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古賀雷四郎君 きょうは環境庁長官がおいでになっておりません。私は予算
委員会で環境庁長官に会いまして、この問題は非常に
対策がとられていないと、そのとおりだという
お話でございました。それで
対策を立ててほしいということを要請いたしておきましたが、
総理府総務長官に、私、実は
実情を——建設大臣やっていられましたから地盤沈下地帯をごらんになったかと思います。たとえば新潟のところは四十年の
豪雨で、ものすごく
災害を生じました。これは地下水をとめておければ、地下水くみ上げ、あるいはガスですか、ガスくみ上げをとめれば十分とまった可能性がある。いま相当落ちついてまいりました。それでもやはり沈下した
あとは低いものですから、この前の
災害のときは、全部水が入る、市内に水が入るというふうな
状況でございます。それから江東三角地帯はもう言うに及ばず、マイナス三メーターということでございまして、これは地盤沈下がとまっておるのかどうか、ちょっと具体的にはわかりませんが、たとえば江戸川の河口にあります工場地帯で地下水のくみ上げをやっておりました。それが実際とまっているのかどうか私知りませんが、これはもうとめなきゃいかぬということを言っておったわけですが、それはやはりその工場を中心として、円形にずっと沈下ができておる。それからまた川口ですか、あそこにも非常に沈下が激しいようでございます。
私は、この地帯のことは別としまして、いま環境の山紫水明なところで、地盤沈下が
各地で起こりつつあるということは御認識いただけると思うんです。私の郷里のところでも、毎年六センチずつ下がっている。まだ沈下の度合いは非常に少ないということですが、六センチも、少なくても十年たてば六十センチであります。そうすると、有明海の
高潮がやはり六メーター近くありますから、これがきたら一ぺんにやられる。ここの銀座でも、私は三メーター五十からあるいは三メーター七十ぐらいの
程度の高さではないかと思います。計画による
高潮がくれば、当然銀座もつかるという情勢にならざるを得ないというふうに理解しているわけです。幸い防潮壁ができましたから何とかできると思いますが、
地震でもあれば、防潮壁がこわれることは必至でございます。たいへんなことになります。
そこで過密、過疎のことで、これを解消したいということで地方を
開発されていくということになる場合に、地方が地盤沈下で非常に苦しんでいるというような実態がたくさんあるわけです。いまにしてとめなければとまる方法はない、ずるずるべったりになるということになります。江東三角地帯でも、あるいは下がり始めたときには利根川には水がじゃぶじゃぶしていたわけですね。その水を供給する施設をつくっていただければ、当然あれほどの地盤沈下は起こらなかったと私は想定できると思います。
そこで列島改造ではございませんが、そういう時代にきつつあるときに、地方の立地の条件を保っておくというふうな方策が事前に講ぜられないと、工場を地盤沈下地帯に持っていこうといってもなかなか持っていけません。そしてまた
災害のときには、たとえば佐賀市は一万戸がこの前、水につかったというような
状態でございまして、まことに残念でございます。この前のこの
委員会のときに環境庁の答弁をいただきましたけれ
ども、私はどうもこの問題につきましては、環境庁のもっと積極的な態度が必要であると思うわけでございます。たとえば農業用水とかあるいは水道用水とか、そういったことに関しても、やはりある
程度しっかりした地盤沈下
対策から見た一つの法制化をはかって、具体的な、それに代替用水の確保をはかっていくというような
措置を講じてもらわないと、これは沖積地帯は下がるにきまっております。これは圧密沈下でも、普通の地盤でもわずかではございますけれ
ども下がっております。まして地盤から脱水をすれば、当然地盤沈下は起こってくることは必至でございまして、これは愛知でも起こっておりますし、大阪でも当然、第二室戸
台風、第一室戸
台風でたくさんやられております。そういう
状態でございますので、この問題は長年にわたって起こりますので、なかなか気がつかないという点もあるし、まあ次第次第に
対策を講じていったら、そのうちずんずん下がっているというようなかっこうにもなっております。私は、新しいそういった処女地が地盤沈下しておりますので、そういった処女地に対しては、少なくともこれから以上は、もう自然のいわゆる地質的な沈下以外は、人工的な沈下は絶対にさせないんだということで、ひとつぜひ御処理を願いたい。そのためには法制を確実にしていただきたい。
総理府長官のこれらに対する御見解をお願いしたいと思います。