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1974-03-27 第72回国会 衆議院 逓信委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十九年三月二十七日(水曜日)     午前十時三十八分開議  出席委員    委員長 廣瀬 正雄君    理事 加藤常太郎君 理事 梶山 静六君    理事 金子 岩三君 理事 羽田  孜君    理事 阿部未喜男君 理事 古川 喜一君    理事 土橋 一吉君       久保田円次君    志賀  節君       中馬 辰猪君    坪川 信三君       西村 英一君    長谷川四郎君       金丸 徳重君    久保  等君       森井 忠良君    平田 藤吉君       岡本 富夫君    田中 昭二君       池田 禎治君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 原田  憲君  出席政府委員         郵政政務次官 三ツ林弥太郎君         郵政大臣官房長 神山 文男君         郵政大臣官房電         気通信監理官  浅見 喜作君         郵政大臣官房電         気通信監理官  佐野 芳男君         郵政省郵務局長 石井多加三君         郵政省貯金局長 船津  茂君         郵政省簡易保険         局長      野田誠二郎君         郵政省電波監理         局長      齋藤 義郎君         郵政省人事局長 北 雄一郎君         労働省労働基準         局安全衛生部長 中西 正雄君  委員外出席者         日本国有鉄道電         気局長     尾関 雅則君         日本電信電話公         社総裁     米澤  滋君         日本電信電話公         社総務理事   北原 安定君         日本電信電話公         社総務理事   三宅 正男君         日本電信電話公         社職員局長   中林 正夫君         日本電信電話公         社厚生局長   小沢 春雄君         日本電信電話公         社計画局長   清水 通隆君         日本電信電話公         社建設局長   中久保卓治君         日本電信電話公         社資材局長   田中浩太郎君         参  考  人         (日本放送協会         理事)     川原 正人君         逓信委員会調査         室長      佐々木久雄君     ――――――――――――― 委員の異動 三月二十七日  辞任         補欠選任   北山 愛郎君     森井 忠良君   大野  潔君     岡本 富夫君 同日  辞任         補欠選任   森井 忠良君     北山 愛郎君   岡本 富夫君     大野  潔君     ――――――――――――― 三月十四日  簡易郵便局法等改正に関する請願阿部喜元  君紹介)(第二五一六号)  同外一件(齋藤邦吉紹介)(第二五一七号)  同外一件(佐々木義武紹介)(第二五一六  号)  同外一件(西岡武夫紹介)(第二五一九号)  同外四件(奥田敬和紹介)(第二五五四号)  同(三原朝雄紹介)(第二五五五号)  同外一件(村岡兼造君紹介)(第二五八五号)  同外一件(床次徳二紹介)(第二六一〇号)  同(森喜朗紹介)(第二六一一号)  同(住栄作紹介)(第二六三五号)  同外一件(高見三郎紹介)(第二六三六号)  同(松本十郎紹介)(第二六三七号)  同外二件(篠田弘作紹介)(第二六六一号)  同外一件(原健三郎紹介)(第二六六二号) 同月十八日  簡易郵便局法等改正に関する請願外四件(小  沢貞孝紹介)(第二七五二号)  同外一件(松岡松平紹介)(第二七五三号)  同(渡辺栄一紹介)(第二七五四号)  同外二件(大久保武雄紹介)(第二八二六  号)  同(小沢辰男紹介)(第二八二七号)  同外四件(河本敏夫紹介)(第二八二八号)  同外一件(島田安夫紹介)(第二八二九号)  同(中山正暉紹介)(第二九五八号) 同月二十日  簡易郵便局法等改正に関する請願外十六件  (赤澤正道紹介)(第三〇〇七号)  同外二十八件(永山忠則紹介)(第三〇〇八  号)  同(島田安夫紹介)(第三〇九六号)  同(篠田弘作紹介)(第三一二六号)  同外二件(田澤吉郎紹介)(第三一二七号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 三月十八日  祝日等郵便集配業務廃止に関する陳情書外二  十九件  (第三二〇号)  簡易郵便局法等改正に関する陳情書外四十九  件(  第三二一号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  簡易生命保険法の一部を改正する法律案内閣  提出第二一号)  簡易生命保険及び郵便年金積立金の運用に関  する法律の一部を改正する法律案内閣提出第  二二号)  逓信行政に関する件      ――――◇―――――
  2. 廣瀬正雄

    廣瀬委員長 これより会議を開きます。  逓信行政に関する件について調査を進めます。  この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  すなわち、本件調査のため、本日、日本放送協会から参考人出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 廣瀬正雄

    廣瀬委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、参考人の人選、手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 廣瀬正雄

    廣瀬委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ―――――――――――――
  5. 廣瀬正雄

    廣瀬委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。森井忠良君。
  6. 森井忠良

    森井委員 私は最初に、先般お出しになりました郵政省の「昭和四十八年度 通信に関する現状報告」、いわゆる第一回通信白書といわれるものについて御質問申し上げたいと思います。  この白書は、郵政省とされましては初めてお出しになったわけでございます。お尋ねをしておきたいのは、これは非常にいいことだと思うわけでありますが、郵政省がお出しになったその意図についてまず明らかにしておきたいと思うのでありますが、私の理解を若干申し上げますと、政治は国民生活現状認識をいたしまして、その認識の上に立って政策を立案、実行する、そのための白書であるというふうに考えるわけであります。ですから、今回お出しになったものは、これから未来永劫とまでは申し上げませんけれども現状に基づいて郵政省がなされようとしておる中身である、こういうふうに理解をしてよろしいかどうか、その辺についてお伺いをしたいと思います。
  7. 神山文男

    神山政府委員 お答えいたします。  通信白書郵政省としては初めて今回発表させていただいたわけでありますが、この趣旨は、社会経済発展技術革新の伸展に伴いまして、芥種通信手段の発達が非常に著しい現象を見せております。そして情報流通量増大利用高度化というものが見られるわけであります。こういうようなときにあたって、通信白書によりまして、わが国通信に関する実態を広く国民皆さま方にお知らせするということは時宜を得たものではないかということで発表させていただいたわけであります。  この中身通信現状をお知らせするというものでございまして、四十七年度の通信現状を述べたものであります。したがいまして、これからの将来にわたっての政策というものを盛り込んだものとはなっておりませんので、御了承いただきたいと思います。
  8. 森井忠良

    森井委員 たくさん問題点指摘があるわけでありますが、幾つか申し上げますと、こういうふうに書いてあります。  わが国はここ数年急速に情報化が進んでおる、そのためにメディア多様化が進んでおりまして、特に電話による情報量増大が著しい、四十七年度は三十五年度の四倍になっておるというような指摘がされております。  また、これまでは情報量郵便電話が大きくて、その中で業務用通信が過半数を占めておる、データ通信、テレタイプとあわせて、情報メディア多様化業務用通信分野で進んできておる、こういうふうな認識がされております。  さらに一方「暮らしと通信」という項目が第二部で出てまいりますけれども、ここでは住宅電話に触れておられまして、国民所得水準の向上などの理由によりまして「生活利便の確保に対する欲求の増大によって、電話必需品であるとする認識国民の間に定着してきた」こういうふうにあげられております。なお「この傾向は、最近における生活行動圏の拡大、核家族化進展等国民生活態様の変化と相まって、今後とも一層促進されよう。」「これまでのビジネス中心電話利用から、シビルミニマムとして市民生活の上でも多くの人が電話利用するようになってきていることを意味している。」こういうふうに書いてあります。  さらにまた、国の政策にも触れておられるわけでありまして、「近年に至り、我が国経済の急速な成長過程で生じた種々のひずみが顕在化し、国民の間には成長第一主義に対する批判とともに、福祉社会実現のための新たな政策を望む声が強まった。」  大臣にお伺いしたいわけでありますが、いま私があげましたような白書内容は、一々私はもっともだと思うわけでありまして、いままで経財成長に、通信なかんずく電話に的をしぼって申し上げましても、それにあわせて発展をしてまいりました。しかしこれからは、いま白書内容を申し上げましたように、具体的に福祉中心といいますか、国民生活あるいは市民生酒というものに欠かすことのできない状態になってきておる。したがって、これからの電気通信なかんずく電話需要等政策につきましては、郵政省としてもそういうような形で指導される、こういうふうに理解をしてよろしいかどうか、大臣からお伺いしたいと思うのです。
  9. 原田憲

    原田国務大臣 森井さんのお尋ねのように、従来の成長型社会から福祉型社会への指向と、こういうことにこれからやってまいりますが、その中で、電気通信サービス分野におきましても、生活電話といいますか住宅用電話中心とする一般加入電話充実をはかるということはお話のとおりであろうと思います。また老人福祉電話身体障害者福祉電話など、老人身体障害者に適した電話機器類開発普及をはかり、また地域医療情報システムなどのデータ通信プロジェクト開発を進めていく必要が痛感されるところであります。  このような見地から、お説のごとく、郵政省といたしましては福祉型電気通信サービス拡充強化について従来とも電電公社を指導してまいりましたが、今後一そうその実があがるように指導してまいりたいと存じます。
  10. 森井忠良

    森井委員 そこで公社でありますが、四十八年、去年から例の第五次五カ年計画をお立てになりまして、その眼目幾つかありますが、最大眼目というのは、いわゆる加入電話充足、まあ平べったく言いますと申し込めばすぐつく電話、これを実現をするということであろうと思います。そのほか、ちょっといま大臣が言われましたけれどもデータ通信その他の充実をはかるということもありますが、何といいましても、私どもに御提示になりました最大の第五次の計画目標加入電話充足、申し込めばすぐつく電話、ここにあったというふうに理解をしておるわけであります。したがって、昭和五十二年までに千五百三十万個の電話架設をする、こういう説明かと思うわけであります。  考えてみますと、いま通信白書でも明らかになりましたように、まだ日本電話機の設置状況は、電話に対する水準というのはGNPが世界で三番ということでありますけれども、そういう意味では先進諸国に比べてまだまだ非常におくれておるといわざるを得ないと思うわけです。公社はいままで、今回も含めまして第一次から第五次まで計画を立ててまいられました。前回の第四次の計画が終わるまでには一切の積滞を解消するという公約があったわけでありますが、これはついに実現をされませんで、いま申し上げましたように五十二年の第五次合理化計画が終わるまで待つことになったわけであります。これ以上はもう待てない。事実、郵政あるいは公社当局とも五十二年末までには必ず積滞の解消をいたしますと、こういう公約があるわけでありますが、この公約について一体いまの状態総裁として間違いなくできるとお思いですか、まず所信のほどを伺っておきたいと思うのです。
  11. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  ただいまお話がございましたように、電電公社といたしまして現在第五次五カ年計画を進めております。昭和四十九年度がその第二年度目に当たっております。第五次五カ年計画最大眼目は、全国的規模において電話の積滞を五十二年末において解消するということでございます。しかも、この中でいま予測しております加入電話増設数は、ただいまの御質問の中にもございましたように千五百三十万をつける、その千五百三十万の中の八〇%は住宅電話である、この点が従来の四次まで参りました計画と非常に違うところでございます。私といたしましては、この目標をぜひ達成したいというふうに思います。  なお、先ほど第四次五カ年計画末で、いわゆる申し込んだらすぐつけるということを確かに電電公社、これは私の時代ではございませんが、大橋前総裁時代にそういうことをここで言ったことがございます。しかし、これはその当時予測いたしました加入電話数が、最終年度で約一千万というふうに予測いたしまして、予測の間違いがあった、したがって、私たちはその間違いを拡充法を延長していただくときにたしか申し上げました。しかし五十二年末にはぜひこれを達成したいというふうに思っております。
  12. 森井忠良

    森井委員 四十七年末で積滞を一切解消するということができなかった、やはり見込み違いがあった、率直に私も申し上げるわけでありますが、私が心配するのは、それでは五十二年の末で見込みどおり千五百三十万個で足りるのかどうかという問題だと思うのです。事実これはずいぶん狂ってきておるわけですね。公社自身がお認めになると思うわけでありますが、たとえば去年の四月でしたか、私がやはり同じような質問をしておるわけでありますけれども、四十七年度末の積滞は幾らか、このときはたしか百九十七万というお答えだったのです。ところが、締めてみたら二百二十七万あったわけですね。三十万という違いがそのときにも出てきておるわけです。総裁、これだけの違いがあります。  順次申し上げますと、若干数字が入りますので、大臣もお聞きづらいかと思いますが、ちょっとお許しをいただきたいと思います。四十七年では、四十六年から引き継いだ積滞、これは二百五十二万加入、それに新規需要、新しい申し込みでありますが、これが二百四十六万、合計いたしまして四百九十八万、五百万をちょっと欠けるわけでありますが、四百九十八万加入対象需要として公社は考えておられた。ところが実際は新規申し込みが二百八十三万加入もあった。四十万見込みと違っておるわけです。そのために対象需要は四百九十八万ではなくて、五百三十五万になった。やむなく当初二百八十一万加入の新増設計画を三百八万にふやしておられます。つまり二十七万加入ふやして切り抜けたわけであります。それから次に四十八年度は、初め四十七年度から引き継ぐ積滞数を二百十七万、新規需要を二百六十二万、したがって、対象需要数、両者を足せばいいわけでありますが、四百七十九万とはじいておられました。そして、これに対して三百十万個新しくつける、充足率というのは六四・七%、つまり申し込みに対しまして六四・七%の解消をしましょう、こういう提案だったわけです。ところが、四十七年末の積滞は百九十七万と一たん見込まれて、私どもにも去年提示がございましたけれども、最終的には先ほど申し上げましたように二百二十七万加入、三十万もふえておるわけであります。さらに新規需要も、二百六十二万の予定が二百八十七万にもなった。これも二十五万ふえておりまして、合計五十五万の狂いが去年出てきておるわけですね。したがって、充足率公社最初六五%と考えておられましたのが、六〇%に落ちておりますし、四十八年度末の積滞数も百六十九万じゃなくて、これは公社が百六十九万になるだろうという推定をしておられたわけでありますが、実際には二百四万になる見込みですね。そこで今度は四十九年度でありますけれども、前年からの積滞は、いま申し上げましたとおり、百六十九万ではなくて、二百四万です。新規需要計画の上では二百六十六万ということでありましたけれども修正をされまして、四十八年、今年並みの二百八十八万に、二十二万ほどふやしておられるわけです。したがって、これをトータルいたしますと四百九十二万加入対象需要数となります。公社から私が去年本委員会を通じて求めました資料によりますと、昭和四十九年度の対象需要数は四百三十五万でありますから、実に六十万近く需要が多いということになるわけです。にもかかわらず、四十九年度の予算を見ますと、三百二十万しか新規架設することになっておりません。四十九年度につける電話は三百二十万ですね。これは当初三百三十五万つけるという要求を、十五万、――どこて査定されたのか知りませんけれども、三百三十五万つけたいというおそらく事務当局要望だろうと思うのでありますが、十五万削られまして、三百二十万に落としておられます。これは一体何かということなんですね。これをお伺いしたいと思いますが、やはり公社の姿勢を疑わざるを得ないわけなんです。つまり四十九年度の需要充足率も、当初の計画は七二・四%、積滞と新規合わしたもののうちで七二・四%の電話をつけるという御計画に対して、いま申し上げましたような事情から六五%に落ちることになった上、昭和五十年度に百七十二万個の積滞をまた引き継ぐことになると思うのです。当初の計画ではもう来年の積滞というものは百二十万に落ちるはずなんです。そういう計画をお持ちでありましたから、百二十万しか積滞がたまらないと思っておりましたのが、ことし三百二十万個つけましても、百七十二万個でありますから、差し引きやはり五十万個ないし六十万個近いものが計画より狂ってきておる。これは、たとえば四十七年の積滞の予定、四十八年の積滞の予定等考えてみますと、公社がくるくる変えておられるわけですよ。私はむずかしいという点はわかります。これは神さまじゃないのだから一々こまかくとまでいかなくとも、私はそれだけやはり、――先ほど通信白書にもありましたように、いまシビルミニマムといわれるほど市民生活に欠かすことのできないものになっている。公社は依然として千五百三十万個つければよろしいとお考えのようですけれども、いま申し上げましたように、あなた方の見込みをはるかに上回って電話需要が殺到しておる。こういう現状を見ると、やはり私はもう一度、五次計画最終年度に至るまでの電話架設計画というものは考え直される必要があるのではないか。絶対量もふやす、年度別架設計画もふやす、そういうふうにしなければならぬと思うわけでありますが、再度そういうふうな御検討をなさる御用意があるのかどうなのか、お伺いしたいと思います。
  13. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  ただいま積滞の数字につきまして御指摘ございましたが、これは後ほど関係の局長から答弁させます。  電電公社昭和五十二年度末に全国的規模において積滞を解消する、これは私は最大目標でございます。経済成長そのものが、たとえば四十七年、八年というものは、実質GNPの伸びが一二、三%あったというような時代もございました。また、たとえば四十九年度から五十年度にかけてどのような経済成長が行なわれるか、これはなかなか、私たち専門家でございませんが、やはりある程度スローダウンするのではないかというふうに思います。ただいま御指摘がございましたように、第五次五カ年計画の中で千五百三十万を考えましたときには 四十八年が三百十万つける、四十九年が三百十五万つける、五十年は三百十五万、五十一年になりまして それを若干減らしまして三百万、五十二年度が二百九十万、こういう数字になっております。したがって、もしも、これは仮定の問題が入りますが、御指摘がございましたように、経済成長が順調にいきまして、なお電話が出てまいるといたしますと、この五十一、五十二で実は千五百三十万というのは減らしてあるわけでありますが、減らしたものを場合によっては伸ばすということも考えられますが、現在の時点では最近は積滞がむしろちょっと減る傾向も出ております。したがいまして、私たちは、この五年というような長期計画でございますから、この千五百三十万という数字は場合によっては変え得ることがあるかもしれない、しかし全国的規模において積滞をなくなすということは、これはぜひ達成したいというふうに考えております。  数字につきましては計画局長から……。
  14. 清水通隆

    清水説明員 ただいま先生からいろいろと数字の御指摘ございまして、当初の予定と狂ってまいりましたことにつきまして責任者としまして非常につらい思いをいたしておるわけでございますが、実は第五次五カ年計画をつくります時点におきまして、私どもいろんな形での予測をいたしました。その当時、前にこういった席でも御説明をしたと思うのでございますけれども、諸外国のいろんな普及状況等も勘案いたしまして、昭和五十二年までにどの程度の需要が出てくるであろうかということを予測したわけでございますが、そのときに、過去におきましての第四次五カ年計画時期までの私ども予測狂いというものも大いに反省いたしまして修正をいたしたつもりでございます。同時に、先ほど総裁からも御説明いたしましたように、大部分が、八〇%以上が住宅用電話であるということをどのように予測に織り込むかということにつきまして、いろいろな数字及びいろいろな手法を使いまして予測したわけでございます。その結果、先ほどの千五百三十万というものを予測いたしまして、同時に八二%が住宅用電話であるという形でわれわれはつくったわけでございます。それが四十七年度になりまして、先生指摘のようにかなり様子が狂ってまいったわけでございます。  なぜ狂ったかということにつきまして私どももいろいろ分析いたしたわけでございますが、やはり一番大きな問題は、私たちが当初考えました以上に景気が非常に前向きに進みましたために、私どもが考えておりました以上に事務用電話要望がふえたということが一つございます。さらに住宅用につきましても、かなり住宅建設戸数等がふえまして、大都市の周辺等におきましては私たちが考えた以上にかなり要望が出てまいりました。それと、もう一つ非常に大きな要素といたしましては、全国的に設置場所変更という制度をつくりまして、全国場変と言っておりますが、そのために、従来ですと家をつくってから電話をお申し込みになる方が大部分でございましたものが、移転ができるために前もって申し込まれる、たとえば木質アパートなどの部屋でもかなり申し込みが出ています。こういう非常に急激な、従来と違った様相を呈しましたために、四十七年度の新規需要が御指摘のようにふえたわけでございます。これに対しては、補正予算を組むことによりまして若干の補正をいたしました。  その結果、四十八年度につきましてはどのように考えるかということで私たちも非常に悩んだのでございますが、やはり四十七年度のそういう実績等を勘案いたしまして、四十八年度は当初の五次五カ年計画よりも若干ふやさざるを得ないということで、先ほど御指摘のような新規需要を対象として予算を立てたわけでございます。その後、実は私ども非常に心配いたしまして、数字を見守っておるのでございますが、最近の傾向を申し上げますと、非常に簡単に申し上げますが、実はかなり鎮静化してまいっておりまして、私どもが考えておりました数字とそれほど食い違っていないというふうに思っております。  なおこれらの数字を参考にいたしまして、五十二年度にどのようになるかということについては、先般来私ども全局の職員をあげまして、いろいろな数字等をできるだけ利用いたしまして予測をいたしておりますが、その結果によりますと、やはり千五百三十万についてはそれほど変更を必要としないでいけそうであるということでございます。もしこれが若干狂ってまいりましても、先ほど総裁が申し上げましたように、五十一年度あるいは五十二年度等は五次五カ年計画自体がむしろ増設数をスローダウンしておるような計画でございましたものですから、その辺の修正によって可能であろうというふうに考えておるわけでございますので、それほどの食い違いがない、したがいまして、結果的には五十二年度での全国的規模においての積滞解消はまず達成できるというふうに考えておるわけでございます。
  15. 森井忠良

    森井委員 総裁、あなたはいま若干新規申し込みが落ちる傾向にあるとおっしゃたわけですね。あなたも当然耳に入っておると思うのでありますが、事務当局がはじいておりますものは、四十八年度、これはまだ終っておりませんから見込みということになりますが、二百八十七万新規申し込み、四十九年も二百八十八万、一応事務当局ははじいておられまして、そういう前提に立って三百二十万個というのをつける、こういうふうに説明をしていらっしゃいます。そうすると需要が落ちる傾向にはないと私は理解するわけです。この点いかがかということですが……。
  16. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  昨年の八月の時点で四十九年度の予算案をつくるときには、確かにおっしゃるように需要は非常にふえてまいりました。したがって、私たちといたしましては、予算案をつくるときの計画では千五百三十万の割り当ての中で三百十五万というものを四十九年度に予定しておったのでございますが、それではいけないというので二十万上乗せいたしまして三百三十五万という数字を大蔵省に要求いたしました。ところがいろいろ政府の総需要抑制という方針で、私たちは大体一六、七%の絶対値の伸びを予想いたしたのでありますが、査定のときには伸び率ゼロに査定してまいりました。これではいけないというので、大臣折衝におきまして、電電は特別だということで五%の伸びになった。その際に電話だけはどうしてもある程度戻さなければならぬというので、第五次五カ年計画予定いたしました三百十五万に対しまして結果的には三百二十万になったということでございまして、最初要求より確かに十五万削られております。  私が最近需要が減り出したと言ったのは最近の事情でございまして、いま御指摘ございましたように昨年の石油危機の前じゃなくて、その後に若干減りかかってきた、こういうことを申し上げたのでございます。ただ、この五カ年計画の中で三百十五万というのが年度といたしましては最高の架設数になっておりまして、後年にいきますとこれが減るようになっております。私はこの減ることが、もし今後需要が出てまいればただいま御意見がございましたように修正いたしまして、とにかく積滞解消のほうがウェートが高いのだ、千五百三十万の数は場合によっては変えてもいいのだというふうに考えておる次第でございます。
  17. 森井忠良

    森井委員 計画局長の最終的には千五百三十万前後でいいだろうという見通しについては、私はきわめて問題があると思うわけであります。  大臣、これをごらんいただきたいのですけれども、これは電電公社出したものです。この黄色い部分かわが日本のいまの電話水準であります。第五次合理化計画が終わる時点には、人口百人につきまして三十四個の電話がつくようになっております。これはたとえばアメリカあたりが同じく人口百人につきまして六十個なのですね。スウェーデンが五十七個、スイスが五十個、こういったぐあいなのです。したがって、まだまだ日本のいわゆる経済水準からいけば、第五次合理化計画が終わっても、いま申し上げましたとおり、これは順序として世界で七番になると思うのです。これだけの違いがございます。やはり通信白書でも分析をしていらっしゃいますように、たとえば国民所得水準の増加、こういったものもあるわけでありますが、それらを勘案をいたしますと、やはり私どもとしてはGNP並みに伸びるだろう。それから情報量もずいぶん増大をしておりますね。同じく通信白書でありますけれども昭和四十年と四十七年とを比較してみますと、情報量というのは四倍にふえておる。そのほかいろいろ理由はあると思うのでありますが、電電公社が考えております第五次合理化計画が終わります五十二年では、いま申し上げましたような数字にしかならない。これはいま総裁が固定的じゃない、場合によってはふやしてよろしいということでありますが、ふやすとすればやはり合理化計画というものを大きく変えていかなければならぬ、なかんずくこの加入電話充足計画については練り直さなければならないという状態に来ると私は思うのです。  大臣にお伺いしたいわけでありますが、そういう意味で、特に通信白書をお出しになった立場で、もう一度こういった加入電話充足の問題についてお考えを聞き、かつ電電公社を指導される御意思はないのかどうなのか、お伺いしたいと思います。
  18. 原田憲

    原田国務大臣 いま森井さんがおっしゃるように、一番先進諸国といわれておるスウェーデンあるいはアメリカにおけるところの電話の現在における普及卒というものを考えると、日本の今後の五十二年度におけるところの実態というものはもっと伸びておるはずである、こういう前提に立っていま立てておる五カ年計画というものに対して、ここで練り直す必要があるのじゃないかという御趣旨であろうと思います。私どももそのような実態を知っておるわけでございますけれども、一番いま問題は、その目的を達成するために、一つの難関に到達しておるのが現状であろう。これを達成するためには、いまの経済情勢というものを調和のとれたものにしない限り、私はすべてのものが目的を達成することはむずかしい。そこに現在の短期決戦といわれているところの物価問題を最大の問題として取り組んでおるのが現状であると考えております。そのために、予算編成の際にも、総需要抑制というたてまえから、いわゆる公共投資類のものはゼロということに押えなければならぬ、しかし、福祉的なものは、これはやはり伸ばしていこう、これが今度の予算の一つの特質ではないかと思っておりますが、先ほど電電公社総裁が話しましたように、その中で私ども一番先に答弁いたしましたように、この電気通信関係の施策というものは、将来福祉型に伸ばしていくということに重点を置きまして、指摘されるところの問題もないとは私申し上げませんが、しかしながらそれを十分含んで、今度の予算折衝にも、対大蔵省との間に公社と私どもはよく相談をいたして、今日の五カ年計画に対するところの達成というものが、これなら何とかいける、こういうことで決定をいたしたものでございまして、森井さんの御指摘をされるところは十分考えつつ、何しろ四十八年、いま初年度でございます、第一年度でまず今日当面しておる問題を突破いたしまして、そしてこの目的を達成するために万全の、最大の努力を傾けてまいりたいと思います。御意見に対しましては十分私どもも念頭に置いてこれから取り組んでいきたいと思います。
  19. 森井忠良

    森井委員 とにかく、いま電電公社がはじいておりますものだけで、少なくとも数十万個のすでに狂いが出てきておる。このことを明確に申し上げて、私といたしましては再度計画の練り直しを要求しておきたいと思います。たとえば、いま電話の個数水準等で申し上げましたけれども、これからの増大の状況というのはやっぱり住宅電話に移るだろう。そういたしますと、いま住宅電話水準というのは、これは同じく人口百人当たりで日本は九・九なんです。ちなみにアメリカを申し上げますと、四十三・七個ついているんです。住宅電話の場合です。百人当たりアメリカが四十三・七、日本は九・九なんです。イタリアですら十一・六個ついているんです、百人当たり。非常に住宅電話というのは低い状況にございます。ですから、そういった現状を御認識をいただきまして、いま申し上げましたように、再度正確な御検討をひとつお願いをしておきたい、こういうふうに思うわけです。  そこで、時間がありませんので、関連をして、例のいままで申し込んでもつかないという電話つまり積滞の解消状況についてお伺いをしたいと思うのです。これは私のほうで要求をいたしまして、いま資料をいただいておりますが、いわゆる積滞の解消状況については、全般的にいいますと前へ進んでおります。ところが、部分的にはずいぶん問題が出てきておるわけです。たとえば府県別に見ますと、もう積滞の全くない地域というのは、たとえば東京であるとかあるいは大阪であるとか、大都市であります。ところが、九州、四国、沖繩、こういったところはほとんどどの県も去年より積滞がふえておるわけです。これは一体どういうことでしょうか。積極的にこの積滞を減らしますとおっしゃっておったわけでありますが、いま申し上げましたように、減っておるところもあります。成績のいいところもかなりあるわけですが、その点については御努力に対して敬意を表しますけれども、同時に、まだうしろへ向いて、九州のごときは全県といってもいいほど、去年の十二月末現在の数字でありますけれども、むしろ積滞、申し込んでもつかないという状況の電話がふえておるという。この点総裁どうでしょうか。どういうようにお考えですか。
  20. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  確かに全国的規模において五十二年末においては積滞を解消するということは、これはぜひやりたい。ただ部分的に見ますと、たとえばいま御指摘のありました九州とか北海道、こういうようなところが予測より伸びておるということがございます。  それから、これは数字の中でまた後ほど局長説明いたしますけれども、たとえば、いわゆる共電式を改式するという改式の問題が一つ出てまいっております。まだいわゆるマグネットの局が全国に残っておりまして、こういうマグネットの局で長期積滞が起こっておるということがございます。これらは計画的にやはり自動化しなければならないというように思いますが、しかし、このマグネットの局はもう公社直轄局は一つもございませんで、全部郵政の委託局になっておりますので、やっぱり要員問題が一つございます。したがって、要員問題もある程度考慮の中に入れなければならないということがございます。  確かに場所によりましてそういうこともございましたり、それからまた最初考えましたよりも九州とか北海道あるいは中国等において部分的に確かにふえておるのがございますか、しかし、それかといって私は五十二年末において積滞を解消するという目標、これはぜひ達成したい。ですから、これから架設いたします場合に、先ほど数字を申し上げましたように、千五百三十万という数字は、後半にいきますと下がっておりますから、この積滞というものはGNPの伸びにも非常に関係がありますし、今後の経済状態がどうなるのか、私たち専門家でないのでよくわかりませんけれども、これでもし数字が変更されるならば、若干の修正は出てくる。しかし大幅でなくていけるのじゃないかという観測はしておりますけれども、これはもうちょっと時間がたちまして、たとえば、ことしの七月になってくれば、あるいは来年の七月の時点でもなれば、もう少しはっきりするのじゃないかと思います。  なお、数字につきましては局長から答弁させます。
  21. 森井忠良

    森井委員 数字については理解をしておりますので、時間の関係で、いまの答弁でけっこうだと思うのですが、問題は、いま総裁が言われました手動局、大部分まだ郵政省の所管の局になるわけでありますが、郵便局が扱っております手動局の積滞というのが非常に深刻な状態になってきておるわけです。これは具体的に申し上げますけれども、前年と同じかもしくは積滞がふえておる、手動局の場合ですよ、この局は二十六県あるのですよ。去年よりも積滞がふえてきておる。そのうち二十二県が去年よりも長期積滞がふえるか、少なくとも同じですね。うんとふえておるところもありますが、とにかく四十七都道府県の中で半分は積滞が残っておる。しかも手動局に集中をしてきておる。しかも先ほど総裁が言われました理由は、非常にむずかしいという理由につきましては、もう私どもは何回も聞かしてもらったわけですよ。おそらく公社もやれることはやってきておられると思う。ある意味で限界がきておる点もあると思います。その点は私は認識をしておるわけです。しかしながら、いま申し上げましたようになお積滞が残るという場合にどうするか、ここだと思うのです。ですから、具体的に提案を申し上げますが、いまの制度のままで、つまり郵便局のままでは積滞が解消できなくて、公社の直営になって自動化されなければ積滞が解消しないということでは、これは非常に深刻な積み残しが出てくることは間違いありません。とにかく、いわゆる山間僻地といわれるところが残っておるわけです。いま可搬式の交換機等もあるわけでありますし、さらにまた線路工事等はやっておられても、これは自動化する場合にむだにならない。とにかく非常に深刻な状態でありますので、やはり私はこの際、そういったふうに自動化することがむずかしいところにつきましては現状郵便局のままで積滞を解消する、そのための予算を組む、これをぜひ要求したいと思うわけでありますが、これはいかがですか。
  22. 清水通隆

    清水説明員 この長期積滞の問題につきましては私どももいろいろ努力いたしておるつもりでございますが、先生も理由につきましては十分御承知のとおり、なかなか思うようにまいりません。いま先生指摘のございましたような委託局のままで積滞を解消するということについても、それぞれの局状に応じまして私たちかなりの努力をいたしております。すなわち、交換台の増設をするとかあるいはジャックを増設するとかいう形でも努力いたしました結果が、全国的には、たとえ手動局でございましても、積滞数は年々減ってまいっておるわけでございます。しかしながら、これにもちろん限度もございますし、同時に、委託局のままでさらに交換台を増設するような施策をとり過ぎますと、これが将来にわたりまして別な意味での禍根を生じてまいるというようなこともございます。  そういったことから、私どもといたしましては、隣の自動局に収容がえをするというような形での救済方法、それから数年前からいたしております地域集団電話による解決方法、これらによりましてかなり実質的な積滞を解消してまいっておるわけでございますけれども、御承知のように、たとえば地域集団電話につきましては、設置いたしまして二年とかあるいはせいぜい三年ぐらいで、こういう電話ではやはり電話としての効用が不十分だというような形から、一般電話に切りかえてほしいというようなこともございます。これらを突き詰めていきますと、結局は自動にしなくてはお客さま方は満足していただけないということまで参るわけでございますので、いろいろ困難な問題がございますけれども郵政省とも十分お打ち合わせしながら、結局は自動改式にして根本的には解決していく。その過程におきましては、先生おっしゃいましたようないろいろな施策をしておるつもりでございますので、もう少し時間をかしてみていただきたいと思っております。
  23. 森井忠良

    森井委員 これは甘いもすいも十分かみ分けられる郵政大臣に御質問申し上げるわけですけれども、いまお聞きのように、山間僻地等にあります郵便局がいま交換手による交換をしております。委託局と呼んでおりますけれども。これが電話がつかなくて困っておるわけです。いま計画局長はああいう答弁をいたしましたけれども、四十七年の手動の積滞というのが三十三万個あった、それが三十一万個になっておる。わずか二万個そこそこしか減っていないのですよ。自動局の場合は百九十三万あったものが百四十六万でありますから、これは五十万近く減っておる。手動局の場合はいま申し上げましたように二万個ぐらいしか減っていない。隘路は先ほどお聞きのとおりなんです。何とか行政の手を打たなければ、いま電電公社の答弁がありましたけれども、率直なところ私は自信がないのじゃないかと思っております。身分の問題、局舎の問題その他たくさんあるわけですから。そこで、いまのままで何とかつけるような対策を講ずべきである、つまり型は古いが、当然交換手を通じて相手と通話はできる、こういう電話にしなければならぬという状態なんですね。で、このままに政策を放置すれば、いつも問題になりますようにそういった山間僻地の局が残るという問題があるわけであります。何らかの新しい手を打つ必要があると思うわけでありますが、大臣いかがでしょうか。
  24. 浅見喜作

    ○浅見政府委員 手動局におきます積滞の解消が思うようにいかないという御指摘でございまして、たいへんごもっともでございますが、先ほど公社計画局長からお答え申し上げましたように、過程と申しますか経過的な困難性がいろいろございます。先生は手動のまま解消の方途を講ずべしとおっしゃるわけでございますが、その点につきましては、公社も台増の余地があれば局舎スペースの許す限りつとめておるところでございますし、あるいは隣接自動局への収容というようなこともやっておるわけでございまして、どうもこの辺が私の目から見ましても努力の限界ではなかろうか。結局抜本的には、先生も御提案なさいました可搬式にせよ、自動化によるほかはないのではないかというふうに考えておりますわけでありますが、これは御指摘のように対象郵便局がだんだんに山間僻地に入ってまいりましたので、一そう困難性が出てまいりました。主として要員問題でございますが、この点につきましても、公社としては六割程度受け入れ努力をするように約束しておりますし、何とか郵政省公社間でこの辺の要員問題の解消につきまして一そう精力的な努力をするように、私からも指導を強化いたしまして御期待に沿いたい、かように考える次第でございます。
  25. 森井忠良

    森井委員 最後に大臣、この問題については沖繩が非常に悪いのです。これは非常に深刻でして、数字はもう申し上げませんけれども、要するに、先ほどの話でおわかりのように自動局、手動局どれも日本のどの県の水準よりも悪うございます。さらに長期債滞に至りましてもどんどんふえておるわけです。たとえば長期積滞というのは、待つ期間が事務用で二年、そして住宅用なら三年なんですね。それだけ待ってもなおつかないという長期積滞が、沖繩の場合去年千二百だったのがことしは三千四百、倍増どころか三倍増しておるわけですね。これはゆゆしい問題であります。もう復帰後何年かたちましたが、これは電電公社に十分考えていただいて、同時に郵政省、大蔵省等とも連絡をとっていただいて、早急にこの解決を迫る必要がある。この点について大臣のお考えを伺っておきたいと思います。
  26. 原田憲

    原田国務大臣 沖繩の問題につきましては、先般、ちょうど電電公社総裁も一緒におる予算の分科会におきまして、森井さんが提起になっておる問題のお尋ねがありました。その中にはいまおっしゃるようなことが述べられ、私はそれはたいへん必要なことである、特に沖繩が復帰するまでは、沖繩の中でいまのようないわゆる手動以外の自動交換という形でなくても伸びておったものが、復帰してから、非常に便利なものができて日本本土と沖繩との間に直通の話ができる反面、事務用電話等に追われて一般の電話が伸びないということは、私は切実な問題だと受け取りまして、電電公社総裁もそこにおられましたが、これは御要望に沿うように対応しなければならぬという御答弁を申し上げておいたのでございますが、きょうもまた、重ねて森井委員からこの問題についてお話がございました。ここにその責任者みなおるわけでございますから、全力をあげて対応してまいりたいと存じます。
  27. 森井忠良

    森井委員 それで、関連をするわけでありますが、先ほど大臣の答弁で、総需要抑制の見地からとはいうものの、本土等については加入電話の必要もわかるけれども、この危機を乗り切ってとおっしゃいました。ところが、御案内のとおり拡充法という法律電話をつける人からは債券を買わせるわけですね。少なくとも十万円以北の金を強制貯金をさせるようなものなんですね。これは電電公社は借金を払うことになりますから。したがって、一般の公共事業その他と違うわけなんです。同時に貯金をしいるわけでありますから、この電話をつけるということは、まさに国策に沿った方向じゃないかと私は思う。これは沖繩でも例外ではないわけでありますから、その点ひとつ十分お考えをいただきたいと思います。  時間の関係で一つ二つ簡単な問題について――簡単でもありませんか、お伺いしたいと思うのでありますが、先ほど大臣の御答弁にもございました福祉電話の問題であります。これは確かに四十六年から制度ができまして、世のお年寄りであるとかあるいは母子家庭、身体障害者という皆さんに福音をもたらされたと思うのです。ところが遅々として進んでいないのですね。これは四十八年の十二月現在でありますが、市町村が設置をしたものはわずかに二千六百なんですね。それから社会福祉法人や個人等合わせまして一千七百。これは私の数字でありますが、身障者等を入れてもせいぜい全国で五千そこそこしかついていない。これは、まず国の予算の問題もございます。新年度も厚生省は計画をしておりますが、わずかです。  そういたしますと、福祉電話という非常にいい制度ができたにもかかわらず普及をしていない。しかもこの隘路は先ほど申しましたように予算上の問題もございますので、やはり行政ベースが追いつくまでは個人の出費にたよらざるを得ないという問題もございます。たとえばお年寄りがおりまして、まだ市町村はつけてくれないけれども、本人がなけなしの金を出すとか、あるいは別居のむすこが出すとか、親戚が出すとか、そういう形で、やはりお年寄りに、特に独居老人にはつけてやる必要がある。ところが、これで最大の隘路は、地方公共団体がつける場合は債券免除になっておるわけですが、これは非常に無理な解釈をしておりまして、いずれにしても社会福祉諸団体あるいは社会福祉事業の事業所だという認定を老人の宅に当てはめまして、債券免除になっておる。これは当然施行規則を直す必要があるんじゃないか。そうして、まともに福祉電話については老人宅につけるというふうに改正をされないと少し無理がございます。この点は監理官でよろしゅうございますが、御答弁いただきたい。  そこで、大臣にお伺いしたいのは、これは公社総裁にも同じでありますけれども、なぜお年寄りから債券を取らなければならないのかという問題なんです。もう制度につきましては、独居老人は、個人がお金を出してつけても優先順位は第一順位といいましてすぐつけることになっております。問題は債券なんです。お年寄りは、ことばは悪うございますが、これから二十年も三十年も生きるものではない。その人から金を出してもらって、十年もしくは二十年で払うからおまえ金を借せ、それなら電話をつけてやろうというシステム、これは非常に問題があると思うわけです。ですから、一切の福祉電話については債券を免除すべきである、こういうふうに考えるわけでありますが、この点いかがでしょうか。どちらからでもよろしゅうございます。
  28. 浅見喜作

    ○浅見政府委員 福祉電話につきましての問題でございますが、まず一人暮らしの寝たきり老人につきましては、今年度サンプル調査をいたしまして、全国の状況を私どもにおきましてつかんだところでございます。この資料を厚生省のほうに渡しまして、厚生省は四十九年度から年次計画を立てまして補助金等の措置をしていくということに相なっております。御指摘のように現在まことに微々たるものでございますが、調査が終了いたしましたので、この資料をもとに厚生省におきまして四十九年度以降年次計画が進むにつれまして普及してまいるものと存じます。  また身体障害者につきましては、私ども四十九年度予算におきまして調査費をお願いしておるところでございまして、その調査結果が出ますれば、また厚生省に渡しまして善処してもらうつもりでおるわけでございます。  ただいま最後にお尋ね老人に対する一般的な債券免除でございますが、やはり一人暮らしの、つまり老人一人で単独の世帯を構成しております場合に初めて問題になるかと思うのでございますが、この点今後十分法的な面につきまして検討をしてまいりたい、かように考えます。
  29. 森井忠良

    森井委員 法的な面はもう拡充法並びに施行規則によりまして、社会福祉事業法に定める事業所、更生緊急保護法に規定する更生保護施設、こうなっておるですね。それにお年寄りの住宅を当てはめておるわけですね。非常に無理がございます。これは郵政省令ですから簡単に変えられると思うので、現状に合わせて変えるべきである。これは検討を願いたい。  それから債券免除については、そうすると、もう前向きに御検討願えますね。一言明確に。
  30. 浅見喜作

    ○浅見政府委員 御指摘の省令でございますが、いまただちにどう改正するということはちょっとお答えしかねますので、帰りまして、十分先生の御意見を含めまして、一人暮らし老人世帯全般に関するものとして順次明らかにしてまいりたいと、かように考えます。
  31. 森井忠良

    森井委員 非常に大事な問題なので、大臣から御答弁いただきたいと思います。
  32. 原田憲

    原田国務大臣 いまの問題を含んで、老人あるいは身体障害者等に対する電話によるところの福祉政策充実ということは私は大事なことであると思っております。私、就任しまして聞きますと、寝たきり老人ですから、これは起きられないんだから、そのまくら元ですぐ聞こえる機械を開発しておるという説明も聞きました。これらのことも含めまして、私は、いま来年度の予算を御審議を願っておる最中で、衆議院はあがりましたけれども、そのときにまた再来年のことを言うということはどうかと思われるかもわかりませんが、私が就任をいたしまして本年度の編成で取り組んでおるわけでございますけれども、来年度にも引き続きましてこういう面に力を入れて、いまお話しのような点にも十分配慮して前進をさせたい、こう考えます。
  33. 森井忠良

    森井委員 それでは、最後に労災事故の問題についてお伺いしておきたいと思うのですが、去年のちょうどこのごろの本委員会でも質問いたしましたが、電電公社の建設工事で非常に死亡事故、重傷事故が出ております。極度に数が多いのです。しかも年度別に減らないわけですね。四十五年が五十一人、四十六年が六十三人、四十七年は五十六人、四十八年はまだ進行中でありますが、ややもしますとこれは死亡者が六十人になるんじゃないか、こういう状態であります。しかも昨年以来これは国会でいろいろ問題になりまして、何とか減らそうという形になっております。ところが依然として減っておらない。かいつまんで、状況について御報告を願いたいと思います。  それからもう一つ、時間の関係で質問を重複させますが、いま申し上げましたのは、いわゆる公社と関係のあります建設会社でありますが、もう一つの問題は、最近公社の職員が感電事故でなくなりました。三月の初めでありましたけれども。しかもこれを見ますと、いわゆる高圧線と非常に近いところで、安全基準によりますと、少なくとも一・五メートル以上離れていなければならないのに、高圧線と五、六十センチの距離で工事をしておるという、非常に安全を無視したやり方で公社の職員が死んでおります。この点についても公社の具体的な対策をお伺いをしたい。何しろこの感電事故というのは中国地方で起きておるわけでありますが、たとえば中国地方だけで、そういうふうに非常に高圧線と至近距離の公社の線路、問題点というのは二万カ所をこしておるんですね。全国的にはこれはすごい数だろうと思うわけでありますが、再点検の状況、これからの方針等も含めて御答弁を願いたいと思うのです。
  34. 中久保卓治

    ○中久保説明員 お答え申し上げます。  ただいま先生指摘のとおり昨年の逓信委員会におきましても、そのほかの委員会におきましても、私ども電気通信設備工事の人身事故につきましていろいろ御指摘をいただきましたにもかかわりませず、なお事故が続いておりますことは、はなはだ遺憾に存ずる次第でございます。私ども昨年の御指摘を契機といたしまして、本社におきまして、有識者、業界代表、労働組合代表、それに私ども、四者の構成メンバーをもちまして安全対策審議会を設置いたしまして、安全の確保と事故の防止の基本的事項につきまして研究審議いたしてきた状況でございます。そこでいろいろ結論を得ましたことにつきましては、すぐ各分野で実施するというような措置をとってまいりました。また、工事も一時中止して総点検を行なうとか、あるいは安全パトロールを強化するとかいうような、ありとあらゆる措置をとってまいりましたにかかわりませず、いま御指摘のような事故が続いておりますこと、まことに遺憾に存ずる次第でございます。  最近の状況につきまして先生からお話がございましたが、一応いろいろな分野において安全の対策をとってまいったわけでございますが、ある部門、たとえば電柱から転落して死亡するというような事故、あるいは材料置場におきまして電柱が落ちて死亡するというような事故とか、あるいはガス関係の事故、こういったものは四十七年度より減少しております。ことにガス事故は四十八年度は皆無になっておる状況でございます。しかしながら、残念ながらいま二番目に御指摘いただきました感電の事故とか、あるいは土砂がくずれて死亡いたします事故、こういったものについては昨年度よりふえておるような状況でございます。これらにつきましては全般的に安全の対策を強化するということでやっておりましたけれども、残念ながらそういった事故がふえておりますので、その方面について安全対策審議会でなお十分に検討いたしまして、そういった事故の撲滅を期するという覚悟で現在やっておる状況でございます。  それから第二番目に御質問いただきました公社の職員で感電死をいたしました事故についてでございますが、私ども、そういった屋外の公社の工事におきましていろいろかねてから対策をとってまいったわけでございます。特に昨年度から屋外作業の安全確保、安全対策の三カ年計画を立てまして、強電線との離隔距離不足部分修正するとか、あるいは老朽マンホールの補修とか、あるいは老朽電柱の取りかえ、こういったものを調査いたしまして、三カ年をもちましてそれを全部払拭するというような計画で現在進めておるわけでございます。ところが、ただいま御指摘の強電線との離隔の改修につきましては、私ども公社自身でいろいろ手を打つことができるものもございますが、やはり電力会社でいろいろやっていただくこともございまして、なかなか早急にということにまいらない部面もございます。そこで私どもは、そういった部面につきましては、たとえば注意標識板を取りつけるとか、あるいは電力会社に防護板、絶縁防護の用具を取りつけてもらうとか、あるいは電力会社の係に立ち会っていただいて工事をするとか、そういうような措置を講じて、そういう強電線による感電死をなくしていこうという考え方で現在やっておる次第でございます。
  35. 森井忠良

    森井委員 答弁が長いので困ったわけですが、まずあとのほうの感電事故については、先ほど申し上げましたように、私いま数字を持っておりませんので、事故が起きた中国地方だけでも二万一千カ所くらい危険個所があると私ども理解をしておるわけですが、全国的に総点検をされて、適切な措置をおとりになる御意思があるのかないのか、その点だけ明確にしておいていただきたい。これは事命にかかわる問題ですから、何をしたかにをしたといっても、現実に事故が起きておるわけです。だから遺族の補償その他を含めて、この機会に抜本的な安全対策を講ずる必要がある、この点、総裁からお伺いしておきたいと思うのです。  それからきわめて残念でありますが、去年とことしと比べて事故が減っておらない、建設会社の場合も。しかも分析をしてみますと、元請の会社よりも下請の会社、これは子請、孫請、曾孫請くらいまであるのではないかと思うわけでありますが、ここから事故が起きておるわけです。したがって、一体いま電電公社が契約しておられます建設工事、七十近い建設会社があるわけでありますけれども、一体この第一次、第二次あるいは第三次下請の実態について、電電公社はどの程度把握しておられるのか、明確に御答弁を願いたい。それが二つ目。  それから三つ目は、そういったふうに下請、孫請等で労災事故が起きた場合に、きわめて奇妙なことに、人の命に金額の差をつけておる、これは非常に問題だと思うわけでありますが、それぞれ労災で規定をされた金額以外のものを払っておりますけれども、たとえば元請と下請会社の補償金が違っておるというような問題があるわけです。しかもこれは各建設会社でもばらばらです。これは電電公社が建設工事をそれぞれ工事請負契約に出すわけでありますが、中身はすべて公社の仕事なんです。本来これは職員がやってもおかしくない仕事です。それを工事会社にやらしておるわけでありますが、そういった現状について公社の対策をお伺いしておきたい。やはり人の命に差をつけるのはおかしいのではないかという主張であります。
  36. 米澤滋

    米澤説明員 総括的なことだけ私申し上げまして、あと残りは関係の総務理事からお答えいたさせます。  まず、森井委員が昨年の国会でも御指摘がございまして、私もこれはぜひやらなければならぬ、いわゆる人身事故を絶滅させたいという決意を持ちまして審議会をつくらせました。審議会の中には労働省あるいは建設省、学識経験者それに公社側の委員、それから労働組合から全電通の書記長、それからまた業界からは業界の代表者、それから組合の代表者にも入っていただきまして、こういう審議会というものは公社として初めてつくったわけでございます。そこでいろいろ審議させまして、七回くらい審議したそうでございまして、私逐次その報告を聞いております。しかしこの審議会ができましてからは若干事故は減ったというふうに聞いておりますけれども、全般的にいいまして、必ずしも成果はあげておりませんが、これにつきましては、事が人命に関することでありますので、最大限の努力を今後とも続けたいと思います。  なお、あとの二つは総務理事からお答えさせます。
  37. 三宅正男

    ○三宅説明員 お答え申し上げます。  まず最初お話しのございました強電線との離隔距離の問題、この問題につきまして、先ほど建設局長が申し上げましたように、全国的にこういった離隔距離が十分にとれておりません部分、これがどれくらいあるかというような現状調査等を昨年さっそくやりまして、現在三カ年計画の中でこの離隔距離を正すこと、こういったような努力を続けております。電力会社との相互の工事の問題、いろいろございますが、できるだけこの三カ年の中で全体を終えたいという形で現在努力をいたしております。ただ全部すぐにはいろいろな事情でできませんので、その場所に関しましては、先ほど建設局長も申しましたような臨時応急措置と申しますか、というようなことでできるだけ対処していきたい、こう考えておりますが、今回公社の職員でこういった関係から感電事故死というような事故が発生いたしましたことはまことに残念に存じております。今後こういったようなことのないように、さらにいろいろな注意というような面について徹底さしていきたい、こう考えております。  次に下請の問題についてお尋ねがございました。現在、公社の工事の中で特に土木、線路、こういったようなものが主体でございますが、下請という形の実際の工事が行なわれているということは事実でございます。こういった下請に関しまして、公社はまず第一に、いろいろな工程の中で下請がやりましてはいけないという下請禁止工程というものを設けておりまして、これに関しては必ず元請がやるというような形をとらせておる工程がございます。これは工事の品質その他相当な技術的なレベルを確保したいという考え方、あるいは工事の進行の途中で通信をとめるというようなことがないようにというような考え方からいたしておるわけでございます。その禁止工程以外については下請が確かに入っております。現在一応公社の把握いたしておりますところでは、技術者数が、四十七年度の推定でございますが、元請で三万六千人、下請で四万六千人、やや下請のほうが技術者数が多い、こういう状態になっております。この下請の管理につきましては、元請負業者が使用いたします下請につきましては、各年度当初に、今年度はこういった下請を使いますというようなことを公社に対して登録させまして、この登録業者を使うということを指導いたしております。こういった形で、何と申しますか、下請の技術者というようなものがどの程度のレベルか、あるいはどの程度の技術者を持っておるかというような点についても公社は管理をいたしておりまして、しかも個々の工事につきましてもこの下請業者を使うというようなことの届け出をさしておることで、そういった形で管理をいたしております。  それから、残念なことでありますが事故が起きました場合の補償この件につきましてのお尋ねがございました。確かに現在元請業者と下請業者、それぞれの従業員が災害にあいました場合の補償金額につきまして、法律で定められております労働災害の補償はもちろん同じでございますが、それにつけ足します部分につきまして元請と下請で若干の格差がある、これは事実でございます。先生のおっしゃるとおりでございます。こういった点について確かに人の命に差があるかという点の問題はございます。しかし、公社の関連業界ばかりではなく、一般の建設業界におきましてもこういった格差が若干あるということも事実でございます。こういった法律で定められました以外の補償につきまして、やはりその企業の経営内容その他によって若干の差が出てくるというようなことも社会的に事実であろうと思います。そういった点につきましてもできるだけこの格差を少なくするようにというようなことで、下請業者の従業員の災害につきましても元請で一部補償額を持つというようなことも現実に公社の関連業界では行なわれております。こういった点につきまして、さらに格差を少なくするような努力をさせますように公社といたしましても元請業者を指導していきたい、こういうように考えております。
  38. 森井忠良

    森井委員 時間を超過しておりますので、最後の質問になりますので、的確な御答弁をいただきたいと思います。  先ほど三宅総務理事は盛んに下請の技術者とおっしゃいましたけれども、技術者はそんなに三万数千もいないと思うのですよ。技術者じゃなくて、要するに労力を提供する皆さんはたくさんおられますけれども、そんなに技術者がおるものならこんなに事故は起きない。  そこで、下請があることについてもお認めになりました。やはり同じ下請でも、常時仕事に従事される人といわゆる季節労働者等があると思うのですね、いわゆる出かせぎ者。この人たちの中にやはり事故が起きておるのではないか、また事故になるもとがあるのではないか、いきなり来てもらってむずかしい仕事に参加をしてもらうわけでありますから。この点について十分メスを入れていただきたいと私は思いますけれども、そういった実態について把握をしておられれば御報告を願い、かつ対策を明確にしてもらいたい。それが一つ。  同時に、そういった人は――いま登録の問題が出ておりますけれども、会社名の登録であって、いわゆるだれとだれを雇ったという個人名の登録というのはないのじゃないか、こういうように思うわけです。その辺にやはりチェックをする盲点がある、こういうように考えますが、いまお説の登録ということになるなら、具体的に従業員の中身にわたってまで電電公社として審査をすべきである、これはいい仕事をしてもらうという意味で当然電電公社としてやらなければならない仕事の一つじゃないかとすら考えるので、くどいようでありますが、中身電電公社の建設工事であります。この点についてもお伺いをしておきたい。  それから安全対策審議会を七回か八回お持ちになったということでありますが、私は地方的に、少なくとも通信局単位に安全対策審議会というのは要るのじゃないか、これは私の従来からの主張でありますけれども、いまもってまだ十分できていない。先ほど申し上げましたとおり、感電事故一つとってみましても、あるいは季節の相違等を見ましても、地域的な問題がずいぶん出てくると思うのであります。あるいは交通の状態、そういったもの等も考えてみまして、地方的な安全対策審議会というものが必ず要ると思うわけでありまして、ぜひつくっていただきたいと思いますけれども、この点についても明確な答弁をお願いいたしたい。  以上のことに御答弁をいただいて、なお不十分な場合があればまた再度いつかの機会にお願いをして、本委員会もしくは社会労働委員会で追及を申し上げますということを申し上げて質問を終わりたいと思います。
  39. 中久保卓治

    ○中久保説明員 お答え申し上げます。  ただいま先生質問の労務者を把握しておるかという件でございますが、御承知のとおり私どもの認定業者は先ほどおっしゃいました六十九社ございまして、それと私どもの建設工事の請負契約をいたしておるわけでございます。その認定業者が工事を施工していく場合に、一応いろいろ下請に対しましての禁止工程等がございますが、一般建設業のやり方と同様に下請を使ってやっておるわけでございます。その下請あるいは元請ともに労務者を労務提供として使用しております。これにつきましては、私どもとしては全国的にどのぐらいであるかという把握は十分にはいたしておりません。しかしながら、昨年国会のいろいろな御指摘もございまして、下請の状況をサンプリング調査いたしたわけでございます。昨年の五月に各通信局にそれを調査させまして集計をいたしましたところ、サンプリングは約三百工事ぐらいやりましたが、そのときの作業に従事していた従業員が八千五百人ぐらいございまして、そのうちの三%が労務者ということが判明いたしております。ただし、五月の時点でございますので季節労務者をあまり使用してない時点でございますので、その時期をはずれた時点では、おそらくはもう少し多目のパーセンテージで使用されているのではなかろうかというふうに思っております。  それで、そういった労務者の登録でございますが、これは私どもとしては請負契約をして元請業者にやらしておりますので十分把握はいたしておりませんが、元請業者あるいは下請業者は、そういった労務者を登録いたしているというふうに私は聞いております。そういった労務者に対しては労災保険を全部おかけするというふうにしておるように私は把握しております。  それから、最後に御質問いただきました審議会の地方の問題でございますが、現在、地方におきましては九州電気通信局ですでに昨年に発足いたしまして、何回か審議を重ねておる状況でございまして、そのほか二、三の通信局におきましても、そういう方向で盛んに話し合いをしておるというふうに現在把握しております。これはやはり本社の審議会におきましては基本的な事項を、先ほど申し上げましたように研究、審議するというようにやっておりますので、しかも、それがだいぶ進行しておりますので、その状況を地方では見ながら、そういった審議会あるいは連絡会をつくるというふうに動いておるというふうに把握しております。以上――〔森井委員「地方でやらせるの、やらせないの、それだけ明確に。」と呼ぶ〕現実にやるように進んでおります。
  40. 廣瀬正雄

    廣瀬委員長 久保等君。
  41. 久保等

    久保(等)委員 まず最初に、私ひとつ郵政大臣お尋ねしたいと思うのですが、それは先般、三月十六日の参議院の予算委員会で、田中総理がたまたま、国鉄問題をはじめとする公共企業体関係の事業について、民営にするんだといったような発言をされたのです。ところが、それを受けてさらに御丁寧に、聞くところによりますと、三月十九日に閣議の席上で、そのことについて田中総理は「国会での私の発言は単なる思いつきではない。ずっと検討し、ちゃんと考えていることだ。郵政、国鉄関係などの閣僚は、国会で質問されたら十分研究していると答え、そのつもりで対処してほしい」というふうなことを言われたと新聞で報道せられておるのです。事はきわめて重要な問題であり、かつ国鉄などとは言っておりますが、この逓信委員会が直接扱います関係にいたしましても、郵政省電電公社等あるわけです。また同じ公共企業体といっても、国鉄、電電公社それぞれおい立ちが違いますし、実情も違うわけでありますが、それらを十ぱ一からげにして民営移管といったようなことを、国の最高責任者であり最高の権力者である総理が軽々に発言せられたと、私どもはきわめて実は驚いておるわけなんですが、しかし本人がまた繰り返して閣議で言われておるのですが、このことについて大臣、特に総理のほうから、ひとつ国会で質問せられたら十分に研究しておいて答弁しろというようなことまで指示をされたように伝えられておるのですが、この間の事情について、簡単にひとつお答えを願いたいと思うのです。
  42. 原田憲

    原田国務大臣 ここでは、いま久保さんは郵政問題についてお尋ねだと思いますから申し上げておきますが、これは初めは予算委員会において質問がありまして、これに対しての総理の答弁は、お聞きのとおりでございます。そのあと閣議でその話が出たことは何もうそでも何でもありませんけれども、運輸大臣が問われて、指示を受けた覚えはないということを言っておるというのも、その閣僚の受け取り方でございまして、よく勉強してくれということであったと私は把握をいたしております。大臣としては、この問題はわれわれが就任いたしました限り勉強するのは当然でございまして、このことにつきまして、短くということでございますから、経緯につきましてもうお答えいたしません。この問題について、郵政事業あるいは電電の事業を民営にしたらどうか、公社にしたらどうかというようなことについて過去においていろいろ審議会で議論されたりしたということは久保さんも御存じのとおりでありますが、これをいますぐに行なうということは私どもはいま考えておるところではございません。勉強をしておかなければならぬということについては、これからも勉強はしなければならぬと思っております。
  43. 久保等

    久保(等)委員 事は非常に重要な問題で、郵政と電通といってもこれは総理はどういう構想か知りませんけれども、勉強しておくといっても、公式の場で勉強するということは、少なくともそういったことの一つの目的意識的に当然勉強するのだろうと思うのですが、しかし、そのこと自体がきわめて私は非常識というか、今日の情勢の中で、たとえば電電一つをとってみても、これは戦後、特に昭和二十七年から電電公社形態に移行したわけですし、そのことが現実に非常に成果もあげてまいっておると私は思います。早い話が、イギリスあたりの公社化の問題に一つのモデル的なものとして、それこそ大いに勉強せられた、対象になった電電公社ですが、そういったものを、かりそめにも民営についてという問題を今日の時点において言われることはきわめて軽率だと思います。  それから郵政の場合も、民営について勉強するとか研究するとかの問題じゃなくて、かつて取り上げた公社化問題は一体どうなっておるのか、こういったこともあるわけですが、私は、ここでこの問題だけやっておっても一時間二時間かかってしまいますからやめますが、きょうはほかに問題があって実は質問いたしたいと思っております。したがって、ただ、いま大臣の言ったお話だけを聞いておると、何かしり切れトンボで困るのでありますが、要するに電電公社の経営形態の問題について、民営にすることについても研究に値するというように一体考えておるのかどうなのか、そういったことは目下全然考えておらないのかどうなのか、ここらのところをひとつ明確にお答え願いたいことと、もう一つは郵政の問題。これは、かつて御承知のように非常に熱心に公社化の問題について研究をせられ、またそのことについて答申まで出て、できれば公社化することが望ましいということだったのですが、これは何かその後雲散霧消してしまったのか、とにかくほとんど議論もせられない状態になっておるのですが、その公社化問題は一体どうなっておるのか、そのことについてお尋ねをし、したがって、今回総理の言われた民営問題との関連が一体どうなるのか、ここらをひとつ結論的に簡潔に御答弁願いたいと思うのです。  ただ、世の中情報化時代だといわれるほど非常に情報のはんらんする時代に、あまり総理みずからがショッキングな情報まで提供されてはまことに迷惑千万だと私は思っておりますし、非常に軽率だと思うのですが、ひとつそこらも情報化時代のチャンピオンである郵政大臣が一体どう考えておるのか、まことにどうも冗言饒舌、デマみたいな話はできるだけなくしてまいらなければならぬ時代に、総理がこういったような発言をせられることは、はなはだ私は不謹慎きわまると思っておるのです。
  44. 原田憲

    原田国務大臣 郵政事業の経営の形態のあり方につきましては従来からいろいろと検討してまいっておりますが、郵政事業の民営ということにつきましては、これまでの国営事業及び公共企業体の経営形態に関し議論された各種審議会におきましても、特に議論がされたことはございません。郵政省といたしましては、ただいまのところ郵政事業の民営については考えておりませんが、経営形態のあり方については、今後とも慎重に検討してまいる所存でございます。  また、郵政事業の公社化につきましては、昭和四十三年十月、郵政審議会に「郵政事業の経営形態を公社化することの是非について」ということを諮問いたしました。「公社化することは、これを機として経営の合理化、国民に対するサービスの向上を推進するという真剣な決意をもって、あらゆる努力が傾注されるならば、その効果をあげるに役立つ方策として採用に価するものと認める。」との答申をいただいております。郵政省といたしましては、答申の趣旨を尊重し、事業運営の改善について具体的な検討を加えてきたところでありますが、答申にも述べられているように、公社化自体が問題を解決するものではなく、現行制度のもとでも、やり方によっては効果をあげ得るものがあるとの趣旨を踏んまえて、現行経営形態のもとで措置可能なものについての実質的改善をはかることといたし、その後、組織及び法令の弾力化等、事業運営全般にわたって改善につとめてきているところであります。したがいまして、現在の段階におきましては、現行制度のもとでできるだけ経営の改善に努力するという考えでまいりたいと考えておりますが、経営形態のあり方については今後も慎重に検討してまいる所存でございます。  電電公社の民営化の問題につきましては、古く戦前から問題とされているところであり、戦後においても公共企業体に関する数次の審議会において、それぞれ民営化の問題について審議されたのであります。これらの審議会ではいずれも、公共企業体としての制度を存続することとするが、ただしできるだけ民営の長所を取り入れて合理化すべきである旨を答申しているのでございます。このように、電電公社の民営化の問題は広く衆知を集めて十分な論議をされたのでありますが、要は企業性と公共性の調和の問題でもあり、ひとり電電公社に限らず三公社に共通する問題でもあると考えます。郵政省としましては、あくまで電気通信による国民の利便の向上をはかるため、より能率的合理的な公社経営体制の確立を目ざすということにおいて、現行制度においてもなお運用等において配慮すべきことがないかどうか、こういうことについてさらに慎重な検討が必要であると考えておるものでございます。目的は、国民にどうしてよいサービスができるかということに主眼を置いてやってまいるということでございます。
  45. 久保等

    久保(等)委員 もう時間の関係で、そのことについてはあまり追及してお尋ねをしようと思いませんが、ただ昔大臣にも申し上げておきたいと思うのですが、電電公社の創設にあたっては、それこそ民営がいいかどうかというような議論も十分に議論し尽くした結果、結局、国有的な面のいいところもある、あるいはまた民営の面でいいところもある、そこらを折衷して公共企業体、特に今日の電電公社の経営形態がいいんだろうということが最終的な結論となって今日の電電公社というものができたわけなんです。しかも、やっとそれもどうやら定着をして実績をあげてまいっておるというのが現状だろうと私は思うのです。したがって、もちろん大企業でありますから、いろいろこまかい点を言えば経営的なくふうは不断にやってもらわなければならぬと思うのです。しかし総理の言うような、民営形態に移行するんだ、しかも私が先ほど申し上げたように十ぱ一からげにしたようなものの言い方で事を考える、きわめて単純かつきわめて衝撃的発想からものを言われることは、まことに重大な問題だと私は思うのです。したがって、この問題で議論をするなら総理とやらなければ意味がないと思うのです。そういう意味で、あまり大臣に追及的な形でこれ以上お尋ねをしようとは思いませんが、ただしかし、もう少し経過というものと現状というものを見ながら、それぞれの事業体について検討を加えてまいるべきだと思うのです。おそらく最近におけるいろいろな労働基本権の問題等が総理の頭の中に中心的にあったんじゃないかと思うのですが、しかしそういった問題で経営形態を単に考えるということでは、これまた軽率のそしりを免れないと私は思うのです。そういった点で十分に御注意を願いたい。これは総理に申し上げることですが、しかし、大臣が大いに勉強しろと言われておるそうでありますから、勉強した結果としても、ひとつ総理に十分にあやまちなきを期するような御助言を願いたいと思います。  以上でこの問題については終わりますが、本論のほうは、私きょうお尋ねいたしたいと思っておるのは、職業病に早く認定をしろという問題でかねがね問題になっております頸肩腕症候群という疾病の問題についてであります。これは最初電電公社お尋ねをして、そのあと郵政省お尋ねをいたしたいと思っております。  最初電電公社ですが、電電公社の関係では、すでにここ一両年にわたって当逓信委員会なりあるいは社会労働委員会、あるいはまた参議院等でもそのつど問題になって、いろいろ質疑がかわされております。そこで、ごく最近における電電公社のこの頸肩腕症候群の疾病の発生状況を数字的にお尋ねをいたしたいと思います。時間が非常に限られておりますので、私のほうの質問もできるだけ簡潔に申し上げますが、お答えのほうもひとつできるだけ簡潔に、ただし中身のある御答弁をぜひお願いをいたしたいと思うのです。今日の状況で頸肩腕症候群の罹病者の方が一体どのくらいおられるのか、きわめて最近のデータで御説明を願いたいと思います。同時に、その中で、要するに業務疾病だと認定をされた件数、それから業務外だと認定をした件数と未処理の件数、こういったこともお尋ねをいたしたいと思います。
  46. 小沢春雄

    小沢説明員 お答え申し上げます。  最初に、電電公社におきます頸肩腕症候群罹患者の数でございますが、四十七年度末が七百六十四名でございました。一番最近の本年二月末の数字が二千七十六名でございます。  それからこれに対する処理の模様でございますが、二千七十六名の中から業務災害の認定申請を出しております者の数が四百三十八名でございます。それから本年二月末までに認定いたしました者の数でございますが、業務上疾病として認定いたしました者が十六名、業務上疾病ではない業務外として認定いたしました者が四名でございます。
  47. 久保等

    久保(等)委員 現状お尋ねいたすわけですが、現在、約二千名をこえる多数の罹病者が出ておるわけなんですが、昨年の八月あたりと比べてみても異常なふえ方をしておると思うのです。昨年の八月末では千三百九十二名といわれておりましたから、そういう点で考えますると、ほんの半年ばかりで約六百名ぐらいの者が数の上でまたふえてまいっております。  いま、この処理模様についての御答弁がありましたが、認定された者はわずかに十六名、したがって、四百三十八名の申請者の中についてもほとんどが未処理という状態になっておるわけなんですが、申請をされた者、申請されない者、こういったものを含めて、全体の中で健康管理の区分といいますかランクづけをしておられると思うのですが、そのランクづけで一体どういうふうになっておりますか。まあA、B、C、Dといったような形に分けられておるかとも思うのですが、その分類分けの数字は一体どういうことになりますか。
  48. 小沢春雄

    小沢説明員 お答えいたします。  ただいまの総数二千七十六名のうち、健康管理指導区分でA、すなわち療養として措置しております者が三百三十八名、それからB、勤務軽減者として措置しております者が七百三十四名、C、要注意ということで健康管理をしております者が五百九十二名、D、準健康者としていろいろと健康指導をしております者が四百十二名でございます。
  49. 久保等

    久保(等)委員 こまかいことはまた別にお尋ねするとして、いまお話のあった二千七十六名のうち、特に健康管理の面で考えても、療養を要するという三百三十八名、あるいはその次の勤務上特別な扱いをしなければならぬといわれるような状態の人、これが七百三十四名という御説明があったわけなんですが、そういう数字から見ても、認定の数字が十六名というのは非常に少ないと思います。と同時に、これを認定する場合一体どういう形で処理がなされておるのか非常に疑問に存じます。  それでもう少しお尋ねしたいと思うのですが、この疾病で一カ月以上一年未満休んでおられる方だとか、あるいは一年以上休んでおられる方、あるいはさらにはすでに休職になっておられる方、こういったことがおわかりになりますか、どうですか。わかればひとつ御答弁願いたい。あるいは私の区分のしかたが少しこまかくてなんなら、わかる程度でいいです。
  50. 小沢春雄

    小沢説明員 ただいま手元に休職者等の数はございませんが、先ほどの二千七十六名の中で電話交換の業務にこれ以上従事させないほうがいいということで、ほかの職に配転あるいは職転いたした者が百三十六名ございます。  それから、これは通算でございますが、二千七十六名はなおらずにずっと積み重なっておるわけではございませんでして、四百八十四名というものは一度なおって普通に仕事に復帰しておるという数字がございます。  そのほか、先生お尋ね数字で、細部は手持ちの資料がございませんので、後ほど調査いたしまして資料を提出いたしたいと存じます。
  51. 久保等

    久保(等)委員 現在休職中の者もわかりませんか。
  52. 小沢春雄

    小沢説明員 詳細の数字は手元にございませんが、概略百名程度と存じます。
  53. 久保等

    久保(等)委員 これはまた後ほどお尋ねをいたしますが、最近電電公社で、例の関東逓信病院を中心にして頸肩腕症候群の問題を専門的な立場で扱うプロジェクトチームをかねがねつくって、この実情調査なりあるいはまた対策等について研究をしてもらっておったようでありますが、それに対して最近二月二十二日ですか、一応答申が出されたようでございます。この問題についてはかねがね早く結論が出ることを期待をされておったように、電電公社のほうから国会の委員会等で御答弁もなされております。したがって、この結論が一応出たことに対しまして、電電公社としては一体この問題についてどうお考えになっておるのか、またこの問題を今後どう生かしていかれるつもりでおられるのか、このことについてひとつお聞きいたしたいと思います。
  54. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  ことしの二月二十二日に関東逓信病院の澤崎博士を長といたします頸肩腕症候群プロジェクトチームというものの答申が私の手元に参りまして、私もこれをよく読みました。公社といたしましては、この頸肩腕症候群というものは絶滅したいというのが私のぜひやりたいと考えておることでございます。しかしこれをどういうふうにしてやるか、かなり医学的なこともございますし、また設備的な面もございます。労働組合ともいろいろ話し合いまして、たとえば早目にこういう傾向のある人は違った仕事をやっていただくということも一つの方法ではないか、あるいはまた仕事を複合してやらせるというようなことも一つの方法ではないか、いろいろ対策がございます。  このプロジェクトチームの答申というのはまだ中間答申の部分もだいぶございます。しかし、いずれにいたしましても、この答申を十分尊重いたしまして、公社の中で、技術革新等非常に進めておる中でございますが、こういう問題は絶滅を期したいということで最大の努力をしたい、こういうふうに考えております。
  55. 久保等

    久保(等)委員 この中身についても少しいろいろ御見解等承りたいところですが、時間の関係でその点は省略をいたしまして、一応待望しておった結論が、中間的なものであるにしろ専門家が集まって、特にかつてない初めての答申が得られたという意味で、私は非常に大きな意義があると思いますし、ぜひひとつこの中身の実践を具体的にやってもらいたいと思うのですが、それにしましても、先ほどちょっとお尋ねして御説明のあった、現在罹病し、しかも相当長期間にわたってこの頸肩腕症候群に悩んでおられる、電電公社の特に電話交換の事業面で出ておると思うのですが、そういった方々に対する認定が非常におくれておる。まあ中身をよく検討してみなければわかりませんが、しかし先ほどの御説明を伺っただけでも、療養を要すという人たちが三百三十八名おられる、あるいは目下休職中の方が約百名おられる。とすると、これは少なくとも相当私は職業病的なものじゃないかというように大ざっぱに考えても考えられるのですが、それが現在わずかに十六名といったようなことでは、あまりにも現実と遊離しているのじゃないかというふうに考えますが、この答申が出たことによって、こういった認定問題が一段とスピード化されるというか、いま申し上げたような人たちを対象にしてでも早急に結論が出されてしかるべきだと思うのですが、この答申が出たことに基づいて、この認定問題はどういうことになってまいる見通しですか。
  56. 小沢春雄

    小沢説明員 先生指摘のように現在業務上認定十六名、業務外四名ということで数が非常に少ないわけでございますが、実はこの頸肩腕症候群の業務上認定と本格的に取り組みましたのは昨年からでございまして、昨年の五月九日に、従来本社で認定をしておりましたので、一名ペンディングな者がありましたので、私が五月一日付で第一号を認定いたしました。それ以来、七月に東北が二件、十月に東海が一件、十一月に東北がまた一件、十一月に東京が五件と、こういうふうに各通信局にまたがりまして現在十六件、四件までに至っておるわけでございますが、おっしゃいますように四百三十八件の災害認定申請に対しまして数が非常に事務的にもはかどっておりませんので、実は一昨日の夜おそくまで全電通労組の首脳部の人たちともこの問題について長時間話し合いまして、それで問題を詰めましたことは、現在は一昨年の暮れから通信局認定というふうに通信局長に認定権を全部おろしております。これは、ある意味では認定を促進しようという趣旨からやったものでございますけれども、これが通信局でなかなかまだ趣旨不徹底な部分もございますので、本社、本部間で話し合うと同時に、通信局、地本間で十分この問題を、数字的にもわかっておりますので詰めまして、早急に必要なものは処理を進めていこうという話し合いをしたばかりでございますので、今後に向かいましてこれが促進が一そう期せられることと期待しております。
  57. 久保等

    久保(等)委員 次に労働省、関係部長おいでになっておるようですから、労働省にお尋ねいたしたいと思います。  かねてから当委員会でも同僚議員のほうから質問をいたした問題ですが、この頸肩腕症候群の疾病の問題については、労働省のいわゆる労働基準法施行規則、この中なりあるいは労働省の通達の中にも、このことについて正面から取り組んだような形でのもちろん規定がない。通達の中のまたその解説とかいうようなややこしい文章の中に頸肩腕症候群という名称があがっておるのですが、私、従来の経緯は別としても、今日これだけ交換職でもって頸肩腕症候群が出る、あるいはその他、後ほど実は郵政のほうでもお尋ねをしたいと思っております特定郵便局あたりでもこういった問題が出てまいる、あるいは郵便関係の仕事をやっている方にも出てまいる、かつ全国的にきわめて各種の職種にもあらわれつつある、こういう状態。しかも電電公社の場合には先ほど数字もあげられたように、きわめて多数の、しかも全国的に出ておる。労働省の通牒の中にすら正式に正面から取り組んで、この問題に対しての、認定問題についての規定がない。私も例のキーパンチャー等を中心にした基準認定の問題で、昭和四十四年の例の第七百二十三号という通牒をちょっと拝見をしました。しかし、この文章そのものも、ちょっとわれわれしろうとがながめると、何かややこしいような文章になっておりまして、通達文書の中のその解説などというものがある通達も、私もあまり多くを知らないのですが、その通達の中に初めて頸肩腕症候群というものが出る。本文のほうには何かそれと見合った実態的な説明みたいなものが載っている。もう少し簡潔に頸肩腕症候群という問題についてのきちっとした基準法、規則なり、あるいはその通達なりを出すのなら、なおさらきわめて明快にこのことに対する基準認定のことについての通達が出されてしかるべきだと思うのです。ところが、この問題をめぐっても逓信委員会あるいは社会労働委員会でも何回か議論をしているが、何か不磨の大典であるかのごとく一向にどうもこの問題が処理されておらない。私は非常に残念に思うのですが、ただ、ただいま電電公社での研究プロジェクトが一つの結論を出す、それからすでに労働省の中にもやはり専門家でもって研究会議等が持たれておるようであります。今日そういったものの経過がどうなっておるのかお尋ねをしますと同時に、結論的には、いま申し上げたように、この問題自体を正面から取り上げて、それで業務上のものについて、こういうものは業務上の疾病として認めるんだ、もちろんすべてが頸肩腕症候群として認定できるかどうか、病気の性格上非常にむずかしい面があるようですから、それならそれで、こういったものは頸肩腕症候群であっても業務上のものとは認められないんだというようなきちっとした規定なり通達なりというものを明確にすべきだと思うのですが、ひとつ経過なり、それからいま私のお尋ねしていることについて、これもできるだけ簡潔にひとつお答え願いたいと思うのですが、しかし、中身のあるように答えてもらいたいと思うのです。
  58. 中西正雄

    ○中西政府委員 頸肩腕症候群の業務上、外の認定につきましては、広く御検討を願うために、昨年の三月末にいわゆる頸肩腕症候群の業務上、外の認定基準の検討についての専門家会議を設置いたしまして、これまでに数回会議を開催いたしております。その会議の中で、頸肩腕症候群の発生状況あるいは症例の検討、また認定上の問題点等につきまして検討を行なってきているわけでございます。現在この専門家会議の中に小委員会を設けまして、これまでの検討結果を取りまとめているところでございます。その結果に基づきましてさらに専門家会議を開催いたしまして、できるだけ早く結論を得るようにいたしたいと考えております。  それからなお具体的に規則等に業務上の疾病としての規定をしたらどうかという点につきましては、この頸肩腕症候群は、先生も御承知のように、業務に起因する場合と、また業務外の原因によって発生する場合がございまして、その認定についてはむずかしい問題がございます。従来から斯界の専門家の御意見を聞いて作成した認定基準によりまして認定の迅速、適正化をはかっているところでございます。これを業務上疾病として労働基準法施行規則の三十五条に具体的に明記することにつきましては、業務に起因する頸肩腕症候群を法令上、医学的に限定して指定するということが可能かどうかということを研究をする必要がございますので、専門家等の意見を聞きまして検討を進めてまいりたいと考えておるところでございます。
  59. 久保等

    久保(等)委員 専門家会議でおおよそ何か大体の検討が終わって取りまとめておられるというのですが、例の数回程度専門家会議を開かれたという御答弁なんですが、去年の九月ごろの当委員会での質問の際にも、数回専門家会議を開いたと言われておるのですが、半年の間もほとんど開いたのか開かないのか、どうもいまの御答弁程度ではよくわかりません。と同時に、取りまとめですから一応は結論が出ておるのだが、いろいろそれこそ取りまとめるということで、ここ若干の、半月か一月か知りませんが、そういった程度の時間できちっとしたものが出る予定なんですか、今後の見通しをお尋ねしたいと思います。
  60. 中西正雄

    ○中西政府委員 現在小委員会でそれぞれの問題につきまして具体的な検討に入って取りまとめに入っているわけでございますが、その結果をさらに専門家会議にかけて、それが内容が適当であるということになれば結論が得られるかと思いますが、その結果がどうなるかによりましては、また若干延びるということも考えられるわけでございます。次回の本会議を一応四月ころには開催することができると思っております。
  61. 久保等

    久保(等)委員 それでは小委員会では一応それぞれの結論的なものが出て、あと本会議で取りまとめて、もちろん、きちっとした結論がどうなるかは本会議を開いてみなければわからないでしょうが、小委員会ではそれぞれ一応の結論的なものが出ている段階ですか。
  62. 中西正雄

    ○中西政府委員 小委員会でもちろんまだ結論をすべてについて得ているわけではございませんので、結論を得るようにそれぞれの問題について検討を進めている、それがおそらく四月には結論が出るであろう、それを待って本委員会を開きたい、このように考えております。
  63. 久保等

    久保(等)委員 もうちょっとお尋ねしたいと思うのですが、小委員会というのは初めから開かれて小委員会を持たれているのか、小委員会というのは幾つあって、いつごろから始めているのですか。
  64. 中西正雄

    ○中西政府委員 昨年の夏ごろから小委員会を設けて検討いたしております。
  65. 久保等

    久保(等)委員 幾つ……。
  66. 中西正雄

    ○中西政府委員 これは一つでございます。
  67. 久保等

    久保(等)委員 何かえらいスローモーのような話なんで、これはもちろんその道の権威者が集まってやっておられるのだろうと思いますから、あるいは必ずしも時間的にはわれわれしろうとが考えるようなわけにはまいらないかもしれませんが、しかし三月にこの専門家会議というものがつくられたわけですから、ちょうど満一年になるわけです。いま承れば、小委員会というものは結局分科会みたいな小委員会でなくて、いわばある程度精力的にやっていただける先生方に小委員会をつくってやっていただくという形ですから、小委員会なりあるいは本委員会といっても、そうたいして違うわけではないと思うのですね。そうだとすれば、もう少しピッチを上げていただいて、最終的な結論といっても、これはすでに電電公社でつくったプロジェクトチームの答申を見ても、ある程度さしあたっての中間的な答申だというようなことが述べられておりますし、おそらくそういう結論になるのだろうと思います、私もしろうとですが。そうだとすれば、ひとつ区切りをつける意味からも、早期にその答申が出ますように、私はお願いしたいと思います。  それと同時に、やはり前々から問題になっておりますが、いずれにいたしましても、労働省として、やはり先ほども申し上げました交換職を中心とするいろいろな頸肩腕症候群が現実に発生をしているわけですから、そういうことに対する指導的な意味では、通達みたいなものが結局当面の問題に対する指針だろうと思うのです。その通達なるものが先ほど私がちょっと指摘しましたように、非常に何かまわりくどいような文書で、通達の中にまた解説というものをくっつけている、その解説のところで初めて頸肩腕症候群ということばが出ているというような通達なんですね。表題はもちろんキーパンチャー等とは書いてありますが……。もちろん私はキーパンチャーの問題も重要な問題でありますからけっこうでありますが、交換職についての業務上災害の問題についての考え方というものをもう少し的確に、しかも明快に通達として出される必要がある。施行規則まで改正をすることができないというか、そこまで行かない前段の措置としても、せめて通達等によってこの問題をやはり現実に合ったように指導してまいるということが必要だと思うのです。このことについてどう考えますか。
  68. 中西正雄

    ○中西政府委員 現在、キーパンチャー、それから金銭登録機のいわゆるチェッカーにつきましての予防対策あるいは業務上の認定基準等につきましてそれぞれ通達を出しておりますが、先生指摘電話交換手等につきましてもたいへん重要な問題でございますので、たまたまプロジェクトチームの中間答申も出たことでもございますので、公社以外の他の同様な作業につきましての疾病の予防のために、また認定上の資料としても活用いたしまして、これらの頸肩腕症候群についての予防、認定等の関係労働者の保護に万全を期してまいりたいと思っております。
  69. 久保等

    久保(等)委員 それからやはり認定問題、こういうむずかしい問題については反証があがらぬ限り私は業務災害として扱っていくべきだと思うのです。業務外であるということが明確に客観的に指摘できる場合は、これは私は業務上の災害として認めるわけにはまいらぬと思うのですが、そうでない限り、それこそ疑わしいというか、どうもよくわからないという場合にはやはり業務上の疾病としてこれを認定する、そういう態度をとってしかるべきだと私は思うのです。それで、だんだんと研究していく過程においてだんだん整理をしていけばいいのであって、少なくとも業務上災害でないということが一〇〇%明確に立証できる、しかもこれが医学的なりあるいはその他の方法で明確にできるという場合を除いてはこれは業務上の疾病だという認定をする、また労働省はそういう考え方で基準の設定に当たるべきだと私は思うのです。労働省というものは労働者を保護しないのが労働省の立場じゃなくて、できるだけ労働者を保護しよう、労働者の立場をできるだけ引き上げていこうということが労働省の本来の使命だと私は思うのです。そういう立場から言えば、何といいますか、私のきわめて大ざっぱな議論ではありますけれども、そういう考え方で指導すべきだと思うのですが、その点いかがでしょうか。
  70. 中西正雄

    ○中西政府委員 先生の御意見ごもっともであるというふうに思いますけれども、御承知のように労災補償につきましては労働基準法にそのもとを置いておりまして、これは補償義務は罰則をもって使用者に強制しているわけでございますから、その点からはやはり業務上の疾病であるということが明らかであるということが必要だろうと思います。しかしながら、労災保険の関係、補償の運用につきましてはそれほどかた苦しくは考えておりません。ある程度幅を持たせて運用はいたしておりますけれども、基本的にはいま申し上げましたように、使用者に対して罰則をもって強制するという補償義務の問題でございますので、原則的には、制度的にはやはり業務に基因することが明らかな疾病であるということが必要だというふうに考えておるわけでございます。
  71. 久保等

    久保(等)委員 これは非常に大事な問題ですが、しかし基本的に、そういう責任はできるだけ明確なもので、きわめて狭義に、できるだけしぼって責任を使用者に持たせようという考え方が妥当じゃないと思うのです。先ほども申し上げたようなことを繰り返しませんけれども、少なくとも、何といいますか本人の過失なりあるいは本人に帰すべき理由、あるいは業務外だということが明確に立証できる、そういうもの以外は業務上の疾病としてこれを見ていく、そういったものを本人に、気の毒な罹病者に負担をかけよう、使用者にはかけないんだというものの考え方そのものが私は本末転倒していると思うのです。これはぜひひとつ、基本的な問題ですから、今後とも労働省の中で十分にそういう方向での指導について御検討願いたいと思います。  時間の関係であまり深くお聞きすることができないことを残念に思いますが、電電公社の関係では、せっかくこの答申が出たのですから――この答申をちょっとながめてみますると、対策という問題も十二項目にわたっていろいろ指摘されておるようですが、ぜひひとつこのことを具体的に実践をしていただきたいと私は思います。最近何かアメリカからATTの医務部長ですか、ストーン博士が来られてこの頸肩腕症候群の問題について見解を述べられたことがあるようなことを私ちょっとお聞きしたのです。それによると、ATTでもかつて十年ぐらい前、ちょうど日本電電公社と同じようにこういった疾病が出た、その後交換台なり職場の設備というものを改善をした、ところが、そのことによって全然なくなったとは考えられませんが、ほとんどなくなったといったようなことを何か述べられたというのですが、これは私は非常に経験者としての示唆に富んだことだと思うのですが、こういったことも実はこの答申の中を拝見すると載っております。(7)の項目で「作業設備・作業環境に関する総合的システム的再検討」という中で、アのところで「交換台等に対する人間工学的検討」というようなことを指摘されておるわけですが、こういったようなことを改善するだけでも非常に電話交換手の場合における頸肩腕症候群の軽減をはかることができるようなことが、何かアメリカなんかの例のことがストーン博士によって述べられたと思うのですが、こういったようなことをぜひ、ある程度金のかかる問題ではあろうと思いますけれども、しかし、この答申に出ております対策の問題を積極的にやってもらいたいと思うのですが、総裁のほうから一言これに対するお考えをお聞きいたしたいと思うのです。
  72. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  私、ストーン博士は前に訪ねてきたことがありますが、今回はまだ聞いておりません。ただ先般AT&Tから電子交換の関係で来たときに、私、夜パーティをやりまして、こういう問題があるかと聞きましたら、確かにいまおっしゃったように、前はあったけれども最近は非常に少なくなったというようなことを言っておりました。交換台の問題は確かに公社としても必要だということを感じまして、たしか昨年の夏ごろこの問題を研究しろということを幹部会議で指示してあります。しかし、一ぺんに全部の交換台を変えるというわけにいきませんけれども、これは三宅総務理事責任者として指示してございますので、今後ともこれは答申を尊重いたしましてやりたいと思います。
  73. 久保等

    久保(等)委員 それでは、次に郵政省関係でお尋ねをいたしたいと思うのですが、郵政省でもこの頸肩腕症候群が、特に私の香川県内で最近発生をいたしておるようであります。私どもこれを正月あたりに知ったのですが、香川県の吉野の特定郵便局で、交換手の方は八名おられるようでありますが、八名の方全員が頸肩腕症候群にかかって、一月の六日から全員病休で休まざるを得ないというような異常事態になったようでありますが、この経過等については、もちろん郵政本省もよく知っておられるところだと思いますし、またこのことについては一月の半ばに東京からわざわざ整形外科部長を派遣をせられたようにも聞いておるわけなんですが、この経過についてあまり長々お聞きする時間もありませんから、要点を踏まえてひとつ簡潔にお答え願いたいと思います。
  74. 北雄一郎

    ○北政府委員 当該局、職員十一名の局でございますが、一月の五日になりまして、おっしゃいましたように八名の職員から診断書が出まして、頸肩腕症候群で休まなければならない、こういう診断書でございました。さらにその後一月十八日から二十八日にかけまして、いまの八名のうち七名の職員が同じ訴えでもって他の医師の診断書、病名は若干違っておりますが、これを提出した、こういうことであります。診断の内容につきましては、いま申し上げましたように、二人の医師によって診断を受けておりますので、病名については若干異なっておりますけれども、総合いたしますと、頸肩腕症候群それから頸部脊椎症、そういったことで、これまた人によって違いますが、三週間ないし二カ月の加療を要する、こういうことでございました。  当局といたしましては、これらの職員につきましては、病休を付与して治療に専念してもらうということにいたしておりました。その後、逐次回復いたしまして、三月四日以降は八名全員が出勤しておる、こういう状況でございます。
  75. 久保等

    久保(等)委員 これも最初事実関係をお尋ねをしておきたいと思うのですが、この吉野の郵便局、ここの電話交換の関係なんですが、こういった全員が頸肩腕症候群になるということ、そのことは、もちろん仕事の関係から当然出てまいった結果であろうと私は思うのですが、この電話交換関係、すなわち交換台が二台現在あるようですが、この交換台に加入者が何名収容されておるのか、あるいは有線放送等も扱っておるわけなんですが、そういったような設備関係の事情、それから電話の積滞等もあるようですが、そういったような状況について、ひとつ簡単にお答え願いたいと思うのです。
  76. 石井多加三

    ○石井政府委員 お答えいたします。  香川県の吉野郵便局の交換台は、お話のとおり二台でございまして、電話加入数は、四十八年の十二月末現在で、単独が百六加入、二共同が三十五加入、三以上共同が五十四加入、それから有線放送の電話が十回線、これは端末では約千五百というふうになっております。合計で二百五加入というふうになっておるわけでございます。  それから、電話のコールの数でございますが、最近の調査によりますと、一時間当たり平均一台当たり八十三コールということでございますが、香川県内の特定郵便局の委託業務をやっておりますところの平均でいいますと、一台当たりの平均は約百コールだそうでございます。それより若干下回る八十三コールということと、そのうち最も忙しい一時間中のコールの数は、一台当たり百四十一コール、この点は香川県内の平均は百六十コールでございます。なお、当該局の電話の積滞は七十九件というふうになっておるようでございます。
  77. 久保等

    久保(等)委員 この一台当たりの八十三コールなり、あるいは繁忙時の百四十一コールというのは、いつ調べた数字ですか。
  78. 石井多加三

    ○石井政府委員 去る一月二十一日、二十二日の両日でございます。
  79. 久保等

    久保(等)委員 これはたまたまその二十一日、二十二日にやられたなにかも知らぬが、毎月のコール数、そういったようなものは、データで郵政局で持っておるのかどこで持っておるのか知らぬが、そういったことまでここで一々お尋ねすることはできないですが、昨年一年じゅうのこの吉野の郵便局における電話のコール数、これをひとつ資料で別途出してくれませんか。  それで、ここであまりこういう問題についてまでお尋ねするわけにはまいりませんが、そうすると、頸肩腕症候群という異常な疾病が、しかも集団的に出た。これはどこに原因があるというように判断しておるのですか。
  80. 廣瀬正雄

    廣瀬委員長 ただいま資料要求が出ましたがその取り扱いについては、理事会で協議いたしまして措置いたします。
  81. 北雄一郎

    ○北政府委員 原因等につきましては、いまいろいろな角度から調査をしておるわけでございます。御承知のように、頸肩腕症候群と申します疾病の発病原因というのは多角的な要素があるということでございまして、そういったような要素と作業実態というものとを見比べて調査をするという段階の途中でございます。
  82. 久保等

    久保(等)委員 途中といっても、全貌はわからないにしても、さしあたってはこういったところにあるのじゃないかといった程度のことは、かりに二、三にしろ、ある程度説明ができるのじゃないですか。しかも、この頸肩腕症候群というものも、一日か二日の勤務でにわかに降ってわいたように出るのじゃなくて、やっぱりある程度の継続的な、また長期的な勤務の中から出てまいるのだと思うのです。しかも、これは医者が診断をしておるのです。かってに肩が痛いあるいは手がしびれるといったようなことを言っておる本人の苦情に基づくデータでないのだし、事実そうじゃないのですから。当然医者が診断して、七名全員とも頸肩腕症候群です、重いのは二カ月の休養を要する、あるいは短くても三週間の療養を要する、こういう診断書が出るような職場というものに、これから検討してみなければ原因はかいもくわかりませんということなんでしょうか。
  83. 北雄一郎

    ○北政府委員 かいもくわからぬというわけじゃございませんので、職場環境等も影響があるものの一つとされておりますので、その点につきましては、一月段階にいろいろとこの局を調査しましたとき、さしあたり当該室内の照明度が若干低いというので、照明度を高めるように増灯をするという措置はいたしました。それから、罹患した人々につきましては、所要の日数休んで治療に専念してもらいました。現在出てきておりますけれども、それも医者の指示がございますので、軽業ということで二時間ばかり勤務時間を勤務につかせないでおります。また夜勤回数等につきましても、あるいは夜勤宿直というようなことにつきましても、回復期にある者について望ましくないということでありますので、そういったものも控える措置をとっておるというようなことをやっております。抜本的な対策というものにつきまして調査中でございます。
  84. 久保等

    久保(等)委員 こういう異常な事態が出て、いまのような程度て、きわめて――このこと自体にもまた具体的に一つ一つお尋ねしたいと思っておるのですけれども、何か非常に対応のしかたが鈍いというか、われわれが聞いても――それならば、こういった問題が再度出ないという保証がどこにあるのか。少しばかり電気を明るくしたから頸肩腕症候群がなくなってしまって、将来もう出ませんという保証には、これはちっともならぬと思うのですね。  特に郵便局長自体も、特定郵便局長みずから責任をとってやめられたというような事態もあるのですが、これらについてひとつ説明願いたいと思うのです。
  85. 北雄一郎

    ○北政府委員 実は頸肩腕症候群は当部内では従来せん孔作業、パンチャーのほうに多発しておったわけでございまして、そちらのほうにつきましては、職員全体に年一回定期健康診断をやっておりますが、そのほかに、このせん孔作業従事員につきましては年三回臨時の健康診断を実施するということをいたしております。電話交換につきましては、深夜勤の時間数が一週間七時間以上に達する、そういう勤務に服している人につきましては、臨時の健康診断を行なうということをこれまでもやっておりました。  それから今後の対策、抜本的には検討中であると申しましたが、この頸肩腕症候群、これは比較的新しく指摘された病気でございますので、実は昨年当方におきましても部内の医師の研究会を開催したのでありますが、今後も省として十分抜本的な研究を深めていきたいと思っております。  さらに、こういった関係で日常の職員指導ということにも配意する必要があると思いますので、この問題についての管理者に対する指導ということも今後十分力は入れてまいりたいと思います。職員自体に対しても体操を奨励するとか、あるいはいろいろ意思疎通をはかるとかいうような方向でやってまいりたいというふうに思っております。  作業方法なんかにつきましても、これまでADPSの関係、せん孔作業の作業量が相当あるわけでございますけれども、漸次これをOCR化するということによってその作業量を軽減するとか、担務がえを実施するとか、あるいはほかの勤務を交える混合服務を採用するとか、それから窓口会計機、これもこれまで若干こういった病気の発生を見ておりますので、こういったものを新型にいたしまして、もっとタッチの軽い機種を採用するというようなことをしてまいり、また検討しておるわけであります。  それから電電公社におかれましてプロジェクトチームに研究をさせられたということでございますので、私のほうも新年度早々に、こういった関係について、これは東京逓信病院を中心にいたしまして一つのプロジェクトチームをつくって検討をしたい、開始したい、こういうふうに考えております。  それから吉野の局長の問題でございますが、御本人、責任をとったとおっしゃいましたが、別にそういう意味ではございませんで、たしか一月になってだと思いますが、本人から一身上の都合でどうしてもやめたいということで、郵政局としては慰留につとめたのでございますけれども、と申しますのは、辞表が出まして直ちに受理しておりません、約一カ月ほど経てでありますが、本人の一身上の都合による辞意がかたいので、本人がやめるということを認めた、こういうわけでございます。
  86. 久保等

    久保(等)委員 そういう答弁ではちょっと理解できないのですが、特定郵便局長そのものが責任をとってやめたんじゃないとかなんとか言っておられるが、では、一体直接的にはどういう理由でやめたと理解しているのか。特にあそこの労働組合との間に文書交換をやった、そういったことは御存じですか。そのことについてひとつ御説明願いたいと思います。
  87. 北雄一郎

    ○北政府委員 昨年暮れ、そういったやりとりが当時のその局長と職員の間にあったということは存じております。おりますが、私ども聞いておりますのでは、今回やめましたのは、やはりあくまで一身上の都合である、こういうふうに聞いておるわけであります。
  88. 久保等

    久保(等)委員 そういう程度の人事局長認識だと、やはり私は、こういう問題の取り組み方そのものの姿勢が、非常に真剣に取り組んでおられないと思うのです。  昨年のたしか十二月二十三日と思いますが、この頸肩腕症候群の問題、これも郵政局なり本省が実際に知ったのはいつか知りませんけれども、これもお尋ねをしなければならぬと思うのですが、問題は、少なくとも私が聞いておるところでは、昨年の春ごろから従業員はやはりいろいろな苦痛を訴える人たちがいた。それで、特定郵便局長と話し合いを始めたのも、昨年の八月ごろぐらいから話し合いを始めている。それから十二月段階になれば、これは郵政局にひんぱんに、少なくとも当該の前の渡辺郵便局長ですが、渡辺特定郵便局長から松山の郵政局に向かって、たとえば交換台を増設をしてもらいたい、あるいは要員を増員してもらいたい、こういう要望は出たはずであります。こういったことについて、どういうふうに郵政局あたり、あるいはまた本省そのものが理解をしておるのかどうか、ひとつお尋ねしたいと思うんですがね。
  89. 北雄一郎

    ○北政府委員 そういうやりとりが当該局長郵政局の間にまた当時存在したということも聞いております。ただ郵政局といたしましては、先ほど郵務局長から御答弁申し上げましたように、当該局のコール数、それから台数、こういったものが一般的な基準といいますか、平均をいずれも下回っているという状況の中で、特に台数が少ないんだとか、特に定員が少ないとか、特に他より繁忙であるというような点が認められない、しかし、一方でそういう苦情があるということも十分わかっておりましたのですが、集中的に郵政局と当該局長ということになりましたのは、ときあたかも年末の直前でございましたので、とにかく年末は何とかやってくれ、年が明けたらまたいろいろ調べよう、こういうことであったというふうに聞いております。
  90. 久保等

    久保(等)委員 人事局長はどの程度理解しているのか知りませんが、当該吉野郵便局長、渡辺秀雄さんという郵便局長ですが、一つには、「交換台は四台を絶対必要とし増台をしないのであれば、責任は持てないことを郵政局へ強く要求することとします。」二つには、職員の健康状態の問題について「交換作業が繁忙のため、肩こり、腰痛、腕痛、頭痛、耳なり、目のくらみ等の病気が発生している、これについて一斉に健康診断を実施するとともに早急に対処します。」三、「要員は現在より四名は必要とします。」四、「上記要求が受け入れられないのであれば辞表を提出する。」「昭和四十八年十二月二十三日」ときちっと判こを押しているのですが、こういう一札を職場の、全逓の吉野班というのですが、ここに文書を入れているのです。私は、これは郵便局長としては、ここまでくるにはよほど思い詰め、悩み考えた末、こういったものを少なくともその職場の吉野班なるものに渡したと思うんですね。これは、これだけのことを特定郵便局長、しかも年齢ももうすでに五十数歳になるいわば思慮分別に欠かない、長い間経験を持った郵政部内育ちの郵便局長ですから、私は、これだけの文書を出すとなるのには、よほどの悩みと考えた末だと思うのです。ところが、年末繁忙で、いま人事局長お話を聞けば、まあごたごたしておったからというような程度ですが、事ここに至るまでは、こういうことを対外的に文書にまでして組合の班にまで出したのですから、郵政局には相当強くこの渡辺局長のほうから要請があったと思うのです。郵政局自体ではどういうふうに理解しているのですか。人事局長郵政局段階でどの程度に理解しておったと思われるのですか。
  91. 北雄一郎

    ○北政府委員 当時、当該局長が自局の問題でいろいろ悩んでおったということはそのとおりに思います。それを郵政局にも伝えたということであると思っております。ただ郵政局では、先ほど私申し上げましたように、いま年末繁忙なんだから、とにかく年末はいまの体制で乗り切ってくれ、正月になればまたいろいろ調査もしようという態度であったというふうに聞いております。
  92. 久保等

    久保(等)委員 ですから、郵便局長がやめたということは、これは組合の諸君にもそういうふうに「上記要求が受け入れられないのであれば辞表を提出する」という意思表示をしているのですよ。したがって、辞表を提出したことは、明らかにこういった対外的にもそういうことを約束をし、しかも判こまで押しているのです。ところがいま人事局長は、やめたのは本人の一身上の何か都合でやめたのでしょうというような理解のしかたでは、現場の実情に対する認識そのものが全くないというふうに判断をせざるを得ないと思うのです。局長思い詰まって詰まって、とにかくこういうことまで一札入れざるを得ない、ところがこれが要求は通らない。おそらく郵政本省にしても、あなた方がさっきから答弁するような調子ですから、そんなに増台することはとんでもない、一般から比べたってむしろコール数が少ないじゃないか、したがって台数をふやす必要もないし、人員をふやす必要はさらさらない、おまえ何やっているんだといったようなことで追い詰めるから、結局自分としてはやめざるを得ない。私はこれは歴然たる事実だと思う。本人がこういったことまで、しかも口で言ったんではなくて、ちゃんと判こ押してあるのですよ、ここへ。こういう事態に対する認識が、人事局長、少なくともあなたがそういう認識でこの問題を認識しているとすると、とんでもない認識に欠けると私は思うのですが、いかがですか。こういった事実があることを考えたときに――局長がやめたのは責任を感じてやめた、私はこれがいれられないときはやめますといって文書を書いているのですから。したがって、こういったことからやめたというふうにかりにいまここで初めて理解せられてもやむを得ないと思うのですが、あなたは私のいま申し上げたことによって、そういうように理解できませんか。
  93. 北雄一郎

    ○北政府委員 先ほどお答えいたしましたように、一月五日に診断書が出てきて、それによって職員を休ましておるわけです。もちろん一ぺんに全部休まれたわけですから、それでは仕事が回らないので、非常勤の採用とかあるいは付近の管理者の応援ということで仕事を回す措置は講じつつ本人たちを休ませる。それから一月に本省もしかるべき医者を現地へ派遣しましていろいろ調べる、郵政局も現地調査をするという措置をいろいろ具体的に講じたわけでございます。ただ、その書類の中にございます台増でありますとか定員増ということにつきましては、これは先ほど来答弁しておりますように一般基準というものがありますし、他の平均という問題もありますが、そういう中でいろいろ調査をしておるという段階で、これは今日実現しておりません。しかし対応措置あるいは調査というものはもう一月早々開始をしたわけでございますから、そういう意味で局長のそういった問題についてのいろいろな考えあるいは心痛というようなものに対して、郵政局としても本腰を入れていろいろ措置に出てきたという中で辞表が出てやめられたわけでありまして、そういう点を考えますと、私やはりその辞表にありますように一身上の都合でやめられたんだ、こういうふうに理解するわけであります。
  94. 久保等

    久保(等)委員 だから、そういうこじつけというか、あなたが本人の一身上の都合でやめたんだろうというように理解されることは、これは全く牽強付会もはなはだしいと私は思うのです。すなおに考えて、とにかく本人が、こういった要求がいれられなければやめなければならぬ、やめますよといって職場の人たちに約束をし、しかもこういった文書にまで――局長は全く職場の実態からすなおな気持ちで一生懸命で取り組んだけれども、上のほうが一向に聞いてくれない、結局自分としてはやめざるを得ないということでやめたことは、これは明々白々ですよ。それを単に一身上の都合でやめたと思うというような解釈は、これはどう考えたってできませんよ、北さん。こういう頸肩腕症候群自体の問題についての取り組み方のあなた方の姿勢そのものが、すぐ何か特別に労務管理的なものの見方で考えていく。もう少しすなおに、出てきた問題について私は少なくとも取り組むべきだと思うのです。これは単に吉野の郵便局だけの問題じゃないです。  きょうは時間がなくてはなはだ残念なんですけれども、実は高松の郵便局でも出ています。現在もうすでに三十五名ぐらい香川県下だけで医者の診断書の出ておりまする罹病者が出てきておるようですが、さらに今後私はふえるのじゃないかと思うのです。ところが、この問題に対する扱い方が非常に私は冷たいと思いますよ。だから、そのことをまず、いろいろな対策もあるけれども、まず人間関係の不信感をなくすることに全力をあげてください。これは対策といったって、頸肩腕症候群をなおす話とは別だけれども、まず職場の不信感をなくすることに努力してもらいたいと思う。  これは具体的に申し上げますと、そのあと私はたままた実は三月の五日にちょっと職場のほうをのぞいたんです。のぞいたところ、非常に取り込んでおって、だれと一体話をしていいのかわからない。私は二、三十分いてすぐ引き揚げたんです。したがって説明をまとめて聞く相手方もいない。三月の五日に行ったんです。これは前局長がちょうど三月の四日にやめて、三月の五日の日に新任局長、尾楠新局長が赴任したようですが、ところがさっそく、何か最近聞くところによると、この尾楠新局長がこの問題に対する取り組み方が非常にまた冷たい。冷たいということばじゃきわめて抽象的ですが、私は全く実はふしぎだと思うのですが、私行ったら、ちょうどきょう着任をしたといって、あとから聞いたら、あれが新局長だということがわかったんですけれども、この新局長が乗り込んでいってどういうことをやっているか、このことをひとつ私は本省なり郵政局、もう少し反省の上に立った指導をしてもらいたいと思うのですが、先ほど人事局長が現場の管理者に対する指導をひとつ十分にやっていきたいと言っているんだけれども、こういう指導ではだめです。ということは、さっそく本人が赴任してから、この三月の二十日の日に一人一人呼んで二時間ぐらい、この罹病者の諸君たちを目の前にして、君たちとにかく夜勤をやれ、あるいは宿直をやれ、もしできないんなら、ひとつ転勤してもらうよりほか方法がないのだというようなことを申し渡しているんです。これはもう全く、私は前局長のような――どういう人か前局長も知りませんが、本人がほんとうに増台の必要があり、あるいは要員増の必要があると思ってやれば、結局自分が詰め腹を切ってやめざるを得ないような結果になる。それから、あとから行った新任局長は、おそらくこれは郵政局なりあるいは郵政本省の姿勢でもあると思うのですが、そういう上にのっとってやっているのだろうと思うけれども、問題は、いま言ったように罹病者の諸君に対してあたたかい気持ちで、しかもこの頸肩腕症候群というのは、御承知のように、労働省の部長もおられるけれども、精神的な面も非常にあるとか、非常に環境が支配するとかいうようなことがいわれております。そういったものにこそ、なおさらあたたかみのある指導をすべきだし、それからまた接し方をすべきだと私は思うのです。ところが頭から、君、宿直や日直ができないなら転勤してもらいますよ、そういうことを言っているんですが、それと同時に、あなた、さっき勤務の時間の軽減をはかっている、二時間とかいうようなことを言っているんですが、医者の診断書によると、勤務を二分の一軽減にしなさい、こういうことについて、医者の診断書どおりやはり職場で扱っていくべきだと思うのですが、どう考えられますか、人事局長
  95. 北雄一郎

    ○北政府委員 その点につきましては、実はいまの健康管理規程というもので病休、軽業というものがきめられておりますが、軽業というのは大体二割勤務を軽減するということになっておりまして、半分というのは実はないわけでございます。それで個々の人の病状によりまして、病休をとって治療に専念するというやり方、あるいはよいという病状の方は二時間程度の勤務軽減という、どちらかの方法で回復をはかってもらう、こういう形を実はとっておるわけでございます。
  96. 久保等

    久保(等)委員 いや、ですから、やはり病気の実態に沿って――体病気をなおさせようと思っておるのか。とにかく病気はどんどん進行したっていいのだ、おたくのほうでつくっている健康管理規程か何か知らぬけれども、それをこういった病気に対して医者が、現在やっておる仕事の半分にしなさい、八時間勤務しているのは四時間勤務にしなさいというものに対して、いや、二時間の軽減はしますけれども、あとだめですよ、六時間勤務はしなさいというような一体人の使い方をやはりやられるべきだと思っておるんですか。やはり医者の言っておるその診断の内容によって、本人のとにかく病気をなおすのだ、なおさなければならぬのだという考え方が一体郵政省にあるのかどうなのか。少なくとも、医者から出てきた専門家の診断に沿って本人の病気をなおさせるのだという一体考え方で対処しようとしておるのか。いや、それはもうまけることはできないんだ、二時間は軽減してもいいけれども六時間なんだ、従来かりに八時間でやっているとすればですね、そういうことでやっていこうとするのか。それこそ現在の出た問題に対して、即応して、改正するところは改正するというふうに当然やるべきだと思うのですが、どうなんですか。
  97. 北雄一郎

    ○北政府委員 この病気は外からなかなかわかりにくい病気ではございますけれども、病気は病気として、ずばり病気をなおしてもらうということがもちろん中心でございまして、その点は私どもも現場もすべて割り切って対処をするということであります。  それから、一日であれば七時間二十分あるいは二時間という規定になっておりますけれども、いろいろな疾病もございますので、そういった規定がそれでいいのかどうか。従来はそれで別に支障はなかったのでございますが、現実に半日くらい休んだほうがいいという診断もあるわけでございまして、それが絶対であるかどうかということももちろんあるんでございましょうけれども、反面、七時間二十分と二時間というのが絶対であるかということも確かに問題でございます。そういったことも、この頸肩腕症候群というもののプロジェクトチームも新年度早々につくるわけでございますから、織りまぜて抜本的な解決をはかりたい、こういうふうに考えております。
  98. 廣瀬正雄

    廣瀬委員長 久保君、だいぶ時間を経過しましたから、結論を急いでください。
  99. 久保等

    久保(等)委員 ええ、ところがまだ重要な問題で若干残っておるのですが……。  だから、いま言う二分の一勤務を軽減しなさいという診断書が出た者に対しては、二分の一勤務を軽減するという措置をとったらどうですか。私はこれは大臣にお聞きしたいと思うのですが、大臣どうですか。じゃ、ほんとうに行き詰まって病気が悪くなってしまったら、いま言ったように、いよいよ行き詰まったら全員が休むような異常事態も出るのですよ。だから、せっかく医者が診断して、勤務を半分にしなさい、すべきだという診断書が出たなら、それに対して的確にこたえていって、病気をなおすことが先決だというなら、検討してとかなんとかいう話なら――日本じゅうの話を人事局長は考えているんだろうと思うけれども、さしあたって、ここに出た問題に一つ一つ具体的に対応していくべきですよ。郵政局あり郵政本省があり、大ぜい管理者の方がおられるんだから、そういったことに対して適切に対処していくべきだと思うのですよ。しかも、それが本人の申し出とかなんとかじゃなくて、医者がきちっとした診断書を書いてるなら、それに基づいてやっていく。あるいはそれでも十分でないかもしれないのですよ。それこそ人間のやることですからね。しかし、せめて専門家が出した結論なら結論に従って対処していくということはやるべきだと私は思うのですが、大臣、いかがですか。  私がいまお聞きしているのは、勤務時間の軽減の問題で、医者が治療上現在の勤務時間の半減をすべきだ、そういうことに対して、二時間ならいいけれどもあとは認めないんだというような形でやれば、まただんだん病は重くなっていくということしか出ないと思うのですよ。こういう問題に対して的確な判断がなぜできないかと思うのですが、人事局長もう一ぺん答弁するなら、ひとつ私の質問に対して的確に答えてもらいたい。
  100. 北雄一郎

    ○北政府委員 先ほどお答え申しましたように、その問題を含めて早急に結論を出したいと思います。  ただ、現状におきましては、そういうことで各職員たち漸次軽快に向かっておるということでございます。しかし根本的な問題としては早急に結論を得たいと思っております。
  101. 久保等

    久保(等)委員 だから、そういった点が私は非常に無責任だと思うのですね。ものによってそれは根本的に検討する問題がいろいろあると思うのですよ。しかし、いま言ったようなことは一つ一つの問題について的確にいま対応しなければならぬ問題ですよ。全体的に、根本的になんというそんな問題と違って、いま具体的に出てる問題については、やはり一人一人について的確な指示を与えるべきですよ。本省の規則やその他があるんなら、それこそそんなものは改正すればいいのですよ。しかも頸肩腕症候群の問題で、それではいま言ったように全員休んでしまったら一体どうなるのか、それこそ一銭惜しみの何とか失いということかありますけれどもそういう結果に――事はしかも病気ですからね、病気の問題。そこらにやはり郵政当局の何か一貫して流れる冷たさというか、人間関係というものに対して非常に正常じゃない、われわれから見ると何か非常に冷たい――先ほどもちょっと申し上げましたが、それならこの問題については、いずれにしても私は的確に早急にひとつ措置をしてもらいたい、このことを申し上げておきます。  それからその次に、先ほど新任特定局長が、夜勤だとか宿直だとかをいやだというなら、ひとつ転勤してもらいますよと言っている。しかも、これには郵政局の電業課長補佐が立ち会った上でそういうことが本人に言われている。これは一体どう思いますか。
  102. 北雄一郎

    ○北政府委員 詳しい事情は聞いておらないのでございますけれども、夜勤が可能である者については夜勤をしてもらいたいというために職員の意向を新任局長が個々に-個々かとうか存じませんが、職員の意向などを聞いたということは聞いております。
  103. 久保等

    久保(等)委員 しかし、これは二月当時で少なくとも夜勤あるいは宿直は約二カ月間くらいは適当でないという診断を医者がしているのです。しかも全員ですよ、全員八名。それにいま言ったように、宿直しろ夜勤をしろ、それをやらないなら君、転勤だよというようなことを、現場の実態をよく知っておる郵便局長が言えるはずはないと私は思うのですよ。だから、そういう上に立つと、これもまた事実問題で、私はここではっきりイエスかノーか言える問題だと思うのですが、そういうことは少なくともとんでもない発言だと私は思うのですが、どうでしょうか。新任局長が行って、さっそくそういうことを一人一人に言っているのですよ。転勤してもらいます――それこそ私は全く暴言だと思うのですが、どうですか。これもひとつはっきりしてもらいたいのです。
  104. 北雄一郎

    ○北政府委員 君はさしあたり夜勤はできないのか、できなければほかの局へ飛ばすぞ、そういうことは絶対に言っておらぬということでございますが、(久保(等)委員「だから言ったとしたらどうですか」と呼ぶ)そういう言い方があったとしたら、適切でないというふうに思います。
  105. 久保等

    久保(等)委員 これはひとり吉野の郵便局だけに限らないのです。高松の郵便局の場合にもやはり頸肩腕症候群の諸君が出ているのですが、その中で高松の庶務課長、これがまた、何と言うのですかね、われわれは実際常識で理解できないのですが、この問題が出たものだから、ひとつ支部折衝をして話をしたいといって労働組合が申し入れをした。ところが会わない。例の何か三六協定が結ばれておらないからどうとかこうとか言って会わない。八回ばかり折衝を申し入れたが、会わないのです。これも現実に職場にそういう人たちが、病人が出たんでしょう。そのことについて組合の支部が話し合いをしたいと言ったら、いや、そんなものは会えないのだと言って、八回申し込んだけれども拒否された。これは平尾庶務課長のところが窓口になっておるようですが、平尾庶務課長に申し入れたら拒否されたというようなことで、非常に対応のしかたがにぶいと同時に、私はこれまた庶務課長の言動そのものはきわめて非常識きわまると思うのですよ。その後まただんだんと頸肩腕症候群がふえておるようですが、何か高松の郵便局も十数名になっておるようです。これは、電話交換手はあそこにおりませんから、郵便課あたりにそういった問題が出ているのです。そういったことに対して、会うとか会わぬとかいうそんなこと自体が問題になるようじゃ、私は全く人間関係がゼロだと思うのですね。ほんとうなら、何だ、どういう問題が出たのだと、夜中であっても病人が出たのなら飛び起きて会うべきだと私は思うのですよ。ところが白昼何回申し入れても会わない。やっと一カ月たったか二カ月たったか知らぬが会って、やったんだが、とにかくいま言ったような庶務課長の扱い方、しかもそのときに「この病気発生によって病休者が出ると業務確保が困難になる、頚肩腕症候群といっても職業からきているものではない、本人の体質的なことからなるのです」というようなことを言っておる。こういうことを言うと、それはまた職員にしてみると、何を言っているかということになるだろうと思うのです。もちろん、頸肩腕症候群が出たらそれが一切すべて業務災害というところまで行ってないことは先ほど労働省の部長のお話にもありますが、われわれももちろんそういう前提に立っての話ですが、しかしまたそういうしろうとが独断的に、それはもう本人の体質から来るのであって業務上の病気ではないのだと言って頭からきめつけるようなものの言い方をして、これまた職場の空気を悪くする、それがまた頸肩腕症候群を増大させていく一つの原因にもなっておると私は思うのですけれども、こういうこと自体もこれも一体どう思われますか。高松の郵便局でのこういう労働組合に対する扱い方。結局病気の問題まで労使関係の問題のように扱って、労働組合が病気の問題で来るなら、頭から、そんなものは受け付けない、いま三六協定も結ばれておらないのだから。三六協定が結ばれておるとかおらぬとかは別にして、職場の人たちになぜ職場の庶務課長が会えないのか。それは人事局長どう思いますか。
  106. 北雄一郎

    ○北政府委員 ただいまのお示しの話は全然私聞いておりませんので、調べてみたいと思います。
  107. 久保等

    久保(等)委員 それは、人事局長は一々各郵便局で会うとか会わぬとかいった話まで耳に入らぬかもしれぬが、しかし、こういうことは、あなたは調べると言うけれども、いま言ったようなことはことばのやりとりの話ですから、きわめて簡単なことですが、こういう事実があるとすれば、一体適当であると思いますか、思いませんか。
  108. 北雄一郎

    ○北政府委員 たいへん恐縮でございますけれども、そういったことばのやりとりというのは、いろんな背景の中で、言ったの言わないのと、いろんなことがございますので、にわかにここでどうだこうだというのはかんべんさしていただきたい、よく調べまして、また申し上げます。
  109. 久保等

    久保(等)委員 それは、国会の委員会だから発言を慎重にやられることはいいけれども、北さん、もう少しすなおに――ぼくの言っているのは、ぼくの言っている範囲内におけるあなたの判断として言えばいいのであって、ぼくが別の何か事情のあるやつを隠して言っておったのならば、これはまた話は違うわけですが、私の質問の趣旨をお聞きする限りにおいては、それに対して私はこう思いますと少なくとも御答弁できないですか、こんな簡単なことが。調べるような話じゃないですよ。一々調べてくれなんてことを私は考えていませんけれども、私が聞いたことに対して、まことにはなはだどうも不行き届きであったり、あるいはまた言い過ぎたと思いますというくらいの答弁をしなさいよ。せっかく聞いていることに対して、調べなければならぬというような大げさなことじゃないですよ。
  110. 北雄一郎

    ○北政府委員 たいへん恐縮でございますが、高松とか庶務課長とかいう具体的なことはなしにして、一般にということでございますならば、そのようなやりとりはあまり好ましいやり方ではないというふうに思います。
  111. 久保等

    久保(等)委員 だから、一般論であろうと、具体的に私は申し上げているのですから具体的なことについて、私の言っていることが舌足らずで足りない面があるのだったら、これは私は訂正してもいいと思うけれども、私のお聞きしている範囲内においての判断が少なくともつくと思うのですよ。  頸肩腕症候群の問題でとにかく会いたいと言ったのだが、会わなかった。しかもそれは一回にあらず、八回までもだ。そういうことになれば、これはもう非常に不行き届きだ、はなはだどうも適当でない。だから、そういう指導をしているから、下部へ指導が徹底しないのだと私は思うのですよ、いま言ったように。これは労務管理の問題にすぐからませてこういう頸肩腕症候群の問題についてもやられる、そこに根本的な問題があると私は思うのです。だから、こういう取り組み方をしていると、おそらくすなおにこの問題について解決はしないと思うのですよ。医者の診断書まで出ているならば、診断書が出ているという客観的な事実があるのですから、それに基づいてその病気をなおすということに全力をあげるべきですよ。本人がかりに、あのやろう虫の好かない男だと思ったって、そんなことは全く別の問題ですよ。そういう取り組み方自体に問題があると私は思う。  お聞きしたいことがたくさんありますが、時間の関係があるのですが、さらに申し上げておきたいと思うのだけれども、診療した病院に行って、何とかもう少しつとめてもいいようにしてもらえぬかとかなんとかいうような話を、たとえば西条の真鍋病院のあたりに、高松の診療所長、それから松山の保健課長、これが出かけていって話をしている。こういったことをお聞きになっていますか。と同時に、時間がないからまとめてお尋ねしますが、病院に行って、診断書の中身についてもう少し仕事をしてもいいようなことにしてもらえぬかとかなんとかというような話をしたりなんかしているようなことも、きわめて不見識だと思うのですね。医者が良心に従って診断したことについて、何とかひとつ勤務に差しつかえないような診断にしてもらえないかというようなこともやっておるようです。これは、それこそ事実を調べてもらいたいと思うのですが、これが間違いなら間違いで、あと私に連絡をとってもらいたいと思うのですが、西条の真鍋病院に、保健課長それから高松の診療所長が出かけていって話をしている。しかし、真鍋病院の院長、これは拒否しているようですけれども、そういったようなことをやると、今度は郵政内部における診療機関そのものを職場の人たちは信用しなくなるのですよ。職場の人たちが、とにかく郵政関係の医者というものは、また何か労務関係とからませたような関係で、二カ月と診断書を書くところを一カ月にする、そういう懸念があるというようなことで、だんだんととんでもない連鎖反応を起こしてまいると思う。私はこういうことを考えると、こういう問題はあくまでも病気は病気という問題として切り離して、それこそ命と健康を守るという立場で、積極的に取り組んで解決をしてもらいたいと思っているし、おそらくそのことについて、答弁の上では異存ないと思うのです。ただし、結局労務関係とからませたような形でこれを扱っていこうとする、それから従業員の言うことに対しても、私は従業員を信頼するという立場で取り組むべきだと思うのです。ところが、医者の出した診断書さえ何か疑いの目をもって見る、あるいは何とかひとつまけてもらうというようなやり方は、いかにも前時代的な扱い方だと私は思うのです。一体この真鍋病院へ保健課長と診療所長が行った事実があるかないか。それで、行ったとすれば一体どういうことのために行ったのか、これを、わかっておればお聞きしたいし、わからなければまた後日調べて報告してもらいたいと思うのです。  先ほど来申し上げますように、郵政のこういう問題がたまたま香川で発生をして、これから私はこの問題自体を早急に解決をしてもらわなければならぬと思うのです。それから要員の問題、台数の問題。吉野の郵便局の問題についても、かりに二台はふやせないにしても、せめて一台とか、四人ふやせないにしても、二人か三人かということだって考えられると思うのです。しかし、局長がとにかく自分の職をかけてまで組合に約束したことが全然問題にされないというようなことになってくると、職場の人たちはほんとうに腹の底から、不信感だけではなく、憤りを感ずるような結果になってくると思うのです。そういう結果がどういう結果になってくるか、そうでなくても全逓と郵政当局の間における労使関係は非常に好ましからざる状態にあることは、もうこの委員会でも何年来、十年以上になりますか、私ども指摘をしてきておるのですが、一向によくならない。こういう問題が出たときにこそ、病気になったのか、それならとにかくできるだけ君たちには便宜をはかりましょうというあたたかいことがなぜやってやれないのか、そういうところに根本的な欠陥が労使関係においてあると私は思うのです。特に不信感をつくってきている原因があると思うのです。どう思いますか。人事局長、それから郵政大臣にも、私具体的な個々についてもお尋ねしたいのですが、さっきから委員長もだいぶ私に催促をしているのでやめますけれども、今後この問題については、ぜひ一つ一つ具体的に今後の処置の模様をお聞きもしたいと思いますし、また私どもにできることがあるならできるだけ私も力をかすことにやぶさかでありませんが、ぜひひとつ……。  それと同時に全国的なやつを少しお聞きしようと思っておったのです。頸肩腕症候群の問題についても、もうすでに貯金、保険等では業務上の災害として認めているのも六十数件あるようですし、それから腰痛症、これについても五十数件すでに認定したものさえあるような実態にあるようです。こういったような問題も私実はぜひお聞きしたいと思ったのですが、時間がありませんから、全国的な立場に立って、この頸肩腕症候群とそれから腰痛症の問題について、一体どういう状況にあるのか、全国的に調査をしてもらいたい。ちょうどいまはもう年度末ですから、本年の三月三十一日現在で全国的な腰痛症と頸肩腕症候群で医者が――本人がちょっと訴えたという程度の調査というのはできないですから、やはり診断書の出ている者が一体何人おられるのか、この状況をひとつ調べてお知らせを願いたい。これは全国的な問題です。それに対する全国的な立場での取り組み方、これはさっき局長の言われたように、プロジェクトチームをつくるなり何なりして、ぜひ取り組んでもらいたいと思っておるのですが、しかし、私がきょう主としてお聞きしたいと思ったのは、いま言う具体的な問題で、吉野の郵便局と香川の各局、これも数局ぐらいになると思うのです。高松の郵便局を中心として、そのほか特定郵便局にも出ておるわけですが、こういう問題に対して緊急に手を打つことは打ってください。いま言ったように二分の一の勤務にしたほうがいいですよという医者の診断が出たならば、二分の一の勤務にするというようなことは、規則、規程を改めなければできないのだとかなんだとかいっているうちに、病気は進行しますよ。そういうことはそういうことでやはり対応すべきだと思うのです。  いろいろあれこれお尋ねやらいたしましたが、きょうは時間がありませんからこれで打ち切りますから、ぜひひとつ緊急措置と全般的な問題等について、積極的に取り組んでいただきたいと思います。人事局長、それから郵政大臣からも御答弁願いたいと思います。
  112. 北雄一郎

    ○北政府委員 当然のことでございますけれども、積極的に取り組んでまいりたいと思っております。調査につきましても全国的な調査をいたしたい。結果はまたまとまりましたらお示ししたいと思っております。
  113. 原田憲

    原田国務大臣 日本人が戦後七十幾つまで寿命が延びたということは、健康について医者が一生懸命になり、そして薬がたくさん開発される、こういうことで日本人の寿命が延びてきた、これはいいことですから、こういうことについて力を入れる、そして働いておる人が病気にならないということはこれは使用者が得をするということでありまして、これは基本的な立場であろうと思います。いま聞いておりまして、具体的なことをあなたに聞かれても私は香川県のことは具体的にこまかい話はわからぬです。ずっとお聞きしてましてちょっと気にしたのは、コールの数を調べに行ったときはそれはいつのことかとあなたは問われましたが、ほかのところと比べたら平均的には下であった、こういうふうに説明したように聞きました。そこの局で一ぺんに八人も何で出たかということについて、私は私なりにしろうとですからこれはおかしいなという気がしました。いずれにしても、そういうことは病気ですからしろうとにはわからぬのですから、医者にみてもらわなければいかぬ。個人が病気になりましても、あるところへ行ったら、あなたは心配要らぬと言われた、ところがどうしてもからだのぐあいが悪い、またこちらへ行く。しまいには神さんにも頼む、こういうのが人間の心理ですから、私は、一人の医者がこれはいかぬぞと言ったら、またこっちの郵政のほうが何とかしてくれませんか、こういうことが往々にしてあるのですけれども、病気というものについては親切に考えて――子供か学校へ行かぬ、怠けておる、こう言う前に、まず病気と違うか、こういうふうな考え方に立ってやっていくということがお互いに職場を明るくし、そして能率が上がってくる、私はそのように思っております。  いま聞いておる中で人間関係ですね、病気のことでも労使の問題にするということは、いま全逓と当局とは悪いのだ、だからこっちまで影響してくる、こういう面があるというお話です。これは労使の間にも人間関係を通わして、病気の問題等についても――あなたは力になってもいいとおっしゃいましたが、局長になったら受けるのは一人ですから、それで働いている者がわあわあ言ってきたらかなわぬ、こういうことで悩み続けると私は思うのです。そこらのことにも気を使っていただいて、こういう問題について――職業病とあなたが言われておるような新しい病気がたくさん出てきます。これらの問題については一番先端に立って解決していくように、私は健康管理、環境をよくするということについて努力をいたしたいと思います。
  114. 廣瀬正雄

    廣瀬委員長 午後二時二十分再開することとし、この際、暫時休憩いたします。     午後一時四十三分休憩      ――――◇―――――     午後二時三十一分開議
  115. 廣瀬正雄

    廣瀬委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  逓信行政に関する件について質疑を続行いたします。土橋一吉君。
  116. 土橋一吉

    ○土橋委員 それでは、この前予算分科会で、齋藤電波監理局長からお答えをいただいたのでありますが、あの会場では非常にやかましくてよく私は聞き取れなかったわけですが、放送衛星を五十一年に打ち上げるという緊急の必要性は一体どこにあるのか、いろいろ御説明を聞きました。しかしながら、科学者が他の面においては非常に欠けておりますし、予算が非常に少なくて十分な科学の研究もできない。これは放射能の問題であるとかあるいはまた大気汚染の問題であるとか、さらには病気のほうからいうならばイタイイタイ病であるとか、そういうようなものについて国家の予算その他の措置がきわめて不十分であるというにもかかわらず、放送衛星を五十一年に打ち上げなければならないというその緊急性、つまりこの必要性その他は私も十分わかっておりますので、その緊急性が、ずばりと言ってどういう点にあるのか、これをもう一回明快に答えていただきたい。あなたの、七三年六月号の第二十三回電波記念日を迎えるにあたってという論文も拝見いたしまして、大体のところはわかっております。どういうことをねらいとしているかということもわかっておりますし、その他のいろいろなものもわかっておりますが、基本的にずばりと言って、どういう必要性があったのか、そして予算を編成して債務負担行為までやって打ち上げるようになったのか。簡単でいいです、一言で言えばどういう点が緊急性があるのか。
  117. 齋藤義郎

    齋藤(義)政府委員 通信衛星、放送衛星の開発でございますけれども、これは将来に備えて世界各国で次から次へと開発を進めておる、きわめて急進展しておるというのが現状でございます。それで、わが国におきましても、情報化社会といわれる現代の社会におきまして、通信需要というものが近い将来において衛星をもってまかなわなければまかない切れない時代が遠からず来るということでございまして、そういう観点から世界各国、日本も含めて世界各国で衛星の開発という事柄に意を尽くしておるわけでございます。ただ、これは何年かで、いままでも数年あるいは十数年と言ってもよろしいかもしれませんけれども、それで開発を進めてきたわけでございます。途中で中断ずるという性質の研究ではございませんで、継続性が必要なわけでございます。  それでまず第一番目に、世界各国のそういうような趨勢、わが国通信需要あるいは放送需要というものに対処して、できるだけ早い機会に衛星を打ち上げたい、そのためにはひとまず実験用の放送衛星を打ち上げて、将来の大型の実用衛星に至る技術を一日も早く習得したいということでございます。  それが直ちに電波権益の確保という面につながりますし、将来の通信需要に対する充足ということにもなるわけでございまして、そういう観点から開発を急いでおるということでございます。
  118. 土橋一吉

    ○土橋委員 あなたの論文の足をすくうような意味じゃないのですが、あなたの説明によると「国土総合開発の基本的要件の一つであります全国的な情報通信ネットワークの完成が可能になるものと考えます。」こういう最後的な結論をくだしておるわけです。ところが、総需要抑制ということで、現在の田中政府では、できるだけ急がなくてもいいものは急がないでやってくれ、これは原田郵政大臣も再々御答弁に相なっておるわけです。国土総合開発中心的な課題としてこれが問題になるならば、総需要抑制という観点から先ほど申し上げるような諸問題を解決しないでおいて、そして二百八十億余の予算を組んで打ち上げるということは少し筋が違うではないか。あなたははっきりと国土総合開発の重要な要件であるということをおっしゃっておるわけです。  私は何回も繰り返しますが、これを打ち上げるなとか打ち上げることが不当だとか、そういうことを言っておるのじゃないのです。いまの予算で、これだけの予算を組んで急に打ち上げるということを決定した前後の模様が、すでに新聞などで、ここにも書いてあるように「放送衛星 ほんとに必要なのか」という題で、ある新聞記者はちゃんと書いておるわけです。必要性がない、その根拠がきわめて薄い、きわめて政治的な問題を持っておるということまで、ちゃんとここに書いてあるのです。これはもうごらんになったと思うのです。こういう点でありますから、私は国土総合開発の一つの基本要件としてやるというならば、これはことしやらなくてもよかったんじゃないかという気がするわけなんです。ですから、きょうは時間が限られておりまして十分ありませんから、あなたの御意見は御意見として、あとで速記録をよく読んで、さらには次期の委員会でもこの問題をもっと詰めていきたいと思っておるわけです。  あなたは専門家ですからちょっとお尋ねいたしますが、この宇宙開発委員会委員長は森山科学技術庁長官になっておられるわけですが、ここで五つの項目を決定しておるわけですね。第二章のところで、実用分野の人工衛星として、この技術試験衛星Ⅰ型、ETS―Ⅰですね、これは五十年度に打ち上げる。技術試験衛星Ⅱ型、ETS―Ⅱですが、これは五十一年に打ち上げるということをいっておるわけです。これと放送衛星とは関係あるのかないのか、ちょっと聞かしていただきたい。
  119. 齋藤義郎

    齋藤(義)政府委員 直接の関係はございませんで、むしろそれは五十年度に打ち上げる予定の電離層観測衛星、それから五十二年度打ち上げ予定の静止衛星、これは型が小さい、小型のやつですけれども、そういうものとの関連があるわけでございます。
  120. 土橋一吉

    ○土橋委員 この問題は非常に将来の宇宙開発の基本的な問題でもありますし、また通信衛星についてはそれほど問題はございませんが、放送衛星は国際的な法関係、国内的な法関係も非常に関係が深いわけです。そのために、別の委員会でよくいろいろ質問していきたいと思いますが、それにからんだような問題で、この三月二十五日の電波タイムズによりますと、五十二年に放送大学を建設するということがすでに文部省で一般的に発表されました。それで二十三日の毎日新聞によりましても、「放送大学は特殊法人に」ということで「番組は学長直轄 五十二年度開校へ 管理は文相任命の理事会で」こういう見出しで、大々的にどこの新聞も書いておるわけです。そうしますと、私は電波監理局長に聞きますが、この放送大学が放送の免許を受ける、そうすれば無線局としての一定の要件を必要としなければならない。そして、これは放送を行なうわけです。したがって放送法の規定にしたがって免許の基準があるわけですね。そういう基準から見て、両方の、いわゆる電波法の基本的な無線局の設置に関する問題と、それから放送局として備えていなければならないそういう基準があると思いますが、そういう基準の認許をしなければなりませんけれども、それに間違いないのかどうか。
  121. 齋藤義郎

    齋藤(義)政府委員 現行法によりますと、お説のとおりでございます。
  122. 土橋一吉

    ○土橋委員 そうしますと、これは一つの大学機構でありますので、憲法で保障しておる学問の自由を保障してやらなければいけない。それから、教育基本法十カ条の条文に従って、第一条が明記しておりますように、教育の基本的な内容といいましょうかあるいは柱といいましょうか、そういうものがちゃんときまっておるわけですね。そうしますと、その関係と、放送法の規定によれば、御承知のようにいろいろな制限があるわけですね。これはもう私が言わなくても御承知の、放送法には、不偏不党であるとか、あるいは公共の福祉に適合するように規律し、その健全な発達をはかることを目的とするという規定がございまして、これは第一条です。そして特に第九条の規定では、いろいろな制限があるわけですね。そういうものといまいわれておる放送大学、仮称でございますが、この放送大学との関係には矛盾が根本的に起こってくるのじゃないかという懸念があります。その点はどうですか。
  123. 齋藤義郎

    齋藤(義)政府委員 放送大学の構想でございますけれども、これは現在の段階では非常に大まかな、骨組みがきまったということでございまして、細部についてはこれから文部省において詰めるわけでございますけれども、これは放送法の基本的な原則については、そのまま妥当するのではないかと考えられます。
  124. 土橋一吉

    ○土橋委員 電波というのは、国民すべての共通の財産であるわけですね。その電波が、いわゆる放送大学といわれている文部大臣の直轄で、しかもそれが特殊法人という形態をとって、そして特定の学生さん、あるいはそうではない不特定の皆さんもその内容を聞くことができるわけです。しかしながら、放送法が予定をしておる、このあまねく広く放送の内容国民に知らせるという観点から見て、特定の学生、たとえば二十万とか十五万いる全国の通信関係の学生そのものに聞かせるということについては、放送の基本的な態度からいうと、少し狭まるように私は思うが、それはどういうことなんでしょうか。
  125. 齋藤義郎

    齋藤(義)政府委員 先般発表されました放送大学基本構想ということによりますと、お説のとおり放送大学の事業の一環として放送を利用するということではございますけれども、それがまた電波により直接一般国民にも視聴されるので、政治的に公平であることが要請される、これを学内の組織において確認できるようなくふうをする必要があるということで、その点に対する配慮をあげておるわけでございます。
  126. 土橋一吉

    ○土橋委員 そこで、あなたのほうでお出しになった、これは一般新聞の社説でありますが、「通信に関する現状報告」というのを郵政省が発表しました。この中をずっと読んでまいりますと、こういうことをあなたのほうは盛んにいっているわけです。ちょっと読んでみますと、「情報化社会に生きる人間が自ら考え、意見をのべる自由は強化されてはいない。むしろ情報による人間の管理化が進行している。報告書自体が、情報化社会について、このような解釈を行っているのではないが、資料が示唆する問題は重要である。」また、次のパラグラフでは、「個人相互間のパーソナルな通信は、情報化のなかでのびてはおらず、通信の総量が増大しているだけに、その役割は小さくなりつつあるとみることができる。したがって第二に、社会情報化とは、端的にいうと、マスコミの躍進である。」さらにもっと端的に言えば放送関係の躍進である、日本人は一日平均三時間五分テレビを視聴したが、新聞は平均して三十分足らずしか読んでいない、こういうこともあげられたわけです。私は、ここで最終的に言いたい点は、さらに次の段のところで、「今日の日本情報源、また情報の送り手として重要なのは企業である。昭和四十七年度の百億通の郵便のうちの八〇%、電話については住宅用の五・五倍は、企業用であった。ダイレクトメール、PR誌、その他の広告がさかんなことは広く知られる通りである。」といって、個人間がお互いに意思疎通をするのではなく、上から、何かしらぬが企業形態とかあるいは政府であるとか、あるいは放送局というものがどんどん情報を流す、個人が考える余地もないほど情報を流しておる、こういうことをここで端的に申しておるわけですよ。次にこういうことをいっているわけです。「今日の日本情報化社会の特色を要約すると、国民が受け手になって、娯楽、および官庁や企業が発信する情報を受信するという傾向が強い。国民が企業や政府に管理されやすい状況である。」ということまであなたのほうではいっておるにかかわらず、この電波がいわゆる放送大学というものによってどんどんつぎ込まれてくる。しかもスクーリングはやるわけですね。これはNHK学園がすでに経験しておりますように、だんだん減ってくる。また、現在のように通信教育による学制というものが、一面いい点を持っていながら、非常にしりすぼみみたいにだんだんなってくる、こういうようなことがいわれているときに、貴重な電波をこういうところに免許することによって、いま申し上げたような、郵政省が憂えているような結果が、より一そう倍増されるという考え、あなたはそれに対してどう考えておりますか。
  127. 齋藤義郎

    齋藤(義)政府委員 放送大学構想は、これは外国にも先生御案内のようにあるわけでございまして、これが相当な成果をあげておるということ、それから勤労している方々がこれでもって勉学もできる、勤労と勉学が両立できるというような放送大学構想、これは電波を公共の福祉のために使うという観点からも、きわめて妥当な使い方ではなかろうかと考えるわけでございます。
  128. 土橋一吉

    ○土橋委員 あなたの御説によると妥当な使い方だ、そして波もUとFMを使うわけですが、私は、この放送大学の内容についてはとやかく申し上げません、これは委員会が違うのですから。ただ電波を管理する郵政省の立場から見た場合には、そういう点を厳重に守っていただかなければ、端的に言いますと、電波関係が、結局無線局とそれから放送局関係とそして放送大学という三つの基盤の中で、使用方法が分かれてくるように思うわけです。したがって、この無線局、それから放送関係と、それから放送大学という一分野が入ってまいりまして、電波の運用上、特に放送上の問題については、法律上及びその他の諸問題が非常に起こってくるように私は思うわけです。また日本現状で起こらざるを得ない運命であるわけです。ですから、そういう点について十分よく先を見通して、この免許等の問題については慎重にやっていただきたい、こういうことを私は端的に申し上げておきたいわけです。  それから郵政省の皆さんに、ちょっと私はよくわからないのでお聞きをするのですが、郵便貯金会館の設置というので土地一カ所、新築一カ所ということ、この金額は十二億六千四百万円でございますか、こういうものをたくさんおつくりになって、その次に郵便貯金振興事業団というのをおつくりになろうとしているわけですね。交付金が五億九千八百万円、出資金が百三十七億八千八百万円、これは現物出資としておるわけですが、これは一体どういうものを想定しておるのですか。
  129. 船津茂

    ○船津政府委員 先生お尋ねの第一の点でございますけれども郵便貯金会館として四十九年度の予算に計上されておる費目は、福岡のくい打ち工事費と新潟の土地購入費と、それから現に四十九年度中に間もなくオープンしますところの金沢、名古屋、札幌、こういう郵便貯金会館の内容をなす什器類その他が、総計おそらく十二億だと記憶しております。  それからまた先生お尋ねになりました郵便貯金振興事業団、構想として私のほうは、前国会で参議院の決算委員会で御指摘もありまして、郵便貯金の使命にそぐうように、郵貯会館の運営も含めまして一元的に効率的に運営したほうがよかろうという前提に立ちまして事業団の構想を抱いたのは事実でございますけれども、ときあたかも総需要抑制という至上命題のもとに、新規の事業団、公団というものが厳に規制されるというような事態も踏まえまして、この際ちょっと見送りまして、今後引き続き、事業団構想を含めましていろいろのそういうふうな形態を探って事態に適応していきたい、こういうふうに考えております。
  130. 土橋一吉

    ○土橋委員 私が非常に懸念をすることは、こういう貯金会館のようなものをつくって、預金をした人が喜んでその会館を自分たちが思うようにある程度使うことができるとか、あるいはそのために非常に貯金をしたありがたみを感じて利用してくださる、また地域の人も、そうでない貯金をしていない人も使っていただいて、将来郵便貯金をするような努力をやはりそこで積み重ねるということが私は必要だと思うのですよ。ところがややもすると、こういうところでは、郵政省が従来の悪い弊害であった官僚的な、たとえば結婚式場においても、衣装は持ち込まさない、料理も持ち込みはお断わりだとか、あるいは仏式でやりたいというのに神式しか許さぬとか、あるいはキリスト教でやりたいというのもそれをやらせぬとか、あらゆる制限を加えて、何かその式場とかそういう会館を使うのに肩を張るようなそういう形で会館を使わせようとする傾向が多いように私は見受けるわけです。ですから、やはりそれぞれの地方における、仏式で結婚式をしたいという人があれば直ちに仏壇に変えるとか、何とかそういう臨機応変の措置も十分講じて、地域の人に愛されるようなそういう会館の活用と利用法をすべきであると思うが、どう思いますか。
  131. 船津茂

    ○船津政府委員 郵便貯金会館の利用のしかた、運営のしかたに関する先生の御質問かと思いますが、郵貯会館は、土地の利用者、郵便貯金の利用者に限らず、おっしゃるように未利用者に対しましても広くお使いいただいて、郵便貯金のイメージアップないしは周知宣伝をはかりたいというところでございますが、私の持っておりますデータによりますと、よく土地の人々にとけ込んで利用されておるということでございますので自信を持っておりますが、先生指摘のように、肩をすぼめて利用していただいておるというような実態はおそらくないと思いますけれども、おっしゃるような難点といいますか、不備な点はあろうかと思います。できるだけ地方の実情に即しまして、大体原則的には、やはり会館の運営というものを一元的に責任をもって運営するためには、先生のおっしゃった貸し衣装だとか、のりとを上げるあの神式のもの、あるいは仏式その他、写真もそうでございますが、一応責任のある形態で行なわなければいかぬというので、特定した形でやっておりますが、許されます限り先生の御趣旨を生かして、ちょっと無理が伴いますけれども先生のおっしゃる趣旨も十分わかりまするので、取り入れていきたい、こういうように考えます。
  132. 土橋一吉

    ○土橋委員 東条会館とかあるいはプラザホテルとかあるいは日本閣というようなところは、これは営業でやっているのですからいろいろあります。しかしこれはどっちかというと、貯金制度を全般の国民理解をしてもらうという観点が中心であるし、また多くの方に利用してもらうというのですから、酒の持ち込みをお断わりをするとか、料理、着つけは全部そこで指定したもの以外は使ってはならぬとか、こういう窮屈なことはやめて、やはり老人も、結婚する人もそうでない人も、喜んでそれを使うことができるような体制を組んでいくべきであるというふうに私は思うので、さように理解をしておきます。  次は郵便局舎の改善その他の問題で、ここで六百十七億の予算を組んで郵便局舎の改善をしようとしておるのですが、これはどういう局舎を建てるのか、わかったらあとで資料を提供していただきたいと思います。説明は要りません。  それから職員の宿舎設置について、国費建設として四十一億九千九百万円で、これもけっこうなことです。それから共済等投資が百三十五億五千万円でございますが、これは相当なものであるわけです。局舎の建設と同様に職員の宿舎についても、やはり土地の関係その他もございましょうけれども、職員の健康あるいは職員の労働力再生産のために必要な問題あるいはその中におけるまかない等の問題についても十分配慮してやっていただきたい。これもどこに建設をするか、そういう点はあとで報告をいただきたいと思いますが、いかがですか。
  133. 石井多加三

    ○石井政府委員 郵便局舎の関係につきましては私のほうで、なお宿舎その他は人事局でございますが、よく連絡をとりまして、ただいま御指示のものを出したいと思います。
  134. 土橋一吉

    ○土橋委員 この委員会で私は、電電公社北陸通信局のいわゆる新湊電報電話局の、刑事と庶務課関係が物品のやりとりをして、そしていろいろなことをやっておったとか、あるいは鶴来局において三百本のいわゆる電柱の腐ったのが出てきたという問題について指摘もいたしました。それから特にそこの鶴来局においては、日本共産党員であるということで、結婚式に行くなとか、あるいはあとをつけていくとか、こういういろいろなことをやったことも指摘をいたしました。それから金沢市外電話局でもそういう傾向が多いというので、私も現地を調べて、そういうことについていろいろここでお話をいたしました。その報告をするということになっているにもかかわらず、一向報告をしないのであります。  私はこの前の理事会におきましても、ただその場限りの答弁をしてしまうというようなことは逓信委員会においては許さない、やはり責任をもって答弁した内容実現するように努力もするし、また報告もするということを理事先生方の確認をいただいておるわけです。ですから、あれからもう相当日数がたっておりますが、あの問題についてどういう結末、どういう調査をした結果が出てきたのか、簡単でいいですから答えていただきたい。
  135. 中林正夫

    ○中林説明員 ただいま先生から御指摘のありました新湊局での警察官との食事といういろいろ多数の領収書の写しをお示しいただいたのですが、さっそく現地のほうにいろいろ調査をさせましたが、何ぶんにも昭和三十五、六年ごろの十二、三年前のことでございまして、そういった書類については五年間の保存ということになっておりまして、現在そういった書類もございませんし、また当時の責任者、局の管理者、庶務課長はもうすでに他界いたしております。また局長も十年ほど前にもうやめておりまして、当時の状況についてはそういった事実があったのか、またどういう状況であれしたのかということについては全く不明の状況でございます。  それからなお、その際に先生からお示しになりましたいまの市外電話局の問題、鶴来局の問題、こういった問題については私ども北陸通信局のほうに重ねて調査を命じたのでございますが、その際にお示しになったようなパンフレットについては、通信局としては全く関知しないものであるという報告を受けております。
  136. 土橋一吉

    ○土橋委員 ちょっと中林さん、全く関知しないとは一体何事ですか。十数年たっておるからそういうことは不明だというようなものの言い方で本委員会をのがれることは、電電公社の幹部職員としては非常にふがいないことだと私は思うのですよ。すでに三百本の問題についても、これはその証人も、働いておる人も現に鶴来局にはおるのですよ。しかもそういう電柱を大量に購入して、その責任が追及されないなんという事態は、これは電電公社ばかりでなくて、郵政大臣がお聞きになったって、そんなでたらめな電柱をたくさん買い込んでおいて、しかもけが人が出るという騒ぎをしておいて、そのことはわかりませんとは一体どういうことですか。あなた方は五年か三年たったり、それ以上たったものはもう知らぬ存ぜぬでわからないというような答弁で済むと思っているのですか。現に関係者は北陸通信局にみないるのですよ。はっきりしてください。その三百本の問題は、かりに五百本にしろ千本にしろ、そういう不正なものを購入しておいて、そのことがわからないとは一体どういうことですか。
  137. 田中浩太郎

    田中説明員 昨年九月十九日のこの委員会でもって先生の御指摘がございました石川通信部管内の腐朽電柱三百本、鶴来局のものを含みますが、昨年末前にそのほとんどを取りかえいたしました。それからあの電柱が大日本木材から納入されたものであるという御指摘がございましたが、なお大日本木材から納入されておりまして使われていない在庫のものにつきましても、その再チェックをいたしまして、薬液等の再注入をいたすなどして対処をいたしました。
  138. 土橋一吉

    ○土橋委員 この問題はもっと明確にしなければなりませんし、ほんとうはあなたのほうでも責任をもって、こういう事実が指摘された以上は、やはり具体的事実であったわけですから、その責任者はどうであったか、その状況はどうであったかをやはりつまびらかにする必要があると思います。いま田中さんや中林さんが答えたような内容から見ると、端的に言わしていただくならば、電電公社は、米澤総裁もおられるところなんですけれども、膨大な事業を営んでおるわけですよ。そのために資材の購入の問題であるとかあるいは土地の購入の問題などたいへんな金を使っているわけですよ。  いまの北陸通信局関係だけでなくて、これはごく最近の例ですけれども、四十九年の二月十七日の一般新聞に出ておったことです。朝日新聞にも出ております。東京新聞にも出ております。その他の新聞も一斉に書いておるのですが、ここで「腕きき元調査役が収賄」というので、これは関東通信局で起こった問題です。場所は宇都宮の市内の田畑約二千平方メートル買収について不正を行なったといわれておる落合敬次郎、これは元調査役の方なんですが、この方が要するに不動産業者の大橋信孝さんという方から百万円もらったといわれております。そのほかにもう一回、この落合さんという方はほかの業者に同じような手口で二百万円の金をもらったということがわかっているそうです。それで警視庁捜査二課が調べ始めた。ところが調べ始めるというと、電電ではこれをもみ消すようにして、まずもらった百万円と二百万円をそのもとの不動産業者に返させておいて、そうして依願退職という形でやめさせた、そうして退職金をいただいておる。それで今度ほかの会社へ就職して、今度はおみやげとして一たん返したその百万円と二百万円をもらっておる。それでこの落合敬次郎さんという方は同じようなことを繰り返して、しかも電電に深い関係のある会社の課長をしておる、こういうことになっておるわけですよ。つまり自分たちの間で起こった不正あるいはそういうなわつきの諸君は、もうとにかく警視庁が調べ始めたならば直ちにそういう措置を講じておいて、そうしてほかの会社へ移してしまう、それで移したら、そのごっそり収賄しておったものをもう一回返してもらう、こういうでたらめなことを繰り返して、俗にいう電電公社一家がなわつきを出さない、こういう不正が公社の中にはびこっておるわけですよ。この事実について総裁はどう考えておられますか。
  139. 北原安定

    ○北原説明員 お答えします。  御指摘のような事件が報道されましたことにつきましては、まことに残念で遺憾に存じております。先生御案内のように、公社といたしましては電気通信サービスを提供する上におきまして報話局等を建設するため全国的に土地を必要といたします。こういうものの購入につきましては直接購入を原則といたし評かつ厳正公正を期するために公正な機関による群価額を二つ以上とりまして、それ以下であるとか、あるいは交渉に当たる担当者は二人以上を任命しまして相互の牽制の実をあげるとか、あるいは担当者の選定にあたりましても社会生活の豊かな四十歳以上の職員、またこれを選びましてもなれによる不正ということも防止しなければなりませんので、三年間を限度として交代させる、あるいは市町村長等の御協力をいただくというようなことなどを考えまして十分訓練をさせて対処しておるわけでございます。公社といたしましては、先生指摘のようなことはなく、国民からの信頼を得るために常々計画的に、また機会あるごとに綱紀を正し、サービス精神に徹しまして国民の期待にこたえる努力を積み重ねておるわけでございますが、御指摘のような事件が起きまして公社のイメージを傷つけましたことはまことに遺憾でございます。再演防止につきましては十分にきびしく検討いたしておりまして、綱紀の粛正につきましても、業務の再検討につきましても取り急ぎ通達をし、引き続きいろいろな事項について検討を進めておるところでございます。  ところで、本件につきましては当局がただいま取り調べをしておるわけでございまして、いずれ裁判等を通じまして明らかにされてまいるものと存じますけれども、私どもが今日知り得ておることにつきまして申し上げてみたいと思います。  宇都宮市内に職員住宅の用地が必要になりまして、このための交渉に職員のAとBを二人派遣いたしました。そして昨年の四月に交渉が妥結したわけでございますが、これは公正な機関による評価額以下でございましたので、これによって公社は地主に支払ったわけでございます。ところが今回の事件が発生してあとでわかったのでございますが、地主の側にどうやら不動産業者が介在したようでございます。その不動産業者が地主側から手数料といいますか、何かいただいたようでございまして、その一部分公社の職員Aが、百万円ということになっておりますが、受け取って、収賄の疑いで本件の起訴になっているようでございます。このようなことを未然に防ぐことにつきまして十分なことができなかったりあるいは発見ができなかったということにつきましては、先ほど来申し上げておりますように残念でございますが、再演防止については一段と努力をしておるところでございます。  また、もう一つ先生の御指摘の件はおそらく市川のほうかと存じますが、本件につきましては、まだ起訴されたというように聞いておりませんけれども、おそらくこれもいずれ内容が明確になってくるだろうと存じております。
  140. 土橋一吉

    ○土橋委員 私は、いまお答えいただいたような点を実は答弁としてお聞きする考えはなかったわけですよ。私は、つまり電電公社全体が、先ほどから申し上げておるように、そういうなわつきを出さないといったものの考え方か何か知らぬけれども、これを藤倉電線へ出向さしておるわけです。藤倉電線の会社に入っているわけです。そして、そこでも課長の席を持っておられる、この方は。つまり電電の課長なり課長補佐あるいは調査役という役で、そして依願免職の形をとらしておいて、そしてまた藤倉に行ったら同じような課長のいすにすわって、その金をごっそりもらっておる。こういう、つまりツーツーのようなことをやっておる電電公社というのは一体どうなんだということを私は聞いているわけですよ。だから、そういう経過で三名どうしたとか、立ち会ったとかどうしたとか、ちゃんとこれはもう事件で上がっているわけですよ。大橋君から百万円もらった、その金もくすねて、金くれと本人が言ったということもみんな新聞に出ている、どの新聞も同じように。そんなことを聞いているのじゃないです。電電の体質としてそういうことに対してどういう態度をとったかということを聞いておるのですよ。  ここで問題になるのは、もう一つ、これはあなた方と親しい関係の新聞ですよ。これは私はきょう持ってきましたが、こういう新聞で、これはしょっちゅうあなたのほうをほめて書いてある新聞ですよ。人事関係なんかしょっちゅう、これを読みますと、私もどんな課長さんかなと思うように、ずっとほめて書いておる新聞なんです。この新聞がこういうことをいっているわけです。これを読んでみても、いかに電電は腐っているかという一つの内容です。ここで「某電気通信局建築部元調査役の汚職事件は残念な出来ごとだ。」というように書いて、それでここにこういうふうに書いている。「金がほしいと不動産業者にもちかけ、金を要求したといわれるが、けしからんことだ。自分の汚職を警察が調査していることに感ずき、依願退職し公社関連会社へ就職していたようだが、公社に傷をつけ、あまつさえ就職先会社の名前まで傷つける二重三重の不名誉なことをしてくれた。政府関連機関中汚職のないことで有名だった電電公社の権威を傷つけてしまった。」というふうに、一応この人はそういうふうにいっておるわけです。その次「今度事件を起こした調査役について、昨年春ごろ本紙宛の投書がしばしあって、(部内かららしいもの)某通信局最高幹部には通報し、内部監査によって厳重処分が適当という進言までしていたのに、放置してしていたのは残念だ。某通信局建築部には過去にも汚職事件があり、職員が取調中地検の窓から飛び降り自殺したいまわしい傷跡がある。」というふうに書いて、この人ですらも、何回も注意したということを書いてある。それなのにこの関東通信局の幹部諸君は、くさいものに――この名前ははっきり言いましょう。この関東通信局長原田安雄君ですよ。場所もちゃんと書いてある、東京都千代田区大手町二の三の一と。なぜそういうことをやるのか、この点を私はお聞きしておるのですよ。ですから、三百本の電柱の問題にしたって、あなた方の不正な行動についてだって、いまお話しをすれば、知らぬ存ぜぬというようなことで逃げようとするような、そういう腐った体質をやめなさいということを私は言っているわけです。どうです。
  141. 北原安定

    ○北原説明員 お答えいたします。  御指摘受けました「電通情報」というものは私も知っておりますが、その記事は、私内容をきょう初めて知ったような次第でございます。
  142. 土橋一吉

    ○土橋委員 ごらんなさい。私はうそ言わない。ちゃんと……     〔土橋委員、書類を示す〕
  143. 北原安定

    ○北原説明員 私どもは、こういう内容についてあらかじめ知るというようなことは全然ございませんで、これを予知できなかったということはまことに遺憾で、先ほど申し上げたとおりでございまして、もちろん、こういうことがあらかじめわかっているようでしたら、こんなことにいかないうちに公社内でもちろん適切な処置をいたし得たものだと思います。まことにその点は残念でございます。また、この中にあります、取り調べ中に何か職員が窓から飛びおり自殺したというようなことは、寡聞にして私は記憶に全然ございません。  それから、落合本人は、家庭の事情があるからやめたいという申し出がございまして、そして公社の業務上も支障がないという判断をいたしましたので、昨年の十一月時点において退職をした次第でございます。それから、先生指摘の藤倉という件でございますが、これは藤倉側が何か、聞くところによりますと電線関係以外の業務の発展を考えておりまして、たまたま落合がやめておるということから、本人と直接交渉して採用いたし、課長とかそういうのではなくて、何か開発部とかいうところに所属しているように承っております。
  144. 土橋一吉

    ○土橋委員 あなたは、そういううそを言っちゃいけませんよ。公社の最高幹部の一人がそういううそを言っちゃいけませんよ。これは朝日新聞の二月二十五日の夕刊に、いまあなたがおっしゃったのと逆なことを書いてあるんですよ。どういうことが書いてあるかというと、ちょっとそこを読みましょうか。私が言ったんではあれですが、朝日新聞ですよ。「同二課の内偵に気づいて退職する直前に受け取ったもので、同二課の捜査をおそれていったんは返し、退職後にもらい直すといった手のこんだやり方。これで落合が収賄した現金は三百万円になったが、これまでの調べで退職の理由や動機も、同課の内偵に気づき上司らと相談のうえ捜査を封じるためだったこともほぼわかった。また落合は施設の建築など自分には職務権限のないものにからんでも、数社に数十万円ずつの飲食代金のつけ回しやもてなしを受けていたことを自供しており、」というふうに書いて、それで、ここでも書いておりますね。「これは落合が退職へのせん別の形をとって収賄をカムフラージュしようとしたものと同二課ではみているが、十月に現金をいったんもらった時点で収賄は成立しているとして近く追送検する方針である。また同二課が、落合の退職が捜査封じのために同通信局ぐるみで行われたとみているのは、内偵中の昨年秋ごろから数人の捜査幹部につてを使って電電公社すじから数回「なにか事件があるのですか」などと捜査陣の動きをさぐるような電話がかかり、その直後に落合がやめていることなどから。」はっきりとこういうふうに朝日新聞は一番事実の内容を克明に伝えておるわけであります。あなたがそういうでたらめな答弁をするということになれば、それはもう国会においてこういう新聞を――、私は全部これは読んでいるわけだ。それで、どうしてもこれは腐敗、堕落をしておる電電公社の幹部諸君の、いわゆるツーツーでそういうことをやっておるということについては許せない、また許してもならないし、そういうことをしてはならないわけなんですよ。なぜそのときに、本人をよく調べて、わからなければ突き出したらいいじゃないですか。この間ある大学の助教授とか教授が、自分の教え子の生徒といろいろな関係で、絞殺をして、それでどこか、伊豆半島で一家心中をしたというような新聞記事をあなたはお読みになったと思うのですよ、この問題だって同様じゃありませんか。つまり、部内のそういうものをお互いに、自分も悪いことをして片足突っ込んでおるものだから、お互いに牽制し合って言わない。そしてそれが高じて、とうとう女性を殺すとか一家心中する、こういう事態が神聖なる大学において起こっておるんですよ。しかも電電公社は、こういう男が、いまお話あった、数十万円飲みしろをもらっておって、他の会社から二百万円もらっていて、この宇都宮事件では百万円もらっておる、こういう事実がはっきりしておるにかかわらず、どうも警察がうるさいからまあ返しておけというようなことを一緒になってやるなんてことはもってのほかじゃありませんか。私がうそを言っておるのじゃなくて、新聞読んでごらんなさい。ちゃんと朝日新聞の夕刊が、いま私が読み上げたようなやつを書いておるのだよ。こういうことを書いておることは、おそらく新聞ですからかなり遠慮しておるわけだ、事実がはっきりしない点もあるから。われわれが読んだときには、それこそはらわたが煮えくり返るような感じがするんです。何だ一体これは、あのある大学の助教授事件そっくりじゃないかという感じがするわけですよ。どうですか、反省していますか、あなたのほうは。
  145. 北原安定

    ○北原説明員 私も、その新聞の内容は読んで存じております。公社はあらかじめ、警察が逮捕いたしまして調べる以前にこのことを知っておるということはございませんで、それは先ほどお答え申し上げたとおりでございます。しかしながら、新聞に書いてあるような内容が事実だとすると、私どももたいへん憂慮し、その後いろいろと調べてみております。現在のところ追送検はされておりますが、起訴されてはいないようでございまして、したがいまして、私の申し上げたいことは、最初に申し上げましたように、電電公社国民の信にこたえるために平素あらゆる努力をして今日まで来ておる、たまたまこういうのが出たために、われわれとしては断腸の思いである、こういうことでございます。
  146. 土橋一吉

    ○土橋委員 それならば、そういうことを初めからおっしゃってくださいよ。私がここまで指摘をして、断腸の思いだなんて言ってみたところで、あなた方内部がこの新聞で指摘をするような実態であるというならば、これは許せないことなんですよ。あなたがどんなにふんばって断腸の思いをしてみたところで、内部が腐り切って、そういうものをお互いに隠すような、ある大学の教授会の先生方のような、そんなことをやっておるということは許されないですよ。あれは私立学校でしょうけれども、これは事国民に関する問題を含んでおるのですよ。そういうことがあってはならないということを私は指摘をしておるのです。これは単に永山の一角にすぎないと思うのですよ。先ほどの中林君の報告を聞いたって、田中さんの報告を聞いたって、まともな答弁はしない、何か隠すようなことをしてしまっている。そうして、そういうぶつぶつとした腐敗堕落が、もうその電電公社の幹部の中に充満をしておるといっても言い過ぎないほどだと私は思うわけです。この新聞の記事やこの通信の記者が、あれだけ注意したのになぜ起こしたかということまで言っておるわけです。今後かようなことのないように、ひとつ大臣の監督も――総裁どうお思いになりますか、簡単に答弁してください。
  147. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  私は、電電公社の中が腐敗堕落しておるとは思っておりません。今回落合某が、昨年の十一月に関東電気通信局の建築部の元調査役をやっておりましたが、こういうことを起こしたことはまことに遺憾に思います。もし私たちが早くこれを知っておりましたならば、これは当然懲戒免官にすべきじゃないかと思います。しかし、私は全然知りませんでした。何となれば、管理職が約三万人おりますから、私が一々全部人事を見ておるわけではありません。ですからこの問題は、本来ならば懲戒免職にすべきじゃないかと思います。
  148. 土橋一吉

    ○土橋委員 総裁のそのおことばで一応この問題はおさめますけれども、関東電気通信局部内におけるそういうごく一部の幹部だと思うのであります。そういうことが充満をしてはそれこそたいへんなことでありますので、すみやかにそういうような問題については厳然たる態度をとるように、また、ある大学の例のようなことが再び起こらないように私はお願いしたいと思うわけです。  さらに、残念ながらこれまた郵政省にも、これは二月の十六日の朝日新聞によると、同じような事件を起こしておるのですね。この方は村松勇三さんという方で、川崎に住んでいて、そうして起こったところはどこかというと、簡易保険郵便年金福祉事業団における医療関係のあっせんか何かをしておる、いわば職員さんなんです。これもやはり金をもらったりなんかしておる事件で、ここにも写真が出ております。これは東京の赤坂パークビルというところで勤務しておる、こういうのが出ておりますが、こういう事件があったのかなかったのか、ひとつ郵政省から答えていただきたい。
  149. 野田誠二郎

    ○野田政府委員 お答え申し上げます。  ただいま御指摘の新聞に出ておりました簡易保険郵便年金福祉事業団におきます収賄の事実というのはございまして、現在、当該人は起訴をされておる、こういう事実はございます。
  150. 土橋一吉

    ○土橋委員 これから先ほど申し上げたように多くの局舎を建てるとか、建てかえるとか、あるいは宿舎を建てるとか、いろいろな事業が郵政でもあるいは電電関係も同じようにやられるわけですよ。ですから、大臣はじめ総裁がそういう問題についてはよほどきちっとした態度をお示しにならないと、こういう問題はもうひんぴんとして起こってくるわけです。これはきのうきょうだけでなくて、しょっちゅうこういう事件があるわけですよ。この問題は電電の信頼といいましょうか郵政の信頼といいましょうか、これに対してたいへんなきずをつけるわけですね。きずをつけるだけでなくて、こういう者が温存されて、ほかの藤倉電線へ課長で行っておるとか、あるいはこの人はまだ処分がはっきり新聞には出ておりませんけれども、そういうことになってくると、何だ、悪いことをしたって結局適当なところにかえてちゃんと口を与えてやっておるじゃないか。また不動産業者の大橋君の場合もそうなんですね。別の何とかという不動産業者の課長になっているわけですね。こういうことが続いておるとたいへんなことなんですよ。ですから私は、今後かようなことがないようにひとつ十分に注意していただきたいし、かような職員については厳然たる態度をとっていただきたいということを要望いたします。  続いて、次の問題にいたしましょう。  次の問題は、おそらく郵政大臣もよく御承知と思いますが、わが国は、昭和二十四年の五月から、選挙をするときには公職選挙法というのによって選挙をしておるわけですね。公職選挙法は、昭和二十五年の四月十五日に法律をつくりまして、それでこの法律の総則、目的ではこういうふうにいっております。「この法律は、日本国憲法の精神に則り、衆議院議員、参議院議員並びに地方公共団体の議会の議員及び長を公選する選挙制度を確立し、その選挙が選挙人の自由に表明せる意思によって公明且つ適正に行われることを確保し、もって民主政治の健全な発達を期することを目的とする。」こういうことで、この公職選挙法についてはきわめて高度の、格調高い目標を掲げておるわけです。この公職選挙法は、ちょうど私は当時衆議院議員でこれをやっておったわけですが、この法案については、当時紙不足であるとかあるいは資材が不足であるとかいうような点で、宣伝の面についてはかなり制限をしておるという事実もあるわけです。これは当時の情勢からいなめない事実であったと思うのです。したがって、この公職選挙法にはたくさんの欠陥も率直に申しましてあります。しかしながら、この目的が掲げておる格調高いところの選挙制度の促進は、これはやはり一つの方法としてわれわれ十分考えなければならないと思います。  そこで、この公職選挙法の百四十二条にこういう規定があります。百四十二条の一項六号の規定に「指定都市以外の市の選挙にあっては、長の選挙の場合には公職の候補者一人について五千枚、議会の議員の選挙の場合には公職の候補者一人について一千二百枚」、これははがきを買って、つまり文書図画の頒布について郵便局は協力をしてやる、こういう内容の一つだと思うわけですよ。公職選挙法による文書図画の頒布という問題は、先ほど申し上げましたように、法律をつくった当時は非常に資材不足であったので、かなり制限をするということの正当性があったわけです。今日は資材が相当ありますので、こういう制限をするということについてはかなり論議のあるところだと私は考えております。  そこで問題の一つは、この第六号に書いておりますように、市長選挙では五千枚のはがきを買っていただいて、それでこれを公職選挙法の密封印を押して、そして選挙の告示が始まるとこれを多くの方に読んでいただいて、そしてりっぱな人だというので投票をしていただく、このことは決して悪いことではないと私は考えておるわけですよ。ところが、去る一月の二十七日に起こった仙台市の選挙において、これがはしなくも異常な事態を招来したのであります。これは申しにくいことですけれども、自由民主党の推薦をされる候補と、それからまた共産党、社会党、その他の野党の諸君の推薦をする島野さんという方との選挙戦で問題が起こったわけであります。この選挙戦においてふしぎなことには、ここに現物がありますので、これは写しですけれどもちょっと皆さん見ていただきたいと思うのです。御承知かと存じますが、昭和二十五年四月二十八日の公職選挙郵便規則によって、公職選挙の料金別納のときには、必ず黒いスタンプでこういうものを押さなければならなくなった。これは皆さんも選挙をやっていらっしゃる方はよく存じておられると思いますが、こういうものを押さなければならぬ。そういうものを押さないで、選挙期間中に本人の色づきの顔のついた、そして本人が候補者であるということを証明するこういう郵便物が仙台中央郵便局で配られたというのは一体どういうわけなのか。これは料金別納という形をとっておるわけですね。それで有権者に配られたのですよ。その裏には色づきのこういう候補者の顔が載っておる。この写真は黒ですけれども実物は色づきです。非常にきれいな男性です。こういうものが、法定密封印がないにかかわらずどうして配達になったのか簡単に説明してください。
  151. 石井多加三

    ○石井政府委員 お答えいたします。  一月二十七日の仙台選挙の一週間前、十九日から二十日、二十一日と三日間にわたりまして、仙台市長選挙に立候補された某候補の通常はがきが出されたわけでありますが、ただいま御指摘のとおり、料金別納郵便物としてこれが出されました際の出され方が、選挙郵便規則第五条の規定どおり――料金別納は、普通の場合は左側の上部に押せばいいわけですが、そういった選挙郵便の場合は左側の下のほうに料金別納のしるしをするようにというのがルールになっておるわけでございます。それが、出された方のほうのそういった規則に対する無知もあったと思いますが、左側の上部の普通の料金別納の扱いのところに料金別納という印が押してありましたために、それを受け取りました仙台中央郵便局の窓口の担当者が、まあ責任者がおればなおよかったのですが、いなかったせいもございまして、これを普通の料金別納郵便物と間違えまして、しかしその際に、選挙長の出しました選挙郵便物の差し出し証明書でございますか、これも同時に出されましたものですから、たとえ印の押し方が間違っておっても、これは選挙郵便物であるということを当然理解すべきであったにもかかわらず、またそういった指示をすべきであったにもかかわりませず、それを料金別納の扱いをしてしまった。しかもそれが十九日のみならず二十日、二十一日と三日間にわたりましてそういったものが出されたものを同じような扱いをしてしまった。たまたま二十一日の月曜日の朝、東北の郵政局で、その候補の選挙郵便物があまりにも出がおそいので、候補者の事務所のほうに電話をかけまして、選挙はがきの差し出し状況が悪いから少し早く出してもらわないと、二十七日の選挙に間に合わぬということがあってはいかぬということで、協力要請を事務所にいたしましたところが、すでに私のほうは十九日に差し出しておるという回答をいただきましたので、それで初めて、この郵便物を選挙郵便物でありながら普通の料金別納の扱いをしてしまったということがわかりました。幸いこの郵便物はまだ配達までは至っておりませんで、仙台中央局のまだこれから配達する段階のところに行っておりましたのが、三千五百七十五通、それからすでに仙台南局へ持っていかれておったものが百七十通、仙台東局へ百二十六通合計三千八百七十一通というものがまだ配達されないままでありましたものですから、急遽それを引き揚げまして、結局、いままでの料金別納の印の上に切手を張って、その切手の上に選挙という刻印を押して、つまり成規の扱いをして出したわけでありますが、またその際に、まだお尋ねがございませんが郵便局のミスがちょっとありまして、そういった切手の貼付ということは当然差し出し人にやらせるべきであったのを、郵便局も最初にそういった間違った扱いをしたものでございますから、多少まあ局のほうの手落ちということを認めまして、郵便局の職員が三人でその切手を貼付したということが事実でございます。したがいまして私のほうの調査では、ただいま御指摘のようにすでに配達されておったということは私のほうでは聞いておりません。
  152. 土橋一吉

    ○土橋委員 石井さん、あなたのお話は残念ながら全く筋が通っていないんですね。これはすでに告発もされておりますので、その告発の内容のところをちょっと読みますと、これは六十万仙台市民の勢力を二分するような大きな選挙であったわけです。これは元大蔵大臣をされておったむすこさんの愛知和男さんという方と、共産党、社会党、あるいは各団体の皆さんが推薦をする島野さんという方の、要するに仙台市を二分する選挙であったわけですね。これは一月十七日告示で一月の二十七日投票の選挙であったわけですよ。  ところが、いま局長お話しになりましたように、十七日に告示をしまして、それで十七、十八、十九、二十日、二十一日までそういうふうな郵便物が郵便局のボックスにあったというわけですよ。それで、何で一体愛知和男選挙事務所に対して東北郵政局から、あんたの選挙はがきが出ないのはおかしいですねといって通告したのですか。だれがそういう通告を選挙事務所にしたのですか。何で東北郵政局がそんなことを一々干渉して選挙事務所へ言わなきゃならぬのですか。おかしい説明をされますね。東北郵政局はそれほど愛知派をいたわるんですか。
  153. 石井多加三

    ○石井政府委員 東北郵政局から直接候補者のほうに連絡したのではございませんで、仙台中央局に対し、某候補の選挙はがきの差し出し状況が悪いが協力要請をしたらどうかというふうに電話をして、中央局から某候補の事務所に照会いたしましたところが、すでに土曜日の十九日に出しておりますという返事をもらったわけでございまして、まあ郵便局といたしましては、いま御指摘のとおりそういった選挙の際には当然選挙郵便物は出されるものと考えますし、それがあまり――二十七日の選挙でもありますし、当時郵便の滞留もかなり出ておるような時期でございましたから、少しでも早く出していただくことによってその配達を完ぺきにやりたいということで、まあ選挙の際には郵政省全体として、下部の局に、そういった選挙郵便物について間違いを起こさないように、場合によってはそういった協力要請もするようにということを指導しておるわけでございます。
  154. 土橋一吉

    ○土橋委員 いま委員先生方もお聞きになってわかりますように、郵便物が出回っていないからといって、一体何でそんなことを一々東北郵政局の幹部が気にして仙台中央郵便局などに電話をかけて、相手方の候補のが出ない、どういうわけだなんていって心配してやるほどあなた方はそんなに御親切ですか。これが第一非常に疑問であるということと、しかも選挙は十七日から告示されておるんですよ。あなた、選挙をやる人が、どの党派だってどの会派だって、十七日が告示だのに郵便物を出さないで選挙するなんてそんなとんまな選挙をやりますか。東北郵政局がそんなことを一々言わなくたって、あなた、選挙に勝とうと思ってどの会派だって夢中になっていろいろなものを出したりビラを配っておるじゃありませんか。  要するに、公職選挙法に基づいて選挙郵便物として郵便物をどのように郵便局は取り扱うかという問題を私は論じておるんですよ。何も選挙事務所を心配してやる必要はないじゃないですか。これは島野派に対してだってあなた、そういうことを一々やる必要はないじゃないですか、各会派はそれぞれいろいろな宣伝戦をやったり、いわゆる法定はがきを早くつくって出したりいろいろやっておるわけですから。ということは、結局あなた方は何かこの問題について介在をしておったということを証明しているのじゃないですか。十七日から受けておるでしょう。十八日も受けたでしょう。特に十九日、二十日、二十一日。十九日は日曜日ですよ。たしか日曜だったと思う。そしてこれは、日曜日はちゃんとあなた方が出した規則によってたしか午前中受けるようになっている。これは仙台の郵便局長さんにも聞きましたよ。あなたのほうはこういう規則を知っておったか、よう知っておりました、よう知っておって――あなたのほうはこんな規則まで仙台中央郵便局で出しておるんですよ。出しておるほうで、まず郵便を受けるほうで三つの誤りをしておる。窓口で、つまりこの候補者の法定の証明書をちゃんと持っていけば、これは直ちにその郵便物はいわゆる選挙用の法定はがきだということがわかるわけですね。それで、たとえば千通とか千百通とか、こう受けるわけですよ。そして料金別納であるから、料金別納ならば、いまあなたもおっしゃったように、この規則の第五条の規定に従いまして、必ずこの郵便物の左下にちゃんと料金別納の判こを押さなければいかぬ。それを押していなくて、上に押しているんだからこれは違法の郵便物となぜ返さなかったのですか。それは一人じゃないですよ。三人ともそれを返さないで受けているのです。本来ならば、ちゃんとこの五条の規定を知っておると局長も言っておられるし、仙台の郵政局の幹部もそう言っております。それならば、違法郵便物だからこれはだめですよ、こんなところへ料金別納の判こを押したのじゃ、受けられませんよといってなぜ返さなかったのか。それをのこのこ受けておいて、しかも三日間も受けて、受ければ、これは当然日付印を押す課長とか主事が、ちゃんとこういうふうに日付印を押さなければいけないわけです。その日付印を押すところを通過しないでおいて、それが区分のところへ回っちゃったんです。区分のところに回ると、今度は区分の責任を持っておる郵便課長なりあるいは主事が見れば、これは選挙用のはがきじゃないか、そうすればあの規則の第五条に違反をするんだから、下へ押さないからして突っ返さなければいかぬということを気がつかなければいかぬわけです。この三カ所を三回にわたり千何通の郵便物が通過しておるわけです。通過して、おまけに二十二日まで配達をしなかった、これはどういうわけですか。それはおかしいじゃないですか。一号便ですぐ翌日の九時から配達をしなければいけない。それが十七日、十八日、十九日、二十日、二十一日、二十二日までこれを放置しておったわけです。どういうわけですか。それほど郵便局員はとんまな仕事だというふうにあなた方は思っておるのかね。しかも、これは規則の内容についてよく知っておりますと言っているんだ。郵便局長はじめ次長もちゃんとそれを証明しておる。だからその規則どおりなぜ郵便物を返さなかったのか。どういうわけですか、聞きましょう。答えてください。どういうわけで郵便物を突っ返さなかったのか。そんなばかなこと、郵便局にいた者はわかりませんよ。
  155. 石井多加三

    ○石井政府委員 冒頭に申し上げましたように、まず郵便局で最初に受けるときに、これを料金別納郵便物として受けたところがあやまちの第一歩であったわけでございます。それに担当者でそういうことをしたということはあっても、その上の責任者がいつの日かそれに気がついて、当然少なくともそれを本来のものに直すべきでありましたけれども、まず第一にそれを料金別納として受け取ったということで、それを料金別納のほうへ持っていってしまったわけでございます。そのときの通数が大多数、約三千通近かったと思いますが、その次の日曜日は何通でしたか、日曜と月曜はわずかずつ出ただけでございまして、おっしゃるとおり成規の扱いということでありますれば、これはあくまで公職選挙郵便規則の第五条からいって間違いでございますので、御指摘のありましたように本人にこれを返して、ちゃんとやり直してまた来てもらうということであればいいわけでございますけれども、先ほど申しましたように、これを一たん料金別納の郵便物として受け取ってしまったという局側のミスがございましたので、何といいますか、局としてもその点間違ったというひけ目がございまして、相手方からも、一たん引き受けたんだから何とかそちらで処理してくれというようなこともありまして、これを全部集めてまた切手を張るということの作業まで郵便局がやった、二重、三重のそういったミスになるわけでございます。  なお、いま土曜日に引き受けたものがそのまま二、三日も置かれておったということについては、当時の業務運行状況をちょっと仙台中郵について申し上げなければならぬわけでございますが、一月の五日から十二日ごろまでの間に国民年金関係の郵便物が約四十五万通ばかり大量に到着しておった、それに加えまして市長選挙の場合は御存じのような投票所の入場券が十六日までに約十三万通どっと差し出されておったというふうなことで、到着処理とか配達区分のできない郵便物が大量に発生しておりまして、仙台中郵の実情は二、三日おくれで郵便が処理されておった。したがって、順送りに処理せざるを得ないような状況でございました。そのほか、ちょうど年末年始に勤務した者の代替休暇というようなことも、先生御案内のとおりちょうど一月のそのころにはあるわけでございます。休暇をとっておる者が平常の五割程度増加しておった。その処理のあと補助には非常勤に当たらせたというようなことから処理能力が落ちておったというようなこともございまして、いろいろ言いわけがましくなりますが、やはり最初の間違いが二重、三重のまたあやまちを連鎖反応的に起こしまして、このような違則の扱いをしたということにつきましては、私たち選挙郵便物につきましては、特に普通の郵便の中でも大事に扱うようにということで平素指導しておりますのにもかかわりませず、このような失態をしでかしまして、この点まことに申しわけないことと思っております。
  156. 土橋一吉

    ○土橋委員 石井郵務局長、これはまことに申しわけないというようなことで済む問題ではないのです。これは先ほど読み上げました公職選挙法の基本的な、格調の高い公正な民主主義の選挙をするということから、要するに指定都市以外の五、六十万の市においては、五千枚の郵便はがきを優先的に売りますよ、売ったはがきはいわゆる公職選挙法の選挙郵便物としてきちっと処理をいたしますよということを、郵政省は天下に約束をしておるわけです。したがって、規則を知っておるかと聞いたら、よくみんな知っております、勉強もさせてあります、十分心得ております、そう答えていながら、窓口が、つまり候補者用の証明書を持っていって料金別納のはがきを千枚持ってくれば、まず千枚数えなければいかぬ。それで料金をちゃんと受け取って、そしてちゃんとその証明書に記入をしてやって、こちらの台帳にちゃんと控えて、大切な選挙用のはがきですから、これは上に持っていって、その選挙の公示をするための日付印を押すところの主事とか課長のところにこれを持っていって押してもらわなければいかぬわけです。そうでしょう。そこに手違いがあったというのはどういうわけですか。そんなことを知らない局員をみんな使っておったのですか。それならば、あなたが言われるまでもなく、日付印担当の課長とか主事が、おかしいな、愛知派は一つも選挙はがきを持ってこないじゃないかということはすぐ気がつかなければならない。片方はもうどんどん持っていくわけですからね。そういうことも気がつかないで、そこを通過しないで区分のところに行ったというのはどういうわけですか。これはそういう説明をしているけれども、事実は、日付印を押す人が日付印を押さなくて区分のところに持っていったわけです。ですから、要するに公職選挙法のはがきでありながら、こういうはがきが各有権者のところに着いてくるわけですよ。この事態を何と見るかということなんですよ。しかも愛知派から文句を言われてねじ込まれた。そうしたら、第三郵便課長があわてて普通のはがきを三千枚ボックスからみんな引っぱり出して、今度は自分でのこの料金別納で、要するに納めた金を立てかえたか何か知らないけれども、切手窓口に行って買ってきて、局員と一緒になってみんなべたべた張ってやっておるわけだ。その張ってやったのがこれなんです。この料金別納の上に切手を張ってやっておるのだ。なぜ郵便局はそんなに愛知派をかわいがるのですか。愛知派とどういう関係があってそういうことをしなければならぬのですか。これは突っ返したらいいじゃないですか、違法郵便物ですよといって。そこいらが、非常にあなた方の説明のつかない点、ふしぎな点がたくさんあるじゃないですか。課長を動員して、局員を動員して、一々また切手を張ってやっておるわけだ。張って、今度は日付印を御丁寧に押しているわけだ。どうしてそういう間違いをするのですか、ちゃんと教育して、よく知っておるといいながら。しかもそれがその最後の二十二日に見たときには、二十五通、違法の郵便物があったということがちゃんとわかっておるわけだ。それならそれで、なぜきちっとした方法で保管をしておかないのか。愛知派にみんな返してしまった。証拠隠滅をやっておるわけですね。しかも、市中に出回ったこういう法定日付印を押さない選挙用のはがき、こういうはがきをチャンポンに配られておるわけだ。そうすれば、明らかに料金別納という形をとってそのはがきの上のほうへ書いておけば郵便局が迷うだろう、迷ったら、知らないですぐそれは区分のほうへ回って配達してくれるだろうというようなことを知っておる人がこれを画策しなければ、そういうことはできないわけです。さもなければ、郵便局のほうでそういうことに明るい人がいて、そういう選挙はがきを出した人と、俗に言えば組んで、こういう形をやれば、少々よけい違法郵便物を出しても配達をしますよというようなことを教えてやったか、あるいはそうでなければ、第三番目には、非常にそういうことについて明るい人が、これを持っていけば仙台郵便局は、いま、まごまごするだろう、必ずこれは日付印を押さないで区分のところへ持っていって、そして配達をしてしまうだろうという、この三つの場合が想定されるわけです。どちらでしょうか。現にこういうのが配られているのですよ。この=木さんといううちと大久保さんといううちに配られておる。これを何と証明しますか。
  157. 石井多加三

    ○石井政府委員 お答えいたします。  ただいまの二十六通と申しますのは、たしか、別途郵便ポストに入れられたものが、ポストの取り集めで別納のものがあがってきたということで問題になった郵便だったと思うのでありますが、それはあくまでその派のほうの運動員が誤って――別に料金の減脱をはかるためではなかったと思いますけれども郵便局へ持ってこなければならないものをポストに誤って入れたという郵便物であったというふうに記憶いたしておりますが、そのものにつきましては、これを相手方に返しまして、正規の料金を別途徴収して取り扱ったというふうに聞いております。
  158. 土橋一吉

    ○土橋委員 もし愛知派の方が、郵便料金を侵奪する目的をもって多数の郵便物を料金別納という形でポストへどんどんほうり込んで、そのほうり込んだ郵便物が今度郵便局へ行って、そして調べもしないで区分しちゃって、また配達をするというようなことになってきたら、これは何をしておるのかさっぱりわからない、仙台中央郵便局は。もしそういうふうな解釈でこれが配られたということを説明されるならば、私はこれは郵便制度なんて何をしておるのかわからない。料金別納でどんどんあらゆるポストにほうり込んでいって、郵便局へ集めてきた、料金別納だなと思って、それをまた区分して、今度は郵便局員の手によって要するに文書図画の頒布をやっておる。これでは共同正犯をみずからつくるようなものじゃございませんか。だから、法定日付印については、ちゃんと責任者が、この規則によって、きちっと法定選挙の証明書を持ってきたものについてはちゃんと受けて、日付印を押すというふうになっているのですよ。そういうことが起こり得るから、郵便規則がやかましくこの問題について十カ条ばかりの条文をつくって、わざわざちゃんと色も変えて、色もちゃんと代赭色にするということまでいっているわけです。最初の日付印は黒でやる。いまのような郵便料金別納の問題については、代赭色の、要するにとび色のスタンプでやりなさいということまでちゃんと指示しておるのですよ。おかしいですね。
  159. 石井多加三

    ○石井政府委員 ただいまの二十六通につきましては、切手を張って出してもらったと申しましたのは間違いでございまして、本人にそれは事務所のほうへとりに来てもらいまして返したわけでございます。  それから、いろいろの最初の出だしが間違ったことで、しかもまた、それは理由になりませんが、途中でだれかが、管理者が気づくべきものを気づかないで、いろいろある派に有利になるようにわざと取り扱ったというふうな疑惑をお持ちになる点につきましては、まあ、今度の扱いがまことに重大な問題を提起したということで、私たちも非常に反省いたしておるわけでございますけれども先生も御案内のように、郵便物につきましては、一通の郵便物を引き受けから差し出しまでの間に、ものによっては十数人の人手を経るわけでございまして、ある意図を持ってそういったようなことをするということは、たとえ管理者がそういったことを考えましても、一人や二人の管理者でできることではございませんし、多数の局員がその間に携わるわけでございますので、そういった意図を持ってやったとは思いません。  また、今度の事件に気づきましたのも、先ほど申し上げましたように、いろいろ御意見はありますが、部内から、どうも選挙郵便の出がおかしいというようなことを言い出しまして、相手方に確かめて、それで気がついた。いずれにしてもへまではありますけれども、内部のそういったことから気がついたということから推察いたしましても、特に意図を持ってそういうことをやった、そういう者がおるというふうには考えられないと思うわけでございます。
  160. 土橋一吉

    ○土橋委員 私も郵便局の出身でありますから、そのあなたの御答弁の気持ちもよくわかるし、またそういう行き違いも、ほかの場合にも起こり得ることもよくわかるわけです。しかし、事選挙に関しましては、これは厳正なものでなければいかぬわけですね。いまお話があるように、何日もボックスにそのものがたまっておること自身が、もう第一職務の怠慢であるということです。当日の午前九時ごろまでに到着したものは直ちに一号便で配達をしていく、これが原則でしょう。それが十七日から二十何日までほったらかしてあった。しかも今度、愛知派の皆さんから、おまえのところで受けたんだから切手を張れなんて言われたら、ああそうですかといって、今度はまた郵便課長が切手を買ってきて、一生懸命になってべたべた張っておるとは一体何事ですか。突っ返せばいいじゃないですか。何の恩義があるのですか。そこに何か暗い一まつのものがあるからして、そんなことをねじ込まれたら、自分のほうではしょうがない、切手を買ってきてまた一々みんな張ってやる。こんなことをしておるようでは、郵便局というものは全く公正な――法律やあるいは取り扱い規則なんかがどうでもいいということになるじゃございませんか。しかも、郵便の逓送日程、時間というものはきまっておるでしょう。そういうやかましい中でそういうことが行なわれたことについて、局長さんは何をしておられたのですか、この鈴木定夫さんという方は。次長さんは一体何をしておったのでしょうか。もし問題があればすぐ郵便局長のところに持っていって、これは一体どうした書類でしょうか、第三項の規定に違反をしておりますが、これは返しますか、それとも受けておきますかという、そういうことをちゃんとやるようになっておるのですよ。もし局長がわからなければ、そういうことの専門の人がいるはずだ、仙台市はいままで何回も選挙をやっているのだから。こういう事態が起こったのは決して偶然ではないと私は思うわけです。しろうとが、たとえばママさんを集めてやったというのならそういうこともあるかもわからぬということはわかるけれども、ちゃんと月給をもらっておって、しかもこの規則はよく知っておって教えましたと――私は念を押して聞いたんですよ。いやよく知っております、局員はみんな知っておりましたと言っているわけなんだ。相手方にもこれをちゃんと出しておりますと言っておる。そう言っておる口の下でこんなへまが、つまり受けでへまをする、日付印を押すところでへまをする、区分をするところでへまをする、おまけにその一部分は流れてしまった、こういうことなんですよ。  ですから、これは単なる失策とかなんかでなくて、明らかに愛知派といわれる選挙候補者、選挙員の方々と郵便局は、ともにこういうことをやっているのかというふうに考えざるを得ないわけです。ですから告発をしているわけですよ。これは告発状です。このことについて私は宮城県警察本部長にも会いました。すみやかに善処するように、すみやかにこの内容を調べるように私も言っておきましたけれども、こういうことでありますので、あなたの御答弁のように、済まなかったという点、それはよくわかりますけれども、単に済まないとかなんかの問題じゃないのですよ。つまり郵便局全体の業務姿勢の問題であるわけです。これを監督する局長や課長がどういうふうにこの問題を処理するかということが問題であるわけですよ。一人の窓口が失敗したとか、日付印を押す主事とか課長が失敗したという問題ではないわけです。もう十七日から選挙が始まるのですから、両派から持ってくるわけですから、わかった事実であるわけです。片方ではそういう厳重な態度をとりながら、片方の候補にはそういうきわめてルーズな態度をとったということも、いま申し上げた事実によってきわめて明白であるわけです。  ですから、郵政大臣はこの問題について厳然たる態度をとって、そういうことをやった責任者郵便局長はじめ東北郵政局の諸君に対してどういう態度をおとりになるか、ひとつ明確に答弁していただいて、私の質問を終わります。
  161. 原田憲

    原田国務大臣 いま局長から御答弁を申し上げましたが、公職選挙法というものに従って行なわれる選挙について、郵便局員が念が足りないという御指摘は私も聞いておりまして、そのとおりである、再びそのようなことが起こってはならないことであると思います。ちょうど参議院の選挙も前にいたしておりまして、かようなことは絶対ないように深く戒めたいと存じます。  いま伺いますと、あなたが告発されているのですか。
  162. 土橋一吉

    ○土橋委員 いや弁護士さんが……。
  163. 原田憲

    原田国務大臣 そうですか。あなたが告発されたみたいに聞こえましたので……。だれを告発されたのか、私どものほうの郵便局員を告発されたのでございましょうか。そこをちょっと聞かしてください。
  164. 土橋一吉

    ○土橋委員 告発状は「右愛知和男の総括責任者と思料するが」というふうにして、総括責任者の方に対する告発でありますので、その点はひとつ……。
  165. 原田憲

    原田国務大臣 私は、いまあなたの先ほどの質問から見まして、私どものほうの郵便局長以下が告発されたのかと思っておりました。それではないということでございますから、これはその告発に従って、あなたのいまおっしゃっておった点等は明らかになってくると思うのです。これは裁判になるわけでございますから、その時点において私はものごとが――あなたはこれはぐるであるというようなことで告発したのだというようなことをおっしゃいました。それで私はびっくりしたのです。郵便局長を告発されたのかと思っておったのですが、そうでない、選挙の責任者を告発したのだ、こういうことでございますから、そこで明らかになってくると思いますので、その時点で、私は先ほど局長が言っておりますように、初めに一つ間違ったら、あとあとみな間違ってくるということになったというように思います。また、二日も三日も置いておかれたということを聞きましたときに、すぐおかしいじゃないかとこう思いました。それもお互いに我田引水ですから、これはおかしいじゃないかという気持ちが、あなたはそっちのほうへ行った。私が聞いていたら、別なほうへ行く場合もあります。したがいまして、これは裁判の結果ということになってくるわけでございますが、何はさておいても、このような間違いをおかすということはけしからぬ話ですよ。再びこのようなことがないように厳重に、ほんとうに起こらないようにいたしたいと存じます。
  166. 土橋一吉

    ○土橋委員 では、そういう態度でひとつ臨んでいただきたいし、個人的には、仙台の鈴木定夫局長について私は恨みも何もないわけです。また御本人の説明その他を聞きまして、一部分には御本人の苦労されておる点もわからないわけじゃないわけです。しかしながら、郵便局長として、しかも仙台郵便局は最近ものすごくりっぱな局舎を建てたわけですよ。日本でも郵便局としては有数の郵便局であるわけです。しかも、そこでそういうことが行なわれておって遺憾な点が数々ありますので、今後さような点について十分、これから諸選挙がたくさんありますから、全国の各郵便局において、正しく、どの派であろうとも公平に取り扱うように、郵便物の滞留がないように、また料金別納などについてはきちっとした態度をやはり全国の郵便局長等に示して、かような間違いのないことを心から願って、私の質問を終わらせていただきます。
  167. 廣瀬正雄

  168. 岡本富夫

    岡本委員 私は、特に新幹線あるは航空機の騒音あるいはまた振動、あるいはまた通過によるところの電波障害について若干質問をし、また確かめておきたいと思います。  そこでまず最初大臣に、これは昭和四十八年七月十七日、参議院におけるわが党の塩出さんの質問に対する久野郵政大臣の答弁、その中から、新幹線あるいはまた航空機によるところの電波障害について、「この原因を究明し、さらにそれに対する対策を考究するために調査会を設けることにいたしまして、ただいま検討中でございます」ということであります。これは昨年六月に発足しておりますが、この調査会の――これは審議会になっておりますけれども、この審議状況について、御存じであればひとつお聞かせを願いたいと思います。
  169. 原田憲

    原田国務大臣 いまの問題は、テレビジョン放送難視聴対策調査会というのを置きました。このことにつきましては政府委員から答弁いたさせます。
  170. 齋藤義郎

    齋藤(義)政府委員 テレビジョン放送難視聴対策調査会というものが去年の六月にできまして、これは各界の権威者、専門家十九名をもって組織しておるわけでございます。それで、いままでのところ毎月本会議が一回、そのほかに分科会等を開いております。  いままでの審議の経過でございますけれども、これは難視聴の実態の把握、それから難視聴をいままでどうして解消してきたか、実際面の解消策いかん。私のほうで申しますと、原因者責任主義ということで、ビルならばビルの建て主に金を負担してもらって解消をはかる、その実態はどうなっておるかというようなこと。それから第三番目には、難視聴の実態が一応把握されたあとで、これを技術的にどうすれば一番うまく解消できるのかという段階に進んでおります。それから、今後は、まず最初は都市難視に取りかかっておるわけでございますが、それが片づきましたら辺地難視に取りかかるという順序になっております。やり方としましては、技術的な解消策が確定いたしました場合には、これをだれの負担で解消をはかるのか、あるいはそれに対する立法的な措置が必要かどうかというような問題、あるいは法制的な問題点、日照権と似たようなものだと思いますけれども、こういうような権利として、どういう性格のものであるべきかというような、非常にむずかしい、法律問題としても未開発、未開拓なむずかしい問題を含んでおるわけでございますけれども、順次そういう方向で問題の根本的な解決をはかりたいという意気込みで、鋭意検討を進めておるというのが現状でございます。
  171. 岡本富夫

    岡本委員 そこで、まずこれは郵政大臣に。  郵政省でこういった調査会というのですか、これが発足して、学識経験者何人か、だいぶいますけれども、これから審議する、これが大体いつごろこの結論が出るのですか。
  172. 齋藤義郎

    齋藤(義)政府委員 初めはできるだけ早くということで一年間を予定しておったわけでございますけれども、実際に取り組んでまいりますといろいろな問題が出てまいりまして、いまの段階では一応二年ということで、しかしできるだけ早く結論を出していただきたいとお願いしておるわけでございます。
  173. 岡本富夫

    岡本委員 テレビジョンの電波障害、こういうものにつきましては、これも昭和四十二年あるいは四十三年、四十五年、もうずいぶん前から航空機の場合、それから新幹線のほうも約十年になりますね。郵政省の取り組み方が非常に私はおそいのではないかと思う。そのためにもう各所でいろいろなことが起こっているわけです。  NHKの川原さん見えていますね。――まずひとつこの電波障害によって不払いがあちらこちらで起こっているわけですが、航空機の場合とそれから新幹線の場合と、どのくらい不払いがあなたのほうで把握されているのか、これをひとつお聞きしたい。
  174. 川原正人

    ○川原参考人 航空機騒音関係の不払いといたしましては、一番新しいところ、私ども四十八年度の上半期、四十八年九月末現在の数字でございますが、約三万七千件。それから新幹線関係では約五千件というふうに掌握しております。
  175. 岡本富夫

    岡本委員 NHKのほうでは、そうすると、この不払いはどういうように考えておるのか、どうするのか、ひとつお聞きしたい。
  176. 川原正人

    ○川原参考人 NHKといたしましては、いまの放送法のたてまえから申しまして、受信機を設置されまして御利用になっている限りにおいては、多少の障害がございましても一応受信料は払っていただきたい、かように考えまして、それぞれの聴視者の方と時間をかけまして理解を求める、こういうことにいまつとめておるわけでございます。しかしながら、実際の公害の状況によりまして、やはりこれは公害そのものが根本的に解決されることがあれば、それが一番望ましいというふうに考えております。
  177. 岡本富夫

    岡本委員 大臣、NHKから正常な電波を送っている、しかしそこで障害があって画像がだめになる。電波によるところの画像というものはこれは商品なんですか、それとも何なんですか、一ぺんあなたからひとつ……。
  178. 齋藤義郎

    齋藤(義)政府委員 NHKの受信料の性格とも関連する問題かとも思いますけれども、これはNHKが公共の福祉のために全国的な放送を行なうということ、それから放送以外にもいろいろな受信相談とかあるいは国際放送とかいろいろな活動をやっておりますが、それを聴視者が負担する、一種の公的負担というぐあいに考えておりますので、したがって、NHKの番組自体が商品だということで観念しているわけではございません。
  179. 岡本富夫

    岡本委員 そうしますと、画像が悪くても、要するに正常な画像が来なくてもこれは払わなければならぬ、こういうことですか、あなたのお考えとしますと。
  180. 齋藤義郎

    齋藤(義)政府委員 放送法の規定によりますと、NHKの放送を受信することができる受信施設を設置した者は、NHKと契約を結ばなければならない、こうなっておりまして、NHKの放送が受信されないような状態の場合には契約する必要はないと思います。
  181. 岡本富夫

    岡本委員 そうすると、正常な電波、正常なものが来ない場合は契約しなくてもいいんですね。
  182. 齋藤義郎

    齋藤(義)政府委員 いまおっしゃいました正常とは何ぞやということがはなはだ問題なわけでございますけれども、NHKは聴視者の信頼と申しますか、そういうような関係でNHKと聴視者と関係が成り立っておるわけでございまして、そういうような関係で律し切れないような状態の場合、もう少しことばをかえていいますと、とてもまともには画像は見ておられないというような状態、常識的な判断でございますけれども、そういう場合には契約は要らないと思います。
  183. 岡本富夫

    岡本委員 そうしますと、新幹線が通って画像が見えない、あるいはまた航空機が発着して画像が見えない、そういうときはもう契約しなくていいわけですね。
  184. 齋藤義郎

    齋藤(義)政府委員 程度の問題でございますけれども、NHKの放送を受信できるかできないかの判断でございまして、これは放送法で別に明確な基準が設けられているわけではございませんが、常識的な判断といたしまして、とてもNHKの放送が受信されている状態ではないというような状態の場合には、契約の対象にならないというのが三十二条の解釈だと思います。
  185. 岡本富夫

    岡本委員 常識的なとか、どうもその点が……。じゃ、テレビを見ているときに新幹線が絶えず通る、あるいはどんどん航空機が通る。そのためにテレビが見えない、こういうときはこれは契約をしなくていいわけですか。これはもう一度はっきりしてください。常識的とかそういうことでなく……。
  186. 齋藤義郎

    齋藤(義)政府委員 絵の質をどういうぐあいに評価するかという問題、これは究極的には主観的な問題になるわけでございまして、いま世界でもその絵の評価の方法としていろいろな方法が考えられておりますけれども日本では五段階に分けて、それで何人かの人が、この絵は五に相当する、きわめてよろしい。あるいは若干の混信が入る、これが四だ。あるいは三だとしますと、少し入るけれども楽しむといいますか、それほど見づらい状態ではない。あるいは絵がときどき相当くずれたり何かするというのが二だ。あるいは一というような評価の方法ですと、これは絵として楽しむというのには少し不十分だ、そういうようないろいろな段階を設けているわけでございますが、いま先生がおっしゃいますどの程度かといわれますと、いまの五段階の評価の方法でいいますと二以下、しかしこれも結局は主観的なものでございまして、電波の強さではかるわけにもまいりませんし、いろいろな要素で人間が目で見て一応評価する、こういうたてまえになっておるわけでございます。
  187. 岡本富夫

    岡本委員 そうしますと、あなたは新幹線の電波障害によってテレビが見えなくなったとか、いろんなそういうところは調査したことございませんか。あるいは航空機によったところの電波障害のそれか二だとか一だとか――、ぼくらはいま一だとか、二だとかいわれてもあまりわからないのですが、ぼくも率直に言うて、そういうところは契約をしなくてもいいのか、しなければならないのか、これをあなたに聞いているわけです。
  188. 齋藤義郎

    齋藤(義)政府委員 また常識論に戻しますけれども、絵がとても見るにたえないというような状態、先ほどで申しますと二以下というような劣悪な像しか、あるいは像にならないというような受信機であります場合には、これは契約の対象にはならないと思います。
  189. 岡本富夫

    岡本委員 受信機じゃないのですよ。受信機のほうはもうカラーテレビあるいは白黒テレビですか、受信機のこわれたことを言うているのじゃなくて、来る電波の障害によって映らない。これを見ていると、正常な電波でないためにかえって目を悪くするのです。かえって情緒がおかしくなってくるのです。そういう電波なんです。それに対してそういうのは契約しなくてもいいか。あなたは受信機、受信機とこう言いますけれども、私は受信機のことを言っているのじゃない。
  190. 齋藤義郎

    齋藤(義)政府委員 また繰り返すようで恐縮でございますけれども、NHKの放送を受信することができる受信設備かどうかというのが契約の対象になるわけでございますけれども、そのNHKの放送を受信しているかどうか、し得るような状態の受信機かどうか、受信機オンリーではございませんで、それに入ってくる電波が正当な電波が入ってまいりまして、受信機が正常に作動する状態かどうかという事柄が基準になるわけでございます。
  191. 岡本富夫

    岡本委員 そうしますと、局長に何ぼ聞いてもあれですが、大臣、横から聞いておられて、あなたも豊中にいらっしゃるのだからよくわかっていらっしゃると思うのですが、航空機あるいはまた新幹線の電波障害によって像がきちっと映らない、こういうのはもう契約――契約ということは要するにNHKに金を払わなければならぬ、こういうことなんです、契約しなくてもいいということは払わなくてもいいということなんですが、あなたはいまそれを聞いていてどういう見解ですか。
  192. 原田憲

    原田国務大臣 これは契約するというのは原則であって、いま私が豊中に住んでおるという話が出ましたが、この問題はあなたと私は一緒に、航空機によるところの電波障害によってテレビがなかなか見にくいから、これに対してテレビの受信料というものをまるまる払うということはおかしいじゃないか、こういうことからいま現実に減免をしておる、こういう事実があるわけです。これは減免であって、契約をしなくてもよいという立場に立っておるのではないのですね。したがって、私はやはり見られるということがある限り、これは常識論ですけれども、見られるということがある限り、やはりたてまえとしては払うということではないか、このように思います。
  193. 岡本富夫

    岡本委員 そうしますと大臣、航空機の場合はそうやって減免しておりますね。ある程度見られるところもあるし見えないところもある。新幹線の場合はどうなんですか。
  194. 原田憲

    原田国務大臣 やはり新幹線だとか、先ほどお話が出ましたように都市におけるところの障害というようなものから非常に難視になってきておる、これを根本的にどうして解決するか、こういうことのために調査会をいま設けておるわけですが、それを待っておっても、それが出るまでというわけにいきませんから、いま新幹線等につきましても、共同アンテナをつけて難視を解消するとかいろいろな手だてが行なわれておる、こういうことでございます。
  195. 岡本富夫

    岡本委員 ちょっともとへ戻りまして、局長さんの答弁では、画面が正常に見えないという場合は契約しなくてもよい、それが一、二、三、四、五と何か順番があるそうですけれども、この順番については私らまだ明らかに聞いたことがないのですが、大臣の答弁では、少しは見れる場合があればこれは払わなければならぬというようなことでありますけれども、その点、先ほど局長さんは常識だ常識だ、こういうことなのですが、やはりこうした電波法があり、またNHKの受信規約というのがありますね。これにはどこをさがしてもそういう条項がない。ただ十三条に「放送の受信について事故を生じた場合があっても、NHKは、その責任を負わない。」となっておる。これをたてにとって――たてにとってはおかしいけれども、集金人の方が見える。そこで各所でトラブルが起こっているわけですよ。集金に来られる方も気の毒だ。ただし、十三条の次のところに「普通契約に属する放送またはカラー契約に属する放送について、月のうち半分以上放送を行なうことがなかった場合は、受信料は徴収しない。」この場合の「事故を生じた」というのは、受信機に事故が生じた、こう読めるのですね。これはひとつNHKのほうから御説明願いたいと思うのです。
  196. 川原正人

    ○川原参考人 この受信規約の十三条の「受信について事故を生じた場合があっても、NHKは、その責任を負わない。」というのは、幾つかのケースが考えられると思いますが、受信側のほうの事情、たとえば停電とかそのような事故があって見れなかったといって、そのことでNHKが責任は持てない、こういうのが主たる理由と思いますが、同時に、その受信の状況の中に、電力の事故等でなくて、いろいろなケースが考えられると思います。一応一番典型的な例を言えば、いまのような例かと思います。
  197. 岡本富夫

    岡本委員 いまのような典型的な例ということは、航空機あるいは新幹線、そういった電波障害による場合はNHKは責任を持たない、こういうことなのですね。もう一ぺん……。
  198. 川原正人

    ○川原参考人 そのようなケースの場合にも、必ずしもこの十三条にあるからというだけではございませんけれども、NHKといたしましては完全な電波を出している、それにあと何か人為的な障害が入ってきた場合に、その人為的な障害の責任をNHKが持たされるということは、私どもの立場としては納得できない、こういうことでございます。
  199. 岡本富夫

    岡本委員 そうしますと、NHKさんのほうは、そういった電波障害を起こした原因者が責任を持つのだ、こういうことですね。もう一ぺん明確にお願いします。
  200. 川原正人

    ○川原参考人 そのとおりでございます。
  201. 岡本富夫

    岡本委員 そうしますと、NHKさんから大阪地区の新幹線公害対策同盟、これに対して回答書が参っておりますが、四十七年十二月十五日、国鉄とNHKとの覚え書き、これがあるわけです。これによって対策を立てますと書いてありますが、この責任比率、これが対策工事について、国鉄は八〇%、NHKは二〇%の割合でこういった対策工事をやっている、こういうように回答もあるわけです。あなたのほうは責任がないのに、なぜこういった二〇%の工事代を出すわけですか。
  202. 川原正人

    ○川原参考人 NHKといたしましては、基本の原則のところにおいては、新幹線ができましたことによって障害が発生いたしました場合には、これは大原則としてやはりその新幹線を設けられました国鉄当局で全部処理をしていただきたい、かように考えておるわけでございます。ただ実際上の問題で、障害ができたときにそれを調査をいたしましたり、やはりNHKがまた別に、放送法の九条にございますけれども、いろいろ受信に関しまして相談に応ずるというようなNHKの仕事もございますので、そうしたことを勘案いたします。  それからもう一つは、実際に新幹線の障害の、その障害の境目のところにいろいろむずかしい問題が発生するわけです。いや、もともとそこは見えにくかったのだとか、いや新幹線ができたからこれは見えにくくなったのだとか非常に議論の余地のあるところがございます。そういうことを、現実の問題といたしましてやはりNHKも何かしかの協力はしなければならぬということで、この比率は実はずっと長い経年の中で変わってきております。一番最初の東海道新幹線、昭和四十年ごろには実はNHKが五〇%くらい持って処置をしたこともあるわけでございますけれども、私どもは、基本的にはやはり国鉄さんに全部持っていただきたいということでその後折衝を重ねまして、現在一番新しい山陽新幹線の場合には一五%という比率で処理をしていただいております。ただし、これもまだ将来の問題として、私どもはもう少し国鉄さんに持っていただきたいというのが基本的な姿勢でございます。
  203. 岡本富夫

    岡本委員 どうも責任がない。要するに最初の十三条でしたか、これは責任は負わないというのですね。要するに一般の住民の方には責任は負わないのだといっている。それで、大体国鉄の場合はやはりしかたがない。どうもここらが、その解釈によるのでしょうけれども、若干おかしいと思うのです。  まあそれはそれとして、そこで一つだけ確かめておきたいのですけれども、新幹線の場合、国鉄とそれからNHKとが共同して、そして共同アンテナと申しますか、共聴アンテナと申しますか、こういうものをつくった場合、そうすると正常な電波が各家庭に参りますから、これはもう契約料を払わなければいかぬと思いますが、その共聴アンテナといいますか共同アンテナ、これの維持費はたいしたこともない、一軒二十円ぐらいか三十円ぐらいだ、こう申しますけれども、この維持費を集めに回る、あるいはそういった共同アンテナを建てた場合、これに対するところの将来の被害があったときの保険、こういうのはだれがこれをやるのですか。
  204. 尾関雅則

    ○尾関説明員 お答え申し上げます。  国鉄では、ただいま先生指摘のように共同聴視アンテナを建てまして、それに各家庭の受像機を接続するということによっていい絵を見ていただく、そういう対策を進めておるわけでございますが、各地で維持管理費の問題が非常に問題になりまして、そのために対策がなかなか進まないというような事例も最近ではひんぱんに出てくるようになりました。それで私どもたいへん困っておるわけでございますが、先ほど郵政省の方のお話もございましたように、御当局でも維持管理費の問題についての考え方と申しますか、標準と申しますか、そのようなものも近く御検討になってお示しいただけるというような事態も予想できますので、そういうことが出ましたら、そのような方針に従って処置してまいりたいと思っております。それまではとりあえずいま見られるようにということで、共同聴視アンテナの設置ということにしぼって、早く対策をやって早くきれいな絵を見られるようにということで、地元の方々と話を進めております。それで地元の方々には、町内会単位ぐらいで共同聴視アンテナの受信の組合をつくっていただいて、だれかお世話をしていただく方をきめていただいて、それがもろもろの事務をやっていただくようにお願いして、話を進めておるような次第でございます。
  205. 岡本富夫

    岡本委員 そうしたら、それの共聴アンテナを維持管理する、この方にはそれだけの費用を差し上げるのですか、いかがですか。
  206. 尾関雅則

    ○尾関説明員 地元住民の方々の組合をつくっていただきまして、その組合の方々が自主的にそのお世話される方に、まあどういうルールでやられるか組合によって違うでしょうけれども、お願いしたいということで、いまはお話し合いをしているということでございます。
  207. 岡本富夫

    岡本委員 大臣、ちょっとおかしいと思いませんか、これ、いま聞いていて。正常な電波をNHKは出している。それを阻害しているのはいまの場合は新幹線、要するに国鉄です。それに対して今度共同アンテナ、そういうものに対しては国鉄とそれからNHKとが、比率はあれですけれども、そのあとの維持管理、その維持管理費とかそういった集金とかいろいろなものについては、電気代毎月集めなければいかぬ、これは住民でやってくれ、それなら原因者負担になってない。こういうまあ小さな仕事は、こんなものはかなわぬと言うのですよ、みんなね。正常な電波が来ておったら何もこんなことすることは要らないのだ。国鉄のほうでは何かどこかそういう指示が出ればちゃんとしますが、指示がないからというような考え方、どこから指示が出るのですか。
  208. 尾関雅則

    ○尾関説明員 私の記憶によりますと、たしか昨年の国会で郵政大臣がそのような御答弁をなさっているように記憶しております。
  209. 岡本富夫

    岡本委員 記憶だからあれだけれども郵政大臣が答弁したのは、受信料の免除基準を何か設定をし、改正をしたらどうか、その点について検討するというようなことが出ておりますけれども、それ以外に、その受信組合と申しますか維持管理組合といいますか、それに対するところの何か指示を与えるという考えはあるのですか、いかがですか。
  210. 齋藤義郎

    齋藤(義)政府委員 郵政省の立場といたしましては、原因をつくったところですべて解決していただきたいという方向でお願いしているわけでありますけれども、現実の問題としてはなかなかそうもまいらぬというのが現状でございます。しかし立場としては、原因をつくった方々が全部負担していただきたいということでございます。
  211. 岡本富夫

    岡本委員 大臣郵政省のほうは、原因をつくったほうか全部やっていただきたいというのですから、やれとも言ってないですね。こういうところが明確になっていないのですよ。非常にその原因者に対して弱腰ですね。あなたも、国鉄の人にテレビ見せてもらったりしているかわかりませんが、それはそれとして、それよりも、はっきりした見解というものをきちんと出して、事電波関係の問題でありますから、これをひとつ示さなければ、この新幹線の沿線あるいはまた空港周辺の争いが起こって、いろいろなそういう不安なのがいっぱいあるわけですね。しかも中には、一軒は不払いやっている、一軒は払っている、こういうような非常に――払わなんだら得だと。また電波が正常に来なかったら払えないですよね。公共施設だから金を払わなければならぬということはないじゃないか。たとえば国鉄だって、これは公共施設たといったところで、乗らなかったら払う必要はないですからね。ですから、この点はあなた、一ぺんきちんと考えて、どうするか。原因者でやってもらいたいと考えておりますだけじゃ、ちょっとかっこつかないんですよ。大臣、ひとつ政治的な……。
  212. 原田憲

    原田国務大臣 これは私も、いまあなたの指摘されたところまでは実は考え及んでなかったというのが、私の率直なところです。何か国鉄にどうか、ぼくらが云々というのがありましたけれども、私はそんなことは、遠慮は何もしてないですよ。それは原因者が負担すべきものだという筋合いで、先ほど国鉄側から、郵政大臣が指示をするという答弁があったように思うという答弁がありましたが、それで私、あなたが話をしているときに、いまあなたの言っていることは問題だから、これは前の大臣に違いない、私はそういう答弁した覚えがないから、そういうことがあったか、どうするつもりかと聞いていたら、たまたまちょうどあなたが質問をして、国鉄側が答弁したのですが、これはやはりいまのところでは原因者が負担をしてすべて解決してもらいたい。これ以上のことは、私には、やりなさいと言っても、向こうはやりますという確約が得られるか得られないかということについては、法的ということになってきますと、ないわけですね。だから、私からよくそういう面についても、いまの国鉄側に、こういう話が出ているが、君のところはこういう答弁をしているが、これはやはりそこまで行くのがほんとうじゃないかという話はいたしたいと思います。いますぐにそれが、ここで私が言ったからすぐできるという問題、それが先ほど言った調査会によって最後の答申をまって、すべて難視聴問題の解決をやる、こういうことになってくると思いますが、それまでほっておけませんから、いまの対策をやっているわけです。あなたの御指摘の点は、これは私実はほんとに初耳であったので、せっかくそこまでやったのにそういう問題でまだトラブルが起きるということであっては問題ですから、うまくいくように、ひとつよく話してみたいと思います。
  213. 岡本富夫

    岡本委員 共同アンテナ、これもまだまだ、山陽新幹線の場合一つ見ましても、伊丹とか尼崎――尼崎もあれですよ、この共同アンテナを立てる場所が国鉄の敷地の中に、要するに近い。だから何にもならない。だからもういまはそれははずしちゃって、各家の自分のところのアンテナで見ても同じことだというわけではずしている場合もある。だから国鉄としては、やったやったとこう申しますけれども、そういったあとの管理の問題、それからまだできてないところ、このできてないところはどういうわけでできないかと申しますと、先ほど申しました管理組合をつくって、そしてそこでお金が要ったりいろいろせなければならぬというふうなことでまだ承認してない、そしてそのために正常な電波が来ないからNHKの受信料は払わない、こういうことでトラブルが起こっているわけです。ですから大臣、あなたは初めてだと申しますけれども、あなたのほうは、電波を正常に送って、そして国民の福祉をちゃんとする、その責任がある省なんですからね、これはひとつ早急に対策を立ててもらわなければならぬ。いま初めて聞いたというのじゃ、これは非常にお粗末だと私は思うのです。それはいま大臣のあれで、さっそく国鉄とも相談をして解決するとこういうように……。いいですか。
  214. 原田憲

    原田国務大臣 これは、私がこ言うたからそれまではやるなということであっては、せっかく話がまとまってきておるのに、それができれば正常に見られるのですから、私はいま申し上げていることは、先ほど言いましたように、その解決をするために努力はいたしますけれども、いますぐに解決すると――だから、大臣がこう言っておるんだから待っとけといっておったんでは見ることができないんですから、せっかくそこまでいっているやつは、ひとつ岡本さん世話してやってもらいたい。私も極力努力をして、そういう問題についてトラブルが起きないように、早く解決することに努力はいたしますから そのことは御了解賜わりたい。
  215. 岡本富夫

    岡本委員 何か、こっちに責任持てと言っていますけれども……(原田国務大臣「お互いのことだよ」と呼ぶ)お互いったって、私はそんなにとめたりなんかはしませんよ、皆さん一刻も早く見たいんですからね。見たいけれども、そのあとの維持費、そういうものがかっちり、だれがどうするかということがきまらないから困っているんだというのがいま皆さんの考え方なんです。それについては、あなたはこれは早急にひとつ閣内でも話をして、それで国鉄あるいは運輸省とも話して、それでどうするかということをちゃんときめなければならぬ。これはひとつ要求しておきますよ。どうですか。それはいいですね。
  216. 原田憲

    原田国務大臣 極力努力をいたします。
  217. 岡本富夫

    岡本委員 極力なんて、のんきだな、これはもう。  それから次にNHK、たとえば大阪の東淀川地区、これは東海道新幹線の付近ですが、約六千世帯、これはい不払いをしているはずです、正常でないから。これは、いつからだったですかね。かりに一年間不払いしているとなりますと、相当な受信料になろうと思うのですね。それはどこからもらいますか、あなたのほうでは。今度共聴アンテナができた、あるいはいま大臣の答弁があったように、努力してちゃんと管理組合もできた、こういう場合、前の滞納分ですね、これはどっちからもらいますか。
  218. 川原正人

    ○川原参考人 私どもとしては、滞納というのは、たいへん聴視者の方のいろいろ御事情については御同情申し上げる点もあるのですけれども、少なくとも受信機を設置されて、それを御利用になっていた限りにおいては、その間の受信料はやはりその受信者からちょうだいいたさなければならない、御請求申し上げる、こういうことになるわけであります。
  219. 岡本富夫

    岡本委員 ちょっと川原さん、おかしいですね。あなたの最初の答弁は、私のほうは正常な電波を出しております、しかし、新幹線の電波障害によって正常な画像かできない、これに対しては加害者負担だ、こう先ほどおっしゃった。そういうものによって不払いしておる、要するに払っていない。これは住民のほうへ向いていただくようにします、先ほどあなたは加害者負担でなければいかぬと言っておいて、今度はそっちへ向いていただく、ちょっとおかしいわけでしょう。いかがですか。
  220. 川原正人

    ○川原参考人 私どもとしては、そのような電波の障害が生じましたときに、その原因者があるわけでございますから、その障害を除去することはできるだけ早くその原因者の手でしていただきたいというふうに考えております。  ただ、障害がどの程度かいろいろ問題がありまして、先ほど電監局長からも常識云々というようなことがございましたけれども、少なくともNHKの放送を受信できる受信機をお備えになっておられる限りにおいて、それを実際に全く使っていない、スイッチも入れてない、電源もはずしてあるというならこれまた別の話ですが、御利用になっている限りは、いまの放送法のたてまえは、絵の映りぐあいの程度によって受信料にランクをつけるとか、あるいはいただくとかいただかないとか、そういうふうにはなっておりません。受信機を備えられて、それを御利用になる限りにおいては、その受信料はきちんと払っていただかなければならない、私どもはまたそれをちょうだいしなければならないわけでございます。それはあくまでも受信者の方に御請求申し上げる、こういうことになるわけでございます。
  221. 岡本富夫

    岡本委員 どうも論旨が合わないように思うのですね。電波監理局長は先ほど、その受信の映りぐあいによって、一級から五級ですか、一から五までそれによって判断するんだという話もあった。NHKは、そんなことは関係ないのだ。これはどっちがほんとうですか。
  222. 齋藤義郎

    齋藤(義)政府委員 放送法の三十二条の規定ですと、NHKの電波が全然届いていないところでも、受信機を持っておれば受信料を払わなくてはいかぬかという、まあ極端な例を申しますとそういうことになりますが、NHKの受信が全不可能だというところでは受信契約を結ぶ必要はもちろんございません。それから受信の態様で、私、先ほど常識的な線と申し上げましたけれども、これは絵を見るにたえない、使いものにならないといいますか、この画像はとても見られたものではないというような程度の場合には、受信契約が必要ないと申し上げたわけであります。それで、先ほどNHKのほうからの答えですと、受信機を設置して、それを使っておるという限りにおいては受信料をもらうべきだということで、論旨は同じだと思います。
  223. 岡本富夫

    岡本委員 いまあなたがおっしゃったのは、全然見えない、全然映らないという場合は払わなくてもいいというお話です。ところが、その受信する画像の障害、要するにそれが一級から五級まであるというんでしょう。これが、まあ常識的なというけれども、明らかにしてもらってないからわからないのですけれども、一ぺんにテレビをつけて、これが一級だ、これが二級だと説明してくれるならよくわかるけれども、ぼくらはしろうとだからわからない。しかし、事実いま住民が不払いを起こして払ってないと皆さんおっしゃっておるのは、電波が正常でないから払ってないわけです。電波が正常であればこれは払わなければならない。その電波の正常でないということは、加害者がいるということなんです。そういうのは加害者負担だということを先ほどNHKは言った。そのために今度はアンテナとかそういうものは、加害者、要するに原因者である国鉄がつくるわけです。いまだつくってない場合の、要するにいままでの受信料というものはだれが責任を持つか、こういうことです。大臣、どうお思いになりますか。
  224. 齋藤義郎

    齋藤(義)政府委員 問題は二つになると思います。いままで正常に電波が到達しておった、ところか新幹線その他によって電波が妨害された、その原状回復の責任はどこにあるのかという問題と、そういうような電波の障害が起こった場合に、その障害の程度によりましては契約する必要があるのか、ないのかというような問題、あるいは契約する必要があるということになりました場合には、それは契約の責任者は受信機を設置した人になるわけでありますけれども、そういうような二つの面があると思います。したがって、原因者責任という形で国鉄が負担するのは、妨害した電波をもとに戻す、それは原因者の責任においてやっていただきたいということでございまして、契約とは一応別個の問題だと思います。
  225. 岡本富夫

    岡本委員 大臣、いまのに間違いありませんか。もう一ぺんあなたに、いまの局長答弁に間違いありませんか、はっきりしてください。
  226. 原田憲

    原田国務大臣 いまの局長の答弁のとおりだと思います。
  227. 岡本富夫

    岡本委員 そうしますと、もう一つ、新幹線の場合は原状復帰させる責任は国鉄にある、契約とは別だ、いまそうおっしゃった。そうしたら航空機の場合はどうですか。航空機の場合もちゃんと原状回復、これは飛行機を飛ばさないことですよ。そこで、減免しているじゃありませんか。答弁、おかしいじゃないですか。大臣どうですか。
  228. 原田憲

    原田国務大臣 それはいまの、完全に見られないという難視の問題としてつかまえて、それで減免をする、こういう措置をとっておるわけであります。
  229. 岡本富夫

    岡本委員 そうでしょう。まあ、あとで聞きますけれども、いまの局長答弁、この航空機の場合の減免しているといいますか、NHKに支払う金は、航空会社が出しておるのです、公害防止協会が出しておるのは。だから原因者が負担しておる。新幹線の場合はこれは契約者が払うのだ、ちょっとおかしいじゃないですか。いかがですか。
  230. 齋藤義郎

    齋藤(義)政府委員 飛行場の半減といいますか、受信料が減免されておりますのは、その基礎は、運輸省関係のいまの協会が支払っておるわけでございまして、これはNHKとは関係がないわけでございます。
  231. 岡本富夫

    岡本委員 NHKに対してその半額を減免しているわけでしょう。要するに契約者は半分払わなくていいのですよ。その半分は公害防止協会が原因者である航空会社から取って、それでNHKへ渡しているんですよ。新幹線の場合は契約者であるところの住民が全部払え、これはおかしいじゃないですか。いかがですが。
  232. 齋藤義郎

    齋藤(義)政府委員 新幹線の場合におきましては他に救済される手段があるわけでございますから、したがって、いろんな技術的な手段を用いても原状回復ということは可能でございますけれども、飛行場におきましては飛行場を閉鎖するか何かしないと原状回復ということにはいかないだろうと思います。したがいまして、飛行場につきましてはNHKはまるまる受信料をいただいておるわけでありますけれども、防止協会等から助成金が各家庭に出ている、いわば一種の迷惑料というようなかっこうになるわけでございます。
  233. 岡本富夫

    岡本委員 新幹線の場合はそういった対策があるから、だからいいんだ。じゃあ済んだ分はどうですか。対策を立ててないじゃないですか。そういうところの受信料というものは、これは対策を立ててないのと同じことじゃないですか。そうでしょう。もう済んだ分です。要するに、いままで不払いになって残っている分、それは対策を立ててないのですから。いかがですか、これから対策を立てるのと話が全然違うじゃないですか。
  234. 齋藤義郎

    齋藤(義)政府委員 確かに過渡的な問題が残るわけでございますけれども、国鉄側が負担するかどうかという問題は、やはり国鉄と住民側との話し合いによるものだと思います。ただ郵政省といたしましては、これの根本的な解決策として、東海道新幹線で申しますといま二万四千ばかりの被害が残されておるわけでございますけれども、これを一日も早く根本的にひとつ解消していただきたいということでございまして、いまある程度被害を受けているところの受信料を国鉄が肩がわりして払うことを、郵政省としては別に反対だということを言っているわけではございません。
  235. 岡本富夫

    岡本委員 だいぶ進んできましたから、それで大臣、この問題でいまこうやっても、あなたのほうで一ぺんにすぐ答えは出ないと思う。だからその期間を一カ月ぐらい残しますからね。その間にそういったきちっとしたものを原因者である国鉄それから運輸省、それから電波を監理するところの責任のある郵政省郵政大臣がこの中心になって、そして何かひとつまとめてもらわなければいかぬと思うのですよ。そういった一つの決定がなければ、私はいつまでたってもこの問題は解決しないと思うのです。問題が解決しないということは、ああ不払いがあったとかいろいろなことでがたがたして、住民が不安である。中央国家なんですから、特にお役人さんなんかいろいろ法律に合わせてきちっとつくるのはじょうずなんだから、どういうふうにするという方向をきちっと示すことが私は大事だと思うのですね。そうでなければ、これからずっと新幹線が博多まで行くというのですよ、またあそこらだっていろいろなことが起こるのですよ。世の中を騒がしている張本人は政府ですよ。だから、こういうふうになりますからこうだときちっとして、それで住民も納得する、こういうような方向をひとつ郵政大臣が示すべきだと私は思うのですが、その点いかがですか。
  236. 原田憲

    原田国務大臣 この難視聴の問題は、先ほどあなたがたが冒頭に言われましたように非常に複雑な問題がからんでおりますから、そこで難視聴のための調査会を設けて、政府機関が集まりまして協議をしておる、こういうことですから、できるだけ早くこのことの結論を出して、そしてあなたがおっしゃるように、この場合はこうだということが得られるように努力をしていきたいと思います。
  237. 岡本富夫

    岡本委員 これはおそくなればおそくなるほど問題が大きくなりますよ。だからひとつその点は極力早く、調査会の結論も必要でしょうけれども大臣、あなたそういった責任のがれをせずに、ぴしぴしと一つずつ解決していく。決断と実行というのは田中内閣のキャッチフレーズじゃないんですか。ちょいちょい独断と暴走もありますけれどもね。
  238. 原田憲

    原田国務大臣 あなたも御存じのように、私はそういうことについては責任のがれじゃなしに邁進をしてきておるつもりでございますから、できるだけ早い機会に御期待に沿い得るように努力をしていきたいと思います。
  239. 岡本富夫

    岡本委員 それから、ちょうど幸い国鉄来ておりますからお尋ねしますが、夜間作業ですね。テレビの難視聴の上にまた夜間作業で住民は非常に困っておる。みな頭にきておるわけですよ。だからあなたのほうで共同アンテナの話に行ったって解決しない。この夜間作業についてもう少しいい方法はないんですか。この点どういうふうにしますか。
  240. 尾関雅則

    ○尾関説明員 保線の夜間作業のことだと考えますけれども、いま大きな音で一番御迷惑をかけておりますのは発電機のエンジンの音でございます。それで、まずそれを普通の電源を引っぱってモーターで回すような、少し音の少ないようなものにすることをいま進めております。しかし本来線路の鉄と石を突き固めるわけでございますので、音を少なくするというのは非常にむずかしゅうございます。それで作業をする日にちと時間帯を地元と話し合って、語納得いただいた上でやらせていただくというようなことで対策を進めたいと思います。抜本的には、これは私の専門ではございませんけれども、バラスをなくしたコンクリートベッドにするとか、いろいろな方法も考えられると思いますが、これはいままでつくりましたところについてはまた相当な大工事になると思います。そのような方向で十分検討をさせていただきたいというふうに考えております。
  241. 岡本富夫

    岡本委員 この問題は、また公害委員会へでも来てもらって、こまかくやります。  最後にNHKに。いま、郵政省が難視聴の調査会を設置して、そしてこの結論はまだ出てないわけですがね。この中にはあなたのほうの高橋良さんですか、こういう人も入っておるわけです。ですから極力早く結論を出してもらって、それまで集金人が行ってトラブルを起こさないようにですね。あなたのほうではこういうビラをまいておるんですよね。NHK豊中営業所より一月二十六日付の発送で「新幹線によるテレビ等の障害はすべて原因者の責任と負担で解決しております」こういうパンフレットをまいているのです。それで集金人が行くわけですね。それでトラブルが起こっている。これはここの対策同盟の会長さんから、こういうことなんだから早くやれといって、磯崎国鉄総裁に四十八年の七月の九日に出ていますね。それまでは、ひとつこの調査会がはっきりするまでトラブルを起こさないようにしたほうがいいと思うのですが、その点いかがですか。
  242. 川原正人

    ○川原参考人 お話のように調査会には私どものほうの者も出席いたしまして、できるだけの御協力は申し上げていますし、一日も早くその結論が出ることを私ども期待はいたしております。  それからいま御指摘の豊中営業所の問題でございます。ビラのことまで詳細承知しておりませんでしたけれども、確かに現実に若干のトラブルは生じているのは私も承知しております。ただ協会の立場といたしましては、先ほど来るる申し上げておりますように、実際に受信機を設置してそれを利用されておられる受信者に対しては、やはりきちんと契約はしていただきたいし、受信料を払っていただかなければなりません。また私どもはそういたしませんと、全国の二千数百万の聴視者から受信料をいただいて事業を行なっておるわけでありますので、その負担の公平ということもございますので、トラブルをあえて起こすつもりはございませんけれども、そこはできるだけ聴視者の御理解、御納得を得てできるだけ円満に契約を結び、聴視料をいただくようにしたいという、ふうに考えております。
  243. 岡本富夫

    岡本委員 これは大臣、こんなことは初めて聞いたという顔をせずに、要するにNHKさんはあれに基づいてどんどん行くというわけだ。ところが来られたほうは、正常な電波でないから払わないとか払ったとか、がたがたやるわけですね。そういうことで絶えずそういったトラブル等、いろいろなものが起こっておるわけですよ。しかもこのきめ手については、どうするかということになるとあなたのほうで発足した調査会が結論を出すまではしかたがないんだ。その間あまり人騒がせなことをせずに何らかの手を打って、そしてきちっときまったら、それに基づいていろいろ対策もあろうと思いますが、いまNHKのほうは放送法ですか、これに基づいて行くわけですよ。行って、集金できないわけですよ。それでがたがたがたがたやっている。こんな人騒がせなことは、ひとつここで何とか考えたらどうですか、あなたのほうが主務官庁ですから。いろいろなどうするかというのを、それまでの金どうするかぐらいのことはあなたのほうで考えられるわけですよ。それもできなかったらこれはお話にならないと私思うのですが、いかがですか。
  244. 原田憲

    原田国務大臣 先ほど局長が言いましたように、いま難視聴を解消する、こういうことで一生懸命やっておる。いまできておるものを、その維持費、管理費というのはやはりその人たち出しておる、こういうのがいまの現状だろうと思う。それを、いま伺いますと、その問題だけでトラブルが起きておるんだ、こういう話ですから、私は、ひとつまずつくって、見られるということについて努力をこちらもしますから、そういう話を聞いたらひとつお願いしますということを申し上げたので、いま難視聴を解消するということについて一生懸命やっておりますから、そのあとの管理費の問題までどうするということについては極力努力をいたしますが、まず難視聴解消ということについて最大の努力をいたしていく。これはNHKの予算審議の際にも、国会の意思として、難視聴をなくするということと、それから聴視料をできるだけ努力をして集めろということで、私ども、そうすることによって今後の問題にも関連してきますから、一生懸命NHKにやれと、こう言っておりますから、問題点の解決のためには最大の努力をいたしますが、難視聴の解消ということについて話ができたら、まずその共同施設をつくるということにひとつ御努力を賜わりたい。いまほかのところではそういうことでやっているというんですから、そのことについて私のほうも問題点の解決のためには努力はいたしますけれども、その点だけはひとつよろしくお願いしたい。  それから難視聴問題の根本的な解決については、先ほど申し上げましたように、これは新幹線だけではなしに、都市問題、都市の中の建築問題、いろいろな問題がからんできておりますので、みなをひっぱり込んで私のほうで結論が出ることを急いでおりますので、どうぞ御了解賜わりたいと思います。
  245. 岡本富夫

    岡本委員 大臣、二点なんです、いま私が言っているのは。あなたは話をそらしましたが、現在まだそういった共同アンテナもできてない、そういうところに対して――それできちっとできたところはみな受信料を払いますよ、しかし、できてないところに対して、まだそういうところに対して計画はしておるらしい、国鉄とNHKで相談して計画はしておるらしいんですけれども、まだできてない。そこなんかは不払いを起こしたり、いろいろなことをやっているわけですよ。見れない、正常な電波か来てない、そういうところに対して集金人が行って、そこで、もらった、いやもらわぬといってがたがたがたがた言うのを、一応きちっとした調査会でそういった難視聴問題についてすべてのものがぴしっときまるまで、行かさないほうがいいと私は思うのですよ。それががたがたがたがたやっているわけですよ。これが一点。  それからもう一つは、共同アンテナをつくるについては、それはだれしも一日も早く見たい、ちゃんとしたい。しかし、そのあとの維持管理になると、これがはっきりしない。それでだれがどうするのだ、だれがどうするのだといろいろなことでがたがたがたがたやっているから、きちっとした答えが出てこない。この二点あるわけです。ですから、すでに共同アンテナができて、そうしてやっているところは、いろいろなところがありますよ。できて、払ってないところもあるだろうし、いまいろいろなところがあるわけですね。管理組合をつくって、みな集めているところもあるんです。もうこんなこと、何で私らしなければならぬなどとぶつぶつ言いながらやっているところもある。全然払ってないところもある。これについて、これは統一をきちっと早くしなければならないというのが、これはあなた先ほど言った。  それと、いままで不払いをして残してある受信料についてどうするか。こういうのは調査会でやるとしまして、いまほんとうに正常な電波が来なくてやっているところ、不払いを起こしているところへ集金人が行ったってもらえるわけないんですから、これをあなたのほうで指導して、そしてそれがきちっときまるまでは騒動を起こさない、こういうような指導ぐらい、あなたできるんじゃないですか、いかがですか。
  246. 原田憲

    原田国務大臣 それはもらいに行くなという指導をする前に、早く国鉄と話をつけて、地元と話して早くやれ、こういうことが先だ、私はそのように了解します。  それで、いまNHKの責任者も来てここで話しておりますから、できるだけトラブルを起こさないようにするということはつとめていくと思いますから、まず難視を解消するために、原因者であるところの国鉄側と、それから電波を送っておるNHK側とはよく話をきめて、早く、あなたいまおっしゃったように、できているところはもう文句なしにやってますよということですから、それができるように努力をするように督促をいたします。
  247. 岡本富夫

    岡本委員 大臣、その共同アンテナをつくるにつきまして、そのあとの維持管理はどうするかというようなものがきちっとしなければ、ここのところが解決せぬ限りは解決しないんですよ。あなた、もっと推進せいと言いますけれども、山陽新幹線でも初めのほうはそういうところまで考えずに、じゃ管理組合でもつくってやりましょう、あとのトラブルが――電気代集めたりいろいろなことをする、あるいは共聴アンテナの維持費、もしも風水害で倒れたりすると、それをどうするか、こういうことになってきますと、町内でやっておるわけですけれども、保険はかけなければならぬとか、一ぺんつけたらあとは知りませんよということですから、あとの維持費なんかどうするかとか管理費はどうするかということで、そういうことが次から次へとわかってきたわけですね。そういう点をあなたのほうで早くきちっとしてあげないと、国鉄のほうは何らかの指示があればそういうふうにいたしますと言っておるわけです。それをしないで、要するにおしりを押えずに、こうなんだということを押えないで、とにかく早くやるように督促だけやって、やっているんだということでは、これはうまくいかないと私は言っているのです。あなたはきょう初めてそれを聞いたというんだから、その結論については、今度調査会をもっと早く急がして、これはあなた、去年の六月ですから、二年間といいますと来年の六月じゃないですか。その間がたがたするのですよ。私は世の中はあまり騒がせたくないと思うのです。だからひとつその点と、それから集金に行くなという指導はできないといいますけれども、NHKのほうはあれによってどんどん来る。それでもたもたやっておる。こういうのはひとつあなたのほうでどうするかということをもう一度検討してください。きょうはテーマにしておきますから。また公害委員会に来てもらってこの結論をきちっと出しますから。いまその点は努力しますと言うけれども、どうもさいぜんの答えでは私は納得できない。これだけひとつ要求しまして、きょうは終わります。委員長どうもありがとうございました。      ――――◇―――――
  248. 廣瀬正雄

    廣瀬委員長 次に、簡易生命保険法の一部を改正する法律案及び簡易生命保険及び郵便年金積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案の両案を議題とし、審査に入ります。     ―――――――――――――
  249. 廣瀬正雄

    廣瀬委員長 順次、提案理由の説明を聴取いたします。郵政大臣原田憲君。
  250. 原田憲

    原田国務大臣 ただいま議題となりました簡易生命保険法の一部を改正する法律案及び簡易生命保険及び郵便年金積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。  まず簡易生命保険法の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。  この法律案は、簡易生命保険の保険金の最高制限額及び最低制限額を引き上げるとともに、保険金の倍額支払いをする場合にも剰余金を分配することとするほか、割増金付簡易生命保険の取り扱いをすることができるようにするものであります。  まず、保険金の最高制限額の引き上げについて申し上げます。  現在、保険金の最高額は被保険者一人につき三百万円に制限されておりますが、最近における社会経済情勢の推移と保険需要の動向を考えまして、国民経済生活の安定を確保する制度としての機能を十分に発揮することができるよう、これを五百万円に引き上げようとするものであります。  次に、保険金の最低制限額の引き上げについて申し上げます。  現在、保険金の最低額は保険契約一件につき十万円となっておりますが、最近の経済事情のもとにおきましては、十万円の金額では生命保険として低きに過ぎるものと考えられますので、これを二十万円に引き上げようとするものであります。  次に、保険金の倍額支払いをする場合に剰余金を分配することについて申し上げます。  現在、保険契約締結後二年を経過した後に被保険者が不慮の事故等により死亡した場合は、保険金の倍額支払いをし、剰余金は分配しておりませんが、加入者に対する保障内容充実をはかるため、この場合にも剰余金を分配しようとするものであります。  最後に、割増金付簡易生命保険の取り扱いをすることについて申し上げます。  最近の経済情勢にかんがみまして、総需要抑制措置の一環として、貯蓄の増強に資するため、昭和五十一年三月三十一日までの臨時の措置として、簡易生命保険にくじ引きにより割り増し金をつける取り扱いをすることができるようにしようとするものであります。  なお、この法律案の施行期日は、保険金の最高制限額引き上げにつきましては、定期保険は本年十月一日、その他の保険は昭和五十年四月一日から、保険金の最低制限額引き上げにつきましては本年十月一日から、その他につきましては本年五月一日からといたしております。  次に、簡易生命保険及び郵便年金積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。  この法律案は、簡易生命保険及び郵便年金の積み立て金の運用利回りの向上をはかり、もって、簡易保険加入者の利益の増進を期するため、積み立て金の運用範囲を拡大するとともに、金融債及び社債の保有限度ワクを拡大しようとするものであります。  まず、運用範囲の拡大について申し上げます。  現在、利回りの高い事業社債に対する運用は、電力債のみに限られておりますが、これを社債一般にまで拡大し、その具体的な範囲は政令で定めようとするものであります。  次に、保有限度ワクの拡大について申し上げます。  現在、利回りの高い金融債及び電力債の保有限度ワクは、それぞれ積み立て金の百分の十、百分の五となっておりますが、これを、金融債については積み立て金の百分の二十に、従来の電力債を含めた社債については積み立て金の百分の十に拡大しようとするものであります。  なお、この法律案の施行期日は、公布の日からといたしております。  以上が、これらの法律案の提案の理由であります。  何とぞ、十分に御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
  251. 廣瀬正雄

    廣瀬委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。  両案に対する質疑は後日に譲ることといたします。  次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時二十六分散会