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1974-05-24 第72回国会 衆議院 本会議 第34号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十九年五月二十四日(金曜日)     —————————————  議事日程 第三十三号   昭和四十九年五月二十四日    午後二時開議  第一 結核予防法等の一部を改正する法律案(     内閣提出参議院送付)  第二 日雇労働者健康保険法の一部を改正する     法律案内閣提出)  第三 優生保護法の一部を改正する法律案(第     七十一回国会内閣提出)  第四 環境庁設置法及び行政管理庁設置法の一     部を改正する法律案内閣提出)  第五 恩給法等の一部を改正する法律案内閣     提出)     ————————————— ○本日の会議に付した案件  日程第一 結核予防法等の一部を改正する法律   案(内閣提出参議院送付)  日程第二 日雇労働者健康保険法の一部を改正   する法律案内閣提出)  日程第三 優生保護法の一部を改正する法律案   (第七十一回国会内閣提出)  日程第四 環境庁設置法及び行政管理庁設置法   の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第五 恩給法等の一部を改正する法律案  (内閣提出)  内閣法の一部を改正する法律案小宮山重四郎   君外一名提出)  国土総合開発庁設置法案(第七十一回国会、内   閣提出)  日本勤労者住宅協会法の一部を改正する法律案   (建設委員長提出)  大気汚染防止法の一部を改正する法律案内閣   提出参議院送付)  発電用施設周辺地域整備法案(第七十一回国会、  内閣提出)  電源開発促進税法案内閣提出)  電源開発促進対策特別会計法案内閣提出)    午後四時四十四分開議
  2. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) これより会議を開きま  す。      ————◇—————  日程第一 結核予防法等の一部を改正する法   律案内閣提出参議院送付)  日程第二 日雇労働者健康保険法の一部を改   正する法律案内閣提出)  日程第三 優生保護法の一部を改正する法律   案(第七十一回国会内閣提出
  3. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 日程第一、結核予防法等の一部を改正する法律案日程第二、日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案日程第三、優生保護法の一部を改正する法律案、右三案を一括して議題といたします。
  4. 前尾繁三郎

  5. 野原正勝

    野原正勝君 ただいま議題となりました三法案について、社会労働委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、結核予防法等の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、近年、結核患者は著しく減少し、健康診断による患者発見率も低いものになっている状況等にかんがみ、結核予防法による定期健康診断及び予防接種を、結核患者発生状況等に即応して適切に実施することができるようにしようとするものでありまして、そのおもな内容は、  第一に、結核定期健康診断は、毎年行なうこととされているのを、政令で定める定期において行なうことに改めること。  第二に、ツベルクリン反応検査反応陰性または疑陽性である者に対して予防接種を行なうこととされているのを、陰性である者に対してのみ行なうことに改めること。  第三に、市町村長は、小学校就学前の者のうち、幼稚園等集団生活をしていない者に対して、毎年、ツベルクリン反応検査を行ない、その反応陰性または疑陽性である者に対して、定期予防接種を行なうこととされているのを、小学校就学前の者に対して、政令で定める定期において、ツベルクリン反応検査を行ない、その反応陰性である者に対して、定期予防接種を行なうことに改めること。  第四に、医療給付に関する診療報酬請求事務簡素化をはかること。 等であります。  本案は、去る十五日参議院より送付され、同日本委員会付託となり、昨日の委員会において質疑終了し、採決の結果、本案原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。  なお、本案に対し、附帯決議を付することに決しました。  次に、日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、日雇労働者健康保険給付健康保険給付に準ずる内容のものとするため、給付改善を行なうとともに、保険料日額改定等を行なおうとするものであります。そのおもな内容は、  第一に、医療給付改善であります。すなわち、家族療養費等給付の割合を五割から七割に引き上げるとともに、高額な医療については、家族療養費等にあわせて高額療養費を支給することとし、療養給付期間及び家族療養費支給期間を三年六カ月から五年に延長すること。  第二は、現金給付改善であります。すなわち、被保険者賃金日額等級を、日額千五百円未満を第一級、九千五百円以上を第八級とする八段階とし、これに応じた給付基礎日額を定め、傷病手当金支給期間を三十日から六カ月に延長し、傷病手当金出産手当金埋葬料分べん費等について改定を行ない、健康保険給付に準じたものとすること。  第三は、初診時一部負担金を二百円以下において厚生大臣の定める額とし、保険料日額賃金日額等級に応じ、第一級六十円から第八級六百六十円までの八段階とし、被保険者及び事業主がそれぞれ二分の一を負担することであります。  なお、保険料の急激な負担を避けるため、四級及び五級並びに六級から八級の改定実施は、昭和五十一年度までの間段階的に行なうとともに、賃金日額の低い第一級及び第二級の被保険者負担額を軽減すること。 等であります。  本案は、二月十五日本委員会付託となり、昨日質疑終了し、採決の結果、本案原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。  なお、本案に対し、附帯決議を付することに決しました。  次に、優生保護法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、優生保護対策の適切な実施をはかるため、人工妊娠中絶要件及び優生保護相談所業務内容を改めようとするものでありまして、そのおもな内容は、  第一に、妊娠継続または分べんが、身体的理由または経済的理由により、母体の健康を著しく害するおそれがある場合は、母体保護のため、人工妊娠中絶を行なうことができることとなっておりますが、この要件を、妊娠継続または分べんが、医学的に見て母体精神または身体の健康を著しく害するおそれがある場合に改めること。  第二に、胎児重度精神または身体障害となる疾病または欠陥を有しているおそれが著しいと認められる場合にも、人工妊娠中絶を行なうことができることとすること。  第三に、優生保護相談所業務に、適正な年齢で初回分べんが行なわれるようにするための助言及び指導等を加えること。 等であります。  本案は、去る第七十一回国会に本委員会付託され、本国会継続審査となっていたものでありますが、昨日質疑終了いたしましたところ、自由民主党より、重度精神障害等のおそれのある胎児に関する人工妊娠中絶規定について修正案提出され、討論を行ない、採決の結果、本案修正議決すべきものと議決した次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  6. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) これより採決に入ります。  まず、日程第一につき採決いたします。  本案委員長報告可決であります。本案委員長報告のとおり決するに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  7. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 起立多数。よって、本案委員長報告のとおり可決いたしました。  次に、日程第二につき採決いたします。  本案委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案委員長報告のとおり可決いたしました。  次に、日程第三につき採決いたします。  本案委員長報告修正であります。本案委員長報告のとおり決するに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  9. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 起立多数。よって、本案委員長報告のとおり決しました。      ————◇—————  日程第四 環境庁設置法及び行政管理庁設置   法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第五 恩給法等の一部を改正する法律案   (内閣提出)  内閣法の一部を改正する法律案小宮山重四   郎君外一名提出)  国土総合開発庁設置法案(第七十一回国会、   内閣提出
  10. 森喜朗

    森喜朗君 議事日程追加緊急動議提出いたします。  すなわち、この際、日程第四及び第五とともに、小宮山重四郎君外一名提出内閣法の一部を改正する法律案、及び第七十一回国会内閣提出国土総合開発庁設置法案の両案を追加して、四案を一括議題となし、委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  11. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 森喜朗君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  日程第四、環境庁設置法及び行政管理庁設置法の一部を改正する法律案日程第五、恩給法等の一部を改正する法律案内閣法の一部を改正する法律案国土総合開発庁設置法案、右四案を一括して議題といたします。
  13. 前尾繁三郎

  14. 徳安實藏

    徳安實藏君 ただいま議題となりました四法案につきまして、内閣委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、環境庁設置法及び行政管理庁設置法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、環境行政の一そうの推進をはかるため、環境庁企画調整局環境保健部設置するとともに、行政管理庁の地方支分部局環境庁所掌事務に関する調査等事務を分掌させること、及び関東管区行政監察局近畿管区行政監察局総務部設置しようとするものであります。  本案は、一月二十三日本委員会付託、三月二十二日政府より提案理由説明を聴取し、昨五月二十三日質疑終了いたしましたところ、小宮山委員より修正案提出され、趣旨説明の後、討論もなく、直ちに採決の結果、全会一致をもって修正案のとおり修正議決すべきものと議決した次第であります。  次に、恩給法等の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、二三・八%の恩給年額の増額のほか、普通恩給等最低保障制度改善等十一項目改善措置昭和四十九年十月一日から実施しようとするものであります。  本案は、二月十二日本委員会付託、二月十四日政府より提案理由説明を聴取し、慎重審議を行ない、五月二十一日質疑終了、昨二十三日、討論もなく、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。  なお、本案に対し、自由民主党日本社会党公明党及び民社党各党共同提案により、調整規定制度化及び恩給の一律アップ方式の再検討等項目にわたる附帯決議全会一致をもって付されました。  次に、内閣法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、最近における行政事務の複雑、多様化に対処するため、内閣の機能を強化する必要上、国務大臣の定数を一人増加して二十人とすることであります。  本案は、本日本委員会付託提案者を代表して小宮山委員より趣旨説明を聴取した後、質疑討論もなく、直ちに採決の結果、多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。  次に、国土総合開発庁設置法案について申し上げます。  本案は、国土総合開発に関する行政を総合的に推進することを主たる任務とする国土総合開発庁設置しようとするものでありまして、そのおもなる内容は、  第一に、総理府の外局として国土総合開発庁設置し、その任務及び権限並びに組織を定めること。  第二に、同庁の長は、国土総合開発庁長官とし、国務大臣をもって充てることとし、その権限を定めること。  第三に、国土総合開発庁設置に伴い、国務大臣を一人増員するための内閣法改正関係省庁設置法改定、その他関係法律整備を行なうこと。 等であります。  本案は、昨年の第七十一回国会提出され、今国会継続となっていたものでありまして、今国会におきましては、五月九日質疑に入り、慎重審議を行ない、五月十七日質疑終了、本二十四日、小宮山委員より、国土総合開発庁の名称、任務所掌事務権限組織等に関する修正案提出され、趣旨説明の後、討論に入り、日本共産党革新共同中路委員及び公明党鈴切委員より、それぞれ反対の意見が述べられ、採決の結果、多数をもって修正案のとおり修正議決すべきものと決しました。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  15. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) これより採決に入ります。  まず、日程第四及び第五の両案を一括して採決いたします。  日程第四の委員長報告修正、第五の委員長報告可決であります。両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも委員長報告のとおり決しました。  次に、内閣法の一部を改正する法律案、及び国土総合開発庁設置法案の両案を一括して採決いたします。  両案中、内閣法の一部を改正する法律案委員長報告可決、他の一案の委員長報告修正であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  17. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり決しました。      ————◇—————  日本勤労者住宅協会法の一部を改正する法律   案(建設委員長提出
  18. 森喜朗

    森喜朗君 議事日程追加緊急動議提出いたします。  すなわち、建設委員長提出日本勤労者住宅協会法の一部を改正する法律案は、委員会審査を省略して、この際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
  19. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 森喜朗君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 御異議なしと認めます。よりて、日程は追加せられました。  日本勤労者住宅協会法の一部を改正する法律案議題といたします。
  21. 前尾繁三郎

  22. 天野光晴

    天野光晴君 ただいま議題となりました日本勤労者住宅協会法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。  御承知のとおり、日本勤労者住宅協会は、議員立法として制定された同協会法に基づき、昭和四十二年に設立されたものでありますが、以来、今日に至るまで住宅金融公庫の融資つき住宅等三升七千余戸を勤労者に供給する等、相当の実績をあげてきているのであります。  本案は、年金福祉事業団が、同事業団法改正によって、昭和四十八年度より新たに、被保険者がみずからの住宅を取得する場合に必要な資金事業主等を通じて貸し付けることができることとなったため、日本勤労者住宅協会におきましても、同協会法業務に関する規定を改め、同協会が譲渡する住宅及びこれに付随する宅地等を取得する厚生年金保険または船員保険の被保険者に対し、同協会年金福祉事業団から借り入れた資金の貸し付けを行なう業務を追加しようとするものであります。  この措置により、今後、これらの被保険者が同協会分譲住宅等を購入する場合は、同協会を通じても、頭金として一定限度額融資を受けることができることとなります。  以上が、本案提案趣旨でありますが、何とぞすみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。(拍手)     —————————————
  23. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 採決いたします。  本案可決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案可決いたしました。      ————◇—————  大気汚染防止法の一部を改正する法律案(内   閣提出参議院送付
  25. 森喜朗

    森喜朗君 議事日程追加緊急動議提出いたします。  すなわち、この際、内閣提出参議院送付大気汚染防止法の一部を改正する法律案議題となし、委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  26. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 森喜朗君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  大気汚染防止法の一部を改正する法律案議題といたします。
  28. 前尾繁三郎

  29. 角屋堅次郎

    角屋堅次郎君 ただいま議題となりました大気汚染防止法の一部を改正する法律案について、公害対策並びに環境保全特別委員会における審査経過並びに結果について御報告申し上げます。  本案は、硫黄酸化物等による大気汚染状況改善をはかるため、一定範囲地域における大気汚染物質排出総量許容限度を科学的に算定し、これ以下に排出総量を押えるよう個別発生源規制を行なう、いわゆる総量規制方式を導入しようとするものであります。  そのおもな内容について申し上げますと、  第一に、工場または事業場が集合している地域で、現行の規制方式のみによっては環境基準確保が困難であると認められる地域として、硫黄酸化物その他の政令で定めるばい煙ごとに指定する地域にあっては、一定規模以上の工場または事業場において発生する指定ばい煙について、都道府県知事は、指定ばい煙総量削減計画を作成し、これに基づいて、総量規制基準を定めなければならないこととしております。  第二に、指定ばい煙総量削減計画は、当該地域における事業活動その他、人の活動に伴って排出されるばい煙総量を、環境基準に照らし算定される総量までに削減することを目途として、その地域特定工場等から排出される指定ばい煙総量削減目標量及び計画達成期間等について定めるものとしております。  第三に、都道府県知事は、指定地域において硫黄酸化物を排出している一定規模以下の工場または事業場が順守すべき燃料使用基準を定め、この基準に適合しない燃料を使用していると認めるときは、燃料使用基準に従うべきことを勧告することなどができることとしております。  その他、この制度実効性を担保するため、改善命令等所要規定などを設けることといたしております。  本案は、参議院先議にかかるもので、去る五月十七日同院において本案修正議決し、本院に送付されたものでありますが、その修正内容は、特定工場等ばい煙発生施設において、ばい煙排出者は、総量規制基準に適合しない指定ばい煙を排出してはならないものとするとともに、この規定に違反した者について罰則を設けることとしたことであります。  本委員会におきましては、同十七日に三木環境庁長官から提案理由説明を聴取し、二十二日には大塩大阪公害監視センター次長ほか三名の参考人より意見を聴取するなど、慎重に審査を重ねてまいりました。  特に、窒素酸化物総量規制実施時期並びに窒素酸化物防除技術の問題、指定地域における工場等の新増設に対する規制の問題、総量規制実施に必要な技術専門家確保と養成の問題、さらに、中小企業公害防止施設整備に対する金融及び助成措置問題等について、熱心な質疑が行なわれましたが、これらの詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  かくして、本日質疑終了いたしましたところ、日本共産党革新共同木下元二君から修正案提出され、趣旨説明を聴取し、採決を行ないましたところ、日本共産党革新共同提出修正案は否決され、次いで、本案について採決を行ないましたところ、全会一致をもって参議院送付案のとおり議決すべきものと決した次第であります。  なお、本案に対し、自由民主党日本社会党公明党及び民社党の四党共同提案にかかる、脱硝技術開発を強力に進め、窒素酸化物指定ばい煙として指定するようつとめること、特定工場等規模等に関する総理府令の制定にあたっては、指定地域の特性を十分反映するよう配慮すること、工場等の新増設については、規制基準を厳格にすることにより、立地規制の効果をあげること等を内容とする九項目附帯決議を付することに決しました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  30. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 採決いたします。  本案委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  31. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  発電用施設周辺地域整備法案(第七十一回国   会、内閣提出
  32. 森喜朗

    森喜朗君 議事日程追加緊急動議提出いたします。  すなわち、この際、第七十一回国会内閣提出発電用施設周辺地域整備法案議題となし、委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  33. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 森喜朗君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  34. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  発電用施設周辺地域整備法案議題といたします。
  35. 前尾繁三郎

  36. 濱野清吾

    濱野清吾君 ただいま議題となりました発電用施設周辺地域整備法案につきまして、商工委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  わが国の電力需要は、国民生活水準向上経済社会の進展に伴い、今後とも相当の伸びが予想されますが、これに対応するための発電所建設は、地元の同意が得られない事例が多いため、そのおくれが目立っておりまして、このままでは数年後には電力不足の問題がきわめて深刻化することが憂慮されているところであります。  このように地域住民同意を得がたい原因といたしましては、一つには、環境問題及び原子力発電所に関する安全問題があり、これらの対策に最大限の努力を続けるべきことは言うまでもないところでありますが、立地難のいま一つ理由として、発電所が立地しても、雇用の増大その他地域経済の振興に寄与するところが、他産業に比してきわめて少ないという点があげられるのであります。  本案は、このような事情にかんがみ、発電所等周辺地域におきまして、住民福祉向上に必要なる公共用施設整備を推進することにより、電源立地円滑化をはかって、電力安定供給に資する目的をもって提案されたものであります。  本案の要旨は、  第一に、国は、原子力、火力、水力等発電用施設設置計画されている地点のうち、その設置が確実であること、設置円滑化をはかるために、公共用施設整備することが必要と認められること等、一定の条件に該当する地点を指定すること。  第二に、都道府県知事は、指定地点が属する市町村及び隣接市町村の区域における道路、港湾、漁港、都市公園水道等公共用施設について、整備計画を作成し、国の承認を求むること。  第三に、国は、整備計画に基づく事業の経費に充てるため、地方公共団体に対し、電源開発促進税を財源とする交付金を交付することができること。  このほか、整備事業に対する発電用施設設置者の協力及び国の財政、金融上の援助について定めること。 等であります。  本案は、さきの第七十一回国会提案され、当委員会付託された後、継続審査となったものでありますが、今国会におきましては、三月十二日、本会議において内閣修正について承諾の議決があり、四月二十六日、中曽根通商産業大臣より、あらためて提案理由説明を聴取いたしました。  五月十一日より質疑に入り、その間、学識者六名の参考人から意見を聞く等、慎重な審査を重ねてまいりましたが、本日質疑終了し、日本社会党日本共産党革新共同及び公明党から、それぞれ反対討論が行なわれ、採決の結果、本案は多数をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第でございます。  以上、御報告いたします。(拍手)     —————————————
  37. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 討論の通告があります。順次これを許します。板川正吾君。   〔板川正吾君登壇
  38. 板川正吾

    ○板川正吾君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました発電用施設周辺地域整備法案について、反対の討論をいたします。  反対理由の第一は、本法案は、政府発電所建設に反対する地域住民の真意を理解せず、悪税といわれる電源開発促進税を新設し、札束で住民の反対運動を切りくずし、原子力発電所建設を促進しようとするものであります。このやり方は、いかにも思いつきの金権万能的発想で、人間の尊厳を無視する悪法であるという点であります。(拍手)  私は、政府や電気事業者が、もし円満に電源立地を促進しようとするならば、原子力発電の安全確保や公害防止を万全にし、誠意をもって忍耐強く地域住民と話し合い、納得と信頼を得ることが先決であると存じます。  しかるに、本法案は、電源立地地域が過疎地帯であり、住民の権利意識が弱いという弱点につけ込み、安全性に問題のある原子力発電や、公害の発生源となり得る火力発電を、交付金をえさに、安直に建設しようとするものであり、その人間軽視の考え方にわれわれは強く反対せざるを得ません。(拍手)  反対理由の第二は、本法による電源開発促進税は、目的税というが、結局は、国民大衆の負担に転嫁される悪税であるという点であります。いかなる名目であろうとも、新税は悪税であります。  御承知のように、政府は、このたび、電力九社の一斉値上げを認め、国民は、電気料金の大幅値上げによって、年間一兆五千億円にのぼる金額を直接、間接に負担することになりましたが、その際、従価税である電気税が、自動的に六百億円も増徴された上に、新たに電源開発促進税として、平年度三百億円を増税されるのであります。  このように、一般消費者に直接課税される電気税や電気料金に織り込まれる電源開発促進税は、本来、生活費に課税せずという原則に反するものであり、政府は、昨年一兆八千億円をこえる膨大な税の自然増収を得ながら、狂乱物価にあえぐ国民にさらに新税を課するということは、国民生活を破壊するものとして、断じて容認することができません。  反対理由の第三は、本法案の真のねらいが、石油価格の高騰、電力不足に名をかりて、安全性に疑いがある原子力発電所建設を促進しようとする点であります。  現在進められております軽水炉型原子力発電の安全性については、日本学術会議をはじめ、多くの良心的学者間において、数々の問題点が指摘されておるのであります。  すでに現在稼働中の発電用原子炉の六基中、実に五基までが故障または事故の実績を持ち、稼働率が四五%に落ち込んでいるものもあり、この十年間三十七件、四十七、八年の二年間だけでも十四件という、頻発している故障、事故の中には、万一その処置を誤れば重大な事故につながるおそれなしとしないことが指摘されているのであります。  さらにまた、原子炉の事故防止上重要な装置である緊急炉心冷却装置の有効性については、いまだに、国際的論争が続き、決着がついておりません。また、放射性廃棄物の処理方法についても、処理計画すら立っておらず、これはトイレのないマンションだといわれており、さらに環境放射能の規制基準も確定いたしておりません。  このように、原子力発電の安全性には、まだ多くの不安な要素があり、したがって、政府は、当面、安全性の確保に全力を注ぐべきであり、いたずらにその建設を急ぐべきではありません。  反対理由の第四は、政府は、国内にあるエネルギー資源の開発を放置しておきながら、せっかちに原子力発電の建設を進めようとする点であります。  われわれも、電力供給力の増加が国民生活の向上や国民経済の進展に不可欠であることは承知しております。しかし、だからといって、直ちに、今後の発電はすべて原子力にたよろうという結論にはならないのであります。  なぜなら、御承知のように、わが国はまだ未開発の水力発電可能量を二千五百万キロワットも持っており、さらに、夜間余っておる電力を揚水発電に利用すれば、千五百万キロワットの発電余力があるはずであります。  さらに、政府は、石炭火力発電等についても根本的に見直すべきであります。  政府はこうした国内エネルギーの開発にまず全力を注ぐべきであり、安全性に問題があり、しかも、アメリカに一〇〇%依存する濃縮ウランを使用する原子力発電の建設をなぜ急ぐのか。石油ではアラブに振り回されたが、原子力燃料では、今度はアメリカに振り回されることになるのではないか、この点、全く理解に苦しむところであります。(拍手)  反対理由の第五として、私は、政府原子力行政に対する国民の不信感に基本的な問題があることを指摘しておきたいと存じます。  政府がいかに、原子力発電は安全である、政府は責任をもって厳重に監視しているのだから安心してほしいと宣伝しても、科学技術庁における汚職事件、放射能測定データの捏造事件、放射性物質のずさんな管理事件が相次いで起きている現状や、原子炉設置に関する公聴会制度がいまだに法的根拠を持っておらず、重要なデータはすべて企業の秘密として公開されない、このように、企業の利益が国民の安全より優先するという、行政と企業の癒着がある以上、どうして国民は政府のことばを信用することができましょう。  また、わが国における大気汚染、水質汚濁等の公害、環境破壊の歴史を見ても、政府が過去において真剣に国民の健康と命を守ってきたならば、今日、世界に冠たる公害日本列島はなかったはずであります。  したがって、政府は、公害問題の経緯を謙虚に反省し、原子力発電についても、いたずらにその建設を急がず、原子力基本法に示された自主、民主、公開の原則をきびしく守り、国民の信頼を回復するよう努力すべきであります。(拍手)  最後に、われわれは決して原子力の平和利用に反対するものではありません。原子力発電が、その安全性について国民の理解と信頼が得られるならば、わが国エネルギーの安定供給に大きく寄与するものと期待するものであります。  しかし、日本は、世界で唯一の原爆被爆国であり、しかも地形、地質、人口密度等の立地条件が、アメリカ、英国、ソ連等の諸国と異なり、その安全性の確保には、念には念を入れるべきであります。単に、外国でやっているから心配はないはずだとか、そして安直な決断をもって、性急にその建設を進めるべきではありません。  したがって、新税を課し、安全性が確認されないまま原子力発電を促進しようという本法案は、すみやかに撤回されるよう強く要望して、反対の討論を終わります。(拍手
  39. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 神崎敏雄君。   〔神崎敏雄君登壇
  40. 神崎敏雄

    ○神崎敏雄君 私は、日本共産党革新共同を代表して、発電用施設周辺地域整備法案について、反対の討論をいたします。  まず第一に、エネルギー、電力危機についてであります。  今日、一般にいわれておる電力、エネルギー危機は、そもそも、アメリカの石油資本の要求に応じて、わが国の貴重な資源である石炭産業を破壊し、石油を中心としたエネルギー政策をとり続けてきた歴代自民党政府の対米従属政策にこそ根本的な原因があることは、いまや全く明白であります。政府は、その誤りを反省しないばかりか、今後の電源開発についても、原子力を中心に推進しようとしております。このことは、ウラン資源においても、また、その濃縮技術においても、全面的にアメリカに依存している現状からも、石油以上にますます深刻に対米従属を深めるものにほかなりません。  わが党は、いまこそ、政府のこのような対米従属のエネルギー政策を根本的に改め、石炭産業の民主的復興と、自主的で総合的なエネルギー政策の確立を強く主張するものであります。  第二の反対理由は、発電所建設が、これまでの大企業本位の高度経済成長政策を推進していく土台となるべき電源開発を推し進めようとするからであります。  電力多消費型である鉄鋼、化学、機械、紙、パルプなど、独占資本の育成のため、巨大な工業地帯の建設や、また特約料金などに見られる電力料金制度など、政府が一貫して大企業優先政策を推進してきた結果、大企業の電力需要が急激に伸びてきました。これらの高度成長政策を進めてきた政府と独占資本が住民に与えたことは何であったかといえば、それは生命と健康並びに自然の破壊であり、公害汚染であります。また、国土の不均衡な開発による過疎過密等であります。  そうして、重要なことは、現在に至って、政府が、これらのことを省みず、さらに高度経済成長政策を促進しようとしていることにあります。  発電所建設は、本来、民主的な国土開発やエネルギー計画のもとに、住民の納得の上で推進すべきであるにもかかわらず、この法案は、大企業本位の高度成長政策に奉仕する発電所建設計画を強引に推し進めようとするものであります。  第三は、原子力発電所の安全性に国民が大きな不安を持っているということであります。  現在運転に入っている六基の原子力発電所のうち五基は、何らかの事故を起こしております。そのうちの二基については、出力を大幅に下げてしか運転ができない状態になっているのであります。原子力発電所周辺の放射能監視についても、核種分析は、政府自身も信頼性が失われたといっている日本分析化研で行なわれてきたものであります。しかも、そのデータは、わが党の再三の要求にもかかわらず、公開が拒否されているのであります。沿岸漁業に大きな影響を与えることが心配されておる温排水についても、政府は、排水基準の設定による何らかの規制措置の可及的すみやかな実施が必要といいながら、その時期についてはめどが立たないという無責任さを示しておるものであります。  使用済み核燃料の再処理工場は、原子力発電所の五十ないし百基分相当の放射性物質の排出や、年間数億キュリーにも及ぶ強い放射能を持った廃棄物の処理方法もないままに試運転を強行するかまえでおります。かかる危険な状態のまま原子力発電所建設を強行することに、私は断固として反対するものであります。(拍手)  第四の反対理由は、本法案が非民主的な方法で国民生活をさらに圧迫する点であります。  本法案は、関連法案とともに新たに電源開発促進税を創設し、それを発電所周辺地域に交付することによって、公害反対の住民運動を切りくずし、いわば札束で横づらを張るようなやり方で押えつけようとするものであります。いかなる理由をつけようとも、電源開発促進という名目で周辺地域にその税収を交付し、命と健康を守る国民の切実なる要求を抑圧することは、断じて許されないところであります。  福田大蔵大臣は、国会答弁で、本法案は反対運動の解消につながると言明いたしましたが、まさしく住民運動懐柔の露骨な意図を端的に示したものということであります。  また、公共施設の整備計画が自治体や地域住民の立場を無視し、しかも電力企業の公害防止義務を税金で肩がわりをし、物価を押し上げるに至っては、悪法と断ずるのほか何ものでもありません。  もとより、わが党は、原子力の平和利用そのものに反対するものではありませんが、本法案は、以上四点にわたり指摘してきたとおり、原子力発電の自主、民主、公開、安全の原則を無視していること、自然環境の破壊をそのままに、大企業本位の経済成長を進めようとしていること、電源開発の安全性確保、公害防止を放置していること、命と暮らしを守る国民運動を切りくずすことなど、まさに対米従属と大企業本位の、国民生活破壊の電源開発促進法である、このことをきびしく指摘をして、私の反対討論を終わります。(拍手
  41. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 近江巳記夫君。   〔近江巳記夫君登壇
  42. 近江巳記夫

    ○近江巳記夫君 私は、公明党を代表し、ただいま議題となりました発電用施設周辺地域整備法案に対し、強く反対の意を表明するものであります。(拍手)  今日、政府は、エネルギー政策のこれまでの無為無策をたなに上げ、原子力、火力発電所建設を強行しようとしておりますが、地元住民は強く反発する姿勢を示しております。安全性について問題の多い原子力発電所や公害発生源となる火力発電所設置計画に対し、住民が反対運動を起こすのは当然の権利であります。(拍手)  しかるに、本案はこのような反対運動を正面から受けとめようとせず、安全、公害問題には何ら触れることなく、単に札束をちらつかせて住民の意思をそらそうとするにすぎない、ごまかし法といわなければなりません。  以下、具体的に理由をあげて、本案に反対するものであります。  反対理由の第一は、いま申し上げたとおり、本案が、安全、公害問題を全く無視していることであります。  地域住民発電所建設に不安を抱く大部分の原因が、安全、公害問題にあることは、政府でさえはっきり認めるところであります。それにもかかわらず、この問題をないがしろにして、公共施設の整備という全く別個のものですりかえようとするのは、まことに誠意を欠いたやり方であります。  政府が、本案提出にあたって、安全確保、公害防止に決意を新たにして取り組む考えがあるならば、提案と同時に、あるいはそれ以前に、その計画を国民の前に明らかにすべきであります。それを怠って、とにかく安全です、公害は出しません、政府を信用しなさいというだけでは、とうてい納得することはできないのであります。  安全研究体制に例をとりましても、予算をつければ研究が進むだろうなどという政府の認識不足ぶりが暴露されたのであります。この状態では、国民が不安を持つのは当然であります。  第二は、特に、原子力発電所や核燃料再処理工場建設について、政府の施策は慎重さを欠いていることであります。  わが党は、国民の幸福のために原子力の平和利用が進められることについて、確とした政策を持っております。原子力発電につきましても、将来においてはエネルギー安定供給の有力なにない手になるものと期待しているのであります。しかし、まことに残念ながら、いまの政府が、その期待を裏切り、外国から輸入する軽水炉の設置をやみくもに急いで、その結果、故障、事故を続発させ、将来への基礎固めをむしろおくらせているのでありまして、きわめて軽率といわなければなりません。関西電力美浜原子力発電所のトラブルは、これを端的に示すものであります。  原子力について、世界のいかなる国も味わったことのないおそろしい体験をしているわが国におきましては、原子力開発にあたっては、世界最高の慎重さが必要であります。しかるに政府は、これを忘却して、ひたすら発電規模の拡大へと暴走しようとしておりますが、これは原子炉の暴走事故とは異なり、いまからでも十分阻止できるのでありまして、ぜひとも深い反省を求めたいのであります。(拍手)  その意味におきまして、原子力発電は火力や水力発電とは切り離し、原子力基本法の精神のもとに、別個の体系として独自の対策を講ずべきであるにもかかわらず、いずれも同列に扱っているのは、本案の重大な欠陥であります。  そもそも原子力発電は、国民に信頼される科学技術行政母体としなければなりませんが、最近、その行政をめぐる幾多の不祥事件が相次ぎ、逆に不信感を植えつけそうになっている実態は、遺憾にたえないところであり、この姿勢の正し方が何よりも先決問題であることをここで警告したいのであります。  第三に、本案は、政府がどのように説明しようと、あくまで産業の利益を追求するための開発法案にすぎないことを指摘いたします。  本案は、発電所の周辺において、道路、港湾その他の施設を若干整備することによって、地域住民賛成を求めようとするものでありますが、このようなねらいは見当違いもはなはだしいのであります。現在、周辺が多少便利になるなら、安全、公害をやかましく言うまいなどと考えるのは、目先の利益しか念頭にない一部の企業か、それを擁護しようとする一握りの為政者だけであります。  電力需給の見通しにおきましても、政府は、高度成長政策の反省がないまま、産業向け電力を優先的に考え、これが不足しそうだというので、あわてて本案のような小手先の策を思いついたのであります。  このような企業本位、経済優先の政策は、時代に逆行するものであり、とうてい賛成しがたいのであります。(拍手)  第四は、本案が決して地域住民福祉向上にならないということであります。  本来、過密過疎の解消、地域格差の是正を通じて住民福祉の向上をはかることは、国の固有の責務であります。その政策が満足でないのに、発電所建設しようとするところだけに金を回そうというのは、筋が通らないばかりか、発電所設置された周辺の市町村は、将来にわたって、金では解決できない心配をかかえるのであります。これはむろん住民福祉とは逆のものであります。さらに、損得を考えても、発電所設置後に市町村が必要とする巨額の安全監視対策費、公害防止対策費は、もらった交付金を上回る負担にならないかどうか、疑わしいのであります。  しかも、本案による交付金の財源は、電気料金に織り込まれるところの電源開発促進税であり、国民が大幅な電気料金の値上げとともに負担するものでありまして、完全な政府の責任転嫁であります。  以上、基本的な反対理由だけをあげましたが、要するに本案は金で片づけようとするものであり、金で人間の生命、健康、生活環境を買えるはずがないのに、あえて挑戦しようとしているように感ずるのであります。  昨日、本院におきまして、福田大蔵大臣は、金さえ出せば何とかなるという風潮は困ったものだ、特に政治の世界にそれが多いといった意味のことを語っております。政府はこの考えに立ち戻って、本案に再検討を加え、出直すよう強く要求をいたしまして、私の反対討論を終わります。(拍手
  43. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) これにて討論は終局いたしました。  採決いたします。  本案委員長報告可決であります。本案委員長報告のとおり決するに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  44. 前尾繁三郎

  45. 森喜朗

    森喜朗君 議事日程追加緊急動議提出いたします。  すなわち、この際、内閣提出電源開発促進税法案電源開発促進対策特別会計法案、右両案を一括議題となし、委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  46. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 森喜朗君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  47. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  電源開発促進税法案電源開発促進対策特別会計法案、右両案を一括して議題といたします。
  48. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 委員長報告を求めます。大蔵委員長安倍晋太郎君。     —————————————   〔報告書本号末尾掲載〕     —————————————   〔安倍晋太郎君登壇
  49. 安倍晋太郎

    ○安倍晋太郎君 ただいま議題となりました二法律案につきまして、大蔵委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  御承知のとおり、政府においては、最近における電力需給の逼迫の状況にかんがみ、発電所等周辺地域における公共用施設整備をはかることなどを通じて、その設置を積極的に進めることとしておりますが、この二つの法律案は、別途提案されております発電用施設周辺地域整備法案とともに、その施策の一環をなすものでありまして、発電用施設設置を促進するなどのための財政上の措置に要する費用に充てるため、新たに電源開発促進税を設けるとともに、これを財源として行なう電源開発促進対策を一般会計と区分して経理するため、特別会計を設置しようとするものであります。  初めに、両案の概要を申し上げますと、  まず、電源開発促進税法案は、一般電気事業者を納税義務者とし、その販売電気を課税物件とすること、税率を販売電気千キロワット時につき八十五円とすること、その他、税額の申告及び納付、納税地、記帳義務等について所要の規定を設けることといたしております。  なお、この法律は、本年十月一日から施行することといたしております。  次に、電源開発促進対策特別会計法案は、電源開発促進税の収入を財源として行なう電源開発促進対策に関する政府の経理を明確にするため、電源開発促進対策特別会計を設置し、一般会計と区分して経理すること、この特別会計において経理する対象を明確にするため、電源開発促進対策として、発電用施設周辺地域整備法に基づく交付金の交付及び発電用施設の周辺の地域における安全対策のための財政上の措置、その他の発電用施設設置円滑化に資するための財政上の措置を定めること、その他、この特別会計の歳入及び歳出について所要の規定を設けるほか、予算及び決算の作成及び提出、一時借り入れ金の借り入れ等、この会計の経理に関し必要な事項を定めることといたしております。  以上が両法律案の概要でありますが、両案につきましては、参考人を招致してその意見を聴取する等、慎重に審査を行ないました結果、本日質疑終了し、討論に入りましたところ、自由民主党を代表して三枝三郎君より両案に賛成の旨の、また、日本社会党を代表して山田耻目君、日本共産党革新共同を代表して増本一彦君、公明党を代表して広沢直樹君及び民社党を代表して竹本孫一君より、それぞれ両案に反対である旨の意見が述べられました。  次いで、採決いたしました結果、両案はいずれも多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  50. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 両案を一括して採決いたします。  両案の委員長報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  51. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)      ————◇—————
  52. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 本日は、これにて散会いたします。    午後五時四十六分散会      ————◇—————  出席国務大臣         大 蔵 大 臣 福田 赳夫君         厚 生 大 臣 齋藤 邦吉君         通商産業大臣  中曽根康弘君         建 設 大 臣 亀岡 高夫君         国 務 大 臣 小坂徳三郎君         国 務 大 臣 二階堂 進君         国 務 大 臣 保利  茂君         国 務 大 臣 三木 武夫君      ————◇—————