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政府委員(池田正範君) 御質問の点は、おそらく築地、神田の両市場が非常に狭隘である、扱い高が非常に多いために十分な市場内取引に難渋を来たしておるのではないかという御
指摘であろうというふうに思うわけでございます。
御
指摘いただきましたように、特に築地にいたしましても、また神田にいたしましても、これは
昭和十年二月にいずれも設立をされたのが原形でございまして、面積といたしましては、それぞれ最近できました、たとえば東京都内でも十一ほど市場がございますけれ
ども、その中のたとえば世田谷の市場だとか、あるいは大阪でいたしますというと、新しくできた東部市場といったような新しい市場の取り扱い量を比較いたしてみますというと、面積当たりでも大体倍、半分というふうなことで、確かに相当量混雑をいたしておることは、もうまぎれもない事実でございます。
そこで、問題は、私
どもどうしてもいまの市場のあり方をそのままほうっておくことはできないということで、実は新しい
法律ができましたのを機に、中央卸売り市場の整備
計画を
昭和四十六年を初年度にいたしまして五十五年までの間の十カ年間、現在六十七市場ほどございますけれ
ども、これを全国で九十九市場まで広げようじゃないか。また、中央市場だけじゃなくて地方卸売り市場につきましても、これは約七百七十市場ぐらいのちゃんとしたものをひとつ
計画的に設置しようではないかというふうなことで、それぞれ整備
計画、
基本計画等をすでに整備をし終わりまして、現在公共事業に準拠をいたしますような形で、昨年度は約五十六億円、それから本年度につきましては六十億円、それぞれの整備
計画の費用を計上いたしまして全国的な配備をいたしておるわけでございます。
ただ、問題は、中央市場の中で築地と神田という、非常に旧来からの都市の中心部にある、しかも
日本一の大都市の中心というふうなことで、これはなかなか場所を広げようにも思うような場所がまわりにないということでございますので、したがって、まず第一に、何よりもこれは現在地で完全な市場の拡充ということを望むことは無理だというふうなことから、これは東京都とも十分話し合いをいたしまして、実は
昭和五十年から五十五年までの五カ年間に、すでにもう土地も準備をいたしておりますけれ
ども、都有地でございますが、大井に新しい大市場をつくろうというふうなことで、現在、本年
基本計画、来年基本設計というふうな順序を踏みまして、この新市場の建設の
計画に着手しつつあるわけでございます。東京都のほうもすでに新市場の整備担当のための主管を昨年の末に置きまして、四十七、四十八年とかなりの額の調査費もすでに都費をもって計上いたしております。したがって、私
どもといたしましても、これは今後建設費全体がかなり巨額にわたることもございますし、また商業調整といった非常に複雑な問題、これも出てまいりましょうけれ
ども、いずれにいたしましても、ただいま御
指摘のような問題というものを回避いたしますためには、何といたしましても、この新しい大規模な市場というものをつくるということに全力を傾注したいと
考えておるわけでございます。しかしながら、これを待つ間ということが当然問題になってまいります。そこで、築地、神田の両市場につきましては、すでにこの築地の市場につきましては通路、駐車場等の上に上屋を設けまして、そうして卸売り場を積極的に増設をするというふうなことをやりますと同時に、駐車場を逆に立体化していくといったようなことで、四十五、四十六、四十七と引き続き卸売り市場の場内の増設ということにできる限りの
努力を現在いたしておる次第でございます。また、この神田市場につきましては、南口の卸売り場を増設いたしますと同時に、駐車場を増設するというふうなことで南口全体の構造を平家建てから立体化をいたします。そういうふうなことで二期工事に分けまして、一期工事はすでに完成いたしました。あと残りの一期工事を二期工事といたしまして、すでに着工いたしておるわけでございます。むろんこれだけでも、ただいま御
指摘いただきましたように、十分とは申し上げられませんけれ
ども、しかしながら、長い間の伝統の上に立ってのこの集散市場でございますので、急激にどこかへすぐ移すというふうに簡単にはなかなかまいらないというふうなこともございますものですから、現在の施設で利用でき得る限りひとつ施設を拡充するというふうなことで当面切り抜けながら、その新しい大井市場の建設を待って本格的な集散の機能を果たしていくように、行政指導もあわしてやってまいりたいというふうに
考えておる次第でございます。