○
政府委員(安福数夫君) 今回発表いたしました
魚介類のPCBの
汚染状況の精密
調査の結果でございますが、これは昨年、
環境庁をはじめ
関係省庁と
全国的なPCB
汚染の状態の概査をやったわけでございます。昨年末にこの発表がございましたが、その中で、われわれといたしまして警戒すべき
地域としてその中から選びました
地域が十四水域あるわけでございます。これにつきまして
水産庁といたしまして、
底質、水質、それから直接
魚介類、この三つの観点から
調査をいたしたわけでございます。
総検体数としましては二千七百八十でございますけれ
ども、水質はそのうちの二百六検体、それから
底質、ヘドロでございますけれ
ども、これについては三百一検体、その他が
魚介類、こういうことになっているわけでございます。
そこで、まず水質でございますけれ
ども、水質の
調査ではPCBの検出がなかったということで、この点は非常に幸いでございますけれ
ども、
底質のほうでございますが、これにつきましても三百一検体のうち約一%の三検体が一〇
PPMをこえるという結果が出ております。それから、
底質につきましての一つの警戒ラインと申しますか、要注意とすべき点は一〇〇
PPMということで私
ども承知しておるわけでございまして、その一〇〇
PPMをこえる検体は皆無であったわけでございます。そういう面で、水質、
底質につきましては、現在のところ、われわれの水産サイドの一つの問題としてはまあまあ安堵していいのじゃないだろうか、こういうような結果が出ております。
問題は、総検体数の中で大部分を占めております
魚介類でございますけれ
ども、その大体のことは、十四
地域のうち、
魚介類について一つの警戒ラインでございます三
PPMをこえるもの、これが約検体の二〇%をこえる場合は要注意である、こういう一つの現在までの
指導的な線が出ております。それに該当する
地域が八
地域あるわけでございます。
それを概略的に全部を申し上げますと、三
PPMをこえるものが現在、
魚介類につきまして二千二百七十三検体をやったわけでございますが、そのうちの約六%、九十入検体が三
PPMをこえておるわけでございます。これが海産の
魚介類でございます。それから淡水の琵琶湖、それから琵琶湖から出ております宇治川、そこがございますけれ
ども、それにつきまして、そういった内水面的な
魚介類を対象にいたしましたものに約九%の三
PPMをこえる検体が出ております。数量としまして五十五でございます。こういったものがかたまっております
地域が入水域出ております。十四水域を対象にいたしまして、そのうちの入水域がわれわれとしましては今後重点的にこの問題に対処すべき
地域だ、こういう結果が出ているわけでございます。
われわれ自身、十四水域を対象にいたしました中で、ある
意味では従来から非常に
汚染が進んでいるということで非常に注目しておりました東京湾、あるいは四日市、
水俣湾水域、それから徳島でございますが日和佐港の水域、ここではすべてが三
PPM以下であった、こういう結果を得ているわけでございます。
それから、
汚染されておりますそういう
魚介類がどういう
範囲で採取されたかということでございますけれ
ども、一つの
調査報告の方法論がございますけれ
ども、ある
意味では地形的あるいは距離的、そういった相関
関係があると思いますけれ
ども、こういう問題の入
地域につきまして、一つの行政措置としてそれを対象としてどう措置するかという場合に、ある
意味では限定される、特定し得る水域であるということで、われわれとしましてこれに対する
対策はそういう
地域的な限定がし得ると、こういう結果を得ているわけでございます。この結果、われわれとしまして六月四日に
関係都道府県に対しまして、これに基づいての一つの行政的な、まだ精細な措置ではございませんけれ
ども、臨時的に早急に打つべき一つの
指導通達も出しておるような次第でございます。
それから参考までに申し上げますと、エビ、カニ、イカ、タコ、こういった軟体動物につきましては、幸い非常に平均値としましても〇・一八
PPMということで、一応警戒ラインでございます三
PPMをかなり下回っておるということで安全ではないか、こういう結果がございます。貝類の平均値は〇・〇七
PPMで、さらにそれ以下の平均値を得ているということでございます。それから海藻類、藻類でございますが、これがさらに〇・〇一
PPM、そういう平均値を得ているということを御
報告をさせていただきたいと思います。
以上、簡単でございますけれ
ども、
調査の結果の概要でございます。