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1973-08-30 第71回国会 参議院 内閣委員会 第24号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十八年八月三十日(木曜日)    午前十時四十四分開会     —————————————    委員異動  八月二十九日     辞任         補欠選任      世耕 政隆君     金井 元彦君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         高田 浩運君     理 事                 内藤誉三郎君                 中山 太郎君                 山本茂一郎君                 片岡 勝治君     委 員                 金井 元彦君                 源田  実君                 長屋  茂君                 西村 尚治君                 町村 金五君                 上田  哲君                 鈴木  力君                 鶴園 哲夫君                 黒柳  明君                 宮崎 正義君                 岩間 正男君    国務大臣        建 設 大 臣  金丸  信君    政府委員        人事院事務総局        給与局長     尾崎 朝夷君        首都圏整備委員        会事務局長    小林 忠雄君        行政管理庁行政        管理局長     平井 廸郎君        行政管理庁行政        監察局長     大田 宗利君        環境庁自然保護        局長       江間 時彦君        文部省管理局長  安嶋  彌君        建設大臣官房長  高橋 弘篤君        建設省都市局長  吉田 泰夫君        建設省河川局長  松村 賢吉君        建設省道路局長  菊池 三男君        建設省住宅局長  沢田 光英君        自治大臣官房審        議官       森岡  敞君    事務局側        常任委員会専門        員        相原 桂次君    説明員        大蔵省主計局主        計官       藤仲 貞一君        大蔵省理財局国        有財産第一課長  村上 哲朗君        大蔵省銀行局銀        行課長      清水  汪君        農林大臣官房参        事官       松山 光治君        農林省構造改善        局建設部開発課        長        木村  勇君        農林省畜産局畜        産経営課長    白根  亨君        水産庁漁政部沿        岸漁業課長    渡辺  武君        資源エネルギー        庁公益事業部技        術課長      下邨 昭三君        建設大臣官房官        庁営繕部長    上山  勝君    参考人        日本住宅公団理        事        播磨 雅雄君        日本道路公団総        裁        前田 光嘉君        日本道路公団理        事        三野  定君        首都高速道路公        団理事長     鈴木 俊一君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○建設省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出、衆議院送付)     —————————————
  2. 高田浩運

    委員長高田浩運君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  昨二十九日、世耕政隆君が委員を辞任され、その補欠として金井元彦君が選任されました。     —————————————
  3. 高田浩運

    委員長高田浩運君) 次に、参考人出席要求に関する件についておはかりいたします。  建設省設置法の一部を改正する法律案の審査のため、必要に応じ日本道路公団及び首都高速道路公団の役職員参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 高田浩運

    委員長高田浩運君) 御異議ないと認めます。  なお、その日時及び人選等については、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 高田浩運

    委員長高田浩運君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  6. 高田浩運

    委員長高田浩運君) 次に、建設省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより質疑を行ないます。  質疑のある方は順次御発言願います。
  7. 上田哲

    上田哲君 本日は、道路問題、特に高速道路中心道路行政の根本問題について、できるだけ具体的な問題にも触れながら御見解を伺いたいと思います。  個々の問題もしっかりお答えいただきたいと思うんでありますけれども、まず最初にしっかりしておきたいのは、現代における道路哲学ということだろうと思います。近年の開発政策日本列島改造論というようなものに象徴されるような、高度成長政策に基づく開発政策というものが、いわば利便というテーマに大きく促されて、総じて環境というようなものへの配慮を欠いてきたというところがいま大きく反省をされなければなりません。まあ自然とか、田園とか、都市の中のいこいとか、こういう問題が経済社会発展ということばの中で大きく忘れ去られてきているというふうに思います。まあ、これ以上こうした発展をのみ追求していくならば、人類の危機に足を踏み込むことになるんじゃないかというようなことさえ大いにいわれているときであります。極端に言えば、経済成長が大きく落ち込むことになっても、そうした人間性を阻害しないということへの配慮政策的には大きく拾い上げなければならないのではないかという時代に入ってきたであろう。成長率ゼロということが決して理想や目的であるはずはないけれども、経済成長をとめてはならないという命題が、環境破壊の理由となるべき正当性は失ったという時代にあるんだろうと私は思います。そういう考え方をしっかり踏まえて建設行政が行なわれなければならない。まずその辺をしっかり、まあ哲学的観点からですね、大臣基本的見解を承っておきたいと思います。
  8. 金丸信

    国務大臣金丸信君) ただいま上田先生から御指摘のように、きょうの時点において、ただつくればよろしいという時代でないということは当然だと私は思います。まず人命尊重ということは十二分に考えるべきことでありまして、道路をつくるにいたしましても、道路をつくることが先であるかということを考えてみると、まず道路をつくる前に、人間環境はどうなっておるんだと、地域環境はどうなっておるんだというようなこともまず考えなければならぬ第一点だろうと私は思うわけでありまして、そういう意味で、排気ガスの問題や騒音問題等についても考えなくちゃならぬ問題点もあろうと思います。戦後間もないころは、ただ道路をつくればよろしい、こういうようなこと、また、つくってもらいたいという国民の要望でもあったけれども、いまはそういう時代でないということも十分認識しなければならぬ。しかし、道路公共のものでありますから、公共のために、万人のために道路というものも必要であるということは考えなくちゃならぬ。万人のための道路でありながら、いわゆる道路をつくるのには対話をしながら、対話のある道路をつくってまいりたいと、こう考えておる次第であります。
  9. 上田哲

    上田哲君 対話道路という、新語でありまして、これはまあひとつ感じとしてはわかるような気もいたしますが、行政がそこにどれだけ具体性と新しい理念を注入するかということを伺いたいのです。  そこで、問題になるのは、今日しきりにいわれている車公害とか道路公害という問題であります。道路と、そこを走る自動車諸悪根源であると、こういうふうに認識されてくるようになっています。光化学スモッグ騒音あるいは排気ガスのもたらす被害、交通事故、確かにそういうことを考えますと、諸悪根源ということばもゆえなしとしないという感じがいたすのでありますけれども、こういうような現象を考えてみますと、先ほど来の大臣の御発言とのからみで、ひとつ根本的な道路行政あるいは道路建設計画の点検ということもなければならないと思うのですが、現状は、建設省は全国の高速道路網をはじめ、道路建設計画拡充をなお基本政策としておられる。ただ、そうした方向が変わらないということであっては、道路拡充一本やりの姿勢の中で、いま言われたような新しい時代に対応する道路哲学も生まれないであろうし、また言われるような対話道路ということもむずかしくなるのではないか。そこで、はたして、そういう拡充一本や久の道路政策というものに転換の必要はないのかどうか。それをどのように認識しておられるかを伺いたいと思います。
  10. 金丸信

    国務大臣金丸信君) 道路の問題につきましては、現在、ただつくればいいということではないわけでございますが、まあ日本総合開発と申しますか、東京の人口も減らさなくちゃ、間引きしなくちゃならない、あるいは工場も分散しなくちゃならない。それは東京の再開発である。また、そのためには東京地震対策にも対応する、こういうようなことを考えてみまして、いわゆる地方開発もあえてしなければならぬ。それは同時にするか、あるいは地方開発を先にやるか、こういう問題もあろうと私は思うわけでありまして、そういう意味で、地方開発をするためには、まず、いしずえである日本縦貫自動車道路というものをつくることによって、あらゆるところに行くのに、国民がその道路で便利すると、こういうようなことも考えますと、この道路は整備すべきである、こういうような考え方を持っておるわけでございます。しかし、道路をつくるにいたしましても、先ほど来お話がありましたように、交通公害の問題、あるいはその他もろもろのこれをつくるために問題点があるわけでありますが、そういう問題点十分話し合いで、対話のある道路をつくっていきたいということが念願であります。  ただ、道路はつくらなくてよろしいと、こういうような考え方、一方には、自動車はふえる一方であるというようなことを考えてみますと、道路なしに自動車が走れるわけじゃない。こういうことも考え、また、東京にあるいは都会に道路をつくればつくるだけ、そこにまた自動車が集まってくるというような悪循環もある。こういう問題はどうすべきかということで、いま一つ大きな悩みであります。検討もいたしておるわけでありますが、どちらにいたしましても、この自動車の問題を解決しなければ、生産台数というような問題も解決しなければ、道路の問題も、ただそのままにしておけばよろしいというわけにもいかないという面もあろうと思いますし、まあ、どちらにいたしましても、この道路という問題につきましては、いままでのような考え方では、戦後の道路をつくるというような考え方では道路をつくるわけにはいかないと。あくまでも基本的な人権尊重という問題を中心にして道路をつくっていくことが当然だと私は考えておるわけでございます。
  11. 上田哲

    上田哲君 いままでのような考え方ではいけないんだと、あくまでも人権尊重ということでやるんだという御趣旨はけっこうだと思います。  ただ、一つだけひっかかるとすれば、大臣考え方の基底には、やはり道路環境ないし人との調和というようなことがおありだろうと思うのですが、その調和ということの意味が、単に二つのものをうまく組み合わせるというようなこと、あるいはその中で、やはり経済活動効率化を目ざしていくということが大きくプリンシプルになっているということでは、やはりもう通用しないのではないか。日光の太郎杉の例がたいへんいい教訓だと私は思うんですけれども、その今日の調和というのは、経済活動を、場合によっては社会的にもその一部の利便犠牲にしても自然や環境人権を守る、こういうことが原則としてしっかり打ち立てられなければ、道路行政基本社会生活になじまないものになっていくであろう。政策基本はそうでなければふさわしくないであろう。私はそこのところをやっぱり重ねてひとつ伺っておきたいと思います。
  12. 金丸信

    国務大臣金丸信君) ときに、場面によれば、人命尊重という意味からいえば、道路犠牲にしなければならないという場合もあると私は考えます。また、ときに道路公共性のあるものであるから、万人のために一部の人にしんぼうしてもらわなくちゃならぬという問題もあるだろうというようなことも考えるわけでありますが、まあなべて、あくまでもその中で話し合いで進めていくことが、そしてまた、その道路をつくるにいたしましても、人命尊重中心にして、騒音の問題やら、あるいは日照権の問題やら、交通災害問題等、こういうものも含めながら、話し合いをして理解を得て道路をつくっていくということが適切ではないかと、こう考えておるわけであります。
  13. 上田哲

    上田哲君 ちょっと神経質になっておりまして、一部の人にもしんぼうしてもらうという表現にたいへん不安を感じます。私が申し上げているのは、経済活動や、そうした意味での利便犠牲にしても、一人の人をも傷つけないようにと、こういうふうにひとつ理解を共通にしたいと思います。  そこで、人権とか利便とかいうことがありましたけれども、大きくまとめて言いますと、環境権の問題というところに帰着するんではないかと思うのです。で、その環境権という権利概念ですね、これについて大臣はどのように認識されておりますか。
  14. 金丸信

    国務大臣金丸信君) 環境権利というものは、人間ひとしく持っておるものでありまして、私は、そういう意味で、この権利というものは十分な主張もできますし、また、その権利は十分に尊重してやらなければならぬということだけは当然だと、こう思います。
  15. 上田哲

    上田哲君 ちょっと意を尽くされてい過ぎるように思いますがね。確かに、環境権というのは法律でその内容が明らかになっている、権利概念が確定されているということではありません。ありませんから、やはり高道な政治家としての見識が吐露されない限り充足されない。私はいま成熟段階だと思いますよ。私はここで法律解釈を求めようとは思いません。しかしまあ基本的にいうならば、憲法二十五条にいう「健康で文化的な最低限度生活を営む権利」、この現代的な一つ内容概念ではないか。もっと具体的に言うならば、四十八年五月十二日の阪神高速道路についての神戸地裁決定というのが、これについての見解を示しているものだと思います。これはまあ当然道路行政に携わる方の常識でなきやならないと思うから、あえて見解をただすことはやめますけれども、特に申し上げておきたいことは、ここでは、この神戸地裁決定では、今日の裁判所の判断としても、新しい権利として、住居環境に関する権利、これを不当に侵害されれば環境利益不当侵害防止権利が生ずるんだと、そしてこれに基づく差しとめ請求権が生ずると、こういうことをはっきり打ち出しているわけです。先ほど申し上げたように、こここで法律論を展開しようとは思いませんけれども、こういうふうに環境権というような考え方が強まっているのは、一方に、今日の産業開発とか、道路を含めた地域開発が優先する、そしてまたこれが大きく人間生活を阻害をしているという、時代が生み出した当然の権利概念である、あるいはやむを得ざる権利である。そういう立場で、私は行政が、ポリシーが、この環境権といういわば正当防衛権利概念とでもいうべきものをどういうふうに吸収していくかということが大事だと思います。その限りにおいて、大臣基本的見解をまず承りたいと思います。
  16. 金丸信

    国務大臣金丸信君) 環境基準というようなものがあるわけでございますから、そういうものを十二分に順守していくということが必要であろうと、こう私は考えております。
  17. 上田哲

    上田哲君 つまり、この環境権というのは、空が青くて空気がきれいで、水が澄んでいて、胸一ぱい空気を吸って、腹一ぱい水を飲んで、何にも心配がなければ必要としないと言ってもいい権利ですよ。権利概念ですよ。こういうものが出てきたというのは、近代都市公害とでもいいましょうか、まさしく産業開発というものが進んだ、しかし、その裏側で人間が安心して空気も吸えない、空も見られない、住んでいられないということから出る一種の緊急避難権利だと私は思っているわけです。だから、それを押し詰めている一方の、何といいましょうか、犯罪者とはあえて言いませんけれども、原因者となるべきものは一つ道路である。車公害というのは諸悪根源であるといわれているのはそこにあるわけですから、そういう行政の担当をしておられる大臣が、この環境権というものを、そういう立場において最大に圧迫しないように、尊重するようにしていこうというしっかりした基本概念をお持ちであるかどうか、こういうことを私は確認をしておきたいのです。
  18. 金丸信

    国務大臣金丸信君) 原則論としては、私は先生の御指摘のとおり考えております。
  19. 上田哲

    上田哲君 その御見解はけっこうであります。  念のために申し上げるが、神戸地裁決定は、正当な侵害としての公共性ということはありますね、概念としては。しかし、これが不当に侵害されたときには、当然に公共利益優先論には立たないのだと、そういうところでしっかり環境権というものを立てていくというところを十分認識した上で、単なる両方立てようなどという調和論でない道路行政論をひとつしっかりここで展開をしていきたいと思います。  そこで、中央高速道現況に入っていきたいんでありますが、大臣、去る二十六日に中央高速道路調布インターで、調布市議会調布市が中心になりまして、インター閉鎖という実力行動が行なわれました。この現況をまず説明していただきたい。
  20. 菊池三男

    政府委員菊池三男君) 現況説明でございますので、私、かわって御説明いたします。  御承知のように、中央高速道路調布から西が開通しておりまして、終点が高井戸になっておりますけれども、その間が現在供用開始しておりません。工事が一部、北烏山地区におきまして、地元との話がつきませんで、現在約八百メートル工事が中止しております。それ以外のところは一応工事は完成しておりますが、まん中が抜けておりますので、その一番近いインターチェンジからの出入りということで、調布から西のほうが開通しております。  細部についてはまた後ほど申し上げますけれども、烏山地区につきましては、できるだけ早く地元の方とも話し合いをつけまして、早急に工事にかかり、そうしてでき上がった姿で供用開始したいということを考え、いま道路公団のほうも、鋭意そういう意味で話を進めておるところでございますが、まだ了解の域に達しておりません。これは公団と、それから東京都、それから住宅供給公社、それと地元の代表の方と、四者の方々の四者協議会というものをつくってやっておるわけでございます。  そこで、それがおくれておりますために、中央道の大月、八王子から来た車が調布へみんなおりるということで、そのおりた車が、調布から国道二十号線を抜けていくわけでありますけれども、二十号線もすでに相当交通量がふえております。さらに加えて、高速道路からおりるということで、場合によれば裏道のほうへ逃げていく車もあるということで、調布裏道のほうの道路も非常に混雑してきておるというようなことから、調布の市、市長、それから市議会が、インターチェンジ閉鎖してくれということを公団のほうに申し入れておるわけでございますが、なかなか簡単に閉鎖することはできません。したがいまして、いろいろ対策を講じて、地元のまた調布のほうと話をしておりますけれども、また具体的に、そういう工事等によりまして、現状がひどくならないように、交通の混雑に拍車をかけるようなことにならないように対策は十分講じておりますけれども、まだ話し合いがつきませんで、この前の二十六日にインターチェンジ閉鎖というような事態が起きたわけでございます。  私どもは、調布地元の方のお考えもよくわかりますが、単なる閉鎖という形では根本的な問題としては解決しないと思いますので、できるだけ早く全線開通というような形に持っていきたいというふうに考えております。
  21. 上田哲

    上田哲君 こまかい点は後ほど具体的に伺ってまいりますけれども、大臣市長が先頭に立って、市や市議会や、そうした人たちがわざわざインターチェンジへ出かけて実際に車が通るのを阻止する、この暑い盛りに。これはよくよくのことだろうと思うんですよ。聞くところによりますと、警察署広報カーが出まして、いま市議会議員たちのやっていることは違法行為である、こういうスピーカーを大きく鳴らして叫んだというような事態も報告をされております。私は、もうこれ自体はたいへんけしからぬことだと思うのでありますけれども、いずれにしても、建設行政責任者である建設大臣の御感想をまず承りたいのは、市長以下これだけの人たちが、こういう行動に出なければならぬ、これはよくせきのことであろうと私は思う。また話し合いを十分に詰めておられると言うし、またそのお話の中では、裏道まで車があふれでたいへんなことになっているんだという実態も御説明になったようにも受け取るんでありますけれども、やはりそうした問題を解決しないで、この事態を現象的にのみとらえるということはできないであろう。一体どのような責任感を、裏づけとした感想を持っておられるか、そのことをまず大臣から承っておきたいと思います。
  22. 金丸信

    国務大臣金丸信君) この問題につきましては、市議会からも強い陳情の要請があったわけでございます。あそこを閉鎖するぞということまで陳情をいただいたわけでございますが、できるだけ善処する、ぜひ強硬手段に出ないように、私のほうでもできるだけ善処して、この問題を公団と話し合って進めるからということでいたしたわけでございますが、あのような事態を起こしましたことにつきましては、責任を痛感いたしておる次第でございます。  ただ、私も山梨県でございますから、あのインターからのぼりまして甲府へ帰るわけでございますが、いかんせん、調布のあの辺の渋滞というものはまことにいらいらするような状況であることは、私が申し上げるまでもないわけでありますし、また甲府のほうから帰るについて、調布インターから、えらい道路が渋滞しているから横道へ入ってしまうというようなこと、その横道へ入ってしまうために交通災害その他騒音の問題、いろいろな問題を惹起しておる。これも十分私も目で見て、はだで感じておるところでありますし、また環状八号線あるいは二十号線等の住民にも非常な迷惑をかけておるわけでありまして、そういう意味で、いま日本道路公団は、高速道路との間をつなぐことができないというような問題が大きな問題点でありまして、この問題は十分話し合って、早急に詰めて、金がかかるんだったら金をかけてもやるべきだ、住宅を移すんだったら住宅も移して思い切ったことをやりなさい、こういうことを私は公団の総裁にも指示いたしておるわけでございますが、どちらにしても、一日も早くこの問題を解決するように、なお一そうの努力をいたしたい、こう考えております。
  23. 上田哲

    上田哲君 道路局長の御説明の中にも烏山地区の話が出ておりましたから、私は議論としては、ちょっと分けて話しをしていきたいと思うんですが、念のために一つだけ確認しておきたいんですが、八月二十四日付の朝日新聞の夕刊と、八月二十八日付の読売新聞の夕刊の報道によりますと、建設大臣は十月強行着工、こういう考えを表明されたようでありますけれども、この真意は何ですか。
  24. 金丸信

    国務大臣金丸信君) 一応この問題につきまして、道路公団の総裁ともいろいろ話し合ったわけでございますが、大体話のしかたがなまぬるい、もっと詰めて、先ほど来申し上げましたように、金のかかるのは金がかかってもやむを得ぬということで詰めなさい、便々として延ばしている手はないじゃないかと。先ほど来申し上げましたように、このインターのために迷惑している住民の大多数のことを考えれば、地域住民、公団住宅に住んでいる人、こういうような人たちの反対、これを納得させるような方法もとりなさい。そういうことで、このまま便々としていてはいけないから、十月をめどに交渉をしなさい、こういう話を私はいたしたわけでございます。
  25. 上田哲

    上田哲君 十月強行着工ではないわけですね。
  26. 金丸信

    国務大臣金丸信君) 十月をめどに強行着工もするというような気がまえでひとつ進みなさい、そうして交渉しなさいと、こういう話をいたしたわけでございます。
  27. 上田哲

    上田哲君 先ほど来のお話の中に、よく話し合いをするんだ、あるいは大臣の先ほどつくられた新語は、話し合い道路ということでありましたけれども、話し合い道路を基調にして私は話をしてみたいと思うんですが、とすると、着工には話し合いということが前提になるわけですね。
  28. 金丸信

    国務大臣金丸信君) もちろん、話し合いもこれは十分にやらなくちゃならぬ。私は、建設大臣就任の建設委員会の所信表明でも、対話のある道路をつくっていくことがこれからのあり方だという考え方をもっております。しかし、いまのあのインターの、烏山の問題のつながらないところをつなぐため——これがつながらないために及ぼしている悪影響というものもあるわけでありまして、地域住民の人も、こちらの言うことも聞ける、またそちらの考え方も十分に述べていただいて、十分話し合いでいく。私はとことんまで、着工を十月やらなければならぬということになったら、ひとつ強硬な気がまえでやらなければこの話は進まない、こういう考えに立って述べているわけでございます。
  29. 上田哲

    上田哲君 これは具体的にあとで伺いますから、そのほうに話が混線しないように譲っておきますが、いまのお話は、話し合いが前提である、決して、地元のほうも反対のための反対ではなくて、科学的なデータの上に立っての意思協議機関というようなものをお持ちのようでありますから、その話し合いを熟させるということを前提として、強い気がまえでいけというのは、その話し合いを熟させることについて強い気がまえでいけと、話し合いが成立しなくてもやってしまえという強い気がまえではないのだということだけは確認して先に進んでいいですね。
  30. 金丸信

    国務大臣金丸信君) それが最大の私の願いであります。ぜひそういうように地域住民の方も理解していただいて、この話し合いに乗っていただけるように御協力を願いたいと私は考えておるわけであります。
  31. 上田哲

    上田哲君 話を先に進めていきます。  大臣のお考えは、中央高速道と首都高速四号線を、かねての計画どおり結合する、こういう方針と伺っておりますけれども、そこで、東京高速道路の近況を伺いたいのは、最近の渋滞状況、ランプの閉鎖状況、ところによっては車線の制限もしているようでありますけれども、その状況をなるべく簡単に御説明をいただきます。
  32. 鈴木俊一

    参考人鈴木俊一君) 最近の高速道路の需要の状況でございますが、渋滞の状況がだんだんとひどくなってきておるということは、ある程度事実でございますけれども、これをそういうふうに持っていかないように交通管制によって調節をしてまいりたい、こういうことで鋭意努力をいたしておるわけでございます。数字でちょっと現状を申し上げますと、渋滞の状況が、四十六年は一日平均で申しますと十二・六回、四十七年は十七・四回というようなことで、若干ふえております。また、渋滞と申しますものは、大体、いろいろ基準のとり方がございますけれども、時間の速度が二十キロぐらい、一キロ以上渋滞の延長が続いたというのを自然渋滞と申しておりますが、そういうようなことと、それから事故等によります渋滞とございますけれども、いま申し上げました数字は、そういうものを含めまして平均的に申しますと一日十二・六回の四十六年の状況が、四十七年は十七・四回になったというようなことでございます。
  33. 上田哲

    上田哲君 首都高速の行き詰まり状況というのは、近年非常にやはり激化しているというふうに一言で言っていいと思いますね。そのことが、きのういただいたそちら側の資料によりますと、首都高速の入路閉鎖回数というのが、一年間で、四十五年は千三百八十回であったものが、四十七年は実に九千三百二十七回と、これはたいへんな数にのぼっております。これはもう七倍ですから、七倍の渋滞状況だというふうに言っても大体間違いはない。閉鎖状況だけで論ずることはできないかもしれないけれども、一つのメルクマールとして、これは非常に重要なことだと思わなければならない。このことの原因が、高速道と首都高速との結合というところで、やっぱり大きく起こっていると見なければならない。  つまり、建設大臣に伺いたいのは、四十六年四月の本委員会で、当時の根本建設大臣が私の質問に対して、首都高速道路の混雑状況から見て、都市高速道路とつなぐのは再検討する、つながない方向でひとつ検討したい、こういう発言をされているんであります。これは事務当局もびっくりしたようでありますけれども、政治的大英断である。こういうことが、やっぱりこの都市問題の、たとえびほう策であるにせよ、今日の状況を回避していく一つの有力な政治判断ではないかと、こういうふうに理解をされていたはずであります。ところが、どうもそうなっていない。この経緯はどのようになったのかということを政治判断としてお伺いしたいんです。
  34. 菊池三男

    政府委員菊池三男君) 都市高速道路と、それからいわゆる地方へ出ていきます高速道路、これとの連結のしかたをどうするかという問題でございます。これは先生指摘のように、非常に重大で、しかもむずかしい問題でございます。従来の、十年ぐらい前のときの考え方は、外の高速道路と、それから首都高速のような都市高速のものとは直結しないほうがいいのではないかという考え方があったようでございますが、その後、やはり利用の便利のため、と申しますのは、直結をいたして、そのために渋滞する時間というものはある限られた時間でございます、時間帯であります。それ以外のときは、構造的につながっていれば、それを自由にそのまま使える、あるいは土曜、日曜等のすいているときにはそのまま使えるということでありますので、直結して、そして、もし、そういう混雑の時間帯のときには、そこをランプの閉鎖あるいは減少というようなことでコントロールをすれば同じ効果があがるのではないか、しかもそういう混雑でないときにはフリーに使えるということで、構造的には直結さしておいたほうがいいんじゃないかというような考え方で現在進んでおります。二年前に、根本大臣のときに、先生からそういうお話がございまして、検討するということも事実でございます。その後いろいろまた検討もやっております。首都公団の中に基本問題調査会という、これは理事長の諮問機関でありますけれども、そういうようなところでもそういう問題が出て、やはり構造的に直結したほうがいいんじゃないかというような考え方も出ております。また道路審議会のほうでも同じような問題が出まして、一応いま直結という形で進んでおります。ただ、ちょうと冗長になりますけれども、直結をすると同時に、そういうコントロールということは当然必要となってまいりますし、また首都高速等につきましては、もっと中の環状道路の整備もやらなければならないんじゃないかというような考え方もあわせ出てまいりますけれども、いまの直結をするかしないかという問題は、そういう考え方で現在進んでおります。
  35. 金丸信

    国務大臣金丸信君) ただいま局長から申し上げた点の一つの点であろうと思います。私が山梨へ帰るのに、いわゆる府中のインターから甲府へ帰る、また東名を使って御殿場でおりて甲府へ帰る。どっちが早いかというと、距離的には相当御殿場回りのほうが長いわけですが、御殿場回りのほうが早く甲府へ着くというような現象がある。私は根本先生の言っている考え方というものは一つの見識だろうと思います。そういう場合、都内の自動車というものを相当な制限をして、あるいはいま考えられているモノレールとか、あるいは自動車とか、地下鉄とか、そういうものを十分に配慮して、都内へ入る自動車というようなものを相当その中途で遮断するというような考え方を持ってやることができるならば、そういう考え方一つ考え方じゃないかと、またそう今後やらねばならぬ時代が来るんじゃないかという私は考え方も持っております。
  36. 上田哲

    上田哲君 私はどうも納得できないのは、そういうふうにくるくる見解が変わったんでは、これは朝令暮改そのものではないか、あるいは委員会における大臣の放言ではないか、非常に不満であります。お話を聞いていると、たとえば時間によっては渋滞をすることもあるんで、そのときはランプを締めりゃいいんだ、あたりまえじゃないですか、そんなことは。動かないときにはとめりゃいいんだなんて言われたんじゃ、道路なんて何の意味があるんですか。大体、このごろの高速道路を見ておると、あれは高速道路ではなくて硬直道路ですよ。私は根本さんとあの議論をしたときにも、国鉄だって一定の時間、列車がとまったら急行料金を払い戻すんだ、高速道路は一体どういうことだと。こんないいかげんな、指示標式もはっきりしてなくって、出場もないところで、料金はかなり高い料金とだれもが感じている料金を、どんなにおくれても、どんなに動かなくても取っていく。締めてしまう。締めてしまうのは申しわけないということであるのにですね、締めればたいして御迷惑はかからぬだろうと。都合のいいとき、すいているときにだけ使ってくれよなどというばかげたことがありますか。こういうところはですね、対話道路どころか、市民生活中心にした道路ではないということですよ。私はそういう考え方というのは根本的に問題だと思っているんだけれども、まあきょうはそこのところはちょっとおくんです。時間がもったいないからそこはおくから、ここのところは一言申し上げただけでおくんだが、問題としたいのは、その直結後、渋滞が非常に強くなっていると。まあ山梨ということば大臣から二回出たから、私も二回目だから言うんだけれども、大臣が山梨の選出でなかったならば直結しなかったんではなかろうかという見方だってあるんじゃないかと。いいですか、李下に冠を正さずということであれば、それくらい一般市民のこの道路についての、渋滞についての、被害についての、車公害についての不満というのは高いのだということをやはり認識していただかなければ、これは議論が始まらぬですよ。  数字的に私は申し上げたいんだけれども、よろしいですか、この暑い盛りに市長以下全部あれだけ出るような事態になったのは、感情的な問題ではないんです。実に数字的な問題で、さっきもちょっと申し上げたように、実に七倍に及ぶ入路閉鎖が行なわれたりするような状況で、この前私が質問したときには、前回質問した当時は結合していなかったわけです。結合して以後こういうことになったんです。そのことのためには、そこのところを結ばないほうがいいだろうということは前大臣は言われたんだ。ところが、その後そうでないほうがいいということになった。いいですか、じゃあ前の大臣の言ったことは間違いだったんですか、はっきりしてください、そこを。
  37. 菊池三男

    政府委員菊池三男君) 私は、前の大臣が言ったことが間違いとか、そういうことではございません。いろいろ考え方がございます。考え方につきましては、直結するほうがいいという、これの一つ考え方の利点もございます。それから分離したほうがいいという考え方の利点もございます。大臣はたまたまその場合に分離することを検討したらどうかということであったわけでございます。ただ、その分離するのも確かに一つの解決方法ではありますけれども、分離をしても、やはりその分離化——一度分離はされてますけれども、おりた車がまた高速道路へ上がれば、交通の量としては同じことでございます。もし直結しておっても、あるいは一たん下へおろしても、もう一回その車が上がり切らねば同じことでございます。私はその問題は環状線のもっと整備ということにつながる問題であろうと考えております。環状線が整備されれば、そのおりた車はそのままほかへ回れる。ところが、いまのような環状の段階では、またもう一回上がってくる。そうなればやはり込むことは同じではないかというふうに考えております。  確かに、これはしかし、いまそうでありますけれども、それでは全部そうなっているかといいますと、たとえばまだ関越道につきましてはいま直結ということにはなっておりません。また第三京浜も直結しておりません。私ども、ときどき第三京浜はなぜほかの二号線等とつながないんだということを逆に聞かれることがよくございますけれども、まあいまの一つ基本的な計画に従ってやっておる。まあ根本大臣の言われたことは、そういう内容につきましては、いま言ったように単に閉鎖すれぱいいというふうに——いま先生からおこられましたけれども、私は閉鎖の問題は首都高速の中の問題で、これはもうまさに御迷惑をかけておりますし、そういうような事態になっていることについては私も申しわけないと思います。ただ、直結するかしないかという問題についてだけ述べたので、そうすれば直結しても、構造的に直結しても、構造的に分離をしても、その直結したことをコントロールすれば同じ効果が出るし、それ以外のときには直結したほうがそのまま有効に利用できるから、そのほうがいいのだというふうに申し上げたわけで、たいへん誤解を招きました。
  38. 上田哲

    上田哲君 そういう言いのがれの議論をしているんじゃないんです。技術論はいろいろ言い方があるでしょう、あなた方は専門家ですから。私が言っているのは、一般市民の常識において、議論をする場である国会でわれわれが質問をし大臣がこれに答えた。はっきりしていただきたいのはシンプルなことですよ。根本大臣が間違っていて、金丸大臣が正しいというならそれでもいいんですよ。わからないじゃないですか、方針が二つあるということが。どっちかが間違っているんでなかったら、話が通じないことが、国会なり政府のやることでは何となく通っていってしまうということでは、被害を受けている側が納得のしようがないということを言っているんですよ。だから、政治的に答えてくれと言っている。技術的に答えてくれと言っているんではないのです。その政治的に答えろというところにいろいろな数字が出てきたり、いろいろな話をおっしゃるから、都内のこういう渋滞というものを、ランプさえ締めればいいんだなんといういいかげんな話があるかということを言っている。  また繰り返されるから申し上げるのだけれども、そういう、たとえば縦貫道路とか、環状道路とかということをちゃんとやらないで、片一方だけつないでしまうというのは明らかに片手落ちではないですか。そういうやり方というものでもって技術論的に説明をするということはいかぬと言っているんですよ。つないだことがいいか悪いかという議論はいろいろあるだろうし、それは今日の議論にしなくてよろしい。そのことについての当否を問うているんではない。しかし、これだけ大きく、市民生活をほんとうにブルドーザーが走るように圧迫をしていくような道路行政というものがですよ、そんなに政府の、しかも大臣の発言の朝令暮改によって無説明で変えられていくという態度がいかぬのだと、何が対話道路であるかと、その姿勢を私は問うているんですよ。その一環としての例として、具体的に、この前のくっついていなかったときには千三百台の閉鎖回数であったものが、くっついてからは七倍の九千三百台になっているではないか。台というのはまるまるの台ですよ。そういうふうになっているではないか。こういうことになっておることは、ひとつやっぱりつないだということの結果として見なければならないのであろうし、そうであるならば説明があるべきじゃないですか。大臣がかわっちゃったらどうでもいいということはないでしょう。そんなに道路行政というものは簡単なことではないのだということを私は言いたいわけです。ここのところはまた同じような繰り返しになるでありましょうから、そういうことでは困るのだということを申し上げて、ひとつそういう方針の転換があるときには、国会、委員会の権威にかけて御報告なさい、これから。そうでしょう。これは当然な理由があると思う。この方向でやりたいと思うのだと、大臣が答えたとする。その点、何も変更なしにすいすいとやられてしまうということなら、やらずぶったくりですよ。わたしたちだけではない。うしろ側の住民はどこへ文句を言っていったらいいのか。これは私はいい慣例でないと思う。こういうことはきちっと起承転結を明らかにするということを約束をしてくださるか。ほかのことは要りませんから、まずそのことだけ伺わせていただきたい。
  39. 金丸信

    国務大臣金丸信君) 大臣の答弁というものは権威のある答弁でなければならぬし、またそれが朝令暮改になるということは許されぬと私も思います。十分そういう点につきましては注意してまいりたいと思います。
  40. 上田哲

    上田哲君 半歩ぐらい前進したものと考えてひとつ聞きたいと思いますが、高速三号は開通後間もなく、工事中が非常に多い。これも渋滞の原因になっておりまして、予想以上の通過交通量が、台数だけじゃなくて超大型トラックの通行量増大というようなことが原因ともなっています。まあたいへんまずい結果が出ているということになると思うんですが、この問題は、実は高速の行き詰まりの問題だけではなくて、道路公害の問題ということにもなっている。社会党世田谷総支部が調査した資料があるんでありますけれども、その沿道住民の七割が、高速三号の開通直後から公害がふえて困っていると答えております。七割ですよ。これは騒音排気ガスを調べた別の調査でも実証されておりまして、たとえば近くに桜町高校というのがありますけれども、ここの高校生のクラブが調査をした。この高校生クラブが調査したところでは、騒音は百五十メートル離れた高校の三階でも住宅地の環境基準をこえる騒音、つまり六十ホンだと、こういうふうなデータが出ておるんであります。このデータをどんどん出してもよろしいけれども、あまりこまかいデータに入ることを避けるといたしましても、こういう状況になっているということについて、やはりもっと根本的な検討がなされなきやならない。これが足りないとお考えになりませんか。
  41. 鈴木俊一

    参考人鈴木俊一君) いま御指摘のありました学校の騒音の問題でございますが、高速三号線の沿道にございます学校の騒音につきましては、ただいま高速道路三号線の全体につきまして防音壁を設置しつつございます。  それから、いまお話しの学校は、道路帯から相当離れているわけでございます。で、高速道路の負担でそこまで調査をするのは現在の方式では困難でございますので、これは東京都の教育委員会のほうにお願いをしまして、そういうものについての防音装置、たとえば窓をより完全なものにいたしますとかいったような、そういうことをお願いするようにしておりまして、都の教育委員会及び区の教育委員会との間において財政的にも必要な措置を講ずると、こういうようなことでいま話し合いを進めておるところでございまして、大体その線で解決をする予定でございます。
  42. 上田哲

    上田哲君 データの上ではもっと出したいこともありますし、不満でありますけれども、もう少し先へ進みます。  そこで、本論の具体的な問題、調布インターに戻して、そこから具体的にひとつ伺っていきますけれども、この二十六日の調布インター閉鎖の問題、さっき大臣はたいへん責任を痛感しておられると言ったわけでありますけれども、この市民が車公害、高速公害、一日も早く解決をしてほしい、一般市民の署名がすでに四千名をこえているんですね。これはやはりもう単に地元市議会市長さんたちだけが先行をして走っているというようなことではないと、問題は、これに対して建設省道路公団が有効な回答をしていないと理解される状況があるわけです。  そこで、大臣にひとつお伺いしたいんだけれども、中央道の早期完成ということは解決策ではないという——大臣は記者会見で、調布の運動は中央道の開通促進の意味も込めているようだと、こういう見解を述べておられる。これはきょうの新聞にも出ておりますけれども、本多市長がそういうことではないのだということを特に強調しているわけですけれども、何か、いかにもこちらとこちらの住民がぶつかり合っているんだというふうな、こういうまるでサル・カニ合戦をうしろからあおっているような感じ行政を進められるというふうな印象があっては非常に私はよくないことだと思うんです。確かにこの工事の開通促進を願っている人が、この住民の中にいないとは私は言いませんけれども、全体としてまとまったところでは、烏山のほうがどうなるかということは調布にとっては無関係である、調布自身の問題をどうするかということを正確に答えてほしいんだということが、調布側が建設省及び道路公団に向かって問うているポイントだと、私はこういうふうに理解しなければならぬと思うし、そして、それが第二次申し入れの中には、はっきり明記されているというふうに理解をいたします。先ほど申し上げた大臣の記者会見での印象を含めて、こういう二つのエゴイズムのぶつかり合いなどというものではない。また、それを促進するなどというような形で行政当局は当たってはならない。調布にとっては、市長及び市議会の意向が、全体が明らかにこれは調布自身の問題を正確に答えよということであるのだということを、これからの論議の共通の場として持てるのかどうか、この認識を確かめておきたいと思います。
  43. 金丸信

    国務大臣金丸信君) 私はあのインター閉鎖の問題につきましては、実際問題として調布の迷惑をこうむっている迷惑というものは非常な迷惑だと、あれがつながるということであるなればスムーズに自動車は東へ流れていく、調布へおりる自動車というものは、ただ調布に用のある、あの関係に用のある、その沿線に用のある自動車だけがおりるということになりますから、その自動車の台数というものは微々たるものであろう、そういう意味でこれをつなぐということが一つのわれわれの考えておる考え方と同じような考え方になっていただいておるんじゃないかというような考え方を持ったわけでございます。いまそのままにしておくということであるならば、実際問題調布へおりざるを得ないと。いま一時間千八百台の自動車しか調布におりられないような仕組みにいたしておるようでございますが、しかし、一時間千八百台という台数というものは膨大な台数であるということも考えられるわけでありまして、これでよろしいという調布の市の考えではないようでありますし、そういうことを考えてみますと、この問題を解決するのには、どうしてもあの問題、つなぐということが一つの前提であると、こういう意味で私は申し上げたわけでありまして、他意あって申し上げているわけではありません。
  44. 上田哲

    上田哲君 確認しますけれども、調布が求めているのは、調布が反対に立ち上がっているのは、早く烏山を通せということが目的なのではない。調布が言っているのは調布自身のことなんだと、ここで建設省道路公団も、その方向で話し合いに入るべきだということは納得されるわけですね。
  45. 金丸信

    国務大臣金丸信君) よくわかりました。
  46. 上田哲

    上田哲君 そこで、その調布の言っていることは、この調布インターチェンジを認めたときは、四十三年には貫通して調布は通過点になる約束だったと、これは衆議院の建設委員会でも、調布市議会でも約束をしておるわけですが、それから六年たつのに貫通をしていない、これが約束違反であって、この責任道路公団が、道路当局が明らかにせよということ、これが一つ。  もう一つ大切なことは、この約束違反の結果、調布市民が現に大きな被害を受けている。数字を申し上げると、交通事故の死傷者数が年間千三十七人、実にこのうち子供が二百人以上です、大臣。裏通りまで車が一ぱいになって、インター近くでは騒音が七十ホンから八十ホンに達する、もうがまんできる状態ではないからこれを解決をせよと、最初の約束が違うではないかと。最初の約束というのは、四十二年には貫通して、そこで通過点としてのインターチェンジだったと、ところが、そうならないところに非常な不便が増幅してきていると、この二つであります。かりにいま中央道の——大臣がちらっと漏らされたように、これはまあ打ち消されましたけれども、いま中央道の全通の見通しをつけたとしても、公団が言うとおりでも完成は二年後でありましょうから、そうすると、年間千三十七人、子供も二百人、騒音が裏通りでも七十ホン、八十ホンというような状況は、この間、もっとおくれないという保証はありません。その間じゅう調布がずっとがまんし続けろというのは、いろんな都合はあったけれども、その事情は地元のほうで全部しょえということにはならぬと思うのであります。烏山問題とは関係がないと調布が言っているのはそこのところです。これは烏山問題を通したところで、少なくともこの期間というのは、それだけのことは同じようにかぶってくるわけでありまして、少なくとも目の前、もうこれ以上がまんができないという問題を、これはあっちを通せば済むんだというような話にされたんでは、非常にこれは行政の怠慢を露呈することになるだけだろう。対策がしっかり立てられるべきなのはその点でありまして、その対策がないなら締めてもらいたいと言うのは、これはもう住民としては、のどはがらがら、子供は殺されるという住民の当然な要求であって、正当防衛、緊急避難だと私は思うんであります。だから、策がないなら公団はまさに閉鎖すべきだ。
  47. 菊池三男

    政府委員菊池三男君) 調布の出口のインターチェンジの問題は、これは確かに全通いたしてもある程度の交通量ございます。いま、かりに先生お話のようにとめるというようなことをいたしますと、いまあすこで出入りしている車は国道二十号線の車のほうが全体の量からいきますと非常に大きくなっております。調布インターチェンジから出てくる車はそれに比べてたぶん半分ぐらいだと思います。それをもし閉鎖いたしますと、やはり必要のある車は国道二十号線を走ってくるのではないかと思います。そういたしますと、いま立川、府中のインター、あるいは八王子のほうから入ってまいります車がみんな二十号を来るということになりますと、たいへんまた現在の道路の混雑にも拍車をかけるようになりますし、また現在の二十号を、もしどうしても必要なものが来れば、インターチェンジからおりても、二十号のほうを走ってきても、交通の量としては、ある程度やはり国道のほうへ回ってくるであろうというようなことから、これは公団のほうが地元調布のほうへ、こういうふうにしたいと示しております公団のこの基準が、先ほど大臣が申しましたように、一方向一時間千八百台をこえるようになったら、これは公団のそのインターチェンジでコントロールいたしますということで、トラフィックカウンター等を置きまして、常時交通の実態をつかみ、コントロールをしていこうというようなこと、まあそのほかいろいろ具体的にはインターチェンジ出てからすぐ左折する車がございますので、裏道に逃げる車がございますので、そういうことができないようにいろいろ構造的に障害物をつくりまして、左折をできないようにしたり、あるいはランプの二車線ランプを一車線にいま縮めております。そういうようなこともいろいろやりながら、何とかこのままほかへもさらに影響を広げずに、しかも調布の町にとってもある程度以上そこへ——千八百台ということで押えまして、それ以上にならないようにしたいというようなことで、私どものほうも調布市長あるいは議会のほうといろいろ話をやっておるわけでございますが、閉鎖ということは非常にそういう意味でむずかしい問題が出てまいりますので、そういうコントロールという形でこのままいかしていただきたいというふうに考えておるわけでございます。
  48. 上田哲

    上田哲君 そういうことでは全然解決にならぬのですよ。調布では、これは九月早々にまた実力行動に出ようと、出ようというよりも出なきゃならぬではないかと、こういう状態になっているわけですよ。その答弁を繰り返しているんでは、九月早々にもまたおやんなさいと、そのあともおやんなさいということにしかならないわけですよ。だから、たとえば調布インターというのを大規模に縮小する。単に車線の制限などではなくて、流出入車両の数を大幅に減らす規制をとるとか、いろんな方法はあるだろうと思うんですけれども、車種による規制とか、時間による規制とか、とにかく車の数を大きく減らしていく方法というのは、もう少し抜本的にとる方法があり得るではないか。こういうことが、いまおっしゃったようなことではなくて、大きくその検討を進めるということにはならぬですか。
  49. 菊池三男

    政府委員菊池三男君) そのとおりであります。実は高速道路が、また十月ごろに四号線が開通いたしますと、あるいはさらに交通がふえやしないかという地元の不安もあると思います。またあそこは首都高速道路と、それから道路公団のいまの高速道路と、それから下の道路は国道でございます。管理者がみな違います。それにまた交通規制としての警察が入りますので、この問題に対して、みんな集まって、そうして今後の交通をいかにすべきかということで、各関係者が集まって、早急にこの問題についてもさらに検討をして詰めていきたいということで、これは私どものほうが主宰いたしまして、早急にそういう協議会をつくろうという考え方でおりまして、さらにそういう問題についても詰めるつもりでおります。
  50. 上田哲

    上田哲君 技術的な言い方をしても、調布までの中央高速というのは建設省としては未完成道路ですね、完成道路とは言わないわけですね。いまはしかし完成道路と同じようなターミナルの形になってしまっているわけだから、これはおかしいわけですね。未完成道路としての調布インター考え方というものに立って、きちっとした対策を検討をする、こういう理解でよろしいですね。
  51. 金丸信

    国務大臣金丸信君) その問題につきましては、私も道路局長に、あそこにそのまま来る自動車をみなおろすということを考えたらこの問題は解決つかない。そういう意味で、トラックは八王子でおろすなり、府中でおろすなり、あるいは自家用車はこうするとか、いろいろな便法を講じて、できるだけあそこにおりる自動車を削減することを考えるべきだと、こういう指示をいたしておるわけでありますが、先生の仰せのようにいたしたいと考えております。
  52. 上田哲

    上田哲君 道路公団に伺いたいのですがね。道路公団は、この問題が起きて以来の態度が非常に誠意を欠いている。このことが調布市民を激高させているわけです。とにかく話し合いが大事なんだから、総裁か副総裁が出てきてほしいと言うが、総裁、副総裁は一向に姿を見せない。閉鎖を目前にした時期になってからの回答は、かってにやんなさいとでも受け取るしかないようなものである。当日は現地に対策本部をつくるわけでもないし、事態を傍観するだけで、ただ職員がぶらぶらしていたという形、こういう当局の態度というのが地元を非常に激高させているという実態がまぎれもなくここにあります。二十六日は、とにかくそこで出先の責任者が、これは理事さんのほうでありますけれども、四、五日じゆうには新回答をする、こういうことでその場の収拾がはかられておるようでありますけれども、その新回答というものの内容は、いま建設省大臣が示されたような方向を十分に含んでいる責任ある内容のものでしょうか。
  53. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 中央高速道路調布インターの問題及び北烏山地区工事渋滞につきまして、先生方並びに国民の皆さん方にたいへん御迷惑をかけておりますことに非常に責任を痛感し、申しわけないことと思っております。  ただいま御指摘のございました調布市との接触について公団が誠意がないということでございました。私どもの担当者が、当初調布市の関係の方方と接触する際に、いささか礼を失した場合もございまして、この点につきまして、私もあとで聞きまして、非常に申しわけないと、こう考えまして、担当の者に戒め、今後は十分責任者がお目にかかり、誠心誠意実情を申し上げ、ものによっては御協力をお願いするということで決しております。そういう関係もございまして、二十六日には、私かあるいは私にかわるべきものを出せというお話がございましたので、担当の理事を派遣いたしまして、現地における指導及び問題の衝に当たらせまして、その際にさらに市長及び市の議長から、あらためてもう一ぺん総裁と会いたい、そのときひとつまた問題を協議しようという、こういう御提案がございまして、そこで私もさっそくこれを快諾いたしまして、来たる九月三日に調布市におもむきまして、市長並びに議長、関係の方、々とお目にかかり、この問題につきまして隔意ない意見の交換、御相談をする所存でございます。  なお、先ほど来、その内容につきまして大臣から御答弁がございました。先生からも、調布市の要望と烏山との問題について、関係がないというお話がございましたけれども、当初調布市の市議会の議長からの私に対する御要望の中には、全線開通の時期について明示をしろと、こういう御要望がございました。そのほかに、その間の交通に対する住民の迷惑についてどう考えているかというふうなこともございましたし、また公団が自主的に調布インター閉鎖しなさいという要望もございました。これらにつきましては、私もいろいろ考えまして、先ほど来大臣からお話がございましたように、極力話を詰めて、十月までにはぜひ開通をするように話を持っていきたいということも含めて回答いたしておりまして、そういう点等につきましても、私はわれわれの責務といたしまして、一刻も早く北烏山の問題を解決し、交通をスムーズに流すことによって、調布市内の二十号線の交通、あるいは調布市内に流入する一般の交通についても相当よい影響が出るだろう。一刻も早く烏山を解決すること、及びいま局長お話がございましたように、それ以外の点について、できる限りインターの問題、交通規制の問題等につきまして話を進めることが大事だろうと、こう考えまして、こういう趣旨のことを、さらに九月三日の調布市長及び議長との会談においては申し上げたいと考えております。
  54. 上田哲

    上田哲君 それは困るんですよ。九月三日に行くということは私は聞き初めだからけっこうだ、三日でも、一日でも、一日でも早くいらっしゃればいいと思うんですが、大体あなたがいままでお話し合いに出られないことに大きな問題があった。ぜひひとつ、これからほかのことに優先して出られるように要望しておきますけれども、いまのお話の中で、せっかくこれだけ話し合いしてきているのにまだ混乱がある。調布の話は調布のこととしてお話をなさい。それを烏山のほうの話をくっつけるということはおかしいことになるから、この際、私は時間がないから言いたくはないんですけれども、一言だけ言っておきたいけれども、住民エゴということばを妙に使うのは、これは行政エゴですよ。住民エゴというのは、民主主義の一番原形なんでありまして、エゴじゃないんです、これは。まさに大きく産業構造が発達してくる現代社会の中での、たとえば今回の問題なんというのは、都市問題の矛盾が噴出をしているのですよ、調布でも烏山でも。調布や烏山の住民エゴが噴出したのではないんです。ほうっておいたら、のどがやられて、からだがやられて生きられなくなっていくものが、正当防衛、緊急避難ではありませんか。それを大きく包み込んでいくのがデモクラシーの新しい都市計画なんだ。そこを、行政のワクの中に入らないものは全部住民エゴだなんというような考え方でもって、変な風潮が出てきていることは、非常に日本社会の円満な発展のために私はあぶないと思っている。行政当局者は、大いにそこのところをみずから戒めるところがなきやならぬと私は思うんですけれども、この議論をしていると時間がないから、残念だが、ここのところは一言申し述べて先へ行きますけれども、具体的には、どうも何でも調布の問題を解決するには、烏山を解決すればいいだろうというような話になる。何のことはない。こっちの話がこっちに移るだけですよ。こういう話はたいへん困るんです。  その困るところを具体的に言えば、たとえば先ほど来道路局長の話でも、中止されておるのは八百メートルという御説明があった。この辺のところは話がおかしいのですよ。現在中央高速道路工事がストップしておるところはどの区間になっておるのか。いいですか、俗に北烏山団地というような言い方になっているわけだし、烏山ということがクローズアップされることになっているのだが、これは非常に不明瞭です。そうじゃない。東側は杉並区の高井戸地区、ここに公害対策協議会とかPTAの子供を守る会がありますよ。そこで中央高速問題を取り上げています。西側の烏山も一般住宅があって同じように問題にしております。ほかに、杉並の浅間橋と環状八号の間で訴訟になっているために工事がとぎれている。こういうところがたくさんあるわけです。それなのに、公団は北烏山の団地、また八百メートル、そこだけが問題になっているという言い方に終始されている。こういう言い方自身が問題をすりかえるということになってしまう。少なくとも正確に問題をとらえていないというところから間違いが起きる。そうではないんです。明らかに調布解決のために烏山を犠牲にするみたいな言い方では、こちら側の弊をこちらに二重に積み上げることになる。さいの川原の五重の塔を幾らつくったって、泣く人たちを片一方にしわ寄せさせることが行政の目的ではないでしょう。だからそういう意味で、まあ抽象的な議論をやりとりしていてもしようがない。たとえば、その中止区間というのが、北烏山地区の八百メートルだという言い方ではいかぬのだと、そういうところから出発をすべきだろうと思うことが一つ。もう一つは、高井戸地区からは中央道については意見は出ていないと、出ているではありませんか。それについて簡単にひとつ、だんだんだんだん時間がなくなりますから。
  55. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) お話のとおり、現在工事の中止しておる個所は、ちょうど杉並区と世田谷区の区境にまたがっておりますので、距離はたしか杉並区のほうが三百五十メーターと記憶しておりますが、その間につきまして、やはり騒音問題等につきましていろいろ地元の方から御意見出ておりまして、折衝をしておる段階でございます。
  56. 上田哲

    上田哲君 十分お答えになっていませんけれども、高井戸地区では、最近では、四十六年来工事中止、計画再検討を求める声が起こっております。ことしの一月は道路計画に接している富士見丘小学校のPTAの子供を守る会、これは再検討の陳情が出ていますね。経過をさかのぼって言えば、中央高速道のいま問題になっている部分を含めて、かなり広い範囲が計画決定のころからずいぶん問題が多かった。当時でも都市計画決定が僅差の表決できまったといういきさつもあったはずであります。それが工事着工の段階になって、ずさんなやり方から北烏山団地で問題になって工事停止になった。そのころから各地で高速道路公害、道路公害が問題になった。そこで、最近団地だけでなくて、東側も西側も、かねてからの問題、新しい情勢のもとでの新しい問題というのが噴出している。  建設大臣が、これも記者会見で、千人の迷惑を顧みず一人のエゴを通そうとしているというようなことばを使われておるように聞きますが、真意でありましょうか。そういうことではない、これは計画の欠陥部分が住民の声によって正されているということになるのであって、千人のためにも一人の声を通さなければならぬ、私はそういうふうに大臣が言われたのであろうと理解しなければ、これはいかぬと思うんですけれども、そうでしょうか。
  57. 金丸信

    国務大臣金丸信君) この問題につきましては、新聞記者の方が私の部屋に参りまして、雑談で話したわけでございまして、私は、公害の問題も十分考えなくちゃならない、あるいは環境保全の問題も十分考えなくちゃならない、なおかつ十分対話もしなくちゃならない、しかし、全然話に乗ってくれない、どうしてもだめだというときはどうするんですかという話がありましたから、それはあくまでも道路公団に速急に話を詰めるように私は指示してあるんだと、こう申し上げたわけでありまして、ただこの道路が、このままほうっておいて、便々としておることが国民のためになるかならないかということも考えなくちゃならぬ。千人を殺して一人を生かすか、こういう問題がいまお話に出て、私はそのように言ったかどうかわかりませんが、しかし、千人も生かし、一人も生かすようなことができることが最善の願いでありまして、あくまでもこの問題は話し合いを速急に詰めていただくというような方向で問題を持ってまいりたいと、こう考えています。
  58. 上田哲

    上田哲君 大臣としてはそういう方針以外にはあり得ないと思います。一人のエゴイズムというような立場での行政は慎んでいただかなければならぬ。  高井戸地区の実情で少しお伺いしたいんですけれども、中之橋から浅間橋の付近、ここは高速道路が、老人ホーム浴風園というのがありますけれども、老人ホームと富士見丘小学校の間を突っ切っていく、小学校の校舎から三十センチのところが道路用地になっていて、その用地に高速が高架でそびえて、まるで校舎におおいかぶさるような形になっています。老人ホームのすぐ裏側に高速が迫っていて、その高速道路はランプや放射五号線の立体交差を含めて、数えようにもよりますけれども、十四車線というようなことになっている。こんな例が一体あるでありましょうか。まさにこれは子供も老人も無視する高速道路、こんなばかげたところに車を通すということが一体住民尊重ということになるであろうか。一人どころか、何人泣かされているか。これはやっぱり私はもう都市計画の中に人間がないという証拠だと思います。おそらく計画段階できまったときに反対がなかったとか、すでに工事が一定の段階までいっているとかということを御説明になるであろうと思うけれども、現に高速道路は、計画時には考えられなかった不安や被害というものを振りまいているという現実から、ひとつ今日の行政は出発していただかなければならぬと思うのです。この現状をどうお考えになりますか。
  59. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) お話のとおり、杉並区の地点の通過にあたりましては、一般の住宅はもちろん、お話のような老人ホーム、あるいは小学校——富士見丘小学校と申しますが、ございまして、いろいろ学校の関係の方々、PTAの方々からお話しございましたので相談を進めてまいりました。その結果、学校につきましては都のほうでこれを鉄筋コンクリートに建てかえる、それから窓もその際にきちっとして防音装置のできたものにするということで話し合いがきまりまして、現在その工事を一部開始をしておるところでございます。  老人ホームにつきましては、少し距離が離れておりますので、一応そのままで御了承願うことになっておるように私は承知しておりますが、何ぶん密集した市街地を通る道路につきましては、騒音等によります被害が出ますので、道路そのものにつきましても防音壁をつくる。極力騒音その他の被害をなくするように、環境基準を守るように配慮をして設計をし、相談をしておるところでございます。
  60. 上田哲

    上田哲君 老人ホームは少し離れていますからなんという態度は、行政当局者から出ちゃおかしいんですよ。日本なんていうのは全部離れていないんですよ。どこも。北海道も九州も。それぐらい狭いんですよ。ここにアメリカ並みのGNPを乗せようなんていうことになりますと、みんな背中がくっつくんですよ。これを離れておりますからなんていう言い方はたいへん困る。しからば伺うけれども、元来高速道路のまわりは緩衝地帯をつくろうというのは、これは道路行政の今日の常識でしょう。そのことのほうが優先しなきゃならない基準じゃありませんか。離れているか、離れてないかなんていうのは、それから次の話になるんでありまして、その緩衝地帯をつくらなければならないところに民家がある、あるいは公共施設がある、このことのほうがやっぱり指摘さるべき、取り上げるべき問題だと私は思うのですよ。たとえばこの高井戸地区に——大臣は烏山のほうはシェルターをつくるんだと胸を張られているわけですけれども、高井戸がそれで納得するかどうかは別にして、高井戸のほうにシェルターをつくるということはできませんか。
  61. 金丸信

    国務大臣金丸信君) 技術的な問題でございますが、ただ技術的な問題でない考え方については考えてみる必要はあるんじゃないかと、こう考えます。
  62. 上田哲

    上田哲君 いいです。大臣がお答えになったから、それはいいでしょう。大臣のその意向を十分尊重してやってみたけど、だめだったみたいなことでは困りますから、努力をしてください。——話をしているんです。努力をしてくださいということですから。必要性がないとか、技術的にむずかしいとか、いろんな方途があるだろうというような答えが出ることはわかっておりますから、私は、じゃ、一言だけ言っておきたいのは、明らかに騒音は減るんですよ。できるだけのことをしたほうがいいんです。必要最小限をやるんじゃなくて、必要最大限をやろうじゃないかという方向が大臣の発言なんだから、これは大事にしてください。そういうことをぜひ申し上げておきます。  もう一つ言いましょう。高井戸地区にはランプをつけますね。このランプを利用する車をさばく道路はどうするのか。たとえばいまでも道路と直角に交差する甲州街道、水道道路の狭い道、歩道なしの二車線です。これは朝夕何百メートルの渋滞になるんで、私も、この通学道路にもあたっているし、ときどき通ることがありますけれども、これはたいへんですよ。このままの計画を実行されると、何のことはない、高井戸に調布がもう一つできる。高井戸に調布のミニ版をもう一ぺんつくる、こういうことをやるつもりですか。
  63. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 高井戸のランプにつきましては、放射五号線におろしまして環状八号に通ぜしめる必要がございますので、非常にその場所につきましてはいろいろ苦心いたしました。御承知のとおり、あの場所は相当民家も密集しておりますので、どこにとりましてもいろいろ問題がございます。そこで、最小限度の騒音あるいは振動の場所を選びましていろいろ協議の結果、あの場所を設けたわけでございます。しかし、ちょうどその付近におられる方々はそれでも御不満のようでございますけれども、道路にランプが必要であり、また地元の方々の御了承をいただくためにも、あるいは遠くから来られた方々がそこへおりるにいたしましても、やはりあの地区にランプが必要でございますので、できる限り話を詰めまして御理解いただき、また必要な施設は十分つくるつもりでおります。
  64. 上田哲

    上田哲君 シェルターで前向きに言うことがあるなら言ってもいいですよ。
  65. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) ございません。
  66. 上田哲

    上田哲君 ありませんね。じゃ、高井戸のランプはそのままいこうというんですか。
  67. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) ランプそのものはつくらなければならぬと存じております。
  68. 上田哲

    上田哲君 これはね、道路局長でも建設大臣でもけっこうだけれども、これはたいへんですよ。また同じことが起きますよ。なかなかあの地区の住民パワーも強いですからね、ただごとじゃ済みませんよ。こんなことを、わかり切っていることをやるんですか。一体総裁はどれだけ知っているか知らぬけれども、八号線なんてのはあすこでとぎれているじゃないですか。片通行しかできないですよ、まだ。あんなところへ結びつけてとおっしゃるけれども、向こうはどこまで行くか全然わからない袋小路じゃありませんか。車がどれくらい並びますか。こんなでたらめなことを言っていたんじゃ、東京は行き詰まりになりますよ、全部。高井戸のあたりには車があふれますよ。どんどん調布から高井戸へ、どんどん都心に山状のこぶが集まってくるばかりじゃありませんか。検討すべきですよ、これは。きのうからいただいている資料を見ましても、まだこまかく検討できてないけれども、三万台をこえる車がここを通りますよ。そんなものを二車線にもならないような小さな道路で、あの袋小路を一ぱいにしてさばき切れる自信がありますか。これは私はでたらめだと思う。まだこれからのことなんだから、起きてしまったことはまあ善後策ということになろうかもしれないが、これからのことぐらいは、もうちょっとやっぱりお考えにならなければいけない。私は、これは検討すべきだと思います。
  69. 菊池三男

    政府委員菊池三男君) 高井戸のランプは、先ほど公団から説明がございましたように、環状八号線と直結しておるところでございます。まあそこにいま出入りする交通量を推定いたしますと、五十年、供用開始して間もなくという五十年の段階では、おそらく上り下りで、両方の出入りで一万五千台ぐらいであろう。これは調布のほうから来て乗りおりする車でございます。それからまた環状八号線あたりから、あるいはこの辺から発生して首都高速へ乗る車がたぶん二万台か二万台ちょっとということであろうというふうに想定されております。また、これが五十七年ぐらいになりますと、調布インターチェンジのほうから来て環八で乗りおりする車が大体二万台ぐらいであろうということでございます。  そこで渋滞云々というお話でございますが、まあ環状八号線も、現在はまだあれは四面道といいますか、ちょうど荻窪の辺までしか行っておりませんけれども、あれもいまどんどん先のほうを延ばしておるわけでございますし、また環状八号線も南のほうはずっと中原街道、あるいはそれから先のほうまでできておりますので、どんどんそちらのほうで分散をするということであろうかと思います。
  70. 上田哲

    上田哲君 よくわからぬのですがね。計画再検討の余地はないということですか。
  71. 菊池三男

    政府委員菊池三男君) これは環状八号線という一つの大きな環状線との出入りでありますので、これをなくすということは、一方また環状八号線の利用の方の不便にもなりますので、これをなくすという考え方は持っておりません。
  72. 上田哲

    上田哲君 じゃ、伺うけれども、環八はいつ、五十年というところまでにきちっと効用を発揮するんですか。そんなこと答えられないで、いいかげんなことを言ってもらっちゃ困るじゃないですか。
  73. 菊池三男

    政府委員菊池三男君) 環八は先ほど申しましたように、北側のほうは現在荻窪のところでとまっておりまして、それから先はどんどんいま工事をやっておりますけれども、南のほうの側はずっと二四六、玉川通りを越えまして、中原街道を越えて、これは間もなく国道一号線までに行くことになっております。
  74. 上田哲

    上田哲君 あなたも専門家じゃないですか。調布と同じケースじゃないですか。調布だって、大臣の山梨のほうまではずっぱなしで行けるんですよ、どこまでも。富士山まで登れるんだ、これは。困るのはこっちなんですよ。環八も同じ状況じゃないですか。二四六がどうだの、玉川がどうだの、そんなことはわかっていますよ。こっちが通れないということにこそ都市問題が噴出をしているんじゃありませんか。それがまるで貫通しないのに、先ほど来首都高速の話でもそうだったんだ。十分な環状線道路云々やった上でなければいけないと言いながら、やらないでやっているのを、またここでやろうとすることになるではありませんか。これは算術的に通らない筋でしょう。計画変更しないでいくんだったら、環八が向こうへ向いてじゃありませんよ、人のいないほうへ向いて幾ら走っていたってどうということはないんですよ。車は人のいるほうへ行くんですから、そちらへ向かってきちっと効用を発揮するというところまではできない相談じゃありませんか。完成道路の計算というのはそのためにあるんでしょうが。その計算ができなかったら、これはやれないというふうに考えるのがあたりまえの考え方でしょう。再検討すべきです。
  75. 菊池三男

    政府委員菊池三男君) 環状八号線の北側のほうがいつできるかということをちょっとここに持ってきておりませんので、その点は申しわけなく、残念でありますが、これはいま鋭意工事を進めておりますので、いま、できるという形で考えております。
  76. 上田哲

    上田哲君 よし、わかった。じゃ、できなかったらやめるね、大臣。これははっきりしてください。そんなでたらめなことは困る、東京がパンクする。できるようにと言っているんだから、できなかったらやめるということでいいですな。
  77. 菊池三男

    政府委員菊池三男君) ただいま申しましたように、五十年の時点でもうすでに高井戸の調布から来る乗りおりが一万五千台ぐらいあり、それから、しかも今度都内のほうへ向けて入る車が二万台ぐらい現在の状態でも出てくるわけでございます。したがって、これはそれだけの交通が利用できるということで、これはやはり便利なために廃止するということはできないと思います。
  78. 上田哲

    上田哲君 あなたの話は向こうへ行ったりこっちへ行ったりするんですよ。話が向こうへ行ったりこっちへ行ったりするんじゃなくて、道路が向こうへ行かなければだめなんだ、これは。道路が行かなかったらやれないというのは、私どもが考えてもわかるのに、道路行政責任者がわからぬことはないじゃないですか。当然じゃないですか。はっきりしましょう。それが完全に貫通するんでなければ、これはやっぱりつけてはならぬ、再検討しなければならぬと、あたりまえのことでしょう。そのことだけはしっかり約束をなさってください。
  79. 菊池三男

    政府委員菊池三男君) 私の言っております五十年というのは、まだ貫通というところまではいってい、ないと思います。その段階での数字がそれだけもう利用がございますので、その段階でも必要であるということであります。
  80. 上田哲

    上田哲君 あなたのほうの必要性というものが、利便ではなくて、どれだけ弊害を生んでいるかということがさっきからの議論なんですよ。いいですか。具体的なことはしばらくおきましょう。大臣考え方として、いまお聞き取りのようですから、これはやっぱりそういう混乱が起きないように検討しなければならぬのだということだけはひとつしっかり確認をしてください。
  81. 金丸信

    国務大臣金丸信君) 先ほど来から申し上げておるわけですが、人命が第一でございます。そういう意味で、この問題はいろいろ事務当局も検討して、そういう結果が出ておると思うわけでございますが、なおあらためて検討して、人命尊重の阻害が大きいという問題が出てくれば検討するということで、ひとつ検討さしてみたいと思います。
  82. 上田哲

    上田哲君 そのおことばを最大の誠実として受け取っておきましょう。これはやっぱり数字が明らかにするところでもありますし、先ほど来の御趣旨というものはそこに生きなければならぬと思いますから、最大に、前向きにひとつ御検討の上、その線が進まぬ場合には私どものほうに御報告をいただくことをはっきりお願いをしておきます。  時間の問題がありますが、烏山北団地の問題にちょっと触れます。  これもまた先ほど来申し上げておりますように、調布問題が烏山のエゴだというような形にすりかえられてしまうということは非常に問題だと思うんですけれども、しぼって伺いたいが、烏山地区に対しては、当局はシェルター案をもって解決できるんだというふうに考えていらっしゃるんですか。
  83. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 大臣お話の御趣旨等もいろいろわれわれも十分承知いたしておりますし、その線に従いまして、しかも現地において可能性のあること、及び関連する波及の問題等考えまして、現在提案しておるシェルターというのがこれが一番適当であろうと、これ以上にまさる案はないと、これについては誠意を尽くして御説明申し上げれば十分地元の方も納得してくれるだろうと、こういう確信のもとに提案をし、その後、いろいろデータ等につきましても出し合いながら相談をしておるところでございます。
  84. 上田哲

    上田哲君 そのシェルターが最善の案だというふうに自信を持っておられるようですけれども、どうもそうではないようです。地元が反対しているのは、決して理由なしに反対しているのではないんで、はっきりした理由があげられているようです。  第一に、公団が示した案についての資料ですけれども、これは騒音がこれだけになる、排気ガスがこれだけになると書いてある。しかし、現実のその高速道路の被害状況から見ると、公団の言うようになっていない。これが現地の住民の具体的な反応なんです。住民の中には、町の専門家もいますからね、そういう数値に明るい人もいるようですから、三年も勉強を重ねている。この疑問は非常に私は具体的だと思うんです。たとえば騒音は模型実験で出しましたと公団説明されているようでありますけれども、よく聞いてみると、模型実験はやったけれども、その資料の数字は仮定の条件というのが置かれている。この仮定の条件を置くんだったら、どういう状況設定もできるわけだから、どんな結論にも導くことができるわけであって、数式があることはあるんだけれども、この数式に乗せるということではこれは作為的な結果になるということになる。こういう不信感というのがはっきり出ています。だからこの説明は納得できない。  で、シェルターの実例というのはほかにはないんだから、これはなかなか豊富なデータというわけにはいかないけれども、ほんとうに納得のいく実験をしてみようじゃないか、こういう話が出ているわけですね。公団はこれだけやれば環境基準が守れるんだとしきりにおっしゃっているわけですね。ところが、住民の立場から言うと、公害の程度が環境基準に達するんだということでしかない、わかりやすく言いますと。公団の言うとおりになると、いまの環境より悪くなると言うんですよ。いまの環境より悪くなるところでがまんをして、通っていいじゃないかという説明に納得をしろと言うのは無理じゃありませんか。上がれとは言わないまでも、変わらないということが最低限であるのでありまして、この空は少し青過ぎるから、もうちょっと煙らしてもいいじゃないかと、こういう言い方というのは、やっぱり説明のしかたとしては根本的にさか立ちをしていると思うんですね。これはいばって言える話ではない。住民が言っているのは、一言で言うならば、いまの環境を守りたいという。私は環境権というのはそのことだと思うんです。だから、その正当な理由云々ということは、神戸地裁の判決にもありますけれども、それが侵害される場合には権利が出てくるんだと、こういうことになってくると思うんですよ。まあいろいろありますけれども、とりあえずそこでちょっと切っておきますが、そういう幾つかの問題点が出ている。どうお考えになりますか。
  85. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 地元の方々とシェルターの効果につきまして御相談申し上げておりますが、われわれもまだ、シェルターというものは烏山の解決のために特に考案いたしまして出しましたことでございますので、やはり実験室における模型によるデータにたよるほかございませんし、これも客観的な学者なり、あるいは民間の専門家のお力をかりましてやっておる段階でございますので、お互いに私は誠心誠意、データを持ち寄って話し合いをすれば理解のできるものと考えております。その線で努力いたしております。  もう一つ指摘ございました、われわれも環境をなるべくよくしたいという念願でございますが、自動車が通ると、そういたしますと、やはりある程度の騒音あるいは排気ガスが出ることは、これはやむを得ないと申しますか、一定の限度におきましては、やはり国民全体がしんぼうしていただかなきやならぬ点もあると存じます。現在の現状を少しでも変えることは相ならぬということになりますと何もできません。そこで、やはり環境基準というものができまして、環境基準は守れという国の方針等も存じております。われわれが今度道路をつくりますと、これはやはり自動車が通りますので、現在よりは自動車騒音が出ると思いますが、しかし、それがあまりに激しくなって環境基準を害し、あるいは住宅の静穏を害してはいかぬ、こういう趣旨で環境基準がございますので、われわれはそれを守りたい。現在のデータでは、交通量がふえましても現在きめられておる住宅地域に対する環境基準は十分守り得る、こういうことで説明をするつもりでございます。
  86. 上田哲

    上田哲君 これは原理的にはたいへんなことをあなたおっしゃっているんですよ。環境を下げなければ何ものもできない、そんなことを当局が考えておられたんじゃ、これは話し合いがつくはずがないんです。変わるだろうということはあるでしょうね、これは。太古の自然のような形にしておけというわけにいかないんだから、変わるだろうということはあるだろう。下がってよろしいなんていうことを行政当局がかりにも思っているなんというのは、これはとんでもないことですよ。いまの基準より下げてよろしいなんということを頭に置きながら計画をするということではいかぬのですよ。道路が通ったから空気がよくなったというふうになれとは、そこまでは言いませんけれども、下げないということを努力するのはこれは当然なことであって、下がるのがあたりまえだというようなところから出発をされたんじゃ、幾らがんばったって最終値がいいところへいくはずがないですよ。これはやっぱり私は重要な問題だから大いに次にも議論をしなければいかぬと思いますが、具体的な問題があるから先に進むんだけれども、公団は、もう一つですね、団地の中の二百メートルだけシェルターをかけると言っている。かからないところはどうなるんだということが出てくる。これこそいまのお話のように、少しは悪くなるのをがまんしろよという考え方と、うるさいところだけは何とかしてやるけれども、ほかはしようがないという、うるさい行政ですよ、これは。こういう態度では、これはどんどんこういう問題を噴出させるだけだ。もっと信頼関係——大臣の言われる対話道路というものはそういうもんじゃないでしょう。こういうことを考えていかなきゃならないと思う。二百メートルだけシェルターをかける、この態度を貫くんですか、間違いだと思いませんか。
  87. 三野定

    参考人(三野定君) ただいま私どもの環境に対する考え方というのは、総裁が申し述べたとおりでございまして、したがいまして、この政府で定められました環境基準を守るという考え方で、その環境基準を守るためにはどうしたらいいかということになるわけでございます。先生も御承知かと思いますが……。
  88. 上田哲

    上田哲君 あのね、時間がないから、そういう基礎的なことは要りません。
  89. 三野定

    参考人(三野定君) これにつきましては、家の高さとの関係がございますので、高い家のございますところ、その高い家に対する騒音の影響が大きいもんですから、その高い家のあるところはシェルターを使わなければ守れない、こういう技術的な判断に基づいたわけでございます。
  90. 上田哲

    上田哲君 まあその辺も議論があります。とてもこの時間じゃやりきれませんけれどもね。ぎりぎりしぼったところ、先ほど来大臣からも、話し合いが前提であってということがありましたけれども、十月着工、強行、十月期限切れと、こういうようなことはありませんね。
  91. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 極力話を詰めまして、十月には着工したいと考えております。
  92. 上田哲

    上田哲君 だから、話が詰まらなければ十月強行はしないんですねと言っているんですよ。
  93. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) まだ、その段階のことにつきましては考えておりません。
  94. 上田哲

    上田哲君 何を言っているんですか。話が詰まらなくても、じゃ、強行するんですな、するんですか。
  95. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 話を詰める覚悟でございます。
  96. 上田哲

    上田哲君 話が詰まらなかったら強行するんですかと聞いているんです。答える能力がないんですか。
  97. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 先ほど申したとおりでございます。
  98. 上田哲

    上田哲君 えっ。
  99. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 先ほど申し上げたとおりでございます。
  100. 上田哲

    上田哲君 そんなことは答弁になりませんよ。だめだ、そんなことを言ったら。何を言っている、一体。ふざけちゃいかぬですよ。わかりやすいことを具体的に聞いている。そんな答弁がありますか。
  101. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 極力話を詰めまして、十月には着工したいと考えております。
  102. 上田哲

    上田哲君 あなたの答弁を常識的に聞けば、話が詰まらなくとも十月着工の決意であると、このように受け取ってよろしいか。
  103. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) まだ、そこまで決意をしておりません。
  104. 上田哲

    上田哲君 話が詰まらなければ着工しないということで受け取っていいわけですね。答えなさいよ。
  105. 菊池三男

    政府委員菊池三男君) たいへん簡単なことだと申されますけれども、たいへん重要な問題だろうと思います。公団の総裁が言っておりますように、十月をめどに鋭意解決に努力すると、ただ、それができなかった場合着工するのかという御質問でございますけれども、交渉のいまの段階では、鋭意やるという段階で、そういう答弁のときに、さらにそれがだめだったときに、やるのかやらないのかということをちょっと聞かれましても、たいへん私は苦しいことになると、答弁としては苦しいと思います。ただ、実態としては、先ほどもほかの問題と烏山の問題は一緒にするなということでございますので、私は一緒に申し上げませんけれども、あそこだけを見ても、やはり早く着工し、早くつくらなければならないと思いますので、話し合いがベースであり、あくまで話し合い基本ではありますけれども、そうかといって、期限なしに話し合いを続けるということも、これはまた別の面で、ある程度切りというものを考えなければならないと思いますが、ただ、いまの段階で、まだ交渉の段階で、交渉がだめになったら強行するのかどうかということについては、しますとか、しませんとか、ちょっとたいへん申し上げにくいと思いますが。
  106. 上田哲

    上田哲君 同じことを繰り返してもらっては困る。時間かせぎをしてもらっちゃ困るじゃないか。政府側が時間かせぎをされてどうなる。いいですか、話し合い内容を聞いているんじゃない。話し合い基本態度を聞いている。話し合い基本態度を聞いているときに、話し合いが詰まらなかったらどうするかということが言えないということがないじゃないですか。あくまでも話し合いを詰めていくんだと、話し合いを詰めることによって、着工があるなら着工するんだと、詰まらなかったらその限りじゃないということでなかったら、相手が話し合いに乗れないじゃないですか。そんなばかな話がありますか、交渉ごとに。いいですか。だから、具体的にはっきりしておきましょう、具体的にですよ。調布と烏山とを結びつけるのではないのだということを御確認になった、これが一つ。もう一つは、十月ということはあなた方の、何とかして着工したいというめどだっていうことは理解をした、わかった。賛成じゃないですよ、わかった。しかし、それは十月までが交渉期限の限度であるということではないと、このことだけははっきりしますね。
  107. 菊池三男

    政府委員菊池三男君) しかし、それと同時に、いつまでもほっておける問題ではないと思います。
  108. 上田哲

    上田哲君 話をそらそうというのは、大臣になってからやんなさいよ。道路局長はそんなことを政治的に言うことはない。論理的に一番最低限のところを言っているんですよ。十月着工ということをぼくは言っているじゃないですか。あなた方は十月着工をやりたいと言っているっていうことは、ことばとして理解した。しかし、その十月着工ということが交渉の限度として設定されているということではないのだなと言っている。そのくらいのことをはっきり答えられなきゃ困るじゃないですか。大臣、それぐらい答えてくださいよ。
  109. 金丸信

    国務大臣金丸信君) 一日も早く着工したいという考え方は当局の願いであります。この問題については、上田先生も相当研究もされているし、内容も調査されておると思うんです。まあ円満な解決をするために衆知を集めるという必要があると私は思います。そういう意味で、上田先生の御意見も承りたいと思う、あらためて。どうすればいいんだと、こうすればいいんだと、こういうような話も聞かしていただきながらこの問題を詰めてまいりたい、こう思っております。
  110. 上田哲

    上田哲君 時間が参りましたから、私はいまの最後の大臣ことばを引き取っておきたいと思います。とてもこれだけでは議論が尽くせませんので、御要望のようにひとつ機会をあらためてこの問題をぜひ詰めたいと思う。そのためにもしっかり話の土台として確認をしておきたいことがある。大臣話し合い道路といういいことばを使われた。それは私は大事なことだと思う。たいへんいいことばだと思うんですよ。これから使ってください。その話し合い道路ということのためにも、私は先ほど来申し上げているように、話し合いはある段階で一方的に打ち切って強行着工する、混乱を大きくするということだけは避けなければならない、これは同意を願えるだろうと思う。しからば、十月までが話し合いの限度であると、限度を設定してそこへ追い込むというような話し合いの態度はとらないでもらいたい、これが一つ。  それからもう一つ、その話し合いを鋭意詰めることはどうしてもこれは願望なんだから、その話し合いを詰めるためには、公団総裁がいまここでいろいろなことをおっしゃるけれども、全然現地へ行かれなかったということもあるわけですから、これは公団総裁がお約束なすったこともたいへんけっこうだから、公団総裁は鋭意現地に自身で出向かれて交渉をされるということを約束をしていただきたい。  もう一つ大臣はわざわざそのことのために話し合いに入れとは言いませんけれども、何べんも言われるように、向こう側へ向かってお帰りになるということだから、帰りの道すがらだから、ぜひひとつこの両地区を、烏山と調布に関しては御自分の目で見ていただきたい。視察をしていただきたい。半日もいろとは言いませんから、必ずそのことを大臣が見ていただく。  この三点をひとつお約束をしていただいて、次回にこの話は持ち越していきたいと思います。
  111. 金丸信

    国務大臣金丸信君) これはひとり公団にばかりまかしておくべき問題ではないと私も思います。そういう意味で、必要があれば私も出てまいらなくちゃならぬ。交渉も、また皆さんの意見を聞いてもけっこうだと思います。なお、あえて山梨へ帰るときでなくても、これだけの問題でありますから、向こうへ参りまして、ひとつ住民の意見も聞き、また市の話も聞き、ぜひ円満にこの問題が解決するように進めてまいりたい。そのためには上田先生も御協力を願います。
  112. 上田哲

    上田哲君 その三点いいですな、大臣。いまの三点を含めて、いいですね。いま三点申し上げたわけです。期限を設定してやる……。
  113. 金丸信

    国務大臣金丸信君) 期限の問題は、十月に切っておるというけれども、私は話し合いというものをしながら、その話し合いの状況によって、全然背中向かして話をしないということであれば、これは話になりませんが、向こうも話に乗ってきてくれるということであるならば、これは話を続けるべきだ、こう考えています。
  114. 上田哲

    上田哲君 総裁。
  115. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 私も、この段階に至りました責任感じまして、みずから現地、あるいは所関係なく現地の方々と折衝し、大臣の御期待に沿うべく、十月に着工すべく努力をしてまいります。
  116. 上田哲

    上田哲君 最後の段階で、大臣から非常に前向きに、帰り道じゃなくても行くぞという姿勢を示されたことはけっこうだし、期限を設定しての話し合いなどということではないという基本方針もけっこうだと思います。ぜひひとつ、おまえも仲間に入れということですから、私も仲間に入るつもりで、前向きにひとつ住民意思を尊重して話し合いで解決をしていくということを基調にして進めていきたい。公団総裁も、一つ最後に妙なことばをつけ足されたが、そういうことじゃなくて、そういうことばをつけ足されるよりも、自分の足を現地へ運ばれることに努力をされて、鋭意円満解決のために御努力をいただきたいということで、この問題は論議を保留して、きょうはこれで終わります。
  117. 高田浩運

    委員長高田浩運君) 本案に対する午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時半再開することとし、休憩いたします。    午後零時三十四分休憩      —————・—————    午後二時十四分開会
  118. 高田浩運

    委員長高田浩運君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行ないます。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  119. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 建設省設置法の一部を改正する法律案、この件につきましては筑波新大学を中心にする諸研究機関の学園都市の建設、その規模、内容等は、これはいまさら私が申し上げることもなく、将来の日本の頭脳陣をつくり上げて、そして日本の将来を築こうという、そういった精神のもとに開発ができるということでありますが、昭和五十年を目ざしているということでありますが、当初計画された状態と今日までの進捗状況、そういうものについて総体的にひとつ大臣のほうから御答弁を願いたいと思います。
  120. 小林忠雄

    政府委員(小林忠雄君) 従来、筑波研究学園都市には前期五年、後期五年、合わせまして十年間で一応の建設をいたしまして、昭和五十二年度一ぱいにそれぞれの研究機関等が移転をするというのが当初の計画であったわけでございますが、昨年、田中内閣になりましてから、その計画を短縮をして、早急に建設をするというように方針が変わりまして、本年の五月、正式に昭和五十年度中に大部分の研究機関が移転ができるような状態に各種の整備をするというように変わったわけでございまして、全体のテンポが大体二年間短縮をされたというのが現状でございます。
  121. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 私の質問によくもっと答えてください。質問をしたことをよくお聞きになって、全部を答えてください。
  122. 小林忠雄

    政府委員(小林忠雄君) 全体の事業の進捗状況につきましては、公共施設につきましては四十九年度中に大体概成をする、上ものの研究施設の建設につきましては、五十年度中に本部が移転できるような状態に、大部分の機関ができるような状態に持っていくという計画で、ただいま大体計画どおり順調に進行をいたしております。
  123. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 もう少し詳細に言ってください。いろいろな機関があるんでしょう。四十三機関をつくって、その四十三機関がどうのこうのとあるんでしょう。言い惜しみをしないで、もう少し親切に御答弁ください。
  124. 小林忠雄

    政府委員(小林忠雄君) 移転機関等の移転計画の概要について機関別に申し上げますと、科学技術庁の関係では、金属材料技術研究所につきましては、昭和五十年度に移転をするというめどのもとに昭和四十九年度に着手をして、五十年度に本館が建設を完了するという予定でございます。国立防災科学技術センターにつきましては、四十二年度にすでに着工をしておりまして、一部についてはすでに研究を開始しておりますが、本館を四十九年度中に完了して五十年度には移転をするということになっております。無機材質研究所につきましては四十三年度に着工し、すでに一部研究開始しておりますが、本館が四十六年度にすでにできておりますので、これは本館ができておりますが、残りの施設につきましては五十年度中に概成をいたすということになっております。共同利用施設につきましては四十八年度に着工し、本館を四十九年度に建設を完了し、四十九年度中に大体の交流センター等が概成するという予定でございます。宇宙開発事業団の筑波宇宙センターにつきましては、四十五年度から建設に着工いたしまして、一部研究に着手しております。本館の完了は五十年度を予定しております。  環境庁の関係では、国立公害研究所が四十七年度から着工をいたしておりますが、機関といたしましては四十八年度中に新設をされますので、一応これは新設機関でございますが、四十八年度中に店開きをいたすわけでございますが、研究棟等の全体の完成につきましては、これはやや全体はおくれるわけでございます。  文部省の関係で筑波大学でございますが、これは四十六年度から着工をいたしておりまして、本館の建設が五十年度に完了いたすわけでございますが、しかし、各学部ごとに学年進行で整備をいたしますので、もし現在国会で御審議中の法案が成立いたしますと、四十九年度から開校いたす、学生が入ってくるということになるわけでございます。図書館短期大学につきましては、四十九年度から着工し、本館を五十年度に完了いたしまして、五十一年度に移転をするということになっております。高エネルギー物理学研究所につきましては、四十五年度に着工し、四十九年度に本館が完了して、四十九年度中に大体の概成をするということでございます。この分につきましては、すでにある程度研究を開始しております。国立教育会館の分館につきましては、四十七年度に着工し、四十九年度に本館が完了いたしますが、移転はそれより早く四十八年度中に行なわれる予定でございます。  次に、厚生省関係につきましては、国立予防衛生研究所の一部は、四十九年度に着工し、五十年度に本館が完成し、五十一年度に移転をする予定でございます。国立衛生試験所の一部につきましては、四十九年度に着工し、五十年度に本館が完成し、五十一年度に移転をする予定でございます。  農林省の関係につきましては、まず農業技術研究所は、四十八年度に着工し、五十年度に本館が完了し、同年中に移転をする予定でございます。農事試験場につきましては、四十八年度に着工し、五十年度に本館が完成をして、五十一年度に移転をする予定でございます。畜産試験場につきましては、四十八年度に着工いたしまして、五十年度に本館が建設を完了し、同年中に移転をする予定でございます。果樹試験場につきましては、四十七年度に着工をいたしておりますが、五十年度には本館が完成し、同年中に移転する予定でございます。農業土木試験場につきましては、四十八年度に着工をし、四十九年度に本館が完成し、五十年度に移転をする予定でございます。蚕糸試験場につきましては、四十七年度に着工をいたしておりますが、本館は昭和五十年度に完了し、同年中に移転をする予定でございます。家畜衛生試験場につきましては、四十八年度に着工をいたしまして、五十年度に完成し、同年内に移転をする予定でございます。食品総合研究所も同様でございます。植物ウイルス研究所は四十八年度に着工し、四十九年度に建設が完了し、同年中に移転をする予定でございます。熱帯農業研究センターにつきましては、四十七年度に着工し、四十八年度に建設が完了し、同年中に移転をする予定でございます。林業試験場につきましては、四十七年度に着工し、五十年度に完成をして、同年中に移転をする。農林水産技術会議事務局の一部につきましても同様でございます。農林省農蚕園芸局の一部につきましては、四十九年度に着工し、五十年度に本館が完了し、同年中に移転をする予定でございます。  通商産業省につきましては、工業技術院本院の一部については、四十八年度に着工し、五十一年度に本館が完成し、同年中に移転をする予定でございます。計量研究所につきましては、四十九年度に着工をし、五十一年度に本館が建設を完了し、同年中に移転をいたす予定でございます。以下、機械技術研究所、東京工業試験所、微生物工業技術研究所、繊維高分子材料研究所、地質調査所、これまでのものにつきましても、工業技術院本院の一部と同様でございます。電子技術総合研究所につきましては、四十九年度に着工し、五十一年度に本館が完了いたしますけれども、移転は一年おくれまして五十二年度にやる予定でございます。製品科学研究所につきましては、四十九年度に着工し、五十一年度に本館が完成いたしまして、同年中に移転をする予定でございます。公害資源研究所につきましては、四十九年度に着工、五十一年度完成でございますが、移転は一年おくれて五十二年度になるわけでございます。  運輸省につきましては、気象研究所が四十八年度に着工し、五十年度に本館が建設を完了し、同年中に移転をする予定でございます。次に、高層気象台及び気象測器工場の二つにつきましては、四十八年度に着工し、同年中に本館の建設を完了し、翌四十九年度に移転をする予定でございます。  次に、郵政省につきましては、日本電信電話公社筑波電気通信建設技術開発センターは、四十六年度にすでに建設に着工しておりますが、本館建設は四十九年度、移転も四十九年度になる予定でございます。  次に、建設省でございますが、国土地理院につきましては、四十七年度着工、五十年度完了、同年移転。土木研究所は四十六年度着工、五十年度完成、同年中に移転。建築研究所は四十五年度から着工しておりますが、五十年度建設完了、同年移転、こういうことになっております。
  125. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 ひとつ気象測器工場というのは、これはいつですか。
  126. 小林忠雄

    政府委員(小林忠雄君) 四十八年度に着工いたしまして、同年中に本館の建設を完了し、四十九年度に移転をする予定でございます。
  127. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 それで、四十三機関のうち、三十七機関はそれぞれの省でやり、六機関が、そうじゃなくて、六機関について、ひとつその設置法の、建設省の建物と関係しないもの、このものについて御説明を願います。
  128. 上山勝

    説明員(上山勝君) 移転する四十三機関のうち、当省の所管に属しないものは、科学技術庁の宇宙開発事業団筑波宇宙センター、それから筑波大学、それから図書館短期大学、高エネルギー物理学研究所、国立教育会館分館、それから郵政省の日本電信電話公社筑波電気通信建設技術開発センター、この六個でございます。
  129. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 そのほかの、科学技術庁の中にも一部なんですが、その建物は、文部省所管のものは文部省で筑波大学なんかは建設するということなんですが、大臣、この点なんかはどうなんでしょうかね。官公庁施設の建設等に関する法律という法律が御存じのようにございます。これに基づきまして当然建設省が、各省間の建築物というものは、主管である建設省が当然やっていかなければならないと私は思うわけなんです。この過去における経緯というものもありますでしょうけれども、まずそういう基本的な考え方大臣から伺っておきたいと思います。
  130. 金丸信

    国務大臣金丸信君) 御指摘のとおり、営繕の一元化ということは、合理的な運営の面もありますし、また国家的な経済の上から考えても当然やるべきことであろうと、こう私も考えます。そこで、昭和四十三年十月、営繕行政の将来の方向に関しまして、一元化すべしという閣議決定があったわけでございますが、その後建設省中心にして各省と折衝をいたしておるわけでございますが、御案内のように、なかなかこの壁が厚いというところに問題があると私は政治家の一人として思うわけでございますが、しかし、これはどうしても一本にするように閣議決定もあることですから、最善の努力を今後もいたしたいと考えておるわけでありまして、このような不合理なことをやっておるということは国家的損失だと私も考えます。そういう意味で、いまの状況においては一元的でなくて分散的な傾向が多分にあるわけでありますが、これを是正して一本にするように!もちろん特別のものは除外するわけでありますが、それ以外のものにつきましては一本にすべきだと、こう私も考えておる次第であります。
  131. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 最大の壁とは、その内容は何なんでしょうか。
  132. 金丸信

    国務大臣金丸信君) こういうことを申し上げていいのか、なかなか官庁には官庁のいろいろなわ張りがあって、そのなわ張りを、なかなか定員の問題やいろいろの関係があるだろうと私は思うわけでございますが、そういうものがなかなか打ち破れない。そこになかなか話し合いができないということだろうと私は思うわけでありまして、そういうものを打ち破りながらするためには、これから各省庁と熱意を持って、ひとつお互いに国家の将来というようなことも考えながら、国民経済というものも考えながら、極力建設省中心になって推進をしてまいりたいと、こう考えております。
  133. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 どうもその答弁では中身はよくわかりません。官庁同士の話し合いがなかなか困難であるというようなふうにとられますものですから。大体、戦前大蔵省に営繕の管財があり、それが戦後どういう形態になってきたか、そういう経緯といいますか、行管の方が見えておられますね、そういう面をひとつ御説明を願いたいと思います。
  134. 平井廸郎

    政府委員(平井廸郎君) 戦前の官庁営繕につきましての経緯を簡単に御説明をいたしますと、大正十四年の五月に大蔵省に営繕管財局を設置いたしまして、大蔵省所管の建造物にかかる営繕あるいは各省所管の建造物にかかるもの、ただし東京府または神奈川県において営繕を施行するものに限るというようなものを中心に、大蔵省がある程度集中的に営繕事務を行なってきたわけでございますが、その後いろんな経緯がございまして、昭和五年の十二月の閣議決定によりまして、一般的な集中営繕の例外といたしまして、神宮、神社の造営に属する営繕とか、あるいは道路、港湾の修築、治水事業に属する仮建造物の営繕とか、あるいはその他軍関係の営繕業務とか、あるいは一廉一万円未満の小新営及び小修繕等は各省で行なうというたてまえをとりまして、戦争時に至ったわけでございますが、戦後、終戦直後の昭和二十年の十一月に内閣に戦災の復興院が設置されまして、昭和二十三年、さらに建設院が設置され、これは戦災復興院と内務省国土局を統合いたしたものでございますが、ここで官庁営繕を所管することになったわけでございます。  さらに、昭和二十四年の五月に建設省設置法の改正がございまして、国費の支弁に属する建物のうち、一般的に建設省が営繕を担当いたしますが、その例外として次のようなものを明確に区別するに至りました。第一は、郵政事業、電気通信事業、簡易生命保険及び郵便貯金、郵便年金特別会計に属する建物の営繕。第二は受刑者を使用して実施する刑務所の営繕。第三は学校の復旧整備のための営繕。第四が一件につき総額百万円をこえない建物の営繕ということでございます。その後若干の経緯がございまして、昭和三十一年の四月、官庁営繕法を全面的に改正して、官公庁施設の建設等に関する法律に改められたわけでございます。ここにおきまして現在の現行法律に定めておりますようなたてまえにいたしたわけでございます。  なお、その後ただいま御指摘がございましたように、四十三年の十月の閣議決定におきまして、今後の方針として、官庁営繕につきましては、一般会計にかかる建築物の営繕は、特殊なものを除き一元化するという方針を定めまして、今日に至っているわけでございます。
  135. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 この問題は大蔵省にも、大蔵省が相当の権限を、何というんですか、ポイントを握っている。権限というんですか、ポイントを持っている。財政的なものでどうしても持たなきゃならない、離してはならない、手離してはならないというようなものが大蔵省にはあるように聞いておりますし、また相当な権限といいますか、力を持っているというふうにいわれておりますが、この点どうなんでしょうか。
  136. 藤仲貞一

    説明員藤仲貞一君) 先生の御指摘ではございますが、私どもはそのようには存じておりません。
  137. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 そこで、行管の平井管理局長さんの御答弁がありましたけれども、四十一年の行政改革で営繕局が格下げをされたみたいな経緯があったんじゃなかったでしょうかね。
  138. 平井廸郎

    政府委員(平井廸郎君) 御指摘の点は、各省一局削減というのを当時佐藤内閣のもとで行ないましたが、その際にそれぞれの省におきまして御検討の結果、一局を削減するという対象として建設省においてはそういう形で示されたというふうに伺っております。
  139. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 先ほど大臣の御答弁がありました。また行管の平井さんのほうからもお話がありました。その流れの中にセクショナリズムといいますか、官庁同士の自分の田を肥やそうとして離すまいとするところに欠陥があるんだという大臣の答弁もありましたけれども、これは四十三年の閣議決定後に、さらに今日考え方というものを、いつの時点でこれを、営繕の一元化というものをやっていこうとするのか、まずその点について大臣から明確に御答弁を願いたいと思います。
  140. 金丸信

    国務大臣金丸信君) なかなか困難な問題でありますが、これを閣議の決定に従いまして一元化するような努力をいたさなければならぬということで、考え方を進めておるわけでございますが、それはいつから、いつになるんだと言われましても、なかなか困難な問題だろうと私は思いますが、できるだけ近い将来に実行できるようなことに持ってまいりたい、こう考えておりますが、ただ、期限を切るというわけにはいかないと思います。
  141. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 この法の解釈の問題にもなるわけですが、官公庁施設の建設等に関する法律の第九条、これは私が申し上げることもなく、各官庁は営繕計画を出して、建設大臣はこれに関する意見書というものをきめられた期間までに各省庁及び関係主管のほうに送付しなければならないというような規定がございます。こういうややっこしいことが、これが営繕の一元化になってくれば当然なくなってくると私は思うんです。それからさらに十二条——十条、十一条は削除されておりますが、十二条の「国家機関の建築物に関する勧告等」というのがございまして、「建設大臣は、国家機関の建築物及びその附帯施設の位置、規模及び構造について基準を定め、その実施に関し関係国家機関に対して、勧告することができる。」「建設大臣は、関係国家機関に対して、この法律の施行に関して必要な報告又は資料の提出を求めることができる。」「建設大臣は、国家機関の建築物及びその附帯施設の保全の適正を図るため、必要があると認めるときは、部下の職員をして、実地について指導させることができる。」と、こうあります。この勧告事務というものも、こういうようなことも一応省略されていくようになってくるんじゃないかと私は思うんです。こういう法の第一条から、目的から始まって、官公庁施設の建設等に関する法律に対して、どんなふうな将来の考え方、現在の考え方をお持ちになっているのか大臣に伺いたいと思うんです。
  142. 高橋弘篤

    政府委員(高橋弘篤君) 先生の御指摘の点、営繕関係の一元化という問題はいろんな歴史、沿革がございまして、先生の御指摘のとおりでございます。そのいろんな討議をされました結果、ただいまの法律のように、第九条の二のごとく特殊なもの及び特会のものにつきましては建設大臣の責務から除外されておりますが、その他のものにつきましてはすべて一元化されている次第でございます。  また、先生の御指摘の四十三年の閣議決定、これはそういう官庁営繕の一元化につきまして引き続き検討するということで閣議決定されました。その際におきましても関係各省ともいろいろ討議を重ねておる次第でございます。一応現在のこの法律に基づきまして、この法律の趣旨に従って営繕行政を実施することが妥当と考えますけれども、なおいろいろ改善すべきそういう諸点があろうかと思います。そういう問題につきましては関係の各省庁で十分に今後とも検討を私どもするように、私どもの立場からいいますと、関係各省ぜひ私どもとそういう機会を設けていただいて、一元化の方向に進むというようなことで私どもは努力をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございまして、大臣から答弁がございましたように、期限は切れませんけれども、私どもとしましては、なるべく早い機会に一元化に進めてまいりたいというふうに考えておる次第でございまして、その間におきましては、先ほど先生のいろんな御指摘のこの法律の条文を十分活用いたしまして、一元的な行政が行なわれるように努力をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
  143. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 実際問題はどうかということになってくると、また問題が広がってまいります。まず行管の平井局長に御答弁を願いたいと思うんですが、一元化についての考え方といいますか、そういうことについて。
  144. 平井廸郎

    政府委員(平井廸郎君) 先ほどお答え申し上げました、四十三年に行なわれました閣議決定の趣旨は現在も生きているわけでございまして、私どもも基本的にその方向で進めるべきであるということについては建設省と同じ意見であります。
  145. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 実際、事務的にはどうなんですか。
  146. 平井廸郎

    政府委員(平井廸郎君) その後の事務的な御検討の結果も伺っておるわけでございますが、実際に営繕事務の一元化をはかります場合に、建物の特殊性その他いろいろ技術的な問題がございますので、主としてそういう点につきまして、建設省にお願いいたしまして、各省と御検討をいただくという体制をとっているわけでございます。
  147. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 建築物については、あくまでも建設省がすべてをやることが当然だと思うんです。なぜかといいますと、公務員住宅が学園のほうに建っております。もうすでにできております。これは大蔵省でしたね。これをひとつ説明願いたい。いまできている建物の規模、構造、そして収容人員等。
  148. 村上哲朗

    説明員(村上哲朗君) 現在筑波研究学園都市にできております公務員宿舎は三百一戸でございます。これは従来東京近郊その他全国でつくっておりました宿舎と全く同系統のものでございます。  その規模の内訳でございますけれども、E型といって一番大きいクラスの宿舎が十八戸、その次のクラスのD型が七十二戸、それからb、C型といっておりますのが、これは普通の一般職員が入る規模のものでございますけれども、これが二百十一戸、こういう状況になっております。
  149. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 中身、A型は三DKなのか二DKなのか。
  150. 村上哲朗

    説明員(村上哲朗君) いま申し上げましたD型というのが、俗に申し上げれば三LDK、広さは六十六平方メートル、それから……。
  151. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 何畳と何畳。
  152. 村上哲朗

    説明員(村上哲朗君) これは畳のほうが六畳、六畳、四畳半、それからリビングルームと称しますのが大体八畳、ダイニングキッチンが四畳半、こういう規模になっております。それからC型は三LK、広さは五十九平米、その中身といいますか構造としまして、畳が六畳、六畳、四畳半、リビングルームが六畳相当、こういうことになっております。
  153. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 Aはないんですか。いまCですか、いまの。
  154. 村上哲朗

    説明員(村上哲朗君) いまC型でございます。
  155. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 いまのC型ですね。A型の説明がないんじゃないですか。
  156. 村上哲朗

    説明員(村上哲朗君) 先ほど申し上げました——Aじゃなくて、一番最初に申し上げた十八戸というのはE型でございます。
  157. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 E型……。
  158. 村上哲朗

    説明員(村上哲朗君) Eでございます。この規模は三LDK、広さは八十二平方メートル、構造は六畳、六畳、六畳、それからリビングルームが十二畳相当、それからダイニングルームが六畳相当、以上でございます。
  159. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 六畳と幾らですか、ダイニングルームは。
  160. 村上哲朗

    説明員(村上哲朗君) 六畳相当でございます、板の間でございますから。
  161. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 もう一度すみません言ってください。Eのほう、お願いします。
  162. 村上哲朗

    説明員(村上哲朗君) 三LDKでございまして、その三の畳の内訳は六畳、六畳、六畳、それからリビングルームが十二畳、ダイニングルームが六畳、全体で八十二平方メートルでございます。
  163. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 これは構造を聞いたのですが、説明がないんですが、冷暖房はどうなんですか。
  164. 村上哲朗

    説明員(村上哲朗君) 現在できております三百二Fにつきましては、冷暖房は各戸でとるということになっております。  ただ、御案内のように、筑波研究学園都市の公務員宿舎につきましては、いろいろ御指摘もございまして、現在できておりますのは従来の大きさの規模のもの、しかも冷暖房施設もなしにやっておりますけれども、本年度から筑波につきましては規模あるいは質の点で改善を加えまして現在建築を進めております。それから将来地域冷暖房の構想もございますけれども、まだ具体的には計画はまとまっておりません。
  165. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 そうしますと、いま建っているのは各個人が設置するようになるんですか、冷房にしても、暖房にしても。
  166. 村上哲朗

    説明員(村上哲朗君) そのとおりでございます。
  167. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 私は現場へ行きまして、非常にきれいな建物だからと思いまして、上がりましたら、もうとてもじゃないが暑くてどうにもならない。そうして学園都市に胸をふくらまして、思い切って研究しに行こうという、またそこで将来を築こうという考えのもとに移った方々も非常に落胆をしているわけです。しかもCクラスですか、一般職員の方々のところは非常に構造上もうまくない、私はこのように見てきたわけです。これは新しいからけっこう。ところが、従来の公務員宿舎、現在ございます追浜あたりにありますのはむね割り長屋といいますか、そういうところに住んでいる公務員の人たち、またこの周辺にもあちこちにございます。そういう公務員住宅等のことを考えていきまして、大蔵省が従来のものの公務員住宅とか、あるいは来年度については今度は冷暖房を入れようという、前のやつはかってにおまえたちがやれみたいな形でほうり出されているようなことでは私はならぬと思うのですがね。こういう点について、どんなふうにお考えになっているのか、どういうふうにしていこうとするのか。大蔵省の所管は大蔵省で言ってもらいたいのです。藤仲主計官。
  168. 藤仲貞一

    説明員藤仲貞一君) 私は公務員宿舎関係を担当しておりませんので、担当の課長からお答えいたします。
  169. 村上哲朗

    説明員(村上哲朗君) 従来、公務員宿舎について年々建ててまいっておるわけでございますけれども、どうしても絶対数がこれまでは不足をしておりまして、数をふやすということに重点を置いてまいっておりまして、今後は、まだこれでも十分、一〇〇%といってはおりませんけれども、おおむねまかなえるような見通しがついてまいったものでございますから、今後においては従来の古い老朽の宿舎を建てかえたい、それから、これからつくるものについて、従来の規模あるいは質の面で改善を加えてまいりたいということで、年々わずかながら改善を加えてまいっております。本年度も、新しく建てます一般の公務員宿舎につきまして、世帯用宿舎について若干規模を大きくしておる次第でございます。
  170. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 どうも全部答えられないんですね。いままで建てているもののその不備なるもの、それはどんなふうにして変えようとするのか。住んでいる方々は公務員には変わらないわけです。最初から長い間苦労なさってずっと苦しい生活をして、古ぼけた傾いた住宅にいる者は、そこで公務員の一生涯を終わらなければならないかもわからない。そういう人たちには改善をしてやって、よい住生活を与えてあげようというような考え方はどうなんですか。そういう点をあわせて私はお尋ねしているはずですよ。従来建っているやつもひどいのがありますよ。ですから、そういう住宅に対してどんなふうに考えて改善しようとしているのか、そういうことを聞いているんですよ。
  171. 村上哲朗

    説明員(村上哲朗君) 従前の、古いと申しますか、老朽しております宿舎については、できる限りこれを建てかえる、あるいは部分的な手直し、修繕で直せるものについては修繕を加えていく、あるいは周囲の環境について、いろいろ樹木を植えるとか街灯を取りつけるとか、環境をよくすることによって住生活自身も向上させるというような手は逐次打ってはおりますけれども、全体の何といいますか、一年間の予算の中で、一方で数もふやさなければいかぬという要請もございますし、現状を一挙に改善をしていくというわけにはなかなかまいりませんけれども、御指摘の方向では逐次いま改善をしつつある状況でございますし、今後もさらにその方向を強く進めてまいりたい、こういうように考えております。
  172. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 いままでは数だけを補うためにどんどんつくっていくのが主体だったんだという答弁でありましたですね。新しく建てるものに入る人、従前から古ぼけたところに入っている人、私たちの考え方というものは、従前から苦労して入っている人のためにより多くの力を注ぐのがあたりまえだと思うんですがね。それがいまの御答弁だと、徐々に改良しているんだというようなことでは、大蔵省は公務員の人間生活というものを全く無視した考え方じゃないか、こう思われますよ。どうなんですか。もう少し明確なはっきりした行き方というものを示していくべきだと思うんです。課長さんですから、こうしますといって断言してやることはできないでありましょう。私は主計官だから、そういうふうな住宅問題については知らぬということでは、私は済まされないと思うんです。何が隘路かと言えば、やはり予算措置、金だと思うんです。私はそう思うんです。少なくとも大蔵省の問題は、大蔵大臣を私は要請したわけです。私の答弁に大蔵大臣を要請したわけです。大臣ならはっきりお答えになりますよ。こうしていくという責任を持った答弁ができるのです。  そういうことから考えあわせまして、この学園都市につきましても、これは開発をされていきますと、住宅というのは、個人住宅もずいぶん今日建っております。周辺都市を私はずっと回ってみました。ずいぶん建っております。そういうふうな面から考えていきましても、これは大蔵省としては、大蔵省が公務員住宅を今日まで主管としてやってきたならば、いままでの分をどうしてあげなきやならないかということは当然考えなきゃならぬと思うのです。そこを先にやらなきゃならない。たとえばいまの学園の職員の間取りとしましても、六畳に六畳に四畳半、子供さんが二人か三人おいでになると本だなを置くところも手狭になってどうにもなりませんよ。Bクラスでも、これはかなりの間数をとっておりますけれども、いま行く人はいい。ところが、今日、住生活で泣いている公務員の人たちのために、もう少し血の通った考え方というものをしていかなきゃいけないのじゃないか、こう思うわけです。  そこで、藤仲主計官にお伺いいたしますが、この住宅ローンの金利上げの問題が出ております。報じられるところによりますと、この秋口の金融制度調査会の答申を待って、またいままで押えていたものを吸い上げよう、セーブしようというような考え方をお持ちのようですけど、この点についてひとつ御答弁願いたい。
  173. 清水汪

    説明員(清水汪君) 民間のことでございましたら……。  私、銀行課長でございます。
  174. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 いま住宅というのは、あれは民間ですよ。
  175. 清水汪

    説明員(清水汪君) 民間金融機関の住宅ローンでございますが、これにつきましては、御案内のように民間銀行といたしましては、このところの国民福祉の充実という一番大きな政策課題に沿いまして、非常に積極的にこれに取り組んでおります。で、基本的な方向といたしましても、たとえは全国銀行の——数字で申し上げてみますと、全国銀行の住宅ローンの貸し付け残高は、昨年の三月末とことしの三月末と比べてみますと、約一兆円のものが二兆円というように倍増している、そういうふうな傾向をたどっているわけでございます。たまたま、ことしに入りましてから金融政策が引き締め強化の方向に向かっておりますことは御承知のとおりでございますが、そうした中にありましても、住宅ローンの貸し付けにつきましては、その増加額を落とさないように極力努力するように、銀行自身も取り組んでおりますし、私どもといたしましても、そういう方向で銀行が努力するように指導しているということでございます。  たとえばその数字で申し上げますと、都市銀行だけのケースで申し上げますが、これは都市銀行が一番引き締めが強く働いているわけでございますけれども、昨年の四月から六月というこの三カ月の数字をとって見ますと、全体の貸し出しの増加額が一兆一千七百億円、こういう増加額でございまして、その中でいわゆる個人住宅ローンの増加額は約六百億円、全体の貸し出しの増加額の中に占める割合といたしましては約五%という状態であったわけでございますが、それが本年の四月から六月の三カ月間について見ますと、全体の貸し出し増加額は一兆円弱、九千八百億円程度に押えられているわけでございますが、その中にありまして民間の住宅貸し付けの増加額は約千七百九十億円ということでございまして、増加額の中に占める割合自体が去年の同期の五%に対しまして、ことしの場合には一八%というような高い割合に上昇しているということが指摘できるわけでございます。  そういう状態でございまして、極力まず量の確保について努力するようにやっておるわけでございますが、ただいま御質問の金利について申し上げますと、やはりこれもすでにことしの春以来、一般の短期並びに長期の貸し出し金利はかなりの勢いで上昇の傾向をたどっているわけでございますが、住宅ローンにつきましては、今日までのところこれを据え置くということでやっているわけでございます。たまたま、この住宅ローンの重要性にかんがみまして、金融制度調査会におきましても、特に住宅金融部会を設けまして、この住宅金融の疎通あるいはそのための資金の確保のあり方、それからさらに金利のあり方という問題について現在検討しておるわけでございまして、この住宅貸し付けの金利につきましても、やはり全体の金利の動きと全く無縁にこれを考えるということはできないかと思いますけれども、その住宅問題の重要性ということから、極力国民全体の納得のいく方向でこの金利のあり方というものをきめていきたい、そういう線に沿って現在検討している段階でございます。
  176. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 話が公営住宅からいきなり住宅問題にすぽっと変わっちゃったものですから、その方向でまた話を進めてまいりましょう。  政府の、建設省の第二次住宅建設五カ年計画で公共住宅百三十四万戸ですか、それから公庫の融資の関係が百六十三万戸、民間自力建設が五百七十万戸、このように覚えているのですが、これはこれでよろしゅうございますか。
  177. 沢田光英

    政府委員(沢田光英君) 先生のいまあげられました数字、私ちょっと正確に聞いておりませんでしたが、いわゆる四十六年から始まります五カ年計画では、総数がただいま先生おっしゃいましたように九百五十万戸でございます。五カ年間に九百五十万戸を官民協力して建設をするということでございます。この中で、公的資金によりますものがこれの四割に当たります三百八十万戸でございます。その中で、いわゆる融資住宅でございます公庫の住宅は百三十七万戸——たしか先生そうおっしゃったと思いますが、かような数字になっております。
  178. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 そうすると、民間自力建設は何百万戸になっていますか。
  179. 沢田光英

    政府委員(沢田光英君) 九百五十万戸のうち三百八十万戸が何らかの公的資金、こういうものに関係するものでございますので、残りの五百七十万戸が民間自力と、かようなかっこうになります。ただし、この民間自力等にも税制等による援助はもちろん入っているわけでございます。
  180. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 じゃ、私の言ったのでやや合っていたわけですね、若干違っている面がありますが。
  181. 沢田光英

    政府委員(沢田光英君) はい。
  182. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 そこで、民間自力によるものが五百七十万戸、あくまでも、どういう形であろうとも、公共住宅の点から考えていきますと、民間にたよる住宅というものがほとんどであります。そうすれば、いま住宅ローンの関係で御答弁がありましたけれども、この結論はおっしゃってもらえなかったんですが、いま調査中というようなことなんですが、大体、端的に言えば上げるのか上げないのかということなんです。この点どうなんですか。
  183. 金丸信

    国務大臣金丸信君) 住宅問題は現在の一番大きな政治問題であるわけでございまして、そういう意味で、ただいま銀行課長からも懇切な説明があったわけでございますが、建設省といたしましては、この住宅政策を推進する上においては、公定歩合の引き上げというようなことをされては困るということで大蔵省に強く要請をいたしており、また、いままでも、大蔵省も、そのわれわれの考え方に同調していただいておるわけでありまして、今後ともこの考え方を引き続き強く大蔵省に要請してまいる所存でございます。
  184. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 これを見ますと——報道によるものですから——私はいま大臣の御答弁とは反対の方向にいくような印象を受けるわけです。大臣もごらんになったと思いますが、非常に心配するわけなんです。せっかくの民間自力建設を本来ならばさせないで、一人一住宅は与えてあげる、そういう政策をすることが何よりの住宅政策と思うんです。この住宅難の問題につきましても、四十三年度に三百六十万世帯、四十七年度に三百万世帯ということで、五年間でやっと六十万世帯しか事実上解決されていないという、こういうふうなことも問題がございますし、私どもの住宅に対するマイホームの強い希望も見通しが暗い。いまの木造賃貸アパートの実態調査というものを私どもが行ないまして——これは大臣御存じかどうかわかりませんけれども、その中には、今日の政府が行なってきたことが国民にどれだけその影響を与えているかということが端的に調査をしたものが出ております。これはまた、あとでもけっこうですから、よくお調べを願えれば幸いだと思います。  先ほど来から申し上げておりますが、この公営住宅にいたしましても、問題になってくるのは古い建物、旧来の建物、これはちょっと大きな声すれば隣の家へみんな聞こえる。プライバシーの点からいきましても、もう非常に問題点が多くなっているわけです。先ほど私と公務員住宅のことについてやりとりをしておりましたことを大臣もお聞きになったと思いますけれども、そういうことから考え合わしていきましても、これは、営繕の一元化というものは当然責任ある建設大臣のほうで所管していくようになれば全体的な行き方というものが把握できると思うわけです。総体的な行き方というものが把握できるわけです。科学技術庁の分野で建てる建物、文部省で大学を建てる建物とか、特殊な建物であればあるほど建設省の所管ということが何よりも好ましいという実態だと私は思うわけです。そういう意味合いにおきまして、一つ住宅の面から考えていきましても、公務員住宅の面からいきましても、この建設法の線というものをはっきりしていかなきゃいけないんじゃないかと思うわけです。と同時に、建築基準法の第四条の建築主事の問題にしましても、これもまたいろんな問題が生じてきます。こういう法の立法の立場の上から考えていきましても、主事の問題、こう取り上げますと、各市町村に置かなきゃならないとかいろいろございます。それからまた、文部省あたりで建築をやりましても、その主事の認可を得なきやならぬというようなことになってくる。それであるならば、初めから建設省のほうでチェックしていくようにしていけぱ、ふくそうしていくようなことはないんじゃないかと、こういうふうに思うわけです。そういう面からも、十分に将来に対する方向づけというものを明確にしていかなければいけないんじゃないかと思うわけです。再確認の意味におきまして、大臣の御答弁をひとつ伺っておきたいと思います。
  185. 金丸信

    国務大臣金丸信君) ただいま住宅の問題も出たわけでありますし、また住宅の問題も、いまの時代はただつくればいいということでなくて、内容、質という問題があろうと思います。私は、この時代建設省住宅をつくると、あるいは大蔵省で公務員宿舎をつくるという場合に、ただつくればいいということでなくて、この時代の人がつくったものは将来百年、二百年たった後、われわれの子孫が見て、たいしたものをつくったというようなものをつくるべきだということをいつも考えておるわけでありますが、そういう意味から考えてみましても、この一元化ということは当然やるべきだと思いますし、また、この仕事は建設省が分担してやるべきだと、わが田へ水を引くわけではありませんが、そういう意味で、行政管理庁等の強い支援も得ながら各官庁と話し合って、ひとつそういう方向になるように最善の努力をいたしてまいりたいと考えております。
  186. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 先ほど筑波研究学園都市の移転機関等の詳細な科学技術庁あるいは環境庁、文部省、厚生省、農林省、通商産業省等の建築物に対する年度計画と、それから着工及び完成等の具体的な説明を受けましたんですが、それらが完成されていけばいくほど、これは問題は大きな水問題に関係してくると言わざるを得ないんです。  そこで、前回も前川委員のほうからも質問がございましたけれども、また、私は違った角度で質問をしたいと思いますが、いずれにしましても、研究業務用と生活用水とのこの水の問題、この水道計画というもの、これをもう一回ここで、従来言われているようなものでなくて、こうしなければならないというふうなことをひとつ計画を御説明願いたいと思います。
  187. 小林忠雄

    政府委員(小林忠雄君) 研究学園都市の上水道計画につきましては、研究学園地区に立地いたします研究教育機関の予定の需要量と、新たに定着する人口の生活用水量の予測を行ないまして、全体として、給水規模、一日最大十万立方メートルの給水をいたす予定でございます。  で、水源といたしましては、霞ケ浦の表流水から九万二千立方メートル、研究学園都市の地下水から八千立方メートル、合わせて十万立方メートルの取水をいたすわけでございます。で、原水を取水いたしまして配水池まで持ってくるといういわゆる用水供給事業につきましては、茨城県が現在施工中でございます。これに滅菌をいたしまして、それぞれの研究機関なり家庭に配水をする作業は、地元六カ町村で地方自治法に基づきます一部事務組合として筑南水道企業団というものができておりまして、これが現在配水の工事をいたすことになっております。大体四十八年度におきましては、とりあえず地下水を水源といたしまして四十八年度中に一部給水を開始する予定になっております。
  188. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 霞ケ浦から九万二千トンと言われますが、霞ケ浦のいまの水位の状態、それから水質の問題、こういった問題について御調査をしておりますかね。どなたですか、この御答弁願うのは。ただ、いまお話が、霞ケ浦から九万二千トンの水を取り入れるということであります。霞ケ浦のじゃ絶対量はどれだけあるかという、これの予測だとか、こういう問題についてどなたが御答弁してくれますか。
  189. 金丸信

    国務大臣金丸信君) その問題につきましては、河川局長をさっそくこちらへ呼び寄せますから、しばらくお待ち願いたいと思います。
  190. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 じゃ、農林省、見えておりますね。霞ケ浦の水をよごしているのは、一面、大きな農林省の関係の中にあるということ、御存じですか。
  191. 松山光治

    説明員(松山光治君) お答え申し上げます。  私、その件につきましては直接のあれではございませんので、もしあれでございましたら担当の者を呼び寄せたいと思っておりますけれども、おそらく先生御質問の件は、霞ケ浦の周辺で行なわれております畜産の排水等が霞ケ浦の水質汚濁にかなりの影響があるのではないか、こういうことではないかと考えておりますけれども、私どもといたしましては、そういう畜産環境の改善の問題につきまして、いま新しい予算等も組みまして、鋭意努力しておるところでございます。
  192. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 鋭意努力していると言いますけれども、実態がわかりませんね。あなたには実態はわかりませんね。畜産関係といま御答弁がありましたけれども、豚が大体三十万頭飼われているわけですね。豚の排出するふん尿ですね、それは人間の七人分以上だともいわれているわけです。三十万頭掛ける七人、そしたら何十万人ですか、二百十万人の量がどこへ流れていくんですか。大臣、この下水道はどうなっているんでしょうか。
  193. 吉田泰夫

    政府委員(吉田泰夫君) 霞ケ浦の水質は、私どもの承知しているところでは、上水の取水点で、現況はCOD七・四ないし一〇PPMということになっております。ところで、この霞ケ浦につきましては、四十七年十一月に水質環境基準が定められまして、その基準によりますと、五年以内に暫定目標としてCODを五PPM以下にする、さらに将来目標としてはCODを三PPM以下にするということになっております。私ども下水道を担当しておりますわけでございますが、これにつきましては、この筑波研究学園都市の分も含めまして、霞ケ浦常南流域下水道とか、あるいは研究学園都市には関係ありませんが、霞ケ浦湖北流域下水道、その他関係する公共下水道を整備して、研究学園都市関係につきましては、少なくとも五十年度出水期までに、その分、研究学園都市分だけは完成するということで関係の事業を促進しているところでございます。御指摘のように、このほかにいろいろ畜産加工工場、あるいは家畜そのものから出る相当量の汚濁負荷量がございまして、これらにつきましては、都市区域内は私どもの下水道事業によって逐次都市計画事業として整備するということにいたしますが、その他の排水につきましても、漸次下水道事業の対象区域を拡大する等の方途を講じ、あるいは農林省当局が、今年度から創設されました農村環境整備事業等々合わせまして、両々相まって、こういった非都市部におきます畜産関係等の農村排水についても浄化してまいる計画にいたしております。
  194. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 農林省の方、ひとつ答弁できる人を呼んでいただきたいんですが、干拓事業の問題もあります。この霞ケ浦の干拓事業、それからいま申し上げました出島村の問題、養豚の問題、干拓事業がどのように今日なっているのか、そういう状態のわかる人、あなたもみんなおわかりになると思ってぼくは安心していたんです。  それから水産のほうの関係もお呼び願いたい。このコイが御存じのように死んじゃいまして、二十四億も一挙に壊滅をしておるという実情もありますし、この霞ケ浦の問題というのは、大臣、これはたいへんなことなんです。御存じのように河口せき水のせきどめがございます。あの流れてくるものはみんなあそこへたまるのです。ですから、もういまひどいものです。それを九万二千トン。言うならば、説明によると八億六千万トンあるというのですね、あの霞ケ浦に。その水源がある。だから九万二千トンぐらい平気だと、こういうふうにも私は聞いておるのですけれども、それはほんとうかどうか知りませんけれども、実際上の九万二千トンを取っていく霞ケ浦の水質問題が一体どうなのか。  いま御答弁がありましたけれども、その都市区域内はやるという御答弁がありましたけれども、この筑波研究学園都市建設法という法律の第二条にうたってあることが、これはどういうことになるのでしょうか。「この法律で「筑波研究学園都市」とは、茨城県筑波郡筑波町、同県同郡」、これ、ずっと書いてあります。そしておしまいのほうには、「学園都市にふさわしい公共施設、公益的施設及び一団地の住宅施設を一体的に整備するとともに、当該地域を均衡のとれた田園都市として整備することを目的として建設する都市をいう。」、そうしますと、いまの私が申し上げました下水道なんか全くこの地域においては何にもできていないと言っていい、ひどいものです。またあとで水の問題を一つずつ取り上げていきますけれども、先ほどの御答弁で地下水を八千トン取ると言いますけれども、何ですか、八千万トンですか、八千トンですか——八千トンですね。地下水を八千トン取るというのです。東京都はいまどういう対策をしているか、現在のこの周辺六カ町村の状態というものは、どんな水を、その町村の方々がどんなふうな方法で上水道としての用い方で生活をしているか、どれだけの使用量を使っているか、どれだけの地下水をくみあげているか、そういうようなこと等を考え合わせていきましても、この水の問題はあとでがっちりやりますけれども、まず周辺の下水道というものがどんなふうに施工されて、現状はどういう実態であるかということを御説明願いたい。
  195. 吉田泰夫

    政府委員(吉田泰夫君) 先ほども申し上げましたが、実はわが国の下水道の整備はたいへんに立ちおくれておりまして、現在総人口に対する普及率は一九%程度というものでございまして、これを早急に整備していかなければならない。そのためには流域下水道、公共下水道、こういった網の目を張りまして、計画的に汚水処理を進める、こういうことであります。そのような状況でありますので、現在は、遺憾ながら、制度としては都市計画の区域の中で当面最も必要で、しかもおくれておる市街地部分というところを最優先に行なってきているところでありまして、それでもなかなか市街地面積に対する普及率をとりましても、まだ相当の時日がかかる、こういう状況でございます。しかしながら、特にこの霞ケ浦をはじめ、主要な上水その他の水源地となっているような湖沼地域、そのほか環境がいいというような観光的意味を持つような湖沼の地域というものにつきましては、一たび汚濁しますと、なかなか挽回がむずかしいという事情もありますので、一般の海に流す場合以上に下水処理をはからなければならない、こういうふうに考えまして、建設省といたしましても、あるいは農林省といたしましても、このような非都市地域におきますものにつきましても、全国重要な個所から逐次手がけていかなければならないのではないかと考えて、現在計画をつくっているという段階でありまして、はなはだ市街地以外の部分が立ちおくれておりますが、いままでのところは、何をおいても市街地部分というところで、まあそれにのみ専念してまいりました事情を御了解願いたいと思います。  ところで、この筑波の関係の下水道でございますが、汚水につきましては、この研究学園地区の全域を対象にいたしまして、全体計画、一日十万立方メートルという施設を整備するということにいたしておりまして、この流末は南に下がりまして、竜ケ崎とか牛久の都市計画区域等も含めまして、沿線の汚水も取り入れつつ利根川へ放流するという、先ほどもちょっと申し上げましたが、霞ケ浦常南流域下水道というものを計画しておるわけでございまして、現在その終末処理場用地も大部分買収が進んでおりまして、なお残る土地につきましても代替地を示して地元と折衝中という段階でありまして、管渠とあわせまして、先ほど申しましたような五十年出水期に間に合わすということで進めておる次第であります。なお、雨水につきましては、都市下水路というかっこうで、これは処理を要しませんので、都市下水路三本というものを整備することにいたしております。それからそのほかに研究学園都市公共下水道、これも十万人の計画人口で総事業費百二十三億円というものをもって、これも同じ時期に完成するということにいたしております。
  196. 金丸信

    国務大臣金丸信君) 前段の問題につきまして、霞ケ浦のコイが死んだ、この汚濁というような問題、公害というような問題だろうというような意見で、私も実はこの問題につきましては陳情を受けまして、なおその水を持ってきて千トン以上のコイが死んだということは重大な問題だと思いますし、また、その汚濁した水を見ますと、これはたいへんだという私も感じがいたします。そういう意味で、この問題については、なお一そうの行政的な措置をとらなくてはならない、こういう考え方を持ったわけでありまして、今後、この問題につきましては、十分ないろいろの周知を集めて善処してまいりたい、こう考えておる次第であります。
  197. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 市街化地域の関係だけが、ぐんぐん指定されたそういう地域だけが進められていって、私の申し上げているのは、その一番水源地である、その水源地にこの汚濁を落とし込んでいるという、そういうところが問題なんで、そういうところを早く始末しなければならない。そういうところをほうり出しておいてから、指定された地域のところだけは計画どおり進めていこうと言ったって、だめだということを言っているわけです。で、先ほど言いました法律の第二条の点でも、「均衡のとれた田園都市として整備することを目的として建設する都市」だということですから、まわりをやらなければ何にもならないと思うのです。しかも、この水問題ということになりますと、九万二千トンも供給するところが、コイが死んだり、あるいは畜産のふん尿が下水道が完備していないために流れ込んでいる。そういうふうないまの実情を早急にどうしていかなければいけないのかということが何より私は大事な問題だと思います。いま大臣がコイの問題については陳情がありましたけれどもとおっしゃいますけれども、都市が整備されて都市が広がっていけばいくほど、その文化がもたらす汚濁というものはこれは膨大なことになる。その文化がもたらす根源の排水というもの、下水というものの整備が、先ほどお話がありましたように、利根川の云々という話がありましたけれども、まず汚水が霞ケ浦に落ちないようにすることが先だと思う。そうしなければ、九万二千トンの水を霞ケ浦から取ってくると言ったって、これはもう安心して水なんか飲めないということになるんじゃないでしょうかね、どうなんですか。
  198. 松村賢吉

    政府委員(松村賢吉君) 霞ケ浦から取ります学園都市の九万二千トンの水の問題でございますが、これは、この水量につきましては、霞ケ浦の現在総合開発事業というのをこれからかかっておりますが、これによりまして、全体で約四十トン近い水が出まして、そのうち都市用水として二三・三六トンを供給を可能ならしめるという計画でございますので、計画の内容からして、九万二千トン、全体のごく一部でございますけれども、これは水量的には確保は十分できる計画になっております。  それから水質の問題でございますが、この霞ケ浦の水質が飲料に適するかどうかという問題でございます。現在霞ケ浦の水質が、先生いろいろ御指摘のように逐次悪くなってきつつある、また現状も相当汚濁が進んでいるところもございます。これにつきましては、霞ケ浦の環境基準というものがきまっておりまして、これは環境庁が直接担当しておりますけれども、これによって排水の水質規制を強化しているところでございますが、抜本的にはやはり下水道の完備、これがどうしても一つの大きな要件となっております。そういうことで、下水道等の完備を進めていきますところによりますというと、まあこの上水道の取水については可能であるということになっておるわけでございます。もちろん現在の水質で飲料が可能かどうかという問題でございますけれども、これは上水設備そのもの、これに相当手間がかかるということはありますけれども、可能であると私どもは信じておるわけでございます。なお、この下水道の整備の促進ということにつきましては、私どものほうといたしましては、いま国会に提出しております水源地域対策特別措置法、こういうものにおきましても補助率のかさ上げ等も考えておりまして、ぜひこの促進をはかっていきたいというふうに考えている次第でございます。
  199. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 現実論の上に立って考えなきゃならないと思うのです。もうどんどん工事が進められていけばいくほどその比重も重なってまいります。現在谷田部なんかは、全部あっちのほうは地下水をくみあげて、それを簡易水道式な方法でやっているわけです。これはもう周辺町村全部が全部といっていいぐらいにそのようになっているということは御承知だと思いますけれども、いまお話がありましたけれども、霞ケ浦の水で九万二千トンは楽だというふうにおっしゃられたように受けとめたわけですがね、全体量というものが——この霞ケ浦の水というものをどの地域でどれだけ使っているかということ、これをひとつ御答弁願いたい。
  200. 松村賢吉

    政府委員(松村賢吉君) 現在霞ケ浦から使っている水の資料につきまして、ちょっとここに持ち合わせておりませんけれども、いまの計画といたしましては、先ほどちょっと申し上げましたように、かんがい用水といたしまして一六・六四トンをここから取水できるように考えているわけでございます。なお、都市用水といたしまして二三・三六トン、合わせまして約四十トンを取ろうと。そのうち先ほどの九万二千トンは入っておるわけでございますが、九万二千トンと申しますのは——ただいま申し上げましたのは毎秒何トンでございますので、毎秒に直しますと一トン余り、一トン何がしの水になります。その程度の水でございますので、このうちの一部として取り得るということを申し上げた次第でございます。
  201. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 そうするとあれですか、霞ケ浦を使用している地域というのは、たとえば鹿島地域でどれだけ使用しているとか、そういうようなことわかりませんか。農業用水がどうだとか。
  202. 松村賢吉

    政府委員(松村賢吉君) ここに現在数字をちょっと持ち合わせておりませんのですが、いま鹿島で使っている水はたしか十トン弱を現在は取っているのではないかと思いますが、ちょっと数字そのものにつきましては、調べますればすぐわかりますが、いまちょっとここに資料持ち合わせておりません。
  203. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 十トンぐらいじゃないですよ。あとで数字をそれじゃ出してください。  それで境川とか桜川とか新川とか備前川、花室川等の、これは環境庁だと言われればそれっきりですけれども、この河川関係についてどんなふうに考えていますか。
  204. 松村賢吉

    政府委員(松村賢吉君) これらの流入河川についての水質の悪化していること、私どもも調査して知っております。それでこれらについての水質の規制につきましては環境庁のほうのあれになりますが、私どものほうといたしましても、この河川の河川浄化対策といたしまして、ヘドロのしゅんせつと申しますか、河床のしゅんせつ等一部やっているところもございますし、来年度からもやろうということで、こういうような浄化対策事業を考えて水質の改善に資したいというふうに考えております。
  205. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 いまのこの申し上げた五カ川、これはみなたれ流しで入っているのですよ。これ、御存じですか。
  206. 松村賢吉

    政府委員(松村賢吉君) たれ流しと申しますと、霞ケ浦にその河川の水がそのまま入っていると、また川の中に汚水が——下水ですか、これが直接入っているということ、存じ上げております。
  207. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 下水道が完備していないために生活用水が全部たれ流しで入っているのですね。で、こういう問題から考えていきまして、先ほど水の問題については、わずかだから平気だというふうな御答弁がありましたけれども、これはたいへんなことだと私は思うんですよ。地下水の問題を取り上げましても、これはたいへんなんです。東京都の地下水の規制ですね、昭和四十六年末から東京都は地下水のくみあげの規制、工業用水の普及等の問題で、東京都は、ここに地下水問題については真剣に取っ組んできているわけですね。私たちからすればまだまだ手ぬるい面が一ぱいあります。その証拠に、多摩地区なんか、もうすでに沈下している。いままで沈下されているところがだんだん直ってきておる。だけれども、あの広々とした広大な多摩地区が地下水をくみあげて沈下してきている。それからいまの学園都市の六カ町村におきましても、ほとんどが地下水をくみあげているんですよ。だから地下状態、沈下状態なんか、地盤沈下の状態をお調べになったことがありますか。
  208. 松村賢吉

    政府委員(松村賢吉君) 霞ケ浦周辺地区の地盤沈下状態については現在調べておりませんが、この地区においては著しい地盤沈下はないものと私ども聞いております。ただ、将来の地下水の増高に対しまして、この地盤沈下のおそれ、これについては十分に対策考えて、地下水の必要以上なくみあげということについては十分考えなければいけない。そのためにも霞ケ浦からの表流水の使用というほうに上水道を持っていかなければいかぬのではないかというふうに考えております。
  209. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 水はだいじょうぶだというような御答弁がありましたね。ところが、六十年の需給予測というものが研究されて出ておりますけれども、これは建設省で発表しているわけですよ。建設省で発表しているんですよ。これについてひとつ御発言願いたいんだが、南関東の問題について。
  210. 松村賢吉

    政府委員(松村賢吉君) ただいま将来の水について私だいじょうぶだということを申し上げたわけではないのでございますけれども、この学園都市の水の問題に限り、現在の霞ケ浦の開発計画の中に入っておるということを申し上げたわけでございます。  広く南関東全体について申し上げまするというと、昭和六十年の水需要を考えた場合に、年間約二十億トン弱の水が不足するということを私どものほうの調査の結果では考えております。この中には当然霞ケ浦の開発も入っておりますし、上流のダムを相当開発するということについても入っておるわけでございます。こういうような開発をしても、しかも水が不足するというおそれがあるわけでございます。このためには、これが不足するという前提になっておる需要はどういうことかということなんでございますけれども、この需要につきましては、建設省で昨年の暮れに実は算定いたしました新国土建設の長期構想試案というものがございます。これに基づきまして、人口あるいは出荷額のフレーム、そういうものを算出いたしまして、それに基づいて全国の各ブロック別の水の需要というものを算出したわけでございます。  そういたしまして、このまた長期構想のフレームの概要でございますが、人口につきましては、現在の各ブロックのシェアが、大体現在と昭和六十年とほぼ同じになるようなシェア、と申しますのは、人口の集中というものをできるだけ排除いたしまして、集中度合いをさらに強めないようにしていこうという前提のもとのフレーム。それから工業の出荷額等にいたしましても、京阪神等の地区につきましては、この全国的な出荷額のシェアを極力押えまして、特に用水型の産業等の分散をはかるというようなことから、需要をある程度押えて出したわけでございます。それにいたしましても、まだ二十億トンほどの水が不足するということで、さらにこれの水の有効利用、たとえば工業用水の反復利用とか、それから下水道の再利用とか、こういうものをさらに考えていく必要がある。また、用水型の産業等の分散等につきましても、さらに徹底する必要があろうというような考え方を持っているわけでございます。またさらに、それとともに、やはり水の開発につきましても、広く広域的な水の融通というのもさらにはからなければならぬ。南関東二十億トンの水の不足といいますのは、関東地域内の水の融通というのはある程度考えております。しかし、他ブロック、たとえば中部ブロックとか、あるいは北陸ブロック、あるいは東北ブロックというようなところからの水の融通までは実はいろいろの問題がありまして考えておりません。こういうものについても、可能なものについては融通というものをある程度考えなければならぬというようなことで考えておるわけでございます。
  211. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 結論して、二十億トンが不足をするという見通しであるということなんですね。そして、その対策としてはこれから考えなければならないということで、また全体的に見ていっても、そういう実情の中にあって、現実の問題に立ち返ってみれば、霞ケ浦は酸欠で、これはどうにもならない実態というものがその中には起きている。栄養過剰と言うのですかね、バクテリア等の問題も生じてきております。この酸欠等の問題等も含めて、そこから水を補おう、それは水質検査等を基準に合わせてやっていくようにすればいいというものの、現在の面から見ていけば、これは容易ならぬ問題が残されていると思います。それが一にかかって何かと言えば下水道の完備である、そういうようなことが大きな起因の一つだと思う。いずれにしましても非常に、全体にして一九%しかできてないという先ほどの報告がありましたけれども、そういう実情の中にあって、この学園都市の水はだいじょうぶだ、こう私は言い切れないと思う。ですから、その水のもとを、その水それ自体を完全無欠な水に戻していく、その根源というものをたどっていかなければならないと思うのです。そういう点を考えていかなければならぬ、こう思うわけですがね。  先ほど私質問をしておりまして、御答弁がないのですけれども、その周辺の六方町村に対する下水道関係がどんなふうになっているのか、御答弁していただけなかったのですがね。
  212. 吉田泰夫

    政府委員(吉田泰夫君) 周辺の町村も含めました区域を現在都市計画区域に指定しているわけでございまして、これにつきましては、その中で市街化を促進すべき区域と、その他の区域に分ける作業を現在やっておりますが、その市街化区域というのは、もちろん研究学園の区域ばかりじゃなくて、その他の区域も一部入ってくるということになります。その市街化区域の中では、今後一般的な市街化も含めまして、住宅の建設とか、その他の市街化が進みますから、それに対しましては当然、街路、下水道等、計画速度を増して重点的に配分していくということになります。市街化調整区域につきましては、これはまあ当分市街化を見合わすというわけでありますから、そういう積極的な都市施設の公共投資は行ないませんが、そういう場所におきましても、先ほど申し上げましたように、事水質に関係する下水処理についてだけ言えば、これは市街化を進めないと言っても、現に住んでおられる方々、あるいは現に養豚場などが所々方々にあるというような実情を踏まえまして、これらの処理を受け持つことがどうしても必要になるんではないか。最近の改正によりまして、一定規模以上の養豚場は水質汚濁防止法上の特定施設ということで、みずから汚水処理をして公共用水域に流すという義務が課されることになりましたが、その規模に達しないようなものもありますし、一般の農村家庭排水というものもありますから、こういうものにつきましては、私どもとしては市街地の下水処理も急務でありますが、特にこういった重要な水源地域になっているような湖沼に流れ込む地域につきましては、周辺農村部も含めまして整備することが必要であろう、そのような方向で進めなければならないと決意している次第であります。
  213. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 申し合わせで、三時半には休憩するという——いまちょっと区切りが、まだ区切りになりませんので続いて質問をしますが、いま御答弁がありました周辺開発地区の開発計画、これなんかは特に公益的施設及び公益施設という道路、河川、水道、下水道と、これらが一番問題になってくるわけです。これが同じように進められていかなければならないんだということなんですが、ところが、いまの御答弁を聞いておりますと、事実現場に行ってごらんになればわかりますけれども、全く手が打たれていないわけですね。片一方の学園都市の建設のほうは、どんどん地盤整備を進め、建築用地も、建ってきております。その肝心な周辺が同じような計画のもとに進められていないというふうに私は現場を見て承知するわけなんですが、こういう面から考えて私は質問を盛んに申し上げているわけです。ですから、観点はそこに置いてから御答弁をしていただくようにしていただきませんと、先に進んでいけないわけですね。その点どうですか。
  214. 小林忠雄

    政府委員(小林忠雄君) 筑波研究学園都市建設法によりますと、筑波研究学園都市は、研究学園地区と周辺開発地区と二通りに分かれております。で、研究学園地区の中の建設計画につきましては、首都圏整備委員会が中心になりまして政府で決定することになっておりますが、周辺開発地区の整備計画は、法律によりまして茨城県知事が関係町村長の意見を聞いて計画を作成し、首都圏整備委員会の承認を受けるということになっております。現在、鋭意、茨城県が関係町村と計画を詰めているところでございますので、近くその計画が出てくるということを期待しているわけでございますが、なかなか現在のところ関係町村と県との調整についていろいろ問題がある。特に農業の近代化ということと都市的な開発ということにつきましていろいろ問題がありますので、現在までのところまだ成案が出てきていないわけでございますが、御指摘のように、均衡のある都市を整備するという点から申しますと、研究学園地区のみならず周辺地区につきましても早急に整備計画の立案を進めたいと思っております。
  215. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 私は、いま御答弁がありました茨城県知事が周辺開発地区の整備計画をするということですが、一応できているんじゃないですか。
  216. 小林忠雄

    政府委員(小林忠雄君) 県の事務当局の素案のようなものはできているように聞いておりますが、私、まだ十分に存じておりません。法律によりますと、関係町村と調整した上で出てくるわけでございまして、この辺の調整がまだ十分できておらないようでございます。と申しますのは、この周辺開発地区の整備計画の一番基礎になりますのは、こういうような地区について都市的な開発をどの程度にするのか、それから農業的な地域として保全をし、さらに農業振興をしていくのをどの程度にするかという、まあ都市的な開発と農業的な開発との調整、これは具体的には都市計画法によります市街化区域と市街化調整区域の線引きにかかるわけでございまして、その線引き案について、県が一応の事務原案を関係町村に提示をして、それについて意見を求めているようでございますが、町村と県との間の線引きについての案が十分に詰まっておらないということであろうかと思います。
  217. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 それを私はできているんじゃないかと言っているんです。きょうは持ってまいりませんでしたけれども、一応のプランというものはできているように私は思えたんですがね、各六カ町村と県との、こういう農業問題についてはこうだ、下水道の問題についてはこうだというようなことがうたわれているものを私は見たような気がするんです。事実、現地へ行って一部もらってまいりましたけれどもね、きょう、いま持ってきておりませんが、届けさせればすぐ手元へ来ますけれども、どうなんですか。
  218. 小林忠雄

    政府委員(小林忠雄君) 周辺開発地区につきましては、いまの県と町村の問題があるわけでございますが、実はそのほかの要因といたしまして、当初研究学園地区には、単に国の研究機関だけでなくて、民間の研究所も相当程度これを集積をするということになっていたわけでございますが、国の研究機関の建設計画を立てました結果、既定の地区内はほとんど国の機関の用地に占められてしまったわけでございます。最近こういうような情勢で建設が進んでまいりましたので、民間の研究機関等で周辺に入り込みたいという希望がかなりあるわけでございます。そこで、ことしの四月、研究学園都市建設推進本部で計画の改定をいたしまして、民間の研究機関及び私立大学等につきましては、蚕食的な市街化の防止をはかりつつ選択的に導入をするということになっているわけでございます。どういう機関がどのように来るか、これがまあばらばらに入ってくるのは望ましくありませんので、そういうようなものとの調整がもう一つ残っているわけでございます。それから町村の側からいたしますと、研究学園地区だけが非常に都市的な整備をされて、周辺が全くの純農村で残されるということについては、必ずしも満足をしないという点がございますので、周辺のほうでは、ある程度の都市的な開発をしたいということがあるわけでございます。しかし、基本的には、やはり周辺地区というものは田園地区として緑地の多いものとして保存したいという県の希望がございますので、その間の土地利用の最後の詰めが十分に詰まっておらないということでございますが、近くこの点につきましては結論が出るものと考えております。
  219. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 農林省、見えましたか。それじゃ御答弁願います。
  220. 白根亨

    説明員(白根亨君) おくれまして恐縮でございます。  家畜のふん尿の処理をめぐりまして、いろいろと環境問題を起こしておりますし、今後また安定的に畜産物を供給いたします上でも私どもとしては非常に大きな問題と考えているわけでございます。特に、御質問のございました茨城県の霞ケ浦周辺のことでございますが、御案内のように、茨城県は大きな畑作地帯でございまして、そのためもありまして畜産県でございます。たとえて申しますと、豚でございますと、全国で約七百五十万頭飼養されておりますが、茨城県ではその一割に当たります約六十六万頭ばかりが飼われております。乳牛とか肉用牛になりますとこの比率はかなり低うございますが、たとえて申しますと、乳牛では百七十八万頭おりますのが約五万頭弱、肉用牛では百二十八万頭のうち三万頭強というようなことでございますが、集荷地では最も多いわけであります。量的に申しますと、たとえば豚が一日に排せついたします量は、平均的な豚で見ましたときに約六キロ程度というふうにいわれておりますし、私ども人間の平均的な排せつ量というのが約一・五ぐらいというふうにいわれておりますので、量的に申しますと、約四倍強あるいは四倍程度というふうなことになっております。  それはそれといたしまして、そのようなことから環境規制、たとえば水質汚濁防止法の規制も昨年から畜産に適用ということになっておりまして、茨城県におきましても、環境庁と御連絡をとりながら、霞ケ浦のたとえば水質汚濁の原因等につきましていろいろと検討を進めておるようでございまして、私どもが現在承知いたしておりますのは、家庭汚水なり工場排水なりを含めましてCODでものを見ましたときに、約一三%ばかりがそのようなものに基因するのではないか。その大半が、たいへん私どもとしては遺憾ではございますが、畜産の面が影響しておるというような指摘も受けております。  実は、このような実態を踏まえまして、また霞ケ浦の水が首都圏全般に活用されるというようなこともございますので、そういう問題を踏んまえまして、全国的な問題といたしまして私ども現在対応いたしておりますのは、まず第一に、非常に今後問題分野が多かろうとは思いますが、まず可及的に廃棄ということでなくて、活用するように、厩肥として利用するというような形を根幹に据えまして、そのための指導措置、これをまず強化するということを考えております。しかしながら、日本におきまして、かなり土地制約があるとか、いろいろ近郊的な農家が多い、住宅都市化ということで進んできておるということから見まして、可及的に技術開発を急ぎますと同時に、かなりこれは適用できると思うものは、大胆にひとつ現地に適用するというような技術をもってこれに充てるというようなこと、こういうことを中心に今後進めていく。どうしてもやむを得ない場合は移転というようなことに相なろうかと思うわけでございますが、そのように総合的な対策を組むべきであるというように考えまして、まあ予算の額だけ申し上げましてたいへん恐縮でございますが、昨年は、その関連で、私どものサイドからいたしまして十六億ばかりの予算を計上いたしておったわけでございますが、本年は三十億というような形にこれを強化してまいってきておるわけでございます。なお、関連の融資制度につきましても、低利のものを供給できるようにというような措置を講ずる等のことをはかってきておるわけでございますが、最近におきます環境保全の重要性、今後ますます私ども自身もこの問題については腰を入れてやらなければいかぬというふうに考えておりまして、今後とも、このような関係の指導に遺憾のないようにつとめてまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
  221. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 私はその家畜行政——家畜をやめろと言っているのじゃなくて、あくまでも、どこまでも、私たちのたん白質を補っていく上においても当然どんどんふやしていかなければならない、国内で全部需給のバランスがとれるぐらいまでやって進めていかなければならないということ、その立場の上から申し上げているわけですが、ただ、いまお話がありましたように、非常にふん尿等の処理問題、そういったようなことが等閑視されている、ほうり出されておったということになっておるわけですね。それが大きな問題を起こしているということで、これなんかも出島村の点なんか御存じですか。どれだけの、家畜種別に分けて、排せつ量等なんかもひとつ計算をされた、調査をされた点、ございますか。
  222. 白根亨

    説明員(白根亨君) たいへん恐縮でございますが、出島そのものにつきましてのものを現在持っておりません。
  223. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 まあ、出島という名前をあげて、出島の方々には非常に御迷惑かと思いますけれども、やはりこれは行政面が指導が悪いということ、そういう結果をもたらしたのは、やはり政治が悪かったのじゃないか、われわれを含めてそういうことが言えると思うのです。いずれにしましても、約三十万頭ですか、いるわけですから、これはたいへんな、ふん尿にしても四倍以上だとおっしゃいましたけれども、実際はもっとひどいらしいですね。まあそういうような面からいきましても、これはえらい大きな問題が残されておる。酸欠によってコイが、一挙に二十四億も損害を漁民は受けて、さらに北の霞ケ浦のほうまでこれはえらい酸欠によってコイの死亡がある。そういうような実情、どんなふうにお思いになっていますか。
  224. 白根亨

    説明員(白根亨君) もうこの問題が畜産経営の存立というような面にかかわりまして、こういう点は、私どもとしては、もちろんでございますけれども、このような問題がいろいろと地域住民の環境汚染、こういうことにつながってまいりますと、当然にもうみずからの存立ができかねるし、またそういうことがナショナルベースで申しました場合に、安定的な畜産数を確保するというようなこともきわめて不如意になるというようなことになるわけでございますので、私どもとしては、もう先生指摘になりましたように、こういうものをなおざりにするというようなことは許されない、こういうふうに考えておりまして、この面の指導はくれぐれも注意をして、重点的に取り扱っていくというようなことでいくべきである、こういうふうに考えておる次第でございます。
  225. 高田浩運

    委員長高田浩運君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  226. 高田浩運

    委員長高田浩運君) 速記を起こして。
  227. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 非常に時間を制限されちゃうと、これは非常に重大な問題一ぱいかかえているわけですから、私としては十分にやらしていただきたい。これは委員長にお願いしたいんです。まあ、そうばかりも言っておられませんので、私も考えなければなりません。全体のことも考えなければなりませんので詰めていくようにいたしますが、そこで農林省のほうにまだ、先ほど私が質問しました干拓事業の件につきまして、その関係の方、来ておられますか、干拓事業の。
  228. 木村勇

    説明員(木村勇君) 農林省でいまやっております干拓は、先生のおっしゃっておられますのは高浜入り干拓のことだと思いますが、その現状でございますか。——現状につきましては、当初漁業補償関係で四十六年の十二月にほとんど終わったわけでございますが、一部漁民の反対がございまして、三十三名ほど反対がございまして、そのために摩擦関係が若干出た関係もございますので、農林省としましては、その反対漁民の説得に現在鋭意努力しておるわけでございます。加えまして、県並びに市町村のほうは、この事業の首都圏における食糧危機という問題で非常に熱心にこの事業の推進をわがほうに申し入れしてきておりますので、しかし、摩擦の問題は避けられませんので、できるだけ漁民と円満な解決をして着工にかかりたい、こういう方針でただいまやっているわけでございます。
  229. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 当初これは米の生産をやろうとしてやった——やりかかったわけでしょう。それをいま野菜に切りかえていこうという。まあそれはいいとしましても、いまお話がありました三十三名ですか、三分の二の人たちはどうにか話し合いがついて、三分の一、三十三名ですか、三分の一といいますと。その問題が大きく残されていると言うんですが、いまの御答弁だけではこのめどという——大体いつごろにこのめどがつくのか、これらもこの霞ケ浦をめぐっていく周辺の大きな問題点一つですが、もう少し時期的な問題、どういう点で紛争をしているか、詳細をひとつ御説明願いたいと思います。
  230. 木村勇

    説明員(木村勇君) ただいまちょっと数字の問題で非常に恐縮でございますが、千七百二名関係漁業者がいまして、そのうち千六百六十九名に対しましては漁業補償協定が締結できたわけでございます。で、その差の三十三名の漁民が強硬に反対しているというのが数字でございます。三分の一じゃございませんで、約三%ぐらいですか、二%ぐらいの数になりますか、その反対の原因につきましては、いろいろ内部はあると思うのでございますが、実は、全学連が五名ほど現地に入りまして、全学連と反対の漁民とが一応一緒になっておるわけです。で、彼らが申しております主たる原因は、霞ケ浦の水揚げということで、その一環の事業であるということが一つです。それから自然の環境破壊につながる、こういう主張です。それからもう一つは漁業振興の問題を言っておるわけです。その三点にしぼられると思いますが……。
  231. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 話し合いのめど、どうなんですか。
  232. 木村勇

    説明員(木村勇君) そのめどにつきましては、これは四十六年の十月ごろから全学連が入りまして、それから反対派のほうも非常に強硬な態度になってきたものでございますので、そのあとずっと県並びに市町村、それと農林省と、こういう三者で説得、それからその事業の必要性、そういう問題につきまして世論のPR並びに団結といいますか、そういう問題をやっておるわけでございます。で、漁民につきましては、こちらのほうが会談を申し込んでいるわけでございますが、なかなか話し合いに応じてくれていないわけでございますが、これも何とか話し合いをしていきたい。で、めどとしましては、ことしの四十八年度予算としまして、これは一億五千万の予算を組みまして、着工するという態勢で予算を組んでおりますが、いまのところはっきりした、先生のおっしゃいますように何日ごろだとか、そういうめどはございません。できるだけ早くしたいということでございます。
  233. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 どうかひとつ、その点も長い間かかっている問題ですから、いっときも早く解決をされるようにしませんと、やはりこの霞ケ浦の水の問題にかかってきた漁業問題ということなんですから、これも大きな一つのネックになっているわけです。できるだけ早く善処していかなけれならないと思います。早くできるように要望しておきます。  で、先ほど私質問をしましてお答えがないんですが、コイの問題について大臣からちょっとお話がありましたけれど、農林省のほうでは補償問題なんかはどう考えているのですか。
  234. 渡辺武

    説明員(渡辺武君) お答えいたします。  霞ケ浦、北浦におきますコイの被害は、ことしの七月の十七日にまず霞ケ浦の高浜入りの奥の部分で発生しまして、その後下流に被害が移行いたしまして、また北浦でも七月二十二日に発生し、七月二十九、三十日にも発生しておるようでございます。被害の総数は約九百九十トン、被害金額にいたしまして三億五千万円というように推定されておるわけでございます。  このような被害を起こしました原因につきましてはいろいろあろうかと存じますけれども、まず第一は、霞ケ浦、北浦に流入いたします河川の汚濁負荷量の増加ということが第一だと思います。第二点といたしましては、そのような結果、霞ケ浦、北浦全体の水質の悪化、それに伴いまして、栄養分が多くなることに伴うプランクトンの大量発生、それが枯死して沈でんし、腐食し、酸素を吸収する、あるいは底にたまったヘドロの酸素消費量の増大による無酸素層の形成と、こういうようなことが結果いたします酸欠——酸素不足による窒息死といわれております。そのほか、ことしの異常天候による高温なり水位低下等がそのような、いま申しましたようないろいろな要因にさらに拍車をかけて、このような斃死事故を起こしたといわれておるわけでございます。  これの対策といたしましては、まず養殖経営でございまして、漁業の中ではかなり資本をあらかじめ投下してやっております漁業でありますことから、被害養殖業者は大きな打撃を受けておるわけでございます。これが一日も早く立ち直ることができるようにという意味の緊急対策といたしまして、茨城県におきましては、養殖コイの災害、経営資金の融通を行なっております。そして、それに対しまして利子補給、末端金利が二分五厘になる程度での利子補給を総額二億一千万円ほど措置いたしております。また、酸素が欠乏したということでございますので、酸素を水に与えます曝気装置につきまして、三百三十三台について補助をいたしまして、新たにそれを設置するということ等を考えておるわけでございます。さらに恒久対策といたしましては、定例のしゅんせつ等の漁場環境の維持保全事業の推進等について検討するというようなことになっておるわけでございまして、水産庁といたしましても、県とよく相談の上、このようなことについていろいろ協力申し上げていきたい、このように考えておる次第でございます。
  235. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 河川局長、お聞きのとおりです。河川の問題、それから水位低下の問題、いろいろございます。それからもう前にもさんざん申し上げた。私は順序よくずっとやってこようと思ったんですが、農林省のほうが陣容が整っていなかったから逆な、先に結論だけどんどん進めていったようなことですが、実際はそういうふうになっているわけです。そういうことを河川局長、ひとつ承知の上で、それからまた下水道のほうもいっときも早く考えなければならぬ。周辺の問題が特に大きな要素になっているということ、これらをにらみ合わして学園都市建設というものに当たらなければならないんじゃないかと思います。  で、委員長からの話もありましたので、あと一つか二つで質問を終わりたいと思うのですが、まだ一ぱいあるんです。終わったわけじゃない、きょうの時点の質問を終わるわけですから。  もう一つは、いま文部省の方、見えていますね。現在、四百メーターのトラックだとか、あるいはテニスコートとか完成している施設があるわけですが、どなたですか、答弁なさる人は。
  236. 安嶋彌

    政府委員(安嶋彌君) 管理局長でございます。
  237. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 そうですか。それはもう使用できるんですか。やろうと思えばいつでも使用できるようになっているんですか。
  238. 安嶋彌

    政府委員(安嶋彌君) 使用可能でございまして、すでに体育学部の学生が合宿等をいたしまして使用いたしております。
  239. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 茨城県の国体で、これが借りられたらなあというようなことも、その話をちょっと聞いたんですが、それはいまお話を伺うと、開放しているようなお話なんですが、いいんですか、それは。
  240. 安嶋彌

    政府委員(安嶋彌君) 茨城県の国体との関連につきましては、私、承知をいたしておりませんが、一般的に筑波大学の体育施設その他の、たとえば大学会館等にいたしましても、大学だけの使用に供するということではなくて、筑波の研究学園都市におきまして、筑波大学が中心的な存在であるというようなことも十分考慮をいたしまして、地域のためには開放的に使用してまいりたいというふうに原則的には考えておりますが、ただ、筑波大学の設置法と申しますか、関係法律もまだ制定されておりません。正式にこれを御指摘のような方向で供用するというような段階にはいってないわけでございます。現段階では、完成した限度におきまして、事実上、東京教育大学の体育学部の学生等が合宿等に使用しておるということでございます。御指摘の課題は、今後正式に大学ができました際のあり方として、十分考慮してまいりたいというふうに考えております。
  241. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 ぼくは話を聞き違えて、一般に開放しているということだから、これはいいことだと思ったんですが、これはちょっと筑波大学そのものが、いま問題になっておりますし、あれだけのお金はどこから出るんでしょう。あのグラウンドの工事は、あれだけの土地の整備からあの施設をりっぱにつくられたのは、どこからお金が出ているんでしょう、だれのふところから。
  242. 安嶋彌

    政府委員(安嶋彌君) これは国立学校特別会計におきまする施設整備費でございますが、御承知のとおり、国立学校特別会計の財源は、特会自体の収入というものもございますけれども、大部分は一般会計からの繰り入れでございます。  なお、関連して申し上げますと、筑波大学の整備につきましては、現在の東京教育大学のあと地の処分財源というものも財源に一応予定されてはおりまするが、しかし、これは究極的には税金によってまかなうということであろうかと思います。
  243. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 税金でしょう、国民の。だから、国民全体で使用すべきじゃないでしょうかね、どうですか。
  244. 安嶋彌

    政府委員(安嶋彌君) 租税によって整備された施設ではございまするが、しかし、筑波大学という特定目的のために整備されておるわけでございますから、やはり筑波大学のための使用に供するということが原則であろうかと思います。一般の公園等におきまする体育施設と同じように一般に開放するということは、これは施設本来のあり方からして、適当ではないんではないかと考えております。大学本来の使用目的に支障がない範囲において、できるだけ地域に対して開放的に使用に供してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
  245. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 それはわかります。私もわからないわけじゃないんです。大学ができない場合はどういうことになるかと心配したわけです。  それからもう一つは、学園都市全体の住民の方方があれは利用できればいいんじゃないかなというように、非常にりっぱなものですから、特殊な材料でりっぱなものができております。雨が降ってもだいじょうぶですね、そういうグラウンドなんです。ですから、ぜひこれは、あの地域住民の方があれを使うようになれば、これはたいした文部省は開けたなというふうに思えるわけです。  それからまだ一ぱいありますけれども、建設大臣、こういう研究学園都市のことについて全国からいろいろ要望があるだろうと思いますが、北海道からも要望書が出ておりますけれども、こういう問題についてはどんなふうにお考えになっておりますか、これは文部省のほうもあるでしょうけれども。
  246. 安嶋彌

    政府委員(安嶋彌君) 文部省におきまして新学園建設等調査会という調査会を設けまして、自然環境に恵まれた場所に新しい学園をつくりたいということで、学識経験者等の御参加をいただきまして、現在審議が進められておるわけでございます。現在の審議の方向といたしましては、新しい学園のあり方——これはいろいろ問題があろうかと思いますが、そうしたあり方、それから立地条件、これは先ほど来御論議がございました水の問題でございますとか、あるいは電気、ガスの供給能力の問題でございますとか、ほかに交通、通信手段の関係でございますとか、そうした問題、それからさらに必要な土地の面積がどういう程度のものが適当であるか等々の項目につきまして、ただいま申し上げました調査会におきまして審議検討を続けておるということでございます。
  247. 金丸信

    国務大臣金丸信君) 所管が文部省というような関係でありましょうかと思うんですが、建設省にもそういうような要望はありません。首都圏のほうにも要望はありません。そういう意味で私は聞いておりません。
  248. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 この学園都市の建設もいいと思いますけれども、そのスタートが大事だと思うんです。今度の筑波の問題なんかも中身等がいろんな問題が起きているわけですけれども、そういうふうなことを当初ちゃんと計画の中に入れて、いま御答弁がありましたような、条件のそろっているところということは、これはもう考えていって私はいいと思うんです。北海道なんか最適だろうと思います。そういう面においてはどうでしょうか。
  249. 安嶋彌

    政府委員(安嶋彌君) 北海道からも数カ所適地をあげまして、新学園都市を建設してもらいたいという御要請がございますが、先ほど申し上げましたように、新学園建設等調査会におきましては、まだ個別的な審査判定をするというところまではまいっておりません。一般的に新学園のあり方でございますとか、立地に必要な条件等につきまして、一般的なものさしを現在検討しておるということでございます。まだ個別の場所の審査に入るという段階ではございません。北海道の御要望につきましては、私もよく承っておりますので、審議が進みますれば、そうしたことも逐次議題になっていくことかと思います。
  250. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 きょうの質問は、これで最後にしたいと思いますが、土地問題についていろいろな問題がまだ残っているわけです。これは前回も鈴木委員のほうから換地の問題等について相当こまかく質問がございました。私もまた別な角度で土地問題については資料をだいぶんそろえております。この次の機会にゆっくりとこれはやらしていただきたいと思っているんですが、当初、何といいますか、用地買収開始をしたのが四十一年の十二月の九日ということで、四十六年の三月三十一日には大体買収率が九九・九%の買収率というふうに報告書には記録されておりますけれども、当初、言うならば、安いお金で買収をされた、現土地上昇における価格とは相当な開きがある。この相当な開きについて、地元の当事者の方々もいまとなっては——という声もありますし、何らかのできれば補償関係も考えられないもんだろうかという声もありますので、そういう点だけきょうはお伺いをして、きょうのところの質問をとめたいと思います。ひとつ、どなたでしょう。
  251. 播磨雅雄

    参考人(播磨雅雄君) おっしゃいましたように、昭和四十一年に買いに入りまして、大体四十六年ぐらいに買えたわけでございます。そういったことで、確かに現在周辺の土地が、この前も話が出ましたように、まあ大体使える場所が坪五万円をこえておるだろう、こう言われている状態でございますけれども、私たちも土地買収のほうから言いますれば、やはりそのときの時価でお買いいたしているわけでございますので、その過程におきまして、周辺の環境整備に対する負担とか、そういった形の援助というようなものはいたしましたけれども、地価が上がったからという補償、そういったものはこれは限界のない話でもございますので、私たちのほうでは考えていないと申し上げるよりしかたがございません。
  252. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 いま、単にそういうことだけでは済まないわけです。売った人たち生活環境というもの、これは当然変わってくるわけです。そういうことからいろんな問題が一ぱい生じてきているわけです。きょうはせっかくおいでになりまして、訴訟問題もこれから入っていこうと思ったのですが、委員長の先ほどの話があるので、時間がありませんので、残念ながら、きょうはこれでやめますけれども、この次の機会にゆっくりとひとつお聞かせ願いたいと思います。私は私のほうでまた質疑を重ねていきたいと思います。  そのほか、これは水不足で電力問題が大きな問題になってきますから、通産省の方、どなたかおいでになっていますか。ひとつ話だけ聞いておってください。この電力問題で学園都市周辺都市に対してどういう対策を講じていこうとしているのかというような問題、一ぱいあるんですよ。そういうふうなこと、大事なことが残されたままで、きょうは質問を閉じさせていただきます。  きょうの私の質問を申し上げまして、一番関係の深い建設大臣のほうの所管であります下水道問題、それから上水道問題、これらの点についてやりとりをしました大臣の総括的な所感を承りたいと思います。
  253. 金丸信

    国務大臣金丸信君) 上水道の問題にいたしましても、下水道の問題にいたしましても、また周辺地域の整備の問題にいたしましても、これは当然やらなければならない仕事でありますし、またそれは急を要する仕事であろうと思いますので、今後行政の面でできるだけピッチを上げて御期待に沿うようにいたしたい、こう考えております。
  254. 高田浩運

    委員長高田浩運君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  255. 高田浩運

    委員長高田浩運君) 速記を起こして。
  256. 岩間正男

    ○岩間正男君 こういう運営について、まず最初に質問者の立場からいえば、いつでもこういうやり方ですね。壁ぎわに追い詰めて、時間がないから、それで何とか了承してくれとかなんとかいう形でわれわれにやられてきました。こういうやり方は不当であります。  それから、ただいま与党理事の一人から、質問やらなければ棄権と認めるという発言があった。これはどういう権限だ。これは委員長が言うのならいざ知らず、さっき君には話したはずだよ、四時までに入れなければしようがない、一時間以上やるのだから。けさは二時間ぐらい要求したわけです。そうしたら、あんたたちは一時間で何してくれ、おれは一時間半は少なくとも必要だと、こう言ったのだが、さっき了承したでしょう、そうでしょう。四時までに入れなければだめだよ、わざわざ言って、おれは通告したわけです。そうしたら、いいよ、いいよ、こう言った。ところが、いま何と言ったか。四時からというのに、こういうかっこうで、しかもこれは委員会がちゃんと申し合わせをして五時と。とにかく会期はこんなに大幅に延長されて、こういう中で、またいままでの内閣委員会のあんまりいい例じゃないんだ。いままでおそくおそくやっておる。しかも会期末までまだ一カ月ある。  そういう段階において、そうしてわずかにこんな時間を、まるで追い立てるようなやり方というのは、非常にこれは私は賛成できない。公平の原則はどこにあるんですか。だから取り消しなさいよ、こういうことは。何です、棄権と認めますということは。自分のことはたなに上げておいて、自分のほうで条件を整えておかないで、そうして、いやおうなしにこういうところに追い込んでおいて、それで今度は棄権と認めますというようなことは、暴言と言わなければならぬ。何回そういう暴言を一体繰り返すのか、許すことができない。で、これはあすの理事会で、この問題について追及するにしても、委員長ももう少し反省してもらいたい。そういうことをやっているんですよ、筆頭理事言ったんですよ。四時に入れなければぐあい悪いぞ、こういうことを言ったんです。ところが、それに対して了承しているはずなんです。それをいまそういうことについては何ら触れないで、いきなり棄権と認める、何を言う。これは不成規の発言ならそれはそれでいいだろうが、私はけしからぬと思うんですよ。もう少しそういうところは反省しなければならぬ。  そこで、時間がないから、ただ一点だけこれはもうお聞きして終わっておきますけれども、私は自然環境の問題について質問する予定です。基本的に自然環境を守るという、そういう点について、建設大臣基本的にどういう考えを持っておられるのか。ことに、この問題とも関連するんですが、川崎、そうして木更津の間に、これは東京湾横断の大橋が、二十八日ですか、建設省案としては一応決定を見た。しかし、これのまた自然に与える、環境に与えるところの影響は非常に重大だと思う。そういう態勢の中で、私はこれを前提として——こんなに私も準備していますけれどもね、それで、どうしてもただしておかなくちゃならぬ点があるんですが、きょうはとにかく時間がないですから、その大前提としての建設省の、どのようにして、ほんとうに建設行政と自然環境を守る行政調和して一体発展をしようと考えているのか。この基本的な構想だけについてお伺いして、私の質問はこれで終わっておきます。
  257. 金丸信

    国務大臣金丸信君) 道路をつくるということにつきましては、その利用目的も十分に検討しなければなりませんし、また環境という問題を無視して道路をつくるわけにはいきません。そういう意味環境等、あらゆる角度から調和のとれた道路を建設すること、現在いわれておる、いわゆる産業優先というような考え方でなくて、環境保全、こういうようなものを十分に考えながら目的利用というような問題も考えて、調和のとれた道路をつくっていくところに建設省の今後の道路考え方はあらねばならぬと、こう私は考えております。
  258. 岩間正男

    ○岩間正男君 時間の申し合わせがありますから、この次にこれは継続さしていただきたいと思います。  きょうはこれで終わりたいと思います。
  259. 高田浩運

    委員長高田浩運君) 本案に対する本日の審査はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時四分散会      —————・—————