○久保(三)
委員 けさからの質問で、たくさんの方がいろいろお尋ねしておりますが、私の質問も、その点、重複する点があるかもしれませんが、あらかじめ御了承いただいて、限られた時間ですから、なるべく簡潔にしたいと思いますが、
一つは、歯切れの悪い答弁ばかりなんで、この
事態に来て、やはり答弁はきちんとしていただきたいように思うことが二つあります。
一つは、けさの新聞というか、きのう政府並びに与党の間できめられた、公共料金の目玉といわれるような
国鉄の運賃あるいは米価の値上げを半年間据え置く、こういう方針に大体政府・与党の大綱としてはさまったように報道されているわけでありまして、われわれもこれは当然しかるべきだと
考えているわけなんです。半年がいいかどうかは別にして、いまや天井知らずといってもいいほどの物価
値上がりのさなかでありますから、何といってもやはり政府の姿勢を正すことが
一つだと思うのです。先般の、古い話というかありふれた話でありますが、トイレットペーパー
一つとりましても、これは政府の姿勢に対しての不信感があるから来たんだろうというふうに
一つは思うわけであります。これに便乗して、物を持っている者が、いわゆる品
不足という口実のもとに値上げをしていくということがずっと続いているわけです。いまは油がそうですね。われわれが知る範囲では、なるほど
産油国からの輸出というか、輸入は、いままでよりは押えられていることは事実であります。しかし、われわれが
考えてみるのに、
現実に町で、あるいは
スタンドで押えられているほどのものでないというふうに思うわけですね。そこに国民の不安というか不平がたくさんあるわけなんです。これを、もちろんきょうの本
会議で可決されるだろうと思うのでありますが、二つの法律で何とかしょうということでありますが、私は法律が出ても必ずしもうまくいくとは
考えておらないのであります。
〔
委員長退席、
佐藤(守)
委員長代理着席〕
たいへんこれは不見識な話かもしれませんが、事実そうだと思うのです。むしろいま問題なのは、田中内閣の政治姿勢をきちんと正すのが私は一番だと思うのです。それは単に口頭禅であってはならないので、訓辞ではだめなんです。
列島改造論からひっくるめてずっと来て、そういうことばのあやあるいは
数字のマジック、そういうもので国民はもう信用しなくなってきた。だから具体的に、いつ、どんなことを何をやるか、だれのためにやるかということが私は大事だと思うのです。そういう意味で、きのうの政府・与党間の首脳部の会談で方針がきめられたということだと思うのでありますが、私はやはり隗より始めよですから、そういうことを言い出したらやはりやることが当然だと思うのです。もちろん、いままでの
運輸大臣というか、
運輸行政は、企業擁護のために
一つはあったわけですね。だから免許可というか、そういうものが中心だったのです。いまやまさにそうでなくて、これを利用する国民のために
運輸行政というのはあるはずだと思うのです。
それから、ことばをかえていえば、生活というのは衣食住の三つが生活だといままでよくいわれておりましたが、三つでは生活は成り立たないことは御案内のとおりであります。衣食住のほかに交通、運輸、そういうものが連ならなければ人間は生活ができないことはもう常識になっているわけなんですね。午前中のやりとりを聞いておりますと、油
一つとりましても、何か控え目に控え目にということで、国民の生活を守るためにはという気魄に欠けているように私は思えてならない。
だから、そういう点を
前提にしてこれからお尋ねするわけでありますが、
国鉄の運賃は、やはりここまで来ては、一たん口から出したらやめるべきだと思う。いろいろ
事情はあるでしょう。これはたいへんだと思う。あるいは米価にしてもそのとおりだと思う。しかしながら、あれを見て、ああ政府もやる気だなというふうに感じたのは、これは一億国民だれもそう思っていると思うのです。ところが、きょうのこの
委員会での御答弁を聞いていると、これはまだそれほどじゃないなという感じで、かえって不信感が増すのではなかろうかと思うのであります。
そこで、
運輸大臣にお尋ねしますが、自余の処置についてはまた別として、きのうあなたはお加わりにならなかったそうでありますが、これは全然
連絡のないはずはないでしょう。全然
連絡がないとするならば、いわゆる国務
大臣としての存在も私は疑われると思うのですね。もしもそういうことがあなたが知らないうちにきめられて、けさの新聞や昨夜のテレビであなたが御存じであったならば、進んでそれはしかるべきところに問い合わせするなり談判をすべき筋合いのものだと私は思うのであります。
ところが、どうもけさからの御答弁を聞いていると、新しくなられた
大臣にたいへん失礼なことばでありますが、どうも何からち外に置かれたような話をされております。これはあなた自身の方針ではなくて、閣僚全体、いわゆる政府全体の方針として
考える筋合いのものだと私は思うのです。よって、どうです。
国鉄運賃はこの際、出たからにはそのとおりやる、たたき台ではない、半年をどうかは別として、とにかく公共料金据え置きのまず
一つの柱としてこれはやり抜くのだというような御決心を持っておられるのかどうか、いかがでしょう。