○堀本宜実君 これは大臣がお見えになっておりませんから、いまおいでになるスタッフでお答えをいただきたいと思いますが、なるべくお答えを少なくして、私の
意見のほうを多く申し上げるというふうにいたすほうがよかろうかと思うのでありますが、答えられぬような問題もあろうと思います。ともあれ、私はまず第一にお礼を申し上げたいと思いますが、
ミカンが本年暴落をいたしました。
緊急対策について、いろいろ御苦労をかけました。十分だと私はここでお礼を申し上げるわけではございません。不十分ではありまするけれ
ども、一応あれだけの前進をいたしましたことは、たいへんな御努力であったと思います。なお、今後これで終わったわけではございません。この後遺症も残っておりますので、それらについても、今後
農林省はあったかい手で
対策を講じられまするようお願いとお礼をあわせて申し上げておきます。
ただ、特に私が問題といたしますのは、
農林省ではどうにもならないのかもしれませんが、流通局というような局ができたと聞いております。末端の小売りが
——私はいろいろなことでためしてみました。愛媛県の
ミカンを何種類でも、値段が違えば違った種類を買うてきてくれと言って、秘書に
ミカンを買わしにやりました。そうすると、一キロ、二百円、一キロ、百八十円、一キロ、百五十円という
ミカンを買ってきました。これはいい
ミカンではございますが、千代田区でございます、都心でございます。そういうふうに、少し売ってたくさんの利潤を得ようとする考え方があるのではないかと思うんですよ。それは自由であり、かってでありましょうけれ
ども、小売り段階でそのようなことが行なわれております。
生産者の例をとりますと、私の県は、三十円から五十円までぐらいの間で支払いが返ってきます。ところが、ある県は
——県の名前は申し上げませんが、十三円なんという県がございます。全く目も当てられないような気の毒でございます。そういうものを受けて小売りが買うたものが、二百円、百八十円、百五十円というようなもので売られておるということ、これがほんとうにキロ百円、あるいはもっと六十円、七十円ということで売られるようでございましたら、もっと消費が
伸びておったと私は思います。これは私は、消費を伸ばすという一つの方法には、やはり安ければ安いなりに売れるような考え方をしていかなければならないと思う。これはなかなか困難なことであり、役所がまずいじゃないかという
意味ではございません。今年、そういうふうなことでございました。また、安い安いというから、お歳暮の品でもほんとうに出ない。ことしは特異な例でございますが、ずいぶん年末には歳暮品として
ミカンが使われておったのでありますが、それが売れない、出ていかない。安いといわれておるものを、
現実に安いものを送っては悪いと思われたのか、ともあれ購買が少ない。そういう結果がありますることを、
農林省もよそのことのように思わないで、ひとつ頭に入れておいていただきたいと思うんですよ。小売りが高かったこと、これは安ければ、もっとこんな苦労をしないで消費が旺盛に行なわれたであろう。いわゆる流通過程におけるくふうをもう一段と、これは
生産者側の組合もそう考えるべきですよ。同じようなことが言えると思う。
農林省だけに、このことを申し上げるんではありません。そういう点について一そうの御研究を願いたい。これは研究してくれということでお答えは要りません、研究されるでしょうから。
次に、私は最近の新聞を見ていて、きわめて腹立たしいのは、アメリカからエバリーというえらい人が来ておる。これが
農林省の亀長という次官ですか、事務次官と会うたとか、会いに来たとか、呼び
つけたとか、ともあれ、どっかで会うたに違いない。そこで、よくもおくめんもなく、この日本のかん類の大暴落に際して、オレンジを買うてくれ、
ジュースを自由化してくれ、よくも言えるものだと思う。まあ、あつかましいというのか、ずうずうしいというのか、およそ常識では考えられぬ。これはいままでのごあいさつが、
農林省が、なってないから、こういうふうなことを言われる。き然たる態度がないんですよ。
これから、き然たる態度のないことについての、どういうものがないということを若干例を引いて申し上げたいと思いますが、どうしてそういうことを言うてくるのか一ぺんひとつ考えてみちゃどうですか、お互いのことじゃけん。あなた
たちは指導者じゃけん。これはね、現状の
説明をすべきですよ。お断わりはぴしっと申し上げたらいいんですよ。おそるおそる言う必要はない、当然なことです。私はそういう努力が
農林省に欠けておる、こういうふうに思います。それは特になたに申し上げるわけじゃございませんぞ。政務次官もおられるし、これは帰ってひとつそういうことが国会で議論をされたと、そういう主張があったということを、どうぞ大臣はじめその道の人にお伝えを願いたいと思うんですよ。そんなばかげたこと、これね、みんな不思議に思っていますよ。アメリカから人が来て、そういうことをいまだに言っているのかという、その新聞を見ただけで腹立たしくなっちゃって、めしがうまくないようになる。どうぞひとつ良心に立ち返って、この問題の処置をされたいと思うのであります。
鉱工業の品物がアメリカへ出たということで日本は農産物はアメリカからたくさん買うてる。日本の
農業とアメリカの
農業は
農業の形態が違うんです。ことにくだものに至っては、平たん部が耕作
面積の一三%しかありません。あとは傾斜地で機械の使えないような地域での
生産でございます。同じ土俵で相撲をとるのならアメリカに負けないと思いますが、そうでなくて、非常に不つり合いな、しかも耕地の整備が行き届いておらぬところを
生産地に持っております。そういうことでありますから、私はアメリカの品物を買うなんということはおかしいと思うんですよ。
もう少しこれの理由を申し上げます。これは御答弁いただいたほうがいいかと思いますが、時間がございませんので、詳細はもう省略をいたしますが、私の言うことに間違いがあれば、そうじゃないと、あなたのお考えは間違っておりますと、こういう点が間違っておりますということを指摘して、ひとつ御答弁を願いたい。
果樹の自給率でございます。くだものの自給率というものがこれだけ余る。これは一五〇%ぐらいで、自給率は、全部のくだものがたしか八四か九〇までぐらいだと思うんですよ。それはおのおのの品種について、たとえばビワ、ナシ、モモあるいはクリあるいは
ミカンあるいはリンゴ、それぞれの品種についての自給率をきめておられるのかどうかわかりませんが、くだもの全体についての自給率がある。私は日本のくだものは外国から供給をしてもらわぬでもいけると思う。自給率は一〇〇%持っておる。力は持っておる。構造改善協会というものができて、そして、それには一つの種目を選んで構造を改善しようとした。私はこれに関係しておったからよく知っておるのですが、くだものと畜産が四〇%ぐらいを占めておるのです、構造改善の経費の中で、施設の中で。主産地形成のその率は四〇%、それだけでいわゆる選択的拡大というやつで、火を起こすように、うちわであおいで、
ミカンヘ
ミカンヘと誘い込んだのであります。その結果がこういうことになってきて、そして自給率が八〇%、九〇%なんていうことはおかしいんじゃございませんか。これ、そういうこと書いたものがございますが、もう今度お出しになる印刷物には、ああいうことはお書きになってはいけません。わかりますか。そして、そういうことは一〇〇%だというふうに確認をしておけば、アメリカのエバリーが来たときに、買わないかと、買うべきだと言うてきたときに、それは断わりを言うよりも、ことばがわからぬで、ろくなこと言えぬですから、これ見せたらいいです。
数字を見せるだけの勇気がなければだめですよ。きちっと割り切った勇気がないから、何回でも来たたびに
農林省へ寄って、そしてそういうことを言われる。
ただ一言これについて聞いておきたいのは、自由化並びにワクの拡大というものはする意思はないというふうに言われるであろう、そういう決意をしておられると思うが、これにまつわってもう一度、何回も聞いておるのだけれ
どもよく変わるのでいけませんから、あらためてひとつ決意を承っておきたい、こういうふうに思うのであります。
次に、先ほど
工藤君から
お話があり、初村君から
お話がございましたが、三十六年に果樹
農業振興特別
措置法というものができた。これ三十六年にできておるのですよね。そしてそのときの
計画によると、まあ四十二年から五十一年まで十カ年間の
予測をしておるわけです。その発表があった。それが五十一年には十六万八千ヘクタール、収穫量が三百六十四万トンであろうと、こういうことを書いてあるのですね、違いますか。違うておったらあとで直してください、この問題は
数字のことですから。ところが農林
統計によりますと、四十七年に十七万一千ヘクタールであると、こういうふうに出ている。そして
農林省は三百三十二万トンできるということで、これは上のヘクタールという
面積はいわゆる農林
統計によるものであります。下の数量は
農林省の発表でございます。これは食い違っておりますが、ともあれ十六万八千ヘクタールから、四十七年に
——まだ四十八、四十九、五十、五十一とある。四年前に、五十一年になるであろうと示した
面積より、すでに四十七年にこの
面積がオーバーしている。だからあんたらが持っておるものさしというものが狂うているんだよ。そういうものでものを
計算しようとするから、これだけでき過ぎたのがわからない。
豊作年に気候がよかったからなんていうことを言わなければ言いわけができぬようなことになっちゃう。これは全く変なんですよ。どうかこのことはすなおに
——書いてあることですから、書かなかったと言うても、それは人が書いたんじゃ、わしの
時代じゃないと言うても、やっぱりそのあとを継いでやっておられる皆さんですから、これはすなおに考えて、自給率のところも
数字をもう消してお直しになるように、それからこのいわゆる
予測といいますか、振興特別
措置法に基づいて
予測をしたものの改正をすべきである、こういうふうに私は思います。これは農林
統計ですから少しものが間違っておるかもしれません。こういうことをどうぞ違うておればお答えをいただきたい。これはひとつ一ぺん答えていただきましょう。