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1973-12-13 第72回国会 衆議院 内閣委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十八年十二月十三日(木曜日)     午前九時五十八分開議  出席委員    委員長 徳安 實藏君    理事 奥田 敬和君 理事 加藤 陽三君   理事 小宮山重四郎君 理事 中山 正暉君    理事 野呂 恭一君 理事 上原 康助君    理事 大出  俊君       大石 千八君    笠岡  喬君       近藤 鉄雄君    丹羽喬四郎君       旗野 進一君    藤尾 正行君       箕輪  登君    吉永 治市君       横路 孝弘君    吉田 法晴君       和田 貞夫君    青柳 盛雄君       東中 光雄君    鈴切 康雄君       受田 新吉君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (総理府総務長         官)      小坂徳三郎君  出席政府委員         人事院総裁   佐藤 達夫君         人事院事務総局         給与局長    茨木  広君         総理府総務副長         官       小渕 恵三君         総理府人事局長 皆川 迪夫君         労働省労政局長 道正 邦彦君  委員外出席者         内閣委員会調査         室長      本田 敬信君     ————————————— 委員の異動 十二月七日  辞任         補欠選任   木下 元二君     野間 友一君 同月八日  辞任         補欠選任   笠岡  喬君     小川 平二君 同日  辞任         補欠選任   小川 平二君     笠岡  喬君 同月十日  辞任         補欠選任   坂本 恭一君     川崎 寛治君   山崎 始男君     吉田 法晴君 同月十三日  辞任         補欠選任   東中 光雄君     青柳 盛雄君 同日  辞任         補欠選任   青柳 盛雄君     東中 光雄君 同日  理事木原実君同日理事辞任につき、その補欠と  して上原康助君が理事に当選した。     ————————————— 十二月十一日  昭和四十八年度における期末手当割合等の特  例に関する法律案内閣提出第五号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  理事辞任及び補欠選任  昭和四十八年度における期末手当割合等の特  例に関する法律案内閣提出第五号)      ————◇—————
  2. 徳安實藏

    徳安委員長 これより会議を開きます。  この際、理事辞任の件につきましておはかりいたします。  理事木原実君から理事辞任申し出があります。これを許可するに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 徳安實藏

    徳安委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  次に、理事補欠選任の件についておはかりいたします。  ただいまの木原実君の理事辞任に伴いまして、理事が一名欠員となりましたので、この際、その補欠選任を行ないたいと存じますが、先例により、委員長において指名することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 徳安實藏

    徳安委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  それでは、理事上原康助君を指名いたします。      ————◇—————
  5. 徳安實藏

    徳安委員長 昭和四十八年度における期末手当割合等特例に関する法律案議題といたします。提出する理由である。     —————————————
  6. 徳安實藏

    徳安委員長 まず、趣旨説明を求めます。小坂総理府総務長官
  7. 小坂徳三郎

    小坂国務大臣 御説明に入る前に、一言ごあいさつ申し上げます。  今度、総理府総務長官に任命されました。今後よろしくお願い申し上げます。  それでは、ただいま議題となりました昭和四十八年度おける期末手当割合等特例に関する法律案について、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  本年十二月六日、一般職職員支給する期末手当について、昭和四十八年度に限り、昭和四十九年三月に支給する期末手当の一部を本年十二月に繰り上げて支給することを内容とする人事院意見申出が行なわれたのでありますが、政府といたしましては、その内容を検討した結果、人事院意見申出どおり、これを実施することとし、このたび、この法律案を提出することとした次第であります。  次に、法律案内容について、その概要を御説明申し上げます。  第一は、昭和四十八年度に限り、一般職職員給与に関する法律適用を受ける職員支給する期末手当について、その支給割合特例を設け、十二月に支給する場合においては百分の二百三十、三月に支給する場合においては百分の二十の割合とすることとしたことであります。  第二は、この特例を設けた結果、昭和四十九年三月に支給を受けるべき期末手当の額が、この特例を設けないものとした場合に、昭和四十九年三月に支給を受けるべき期末手当の額から本年十二月に支給を受ける期末手当の〇・三月分に相当する額を控除した残額より低い額となる職員については、その残額に相当する額を昭和四十九年三月に支給する期末手当の額とすることとしたことであります。  以上のほか、附則において、この法律施行期日及び特別職職員で、その給与について、一般職職員給与に関する法律規定を準用することとしている者等に関する所要の措置について規定をしております。  以上、この法律案提案理由及びその概要について御説明申し上げました。  何とぞ慎重審議の上、すみやかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
  8. 徳安實藏

    徳安委員長 これにて趣旨説明は終わりました。     —————————————
  9. 徳安實藏

    徳安委員長 これより質疑に入ります。  質疑申し出がございますので、順次これを許します。加藤陽三君。
  10. 加藤陽三

    加藤(陽)委員 人事院総裁にお伺いいたしますが、今度の提案趣旨を見ますと、十二月六日の人事院総裁意見申出に基づいて、ということになっております。十二月六日の人事院総裁意見申出には、四十八年十二月に限り、四十九年三月に支給する期末手当のうち〇・三月分を繰り上げ支給することが適当であると認める、こう書いてあるのです。適当であると認めるに至った事情を御説明願いたいと思います。
  11. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 この問題については、先般も閉会中の当委員会の御審査でいろいろお話も出ておったわけでありますが、とにかく、くどくど申し上げるまでもなく、おわかりいただけることだろうという前提なんです。ことしの越年の足しにという一語に尽きる、この趣旨は。(「聞こえない」と呼ぶ者あり)もう一ぺんやり直しましょう。  この意見申出趣旨に連なる事柄については、閉会中の先般の当委員会の御審議でもいろいろお話が出たところでございますし、ここで意見申出の中でくどくどといろいろ申し述べる必要もなく、お察しいただけることだという前提に立っておりますけれども、しかし一口に申し上げれば、ことしの越年の足しにしたい、こういうことに尽きると思います。
  12. 加藤陽三

    加藤(陽)委員 この前の委員会でも、人事院総裁は、民間給与動向を注視しているというふうなことをおっしゃっておったわけですが、この結論をお出しになるに至ります前提として、民間給与動向をどういうふうに御調査になり、御判断になったのでございますか。
  13. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 これは、刻々諸般の調査資料が集まってきておりますが、結局、大手の会社では、年末の一時金が、ことしは相当上がっておるというような情勢は把握しておりましたわけですけれども、しかし根本は、この間のこの委員会で申し上げたことは、一時金の額そのものを上積みする必要があるかどうかという問題も一つの問題であったわけです。そのためには、よほど精密な調査をしなければなりません。依然としてその考え方は、われわれとしては変わっておりません。したがって、来年の四月の調査の際に、これは明らかにする、またなることだと思います。  今回のものは、御提案申し上げた意見は、これは、そこまでいかずに、この期末の各時期別の配分を、臨時にことし限りの特例として変更していただきたい。その理由は、先ほど申し上げたような理由でございますというのでございますから、民間調査の、それほど精密な調査に立っておるわけではないし、またその必要もない事柄だということになるわけであります。
  14. 加藤陽三

    加藤(陽)委員 総額の範囲内で繰り上げ支給されるのですから、それほど綿密な調査は要らないといえば、要らないのかもわかりません。しかし、私は、やはり人事院の権威といいますか、人事院のお申し出になる御意見なり勧告なりは、権威あるものだというふうに思いたいのでありまして、やはりこういう意見申出をなさる際にも、しっかりした、われわれを納得させるだけの——資料でなくてもいいのですが、御説明をいただきたいと思う。  巷間では、十二月四日に公労委調停があったわけですけれども公労委調停に押されて、人事院がこういうふうな意見申出をなさったのじゃないかというふうな推測をしておる向きもあるわけなんです。私は、そうじゃないと思うのです。人事院自主性というものを、私は、非常に尊重するわけでありますけれども、そういう一部の見方もありますものですから、それだけにしっかりした根拠を出していただきたいというのが私の趣旨でございます。  それから、これは国会のほうでやることでありまして、われわれ考えなければいけないのですが、今度の場合を見ましても、十二月中に繰り上げ支給できるかどうかという点に、私は非常に大きな意味があると思うのです。いまのように法律で三回に、何カ月、何カ月分と分けておくことの必要があるのかどうかということを、私は今度、この法律案を読みながら思ったのですが、これは、われわれが審議することですけれども人事院総裁としては、この点どうお考えになりますか。
  15. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 いまの御指摘の点は、実は全く御同感なので、年間総額法律できめていただければ、あと期別の分は、人事院規則か何かにまかしていただいても本来よかったことではないか。今回、当面いたしまして、いかにも小回りがきかないという感じがいたしました。その点は、今後われわれとしても、研究問題として十分検討したいと思いますし、国会のほうでも、いろいろまたお教えいただければ、たいへんけっこうだと思います。
  16. 加藤陽三

    加藤(陽)委員 時間がないので残念なんですが、あと一問だけ。  この法案を読んでみますと、在外職員にも繰り上げ支給するようになっているのですね。これは日本、特に東京の物価の騰貴が非常にはなはだしいということで、こういう措置をなさることは、私、わかると思うのですが、在外職員にまでこれを及ぼすということは、どういうことですか。ちょっと御答弁願います。
  17. 皆川迪夫

    皆川政府委員 在外職員につきましても、一般本土勤務の方と本質的に同じ給与制度をとっておりますので、いろいろ議論をすれば、あるかもしれませんが、外国においても、かなり物価は上がっている状況でございますし、特に差別を設ける積極的理由がむしろ乏しいのではないだろうか、従来どおり同じように歩調を合わせることがいいのじゃないかということで、そのようにした次第でございます。
  18. 加藤陽三

    加藤(陽)委員 私は、その御答弁、納得できないのですが、きょうはこれでやめます。
  19. 徳安實藏

  20. 大出俊

    大出委員 最初にちょっと承っておきたいのですが、「昭和四十八年度における期末手当割合等特例に関する法律案提案理由説明」というところの、まん中のちょっと左のほうに「四十八年度に限り、一般職職員給与に関する法律適用を受ける職員支給する期末手当について、その支給割合特例を設け、十二月に支給する場合においては百分の二百三十、」と、こういうんですな。「十二月に支給する場合においては百分の二百三十、」たいへん多い。「三月に支給する場合においては百分の二十」よろしいですか、これで。
  21. 皆川迪夫

    皆川政府委員 そのとおりの内容になっております。
  22. 大出俊

    大出委員 百分の二百三十というと、幾つになりますか。
  23. 皆川迪夫

    皆川政府委員 二・三でございます。
  24. 大出俊

    大出委員 そうすると、三月の期末は、いま幾らあるわけですか。
  25. 皆川迪夫

    皆川政府委員 現在は百分の五十、つまり〇・五カ月です。
  26. 大出俊

    大出委員 そうすると、今度はどういうことになるのですか。百分の五十のうち二十残したわけですな。それで、その百分の三十を積んだ。そうすると、旧来は、年末は百分の二百だったわけですか。二・〇ですか。
  27. 皆川迪夫

    皆川政府委員 お話しのとおりでございます。
  28. 大出俊

    大出委員 ちょっと人事院にも聞いてみますが、いま年末は幾らですか。
  29. 茨木広

    茨木政府委員 期末手当は二・〇カ月でございます。
  30. 大出俊

    大出委員 そうすると、そのほかに何がありますか。
  31. 茨木広

    茨木政府委員 勤勉手当が〇・六カ月分ございます。合わせまして二・六カ月分となるわけでございます。
  32. 大出俊

    大出委員 それに二百が三十ふえているから、その三十を足す、こういう意味ですな。  そこで、承りたいのですが、労働省の側から承ります。公労委調停案が出ておりますが、この調停案の背景になっているのは、民間の年末の賃金の出方でございました。そこで、どのくらい民間給与というのは、年末においてふえておりますか。
  33. 道正邦彦

    道正政府委員 とりあえず、四十八年度の年末の一時金につきましては、大企業だけの調査をいたしております。年末一時金という以上は、中小企業も含めて計算すべきが筋でございますけれども、これは時期がおくれていること、それから広範であるということで、早急の調査ができかねますので、とりあえず、大企業調査を進めてきておりますが、十二月十日現在で、調査対象二百七十九社、大手でございますけれども、これの年末の一時金は二十七万九千円、対前年比四二・三%でございまして、前年の妥結額十九万六千円、アップ率一六・五%に比べますと、約八万三千円のアップになっております。
  34. 大出俊

    大出委員 八万三千円のアップというわけですね。  そこで、人事院に承りますが、人事院は、この種の調査をしておりますか。
  35. 茨木広

    茨木政府委員 独自の調査は、例年のような大規模なものになりますので、この中間のいろいろな施策を考えます際の措置といたしましては、やはり政府各省統計資料を、給与法二十四条に基づいて使うというたてまえをとっております。
  36. 大出俊

    大出委員 政府関係のといいますと、どういうものをたてまえとしてお使いになるのですか。
  37. 茨木広

    茨木政府委員 一つは、ただいま労政局長のほうから御報告がございましたような労働省関係資料を刻々拝見させていただいている、これが一つ。それからもう一つは、統計系統資料がございます。そんなものを、いろいろ拾ったわけでございます。
  38. 大出俊

    大出委員 統計局のほうは、何かありますか。
  39. 茨木広

    茨木政府委員 直接このベースアップに関係いたします資料としては、現在のところございません。
  40. 大出俊

    大出委員 それじゃ、労働省資料だけでしょう、政府関係資料とおっしゃるが。それなら、いま道正労政局長が答えたこれしかないでしょう。さっき総裁は、詳細な調査は要らないだとかなんとか言うけれども、詳細も何もないじゃないですか。労働省が大ざっぱにとったところの、これっきりないんでしょう。詳細な必要があるとかないとか、そんなものは初めからないじゃないですか。どうなんですか。
  41. 茨木広

    茨木政府委員 期末手業支給関係資料ずばりというものにつきましては、現在のところ、まあ、これしか出ていないわけでございます。あとは、いわゆる新聞その他のものでございます。
  42. 大出俊

    大出委員 新聞その他、ふざけなさんな。新聞相手に何を調査するのですか。新聞関係は、あなたみんな認めるのか。なければないと言えばいいんだ。よけいなてにをはは要らぬ。何にもしないで腕組んですわっていて、わかるはずないじゃないですか。給与局長なんか要らない。  念を押すけれども労働省のこの調査しかないんですな。間違いないですな。
  43. 茨木広

    茨木政府委員 期末手当そのものに関しますものは、この資料しかございません。
  44. 大出俊

    大出委員 期末手当質問をしているんだ、ほかの質問をしているんじゃない。労働省調査に基づく二百七十九社、政府全体でこれだけしかない。人事院には何もない。それで公務員生活実態なんということが法律には書いてあるんですよ。給与法二十四条には書いてあるじゃないですか。それで一体公務員生活実態を把握して、ストライキ権にかわる代償機関役割りはつとまりますか。制度的に間違いがあるんだったら直しなさい。そうでないなら人事院は要らない。どうなんですか。
  45. 茨木広

    茨木政府委員 時々刻々に合わせていくという考え方もございましょうし、いまのところは、年間総額を、やはり四月に大調査をやって、それで合わせていくというようなたてまえで、ずっとここ二十年間来ておるわけでございます。したがいまして、その時期には、御案内のような大調査をやるわけでございますが、時々刻々ということになりますと、当面、手っとり早く手に入る資料をもって判断をするという以外にやはり方法はないと思います。
  46. 大出俊

    大出委員 それじゃ一体、二十八条の情勢適応原則というのは、なぜあるのですか。
  47. 茨木広

    茨木政府委員 二十八条の情勢適応原則も、一項、二項とあるわけでございますが、ここでも法律は、一般的には年一回——「少くとも一回、」と書いてございますが、これは、そういう調査をということを前提にいたしておるのだと思います。二十八条の一項に該当するような情勢が出るか出ないかということは、やはりいろいろなもので総合判断するしかないと思います。
  48. 大出俊

    大出委員 出るか出ないか総合判断する必要がないとは何ですか。それしかないとは何ですか。昭和二十八年には臨時措置をとっているじゃないですか。特例法を出しているじゃないですか。現にあったじゃないですか。人事院はその前からできていた。勧告を怠ってはならぬことになっているじゃないですか、二十八条の一項というのは。こんなに異常な物価高で、主婦はみんなトイレットペーパの買い占めだ何だといって飛んで歩いている世の中に、その主婦の中には公務員の奥さんだってたくさんいるんだ。そんなものは、総合判断する以外にないなんてばかなことがありますか。たとえできなくても、何でもやれるだけの力をふるってやるのはあたりまえじゃないですか。私が調べたって、各組合に連絡をして、全部電話をかけて、わかるものはわかるんだ、そんなことは。人事院の二百七十九どころじゃない、私の手元にだって八百からある。そんな無責任な政府がありますか。腕組んで何もしない人事院なんというものは要らぬじゃないですか、そんなものは。資料一つ整えようとしない。どうしてそういうことになるんですか。腕組んでぶすっとすわっていればいいんじゃないですよ。  労働省に、もう一つ承ります。たいへんに御努力をいただきまして、感謝申し上げておりますが、この公労委調停案の中身「調停申請にかかる臨時賃金の問題については、民間においては類似の事例が乏しい状況であるので、これをそのまま認めることは適当でないが、」その次の「民間における今次年末一時金の支給状況にかんがみ、」これは、どういう意味ですか。これは先ほど道正さんから御説明いただきました労働省資料に基づく二百七十九社の年末手当支給状況、これを指すのだろうと思うのでありますが、「今次年末一時金の支給状況にかんがみ、」こう言っているわけですね。ここのところを、少し御説明いただきたいのと、次に「年末一時金の支給にあたっては、応急措置として年度手当〇・三カ月分を年内に繰り上げ支給すること。」こうなっていますね。これは公労委が書いたのだから、わがほうの書いたものではないとおっしゃるかもしらぬ。しらぬけれども、事務局長なり、おたくの方方は、たいへん力を入れておられるわけですから、この趣旨がおわかりにならぬということはないと思う。  そういう角度で承りたいのですが、道正さんは、公労委そのものではございませんが……。この「年末一時金の支給にあたっては、応急措置として」つまり応急措置が必要であるとお認めになった公労委である、こう私は考えたいわけですが、それは、その前段にある「一時金の支給状況にかんがみ、」応急措置が必要であると公労委はお考えになった。つまり年末一時金の支給状況は、先ほど労働省資料で御説明いただきましたが、妥結額二十七万九千六百九円、対前年比四二・四%、これは四十八年でありますが、四十七年十九万六千三百八十八円、つまり十九万六千三百八十八円が二十七万九千六百九円になった。前年対比一六・五%で、金額にして四十七年と四十八年との差が八万三千二百二十一円、こういうことですね。つまり、これが年末一時金の支給状況なんですね。ほかに資料がないのだから、政府においては。つまり使用者としての政府の立場でものを言うとしても、政府側資料というのが、公的に使えるものは、これしかない。そうすると、公労委は何かをとったかもしれぬ。私もしろうとではない、公労委が何をもって資料としたかということは、私は百も知っている。つまり、これです。そうすると、この資料に基づいて「年末一時金の支給状況にかんがみ、」つまり八万三千二百二十一円よけい出ているという状況にかんがみ、応急措置を必要とする、こうお認めになって〇・三カ月分の年内繰り上げをおやりになった、こう見ていいのだと思いますが、そこらを御説明願いたいと思います。
  49. 道正邦彦

    道正政府委員 大出先生も御案内のとおり、三公社五現業等給与につきましては、毎月きまって支給される給与につきましては、そのつど、春闘その他できまる民間給与にならってきめられる、年末を含みます一時金につきましては、人事院勧告に右ならえするというのが、従来のルールでございます。その場合の人事院勧告は、大企業だけでなくて、中小企業も入るわけでございます。しかしながら、先ほど申し上げましたように、中小企業調査は、時期もおくれますし、数も多うございますので、私どものほうも、年末までにはできかねるわけでございますので、とりあえず、大手調査を、そのつど公表いたしてきているわけでございます。公労委でいろいろ御判断になる場合に、私ども資料も御判断の材料になったかと思います。  そういう意味では、「支給状況にかんがみ、」ということは、先生指摘のようなことだと思いますけれども、これだけですべてを御判断になったかどうか、これは中小企業が入っておりませんから、若干問題があろうかと思います。しかし、いずれにいたしましても、対前年比で見まして非常に上がっているということは、従来にない特徴でございますので、その辺を勘案されたと思います。したがって、応急措置として年度手当の〇・三カ月分の年内繰り上げが妥当ではないかという調停案が出されたものというふうに理解いたしております。
  50. 大出俊

    大出委員 だから、応急措置が必要であるということを認めた、こういうわけですね。それは、よろしゅうございますね。念のために聞いておきます。もう一ぺん答えてください。
  51. 道正邦彦

    道正政府委員 そのとおりでございます。
  52. 大出俊

    大出委員 そこで、総裁に承りたいのですが、総裁とは長い間議論をしてきておりますから、特別とやかく申し上げるつもりもないのですが、ただ、私は、実は給与局長といろいろやりとりをする中で、人事院が一五・三九、一万四千四百九十三円でございましたかの勧告をした。ところが公労委のほうは、時期が非常に早い。勧告は、人事院のほうは八月でございますから。それで一万四千五十六円か何かの勧告で一四・七四くらいになっておったわけであります。だから、その差を、公労委が何か出すにあたって、これは差額である、こういうふうなことを言うかもしれぬというようなことまで当時実は口に出ている。私は、この言い方を非常に気にしておったわけであります。だが、結果的に何もおありにならなかった。何もおありにならぬで意見書をお出しになったわけでありますが、いま私が指摘をいたしました、この公労委調停案にいう応急措置を必要とした、ここのところは、一体人事院応急措置が必要でないと思っておったわけですか、いかがでございます。
  53. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 これは、前のこの委員会でも申し上げたとおりの立場で、また、そういう態度で事態に臨んできたわけであります。私どもとして、応急と申しましても、われわれが先ばしってどうこう独走的に事を処理するというべき立場でもない。やはりとことんまで事態を見きわめて、確固たる立場の上に立って、意見申出なり勧告を申し上げるのがわれわれの立場で、かくてこそ、納税大衆の御納得も得られるわけですから、そういう立場できておったわけです。しかし、先ほど給与局長がたいへんしかられましたように、こまかい七千事業所を、これから調べて、年内に問に合うかいと言われれば、それはとても間に合わない。しかし、年末にあたって、年越しのために公務員諸君は苦労しておられる、こういう実情は、われわれしょっちゅう皆さんにお会いしておりますから、把握しておるわけであります。その間に処する処置としては、これが一番賢明な処置であるということで意見を御提案申し上げた、そのことに尽きてしまうわけだと思います。
  54. 大出俊

    大出委員 それじゃ、調査も何もなさらなかった、サンプリング調査も何もしないで、会っているから、つまり要求が出たり何かするから、その限りで知っておったというわけですね。それでいて慎重でなければならぬ——慎重というのは、何もしないということじゃないですよ。一生懸命仕事をしたって、慎重でなければならぬなら慎重でいいので、要するに、ただひたすらに公労委の雲行きを見ていた、待っていた、これだけですか。
  55. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 そんなことはありません。
  56. 大出俊

    大出委員 そんなことがなければ、じゃ何をやったのですか。
  57. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 わがほうは、独自の研究を続けておったというわけでございます。
  58. 大出俊

    大出委員 独自の研究というのは、どういう研究ですか。
  59. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 その研究の結果が、今日の御提案となったわけでございます。
  60. 大出俊

    大出委員 資料もなくて研究できるわけないじゃないですか。何もなくて何を研究するのですか。さあ、公労委がどうであったろうかというようなことを研究していたのですか。ずいぶんくだらぬ研究じゃないですか。空想だ、そんなのは。それで公務員生活は守れやしませんよ。そこで公労委が出したら、何であわてて意見書を出したのですか。
  61. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 これは、繰り上げて支給するということでありますから、たびたびおっしゃいますけれども、詳細なデータを整えておっては間に合わない。したがって、繰り上げ支給という形ならば、当面の措置として年の瀬を越すという場面の足しになることは、もう明らかでありますから、これは非常にいい方法だろうと思っているわけです。  それから、あわててとかなんとかという、まあ、そのあわてての話は別にして、私どもは、公労委の裁定に服するたくさんの仲間を持っておるわけです。郵政の人あるいは林野の人、われわれのおあずかりしている一般職職員と机を並べている分野の方があるわけです。それらにおいての関連も、当然常識的に考えることは、あたりまえだろうと思います。
  62. 大出俊

    大出委員 そうすると、応急措置を必要としたということですが、あなたは応急的な措置を必要だとお認めになってやったのじゃないのですな。公労委のこの調停案のほうには、民間の年末一時金が出た、その支給状況にかんがみなんです。民間の八万三千円もよけい出たという支給状況にかんがみて応急措置を必要とした。人事院のほうは、三公社五現、特に郵政なんかのように机を並べているのがいるから、どうもぐあいが悪いということでお出しになったということになりますよ、いまのお話なら。  それならば、まさか〇・三まで繰り上げなんて措置をとるまいと思った公労委がおとりになったから、そうなると隣に人事院の所管の職員が並んでいる、隣のほうは公労委のおかげで、人事院は何もしないんだけれども〇・三カ月繰り上げになった、どうもぐあいが悪いということになるじゃないですか。そんなばかな話ありますか。
  63. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 そこのところは、ちょっと声が大き過ぎたと思いますから、小さい声で申し上げたことにしていただきたいと思います。とにかく今回の措置として、年越しのためには、年越しの足しには、こういう措置が最も適当であると考えてお出しいたしましたということで締めくくらせていただきます。
  64. 大出俊

    大出委員 それなら総裁意見書の中身、何でこんな書き方をするのですか。味もそっけもない、ほんとうに。何年あなたやっているのですか。この意見書の中身、よくもまあ、ぬけぬけとこんな味もそっけもないものをあなた書けたと思って感心しているんですがね。佐藤さんらしくない。歴代——歴代ということはないんだが、今日まで長年佐藤総裁がおやりになっていた経過を振り返ってみますと、こんな味もそっけもない意見書が出てくるとは、私は夢にも思わなかった。これをごらんなさい。「人事院は、昭和四十八年度に限り、昭和四十九年三月に支給する期末手当のうち〇・三月分を昭和四十八年十二月に繰り上げて支給することが適当であると認めるので、」これしか書いてない。「このための法律の制定について所要の措置をとられるよう、」——公労委を見てごらんなさい、あなた。あなたは調査も何もしないんだから、しようがないようなものだけれども、言う資格がないのかもしらぬけれども……。「民間における今次年末一時金の支給状況にかんがみ、」よけい出ましたよ、だから、年末一時金の支給にあたって応急措置が必要だ、かくて〇・三繰り上げるとちゃんと書いてある。あなたのほうは、応急措置も何もない。民間の年末一時金の支給状況にかんがみも何もない。隣にすわっているのが〇・三公労委からもらってぐあいが悪いからということまる出しじゃないですか。これじゃ私は、どうせ公労委が出した、やむを得ず出すというにしても、右へならえしてくれというならば、いうように公労委がせっかく書いている調停案の案文の趣旨くらいは、文章違ってもいいから、どこかにくみとってお書きにならなければ、いまの小さい声にしておきますということにならぬじゃないですか。いかがでございますか。ここのところは、つけ加えてくださいよ、あなた。
  65. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 そこは、自主性のいたすところでございまして、われわれは公労委のまねをして、それをお手本にする義理は何もない。わがほうが自主的に判断して、的確であるという結論をまとめて、それをそのまま打ち出せばいいので、きわめて簡潔にして要を得たものになって——間違いがあれば、これはいけませんけれども、間違いは絶対ないと思います。
  66. 大出俊

    大出委員 間違いがなければ、まるがつくのが世の中の試験の実情なんだけれども、これは、あなた間違えないようにやっていただけでは何にもならぬ。ぼくは、何もかもみんな知っていて言っているんだ。人事院がいつあわてて総理府に申し入れたり、官房にものを言ったり、大蔵省にものを言ったり、みんな知っている。ただいま人事院から、こうこういうふうに言ってまいりましたとぼくのところへすぐ連絡がきている。みんなわかっている。事務総長は帰ってしまっていない、総裁も帰ってしまっていない、給与局長だけ総裁室にぽつんといるなどということでね。公労委の雲行きがどうやら——まだ〇・二の段階です、それで、これは、わがほうも一律にしてもらわなければ困ると、あなた方、そうでしょう。  私は、こんなことは言いたくないのだが、公労委の側にすれば、きわめてものを考え調停案をお出しになっている。あなたのほうの、この意見書というのは、全くそんなことはない。公労委が出したらしようがないからやろうということだ、これは。公労委がやったからやるというなら、人事院なんか要らないですよ、そんなものは。先々ともに公労委がやったら、そのとおり右へならえしてくれればそれでいい。それならむしろ公務員の諸君が安心する。そんなばかなことはないじゃないですか。あなた方はもう少し、自主性とおっしゃるなら、たとえ骨が折れても、年末一時金の支給状況というものは、あなた方は一生懸命——十月にすでに要求書は〇・五の追加勧告の形で公務員共闘からは出ている。それならば、なぜ一体——あなた方たいへんな人員を持っている。労働省とば違う。しかも調査はなれている。それなら、あなた方はあなた方独自にやはり調査して、かくて資料に基づいて研究する、かくて自主性に基づいて意見書を出す、そうでなければならぬじゃないですか。調査もしない、資料もないところで研究している、こうおっしゃる。それで、この意見書だけは味もそっけもないと言ったら、独自に出した、これが人事院自主性だ。つまらぬ自主性じゃないですか。  あなた、総裁流に笑われたから、私も気が済むから、これ以上言わぬけれども、腹はわかっているのだからいいけれども、たまには、こんなときもあるかもしらぬ、長年だから、だが、これを繰り返されては困るのですよ。また来年になって公労協待ちで、また、あわてて右へならえさしてくれというのだったら、これまたずいぶんくだらぬ話ですからね。そうでしょう。公労協のほうは、ストライキをやってもぎ取るからけっこうだと言っているんだから。そうでしょう。来年三月になって穴埋め騒ぎになったときに、片一方は片一方でどんどんやっていく、こっちは、また自主性を発揮して、資料もないところで天井を向いて研究だ、研究だと人事院は言っている。また同じ意見書を出すのじゃたいへんなことですよ。そうでしょう。だから、念のために聞いているわけで、少しどぎつい聞き方をしているけれども給与局長が新しくなったから、こういう言い方をするのだけれども、ふんぞり返ったことを言うから、いささかこっちもとんぼくれているのだ。冗談じゃないですよ、どこから来たか知らないけれども。  そこで、もう一つ承っておきますが、総裁、これから先はどうするつもりですか。来年の三月には国鉄運賃が上がる、四月には米価が上がる。十月の卸売り物価の上昇というのは二〇・三%である。タイムラグ六カ月見たら、三月から四月、五月に集中する。そこへ石油危機というのが一体どうなるかといったら、きのうの中曽根さんの答弁じゃないけれども、後半にずっとしわ寄せしていく。ナフサ五〇%値上げでストックがみんな出てしまっている。いま価格が据え置かれているものをさがすのがたいへんだ。やたらむしょうに上がっている。上がりっぱなしです。そういう状況の中で、普通の状況じゃおさまらない。人事院方式でいうなら、四月調査でございますから何にもしません、こういうことになる。そうでしょう、わがほうの自主性で。そんな自主性は通用しないですよ、世の中の大きな変動のこの時期に。そうでしょう。この物価上昇というのは、二十八年以来のことなんだから。そうだとすると、三月の段階になって、いや、わがほうは四月調査でございましたとあなたまた腕を組むことになるんですよ、いまの自主性でいうと。それは私は、人事院の立場から許される筋合いじゃないと思う。  そうだとすると、そこで、やはりものを言わないと、いまからものの考え方をはっきりさせていかないと、また公労委待ちになってしまう。それで、また独自の研究と、たいへんどうも総裁の心中まことに察するに余りあるのだけれども、言いにくい答弁になってしまうと私は思う。ちょっと声を小さくしますということになってしまう。だから、これから先一体総裁どうなさるおつもりですか。来年、まだ総裁の任期がおありになるときでございますから、承りたいのです。
  67. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 加藤委員の御批判もありましたし、ただいままた、大出委員の御批判もありましたように、ろくろく調べもしないでというようなことが今回の一つのおしかりに入っておるわけです。したがって、肝に銘じて、これから七千事業所を十分調べた上ですべてこういうことには臨むべきである。  今度は、お許しをいただけると思うのは、先ほど申しましたように、三月の分をこの際繰り上げて支給するということですから、よく調べもせぬでというおしかりはいささかどうかと思いますけれども、今後がっちりと、本格的にやるときには、これは申すまでもなく、やはり四月調査で十分詳細なる調査をした上で、そうして来年の勧告できれいに清算をする、それは、もう申すまでもないことでございます。
  68. 大出俊

    大出委員 来年のというのは、四月調査から始まるのでしょう。その前に、食えないで、暴動でも起こりますよ、クーデターのビラまでまかれている世の中に。冗談じゃないですよ、そんなのんきなこと言っていて。  実は、私は、これであなたに対する質問をやめようと思ったのです。なぜかというと、ずいぶん味もそっけもない意見書じゃないですかと言ったら、最後には、声を小さくなさったり、いろいろされて、だから、この繰り上げというのは、年末の足しにしてもらいたい、こういうことなんだとおっしゃった。三月の分を繰り上げて年末の足しにしてしまったら——年末は足らないから、足しにしてもらいたいわけですから、年末がどうもいまの二・六では足らないから、足しにしてもらうということで〇・三繰り上げたのだから。人事院も、総裁のいまの御発言によれば、年末の足しにしてもらいたいとおっしゃった、そうでしょう。年末の足しにする必要があったから足しにしたのでしょう。そうなると、足しにしてしまったのだから、三月にはゼロでございますということになったら、世の中はおさまりはしないじゃないですか。人事院さまが、佐藤総裁が、長年の経験に基づいて、公務員諸君と家族の諸君、〇・三繰り上げた、これは年末の足しにしてくれ、こうおっしゃった、ありがとうございますと、みんな足しにしてもらった。三月になったらゼロでございますでは、これはとてもじゃないが、せっかく足しにしてくれておいて、ゼロでは済みやしないじゃないですか。  だから、いまはこの点は、とにかくここでは触れませんけれども、触れると全部言わなければならぬから言わないけれども、ならば、いまから将来に向かって——四月になったら、ぼつぼつ調査をいたしますといって、腕を組んでいるというのでは済まぬと私は申し上げているのです。どだい公労協の側は済みやしない。年を越せばさっそくです。物価はますます上がる、年を越せばさっそく生活防衛です。そういう時期に、あなたのほうは、四月から先になったら、詳細な調査をこれから八月までかかってやりますと、こうおっしゃるのですか。旧来と同じことをやるのですか。
  69. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 しっかりしたデータをつかみますためには、四月の調査で七千事業所について逐一調べた上で、データを整えて、また、それに対応する措置勧告申し上げようということを申し上げたわけです。
  70. 大出俊

    大出委員 そうすると、これから三月の年度末に向かっては、また公労委待ちですな。あなたは、そうお思いになりませんか。これは、このままで済むなんてお考えにならぬでしょう、年末の足しにしてしまったのですから。そうでしょう。足しにしてもらったのだから、みんな足りないのだから、使うのだから、あたりまえじゃないですか。年末に足りないということは、いま私が指摘したように、三月は運賃も上がる、米も上がる、つれて諸般の物価が全部上がる。ここで、もう一ぺん物価問題は繰り返しませんけれども、麦はすでに三五%上がっている、そうでしょう。波及効果絶大ですよ。いま年末だって、 マグロなんといったって、見てごらんなさい、また一船買いが始まってしまって、マグロなんというものはありゃしない、三崎の港をかかえている神奈川県に。何と三倍ですよ。そういうことになっている世の中に、じゃ、人事院は四月まで腕を組んで、何もしないで見ているのですか。それならば、ますますもって人事院はもう要らぬじゃないですか、そんなものは。ILO報告に基づいて人事院廃止運動を唱えなければならぬ、そんなのんきなこと言っているのじゃ。  念のために、もう一ぺん聞きますが、何もしないのですかあなた。四月から先ですか。
  71. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 あくまでも自主性をもって貫いてまいるつもりでございます。
  72. 大出俊

    大出委員 それでは、それなりに私の立場も考えましょう。自主性をもって貫いていくのだ、四月から先にならなければ調査はしません、こうおっしゃるのですな。  そこで、もう一つ言いましょう。関連質問がありますから、その関係でここで一つ触れておきたいのですが、寒冷地手当の加算額の問題でございます。加算額、つまりこれは燃料費のはずであります。いままでのいろんなやりとりの中では、二〇%以上の動きがあれば手直しをするとか、いろんな答弁がございました。また八月三十一日に払ったのだからという意見もございました。だがしかし、消防法の関係もありまして、どういうふうに灯油というものを寒い地域の方々は入手をされ、使っておられるかは御存じのとおりだと思う。だとすると、先般、私がこの問題について触れて申し上げた、十六日でありますが、検討するという御答弁でございましたが、まず、その検討の結果をお知らせをいただきまして、その上で通告を申し上げておりますように、横路委員のほうから関連をして質問さしていただきます。委員長よろしゅうございますね。
  73. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委貧 検討の対象は、申すまでもありませんけれども、灯油の値段の変動、これは、きわめて関心を持ちながら追跡しておるというのが実態でございます。
  74. 徳安實藏

    徳安委員長 関連質問を許します。横路孝弘君。
  75. 横路孝弘

    ○横路委員 のんびりしているような状況では、実は全然ないのです。ことし一五%ということで勧告をいただいたわけなんですけれども、この八月以降の状況というのは、もうほぼ倍ぐらいの値段なんです。いまドラムかん一本五千円でもなかなか手に入らない、こういう状況なんです。したがって、検討じゃなくて、実は調査をきちんといまの段階でやっていただきたいというように思うのですけれども、その辺のところは、 いかがでしょう。
  76. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 検討ということばづかいは、ちょっとまずかったと思います。調査をしておるわけでございます。
  77. 横路孝弘

    ○横路委員 北海道警察の発表によると、最近のどろぼうというのは、金は持っていかない、金は見向きもしないで、物を持っていくということでございます。最近、北海道で一番多いのは、灯油どろぼうなんです。みんな外にかんといいますか、それを置いて、そこから石油を室内に引き入れるようにしてありますが、その外を切って、一晩かかってこの灯油を盗んでいくという件数が、全道至るところで、あちらでもこちらでも発生をするというような状況なんです。それは、手に入らないということも一つあるのですけれども、やはりこの値段がウナギ登りという状況からなんですね。  その調査ということですが、統計を見ておって、あちこちあれするのじゃなくて、実際にどうなるかということです。これは通産省のほうでも、値段を十八リットル三百八十円とかなんとか、こうやっていますけれども、現実には全然そんなものじゃなくて、これはたいへんな状況なんで、その調査ということを実際現地に当たって調査をしていただきたい。八月末支給で、一応たてまえはそこで業者に、従来は一括してお金を払っておいて、あとそれぞれ必要なときに配達をしてもらうというやり方がとられておったわけですけれども、いまはもう、たとえその八月に契約を結んだところも、全部業者のほうから一方的に破棄をされて、そんな状況では全然ないので、あの支給では、それこそ——部屋の温度を下げろみたいな話もありましたけれども、ともかく北海道のきびしい寒さの中で、特にことしは寒さがきびしいといわれておるわけでありまして、現地に当たっての調査ぜひやっていただきたい。
  78. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 私のほうにも北海道の事務局、出先がございますから、鋭意常に調査をしておるはずでございますけれども、なお、その点精密に調査をするように申しつけておきたいと思います。
  79. 横路孝弘

    ○横路委員 ことし、この内閣委員会で北海道を視察に行きまして、道の出先機関のほうも見ておって、同情すべき点もあるのですね。人員が徹底的に不足しておって、課長一人に係長一人に係員一人みたいな、あれではもうなかなか調査もできぬだろう。だから、北海道のほうとも協力をして、いまの時点における実態調査をまず行なって、現状を徹底的に掌握をされて、その上でことしの二月のときの御答弁もありましたから、めどが一五%から二〇%だといういま総裁の御答弁もありましたから、調査をされて、その御答弁の判断に従って勧告をするかしないかということについての結論もできるだけ早く出してもらいたい。それをお願いしたいと思いますが、それはよろしいですか。
  80. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 二月に申し上げた際には、やはり寒冷増高費というものを、全体として把握しながら、われわれとしては、一方においては見ていかなければならぬという立場も申し上げました。片や定率分の上がりということもあわせ勘案しつつ検討を進めてまいりたいということで、現実のいまの御要望は、灯油の上がりについて大いに注目して調査をせよというおことばでございますが、それはそれとして進めながら、寒冷地手当全体の中で十分真剣に検討してまいりたいというのが私のお答えでございます。
  81. 横路孝弘

    ○横路委員 その真剣な検討を早い機会にやっていただけますか。
  82. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 検討は現に進めておりますし、今後も継続してまいりたいというつもりでおります。
  83. 横路孝弘

    ○横路委員 よろしいです。
  84. 大出俊

    大出委員 寒冷地の問題で、ちょっと私も最後の締めくくり質問をしておきたいのですが、この加算額の基礎になった灯油価格は、北海道渡し単価で大体幾らに計算をされておりますか。
  85. 茨木広

    茨木政府委員 十八リットルで三百三十九円でございます。
  86. 大出俊

    大出委員 十八リットル、つまり石油かん一本で三百三十八円ですか、九円ですか。
  87. 茨木広

    茨木政府委員 九円です。
  88. 大出俊

    大出委員 ということになると、これは通産省が中身三百八十円、こういうことで、高値安定だけれども、そういう言い方をされた。また一昨日は、四百三十二円という高値安定のものの言い方を、言いかえてなさっている。これは中身。そうだとすると、運搬賃その他が入っていない。あなたのほうが三百三十九円だということで計算をされたんだとすれば、今日全くもって実情に合わないところにきている。さっき申しましたように、消防法との関係もあって、家に置いておくわけにいかない、違反ですから。だから、ドラムかんで買って業者に預けておくというのが、北海道のいつものやる方法である。ところがエネルギー危機の問題というのは、さかのぼっていえば六月から。だから、八月の三十一日ということであっても、もうこの時点は、実情はなかなかまとめて買えていない。これは、私のところにたくさん資料はある。  その原点に立って考えれば、調査はいいけれども、その調査というのは、実情に沿うように結論を出す調査にしてくれぬというと、寒いところではたいへんなんです。東京、横浜じゃない。そこらのところは、一体どうお考えになっていますか。あまりといえば違い過ぎる今日的現状をどうお考えになっていますか。
  89. 茨木広

    茨木政府委員 最近、特にこの一カ月近くになりましてから、たいへん石油事情が混乱してまいまして、灯油価格についても、非常にまちまちな価格が出るように相なったわけでございます。それでたいへん心配しておるというのが実情でございます。  この九月の時期でも、灯油だけを見ますと、やはり昨年の四十七年を一〇〇といたしますと、一二〇ぐらいの数値が出てまいりまして、石炭と両方ウエート換算をいたしますと、一三%ぐらいの上がりということになりまして、先ほどいろいろ御議論されております数値に近いところにだんだんきているというようなところまでは把握いたしております。その後は、たいへん価格が混乱いたしておるものですから、その後の情勢を見ておる、そういうことでございます。
  90. 大出俊

    大出委員 そうしますと、これから時期的には、どういうめどで調査をされ、結論をお出しになるおつもりでございますか。
  91. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 灯油に関するお話は、刻々調査をしておるわけでありますが、もっと高い視野から寒冷地手当全体についても——御承知のように、出発は石炭から出発しているわけですから、だから八月の末にごっそりやってあるはずだという、先ほどいみじくも大出委員おっしゃったように、もう買っているはずでしょうというような話もまたそこに出てくる。かねがね、灯油というものが、だいぶ普及してくれば、もう石炭から灯油に切りかえて、毎月払いにしたらどうでしょうかということを申し上げてあるのですが、一向御賛成がないわけです。そういう問題にも関連をしながら、私は深く検討していかなければならぬことだいうふうに考えております。当面は、御承知のように、民間で出しております寒冷地手当より、こっちのほうがうんと多いのですから、まだちょっとゆとりがあるのではないかと思いますけれども、それはそれとして、十分真剣に検討を進めてまいりたい、そういうことでございます。
  92. 大出俊

    大出委員 寒いところのことでございますから、これが生活の基礎になっておりますので、先ほどのほうは四月からゆっくり調査とおっしゃったけれども、こればかりは、ゆっくり調査じゃ、あたたかくなってしまう、だから、これらの調査については、やはり適宜適切にやっていっていただくようなことにしていただかぬと——私に言わせれば、マーケットバスケット方式だって、何も公務員法にそういうふうにしてやれと書いてあるわけじゃないのだ。人事院が浅井総裁のときに見つけ出したアメリカ式システムですけれども、私は浅井さんと当時長い対談をしたことがある。人事院がマバ方式をとることだって、法律にきまっているのじゃない。だから、この間いみじくも総裁がお答えになった二十八条じゃないけれども、最少限度一回の勧告しかしてこない年が大多数なんです。  だから、そういう点は、もう少し応変の措置を、人事院は高いところに立って全体の大勢をおつかみいただいて、全体を動かして適応の原則を生かしていくようにしていただくのが正しいと私は思っているんですよ、たいへんなことですけれども。そういう意味で、先ほど、必要な時期なんだから必要な調査ということを、物理的にできないことはしかたがないが、そういう考え方に立っていただけないかと言っているわけですから、あわせてひとつ、これは早急な調査を進めていただいて、結果を見たいと私は思うので、ぜひそうお進めいただきたい。いかがですか。
  93. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 御趣旨はよくわかりました。
  94. 大出俊

    大出委員 もう一つ、人材確保にかかわる法案がこの国会に継続をしているわけであります。この法案をめぐって、どう扱うかは、これは国会の仕事であります。だが、学校の先生方の給与というものをあずかっておられるのは、これは人事院であります。  そういう意味で、先行きどうなるかは、これは政治の分野のことでありますが、人事院一体、教員の給与に対して、人事院独自の見解としてどういう考えをお持ちでございますか。
  95. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 教員の給与については、もう毎回の勧告の際、御承知でありますように、本来ならば、官民比較の上では逆較差になっておるのにもかかわらず努力をしてきた、こういうことでありまして、今度たまたま人材確保の法案も出ましたし、この成立があれば、われわれとしては、非常にうれしいことだという気持ちで臨んでおるわけでありますが、なかなかこれが成立を見ないで、やきもきしているわけであります。
  96. 大出俊

    大出委員 国会のほうのことは、国会がやることになっておりますから、とやかく言いませんけれども公務員の中の学校の先生、小学校、中学校あるいは高校、大学あるいは幼稚園あるいは事務職員、こうたくさんおいでになりますが、この一〇%という一つのものの目安、ここらあたりは、人事院の側から考えてみて、この長い年月、ぼつぼつ手直しはしてきておりまして、議論総裁と私は何べんもしたことがありますが、今日、たとえば悲しき四十歳ということばがございまして、学校の先生、四十になりますと、普通ならば、大体四等級にわたっているところが、なおかつ五等級である。なぜか。職階の面からいって非常に少ないわけであります、校長さんがおる、副校長がおる、教頭がおる、こういうことしかないわけでありますから、そういう面を考えた場合に、よく世評にいわれるその悲しき四十歳的な方方が意外に多い。なおまだ五等級どまりにいるという方々が多過ぎる。これは事実です。  そこらのところを、片や一〇%という目安がありますけれども、あわせ考えて、総裁一体どうお考えかという点を、実は先々のことがありますので、この席で承っておきたいと思います。
  97. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 何とか四十歳というのは、よく聞こえませんでしたけれども、われわれは、ひしめく四十代と申しております。その事実は認識しているわけです。  したがいまして、そういう面の解決のためにも、今回の人材確保の法案が通れば、非常にいい結果を生ずるなという期待を持って臨んでおるわけであります。
  98. 大出俊

    大出委員 もう一つ承っておきますが、物理的に、かりに処理された場合に、これは、あの法案のたてまえからいけば、人事院勧告しなければなりません。義務づけておりますから。そうだとすると、どのくらいの期間を必要といたしますか。
  99. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 これは、国会の御審議の模様をさらに追及しませんと、どういう御要望がまだ飛び出してくるやらということもわかりませんし、結局、それらを見きわめた上での作業の開始になりますから、相当期間必要だと思います。  しかし、どうしても年度内には給与法そのものが成立するようにしていただかないとこれは困る、ということから逆算すると、ことしじゅうにはひとつぜひ成立させていただかぬと、われわれたいへん困るのです。
  100. 大出俊

    大出委員 そうしますと、目安としては、ことしじゅうに成立をしてくれなければ困る。かつまた一方では、年度末までには積み上げられるように措置をしなければならぬ、こういまのお話でございます。確かに百三十六億という金は、年度内の金であります。そこで、そうすると手続的には二カ月余かかるということになる。  つまり、いまのお話では、年内に法案の処理がつくとかりに考えて、年度内には何とかしなければならぬ、それはぎりぎりだ、こういうお話ですから、そうすると、大体、まあ二カ月ないし三カ月ぐらいは手続的に人事院の作業という面でかかるという意味ですか。
  101. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 人事院の作業も入りますけれども、今度は給与法案がまた国会に出て、それで御審議をしていただかなければならぬのですから、われわれやきもきするのもお察しいただけると思う。われわれだけの作業じゃないのですから、国会の御審議、両院の御審議をあわせて考えて、ひとつ何とかしていただきたいというのが、お願いになるわけです。
  102. 大出俊

    大出委員 だいぶこれはお互いに苦しいところでしてね。察するに余りあるところであります。  その際、私は、一般行政職のほうも訴えるなんて申し上げましたが、総合較差方式がくずれるわけでありますから、その際、そちらのほうも何とかしていただかなければなりません、そうなると、それにも時間は多少かかる、こういうわけでありますね。  大体、人事院の作業目安というものを承りたかったので、こういう質問をしたので、大体見当がつきました。  そこで、総務長官お見えになりましたから、承っておきたいのでありますが、先ほど来議論をしてまいりましたが、公労委調停案の中身というのは、人事院意見書とははなはだしく違う。この点を先ほど私、指摘をしたわけでありますが、総務長官にも承っておきたいのであります。  あらためて読み上げて申し上げますが、公労委調停案は「民間における今次年末一時金の支給状況にかんがみ、」と書いてある。「民間における今次年末一時金の支給状況にかんがみ、」こう書いてありまして、その次に「年末一時金の支給にあたっては、応急措置として年度手当〇・三月分を年内に繰り上げて支給すること。」こうなっているのですね。「応急措置として」……。  そこで、先ほど労働省に、一体民間の年末一時金と申すものは、どのくらいのところに行ったんだと聞いてみた。労働省労政局長の答弁に基づきますと、八万三千円余の昨年対比で大手二百七十九社平均でよけい出ている、これが労働省調査結果である、二百七十九社、八万三千二百二十一円前年対比で多い、四二・四%、こういうわけであります。だから、この調停案でいうところの「民間における今次年末一時金の支給状況にかんがみ、」というのは、労働省調査の数字、つまり八万三千二百二十一円前年対比で年末手当がよけい出ている、四二・四%になっておりますが、これをさすのかとただしましたら、あるいは他の資料もあったかもしらぬ、しかし労働省は、この資料公労委に出した、だから、この資料、これも大きなウエートで入っている、そういう性格の年末一時金だった、その支給状況にかんがみて応急措置が必要になった、だから〇・三を繰り上げた、これは、あくまでも応急措置、こういう趣旨であるという説明労働省はしております。  これを出しましたときの公労委調停委員長の共同談話がある。この共同談話の中で、いきなり危機突破資金だとか、あるいは生活防衛資金だとかいう、名前はついていないけれども、「年末一時金が、本年は企業の業績の向上や物価の上昇を反映して、」と、物価をこの中にわざわざ入れておられる。つまり物価の上昇を反映して合わせて八万三千何がしの増加になっているということを談話で述べておられる。ところが人事院のほうの意見書というのは、まさに味もそっけもない。「昭和四十九年三月に支給する期末手当のうち〇・三月分を昭和四十八年十二月に繰り上げて支給することが適当であると認めるので、」としか書いてない。これは一体なぜこういうふうに違うのだ、また、それまで何にもしなかったやに見える人事院が何であわてて意見書まで出すことになったのだというやりとりを、いましていたわけであります。  そこで、給与担当大臣という名がつきますのは小坂さんであります。公務員給与において、その責任を負っておられる政府の責任者であります。この公労委調停案人事院意見書の大きな相違、これは一体なぜ、こういうものが出てくるのか、新聞を通じて見ておりますのは、小坂さん所管の公務員諸君であります。五十万の国家公務員、これに準ずる二百五十万の地方公務員であります。これは、たいへんに大きな疑問を持っている。これは、どう解明をすればよろしいのですか、承りたいのであります。
  103. 小坂徳三郎

    小坂国務大臣 大出さんの御質問でございますが、あなたも御承知のように、総理府総務長官といたしましては、国家公務員法の規定に従っていかなくちゃなりませんが、その規定によれば、やはり人事院が全面的に調査もし、調整もし、そうして回答を与えていく、それをわれわれは追認していくという形になるわけでございます。  私は、そういう意味から申しまして、従来も人事院の決定に従って公務員給与その他は決定されてきたものでございますが、特にこういう事態の中で、人事院がこのような決定をされたということは適当と認めたので、今度皆さま方に、この法案を御提出して、御審議を賜わっているわけであります。
  104. 大出俊

    大出委員 私の質問にそのままお答えになっていないわけでありますが、そんなことはよろしい、時間もございませんからよろしい。だが、もう一つだけ承わっておきたいのは、私も内情を、実は、私どもの党の側の担当者でございますから、また、長年の経験がございますから、何がどうなって、ここにこういうことになったかという経緯は九分九厘知っているつもりでございます。  だから、率直のところを承っておきたいのですが、待ちの時間が長過ぎた人事院でございまして、待った結果として、公労委がこういう調停案をお書きになった、それを労使双方おのみになった、かくて年度手当〇・三は十二月に繰り上がることになった、だから、人事院はこの意見書を出した、率直に忍ばそういうことだと思う。総務長官は、人事院もあわせて所管をなさるわけでありますから、そこのところはどうお考えでございますか。
  105. 小坂徳三郎

    小坂国務大臣 いまのようなお考えは、ある面からいうと、おまえ何しているのだということになると思います。そこは、公務員法その他について、長い御体験をお持ちのあなたでございますから、わかっていただけると思っております。  ただ、私は、やはり一般的に申しまして、公務員やあるいは三公五現は非常に国の重要な役割りをしている方々でございますから、その方々が不測の事態で争議その他の問題に巻き込まれることは、やはり国としてはまずいという基本的な考えを持っておりまして、総務長官としてではなく、国務大臣としての面から、こうした問題について、解決の前進がはかれるならば、はかるような努力をしていきたいと考えておるわけでございます。
  106. 大出俊

    大出委員 これで終わりますが、ならば、ひとつ、くどくどとこまかいことは申しません、大筋の気持ちはわかりますから。  ただ問題は、いまやりとりをいたしましたら、総裁も非常に微妙なニュアンスのことばをお吐きになりました。つまり〇・三繰り上げた、これを適当と認めるというのは、年末を迎えて公務員の御家族を含めてこの方々に、年末の手当の足しにしてもらいたい、率直に言ってしまえば、そういう気持ちで繰り上げた、それが適当と認め理由なんだということでした。足しにしてくれというのは、足らないだろうから、足しにしてくれということなんですね。  そうすると、足らないから繰り上げた、さて三月は、法律上〇・三が落ちているということですから、公共企業体あるいは五現業の方々にしても、このままで済む筋合いのものでもない。——もう深く詰める気は毛頭ありません。したがって、また公務員諸君も、このままで済ませるはずがない。そうだとすると、これから三月に向かって人事院は、調査資料は一切ございませんというようなばかげたことでなしに、結果がどうなるかは別として、それなりの研究、それなりの調査もしていただかなければ困る、こう思っているのでありますが、これは、やはり総理府総務長官の立場で、人事院民間動向その他——いま資料人事院にないのですから、労働省だけにしかないのですし、それも二百七十九社しかないのですから、そこらのところを、もう少し詳細に資料をとっておけとか、調べておけとかいうことは、総務長官ですからできるはずです。幾らにしようというわけじゃないんですよ。  そこらのところは、やはり御指示いただいて、何とかひとつ、円満にものごとが落着をしていくように将来に向かって——物価は、三月の国鉄料金の値上げ、四月の米価の値上げで、十月の二〇・三%の卸売り物価の上昇が、タイムラグをもってすれば、四、五月にいきますとどうなるか、さらに石油問題と、こういうわけでありまして、したがって、そこらを見通してのそれなりの研究調査が必要であろうと思うのであります。  今回、質問をいたしましたら、それらの調査人事院にはないわけでありますから、これはぜひひとつ、給与担当の大臣として、長年の経験のある人事院に、そこらの調査研究をしておいていただくようにお話しをいただきたいと思うのでありますが、いかがでありますか。
  107. 小坂徳三郎

    小坂国務大臣 一つの御意見として承っておきます。
  108. 大出俊

    大出委員 それは、どういう意味ですか、一つの御意見としてというのは。あなたの御意見を聞いているのですが……。
  109. 小坂徳三郎

    小坂国務大臣 そういう御希望もあるということと、それからもう一つは、人事院は独立機関でございますので、また総務長官として話し得るいろいろな問題もあると思いますから……。
  110. 大出俊

    大出委員 じゃ、承りますが、どこまでが話し得る、どこまでが話し得ないのですか。
  111. 小坂徳三郎

    小坂国務大臣 それは、ひとつ、この支給が済んだあとの事態で、また人事院においても、いろいろな調査が進むでございましょうから、その時点において、いまのあなたの御希望のことを、人事院総裁にも関連をつけて話してみたいと思います。
  112. 大出俊

    大出委員 話してみたいというお話でございますから、時間もございませんので、これで終わります。
  113. 徳安實藏

  114. 東中光雄

    東中委員 時間がありませんので、一言お聞きしたいのですが、今度の〇・三カ月の繰り上げ等で、平均して支給額は昨年と比べて幾ら上がり、支給アップ率は何ぼになるのですか、お聞きしておきます。
  115. 茨木広

    茨木政府委員 プラスいたしますと、平均十万の本俸ということになりますと、約三十万という額になります。
  116. 東中光雄

    東中委員 時間がかかるから、ぼくのほうで言いますが、平均支給額のアップ額は七万三千七百円、パーセンテージにして前年対比一三一・二%、そうでございますね。
  117. 茨木広

    茨木政府委員 そのとおりでございます。
  118. 東中光雄

    東中委員 それで、先ほどの労働省の二七九社での前年対比は、額にして八万三千二百二十一円、パーセンテージにして一四二・四%、 こうなっているわけですが、〇・三カ月等について、先ほど来質問にも出ておりますけれども一体どういうところに根拠をもってやられたのか。民間よりも明らかに低いわけですから……。
  119. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 これは、年間における特別給、一時金の全体の総ワクを動かすか動かせぬかという問題になるわけで、ことしの民間の場合が高い高いと非常に大手の例を引いておっしゃるが、それは、先ほど来申し上げておりますように、来年の四月調査でがっちりつかみます。これは百人以上、五十人以上という規模でわれわれ例年やっておりますから、それでがっちりつかんで、これは例年どおりに来年の夏の勧告でちゃんと清算をいたします。  しかし、それを待てないという話が一方においてありますし、われわれとしても、同感するところが少なくないので、年を越すについて、とりあえず、これだけお金があれば、まず楽だろうということは、当然常識として出てくるわけですから、三月に支給するはずのものを、早目に繰り上げて年末に差し上げましょうということに尽きるわけでございます。それが〇・三カ月分くらいがちょうどいい……。
  120. 東中光雄

    東中委員 それでは、常識的に言ってということしか言われてないということになるわけですが、四月以降のことではなくて、現在の時点で特別に意見書を出されたについては、これは、調査に基づいてやられるわけでありますから——民間との関係でいえば明らかに低い。いま常識的にいって、これがあれば、年を越すのに楽だろう、こうおっしゃったのですけれども、楽どころか、これではまだ窮屈で、どうにもならぬのだという感覚を持っている。これは公務員共闘の要求額との関係からいえば、ずいぶん低いわけです。  だから、やはり要求との関係でいえば、これをやられるについては、根拠が要ると思うのですが、その根拠として調査されたものは、一体何なのかということと、それから人事院総裁が記者会見で、物価高騰などで年の瀬が苦しい国家公務員の立場を考えての勧告である、物価高騰ということをいわれているわけですから、ということは、どういうふうに物価高騰について認識をされ、人事院としてつかまれたのか。これが〇・三になっていくもとのデータというのは、当然つかんでおられなければいけない筋合いのものじゃないか、こう思うのですが、その点についてどうでしょう。
  121. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 その奥深いところは、何もわれわれが一生懸命になってつかまなければならぬ立場にはないし、責任もないのでありまして、奥深い問題は、政治家なり批評家なりがいろいろ御究明くださる。われわれは、ひしひしと現在、公務員がどう感じておられるか、その皮膚の感じを感じ取ればいいのであって、これは、その皮膚の感じを感じ取っての措置である、これでもうりっぱなものだと思います。
  122. 東中光雄

    東中委員 公務員の要求は、本俸の平均五%以上の再引き上げ、年末一時金を三カ月以上に改定、プラス本俸一カ月分のインフレ手当支給ということを切実に言うておるわけですね。  だから、総裁が腹で切実に感じておられるということと、実際に公務員労働者が組織的に要求していることとは、大きなずれがあるわけですから、そのずれがあるについての〇・三というふうにきめられるには、何かの根拠が要るわけですから、その根拠は、一体どういうことなんだろうかということについては、まあ、まあ常識的にというようなことを言われましたけれども、その常識というのは、科学的に、合理的に根拠を持ったものでなければいけないと思うのですね、そういう点について、どういう調査をされたのか。されなかったら、されなかったということを、そこのところをはっきりとしておいていただきたい。
  123. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 調査の問題は、さっきからもさんざんおしかりをこうむりまして、来年の四月調査ではがっちりやりますということを申し上げておるわけですから、そこは、ごかんべんしていただいて、現実は現実としてやはり踏まえてみて、〇・三繰り上げて支給しますよとわれわれが申し上げて、公務員諸君は、そんなものは要らないと言う人は一人もおりませんし、まあ、それで助かるなあという顔つきをしていらっしゃるのですから、それが何よりの証拠だろうと私は思います。
  124. 東中光雄

    東中委員 総裁の言われていることは、これは全く主観を言われているわけですね。助かるなあと思っている、顔を見たらわかると言われるけれども、要求は明らかに違うわけです。  だから、これは押し問答しておっても、しようがないわけですけれども、そういう点では、物価が急騰しているという状態、公務員生活が非常に圧迫されているという状態及び民間との関係で比べてみても、非常に低いという状態から見て、来年の四月ということじゃなくて、情勢は変わっていくわけですから、変わっていく情勢をよく調査をして、公務員生活を守る、ストライキ権のかわりというのであれば、それに応じたような調査措置というものをとられていくべきだと思うのですが、そういう点についての、今後の、四月ということじゃなくて——だってまだ一月、二月、三月、どうなるか調査はされていないし、調査をしようにも、まだその時期が来ていないわけですから、どういう事態が起こるかわからぬという状態の中で、四月というふうにきめてしまわないで対処さるべきだ、こう思うのですが、いかがでございましょう。
  125. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 私どもは、従来の例からいえば、相当民間における特別給が上がったなあと思われる年でも、その翌年の勧告でそれを清算するという立場を堅持しておるわけです。その立場は、やはり今回もあくまでも堅持してまいりたい。  しかし、この年の暮れは年の暮れとして、いま申し上げましたような趣旨から、やはり繰り上げて差し上げることが、まず適当であろうということで判断をしたわけでございまして、根本問題は、従来どおりの立場をいまのところ貫いておるつもりでありますし、今後そういきたいということは、申すまでもないことです。その筋は筋として、将来も通していくという気持ちでおります。
  126. 東中光雄

    東中委員 総務長官に使用者としての政府の立場で、人事院から意見が出た、それをそのまま法律にしていくというだけじゃなくて、いままでも勧告は、勧告があっても値切られることもあったわけですから、政府としての立場でやはり調査し、検討し、提案されているというふうに思うわけですが、そういう点で、今度の場合、どういうふうな調査をされ、どういう立場でこの法案の提案をされているかという点をお伺いしておきたい。
  127. 小坂徳三郎

    小坂国務大臣 公務員給与につきましては、人事院勧告を待って、われわれがそれを受けて立つ立場でございますが、事実、総理府には調査権限というものが明記されていないのです。でありますから、そうした意味一つありますし、また同時に、調査をいたしましても、これは非常に膨大な人員、機構が要るわけでございまして、人事院がすでにやっておるわけですから、そうした面から見まして、私はやはり調査等につきましては、人事院が従来十分職責を果たしておると思いますので、それにまかせていきたいというふうに考えております。
  128. 東中光雄

    東中委員 従来、先ほども言いましたように、人事院勧告を値切られることもあったわけです。やはりそこで判断されていることは、間違いないわけで、それが政治的な、財政的なことからの判断じゃなくて、使用者としての政府、使用者としての立場、それから給与担当省として公務員生活を保障するという観点からやられるべきものだと思います。  人事院は、常識で、年越すのに顔色を見ているというかっこうになっておって、そして人事局のほうは、とにかくそれの無検討のままの横写しということじゃ、これは使用者としての立場あるいは公務員生活を保障する立場からいって、非常に問題があると思いますので、この点、この高物価、インフレ、異常な状態での公務員生活の保障という点で一そう配慮され、検討されるということを要望して、時間がありませんので、質問を終わりたいと思います。
  129. 徳安實藏

    徳安委員長 鈴切康雄君。
  130. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 時間の制約もありますので、端的にお聞きいたしておきます。  年末の一時金につきまして、民間の一時金の支給状況は、どういうふうになっていましょうか。
  131. 茨木広

    茨木政府委員 先ほどお話に出ましたような、労働省のほうの資料によりますと、十二月三日現在で、大手筋のものだけでございますが、二十七万八千八百四十六円というようなところが出ておるわけでございます。ただ、この数値は、十一月末から十二月になりましてから急激に上がってきたような状況で、数値が変わってきておるわけでございます。
  132. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 国家公務員期末手当の繰り上げ支給についての人事院意見の〇・三カ月分の算出の根拠というのは、どこにありますか。
  133. 茨木広

    茨木政府委員 期末勤勉手当関係を含めまして、年間民間と比較いたしておるわけでございますが、ただ、その支給月のかっこうは、民間のほうは六月中心と十二月とこの二回にほとんどが集中しておるという状況でございますが、私どもの関係は、前からのいろいろ経緯がございまして、十二月に相当ウエートをかけ、その次が六月とあと三月と、こういうふうに分けておるわけでございます。  その辺で、特に民間のかっこうとこちらと比較をする、あるいは前年度アップ率を比較するというわけにもなかなかいかない関係がございまして、そんな関係で、先ほどいろいろ総裁から答弁がございましたような事情で、民間のほうでほとんど三月には出ていない三月分の、その分のうちの〇・三を繰り上げた、こういうようなことを御提案申し上げるというようなことに相なったわけでございます。
  134. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 期末手当支給の特別の特例措置についての意見申出という勧告をされたわけですけれども、やはり算定根拠というものがあって出されなくちゃならないし、言うならば、人事院としても当然、こういう問題については、過日から論議を呼んでいる問題でもありますし、そういう調査等がなされた上においてこういう結果であるという、そういうふうな結論にならなくてはならないのじゃないか、私は、こういうふうに思うのですけれども、その点はいかがでしょうか。
  135. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 よくわかりますが、今回の措置は、年間を通じての特別給の総ワクには手をつけない、それは据え置きで、中の配分でやりくりをしようということが発想の魂胆です。  そこで、いま給与局長お話し申しましたように、三月の特別手当というのは、実は民間にはほとんどないので、新聞社の人なんかでも、三月にあったのですかなんといういうことを言う人もいるくらいなんです。その三月の分を、若干繰り上げて差し上げるということが、やはり一番適切な方法ではないか。そこで、あと三月をゼロにしてしまうということは、ちょっとひどいだろう、こうきますでしょう。そうすると、あとは〇・二残すか〇・三残すかというその二つしかないわけです。まあ、〇・三ぐらいがほどがいいだろう、これは、きわめて明快なる結論だと思います。
  136. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 公労委調停案を読んでみますと、非常に含蓄のある内容になっておるんですね。「民間における今次年末一時金の支給状況にかんがみ、年末一時金の支給にあたっては、応急措置として年度手当〇・三カ月分を年内に繰り上げて支給すること。」こういうふうな、これは非常に含蓄のあるといいますか、非常に苦労されて調停案ができた、私は、そのように思うわけであります。  それに比べますと、人事院のほうは、越年の足しにしたいと言いながらも、応急措置なんということばは全然見られないわけですが、こういう点が非常に違うわけです。それかといって、それでは人事院にその〇・三カ月分の算定根拠を示しなさいと言ったって、示すことすらできないような状態であるわけですから、そういう点を考えたときに、調停案のこういうふうな含蓄ある調停がなされたとするならば、それを受けたようなかっこうに実はなっているべきです。人事院は当然、独自の立場においてやらなくてはならないことでありながら——当然、人事院は先にこういう問題は出すべきじゃないかと私は思うのですが、いかがですか。
  137. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 先にということは、これは、もう私どもがたびたび申し上げておりますように、われわれは独立機関として自主性を持って判断して、その判断に対しては、国民の皆さま、納税大衆の皆さまの御納得を得なければならぬという立場を常に堅持しておりますから、先走ったような、独走的なことは慎まなければならぬ。しかし、がっちりしたデータの上に築き上げた結論は、ぜひ通していただきたいという立場でおりますからして、そのタイミングの前後の問題は、ごかんべんいただかなければならぬと思いますが、この文章がどうのこうのということは、何も作文のほうで、私は百点いただこうとは思いません。しかし、簡にして要を得ていることは、間違いないので、これは、どこに間違いがございますかと開き直りたいのですが、とにかく合格か落第かだけをきめていただいて、合格させていただければけっこうでございます。
  138. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 人事院は、意見申出を、団体交渉権のある三公社五現業に対する仲裁裁定が出されてから行なっているわけですね。労働基本権を制約されている公務員代償機関としての人事院の使命に欠けるところはなかったかというふうに、私は、たいへんに疑いたくなってくるわけなんですが、やはりもっと自主性を持って、公務員の利益保護機関としての役割りを今後果たしていかなくてはならない、そういう姿勢について、人事院総裁、ひとつお伺いしましよう。
  139. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 これは、ほんとうにありがたいおことばだと思います。私どもは、いまおことばにありますような心組みでやっておりますし、今後も、それをもって貫いてまいりたいと思います。
  140. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 継続審査となっている、いわゆる教員の人材確保法案は、これは国会がきめることでございますけれども、年内にも成立するんではないかというような、たいへんに明るい見通しも出てきたのですけれども、教員給与の追加勧告についての人事院考え方は、どのようにお考えでしょうか。
  141. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 先ほども申しましたように、私どもは、かたずをのんで一日千秋の思いで成立を待っております。これがおくれますと、この年度内に給与法案が成立するまでに至るかどうか。あと引き受けるのは、われわれの立場でございますので、ぜひ年内に成立さしていただきたい。さっきもお願いをしたわけでございます。
  142. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 年内成立ということになれば、当然、この法案の性質からいいますと——人材確保法案は、教員の処遇改善の方法を定めておりますし、その他人事院勧告の義務を与えておるわけであります。そうなりますと、人材確保法案が通過をすれば、人事院勧告をしなければならないということになろうと思います。となると、予算の関係等もあります。先ほど大出さんがおっしゃったように、これが通るということになれば、やはり一月にも勧告をするということになりましょうか。
  143. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 そうとんとんといくようなお約束はできません。給料表のつくり方についても、職員団体さんから、また、いろいろ御注文がありそうなんで、その辺のところも勘案すると、とにかく今度の法案は、年内に早く通していただきたい、それをお願いすることに尽きると思います。
  144. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 その後、給与改善の法案等が政府から提出をされるという、そういう一つの順序というものがありますから、結局、そういうことになれば、当然、年内の成立になれば、すぐにでも勧告をするというような手続になろうか、私は、そのように思うわけでありますが、この教員の給与改善に伴い看護婦の処遇改善、行政職の較差是正のための追加勧告を、私はすべきであると思いますけれども人事院のお考え方は、いかがでしょうか。
  145. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 ことしの夏の勧告の際にも、はっきり書きましたように、私どもは、教員と相並んで看護婦の皆さん方の給与改善は、これは、ぜひ必要だという立場でおるわけで、この点も、いま研究を進めつつあります。  したがいまして、そういう給与改善が成立した暁で見ますと、来年の官民較差を比べるときに、たとえば教員のように、非常に大幅な改善がなされた、かねがね逆較差であるものが、さらに逆較差を大きくするという要因が加わりますから、従来の総合較差方式は、来年の比較の際には、これは堅持できないだろうという気持ちを持っておるわけでございます。それらのことは、この一連のそのあとに来る問題でございます。
  146. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 そういうことになりますと、総合較差方式が事実上くずれるということになりますと、いままで総合較差方式で割りを食っておりました行政職の(一)、(二)の問題等も、当然、何らかの是正が行なわれるのじゃないかというふうに判断をしているわけですが、その点は、いかがお考えでしょうか。
  147. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 行政職が割りを食っているということは、現実にはそうかもしれませんけれども、たてまえそのものは、総合較差方式というのは、一つのりっぱな方式だと私は思いますから、それが間違っているとは思いません。思いませんけれども、現実の問題として、先ほど来申しましたように、教員の人材確保の法案が通った暁においては、そういうゆがみはどうしても免れない。そのゆがみは、どうしても来年の勧告の際には、何らかの形で是正せざるを得ないという立場で臨んでおるということでございます。
  148. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 公務員給与の再勧告ということについては、全然お考えになっておりませんでしょうか。
  149. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 再勧告というのは、また、これは用語の定義の問題でございますけれども、今回、お出ししたのも、第二次勧告という人もおります。それから教員の人材確保が通れば、第三次勧告ということになりますから、何ですけれども、いまのお話は、おそらく一般の行政職を中心としてのお話だとすれば、これは、やはり来年の勧告に盛り込まれる性格の事柄だというふうに考えます。
  150. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 国家公務員法第二十八条の情勢適応原則規定する五%オーバー、現実はもうしているわけでありますけれども、そういう意味において、勧告をされるつもりはないか、そのように申し上げているわけです。
  151. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 この五%は、私どもとしては、民間給与調査の結果をつかんでの官民比較による五%の差というものを常に見守っておるわけです。それを基本にしておるわけでございます。その立場は間違いない、正しい立場だと思いますから、これは、今後もその立場を貫いてまいります。  ただ、物価だけをつかまえて五%とかなんとか言われますと、これは、従来から申し上げましても、物価は、われわれとしてはめどにしておりませんで、物価が下がったら、給与を下げるかいというような面にも連なる問題でございますから、全体の民間給与そのものの中に物価も織り込まれている、生計費も織り込まれる、それと対比をすればよかろうという立場でございます。
  152. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 局長さんにお聞きしますが、俸給表の、あの六十四条の内容というのは、どうなんでしょう。
  153. 茨木広

    茨木政府委員 これは国家公務員法の六十四条のことであろうと思いますが、俸給表についての規定がございます。これは、一項に「給与準則には、俸給表が規定されなければならない。」二項のほうに「俸給表は、生計費、民間における賃金その他人事院の決定する適当な事情を考慮して定められ、且つ、等級又は職級ごとに明確な俸給額の幅を定めていなければならない。」として、俸給表をきめるときの基準的なことが書いてあるわけでございます。
  154. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 この六十四条には「生計費、民間における賃金その他人事院の決定する適当な事情を考慮して定められ、」と、こういう内容があるわけですね。ですから、あなたは民間賃金との対比というふうにおっしゃったのですけれども、生計費というふうな問題が一番先にあがってきているということになれば、この生計費というのは、物価の問題もかなり大きなウエートを占めているわけでありますから、そういう点において、あなたがおっしゃるような状態で、まあ、来年勧告すればいいんだというふうなものの考え方というのは、もう少し柔軟であってしかるべきじゃないか。場合によっては、再勧告をするという姿勢であってもいいのではないか、私は、その点を申し上げたいと思うのですが、いかがでしょうか。
  155. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 これは、民間企業給与の形成の過程を申し上げますと、申すまでもないことではありますけれども、たとえば春闘のときの交渉の話題になるのは、やはり生計費がうんと上がったじゃないか、物価が上がったじゃないか、これだけ賃上げをしてくれという要望が出てきて、そのあげく妥結して新しい民間給与がきまるわけでございますから、そういうことで生計費、物価は織り込み済みになっておる、ですから、われわれは、その織り込み済みのものをつかまえて対比をすれば、一番それが正確なところでありますという立場を貫いておるわけで、さっきのような御答弁になったわけでございます。それはそれで間違ってないと思いますが、いかがでございますか。
  156. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 総理府の統計局調査によりますと、十月の消費者物価指数は、昨年同期に比べますと、全国では一四・二%ですよ。それから東京区部では一三・二%、十一月は一四・八%も上昇しております。人事院勧告給与調査の時点であった四月の消費者物価指数は、全国で一二〇・七%であったものが十月は一二九・一%で六・九五%も上昇をしておるわけです。  で、情勢適応原則である国家公務員法第二十八条の五%をオーバーしておるわけでありますから、いま私が申し上げたように俸給表の、あの六十四条で、生計費ということで、一番先にそういう問題が取り上げられるとなれば、当然ただ単に民間給与におけるところの較差というものによってのみの勧告でなくして、さらに柔軟にもう一度再勧告をしても決しておかしくはない、またその調査をすべきである、そのように私は申し上げておるわけです。
  157. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 公務員のためには、たいへんうれしいおことばだと思いますけれども、たびたび申し上げますように、私どもは、公務員を養ってくださっておる納税大衆の立場というもの、あるいは御納得というものも考えなければならぬものですから、やはり民間企業がこう上がりました——かりにことしの場合、春賃上げをされました民間企業で、この秋に第二次賃上げをおやりになったところがどのくらいあるか、それが非常に圧倒的にあれば、また、われわれとしては座視することはできませんけれども、特別給の問題はございますけれども、第二次の賃金引き上げをなさった事業所というのは、あまりないように思います。それだけ民間の事業所の方も、歯を食いしばっていらっしゃるのじゃないかというふうに思われるものですから、われわれだけが、ぬくぬくというわけにもまいらない、ほんとうに率直に言うと、そういう気持ちもあるわけでございます。
  158. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 終わります。
  159. 徳安實藏

    徳安委員長 受田新吉君。
  160. 受田新吉

    ○受田委員 総務長官、総理府の総務長官におなりになって御苦労でございますが、ひとつ御健闘願いたい。  総務長官は、総理府の長との関係はどういう形になっておられるか、任務の関係で御説明願います。
  161. 小坂徳三郎

    小坂国務大臣 ちょっと御質問意味がわかりませんでしたのですが、総理府と……。
  162. 受田新吉

    ○受田委員 総理府の長と、それからあなたとの関係です。権限、任務関係。もう御勉強されておられると思うのです。
  163. 小坂徳三郎

    小坂国務大臣 これは、総理府設置法に基づきまして行動してまいりたいと思います。
  164. 受田新吉

    ○受田委員 それを御説明願いたいのです。長官として御自身の御任務の基本を、ひとつ御説明願いたいのです。
  165. 小坂徳三郎

    小坂国務大臣 内閣総理大臣の所掌いたします事項を、総務長官といたしまして遂行してまいります。
  166. 受田新吉

    ○受田委員 もう一ぺん明確にひとつ。
  167. 小坂徳三郎

    小坂国務大臣 総理府総務長官として内閣総理大臣の所掌する事務を遂行してまいります。
  168. 受田新吉

    ○受田委員 総理府の長たる内閣総理大臣の仕事のうちで総務長官に与えられたる職務を遂行する、こういうことでございますか。
  169. 小坂徳三郎

    小坂国務大臣 そのとおりでございます。
  170. 受田新吉

    ○受田委員 そこで、総務長官のお仕事の中に非常に雑然としたものがあるのです。明確でないのがある。それを、あなたが長官に御在任中に、雑務整理国務大臣という意味でなくして、自信をもってやっていただきたい仕事がたくさんある。その中で直接この法案に関係する人事行政、あなたのところでは、総理府では、各行政機関の施策及び事務の総合調整をはかる責任があるのです。これは、人事行政はもちろんそれに入るのですけれども人事院のお持ちになっている権限にも関係することですが、国家公務員法第二十一条「人事院又は内閣総理大臣は、それぞれ人事院規則又は政令の定めるところにより、この法律に基づく権限の一部を他の機関をして行なわせることができる。この場合においては、人事院又は内閣総理大臣は、当該事務に関し、他の機関の長を指揮監督することができる。」こういう規定と、その次に今度は、人事院の任務を特別ここへ掲げてあるのですが、「関係大臣その他の機関の長に人事行政の改善に関し勧告することができる。」その人事行政の改善に関して、各行政機関の施策及び事務を総合調整する、人事行政に関する事務を総合調整する総理府の総務長官に対する勧告というのは、どういう場合が起こるわけでしょうか。  これをひとつ、今度は総裁がお答え願いたい。国家公務員法二十一条の、規則または政令で他の機関のほうへ権限の一部を行なわせる、その場合に、人事院そのものが他の機関の長を指揮監督することができる、こういう権限がある。それと、人事行政の改善に関して総務長官たる国務大臣に勧告することができるのかどうか。総務長官に対する勧告権というのは、人事院総裁にあるのか。人事院にあるのかないのか。この国家公務員法二十一条と二十二条、これは昭和四十年に法律が追加された規定ですけれども、ちょうどいま総務長官御就任の機会に、この権限関係を基本的にお尋ねしておかないといけませんので——これは人事院は相当強い権限があるのですが、この小坂さんに勧告する権限は、どういう場合ですか。
  171. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 それは、あります。あらゆる場面に、総務長官の所掌される人事行政全般について、これはあります。ありますけれども、いままでそういう勧告権を行使したことはありません。しょっちゅうここで、二人横に並んであらゆる場面に仲よくやっておりますから、そんな勧告とか何とか事荒立てたことをやらぬでも、申し上げたいことはいつでも申し上げられるという立場におるわけです。
  172. 受田新吉

    ○受田委員 お隣におられる総裁は、なかなかこわい存在であることが法律の基礎にあるわけです。案外長官よりも、むしろ右の地位にある、人事院または内閣総理大臣として、人事院のほうが上に書いてある法律があるのです。このことを、ひとつ総務長官、人事院の権限が非常に強大であることをまず御認識していただきたい。  もう一つ、これは今度の法律案を見まして、私、この法律の出し方にはいろいろあったと思うのです。あったが、こういう特例法に一応落ち着かれたようですが、この内容を拝見して、そして同時に、この法律案の参照条文を拝見して、非常に大事な問題を、あらためて指摘しなければならぬと思ったのです。それは、一般職公務員特別職公務員との関係、また他の一般職の、たとえば検察官の俸給の法律、こういうものを、ずらりとここへ参考資料としてお出しになっておられるのですが、この中に、裁判官の場合は「一般の官吏の例に準じて」と書いてある。または「職員の例に準じ、」と書いてある。特別職職員給与の場合においても「一般職職員の例による。」というような書きぶりがしてある。こういうふうに、裁判官の報酬等に関する場合は「例に準じて」——「準じて」というのは、非常にばく然としたことばです。それからまた、検察官の場合は「一般官吏の例による。」と書いてある。それから内閣総理大臣その他の特別職の場合には「一般職職員の例による。」こういうふうな書きぶりがしてあり、また沖繩国際海洋博政府代表の臨時措置法では「特別職職員の例による。」こういうふうなものが書いてある。非常にばらばらなんです。法律そのものが、ばらばらになっている。これは、やはり行政事務の連絡調整、相互調整をやる必要がある。  それからまた、私、かつて指摘したことがあるのですが、検察官の場合には「俸給等に関する法律」裁判官の場合は「報酬等に関する法律」それから特別職職員の場合は「給与に関する法律」とにかく同じサラリーを渡すのに、こんなに名称が違っているという問題がある。こういう問題等を、歳費とか報酬とかいうのは、憲法に掲げてあるからという理屈をいえば、それはそのままですけれども、憲法に書いてあったって法律では別に書いたっていいのですよ。これは憲法にうたう報酬に当たるものだと説明を断わっておけばいいのです。  こういう問題を、今度あなたのほうで出された参考資料を見ても、長官お気づきのように「一般職の例に準ずる」ということばとか「例による」とかいいかげんなことばがちょいちょい出ておるのです。これを整理統合する責任は、私は、総理府にあると思う。つまり特別職給与制度を担当するのは総理府なんです。これは人事局長の所管事項になっている。一般職特別職を相互調整する権限は総理府にあり、また事務処理としては人事局長が持っている。この際、こんな疑点を解決するのに非常にいいチャンスだ。あなたひとつ、早く総務長官、国務大臣たる地位を獲得された、よきチャンスを得られた人材であるだけに——御令兄とともに秀才の誉れ高いお方でもあるわけで、実行力もあると思うのです。もたもたせぬで、すかっとやってもらいたい。これをひとつ、お答え願いたい。
  173. 小坂徳三郎

    小坂国務大臣 ただいま御指摘のとおり、俸給、給与等々名称がばらばらになっていることは、御忠告のとおりだと思いますが、実は、これは非常に事務的なことで申しわけありませんけれども、これを一々統一しますと、七本法律を直さなくちゃいかぬというわけでございまして、それは非常に時間もかかるし、あれでございまして、いままで放置されておったようでございます。ただいま御忠告をいただきましたので、さらによく検討してみたいと思います。
  174. 受田新吉

    ○受田委員 あとは、もう問う必要ないほど、前の委員から御質問があったわけですが、〇・三などというほんとうに大山鳴動ネズミ一匹にもならぬようなサービスを公務員にされておる。しかも俸給の一部前払いです。既定経費の節約などで、このくらいのことは幾らでもできる法があると思う。  来年の三月になったら、一体どうなるかという問題がある。〇・三分は三月のときの生活費に充てるために、従来制度が〇・五として出ておる。したがって、来年三月になったら、その分は一体どうしたらいいのかという問題がある。ちょうど三月に支給されることを当てにしておる。いま前払いで渡す分は、年末の生活費に要るのです。来年三月の生活費は一体どうなるのですか。これは、どういう解釈になりますか。
  175. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 それは、私どものほうの第一の所管事項だと思います。先ほど来申し上げておりますように、今回の措置は、従来の方式からいうと、非常に異例の措置である。したがいまして、今回の繰り上げ支給以外の基本的な面は、従来どおり来年の四月調査の結果を踏まえてりっぱに清算をいたします。八月か七月か知りませんけれども勧告で清算いたしますという基本的立場を貫いてまいります。
  176. 受田新吉

    ○受田委員 四月を待つのでなくして、三月の時点の支給はどうなるかということです。——それではおきます。
  177. 徳安實藏

    徳安委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————
  178. 徳安實藏

    徳安委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出がありませんので、直ちに採決いたします。  昭和四十八年度における期末手当割合等特例に関する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  179. 徳安實藏

    徳安委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  なお、ただいま議決いたしました法案に対する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  180. 徳安實藏

    徳安委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  181. 徳安實藏

    徳安委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。    午前十一時五十九分散会