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山原委員 私は、こういう人選について一つの
提案をしたいのです。
二十名で構成されておりますけれ
ども、いま十二名と言われましたが、そのうちの五名はいわゆる官僚の出身ですね。これは私、読み上げてもいいのですが、それから私の調べたところでは
私学関係者は八人、それから財界の代表六人、識者ということになるでしょうか三名、これは経歴も調べてみましたけれ
ども、たとえば鉄鋼連盟の
理事であるとか日経連の常任幹事であるとかという人がずらずら並んでいるのですよ。しかもこれができたのは昨年の十一月過ぎですから、ちょうど物価高騰の時期ですね。鉄鋼連盟、石油連盟等のやみカルテルの問題なんかが
論議され、そして悪徳商人の見本だなどということで財界に対して
批判が集中しておるときに、財界の代表が六名も入っておる。その財界の代表がはたして大学について大所高所からの識見を持っている人かどうか、私はそれはわかりません。しかし、少なくとも見たところでは、そういう論文も発表したことはありませんし、そういう人が恣意的に集められているのじゃないか。しかも
委員長は林修三さん、この方は御
承知のように明らかに
私学に対して
私学助成は憲法違反だ、八十九条違反だ、しかも
私学助成をやるならばきびしい
規制をつくらなければならぬという人、それがこの
委員会の
責任者になっているわけですね。今日、
私学の危機で、
私学の経営者も
教職員もみんながやんやん言っているときに、まさにそのときに
私学関係者の
気持ちをさかなでするようなこういう人選をやっている。私は、こういうのはもっと公正な立場で人選をいたしまして、そしてもしその建議が尊重されるということであれば、たとえば公聴会を開いて
私学関係者の
意見を聞くとか、そういう民主的な構成をしなければだめですよ。だから
私学問題は結局解決しない。依然として
補助金は少ない。
私学はいま
文部大臣も認められておるように荒廃も起こっておるわけですね。今度の医師の国家試験の試験問題の漏洩なんというのは、真相はわかりませんけれ
ども、これは厚生省の問題じゃなくて
文部省も
責任ありますよ。しかも私立大学へ入るためには、特に医科歯科系へ入るためには何千万という寄付金も積まなければならない。いわば親はそれに対して投資をしていますから、その子供がその投資を回収するために何とかしなければならぬということで試験問題の漏洩ということも各地から起こっている。その真相もつかめない。これはまさに日本の
教育の荒廃につながっているのですよ。どんなにじょうずなことを言おうとも、ますます荒廃。しかも、医者という人の命を預かるものまでこういう状態が起こってきている。これは厚生省の問題だと思って知らぬ顔できる問題じゃないのですよ。
文部省の問題、
文部省がどう
責任を持つかということですね。その点は私は
文部大臣にここで
意見を伺っておきたいのです。今度の国家試験の問題についてどういう
考えを持っておるか、それが一つです。
それからもう一つは、自民党のほうで今度出されておりますところの、十年間は国立の大学をつくらないというような
意見も出ている。しかし、
私学のほうはその大学進学希望者ををかかえて七八%か八〇%というようなそういう状態で四苦八苦している。こういうアンバランスですね。そういう中で日本の
教育というものが非常に荒廃の方向に向かっている。どこかで解決しなければならぬ。しかも国立大学のほうは十年間はつくらないということになってくると、ますます重みが
私学のほうへかかってくる。これなどについても
文部大臣がどうお
考えになっているのか、そういう
考えに対して賛成をしておられるのかどうか、これも伺っておきたいのです。時間がありませんから、いまの二つの問題について
文部大臣の見解を伺っておきます。