○
増田説明員 お
手元に「
普通倉庫業の現状」という
資料をお配りいたしておりますので、これに従いまして
三つのことを御
説明さしていただきたいと思います。
第一は、
倉庫の一般的な
お話、第二は、今回私どもがいたしました
五大都市の
普通倉庫につきまして行ないました
生活関連物資の
調査の
状況あるいは結果、第三番目は、きょうの午後からおいでいただきます
戸田地区の現況、その
三つのことについて御
説明をさしていただきたいと思います。
まず
最初に
倉庫の一般的な話でございますが、一口に
倉庫と申しましても、私どもの運輸省で管轄いたしております営業
倉庫、これは他人の貨物を寄託を受けて
保管をいたします業務でございます。そのほかに農業
倉庫あるいはメーカーや荷主の持っております自家用
倉庫、各種の協同組合の
倉庫、それから上屋・
保管庫あるいは卸し売りセンターなんかにあります流通センターまたはデパートのデポなど、各種のものがあるわけでございます。その中で私どもが見ておりますのは営業
倉庫だけでございます。
その営業
倉庫の中でただいま問題になっております
物資を
保管いたしておりますのは、普通営業
倉庫という種類に属しております。その普通営業
倉庫というものは、現在全国で約二千百社、千五百万平方メートルの延べ面積を持っております。これはただいま申し上げました全部の
倉庫群の中では、面積ないし取り扱い量で見まして五分の一から三分の一と言われております。と言いますのは、営業
倉庫については、私どもは把握はいたしておりますが、その他のものについて把握をいたしておりませんので、たいへんあいまいなシェアしか申し上げられませんが、大体五分の一から三分の一と言われております。
その営業
倉庫だけについてごらん願いますと、営業
倉庫の面積というのは、四十五年をベースにいたしますと、四十八年までに約二割伸びております。
それに対しまして貨物のほうでございますが、貨物は四十五年が非常に荷物が多く、四十六、四十七と落ち込みを示しておりまして、四十八年になって、特に夏以後荷物の伸びが急激にふえてきております。これは
輸入物資を中心にしてふえてきております。
私どもの統計処理上その
倉庫に荷物がたくさん入っているかどうかということを判定するために、
倉庫の床面積に対して荷物が何%積まれているかということを
一つの基準にいたしております。それを利用率と呼んでおるわけでございます。この利用率は、当然
倉庫の中でフォークリフトあるいはその他の荷役機械を動かしますのでデッドスペースが出るわけでございます。そのデッドスペースを全体の三五%ほどとる。つまり全床面積の六五%程度に荷物を積みつけた状態が標準の状態だというふうに計算をいたしておるわけでございます。そこでその標準の状態を基準に置きまして、利用率、込みぐあいというものをはじきましたのが、(4)の利用
状況でございます。
ごらんいただきますように、四十五年はきわめて
倉庫が満ぱいであった。四十六、四十七と標準に近い状態に戻ってきておりましたが、四十八年の七月ごろからまた混雑状態が生じつつあるということでございます。
次のページに移りますが、次のページで申し上げますことは、この普通の営業
倉庫の中に入っております荷物、これは一体どういうものであろうかということでございますが、
保管残高、ある時点を区切りまして、その時点で
保管されている貨物の総トン数でございますが、それで一番多いのは鉄鋼でございます。次いで電気機械、これは完成品それから仕掛かり品を含んでおります。その次に、麦、雑品、紙・パルプというような順序で続いておりまして、ただいま問題になっております
生活関連物資というものは、営業
倉庫全体から見ますと
保管の比率はきわめて少ないという情勢でございます。どちらかといいますと、原材料あるいは仕掛かり品というものにいまのところまだウエートがあります。
その営業
倉庫というものは、大体大都市周辺に集まる
傾向を見せておりまして、(5)でございますが、首都圏、中部圏、近畿圏、この周辺に全体の約六割程度が密集いたしております。これが大体普通の営業
倉庫の概況でございます。
そこで私どもといたしましては、ただいま物
不足その他いろいろな問題が起きております大都市周辺、しかも営業
倉庫がきわめて密集いたしております三大の都市圏をとりまして、その中で特に東京都、横浜市、名古屋市、
大阪市及び神戸市、この五都市内にあります営業
倉庫につきまして
在庫の
調査をいたしたわけでございます。
調査いたしました
品目は、これは農林、通産とお打ち合わせをいたしまして、
物資所管庁の
調査対象になっておりますものの中から、比較的営業
倉庫の中にあるであろうと思われております
トイレットペーパー、
印刷用紙、それから
合成洗剤、砂糖、
合板、小麦粉、塩化ビニールパイプという七
品目を選んだわけでございます。
この
調査の方法でございますが、これは、四十九年一月十日における
在庫の
状況それから荷動きの
状況を、この五つの都市の中にある全
事業者、これは次のページをごらん願いたいと思いますが、都市別に
事業者の数をあげておきました。合計八百十六社でございます。八百十六社に対して書類で
報告を求めたわけでございます。と同時に、私ども、実は運輸省といたしましては、毎月月末に全国の全
倉庫業者に対しまして、物品を四十に分けた定期
報告を求めておるわけでございます。しかし今回みたいな個別
品目についての
調査は初めてだったわけでございます。そこで、こういう品物についての私どもの知識もございませんし、
通常の
在庫がどのくらいかというような予備的な知識もなかったわけでございますので、この八百十六のうちから比較的こういう
生活関連物資がありそうな会社三十一を選びまして、同時に一月十日から十二日までの間、三十一カ所に延べ百三十五人を使いまして立ち入りの
調査をしたわけでございます。これはあくまでデータのチェック、
資料の収集の裏づけということが目的でございまして、立ち入りそのものが目的だったわけではございません。
その結果の
概要でございますが、
概要につきましては、いまごらんいただいております表のもう
一つ次の表をおあけ願いたいと思います。ただいま申しましたように八百十六社を
調査対象にいたしましたが、その中で、七つの
品目のいずれか
一つがあると答えた会社が百五十二社、残りの六百六十四社はこの七
品目のいずれも
保管をしていないという回答だったわけでございます。百五十二社についての回答結果を集計いたしましたのがもう
一つ次のページでございます。
概況だけ御
説明いたしますが、その当時問題になっておりました
トイレットペーパーあるいは
合成洗剤、それから砂糖につきましては、去年の同じ時期に比べまして、営業
倉庫の中における
保管の総量は約三分の一に減少をいたしております。小麦粉につきましても約七割に減少いたしております。
印刷用紙並びに塩化ビニールパイプについては、ほぼ前年と同じか多少減る、多少プラス、マイナスがある程度でございます。ただ
合板だけは去年と比べまして約四倍になっておるわけでございます。私ども、実は運輸省の
倉庫課でこういう商品知識がなかったもので、
合板という単純な分類で
報告を求めたわけでございますが、
合板の中にいろいろ種類があるそうでございまして、今度
調査したものの中で特にふえているのは、おそらくは建築抑制の
関係で建築資材が使われなくなった、その
関係の
合板ではなかろうかと思われます。これにつきましては、あらためまして一月三十一日に再度細分類した
調査を行なってみたいと考えております。
なお、私どもといたしましては、世間的に正常な状態で物が出回っておれば対前年の同時期と比べて物が減っておるということだけでいいかと思いますが、一般的に非常
事態でございますので、単に物が減っているだけでは、営業
倉庫が買い占め、売り惜しみの場に使われていないということは言い切れないということで、同時に荷物の動き方を
調査いたしました。この荷物の動き方というのは、つまり平均的に見えて
倉庫の中に荷物が長くいるかあるいはいつもよりも早く動いているかというようなことでございます。たとえて申しますと、
合成洗剤でございますならば
通常は十日から十四日ぐらいの間営業
倉庫にとまっているのが平均的な日数だそうでございます。しかし私どもの立ち入り
調査のデータによりますと、これは名古屋の例でございますが、平均五日間ぐらいで回転をしておるということで、きわめて
在庫日数も短くなっているということでございます。そのように回転率につきまして
調査いたしました結果もまとめてここに書いてあるわけでございます。
以上が私どものいたしました
調査の
概要でございます。なお、今後も私どもといたしましては、一月三十一日、二月二十八日、三月三十一日と、これと同じような
調査、ただいま申しました
合板なんかについてはもう少し精密な
調査を繰り返しまして比較検討をして御
報告申し上げたいと思っております。
つけ加えて申し上げますが、
五大都市だけではございませんで、同時に
五大都市の周辺部、つまり、きょうごらんいただきます戸田、海老名、厚木というような周辺部の
調査も並行に行なっております。その
五大都市の周辺部の
調査総数は四百七十七、約四百八十社に及んでおります。その他、
資料にはあげておきませんでしたが、この三大都市圏、
五大都市のほかに、
物資官庁からの要請に応じて共同で立ち入り
調査を行なっておりますし、適宜必要に応じましてわが省の独自の
調査も行なっております。また、これは繰り返して行なうつもりでおります。
最後に、埼玉県の
戸田地区の営業
倉庫の現況を御
報告申し上げます。
埼玉県の
戸田地区に現在営業
倉庫は二十三の
事業所を持っております。棟数は七十九棟、延べ面積で約十四万四千平方メートルでございます。そこにあります主要貨物は、合成樹脂が一番多くて一三%、それから電気機械、機械類、食料工業品、紙・パルプ、こういうような順序になっております。
それからその次の表でございますが、これは私どもといたしまして貨物の動きのぐあいをいろいろ研究
調査をしております。たまたま東京圏につきましては一昨年の十月に東京圏
倉庫貨物流動
状況等
調査報告というものを取りまとめておりまして、それから抜いたものでございます。ここでごらん願いたいのは建築後経過年数というところでございます。これでごらん願いますように、十年未満という、
倉庫業としてはきわめて新しい
倉庫群が多いということ、それから現在と一昨年の十月というのはほぼ同じような扱い
品目になっているということ、さらには、この戸田からどこに向かって出ていくかということでございますが、これは一番右のほうでございまして、大体埼玉県、それから北関東、千代田、板橋、都下というような、都内向けの荷物が多いということでございます。
この
戸田地区につきましてのただいまの
在庫調査の
報告も
手元に参っておりますが、二十三
事業所のうちで、
トイレットペーパーが入っていたと返事をしたのが一社、
合成洗剤が一社、それから砂糖が一社、
印刷用紙が五社というような
状況になっております。
大体この埼玉県の
戸田地区に
倉庫が集まってきたというのはきわめて最近のことでございまして、これはいろいろ理由がございますが、
一つには、このあたりにいわゆる配送センター的なものが当時なかったということと、もう
一つは農家の方が土地を手放さないでそこに
倉庫のようなものを建てて、それをお貸しになっていたというようなことから営業
倉庫もそこに進出していかざるを得なかったというようなことが原因になっておるようでございます。なおこのほかに自家用
倉庫があるということでございますが、それについて私どもは詳細な把握はいたしておりません。
以上、概括でございますが御
説明いたしました。