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加藤(清二)
委員 お許しを得まして、ただいま保岡さんの
質問に関連して、二、三点だけ御
質問を申し上げたいと存じます。
保岡さんの
伝統工芸を守りたい、郷土の
産業を守りたいという切々たる訴え、私、感激して聞いておりましたのですが、実はこのことは、かく申し上げておりまする私が、本
委員会で何度申し上げたかわからないことなんです。同時に
予算委員会でも、韓国に対して、有償無償八億ドル、プラス四億ドルの補償が行なわれるときに、あの時点において何度もこのことは警告を発しておいたことなんです。同時に、その当時の大臣は、すべて口をそろえて、ごもっともでございまするから、これに対して適当な処置をいたしますとお答えになっている。しかし、その後一度も対策は立てられておりません。
そのゆえにこそ、大島もさることながら、しぼりのごときは、もう
全国消費の八割は韓国ものに化けてしまっておる。
京都の西陣がまたしかりなんです。つむぎの場合も村山はつぶれたという。田中総理大臣の郷里の十日町のつむぎもそうなんです。結城のつむぎもまたしかりなんです。ほとんど壊滅寸前になっている。したがって、私は要点として、第一、いま保岡さんからも
提案がありました関税の問題、第二、数量制限の問題、第三、産出国の明示、この三つについて何度も申し上げたのです。特に数量制限に至っては、アメリカが日本の繊維を制限するということをのまざるを得ないとするならば、その道理がよろしいとするならば、返す刀で発展途上国から追い上げてきている日本への輸入を同じ原理でもって制限をすべきであるということを宮澤
通産大臣、田中
通産大臣にもちゃんと申し入れがしてある。書面をもって申し入れがしてある。努力いたしますとお答えになっている。いまだにそれが行なわれていない。国籍を明らかにする問題については、もう公取の
委員長が何代もかわりました。何代も前から同じことを言われておる。
しからば、せめて日本のしぼりや日本の大島の反末に、これが本物の日本ものであるという表示をしてはいかがかという
提案をしたところ、それが独禁法に触れるからいけないということで、名古屋の公取の出張所はこれを禁止した。そういうばかげたことはあり得ないと、この席で再
質問に立ちましたところ、ごもっともでございまするから、検討し、努力しというお答えがあったままになっておる。
なぜ私は国籍を明らかにしなければならないかといえば、いま保岡さんからも話がありましたが、デパートではうその表示をしている。公取、よく聞いてもらいたい。その証拠を申し上げましょう。たとえば韓国しぼり、日本オール消費の約八割は韓国ものです。韓国産と表示のしてあるしぼりがデパートで一個でも売られておりますか。私はここへ実物を持ってきて見せて、さあ区別してごらんなさいというところまでやったのです。公取の
委員長さえ区別ができない。
通産大臣でさえ区別ができない。消費者が区別できるはずがない。うそのものが売られていることは、朝鮮ノリ、これと同じことなんです。日本ものに化けておる。したがって結果はどうか。消費者がにせものをかまされて、質のよろしい日本しぼりや日本つむぎの評判までが悪くなっておる、こういう事実がある。
もう一度念を押しておきます。輸入商だけがもうけて、はっきりいえば、二社五綿、伊藤忠、丸紅、江商、岩井
産業等々がもうけて、
国民がにせものをかまされて、いまや育てなければならぬといっている日本の
伝統産業が壊滅に瀕している。この具体的事実はきのうきょうではございません。しぼりはもう十年も前から始まっている。次が西陣です。次が大島なんです。大島ももう村山はつぶれました。こういう具体的事実をつかんでも、なお
政府、公取はそれについて適当な処置ができないとなれば、怠慢以外の何ものでもない。したがって、もう一度申し上げます。関税の問題、数量制限の問題、国籍を明らかにする問題等々について、検討を進めた結果、でき得るならば今
国会中に御答弁を願いたい。
以上です。