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奥野国務大臣 一昨日、五時から一時間半、
日教組の
代表五人の
方々と
お話をしたわけでございます。同時に、お
話し合いをするについては、話し合って詰めて
結論を得ることのできる問題もあるだろうし、なかなか簡単には
結論のつきにくい問題もあるだろうから、その場合には
お互いの
意見の食い違いを明確にすることにしょう。そのためには、ばらばらに外に発表することも問題があるから、一緒に
記者会見に臨んで、話し合った結果を発表しましょう、こういうことで
記者会見させていただいたわけでございました。
話し合いの第一点は、
教職員の
処遇の
改善の問題でございまして、
教職員は十七年たつと
行政職の人よりも悪くなっていく、この格差はぜひ是正したいのだという
お話がございまして、私も大賛成だ、
努力をしていきたい、こう申し上げたところでございまして、
高等学校の
先生の
給料表が別になっていることについては、一本化したいという
お話がございましたが、これは
国会でそのような
仕組みをつくられたことであるので、
お話があったということにしておこうじゃありませんかと申し上げました。
次に三
法案のことに話が移りまして、
一つは筑波
大学の
法案のことでございました。
日教組側では、この
法案では
教育研究が
干渉を受けるという
お話がございましたのに対しまして、これは東京
教育大学の新しい
構想を実現させるものだから、
大学の
自治を守るためにはこの
構想を実現させるべきだ、こう申したわけでございました。それに対しまして、その
教育大学で新
構想をつくられる過程にいろいろな
干渉が加えられている、こういう判断のようでございまして、それに対しまして、五
学部のうちの
文学部が、四十二年移転を決定して以後は、
評議会に
文学部の
代表を送っていない、民主的な
社会では
考えられないことだという提起をいたしましたが、それについては
同感の
気持ちを表しておられたように私は受け取りました。
人材確保の
法案につきましては、
日教組側ではこの
法案の必要はないんじゃないかという疑問がございましたのに対しまして、一〇%程度のものをどうこうするということであるなら格別、私
たちはもっと大きな
給与改善を
考えているわけだから、そういうことになると
人事院では何かよりどころがないとお困りになるのじゃないだろうか、かえってそういう場合には他の職種からの反発もあるだろうし、混乱を来たすのじゃないだろうかということを申し上げました。もう
一つは、
給与は
労使の
交渉によってきめられるべきだ、こういう主張がございました。それに対しまして私は、
労使の
交渉ということを
考えておられるとすれば、
組合の側に
スト権があるという
認識なのかと言うと、そうだということでございました。そうであるならば、
労使対等という
意味で
使用者側にはロックアウトの権限を認めるということになるが、そういう性格のものではないんじゃなかろうか、やはりいまの
仕組みが一番いいのじゃないかという式の話をしたわけでございます。さらに五
段階給与を目ざしているのじゃないかという
お話がございまして、そういうことは一切
考えておりませんよということを申し上げたのございました。
次に、
教頭法制化の問題につきまして、こういう権力の座をつくってもらうのがいやなんだという
お話がございました。それに対しまして、私が、子供のときから
教頭さんというものはいたじゃないか、ことにまた
国会においても、
学校教育法には
養護教諭は掲げられているけれども、
養護助教諭は掲げられていない、掲げるべきだという御質問を私も受けたりもしているのだ、寮母、
実習助手等についても同じだという
お話をいたしましたら、そういうものは掲げてもらってけっこうなんだけれども、
教頭だけはいやだ、こういう式の話があったりしたところでございました。同時に、なぜいやなのかということに対しまして、
教頭職をつくればまたそれで
給料表ができるという
お話がございましたので、私はそんなことは
考えておりませんよ、こう申し上げたのでございました。
それから次に、
処分の回復の問題について話がございました。私は
スト権、
ストの指令というものを今後一切しないということならば、一切こういう問題は雲散霧消してしまいますよ、こう申し上げました。それに対しまして、
スト権があると
自分たちは
考えているのだということでございました。そうすると、
秩序を破る、破った場合には
処分が行なわれる。
秩序を破るおそれが残っているのに、
処分だけを回復するわけにはいかないじゃありませんかということで、これはそういう
意味で、
お互いの
ストライキに対する
考え方が食い違っているということでございました。
最後に私は、あなた
たちは
中教審路線粉砕とか、
文部省の
考えは一切不穏当だというようなことはおっしゃらないでくださいよ、
中教審の答申の中にもいいことをたくさん書いているじゃありませんか、いいことはいいこととして、悪いことはどんどん
批判しようじゃありませんか、私も
日教組の
批判をどんどんさせてもらいますよ、しかし、
日教組は一切悪いとは思いませんよという話をいたしまして、同時に、
文部省と
日教組とは手をつなぐべきだ、
国民の立場に立って手をつないで、初めて
国民の
教育の
充実をはかることができるのだということを申し上げましたら、
両者とも
同感だということでございましたので、
両者と本
記者会見において御報告させていただいたということでございました。
そして、今後とも話があるならばどんどん持っていらっしゃいよ、どんどんお会いをして話も伺おうじゃありませんか、こう申し上げたのが大体の経過でございました。