○
島田(琢)
委員 私は、
沖繩の
開発問題について主として
大臣に
お尋ねをしたかったのでありますが、きょうは
大臣がお
見えでありませんので、政務次官を
中心にして
議論を進めてまいりたい、こう思います。しかし、中身が
基本の問題に触れることが非常にたくさんありますので、きょうは大
部分保留をいたしまして、後ほど
大臣がお
見えになったときに
基本の問題をやりたいと思いますので、少しばかり具体的な問題で
お話を進めてまいりたい、こう思います。と申し上げましても、実は私
自身沖繩の土を踏んだことがございません。
北海道におりまして、早くから
沖繩の問題については、われわれの仲間のうちでもたいへん
議論が多かったのでありますが、実際には門外漢の域を出ておりません。したがって、私がこれから申し上げる点についてもいささか的はずれであるとか、あるいはすでにそういう
議論はし尽されている、こういった面もかなりあると
考えられます。しかし、その辺はひとつ御容赦をいただきまして、きょうはひとつ十分
沖繩の実情を私
自身も勉強したい、そういう
考えを込めて
質問をしてまいりますので、その点、どうぞよろしくお願いをいたしたいと思います。
そもそも私
ども沖繩を
考えますときに、どうしてもイメージとして強く出てまいりますのは、長い間、戦後、他国の
占領下に置かれて、
生活もあるいは
社会資本の充実にいたしましても、
生活環境そのものを
考えてまいりましても、非常にらち外の中で苦しんでこられたというそのことが強く浮かび上がってまいります。そういう点については、もうすでに
復帰後も二年を経過しようといたしておりますから、かなり内容として進んでいるものというふうに思われる点もあるのではないかと思いますが、ただ、全般的にはやはり
沖繩の問題が出てまいりますと、どうしても
占領時代あるいは
戦争時代の問題が常に具体的に出てまいります。たとえばきょうも、この
要請書を見ますと、
文教関係の
要請書の中にも、
先ほど委員長から
沖繩調査の
報告がございました中にも強く触れておりますように、いわゆる
戦争の
落とし子というような
不発弾の
処理の問題などが、依然三十年たった今日も具体的な問題として出されてきているということは非常に残念なことであります。したがって、こうした戦後
処理が必ずしも具体的に進んでいないというような現実を踏まえて
考えますときに、まず
前段として、こういうものを的確に
処理するというところから
沖繩の
開発が始まるのではないか。そうしますと、
開発計画とかいろいろな
意見とかがその中に出てまいりましても、実際には
沖繩に具体的に
開発計画なり、
開発事業なりを落とし込んでいくこと
そのものも不可能になっているのではないかという気がいたします。
したがって私は、そういう
基本の問題を、
前段で触れましたとおり、
大臣の所信を伺った上で私なりの
考え方をひとつ述べてまいる予定にいたしておりますが、当面のその後の問題を後ほど触れることにしてしばらくおきますが、まず
質問の第一点は、
沖繩の
開発計画を進めるにあたって一番大事なのは、やはり
地場産業といいまますか、第一次
産業がきちっと定着をするということが絶対
条件だと私
どもは
考えています。そうしてまた、
沖繩の
開発が
本土のわれわれの従来進めてまいった
開発の同じパターンを進むようなことがありますと、これは不幸という結果にしかならぬということも、すでにいままでの経過の中で明らかでありますから、同じ轍を踏ませるようなことが
沖繩に行なわれてはならぬ、そういう
考え方を強く私は
基本として持っているのであります。したがって、どうしても
沖繩を
開発していく上で大事な点は、第一次
産業がどう定着するかにかかると思う。
そこで、
農林水産業の
振興という問題については、いままでもかなりの論議をされているようでありますし、私も沖特に入りましてから、
沖繩の問題についてほとんど毎日いろいろな
資料や文献を見て、あるいは必要によっていろいろな人の御
意見を聞きながら勉強してまいりました。しかしそういう中で、たいへん
条件というものが
本土やあるいは
北海道のわれわれとは違っているという点を一つ見のがすことはできない、その点は非常に重要な点だと心得ます。しかしながら、
農林水産業をやはり第一次
産業として
沖繩開発の
基本に据えるということについては、
本土においても
沖繩においても変わってはいけないことだと思っているのであります。ところがそういうもろもろの
条件を踏まえて、
農林水産業の
振興を
沖繩ではかろうとするという場合にたいへんなネックのあることも承知をいたしました。たとえば
土壌の
条件一つとっても、また
水資源の問題一つとっても、それから
水産の問題では、
サンゴ礁地帯で、従来われわれのほうで常識的に
考えるような
沿岸漁業の
開発振興というものはストレートに
本土並みで進めていくことのできない要素もあるということもよくわかりました。
しかしながら、繰り返しますが、
水産業の
振興は
沖繩の
開発にとって欠かすことのできない絶対
基本の
条件であるということが明らかである限り、この
農林水産業の
振興について
政府としては一体どのように進めていこうとお
考えになっているかという点が、いままでの
議論の中でも必ずしもすっきりとわれわれが理解できるように
説明がされていないように実は思います。したがって
政務事官から、
沖繩の
開発計画を進めるにあたっての第一次
産業の
振興というものを
基本的にどのようにお
考えになっているかを第一点としてお聞きをし、その後
議論を進めてまいりたいと思います。