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衆議院議員(
福田一君) 私は、これは無籍の方に全然責任がないとは思っておりません。無籍の人は本来、
法律に基づいて当然
登録をすべき義務があるわけです、
法律があるのですから。その義務を怠っておるということだけはこの際に明らかにさしていただきたいと思います。これは認識の問題で非常に大きな問題になります。そこに基づいて私
たちは——しかし、そうではあるけれ
ども、無籍の人
たち、零細の人
たちが生業、生活が非常に苦しくなっておる。そういう場合に、ひとつ何らかの
措置を講じなければいけないのじゃないかというようなお話でありますが、
登録が全部できておったとすれば、私は
通産省、
政府にしても、非常に問題は処理がやりやすかったと思うわけでございますが、それがなかったところに
一つの非常にやりにくい面が起きてきたと思うのであります。
そこで、私
たちがこの
法律をつくった
一つの
目的は、やみの
織機を全部なくしますというと、いままでは商社とかあるいは
親機というものが、そういうやみの
織機に対しては工賃を安くすれば仕事を出して、そうじゃなきゃ出さないというものですから、
組合に入っておる人
たちは工賃の値くずれを防ぎたいと思っておっても、おまえのところがやらなければやみでやらせられるよ、あそこへ頼めばできるのだと言われると、結局工賃を下げざるを得なくなったわけです。それが工賃の値くずれをした一番大きな原因であるとわれわれは調査をいたしておるのであります。そうすれば、今度は全部が浮かび出てくれば、
組合の中で、その工賃はいかにも安いから、それを織るときにはやはりこの程度のものはもらわにゃいかぬという、
組合として適正な工賃をつくる基礎が、全部が無籍でなくなったときに初めてできるのである。そういうものをつくることによって、いままこ無籍で仕事をしておったような人
たちが、安い工賃でなく適正な工賃で仕事ができるようになる。これはやはり
組合等にも非常に大きな影響がございますので、
附帯決議にちゃんとそういうことも書いておるのはそういう
意味を含めてでございまして、決して悪いことをしておらなかったのになぜそういうことになるのかということは、われわれとしてはちょっとその点は
須藤さんと認識がいささか相違するかと思います。
そこで、しかしそうではあるけれ
ども、無籍の人というのは零細であるからして、そういう人
たちを有籍にする場合においては、とにかく四分の三は無条件で認めてあげましょう、しかし、残りの四分の一というのは
織機全体、いわゆる八十何万台についてやみの三、四万台というものは、これはやはり過剰であると思うからして、今後五カ年の間にはこれは解消しなければならないのだが、それについては、とにかく漸減方式をとってなるべく少なく、一台や二台持っている人には安くするようにして、そうして経済負担を持ってもらう。そうして経済負担を持ってもらうということになりますと、いままでは銀行から金も借りられなかったりいろんなこともあったかもしれぬが、そこに
一つの価値がついてまいります。で、私は、その場合において、少しの金を納めたことによってかえって信用が増すというような場合も十分
考え得ると思うのでございまして、決して無籍業者をいじめることにはならない。むしろ無籍業者を救済することになり、また織
布業界全般の利益を守る
意味においてもこの
法律は必要である、かように
考えておるわけでございます。