○八木(一)
分科員 積極的な御答弁で、その点気持ちとしては非常にうれしく思います。ただ具体的に、実際にほんとうのものを実現していただきたいわけです。
この間
予算委員会の総括、一般でも繰り返して申し上げましたけれども、なかなか異例なことをやった、金額を出した、それをまたうんとふやせということについては、
閣僚の中にわからなくて、そんなにとか、そういう空気があろうと思います。それをやはり乗り越えていただくためには、いろいろな
数字なり論点が必要だと思います。何回も申し上げましたのでかいつまんで申し上げて、大蔵
大臣にも厚生
大臣にも申し上げておきましたので、ちょっとなまいきですけれどもお聞き取りいただきたいと思います。
たとえば
労働省では、
労働大臣が言われましたように、失対の問題については少なくとも就労日数をふやすということで対処された、これは存じ上げております。内容も存じ上げております。問題の一番焦点は、これは
生活保護世帯だと思います。それは、憲法で保障された、健康で文化的な最低
生活を保障するためのものが
生活保護法でありますので、一番根底になります。もちろん失対
労働者もそれからその他の身体障害者も原爆被害者も、難病者も
母子家庭も、みんなそれと同様に必要でございますが、逃げられない議論は
生活保護世帯ということになると思います。
それで申し上げますと、実は厚生
大臣は一級地に一人二千円
——一級地二千円ということばかり出ておりますが、四級地が千四百円ということはおっしゃいませんので、世の中で、宮崎県の方も二千円手に入ると思って、実際はがっかりなさる方があると思うのです。ああいう宣伝のしかたはよくないと思いますけれども、とにかく一級地一人二千円。そのことは月六%に当たって、一、二、三で、一八%上げたというようなことを答弁でおっしゃるわけです。それの
数字だけは間違いありません。一八%、ずいぶん上げたように見えて、それは三月分の足した分であります。一月六%。だから前に五%上げているし、年末に二千円プラスアルファしているし、ずいぶんやって、これがせいぜい限度で、これで御了承願いたいということばかり
方々で言われるわけです。
ですから閣議で、厚生
大臣がそういうふうにほかの
大臣に言われますと、もっとしっかりやらせなければいかぬといっても、担当
大臣がこれだけこういっているんだからしようがないだろうというふうに、おそらく
関係のない外務
大臣だとか、そんな連中はうんと言っちゃうだろうと思う。そんな理屈もわからないで、うんと言った連中の人数まで入って、
長谷川先生とそれからほかの熱心な先生方が四、五人主張されても、わけのわからぬ連中が七人ほど賛成したら、もうしかたがないというふうになっちゃいますから、そういうわけのわからぬ連中を爆砕するためのひとつ理屈を、という点で聞いていただきたいと思うのです。
実は昨年度は、
経済見通しは、五・五%
消費者物価が上がるということで、
予算も政策も組まれていたわけであります。四月から五・五%よりもずっと多く上がっておるわけであります。十月に五%、
生活保護世帯の基準が上がりました。これにならって
労働省のほうも、失対
賃金を五%お上げになりました。ならってというより、自主的に上げて、
労働省のほうが先かもしれませんけれども、とにかく同時にそういうふうになりました。
そこで、実は五%上げたというなら、何か非常に緊急に即応したように見えますけれども、五%上げたのは、九月二十一日に決定したことでございます。これは八月の末の
全国消費者物価指数を基準にしてやったことでございまして、それは七月の
全国消費者物価指数の
平均なんです。厚生
大臣はそのとき、五・五上がる予定のところを一〇・八上がったから、五足したから、大体対応している。それは足せば一〇・五と一〇・八ですから、大体似ています。そういう弁解で通られるのですが、それは七月の現在なんです。十月のときは、それよりもはるかに上がっているわけです。
それから
生活保護世帯の予定された
生活が、ぐっと実際には四、五、六、七、八、九と詰まり、十月上げた時点でもまた詰まり、十一月、十二月詰まり、一月から二月まで詰まり、三月も詰まろうとしているわけです。そういうことですから、それを全部
計算しますと、この前推定
数字を申し上げましたけれども、一月、二月の末の統計はまだ出ておりませんでしたので、そのとき推定で申しましたら、大体当たっておりました。
もう時間もありませんから申し上げますと、とにかく
生活保護世帯であります。四万円以上補てんをしないと、
生活保護で予定された
生活が維持できていないということになるわけです。ときどき、
厚生省の変な理屈では、一カ月ぽっきりでもう限りがついている。だからそれはもう
考える必要はないというようなことを言う人が、そういう冷酷むざんなことを
考える国家公務員が、十人に一人ぐらいいるわけです。へ理屈をこねて、もう七月は決着つけたんだから、これから
考えるのは先でいい。そういうようなことは許されないことであって、結局
生活は、金の面ではしぶしぶ決着つけさせられていますけれども、そのときに食べるものも食べないから、からだがそれだけ栄養分が少なくなって、栄養失調のほうに寄っている。からだが弱くなる。そういうことで問題が残っているわけです。ですから、それを埋めなければならないわけです。
前に申し上げましたように、一番ひどいところは一食が六十数円、そんなところで一割も二割も減ったら、これは飢餓線に達するわけです。そういうことで全部四万円になりますので、一世帯四万円であれば一人一万円になる。
政府の予定された二千円とこんなに違うわけです。ですからそういう基準、それに合わして、もちろん失対
賃金その他の年金の人たちに対する手当て、そういうことも全部やられたことはいいのですが、金額が少な過ぎるので、これを検討し直してふやす。そして、しょっちゅうお
話し合いをしていただいておるわけでございますが、そういう低所得者階層の気持ちを代表して、熱心に
政府と交渉しておられる
春闘共闘その他
労働組合の代表と積極的に話し合われて、
国民の負託にこたえた解決をやっていただきたいと思うわけであります。それをやっていただくことによって、政治に対する
国民の不信がやわらいでくると思います。政治を
国民が信頼しないというのは、非常に不幸なことです。ぜひやっていただきたいと思います。予備費をほとんど使い果たしたということをよくいわれます。しかし
昭和四十八年度には、自然増収が何千億と出るはずであります。それからほんとうにやる気であれば、予備費なんかなくたって、あしたでも補正
予算出して、そうしたらこれは与野党協力しますから、衆議院は二日で上がって参議院は二日で上がる。もっと強力に要請されたら、一日で上がって一日で上がる。われわれは協力いたします、そのための補正
予算を組まれるならば。やる気だったらできるわけでございますから、そういうことを強力に、それから内容は十分に、そうしてそれを急速にしないと間に合わない、急速に御推進いただきたいと思うわけでございます。ぜひ
国民のために、
長谷川労働大臣が
内閣の中で御推進になるように強く要請をしたいと思います。ひとつ積極的な御答弁をお願いいたします。