○山中国務大臣
昭和四十六
年度における
防衛庁関係歳出の
決算について、その
概要を御
説明いたします。
まず、組織、防衛本庁の
経費について御
説明申し上げます。
当初の
歳出予算額は六千三百二億四百万円余でありまして、これに
昭和四十六年五月以降政府
職員の給与を改善するための
予算補正追加額二百五十六億六百万円余、高空における放射能じんの
調査研究等のため
科学技術庁から
移しかえを受けた額八百万円余、南極地域観測
事業のため、文部省所管、文部本省から
移しかえを受けた額五億一千二百万円余、科学的財務管理方法導入準備
調査のため、大蔵省所管、
大蔵本省から
移しかえを受けた額八百万円余、前
年度からの
繰越額十五億五千六百万円余、航空機接触事故による賠償金及び特別見舞金に必要な
経費として予備費を使用した額十五億四千百万円余を加え、既定予算の節約等による
予算補正修正減少額四十六億四千九百万円余を差し引きますと、
歳出予算現額は六千五百四十七億九千万円余となります。
この
歳出予算に対して
支出済歳出額は六千四百九十五億六千百万円余、翌
年度へ繰り越した額は二十六億四千四百万円余でありまして、差し引き
不用額は二十五億八千四百万円余であります。
昭和四十六
年度の予算の
執行にあたっては、第三次防衛力
整備計画の最終
年度として、計上された予算を効率的に使用して
計画を着実に
実施し、実質的な防衛力の
整備を
推進することを主眼といたしました。
以下、自衛隊別にその内容を申し上げます。
一、陸上自衛隊については、戦車、装甲車その他部隊装備品の
計画的更新による装備の近代化と充実、ヘリコプター等航空機の購入による機動力の増強及びホーク部陸の
整備等により一そうの防衛力の内容充実をはかりました。また、航空機については、連絡偵察機一機、多用途ヘリコプター十一機、輸送ヘリコプター六機、観測ヘリコプター十機、練習ヘリコプター一機合わせて二十九機を取得し、新たに四十七
年度に取得
予定の連絡偵察機一機、多用途ヘリコプター十一機、輸送ヘリコプター六機合わせて十八機の購入契約をいたしました。
二、海上自衛隊については、
昭和四十三
年度計画の護衛艦二隻、潜水艦一隻及び
昭和四十四
年度計画の掃海母艦一隻、敷設艦一隻、
昭和四十五
年度計画の中型掃海艇二隻、魚雷艇一隻、支援船一隻並びに四十六
年度調達にかかる哨戒艇二隻、支援船十隻合わせて二十一隻を取得し、新たに
昭和四十七
年度以降に竣工
予定の護衛艦二隻、潜水艦一隻、中型掃海艇二隻、小型掃海艇二隻、魚雷艇一隻、支援船一隻合わせて九隻の建造契約をいたしました。また、航空機については、対潜哨戒機十一機、機上作業練習機一機、対潜ヘリコプター七機、対潜飛行艇二機、掃海ヘリコプター二機、輸送機一機合わせて二十四機を取得し、新たに
昭和四十七
年度以降に取得
予定の対潜哨戒機十一機、対潜飛行艇五機、対潜ヘリコプター六機、掃海ヘリコプター二機合わせて二十四機の購入契約をいたしました。
三、航空自衛隊については、ナイキ部隊の
整備、航空警戒管制組織の充実など防空能力の一そうの強化をはかりました。また、航空機については、救難捜索機二機、戦闘機二機、輸送機三機合わせて七機を取得し、新たに
昭和四十七
年度以降に取得
予定の救難ヘリコプター二機、救難捜索機二機、戦闘機四十八機、輸送機二機合わせて五十四機の購入契約をいたしました。
昭和四十六
年度の防衛本庁の
職員の定員は、自衛官二十五万九千五十八人、自衛官以外の
職員二万五千百四十人で、合わせて二十八万四千百九十八人でありまして、これを前
年度の
職員の定員に比べますと、自衛官については同数であり、自衛官以外の
職員において二百四十三人の減員となっております。
また、予備自衛官の員数は、前
年度と同数の三万六千三百人であります。
次に、
繰越額二十六億四千四百万円余は、装備品等の製造修理並びに
施設整備に関する
計画または用地の取得に不測の日数を要したこと等のため
年度内に
支出を終わらなかったものであります。
また、
不用額二十五億八千四百万円余は、外国為替相場の変更等に伴って生じたものであります。
続いて、組織、防衛
施設庁の
経費について御
説明申し上げます。
当初の
歳出予算額は四百六億四千五百万円余でありまして、これに
昭和四十六年五月以降政府
職員等の給与を改善するための
予算補正追加額十六億八千九百万円余、前
年度からの
繰越額十二億九千九百万円余を加え、既定予算の節約等による
予算補正修正減少額三千六百万円余、防衛
施設周辺の障害防止
事業等に要する
経費として
移しかえをした額、
農林省所管、農林本省へ七億三千二百万円余、
建設省所管、建設本省へ二億二百万円余、組織、沖繩・北方対策庁への移用額二百万円余を差し引きますと、
歳出予算現額は四百二十六億六千万円余となります。
この
歳出予算現額に対して
支出済歳出額は三百九十九億六百万円余、翌
年度へ繰り越した額は二十二億一千七百万円余でありまして、差し引き
不用額は五億三千六百万円余であります。
支出済歳出額のおもなものは、
施設運営等関連諸費でありまして、防衛
施設周辺の
整備等に関する法律等に基づき、自衛隊
施設の維持運営並びにわが国に駐留するアメリカ合衆国軍隊等の提供
施設の維持運営に関連し必要な騒音防止
措置、障害防止
措置、民生安定
施設の助成
措置、飛行場周辺の安全
措置、各種の補償、土地の購入及び貸借等のため三百十四億二百万円余を
支出いたしました。
昭和四十六
年度の防衛
施設庁の
職員の定員は三千二百八人でありまして、前
年度の
職員の定員に比べ十三人の減員となっております。
次に、翌
年度への
繰越額二十二億一千七百万円余は、項、調達労務管
理事務費においてアメリカ合衆国軍隊の撤退時期の変更により八億五千二百万円余及び項、
施設運営等関連諸費において
計画または設計の変更、用地取得及び補償処理の難航、アメリカ合衆国軍隊の事情等により十三億六千五百万円余の
工事等が遅延したことによるものであります。
また、
不用額五億三千六百万円余は、賃貸借契約において提供
施設等借料を要することが少なかったこと等により生じたものであります。
以上をもって、
昭和四十六
年度における
防衛庁関係歳出の
決算の
概要説明を終わります。
なお、予算の
執行については、諸法規を順守することはもちろん、最も効果的に運用するよう戒め、また綱紀の粛正にも留意し、国民の信頼にこたえるよう努力してまったところでありますが、
昭和四十六
年度決算検査報告におきまして、組織、防衛本庁で機関砲用作業台の調達について不当
事項の指摘を受けましたことは、まことに遺憾にたえないところであります。これについてはよく部内に徹底させ、将来このような過誤を繰り返すことのないよう適切な
措置を講じますとともに、改善または検討を要するものについては、すみやかにそのための諸施策を
推進する所存であります。
何とぞよろしく御
審議のほどお願いいたします。