○
田英夫君 いまの
大臣のお
答えは、この時点でまだお
考えというのはたいへんおかしいと思うし、また
金大中事件と
関係がないという御
判断もたいへんおかしいと思うんです。
それは、まず第一に南北が同時に加盟することは好ましいというふうにおっしゃいましたけれ
ども、朝鮮民主主義人民共和国は、この六月二十二日の金日成主席の発言でもはっきりしているように、南北がそれぞれ別々に同時に加盟するということにまっ正面から反対をしておるわけです。高麗連邦共和国という形で
一つで加わろうじゃないかということをはっきり言っているわけです。つまり、二つの当事者のうちで一方は反対をしているわけですよ、別々に入ることに。こういう状態の中で、第三者であり当事者でない
日本が、これにとやかく言い、一方が入らないと言っているのに、二つ入るのがいいと思うというようなことを言うのは、まさに他民族に対する干渉であり、朝鮮民族の皆さんが望んでいる姿をじゃまするものだと、こう言わざるを得ない。
また、
金大中事件と無
関係とおっしゃいましたけれ
ども、そうではなくて、まさに、なぜ
金大中事件が起きたかといえば、現在の
韓国政府にとっては
金大中氏は好ましくない
人物であるからこそ
政府機関の
人間までが
関与をしてああした行動をとったと、こう
考えざるを得ないわけですが、しかし、一昨年の大統領選挙で、
金大中氏が、朴政権のあらゆる選挙干渉にもかかわらず――その選挙干渉の内容についても私は
金大中氏自身から詳しく聞きましたけれ
ども、そうした干渉にもかかわらず九十万票という差にまで迫ったのは、これはまさに
韓国の
国民の皆さんが、あれだけの、まあいわば弾圧のような形のものまで受けながら、南北の平和統一ということを強く望んでおられる。
金大中氏が掲げた平和統一というそのスローガンを強く支持した証拠だと、こう
判断をするのが当然であり正しいと思います。
したがって、そういう
状況の中で統一ということを望んでいる以上は、
韓国の
国民も統一を望み、北側も
一つになって入ろうと、こう国連問題に対して
考えているこのときに、アメリカや
日本の
政府が、いわばよそ者が朝鮮民族のこうした願い、多数の願いにそむくような行動を国連の場でとるならば、これは悔いを千載に残すどころか、朝鮮民族に対する非常な干渉であり侮辱的な
行為であるというふうにさえ言っていいと思うんですよ。このことはしたがって、当面のこの事態の中できわめて重大であり差し迫った問題だと思います。きょうは六日ですからあと十日余りで、もう二週間もない
状況の中で国連総会が始まる。今月中にはこの朝鮮問題というのが直接国連の舞台にのぼってくるでしょう。そういう
状況の中できめておられないというのは、私は本心を言っておられないと
判断せざるを得ないし、いま私が申し上げたようなことは、残念ながら
日本の多くの
国民の皆さんも、そして朝鮮民族のほとんど大部分の方も、腹の底では同感をしてくださる問題だと自信を持っております。この点は
政府は厳重にお
考えいただきたいと思いますが、あらためて所信を伺いたいと思います。