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中村(茂)
委員 これは
中身も非常に問題ありますが、それと同時に、この
法案全体が、末端の
小売り商が非常に苦しくなるというか、きつい
法案になっているというふうに私は思うのです。そういうことと関連し、
品物に関連して、
末端価格だけきめた場合、それから
生産段階のものをきめた場合、これはいろいろ
品物によって違ってまいりますけれ
ども、いずれにしても
標準価格をきめて、
流通機構に
品物を乗せて
小売り店にずっといった場合に、いろいろなしわ寄せがこの
小売り店にいく
要素というものが非常に出てくるんじゃないか、こういう感じが実はするわけであります。そういう
意味からすれば、卸
段階のやつをきめて
小売りまできめれば一番はっきりしてくるわけですけれ
ども、そうなっていくと、統制がますます強化されて再販
価格——きめる人は違いますけれ
ども、制度としては再販制度と同じようなかっこうが出てくる。
メーカーの
値段がきまって、この末端の
販売がきまる。ですから、この取り扱いというものが今後
流通機構末端の
小売りの
標準価格をきめ、
流通機構に乗せていくという
段階の中で非常に大きなポイントになってくると思うのです。ですから、それともう
一つは、どうしても上のほうのそういう場合には、
カルテル行為というような
関係も出てきたりして、この問題をどういうふうに取り扱ったらいいかということは今後非常に重要な問題になってくる。私はこの点だけ意見として申し上げておきたいというふうに思います。
そこで次に、いまちょっと触れました、この
法案全体が
小売り段階に非常にしわ寄せになるということは、いまの
標準価格のきめ方によってやはり
小売りのところへ一番そういうものが集中してくるんじゃないか。いまの物価の値上げの問題についても、お客さんが行って一番問題になるのは、
生産しているところや
流通機構のところではなくて、ものを買う
小売りのところで、
販売業者のところでものが上がってしまった、どうなるんだ、一番苦情を受けるわけであります。ところが今度は、こういう
値段がきまって上のほうから流れてきても、マージンを少なくして
流通機構に乗ってきた場合でも、一応きまっている
販売価格、
標準価格でこれは売らなければならぬということになれば、追い詰められるのは何といったって一番弱い
小売り商のところへ追い詰められる制度になっている。しかも、きのうの連合審査の中でも、土十五条の割り当て、配給、これについても問題になりましたが、このところまですぐ持っていかないという答弁もありましたが、それはそれにして、慎重に扱え、こういう大きい問題をやっていくにはやはり国会の意見を聞くというような、まあ私
どもの意見を盛っておりますけれ
ども、それはまたその論議のほうに私は譲りたいと思いますが、これが実施になった場合に、やはり苦しめられるのは
小売りであります。
小売りのところがいろいろ割り当たってきて、お客さんがそこに来て、いや、こんな割り当てじゃとてもじゃないけれ
どもどうにもならぬ。しかし、お客さんはそう言ってくるけれ
ども、これだけの配給では売ることができない。やはり
小売りの、この末端のところが一番苦しめられてくる。
それから
課徴金等についても、これは
販売のところが
標準価格がきまるわけでありますから、
課徴金がかかるかからないかというとごろは、
販売段階のところにこれはかかってくる。それから、いままで全然やっていなかった帳簿の記載等についても二十六条で行なっていくということになれば、これもまた
販売段階、
小売りのところでたいへん負担になってくる。しかも、立ち入り検査等についでは、これはやはりその
段階というものが、
標準価格とあわせて一番きびしくなっていく。そして罰則を見ますと、今度はその
小売りのところに該当してくる
課徴金のところについても、帳簿の記載のところについても、立ち入り検査のところについても、上の
段階の
生産段階、流通
段階の罰則よりも重くなっているわけであります。これは懲罰刑までついている。しかし、
販売段階の上のほうの罰則については、これは罰金だけだ。
内容がきつくなり、追い詰められて、しかも罰則についてはそこのところが一番重い、こういう
小売り段階をいじめるような——だからこれは、法というものは運用次第というふうにいいますけれ
ども、この運用というものは、やはりこの
小売り段階を守るような運用をしなければならないし、これにあわせて
小売り段階を保護するような政策が金融等を含めて出てこなければ、との
法案を直ちに実施していくということは、非常に
小売り業、
販売業者を苦しめる結果になってしまう、私はそういうふうに思うわけであります。その見解について、
考え方をひとつ明らかにしていただきたい。