○正森
委員 原状回復されたということも厳重注意にとどめられた大きな理由になっている。これはお返しになりましたから姿勢を正されたという
意味では評価いたしたいと思います。しかしいま
安原刑事局長の答弁の中に、私事に関することであるということが出ましたが、もちろん大阪府の職員のように、職務に関して収賄をするというようなことではございませんが、かりに私事であったとしましても、たとえば
検察官、
警察官等が勤務時間外に、非常に申し上げにくいことですが、窃盗を働いたとかいうようなことになれば、これは私事とは言い切れない面があるということはお認めになると思うのですね。本件では、そういうようなものではございませんが、私がこの前指摘しただけでも、純粋に私事にわたることといってそれで済まされるものであるかどうかという点については非常に疑問があります。
たとえば、もうこの前名前を出しましたから遠藤
検事のことを申しますと、遠藤
検事というのは
最初土地を優先分譲を受けておったが、これは新住法で権利移転が認められるには十年かかるということで、もう一度新しい土地を入手したというわけですが、その入手するのについて
関係しましたのが信貴平一という、贈賄で
起訴され、贈賄以外にもいろいろ問題を起こしている人物であり、このときに、今度は
法律上問題がないような書類手続にしたいということで、遠藤
検事を、土地を提供した地主でないにもかかわらず地主に仕立て上げるという分譲手続をとった府の企業局の管理二課長代理の林利武というのは、これまた新住法
違反について収賄容疑で
起訴されている人物であるということになりますと、これは決して私事にわたることではなしに、本件の新住法
違反事件を
捜索するについてきわめて中心的な人物からいずれもこのような裏口分譲を受けておるということになるわけで、これは見方によっては、その間の
事情について何かそれ以上のものがあったのではないかというように
一般的にいえば疑われてもしかたがない事案であります。
そのことはお認めになったと思うのですが、そういう事案であるといたしますと、私は一そう遠藤
検事等につきましては姿勢を正した対処のしかたが必要であろう。三人の
検事のうち、金沢の
検事正をしておられた方は、これは定年間近であったということもありましょうが、三月末日をもって退職されて、表向きの発表はどうであるにせよ姿勢を正されております。その点特に、こういうように自分が分譲を受けるにつき世話をした人が二人までこの千里ニュータウン
事件についての中心人物であるという方と接触しておられ、その方たちのいろいろのあっせんまた不正によって自分自身も分譲を受けたということになりますと、それは私事と言い切れるかどうかという点は問題だと思いますが、いかがですか。