。非常にいいところに踏み切ったと思っておったら、それが今日までに幅が広がっていったという実績はどうも私には見当たらない。逆に言ったら、そんなことを、無理なことをというような話がむしろあるじゃありませんか。少なくとも私はそういうところに重点を置いて
学校給食というものを
学校の中の大きな
一つの活動として位置づけるならですね、いまの食堂という発想は新しく
学校を建てる場合の基準には入れるべきだと思う。そうしてそれには補助という、補助の対象にするのだとね、それくらいの積極性があって初めて
学校給食の問題は解決するのじゃないですか。それぐらいのことを
文部大臣考えられないのですか。
あるいはいまのこの
牛乳、小麦、まあいろいろ申し上げましたね、まあ
一つ一つは、それはそうは言っても、
文部省に直接
幾らにしろという、言ったってこれはどうにもならぬ問題、確かに
局長のおっしゃるとおりの仕組みはあります。仕組みはあるけれ
ども全国的にこの辺が適正だというようなものを持っていくとかですね。ただし、そうやるためには私は
学校給食というものをどうしてもこの
給食法にいう児童生徒負担の原則というやつを切りかえるべきだと思うのです、この際。それは一ぺんに切りかえるだけの予算が取れるかどうかということになりますと、これは非常にむずかしい問題があるでしょう。むずかしい問題があるけれ
ども、たとえば青森県の十和田町がやっていますように、今度の
値上げ分は全額町費で持ちますといって予算を組む。
地方自治体はもうそこまでいまやっているんですから。それもまあ
局長に聞くと、ごく一部ですとお答えになるでしょうから聞かないほうがいいと思うんですけれ
ども、自治体はそういう
苦労をいましているんですよ。国がやっぱりそういうところにもう少し積極的に自分が出ていって、
公費負担の原則を打ち立てるべきだ。そうして
学校給食というのが、あるべき
給食法に示されておるいろんな目的を果たすためには、たとえば食堂なら食堂という問題、こういう問題ももっともっと積極的にやっていく。だから、たとえば私は、まあ
一つのこれは思いつきみたいなんだけれ
ども、さっきも言いました、これから
学校を新しく建築する場合には、
給食調理室はもちろんだけれ
ども、と同じように食堂というものも
一つの補助対象にする基準の中に入れるんだと、古い
学校に直接全部入れろということは、これはたいへんな金がかかるにしても、しかし逐次そういう形に切りかえるという
方針ぐらいは打ち出してもいいのじゃないか。
そういう点について私はきょうはひとつ
文部大臣に進言をしたい
——と言うと少しなまいきな言い方になりますけれ
ども、そういうことでもやらないと
——局長は一部だと言うけれ
ども、私は一部じゃないと思う。正常にいま
給食の運営がやられているこの正常の解釈が違うから一部だと言う。
牛肉を豆にかえたのは正常だという見方をしておったんでは、これはもう
給食の行政にはならぬわけです。そうじゃなしに、ほんとうのいままでのあるがままの姿に戻すためには、
公費の制度というものを直ちに取り入れるということはできないにしても、相当積極的にそちらのほうを指向していかないと解決をしないのではないか。
もう
一つ私は申し上げたいのは、これはもう
文部大臣というよりも
政府全体の話なんですけれ
ども、
物資の問題は農林省や通産省やさまざまなものが関係をするわけでありますが、
政府全体としても取り組めるような、そこまで
文部大臣の政治力で持っていかないと
学校給食の基本的な解決にはならないのじゃないか、こう思うのですけれ
ども、いかがですか。