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田宮最高裁判所長官代理者 御
指摘のように、横浜におきますところの交通
事件、
簡易裁判所におけるところの交通
事件が最近急激にふえておりまして、これはやはり全国的な傾向でございますが、特に横浜で著しいようでございます。
御
承知のように、交通
事件の処理につきましては、反則金制度というものができまして、一時非常に減ったのでございますけれ
ども、四十五年以来急激にふえて、それに対する対策として、四十五年、四十六年にわたって
簡易裁判所の
判事、書記官、事務官等の
増員の措置等お認めいただいたのでございますが、現状においてもなおかつ足りないということで、四十九年度におきまして
簡易裁判所判事三名、書記官二名、事務官十二名の
増員ということもお願いいたし、ただいま審議いただいておるのでございます。
裁判のやり方が何秒間に一件ということでは裁判の形をなさないのではないか、こうした御
指摘は過去におきましても、反則金制度ができます前でございますが、墨田の
簡易裁判所でいわゆる在庁略式という形で処理しておったときも、いろいろそういった面の御批判がございまして、そういうふうな
関係もありまして反則金制度という制度が現在行なわれておるのでございます。まあ先生御
指摘のように、そういうような
状況ならばさらに新しい制度を考える必要があるのではないかということでございますが、制度の問題となりますと、
最高裁判所でこれをきめるというわけにまいりませんので、それについてどうこうと意見を申し上げる立場にはございませんが、さしあたりの問題といたしましては、やはり
職員を充実して、いやしくもそのような批判を受けないというふうな形の
事件の処理体制というものを何とかしてつくり上げなければいけないというふうに考える次第でございます。
なお速記の問題がございましたが、
裁判所におきますところの速記は、機械速記、速タイプという速記でございます。この速タイプを取り入れたというのは、いろいろ
理由もございますが、こうした機械速記ですと、手で書く速記よりも手があまり疲れないといったような点でしょうか、軽いタッチでもって符号が打てるというような点で、ある
程度の長い時間速タイプが打てるというふうな利点等も考慮してこういうような
採用に踏み切ったということに聞いておりますので、国会におきますところの速記とは違いまして、ああした機械速記ですと、ある
程度継続してタイプを打つということは可能ということで始まったようでございます。なお速記につきまして、単に速記機械を打つというだけではなくて、それの反訳という
仕事がございまして、反訳の時間というものがかなりの倍率になっておるのでございます。したがいまして、一時間速記のキーを打ちますとそれを反訳する際には九倍から十倍かかるといったような点もございまして、そういうような点で若干身体に障害を生じているという面もあることは確かでございます。