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近藤分科員 次官のおっしゃるとおりであると思いますが、同時に繰り返して申しますように、これまではともかく
輸出に全力を注いだという姿勢をまさに総理が、また通産大臣、
関係閣僚が全部集まって、財界が全部集まって、こういうことでとってきたということですが、それと並行して、これからはまさにわれわれ
国民一人一人の生活
充実に、
日本が戦後二十八年間積みに積んだ経済力、
技術力を使うのだという姿勢を、やはりあえて内閣の姿勢としても示す必要があるのではないかというふうに思います。
同時に、こういう際ですが、福祉という考え方、成長から福祉ということですが、福祉ということばはいいことばですけれ
ども、しかし弱い面もありますので、母子福祉とか老人福祉みたいな形で、おくれているものを上げるようなかっこうでなしに、もっと前向きに、
国民生活をほんとうに
充実してレベルアップするのだという、そういうことで、それをすばらしい
日本の科学力、
技術力を官民あげてぶち込んでいくという姿勢を、この際内閣の姿勢としてお示しになる必要があると思いますので、きょうはお見えでございませんが、現通産大臣はまさに実力大臣でもいらっしゃいますし、また新しいことを積極的におやりになる大臣であるようにも私
たち考えておりますので、ぜひこの問題を
次官、
局長からお話しをしていただいて、総理ともお話しの上内閣の姿勢としても実行していただきたい、かように要望を申し上げる次第でございます。
時間もあまりなくなりましたので、あと一問だけお聞きしたいわけでございますが、それは今度の通産省のお仕事の中の
工業再
配置の問題でございます。
これも最近はどうも
工業再
配置とか
日本列島改造というものは諸悪の根源みたいなことをいわれている面もございますけれ
ども、私はまさに
日本列島の
改造、
工業の再
配置というものは正しい政策であり、どうしても実行していただかなければならないというふうに考えておる次第でございます。そういうふうな観点で、今度は
工業再
配置・産
炭地域振興公団法の一部を改正する法律案をお出しになって、この公団を国土総合
開発公団ですか、そういうものに改める。いろいろ従来以上の、昨年度以上の
施策をお考えになっていらっしゃることに対しまして、私は全面的に賛成をしているわけでございますが、二点問題がございます。それは、今度の改正法の中にも触れてございますけれ
ども、公団の業務の中に「人口及び
産業が過度に集中している大都市及びその周辺地域以外の地域において、地域社会の経済、文化等の
中心としてふさわしい都市の
開発整備のため必要な業務で次に」云々、こういうことになっておりますが、この公団でお考えになっていることが、まあ山形の例をとりますと、山形市なり米沢市なりという、まさにそういう地域の中核、いろいろな意味で
中心になるような地域に限られ、そしてその地域に宅地造成するなり
工場団地をつくられて、そこに
工場分散をされる。こういうことだとしますと、そういう地域はそれぞれの地区のいわゆる盆地、平野の
中心になっておりますので、その周辺地域というのは農業用地としてもたいへん適切な地域である。そしてそういう地域をじゃんじゃんつぶしてしまって
工場を持ってくる。じゃ農業はどこでやるかというと、農業は行くところがなくて山へ上がってしまう。農業が山へ上がってしまいますと、これからの農業のまさに大規模化とか合理化、
近代化というものは
技術的に非常に困難になってくると思うのであります。そこで、私は、この
工業再
配置をしていただく際にはぜひやっていただきたいと思うのですが、そういう大都市の平野部ではなしに、もっと山間地帯で農業に適さない、しかも出かせぎの多いような地域に
工場を持っていっていただいて、そしていろいろな環境保全、公害その他の問題を考えますと、中都市、周辺都市の農業は残しておいてむしろ
工場のほうを山にぶち込んでいくという形の
工業再
配置ということもお考えになっていただく必要があると思うのでございますが、企業
局長さん、御意見を承りたいと思います。