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1973-12-19 第72回国会 衆議院 交通安全対策特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十八年十二月十九日(水曜日)     午前十時十八分開議  出席委員    委員長 勝澤 芳雄君   理事 小此木彦三郎君 理事 大竹 太郎君    理事 斉藤滋与史君 理事 中村 弘海君    理事 野中 英二君 理事 井上  泉君    理事 野坂 浩賢君 理事 紺野与次郎君       越智 通雄君    片岡 清一君       佐藤 守良君    野田  毅君       板川 正吾君    太田 一夫君       久保 三郎君    平田 藤吉君       沖本 泰幸君    渡辺 武三君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 徳永 正利君         国 務 大 臣         (総理府総務長         官)      小坂徳三郎君         国 務 大 臣         (国家公安委員         会委員長)   町村 金五君  出席政府委員         内閣総理大臣官         房交通安全対策         室長      秋山  進君         警察庁交通局長 渡部 正郎君         運輸政務次官  増岡 博之君         運輸省海運局長 薗村 泰彦君         運輸省船員局長 住田 俊一君         運輸省自動車局         長       中村 大造君  委員外出席者         大蔵省銀行局保         険部長     安井  誠君         通商産業省機械         情報産業局自動         車課長     中村 泰男君         運輸省自動車局         業務部長    真島  健君         海上保安庁警備         救難部長    船谷 近夫君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  交通安全対策に関する件      ――――◇―――――
  2. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員長 これより会議を開きます。  交通安全対策に関する件について調査を進めます。  この際、町村国家公安委員長徳永運輸大臣増岡運輸政務次官からそれぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。町村国家公安委員長
  3. 町村金五

    町村国務大臣 過般、国家公安委員長を命ぜられました町村でございます。  たいへん不行き届きの者でございますけれども懸命に努力をしてまいりたいと存じておりますので、今後とも格別の御指導、御協力をお願い申し上げます。
  4. 勝澤芳雄

  5. 徳永正利

    徳永国務大臣 このたび運輸大臣を拝命いたしました徳永でございます。  申すまでもなく、安全で公害のない交通環境を確立することは、運輸行政の基本でありまして、私は、現在の経済情勢のもとにおきましても、安全、公害対策につきましては、これを最優先的かつ最重点的に実施してまいる所存でございます。陸海空にわたる具体的な対策に全力をあげて取り組んでまいりたいと考えております。また、最近のエネルギー不足はわが国の交通部門に対しても深刻な影響を及ぼしつつあります。  私は、このような事態に対処して、日常生活に不可欠な旅客の輸送及び国民生活上必要な物資の円滑な輸送を行なうため、必要なエネルギーの確保に特段の努力を払うとともに、不要不急輸送需要の抑制につとめ、国民生活への影響を最小限にとどめる決意であります。  今後、困難な運輸行政を推進してまいりますには、どうしても委員皆さま方の絶大なる御支援を必要といたすのでございますが、誠心誠意一生懸命にやってまいりたいと思います。今後一そうの御指導と御鞭撻を心からお願い申し上げます。(拍手
  6. 勝澤芳雄

  7. 増岡博之

    増岡政府委員 このたび運輸政務次官を拝命いたしました増岡でございます。  ただいま大臣からのお話にございますように、時局はまことに重大でございます。運輸行政に課せられました責任も重かつ大であると思います。  私、生来不敏でございますけれども、一生懸命やってまいりたいと存じますので、委員長以下諸先生の御指導をよろしくお願いを申し上げる次第でございます。(拍手
  8. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員長 質疑の申し出がありますから、順次これを許します。片岡清一君。
  9. 片岡清一

    片岡委員 私に与えられておる時間があまりございませんので、できるだけ……。  ことしの三月の二十三日に英国リバプール港外にあるライナスポイントに仮泊しておりました川崎汽船の「ていむず丸」の船上から三等航海士が転落して殉職を遂げたという事件につきまして、前に私が運輸当局に対していろいろ御質問を申し上げたのでございますが、そのときも十分意を尽くさなかったのでございます。ところが、その後、この殉職した渡辺三等航海士の父親、母親及び弟の次男の三人が現地に行きまして、自分の長男の霊を弔いするとともに、殉職当時の状況を見ておった人、あるいは海岸から双眼鏡でのぞいて見ておったという人、あるいはまた水先案内として頼まれた人、そしてその「ていむず丸」に乗り込んで水先案内をした、そういう人たちからいろいろ現地事情を聴取をいたしまして、親として、いろいろいままでの会社報告その他について納得のいかない点が多いということで、いろいろ私のほうへ話がございました。私もその話を聞きまして、どうも遠い海外の土地で、海上で起こったことでございますので、これは実際の原因その他が、どういうことでそうなったのかということについて、なかなか把握することが困難であるということは十分わかるのでありますが、したがって、一方的に船長報告というものが基準になって、それがいかにも真実であるかのごとく取り扱われておるというところに、現地に行って見聞きした親としてはやはりそこに納得のいかぬものが出てくるのは、これはやむを得ないと思うのでございます。しかしこれについて、この間から運輸省当局の方々の話を聞きますと、いろいろ海上保安庁並びに船員局において船員労務官の手において、いわゆる船員労働安全衛生規則違反事項として捜査並びに調査を進めておられるという話をお聞きしたのでございますが、いままでの調査の結果どういうふうになっておるのか、ひとつその状況をお聞かせいただきたいと思います。船員局長、それから海上保安庁長官も見えておるようでございますので、情勢をお聞きできたらお聞きしたいと思います。
  10. 住田俊一

    住田政府委員 船員局長住田でございます。  ただいま片岡先生からお話ございましたように、本件は御承知のように、本年の三月二十三日に英国リバプール港におきまして停泊中におきまして、船尾の喫水を読む作業でございますね、これにたまたま従事していた方が海中に墜落した、こういう事件でございます。当時の状況によりますると、さっそく救命浮環を投下したり、あるいは救命艇を配置いたしまして鋭意捜索に当たったのでございますが、遺憾ながら行くえ不明になった、こういうわけでございまして、御家族の方に対しまして衷心より私どもといたしましても哀悼の意を表する次第でございます。  さて、運輸省といたしましてどういうようなことをなさったかという御質問でございます。  これにつきましては、御承知のようにいま先生がおっしゃいました船員労働安全衛生規則というのがございます。この規則によりますれば、この五十二条に、船舶所有者はこのような舷外作業に従事する者には救命胴衣を使用させなくちゃいけない、こういう規定がございます。当時こういったことがはたしてなされておったかどうか、こういうことにつきまして、現在まで神戸海運局労務官において鋭意捜査に当たらせた次第でございます。  その結果、明らかにこういったいまの船員労働安全衛生規則違反をしておるという事実が判明いたしておりますので、それに基づきまして船員法の八十一条とこの安全規則の五十二条違反、こういう事実によりまして、去る十二月十七日に船舶所有者である川崎汽船と、それから当該船舶一等航海士書類送検をした、こういう状況でございます。  さらに、運輸省といたしまして、こういったような事件は非常に遺憾なことでございます。そこで、こういった事故再発をぜひとも防がなくちゃいけない、こういうわけで、去る四十八年の八月二十四日に船員局長名におきまして次のような通達を出した次第でございます。すなわち「げん外作業に伴う事故防止について」という題でございまして、たまたま先生のおっしゃいましたこの事件を契機といたしまして、このような事件、が二度とないように、そういうことを中心に、このような作業をする場合には次の措置をとるようにという内容を盛ったものでございます。  すなわち第一点は、この安全規則の五十二条の所定の措置を十分に励行するということが第一点でございます。  それから第二点は、この作業所付近救命浮環等を準備する等、事故の際に直ちに救助できる、こういう体制を整えなくちゃいけない、こういう点が第二点でございます。  それから第三点は、救命胴衣だとかあるいは命綱、こういったものを、使用する用具は事前に十分に点検するように、こういうような三つの内容を持った通達を去る八月二十四日に出しました。そういうことによって各船会社にも通達をし、事故再発を防ぐように努力をしておると同時に、また船舶に流すニュースがございまして、この放送によりまして、各船舶にこういったことがないようにということを十分に徹底しておる、こういう状況でございます。よろしくお願いいたします。
  11. 片岡清一

    片岡委員 海上保安庁長官がおられないようですから、警備救難部長でよろしゅうございます。
  12. 船谷近夫

    船谷説明員 海上保安庁がこの事件を最初に知りましたのは、五月十四日川崎汽船からの報告によるものであります。当庁としましては、犯罪があるかどうか、あるいはまたその当時は事故過失の線がどうだろうかという疑問を持ちましたが、ともかく本船が五月の十九日に千葉へ入港いたしました。そこで、神戸海上保安部が担当いたしますけれども千葉のほうに捜査嘱託いたしまして、捜査を開始いたしました。そして引き続き関係者について捜査を続行しております。大体終わりましたが、若干の事務がまだ残っております。海運局といたしましては今月の十七日に送検されましたが、船員労働安全衛生規則違反ということで、刑法上の業務上の過失致死事件として、来年早々には送致する予定にしております。
  13. 片岡清一

    片岡委員 ただいまの御説明によりますと、船員労働安全衛生規則の五十二条の違反行為ということで、海上保安庁並びに船員局でお調べになっておるということでございますが、私がこの両親の話を聞きまして、両親現地において当時の状況を聞いてきたことによりますと、私は、この規則の五十二条の違反というよりも、むしろ五十一条の違反になるのではないかという点が考えられるのであります。  それはどういうことかといいますと、御存じのように五十一条の第二項でございます。第二項に「船舶所有者は、船体動揺又は風速が著しく大である場合は、緊急の場合を除き、前項作業を行なわせてはならない。」こういうことになっております。  要するに、その当時の海の気象、波の状況、そういうものが、風速その他からどういう状況であったかということであります。当地英国の気象台の調査をいたしましたところによると、大体風速が十八ノットから十九ノットの強さであった、そういうことから、船のほうの専門語では大体四グレードの強さであったということがいわれておるのでございます。この点については、その両親のほうの調査報告も、風速においてやや違うところがございますが、大体同じだ、こう認定できるのでございますが、しかし現場に行ってみますと、この四グレード風速というのは相当な強さである。当時は波の高さが大体一・五メートルから二・五メートルの高さであったということを、当時目撃しておった人たちが証言いたしておるわけでございます。  大体、このライナスポイントというのはたいへん波の荒いところで、しかも非常に危険な水域であるというふうにいわれておって、日本の船はいままであまりこのリバプール港には長い間入っていない。ここへ入る場合はやはり水先案内注意深い案内がなければなかなか入港が困難であるとさえいわれておるところだということでございます。したがって、当日は確かに二メートル五十センチ、一メートル五十センチという大きな波があって、相当白い波はだを見せておったということでございまして、当地人たちは、ああいうときにはこれはやはりそんな船外仕事をさせるべきでないのだ、ことにその証言をしておる人は、自分は長い間船に乗って仕事をしておるのでよくわかるのだが、そういう状態からいうと、これは確かにああいう状態において喫水線の測定を命ずるということは無理だ、こういうことを証言しておるようでございます。  したがいまして、この五十二条に違反することはもちろんでありますが、この五十一条の二項による、船外仕事をさせるべきでないという状況において一等航海士が三等航海士渡辺君に命令したという疑いが、私は相当濃いのでございます。私は、川崎汽船責任者からいろいろ話を聞きますと、それは当時そういう風があったにしても、ライナスポイントというところはどこか山の陰になるところで、したがって外側にはそれくらいの風が吹いておっても、船そのものはその山陰にあるので、そうたいした動揺をしていないというふうに思うのだという説明を聞いたのでございますが、この両親が行って調べたところによりますと、これは山は全然ございません。平地で、ほんとうに風が吹けばそのまま吹きさらしで船に影響する、こういうことだそうであります。したがって私は、この四グレードの高波のときにそういうことを命じた、しかも本人は出番でなかったときに特に命ぜられて行ったということ、それらのことを考えますと、どうもこの船長なり一等航海士が命令をしたのは業務上の非常に大きな過失である、そういうことがいえると思うのでありますが、海上保安庁捜査ではその点はどういうふうにお考えになりますか。もちろん、いまお調べになっておる見張りを立てなかったとか、あるいは救命胴衣をつけさせなかったというような点については、これは本人の若干の、何といいますか、そんなことはたいしたことはないということで、自分から注意をして救命胴衣をつけなかったということもありましょうが、少なくともそういう危険なときに仕事をさす場合には、それ相当の注意力、安全に対する注意を喚起した上でやるべきでなかったか。そういうことについて非常になおざりになっておる、こういうふうに私は思うのでありまして、海上保安庁捜査の結果はどういうふうにそれを見ておられますか。あるいは船員局長でもよろしゅうございますが……。
  14. 住田俊一

    住田政府委員 お答え申し上げます。  ただいま先生がおっしゃいました船員労働安全衛生規則の五十一条によりますれば、いわゆる高いところでございますね、ここにおきまする作業について規定されておりまして、この規則の第二項によりますれば、「船舶所有者は、船体動揺又は風速が著しく大である場合は、緊急の場合を除き、」これらの「前項作業を行なわせてはならない。」こういう規定がございます。同時に五十二条の二項におきましても、この作業規定が準用されております。  さて問題は、先生が御指摘のように、はたしてどのような天候であり、また風力がどの程度であったか、こういうことに問題があると思いますが、先生がいま御指摘の当時の天候というものは、風力四ということでございました。これについては風速が五・五ないし八メートルという程度になるということになります。これにつきまして、私ども、このような程度ではたして喫水読み取り作業に特に危険を及ぼすかどうかということにつきまして、鋭意シーメンの方あるいは海上保安庁の方と討議をしたわけでございますが、この程度であれば喫水読み取り作業は特に危険がない、こういうような考え方が非常に多うございました。そういうことによりまして、私どもといたしましては、この五十一条違反というふうには考えてないのでございまして、むしろ先ほどお話しいたしましたように、この五十二条のほうにおきまして、救命胴衣の着用とかあるいは看視員の配置といったような危険防止措置を講じていなかった、こういった点におきまして、私どもといたしましては、船員法の八十一条と、それからこの五十二条違反ということで、先ほどお話しいたしましたように書類送検をした、こういう次第でございます。
  15. 片岡清一

    片岡委員 この点はやや水かけ論になると思いますので、調査の結果そういうことであれば、一応納得することにいたします。  その次の問題でちょっとお聞きいたしたいのは、「ていむず丸」についておった救命ボートを出す機械グラビティーダビット式という動力でおりる装置がついておったということでございます。これは大体普通おろしますと二十分から三十分くらいかかる、こういうことをいわれておるのが、船長報告書には十五分でおろした、こういうことになっておるのは少し常識をはずれているのではないか。したがって、その報告が若干疑わしいのではないかということとあわせまして、両親船員のほかの人にいろいろ話を聞いてみると、あのときは救命ボートをおろすのにいろいろ意見が分かれて、ごたごたして一時間くらいかかった、こういうことがいわれておるのでありますが、この点について調査のほうはどういう結果になっておりますか、お聞きしたいと思います。
  16. 船谷近夫

    船谷説明員 グラビティーダビットの構造につきましては特に御説明申し上げませんが、このダビットの仕様では、上げるときには電力を使いますが、ボートをおろすときには、ストッパーをかけてあります。いわばブレーキですが、そのブレーキをゆるめることによって重力でおりていきます。普通はボートにはカバーをかけ、そして動かないようにラッシングをしてございます。緊急時には全部といっていいくらい船員カバーロープも刃物で切って、すぐボートが出るように措置をいたします。当庁の捜査段階一等航海士供述によりますと、そのときもなたでロープを切り、そしてカバーを切ったと申しております。そういう作業をいたしますと、大体始めまして、あの甲板から五・五メートルの高さであったわけですが、そういう状況であれば、おり出してから約三分くらいで水面に着くというふうに考えられます。おろし始めてからの時間でございます。それまでにいま言ったような作業をいたします。ということを考えますと、急いでやれば、供述されておる十五分後にはおろしたという点は、十分可能な時間だと判断されます。
  17. 片岡清一

    片岡委員 ちょっと時間超過ですが、事人命に関することですので、お許しをいただきたいと思います。  もう一つお願いいたしたいのは、本人が落ちたときは、とにかく泳いでおったわけです。これは泳いでおったのを見たわけです。どういう原因で落ちたかわかりませんが、海の男ですから、水温がかなり低いにしても、落ちたとたんに心臓麻痺ですぐずぶずぶと海底にもぐったということでなしに、泳いでおったことが事実とすれば、私はボートが十五分くらいでおろされたら、その間の二十分、三十分くらいは海の男が海に泳いでおる状況において救命できたと思うのですが、その点はどういうふうにお考えになりますか。
  18. 船谷近夫

    船谷説明員 当時の水温は六度であったそうですが、それによりますと、従来の考え方、いろいろの実験値がございますが、最大一時間は生きておれる。しかし、当庁の職員が海に落ちて死んだ事例もございます。これくらいの水温で十五分間しか生きてなかったという事例もございます。
  19. 片岡清一

    片岡委員 もう時間がありませんので、最後に一つ聞きます。  結局落ちたときに、なわばしごとともに落ちているわけですが、このなわばしごがどうしてはずれたのか。とにかく切れておらぬことは事実のようでございます。したがって、はしごのかけ方がどういうふうな状態においてはずれたか、どうしたのかよくそれがわからないのですが、調査の結果、海上保安庁においてはどういうふうな認定をされておるのか、その点ちょっとお伺いしたいと思います。
  20. 船谷近夫

    船谷説明員 普通ジャコブス・ラダーをおろす場合、その固定する方法としましては、舷外外舷に沿ってハンドレールがございますが、そのスタンションに普通縛りつけます。あるいは船舶を係留する場合に、大きいロープを縛りますためのボラードヘッドというものがございますが、それに縛りつけたりいたします。あるいは非常に雑なことをやるということを考えますと、空気抜き管甲板に出ておりますが、それにちょっとひっかけるというようなやり方でもできぬことはございません。しかしながら船外に出て自分の命を託す場合に、船員としましては、普通そのようなことはおそらく絶対にやらないと考えられます。したがって、ジャコブス・ラダーの末端のロープを、いま一等航海士供述によりますとこのスタンションに結んだ、それが普通であるというふうに申しております。しかしながら、二等機関士がその直後にその付近におりまして、がらがらという音を聞いたというようなことで、走っていって浮いておるのを見たわけですが、そのときに確認をしてなかったようです、そういったことに注意をする立場の人でないために。ということで、これは想像にすぎませんですが、とにかくスタンションに縛りつけておったであろうけれども、それが結び方がどうかして解けたのではなかろうかという想像でございます。と申しますのは、甲板上にもあと何も残ってなかった。すなわち、切れたとかいうようなことも推定をするような何ものも残っておりません。それからまた、千葉へ入りましたときにその付近の写真もとってございますけれども、特別の傷あともないというような状況でございます。
  21. 片岡清一

    片岡委員 ちょっとその点について、十二月の五日に船長並びに小川一等航海士が初めて弔問に来ましたときに、その問題について家族がいろいろ言いましたところが、そういう言い方でなしに妙な言い方をしておるわけです。それは先般、川崎汽船の船で労務官川崎汽船の係員が立ち会いのもとで各種各様実験をしてみたのであるが、結局きめ手がなかった。そうなると、本人の手にあるジャコブのはしごが何らかの拍子に抜けて海に落ちた、それでびっくりしてそれを拾おうとして海に落ちたんではないかというようなことを言うたというのですが、これは親がいまいろいろ考えて迷っておるのに、さらにこういう妙なことを言うものだから、いまお話のあったような点でいろいろの点が考えられるがということできまっておれば、それでずっとそういう説明をしておるならそれで話はわかるのですが、何かしょっちゅうあいまいなことを言うという点で、一そう両親はどうしてこうなったのかということに非常な疑いを持っておるということであります。しかしこれはなかなか真相をきわめることはむずかしいと思いますので、私はこれ以上追及はいたしません。  そこで最後に、みな申し上げたいのは、この事件は、当然安全衛生規則労務管理の上のミスであるということでこれを捜査をされると同時に、先ほど申しましたように、川崎汽船が安全の点について不十分な点が非常にある、平素から救命艇をおろす練習もあまりやっておらぬ、いろんな点において非常にルーズである、私はこういうふうに思うのでありますが、そういう結果からこういうことが出てきたんじゃないかという疑いも持たれるわけであります。その意味においてこの事件は、私はやはり刑法上の二百十一条の業務過失致死という問題があると思いますが、これは先ほどもちょっとお話を聞きましたが、規則違反刑法上の違反と両方を捜査しておられるのでしょうか。その点を最後にお返事を願いたいんですが……。  それで、私は要するにこれはたいへん悲しいことでありまして、こういう事件が二度と再び起きてはならぬ、こういうふうに思いますので、今後ひとつかようなことのないように――まあ八月にすでに通告をしておられるようでございますが、船員局としてはこの安全規則の一そうの励行をやかましく会社のほうに御指導を願いたい、こういうことを最後に申し上げまして質問を終わりますが、いまの点もう一ぺん確かめておきたいので、両方ともの違反としてやっておられるのか、その点をお願いしたいと思います。
  22. 船谷近夫

    船谷説明員 先ほども申し上げましたように、船員局といたしましては、この十七日送致されました、それは労安則の違反として。当庁といたしましては、刑法上の業務過失致死疑いがあるということで送致する予定にしております。
  23. 片岡清一

    片岡委員 終わります。
  24. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員長 この際、小坂総理府総務長官から発言を求められております。これを許します。小坂総務長官。
  25. 小坂徳三郎

    ○小坂国務大臣 このたび総理府総務長官を拝命いたしました小坂徳三郎でございます。  総合交通安全推進のたいへん重要なお役目をお引き受け申し上げたわけでございますが、たいへん非才なものでございますので、今後本委員会の委員長をはじめ委員の皆さま方の特に強い御指導を心からお願い申し上げます。私も全力を傾けてこの大任に当たってまいりたいと考えております。今後よろしくお願い申し上げます。(拍手
  26. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員長 質疑を続行いたします。井上泉君。
  27. 井上泉

    ○井上(泉)委員 いま総務長官のあいさつを聞いて、ひょっと一総務長官、原稿を見てあいさつするだろうか、こう思いましたけれども、きわめて簡単なあいさつであったし、原稿も見ずにやっておるわけでありまして、それだけ何か総務長官としても型を破った、交通安全に取り組む姿勢があるのではないかという感じを、私はいま抱いたわけであります。しかし、あなたが就任のあいさつのときに、私ども新聞あるいはテレビでいろいろ聞く中で、交通安全に対することが一言も述べられなかったことに非常に不満を持って、総理府の長官になれば、今日これだけ交通安全の問題がやかましいのに、それくらいの認識があってしかるべきである。ましてや官僚出身でもないのに、それくらいのことがないとこれは困るな、こういうふうに実は内心不満を持っておったわけでありますが、ひとつ馬力をかけてやっていただきたいと思います。  ところで、今日の交通安全対策、石油危機の問題が連日の新聞紙上を大きくにぎわす中で、何かしら、交通事故のことがほんの小さい活字の中で扱われておる。これが半年くらい前は、毎日交通事故の悲惨な記事の載ってないことはなかったわけです。この年末年始の石油危機の中でもやはり交通の繁雑な状態があるわけですが、その中で総理府としては年末年始の交通安全対策はどういうふうなことに重点を置いて御指導なさるおつもりであるか。その点総務長官にまだその案がないとするなら、秋山交通安全対策室長でもけっこうですから、御見解を承りたいと思います。
  28. 小坂徳三郎

    ○小坂国務大臣 私、交通安全に関しまして非常に重大なことだと考えておる者の一人でございます。十二月十六日までですでに死者が一万四千名に達しておりますし、負傷者は何と八十万人になっておるわけでございます。これは異常な事態であるということはもう指摘されるまでもないことでございまして、こうした事態がこの日本の社会にただ横行しているということをほっておいては、これはたいへんなことだと考えております。  先ほども指摘ございましたが、就任のときに交通安全のことに触れなかったのは、実はなりたての新米でございまして、上がっちゃって言い忘れたことをいま非常に後悔しております。私はやはり一人の民間人といたしましても交通安全についてはもっともっと強力に施策を進め、またある場合には相当の交通規制等も思い切ってやっていくというような強い姿勢を進めるべきであるというふうに考えておるものでございます。今後またよろしく御指導賜わりたいと思います。  なお、年末の交通規制等につきましては、担当者をして答えさせます。
  29. 秋山進

    ○秋山政府委員 年末年始の交通事故防止につきましては、御承知のとおり自動車の交通量の増加あるいは飲酒運転の増加などによる交通事故の多発が予想されますので、関係省庁と緊密な連絡のもとに、たとえば運輸省においては輸送に関する安全総点検の実施、警察その他においては交通死亡事故の抑止のための緊急対策の推進ということを、時宜に適した交通事故防止対策を推進することにいたしております。また都道府県におきましても、関係機関、団体の参加を得まして、年末年始の交通安全運動をいろいろな形で実施しております。その実施状況につきましては、その県その県の特殊事情を生かしまして、大体十二月の十五日から年始の一月十日を中心といたしまして、特に多い飲酒運転の防止あるいは暴走運転の絶滅、あるいは幼児及び老人を重点にしました歩行者の事故防止を重点目標としております。特異な点は、積雪地あるいは寒冷地におきましては、こうした凍結あるいは積雪時の交通事故の多発を予想しまして、これに対する対策として道路の除雪等を励行するというようなことも実施いたしておる状況でございます。幸いにして、本年十二月に入ってからの交通事故の死者は、前年に比して大幅に減少しているところでございますが、今後も一そう各般の施策を推進してまいりたいと存じております。
  30. 井上泉

    ○井上(泉)委員 交通安全対策には、いわゆるドライバーとしての精神的な面と、そしていろいろな規制という物的なものと二つのものが結合されて、そこで初めて交通安全というものが十分だ、こう思うわけです。  そこで、いま総務長官も、場合によっては強い規制をとられて交通安全の徹底的な強化をはかりたい、こういうお気持ちでありますが、私はそこで、警察庁にお伺いをいたしますが、路上駐車――大体デモの取り締まりなんかで、すわっておると、ここは道路だからすわることはできない。あるいはまた、この前高知でもありましたが、サーキット族が暴走するのを見るのにやじ馬がたかっておるというと、歩道は歩くところだから歩道で立ちどまってはいかぬ、立ちどまっておったら検挙します、こういうふうなことをスピーカーでどなり立てておりました。これはたいへんな道路交通法だな、こう思うのです。道路で立ちどまっておったら道路交通法違反だから検挙する。なるほど道路は歩くところで、とまるところじゃないかもしれぬ。そういうことになるというと、その理屈がそのまま当てはまるわけではないけれども、それよりもっと悪いのは、道路に車を置くということ。道路は車を置くところではないということは常識ではっきりしておるわけですが、特に市街地における路上駐車というものは、東京都はもちろんのことでありましょうけれども、中小都市へ行けば行くほど深刻な路上駐車の状態にあるわけです。そこで、マイカーの規制という面、あるいは石油、油の規制の面から考えても、路上に駐車をしなければ置けないような人が車を持って走り回るということはたいへん悪いことだと思うのです。そこで、この際路上駐車を――聞くところによると、四国では、高松市は四十九年末とか、あるいは高知市は五十年度を目標にするとかいうような話を聞くわけでありますけれども、そういうゆうちょうなことを考えずに、こういう時代にいっそ思い切って路上駐車の厳禁をやったらどうか、こう思うわけですが、それについての御見解を承りたい。
  31. 渡部正郎

    ○渡部政府委員 駐車禁止、ことに市街地の駐車禁止につきましては、いまおっしゃいましたとおりに警察としても考えておりまして、ちょっと数字を申し上げますと、ことしの三月末に全国で駐車禁止をかけておりますところが五万三千八百二十一キロになっておりますが、これは全国の幅員五・五メートルの道路の総延長に対しまして三五・四%に当たる数字でございます。いまお話のございましたとおり、ことに市街地におきましては、駐車禁止は今後とも積極的に進めていかなければならないと考えておりますが、駐車禁止の道路延長は、四十三年を一〇〇にいたしまして現在約三倍、二八三。最近数年間非常なペースで広げてまいったのでございますけれども、しかし私ども、ことに昨年あたりから都市につきましては総合規制というのを考えておりまして、これは問題が起こったらこう薬を張るような形で部分的な規制をかけるということではなくて、都市の交通の流れを全体としてつかんで、そのパターンをより安全で、円滑で、公害の少ないものに変えていこう、流れを変えるというシステム的な規制をやっている一わけでございまして、手段としてはいろいろなことを考えておりますけれども、路上駐車の禁止というのがその重要な一つの要素というふうに考えているわけでございます。  先ほど年末年始の交通事故お話もございましたけれども、私ども警察の立場でいいますと、安全教育、取り締まり、そして科学的な規制と申しますか、三者が相補わなければ成果は期せられないということでございまして、最近のいろいろな形での交通の変化に対応いたしまして、ことに年末年始でございますので、総合都市規制というものを――来年は特に人口十万以上の都市については総合規制をやろうということで、実はこの二十一日に関係の交通部長を呼びまして、路上駐車の禁止を含めました強力な総合規制を早急に新しい観点からもう一度練り直しまして、来年早々から実施に移すということで会議ども計画しておる状況でございまして、今後とも駐車禁止につきましては思い切った施策をやっていきたいと思っております。
  32. 井上泉

    ○井上(泉)委員 四十二年を一〇〇とすれば、今日まで二八三といいましても、四十三年からことしになると、この伸び率以上に車は伸びておるわけであるし、そして交通のいわゆる表通りが交通規制になれば裏通りへと、こういう形で移動しておるわけでありますので、四十八年の三月までに五万三千八百二十一キロの新しい駐車禁止の区域を設定するということは、これは別に三月末までにかからなくても、その都道府県の公安委員会が指定をすればできると思いますので、いま交通局長が言われたように、これはいわゆる石油規制ともからむわけでありますから、ひとつ思い切ってその対策を打ち出していただきたいと思います。  そこで、交通安全とやはり関連があるわけですが、これは総務長官にも御見解を承っておきたいですが、トヨタから日産自動車が、スペアタイヤをつけずに自動車を売る、そのことによって、聞いてみるというと、トヨタは自動車のスペアタイヤをつけぬだけで約五百億のもうけがある。いわばもうけのためにスペアタイヤをつけない。タイヤがないからつけないというけれども、それに便乗してスペアタイヤをつけない。そういうことなら、やはり交通安全の面からいうても、スペアのないタイヤがパンクする、そうしてたとえば高速自動車道で自動車がパンクする、それにはスペアがついてない、こういうことになると、これはたいへんな交通混乱が起こる。いっそ、スペアタイヤをつけられなければそれだけ生産を押えたらいいと思うのです。こんな私は間違ったトヨタ、日産とか――本田技研はまだそういうことは考えない、こういうことを言っておるのですけれども、こういうふうな業者の態度というものはへあまりにも企業利益のみを追求するやり方として、私はこれは糾弾をしなければならないと思います。  その点、産業界出身の総務長官としてはどういうふうにお考えになっておるのか、その御見解と、あわせて、運輸省としてもそういうスペアタイヤをつけぬ自動車を走らすということは一体どういうことなんだろうか、そしてまた通産省はスペアタイヤをつけない自動車を販売するということをそのまま黙認をするつもりなのかどうか、それぞれ御見解を承りたいと思います。
  33. 小坂徳三郎

    ○小坂国務大臣 お答え申し上げます。  一般常識からいって、スペアタイヤをつけない自動車を売るなんということはとんでもないことじゃないか。スペアタイヤつきの自動車というのは普通の常識なんでございますから、そうしたような販売を行なうということは、私は産業道徳からいっても反省を求めなければならぬと思います。同時に、そういうようなお話があったので、日本自動車工業会等を通じて、そういうことをしないようにという話が出て、現在は私は聞いておりません。現在はスペアタイヤつきで売るようになっておるというふうにも聞いております。詳しいことはまた担当者からお答えいたさせます。
  34. 中村大造

    中村(大)政府委員 ただいま総務長官からお答えございましたように、運輸省の立場といたしましても、法的な規制は別といたしまして、スペアタイヤなしで走行するということは、これは過去の高速道路上におきます事故の中で、要するにタイヤ破損による事故が相当な率ございます。そういう見地からいたしましても、スペアタイヤをつけて走行するということは、これは常識でございます。自動車工業会にそういうことのないように強力に要請いたしまして、現在の段階では、スペアタイヤなしで販売されておる、こういう実態はないというふうに承知いたしております。今後ともその線で指導をしてまいりたい、こういうふうに思っております。
  35. 中村泰男

    中村説明員 お答え申し上げます。  ただいまの総務長官、運輸省自動車局長と私どもも同じ見解でございます。  新聞で報道されておりますスペアタイヤなしの出荷という問題でございますが、御存じのとおり、タイヤが非常にショートいたしまして、メーカーに対する入荷が落ちまして、メーカーとディーラーで話し合いまして、ディーラーの手元でつけて販売するというような形が変則的に現在行なわれて、おりますけれども、ユーザーに渡る段階におきまして、スペアタイヤなしの販売というようなことはないように私どもも強く指導してまいりたいと思っております。
  36. 井上泉

    ○井上(泉)委員 タイヤ不足だからスペアタイヤつけぬということなんだが、タイヤ不足なら不足ということは、総需要抑制の中で考えていけば――スペアタイヤのない車なんということは考えられないわけですから、そこら辺について、私は通産省としての業界への指導というものかなくてはならぬと思う。  交通安全の面からいいましても、いわゆる交通災害の一番の根源は自動車にあるわけですから、これは、ある官僚が言ったような、諸悪の根源が石油業者にあるというのではなしに、交通の諸悪の根源は自動車業界にあるわけで、その自動車業界が、自分のもうけの中で基金を設けて財団法人をつくっていろいろなことをやるとかいうような、偽善者がましいふるまいを計画しておるやに承知をするわけですが、一回適当な機会に自動車工業会あるいは日産、トヨタ、こういうふうな会社責任者を当委員会に呼んで、そういうスペアタイヤつけぬ業界としての考え方、あるいはまた自分のもうけに税金を払うのがいやだから財団をつくって、そこで恩恵がましくふるまおうとするような行動について、委員会としても究明をいたしたいと思いますので、委員長にそういう参考人を呼ぶお取り計らいをお願いしたいということを要望しておきたいと思います。  そこでスペアタイヤの問題でありますが、これは交通局長、いわゆる取り締まりの警察の側から見ても、スペアタイヤのない自動車が走っておるということは取り締まりの対象になるようなことにはならぬですか。
  37. 渡部正郎

    ○渡部政府委員 スペアタイヤをつけずに走っている車は安全上非常に問題があるわけでございまして、ことに高速道路等におきましては、道路の特殊な状況からいいまして、いかなる駐車も駐車場以外のところはすべて危険でございますので、もしパンクなどをいたしまして、スペアタイヤがないためにことに長い時間駐車を余儀なくされるということはたいへん危険でございますので、スペアタイヤなしで自動車が走るということは非常に好ましくないことでございます。ただ、私の承知しておりますところでは、現在スペアタイヤをつけて車を売らなければならないというのは法律上の義務にはなっていないようでございますので、かりにスペアタイヤなしで車が売られたといたしましても、それを犯罪あるいは法律違反として検挙するということにはならないように承知しております。  なお、先ほど私が御説明しました中で、説明がまずいためにちょっと誤解をされておるのじゃないかと思う点がございましたので、訂正させていただきたいと思いますが、五万三千八百二十一キロの駐車禁止の延長というのはことしの三月末現在で現実にやっている延長距離数でございますので、私説明が不十分でございましてお詫びいたしますと同時に、重ねて申し上げさせていただきたいと思います。
  38. 井上泉

    ○井上(泉)委員 私は来年の三月末日までに新しくこれだけの交通規制をやられる、こう思っておったのですが、いま局長の説明で、そのことはことしの三月までにそういうことをやったということで、だいぶ違うわけです。しかし来年の三月までといわずに、ことしの三月までにこれだけのことをやったけれども、まだまだそういうふうな路上駐車というのはあとを断たないわけですし、そしてメーカーにしても、車庫証明がなければ売らない、こういうことになっておっても、車庫証明なしに、形は車庫証明をつけて売っておるけれども、実際的には車庫のないものがどんどん車を買っておるというのが実情であるので、この際思い切った交通規制の面で、路上駐車というものを取り締まってもらいたいということを実施するような取り計らいを要望すると同時に、自動車の販売を業とするものとしては、やはり自動車の安全、自動車が検査を受けて、そして車検がおりておるものでなければ車は売られない、あるいはその車にはこれこれのものがなければならないという、そういう規定運輸省はつくったらどうか。運輸省が所管なのか通産省が所管なのか知りませんけれども、ひとつそういうふうな法改正まで考える必要がありはしないかと思うのですが、これは担当は運輸省だと思いますが、運輸省のそれについての見解を承りたいと思います。
  39. 増岡博之

    増岡政府委員 先生指摘のとおりでございまして、スペアタイヤなしで販売するということ自体が、従来の商習慣はもちろん、交通安全につきましてもたいへん重大なことでございます。目下そのようなことがないように指導いたしておるわけでございます。将来の問題につきましても、タイヤの需給その他の情勢を見まして検討させていただきたいと思います。
  40. 井上泉

    ○井上(泉)委員 自動車の損害賠償保険が改正された。これは当交通安全委員会でずいぶん論議をされた。その結果、ようやく一千万円という、死亡事故に対する補償が自賠責の中で格上げされたわけですが、しかし依然として傷害者の支給額が五十万円から八十万円ということになっておるわけですが、これがなぜもっと――ほんとうに傷害を受けた者の医療費というものは八十万ぐらいでは済まない事例というものがたいへんあるわけですが、こういう点について改正の段階において検討されなかったかどうか、御説明を承りたいと思います。
  41. 安井誠

    ○安井説明員 お答え申し上げます。  死亡及び後遺障害の限度額を一千万にいたしましたのに対しまして、傷害の場合の保険金額の限度額は八十万にいたしたわけでございますが、それぞれ最近におきますところの裁判事例あるいは損害賠償請求事案というものを参照いたしまして、議論といたしましてはできるだけ多いほうがカバー率が高くなるわけでございますけれども、おおむね両方とも八割前後カバーしているだろう、四十四年の改正のときもその程度カバーをしたわけでございますので、今回、保険料率を引き上げない範囲内で限度額を引き上げるとすればこの辺が限度じゃないかということで、だいぶ自動車損害賠償責任保険審議会でも御議論があったわけでございますけれども、結論としてはとりあえずこういう形にきめたわけでございます。
  42. 井上泉

    ○井上(泉)委員 自賠責の保険金で非常に不正請求がなされておるということを聞くわけですが、この保険金を詐取するために自分のかわいい子供まで何回も車でひくというような、そういう残忍な犯罪を起こしてまで保険金を不正受給しようというような者もおる中で、これは別に犯罪として検挙されたと思うわけですけれども、こういう不正請求というものがなぜあとを断たないのか。断たないだけではなしに年々ふえておるわけですが、こういうふうな原因、そしてまたそれに対する対策、これもあわせて承りたいと思います。
  43. 安井誠

    ○安井説明員 自動車損害賠償責任保険の不正請求事案につきましては、自動車保険料率算定会のほうで調査をいたしておりますので、そこでわかりました事案を御報告申し上げますと、先生指摘のように逐次ふえておるわけでございますが、四十四年度に二件、四十五年度に七件、四十六年度で九件、四十七年度で十四件というふうになっております。本年度四十八年度は十一月までで五件ばかりになっております。これはいずれも支払ってしまいましたあとに不正であるということが見つかったものでございまして、支払い前に、たとえば四十七年度におきましては、請求を受けました段階で二十六件が不正であるというので支払いをとめておりますし、四十八年度になりましても二十八件ばかりは支払い前にとめておるという状況でございます。  どういうふうな態様がこの不正事件にあるかと申しますと、いろいろな態様でございますが、いま申し上げました四十四年度から四十八年の十一月までの合計件数三十七件の分類をしてみたわけでございますが、一番多いのは、診断書でございますとか診療報酬の明細書などの金額を偽造いたしまして、水増し請求ということでございますが、これをいたしておりますのが十五件ばかり。それから二番目には、被害者がわざと事件を起こしている。典型的なのが当たられ屋と申しますか、自動車を運転しておりまして、わざと当てられて、それによって損害賠償請求をするというようなケースが九件ばかりございます。それから三番目には、事件が全く起きていないにもかかわらず自分で自動車をどこかへぶつけまして、それが事故であるという形で、いろいろな請求書ももちろん偽造等をいたしましたのが四件、そのほかいろいろございまして、たとえば被害者本人が退院いたしました後に身がわり入院をさせたとか、あるいは運転者本人であるにかかわりませず同乗者であるというふうに偽ったというようなケースなどがあるわけでございます。  こういうケースはとにかく非常に望ましくないことでございますので、自動車保険料率算定会のほうにおきましても、事案が発生いたしますつど指摘をいたしまして、この防止につとめているわけでございます。  第一には、この事案の中に、数は二件ばかりでございますが、自動車保険料率算定会の職員が共謀しているケースがございます。これに対しましては、少なくとも特定の地域であるとか特定の会社あるいは大口ユーザーなどの事案を一人の人間に極力持たせないようにというような指示、あるいはもちろん申すまでもございませんけれども、金品等の供応を受けないようにというようなことを強く通達しているようでございます。  そのほか水増し事案につきましては、事故証明書がございますとそれの原本を必ず確認するとか、それから示談が来ましたときにも、ほんとうに示談が成立しているのか、相手方との示談がほんとうであるかどうかということを調べるとか、そういった証明書自身に対しますところのチェックをさせるというようなことで、極力事故を防ぐようにいたしているわけでございます。
  44. 井上泉

    ○井上(泉)委員 時間が参りましたのでこれで私の質問を終わりたいと思いますが、委員長に、私が先ほど要望したトヨタとかあるいは日産とか、そういうふうな関係者を当委員会に呼んでいろいろ御意見を聞くことをひとつ取り計らっていただきたいということ、それについての委員長の御見解を承っておきたいと思います。そうして、いま総理府の総務長官も並々ならぬ決意のほどを披瀝をされたわけでありますし、あるいは交通局長も思い切った規制をこの際考える、こういうことを言っておるわけでありますが、これをひとつ、国民が非常に関心の高まっておる年末年始の中にぽんと打ち出すというだけのものを示していただけば、やはり行政が生きたものとして国民が期待をされると思います。そういうことも要望して、私の質問を終わりたいと思います。委員長の御意見を……。
  45. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員長 井上君にお答えいたします。  ただいまの御要請に対しましては、後刻理事会において協議いたします。  平田藤吉君。
  46. 平田藤吉

    ○平田委員 最初に、小坂長官予定がおありのようですから、一つ質問したいのですけれども、現在タクシーのほとんどが燃料はLPガスで動いているわけですね。ところが、石油はあるといわれているんだけれども、実際末端へ来ると四〇%、五〇%しか供給されないという事態が起こっている。原因は一体何にあるのか、どう考えておられるのか、お聞かせいただきたい。
  47. 小坂徳三郎

    ○小坂国務大臣 直接の担当でございませんので明確にお答えできないのでございますけれども、閣議等で出ておる話を総合いたしますと、LPGと軽油、これがやはりなかなか苦しいという説明を受けております。通産省の者でもおればお聞きいただきたいと思いますが、われわれは、したがいましてそういうような事態の中でできるだけLPGをハイヤー、タクシー等に回すということに側面的に協力をしているつもりでございます。
  48. 平田藤吉

    ○平田委員 一般に石油危機といわれ、油がないというふうにいわれているわけです。しかし、現在の段階では油はあるのですね。ガスだってそうですよ。そのことは大蔵省の通関統計でも明らかにされているとおりなんですね。この統計によりますと、十一月の原油の輸入実績は、昨年の十一月と比べて五・四%も増加しているのですね。また、石油の製品の在庫量も九月を一〇〇として、十月にはガソリンが一二・五%、ナフサが一五九・六%、軽油が一一・六%、A重油が一八八・八%というふうになっているのですよ。液化石油ガスが減少しているというふうにいわれているけれども、これだって二%なんですよ。  これらのことは何を意味しているかといえば、石油の不足が生まれているのは小売りの段階、末端の段階で生まれているんだ。あるんだ。末端にはないんだという状態があらわれているわけですね。ですから、一口にいって大手の石油会社が出し惜しみ、売り惜しみをやっておるというように思うのですよ。ここのところに根源がある。一般に石油が苦しいんじゃないのだというふうに思うのですよ。自動車用のLPガスにしても、運輸省と通産省とがこの間十一万五千トンの放出を保証する、割り当てを保証するというふうに言っているわけですが、このことにも見られるように、ないんじゃないですよ。ですから、末端にガスの供給や石油の供給が大幅な削減を受けているというここのところを見抜かないと、いま現在起こっている問題というのは、解決できないと思うのですね。  そういう意味で、私、若干のデータをあげましたけれども、総務長官御存じなんでしょうから、これにひとつ答えていただきたいと思うのですよ。
  49. 小坂徳三郎

    ○小坂国務大臣 大蔵省の通関実績の発表を見まして、実は私も驚いたわけなんであります。問題はやはりその中間、また末端に近づくほど流通が停滞をしておるというのが現実だと思うのです。これは通産当局等に話し合いで聞いてみますと、一月以降の油の輸入がいまのような順調な形でいくかどうかに対して、非常な危惧の念を持っておる。そうした気分的なあらわれが、だんだん下のほうには強い売り惜しみないしは買いだめという形になって累積しているのじゃないかと思うのです。  でありますから、こうした流通の末端の情勢について、これを十分的確に把握するという行動を早く起こさなければならない。それが現在いろいろと御審議を願っておる法案の問題点だというふうに、われわれは理解しておるわけでございます。しかし、そうした法案の成立には、いろいろな意味で時間もかかる。しかし一方においては、タクシーやハイヤー等の人たちは非常に困っているということも現実なんで、それを何とか推進するということについては、累次閣議等でも話が出ております。努力を傾けておると私は信じております。その程度で御了解いただきたいと思います。
  50. 平田藤吉

    ○平田委員 もう一つだけ、ひとつ重ねてお答えいただきたいのだけれども、実際に私どもがあるメーカーを追跡してみたんですよ、下からずっと。追跡してみますと、もとでとまっているのですよ。大もとでとまっているのですよ。だから、長官がおっしゃるように、末端のほうが売り惜しみをしたりして、流通がうまくいかないのだという状態じゃないですよ。ですから、中間の、かなり大きな業者がこう言っていますよ。大メーカーのタンクの中は一ぱいだ、とにかく目一ぱい詰めてある、そして入り切らないやつが流れている、こう言っているのですよ。だから長官、そこのところを直そうとすれば、やはり大会社のそういう今日の困難を国民におおいかぶさせて値上がりするのを待っているというような、あるいは待つのではなくて、引き上げていくというようなやり方を改めさせるべきだ。法案ができましたら何とかなるというようなものではないと思うのです。同じことがあらわれると思うので、そこのところを実際に切り抜けていくかまえがあるのかどうか。そこのところをお聞かせいただきたい。
  51. 小坂徳三郎

    ○小坂国務大臣 私は総務長官といたしまして、そういう事実がほんとうにつかめるならば、これは経済企画庁あるいは通産省、それと十分協力をして、そうした大もとでの売り惜しみあるいは買いだめというような事実がほんとうにあるかないか。実は、先般来そうした問題について運輸省にも御協力いただいて、港湾の埠頭やその他にある滞貨の調べをしていただきました。その御報告は、一時より滞貨が非常に減ったという報告でございました。現在のこの非常な石油不足ということにおびえる国民や市民の心情を考えた場合に、単純に在庫が減ったとか滞貨が減ったとかいうようなことだけで、そうですがといって引き下がっては政治にならぬというふうに思います。  御指摘の点は、これからも私らの権限、また国務大臣としての権限等の中で十分努力をしてみたいと思います。
  52. 平田藤吉

    ○平田委員 長官もよく御存じないような様子なんで、これはたいへんだなという気がするのです。詰まっているところをちゃんとあけなんだら、下に流れないのですから、その詰まっているところが明らかになっていないというのでは、これは法案ができたってなかなか容易じゃないというふうに思うのですよ。とにかく非常に重大な問題になっているわけですから、ひとつ大会社の買いだめ、売り惜しみをやめさせていく方向で努力をしていただきたいというふうに思うのです。長官もお忙しいでしょうから、どうぞこれでけっこうです。それ以上は無理なようですから。  引き続いてお尋ねしますけれども、政務次官おいでですね。――政務次官と関係の方にお伺いしたいのだけれども、特にハイ、タク業界のLP問題というのは非常に深刻になっております。一部の大手の業界では何とかまかなっているようですけれども、一部を除いて、大部分のところでは供給が大幅な削減を受けて大打撃をこうむっているわけです。これは打撃をこうむっているだけではなくて、やはりあっちで車が動かなくなる、こっちで動かなくなるという事態になりますと、交通機関も混乱しますし、事故のもとにもなるわけですから、これはひとつ十分考えていただかなければならないというふうに思うのです。特にそこで働く労働者は、年末を控えているのに通常のときと比べて賃金が二割から三割も減収になることが明らかになっているのですね。これはたいへん深刻だと思うのです。また、個人タクシー業者の打撃も非常に大きいわけです。ここに私も資料を持っておりますけれども、個人タクシーの収入の減少状態というのは話にならないわけですよ。大体十六万から二十万円のかせぎをしていた人が十万円前後のかせぎにしかならないというような事態になっているわけです。しかも月々に車の月賦代だとか修理代だとか車庫代だとか、そういう諸経費を全部引きますと、これが十万円近くになるのですね。私の手元にある資料では九万九千六百九十円というふうに出ております。これだけもかせぎ出せないというような事態が起こっているわけです。しかもこの資料によりますと、この人は十二月分のガスの供給量百五十五リッター、そうしますと、これは一日平均七リッターということになるでしょう。とても仕事になったものじゃないのですよ。こういう状態なものですから行き先の見通しが立たなくなったと、すでに二人の自殺者まで出しているわけです。政務次官はこのような事態を御存じなのかどうか。知っているとすれば、責任ある省として、運輸省ではこの事態をどう解決しようとしているのか、お聞かせいただきたい。
  53. 増岡博之

    増岡政府委員 先生指摘のとおり、自殺者がお二人出まして、たいへんお気の毒なことでございます。  そこで私どもは、一番考えておりますのは、先生指摘のとおり、大会社は実働台数を減らすということによって油の融通がつく、ガスの融通がつくということでございますが、個人タクシーが一番問題だと思います。それからまた新規免許者、自殺者の方がそうであったようですけれども、実績がないから、先月分の三割減だ、四割減だというようなことで、そのような実態になっておると思います。そういう不公平といいますか、合理的な配分を行なわなければならない、不公平なことをなくさなければならないということを主眼にいたしまして、今月の八日に十一万五千トンの、これは一部自家用車を含めますけれども、総量をきめた後、そういう考え方のもとに各県ごとに法人タクシーと個人タクシーと別々にいたしまして、一日当たりの標準のガスの配分量、配分といいますか、お買いになれる量を業界と相談いたしておるところでございます。その結果、なるべくそういうふうな個人タクシー並びに新しい免許で実績のない方については十分な配慮を行なってまいりたいと思います。
  54. 平田藤吉

    ○平田委員 いま政務次官おっしゃったけれども、実績がないのでもらえないのじゃないのです。実績がある者も、こうやってがさっと削られているのですよ。そこに一つ問題があるのですね。   〔委員長退席、井上(泉)委員長代理着席〕 ですから、ここのところはよく実態を見て打開策を立てていただかなければならないと思うのですね。  それから、二人の死者が出たわけですけれども、この問題だって運輸省にかかわり合いがないわけじゃないのですよ。陸運局通達で、新しく免許をとった者には配給がいかないように、ガスの配分がいかないように、実績に基づいて配分しなさいという指示だからいかない結果になるのですよ。こういう状態のもとで自殺者までが出たわけですけれども、今日段階では、新免許取得者にやはり必要なガスは保証するというふうにすべきだと思うのだが、そういうふうになっているかどうか、やるつもりかどうか、お聞かせいただきたい。
  55. 増岡博之

    増岡政府委員 先ほど申しましたことに多少の誤解をいただいたかと思いますけれども、実績に対して三割減、四割減ということは、業界がタクシー業界に行なったところであります。私どもの総量をきめた際には、全国で全体で十一月分に対して一〇%減ということをきめたわけでございます。しかしその配分につきましては、決してそれを一律に台数で割るわけではございません。法人タクシーと個人タクシーの違いもありますし、それからただいま先生指摘の、新しい免許の人は実績がないのですから、実績によって一割減ということでは、当然ほかの人よりか半分以下になっちゃうわけですから、そういうことのないように、大体県内の自動車一台当たりの標準的なものをきめまして、新規免許といえどもその標準的なものまでは購入できるように、そういう配慮を行なっておるところでございます。
  56. 平田藤吉

    ○平田委員 いま言ったように、中小の業界では非常に困難に当面しているわけだし、そこで働く労働者も収入が大幅に減って困難に直面しているわけですよ。ですからこれら全体を現在の困難から切り抜けられるようにするために、運輸省としては何らかの経済的な援助といいますか、措置考えられているのかどうか、お聞かせいただきたい。
  57. 増岡博之

    増岡政府委員 御指摘のとおり、法人タクシーにおきましても、実働時間が少ないというところから、一部歩合制になっておりますから、収入が減るということでございます。まず私どもはその対策として、先ほど申し上げましたように、できるだけ燃料を確保しなければならないということがまず第一でございます。   〔井上(泉)委員長代理退席、委員長着席〕 それからあとは、それでも年末、今月使うのに十分な量があるとは考えられませんから、したがって、そういう働く人が生活上の問題があるということでは困りますので、タクシー業界に対して年末の緊急融資ということも十分行なわれるように指導いたしておるところでございます。
  58. 平田藤吉

    ○平田委員 政務次官はハイヤー、タクシーの公共的な役割りを認められるかどうかということが一つと、それからハイヤー、タクシーが走れるようにすることは、運輸行政の上で重要な責任だというふうに思うのだけれども、どうか、この二つについてお答えいただきたい。
  59. 増岡博之

    増岡政府委員 ハイヤー、タクシーがたいへん一般国民にとって重要な足でありますことは、間違いないところでございまして、公共性の高いものと考えておるわけでございます。したがいまして、それが円滑に動くということが必要なわけでございます。これは運輸省の守備範囲以外の問題も含まれるかと思います。十分に関係省庁と連絡をとって、その確保に対処してまいりたいと思います。
  60. 平田藤吉

    ○平田委員 その一つだろうと思うのだけれども運輸省は通産省と相談をして、先ほどもお話ししましたように、十一万五千トンのLPガスの配給をきめたんだと思うのですけれども、これが個々の車に行き渡るのは一体いつごろなんだろうか。いつごろになったら行き渡るのだろうかということをお聞かせいただきたい。
  61. 増岡博之

    増岡政府委員 できるだけ早くということで現在作業さしておりますので、事務当局から説明させます。
  62. 平田藤吉

    ○平田委員 できるだけ早くというのはいつごろになるかということを聞いている。
  63. 増岡博之

    増岡政府委員 実は八日の日に全国の量がきまったわけでありますから、それから一週間以内というめどを立てておったわけでございます。現在各県におきまして各タクシーが一台ごとにどこのスタンドで買うかということを、登録のような作業をやっておるところでございます。その経過につきましては、部長のほうから説明をさせたいと思います。
  64. 真島健

    ○真島説明員 お答えいたします。  八日に十一万五千トン、十一月実績の九〇%というLPG自動車用の総ワクが決定されました。その後、私ども、十四日までかかりまして、法人、個人両業界を指導いたしまして、どういう比率でどういう配分がいいかということをつくり上げて、これが十四日にできたわけでございます。そこで、私どもは通産省のほうには十一万五千トンの各都道府県別の法人、個人別の配分量、これは業界及び私ども指導のもとに案がこういうふうにできた。したがって、地元のスタンドまで各県別にこの量が流れるように御手配を願いたい、こういうことを申し上げるとともに、一番肝心でございます各車両を今後給油を受けるべきスタンドに特定して張りつけていくということを、早急に作業を業界あるいは陸運局等の指導のもとに進めるように指示をいたしました。すでに東京地区においては大体もう張りつけ作業が終わっていると聞いております。したがって、間もなく配分量に従った公正な油の流れというものが始まるものと期待しております。
  65. 平田藤吉

    ○平田委員 そうしますと、ルートはいろいろあると思うのですけれども、タクシーの張りつけがきまれば配分ができるというふうに理解していいんですね。  苦い経験だけれども、十二月八日に通産省が、これは運輸省のほうでも計画を持っていたらしいんだけれども、通産省のほうで百五トンの放出をした。これを東京都内の十五のスタンドに各七トンずつ配分したわけですが、どこへ消えちゃったかわからぬ。ガスだから飛んじゃったのかもしれない。こういう苦い経験をしているわけなんですよ。ですから、いまのままでいくと同じような結果が起こるんではないかという心配をしているわけですよ。末端までいかないじゃないかという心配をしておる。  私のほうできのう調査したところによれば、十二月十七日十一万五千トンの配分問題で初めて流通関係メーカーが集まって相談をしている、こういうふうに聞いているのです。これは事実に反するんですか。
  66. 真島健

    ○真島説明員 LPG業界のほうの会合を私どもは実はよく事実を承知しておりません。おそらく私どもが十五日に具体的な数字を通産省にお願いをいたしまして、それが元売りあるいはスタンド、メーカーというほうに流れていった結果の会合が行なわれたのかと思います。
  67. 平田藤吉

    ○平田委員 しかも流通メーカーとタクシー業界との話し合いはまだやられていないのですね。これは一体どういうことなのか。しかも十七日に行なわれた流通メーカーの話し合い、相談の中身については、あなた、御存じないんでしまう。これであなた、すみやかに末端までいきますと言えますか。  大体運輸省は何をやっておるんだということなんです。車というのはガソリンを入れて、運転手が乗らなければ走らないのですよ。ガスを入れて運転手が乗らなければ走らないんですよ。運輸省は走り出してから、か運輸省だというわけにはいかないんですよ、あなた。足の確保をしますと言っているのですから。あなた、何も知らないのじゃないですか。そういうことで、八日にきめて一週間くらいで末端までいくと思っていたなんて思うのが夢みたいな話ですよ。こういう仕事をやっているから百五トンですか、放出したってばあっとなくなっちゃう、こういう事態が起こる。あなた方、これをどうするつもりなんです。これは中身を知らないのでしょう。はっきり答えてください、いまどうなっているか。
  68. 増岡博之

    増岡政府委員 私ども、石油業界の中身をつぶさに知っておるわけじゃございませんけれども、私といたしましては、十二月八日に十一万五千トンをきめたわけでございますから、それ以前に石油業界の話し合いがすでに行なわれて、それを了解されたものと、通産省から報告をそういう意味で受け取っておるわけでございます。おそらく十七日ごろ行なわれたとしますと、まあ想像でものを言うのはたいへんあれでありますけれども、大体私どものほうから各県ごとにどのくらい要るという量が出てまいりましたので、実際にそれではということで流通段階におけるこまかい相談をなさったのではないかというふうに思うわけでございます。  なお、緊急放出分につきましては、私どもは最初からこの十一万五千トンの中に含まれていない。運輸省と通産省とが協議をして行なうものとは考えていなかったわけでございまして、通産省サイドで石油業界を説得されて、その結果ああいう措置をなさったものと思いますので、この点につきましては運輸省サイドはタッチしておりませんので、御了解願いたいと思います。
  69. 平田藤吉

    ○平田委員 今度の十一万五千トンは運輸省がかんでいるわけですからね。かんでいたら、おとといあったことがきょうわからないじゃ話になりませんよ。怠慢といったってこんな怠慢はありませんよ。下へいついくのだかわかりはしない。来年になったらそのうちに回るでしょうというけれども、あなた、そういうことじゃこの暮れへ来て間に合いませんよ。どうするんです。
  70. 増岡博之

    増岡政府委員 実はガスのほうは業界は石油連盟ではございませんで、エルピーガススタンド協会のほうで交渉の窓口になっておられるようでございますから、したがって、その団体は個々のスタンドを全部掌握されておられるはずでございます。私ども通産省といろいろ折衝の上ではそのように承知いたしております。
  71. 平田藤吉

    ○平田委員 そんなことを言っているんじゃないですよ。私が言っているのは、おとといのことがきょうつかめていないで、一体末端へいきますと言えるのかということを言っているんですよ。
  72. 増岡博之

    増岡政府委員 ただいまの十七日の話は、スタンド協会の会合であるように思いますから、タクシー業界あるいは個人タクシー業界からスタンド業界に申し入れがぼつぼつ出ておる段階でございますから、その配分についてスタンド側が個々に、それじゃ大ぜい引き受けられるかどうかという問題があるかと思います。そういうことを協議されたように思うわけでございます。
  73. 平田藤吉

    ○平田委員 どうもすれ違っていてしようがないですな。私が聞いているのは、十七日のことがきょうになってもわからないというのはどういう、ことなんだ。たぶんそうだと思うというんじゃ、わからないことなんですよ。想像なんですよ。しかもおととい集まっているのは、メーカー団体、日本LPガス協会ですよ。それから元売り団体、LPガス元売協議会ですね。それからエルピーガススタンド協会、これだけ集まってやっているんですよ。それは通産省のことでございますからわかりませんというのじゃ、車は通産省では動かないのですよ。運輸省責任を持ってくれなければ動きやしないのですから。だから、こういう事態の中にあるんだから、十七日にやられたら、十七日の結果どうだったといってきのうつかんでおくのがあたりまえじゃないかと言うんですよ。きょうになっても、まだわかりませんというようなことで、たぶんこうなるでありましょうとか言っていたんでは、いつだってそういうことで仕事が進まないのだ。なぜそういう事態が起こるのか。おとといのことがきのう、おとといわかってなければならないでしょう。それがきょうになっても、私が質問することがわかっていてもなおかつ調べようともしない、わかってもいないというのはどういうことかということを聞いているんですよ。
  74. 増岡博之

    増岡政府委員 先生指摘のとおり、石油並びにガススタンドは通産省の担当でございますから、そちらのほうでやっておられるわけでございますけれども、それはやはり運輸省としても的確につかんでおくことは必要であるかと思うのです。今後の連係については、通産省に十分申し入れをいたしたいと思います。
  75. 平田藤吉

    ○平田委員 ガスの値段ですけれども、自動車用は一リットルにつき二十二円が四十五円になり、場所によっては百円といわれているのですね。べらぼうな上がり方をしているわけですよ。  そこで、私は念を押しておきたいのですけれども、十一万五千トンの配分するガスの一リットル当たりの値段は幾らにするつもりなのか。これはタクシー料金にもはね返りますし、ここのところはちゃんとしておいてもらいたいというふうに思うのですけれども、おそらく相談の中でははっきりしているんだろうと思うのだが、お聞かせいただきたい。
  76. 増岡博之

    増岡政府委員 実は当時最高値が、十二月八日現在でありますけれども、タクシー業界のほうからの申し出が四十五円までになっておるということでございまして、四十円を相当切ったところで売買ができるように通産省の指導を頼むと言っておったわけでございます。また、その後も通産省が業界と折衝しておられるわけでございますけれども、私はさし値をいたしましたけれども、これは相手があることでございますし、まだ通産省から返事が来ておりませんので、その点はごかんべん願いたいと思います。
  77. 平田藤吉

    ○平田委員 この問題も私はやはり手抜かりだと思うのですね。すぐ配給されますと言って、値段はきまってません、これではあなた、配給にならぬじゃないですか。政府がちゃんと責任を負ったらそこまで責任を負わなければだめですよ。いままでの経過や現在起こっている状態を見ますと、十一万五千トンの配分でも、ここでよほど気をつけなければならないのは、やはり流通過程だと思うのです。どこの会社からどこの商社を経てどこのガソリンスタンドにどれだけ配分されたか、そこではどれだけのタクシーが供給を受けるのか、これらを調べて明らかにして公表しておくことが必要だ。そうでないと、もう、いやうちはそういったってそんなに来てないのだからあんたのところへはこれしかやれません、こういうかっこうにどうしてもなってくるのです。いま起こっているのはそれなんですから。ですからこれをルートをきちっと明らかにして公表すべきだ、私はそう思うんだけれども、政務次官どうお考えか。
  78. 増岡博之

    増岡政府委員 やはり責任を持って仕事をいたします以上は、そういうことを今後十分確認をしていかなければならないと思います。
  79. 平田藤吉

    ○平田委員 とにかく暮れを控えて国民の足としても重要な役割りを果たしているハイタクなんですから、これは私は運輸省がもっとがっちり力を入れて、そうしてよどみのない仕事をすべきだというふうに思うんです。最初に小坂長官にも申し上げましたように、物はあって下へ回らない、こういう事態が起こっている。今後そうならないという保障は何もないんですから。あの法律ができれば何とかなるかといったら、そんなわけにいかないですよ。ですから、きちっと大手の手持ちも調べて、公表できるようにして、そしてルートを明らかにして末端まで行き渡るようにすべきだというふうに考えます。私は、この問題は国民生活にとって重大な問題ですし、交通安全の上でも非常に重大な問題ですから、運輸省がいままでのような取り組みじゃだめだと思うのです。もっと本腰を入れて取り組んで解決すべきであるということを申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
  80. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員長 沖本泰幸君。
  81. 沖本泰幸

    ○沖本委員 私は、いま御質問になった平田さんの問題にも関連するわけでございますが、年末を控えまして、暴力タクシーの取り締まりあるいはタクシーの近代化センター、こういうものと、それからカーフェリーに乗るところの車が燃料の予備を積んだような場合の危険性に対する取り締まり、それからトラック等の月末を控えての過積みの問題、あわせて生鮮食料品を運ぶ車についての燃料補給、こういうような差し迫った問題についてお伺いしたいと思います。  先日も新聞で、千葉ですか、タクシーの運転手さんが料金をもっと金を出せ、こういうふうに吹っかけて暴力をふるったところが、相手が悪くて巡査部長さんだったというところで逆につかまえられたというのとあわせて、この種の問題の厳重な取り締まりをやっていく、こういう内容のニュースを聞いたわけですが、これは重大なことで、もうすでに一般社会では、タクシーは普通料金では乗れないというような考え方があって、それぞれまともな料金で乗ったらたいしたものだ、こういうふうなことまで言われております。これは、ガスが足らないから行けないといって断わる乗車拒否、これは当然だと思うのですけれども、またそれは断わる理由にもなるわけなんです。ですから、いままできめられておった乗車拒否はこういう理由のために消えてしまっているということも言えるわけですし、悪い運転手さんばかりではなくて正直な運転手さんもおるわけですから、実際がガスが足りないというようなことも現実にはあるわけですから、その中間で、長距離を行ってくれという場合には断わられることにはなるわけですけれども、また逆にそういうことを理由に乗客の品定めをやって、客選びをやってしまうということもできる、こういうふうなことになるわけです。ですから、いわゆるガスが不足でということから起きる乗車拒否というものとあわせて、だんだんとお客さんのほうが足が足りないから自然にお金をはずむということが習慣になっていってしまって、余分な料金をもらわないと動かない。そのために客を選びかえてしまう。短い距離の人は断わってしまう。前もって余分に料金をはずむということを言えば乗せる。そうでなかったら乗せない。ガスが足らぬ。こういうふうな悪循環が繰り返されるおそれがあるわけです。そういう点につきまして運輸省並びに取り締まり担当当局の対策についてお伺いしたいと思います。
  82. 増岡博之

    増岡政府委員 ガス不足から先生の御指摘のような結果があらわれておることはそのとおりでございます。  従来、私どもはそのような状況にかんがみまして、できるだけガスを大量に確保することが一番先決だというふうに考えておったわけでございます。しかし、先ほどの委員からの御質問にもお答えをしましたように、まだ十一万五千トンの総量の配分が順調にいっておる状態ではございませんで、いまだ石油業界の自主的な削減を受けておるという状態でございますから、できるだけ早く燃料を確保することによりまして、その面からそういうふうな乗車拒否や法外な料金を要求するということを早くやめてもらいたいと思いますし、またさらに、そういう悪質な場合には、やはり運輸省としては断固たる態度に出なければならないというふうに考えております。
  83. 渡部正郎

    ○渡部政府委員 いまお話のございました暴力タクシーにつきましては、最近の事例といたしましては、先ほどお話がございました警視庁の管内、扱いは警視庁の管内でございますが、そのほか大阪でも類似の事件が一件起こっておるという二件の報告を受けております。いろいろ状況が変わってはまいりましたけれども、どんな理由があろうと暴力というのは絶対に許されないわけでございますので、この二件の事件の処理についてもきびしい処置をしておりますけれども、今後この種の事件が起こるようなことがございましたらきびしい態度で臨みたいと思っております。  なお、予防的なことにつきましては、東京都におきましては、近代化センター等ともよく連絡をとりまして、またことに法人等の場合には、警察といたしましても経営者の側とも連絡を密にいたしまして、この種の事案の未然防止につとめたいということで、実はきのうの会議においてもこの件を問題にしたような状況でございます。  なお、石油の問題もございますし、やはりタクシーを利用する側からいいますと、従来よりも一そう不便になるというようなことも出てくるでしょうと思いますので、交通全般の問題といたしましても、もう少しタクシーの利用をスムーズにするという見地から、警視庁等におきましては、たとえばタクシー乗り場、現在も二百五、六十置いてございますけれども、これは業者、運輸省とももちろんいろいろ御連絡をしながらでございますけれども、タクシー乗り場等についてもいろいろ新しい考えども導入いたしまして、タクシーの利用の円滑化ということについても、警察の立場でも努力をしていきたいというふうに考えております。
  84. 沖本泰幸

    ○沖本委員 これはいろいろ問題点がありまして、こういう内容だけを議論やっても、こまかくやれば相当時間を食うと思うのですね。先ほど平田さんからの御質問がありました中で、次官のほうからお答えがあったのですが、歩合制の中にも問題があると思うのです。こういうふうな燃料不足が起きてきた場合に、歩合制である場合は、走行距離が狭められてくるということになれば当然水揚げというものはどんどんどんどん減っていくことになるわけです。水揚げが減れば収入が落ちるわけですから、そうすると運転手さん自体は生活に大きな影響を起こしてくる。そうなれば、どうしても収入がいい方法を選ぶようになってくるから、余分な料金をもらったところ、また好んでそういうふうなやり方をしていく、これはもう当然の理なんです。だから、そういうものを十分満たしてあげられるような方法の中から問題点を解決していくようなことも考えなければ、取り締まるほうばかりきびしくやってそして生活はもう食わなくてもいいというようなことではよくないわけです。  いまお答えの中にも近代化センターとよく打ち合わせするというお話があったのですが、運転手さんの話ですと、いま近代化センターは何にも運転手のためになってない。ただ一枚のカードを出してくれるだけが近代化センターの仕事であって、そのほかは運転手さんにプラスになるような内容は何一つやってくれてない。こういうふうな事態が起こっているときには近代化センターは一体どういう働きをやるんだとか、非常な近代化センターに対する不信感、不満感、そういうものを一ぱいかかえ込んでいるわけです。近代化センターができ上がった趣旨はそういうものでなかったはずですけれども、それが一番運転手さんのためを考えたりあるいはいわゆるタクシーの近代化のために問題があるのですけれども、そこからかけ離れたような状態になっていって、そのためにもろもろの問題は近代化センターという名前の裏に消えてしまっているということは事実なんです。ですから、この近代化センターというものをもう一度考え直してもらわなければならないということになると思います。そういう点について、運転手さんの福利厚生とか、あるいは法人タクシーで働いている人が個人タクシーにかわるためのいろいろな便宜をはかっていくとか、あるいは困ったときにそこへかけ込んでいけばいろいろな便宜をはかってもらえるとか、いろいろなものがそこで消化されなければ、国から補助金を出して近代化センターをつくったといういわれがなくなってくる、こういうふうに考えるわけです。この問題もこれだけやっていると時間を食いますが、こういう事態に至ったときですから、むしろそういうときに近代化センターの果たす役割りを十分義務づけるなり何なりして近代化センターの仕事をふやしていき、またそこでいろいろなものがはかれるようにやっていき、業界のほうも近代化センターに力を入れていくようでなければいけないと思います。ただ単に分担金を払って、その分担金の陰で運転手をごまかしているというような内容の近代化センターであってはならない。しかし、現実はそういうふうになっているという点はよく御存じだと思いますので、あわせてこの問題は解決していただきたいと思います。  それはそれといたしまして、同時に、いまのは乗用車ですけれども、トラックの過積みの問題をいろいろいままでも当委員会で問題にしてきました。いわゆる年末を控えまして燃料が少ないというような時点で、どうしても何度も往復ができないから一ぺんに積んでいこうというようなことは当然考えられてくると思います。そういう観点から、車のためにもよくないしあるいは燃料をよく消費するということはわかっておっても、どうしても荷主のほうも余分に積んでくれというようなことが起きてくる。そうすればより交通事故が多く起きてくることは考えられるわけです。ですから、そういう点について現時点では、いままでの過積み問題よりもう一つ突っ込んだ過積み問題を考えてもらわなければならない、こういうふうに考えるわけです。と同時にいわゆる生鮮食料品を積んで、いまはトラック急送で市場へどんどん運び込むわけですけれども、来るのはいいけれども、たまたまそれが日曜日にひっかかっている、日曜日の朝早くマーケットヘおろした、しかし帰りの燃料は得られない、そのためにどうにもならない、だから行くのがいやだとかということになれば、これはやはり流通過程の中あるいは国民の生活を安定さしていくためにも重大な問題があるわけです。そうしますと、こういう問題は別の面から考えてもらわなければならない時点が出てくるわけですね。ですから、日曜日はもうスタンドは全部休みだということはわかるにしても、たとえば週休二日制が国民全部に行き渡って、もう土曜日、日曜日は何もみな休みだから、その前にものをちゃんと仕入れておって、土曜、日曜日については十分自分の家庭生活なり自分の環境を整えていくことに国民の皆さんが考えていただけるような内容に社会の環境がなってしまえば、それはそれで成り立つわけですけれども、そうなっていくまでの過程なり何なり、これからまだ相当期間あるわけです。これは来年になってますますこういう燃料不足が進んでくると、ただ単に日曜日にスタンドは全部お休みだということになると、こういうところに大きな支障を起こしてくるわけですが、こういう点についてあわせてどういう対策をお持ちなのかお伺いしたいと思います。  ついでに、お正月全部べったり休みという問題もあるわけですね。その点もあわせてお願いいたします。
  85. 増岡博之

    増岡政府委員 過積みの問題につきましては、これを解決するためには、やはり運輸省だけではなくして、関係各省庁と十分に緊密に連絡をとりながらやらなければならないことと思います。交通安全の観点から見ましても、エネルギー問題等にかりてそういうことを黙認するような風潮が出ないように戒めていきたいというふうに思います。  それから生鮮食料品のトラック輸送の件につきましては、御指摘のような燃料確保の問題がございますので、現在トラック協会と石油業界と、全国的に帰りの油の確保について話し合いをしていただいておるところでございますが、特に生鮮食料品につきましては、農林省と打ち合わせしまして、全国で約三百八十カ所、これは夜間でも、日曜、祭日でも開いてくれろ、何町のどこのスタンドという場所まで指定をいたしまして通産省とかけ合っておるところでございまして、特に正月につきましては、五日からすぐ市場が再開されるわけでございますから、その点入念に措置をしていきたいと思います。
  86. 沖本泰幸

    ○沖本委員 これはもう年末といったって、これから年末の支度に入るわけですから、きちっとしたものがそれぞれの機関に行き渡ってないと混乱を起こしてくるし、その混乱自体が物価をつり上げていくし、生鮮食料品をすぐつり上げていく、こういう微妙な響きを持っているわけです。ですから、こういう内容のものは、徹底した連絡なり伝達なり対策なりというものが末端にまでずっと行き届いてないと、その辺で混乱を起こしてくるのじゃないか、こう考えられますので、あわせてこれは、もう早急に対策を各関係機関と打ち合わせしていただいてやっていただくことが、物価を押えることになり、お正月を過ごせるような内容に問題を持っていける、こう考えるわけです。この点、お答えの中にいろいろありましたけれども、まだ未徹底のような感じを受けますし、対策もまだばらばらのような感じを受けるわけですから、これは徹底してやっていただきたいと思います。  それから、この間、一部ニュースで読みますと、カーフェリーについてですけれども神戸、兵庫県のほうでは、カーフェリーに載せる車ですね、積み込む車の乗用車並びにトラックが、長距離を行くために燃料不足あるいは日曜かけたりすると燃料の供給を受けられないので、予備の燃料をトランクなり何なりに積んで持っていく。そういうためにいままでと違った火災の危険性というものが生まれてくるので、厳重にチェックすると、いうようなことでチェックを始めているということが出ておりますけれども、正月を控え、このことは十分考えられるわけなんです。離島関係とか、いろいろな関係筋の、大きいところはチェック機関が十分あると思いますけれども、いわゆる一ぱい船主のようなところにはこういうものはしばしば怠りがちな問題が出てくるんじゃないかと考えられますから、一たん事故が起きたらこれは大事故が発生するということは間違いないわけなんですから、この点についての警察庁のほうの対策なりあるいは海運局、保安庁の対策をお伺いいたしたいと思います。
  87. 増岡博之

    増岡政府委員 法律、規則できまりましたことに違反するようなことが行なわれておるということではなりませんので、厳重に保安庁に対しましてもその指示をいたしておるところでございます。先生指摘の、案外に小さい航路にそういう盲点があるといえるかと思いますので、十分配慮してまいりたいと思います。
  88. 渡部正郎

    ○渡部政府委員 ガソリンを予備タンクに積んで走行することについては、量がふえますと、あるいは積み方によりますと非常に危険があることはお説のとおりでございます。これは消防庁の関係もございます。ことに消防庁などと、その他関係のところと十分連絡をとりまして危険防止につとめたいということで努力をしている状況でございます。
  89. 沖本泰幸

    ○沖本委員 いま申し上げたのはほんの端っこをとらえて申し上げているだけなんですけれども、こういうところに案外抜け穴があったり、問題を起こしたりして、起きたあとで、いやこれは天災じゃない、人災だとか何だかんだと言い、しまいには遺族の補償問題までたいへんな悲劇に発展していくということがあるわけなんですから、起きたあとでそのニュースだけを飾るようなことがあってはならないと私は思うのですね。ですから、いわゆるパニック現象というものはあらゆるところに影響を及ぼしていくことは事実ですから、これはもう過熱状態になってからではたいへんなんですから、熱が上がらない間に水をかけて消していただくというような方法をとって、一つ一つをとらえてこまかく対策を立てながらやっていく以外に、現在の時点に対して対処する方法はいまのところないんじゃないか。そのほかは、大きな政治の力、いろいろな点で総力をあげてこれからはお互いが向かっていかなければならないわけですから、小さな問題だからまあ答弁したら終わりだ、こういうふうにお考えになっていただかないで、その考えだとか、連絡をとってとかということは、まだ連絡がとれてないし考えがまとまっていないということになるわけですから、その点は十分対策をお立てになって、ここ一両日中なり、早い時期に、それこそこの問題を末端のほうすべての地域に徹底できるように対策を立てていただきたいことをお願いいたしまして、質問を終わります。
  90. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員長 本日は、これにて散会いたします。    午後零時二十九分散会