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1974-05-15 第72回国会 衆議院 文教委員会 第27号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十九年五月十五日(水曜日)     午前十一時六分開議  出席委員    委員長 稻葉  修君    理事 坂田 道太君 理事 塩崎  潤君    理事 西岡 武夫君 理事 松永  光君    理事 森  喜朗君 理事 木島喜兵衞君    理事 嶋崎  譲君 理事 山原健二郎君       有田 喜一君    上田 茂行君       片岡 清一君    河野 洋平君       田中 正巳君    床次 徳二君       楢橋  進君    羽生田 進君       林  大幹君    深谷 隆司君       三塚  博君    山崎  拓君       小林 信一君    長谷川正三君       山口 鶴男君    栗田  翠君       有島 重武君    高橋  繁君       安里積千代君  出席国務大臣         文 部 大 臣 奥野 誠亮君  出席政府委員         文部政務次官  藤波 孝生君         文部大臣官房長 井内慶次郎君         文部省管理局長 安嶋  彌君         文化庁長官   安達 健二君  委員外出席者         文教委員会調査         室長      石田 幸男君     ————————————— 委員の異動 五月十五日  辞任         補欠選任   久野 忠治君     片岡 清一君 同日  辞任         補欠選任   片岡 清一君     久野 忠治君 同日  理事小林信一君同日理事辞任につき、その補欠  として嶋崎譲君が理事に当選した。     ————————————— 本日の会議に付した案件  理事辞任及び補欠選任  文化功労者年金法の一部を改正する法律案(内  閣提出第八六号)  昭和四十四年度以後における私立学校教職員共  済組合からの年金の額の改定に関する法律等の  一部を改正する法律案内閣提出第八七号)      ————◇—————
  2. 稻葉修

    稻葉委員長 これより会議を開きます。  この際、理事辞任の件についておはかりいたします。  理事小林信一君より、理事辞任申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 稻葉修

    稻葉委員長 御異議なしと認めます。よって、辞任を許可するに決しました。  次に、理事補欠選任の件についておはかりいたします。  ただいまの理事辞任に伴い、理事一名が欠員になりましたので、これよりその補欠選任を行ないたいと存じますが、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 稻葉修

    稻葉委員長 御異議なしと認めます。それでは、嶋崎譲君を理事に指名いたします。      ————◇—————
  5. 稻葉修

    稻葉委員長 文化功労者年金法の一部を改正する法律案及び昭和四十四年度以後における私立学校教職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山原健二郎君。
  6. 山原健二郎

    山原委員 最初に、私学共済のことについてお尋ねいたします。  この私学共済の問題につきましては、いままで毎年審議をされ、そのたびに附帯決議がついているわけですね。附帯決議についての大臣の所信の表明、また法案提出にあたっての提案理由説明等があるわけですが、いままで私学共済についての附帯決議が何回行なわれているか、大体内容はどういうものであるか、それをちょっと伺っておきたいのです。
  7. 安嶋彌

    ○安嶋政府委員 附帯決議内容でございますが、ほとんど御審議のたびに附帯決議をいただいておるわけでございまして、私どもその実現に毎年努力をいたしておるわけでございます。従来、附帯決議の回数といたしましては、九回にわたって各種の御決議をいただいておるわけでございますが、必ずしも全部というわけではございませんが、かなり部分について実現を見ておることは御承知のことかと思います。  昨年の附帯決議について申し上げますと、昨年の附帯決議の第一といたしましては、「短期給付に要する費用についての国庫補助措置を講ずること」という点がございました。この点につきましては、私ども昨年の概算要求におきまして国庫補助についての検討を行なったわけでございますが、他共済との均衡問題等もございまして実現を見るに至らなかったわけでございますが、幸い、最近におきます私学共済短期給付の経理の状況も、数年前に比べましてはかなり好転をしておるような状況にあるわけでございます。しかし、健康保険に対する政府補助等関連考えますと、私学共済につきましてもやはり国庫補助が望ましいという考え方に私ども立っておるわけでございますが、この実現につきましては今後とも十分検討してまいりたいというふうに考えております。  第二の「長期給付に要する費用に対する国の補助率を百分の二十に引き上げる」という点でございますが、御承知のとおり、昭和二十九年に発足をいたしましたときはこの補助率が百分の十でございましたが、三十年には百分の十五になり、四十一年には百分の十六になり、四十七年には百分の十八という改善が行なわれたわけでございます。これに引き続きまして百分の二十に引き上げるべく努力をいたしておるわけでございますが、他の制度との均衡もございまして、まだ実現を見るに至っていないわけでございます。しかしながら、御承知のとおり四十九年度の予算におきましても、財源調整費として一億一千二百万円が計上されております。この額は、国庫補助率にいたしますと百分の一・七七というような比率になるわけでございまして、百分の十八の法定の補助率と合算いたしますと、百分の十九・七七という比率になっておるわけでございまして、実質的にはほぼ百分の二十程度に達しておるということが言えるかと思います。しかし、こうした財源調整費という形ではなくて、やはり国庫補助率の引き上げという形で今後とも努力をしてまいりたいというふうに考えております。  第三の「年金額改定のいわゆる自動スライド制については、給与スライドを採用し、すみやかにその制度化を図る」という点がございます。この点につきましては、実質的にはこうした趣旨取り扱いが近年行なわれておるわけでございまして、今年度におきましても実質的には国家公務員地方公務員年金改定に準じまして、給与を基準にいたしまして年金額改善するという扱いをいたしておるわけでございます。実質的にはほぼ附帯決議趣旨に従った取り扱いが行なわれておるわけでございますが、これを制度といたすことにつきましては、これまた他の共済制度あるいは他の社会保険扱い等との関連もございますので、さらに検討を続けてまいりたいというふうにに考えております。  第四に「長期給付については、厚生年金給付水準を下回ることのないよう必要な措置を講ずること。」という御決議がございましたが、今回提案をいたしております改正法案におきましては、最低額につきましては、通算退職年金最低保障額が保障されるということになっております結果、厚生年金を下回る給付水準というものは私学共済につきましては今後はないということになるわけでございまして、これはこのとおり実現をされたということでございます。  それから五番目の「新法による年金額最低保障措置国立学校教職員と同様に昭和三十四年から適用するよう」にという点がございますが、この点につきましては、今回の改正法におきましては、旧法年金者のうち、六十五歳以上の者につきましては、共済組合発足の当初にさかのぼりまして最低保障額適用するというふうな措置を講じておりますので、附帯決議の御趣旨はほぼ実現されたかというふうに考えております。  最後に、第六の私立学校教職員組合法適用外にある関係団体の職員を私学共済に加盟させることにつきましては、これは健康保険厚生年金制度との関連もございますし、他の共済制度との関連等から考えまして、きわめてむずかしい問題であろうかと思いますが、今後とも慎重に検討してまいりたいというふうに考えております。  以上、申し上げましたように、かなり部分について実質的あるいは文字どおり改善をされた部分かなりあるというふうに私ども考えておりまして、附帯決議の御趣旨につきましてはそうした形で努力をいたしてまいった次第でございます。
  8. 山原健二郎

    山原委員 きょうもおそらくまた附帯決議という問題があとで出るのではないかと思うのですが、毎年これは繰り返しながら、百分の二十の問題にしましても何となく解決されない。いま御説明のように努力もされておるとは思います。それからまた徐々に改善されている面はあるわけですが、たとえば他共済との関係とかいうこともしばしばいまの発言の中でも出るわけですね。けれども今日の私学問題から考えまして、私学助成問題を含めて、私学の尊重ということが重要な課題になった段階で、たとえば厚生年金農林年金というようなものと同一視して問題が解決をされないというところに疑問を感じておるわけですね。その点はどうですか。
  9. 安嶋彌

    ○安嶋政府委員 私学振興が大切であるということにつきましては御指摘のとおりだと思います。文部省もそうした方向で年来努力を続けてまいっておるわけでございまして、御承知のとおり経常費補助等を中心にいたしまして画期的な増額も行なわれておるわけでございます。しかし、私学共済制度は、先ほど申し上げましたように、やはり社会保障制度の一環という面は、これは否定できないわけでございます。制度改正につきましても、御承知のとおり社会保障制度審議会の答申を受けてこれをやっておる。社会保障制度審議会では各種社会保障制度を横並べにしていろいろ御批判をいただいておるわけでございます。そうした要素もこれはきわめて重要な要素であると感ずる次第でございます。したがいまして、そのワク内で事柄を処理せざるを得ないという点はございますけれども、その他の面、たとえば福祉事業でございますとか、掛け金負担区分の問題でございますとか、そうした面につきましては、私学特殊性あるいは私学振興重要性というものは十分念頭に置いておるつもりでございます。掛け金について申し上げますならば、都道府県からの補助があるとか、あるいは私学振興財団からの補助があるとか、あるいは福祉事業につきましても私学振興財団からの補助を受けておるといったようなことは、これは他共済あるいは他の社会保障制度には全く見られないことでございまして、そうした面におきまして、私学教育重要性というものは十分配慮しておるつもりでございますが、今後ともそうした面の配慮につきましてはさらに努力をいたしてまいりたいというふうに考えております。
  10. 山原健二郎

    山原委員 大体満場一致でいままで議決をして附帯決議その他が幾つかの法案について付加されるわけですね。そういうものをほんとうに尊重してそれを実現をしていくという態度をとってもらいたい。私はなぜそれを言っておるかといいますと、附帯決議をせっかくつけても非常にむなしい感じを抱くわけです。その一つの例として、この私学関係がありますから申し上げますが、最近の文部大臣発言、たとえばこの国会での三月五日に参議院内閣委員会答弁をしております私学問題。私学水増し入学についての質問に対して文部大臣は、私立学校法などを発動してこれを規制をする、四十九年からやりたい、こういうことを言っておられるのです。これは私は非常に意外に思ったわけです。いままでの決議内容、この私学振興財団法附則十三条、それから私立学校法の五十九条の十と十一項の修正あるいは附帯決議、こういうものについて文部大臣はよく知っておられたのかどうか。この点をいまの問題に関連して聞いておきたいのです。
  11. 奥野誠亮

    奥野国務大臣 私学につきましては、積極的に私学振興の立場で国として援助していくという努力を強めていかなければならないと思います。同時にまた、国民の側に立ちまして私学あり方についてのいろいろな批判がございまして、政府は何をしているのかというおしかりも国会においてもたびたびいただいておるわけでございます。そうしますと、国民の側に立って私学政府がどう対処していくか、その方法も与えていただかなければならないだろう、こんな感じを持っているわけでございます。いま御指摘になりましたのは、私立学校法規定されております監督規定、これが政令で定めるときから適用する、こういうことになっている。その政令で定めるときをいつに求めるかということの御意見であっただろう、こう思います。あの法案成立過程から見まして、あの規定を眠らせておけという趣旨じゃなくて、いつから発動するかということは政府が真剣に考えろ、こういう趣旨だろうと思います。政令で定めるときからということは、政府判断にゆだねられているのだろう、こう考えるわけでございまして、政府としては責任を預けられているのだ、こう私は読み取っているわけでございます。四十五年に私学についての経常費助成等も始められた、ついてはあの規定が入ったわけでございます。そのときに、専任教員給与の半分の助成を目途にして五カ年計画発足したわけでございまして、その五カ年計画の五年目が四十九年度でございます。当初考えられたとおりの助成は達成することができたわけでございます。私としては、さらに新しい計画をもって一そう充実につとめていきたい、こう考えているところでございます。そうしますと、政府げたを預けられている。いつから適用するか。当時のいきさつから考えますと、五カ年計画発足したわけでございますから、五カ年計画の達成されたときにはやはりその規定適用を始めるべきではないだろうか、こんな感じを持っているわけでございます。同時にまた、そのような姿勢をとることによってもう一段強い助成への努力を受け入れてもらいやすいのじゃないだろうか。そのことをしないで、さらにもう一段高い助成考え財政当局その他の人たちが理解を示してくれるだろうか、こう考えますと、疑問を持つわけでございます。そういうようなことから、国会皆さん方にもよく御検討いただければしあわせだと思いますので、私なりの気持ちを率直に申し上げてまいっているわけでございまして、いまもそのような気持ちを持っているところでございます。
  12. 山原健二郎

    山原委員 それが私は独断だと思うのです。政府のいわゆる立ち入り調査権、変更、中止勧告及び命令権というのがあるわけですね。それはその点ではずいぶんこのときに論議をいたしまして、そして私学自主性の問題、私学の持つ特殊性独自性というものをそこなわないということが論議をされまして、そして各党一致修正が行なわれた。その修正は、政令で定める日までは適用しないということ。同時に、いま附帯決議の問題を言いましたけれども附帯決議提案をされまして、そしてその附帯決議は、政令を定める場合は慎重に行なうべきであるということですね。これは私も記憶がはっきりしているわけですが、その点では河野洋平議員各党を代表して附帯決議提案をしました。それに対して政府を代表して坂田文部大臣発言、これは附帯決議についての発言ですから、ちょっと読み上げておきたいと思うのです。こういうことは私はだから尊重してもらいたいということです。坂田文部大臣が、附帯決議についてのこれは最後発言でございますが、「なお、本法案附則第十三条によって新たに設けられる私立学校法第五十九条第十項の規定については、これまでも再三申し上げましたように、これが実際に発動されるような事例のないことを願っているものであります。したがいまして、修正による附則第十四条第四項の政令につきましては、私どもとして今後私学助成の拡充につとめますとともに、この助成充実私学努力によって全般の水準が向上したにもかかわらず、なお教育研究条件質的低下をもたらすような学校が見られる場合には、この政令を定めることといたさなければならないものと考えます。また、その場合には、本委員会の御意向を十分に承ってこれを行なうようにすべきであると考えております。」本委員会というのは、この場所です。衆議院の文教委員会文部大臣発言されたのです。これは附帯決議についての政府の意思を発表しているわけですね。だから、この辺はあなたが発言される場合は、ほんとうに研究してやっていただかぬと、よその参議院内閣委員会でぽかっとそんなことを出される。われわれは率直に言って全くつんぼさじきで、そういうことが先行するその背景には、いま文部大臣がおっしゃったように、政府げたを預けられたものだ、だからおれのほうでかってにそのことはこういう段階判断をしていいんだ、そういう決定ではないのです。われわれがこの私学財団法を討議をして、結論を出し、修正をし、附帯決議をつけたときの本委員会決定というのは、いま坂田文部大臣発言のとおり、本委員会にはかって、そして十分に意見を聞く、こうなっているわけです。そんなことをやったですか。
  13. 奥野誠亮

    奥野国務大臣 政令で定める年度から適用するということは、政府責任判断をしろというように私は理解せざるを得ないわけでございます。政府がやってはいけないということなら、法律で定める年度から適用するとお書きになるべきものだろう、こう考えておるわけでございます。政府責任を預けられているのだ、その際には当然国会におきますいろいろなお考えは十分拝聴して、そして最後決定をすべきものだ、こう考えておるわけでございます。そういう気持ちもございまして、政府は何をしているのか、いろいろなおしかりをいろいろな方々からいただいておるわけでございまして、それにこたえまして五カ年計画で始まった経常費助成、五カ年目に達したわけでございますので、この際その規定適用を始めるべきだろう、またそうでなければ、さらに充実した助成に踏み切ろうとしても、多くの方々の支持を得ることが困難ではなかろうか、こう考えておるわけでございます。  私学についてもいろいろな問題がございます。ただ、規定をたてにして私学をとっちめてやろう、そんな気持ちはさらさらございません。私学と一緒になって、その充実に私たち努力をしていかなければならない。また、それらの規定を発動するにあたりましては、それなりの審議会がございまして、その審議会私学方々で占められておるわけでございますので、当然行き過ぎはあり得ない、こう考えておるわけでございます。私たちは、国民各層の間から起こっているいろいろな声に耳を傾けながら、責任政府に負わされているのじゃないだろうかなと、こう判断をしているわけでございます。まだ政令は発動しておりませんけれども山原さんの御意見のあるところは堂々とおっしゃっていただいたらいいのでございまして、私がそういう発言をすることはけしからぬとおっしゃることはどうも非民主的だな、こう考えるわけでございまして、私の気持ちも聞いていただきまして、また私の間違いは遠慮なしにお正しいただいたらけっこうでございます。しかし、最終的には政令で定めるわけでございますので、政府げたを預けられているものだ、こう判断をいたしているわけでございます。
  14. 山原健二郎

    山原委員 それは堂々と意見を言っていただいたらいいでしょうなどという問題ではないのです。この委員会がこの問題をめぐってずいぶん論議をしたその経過というものは、少なくとも文部大臣がかわったって前の文部大臣発言ぐらいはちゃんと勉強していただかないと困るのですよ。しかもこれをする場合には「その場合には、本委員会の御意向を十分に承ってこれを行なうようにすべきであると考えております。」少なくともあなたがそういうお考えがあるならば、それはこの委員会にこういう事態の中でこうしたいというふうなことも言われてもいいと思うのですよ。われわれも全く率直に言ってつんぼさじきで、これがぽかっと新聞に出て、しかも参議院内閣委員会。当委員会というのは文教委員会ですね。しかもここは教育の問題を論じておるところですから、それを全くその経過も知らないで、預けられたものだからおれのほうでかってに解釈をしていいという、この法案成立経過修正附帯決議、そしてそこで論議された各党議員発言、そして大臣答弁、こういうものはやはり尊重するという態度でなければ、いろいろな問題が、あちらこちらで重要な問題を文部大臣発言をされておられる、それは委員会を全く知らない状態で、文教行政の基本に関することがあちらでもぽかっ、こちらでもぽかっ、こういう傾向はあまりいいことじゃないですよ。だから私は、こういう発言をするのだったら、実際はこういうことも考えなければならぬと思うとか、いろいろ言い方はあると思うのです。あなたはちゃんと本年度から、四十九年度から私立学校法などの規定を発動させて規制を加える措置をとりたいとはっきり結論を出しておられるわけでしょう。どうしてここへおはかりにならないのですか。坂田さんが答弁の中で——答弁でなくて、これは最後決意表明になっているわけですけれども、本委員会におはかりします、十分に意向をお聞きします。こういう誠実な態度をどうしておとりにならないのですか。
  15. 奥野誠亮

    奥野国務大臣 内閣委員会での発言だと御指摘のようでございますから、おそらくそうだろうと思います。水増し入学その他私学あり方について、国民の側に立ってこれでよいのかというような詰問的な御質問をいただいたわけでございます。その際に、いろいろなことを考えているけれども、この私立学校法規定適用するということを検討すべきじゃないか、こういうふうにお答えをしたと思います。また、そういうことがございましたのでいま御議論いただいているわけでございまして、まだ国会も若干日があるわけでございます。形式的なものの問いかけもあるかもしれませんけれども、やはりそういう問題を提起されたときに、そのときそのときに政府側検討をしている点を明らかにするというような姿勢であっていいんじゃないだろうかと私は思うのでございまして、たいへん山原さんは形式を強くお考えになっているようでございますけれども、同時にまた私も法案成立のときの経緯を知らないわけじゃございません。そういうことを踏まえて申し上げておるつもりでございます。御意見の点も、今後もこの国会中に私はいろいろな意見が出てくることを期待しているわけでございまして、そういうことを慎重に踏まえて最終的な結論は出したい、かように考えているわけであります。
  16. 山原健二郎

    山原委員 水増しがあるとか、私学にいろいろな問題が起こっておるとかというようなことはここでもずいぶん論議をされました。そしてそれがよいことなどとだれも思っている者はおりません。それは何とかしなければならぬ。けれども、同時にそのこともこの法案審議されましたときに、あの当時すでにこういう問題が起こっておったわけですね。だからそれらを討議しながら、なお私学自主性その他の問題を相当深部にわたって審議をしてこの法案が成立しているのです。だからいま問題になって質問されたから、不都合なことがあるから、それじゃ私の考えでこれは規制をすべきだ、こういう単純な論法、私は形式の問題を言っているんじゃないのです。その深められた論議、そしてその中で私学をどうするかという論議のその重さというものを腹に入れていかないと、私は形式論議を言っているんじゃないのです。形式論議としても、そういう中で当文教委員会意向を十分に聞いてやります、こういう結果が出てきているわけです。これは文部大臣決意表明ですからね。そういう深さというものが感じられない。質問があったらおれが答えてどこが悪いか、こういうことを言っているのじゃないのです。また、あなたがこれを言ったからといって、直ちに何でもかんでも規制するなどという気持ち発言したものではないと思います。しかし、そういう経過を見て、そして慎重な態度をとる、この問題についてはいまの段階でおはかりをしますとかいうような態度をなぜとられないのか。もう四十九年度からやります、こういうことを言うから、いま私学の中では相当の混乱が起こっているわけでしょう。   〔委員長退席、松永委員長代理着席〕 あえて文部大臣がなぜそういう混乱を起こすのか。審議をすべき委員会はあるわけですよ。その委員会にはかって、私はこうしようと思うがどうだろう、こういうことが出されて、それが国会の権威を高める道じゃないですか。私はかまわぬからどうでも問われたらこう答えるんだ、それは普通の場合だったらいい場合もあるかもしれませんけれども、少なくとも事文教行政に関するそういう論議が行なわれておるこの場所へはかるということを私はすべきだと思うのですよ。これからどうされるのですか。もう一回言ってください。
  17. 奥野誠亮

    奥野国務大臣 私はいまも四十九年度から適用すべきものだ、こう考えております。四十五年に私学経常費助成が始められた、五カ年計画が打ち立てられたわけでございます。その五カ年目が四十九年度でございます。計画どおり進んだわけでございます。これからさらに飛躍的に助成充実したいと考える。その際に国民の間にいろいろな意見が起こっているのに、何ら対応策を持たないで助成だけふやしていくということについて、はたしてうまくいくものだろうかという疑問を持っているわけであります。また、そういう時期を見てあの規定適用しろという意味で、政令で定める年度から、こうなっていると考えるわけでございます。でございますので、いろいろなことを総合的に御判断をいただいて結論を出すべきじゃないだろうかなあ、こう考えているわけでございます。  私はそういう気持ちでおるわけでございますけれども、私一人が問題を決定できるものではございません。国会というものがございますし、与党というものがございますので、十分相談をして最終的な結論を出したい、かように考えているわけでございます。国会中におきましていろいろな御意見、なお出てくるだろうということは十分期待をしているわけでございます。期待しているわけでございますが、四十五年当初の御意見、それを御心配になっておった、それはそのとおりだと思います。そして五年たったのです。そのときの計画が一応達成されたわけであります。これからさらに一段充実策を講じていくのに、何もしないで充実だけすればいいじゃないか、できるんだろうかと私は疑問を持つのでございます。やはり国民の間にいろいろな声も起こっているわけでございますから、それも踏まえて、そしてもう一段助成をはかっていく。同時に、政府監督規定を働かす場合にも、私立大学審議会というものがあり、その審議会については各私学関係から委員を推薦される、そういうことで私学意見が十分反映されるような仕組みが講ぜられているわけでございまして、その意見を伺って監督規定を働かすということになるわけでございますし、また、私学をただいたずらにとっちめることで私学振興が達せられるなんということは夢にも考えていないわけでございます。しかし国民に対しまして、国民の期待にこたえるような道筋もとりながら、同時にまた国民に一そうの助成をしてくださいよ、同意してくださいよというような両面の態度をとっていかなければ困難じゃないだろうかなあ、私はこう思ってこんな問いかけを皆さん方に申し上げているところでございます。
  18. 山原健二郎

    山原委員 あなたの姿勢がちょっとおかしいのですよ。「本委員会の御意向を十分に承ってこれを行なうようにすべきである」という点は、それじゃもうそういうことをしなくてもいいというお考えですか。いまのお話では、与党に相談しなければならぬとかなんとか言っていますけれどもね。
  19. 奥野誠亮

    奥野国務大臣 私は形式的なことは考えておりませんで、私学あり方についてたびたび当委員会で御議論が出ているわけであります。端的に監督規定適用するかしないかという議論は出ていないかもしれませんけれども私学の現状がいいか悪いか、政府は十分な対応策をとっているかとってないか、たびたびいろいろな角度から御議論があったように私は考えておるわけでございます。総合的な御議論をいただいているわけでございますから、私は、この国会で問いかけという形じゃないかもしれませんけれども、この問題をめぐる御議論はあっているのじゃないだろうか、こう判断をいたしておるわけでございます。
  20. 山原健二郎

    山原委員 そういうことを言いますと、これは委員会決議でもありますよ。それは話にならぬですよ、そんなことなら。いままでここで私学の問題が出たことは事実。だからそれを総合的に判断して私がやればいいというものじゃないんです。いま言いましたように、この法案論議をするにあたってかなり論議が行なわれて、その中でこういう修正案、附帯決議が議決をされているのです。そしてそれに答えて文部大臣が、それを出す場合には当委員会にはかりますということを言っているものを、あなたのいまの御発言はこれを無視する考え方ですよ。そうすると、本委員会の議決の問題として私はちょっと理事会を開いてもらいたい。そんなことをかってにやられたら困るのですよ。ちゃんと発言されているのですよ。だめですよ、そんなことは。
  21. 奥野誠亮

    奥野国務大臣 速記録を拝見いたしますと「本委員会の御意向を十分に承ってこれを行なうようにすべきであると考えております。」こう言われているわけでございますし、私も、まだ国会がなお日があるわけでございますし、いまも山原さんの御意見を承らしていただいているわけでございますが、今後なおいろいろな御意見を積極的に承らしていただければしあわせだ、そういうことを全部踏まえた上で最終的な結論を出さしていただきます、こうお答えをさしていただいておりますし、また気持ちもそれには変わりございません。
  22. 山原健二郎

    山原委員 意見を承らしていただければ幸いだということではないのですね。これだけの論議をしてきめたものですから、かりにあなたが政令を出さなければならぬ時期が来たとお考えになれば、それは当委員会にはかったらいいのですよ。あなたのはかるべき仕事だと思うのですよ。そうして論議をしていくということですね。これがいままでの経過です。私は経過に基づいて話しているわけですから、いままでいろいろ言ったこと、それがその問題に反映をしているなどという問題ではなくして、もしあなたがいままでの凍結といわれておったものを解除してそして規制を強めていくという政令をつくるということなら、それをお出しになって、そして正当な論議をこの委員会でして、そしてその委員会意向を反映する、これが文章を読んだそのままですね。そういうきちんとした態度をとってもらわないと、私はいまこのことだけで質問しているわけじゃないので、たまたま附帯決議などというものを尊重するという立場で申し上げているわけですからね。そういうことをやられますか。
  23. 奥野誠亮

    奥野国務大臣 こういう御論議をいただいておるわけでございますので、こういう御論議をあらゆる機会を通じてお教えをいただければしあわせだ、こう思っております。私の申し上げておりますことを、皆さん方の御意見を伺っているのだ、こうおとりいただければ一番しあわせじゃないだろうか、こう思います。
  24. 山原健二郎

    山原委員 形式の問題ではなくして、たまたま私がこの私学共済関連しまして附帯決議の問題でこれを出しているわけですよ。私はこの問題でやろうとしているのじゃない。それは何もあなたのほうからお話もない。たまたまこれが出てきただけのことですね。ところが、そうではなくて、私ども坂田文部大臣がそのときにはこういうふうに当文教委員会意向を十分に聞きますということでこの法案に賛成したのです。そして附帯決議についても全会一致で決定したのです。これは私たち決定意向の背景になっているわけですね。それをあなたが無視されて、たまたま意見が出てきたらそれでいいのだというようなおとらえ方であると、これはちょっと、私は委員長にお願いして理事会を開いていただいて、委員会の議決というものについて、また大臣答弁というものについて再検討させていただかないと、これ以上質問できませんから、その点、委員長に御判断を要請いたします。
  25. 松永光

    ○松永委員長代理 速記をとめてください。   〔速記中止〕
  26. 松永光

    ○松永委員長代理 では、速記をつけてください。
  27. 山原健二郎

    山原委員 いまの問題につきましては、あとでまた理事会等でお話があるそうですから、この問題はおきます。  いま、この質問の中で、五カ年間の計画が達成した、こうお話になりましたが、確かに四十五年度から始まりました私学助成の五カ年計画、それはことしで最終年を迎えたわけですが、それで実際に計画が達成したのだと言われた。人件費を含む経常費の半額補助という問題ですね、その目標も——これは提案者の当時の文部大臣から報告がありましたので、専任教官の給与費の半額補助、本務教員の充実、それから授業料値上げをしなくても済むのではないか、これも提案でいわれているのですが、実際はそうもいかぬわけですね。計画達成と簡単に文部大臣はいま言われていますけれども、当初この法案ができまして五カ年計画を立てましたときには、授業料値上げなどというものも解消できる、そういう構想で発足をいたしました。ところが、現実はどうかといえば、御承知のようにことしも各大学とも学費の値上げをしなければならないという問題も引き続いてあるわけです。  それから、本務教員の一人当たりの学生数を調べてみますと、これは文部省からいただいた資料ですが、四十四年に一人の本務教員に対しまして、三十・三三人の学生でありました。ところが、四十七年には三十一・五二人、こうなっています。結局一人当たりの本務教員の受け持つ生徒数はふえているわけですね。これは一番大事なところでございまして、教育条件からするならば、むしろこの間に低下をしておるという数字が出ているわけです。これはどうですか。
  28. 安嶋彌

    ○安嶋政府委員 私大の経常費補助は、御承知のとおり昭和四十五年から始まったわけでございますが、当初は医歯糸につきましては教員給与の十分の三の補助、理工系につきましては十分の二、人文社会系その他につきましては十分の一ということでございました。それが五年後の今日に至りましては、各系を通じて十分の五の補助をすることになっているわけでございます。さらに、その後事務職員その他の職員の給与費も補助対象にする、こういう施策を打ち出しておるわけでございます。  したがいまして、私どもは教員給与の二分の一補助ということは一応達成されたと考えておるわけでございますが、しかし、問題が残っていないかと申しますれば、いろいろ問題が残っておるわけでございまして、そうした点の改善充実につきましては、さらに今後とも努力をしていきたいと考えておる次第でございます。  ただ、この効果いかんということになりますと、建物をつくるとか、あるいは設備の充実をするとかという補助金とは違いまして、補助の効果はなかなか的確につかみ得ない分があるわけでございます。しかし、教員の給与水準を見てみましても、年々改善をされておりまして、今日では多少の出入りはございますが、大学について申しますならば、ほぼ国家公務員並みの給与水準改善されてきたということが言えるかと思います。  また、経常費におきます学生納付金の比率、授業料の値上げがあったではないかというお話でございましたが、しかし、四十五年におきます経常費に対する学生納付金の比率は七七・四%でございましたが、今日はこれが六三・五%というふうに十数%低下しておるわけでございます。これは、六百数十億の補助金が出たことによりまして、もしそれがなければさらに大幅な値上げがあったであろう授業料の額がここまで押えられておる。   〔松永委員長代理退席、委員長着席〕 その結果、ただいま申し上げましたように、経常費に対する学生納付金の割合も年々低下しておる、こういうような効果があがってきたかと思います。  ただ、ただいま御指摘ありましたように、教員一人当たりの学生数ということになりますと、遺憾ながらこれはややふえておるわけでございますが、しかし、先ほどの政令の問題にいたしましても、そうした事態の解決の一つの方法として検討しておるということでございます。補助金は出したけれども、教員一人当たりの学生数がかえってふえるということでは、補助の効果を確保するという点からも問題があるのではないか、その点は、まさに御指摘の点が問題であろうと考えておる次第でございます。
  29. 山原健二郎

    山原委員 局長も少し答弁を短くしていただきたいと思います。  私学で一番問題になった点は、一つは、生徒数が多くて授業を理解さすことが困難だという嘆きといいますか、そういうものが非常に強いわけですね。教育、研究の問題からしましても、教育と研究の充実のために私学助成という問題が出てきたわけですから、その趣旨の一番根幹になる生徒数の問題になってきますと、漸増という形が出ていることはいなめないと思うのです。  それから、いま言われた私学助成によるメリットといいますか、それは私もわかっておるわけですよ。しかし、教育、研究の立場からするならば、依然としてこの五カ年間に低下している。そういう数字として、私はいま本務教員一人当たり学生数を示しました。  それからもう一つは本務教員の充実ということですけれども、その目標から見ましても兼務教員の比率がどうなっているかといいますと、四十四年には四四・九%でございましたが、四十七年には四六・三七%にふえています。これも文部省の資料です。その点では兼務者がふえているわけです。だから、籍を置いて腰を落ちつけて授業できる教育者の数はむしろ減っておる、こういう結果が出てまいります。その他教員の給与とかそういうものをいまおっしゃられましたが、そのことをいま私は触れませんが、教育、研究という立場から見ますと、明らかに低下しておる部分が多い。しかも非常に基礎的な部分でそういうのが多いということ。これは何といっても助成金の不十分さ、補助の不十分さというものがそれを証明しておると思うのです。  その点で、では一番根幹になる人件費を含む経常費の二分の一補助という、この大目標ではどうかといいますと、これはやられていないわけでしょう。たとえば四十七年にはおそらく二千五百億、これは振興財団の調査でありますけれども、その二分の一が出ておるわけではありません。それから四十八年、四十九年の場合、大体私学経常費は、どれくらいに押えていますか。私大協の調査によりますと、これは四十九年ですか三千三百億、二分の一とすれば千六百五十億というのが、この法律をつくりました当初の私学助成趣旨なんですね。それに対して皆さん方が今度出したのが六百四十億ですから、人件費を含む経常費の二分の一という大目標は計画達成どころか、達成していない。まさにここに大きな不満があるわけですね。そういう補助の不十分さというものが、いま私が言ったようなところへ出てきているのではないか、こう思うのです。これはどうですか。
  30. 安嶋彌

    ○安嶋政府委員 四十九年度の見込みでございますが、大学、短大、高等専門学校全体の経常支出は約四千三百十九億というふうに見込んでおります。しかし、ただいまお話がございました経常費補助は、一口に経常費と申しておりますけれども内容は御承知のとおり四つあるわけでございまして、一つは専任教員給与費、もう一つは専任職員の給与費、もう一つは教員経費、これは国立学校における教官当たり積算校費に対応するものでございます。もう一つは学生経費、これは国立学校における学生当たり積算校費に対応するものでございますが、そのそれぞれについて二分の一補助をしたいということが当初の目標であったわけでございます。経常費の全部について二分の一補助するということが必ずしも当初の目標であったわけではございません、したがいまして、現在積算されております補助金、これにも問題がないわけではございませんが、これが、ただいま申し上げましたように、一応年次計画が達成されたその姿において経常費総額の二分の一になっていないということは、これはいわば当初からわかっていたことでございまして、ただいま申し上げましたような基幹的な経費についての二分の一補助をやりたいということでございます。つまり経常費の全部について二分の一補助するということではなかったわけでございますから、そこに若干のズレがありましても、これは予想外のことだということにはならないわけでございます。  しかしながら、今後の課題といたしましては、私学経常費のさらに大幅な補助ということは、これは非常に重要な課題でございます。したがいまして、私ども私立学校振興方策懇談会というものを設けまして、五十年度以降における私学助成の基本的なあり方についてただいま御検討をいただいておる、こういう状況でございます。
  31. 山原健二郎

    山原委員 私は大体十二時十分ごろに終わりたいと思いますが、給与の問題につきましても、国公立の教員の給与の場合には補正予算も組むわけですね。ところが、私学の場合には補正も組まないという問題もあるわけです。だからこういう物価高騰の中で、実際にそういう問題も考えなければなりませんが、そういう国公立、私学の差別感というもの、それが依然として残っているという点、これは私どもは、国立と私立大学生の一人当たり経費の差を全額国が助成するというたてまえを持っています。それから、自民党の私学助成チーム、これは塩崎先生がチームの主任だとお聞きしておりますけれども、そのほうが出しておりまする試案を見ましても、大体その点では私どもと近い考え方が出ておるように思うのです。そういう助成策をとるべきだと思うのですが、それもまたとられていない。こういう状態ですね。これはどうですか。
  32. 安嶋彌

    ○安嶋政府委員 私学助成あり方につきましては、いろいろな考え方があるわけでございます。先ほど申し上げましたように、第一次の私学振興計画は、一応四十九年度で完成をしたというふうに考えておりますので、五十年度以降のあり方につきましては、文部省においても、また先ほど申し上げました私学振興方策懇談会におきましても、鋭意検討中ということでございまして、五十年度概算要求におきましては、新しい方向で私学助成の問題と取り組んでいきたいというふうに考えておるわけでございます。現在のところ、具体的な結論検討中ということでございます。
  33. 山原健二郎

    山原委員 その私学振興方策懇談会、これは文部大臣の諮問機関ですか、どういう機関ですか。
  34. 安嶋彌

    ○安嶋政府委員 これは、正規の法律政令等に基づく文部大臣の諮問機関ではございません。事実上御参集を願いまして、私学振興方策につきまして文部大臣に対していろいろ御意見を述べていただくという、そういう事実上の機関でございます。
  35. 山原健二郎

    山原委員 そうすると、文部大臣の諮問に応じて建議あるいは答申といいますか、そういうことばはともかくとして、何らかの意見を出されるわけですね。それはいつごろですか。
  36. 安嶋彌

    ○安嶋政府委員 正規の諮問機関ではございませんから、したがいまして諮問あるいは答申ということはないわけでございますが、しかし先ほど申し上げましたように、いろいろ御審議をいただきまして、その御論議をまとめていただき、御報告をいただきたいというふうに考えておりますが、時期といたしましては六、七月、おそらく七月になると思いますが、そういう時期を考えております。
  37. 山原健二郎

    山原委員 それが出てきたときには、どう取り扱うのですか。
  38. 安嶋彌

    ○安嶋政府委員 出てまいりましたならば、その御意向を十分検討また尊重もさせていただきたいというふうに考えております。
  39. 山原健二郎

    山原委員 それを尊重するということであれば、そういう私的な諮問機関といいますか、そういうものが、たとえばどういう論議をしておるのか。あるいは中間報告として辻は、この程度この問題については論議をしておるとか、それに対して私学関係者あるいは教育関係者が意見を出すとかいうような状況をつくり出すことが必要だと私は思うのです。私学問題がここまで来ているんですからね。実際にそれがどんな検討をしているのですか。全く七月の段階にぽかっと、答申ではないでしょうが意見としてまとめられて出てくる、それが最終的なものですか。それに対して意見を加えるとか、あるいは私学関係者の意見を聞くとか、そういうことはやられるのですか。
  40. 安嶋彌

    ○安嶋政府委員 審議の柱は三本ございまして、第一は私立学校の行政に関する問題でございます。たとえば、私立学校の認可制度あり方でございますとか、あるいは学校法人の設置基準、資産の確保のための措置等について御論議をいただいておりますが、これが行政に関する第一の問題でございます。  それから第二の問題は、大学その他の高等教育機関に対する助成の問題でございまして、助成あり方でございますとか、あるいは助成の効果を確保するためにはどういう措置考えるべきであるかとか、あるいは教職員の福祉の問題をどう考えるかといったようなことが議題でございまして、これが第二の分野でございます。  それから第三番目といたしましては、私立高等学校以下の振興方策でございまして、各地域における私立の高等学校や幼稚園のあり方、あるいはその助成の方策、あるいは父兄負担の軽減についてどういうふうに考えるか、あるいこれは大学について申し上げたところと同じでございますが、助成の効果を確保するためにどういう措置が必要であるか。こういった大きく分けまして三つの分野について、ただいま鋭意御検討をいただいておるわけでございます。  総会は過去に六回開いておりますが、ただいま申し上げました三つの分野につきまして、それぞれ小委員会を設けまして、現在小委員会における審議が進められておるという状況でございます。この懇談会には、御承知のとおり私学関係者が多数参加されておるわけでございます。全体で二十五名でございますが、そのうち私学関係者十二名ということでございますから、私学方々の御意向はこの懇談会には十分反映されておるというふうに考えております。したがいまして、あらためてこれ以外に私学関係者の意見を求める、そういう場所を公につくるという考えは持っておりませんが、しかし、いろいろな御意見が別にございますれば、それを懇談会に申し上げるとか、あるいは資料でお配りするといったようなことは、これは考える余地があろうかと思いますが、それ以外に特別に私学関係者の御意向を伺う機会を持つというふうには考えておりません。現状で一応足りておるというふうに考えております。
  41. 山原健二郎

    山原委員 私は、こういう人選について一つの提案をしたいのです。  二十名で構成されておりますけれども、いま十二名と言われましたが、そのうちの五名はいわゆる官僚の出身ですね。これは私、読み上げてもいいのですが、それから私の調べたところでは私学関係者は八人、それから財界の代表六人、識者ということになるでしょうか三名、これは経歴も調べてみましたけれども、たとえば鉄鋼連盟の理事であるとか日経連の常任幹事であるとかという人がずらずら並んでいるのですよ。しかもこれができたのは昨年の十一月過ぎですから、ちょうど物価高騰の時期ですね。鉄鋼連盟、石油連盟等のやみカルテルの問題なんかが論議され、そして悪徳商人の見本だなどということで財界に対して批判が集中しておるときに、財界の代表が六名も入っておる。その財界の代表がはたして大学について大所高所からの識見を持っている人かどうか、私はそれはわかりません。しかし、少なくとも見たところでは、そういう論文も発表したことはありませんし、そういう人が恣意的に集められているのじゃないか。しかも委員長は林修三さん、この方は御承知のように明らかに私学に対して私学助成は憲法違反だ、八十九条違反だ、しかも私学助成をやるならばきびしい規制をつくらなければならぬという人、それがこの委員会責任者になっているわけですね。今日、私学の危機で、私学の経営者も教職員もみんながやんやん言っているときに、まさにそのときに私学関係者の気持ちをさかなでするようなこういう人選をやっている。私は、こういうのはもっと公正な立場で人選をいたしまして、そしてもしその建議が尊重されるということであれば、たとえば公聴会を開いて私学関係者の意見を聞くとか、そういう民主的な構成をしなければだめですよ。だから私学問題は結局解決しない。依然として補助金は少ない。私学はいま文部大臣も認められておるように荒廃も起こっておるわけですね。今度の医師の国家試験の試験問題の漏洩なんというのは、真相はわかりませんけれども、これは厚生省の問題じゃなくて文部省責任ありますよ。しかも私立大学へ入るためには、特に医科歯科系へ入るためには何千万という寄付金も積まなければならない。いわば親はそれに対して投資をしていますから、その子供がその投資を回収するために何とかしなければならぬということで試験問題の漏洩ということも各地から起こっている。その真相もつかめない。これはまさに日本の教育の荒廃につながっているのですよ。どんなにじょうずなことを言おうとも、ますます荒廃。しかも、医者という人の命を預かるものまでこういう状態が起こってきている。これは厚生省の問題だと思って知らぬ顔できる問題じゃないのですよ。文部省の問題、文部省がどう責任を持つかということですね。その点は私は文部大臣にここで意見を伺っておきたいのです。今度の国家試験の問題についてどういう考えを持っておるか、それが一つです。  それからもう一つは、自民党のほうで今度出されておりますところの、十年間は国立の大学をつくらないというような意見も出ている。しかし、私学のほうはその大学進学希望者ををかかえて七八%か八〇%というようなそういう状態で四苦八苦している。こういうアンバランスですね。そういう中で日本の教育というものが非常に荒廃の方向に向かっている。どこかで解決しなければならぬ。しかも国立大学のほうは十年間はつくらないということになってくると、ますます重みが私学のほうへかかってくる。これなどについても文部大臣がどうお考えになっているのか、そういう考えに対して賛成をしておられるのかどうか、これも伺っておきたいのです。時間がありませんから、いまの二つの問題について文部大臣の見解を伺っておきます。
  42. 奥野誠亮

    奥野国務大臣 先ごろ医師国家試験についていろいろな問題が出てまいりましたが、従来から医師国家試験はもっときびしいものであってしかるべきではないかというような批判もあったりしたわけでございまして、最近なかなか簡単に合格しないという人たちも出てきておったやさきでございました。国家試験の権威を失墜したというおそれが出てまいりましたこと、ほんとうに残念なことでございます。あくまでも国家試験につきましては厳正公平、いささかも疑問を国民の間に投げかけないような姿で運営されていかなければならないと強く考えておるわけでございます。同時にまた、医科、歯科の大学につきまして裏口寄付金などの話があるわけでございますだけに、さらに一そうこういう問題に対処する姿勢を私たち真剣に考えていかなければならないと、みずからの問題を反省しているところでございます。  ただ、私学をとっちめてやろうというような気持ちはさらさらございませんけれども、いまのように私学について文部省は設置の認可と解散を命ずることだけであって、あとは何ら私学に対処する法的な根拠はないのだということはいかがなものだろうか、そういう意味で私は先ほど御議論のありましたような私立学校監督規定を四十九年度から適用したらどうだろうか、こういうようなことで問いかけているところでございます。  なおまた、今後大学を設置するしないの議論、これはいろいろな議論があってしかるべきだと思います。私は、今日もなお積極的に新学園を建設していきたい、各地方に新しい学園をつくりたい、そして教育、学術、文化の核を設けていきたい、そういうことを通じてわが国の国土全域にわたる文化の水準の向上をはかることができるのじゃないだろうか、かように考えているわけでございまして、過密のいわれているような大都市にこれ以上大学をつくることは避けていきたい、しかし、地方地方に日本の文化の向上の核となるような地点はぜひ積極的に開発をしていきたいものだ、こう考えているわけでございまして、また、その新学園には優秀な研究者、教育者に集まってもらって、多くの学生から期待の持たれるような大学をつくっていかなければならない、こうも考えているわけでございます。新学園の建設につきましては、今日もなお熱意を燃やしているところでございます。
  43. 山原健二郎

    山原委員 最後に、これ以上申し上げませんが、私ども私学をあなたの言われる何でも野放しにしていいというような考えじゃないのです。たとえば私学財団の民主的な改革とか、それからまた私学経営の民主化、たとえば経理の公開とか、そういうことはほんとうにオーープンな形で公明正大に学校にふさわしい運営をしていく、そしてその中で学生や教職員の要望にこたえていくという、そういう点で基本は何といってもそれを促進をしていくために国が大幅な助成をしていく。また来年度の予算の構成も行なわれる時期をずっと迎えてくるわけでございますけれども、実際にことし六百四十億という金では問題は処理されなかった。私が言いましたように、実質的には教育、研究の部面からいえば、どんなに言われようと質的な低下というものが来たされておる。これを解決していくということをぜひやってもらいたい。また、この点についてはこれからも十分論議されることと思いますから、本日の質問は私はこれで終わります。
  44. 稻葉修

    稻葉委員長 午後一時三十分に再開することとし、この際、休憩いたします。    午後零時十七分休憩      ————◇—————    午後一時四十一分開議
  45. 稻葉修

    稻葉委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  午前に引き続き質疑を続行いたします。長谷川正三君。
  46. 長谷川正三

    ○長谷川(正)委員 私は、いま議題となっております二つの法律案のうち、初めに昭和四十四年度以後における私立学校教職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案について若干の質問を申し上げたいと思います。  本法は私立学校教職員の福利厚生をはかるために設けられたものでありますけれども、それはさらに広く私学振興の国の施策の一環をなすものであるというふうに考えますので、具体的なこの法案の質疑に入る前に、一点だけ文部大臣質問を申し上げたいと思います。  それは、私学振興のための国の援助施策についての根本の御方針、根本の考え方としてどういう点をお考えであるか、この点につきまして大臣の御所見を伺いたいと思います。
  47. 奥野誠亮

    奥野国務大臣 私学学校教育に果たす役割りの重要性にかんがみまして、国は従来から私立大学の研究設備や理科教育設備に対する補助、私立学校済組合補助、日本私学振興財団に対する出資等の助成策を講じてまいりましたが、昭和四十五年度には私立大学等経常費補助金を創設し、これを年々拡充しておりまして、昭和四十九年度予算案では、前年度より四七・五%増に当たる六百四十億円を計上いたしました。また高等学校以下についても国の例に準じて経常費補助ができるよう地方交付税制度において財源措置を講じておる  ところでございます。  なお、今後の私学振興策につきましては、そのあり方について総合的に検討するため、昨年十一月に私立学校振興方策懇談会を発足させ、私立学校行政にかかる基本問題並びに私学振興の具体策あるいは父母の経済負担の軽減をはかるための施策等について調査、研究を進めているところでありまして、この懇談会の結論を待って私学助成の一そうの充実改善をはかり、私学教育、研究の充実、向上に資することとしたいと考えております。  なおまた、特に経済的な理由によりまして進学の困難な方々等のことを考えますと、希望者の全員に奨学金を貸与できるような仕組み、これも私学振興とからんで必要な施策だと、かように考え、これらの問題につきましても積極的に推進、努力をしていきたいと考えております。
  48. 長谷川正三

    ○長谷川(正)委員 いま大臣から表明されました所信の大部分につきましては、私どももぜひこれを推進すべきだというふうに考えます。しかし、先ほど来の山原委員の御質問に対する大臣の御答弁、やりとり等を伺っておりまして、私いまこの質問をする気になったわけでありますが、具体的にいろいろ援助方策をお立てになりますけれども、国公立の学校に対する私学振興という立場で国がいろいろ援助施策を講ずる場合、忘れてならない根本の原理と申しますか、考え方と申しますか、そういうものがあるのではないか、そういう点についてひとつしぼって、もし大臣にお考えがあれば伺わしていただきたい。
  49. 奥野誠亮

    奥野国務大臣 私学が果たしている社会的な役割り、それに対しましては国民全体がそれにこたえて経済的な負担をしなければならない、それはすなわち、税金の形でまかなわれる私学に対する助成だと考えるわけでございます。その点は国公立の場合と同じではないかと、かように考えているわけでございます。国公立の学校でやはりその学校の果たしている社会的な役割り、それに応じて税金の金で必要な経費をまかなっていくということだと思うのでございます。そのほかに設置者本来がまかなう、私学の場合には寄付金を集めて基金にする、そして私学考えるような教育、建学の精神を基礎にして学風をつくり上げていく、同時にまた先輩がこれに援助していくというような姿があろうと思うのでございます。そういうものは国公立の場合だってやはりあるのじゃないか、こう考えるわけでございます。したがいまして、国公立の学校に税金の金を使っているだけのものを私学に同じように使わなければならないというのは、私はいささか行き過ぎだ、こう考えているわけでございます。もし同じように使わなければならないなら、私学は国や地方公共団体に身売りしたと同じことになってしまうじゃないだろうか、こんな気持ちさえするわけでございます。  いずれにいたしましても、学校の社会に果たしている役割りが非常に大きなものでありますだけに、進学者がかりに三三%にすぎないといたしましても、相当なものは国民全体で負担するという仕組み、これを漸次強めていくべきじゃないだろうか、こういう考え方を持っているわけでございます。そういう意味合いにおいてどの程度私学助成を拡充していくかというめどにしていかなければならないのじゃないだろうか、かように考えているところでございます。
  50. 長谷川正三

    ○長谷川(正)委員 いまの大臣の御所見の中で、特に国公立と私学との格差というようなものをなくするというような点ではできるだけの財政負担も見ていかなければならない、こういうお考えが一つにあり、同時に、私学が建学の精神に基づいて独自の教育活動をなすことについてそれぞれの領域があるから、そういう面では、また逆に言うと、国公立と特に財政援助の面については何も同じにする必要はない、こういうふうにおっしゃられたと思います。前段の格差をなくすという点がしっかり押えられておれば、私はその後段についても肯定できると思います。そこで、もう一歩突っ込んで、全部国公立にしないで私学の存在を認めているゆえんから、この財政援助の問題と私学の問題というのをきちっと押えておきませんと、文教施策を誤るのではないか、私はこれを心配するものであります。特に、先ほどの御答弁山原委員との質疑応答を伺っておりますと、今日私立大学の水増し入学の問題であるとか、あるいはいろいろ財政的な腐敗が起こっているとか、その他もろもろの問題が吹き出している、これはよほど国がしっかり監督しなければならない責任がある、こういう姿勢大臣に見られたと思います。文部大臣として責任をお感じになるという意味ではわからないでもありませんが、ここが一番大事なところで、少なくとも今日まで戦後の教育制度あるいは大学制度の中で、私学についての考え方というのは与野党を通じて一致してきておりますし、政府自身もそういう考えに原則としては押えておると思うのは、私学に対しては援助して支配せず、この原則は、これを機械的なことを申し上げるわけではありませんけれど、先ほど山原委員も申しておられましたが、別に野放しにしろという意味ではございません。問題があればそれぞれに対処したやり方を考えなければなりませんが、何か問題があれば、結局文部大臣の権限、権力によってこれを取り締まるといいますか干渉するといいますか、そういうことによって正すのだという姿勢私学考える場合にもあるといたしますと、これはきわめて重大な問題だと思うのであります。私は、なくなられた前大蔵大臣の愛知揆一先生が文部大臣時代に、やはりこの文教委員会の席で、援助して支配せずというのを原則として私学援助については考えてまいります、ということを明確におっしゃったのをいまもあざやかに思い起こすのでありますが、この考え方について、根本的にゆらいできているのか、もうはっきり変更するというお考えなのか、いや、これはあくまで堅持するのだというお考えなのか、この点をひとつ明らかにしていただきたいと思います。
  51. 奥野誠亮

    奥野国務大臣 私も私学の存在を高く評価している一人でございまして、お互いに学風を競い合いながら多彩な人間を育て上げていく、それが日本の社会を大きく突き上げていく大きな力になるものだ、かように考えておるわけでございます。したがいまして、私学が自由濶達にその学風を伸ばしていく、この体制は守っていかなければならない、こう考えるわけでございます。しかし、御指摘になりましたように、私学の側にいろいろな問題が起こっているわけでございまして、文部省何をしているのかと国民の多くの方々からきびしい批判も投げかけられていることは事実でございます。先ほど来問題になりました私立学校法の中にあります監督規定、あの監督規定を動かす場合には私立大学審議会にはかることになっているわけでありますし、私立大学審議会の構成は私学がきめるようなかっこうになっておるわけであります。私は、あのたてまえ、よくできているな、こう思っているわけでございまして、監督規定を働かせます場合におきましても、いま申し上げましたように私学が自由濶達にその学風を伸ばしていく、それが私学私学たるゆえんであるし、また私学国民が期待しているゆえんでもある、こう考えているわけでございまして、そういう気がまえで今後も対処していきたいと思っております。
  52. 長谷川正三

    ○長谷川(正)委員 文部大臣の自由濶達な私学振興をはかるという、この点はぜひひとつお忘れなく。文部省何しているかと言われるから、すぐ文部省が権力を発動すればそれで問題が解決するというふうに非常に単線的なお考えではないと思いますけれども、この点はひとつぜひ今後とも十分留意をいただきたい。議論はすれば切りがありませんので、さっそく法案の中身に入らしていただきます。  まず最初に、この私学共済あるいは年金の問題について年々改善の御努力をいただき、その前進を見ておることは私どももこれを評価するものであります。今回も画期的といっては少し大げさですけれどもかなり大幅な前進を示している部分もあると思います。そこで、ごく簡単に、この年金制度についての今日までの改善経過を要約してひとつお答えをいただきたいと思います。
  53. 安嶋彌

    ○安嶋政府委員 私学共済組合は、御承知のとおり昭和二十九年に発足いたしたわけでございますが、昭和四十三年度までの私学共済年金と国公立学校教職員年金との間におきましてはかなり著しい格差があったわけでございまして、昭和四十四年の六十二国会におきまして、初めて既裁定年金改定に関する法律を制定していただいたわけでございます。その法律によりまして私学共済の既裁定年金も一挙に国公立学校教職員の四十四年度年金と同じ水準にまで引き上げられたことは御承知のとおりでございます。一方私立学校済組合法の第一条の二におきまして、「この法律による年金たる給付の額は、国民の生活水準その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情に応ずるため、すみやかに改定措置が講ぜられなければならない。」という規定がございます。この規定に対応いたしまして、実質的には国公立学校教職員年金改定との均衡を保つということをたてまえといたしまして、先ほど申し上げました四十四年度改定法以来、毎年国公立学校教職員に準じた年金改定を行ないまして、私立学校教職員共済組合法の一条の二にございますような趣旨に従った年金の実質的な価値の維持、改善につとめてまいったということでございます。四十四年度以降の各年度改定内容につきましては、すでに法律で明らかになっておりますので、基本的な考え方だけを申し上げた次第でございます。
  54. 長谷川正三

    ○長谷川(正)委員 しかし今度のこの改正案が提案されておりますが、文部省としてはさらにこれ以上のものを要求されておったと思いますが、その実現できなかった部分はどこですか。
  55. 安嶋彌

    ○安嶋政府委員 午前中にも申し上げましたように、長期給付内容は、これは社会保障制度の一環といたしまして、各共済と横並びの問題があるわけでございます。文部省といたしまして、従来の予算要求の形といたしましては、たとえば長期給付補助率を高める等の要求はいたすわけでございますが、その他の内容改善につきましては、恩給の改善あるいは他共済内容改善あるいは厚生年金等の内容改善を横にらみにいたしながら私学共済内容改善をはかっておるということでございまして、私学共済だけが特別の改善内容を掲げて関係方面と折衝をする、そういうやり方は従来からいたしていないわけでございます。
  56. 長谷川正三

    ○長谷川(正)委員 長期給付に対する国の補助率の引き上げについて、そうすると本年は要求どおりいっていますか。そうでないでしょう。
  57. 安嶋彌

    ○安嶋政府委員 長期の補助率につきましては、当委員会附帯決議にもございましたように、百分の二十の要求をいたしましたけれども、他共済との均衡からして百分の十八しか認められなかった。ただし財源調整費として約一億二千万円というものが計上されておりまして、これは比率にいたしますと百分の一・七七程度でございます。したがいまして、百分の十八の既定のものと合わせますと百分の十九・七ということになるわけでございまして、百分の二十という補助金の率は認められなかったわけでございますが、実質といたしましてはほぼそれに近いものが認められておる、こういうことでございます。
  58. 長谷川正三

    ○長谷川(正)委員 いまの御答弁は、たしかに山原さんの御質問のときにもあったように思いました。しかし百分の二十を少なくとも予算編成期に要求したということは、それについての他共済との関係ということをおっしゃいましたけれども文部省としては理論的根拠ありとして要求したのでしょう。
  59. 安嶋彌

    ○安嶋政府委員 そのとおりでございます。
  60. 長谷川正三

    ○長谷川(正)委員 それでは、これについては今後どうするおつもりか。
  61. 安嶋彌

    ○安嶋政府委員 私どもといたしましては、今後ともその方向で努力をしてまいりたいというふうに考えております。  こうした要求をいたしましたその理由でございますが、私学教育振興ということもございますけれども学校法人あるいは教職員掛け金の負担能力等を勘案をいたしますと、あるいは長期給付の経理の内容の実情を考えますと、やはり百分の二十の定率の補助を私どもとしてはぜひお願いをしたいということで、従来から努力をしておる次第でございます。
  62. 長谷川正三

    ○長谷川(正)委員 私学教職員給与水準の実態、したがって、掛け金あるいは長期給付内容、いろいろな面から見て、そういう要求をすることが必要であると考えて御要求をなすったといういまの御答弁は、私どもも心から同感をいたします。どうかひとつ、そういう実態でありますから、これはぜひ率でいきますように、今後特段の御努力大臣にも要望をいたしておきたいと思います。  なお、この年金の問題について私学諸団体からどういう御要求が出ているか、これは一々どういうことだからどうということでなくて、総括的にこういう要求が出ておるというようなことが、今日の改正以外にあるいはいまの二〇%問題以外にありましたら、お答えをいただきたい。
  63. 安嶋彌

    ○安嶋政府委員 従来の一番大きな御要望は、例の未加入校問題を解決してもらいたいということでございました。これは昨年の本委員会における御修正によりまして目的の大部分を達したわけでございます、それ以外と申しますと、私学関係団体でございます私立大学連盟でございますとか、中高連でございますとか、さらに特殊法人で申しますならば私学振興財団の職員等につきまして私学共済への加入を認めてもらいたいという要望がございますが、これは本来健康保険ないしは厚生年金のカバーすべき分野だと考えられますので、これを私学共済に加入させるということにつきましては、かなり基本的な問題もございますし、したがいまして、困難な問題もあろうかと思います。  ほかに、年金ではございませんけれども、退職手当の問題につきまして、何らかの公的な制度を設け、これに対して国からの援助が望まれるというような陳情は最近しばしば伺っております。
  64. 長谷川正三

    ○長谷川(正)委員 ただいまの、未加入というおことばを使われましたが、適用除外校ですか、この適用除外校の加入の問題について、私学側は、できたら一本にという願いを持っているようでございます。しかし、それぞれの共済制度の歴史もあったり現状もあったりして、一部まだ適用除外といいますか未加入といいますか、そういうのが残っていると思います。これについては、昨年その残っていたものについて加入の機会をたしか与えたと思いますが、そのときにはどうなったのか、結果について御報告を願います。
  65. 安嶋彌

    ○安嶋政府委員 私学共済の未加入問題と申しますか、あるいは適用除外校の問題でございますが、昨年の状況におきましては学校数で百七十一校、教職員数で約三万六千名のものが未加入という状況であったわけでございますが、昨年の法律修正によりまして再度加入の選択の機会が与えられたわけでございます。その結果、本年四月一日より百十二校、約二万二千九百人、学校の数にいたしまして約六六%、教職員の数につきまして約六四%のものが私学共済への加入を選択をいたしたわけでございます。したがいまして、これ以外のものが依然として未加入校というか、適用除外校として残っておるわけでございますが、おもな適用除外校は、たとえば早稲田大学、慶応大学等の比較的規模の大きな大学でございまして、しかも、いずれも健康保険組合が設立されておるという学校でございます。御承知のとおり健康保険組合がございますと、しかもその組合員の給与水準が比較的高いというような場合におきましては、比較的に低い掛け金をもって高い水準の給付が受けられるというような利点がございますので、ただいま申し上げましたような大学におきましては、学内におきまして私学共済に加入するかしないかという投票をいたしました際に、いずれも所定の票数が得られなくて加入の手続が進められなかったというような経過がございました。私どもは、昨年の選択の機会が最後の機会であるというふうに各大学に申しまして、ぜひ私学共済に一元的に加入する方向で、そうあるべきであるという方向で指導いたしたわけでございますが、ただいま申し上げましたような事情によりまして、依然として未加入校あるいは適用除外校が残っておるわけでございます。しかしいずれにいたしましても、この問題は昨年の御修正による再度の選択の機会を与えていただいたということによりまして、決着がついたというふうな理解をいたしておる次第でございます。
  66. 長谷川正三

    ○長谷川(正)委員 そうしますと、未加入校が今後たとえば、今回また改善されました私立学校共済ということから、どっちへころんでもこれはこちらのほうが有利だという判断が出てくる時期がないとは言えないような気がしますが、その機会は永久に閉ざすということですか。いまそういう前提で昨年加入の窓を一ぺん開いたんだから、それを閉じた以上は、そのときの約束からいってもできないということなんですか。そのお考えをちょっとお聞かせ願います。  それからもう一つは、加入については二つ条件があるのじゃないですか。その組合員の過半の賛成ということと、もう一つは、当該健康保険組合自体の賛成ということと、たしかそういうふうに伺っておりますが、その二つがそろわないと加入できないということで、この加入できないところの中に、多数は加入したいのだけれども加入できなかったというようなところはなかったのかあったのか。その点もわかっていましたら、ひとつお答えいただきたいと思います。
  67. 安嶋彌

    ○安嶋政府委員 加入の手続の問題を先に申し上げたいと思いますが、早稲田大学、慶応大学、立教大学等におきましては、加入希望者は投票総数の過半数には達しておりましたが、職員の過半数には達しなかったというようなことで、そこで手続がストップをしたわけでございます。それから明治大学におきましては、加入の賛成者が職員総数の半数をこえたわけでございますが、組合会におきましてその同意が得られなかったというような事情がございます。各大学におきましては、長期的に見て私学共済に入るほうが、教職員にとりましてもあるいは学校の経営の状態から申しましても得策であるという判断のもとにいろいろ働きかけが行なわれたわけでございますが、ただいま申し上げましたような主として健保組合のある学校におきまして、健保組合に引き続き加入しているほうが有利だという判断のもとに、依然として加入しない学校が残ったということでございます。  それから次に、将来とも加入の機会を閉ざすのかというお話でございますが、これは非常に大きな政策の問題でございますが、私どもといたしましては、制度の安定ということも当然考えなければならないし、そのつどどちらが得かという観点だけで入る入らないというような態度をおきめになることは、やはり基本的に問題があろうというふうに考えるわけでございます。でございますから、遠い将来のことはこれは何とも言えないわけでございますが、現段階におきましては、先ほども申し上げましたように、これは決着がついた、いつまでも加入するかしないかという問題を懸案という形で残しておくことは適当ではないであろうというふうに考えておる次第でございます。
  68. 長谷川正三

    ○長谷川(正)委員 一応そのたてまえは理解できますが、いまの御報告にもありましたとおり、早大、慶応大学、立教大学でも投票総数の過半はとっていた。明治では職員総数の過半もとってあった。にもかかわらず、実際は加入手続がとれなかった。こういう実態を見ますと、やはり教職員ほんとうの福利を守るという意味からいきますと、いま直ちにとはあるいは言えないかもしれませんが、あるいは今後、時の推移と実情の推移によっては、もう一ぺんこの問題を、だらだらというわけにいかないでしょうけれども、一ぺん解決の機会というものを考える必要が起こり得るのではないかというふうに心配しますが、その点はどうですか。
  69. 安嶋彌

    ○安嶋政府委員 ただいま申し上げましたように、遠い将来のことは何とも言えないわけでございますが、今日の段階ではこれはもうこれで終わりというふうに私ども考えていきたいと考えております。
  70. 長谷川正三

    ○長谷川(正)委員 この点は研究課題としてひとつ御検討願いたいということを申し上げて、私終わりたいと思います。  次に、文化功労者年金法の一部を改正する法律案について、ほんの少しでございますけれども質問を申し上げたいと思います。  まず今回、この年金を百五十万から二百万に引き上げるという御提案でありますが、この額が文化功労者に対する年金として適切とお考えですか。それともより改善をするほうがいいけれども、現状はこの程度にとどめざるを得なかったと  いうことでありますか。その点を明確にひとつお答えをいただきたいと思います。
  71. 井内慶次郎

    ○井内政府委員 文化功労者に支給されます年金の額は、制度創設の昭和二十六年五十万円でありまして、その後昭和三十九年に百万円、昭和四十六年度に百五十万円に改定されまして今日に及んでまいりましたが、四十六年以後におきまする国民の生活水準の向上あるいは社会経済事情の変遷には著しいものがございますし、文化の向上発達を一段と期するという見地からも、この際年金の額を改定して、この文化功労者年金法趣旨を達成することが必要かつ適切と考えまして、このたび年金額を二百万円に引き上げることとして御審議をお願いしておるものであります。  なお、年金額がどの程度がふさわしいかということにつきましては、この年金が功労者の生計費の補てんでありますとかあるいは研究費とか、文化関係の諸活動の経費の補助を直接目的とするという性格ではございませんで、功労者を顕彰するために支給されるという性格から、これを一義的に判断することがなかなかむずかしい事情にございます。したがいまして、必ずしも明確な数的根拠を示し得るものではないのでございますが、従前、先ほど申しましたように五十万から百万、百五十万と改定してまいりまして、五十万円ずつ増額をしてきた経緯でありますとか、さらに、これもあるいは結果的な数値のことでございますが、四十六年から四十八年人勧ベースまでの公務員給与の上昇率を念のためにとってみますと、三六・七%でございまして、約四割弱ということでございます。この辺の数値ともにらみ合わせが大体きくような数字に相なっておる。これは結果のことでございますが、このようなことからいたしまして、今回の百五十万円から二百万円への増加額は、私どもといたしましては妥当なもの、かように考えておる次第でございます。
  72. 長谷川正三

    ○長谷川(正)委員 お考えはわかりました。  そこで、この文化功労者にいたしましても、あるいは芸術院の会員とか学士院の会員を選ぶときにいたしましても、さらには日展の入選云々のごときにいたしましても、これは人間社会の持つ弱点と申しますか、いろいろな伏在した問題が、せっかくいい企画でも、運営を誤りますと起こってくることは御承知のとおりであります。文化功労者に関しまして、そういう点が万々一あってはならないと思うわけでありますが、この選考の基準といいますか、これはどういうところに置いていますか。
  73. 井内慶次郎

    ○井内政府委員 文化功労者につきましては、文化功労者年金法規定するところによりまして、文化功労者の選考審査会において、その候補者に関する事項を調査、審議するということになっております。したがいまして、文化功労者の選考審査会の委員をどのように人選し発令しておるかという点は、私どもも最も注意をし慎重に処理いたしておるところでございますが、文化功労者の選考審査会委員は、文化功労者年金法の定めるところによりまして十名とされております。人選にあたりましては、まず文化功労者の対象となりまする文化の範囲を特定のところに片寄ることがないようにするということがまず第一でございますので、委員の人選にあたりましては、人文科学、自然科学、芸術その他一般文化という広い範囲につきまして、それぞれの部門をいわゆる哲史文といわれまする文学関係の分野と社会科学系、法学、経済学の分野と、理学の分野と、法学の分野と、医学、農学の分野と、文芸の分野、美術の分野、芸能その他の分野に一応分けまして、一分野に偏することのないような選考委員の人選をまず行なうということが、第一でございます。  それから第二に、全国的視野に立って候補者が選考できまするように、各分野からの学織経験者、権威者を選ぶようにいたしておる次第であります。  委員の選考は、公平な立場で選考が行なえる者を選ぶという点に特に慎重を期しておりまして、学術、芸術その他文化一般の分野から、文部省責任におきまして慎重な選考を行なっておるところであります。  なお一つ補足いたしますと、昭和二十六年に文化功労者年金法案を政府から国会提案いたしました際に、参議院におきまして、委員の任期は二年が原案でございましたが、これが一年と修正をされまして、現在の文化功労者年金法が確定いたしておるわけでございます。その趣意は、文化功労者の選考がマンネリズムにおちいらないで、常にフレッシュな人選が行なえるようにするためには委員の任期は一年のほうがベターではないかという御趣旨と拝察いたしております。したがいまして、委員の選考にあたりましては、毎年毎年選考委員の発令をし直しておりまして、新たに委員となられる者、それから前年から引き続きおやりいただく方、もと委員をおやりになった方、こういう方々の数のバランスも見ながら選考委員の発令をいたしておるところでございます。
  74. 長谷川正三

    ○長谷川(正)委員 この功労者の選考は、最終的には文部大臣責任のようでございますけれども、この法律によると、選考審査会委員によって選ばれる、その委員は広く各分野から全国的視野に立って選び、なお任期は一年、こういうことですね。現在の十名の委員の方のうち新任の方は何人、再任の方は何人、それからもとおやりになって、しばらくやめて、今度また、だから元というのでしょうか、そういう方は何人か、それをお知らせいただきたい。
  75. 井内慶次郎

    ○井内政府委員 文化功労者選考審査会の委員は、九月の初めに発令しまして、任期一年ということでございますので、ただいまは四十八年に発令いたしました選考審査会委員でございますが、ただいまお尋ねの委員十名のうち、四十七年に引き続き再任の委員が一名、それから前年でなく既往におきまして委員をおつとめいただきました方が、四名、新たに委員にお願い申し上げましたのが五名、こういう比率と相なっております。
  76. 長谷川正三

    ○長谷川(正)委員 そうしますと、これは、一度選考委員になりますと年々再任されて、おなくなりになるとか、御病気でその任にたえないとかいうことにならなければ交代しない、そういうことではなくて、むしろほとんど毎年半数以上が、今回の場合は完全に五名が新ですから、半分は新しい方に交代しておりますが、それから四名の方も引き続きではなくて、前に経験をされた方が再び選ばれている、連続はお一人、こういうことのようですが、年々そういうやり方になっておりますか。
  77. 井内慶次郎

    ○井内政府委員 年によりまして全く新しい委員の数は若干浮動いたしておりますが、大体五名前後は新しい委員ということで従前から人選をさせていただいております。
  78. 長谷川正三

    ○長谷川(正)委員 わかりました。  それでは、こういう文化功労者、国民としては非常に信頼と尊敬と感謝を持つ方の選考にあたって万々一にも暗い影がささないよう、今後の運営に対して強く御要望申し上げまして、私の質問を終わります。
  79. 稻葉修

    稻葉委員長 高橋繁君。
  80. 高橋繁

    ○高橋(繁)委員 私は、文化功労者年金法の一部を改正する法律案につきまして、重複を避けて質問をいたしたいと思います。  いまも長谷川委員から質問がありましたが、今回年金が百五十万円から二百万円に改められる、生活水準ということから見ても二百万円が妥当である、このように答弁がありましたが、今後の物価の上昇というものを考え合わせると、そうした物価のスライドを考えて、将来にわたってこの年金改正をされてまいりますか、その点についてまず第一にお聞きいたします。
  81. 井内慶次郎

    ○井内政府委員 文化功労者の年金の額につきましては、先ほどもお答え申しましたように、顕彰にふさわしい金額ということで、一義的に特定の計数を押えて、それにスライドさせていくという決定のしかたはなかなか困難でございますので、やはり総合的に生活水準でありますとか社会経済事情の変遷等を見まして、必要なときに必要な改定を行なってまいりたい、かように考えております。
  82. 高橋繁

    ○高橋(繁)委員 文化功労者の年金関連することで、日本芸術院と日本学士院、こうした会員に対しても「予算の範囲内で文部大臣の定めるところにより、年金を支給する」ということになっております。現在、そうした芸術院、学士院の年金は幾らになっておりますか。
  83. 井内慶次郎

    ○井内政府委員 日本学士院並びに日本芸術院の会員の方に対しまする年金は、四十八年度百万円でございまして、四十九年度予算におきまして百二十万円に改定をするということに相なっております。なお、一般会員の方が現在百万円で、これを百二十万円に改定するわけでありまして、学士院、芸術院ではいわゆる役付の方にはもう少し年金額は多うございますが、一般会員は百万から百二十万、こういうことに今回直す予定でございます。
  84. 高橋繁

    ○高橋(繁)委員 そのように差があるわけですね。これは何でそういう差がつけられておるのか。日本芸術院あるいは学士院の方に対してもやはり同額の年金が支給されていいんじゃないかと思うのです。功労者年金と差をつけられているその根拠についてお答え願いたい。
  85. 井内慶次郎

    ○井内政府委員 文化功労者につきましては、ただいま御審議いただいております文化功労者年金法におきまして、「文化の向上発達に関し特に功績顕著な者」に対して、これを顕彰するために年金を支給するのだという制度のもとに文化功労者年金が支給されておるものであります。日本学士院、日本芸術院は、学術あるいは芸術に関しましての非常にりっぱな功績をあげておられる方に対しましての優遇機関でございます。その点は性格も共通な面がございますが、基本的に異なりますのは、学士院会員、芸術院会員は日本学士院、日本芸術院という機関を構成する者でありまして、日本学士院、日本芸術院それぞれ院賞の芸術院賞とか学士院賞等の選考でありますとか、そういうふうな具体の仕事も機関の一員としておやりいただくという面がございます。したがいまして、学士院と芸術院につきましては、そのような学士院会員、芸術院会員に対する優遇機関であると同時に、学士院、芸術院としての機能といいますか、それをやっていただくという観点等を見まして一応年金額を定めさしていただいておる、これに対しまして文化功労者につきましては、功績顕著という観点のみをとらまえて、顕彰ということで法律をもって特に年金額を定めておる、こういうことでございますので、その年金に若干性質の相違がある、特に文化功労者につきましては、昭和二十六年に新たに立法いたしまして、功績顕著な者に支給される年金は使用目的も制限なくまさに顕彰それ自体だ、こういうことでございますので、その辺の性格の相違を御理解いただければ幸いだと思います。
  86. 高橋繁

    ○高橋(繁)委員 芸術院会員あるいは日本学士院の会員の年金の今回の増額は、先ほどお答えのとおり二十万円ですね。功労者年金が五十万円であるということで、年金そのものにも差もありますが、この年金改定額が五十万円と二十万円とかなりの差があるわけです。年金そのもの基本の額が違うからそういうことにならざるを得ない、こう思うのですが、これらに対して心順次改定をしていかなくてはならないと思うのです。それと、芸術院の会員であり、あるいは学士院の会員である方で文化功労者年金法の該当者になっておる方があると思うのです。何名くらいおありですか。
  87. 井内慶次郎

    ○井内政府委員 文化功労者制度発足しまして今日まで文化功労者になられました方が全部で二百五十八名でございますが、文化功労者で日本学士院会員を兼ねておられます方が九十五人、それから文化功労者で日本芸術院会員を兼ねておられます方が九十三人、それから文化功労者で日本学士院会員と日本芸術院会員を兼ねておられます方が四人、それが決定数でございます。なお、その方々のうちで現在お元気で生存をしておられます方が、文化功労者で学士院会員を兼ねておられます方が三十五人、芸術院会員を兼ねておられます方が四十一人、学士院会員、芸術員会員両方を兼ねておられる方がお一人と、こういうことに相なっております。
  88. 高橋繁

    ○高橋(繁)委員 そうしますと、年金の問題は、たとえば芸術院会員であり学士院会員である方が功労者年金法に適用される場合は、年金は重複されていただくようになりますか、どちらか一本にしぼられるのですか。
  89. 井内慶次郎

    ○井内政府委員 すべて併給されております。両方出されております。
  90. 高橋繁

    ○高橋(繁)委員 学士院の会員はいわゆる学術上功績顕著な科学者、芸術院のほうはいわゆる芸術上の功績顕著な芸術家というようになっておりますが、文化功労者の選考にあたっては、先ほどもちょっとお答えがありましたが、文化一般について選考していくということになりますと、将来にわたってこうした学士院会員、あるいは芸術院会員全体を含めた文化功労者年金適用される方がふえていく、ふえていくといいますか該当していくということになりますか、そういう考え方でよろしいのですね。
  91. 井内慶次郎

    ○井内政府委員 ただいま御指摘のように、文化功労者年金の対象となります文化功労者につきましては、いわゆる学術、芸術、それ以外に一般の広い文化の範囲があるわけでございまして、またそういった文化の分野は時代とともに変遷もしますし、発達もしてまいるわけでございまして、その意味では文化功労者年金の対象といたしましては、学術、芸術その他広い文化一般、そういう方向で今後も選考が行なわれてまいることと存じております。なお、学術、芸術、その他という分野で、従前でございますと、たとえば放送事業とか、言論界とか、評論関係であるとか、それから教育関係の分野でありますとか、そういった分野等が従前から文化功労者の分野として対象とされてきておるものでございます。
  92. 高橋繁

    ○高橋(繁)委員 文部省からの資料でありますと、自然科学、人文科学、文学、芸術、その他、こういうようになっておりますが、一般のいわゆる埋もれた庶民の中にもそうしたいわゆる文化功労者に該当する方もあるのではないかと思うのです。そういう意味で、先ほども質問にありましたが、選考委員の場合でも、やはり選考委員の選出について、いま十名でありますが、人数をふやして、そして一般庶民の中からも広くそうした文化に貢献された方々が栄誉に浴するということを考えたらどうかと思うのですが、その辺のお考えはどうなんですか。それとあわせて、文化功労者の選考分野にいけ花、すなわち華道とか相撲もどうかというような話も出たというように聞いておりますが、その辺の検討をされた中身について、どのようになされておるのか、わかりましたらお答え願いたいと思います。
  93. 安達健二

    ○安達政府委員 この文化功労者年金法考え方は、その第一条にございますように、文化の発達に関し、特に功績顕著な方、こういう趣旨でございます。したがいまして、そういう趣旨から申しますと、やはり一定の、特にすぐれた人を顕彰する、こういうことでございますので、その数を増すかどうかにつきましてはやはりその辺での御判断の点が必要ではないかと私は考える次第でございます。  それから、この選考分野と申しますか、分野につきましては、いわゆる狭い意味の学術とか芸術だけに限らないで広くすべきではないかということが従来からいわれておりまして、先ほど官房長からもお話ございましたように、体育の関係、あるいは文化事業の関係、言論、教育というような面にもわたっておるわけでございまして、たとえば体育でございますると平沼亮三さん、それからマナスルの登山の槇有恒さん、それから柔道の三船久蔵さん、こういう方も入っておられるわけでございます。また、文化事業という意味で、松竹の演劇事業ということで大谷竹次郎さん、あるいは放送事業でNHKの会長でございましたか、小森七郎さんという方が入っておられるわけでございます。また教育の部面では森戸辰男さんが入っておられまするし、言論では毎日新聞の高石真五郎さんが入っておるわけでございます。したがいまして、従来の選考の過程におきましては、単に狭い学術、芸術だけの分野だけでなくて、広くその他の部面にも思いをはせて御選考をいただいておる、こういうのが実情でございます。
  94. 高橋繁

    ○高橋(繁)委員 せっかくの文化功労者、あるいは芸術院会員にしても学士院の会員にしても、従来、文化功労者年金あるいはそれに関連した勲章、こういうものを辞退をする方があるやに聞いておりますが、その辺の状況がわかりましたら、お答え願いたいと思います。
  95. 安達健二

    ○安達政府委員 私どもこの十年ぐらい関係をいたしておりますが、従来はそういう御辞退をされた方は一人もございませんでした。
  96. 高橋繁

    ○高橋(繁)委員 なければけっこうでありますが、そういうこともちょっと耳にいたしましたのでお聞きしたわけですが、そうした意味で広く一般の庶民からも、文化の貢献に尽くす、あるいは文化功労者年金者に値される方々、あるいは芸術院、学士院、文化勲章その他含めて、これらが日本の学術、芸術、文化の振興かなり影響を来たすことは間違いないと思うのです。したがって、そうした文化の向上、振興の面から、この問題について文部大臣の所見をひとつお聞きいたしたいと思うのです。
  97. 奥野誠亮

    奥野国務大臣 こういう方向で顕彰いたしますことが、各界の関係者の刺激にもなり、各方面が競って文化の向上、発達に対して御努力をいただく、そういういい環境をつくり上げることに大きな役割りを果たしてきている、かように考えているわけであります。
  98. 高橋繁

    ○高橋(繁)委員 それから、この年金法とはちょっと離れますが、いわゆる重要無形文化財、人間国宝といわれる方々が、いわゆる文化功労者である者もいるようでありますが、この重要無形文化財保持者に対する、それを保存するための政府補助金であるとか、あるいはそうした政府から出されているものについて、どれくらいのものが支給されておるのか、おわかりになればお答え願いたいと思います。
  99. 安達健二

    ○安達政府委員 現在いわゆる人間国宝といわれておりますのは、文化財保護法によりまして、重要無形文化財を指定する場合には、その文化財を体現しておられる——無形文化財は無形のわざでございますので、これを具体的に体現しておられるところの保持者を認定するということでございまして、いわゆる人間国宝という方々は、重要無形文化財の保持者に認定された方々でございます。現在約七十名の方々が指定を受けておられるわけでございます。そしてこれらの指定を受けられました七十人の保持者に対しまして、毎年、そのわざといいますか、その技能の維持、向上と、もう一つ無形文化財の場合には、伝承者と申しますか、後継者を養成していただくことが大事でございますので、そのわざの維持、向上と伝承者の養成に要する必要な経費の一部といたしまして、重要無形文化財保存の特別助成金というものを交付いたしておるわけでございます。現在その額は、昨年までは六十万円でございましたが、四十九年度から一人年額八十五万円に増額をいたしたということでございます。これはいわゆる年金ではなくて、そういうみずからのわざの練磨と、後継者の養成のための経費の一部に充てていただく、こういう意味で差し上げておるわけでございます。  そういう保持者を通じますところの無形文化財の保存のほか、こういう個人ではなくて、地方公共団体とか、あるいはたとえば文楽協会とか、そういう保存団体に対しましての費用助成をするとか、そういうような意味、それからもう一つは、現在、国立劇場におきまして歌舞伎や文楽が公演されておりますが、その国立劇場に対しまして四十九年度は約九億円の補助金を出しておる、こういうような形で、いろいろな形で無形文化財の保存に力をいたしておるわけでございますが、そのうちいわゆる人間国宝、重要無形文化財の保持者の助成という面でやっておりますのが、先ほど申し上げました重要無形文化財保存特別助成金の制度でございます。
  100. 高橋繁

    ○高橋(繁)委員 この人間国宝といわれている方方は、社会あるいはそれを取り巻く人たちからきわめて特別な目で見られるという場合もあるし、たいへんな拘束をされておる方もかなりおるようです。したがって、そういうことから見て、生活もたいへんな方も中にいる。せっかく人間国宝として重要無形文化財の保持者としてレッテルを張られておるわけでありますが、そういう方もかなりおるようであります。そこら辺を考えますと、六十万から八十五万に今回増額をされたのでありますが、一体これらの人たちに対してももう少し文化功労年金に近くなるような助成金をすべきだと思う。そしてせっかくの人間国宝といわれるような方々を文化財として末長く保持をするという面から考えても、八十五万円ではなかなかたいへんじゃないか、こう思うのですが、この八十五万をさらに引き上げて、この保持者に対する文部省のあたたかい思いやりというか、そういうことは考えないのかどうか、この辺について。
  101. 安達健二

    ○安達政府委員 率直な感想といたしましては、いわゆる人間国宝ということばが、若干ことばが強過ぎているのじゃないかという感じがいたしまして、われわれといたしましては、たいへん大事な方々でございますけれども、やはり重要無形文化財、大事な技能を持ち、これをみがき、後世に伝えていただく、こういう大事な方でございますけれども、あまり人間国宝というようなことばを使い過ぎまして、その方々に窮屈な思いをさせるというのはなるべく控えたいものだと私は考えておる次第でございます。  それにいたしましても、経費の点につきましては、実際にわざを練磨され、あるいは後継者を養成される上におきまして、できるだけ多くの金を差し上げてやっていただきたいということにつきましては全く同感でございますので、本年度六十万円が八十五万円になりましたのは一つの大きな進歩とは思いますけれども、今後も生活水準の問題その他も考えまして、さらにまた増額にも努力してまいりたい、かように考えるところでございます。
  102. 高橋繁

    ○高橋(繁)委員 それでは、いわゆる重要無形文化財の保持者の中で、たいへん生活に困っているという実態は御存じでありますか。
  103. 安達健二

    ○安達政府委員 実際問題といたしまして重要無形文化財の保持者の方々の実際生活、これもそれぞれの人によりましてずいぶんといろいろ違いがございますので、一義的には申しかねると思うのでございますが、一般的に大部分方々は、じみで堅実な生活を送っていただいているのではないかと思っているわけでございまして、特に非常に生活がきびしいというような方があるというほどまでは存じておりません。
  104. 高橋繁

    ○高橋(繁)委員 こういう方々はえてしてそういう方が比較的多いのじゃないかと私は思うのです。したがって、それを伝承する意味からも、あるいはそうした人たちの生活を保持するためにも、よく実態を調査されて、こういう重要無形文化財の保持者に対しても、文化功労年金者に対すると同様な扱いがなされていいのではないかと私は思うのです。それが先ほど言った日本全体の学術、文化の向上に大きく影響すると思いますから、その辺を考慮されて、今後それらについてもひとつ特段の努力をしていただきたいことを申し上げて、終わります。
  105. 稻葉修

    稻葉委員長 これにて両案に対する質疑は終了いたしました。  三時四十分に再開することとし、この際、休憩いたします。    午後二時五十二分休憩      ————◇—————    午後三時四十四分開議
  106. 稻葉修

    稻葉委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  文化功労者年金法の一部を改正する法律案及び昭和四十四年度以後における私立学校教職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案の両案を一括議題といたします。  両案に対する質疑は、先刻すでに終了いたしております。     —————————————
  107. 稻葉修

    稻葉委員長 この際、文化功労者年金法の一部を改正する法律案に対し、森喜朗君外四名より、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党の五党共同提案による修正案が提出されております。  提出者より趣旨説明を求めます。森喜朗君。
  108. 森喜朗

    ○森(喜)委員 私は、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党を代表して、ただいま議題となっております文化功労者年金法の一部を改正する法律案に対する修正案について御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。    文化功労者年金法の一部を改正する法律案に対する修正案   文化功労者年金法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。   附則を次のように改める。    附則  1 この法律は、公布の日から施行し、昭和四十九年四月一日から適用する。  2 この法律による改正前の文化功労者年金法規定に基づいて昭和四十九年度分として支払われた年金は、この法律による改正後の文化功労者年金法規定による同年度分の年金の内払とみなす。 以上でございます。  修正案の趣旨は、本案の施行期日はすでに経過しておりますので、これを公布の日から施行し、昭和四十九年四月一日から適用することに改めようとするものであります。  何とぞ委員各位の御賛成をお願いいたします。
  109. 稻葉修

    稻葉委員長 これにて趣旨説明は終わりました。     —————————————
  110. 稻葉修

    稻葉委員長 これより両案及び文化功労者年金法の一部を改正する法律案に対する修正案を一括して討論に入るのでありますが、別に討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  初めに、文化功労者年金法の一部を改正する法律案について採決いたします。  まず、森喜朗君外四名提出の修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  111. 稻葉修

    稻葉委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。  次に、ただいまの修正部分を除いて原案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  112. 稻葉修

    稻葉委員長 起立総員。よって、修正部分を除いた原案は可決いたしました。  これにて本案は修正議決いたしました。  次に、昭和四十四年度以後における私立学校教職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  113. 稻葉修

    稻葉委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。     —————————————
  114. 稻葉修

    稻葉委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、森喜朗君外四名より、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党の五党共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  この際、提出者より趣旨説明を求めます。森喜朗君。
  115. 森喜朗

    ○森(喜)委員 私は、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党を代表して、ただいまの法律案に対し附帯決議を付するの動議を提出いたします。  まず、案文を朗読いたします。    昭和四十四年度以後における私立学校教職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   私立学校教育重要性私立学校教職員共済組合の実情にかんがみ、政府は左記の事項について検討し、すみやかにその実現を図るべきである。  一 長期給付に要する費用に対する国の補助率を百分の二十以上に引き上げるよう努めること。  二 年金額改定のいわゆる自動スライド制については、給与スライドの導入を検討すること。  三 短期給付に要する費用について国庫補助措置を講ずること。   右決議する。 以上であります。  その趣旨については、本案の審査に際し十分御承知のことと存じますので、案文の朗読をもって趣旨説明にかえさせていただきます。  何とぞ御賛同くださいますようお願い申し上げます。
  116. 稻葉修

    稻葉委員長 これにて趣旨説明は終わりました。  これより採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  117. 稻葉修

    稻葉委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。  この際、本附帯決議に対し政府の所見を求めます。奥野文部大臣
  118. 奥野誠亮

    奥野国務大臣 ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨について十分検討いたす所存であります。     —————————————
  119. 稻葉修

    稻葉委員長 なお、ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  120. 稻葉修

    稻葉委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  121. 稻葉修

    稻葉委員長 次回は、来たる十七日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十一分散会