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1974-03-07 第72回国会 参議院 運輸委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十九年三月七日(木曜日)    午前十時十一分開会     —————————————    委員異動  三月一日     辞任         補欠選任      橋本 繁蔵君     岩本 政一君      今泉 正二君     松平 勇雄君      桧垣徳太郎君     渡辺一太郎君  三月五日     辞任         補欠選任      木村 睦男君     船田  譲君      黒住 忠行君     玉置 猛夫君  三月六日     辞任         補欠選任      船田  譲君     木村 睦男君      玉置 猛夫君     黒住 忠行君      江藤  智君     中村 登美君  三月七日     辞任         補欠選任      岩本 政一君     竹内 藤男君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         宮崎 正雄君     理 事                 黒住 忠行君                 菅野 儀作君                 杉山善太郎君     委 員                 竹内 藤男君                 橘  直治君                 中村 登美君                 前田佳都男君                 小柳  勇君                 瀬谷 英行君                 森中 守義君                 三木 忠雄君    政府委員        経済企画庁長官        官房参事官    有松  晃君        運輸政務次官   増岡 博之君        運輸省自動車局        長        中村 大造君    事務局側        常任委員会専門        員        池部 幸雄君    説明員        資源エネルギー        庁臨時石油対策        本部石油企画官  渡辺 全光君        運輸省自動車局        業務部長     真島  健君        日本国有鉄道副        総裁       井上 邦之君        日本国有鉄道理        事        山岸 勘六君    参考人        日本鉄道建設公        団総裁      篠原 武司君        日本鉄道建設公        団理事      池原武一郎君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○参考人出席要求に関する件 ○運輸事情等に関する調査  (特急とき号の運行に関する件)  (自動車行政に関する件)     —————————————
  2. 宮崎正雄

    委員長宮崎正雄君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る一日、橋本繁蔵君、今泉正二君、桧垣徳太郎君が委員辞任され、その補欠として岩本政一君、松平勇雄君、渡辺一太郎君がそれぞれ選任されました。  また、五日、黒住忠行君、木村睦男君が委員辞任され、その補欠として玉置猛夫君、船田譲君が選任され、昨六日、船田譲君、玉置猛夫君、江藤智君が委員辞任され、その補欠として木村睦男君、黒住忠行君、中村登美君がそれぞれ選任されました。  また、本日、岩本政一君が委員辞任され、その補欠として竹内藤男君が選任されました。     —————————————
  3. 宮崎正雄

    委員長宮崎正雄君) 委員異動に伴い、理事に欠員が生じておりますので、この際、その補欠選任を行ないたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 宮崎正雄

    委員長宮崎正雄君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事黒住忠行君を指名いたします。     —————————————
  5. 宮崎正雄

    委員長宮崎正雄君) この際、参考人出席要求に関する件についておはかりいたします。  運輸事情等に関する調査のため、本日、日本鉄道建設公団総裁篠原武司君、同公団理事池原武一郎君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 宮崎正雄

    委員長宮崎正雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  7. 宮崎正雄

    委員長宮崎正雄君) 運輸事情等に関する調査を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  8. 杉山善太郎

    杉山善太郎君 私は、先日の本委員会で、徳永運輸大臣藤井国鉄総裁に御出席をいただきまして、大要二つ質問関連の中でありましたけれども、いたしておきました。  一つは、およそ労使関係に起こるもろもろの問題は、労使間がやはり労使対等の原則を踏んまえて、腹を割ってトップが話し合うということがすべての原点じゃないか、そういう形の私の見解、主張について、おおむね合意を見たというふうに信じております。  もう一つの点は、すべての運輸交通事業、それが国営であろうと私企業であろうとサービス原点は安全がすべてであると、そういう点についての意見についても全く同意、同感であるという合意を得ておると、こういうふうに私は私なりきに思っております。したがいまして、そういう春秋の論理で、私は主としてやはりきょうは、新潟上野間を十三往復しておりますところの「とき」問題に焦点をしぼってひとつ勉強したいと、こういうつもりで質問を申し上げるわけであります。  申し上げるまでもないことでありますが、昨年の十月の時点ダイヤ改正が行なわれておりまして、新潟上野間の「佐渡」が減らされて、とき号が優等列車であると、そして言うならばビジネス特急であるというかっこうで十三往復を、という売り込みで行なわれたわけでありまするけれども、半年足らずで、そういう売り込みにもかかわらず、ビジネス特急優等列車十三往復が現実において機能していないんだと、そういう点について、この利用価値、それから日本海方面の接続の拠点となって、ただ新潟上野間の往復でなくて、日本海方面の大体がこのビジネス優等特急というものを利用して評価しておったのでありますけれども、そういう点について、このダイヤ改正時点で、こういうことをおきめになったその一つ根拠、背景、お考え方というものはどういう点であったということを副総裁から、ひとつ総裁にかわってお答えをいただきたい。こういうことがまず最初の私の質問点であります。
  9. 井上邦之

    説明員井上邦之君) 「とき」問題につきまして、諸先生からかねがね多大の御心配をわずらわしておりますことを恐縮に存じております。ただいま先生指摘の昨年の時刻改正におきまして「佐渡」を減らして「とき」をふやしたその根拠は何かというお尋ねがまず第一でございます。  最近の旅客列車選好性といいますか、どういう列車を選ぶか、そういう傾向を調べてみますと、やはりスピードの速い列車を選ぶという傾向が顕著にあらわれております。その結果といたしまして、いま問題になっております「とき」と「佐渡」、これについて具体的な数字をちょっと御説明いたしますと、昨年の十月の一日平均でございますけれども、「とき」のほうは十三往復、これ平均いたしまして、大体上り下りで若干の数字の違いはございますが、グリーン車を別にいたしますと、普通車のほうで下りが一〇六%という乗車効率を示しております。「佐渡」のほうは、同じくグリーン車を別にいたしまして普通車のほうを見ますと、八一%という乗車効率を示しております。この傾向上りにつきましても大体同じような傾向でございまして、グリーン車を見ますとさらにその差は顕著になっております。こういう点からいたしましても、やはり旅客列車をお選びになる傾向というものは、「とき」といいますか、急行よりも特急と、こういう列車をお選びになる傾向が顕著になっております。そういう傾向を踏まえまして、昨年の時刻改正で「とき」をふやして「佐渡」を減らした、こういうことでございます。
  10. 杉山善太郎

    杉山善太郎君 その点については理解をいたしますが、その大幅なダイヤ改正時点から半年たっていないわけでありますけれども、実際は「佐渡」を減らし「とき」をふやすにしても、よりよく利用者便宜供与をしようという点がおそらく発想原点であろうかと思いまするけれども、私が聞きたいのは、その時点において、申し上げるまでもないことで、一八一型ですか、その客車は、大体山陽線あるいは東海道線で利用されておうたところの古い列車ですね。そういうものを走らせて、だいじょうぶだというふうなお考えであったんですかどうですか。  大体だれが考えてみても、昨年の十月のダイヤ改正時点で、新聞はこう評価しておりますよ、優等列車、そしてビジネス特急だ、日帰りで何回も用が足りるのだ。——そういう発想でおそらく国鉄のほうでも、そういうニュアンスローカルマスコミに対しても、中央マスコミ出先機関に対しても売り込みをされたと思います。それが半年足らずでその機能をしていないんですよ、実際問題は。そのことは一番皆さんがよく知っておられると思いますが、そういう点については、その点はやってみなければわからないというのであぶない橋を渡られたのかどうか、その辺のポイントについては、どのように副総裁はお考えになっておるか。
  11. 井上邦之

    説明員井上邦之君) 先般、総裁からも申し上げたことと思いますが、私ども仕事をやってまいります上に、根本的に考えておりますことはやはり安全でございます。安全なくして経営は成り立たないという基本観念に終始変わりはございません。  したがいまして、先般の「とき」の増発という問題に関しましても決してあぶない橋を渡ったということではございません。確かに先生指摘のとおり、全部新車をもってこれに充てたということにはなっておりません。しかし車齢——車の年齢でございますが、車齢平均を見ましても十二、三年という車両を使っておりますので、決してこれはそうあぶない車だということではございません。車両平均耐用年数は大体十三年ということにいたしておりますが、これは経理上の減価償却費を計算する場合の耐用年数でございまして、実際に物理的に考えました場合の車両標準使用年数は大体二十年ぐらいを考えております。したがいまして、いま申しました「とき」に使いました平均車齢は大体十二、三年でございますので、決して古過ぎる車ということではございません。ましてやこれがあぶない橋を渡るということは毛頭考えておりません。
  12. 杉山善太郎

    杉山善太郎君 ずばりで申し上げまするけれども、この「とき」は、要するに上越新幹線が予測される五十二年の春までの代替列車として利用者便宜供与をする。そういう形で、少なくともこれは、この前も申し上げたわけでありまするけれども、やはり総需要抑制の立場、その他もろもろ事情からして、幾ら国鉄技術陣建設公団が努力をされてもなかなか現状の展望の中では、五十二年の春までに上越新幹線が脚光を浴びることは不可能に近い展望だと思っております。それまでの代替列車、まだ四十九年と言っても三月に入ったばかりであります。正味五、六年という展望の中で、発足してわずか半年足らず機能を喪失するというようなことについては、これは国営であろうと私企業であろうと、企業としてははなはだ未熟であり、はなはだお粗末であるという私は評価をせざるを得ないのであります。  この点についてはたくさんの柱を立てておりまするから、時間をとりたくないんでありますけれども一つの重要なポイントであるから、きょうはできるならば、運輸大臣にも、それから総裁にも来ていただきたかったわけでありますけれども、衆議院のほうの御都合政務次官なり副総裁でけっこうでありまするけれども、ともかくも私の言わんとするところは、少なくとも、いま新潟県議会では県議会が開かれておる、市議会が開かれておる。その他の沿線の自治体においても、これを唯一無二の、希望が持てるという評価をしておったわけでありまするけれども、いま申し上げたような感情は、私が言うのでなく、私はその感情を吸い上げて、この場でそう申し上げておるということをひとつ意識しておいていただきたいというふうに考えているわけであります。  かりそめにも、十年周期説で、ことしは豪雪であったから、それによって「とき」の足が災いされておるというようなことは私どもは納得できません。それも一応の故障原因一つには評価しまするけれども、それが半年足らずでまことに特急——ビジネス特急ですか、しかも優等列車という売り込み列車とは全く似ても似つかぬ評価であるというふうに考えておるわけであります。  この点は次へ進みまするが、なるほどポンコツ車でない、十三年程度というものはまだこれは働き盛りであると、一番使い盛りであるというようなニュアンスでおっしゃっておると思いますけれども、それは私は納得できませんが、それはそれといたしまして、とにかくいま新津新津車両管理所というのがあります。それと新潟には新潟運転所というものがありますが、この管理所運転所規模とか機能についてつまびらかにひとつ歯にきぬ着せずお示しをいただきたいと思うのです。  と申しますのは、とにかく当局の一方的な都合で十三往復特急が非常に間引き運転をされておるのだと、率直に言って県民感情を訴えますと、また利用者——国鉄労使の交渉というものがもつれあって、ともかくも好ましくないけれども、手段としてストライキというような行為になった場合については何らかの予告があるけれども当局が一方的に当局都合で十三往復というものの、これとこれは間引き運転をするのだというような点については困るのだといったような点がありまするが、要するに、いろいろな事情関係がございましょう。しかし故障修理をしたところ、言うならば車両管理所であるとか、あるいは運転所であるというのが大体修理をするところだろうというふうに予測いたします。新津車管理所——昔は鉄道工場と言っておりましたけれども管理所という名前に変わっておるわけでありまするが、小修理については規模は小さいでありましょうけれども新潟運転所というものがあるはずでありますが、この規模機能について、どなたか御出席の中からお答えをいただきたい。
  13. 山岸勘六

    説明員山岸勘六君) 新津車両管理所新潟運転所車両の保守の体系と申しますか、能力と申しますか、この点につきましての御質問でございます。  新津車両管理所におきましては、現在電車ディーゼル機関車、気動車、客車、貨車というようなものを分担して、新潟付近の車を主としてやっておるのでありますが、これらの両数をまとめてみますと九百八十四両の車を自分の所管の中に持っておると、こういうことになります。このうち電車関係あります年間の客車電車を見てみますと約四百五十両を分担していることになります。これに携わっている検修要員は六百十八名でございまして、私どもといたしましては、この配置両数あるいは修繕能力というものは、現在の新潟配置している車に対しまして十分な能力技術力を持っているという判定をいたしているところであります。  次に新潟運転所でございますが、新潟運転所につきましては、現在配置車両電車が二百三十七両、これはもちろん「とき」と新潟付近ローカル電車を含んでおります。うち「とき」が百三十一両ということに相なるわけでありますが、そのほかにディーゼルカー、これが二百九両、それから客車が五十五両、こういう車両を持っているわけでありますけれども、その中での電車検修要員を見てみますと百五十名であります。所定では一日に三両ないし四両の交番検査、それから出入りいたしますところの各列車仕業検査、あるいは臨時修繕が必要となった車の手配修繕というようなものに対しては、常態においては大体この百五十名が標準考えておりまして、私どもとしては十分の能力があると考えているわけでありますけれども、しかし冬季に対しましては、これに対して約七名を冬季要員として所定配置いたしているところでありますが、今回、御指摘故障続発に伴いましてさらに八名の要員手配いたしまして、現在十五名の要員増加をもってこの車両検修に対処しているところであります。——たいへん失礼いたしました。先ほど百五十名と申し上げましたのは、この十五名を含んだ数字でございます。
  14. 杉山善太郎

    杉山善太郎君 それは新津工場とそれから新潟運転所との両方ですか。その配置関係はどういうふうですか。
  15. 山岸勘六

    説明員山岸勘六君) 先ほど六百十八名と申しましたのが新津車両管理所要員であります。それからただいま臨時に増加した分を含んで、百五十名をもって電車をやっていると申し上げましたのが、これが新潟運転所の分でございます。
  16. 杉山善太郎

    杉山善太郎君 ここで一つ確認しておきますが、これは上越新幹線といっておるわけでありますが、これは四十六年の十月十三日の新潟日報という新聞に出ておる記事でありますが、「在来線特急急行など東京——新潟間の優等列車は、上越新幹線営業開始後、姿を消すことになるが、この切り替えは、徐々に円滑に移行させたい。」「ともかく一日二十五往復新幹線へ混乱なく移行するために、先行輸送としての「とき運行考えている。」というふうに、これは当時の秋田新潟鉄道管理局長ですか、秋田さんという方が大体そういう意思表示をしておられるわけでありまして、こういう時点においては、この「とき」というものが、言うがごとく優等列車であってビジネス特急である、しかし、これは上越新幹線がりっぱに機能するまでの一つの過渡的な移行措置である、こういう表示をしておられますが、そうであることには間違いありませんですね。
  17. 井上邦之

    説明員井上邦之君) 先ほど先生の御指摘の、今回の「とき」問題は雪のせいにするなという最初から強いおことばがございまして、はなはだ申し上げにくいのでございますけれども、「とき」の使命は、先ほどから申し上げておるとおりビジネス特急使命を持っておるということについて変わりはございません。いまでもその使命は失っていないと思うのでございます。いかんせん、これは先生にひとつ御承知おきを願いたいことは、やはり今回の問題は雪のために起こったことであるということはひとつ御承認いただきたいと思うのでございます。  と申しますことは、昨年の暮れからことしの明けにかけまして、雪の期間と申しますか、雪が降りだしましてからの期間でございますが、その期間車両故障件数、これは私のほうで、A故障B故障C故障といろんな段階を設けておりますが、そういうこまごました故障まで含めまして調べてみますと、九割までが雪のための故障であります。したがいまして、今度の問題だけはやはり雪が大きく影響をしておるということをひとつ御承認願いませんと、そのことを抜きにしましていろいろ議論いたしましても話が進まないと思うのでございまして、   〔委員長退席理事黒住忠行君着席〕 「とき」のビジネス特急使命は、私はいまでも変わりなく持っておる。また雪の問題さえなかったならば——今度の雪は統計上から申しますと三十年に一ぺんというような雪だそうでございまして、この異例な雪がなかったならばこれほどの問題はなかったはずであると、まあ私ども考えておるのでございます。さようひとつ御承認いただきたいと思います。
  18. 杉山善太郎

    杉山善太郎君 ますます納得ができませんが、さらに私が瞬間的に頭の中に浮かんできたのは、皆さんがやはり東海道新幹線というもので十分効率をあげた、そういう経験を得ておられますけれども、かりそめにもこの上越新幹線という問題について公害や安全性というものを考慮に入れて、システムと機能の点においてまず——三十年ぶり豪雪とおっしゃいますけれども、記録の上では、このことが科学的な根拠の有無は別として、大体十年周期を描いております。それからその中間は三年周期というものが豪雪の単位のようでありまするから、いわんや「とき」にしても、やがて登場するところの新幹線にしても、在来観念で、やはり「とき」の円滑な運行——乗客に対するサービスは、安全性サービスに対するすべての原点であるという根拠からいきますれば、ことしが三十年ぶりの雪であるというような、そういう評価やそういう受けとめ方については、はなはだどうも国鉄当局全体としても、技術陣としても、そういう発想では非常に信頼感を置くことができないというふうに考えます。  先へ進みますけれどもとき号については非常に問題がありますよ。これは最近特に動揺が激しくなってきて、乗客苦情利用者苦情というものが非常に多くなってきているはずでありますが、動揺が激しくなったのはいつごろからというふうに御判断なさっておりますか。そういう苦情は全然はだで感じておられませんか、当局首脳部は。その辺についてちょっと伺いたい。
  19. 山岸勘六

    説明員山岸勘六君) 私ども技術屋といたしましては、非常に、結果論ではありますけれども、この豪雪にあってもっと手を打つべき問題がなかったかという反省は多々あるわけでございます。  いまの動揺の問題にいたしましても、もうここ二年ほど前から、私聞いております範囲内でも二年ほど前からあるわけでありますが、この動揺に対しまして何べんか試験列車を走らせ、研究者を乗せ、そして研究してまいったのでありますが、まあきわめて一般的な原因はそれでわかっておったのでありますけれども、しかし最近になりまして特に顕著にわかってきた点があるわけであります。これは結局ブレーキ機構関係があるということで、「とき」に関しましては、一般東海道線を走っておるような電車と違いまして、耐雪ブレーキというのを使っております。これは簡単に申しますならば、雪がふぶいておる、その中を一般ブレーキでやった場合には雪を抱き込んでしまう、ブレーキ力が弱くなるということでございまして、これに対しましてブレーキをこすりながら走って絶えずある温度を与えておくという装置でございます。このためにこれの使用回数が非常に頻度が上がりますと、われわれの想定以上に頻度が高くなりますとどうしてもタイヤ異常摩耗が発生するわけであります。この異常摩耗は、いわばタイヤのまん中が減ってくるという形でありますけれども、この摩耗が振動いわゆるわれわれのからだに感ずる不快感に非常に大きな影響を与える。もちろん私ども安全度を確認しながらいままでもやっておったわけでありますけれども、これがどうもからだに大きな不快感を与えるのではないかという点が新たに発見されました。  今回も二往復をやめさしていただいておりますし、実はすでに発表しておることではございますけれども、九日から三往復やめさしていただいて、大きな手当てをいたしまして、四月から何とか万全な運転を期したいと、こういうふうに考えておりますが、これも一つはこの車輪の取りかえというものをここで思い切って手当てをいたしたい、こういうふうに存じまして、現在メーカーにあります新製車の途中にあります車軸も集めまして、急遽これらの手を打ちたい、こういうふうに存じております。その他動揺関係するところをつまびらかにいたしまして、標準を求めてこの手配に万全を期してまいりたいと存じているところでありまして、現在すでにそういう目で現地で確認をさせて運転をいたしておりますので、今後は顕著に動揺の点についてはよくなるのではないかと考えているところであります。
  20. 杉山善太郎

    杉山善太郎君 とにかく私が先回の場でも関連の中で、またこの委員会でも強く主張したいのは、サービスは安全が原点であるという一つの原理の上に踏んまえて、「とき」問題を論ずる場合に、なるほど雪が降るということ、それから皆さんのほうでは十三年車であるからまだ働き盛りであるというような見解を持っておみえになるようでありますけれども、ともかくも何回も申し上げるように、ビジネス特急優等列車というかっこうで、十三往復ということで脚光を浴びておる限りにおいては、すべての利用者は、何びとにしても、これはどれを利用される人も、利用者関係からいくならば、その路線で、その計画で、それが最低の計画でその発表どおりにいくものだというふうに考えております。  雪が降って車両故障して、それから間引き運転をして安全をということでは、これは企業が国営であろうと私企業であろうと、原点に立ち返って、これは企業者の社会的責任として自己批判をしてもらわなければ、利用者の立場になれば非常に困る問題だというふうに私は申し上げておきます。  そこで、私も新潟の地方区でありまするからずいぶん利用さしてもらっておりまするが、一つの内部告発が出ておりますね。内部告発に対してはあとから申し上げまするけれども、近代的な労使関係は、公害の問題にしても安全の問題にしても、これはこういうように非常にあぶなっかしいことがあっても、これはわが社のために包んでおくべきだということは、近代的労使関係ではすべきじゃないと思うのです。それを発見したならば、事前に防止して、それを内部告発し合って、十分円滑にそれを排除して国民の足であるという機能と、そして国鉄というものなら国鉄信頼感というものを回復すべきことが、発想原点でなくちゃならないんだということを強く強調申し上げておきます。  そこでこれも内部告発の一つの現象のあらわれだと思いますが、具体的に申し上げます。四十八年の十月から鉄労という労働組合でありますが、十三本走っております「とき」の十本の乗客を対象に、返信用はがきつきでアンケートやっておりますよ。大体千枚を出しておるようでありまするけれども、それが十一月の末にまとめたものは、回答が四百七通来ております。千枚の往復はがきを十本の列車にまいて四百七通、まあ数の上では少ないようでありまするけれども、実際あのゆれる中で、旅先からこういうアンケートが四百七通来ておるということについては、率としては、これは非常に関心がある結果だというふうに思っております。  そこで、内容は「振動区間」「不便さ」「不安」「振動のほか」という四つの項目になっておりますが、大事なことであるから申し上げておきましょう。高崎−大宮間が百四十五通、振動の区間はこの区間が一番多いということです。新津−長岡間が九十七通、水上−高崎間が九十二通、新潟新津間が四十一通と、全区間でこんなに振動が多くては困るということを言っております。不便さの点については、食事中が百二通です。読書中が九十三通、歩行中が九十二通。用便中が六十八通、これは不便さですが、これは私は実際に働いていられる車掌さんに聞いてみましたら、非常に私どもも疲れますと、ことに自由車が二台ついてからは、客の取り扱いに、この振動の中では身を粉にして職務遂行に歯を食いしばっていますということを、乗務員はみんなそう言っておりますよ。不安さについては、不安だというのが百二十七通、迷惑だというのが九十五通です。危険だというのが九十一通です。まあこの危険だというのははだで感じた、これは返信でありますが、   〔理事黒住忠行君退席、委員長着席〕 振動のほかは保温通気不良だというのが百六通、車内がよごれておるというのが七十六通です。便所不良というのが六十八通です。ドア開閉不良というのが三十五通なんです。  いずれにしてみても、これが優等列車であって、特急料金を払って非常に——料金のことは言っておりません。これは発想の次元で、ダイヤ改正で十三往復やって快適だということとあまりにも違うということ。私も事あるごとに内部告発といいますか、これはローカルの新聞にも出ておりますから当局は十分御承知でありましょうけれども、この間運輸大臣上野から新津まで行っておりますから、乗りごこちはどうもそれは快適とは言えないというふうに言っておられましたが、この点については十分その点を配慮しておられるかどうか、実感として、それはそういうふうに、遺憾ながら好むと好まざるとによらず事情はそうだということをお認めになりますかどうか、どういうふうに思っておられますか。
  21. 山岸勘六

    説明員山岸勘六君) それらのアンケートのこと、それから、それ以前からのお客さま方の「とき」の動揺問題についてのお話は承っておりまして、昨年も数回試験列車を走らせ、あるいはまた技術者を乗せて研究に邁進してきたところでありますけれども車両のほうから申しますと非常に上越線は特色がありまして、車輪の形状の摩耗のしかたが夏と冬ではまるっきり反対になるという傾向があるわけであります。したがいまして、夏場は直摩という、いわゆるフランジがまっすぐ立っていくような、これはカーブ等においてはよく起こる現象でありますが、これらについても気をよく配っていかなければならない。しかしながら今回は全くそれとは逆の、まん中がへっこんでフランジのほうが丸くなってくるという全く逆の現象が耐雪ブレーキによって起こりまして、これが冬場の動揺影響しているということ、しかも非常に体感としては不快感影響するということがわかってまいったわけでありまして、これらの対策を、先ほど申し上げましたように、できるだけ早い機会に万全を期して対策を打ってまいりたいと、こういうふうに存じておるところであります。  また先ほど先生からお話がありましたように、区間的に非常に動揺の感じ方が大きいとこ、そうでないとこがあるというようなお話があったわけでありますけれども、これにつきましては、私どもの試験ではどの区間が悪いというようなお話が出ますと、つぶさにまた所定の検査以外に、検査と線路の補修をいたしております。したがいまして、これをこまかく何キロ、何百のところでの動揺があるんだというような点については、私どもは技術的に手配をいたしていくわけでありますから、そういう点で見てまいりますと、必ずしも同じ個所ではないわけであります。私どものほうとしても線路が全く、何といいますか、すばらしい線路だとは申し上げませんけれども、やはり線路も検査をし、狂いというものは当然生ずるものでありますから、その狂いの大小によって補修をしていくわけでありますから、これらの点からいいますと、この比較的狂いが大きく出ているというような場所は、そういうわけで補修の周期、あるいはまた、噴泥地における雨上がりの問題というようなところを特に注意をいたしまして、そして対処していくことによって、安全はもちろん、線路による動揺に対してもお客さんに不快感を与えないでいけるという自信をもってやっているところであります。
  22. 杉山善太郎

    杉山善太郎君 まあアンケートというものに対する一つの意義とか評価という問題にもかかわりますけれども、乗っておる乗客が、これは不特定多数でありますが、一本の列車にしてみれば千名前後が乗っておるということになると思いますけれども、十本に対してアンケートでこれとこれとこれということをマークして、そしてこの区間がと、こう言っておりまするから、あなたたちが国鉄当局の立場とか技術陣の立場から言われても、これはそれなりに科学的な根拠もありましょうけれども国鉄が国民の足として、利用者は乗っている乗客だということから、なまでやはり無記名でしておるという点については十分配慮し、重視しなきゃならぬのだと、それはしろうとが乗った感じで誘導されたというような評価になるというと、これは問題があるということを指摘しておきまして、このアンケートは重視すべきものであると。私も月に数回往復して利用さしていただきまするから、十分な乗務員、運転手さん、乗客意見を聞いておるわけでありまするから、少なくとも先ほども申し上げたとおり、新幹線ができるまでの代替列車であるから、これはやむを得ない点もあるけれども、しかし雪のせいであるとか、あるいはあなたのほうの御都合間引き運転されるようなことについては、その裏をどんぴしゃりで申し上げまするならば、私がたとえば新津管理所新潟運転所規模機能を聞いたのは、故障というものが起きると、そしてそれに対応して、一体その即応体制が完全に整備されておれば、こんなに怨嗟の声が出てこないし、地方自治体の議会の問題にならなくてもいいはずだ。だからこれは機能喪失しているじゃないかと、そういう危惧から、先ほど運転所管理所機能とその機構はどうかということをお尋ねしたのも、そういうためであるということを、ひとつ受けとめておいていただきたいと思います。  そこで、この新潟鉄道管理局運転部は、これらの動揺防止に全力をあげておることも事実でありましょう。私もそういうふうに受けとめておりますよ。しかし昨年夏から秋にかけて、一八一系特急電車、主として一八一系というのだそうですね、いまの車型は。不良動揺防止対策を計画実施中だが、その対策のあらましと結果というものはもう出ているはずでありますが、どういうふうでありますか。昨年の夏から秋にかけて、一八一系特急電車不良動揺防止対策の計画を実施しておるということでありますから、昨年からことしにかけては行なわれておるはずでありますが、それはまだ全然中央のほうに上がってきておりませんか。
  23. 山岸勘六

    説明員山岸勘六君) これも先ほど先生がおっしゃいました新潟の管理局による独自の試験、あるいはまた本社と管理局と研究所と一体になった試験等を繰り返してまいったわけでありまして、ほぼ、いわゆるたとえば心皿受けの寸法の安定が非常に微妙であるとか、ボルスターアンカーのゴムの硬度がこれまた大きな関連している問題であるとか、いろいろ一般的に異常検討の中での上越線に対する対策としての問題は出てきたわけでありますけれども、もちろん、これらに対して、それぞれ指示をしておったさなかの、この雪害による状況を呈してまいったわけでありまして、それに加えて、いわゆる耐雪ブレーキによる異常摩耗動揺という問題が非常にお客さま方に不快感をお与えしたのではないか、こう思っておりますけれども先ほど申しましたように、この際、車輪を新しいものに大幅にかえてまいりまして、そして同時に、先ほど申しました心皿受けの寸法関係とか、ボルスターアンカーのゴム等につきましても十分な手配を打ちまして万全を期していきたいと、このように考えておるところであります。
  24. 杉山善太郎

    杉山善太郎君 同じようなことでありますけれども、事生命に関し、まかり間違えば危険列車と言わざるを得ない点もありますので、もう一度お伺いしますが、具体的な問題としましては、四十八年の十一月三十日、新潟鉄道管理局で「旅客車乗心地向上の研究現車試験要領」というものをつくって、四十九年の三月中旬までに本線走行試験を新潟上野−黒磯間に行なうことになっておると、この目的は、退蔵した台車をテストして、振動防止の効果と安全性を確認するためのものだがと、こう言っておるわけでありますが、この実施の結果はどういうようになっておりますか。
  25. 山岸勘六

    説明員山岸勘六君) これにつきましては、予定では今月中に計画しておったところでございますけれども、この試験をおくらせても、とりあえずの「とき」の修復というところへ全力をあげてまいりたいと、こう思っておりますので、三月中に計画しておりましたこの試験は若干延期したいと、このように私としては考えております。
  26. 杉山善太郎

    杉山善太郎君 そうすると、まだ実際に施行、実施されていないと、この計画はまだ計画であって、たな上げになったということではないが、まだ実施していないという、そういうふうに理解していいですか。
  27. 山岸勘六

    説明員山岸勘六君) 対策として新しい台車それからいろいろ研究、まあ何といいますか、明確にこれだというものはわからないけれども、ひとつこういうふうに改造してみようというような部分も出てまいるわけでありまして、そういうものを、研究過程にあるものをいきなり現車に私ども命じるわけにはまいりません。そういったこれから開発しようとしている問題については、やはり試験をやってみて、さらに向上を期していくわけでありますけれども、現在、明確にわかっている部分につきましてはすでに手配をしておりますし、急遽大量の部品を投入してこれに対処したいと、こういうふうに考えているところであります。
  28. 杉山善太郎

    杉山善太郎君 そうするというと、結局において、まだ実際にはやっていないということで、これからやり得ることもあり得るというふうに理解をしていいですか。あとで新車三十八両の問題についてはお伺いしますが、それとの関係は次元が違うという形について、新潟鉄道局管内で、まあキャップは局長でありましょうけれども、いま申し上げたような……。ということは、周囲の県民感情があまりに「とき」に不信感を持つから、出先として、大体いま申し上げたような一つのテストをしてみようというかっこうで、当然ローカル段階だけでやるわけにはまいりますまいから、中央に上がって決裁を得るということで、もう三月中旬までに行なうということであるから、出ておるはずだと、私どもは信じておったんですが、その辺はどうですか。
  29. 山岸勘六

    説明員山岸勘六君) 詳しく申し上げますと、試験は九月の上旬と十月の下旬と、それから十二月の中旬と、この三回にわたりまして、いわゆる動揺試験というものをやっているのであります。で、要するに私が先ほど申し上げましたのは、この三回の試験によって明らかになった点を手を打っていると、こういうふうに申し上げたわけですが、さらにもう少し乗りここちというふうな観点から、もう少し研究を進めてまいりたいという試験をこれから計画をしております。こういうふうな状態であります。  なお、この「とき」の修復問題につきましては総裁以下、本社全体はもちろんのこと、管理局もあげてこの問題に取り組んでおることを申し上げておきたいと思います。
  30. 杉山善太郎

    杉山善太郎君 ゆれの原因について、私どもははだで感じておりますし、私も技術人の端くれであります。しかし技術、科学の限界というものを私は個人としてはつかんでおりますよ。しかしショックというものは非常に大きいですよ、実際問題は。これを私は某課長に聞いてみたわけですが、車両自体としては、台車の各部分に取りつけてある緩衝部分が損耗したか、車輪のきずによるものか、考えられるがと言っておるんです。しかし四十八年の九月の時点で、防止対策として試験台車の防振ゴムを全部取りかえて走らせたが、思わしい結果が得られなかったと聞いておる。これはその程度の手直しではどうにもならないということじゃないですか。一体そういう点について、先へ進みまするけれども、私は総括して皆さんの経験の中からこの一八一系ですか、これは過去において山陽線なり東海道線で使って相当に機能して、まだ十三年程度しかたっていないんだから油の乗った盛りだというようなふうに、あなたたちの立場でおっしゃっておるんでありましょうけれども、私どもの立場からでは、このようなポンコツ車は安全のために廃車すべきだ、代替すべきだというふうに考えておる。これよりも、もとに返して「佐渡」のほうへ復元をしてもらって快速で快適にやったほうがいいんだというのが一つ県民感情であり、私の感情でもある。この点については回答いただかなくてもいいのでありまするけれども、そういうことを申し上げておきます。  こう言ってみても、そうすべてを右から左に予算上、資金上できるべき筋合いのものでもないと思いまするけれども、そういう点について、発想の次元は、あくまでも私は原点として考えてもらいたいですよ。ビジネス特急だ、優等列車だというかっこうで料金もいろんな点から見て、決して安いものじゃないんですよ、「佐渡」やなんかと比べてみて。  そこで次に進みますが、とき号の防止対策について疑問を感ずるのは、その振動原因について徹底した究明がなされていない点だと思うんです。いま私が某課長に聞いた一例を申し上げましたけれども、一体何が原因であるかということをひとつ明らかにしてもらいたいんですが、先を急ぎますので申し上げまするけれども、私が考える点については、そして利用者関係者の常識的な見方は大体二つ、三つに整理されておりますよ。言うならば、とき号が老化しているということが一点です。それから九十キロの設計車を百二十キロで走らせておると、そういうようなことは皆さんが自分自身の問題としてそれは違うとおっしゃっても、世間ではこの一八一系は元来九十キロの設計がポイントだと、それが百二十キロで走っておるということと、それから十三往復という無理なダイヤ編成のために修理する時間的な余裕がないのだと、その修理所である新津管理所新潟運転所がその機能というものを喪失はしていないけれども、その対応性に応じきれないのだと。もう一つ当局の営業中心主義だと——営利中心主義だとは評価しておりませんよ、営業中心主義だというようなことをあげておるのを、私は率直に指摘したいと思うのでありますが、皆さんのこれに対する見解というものをお答えいただきたいと思います。
  31. 山岸勘六

    説明員山岸勘六君) 一つは老朽車両じゃないかという御指摘で、いわば廃車すべきじゃないかという御意見であろうかと思うのでありますけれども先ほど総裁からもお話を申し上げましたとおり、また私ども常識的には電車は二十年ぐらいは走れるのだという常識がわれわれ技術屋陣にはあるわけであります。しかしながら、今回の雪害による状況とか、あるいはまたそれ以前からの同僚の皆さま、あるいは先生方からの御指摘というような点にかんがみまして、三個編成三十八両、これは十二両編成でありますから、現在の十両編成の「とき」に比べますと、これを使った場合には二両多く、大体三往復これを当てることができると存じますけれども、三往復当てることによって片道約七百人ぐらいの、約一本分には足りませんけれども、それに近い輸送力を増すわけでありますけれども、これを三本三十八両新製いたしまして、そしてこのことによってさらに予備車というものを現在よりも増加することができるわけです。これらを踏まえて、夏場においてさらに雪害の防止工事を施行いたしまして、来年の冬には二度と今回のようなまねはいたしたくない、われわれも技術陣といたしまして総力をあげてこの新しい車三十八両をいただいたことによって万全を期す態勢をとりたいと、こういうふうに考えておるところでございます。
  32. 杉山善太郎

    杉山善太郎君 これは勘ぐるわけではありませんけれども、ずばりで申し上げますが、当局の腹の中は、言うならば五十二年の春上越新幹線が開通するまでは何とか脱線事故のような重大な事故を起こさないように、豪雪——雪というようなものに便乗して、必要なら計画運休などで切り抜けようとしておるのではないか、こういうふうに私は勘ぐっておりますよ。今月中旬、いまいみじくもおっしゃったように、やはり本社から、きょう説明員として来ておられるかと思いますけれども、瀧山技師長さんが新潟管理局にこれらの「とき」の問題等々を含めて出かけていらっしゃるということもそれなりに知っておりますが、当面の雪対策がおもな目的ではなかったかというふうに聞いております。そういう点から技師長は——技師長御出席ですね、あなたでしたか、瀧山さんは。
  33. 山岸勘六

    説明員山岸勘六君) いや、出張中であります。
  34. 杉山善太郎

    杉山善太郎君 そうですか。それならやむを得ませんが、少なくとも瀧山技師長がお越しになったことは事実でしょう。だから私は、この間総裁がお見えになったときに、いろいろ論議をかもし出しておるけれども、あなた方はカメの甲よりも年の功で何もかも知っていらっしゃるから、とにかく百聞は一見にしかずだから、一ぺん「とき」に乗って私どもの持っているような感情を訴えながら新潟に来なさいと、そうして県や市や、旅客層に聞いて感情を身につけなさいというかっこうで、若干のやりとりをやりましたけれども、最終的には百聞は一見にしかずだから行きましょうということになっておりまするから、そういう点でこれは御理解いただきます。  そこで問題は、そういう来年の雪に対してはことしのようなへまは踏みませんと、三十八台の新車を入れまするからだいじょうぶですというような——それは出先の管理局長が絶対安全なんというふうなことを言っているけれども、絶対なんということばを君使うなよというふうにぼくは言っておきましたが、少なくとも、いかなる場合についても絶対なんということを使うものじゃないのだということを、この間私は豪雪の中の国鉄のあり方という問題についても、福島、新潟をずっと調査してきておりますが、そういうような点で、私が言いたいのは、新津工場——新津管理所といっておりますね、それから新潟運転所の状況でも、どのように把握してきておられるか。確かに新潟まで行って瀧山技師長がやはり「とき」問題に関連して、三十八台も新車を入れますからということだけではなくて、当然管理所運転所を把握してきておられると、このこの機能ならだいじょうぶだと、これだけでは要員能力と労働力の限界がある、技術力の限界があるというようなことを実は聞きたかったので、まあ出張であるとするならばやむを得ませんけれども、他日に譲りましよう。  それで、私がこの点についてどうしても瀧山技師長になまで聞きたかったのは、工場の修理機能を無視した列車ダイヤの増発が問題だと私どもは思っているという点なんです。この対応性について、先ほどこれこれの増員をやっているからだいじょうぶだというふうに、私は私なりに聞いておりまするけれども、そうかと、それならだいじょうぶだなというふうに信を置いた受けとめ方を、私はやはり政治家として県民感情を吸い上げている立場から、そしてそこでまつ黒になって、過重で非常に疲れておる修理要員の人たちの言を代表すると、もう少し何とかやはりしてもらいたいという願望を持っていることも指摘しておきます。  それから、もう一点聞いておきますが、検査を下請にまかされておるということもありますが、そういう実態は一体どういう形になっておりますか。これは小さな修理だと思いますけれども、そういうことがありますかどうですか、その点ははっきり申し上げておきます。
  35. 山岸勘六

    説明員山岸勘六君) 検査ではございませんで、修繕でありますけれども、これはものによっては何といいますか、下請でなしに専門の車両メーカーにやらせると、こわれたあとの修復をやらせるという場合も出てくるわけでありまして、先般も新潟運転所で配電板の修復をメーカーにやらせたという実績を持っておるわけであります。なお新津車両管理所におきましても部品の一部は下請に修理を出しているものがございます。
  36. 杉山善太郎

    杉山善太郎君 先へ進みますが、その下請に修理をきしておるということについても十分監督指導、そして十分だいじょうぶということで、皆さんのほうで責任をもって下請に修理をきしておるというふうに理解をしてよろしいですね。
  37. 山岸勘六

    説明員山岸勘六君) はい。
  38. 杉山善太郎

    杉山善太郎君 利用者が全体として心配しているのは、振動による不快であるとか、びっくりするとか、本が読めないとか、あるいは用便ができないというような、また歩くことができないというような、またあの汽車に乗ると非常に疲れると、用務やビジネスで疲れて、やれやれ四時間、あるいは三時間何十分か休むと、休養の場だということはこれは譲るとしても、振動がこのままの状態で放置されるならば重大事故につながりはせぬかという心配を、乗ってみた乗客はだれも持っているわけですよ。国鉄技術陣が「とき」の振動原因がわからないことはないと思いますよ、実際は。  問題は、原因がわからないながら、重大事故につながらなければ小手先の対策で済まして、乗りここち向上などと言って乗客の不満を押えようとしている当局の姿勢というものについて問題があると思うのです。そういうことは理由なきことである、そんなものじゃないということを、責任をもって胸を張って言い切ることができますか。大体いつまで、限界を——私もいろいろなものに乗っておりますよ。飛行機もトラックも、選挙のときは山を越え川を越え、そしてあらゆるところへ行っていますけれども、こんなゆれる乗りものに乗ったことはありませんよ。一体いつまでに振動がなくなるんですか。それは次の快適な上越新幹線ができるまではやむを得ませんという、そういうたよりないことですか、どうですか、その辺をはっきり回答してください。
  39. 山岸勘六

    説明員山岸勘六君) 私ども決して上越新幹線ができるまで放置するというような、そんな無責任な考え方は毛頭持っておりません。一刻も早くこの動揺あるいはお客さまの不快感に対する処置というもの、この技術的処置というものにつきまして、全力をあげてまいりたいと取り組んでいるところであります。現在もできるものから指示をいたしておりますけれども先ほど申し上げましたように、車軸、車輪の大幅な取りかえというような処置は、いまだかつて例を見ない処置であります。車両メーカーでいま製作中の車からの車軸を持ってくるというようなこと、しかも笠戸から全国にわたって新しい車軸をさがしてとにかく対応しようというような処置は、いまだかつて国鉄としても例を見ない、ほんとうに何といいますか恥も外聞もない姿でございます。
  40. 杉山善太郎

    杉山善太郎君 常務理事山岸常務理事さんですか、技術者でいらっしゃいますが、それは瀧山技師長の言を代弁するというふうに受けとめていいですか。まあきょうは本人がおられませんから深く追及をしてもしかたがありませんが、一点聞いておきますのは、いわゆる抜本的対策の一つとして、新車を発注されて、それは三十八両でありますが、これはいつごろ機能してこの中に代替をしてくる予定ですか。そしていま走っておる、私どもはポンコツと言っておりますけれども、この一八一系に対してこの三十八両の新車の機能といいますか車系はどういう性格のものですか、そしていつごろでき上がりますか、その点をひとつお示しいただきたいと思います。
  41. 山岸勘六

    説明員山岸勘六君) 現在のところ十二月上旬と、こう専門の分野では申しておりますが、できるだけ早くこれを落成さして、とき号の第一線で働かせたい、こう考えております。  なお今度つくっております一八三系という、一八一よりちょっと数字が多いんですけれども、一八三系という車でございますが、これは大きなところでは一八一系よりも床面が高いのであります。床面が約十センチぐらい高い。したがいまして、下部にある機器もその分だけ上のほうに上がってまいるわけであります。床面が低い車高い車それぞれ特徴があるわけでありますけれども、この一八三系をもって新車をつくりたいと、こういうふうに存じているところであります。
  42. 杉山善太郎

    杉山善太郎君 きょうは政務次官もお見えになっておりますが、政務次官徳永運輸大臣の代理で出席していただいておるという、そういう感覚で私はものを申しておるわけですが、とにかく答弁をいただかなくても、国鉄を大所高所から、あり方という問題について、予算上、賃金上その他の点についても、十分管理せられる行政の権威でありますから、こういうおつもりでひとつお聞きいただきたいと思いますし、副総裁総裁がわりで来ておっていただくという理解で、私はわからないからお尋ねをしておるのだ、県民感情を背景に、それから国鉄に従事しておる、組織をしておる労働者の全体の討議の成果というものを、内部告発という面もありますが、願望の面も含めて、私がこの委員会の場を通して話しておるんだと、訴えておるんだということもひとつ御理解をいただいておきたいと思うんであります。  それではもう一点申し上げておきますが、大体国鉄の副総裁あるいは政務次官からいままで申し上げたことについてサムシングがあるならばお答えいただきたいと思いますが、なければこれからさらに入っていきまするけれども、何も言うことはないと、聞きおくという程度と、そういうふうに理解をしていいか、その点についてひとつ。
  43. 井上邦之

    説明員井上邦之君) 冒頭に申し上げましたとおり、「とき」の問題に関しまして諸先生に多大の御心配をかたじけのうしておることにつきまして、私どもは非常に恐縮に存じておるのでございます。  ただ私どもの努力が十分に実を結びませんのと、それからもう一つは、重ね重ね申し上げて恐縮でございますけれども、やはり異例の豪雪というような現象も伴いまして非常な御迷惑を結果的におかけしておるということでございまして、この点につきましては、この四月からは決してこういうことのないように私どももやってまいるつもりでございますので、どうかひとつこの点を御了承いただきたいと重ねて申し上げておきます。
  44. 増岡博之

    政府委員(増岡博之君) 先生指摘の点承っておりまして、国鉄としましては十分対策をとっておるつもりであろうと思います。しかし御指摘のようなゆれ、不安感、不便というものが現実にあるわけでございますから、それに対処しまして十分な対策をとらせるよう指導してまいりたいと思います。
  45. 杉山善太郎

    杉山善太郎君 鉄道建設公団からどなたかお見えになっておりますね。総裁がお見えになっておりますか。——これは当局も、それから運輸省のほうにも聞いていただきたいと思いますが、二月の二十八日ですね、これはラジオでありますけれども、二十八日のあのラジオには「私たちのことば」という番組がございますね。あの番組の中で、雪に弱い新幹線について一言という、これは二月の二十八日でありましたけれども、その時点における「私たちのことば」というラジオの中で雪に弱い新幹線についてという一言があるわけであります。  そこで、日本鉄道建設公団のほうにお伺いしますが、上越新幹線について東京−新潟間に対する調査報告書というものをお出しになっておりますが、私はそれなりに新幹線問題について関心を持っておるわけでありまして、ただ誤解をしてもらっては困りますけれども、田中総理の言う日本列島改造の全域に新幹線網をクモの巣のごとく張りめぐらすということについては実は非常に問題があると、であるけれども、既設路線については、これは建設陣にしても、それから当局にしても、それを管理監督する政府にしても、十分あらゆる——資金上、予算上もさることながら十分配慮してもらいたい、こういう問題を持っておるわけでありますが、そういう中で特に上越新幹線についてこの雪、これは十年周期というものも三年周期性というのもあるわけでありまして、実際においてそういうものを科学的に統計化して調査する機関ができておるので、そういう結果が出ておるわけでありますが、そういう中でこの雪害対策について、たとえば皆さんのほうでお出しになっておるこの報告書の中の八ページの中に、このアイウエオのイ項の中に「雪害対策」というものがあります。この中に(ア)(イ)(ウ)(エ)(オ)順で七本の柱が立っておりますが、私はそれなりにこれに目を通していろいろと勉強してみたのでありまするが、この点について十分これならだいじょうぶいけるんだ、要らぬ心配はする必要はないんだというふうに理解になっておりますか。そういう点について、ひとつどなたかから御解明いただきたいと、こう思うんです。
  46. 篠原武司

    参考人篠原武司君) 上越新幹線は御承知のとおりに豪雪地帯を通りますので、雪に対する問題というものは、非常に大きな問題でございまして、東海道新幹線開業当初雪に弱い新幹線などと言われたこともございますが、そういうようなことであっては、ほとんど運行がとまるということでは何の役にも立たないんじゃないかということで、一番最初から雪の問題には非常に真剣に取り組んで考えてまいったわけであります。それにはレールから下の問題、それから車両の問題、架線の問題、いろんな問題がございまして、こういう問題を全部解決しないと、常時雪が降ってもちゃんと輸送ができるというような態勢になりませんので、国鉄とも相談しながらいろいろ研究を進めてまいったわけであります。  それで一番大きな問題になるのは何といいましても、上越新幹線の中で水上の少し南、高崎との間に上毛高原駅というのをつくる予定にしておりますが、それから新潟駅までの間なんでございます。これは上越国境を越えますので、非常に雪が多いんでございます。それでしかもこれを早く通すためにはどうしてもトンネルを相当につくらなけりゃならない。トンネルになりますと、雪の問題はその区間はございません。トンネルからトンネルの間は非常に短い区間のところは雪おおいをやるなどいたしまして、雪に一向差しつかえないようにやることができるということで、しかもトンネルの区間というのは非常に多うございまして、百五キロもトンネルがあるわけです。実際工事といたしましては九二%ぐらい工事にかかっておりますが、その区間を除いて長岡から新潟の間、それから浦佐の付近というようなところが一番問題になるのじゃないかと思います。  こういう区間につきましては高架橋がずっとつながりますので、これをどういうふうにやっていくか、できたらカバーしちゃうということも一応考えてみたわけであります。しかしカバーするよりももっと安上がりで経済的にできるならばそういうことも取り上げていこうということでいろいろ検討をいたしました結果、高架橋に水を流す、水を流すことによって雪を溶かしちゃうという方法でいろいろ検討いたしまして、いま浦佐の付近で高架橋をつくりまして実験をやっております。それが大体いままでのところ、いまの豪雪でも成功しておりますので、このやり方で十分やれるんじゃないかというようないま確信を持ちつつあるところでございます。そこに流した水をまた回収しまして、十五度ないし二十度ぐらいの噴水にしてまた吹きつけるというようなことをやることによって回収するわけでございますが、まあそういうようなことで大体自信を得ているわけでございます。  しかし、これは下の構造物だけが幾らよくても架線の問題、車両の問題、いろんな問題がございますから、こういう問題を十分やってもらうのは、これはまあ車両の問題など国鉄でやっていただかなければしょうがないので、国鉄で研究していただいて、両方で協力していまやっておりますが、最終的にはやっぱり試験線区をなるべく早くつくりまして、そこで実験をやって、これは十分だいじょうぶだという確信を得てから開業するというふうに私どもではやりたいというふうに考えているわけでございます。そういうようなことを、この各項目いろいろ書いてございますが、また御質問によりまして、担当の理事も連れてまいっておりますので、これに答えさせたいと思います。
  47. 杉山善太郎

    杉山善太郎君 総裁からは決意を込めて、技術陣の粋を導入して、その雪害対策について、上越新幹線は特定な一つの路線であるから、十分、大所高所からということではなくて、科学の粋を導入して、そしてそれに実験をプラスアルファという形で位置づけて、念には念を押して万全を期するんだということは、それなりに理解をして先へ進みますが、ただこれは建設公団総裁にも、それから運輸大臣にも国鉄総裁にも、これは私の強い主張として申し上げておきますが、四十三年の三月、新潟県が上越新幹線調査研究委員会というものをつくっております、自治体の責任において。これが「上越新幹線が地域開発に果たす役割と問題点」という報告書をつくっておりますが、その一部の中で、この新幹線の雪に対応するという問題について、それを浮き彫りにして書いておる一節があるわけであります。また、これをしたプロジェクトの参加の人名もあげますけれども、社会的責任と学者の良心というものを逸脱しているんじゃないかというふうに憤激を感じておるわけであります。  ということは、こういうことがあるんですよ。「雪に強い新幹線を要望する声があるが、投資効率のことも考え、年間わずか十数日のために、巨額な投資を期待すべきでない。豪雪時には、雪ダイヤで運行すればよいのであって、割切って考えるべきである。」と、こういうことを、言いますが伊藤善市、それから角本良平、佐貫利雄、佐藤元重と、これは名のある権威者であると思いますが、この中には国鉄OBもおります。大体こういうもののとらえ方が、少なくともすべての企業に対して、ことにこれからエアバスも問題になるでしょうが、いろいろな海陸空を通して、むろん人間と資金というものが必要でありますけれども、何ですかこれは、「巨額な投資を期待すべきでない。」とか「豪雪時には、雪ダイヤで運行すればよいのであって、割切って考えるべきである。」と、こういうことを言っているわけです。  私は勘ぐれば、いまのビジネス特急とき」が、発想の次元ではビジネス特急であり優等列車であったんだけれども、半年で機能を喪失しておるんだと、それがおおむねとにかく雪でしようがないから間引き運転をしてというようなふうにも勘ぐれば、共通点があるので、しかし、これから来る新幹線についてこういうことがあってはならないと、県民感情からいっても逸脱している。これはむろん新潟県がどういう考え方でプロジェクトチームをつくったかわかりませんが、その答申の中の一節にこういうことが書いてありますので、非常に私は社会的常識からいっても社会的責任からいっても、県民はみんな読んでおりますから、これが氷山の一角であってはたいへんだと、これはもう例外だと、ペケだというふうに思うので、あえてこれは皆さんから御答弁をいただかなくても、こういう感覚では、自治体においても国においても、いわんや国鉄にしても、これをおつくりになる建設公団にしても、金がかかることはあたりまえですよ、投資効率に限界があることもあたりまえですよ。  こういうことが、いま申し上げたこの上越新幹線調査研究委員会という権威あるものを自治体なりに位置づけることはようござんしょう。それが「上越新幹線が地域開発に果たす役割と問題点」という中でこういうことをうたっておるわけなんですよ。これは大きな本に書いてあるわけですから、一応これは御答弁をいただかなくてもいいのでありまするけれども、私は非常にこれはかんにさわり、感情にさわってけしからぬと、少なくともこれが権威者であり学者であり大学の教授陣にもこういうことを言うのがおるということになりゃ少したるんでおるんだということで憤激にたえない。だいぶこの本を読んで血圧を上げたわけです。  次に申し上げておきますが、振動問題に関連して最近の「とき」の故障、運休について、その状態と対策について尋ねていきたいと思いますが、最近の「とき」の運休で利用者はたいへんに迷惑を受けていることは事実ですよ。そのことは出先から十分いろいろとありましょうから申し上げておきますけれども、これは常識論でありまするけれども国鉄は安全に正確にダイヤに基づいて乗客を輸送する責任があるでしょう。最近の新鉄局の姿勢にも実は問題が多いんですよ。運休の状況について、今日ただいまから、たとえば三月じゅうは一体どういうふうになっているかと、私この間、新潟県庁で、国会の場から雪害対策特別委員として与野党一緒に新潟県知事も含めて出先の管理局長その他関係者も含めていっておるわけですけれども国鉄の管理局長の使うことばとしては、それはその立場で聞こえないわけではないけれども、絶対安全ですと、絶対ということばを使って胸を張っておりますので、私は、これは人の前でありまするから、えらいことを言うなと、そういうふうに考えておりましたが、しかし論より証拠、そういうふうに不便をみんな感じて、感情上、言っていることとやっていることが違うじゃないかということが県民感情であり市民感情であり沿線の利用者感情でありますので、一体三月じゅうのこの「とき」の間引きというものについては、計画としておきめになっておりますか、その辺はどうなっておりますか。
  48. 山岸勘六

    説明員山岸勘六君) 先ほどもおわびとともに申し上げたところでありますけれども、現在二往復を運休いたしておるわけでありますが、八日になりますと、先ほど申し上げました車軸あるいはメーンモーター等が続々と現地に到着する予定になっておりまして、これをできるだけ早く現車に取りつけの作業をするために、八日に上りさらに一本、九日にさらに下り一本を追加しまして、九日から三往復、三月一ぱいやめさしていただきたい、こういうふうに考ているわけであります。  この間できるだけ全力をあげてこの修復に当たってまいりたいと存じているわけでありますが、なお学校の休みその他春の多客にも時期として入ってまいります。私どもといたしまして、もともと二十日過ぎにおきまして臨時列車臨時急行をもちましてこれに対応する。これは日別によって本数が違っておりますが、最高のところで見ますと二十一日の春分の日は昼行で五往復臨時急行を追加、さらに夜行を一往復追加して対応したい。なお、これ以上はできないかというようなことで、目下金沢方面の電車の予備その他を調査いたしておりまして、でき得れば中旬におきましても臨時電車運転を開始したいと、このように存じていまいろいろとこの辺の手配をいたしているところであります。
  49. 杉山善太郎

    杉山善太郎君 ずばりで聞きますが、その臨時列車というのは「とき」のほかに「佐渡」ですね、増発をされることになるんですか。その点はどういうことになるんですか。
  50. 山岸勘六

    説明員山岸勘六君) 形としては「佐渡」の形になるわけでありますが、臨時佐渡」と申していいかどうか、この点私ちょっと確認してまいりませんでしたけれども臨時急行でありますから「佐渡」の形であると、こういうふうに御認識いただいてけっこうだと思います。
  51. 杉山善太郎

    杉山善太郎君 私も利用さしていただいておる一人でありますが、ほんとうに最近では、満足に定時に発着しないばかりか、洗面所の水も出ないようなときが間々あるんですよ。で、汚物処理の装置はほとんど故障が起きているわけです。みんな故障という札が張ってあるわけですね、グリーンであろうとなかろうと。しかも便所の故障が、故障続きであるから印刷でベタベタと張ってあるというようなことでありまして、全くお粗末の限りを尽くしておる、こういう状態であります。食堂車は、ぼくはいつも握りめしを持って歩いておりますから食堂車に行かなくてもいいんですけれども、食堂車は休業ということが多いですよ、実際問題。で、私の尋ねたところでは、食堂車は十六両あるそうですね、その中で機能できるのは七両だけで、あとは故障車で、何か三両だけは電気の中継所をはずすわけにはいかないからというかっこうで、なるほど駅に行ってみると、この列車は食堂はありませんというように書いてあるということも、これは国民の足であると同時に、サービス企業という側面をとらえてみると、はなはだ国鉄の名誉にも関する問題だというふうに考えます。  で、いろいろな事故が起きるようでありますけれども、特に電気系統の事故が多いようなことがあると思いますが、あの北陸トンネルで火災を起こしたあの故障にしても、電気系統の事故で火花を散らして、相当な人命と大きな被害を出したということになると思いまするから、いまでさえ、一番大きい事故は一体電気系統の事故であるか、何ですか。その辺を一ぺんお聞かせいただきたい。
  52. 山岸勘六

    説明員山岸勘六君) 電気系統の事故は、脱線その他大きな事故につながることはまず考えられないんでありますけれども、火災が一番こわいわけであります。しかし火災の場合にいたしましても、旅客列車の場合はお客さん、あるいは車掌等の目につくところが多いわけでありまして、大きな事故につながるということ——もちろんこれはもう万全を期していかなければいかぬところでありますけれども先ほどの一部配電盤のぼやというようなこともあったわけでありますけれども、これらに対しては、その車を私も見てまいりましたけれども、若干配電盤にすき間などもありまして、これでは雪が漏るじゃないかというようなことも見受けられたわけであります。これらの点から電気系統にはできるだけ万全を期していきたい。  一番私はこわいのは、やはりレールと車輪との関係ではないかと思います。車輪につきまして、先ほど申しましたようにタイヤの踏面状況というようなもの、これはタイヤの厚さに関係なく非常に動揺が大きくなり、また非常に摩耗の進度が速いわけでありまして、むしろその点に私どもは一番最重点を置いた処置を施してまいらなければならない、このような考え方をとっているわけであります。
  53. 杉山善太郎

    杉山善太郎君 まあこれは皆さんに聞いていただきたいと思いますが、ここに新聞の投書があります。たとえば、最近「朝日」にしても、それからローカル新聞では「新潟日報」にいたしましても、いろいろと「窓」であるとか「声」であるとかありますけれども、これはやっぱり県民感情を代表しているものだと思いますから、ちょっと試みに聞いておいていただきたいと思います。「特急とき」の故障が続き、国鉄本社の技師長まで呼んで対策を協議するそうですが、上越線は急行佐渡」が最も便利で乗り心地もよい列車です。「とき」の増発で「佐渡」の本数が減り、四時間三十分だった急行のスピードを、五時間十分程度に下げたダイヤの改悪は、どう考えても賛成しかねます。だれもが、いつでも、どこからでも利用できるようにするのが国有鉄道の使命であるはずです。計算のうえに出てくる収支にとらわれるあまり、本末を転倒しないようお願いしたい。「佐渡」をどんどん増発させ、スピードも元へ戻し「とき」を減らすことが最善のみちです。「ときの保護は佐渡で」といったら、しゃれでしょうか。」と、こういったような投書が出ているわけでありますが、みんな署名を明らかにいたしまして、ある人は弁護士、ある人は市民であり、公務員であり、ある人はというかっこうで、そういう感情が「窓」の中に出ておるということについて、これは皆さんにお知りおきいただきたいと、こう思います。  この点は、ひとつこの項を終わるについて確認しておきたいと思うのでありますが、折り返し運転で最低の車内サービスもできないダイヤ編成は改めていただきたいと思うんです。で、点検修理が十分できるダイヤを組むように最大限配慮してもらいたいと思う。とき号を減らして、安全な急行を増発したらどうかというのが県民感情でもあるわけであります。とき号をスピードダウンしたらどうかと、というのは、速いほどいいけれども、このようにゆれれば危険だと。とき号は優等列車どころか危険列車だとまで評価しておる向きもあるわけであります。で、下請の修理体制は十分な、念には念を入れて、できるならば国鉄自身が監督し管理でき、そして多少の予算的措置を必要としても検査体制の充実を期する方向の中で、下請の修理体制を配慮してもらいたい。なぜそういうことを言うかというと、上越新幹線は五十二年の四月までに完成するという予定でも総需要抑制の立場からそれまでにいかない。その間のビジネス特急が「とき」であるとするならば、これを利用すると、そういう立場の人たち、まただれでも利用しておるわけなんですから、だからそういう点で、十分この辺を配慮してもらいたいと思うのでありますが、これは総裁にかわって副総裁から、何とかそれなりの見解なり配慮なりというものを、このことは記録に出るのでありまするから、ひとつ副総裁から総裁によく話していただきたいということと、こういう状態だから、この前のこの委員会新潟に行ってみましょういうかっこうの確認を得ましたけれども、なるたけ急いで一ぺん来るように杉山が注文をつけておったと。幾ら総裁でも、行くということを確認されたわけでありまするから、あなたからひとつおことづけをいただきたいということも、あわせかねて、一言あなたの所信なり見解をいただいておきたいと、こう思うのです。
  54. 井上邦之

    説明員井上邦之君) 先ほど来、先生の非常に御熱心な御忠告を承りまして、私ども肝に銘じております。十分、本日の御教訓を体しまして今後の上野新潟間の輸送改善に資してまいりたいと考えております。  ただ御指摘の「とき」を減らして「佐渡」をふやせと、こういう御指摘がございましたけれども、先刻申し上げましたとおり、旅客列車を選ぶ傾向というものを見ますと、やはり「とき」のほうが一〇〇%をこえておって、「佐渡」のほうは八〇%台である。そういう傾向から見ましても、「佐渡」をふやして「とき」を減らすということは、全般的な旅客傾向に対してはやはり逆行するのではなかろうかというような考えも持っております。問題は、「とき」の現在の旅客に与えておる不安を解消するということでございまして、その点に今後最大の努力をいたしまして、お客さまに御不安のない「とき」を運転してまいるということをお約束申し上げまして、私のお答えといたしたいと思います。
  55. 杉山善太郎

    杉山善太郎君 それからこの点もひとつ……。これは「東北・上越新幹線開業にともなう新しい輸送体系の整備について」というのが国鉄から出ております。四十六年の十月に出ておるパンフでありますが、これをずっと私勉強さしてもらいましたが、「はじめに」という項に始まって、「旅客輸送」の面と、それから「新幹線」と「在来線」と、それから「快速列車網の整備」という項と、「新幹線停車駅から分岐する在来線」、それから「貨物輸送」と「近代的貨物ターミナルの整備」、それから「輸送体系整備の効果」と、およそ予測されるすべての項目がありまするけれども、私どもが今日的な社会情勢の中で、この中の新幹線にしても、いまの「とき」にしても、その他の地方ローカル線にいたしましても、振動だとか騒音というものが、あるいはこれから吹き出すところの公害というものが問題になっております。それから事故が起こったときの応急対策、言うならば振動だとか騒音などの公害、それから事故が起きたときにはどう対処するかといったような配慮という問題については、それは次元が違うから別な点で考慮しておられるのか、この「東北・上越新幹線開業にともなう新しい輸送体系の整備について」、それは輸送体系についてのみいって、そのことは別の次元でするから触れてないというのか、それとも、これは昭和四十六年の十月ですから、かなり古いものでありますが、その点はどういうふうに理解をしてよろしいか。  本来からいくならば、やっぱり振動だとか騒音だとか、それから偶発の事故が起こった場合については、どういう即応体制の整備をするとかいうような配慮が一項あってしかるべきであるというような点について、見解をひとつお答えいただきたいと思うんです。
  56. 山岸勘六

    説明員山岸勘六君) 新幹線建設に際して、やはり計画としてでき上がったときの輸送体系、在来線含めての輸送体系がどうなるのかという一つの目安の第一段階の計画がお手元にある資料かと存じます。  私どもこれらの新幹線を含めた保安対策という問題につきまして、新幹線の保安対策といたしまして、いわゆる東海道新幹線はすでに十年になるわけで、もちろんこれを始めるときからこの安全対策についていろいろ議論をし、十分な保安上の規定、あるいはまた保守上の問題、あるいはまた万一新幹線がとまった場合、在来線でどの程度対処できるかというようなことを含めまして、いろいろマニュアルを作成してスタートしたわけでありまして、さらにその十年間の経験を生かしてこれを修正しつつ現在進んでいるわけであります。  で、大かたは私は上越新幹線、東北新幹線につきましても、基本的にはこの東海道新幹線の保安対策をもって大体はいいんじゃないかと思いますが、雪に対する問題だけが、これからの大きな問題としてこの研究に取り組む、先ほど鉄建公団の総裁からもお話がありましたように、私どももともども技術陣を動員いたしまして、この雪に対する保安対策というものをつくり上げてまいりたいと、こういうふうに存じております。
  57. 杉山善太郎

    杉山善太郎君 上越新幹線の進捗状況については、また場を変えてお尋ねをするということにいたしまして、きょうこの時点で聞いておきたいのは、大清水トンネル、これは田中総理が自信をもってつけた名前だそうですが、この大清水トンネルにおいて下請の労働者が災害を受けておると思いますが、それらの災害の状況だとか、補償という問題について、これはあれだけの大工事でありますから、外にあらわれなくても、底辺で働いておられる下請労働者の方々には相当なけが人や、あるいは生命を失われているのでなければけっこうでありまするけれども、そういう点について、災害の状況だとか、それからそういう場合の補償はどのように考えておるか、またどのように処置しておるかということについて伺います。  それからもう一点、湯沢の温泉地域ですけれども、湯沢の温水源が枯渇してきて、井戸の水が干し上がってきておるというような声があって、町のほうでもこれを社会問題化しては、かえって自分らのほうの観光という問題に関係があるということで配慮しておるけれども、現象の面では、そういう大清水トンネルの進捗状況に応じて、こういうサイドで被害が出ておるのだということも事実でございますので、そのことも含めて、現状わかっておられる範囲でひとつお答えいただきたい、こう思うんです。
  58. 篠原武司

    参考人篠原武司君) ただいまお話のありましたトンネル事故でございますが、トンネル事故に限りませず、公団で工事がだんだんふえてまいりまして、その事故によって不幸な犠牲者が出るということは非常に残念なことなんで、私も事あるごとに事故を防止するように、人命の尊重を部下の職員にみな説いております。実はこういう事故がなくなりませんものですから、私のところに四半期ごとに死傷事故の報告を出さしております。それを皆無にするようにみんなで一生懸命になって努力しておりますのですが、いまお話のありましたように、大清水トンネルでは四件、それから上越線関係のほかのトンネルで四件、合計八件の死亡事故が起きております。  いずれも坑内におきまして作業員が、いわゆるミスということではございますけれども、そういうようなことで死亡したということでございます。それでトンネルの中の作業環境の改善だとか、作業員の訓練とか、あらゆる手を打っておりまして、定期的には安全総点検をやりまして、こういう事故を未然に防ごうというふうに努力しておるわけでございますが、今後もこういう問題をさらに一そう強く推し進めていきたいと思っております。  それから補償関係その他につきましては、各請負でいろいろやっておりますが、あまりかってにやっておられても非常に困るので、だんだんそういう問題についても私のほうで取り上げまして、強力にやろうということにしております。実際問題として事故が起きたトンネルを請け負っている会社から社長に来ていただいて、いろいろ注意しているような事例もございます。そういうようなことで、だんだんにそういう問題も改善してまいりたいというふうに考えております。  なお湯沢温泉のお湯が少なくなったという問題も一部にございまして、またこういう問題について町当局も公団と調査を進めておりまして、とりあえず町当局と協議の上に、ボイラーによってお湯をわかす設備をつくってお湯不足を防ごうというような措置もしております。また飲料水の問題についても、そういう問題が多少ありますけれども、これも町当局と折衝しまして、まずい点のないようにいろいろ措置を一応しております。これからもこういう問題は出るかと思いますが、まあ大体こういう問題は万全を期してやっておりましてもなかなか地下水の問題、その他いろいろわからない点がございまして、どこに原因があるかもまだ十分に判明しておりませんが、地元ともよく打ち合わせをいたしまして万全を期すようにいたしたいと思います。なお、細部につきましては池原理事からお話さしたいと思います。
  59. 池原武一郎

    参考人池原武一郎君) 池原でございます。  湯沢温泉の工事をやっておりますごくトンネルに近い一部でそういう話がございまして、トンネルの掘さくとそれからお湯が減ってきたということとの関連がなかなかはっきりしませんもので、その点について町当局でも専門家に調査していただいておりますし、私どもも専門家の意見も聞いております。それで先ほど総裁から話がありましたように、とりあえずわかし湯の設備を公団でいたしまして、お湯不足が起きないようにはかっているということでございます。  それから水道の問題につきましては、塩沢町や六日町にトンネルの位置より高い位置を水源としております簡易水道等がたくさんございまして、その一部で水が不足したということが起きておりますので、これも町の水道当局と相談いたしまして、できるだけ事前にトンネルより上にある水源を対象としている水道について別の位置に水源を確保するなり、あるいは新しい水道布設をするなりして、できるだけ支障が起きないようなことをやっております。
  60. 杉山善太郎

    杉山善太郎君 この問題について深く追及はいたしませんが、これは建設公団はむろんのことでありますけれども、運輸省におかれましても、それから国鉄当局におかれましても、大清水トンネルにおける下請労働者の災害の状況という問題や、そして底辺の人柱になるような、不治のけがをされたとか、かたわになったとか、生命を失われたという人については、労働基準法は最低の法の底辺を基準としてうたっているわけでありまするから、大所高所から、とにかく東洋では最大のトンネルがやがてできるでありましょうけれども、その底辺には人柱がとにかくあって、しかもその家族はみじめな状態にあるのだ。過去の鉄道のトンネル建設時代のようなことが、かりそめにも新幹線の中で、大清水トンネルと時の総理が銘打ってやったようなことについて、そういう汚名が向けられないように十分念には念を入れて、現に被害を受けられた人があるとすれば、その人たちには手厚い最大限の配慮をしてもらいたいということを希望申し上げると同時に、具体的に調査いたしまして、ありましたなら、その点はまた別な時点でこの委員会を通じて指摘をしたいと、こういうふうに思っております。あと一、二点次元を変えて質問をいたしまするけれども、これは答弁いただかなくても、そういうふうにひとつ配慮をいただきたいということを強く御要望申し上げておきます。  次に、これは皆さんに、ことに国鉄当局に申し上げたいのでありますが、昨今、全く客観的にも主体的にも故障——主として「とき」問題を言うのでありますけれども故障と運休が続出していることは、これはもう憂うべき現象なんですよ。そこで、これは内部告発と評価しておりまするけれども国鉄労働者の中の高崎と新潟地本が、故障や車体の激しい動揺は無理な高速運転によるものだと、そういう一つの判断のもとに立って、運転不安や乗客の安全を守るために六日ごろから最高速度を現在の百二十キロから九十五キロまでに減速をすべきである、速度を落とすべきであるというような形でいろいろと当局に対して申し入れをしておるという事実は、主体的にあるでしょう。  私の考えでありますけれどもとき号の動揺の激しさは数年前からすでに指摘されておったことは、当局は御存じのとおりであると思うのですよ。乗客の不評を買っておるということも事実であります。新鉄局が振動調査に乗り出していることも、これは事実でありまするけれども、筋の通った、秩序のある、体系的な結果というものはまだ公表されていないのが今日の事実であります。したがいまして、これらの一連の故障について先ほども申し上げたとおり、その車両の老朽化ということも一つ原因でありましょう。またこの秋までに、三十八両の新車を入れるということも、これはこの場で明らかにされた問題でありますが、当面の応急処置は具体的には、県民感情乗客が納得するような処置がとられていないのだと、そういうような形で内部告発をしておられる組織的な労働者の方々の、その一つ当局への申し入れについては、とき号の動揺と速度は、ほぼ比例すると、つまり速度を高くすれば動揺がすごくなるというふうなことを主張しておるのであります。  したがって現在の百二十キロを九十五キロにスピードダウンすれば、動揺も緩和されるし、車両故障も多少減らすことができるだろうと、こういう意味からこの減速闘争というものが行なわれて、上野新潟間は現在の三時間五十分という「とき」の所要時間というものを二十分ぐらいダウンする闘争というものをとにかくやっておられると思うのです。これはきょうから始まっておるのじゃないかというふうに、夕べですかのラジオ、テレビで放送しておりましたが、現在の運転速度がどんなに危険なものかということを、長い時間かけて、やはりいろいろと国鉄労使間には労使間なりのやはりルールというものがありましょうけれども、そういうことを繰り返し繰り返しやってきておると思うのでありますが、一体この問題についてどういうふうに配慮しておられるかということをこの時点で伺っておきたいと思うのです。  そこで私は、この際少なくとも陸海空を通して、輸送事業に携わるものは、労使いずれの立場についても社会的責任というものをお互いが重視をするために、何だうちの企業の内部から告発するということはけしからぬじゃないかという感情は、時代錯誤のあった過去のことであって、今日労使ともに企業に対して、あるいは国民に対して社会的、政治的責任を負うべき立場にあるので、労働組合が内部からゆえなきことを偽造して針小棒大するということは、これはすべきでないし、常識の中でコントロールされるべき問題だと思いますけれども、今日的に申し上げますれば、労働組合は企業内部において告発することはあたりまえだと私は評価しておるわけです。  率直に申し上げまして、私が常任顧問をいたしておりまする日本列島全域を取り巻く港で働く労働者というもの——全港湾と通称言っておりまするけれども、この組合は最近機関の議によって隠匿物資の摘発、言うならば臨海保税倉庫あるいは倉ばしけ、貯木場のいかだというものについて、これが今日陰に陽に物価問題等々に関連があるとするものであって、隠匿物資であるというならば、それは社会正義に基づいてどんどん摘発すると、それは一つの例。  それから合化労連という組合があるでしょう。これでも事安全であるとか公害であるとか、そういうような問題が、ヘドロにしても有機水銀にしても、それから塩化ビニールにしても、これがやがて工場災害につながるという事態というものについては、十分内部告発をするということを機関できめているわけであります。したがいまして、いまこの上越線を、とき号という形でいろいろと申し上げましたけれども、このゆれというものが来客の不快指数ということでなくて、危険に通ずるというおそれがないという保証はどこにもないんだ。ない前にこれを、というかっこうで、いま減速闘争というものが起きておって、これは一つの内部告発でありまするけれども、それを動労がはね上がって戦い主義労働組合だというような受けとめ方をしておるならば非近代的である。  私は、つまり真実を訴えて、そして当局と話し合ってこれを十分復元をさせて平常な状態に戻すということについては、労使が十分誠実をもって話されることがやはり必要なことであるというふうに評価をいたしておるわけでありますが、その点についてどういう受けとめ方をしておられますか。ほんとうは総裁がおられると一番いいんでありますけれども、どうぞひとつ。
  61. 井上邦之

    説明員井上邦之君) 内部告発ということばが当たるかどうか、私存じませんけれども、動労が確かにこの「とき」の問題に関しまして減速をしろとかいろんなことを申しておることは事実でございます。それに対しまして、私ども頭から組合が内部的にこういうことを言うのはけしからぬというような感情的な気持ちで問題を処理いたしてはいないのでございまして、絶えず話し合いの場で問題を片づけております。  いろいろ御指摘になるのは、これは組合であろうと、あるいは外部からでありましょうと、いろいろな御指摘は現にございます。その御指摘に対しましては、私ども率直にこれを受けとめて、できるだけ御指摘の線に沿うようにいろんな面の改善をいたしてまいりたいと、いままでもやってまいりましたし、今後もそういう態度に変わりはございません。ただ組合が申しておりますことに誤解がある場合は、やはり私どもといたしましては、それは誤解であるということを主張して組合側の了解も得なくちゃなりません。いま問題になっております「とき」の問題にいたしましても、組合側が直ちに速度が高いから危険であるというふうに、速度と危険ということを直接的に結びつけていろいろ主張をいたしておりますけれども、この点につきましては、先刻来担当の常務からもいろいろ御説明申し上げましたとおり、速度と動揺とはあるいは関係があるかもしれません。その点につきましては、また担当の常務からいろいろ御説明させますが、いまの速度が直ちに危険であるというふうには、いろんな実験、試験からいたしましても、危険であるということにはなっていないのでございまして、現在、まあ故障が確かに多く出ておりますが、これは速度が高いための故障ではないのでございまして、これは先刻来御説明いたしておるとおりでございます。  そういうことで、こういう組合側の主張に対しまして、その点は少し考え方が違うんではないかということでいろいろ説明もし、了解につとめたわけでございますが、不幸にして組合側の了解が得られず、確かに今朝来そういう減速闘争というようなことをいたしておるようでございますが、これは私どもも今後場を重ねまして説得につとめ、組合側を了承させるつもりでございます。
  62. 杉山善太郎

    杉山善太郎君 もう一、二点で終わりますが、修理を担当しておる管理所ですね、それから運転所ですか、そういったところで働いておる労働者、それから乗務員も、ゆれと速度は比例すると、ゆれるということはただそれだけの局部的な現象をとらえているのではなくて、これが不測な大事故につながった場合に一体どうするんだと、乗務員としても、「とき」にしても、それから新幹線にしても、いろいろ要員問題も関連して、われわれは命がけの運転をやっているんだぞと、神経をすり減らしてやっているんだぞと、当局も神経をすり減らして経営に責任を持ち社会的責任を持っておられるのでしょうけれども、その職階、職能は違っても情熱の限りを尽くして国民にやはり業務を通じて奉仕をしておると、そういう原点には変わりはないというふうに考えておるわけでありまするので、したがって乗務員は、あるいはその意見を吸い上げておる組織の立場からは、まあその焦点に当たっている新潟の始発駅においても、中間の高崎においても、やはりこれがゆれて、そして車体の故障と合体すれば、不測な脱線事故が起きかねないから、そこで、そういう危惧があるから、しかし案ずるに、速度とそれからゆれとが比例をすると、こういうことを言っている。  まあ内部告発である云々ということの評価の問題については、今日マスコミのあり方であるとか、それをどう評価するかは問題でありましょうけれども、御承知のごとく、三月三日の新潟日報は、五段抜きで、これは初号活字で書いております。朝日、毎日、読売、すべての新聞もみんな、特急とき」を告発するとか、あるいは特急とき」と安全対策というような形で、本紙で扱っておるというわけで、これがマスコミが活字で取り上げるという評価原点は、やがて上越新幹線が来るが、それまでのつなぎとして、それにかわる快速列車というものが快適にその目的と用にかなった方向で走っておるのがたてまえであるが、それが半年足らずして機能を喪失するということは、やはり紙面にして注意を促し、当局にもその自責の念を導き出したいのだと、そういう、私が言うような意図的でなくても、社会的に、大きなみんな見出しで、大きな活字と字数を使って、そういうようなものを評価をしている。  私は、この問題はなかなか軽々な問題ではないから、十分ひとつ意を用いてもらいたいということを強く要望しておきます。この点についてひとつ確認を申し上げておきますが、動労は、高崎地本も新潟地本も合議の上で、これは本部も同じ形だと思いまするが、要望の申し入れ事項として六つばかり柱を立てて申し入れておりますね。  一、故障の多い一八一系電車の速度を、最高速度九五キロにすること。  二、車両保守体系を、耐寒、耐雪の実情に見合つたものに改善するよう特別措置を講ずること。  三、臨時に作業見直し要員を措置すること。  四、添乗検査の強化と車両全般のチェック体制を図ること。  五、交替車両の増加に対処するため適正要員を措置すること。  六、利用者に対する対策について    代替列車の確保、佐渡の増発、ローカル列車サービス確保、特急料金の割引。  というような要求というものを要望という形で文書で申し入れているかと思いまするが、私はこれはやがて労使一つの話し合いの路線に乗っていくものというふうに信じておりまするけれども、この内容について政治が干渉すべきものではないと、またわれわれがくちばしをいれるべき性質のものでないということは、常識で私も受けとめておりまするが、要するに、言わんとしておるこの問題について、私は言い忘れておることがありまするけれども、要するにローカル列車というものが、この「とき」や何かが間引き運転されたり、不測の故障運転中止するということについては、たとえば越後線にしても、それからいろいろな、これを起点として動いている枝葉のローカル線にしても、非常にローカル事情でその地域住民が困っておるということもあわせ含めて、そういう感情もこの要望書の中には配慮されておるというふうに考えておるものでありますが、この問題について皆さんが答えられることは限界があろうと思いますが、ありのままの今日ただいまの現状というものと、見通しはいいんでありまするが、現状のままをひとつお答えをいただきたい、こういうように思います。
  63. 井上邦之

    説明員井上邦之君) ただいまの六項目の組合側の問題提起に対しましては、いままでも事故防止委員会というような場におきまして私ども話し合っております。ただ直ちに、問題がすべて右から左に解決する問題ではございませんので、今後やはりいろいろ一これは団体交渉ではございませんが、実質的な交渉を重ねて組合側にも納得させ、結局は旅客の皆さまの御不安を解消するということが一番の目的でございますので、その点に向かって私ども全力をあげて邁進してまいりたい、かように考えております。
  64. 杉山善太郎

    杉山善太郎君 もうこれで終わりますが、これはひとつ強い主張であり、願望という形で回答を即得られないと思いますから、他日に質問を譲っておきますけれども、抜本対策として何か聞けば二十億——二十億程度の金は国鉄当局の全体の資金の点からいってもたいした問題ではないと思いますけれども、この三十八両の新車は二十億程度かかるというふうに聞いておりますが、それはそれとして、これは早く、どこで製造しておるか知りませんけれども、これが十分機能するように当局に強く要望しておきます。  そして応急処置として減速運転というものや、これに関連してダイヤの編成という問題について、実は短くして長いようです、何といっても新幹線が登場するのは総需要抑制等で急いでも五十二年春までということになれば、それまでに十分この減速運転やダイヤ編成というものも、大所高所から、あらゆる技術の粋やその他を考慮して、最善のひとつ処置と努力をしてもらいたい。そういうことと、「佐渡」の運行のあり方について、「とき」とのコントロールについても十分ひとつ考慮してもらいたい。  それから修理要員の確保、もちろんこれは、たとえば豪雪があるんだと——修理要員ではありませんけれども、除雪人夫ということばはどうかと思いますが、除雪要員ですね、東北地方もそうでありましょうけれども、ことに新潟のような豪雪地帯は常時この除雪要員というものを登録しておられるわけでありますけれども、登録名簿にあっても必要要員が応急の場合に間に合わないということは、率直に言って雪おろしであるとか、民間と比べて非常に賃金が低いから、結局いいところへ流れる。登録はしてあるけれども結局生活のためにいいところへ流れるのはやむを得ませんのですが、しかし国鉄使命感からいって、とにかく限界をこした降雪量があったのであるから、人夫が集まらなかったというようなことを再び繰り返してはならないということを、やはり修理要員と含めて、除雪要員についても大所高所から、やはり資金上、予算上のことがあっても——そのかわり降らないこともあるのですから、そういうような点も十分ひとつ配慮してもらいたい。予備者の投入計画という問題についても、事に火がついてからでは手おくれでありますから、すべてが後手後手にならないように、いまの抜本対策と応急処置という問題について、できることとできないこともありまするけれども、あらゆる可能性を追求して最大限に配慮してもらいたいということを、強く要望申し上げまして、私のきょうの質問を終わりますが、どうかひとつよろしく配慮していただきたいということを強く要望申し上げます。
  65. 宮崎正雄

    委員長宮崎正雄君) 午前中の質疑はこの程度といたします。  午後一時三十分まで休憩いたします。    午後零時二十五分休憩      —————・—————    午後一時五十一分開会
  66. 宮崎正雄

    委員長宮崎正雄君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。  午前に引き続き、運輸事情等に関する調査の質疑を行ないます。
  67. 森中守義

    ○森中守義君 通産省来ていますか。——二月までのLPGの想定需要量が十一万五千トンということで確認されておるようですが、三月は幾らですか、三月の確保量は。
  68. 渡辺全光

    説明員渡辺全光君) LPGの需給状況につきましては、先生御承知のとおり石油需給適正化法に基づきまして供給計画の中で定めております。これが御承知のように一月につきましては供給の計が七十九万五千トン、また二月につきましては七十九万一千トンということにいたしております。  ただ、いま先生の御指摘のございました数字はおそらくその中のまた一部の話であろうと思っておりますが、お尋ねがございますればお答えをいたしたいと思います。
  69. 森中守義

    ○森中守義君 自動車局長、一月、二月がたしか十一万五千でしたね、その分が三月幾らになったかと、こういう意味なんだけれども
  70. 中村大造

    政府委員中村大造君) 一月、二月が十一万五千トン、三月につきましては約十二万九千トン程度の確保が可能であろう、こういうことで通産省のほうから話を聞いておる、こういうことでございます。
  71. 森中守義

    ○森中守義君 可能であろうというのでなくて、確定したと私聞いているのですよ。それはどうなのかしら、あまり明快なお答えでないけれども。  それと月々運輸省と通産省が協議をして想定需要量というものは確定をしていくのですか、どういう方式をとっているのですか。ただ通産のほうから今月はこれだけ、来月はこれだけというように供給計画を示されたもので運輸省は了承しているのか、あるいは運輸省としては必要量を通産省に持ち込んでいって、これこれの量についてはどうしても確保してくれなければ困ると、こういう意味なのか。少なくとも石油二法の成立以来、そういう権限を通産省は握ったわけだから、供給計画としてどうなのか、そういう実務的な内容を少し教えろというわけです。
  72. 中村大造

    政府委員中村大造君) 供給計画につきましては、昨年以来、通産省と協議をいたしまして、全体のLPガスの供給量の中で自動車にどれだけを割り当てるかということについてはその月々協議をしてきめる、こういうやり方をしてきたわけでございます。  それで十二月につきましては、そういうことでいろいろ折衝した結果十一万五千トンを確保しようということになって、一月もわれわれとしては少なくともとにかく十二月と同じ十一万五千トンを確保したい。それから二月につきましては、日数は三日少なくなるわけでございますけれども、とにかく十二月にああいう油のいわば割り当て制度というようなものもやったわけでございますので、量が減る、変わるということは困るので、とにかく十一万五千トンは確保してくれ、こういう言い方をいたしておりまして、それはよろしかろう、非常に窮屈だけれども十一万五千トンは確保しましょう、こういうことで二月まできたということでございます。  三月につきましては、われわれは、とにかく必要量というものは、年間必要量から算定いたしますと月平均いたしまして約十三万五千トンになるわけでございますので、フルに走って使うとすれば十三万五千トン要る、できる限りそれに近い数字がほしいということは前々から言っておるわけでございます。したがってLPガスの供給量について全体として少しでも余裕が出れば、できる限り自動車のほうに回してもらいたい、こういう言い方をしできたわけでございまして、三月につきましては、その根拠につきましてはわれわれよく承知いたしませんけれども、十二万九千トンは供給可能である、こういうふうな見通しだという話を聞きましたので、われわれとしてはそれはけっこうだ、とにかくたくさん油が出回ることはけっこうだから、ぜひそれは確保してもらいたい、こういうふうな返事をしたということでございます。
  73. 森中守義

    ○森中守義君 実は、最近またあらためて問題になった二五%のメジャーの削減通告、これはやっぱりいろんな形で影響してくると思うのです。そこで私がお尋ねした実際の供給計画、それと確定に至るまでの手順というものがどうもはっきりしない。これは通産に聞いたほうがいいかわからない。  といいますのは、この前ちょっと問題にしました一月二十二日の物価閣僚協、この決定の資料に一月、二月の供給確保量は十一万五千トンであるというように正確に数字を出しているわけですね。それで石油関係法の成立によって一そう通産省はそういう意味では責任があるようであります、供給計画を立てねばならぬという。そこで三月が示されていないので聞いたわけですが、いま自動車局長の言われるように、私が集めた資料でも三月は十二万九千トン、これは間違いなく確保される。それでいまの説明によると大体必要とするものは十三万五千トンだ、こういうことであればなおまだ六千トンの差がありますね。これは通産の場合には——四月以降の供給計画、見通しとしまして、やはり十二万九千トンじゃ困る、運輸省が言っているように十三万五千トンが大体コンスタントに、しかもマキシマムな量として確保されなければ実際回っていかないわけです。この確保ができるのかどうなのか、この辺が一体どういうことになりましょうか。  それもいま申し上げたように、メジャー通告というものを通産大臣は正式に考慮した。山形長官と山下事務次官はこれを否定をした。この辺のいきさつなどはひとりこの委員会のみならず、おそらくいま続行されている衆議院の分科会なり、あるいはこちらにくればまた予算でもやりますが、そういう中でこの辺の経緯がもう少し明らかにならぬとうまくないんですよ。しかしながらメジャーが三月から通産大臣が言っているように二五%の削減だということになると、またまた供給計画にかなりの変動が生じる可能性がある。そういうことが非常に気になりますし、しかもそういう油の供給量がどのくらいかということで、いわば陸運行政というものにも非常に大きな影響を与える、こういうことになるわけです。  ですから通産のほうでは、繰り返すようですけれども、三月以降の見通しはどうなのか。運輸省が必要とするLPGの量というものは十二万五千トン、こう言っているわけだから、こういうものが確保されるかどうか。四月以降の見通しをちょっと聞かしてもらいたいと思います。
  74. 渡辺全光

    説明員渡辺全光君) まず三月の供給目標等につきましては、先ほどからお話がございましたとおりでございます。  それで四月ないし四月以降の問題でございますが、いまメジャーの供給カットを例に先生お引きになりまして御指摘がございましたように、基本的にはいろいろ不確定かつ見通しがたい要素が結論的に申し上げますと多々あるわけでございます。  もう少しかいつまんで申し上げますと、現在、私ども四月の法律に基づきます供給目標につきましては、その策定につきまして検討に入りました段階になってきております。事LPGの問題の点につきましては、おもに二つ私ども作業を進め検討いたします段階で問題がございます。一つは、原油の輸入等も間接に関係をいたすわけですが、いわゆるLPGの国内生産処理がどのくらいになるであろうかというのがその一つでございます。それからいま一つは、御承知のように過半が製品の形でLPGは輸入をされておりますので、この関係の見通しがどうなろうかということであろうか、このように承知をしております。  前者の問題でございますが、いま一部御指摘がございましたように、過般来全般の原油価格の大幅な値上げに伴いまして、今後石油製品の値上げ問題につきまして目下鋭意作業を進めておりますので、たとえばかなりの値上げがありますというと、これがいわゆるLPGを含みました国内におきます原油処理量の問題に一般論からいいまして響いてくるということが考えられるわけでございます。今後、そうした価格に関連いたします基本的な処理の問題とからみまして、そのようなことがいずれはっきりしてくるとは思いますけれども、現在はこのような状況でございますので、これも非常に不確定な要素が多いわけでございます。  それから製品の関係でございますが、九月以前の平常時におきましては、ある月数前からかなり船積み計画等がわかるものでございますが、石油危機以来、なかなかいわゆる配船計画、船の計画がつかみにくくなっております。つかみにくいと申しますのは、従来よりも直前になりませんと、もっといいますとペルシア湾で船積みを終えた段階じゃないとわからないように確度が低くなってきておりますので、四月につきましても、その初旬に入るものでもやはり二十日程度はかかりますので、今後だんだんその辺は詰めていかなければならない、かように思っております。  基本的に総合して申し上げますと、このような二つの基本的な事情がありますので、まだ四月につきましては見通しが立ち得ない状況にございます。今後、そうしたもろもろの要素を詰めていく過程で、ある程度のはっきりした見込みを持ちたいとは思っておりますが、簡単に言いましてきわめて流動的であろう、このように考えておるわけでございます。  またメジャーの供給カットといった問題につきましてもお話がございましたが、こうした点につきましても、やはりある程度のことはメジャーが言ってまいってきておるわけでございまして、そうした点も十分考えなければならない、かように考えておる次第でございます。
  75. 森中守義

    ○森中守義君 通産の場合、大体、翌月の供給計画をつくるのは前の月のいつごろ作業に入るんですか。三月といってももう大体三分の一過ぎた、あと二十日ぐらいしかないわけです。幾ら不確定要素があるといっても、これはやっぱり一カ月、二カ月の見通しの立たないような供給計画というのはないんじゃないですか。  さっき言われるように、メジャーの通告といっても、これはまだはっきりした話じゃないようですが、これはまたこの次はっきりさしたいと思うんですが、これもはっきりしていない。それから輸入というのは相当続いているでしょう。続いているというよりも、やや安定した輸入状況にあるんじゃないですか。それならば、いまにわかに変動がきているわけじゃないから、四月ぐらいの見通しが立つのが常識じゃないですか。前の月のいつごろ作業にかかるんですか。
  76. 渡辺全光

    説明員渡辺全光君) お尋ねの石油の供給目標に関連いたします作業でございますが、これにつきましては、御承知のようにいまの法律の運用といたしまして、緊急事態である性質にかんがみまして月々の作業をしております。いわばそうした基本的な制約からやはり作業も月々になっております。  供給目標を策定いたします場合には、基本的な原油の輸入状況、あるいはLPGに限りませんで、各種石油製品の需給等につきまして、不断に、わかる限りの総合的な情報の把握といったことはもちろんいたしておりますけれども、やはり月々の目標値なり何なりの策定につきましては毎月、ここ一、二カ月、月末の閣議なりあるいは国民生活安定緊急対策本部で御審議の上御決定をいただいているところでございますが、こうした段階で、毎月、月の作業に現象的にはなっております。
  77. 森中守義

    ○森中守義君 だから、いつごろからそれをやるかというんです、前の月の。翌月の供給計画は前の月のいつごろから作業にかかりますかと聞いているんですよ、答えが出ないじゃないですか。
  78. 渡辺全光

    説明員渡辺全光君) その点でございますが、いま少しえんきょくに申し上げましたが、石油の供給につきましては、輸入のほうももちろんでございますが、灯油とかあるいは重油とか軽油とかLPGとか各油種がございますから、ものによりましてやはりそのときどきの問題点も違いますので、いつから一斉に始めるというたぐいではございませんが、とにかく月末の所要の手続に向かいまして必要な作業をしておる、こういうことでございます。
  79. 森中守義

    ○森中守義君 さっき自動車局長の説明があった十三万五千トン、これが月々コンスタントに確保されればLPGの問題はおおむね解決をするという、こういうことのようですが、運輸省は通産省に十三万五千トンの確保は約束をしてくれと数字を示したことがありますか。あるいは通産省のほうでは、大体どのくらいコンスタントに必要なものだという、そういう話を運輸省から聞いたことがありますか。  私もその十三万五千トンという話はいま初めて聞いたわけですが、しかし、これが一番問題ですよね。これを割れば、やはり幾らかカットされたと、算術計算ではそういうことになるわけです。だから十二万九千トンが三月確保されたといったにしても、これはやっぱり十三万五千トンとの差の六千トンはカットされたという、こういうことになるんですが、そういう基本になるような話を双方でしたことはありますか。
  80. 中村大造

    政府委員中村大造君) 十三万五千トンという数字は、年間を通じての必要量というものを想定いたしました場合に、四十七年度の実績に徴しますと、これはタクシーだけで約百四十五万トン使っておるわけでございます。それにいわゆるトラックあるいは自家用車等で若干六万トンばかり使っておるわけでございまして、したがって百五十一万トンないし二万トンぐらいが実績でございます。それからその伸びを想定いたしますと、年間を通じまして百六十一万トン程度が必要である、それを月割りいたしますと十三万五千トン程度になるという——もちろん、これは月によりまして波動がございますので、常にコンスタント月々十三万五千トンと、こういうものではないわけでございます。  それで通産省におきましても、その月々についてどれだけ供給すべきかということはいろいろ作業をしておられるわけで、われわれといたしましてもその月々の必要見込みについては検討をしてきたわけでございます。したがいまして年間を通じて百六十一万トンという必要量について要求をしたとか何とかという、そういう要求のしかたはしておりませんけれども、常に通産省とLPGの供給問題については突き合わせをしながら作業をいたしておるわけでございますので、その程度の量が必要であるという点については十分通産省において理解していただいておるというふうに思っております。また月々の供給量の十一万五千トンを策定いたしましたときにも、そういうふうないわゆる必要見込み量というものとの関係で通産省と折衝したわけでございます。平均的に十三万五千ントというものが必要だということは通産省において理解しておっていただいておる、こういうふうに考えております。
  81. 森中守義

    ○森中守義君 通産は理解しているの。
  82. 中村大造

    政府委員中村大造君) はい。
  83. 森中守義

    ○森中守義君 十三万五千トンは理解しているの。
  84. 渡辺全光

    説明員渡辺全光君) 私どものほうにおきましても、十三万五千という数字は事務ベースで聞いております。
  85. 森中守義

    ○森中守義君 十一月の十六日の閣議決定、これはやはり各省庁守っているんでしょう。この中で「鉄道などの公共輸送機関用、病院などの公共性の高い施設の石油などについては、その適正な必要量の確保に努める。」こういうことが閣議の決定で行なわれておるわけです。この辺の問題認識だと思うんですね。  いままで私どものほうでもあまり詰めた議論をしなかったせいもありますが、ただその月その月の輸入だ生産だということの推移によって、やれ十一万五千トン、十二万九千トンという、そういういわば大づかみな決定じゃこれは困る。原則はあくまでも十三万五千トンというものが確保されるという努力をどうしてしないのか——しているでしょうがね、しかしどういうことなんです、この十三万五千トンを運輸省も認識しているし、通産もそれは承知しておる、にもかかわらず依然として三月は十二万九千トンにとどまったということは、まだまだやっぱりLPの供給状況というものが不足をしているという意味ですか、どうして十三万五千トンに届かないのか、その辺の理由をちょっと明らかにしてもらいましょう。
  86. 渡辺全光

    説明員渡辺全光君) 三月の供給目標の関係でございますが、全体といたしまして先生御承知のように九十五万五千トンという数字を私ども見込んでおるわけでございます。御承知のように二月につきましては七十九万一千トン、こういう数字でございました。  二月と三月を比べてみますというと、供給目標に出ておりますように、特に国内のLP関係の生産で三十五万九千が四十三万六千という数字になっております。私ども、一月以来、特にLPGにつきましては非常に急迫をしておることでございましたので、一月の初旬におきまして関係のメーカーにもその増産等につきまして指示をした次第でございますが、特に石油精製関係におきましてかなりLPガスをつくり得る体制になったというのが三月の一つの結果であろうかと、もちろんこれは計画ではございますが、そういう気持ちを持ってつくりましたわけでございます。しかし他面輸入の関係でございますが、これが二月四十三万に対しまして三十六万ということで、ある程度へこんでおります。それぞれでかなり相殺をするようなかっこうになっております。  見かけの最終的な総合数字がふえておりますのは、実は、在庫の取りくずしを三月は大幅に行なっております。十五万九千トンという取りくずしを行なっております。二月につきましては二千でございますから、日数等の差も考えますというと、需給をでき得るならば緩和をしたいということではございますが、実質的に見ますというと、在庫の取りくずしをかなりでき得る限度までいたしましてこのような数字にしておりますので、かりに二月、三月の数字から在庫の数字をそれぞれ引きますというと、ほぼ相似た供給の数字が出てまいるわけで、基本的には、先ほど申し上げましたように、まだまだ流動的な要素がきわめて多いのではなかろうか、かように考えておる次第でございます。
  87. 森中守義

    ○森中守義君 ちょっと話が少しかみ合わずに困るんだけれども、要するに私がいま言っているのは、四十八年十一月十六日、おりからのパニックを背景にして閣議の決定が行なわれた。この中で鉄道はじめ公共用の輸送機関については必要量の確保につとめる、こういっているんだから、この閣議決定を受けているならば、運輸省のほうでも十三万五千トンというのはもっとやっぱり声を大にして主張すべきだな。その主張がどこまで通産のほうにされているのか、さっきの中村局長の答弁からいけば、非常に思い詰めたような状態で十三万五千トンが必要だと強調されたものとしては受け取れない。多少話はあるでしょうが、逆にまた通産のほうも輸入、生産の推移の中からものごとを割り出そうとしている、コンスタントに必要とする十三万五千トンについてはさして配慮のあとが見えない、こういう私は受け取り方をいままでの質疑応答からするんですよ。  そこにタクシー関係の燃料確保の問題がどうもやっぱり少し詰め方としては不十分じゃないのか。こういうことが実は暫定運賃等に非常にもろにかぶってくる問題なんですね。ですから、いま中村局長が言われるように、十三万五千トンというものはいやがおうでも必要なんだという話をもっと強力にすべきであるし、通産も十三万五千トンを供給計画の目標に置いて努力をすべきだ、こういうふうに私は考えるんです。残念ながらそういったような証跡というもの——よくやっている、けれども輸入、生産の推移からそうもいかぬのだなという理解を示されないということなんです。  この点をもう一回、まだ四月以降の供給計画はない、こういうことのようだから、これからは十三万五千トンを運輸省もきちんとしたものとして、通産省もぎりぎり十三万五千トンは確保しなければならぬものだという改めた認識の上に立ってやりますか。これをひとつはっきりさしておきたいと思いますね。
  88. 中村大造

    政府委員中村大造君) 先生指摘のように、もちろん私どもは燃料についてその必要量を確保するというのは生命でございますから、十二万五千トンの必要量を四月以降において確保できるように最善の努力をするつもりでございます。  それで十一万五千トンというふうな数字にきめたことについて、その必要量確保のために努力が足りなかったのではないかという御指摘でございますけれども、結果的に見れば十一万五千トンというものが決して十分であったとは思いません。しかしながら昨年十二月の時点におきまして、あの当時、LPガスの供給見込みというものとそれに対します各部門の必要量、こういう点を考えましたときに、通産省としても自動車に対しては最優先的に割り当てる、こういうことをしていただいたことはもうわれわれ事実だと思っております。またわれわれも強くそれを主張いたしまして、そうして確保したのが十一万五千トンであったわけでございます。したがいましてLPガスの供給量というものが全体としてあまり好転しない限りにおいては、十一万五千トンを確保するということが、実は、正直言いましてわれわれとしては至上命令で、逆にそれ以下に落ち込んでも十一万五千トンだけはどんなことがあっても確保しよう、こういうことで強く通産省とも折衝してきたということが事実でございます。  したがいまして全体の供給見込みというものが変わってまいりますれば、当然、われわれはその中で当初予想しております必要量である十三万五千トンの確保のために全力を尽くす、こういうことはお約束さしていただきたいと思います。
  89. 渡辺全光

    説明員渡辺全光君) 結論から申し上げますというと、先生指摘のような点は十分わきまえた上で今後も対処をしてまいりたいと思っております。  ただ従来から御指摘ございました昨年来のことでございますが、先生すでに御承知のとおり、LPGの関係につきましては、家庭用の需要が需要量の半分ほどを占めておりますし、そのほかに都市ガスの関係もございます。そういうことで、先ほどから御指摘の閣議決定といいますか、公共輸送の適正な確保をはかるための油ということは十分わきまえておりますが、なかなか全般の需給が当時から一月にかけ特にきびしかったために一〇〇%生かし切れなかったという点はあったかと思っております。
  90. 森中守義

    ○森中守義君 そのことは私もよくわかりますよ、年度当初の計画の予測をはるかに上回って需要が増大したということね。これはいつか統計でもちょっと出してもらえばいいですが、それは一ペん出してくださいよ、家庭用の場合は。  ところがそれとはまた別に、工業用の需要というのが相当伸びてきている。しかもそれは新規の需要がね。全国エルピーガススタンド協会の小山辰蔵という会長から通産、運輸省にそれぞれ文書が出ているでしょう。この中でも、実際需要家との接点になっているスタンド協会でも現場の販売状況からそういうことをいっておりますよ。しかもこの中で特に指摘されているのは、LPGの「国内事情としても、環境公害問題からクリーンエネルギーとしてのLPガスの需要は増大し、とくに工業用のウエートが高まり、鉄鋼等の大口需要の増加は、同じくブタンが使われることからオートガスにとって重大な影響があります。」こういうようにいっているわけですね。  そこで問題なのは、公害用にこれを転用しよう、在来の重油から。これをかえようということだと思う。しかもその新規需要がふえたという。こういう工業用に相当大量に流される。他面、閣議の決定として公共輸送機関については確保する、こういうことが約束されておりながら、本来であれば閣議決定の線に従って公共輸送に振り向けていくべきものが工業用、しかもそれは公害関係における新規需要の増大に供給していこうという、こういう一つの、私どもとしては多少筋の通らないような供給体制、供給計画があるのではないのか。少なくとも新規をある程度抑制する。工業用、ことに公害関係については、これはまた別な見方も出てきますしね、公害対策の委員会でもこれはしょっちゅうやっているんですよ。けれども閣議決定の公共の機関については必要量を確保するということがどうしても先行すべきであり、第一義的でなくちゃならぬ、こう私は思うんです。  それで具体的に新規需要にどのくらい振り向けているのか、工業用にどのくらい振り向けているのか、そのことがさつきから言われている十三万五千トンにどういう影響があるのか、その辺の因果関係を通産省から少し具体的に解明してくれませんか。
  91. 渡辺全光

    説明員渡辺全光君) 工業用及び新規需要といいますか、そういう御指摘でございますが、新規といいましてもいろいろ各般の業種がございます。私ども正確に業種別にどのくらいの新規というかっこうでは試算をしておりませんが、全体といたしまして、やはり工業の関係は、いまの新規といったものも一部ありますから、そうしたものも含めましてかなりのカットを行なっているのが現状でございます。また工業関係も含め、その他の点も含めました新規といったような点につきましては、先ほど申し上げましたようなかっこうで、それぞれにつきまして新規がどのくらいといったようなかっこうでは実は見込んでおりませんわけでございます。
  92. 森中守義

    ○森中守義君 そういうあれだと、その十三万五千トンの確保に工業用関係影響ない、そういうことですか。  しかし、その輸入及び国内生産のぎりぎりの量からすれば、従前といまと比べてそう大きな目減りはないんじゃないか、むしろ増産の方向にいっているというように私どもは見ている。それなのに、十三万五千トンが必要であるにかかわらず、三月は十二万九千トンの確保にとどまったということは、その不足分というものはやっぱりどこかに回っているということになりはしませんか。それだけの答弁じゃ承知できないよ。
  93. 渡辺全光

    説明員渡辺全光君) 少し補足をいたしますというと、工業用等につきましては、全般として想定需要に対しまして一五%のカットを行なってきておるわけでございます。いまの御質問でございます自動車用といいますかタクシーでございますか、これにつきましてはそれよりも優遇された比率でやってまいってきておるわけでございます。また、このほかに家庭用等がございますが、これはまた事の性質上きわめてゆるがせにできませんので、十分な必要量はぎりぎり供給はしなければいけない、こういう考えでやってきておるわけでございます。
  94. 森中守義

    ○森中守義君 それは、企画官、車関係が優遇されているという言い方はよしなさいよ、私どもそういう認識は持っていない。閣議の決定で鉄道と公共の輸送については極力これを確保するといっているわけだ。そこが公共性の公共性たるゆえんであろうし、閣議もまたそのことを認識し、かつ理解し、実態に合わせてのことだと思うんだね。だから他の産業、他の工業、こういうものに比較をして、いやほかに比べるとほかは抑制しているんだから車関係を優遇しておりますよという、その発想についてはどうしてもいただきかねる。  何も、私どもは、交通機関は油関係で通産省の恩恵的なことであってはならぬ、これは国民生活に必要な交通機関を確保する、やらねばならぬことだという理解に立っていますからね、優遇されているということはあまり適当な表現では私はないと思う。発想を変えなさいよ。そういうことで自動車関係を見ているならば、これはたいへんですよ。よくその辺のことは心してものごとの処理に当たってもらわないとたいへんだと思う。また運輸省も通産がそういう考え方だと、いやこの前よりもちょっとふやしたじゃないか、よそはもっと削ってんだよ、運輸省によけいやってんだよ、こういうようなことでやられると、これは対等の立場での話にならぬと思うんだな。その辺のことはもう少し閣議決定等を背景に据えながら、しかも車の重要性を強調しながら努力してもらう必要がありますよ。これはちょっとしたことばの表現であったにしても、私は発想として非常に重要だと思うから、特にそのことにつきましては注意をしておきたいと思う。  政務次官、運輸省はそういうつもりでやってきたとは思わぬけれども、やっぱりそういう考え方を少しきちんと整理してもらいませんと、これからメジャー関係がどう変化していくかわかりませんけれども、またまた車及び石油問題が大騒動になるような場合には非常に大きな精神的な問題として具体的に表面にあらわれますよ、注意してもらいたいと思いますね。  それで通産に私が聞いているのは、なるほど相当部分カットしている、こう言うけれども、実績を持っていない新規の関係がふえたと、こういっているわけだ、スタンド協会のほうでは。これはどういう業種を対象にしているのかちょっと具体的に説明してみませんか。鉄鋼等の大口の需要の増加、工業用のウエートが高まったと、こういっているわけだ。だから、こういういい方をそのまま援用するならば、やはりそちらのほうに相当持ち込まれていって車関係へ供給される量にかなり影響しているんじゃないのかという、しろうとの見方も出てくるわけですがね。どうなんだろう、その辺の実際の状況というものは。
  95. 渡辺全光

    説明員渡辺全光君) いま私どもここに数字等をお持ちしておりませんし、なかなか見積もりがたいところでございますが、およその感じといたしますと、いわば絶対的な数字そのものはあまり大きなサイズではないと思っております。  ただ先生指摘のように、一部最近地方におきます公害防止協定の内容等によりまして、鉄鋼等でやはりLPGを従来の他の石油燃料にかえて使いますといったようなことは出てきておりますので、そうしたものにつきましても必要な配慮はしておるところでございます。
  96. 森中守義

    ○森中守義君 そこで、この問題の締めくくりになりますが、十三万五千トンということが両当局の責任者からかなり正確に確保しますというお話があったので、これ以上この場で言ってもしようがないしね、また後日、閣僚にも来ていただいて、もう少しこの内容は詰めてみたいと思うんですが、四月以降の供給計画にあたってあくまでも目標は十三万五千トン、これを努力目標に両方とも話を進めるということについては異論はありませんか。
  97. 中村大造

    政府委員中村大造君) 私どもは、四月以降につきまして、月々の若干の変動はございますけれども、月平均いたしますと、四十九年度の見込み量というものはこれから新しくつくらなければなりませんけれども、四十八年度の想定見込み量について申し上げれば、月平均といたしまして十三万五千トン、こういう数量はぜひ確保したい、その努力をしたいと思っております。
  98. 渡辺全光

    説明員渡辺全光君) 先生のいまの御指摘も十分わきまえまして、運輸省のほうともまた御相談を十分させていただきまして、なるべく適正な供給が確保できるようにいたしたいと思っております。
  99. 森中守義

    ○森中守義君 けっこうでしょう。  それで通産に特に注文をつけておきますが、スタンド協会が指摘しているように、工業関係の新規需要、しかも大口が相当増大をした。これは何にしても実績中心ということはあり得ることだし、実際の供給計画でも実績を無視してやることはないと思う。しかしながら新規に、しかも大口需要がふえた。そのことが十三万五千トンに影響がないように約束できますか。新規需要を抑制してでも車のほうに回していこう、それがさっき言われる努力という具体的な内容だと思うんですが、約束できますか。
  100. 渡辺全光

    説明員渡辺全光君) いま先生の御指摘のようなことも十分念頭に置いて、今後検討いたしたいと思います。
  101. 森中守義

    ○森中守義君 そうなると、自動車局長、閣僚協の決定ね、この中でいわれている二つの問題、すなわちLPGの供給量の削減と燃料価格等の高騰、この二つのことをいっているわけですが、これは十三万五千トンが正確に確保されなければ計数的にはやはりカットになる、こういう理屈になりますね。しかし実態はどうなんです。この前運輸大臣との間で、実際の供給状態を調査してくれ、しましょうという約束ができ上がった。大臣いませんから、このことは次回に回しますけれども、計数としては十三万五千トンが必要、これがなければ一般的にも満タンということにはならないだろう。  しかし十一万五千トンの二月から十二万九千トンにふえた。確かに供給計画の上でもふえた。しかしもっと現実的に見た場合、数字としてはそういうことなんだが、幾ぶんカットの状態にあるけれども、実際のスタンドにおける供給状況はどうなっておりますか。これは私もすみからすみまでというわけじゃございませんが、少なくとも今日においてはむしろあのパニック時代の売り手市場だったものが買い手市場に変わったという、こういう一つの非常に大きな変化が起きている。つまり全部満タンの状態にある、どの車でも。そういうように聞いておりますが、調査の結果わかりましたか。
  102. 中村大造

    政府委員中村大造君) まだ全国的な総計ができておりませんので、まだ御報告できる段階になっておりませんけれども、私どもがいままで調査してきた段階では、やはり各地区ごとによって相当なばらつきといいますか、アンバランスがある。これは何によってこうなっているかということについてはまだいろいろ精査をいたしませんと、その数字だけでにわかに信用ができないわけでございますけれども、そういうふうなばらつきがあるということでございます。  それからもう一つ先生おっしゃいました各車ごとについて見ると満タンになっているのではないか、こういう御指摘でございますが、実は、これは最近の傾向といたしまして、車のいわゆる実働率といいますか、実際に動く車の率でございますが、その実働率も若干減っております。それから一両ごとの車の走行キロ等につきましても減っておる、こういうふうな状況がございます。これもいろいろなやはり事情があるわけでございますけれども、そういうことである会社について見ますと、全体としての油の購入量というものはふえてはいないのだけれども、一両ごとについて見ると、いわゆる満タンのかっこうで走っておる、こういうような状況があらわれておることは事実でございます。  しかし、いずれにいたしましても全体的に見て、LPガスの状況が昨年の十二月のような状況に比べますと、いわゆるパニック的な状況でなくなってきたということは、先生指摘のように事実であるというふうに考えております。
  103. 森中守義

    ○森中守義君 ちょっともう一回さきに戻りますが、実情の認識あるいは実態の調査というものは正確にまだつかまれているのかどうかわかりませんが、だいぶつかんだものと実態が違うということだけは事実のようです。  それで昨年の連合審査の際に、こういう質問を私はしたことがある。もちろん非常に制約を受けた時間の中でしたから十二分にこの議論ができなかったのですが、四十八年の十月十二日の同じ文書を私はここへ出した。社団法人全国エルピーガススタンド協会東京都支部会長小山辰蔵という人から社団法人東京乗用旅客自動車協会会長川鍋秋蔵、この人にあてた書簡がある。同時にこの書簡は運輸省、経企、通産、こういうところにも全部陳情ということで回っているようです。私どものところにもその写しが届いた。  それで、これを日時をずっと追跡していきますと、閣議決定が十一月の十六日、問題が非常に大きくなったのが十月の下旬からです。約三週間、この予告が出たときと実際の問題が発生したのには二十日間の差がある。しかもこの内容はいままで石油問題が深く掘り下げられた経過というものを全部大綱的にやはり要約していますよ。スタンド協会としては、たとえば石連とどういう話し合いをしたのか、あるいは関係の業界とどういう話ができた経過であるか、それはもちろんつまびらかではございません。けれども、大体石油関係の流れというものを予測しているわけです。しかも、その予測の上に立って量は減ります、コストは上がります、よって、いまのうちに車関係のLPGについては特段の配慮を関係者におきまして早目にお願いしたいということをいっているわけだ。  この二十日間余りの間に、一体、こういうものがどういうかっこうで行政ベースに乗せられていったのか。運輸省は車の量を確保するために、通産あたりは——これは勘のいい諸君の集まりだろうから、昨年のニクソンのエネルギー教書以来何かあるなぐらいのことは日本の通産省だって敏感に受け取ったはずだ、私はそういうように思うのです。しかも具体的に問題が発生する約二十日以前に、こういう予告、警告が出されたのに、一体この措置をどうしたのか。非常にむずかしい背景を持っているものとはもちろん私も理解します。けれども、相当期間以前にこういう警告が出されていたならば、積極的に事前の手当てをすれば、ああいう大騒動にはならなかったのじゃないだろうか、少なくとも車関係につきましてはね。そういうことも考える。そういう意味では、まさに——経過をよく知りませんから気の毒だけれども、怠慢であった、警告は出されていたにかかわらず何らこういうものに配慮を加えなかった結果たというようになると思う。  連合審査のあれでは、ちょっと会議録をよく自分の言ったのを見ていませんが、たしか局長は、いやあれは単価のことだけでしたよというようなことで軽く逃げたように記憶している。それ以上深みに入る時間がなかったものだから、ついに現在に持ち越してしまったわけですが、見ていたことは事実です。局長はいやあれは単価の問題だけであったということで軽く避けたわけですがね。  どういう措置をとったのか、この予告を受けて非常に深刻なものとして受けとめたのかどうなのか。むろん石油問題の議論で衆議院の証人か参考人か、ああいういきさつからして、すべてつくられたものであったという、そういう根源についてはこれまた別な議論ですけれども、一応流れとして受けとめる場合には、行政ベースにこういうものが民間の末端の業界団体から出されたのに耳をかしたのかどうなのかというようなことをやっぱりこの際は明らかにしておく必要があると思う。これは自動車局長、通産、経企、それぞれ受け取っておるはずだから、どういう対応策をとったのか、それぞれからひとつ御答弁をいただきたい。
  104. 中村大造

    政府委員中村大造君) ただいま先生指摘の文書につきましては、昨年の十月十二日付の文書、これは東京乗用旅客自動車協会会長あての文書でございます。これは私のほうにも写しが来ているわけでございます。  この内容につきましては、いろいろLPガスの需給について相当緊迫した状態になることが予想されるということが書いてございますが、結局、結論は最終のところに書いてございますように、早急に運賃料金改定をされるよう要望申し上げます、そうしてその運送原価の算定にあたってはLPガス価格の予測値段を織り込んでもらいたい、こういうふうな要望であったわけでございます。そのあと約十日ほどいたしまして二十二日でございますけれども、やはり自動車局の業務部長あてにスタンド協会のほうから文書が来ておるわけでございますけれども、これにつきましてもハイヤー、タクシー業界がなかなかLPガスの値上げについてオーケーという返事がないので非常に困っておるということで、適切な処置をとってもらいたい、こういうふうなことでございます。  われわれといたしましては、こういう申し入れに対しまして、非常に困ったことだというふうに感じたわけでございますが、しかし当時の情勢といたしましては、これを直ちに運賃値上げでカバーするということは考えていなかったわけでございまして、もちろん、この書面にありますような供給削減というものがそのあと直ちに急激にまいるということも実は予想はしなかった、これはもう事実でございます。  で具体的に、全国的に各タクシー事業者がLPGスタンド業者から価格改定の申し入れがあって、現実に値上がりが始まったというふうな傾向が出てまいりましたのが十一月の上旬、こういうふうに私どもの報告では承知いたしておるわけで、したがって十一月上旬からこれはたいへんなことになりそうだということで、その後、先生指摘のように十六日に対策要綱が決定され、われわれとしても活動を開始したということでございます。  したがいまして、その間、約二十日余りの間、われわれとしては何もしていなかったんではないかというおしかりでございますけれども、実は、われわれとしては、その当時は直ちにこれを運賃値上げということに結びつけるということは不適当なことである、こういう判断が先に立っておる、こういうことを正直言って申し上げるほかないと思います。
  105. 渡辺全光

    説明員渡辺全光君) 私ども供給のほうをあずかる役所といたしまして、特にLPGにつきましては、かねてからスポット的な輸入の手当て、それからいわゆる国内生産の供給増といったことをやってまいっておったところでございます。  いま先生指摘の十月の文書でございますが、この文書にも原油の供給のカットといったところまで言及をしておるわけではないようでございます。私どももその点につきましてはかねがね注意をしておりましたが、先ほど指摘の十一月半ばの閣議決定の線に沿いまして、すぐこれら関係のスポット輸入の増加あるいは国内生産の増加につきまして追加指示をするなど、所要の措置を実施いたしましたわけでございます。
  106. 有松晃

    政府委員(有松晃君) 経済企画庁物価局でございますが、物価局といたしましてタクシーの運賃の問題の検討に入りましたのが——実は、基本運賃の申請が出ましたのが昨年の十二月の初め、それからその後暫定運賃の申請が出ましたのが十二月の下旬でございまして、ただいま御指摘のエルピーガススタンド協会からの文書が出ました十月の中旬でございますが、当時におきましてはまだ運賃の問題は出ておりませんでしたので、経済企画庁物価局としては、当時は、具体的な検討はこの文書につきましてはしておりませんでした。
  107. 森中守義

    ○森中守義君 まあ三者三様にお答えがあったけれども、どう考えてみても、まともに聞ける答弁じゃないね。  なるほど、この文書の最後の意味合いというものは確かに運賃改定ということをいっている。まさに運賃改定を全く関係のないところから油問題にひっかけてひとつやってくれ、やったらどうだということは不当な介入で、その点では私は買わないんだ、これはね。けれども、この小山さんがいっておられる「LPガス需給に関するご協力方お願い」「謹啓時下ますます」以下結論に至るまでの経過というものは、たとえばアメリカの在来の輸出から輸入に転じたということであるとか、あるいはアラブ問題であるとか、総体的に予測された油の危機というものを訴えている。だから、いま運輸省の自動車局長が言われるように、運賃だけとらえてこれは何だということで私はこういうものを見過ごすべきではない。むしろ重要なものは前段ですよ。  それで、真島部長、局長は退席されたけれども、これは私に言わせるならば、こういうかつてないようなことがスタンド協会から公文書で出されてきた。少なくとも小山さん及び関係の団体の代表であるとか——私のいま手元にあるのは川鍋さんにあてたものです。これは写しとして会館に送ってきたんだ、こういうものが。運輸関係委員に全部来ている、これはね。こういうものを受け取ったならば、運賃をスタンド協会がいうのは見当違い、筋違いではないかということではなくて、前段に述べられているコスト事情あるいは需給事情、これはやっぱり敏感に受けとめて、関係の団体を直ちに招致するなり何なりして実情の究明に当たって、どういうことを根拠に、何を背景にこういう見解を持つのか——明らかに予測しているわけだから、そういう意味で私は非常に見識が高いと思う。しかも無用な混乱が起こらないようにということが全文にみなぎっております。それならば、当然、出された小山会長なり関係皆さん方に運輸省に来てもらうなりして事情を聞くとか、あるいは通産、経企等にもこういうことがいわれているんだが一体どうしようか、ことに通産に対しては直接の行政機構だから、通産の見解はどうなんだというような配慮が必要じゃなかったのかな。私が言っているのはそういうことなんですよ。  一体何をしたんだ、こういう聞き方をすれば、いやそれは運賃をいっているから、いまにわかにそういうことで運賃をどうしてくれったって乗れる相談じゃございませんよということで、この提起された問題の内容に全く手をつけていない、これが怠慢だと、こう言っているわけだ。  ですから関係者を呼んで事情を聞いてみたけれども、いずれも運輸省としては直ちにこれを採用するとか、その意見に耳を傾けるとか、実動に移行しなければならないような緊急性、緊迫性がなかったという判断に立ったのかどうなのか、その辺の経過はどうでしょう。
  108. 真島健

    説明員(真島健君) この文書は旅客課担当でございまして、旅客課を窓口にまいったわけでございます。そこで旅客課におきまして、このエルピーガススタンド協会の方を呼びまして事情をいろいろ聞いたわけでございます。しかし、この時点の段階の判断といたしまして、私どもの見解といたしましては、そういうようなことで運賃値上げというようなこと、あるいはタクシー業界に対してこの運賃値上げをのむべきであるという指導をするというようなことはできないと判断いたしまして、そのようなことをスタンド協会の担当者には申したわけでございます。
  109. 森中守義

    ○森中守義君 これは、ひとつ大臣がまた見えたときもう少しやりましょう。しかし局長の答弁と全く同じで料金だけに目を向けて、前段のどう移行しようとしているのか、発生しつつある事態については全然認識と理解を示さなかった。これがまともな行政機能のやるべきことなのかどうなのか、こういう評価の問題に私はおのずからなってくると思う。  それで私は、さっきから言うように、料金の問題は料金の問題として別にして、少なくとも料金を改定しなければならぬという結論を導き出す前のことがあるわけだから、料金はこれはいま困ると、こういうならば、その前のことに対してどう対応していくのか。対応の結果、料金はいますぐの問題ではありませんよという答えの出し方をするならば、まだこれは理屈に合う。前段があるわけだ、いきなり料金改定してくれと言っているのじゃないですよ。コストアップになるだろう、供給不足になるだろう、そういうことを考えるならば、事前にこれは対応すべきだというようなことをちゃんと言っているわけだから、そういう意味で、私は自動車関係の首脳の責任というものは、これはなかなか安直なものではないということになるわけです。  しかし、これはまた次の機会にゆっくりとしたいと思うんですが、しかし言っておきたいのは、こういう前段の国際市場であるとか、あるいは国内の需給関係であるとか、非常に重要なことを言っているわけですからね、本来やっぱりこれは政務次官、大臣まで、こういうものはきちんと説明をし報告をすべきだと私は思う。それは運輸省の内部のことだから、しているかどうか知りませんが、少なくともこういう事前の予告というものに耳をかさなかった。そのために自殺者まで出るような大問題に発展をしたというこの経過だけは、どうもやっぱりこのままの状態では放置できないというように私は思うんです。これは次の機会に譲りましょう、この辺の扱いは。  そこで、もう一つ、ちょっとこれは原則論、実は大臣が見えませんので、もう一回政務次官、同じようなことをできるだけ避けたいと思うけれども——重要な点についてはこの次まで保留しておきます。それで運賃関係でこれだけちょっとただしておきたいと思います。運送法の八条の2の一と三の関係、非常にこれは重要な問題なんですよ。つまりこういっていますね。八条の2の一号では、この前もちょっと言ったような気がしますが、「能率的な経営の下における適正な原価を償い、且つ、適正な利潤を含むものであること。」、これが確定運賃をつくる際の原則、同じ三号でこういっていますね。「旅客又は貨物の運賃及び料金を負担する能力にかんがみ、旅客又は荷主が当該事業を利用することを困難にするおそれがないものであること。」、ですから、この道路運送法といまの二つの条項は、一つには事業の経営について配慮をする。一つには利用者の保護をする、保護というか、配慮というか。こういう二つの面を持っているわけですね。  そこで、たとえば現行の二九%アップされた暫定運賃というものは、この前の説明でいけば一五%カット分が一七・六に相当する、五%がコストアップに該当するのだと、こういう説明が行なわれた。ところが肝心な支払いの能力を困難にするものであっちゃいけないよ。このかね合いは一体どういうことなのか。確定運賃を策定する際の原則条項だと思うのですよ。申請が出されて審査にかけた、そこで経企と話し合いをした。その際にこの三号と一号の関係はどういう状態で結びつけられているのか。作業内容というものをよく私は知りませんから、あまりむずかしいことを言われてもわからぬけれども、概念的に私の頭の中にあるのは、この三号が一つの運賃体系の原則をなしておる限り、たとえばGNPがこういう状況にある、あるいは一般消費者物価はこういう状況にある、卸売り物価はこういう状況にある、こういうことなどがどういうような状態で扱われているのか。それと賃金所得はどうなのか、生産所得はどうなのか、要するに国民所得の状態、国民経済の状態というものが、この三号を私は具体的な数字として一号とのかね合いを持たなければまずいと、こう思う。  よって、その確定運賃を策定する際に三号というものはどういう状態で見られるのか。ことに二九%策定した場合には、今日の物価上昇のおりから具体的に三号は生きているのか、生きていないのか、この辺のことを、やや抽象論だけれども一ぺん聞かしておいてもらいたい。ひとつきょうは、そのことがある程度きちっと割り切れるならば、きょうの質問はこれで終わっておきましょう。
  110. 真島健

    説明員(真島健君) 二九%の算定にあたりましては……
  111. 森中守義

    ○森中守義君 それは部長、こだわらぬでいいんだよ、それには。私は一般論を言っているわけだから。それはまたあとにしましょう。
  112. 真島健

    説明員(真島健君) わかりました。
  113. 森中守義

    ○森中守義君 例として二九%をとっただけですから、無理にこだわらぬでいい。
  114. 真島健

    説明員(真島健君) 確定運賃を定める場合に、この八条の2項の一というもの、これは当然に企業の適正な経営を確保するために必要な部分と、それから三号のほうは、これは利用者保護——これは先生のおっしゃるとおりの規定でございます。したがいまして、私ども運賃を計算をいたします場合に、当然にその当時におきます物価情勢、あるいは卸売り物価の問題、こういうようなものも考慮に入れまして、さらにその中で最低限度企業の経営が確保されるような形の運賃というものをつくることを理想としておるわけでございます。
  115. 有松晃

    政府委員(有松晃君) ただいまの道路運送法八条によります旅客等の利用者関係でございますが、私どもの立場といたしましては、このタクシーの運賃の値上げ、これが物価に及ぼす影響等から考えまして、極力値上げの幅を圧縮したいという考え方に立って折衝も行なったわけでございますが、結果といたしまして、この値上げされた率は、消費者物価に与える影響といたしましては、平年度ベースで〇・〇六%でございまして、今回の値上げに至った事情にかんがみますときに、この程度の値上げではやむを得ないという判断に立った次第でございます。
  116. 森中守義

    ○森中守義君 やむを得ないじゃなくて、論理的な根拠を示しなさいと言っているわけです。利用者の保護条項としての三号と一号はどういう関係を持つのか、実際の作業をする場合にどこまで配慮されているか、そういうことですよ。
  117. 有松晃

    政府委員(有松晃君) ただいま申し上げましたように、消費者物価に与える影響も比較的小さいということも考えましてただいまの第八条の第三号にこれは抵触するものではない、こういうふうな判断をいたしておる次第でございます。
  118. 森中守義

    ○森中守義君 どうもすっきりしないね。これも保留しておきます。  真島部長ね、暫定運賃というのは実際問題としていつまで続けるつもりですか。それが一つと、それから添付されている資料の中で、東京で十二月八日に七七・三%、横浜で十二月十日に八六・七%、それから名古屋が七六・四%、大阪が七六・七%、京都で七四・〇%、神戸で七三・七%、こういう基本運賃の申請が出ていますね。これを、たしか前回かその前、自動車局長が、基本運賃については四十八年度の実績を見て検討を加えたい、こういう実は答弁があった。そうなりますと、いま出されているこの基本運賃の申請の資料というものは、いつからいつまでをとったものか。それと運輸省が考えている三月決算の結果を見てということになれば、提出された申請及び割り出した積算の根拠と非常に大きな開きが出てくるわけです。ということになると、考え方としては、運輸省は決算の結果を見たいと、こう言うのだが、少なくともいままで出されたものでは、きわめて正確な資料とは言いがたい。そうなりますと、一回これは差し戻して改めて提出をやり直させるということになるのかどうなのか、その辺はどうですか。
  119. 真島健

    説明員(真島健君) 最初の暫定運賃は今後いつまで続けるのかという御質問でございます。  私ども、暫定運賃というものが昨年末以来のいわゆる油ショック、これによるタクシー業界に与えた影響、特に中小企業の多いタクシー業界に深刻な影響を与えたということから、これをとにかくその部分だけをもとへ戻しておく必要があるんじゃないかという考え方で、油の部分についての原価計算をいたしましてやったわけでございまして、そういう意味では、いわゆる人件費その他のすべての原価要素を考慮に入れた運賃ではございません。したがいまして、こういうような形の運賃、これは当然に油の事情、量及び価格についてある程度安定的な状況が招来した場合に早急に見直しをしなければならないだろう。私どももできるだけその時期が早いことを願うわけでございますけれども先ほど来のLPGの供給量の問題あるいは価格の問題というようなもの、なかなか四月以降について安定した形がはたしてとれるのかとれないのか、まだ非常に流動的な部分が多いのではないかということで、もうしばらくこの状況を見定めまして、タイミングをとらえまして暫定運賃の見直しという時期を決定いたしたい、このように思っております。  さらに次の、現在、六大都市におきまして十二月早々に出ました基本運賃の申請書でございますが、これは十二月に出ております以上は、いままでの運賃の申請のやり方に沿って四十七年度の実績をもとにしていろいろと計算が出されておる申請書だと思います。したがいまして、この暫定運賃の見直しの時期がいつになるかということと関連いたしますけれども、すでに四十八年度は三月で終わるわけでございまして、私ども、どんなに早くなっても、おそらく暫定運賃の見直しの機会というのは四月以降になるだろうと思っておりますので、そういう時期におきまして基本運賃の改定について検討をする場合、これはできれば最新の資料でやったほうがいいんじゃないか。そういう意味では四十八年度実績資料、これに基づいた新しい申請書でやるべきではないか。その場合に一体どのくらい時間がかかるかということは、これは業界の資料作成の能力にもよるわけでございますから、できるだけ早くそういう資料を整えて出してもらうように指導をいたしたい、このように思っております。
  120. 森中守義

    ○森中守義君 非常に重大な問題だし、これはたいへん気の毒だけれども、まあ一人の自動車局の業務部長では最終的な意思決定もできかねる問題だと思いますから、一通り実務的な進め方の見解がわかったということで了承しておきましょう。  それともう一つ、ちょっと私気になるのは、二九%の問題と、これと符節を同じくして全国の相当ブロックに対してその二〇%あるいは二三%程度の暫定を認めておりますね。ところが昨年の九月あるいは十月の時期に新しく運賃改定をやったところがありますね。こういうところには、石油パニックに端を発する暫定運賃というものがかぶせられていない。これは一体どういう意味なのか。つまり十月あるいは九月の運賃改定というものは、これは四十七年度あたりからの実績計算、少なくとも四十七年の決算後のその資料に基づいた審査であったと想像する。  そうすると、九月ないし十月に確定を見た運賃というものの中には、LPGのコストが上がった、あるいは削減をされた、こういうものはその資料の中に入っていたとは思えない。で、それならば、たとえ九月であろうと十月であろうと改定はしても——暫定運賃を私は肯定しているという意味じゃありませんよ。けれども緊急な事態の発生のためにとられた措置というわけで、いま私はそういう認識の上に立ってものを言ってるのですが、当然入っていかなかった確定分についても暫定運賃というものは適用されるべきじゃなかったか、その適用がない。どうもその辺に二九%及びそれ以下の六大都市以外にかぶせていった暫定運賃の適用のしかたに問題がある。そうならば暫定運賃というものはかなりちゃらんぽらんじゃないかというように思うんですね。むろんそれは改定直後のことであるから、この分はあとで次の改定の時期を短縮するという、こういう見解もあろうかとは思う。けれども、かりに暫定というものが必要やむを得ないんだと、場合によっては自主料金でもつくるんだと、こういう非常に強烈な業界の突き上げもあったわけでしょうから、そういうものを受けてここまで作業が進んだというならば、当然改定直後であったにしてもこの分は適用するべきじゃなかったのか。まあ非常に手落ちがあった、手落ちというのか、少々まま子扱いにされているという、そういう感じがする。そのことを非常にえげつない言い方をするならば、二九%及びそれ以下のブロックに適用したものはちゃらんぽらんの適用じゃないかというような言い方をされてもしかたがないと思うんだけれども、このことについてはどうなんですか。
  121. 真島健

    説明員(真島健君) 先生の御指摘の点でございますが、昨年の十月以降に基本運賃の改定を見た地区について暫定運賃をやらなかったという問題でございます。  これは御承知のとおり運賃の原価計算、いわゆる二年ローテーションということで地方の都市はやっておりまするけれども、そのやり方は二年間もつという意味でございますが、最初の一年間は相当の黒字が出る。それで次の一年間でそれが大体吸収されて二年間通じてとんとんになる、こういう運賃の原価計算をわれわれいたしておるわけでございまして、したがいまして、油のショックがございましたけれども、非常に十二月以前近い時期に改定をした地区については、これを吸収することができるんじゃないか。ただ、それは一体三カ月前なのか、六カ月前なのか、一年間をとるべきかという判断についての御批判はいろいろあろうかと思いますけれども、私どもは三カ月ぐらいの近い時点での改定については、とりあえずは暫定運賃という救済手段をとらなくてもいいんじゃないか。ただ今後の情勢、推移いかんによりまして、そういう地区についてもショックが非常に大きくて二年間はもたないという形になることも十分考えられます。その問題は、そういうような時点において二年ローテーションのやり方というものを多少弾力的に運用するということで処置をすべきではないかと、このように考えてそのような措置をとったわけでございます。
  122. 森中守義

    ○森中守義君 まあこれは真島部長ね、上がるよりも上がらないほうがいいわけだ、万事。しかしやってしまって、これはこの前上げたんだからもうしばらくほっとけというやり方では、要するに二九%及びそれ以下のものというのは、目的が油に端を発している、その対策なんだ。ですから九月、十月上がったからといって、そういうのは算入されていないわけだから当然見るのがほんとうだろうな、その辺に論理の一貫性がないし、原価をはじき出したと、こう言われるけれども、正確に二九%が適正な原価を償いかつ適正な利潤、そしてまた三号でいう利用者の保護、言いかえるならば極力上げないように、みんな困らないようにしなさいよというこの条項というのは、これは精神条項じゃないですよ。まあいわば歯どめ条項にもなっているわけです。そういったように一連のことを考えると、やっぱり適正な措置であったかどうかということについてはやや疑問があるということになろうかと私は判断をしている。しかしこの種の問題も、きょうは実務の責任者としてのお考えを聞いただけで、これ以上の政策議論になるとまた日にちを変えたほうがいいと思いますから、このことはこれにしておきます。  もう一つ、業界でよく言われる、どうしても事態が急迫をしてきた、行政当局でこれがどうしても措置できないならば自主運賃に切りかえるよという、こういう声があのとき非常に大きく伝えられたわけですね。もちろん自主運賃というのはいまのところ許されない。許されないことでもやらざるを得ない。そこに非常にたてまえと現実の大きな食い違いが来ているわけですが、自主運賃ということを、いまの自動車当局者、運輸当局者が聞いてどういう感懐を持ちますか。
  123. 真島健

    説明員(真島健君) 私ども道路運送法の執行に当たるものといたしましては、自主運賃といういわば違法の形が出てくるということについては、まことに遺憾であるということでございます。
  124. 森中守義

    ○森中守義君 政務次官、これで終わりますが、どうもきょうは中途はんぱで終わったことになりますけれども、大臣にもこういうひとつ議論の経過を一ぺんよく説明しておってください。前々回、私と大臣との約束がある。この約束もあれから約二週間ほどたっておりますから、そろそろ答えを出してもらわなければならぬ時期にも来ているんです。  そこで当面、さっきから申し上げた十三万五千トンのコンスタントの確保の問題ですね。さっき通産のほうも最大限に努力しますと、こういうことでしたが、これはやっぱり大臣相互間あるいは政務次官相互間のもう少し高レベルにおけるきちんとした取りきめというものがどうしても必要ですよ。そこまできちんとした約束をしておきませ思う。これは暫定運賃にも非常に影響があります。だから、そういうことで十三万五千トンというものは運輸省では絶対必要だ、通産のほうにもこれは他に振り向けているのをまず優先的にこっちに回せと、これは閣議の決定できまっているわけだから、運輸省がそういう主張をしてもちっともおかしくないと、こう私は思う。これをひとつ大臣、政務次官との間できちんとしたものにきめてもらいたいと思います。できますか。
  125. 増岡博之

    政府委員(増岡博之君) おっしゃるとおりでございまして、実は十二月に当初十一万五千トンをきめたときには、私が通産省まで参りましてきめたわけでございます。それで、一月、二月は同様であるということでございましたけれども、今回少々伸ばしていただいておりますけれども、十二月ごろから私どもが申しておった目標にはまだ達していないわけでございます。先生の御趣旨どおり、私どもは今後もそういう態度を取り続けるつもりでございます。
  126. 森中守義

    ○森中守義君 通産にちょっと資料をお願いしておきましょう。私の手元に十二月度の石油需給計画というのがある。これは石連がつくったものです。これを四月以降の見通しはまだ正確でないと、こう言われるけれども、この需給計画と言いましても、輸入がどのくらい、それから国内の生産がどのくらいというのを、ガソリン、ナフサ、ジェット燃料、灯油、軽油、A重油、B重油、C重油というような状態で、一ぺんできるだけ早い機会に出してください、もちろんLPGも。これは提出できますか。
  127. 渡辺全光

    説明員渡辺全光君) 御指摘の点は四月のものでございましょうか。
  128. 森中守義

    ○森中守義君 そう、四月と、想定できる可能な限度内で四月以降の分。
  129. 渡辺全光

    説明員渡辺全光君) 石連の資料という意味でございましょうか。
  130. 森中守義

    ○森中守義君 いや、私の手元には石連のものがあるから、通産も当然こういうものがあってしかるべきだ、なくちゃうそだ。
  131. 渡辺全光

    説明員渡辺全光君) 先ほど申し上げましたように、油種別の事情も十分検討の一環としてやっておりますから、早急に四月に向かいまして供給計画目標も立てたいと思っておりますので、そうした際に十分お答えできると思っております。
  132. 森中守義

    ○森中守義君 それから運輸省に資料をお願いしておきたいんですが、各地方局別に最近の新免をおろした状況、法人、個人、トラックというように、各種別にひとつ一月以降の分を提出してもらえますか。
  133. 真島健

    説明員(真島健君) ただいまの新規免許をおろした件数を、タクシー、バス、トラック、それぞれ業態別にということですか。
  134. 森中守義

    ○森中守義君 そうそう。
  135. 真島健

    説明員(真島健君) わかりました。
  136. 宮崎正雄

    委員長宮崎正雄君) 他に御発言もなければ、本件に対する本日の調査はこの程度といたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時三十二分散会      —————・—————