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長谷川(正)
委員 各
大臣、政務次官からの御答弁によりますと、教育に関しましては、万全とまではいかないにしても、きわめて積極的な処置をして不安のないようにするという意味の御答弁でございます。
福田大蔵大臣が
大臣に御就任になって、テレビのインタビューでたしか開口一番、御自分の地元の義務教育の学校がもう建たなくなっておるようだ、こういうことをおっしゃっておったのを伺いまして、新
大蔵大臣は十分教育の危機を身をもって把握をされておるな。——しかし、それが施策の上に生きなければ、これは何にもなりません。いまのそれぞれの御答弁を伺いますと、私が申し上げたことはたいへん誇張した言い方を申したようなふうになりますけれども、せっかくそういう方向で御努力なさろうとしておることは認めます。しかし、
事態は、しかく甘くそのとおりなっていると
考えると間違いである、非常な困難がいま地方自治体に出ておる、こういうことを重ねて強く申し上げなければならないと思います。文部
大臣は、九月、十月の段階ですかの調査で、例年に比べてそう遜色ない進捗をしておる、学校の建築の契約等も進んでおるようなお話でございましたけれども、しかし、実際東京都下のほんの二、三の自治体に私が当たってみましても、
事態はなかなか深刻であります。
ちょっと一例を申し上げますと、たとえば日野市というのがございます。日野市では、四十八年度建設予定の小学校用地、これは予算が議会を通るまでにもずいぶんな議論があったようでありますが、このほどようやくそれが通ったという段階で、いよいよ土地を入手する段階ではまだまだ話がつきかねて非常な困難をしておる。そのために四月開校予定のその学校が、隣接の民有地をとりあえず借りて、そうしてそこにプレハブを建てて、ともかくそういう子供を押し込んで、かっこうだけは学校が発足したというかっこうで進む以外にない。まあ順調にいって九月ころには本校舎の開校ができればよいがなあというところでありますけれども、それすら非常にまだ不安定だというのが現状であります。この間の子供、特に父母の不安というものはまことに大きいものがありまして、この予算が先般議会を通過するときでも、その傍聴席はもう埋め尽くされておる、こういう
状態であります。予算が通ったからすぐ実現するということではなくて、これから敷地の問題——敷地はまあめどがついておるようでありますけれども、この資材、特に生コンとか鋼材の入手難というのは依然として深刻なようでありまして、いま皆さんがお話しのほど
事態が楽観的でないということを強く申し上げざるを得ません。
また府中市というところ、ここは比較的校舎増築がよくいっておりますけれども、国分寺市におきましては新築一校、増築二校、体育館二校がことしの予定でありましたけれども、このうち増築一校と体育館一校はとうとう値段の点で業者との折り合いがつかず、いまだに入札ができず、本年度の建設は見送らざるを得ない。そうすると、いままである学校の校庭をすっかりつぶして、そこにプレハブを建てて一時子供を収容する、こういうふうにしか
事態の乗り切り策はない、こういう
状態が出ておるのであります。
これはほんの一、二でありますけれども、特に大都市周辺の人口急増の地区では、こういう状況がむしろ一般的
状態として広がっている、私はこういうふうに
考えますので、さらに十分正確な把握をされて、万全の対処をされるように強く要望いたします。関係各
大臣の
協力で、この問題がともかく曲がりなりにも解決するようにしていただきたい。
それから学校給食の問題についても、小麦粉は三月まで据え置き、こういったようなことの措置はとられたようでありますが、
現実に個々の学校へ参って調べてみますと、やはり
事態はなかなか深刻であります。府中市におきましては、この十一月、給食の諸費用の高騰のために約二二%の
値上げをいたしました。また給食用の重油についても、一月までは確保できているけれども、それから以降はいまのところ全くやみである、こういうことが報告されておるのであります。また、日野市におきましては九月に
値上げをしたばかりでありますけれども、この物価の高騰の中でカロリーがどんどん落ちていく、そして年度内はともかく、来年四月以降は全くお先まっ暗だというのが学校給食の現状であります。
暖房にいたしましても、これは都市ガス等を使っているところは非常にいいのでありますけれども、たとえば日野市について見ますと、暖房用の重油が値上がりで非常に苦労をいたしております。
また、用紙の問題についても、業者の理解によって確保していると申されましたけれども、実際に使っておる日野市の例を
一つだけ申し上げますと、トイレットペーパーが約三倍の値上がり、ざら紙が三倍、画用紙その他は五倍からはなはだしいものは十倍の値上がりになっておる。一応各市町村が学用品としての用紙等については年度内を一括買っておりますので、三月まではほぼめどがついておりますが、それも途中で契約を変更して、さらに
値上げをしてやらなければ品物が入らない、こういう
状態が出ておるのであります。
したがいまして、もう一ぺん総括的に申しますと、いま関係各
大臣、政務次官からの言明は、そのようにぜひ実現に努力していただかなければなりませんけれども、
現実にはいま報告申し上げたような
状態であることを銘記されまして万全を期していただきたい、このことを申し上げまして、私の質問を終わります。