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1973-04-06 第71回国会 衆議院 文教委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十八年四月六日(金曜日)     午前十時三十二分開議  出席委員    委員長 田中 正巳君    理事 内海 英男君 理事 塩崎  潤君    理事 西岡 武夫君 理事 松永  光君    理事 森  喜朗君 理事 木島喜兵衞君    理事 長谷川正三君 理事 山原健二郎君       有田 喜一君    上田 茂行君       坂田 道太君    染谷  誠君       高見 三郎君    床次 徳二君       中村 拓道君    中山 正暉君       野中 英二君    林  大幹君       深谷 隆司君    山崎  拓君       小林 信一君    嶋崎  譲君       山中 吾郎君    栗田  翠君       有島 重武君    高橋  繁君       安里積千代君  出席国務大臣         文 部 大 臣 奥野 誠亮君  出席政府委員         文部政務次官  河野 洋平君         文部大臣官房長 井内慶次郎君         文部省初等中等         教育局長    岩間英太郎君         文部省体育局長 澁谷 敬三君         文部省管理局長 安嶋  彌君         自治大臣官房審         議官      森岡  敞君  委員外出席者         大蔵省主計局主         計官      青木 英世君         大蔵省理財局国         有財産第二課長 川崎 昭典君         文教委員会調査         室長      石田 幸男君     ————————————— 委員の異動 四月五日  辞任         補欠選任   山口 鶴男君     岩垂寿喜男君 同日  辞任         補欠選任   岩垂寿喜男君     山口 鶴男君 同月六日  辞任         補欠選任   有島 重武君     正木 良明君 同日  辞任         補欠選任   正木 良明君     有島 重武君     ————————————— 四月四日  私学に対する公費助成増額等に関する請願外二  件(石田幸四郎紹介)(第二〇四六号)  同(田中美智子紹介)(第二〇四七号)  同外四件(高橋繁紹介)(第二〇四八号)  同(庄司幸助紹介)(第二一〇一号)  同(青柳盛雄紹介)(第二一六一号)  同(大久保直彦紹介)(第二一六二号)  同(小林政子紹介)(第二一六三号)  同(紺野与次郎紹介)(第二一六四号)  同(庄司幸助紹介)(第二一六五号)  同外五件(鈴切康雄紹介)(第二一六六号)  同(田中美智子紹介)(第二一六七号)  同(津金佑近君紹介)(第二一六八号)  同(東中光雄紹介)(第二一六九号)  同(松本善明紹介)(第二一七〇号)  同(村上弘紹介)(第二一七一号)  同(山原健二郎紹介)(第二一七二号)  女子教職員育児休暇法制定に関する請願(小  林信一紹介)(第二〇四九号)  同(長谷川正三紹介)(第二一〇二号)  同(有島重武君紹介)(第二一六〇号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  義務教育学校施設費国庫負担法の一部を改正  する法律案内閣提出第三九号)      ————◇—————
  2. 田中正巳

    田中委員長 これより会議を開きます。  義務教育学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、これを許します。有島重武君。
  3. 有島重武

    有島委員 先日に引き続いて質問さしていただきます。  大都市市街地域人口過密における文教施設というのが、過疎の問題もさることながら、今後の大きな課題であると存じます。この間、急増地帯についての指定をこの委員会でもって大体示していただきまして、あとから資料もいただきましたが、私は、この中の横浜市の学校なんかも見てまいりました。これはある小学校の分校なんですけれども、団地内に建っているわけなんです。子供たちが、六百七十一世帯というまわりの団地から来るわけなんですけれども、団地コンクリートでできています。それで、学校に行くと、またコンクリートなわけです。団地から見おろすようなところにあるわけなんですね。教育施設がこれでいいのだろうか。私の地元は江東区でございますけれども、ここも、玄関といっても、たたきがコンクリートなんですね。出ると、コンクリートの道です。それで、学校に行きます、コンクリート玄関です。上がります、階段はまたコンクリートでできています。校庭に出ます、コンクリートです。そこにはちょっとしたはちのようなものがあって、わずかな、小さな植物が植わっておる。横浜もそうでした。横浜には、鶏を二羽飼っているようです。江東区のほうには、鶏がいない学校もございます。熱帯魚なんか置いてある学校もあります。こういったことでいいのか。それから、旧陸軍の兵舎がそのまま以前には見られたわけですけれども、いまはもう解消しているはずなんですけれども、これはいまだに、もう戦後二十八年に入った現在に、この兵舎を使用しているところもあるわけなんです。こうした状況大臣ほんとうに御存じかどうか、それだけ先に大臣に伺いたいのです。
  4. 奥野誠亮

    奥野国務大臣 私も東京のどまん中に住んでいるわけでございますので、おっしゃっているような問題、非常に重要な問題だと理解しているつもりでございますけれども、できる限り潤いのある環境をつくっていかなければならない、そういうこともございまして、今度緑化対策に手をつけることになってまいってきておるわけでございます。  兵舎がそのままなお校舎に使われている。もちろん速急にそういうものを改築しなければなりませんし、よいところ学校をつくらなければならないわけでございます。文部省におきましても、優先的にそういうものにつきましては国の補助対象に取り上げてまいってきております。ぜひ適当な校地を早く確保されるように、文部省としても協力できる道がありましたら協力したいという気持ちで一ぱいでございます。
  5. 有島重武

    有島委員 先日の委員会でもって私、ことばが足りなかったか、通じなかったかと思うのでございますけれども、これは文部省側としてはこれだけ努力しているんだ、それからこれだけいままでよりも前進したんだ、そういうお立場もよくわかりますけれども、それは文部省のお役所としての立場であって、私たち政治家としては、いまの現状、これは、確かにあれは基準以上のものでもって建ったに違いないと思われる。特に江東区なんかは低地帯でございますし、もう基準なんかじゃとてもとても建たないところでございます。平米六万円ぐらいかけてやって、しかもそういったような、ほんとう運動場も狭いところでもって、場合によっては小学校中学校一つの体育館をはさんで使っているような、そういうような状況がまま見られるわけですね。  それで私、今国会の一番最初大臣基本姿勢に関する御質問のときに、大臣奈良県出身だからそれで言ったのじゃないのですが、私は、奈良県のようなところ文教県に持っていきたいという夢を持っているのだと申しました。そういったようなやはり一つの理想というのを、ある程度今度はビジョン化しあるいは数字化して、目標として持っていく、提示していく、そういったことがやはり大切なんじゃないか、そういうことを申し上げたかったわけなんですよ。この前ちょっと話が合わなかったように思いますけれども、大臣いかがでございましょうか。これは基本的な考えですけれども、この国庫負担法を、ほんとうに実りのある結果を出すためのこれは法案だと思いますので、まず大臣のその気がまえが非常に問題であろうと思いますので、御所見を承っておきたいわけです。
  6. 奥野誠亮

    奥野国務大臣 学校を建設します場合におきましても、道の問題とか規模の問題とかあるいは内容の問題とか、いろいろな問題があろうと思いますけれども、やはり環境に適した学校、全国一律に学校はこうだということじゃなしに、いまおっしゃいましたような市街地のどまん中でありますと、積極的に潤いを持たせるためのいろいろなくふうが必要だろうと思います。いなかの場合には、そういうことよりも、むしろ文化的な施設を整えることに力点を置かなければならないというような違いがあろうかと思いますので、市街地学校の問題につきましては、大都市における学校建築高層化複合化共用化等に関しまして協議会を設けまして、そこに調査、研究を依頼して、その結論をいま待っておるところでございますが、そういう方向でそれぞれについてのビジョン、これを明確にしていく必要があるんじゃないか、かように考えるわけでございまして、ぜひ御説のような方向でくふう、努力をさせていただきたいと思います。
  7. 有島重武

    有島委員 そこで先日、急増市町村児童生徒数昭和四十八年度における状況、それから第四次五カ年計画目標であります昭和五十二年四月一日の小学校中学校児童生徒数ですね、こういったことについて資料提出をお願いしたんですけれども、出していただきました。特にこれはトータルのものではなしに、まあトータルのものはわかっておるけれども、これが特に急増地帯においてはどういうことになっておるか、その特徴的なものを示していただきたいと申し上げたわけです。それは御報告いただけますか。大体八王子、それから横浜大阪、このあたり、どういうふうになっておりますか。
  8. 安嶋彌

    ○安嶋政府委員 八王子市の場合でございますが、昭和四十七年五月一日現在におきまする小学校学級数は二百三十七学級でございましたが、昭和五十二年四月一日における推定学級数は千十四学級でございまして、この間、七百七十七学級の増というふうに推定いたしております。横浜市におきましては、四十七年五月一日の小学校学級数が千五百五十五学級でございますが、五十二年の四月一日におきましては、四千九百二十六学級増加数が三千三百七十一学級大阪市の小学校におきましては、同様四十七年五月一日の学級数が千七百三十二学級でございますが、五十二年の四月一日におきましては、二千八百五十九学級という推定でございます。その間、千百二十七学級増加が見込まれるということでございまして、これは一例でございますが、こうした数字が、先般申しました第四次五カ年計画小中学校校舎の要整備事業の中に組み込まれているわけでございます。  中学校も申し上げますか。
  9. 有島重武

    有島委員 けっこうです。  大臣お聞きのように、トータルで申しますと、五十二年度の目標というものは、これは小・中・高合わせて二千四百万平米でございましたか、そのあたりである。二千四百万平米余りでございました。これはその中でもって一つ一つ検討してまいりますと、いま局長から言われましたように、八王子市なんかは五年の間に七百七十七の学級をつくらなければならないわけです。大体二十四学級を一校として、これは大きい学校ですね。千人くらいの学校になりますね。そうすると八王子は三十三の学校をこれからつくるわけです。横浜ではこれから百四十校をつくるわけです。大阪では四十八校から五十校くらいの学校をつくらなければならない。  それから、これをこの表で見ますと、東村山なんというところは、あと九十六学級つくるというところもありますし、あと九十六つくらなければならないというところがあるかと思うと学級数でいってあと三千もつくらなければならないというところもある。こうなりますと、同じ急増市町村とは申しましても、急増市町村の中にもピンからキリまであるといってもよろしいかもしれない。これは一律に考えてこれでやっているかどうか。確かに急増市町村に対しては特別のおはからいがあるけれども、その中でもどんなはからいをしてでも、学校を五年間に三十三校、小さな八王子市で、面積にすれば大きいかもしれないけれども、新しいところでこれだけのものをつくることはたいへんな負担になることは間違いございませんですね。  それから、先ほど申しましたように、東京江東区なんかの場合には、地盤が非常にゆるい。低地帯である。そこにまた団地が建って急増していく。こういった場合と、それから一般急増地という中にもやはり幾つかのランクづけというか、そういう処置を今後考えていかなければこの第四次計画はできないのじゃないか。そういったおそれが私は考えられると思うのですけれども、特別な処置をさらにこの中に考えていくということについて、御所見はいかがですか。
  10. 安嶋彌

    ○安嶋政府委員 御指摘のとおり、たいへん大きな校舎建築の需要があるわけでございますから、ただいま例としておあげになりました横浜市の場合でございますと、小中学校につきまして約三千三百学級増築を必要とするわけでございますが、東村山の場合は、これが九十六学級でございます。がしかし、この市町村財政力というものを考えますと、東村山市と横浜市を比較いたしました場合では、横浜市の場合が一般的にはるかに財政力が大きいわけでございますので、東村山市に比べて横浜市のほうがこの数字にあらわれた差ほど大きな負担の実質的な違いがあるというふうにもいえないのではないかというふうに考えておるわけでございます。今回の法律でもお願いをいたしておりますように、過密児童生徒急増市町村校舎につきましては、補助率を三分の二にするということでこうした事態に対処していきたいということでございますし、かつまた四十六年から始まっておりまする学校用地購入費補助も、こうした急増町村だけに限って行なっておるようなことでございます。  そのほか、起債の措置にいたしましても、交付税措置にいたしましても、かなり重点的な配分を行なっておるわけでございますので、私ども、現在の施策で一応こうした事態には対処していけるのではないかというふうに考えておりますが、さらに事態推移を見て検討すべき点があれば十分検討してまいりたいというふうに考えております。
  11. 有島重武

    有島委員 この点はぜひ御検討をいただきたいと思うのでございます。  それで、人口も大きいのだから財政規模も大きい、だからそれに準じて比例配分したのだからだいじょうぶだろうということになりまするけれども、そこで問題になりますのは基準単価の問題でございます。基準単価ほんとうに適正であるのか、いま局長がおっしゃったように、あるいは大臣がこの前、国と地方折半してやるのだというようなことをおっしゃいましたが、ほんとう折半であるならたいへんけっこうなのでございますけれども、実態は御承知のとおり非常な差がございます。横浜なんかで申しますと、大体一一・一五%という国庫負担の割合だというような資料も出ております。これは四十六年分で造成工事費は含んでいないということです。それからここにあるのは東京江東区の場合でございますけれども、実質補助率というのは〇・二二、〇・二四、〇・二五、大体四分の一ぐらいである。そういうことになっている。それで四校建てなければならないところを、間に合わなくて一校しか建たなかったなんということも起こっているのですね。そうなりますと、いま申し上げましたように、極端にたくさん建てなければならないといった場合には、もう少しよく調査をなさって、ある場合には国として特別措置もお考えいただきたい。いま、考えてみる余地があるというお話ですから、私はそれに非常に期待を持ちます。  それで、基準単価について、この前大臣いらっしゃらなかったと思うのですけれども、四十八年度は確かに一〇%基準単価を上げていただいたけれども、四十七年度の場合は、一例をあげますと、鉄筋の小中学校校舎基準単価が三万八千六百円ということになっております。それで、この値段で建ったところがどのぐらいありますかというお話を伺ったのです。それで資料をいただきまして、ここに出ているのはそのすべてではないというお話でございますけれども、大体の基準単価でもってそのとおり建ったというところが全体の五〇%ぐらいあるか、六〇%あるか、こうなりますとこの基準単価は非常に適正であろうと思うのですね。ところが数%というところです。九十何%はその基準単価では建っていないという実態文部省からの御報告であります。それについては、その基準単価最低基準であって、現実には地方のほうでもって大きさにしろあるいは内容にしろ、基準以上のいいものを建てようとする、そういったことも加わっているのであろう、そういうようなお話がございましたけれども、私実際に聞いてみますと、基準単価をはるかに上回って一生懸命工事しているんだけれども、一番最初に申し上げました兵舎をまだ使っているという問題は古い問題ですけれども、新しくできた学校でも、ほんとうにこれでもって子供たち教育にいいのかしらと思うような、そういうものが実際あるのです。しかも、これは基準単価以上で建てているということになっている。  それで、話を今度の第四次計画に戻しまして、確かに一〇%は上がりましたけれども、物価のほうも上がっているわけです。特にことし、この国庫負担法でもって各委員諸公がこれほど熱意を持って御審議なさったということは、私は浅い経験でございますけれども、いままでの国会では例がなかったんじゃないかと思うほどなんでございますけれども、これは一つには、奥野文部大臣は特に自治省の御練達でいらっしゃるから、国民の希望がそこにつながっているといった面もございましょうし、それからもう一面には、ことしのようなひどい物価の値上がり、こういったことで歴史始まって以来ないほどの混乱の中にいるわけでございますね。そういうような事情もあろうと思うのですけれども、この四十八年度から始まります第四次計画基準単価は、やはり去年と同じように九〇%はこの基準単価ではできないという結果になりはしないかと私は思うのですよ。今度こそは基準単価でもってできるとお考えなのか、やはり九〇%はだめでしょう、初めからそういった見込みなのか、その辺、大臣としてはどういうお考えでいらっしゃるのか、お聞きしたいわけです。
  12. 奥野誠亮

    奥野国務大臣 いま国の負担法律で規定されているとおりなっていないということについて、具体のお話がございました。お話を伺いながら、お調べになりました資料をいただきながら、私のほうでも少し実態調査をしなければならないなという感じを持たせていただきました。国が国庫負担対象にしておりますのは学校校舎でございます。新しく学校をつくりますときは、環境整備いたしますために、へいから、門から、つくっていかなければならない。そういうものは補助対象になっていません。同時にまた、急増地帯国庫負担率を上げてもらうときに私は主張したのでございますけれども、僻地学校統合をする国庫負担率が、二分の一じゃなしに三分の二に引き上げられているわけであります。僻地で統合する場合には、二校分の教材施設を一緒に使えるわけでありますけれども、急増地帯では学校を分離するわけであります。教材施設からつくっていかなければならぬわけでございます。特別な補助対策急増地帯だからといって講ぜられていない、一般並みでございます。なるほど、そういうものをいろいろ寄せ集めていくうちに、有島委員指摘になったようなところもあるのかもしれないなという感じを持たせていただきました。これはやはり私どもで実態調査をして、もう一ぺん対策をくふうする必要があるなというふうに思いました。その点につきましてはよく勉強させていただきます。  なお、単価の問題につきましては、四十八年度予算単価における建築資材物価上昇分の積算につきましては、各資材ごとに四十六年度から四十七年度にかけての物価上昇分を、四十七年度から四十八年度への物価上昇分とみなして算定を行なっているわけでございます。資材価格動向としては、たとえば木材などは昭和四十七年十月以降その価格はかなりの上昇傾向を示し、十二月をピークとして一月、二月と下落傾向にある。また鋼材も、上昇傾向は一月以降鈍化の傾向にございます。これら資材価格の四十八年度における動向につきましてはなお注視する必要があり、四十七年度から四十八年度にかけての物価上昇分が、四十八年度予算案で想定した物価上昇分の範囲内におさまるかどうかについては、なお今後の推移を見守らざるを得ないのじゃないだろうか、かように考えるわけでございます。法的には、補助対象基準単価は政令できめましてそれに基づいて三分の二を負担する、こうしておるわけでございますから、それはそれなりに済まされるわけでございますけれども、実態の問題につきましては、なお御指摘のような問題があろうかと思いますが、いま申し上げましたような事情でございますので、今後の推移に待たせていただきたい、かように考えるわけでございます。
  13. 有島重武

    有島委員 実態調査を進めてくださるというお話で、私もそれに大きな期待を持ちたいと思うわけなんです。と申しますのは、この法律目的に「この法律は、公立義務教育学校施設整備を促進するため、これらの学校の建物の建築に要する経費について国がその一部を負担することとし、もって義務教育学校における教育の円滑な実施を確保することを目的とする。」こういうわけでございまして、それで国の負担は、これは幾つか書いてあって、公立小中学校二分の一、それから云々とあるわけですね。そうなりますと、この法律がまたさらに改正になって、二分の一が三分の二になった。国民としてはこれはたいへんいいことだ。われわれもたいへんいいことだと思うのですよ。にもかかわらず、実態は個々に見ていくと、まだまださらにまた苦しんでいるところがたくさんあるのだということになりますと、これは文部省、いいことは言っているのだけれども、実態はそうじゃなかったというようなことが、やはり結果論的な話でございますけれども、国民期待をだました、悪く言ってしまえば欺いたという結果になりかねない。いままではそうだったわけなんですね。今度はよくなったぞといっていたら、がたんと前よりか負担がふえた、そういう声を私は聞くわけですよ。そういうようなことがもうくれぐれもないように私はしたいと思うのです。それがやはり特に文教行政、これは教育にかかわる問題ですから、われわれおとなが何か約束したことはほんとう額面どおりに、結果としての額面どおりですね、形式的には額面どおりなんだけれども実はこうだよ、そういうようなことではなしに、大臣折半、こう言われましたけれども、子供たちが、折半と聞けば、ああ半分はもらえるのだ、こういうように受け取ると思うのですね。その実態から見て折半になるように、あるいは三分の二になるように、そういうふうにこの基準単価というものはさらに御研究いただきたいと思うわけであります。私は端的に言うと、この基準単価じゃ低い、そういうふうに思っております。この点も御研究いただきたい。  それから、先に進みますプレハブ教室のことについて、これもしばしばここでもって話題が出ました。このプレハブ教室仮設校舎、こういうふうにいっているわけですね。仮設校舎実態について、ここには表をいただいてあります。それで、この表によりますれば、昭和四十年度、小学校が四百五十九教室で、中学校は九十一教室だった。計五百五十のプレハブ校舎があったのが、昭和四十七年度では小学校が三千四百三十三、中学校が八百十三、合計四千二百四十六教室になった。約十倍もふえてしまった。減らそうと思っているのにどんどんふえてきた。これについては、この間の議論にありましたとおり、コンクリート校舎が建っている。足りなくなったから、そばに建てた。二つ三つじゃまたこれは増設というわけにいかぬ。そういうような実態もあるのだ。これは私も承知しております。  ところで、この仮設校舎については、文部省としては、国としては、財政負担はないわけですね。ない。これは地方がまるまるやっている。それでこの現在ございます四千二百四十六教室、これはやはりプラスマイナスあるわけです。建てるにも金がかかります。じゃ、それから増設するんだといっても、それをこわすのにもまたお金がかかるわけですよ。このためにどのくらい地方財政を使っていたか、そういったことについては文部省としては御承知でしょうか。地方がどのぐらいこれに犠牲を払っている、というと少しことばがきついかもしれない、幾ら使っていますか。
  14. 安嶋彌

    ○安嶋政府委員 実は悉皆調査がございませんので、近辺の若干の都市について調査をいたしたのでございますが、四十七年度について申し上げますと、横浜市の場合はプレハブ関係の経費といたしまして四千七百九十九万円、それから千葉県の市川市が五千五百万円、それから埼玉県の越谷市が三千六百八十七万円というふうに負担をしているという資料が私の手持ちでございます。
  15. 有島重武

    有島委員 大臣、こういった実態についても、これは別に国が払う分じゃないんだからそっちでかってにやってくださいということじゃなくて、やはり文教施設というものは地方ではこのくらいこうやっているんだ、そういったことについて悉皆調査、悉皆調査というのはすべてのという意味なんですね。悉皆調査がいまのところ間に合わないらしいですけれども、間に合わなければ質問は先に進まないなどということは言いませんから、この調査をぜひともやっておいていただきたい。そうして次の措置をお考えいただきたい。これはぜひともやっていただかなければならないことだと私は思いますけれども、いかがでございましょうか。
  16. 奥野誠亮

    奥野国務大臣 学校整備に要する経費は設置者の負担になっていること、御承知のとおりだと思うのでございます。プレハブ校舎の場合には、おそらく分離新設するについての話し合いが十分ついていない、あるいは校地がまだ確定し得ないというふうな意味で、暫定的な校舎として設けられる場合が多いのじゃないだろうかという気持ちがいたします。暫定的なものについて国が負担する仕組みをとりますと、それでいいのだということになりかねないおそれがございます。でございますから、やはり暫定的なものについては地元が負担をしていくのだ、そのかわり地元が負担できるような仕組みを地方財政上配慮しなければいけないのじゃないか、かように考えるわけでございます。そういう線で私たちもできる限り協力させていただきたいと思います。
  17. 田中正巳

    田中委員長 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  18. 田中正巳

    田中委員長 速記を始めて。
  19. 有島重武

    有島委員 確かにこれは国の負担をそのままストレートにやるということは不適当な部分であろうと思いますけれども、地方財政がそこでできるようなふうにしむけるためには、やはりしっかりした調査がなければならない。この調査が不備であるということは、やはり文部当局としては私はミスじゃないかと思うのです。  もう一つ、先ほど四十七年、四千二百四十六教室という数字、これは文部省からいただいたプレハブ校舎の数であります。ところが、自治省から出ております資料によりますと四千五百十一校、これが小学校中学校が一千五、こういうふうに学級数が出ております。自治省の統計のほうが多く出ておりますね。こういったそごも、別にここで追及するわけじゃないけれども、やはりこういった不備があります。ですからやはり国全体のものをよくお調べいただきたいと思うのです。  最後に、集団住宅地域三百世帯のところでは三年先行の校舎建設を認めております。ところが、児童生徒の増加実態というのは非常に複雑になるようになりまして、一ぺんに三百世帯ができた、そういったところはいいけれども、徐々にふえていったというところは、この三年先行の校舎建築の認可の対象にはならないというふうにいまなっております。特に若い方々は団地に入ってから家族がどんどんふえていく、お子さんが出生する、そういうことがありまして、三年先行、これをもう少し拡大して適用するようにしなければならない、こういった実態もあるんじゃないかと思います。これもひとつ前向きの処置をとっていただきたい。  それできょうはもう時間がなくなってしまいましたからやめますけれども、校舎と、ほんとうは屋体の話、特に用地の問題、土地の問題が一番大切な問題になるわけだったのですけれども、いまお約束の時間というので制限がございますのでやめますけれども、この学校用地負担率を三分の一から二分の一に変更しなければならない時期に来ているんじゃないか、そういうように私は考えます。これも検討の上、積極的な方策を立てるべきだ、私はそう思います。  いまの二つの点について、最後に大臣の御所見をお願いします。
  20. 奥野誠亮

    奥野国務大臣 三年前向きの姿勢を拡大していくべきだという御説、私も同感でございます。ぜひその方向を拡大するように努力していきたいと思います。  土地に対する助成につきまして、なお十分を期するように、対象面積の問題でありますとか、単価の問題とか、いろいろあろうかと思います。ただ、率の問題につきまして、すぐこれを引き上げるべきであるかどうかということにつきましては、私、なおよく勉強させていただきたいと思います。
  21. 有島重武

    有島委員 終わります。
  22. 田中正巳

    田中委員長 次に、山原健二郎君。
  23. 山原健二郎

    ○山原委員 義務教育施設国庫負担法の問題につきましてずっと審議が進められておりますが、この一月に過疎地域の全国大会がありまして、私も出席をしてごあいさつ申し上げたんです。そのときに全国の過疎地域の市町村長さんたちが集まっておりまして、地方財政の困難な状況というものをつぶさに聞かされたわけです。  それから毎年この国庫負担法国会に上程されるわけですけれども、ことしくらい深刻な状態を迎えたことはないという感じを持っております。それは各委員の質問の中で大臣も十分おわかりのことと思うのです。だから、私どもはこの問題については、特にことしの場合は地方行政委員会あるいは大蔵委員会などを含めて連合審査も行なうとか、あるいは沖繩の調査もするとかいうような十分な審議を行ないまして、そして実際に地方自治体の今日の財政の困窮に対してどう対処していくかということをやるべきだと思っておったわけです。しかし、そういう機会もとうとうなくなってしまいましたが、地方財政の昭和四十八年度の見通しというもの、これにつきまして自治省のほうから審議官がお見えになっておりますからお聞きいたしますが、これは実際どうなるのか。   〔委員長退席、内海(英)委員長代理着席〕 その自治省も困難な情勢を訴えておるわけですが、例年に比べて昭和四十八年度の地方財政の見通しはどうなるのか。簡単でいいですが、最初にお答えをいただきたいのです。——順序が変わったものですから、まだお見えになっていないようですので、実は自治事務次官が出しております四十七年七月十日付の各省庁事務次官にあてた「昭和四十八年度の地方財政措置について」という文書があるわけです。これはあとでお聞きしますけれども、非常に困難だということを率直に述べています。さらに第十五次地方制度調査会におきましても、「明年度」すなわち昭和四十八年度のことでありますが、「明年度の地方財政をとりまく環境は依然としてきびしいものがある。」というふうに述べておりまして、これはどなたも一致するものだと思うのです。その状態の中で特に沖繩の問題につきましてこういうふうに述べています。「沖繩の振興開発のための事業については、本土との格差を早急に是正する必要があること、沖繩県および市町村の財政の基盤がぜい弱であること等沖繩の特殊事情を配慮し、必要かつ十分な予算措置を講じられたいこと。」こういうふうに述べているわけです。この点で自治省に聞きたいわけですけれども、おりませんから文部大臣に伺います。  沖繩の教育事情につきましての特にこういう状態、また先般来出されておりますところの今度の海洋博を中心にしましての地価の高騰あるいは資材の高騰、その中で学校が建たないというような状態があるわけですね。現実に沖繩県当局が出しております資料を見ましても、入札行為が行なわれないという状態も出ておるというふうにお聞きしておるわけですが、これをどこまで捨てておくのかという問題もあるわけですね。これについて沖繩県に対して、特別に何か文部省として措置をとるお考えはあるのかどうか、簡単に伺います。
  24. 奥野誠亮

    奥野国務大臣 沖繩の施設が本土に比べますとかなりおくれている部面がございます。義務教育施設など、御指摘のとおりでございます。この面については、五年以内にぜひ本土並みに施設整備したい。したがいまして、四十七年度から国庫負担率を沖繩に関しましては十分の九という高率なものを用いているわけでございます。四十七年度の契約につきまして、義務教育関係のものは数十校ございますけれども、一校を除いては全部契約済みだったという報告をちょっと前に受けておりまして、その残りの一校もあるいは片づいているかもしれません。高校につきましては御指摘のようにかなり契約ができないでおくれている、そういうこともございまして、沖繩県側で六億円ほど経費について追加補正を行なった。だから、これで大体契約を済ますことができる見通しだということを、県の教育委員会のほうから報告を受けているわけでございます。いずれにいたしましても、海洋博というような大規模な仕事が行なわれているわけでございますし、国におきましても全般的な調整について最大の努力を払っていかなければならない、かように考えるわけでございまして、通産省が中心になりましてそういう面についての配慮を行なっているわけでございます。
  25. 山原健二郎

    ○山原委員 文部大臣は、大臣に就任されてから沖繩を調査されたことがありますか。
  26. 奥野誠亮

    奥野国務大臣 沖繩へは数度参っておるわけでございますが、文部大臣になってからはまだ参っておりません。
  27. 山原健二郎

    ○山原委員 ぜひ沖繩の現地を文部大臣として視察をしていただきまして、教育のことはまた特殊な性格を持っているわけです。だから、いつまでも放置するということはできない。海洋博が済むまではどうにもならぬということではいけないわけでございますから、当委員会としても、沖繩の実情というものを正確に把握する必要が当然あると私は思いますし、また同時に、文部大臣としても、現在政府要職の人々が沖繩へ行く場合には、ほとんど海洋博のために行くわけですね。しかし、現実に海洋博によってどんな状態が沖繩に生まれているか、またそれを教育の面からどういうふうに見ていくかということは、ぜひ把握していただきたいと思うのですが、そういう意味で沖繩を調査されるお気持ちがあるかどうか、伺っておきたいのです。
  28. 奥野誠亮

    奥野国務大臣 いずれにしても、近いうちに沖繩を訪れたい、かように考えます。
  29. 山原健二郎

    ○山原委員 自治省のほうがお見えになったそうですから、私の最初の質問は、自治省が出しておりますこの通達、要望が出ておるわけですね。先ほど言いましたが「昭和四十八年度の地方財政措置について」というこの要望書が出ておりますが、四十八年度の地方財政の見通し、これを簡単に伺っておきたいと思います。
  30. 森岡敞

    ○森岡政府委員 お答え申し上げます。  自治事務次官から各省次官あてに出しました四十八年度の地方財政措置についての要望の中で、「明年度の地方財政は、本年度に引き続き予断を許さない状況にあり、」云々という字句があるが、それについてどういう考え方であるかということと、四十八年度の地方財政の見通しということであろうかと思いますが、この通知を出しました時期は昨年の七月でございまして、御承知のようにまだ日本経済の状況は非常に予断を許さない状況でございました。しかし、その後景気回復が非常にすみやかな回復過程を経てまいりまして、明年度の地方財政につきましては、別途地方財政計画も策定いたしましたが、全体といたしまして、地方税なりその他自主財源の増収は、相当程度確保できるという見通しを得ております。また地方交付税につきましても、一定の措置を講じまして所要額を確保いたしまして、地方債につきましても、社会資本の整備のための充実をいたしております。それらの措置を通じまして明年度、四十八年度の地方財政は円滑な運営を確保できるもの、かように考えております。
  31. 山原健二郎

    ○山原委員 昨年の七月の段階では、あなた方が書かれておりますように、「さらに深刻な事態に至るものと思われます。」こういう状態ですね。いまの御答弁では、地方財政は円滑の状態をつくり出している、非常に好転しておるというお話でございます。この地方制度調査会の第十五次の答申によりますと、これは昨年の十二月二十二日で、昨年の七月から比べますとだいぶ日時がたっておるわけですね。それには「明年度の」すなわち四十八年度の「地方財政をとりまく環境は依然としてきびしいものがある。」こういうように書いてあるのですが、この答申とは違った考え方をお持ちなんですか。
  32. 森岡敞

    ○森岡政府委員 景気の回復の推移というものが非常に急テンポでございまして、したがいまして、昨年の七月の時点では、先ほども申し上げましたように非常に不安定な状況でございましたけれども、十二月時点におきましてもまだ地方税収入なり地方交付税の収入の見込みというものが、それほど確定的に見込み得ない状況でございました。経済企画庁の経済見通しが予算編成の直前に出まして、それに基づいておおむね財政収入の動向を予測できるという状況に至ったわけでございまして、率直に申しまして、地方制度調査会の答申が出た時期には、まだそれほど確定的な財政収入の見通しを得ていなかった状態であります。  それからいま一つ、私は地方財政が非常に改善されたと申し上げたわけではございません。自主財源については、なおさらに十分充実をしてまいらなければならないと思います。また地方交付税も、九百五十億円の借り入れをいたしまして、財政の運営に支障のないような措置を講じたということでございます。非常に改善されたというわけではございません。いろいろな手を尽くしまして、四十八年度の地方財政の運営が支障なく行なわれるような措置を講じた、かように申し上げたわけであります。
  33. 山原健二郎

    ○山原委員 私どもはたいへん即物的でありますから、現在でも地方自治体の首長がどんどん上京しておるような状態なんですね。そういう方たちの意見を聞けば、これはあとで例をあげて申し上げますけれども、非常に困難な状態、しかも円の切り上げ問題なども含めて心配をいたしておるわけですが、あなたの自治省の見解とはかなり違った現実を私たちは聞かされておるわけです。  時間をあまりここでとってもいけません。あなた方の出されましたこの要望書の、特に文部省関係のところをちょっと読み上げてみますと、こういうふうに出ております。「義務教育学校施設国庫負担金については、昭和四十七年度の超過負担に関する実態調査の結果に基づき適切な措置を講じるとともに、資格面積の算定基準等の改善をはかり、大幅な増額をはかられたいこと。また、公立小学校における屋内運動場にかかる国庫負担率については校舎整備との均衡上その引上げをはかられたいこと。」さらに人口急増地につきましては、「人口急増地域における義務教育施設整備の緊急性にかんがみ、学校用地の取得費に対する国庫補助制度の充実をさらにすすめるとともに、校倉、屋内運動場等の整備に要する経費に対する国庫負担率の引上げ、先行整備の拡充等特別の財政措置を講じられたいこと。」など書かれているわけです。これと今度出されております国庫負担法改正案と比較をしてみますと、ある程度改善されたところもあるわけです。たとえば資格面積におきましては一七%上げるとか、あるいは補助単価については七%上げるとかいうようなことがあるわけですね。しかし、幾つかの面で自治省が要望したこととは相反して、その要望が全く盛られていない面もあるわけです。たとえばこの先行整備の拡充の問題ですが、これについて文部大臣に伺いたいのですけれども、これは改善されるお気持ちを持っておりますか。
  34. 安嶋彌

    ○安嶋政府委員 先行整備ということの意味でございますが、昨年度国会におきまして法改正をお願いいたしまして、従来の一年半前向きが三年前向きになったわけでございます。ただ、これにつきましても、先ほど来いろいろ御論議がございますように、三百戸以上の集団住宅の建築の場合に限られておるわけでございます。   〔内海(英)委員長代理退席、委員長着席〕 その他の場合、たとえば、すでに出生をいたしておりまする幼児の数等につきましては、ある程度の見通しも可能なわけでございますから、そうした面につきまして先行整備のワクを広げるということについては、これは政令の問題でございますが、現在検討中でございます。
  35. 山原健二郎

    ○山原委員 政令第五条の「一団地三百戸以上」という点は、これは実情に合わして変えるという必要があると私は思うのです。検討中といいましても、どういうふうに検討するかわかりませんが、実際にこれを実情に即したように変えるというお気持ちを持っておるかどうか、伺ってみたいです。
  36. 安嶋彌

    ○安嶋政府委員 三百戸を何戸に改めるかということにつきましてはまだ結論を得ておりませんが、ただいま申し上げましたように、それ以外の事由といたしまして、すでに生まれておりまする幼児の学年進行につきましては、これはある程度確かな予測がつくわけでございますので、そうした事由を追加するということを現在検討しているということでございます。その他一般的には、これは絶えず、そうした事態には現状でいいかどうかという検討は続けるべきものと考えております。
  37. 山原健二郎

    ○山原委員 この自治省の要望書に基づくところの、いま検討中ということなんでありますが、これは当然実情に即して変えられるべきものと私は確信をいたしておるわけです。それから、幼稚園、高等学校、社会教育施設その他についても要望書の中には出ておりますけれども、これもまだ改善されていないのですね、今度のあれでは。さらに、用地の取得の問題につきましても、十分改善されておるとは言えないわけで、これはずいぶん論議されたところでありますが、私は、自治省がこういう要望書を出されて、しかもそれは切実な状態の中から生まれてきたものだと思いますから、これについて項目ごとに、それに適合した法改正というものが行なわれるべきものだと思っておったわけです。ところが、現実はそういうふうになっていないという状態ですが、この要望書の意味といいますか、これは自治省としては今日の地方財政の実態に即してかなり確信を持って出されたものだと思うのですけれども、その点、自治省としては、単なる要望として出しただけなのか、あるいは実現をさすという、そういう確信を持って出したのか、ちょっと伺ってみたいと思います。
  38. 森岡敞

    ○森岡政府委員 各省が予算の概算要求をされます前に、自治省といたしましては、地方財政に関連いたします事項につきまして、ぜひ実現していただきたい事項を事務次官の要請ということで各省庁に御通知を申し上げておるわけでございます。そういう意味合いにおきましては、御指摘のように、私ども、ぜひこの実施を確保していただきたい事項を、網羅的に申し上げておるわけでございます。ただ、国の予算編成の過程におきましていろいろな予算上の都合もございます。率直に申し上げまして、全部が全部実施できておるという状況にないわけでございます。漸次その確保ができるように、なお、実施されなかった分につきましては、その翌年度あるいは翌々年度に引き続いて要請してまいる、かような次第でございます。
  39. 山原健二郎

    ○山原委員 この自治省の要望に対して、文部省として今後これにこたえていくという決意を持っておるかどうか、これを伺っておきたいのです。たとえば、屋内運動場の問題あるいは用地の問題、さらに、これは僻地の問題も、修正案を出そうかという話にもなっておったわけですが、この新増築についての、校舎、屋内運動場は三分の二にする必要があるというふうに思っているわけです。それに、単なる自治省の要望だけでなく、これは地方自治体の大いなる要望だと思うのですね。そういうものに対して、一つ一つこたえていくという、そういう姿勢を持っているのかどうか、伺っておきます。
  40. 安嶋彌

    ○安嶋政府委員 自治省の御要望に、ほぼ私どもこたえ得たと考えておるわけでございます。  まず第一の超過負担の問題に関連をいたします基準面積の改定でございますが、これは二〇%の引き上げを校舎について行なっておるわけでございます。また単価につきましても、標準仕様の改善ということで、二年間にわたってではございますが、六・七%の改善をはかっております。  それから小学校屋体の補助率につきましても、今回の法改正で三分の一を二分の一に引き上げるということをお願いしております。  それから児童生徒急増町村に対する財政援助といたしましては、これまた、ただいま御審議をお願いいたしておりますように、小中学校校舎負担率を二分の一から三分の二に引き上げるということをお願いしておるわけでございます。  また学校用地につきましては、これは対象面積を三百六十万平米から三百九十万平米にする。平米当たりの単価は一万六千円から二万一千円に直すといったような改善を行なっておるわけでございます。  ですから、全体として申しますと、これは自治省の御要請にはほぼ沿い得たものと考えております。  なお、僻地補助率負担率の問題でございますが、これは御承知のとおり過疎地域の緊急対策措置法におきましては、過疎地域における学校統合につきましては負担率が三分の二ということになっております。僻地と過疎地域とが必ずしも同一のあれではございませんが、かなりダブる部分があるわけでございます。そうした施策は別途進められておるわけであります。
  41. 山原健二郎

    ○山原委員 それで現在の地方財政の困難性というものあるいは超過負担というものを解決することにはならぬという私たちの考え方ですから、いま過疎地域の問題が出ましたが、学校統合の場合には三分の二ということになっているわけですね。ところが、それは統合でなくしてすべての過疎地域に対しても適用すべきではないかという考えを私は持っているわけです。  そこで統合の問題について、ちょっと横道へそれますけれども、大臣に伺っておきたいのです。  それは、この前予算委員会で私が学校統合の問題で質問をしました。昭和三十一年十一月十七日の文部省通達、これを私は取り上げて、そして大臣にお聞きしたのです。ところ大臣は、「三十一年と申しますとかなり昔の通達でございますので、その内容をもう一ぺん調べまして必要に応じて善処したい、かように思います。」という答弁がなされています。それから岩間さんのほうからも「確かに三十一年と申しますといまからもう十五年以上も前のものでございまして、その事情の変更に伴いまして修正が行なわれる必要があれば、中身をもう一度検討してみたいというふうに考えます。」こういう答弁がなされているのです。あのときには、文部大臣この通達を御存じなかったわけです。おそらくその後検討されたと思いますが、私は、当然学校統合の問題については、この通達は検討しなければならぬところへ来ておると思うのです。それをその後、私が質問いたしましたのは三月七日のことでございますが、文部大臣お調べになりまして、そしてどういうお考えを持っておるか、伺ってみたいです。
  42. 安嶋彌

    ○安嶋政府委員 大臣のそうした御趣旨もあったものでございますから、私ども事務的に従来の指導方針に修正あるいは追加すべきものがないかどうか、初中局、管理局等関係の局で現在事務的に検討いたしております。特に問題として意識しております点は、たびたび御指摘がございましたように、学校統合というものが教育的な趣旨を没却して経費の合理化ということのみに片寄って行なわれることがないようにということ、あるいは通学距離が不当に長くなるというようなことも、これは児童生徒の心身に与える影響等の問題がございますので、そうした点について何らかの指導を加えるべく事務的に検討中でございます。
  43. 山原健二郎

    ○山原委員 これはぜひ検討していただいて、あの通達が根拠になってずいぶん無理な学校統合が行なわれている。しかも、その際に使われるのは三分の二が使われるわけですね。だからこれは私は、今日の過疎地域における財政の脆弱性というものから考えますと、やはり過疎地域に対しても、三分の二という補助率というのはすべての地域に適用すべきではなかろうか、こういうふうに思っておるのです。だから、統合したときには三分の二やるんだ、これが非常に無理な統合促進の要因になっているわけですね。だからこの間も予算委員会でずいぶん栃木県の問題も出されておりまして、超党派でそれに対する運動が、これは反対運動だろうと私は思うのですけれども、そういうことが行なわれている。これはもう各地にあるわけですね。そういうことを考えましたら、この三分の二というのがむしろ一つの悪い要因になっている。そうすれば、この三分の二という補助率というものは全部に適用するというのが正しいのではないか。それだけではないけれども、今日の地方財政の緊迫情勢を見ましたときに、統合しておるところは過疎地域が多いわけですが、過疎地域になればなるほど、いま財政は非常に逼迫しておるという状態にあるわけですね。そういう努力をされる気持ちがあるかどうか伺っておきます。
  44. 安嶋彌

    ○安嶋政府委員 確かに検討を要する課題であるかと思いますが、過疎地域における学校整備の課題というのは、実は学校統合という課題が一番大きな課題でございます。一番大きな課題につきまして、御指摘のように三分の二という補助をいたしておるわけでございます。その他の学校整備事業というのは、比較的量的にも少ないという実情でございますから、大部分の過疎地域における要請にはこたえ得ているというふうに考えておりますが、なお御指摘の点もございますので、調査しあるいは検討したいと思います。
  45. 山原健二郎

    ○山原委員 次に、用地問題についてちょっと質問いたします。  四月二日に建設省の出しました地価公示価格はごらんになったと思うのです。これはもう例をあげることは省略いたします。たいへんな大暴騰ですね。その原因がどこにあるかということについて、これは文部大臣、どういうふうにお考えになっていますか。現在の地価の暴騰、これはもう例をあげるまでもありません。東京圏では三四%というふうに上がっております。どこにそういう原因があるのか。
  46. 奥野誠亮

    奥野国務大臣 私の所管事項でないかもしれませんけれども、やはり需要が供給をオーバーしている、これが根本だろう、こう思います。それにあわせまして、一昨年の円の切り上げ、それに関連して非常な不況が来るんじゃないかという心配もあったりいたしまして、金融をゆるめる、輸出が非常に膨張、金融の過剰流動性、貸付規模の拡大、そういうことが土地に対してかなり向けられてきた、買いあさりが行なわれた、これが拍車をかけたというような傾向、いろんな不幸な事情が重なってきてああいう事態になった、かように判断をいたしております。
  47. 山原健二郎

    ○山原委員 ある新聞の報道によりますと、建設省は、この異常な土地の暴騰について、日本列島改造論が特に地方開発を呼び起こし、都心部以外の地価アップをもたらしたと述べていると書いております。私は、この日本列島改造論が地価暴騰の呼び水になっていると思うのですけれども、大臣はどう思われますか。
  48. 奥野誠亮

    奥野国務大臣 日本列島改造論というものは、日本の全域にわたって均衡ある発展をはかっていこうという積極的な姿勢、それを受けて、やはり将来に明るい見通しを持ってそれに加わっていきたいという考え方が一般の景気を押し上げる力になってきておることは、私は否定できない、こう思うわけでございます。しかし、それよりも、円の切り上げを心配した日本の経済が、それ以上に、国際的にもそうだったわけでありますけれども、急激に上昇、景気拡大を迎えた、その結果が金融は非常にゆるんだ、ある意味においては過度にゆるんだといってもいいのではないかと思うのでございますが、銀行は返ってくる金を受け取らない、使ってくれと言う。しかも、全体的にゆるんでいるその金が、自然、土地に向けられていった、これが土地の需要というものを非常に拡大をしていって、一そう需給の関係のアンバランスを広げていったということ、私はこれが根本だろうと思うのです。いわゆる日本列島改造論というものが心理的に影響を持っている、それを否定するものではございませんけれども、根本的には、そんなことよりもいま申し上げますようなことに起因している、こう考えておるものでございます。
  49. 山原健二郎

    ○山原委員 いろいろ見解はあると思いますが、大臣は、異常な土地の騰貴であるということはお認めになりますか。
  50. 奥野誠亮

    奥野国務大臣 そのように思っております。
  51. 山原健二郎

    ○山原委員 それで、この異常な土地騰貴の中で、それに対応する予算措置の問題が出てくるわけですね。ところが、はたして四十八年度予算で示されたこの土地取得の単価というものが十分であるかというと、私は十分でないと思うのです。時間がありませんからはしょっていきますけれども、実際に補助をした場合に、市町村が受け取る金額がどれくらいになっておるか、ちょっと計算してみますと、私の計算では、四十七年度の学校用地取得単価は一平米当たり一万六千円、四十八年度の学校用地の取得単価は二万一千円、足切り率が四十七年、四十八年とも五〇%、市町村が実際に受け取る単価は、この取得単価と足切り率、それから補助率三分の一ということでいきますと、平米当たりの単価が出るわけですが、四十七年度には市町村が受け取るのは平米当たり二千六百六十六円、四十八年度は三千五百円、全く微々たるものなんですね。現在の人口急増地域における平米当たりの土地取得単価というのは、これはもうものすごいものがあるわけですね。それに対して四千円未満の金額しか出ていないということになるのじゃないかと思うのですが、私のこの計算は間違いですか。
  52. 安嶋彌

    ○安嶋政府委員 土地の購入費補助の方式でございますが、まず面積につきましては基準面積、または実際の購入面積のいずれか少ない面積、それから単価につきましては実際の購入単価、または公示価格のいずれか少ない単価の相乗積に補助率の三分の一を乗じまして、それからただいま御指摘の足切り率と申しますか、私ども調整率と呼んでおりますが、それの二分の一を乗じまして算定した金額を交付するということでございます。ですからそれがそのとおりまいりますれば、そうした相乗積の六分の一は交付されるわけでございますが、ただ予算の総ワクの関係でさらに若干の足切りが加わることはございます。四十七年度の、最近の実績が出たわけでございますが、その調整はわずか二、三%でございまして、九七%が対象になり得るという状況でございますから、ほとんど六分の一の交付が行なわれることになっております。  ただいま申し上げましたように、実際の買収というものが基本でございますから、たとえば四十七年度の最高の場所は、これは八王子市でございますが、平米当たり約十三万円という土地になっております。それから最低は川越市の千二百円という土地がございますけれども、こうしたものにつきましてはそれぞれこの単価を前提といたしまして、さっき申し上げましたような方式で補助が行なわれておるわけでございます。ですから、一律に先生おっしゃった金額の補助ということではございません。
  53. 山原健二郎

    ○山原委員 私は、実質の補助率というのは十分の一に満たないのではないかというふうな気持ちを持っておるのですが、ただそれは場合によって違うところもあるわけですけれども、幾ら考えてみても非常に劣悪なことは事実ですね、実際にはこれでは土地の取得もできないわけですから。それで皆さんが困っておるわけです。だからこの単価を、実情に合うように何らかの手を打つべきだということ、あるいは足切り率だけでもなくするということは、これは各自治体の要求ではないかと思うのです。足切り率というものを云々するなら、その基礎となる単価は一体何なのか、この足切り率という場合、この基礎となる単価というものを実情に即したようにすべきだと私は思うのですが、これは同じ政府内の建設省の出しております地価公示価格を基礎にはしてないわけでしょう。
  54. 安嶋彌

    ○安嶋政府委員 単価は、四十六年に制度が始まりました際に、私どもが実態調査をいたしました単価を基礎にして積算をいたしておるわけでございまして、それにその後の地価の上昇率を乗じて単価を出しておるわけでございます。  ただ先ほど申し上げましたように、それではこの単価は、建築の場合と土地の場合は実は非常に違いまして、この単価で一律に切っておるかと申しますと、そうではなくて、たとえばいま申し上げました八王子市の場合の例でございますと、十三万六千円という単価を前提にしてその補助金を出しておるわけでございます。ただそれには御指摘のいわゆる足切りでございますとか、あるいは調整というものがかかっておりますが、単価自体は公示単価または実績単価のいずれか少ない額でございますが、大体それは経験的には一致しておるわけでございますが、その単価対象にしておるということでございますから、そうした面の実際上の無理というものは私は少ないかと思います。  ただ、予算の総額が実際の購入費総額に比べて少ない場合には、若干の圧縮ということが起こるわけでございますが、四十七年度の場合はそれが九七%であったということでございますから、私どもが当初考えた線にほぼ近いところでいま落ちついているということでございます。  それから、いわゆる足切りでございますが、この児童生徒急増町村に対する補助は、これは二百数十町村という町村の一部に対する補助でございまして、その他の町村におきましても児童生徒の増があり、それに伴う学校施設整備が必要になる。またはそれに伴って土地購入の需要もあるわけでございますので、そういった補助対象になっていない町村との均衡ということを考えますと、補助対象になっていない町村が負担している程度のものは、これは急増町村といえどもひとつ自治体自身で負担をしていただきたい。それを越える分については国の補助対象にするということが制度の基本でございまして、いわゆる足切り率というのも私どもはそういう均衡という点からそうした制度をとっておるわけでございます。
  55. 山原健二郎

    ○山原委員 とにかく私はこの問題につきましても、この単価を正当に評価しない感じがいたしておるわけで、そうすると、これは地財法第十二条、第十八条に抵触するのではないかという考えを持っております。で、これはまたおりを見まして質問をいたしたいと考えているわけです。いま大蔵省お見えになっておりますからお尋ねしますが、公立小中学校が国有地を借りている件数は大体全国でどれくらいありますか。
  56. 川崎昭典

    ○川崎説明員 お尋ねの件数でございますが、合計で千三百九件になっております。小学校中学校、高等学校、その他の特殊学校を含めた数字でございます。
  57. 山原健二郎

    ○山原委員 その借地料はどうなっていますか。
  58. 川崎昭典

    ○川崎説明員 三億二千五百九十九万九千円になっております。
  59. 山原健二郎

    ○山原委員 大蔵省は今回、国有財産法及び国有財産特別措置法の一部を改正する法律案国会提出されておりますか。
  60. 川崎昭典

    ○川崎説明員 提出いたしております。
  61. 山原健二郎

    ○山原委員 その場合、小中学校の用地は一体どうなりますか。
  62. 川崎昭典

    ○川崎説明員 著しい災害とか、児童数が急増といった場合に、政令で定めるところで無償貸し付けの道を開くという形になっております。現在無償譲与という道は若干開かれておりますが、無償貸し付けという制度がございませんわけでございますので、今度の改正法案にそれを盛り込んであるということでございます。
  63. 山原健二郎

    ○山原委員 借り手は義務教育なんですね心だから、これは私は全部無料とすべきだ、そういう原則に立つべきだと考えているのです。これは文部大臣にお伺いしますが、年間三億二千万円も小中学校の国有地借用料を払っておるというようなことは、義務教育立場から考えて、これは正しいことかどうか伺っておきたいのです。
  64. 安嶋彌

    ○安嶋政府委員 御承知のとおり、国有財産を無償で貸し付けるということは、これは非常に特別な措置でございまして、御承知のとおり従来は災害地等につきましてそうした措置が行なわれてきたわけでございますが、今回そうした特別な措置を拡充をするということでございますので、そうした特例措置であるという趣旨からいたしまして、児童生徒急増市町村等、国がその他の面におきましても特別措置を講じておる市町村に限ってこれを行ないたいということでございます。  土地を無償で貸し付けるということは、これは一種の財政援助ということにもなるわけでございまして、財政援助ということになりますれば、ただいま申し上げましたように、災害につきましては特別な補助があり、あるいは児童生徒急増町村につきましては特別な補助があるというような措置が予算の面で講じられておるわけでございますが、それと対応した範囲で無償措置を講じていくべきである、こういう考え方をとったわけでございます。
  65. 山原健二郎

    ○山原委員 これは当然災害地とか、人口急増地だけでなくして、無料にすべきではないですか。これは参議院の予算委員会におきまして、私の党の岩間議員が佐藤総理大臣に対して質問しているのです。佐藤前総理はこう言っています。「この点はもっと文部当局においても自治省と協力して、公立学校そのものが一体どのくらい国有林野、国有財産、国有の土地を使っておるか、そういうものも明確にならないと、これをいまここで云々することはちょっと材料が不足だと、たてまえは、まさしくおっしゃるように、教育を大事に考える、そういう立場からもっと前向きに処理されてしかるべきだと、かように私は思っております。」こういう答弁をしているのです。この方向で進んでいないわけですね。これを無料にしていくという方向には向かっていないわけですか。
  66. 安嶋彌

    ○安嶋政府委員 無料にするという方向でございますが、ただその範囲につきましては、ただいま申し上げましたように、一般の町村につきましては土地の購入費補助がないけれども、児童生徒急増町村については補助がある。これは両方とも同じように義務教育でございますが、財政事情その他を考えてそうした異なった扱いをしておるわけでございます。したがいまして、繰り返しになりますが、土地の無償貸し付けをするということも、これは趣旨におきましては土地の購入費に対する補助をするということと同じような前提、考え方で考え得る問題ではないか。したがいまして、そうした土地の購入費補助まで出しておるような町村については、土地の貸し付けをも無償にする、そういう考え方が適当な考え方であろうという前提でまいっておるわけでございます。
  67. 山原健二郎

    ○山原委員 超過負担は依然としてなくならない。その上に、国有地を借用して小中学校義務教育をやろうとすれば、またその借用料をとられる。三億二千万円という金額を聞きまして、先般大蔵省からいただいた数字を見ますと、これはずいぶんたくさんになっている。私がいただいた、昭和四十七年三月三十一日現在では一億八千三百万という貸し付け料の金額が出ていますが、それがこんなに上がっているわけですか、三億二千万も。
  68. 川崎昭典

    ○川崎説明員 大蔵省に御要望がございましてお出ししました資料は、小学校中学校だけの分でございまして、しかも大蔵省の普通財産を小学校中学校だけにお貸ししている、それが一億八千万円でございます。したがいまして、これは三億の内数になろうかと思います。
  69. 山原健二郎

    ○山原委員 文部大臣、これはぜひ無料にすべきだと思うのです。  ちょっと余談になりますけれども、秋田大学に医学部が設置されましたときに私も質問したわけですが、秋田大学医学部の場合は、結局校舎と病院の敷地については国が借りたことになっているのですね。これは借用料を払っているのですか。
  70. 奥野誠亮

    奥野国務大臣 公立学校立場から考えますと、全部無償で借りられることが一番望ましいと思います。しかし、とにかく一歩前進して、義務教育施設につきまして無償貸し付けの範囲を広げていただいたわけでございます。相互に無償主義を徹底するのも一つかと思うのでございますけれども、現在は一応相互に有償主義になってしまっているわけでございます。そういうこともございまして、今回秋田に医学部を設置する、それにつきまして土地の用意は県でしていただいたわけでございましたが、こういう関係から国は地代を払う、こうさせていただいたわけでございます。国立学校の特別会計のほうから秋田のほうに払わせていただく、かようなことにいたしました。
  71. 山原健二郎

    ○山原委員 次に、学校プールの問題でございますが、学校につくられておるプールというのは、学校教育施設ですか、それともスポーツ施設ですか。
  72. 澁谷敬三

    ○澁谷政府委員 学校教育の中に当然学校体育があります。教育施設考えております。
  73. 山原健二郎

    ○山原委員 学校教育指導要領の中にはもちろん小学校一年生から六年生まで水泳についての項目があります。だから、文部省自体は指導要領は法的拘束力がある、こういうふうに主張されておるわけですから、そうしますとプールという学校施設教育施設というものがどうなっておるか。それを見ますと、現在の学校におけるプールの充足率は大体どのくらいですか。
  74. 澁谷敬三

    ○澁谷政府委員 小学校におきまして、昭和四十七年の五月一日現在におきまして四三%、中学校におきまして三五%くらいになっておると思います。
  75. 山原健二郎

    ○山原委員 拘束力を持つという指導要領に基づいて、プールのない学校はどうなるのですか。
  76. 澁谷敬三

    ○澁谷政府委員 学校体育につきましては、体操的なもの、あるいは器械等を使うもの、その他いろいろな種目がございまして、雪の多いようなところはスキー、かなり選択の余地があるようになっておるわけでございます。したがいまして、学校にプールがない場合には、できる限り市民プールなどを使ってやることもございますが、全然そういうものがない場合は、必ずしも水泳をやらなければならないというわけのものではございません。しかしながら、全国の児童生徒が水泳を身につけることは大事でございますので、プールにつきましてはかなりの数の補助金を毎年計上して、現に毎年千二百くらいずつつくられております。
  77. 山原健二郎

    ○山原委員 それだけに、重要な指導要領の中にも法的拘束力を持つといっておるあなた方ですから、なぜ国庫負担法の中にこれが入らないのですか。
  78. 澁谷敬三

    ○澁谷政府委員 これはいろいろ沿革がございましてそうなっておると思いますが、法制的、制度的に考えますと、学校プールの補助金が別でなければならないというわけのものでもないと思います。現在は、公立文教施設は管理局、学校プールは体育局の予算として、沿革的にそうなっておるというのが実情でございます。
  79. 山原健二郎

    ○山原委員 これは当然変えなければならぬと思うのですよ。スポーツ振興法によって補助が出ておるということですね。当然負担法によって国が負担義務を持つべきものでしょう。それが補助という形ですから、国の予算の増減その他によってその施設をつくることが定められておる。それがいま言われたような四十何%か三十何%というような数字になって、しかも指導要領にはプールに基づいて、きちんと教えると書いてあるのですね。半分もないというような状態が放置されておる。だから、国庫負担法の中にこれを入れなければならぬわけでしょう。国庫負担法の第一条の「目的」はそのことをはっきり規定しているわけですから、これは当然負担法の中で配慮していくものだと私は思うのです。当然のことだ。どうですか。
  80. 奥野誠亮

    奥野国務大臣 いろいろな考え方があってしかるべきだと思うのでございますけれども、現在の義務教育国庫負担法は建物について国が負担するというたてまえをとっておるわけでございます。建物といたしましては校舎、屋内運動場、寄宿舎の三つをあげているわけでございます。国の負担対象を広げていくこと、それも一つの方法だろうと思うのですけれども、個々の設置者が経費については責任を負うたてまえで、それに対してナショナルミニマム、ここまではひとつ確保しようじゃないかということから国庫負担の方式が始まっているわけでございます。プールをやっていないわけじゃなしに、学校だけ独占するというよりも、学校一般市民と共同で使う場合もありましょうし、また学校状況によりましてそれが困難なところもあろうか、かように考えるわけでございまして、プールがなかったら運動が一切できないというわけのものでもございませんので、やはり一応いまのままで進めさしていただいて、御指摘になりました問題は、ひとつ研究課題として研究さしていただくということにしてまいりたいと思います。
  81. 山原健二郎

    ○山原委員 そういうことではだめですよ。スポーツ振興法というのは、これは国民の心身の健全な発達ということが目的になっているわけでしてね。学校教育施設だということであり、しかも、指導要領にはっきり一年生から六年生まで、ずいぶん詳しく出ているわけですね。教えようもないような状態をつくっておいて、それでもいいということになれば、法的拘束力があるなどということを言うな。そんなできもしないことを言ってもらっては困る。それを平然としてスポーツ振興法でいいのだということをするから、いつまでたったってプールはできないわけですよ。だから、国の負担というものをはっきりさすために、国庫負担法の中に明記すべきではないですか。あたりまえのことじゃないですか。
  82. 澁谷敬三

    ○澁谷政府委員 先ほどもちょっとお答え申し上げましたように、学校体育にはいろいろな種目がございますので、指導要領に書いてある種目全部必ずしもやらなければならぬというわけではございません。現実に北海道あたりでは、スキーとかスケート等も学校体育としてやっております。しかしながら、水泳というものは非常に大事でございますし、また全身運動で非常にいい体育、スポーツでございますので、できる限りやってほしいわけであります。したがいまして、毎年千カ所の補助金の予算を計上してもらいまして、毎年千数カ所をふやしておるというのが実情でございます。
  83. 山原健二郎

    ○山原委員 どうも納得できないのでありますから、その点は検討してもらいたいと思う。  現在、四百平米の水面面積のプール、これは標準プールでありますが、四十七年は百八十万の三分の一、四十八年は二百四十万の三分の一というふうな押え方をしております。しかも、現在一つのプールをつくるのに実際どのくらいかかるかと言えば、文部省調査でも平均一千万円あるいは一千五百万円という数字を踏んでいるわけですね。それをこういう形で二百四十万、その三分の一ということでありますから、結局できないのはあたりまえのことなんです。幾ら市町村が努力しても、また学校の先生方が子供たちほんとうに指導要領に基づいた水泳の教え方をしたいと思ってもできないわけでしょう。  だから、いま私一例をあげてみますけれども、これは私の県ですが、高知県に大豊町というところがございます。ここは吉野川という非常に美しい川があったのですが、その上流に早明浦というダムが、巨大なダムができまして現在はほとんど水泳ができない。ところがこの町は、このダム建設には協力をしてきた町なんです。そのすぐ下には大歩危、小歩危という景勝地があるわけですね。そういうたいへんきれいな水の流れておる吉野川。ところが、これがもう一切、ダムが建設されましてから、泳ぐなんということは全然できなくなってしまった。一昨日発表されましたアメリカの宇宙衛星の調査でも、瀬戸内海の汚染と吉野川の汚染が写真に出ておりまして、ごらんになったと思いますけれども、全然泳げなくなってしまった。そうすると、この町は過疎の町でありますが、いま大体五つのプールをつくらなければならない、子供たちがもう泳ぐところもないわけですね。遊ぶところもないわけですが、そういう状態で、いままでプールをすでに二つつくっております。あと五つ要るわけです。ところが、大体一つについては百五十七万の補助が出ております。ところが、実際につくったプールの価格は千二百五十六万、たった一つでそれだけの超過負担をしなければならないということですね。この町の予算規模は当初予算で十億円です。これから五つも六つものプールをつくらなければこれはどうにもならぬという状態に置かれておる。地域開発のためにそういう犠牲がくるわけですね。そういう犠牲がきて教育ができないという状態に追い込まれる。しかも、財政力の弱い町だ。これは一体どうしたらいいのかということで町長さんも非常に悩まれておられるわけでありますけれども、そういうところは全国至るところにあると思うのです。こういう状態で放置しておくのか。スポーツ振興法などによって補助を出し、またそれも狭めていくと、いつまでたったってできるはずはない。窓口は何か水資源公団が窓口になっているそうですが、こういうことに対して文部省はどういうふうにこたえていくつもりですか。
  84. 澁谷敬三

    ○澁谷政府委員 初めに、先ほど先生御指摘の、数字がちょっと誤解されておりますので申し上げますが、二百四十万というのは補助金の補助単価でございまして、三分の一にしたあと補助単価でございます。その点ちょっと訂正さしていただきます。  プールの補助単価は、昭和四十六年度までずっと百二十万に据え置かれておりました。現実では最低でも九百万くらいはかかります。全国平均いたしますと千二百万くらいかかっておるのが実績でございます。そこで四十七年度にはこれを百八十万、四十八年度には二百四十万に引き上げまして、四十六年度予算は個所一千カ所、十二億の予算でございましたが、四十八年度には一千八十カ所、二十六億円というぐあいに、この二年間で二倍にふやしてもらったわけでございます。この予算の単価の増額等につきましては、引き続き十分に努力をいたしたいと考えております。
  85. 山原健二郎

    ○山原委員 この問題で最後に伺っておきたいのですが、プールの問題ですが、これはやはり国庫負担対象にすべきだと私は思うのです。そうでなければ、これはいつまでたっても真の意味で充足できないと思いますし、そういう点で大臣の見解を伺いたいのですが、こういう学校教育としての施設、しかもいま最も必要になっているものの一つだと思うのですね。準備室の問題もありますけれども、そういうものについては国庫負担対象にするというお考えがないのかどうか伺いたいのです。
  86. 奥野誠亮

    奥野国務大臣 先ほど体育局長が答えましたように、いろいろな体育種目、その中で特にプールを重要に考えておる、そういう方向でいかなければならないことはこれは当然だと思うのでございます。だからといって義務教育学校施設国庫負担法の中にプールを入れてしまって、すべて学校独占というかっこうになるのもいかがなものだろうか。やはり地域地域の事情によりまして、学校プールと一般市民プールと共用して使うというところがあってもいいだろう。また地域によりましては、プールがあることは好ましいことですけれども、開放は一切いけないのだということで新たな問題を投げかけていくということもどうしたものだろうかというふうにも考えられるわけでございますので、いまのような仕組みで一応プールの増設に国としても特別な努力を払っていく。ただちに義務教育施設国庫負担法の中へプールを取り入れていくということにつきましては、勉強を重ねさしていただきたい、かように考えるわけでございます。
  87. 山原健二郎

    ○山原委員 最後の質問に入ります。これは学校火災の問題でありますが、毎年相当数学校の火災が起こっております。昨年の十二月に富山市で、たしか六件の火災が起こっているわけです。その中で一例でございますが、熊野小学校の場合、これはけが人が二十一名。これは入院をした方、即日退院した子供さんもおられるようでありますけれども、大体二階から飛びおりたというような状態なんですね。  ところで、そういうけが人が出る原因の一つに火災報知器がないわけです。それでこの富山市の例を見てみますと、富山市内に四十六の小学校がありますけれども、火災報知器をつけておるのが十六校、そして一部取りつけておるのが十八校、全くないのが十二校、とうなっています。それから中学校の場合、富山市の中学校は十六校ありまして、その中で火災報知器を取りつけておるのが一校、一部取りつけておるのが六校、全くないのが九校、こういう状態でございます。この火災報知器につきましては補助対象にはなっていないのですか。
  88. 安嶋彌

    ○安嶋政府委員 補助対象の範囲でございますが、建物と一体として設けられるものにつきましては補助対象にいたしております。たとえば非常階段でございますとか、防火とびら、防火シャッター、それから屋内消火せん、自動火災報知器設備、非常警報設備、こうした建物と一体として整備されるものにつきましては補助対象にいたしておるわけでございます。このほかに消火器でございますとか、救助袋でありますとか、避難ロープでございますとか、そうしたものがあるわけでございますが、こうしたものはいわば備品という扱いでございまして、地方交付税の単位費用の中に所要経費が積算されているということでございます。  それからなお、建物と一体として整備される非常階段、防火とびら、防火シャッター、火災報知器等につきましては、補助単価の中に約三・五%その必要経費が見込まれておるということでございます。
  89. 山原健二郎

    ○山原委員 この火災報知器ですね。これは消防法第十七条一項に基づく施行令第二十一条によりますと、自動警報装置はキャバレー等不特定多数の出入りする建物は、新旧にかかわらず必ずつける。キャバレーにはつけるのです。学校等については五百平米ごとにつけることになっているが、昭和三十六年に改正されたものでは、それ以前のものには必ずしもつけなくともいいことになっている、こういうことですか。
  90. 安嶋彌

    ○安嶋政府委員 そのとおりでございます。
  91. 山原健二郎

    ○山原委員 昭和三十六年以前の学校というのはたくさんあるわけですね。それはつけなくていいのですか。むしろそのほうが危険性というものはあるかもしれませんね。キャバレー等については必置ですよ。学校の場合は昭和三十六年以前のものには必ずしもつけなくてもいいという、こういうところに問題があるのじゃないんですかね。
  92. 安嶋彌

    ○安嶋政府委員 御指摘の問題は確かにあろうかと思います。そこで、四十八年度に公立学校の防火施設整備状況につきまして実態調査をしたいというふうに考えておりまして、調査項目といたしましては自動火災報知設備、漏電火災警報器、非常警報設備、避難器具等の整備状況、それから同時に避難訓練の実態等につきましても調査をしたいということで、調査のために必要な予算計上をいたしておるようなことでございまして、至急に調査をいたしまして対策につきまして検討いたしたいというふうに考えております。
  93. 山原健二郎

    ○山原委員 先ほどちょっと聞こえにくかったのですが、避難用階段は補助対象になってますか。
  94. 安嶋彌

    ○安嶋政府委員 避難用階段と申しましてもいろいろあるようでございますが、建物と一体として整備されておる避難用階段、非常階段につきましては、これは補助対象にいたしておりますが、避難ばしごといったような、あとで設備的に付加するものにつきましては、これは補助対象となっておりません。そうした設備的なものは、さっき申し上げましたように地方交付税の単位費用の中に経費が積算されておるということでございます。
  95. 山原健二郎

    ○山原委員 この富山の場合、二十一名の入院者を出した。けが人で、なくなった方はいないわけですが、これだけの人数でとどまったのは先生方のたいへんな努力が要ったそうです。そして調べてみますと、市としても、あるいは学校側としても、前から非常に心配はしているわけですけれども、なかなかその金がないためにそういうことはできない。そして避難階段もないわけですから、子供たちは逃げ場を失って二階から飛びおりたというような状態なんですね。こんなことをしたらたいへんなことでございまして、これは私は放置できないと思うのです。だから、たとえば火災報知器につきますと、この金額三十六万円を基準にして三分の一の十二万円の補助だと、こういうわけです。それで幾つかの火災が起こっておりますので、市のほうも困りまして、しかももう金はないという状態なんですね。こういう子供たちの人命の問題については万全の策を講ずるということが必要でございますが、なかなかその物置きに対する補助もないわけですね。だから、どこへ置いてあるかといいますと、屋内体育館の舞台の下に置くとか、あるいは階段の下に置くとかいうように、燃料を置いてあるわけですね、寒いところでございますから燃料をそういうところに置いてある。だから非常に危険でしかたがないというような状態。しかし、そういう燃料貯蔵庫といいますか、物置きというものが補助対象になっていないので、そういうこともできないということなんです。そういう訴えを聞いたわけですが、そういうことなんですか。たとえば寒冷地において、冬に子供たちが暖をとるために燃料を置きますね、その燃料貯蔵庫あるいは物置きというようなものについてはどんなになっていますか。
  96. 安嶋彌

    ○安嶋政府委員 倉庫は資格面積の中に算入いたしております。
  97. 山原健二郎

    ○山原委員 私もそこまで調べていなかったわけですが、資格面積の中にあってもやはり地方財政との問題にも関連してくるわけですね。なかなかできない。新たなものについてはそれはできるかもしれませんが、過去のものについてはできないという状態、これを改善してもらいたいのです。警報器につきましても、火災報知器につきましても、当然過去へさかのぼって、現在ある学校に対してはつけるということをぜひ私はやってもらいたいと思うのですが、その点いかがですか。
  98. 安嶋彌

    ○安嶋政府委員 先ほど申し上げましたように、四十八年度に実態調査をしたいということであります。あり方としては御指摘のとおりかと思いますが、まず実態を調べました上で対応する措置を検討いたしたいというふうに考えております。
  99. 山原健二郎

    ○山原委員 私の質問はこれで終わりますが、いろいろ質問をしてまいりましたけれども、十分煮詰めるだけの時間を持たなかったわけですが、しかし、この学校建築用地の確保というようなものは、これはもうほんとうに非常な決意を必要とすると思うのです。漫然といままでのように国庫負担法の審議をして、これをさらさらと通していくというふうな現状ではないと私は思うのですね。このものすごい土地暴騰あるいは資材の暴騰、おそらく七月段階でこの法律に基づいての発注が行なわれると思いますけれども、その発注の際に、実際に入札者がおるかというような心配は、これは沖繩のみならず全国的に起こってくる可能性がないとはいえないと思うのです。そういう点から考えまして、この義務教育施設負担という問題、これは深刻に考えていく必要があると思いますので、そういう点で、実際にこの法律そのものでは不十分なことはだれも承知しておるところでありますが、それについての今後実際にこれを改善をしていくという決意につきまして、文部大臣の見解をぜひ伺っておきたいと思います。
  100. 奥野誠亮

    奥野国務大臣 義務教育施設国庫負担のあり方につきましては、対象なりあるいは比率なりの点につきまして、かなり改善ができたというつもりでおるわけでございます。しかし、だんだんの御意見ごもっともでもございますし、また今後の経過に際しましても、必要な対処のしかたをいたしていくべき点もたくさんあろうかと思いますので、御趣旨を体して最善を尽くすように努力をしていきたいと思います。
  101. 田中正巳

    田中委員長 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  102. 田中正巳

    田中委員長 では、速記をとってください。  午後一時に再開することとし、暫時休憩いたします。    午後零時三十八分休憩      ————◇—————    午後一時十一分開議
  103. 田中正巳

    田中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  義務教育学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。長谷川正三君。
  104. 長谷川正三

    ○長谷川(正)委員 ただいま議題となっております義務教育学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案につきましては、すでにるるお話がありましたとおり、今回屋内運動場の国の負担割合を三分の一から二分の一に引き上げる、児童生徒急増地域の小中学校校舎の新築または増築にあたっての国の負担を、二分の一から三分の二に引き上げるというものでありまして、これは私ども社会党といたしましても年来強く主張してまいりましたし、特に児童生徒急増地域の問題については、ほとんど毎国会このための特別措置法を提案をしてまいったところでありますが、今回政府提案の形で、一歩前進した今回の一部改正法案が出てまいりましたことは、前進として評価するにやぶさかでございません。しかし、この審議で各委員の真摯な質問の中にも出てまいりましたように、現在の実態というものは、この法案の提出を見てただ手放しで喜べるような状態でないということが、もうあらゆる角度から明らかにされつつあると思います。私ども立法の責任に当たる者も、あるいは文部大臣はじめ文部当局、行政執行の責任に当たる皆さんも、今回の審議を通しまして現実をきびしく究明し、またその持っておる事態の深刻さというものをお互いに深く考えさせられたと思うのであります。  そこで私は、いままでの審議を通じましていろいろ感じますことを三つに大きくくくって質問を申し上げたいと思っております。  その三つに入る前に、ちょっと私、先日来気がついていることなので、たいへんこまかい用語の問題でありますけれども、御質問を申し上げておきたいと思うのは、屋内運動場ということばであります。これは日本じゅうどこへ行ってもあまり使われていないことばであります。すぐ屋内体操場とか雨天体操場とか、最近ではもっぱら体育館、こういったようなことばで表現されておって、  この法案あるいは現法を見ましても、この屋内運動場というのはいろいろ苦心した末、一番無難な言い方としてこういうことばが出てきたのかとも思われますけれども、その名前がどうしてこうなったかの経過、並びに今日これについてすでに合わないという御判断で、かえる御意思で検討されるのかどうか、ちょっとこの点、小さいことですけれども、気がついたとき申し上げておいたほうがいいと思いますので御質問申し上げます。
  105. 安嶋彌

    ○安嶋政府委員 長谷川先生御指摘のような用例もかなりあるかと思いますが、体操場と申しますと、徒手体操でございますとか器械体操といったような、そういう観念と非常に密着すると思います。運動場と申しますと、これは体操だけではなくて各種のスポーツが含まれる。そういう意味で、むしろ広い意味で屋内運動場ということばを使ったものだと思います。
  106. 長谷川正三

    ○長谷川(正)委員 私もおおむねそんなことではないかと想像はしておったのですが、ただ一般に使われてないことばなものですから、法律にはそういうことばがたくさんありますけれども、たとえば体育館といいますのは、いま一般的に一番通用することばです。やはり時代の変遷に伴って、国民が聞いて一番ぴんとくることばにしておくことが法律としても一番いいんじゃないか、こう思いますが、そういう御検討をすでにしたというような経過はないんじゃないかと思います。あったのでしょうか、ないのでしょうか、ちょっとその点再度お伺いします。
  107. 澁谷敬三

    ○澁谷政府委員 先ほど管理局長の答えたとおりでございますが、少し補足いたしますと、多少専門的には屋外運動場と屋内運動場ということばがございます。屋外運動場の場合には、いわゆる運動広場、それからコートでございますね。屋内運動場という場合には体育館、それから柔剣道場、そういった二つを言っております。最近は、柔剣道場は別につくる傾向にございますが、屋内運動場という場合は、いわゆる体育館、柔剣道もできるという意味で屋内運動場ということばを使っております。体育館といいますと、柔剣道場のあれを含まない、多少専門的にいいますとそういうことでございます。
  108. 長谷川正三

    ○長谷川(正)委員 これはこだわりませんが、いまの御答弁でもちょっとおかしいと思うのです。むしろ柔剣道場を屋内運動場といったほうがよほどおかしいのです。体育館に柔剣道場を含めるほうが一般感覚としてはそう矛盾なく感ずるけれども、柔剣道場を屋内運動場だといったら、なおおかしい。いまも、これは別につくるということがどんどん起こっているというお話がございましたが、そのとおりだと思う。これは私が提起いたしますので、ひとつ一ぺん御検討願いたいと思います。  いままでのいろいろな御質疑を私はさらに三つにしぼって質問申し上げたいと申し上げましたが、その第一は、学校施設というものが児童生徒の教育上きわめて決定的な影響を与える重要な問題でありますから、今回の審議の中でも、現状に満足するのではなくて、これを常により整備し、より発展させるという夢多い未来に向かってと申しますか、そういう角度から、この法案を審議する機会にわれわれがいろいろ検討を深めておく必要があるだろうと思うのです。  そういう意味から申しましてお聞きいたしたいのは、義務教育学校施設設備まで含めまして、この負担法をはじめとして幾つかの立法措置が講じられていると思います。国が特に負担をし、国がこれを推進するという立場からの立法措置が講じられておると思いますが、それをひとつこの際整理していくとどういう法律があるか、これを明らかにしておいていただきたい。それから立法措置まではいっていないけれども、今回の措置にもございますが、予算措置をもって極力助成をしていっているという問題がこれまた幾つかあると思います。それを明らかにしていただいて、そしてその中から将来に向かってさらに拡充を要するもの、あるいは立法化にも進むべきもの、こういうものをきちんとしておく必要があると思うのですが、それについてひとつ御意見を聞きたいと思います。
  109. 安嶋彌

    ○安嶋政府委員 最初に、施設関係について申し上げたいと思いますが、公立文教施設整備費の予算の項に盛られております事項につきましては、これはただいま御審議をいただいております義務教育学校施設費国庫負担法でほとんどがカバーされておるわけでございますが、それからはずれておるものといたしましては、御承知の土地の購入費に対する補助がございます。それから特殊な地域に対しまする立法といたしましては、御承知のとおり離島振興法でございますとか、あるいは過疎地域対策緊急措置法でございますとか、豪雪地帯対策特別措置法でございますとか、新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律でございますとか、沖繩振興開発特別措置法でございますとか、奄美群島振興特別措置法その他小笠原諸島復興特別措置法といったような法律があるわけでございます。したがいまして、施設関係につきましてはほとんどがこうした法律によってカバーされておるということを申し上げていいかと思います。
  110. 岩間英太郎

    ○岩間政府委員 設備の関係でございますけれども、これは義務教育国庫負担法に基づきまして、教材費の負担金があるわけでございます。そのほかに理科教育振興法に基づきます理科の設備の補助金、産業教育振興法に基づきます中学校の産業教育の設備の補助金、へき地教育振興法に基づきます僻地学校の設備の補助金、そういうものがございますけれども、根幹は私はやはり教材費というもので全体的にカバーしていくのが筋ではないかというように考えておりますが、しかしながら、そのときどきの需要がございまして、たとえば理科教育を振興しなければいけない、あるいは産業教育を振興しなければいけないというような事情が変わってまいりまして、そういうような新しい需要ができました場合には、これは補助金でもってカバーをする。しかしそれが一定のルールに乗りました場合は、やはり教材費という形でカバーをしていくということが施設に関しましては一つの行き方であろうというように考えております。
  111. 長谷川正三

    ○長谷川(正)委員 実はそれらの一本一本についてこの際審議をし、問題点を指摘したかったのですが、時間がありませんから、すでに立法化されている面についてもまだまだ不十分な面もあると思いますが、それの拡充をはかるとともに、立法化されてないものは、いま土地購入だけをおっしゃいましたけれども、まだあるんじゃありませんか。
  112. 安嶋彌

    ○安嶋政府委員 ちょっと先ほど申し上げました答弁、補足させていただきたいと思いますが、文教施設整備費は義務教育学校施設費国庫負担法が大部分でございますが、ほかに公立養護学校整備特別措置法というものがございます。これを付加して申し上げたいと思います。  それから、ほかにもあるというお話でございますが、実はさっき申し上げました豪雪地帯等との関連もございますが、こまかく申しますと、小中学校の寄宿舎でございますが、これは、豪雪地帯分につきましてはさっき申し上げました特別措置法の対象になっておりますが、僻地の寄宿舎につきましてはへき地教育振興法にその旨の言及がございません。ですから、それが法律的な根拠がないと申せばそうかと思いますが、豪雪地帯につきましてはさっき申し上げたような法律があるわけでございます。
  113. 長谷川正三

    ○長谷川(正)委員 これはすでに多くの方から、きょうも有島委員からも強調されておられたと思いますが、特に用地取得の問題について、これが立法化されてないという点は今後の大きい課題で、人口急増地帯についてだけ具体的措置を講じられ始めているわけでありますが、これらについて立法化の方向に向かって強く検討していただきたいと思います。地方自治に明るい文部大臣は、私が考えるよりもこの点では消極的のように御答弁の間からうかがわれるのでありますけれども、今後の検討の方向として、その点についてもう一度お伺いしておきたいと思います。
  114. 奥野誠亮

    奥野国務大臣 いつか当委員会で問題になったと思うのでございますけれども、人口急増の市町村に対しまして総合的な施設整備、そういう意味での特別立法が必要じゃないか、私もそう思います、そういうふうに申し上げました。そういう場合には当然取り上げられなければならない課題だ、こう思うわけでございます。ただ、これだけ引き出して立法化するという問題になりますと、なおよく検討さしていただきたい、かように考えるわけでございます。
  115. 長谷川正三

    ○長谷川(正)委員 未来の問題につきましていろいろいい御意見も出ておりまして、現在具体的な国庫負担対象になっておらない問題として、あるいはなっておるけれども不充分な問題として、たとえば山中委員から植物園に対して、特に現下の状況から見まして、教育の中における重要な位置づけという内容を含んで、これの国庫負担考えてはどうか、あるいは危険校舎の問題につきまして、もっと実情に即した措置を進めるべきであるとか、いろいろございました。またきょうの大臣の御答弁にも、たとえば普通、学校を新設するといえば、決して建物だけではないのでありまして、へいもつくらなければいけない、門もつくらなければいけない、運動場整備しなくてはいけない。さっきの体育局長のことばでいきますと、屋外運動場ですか、これなども、かなり排水をよくし砂を十分入れ、あるいは下に砂利を入れるというようなことは相当な費用がかかりますね。こういうようなものについても、これは当然学校の建設というものに含まれるべきものである。プールの問題も山原議員から強く主張されました。こういう学校を新設するという概念の中に入るもの全体に対して、やはりもっと全体を引き上げていくその役割り、地方自治体の自主創造性を尊重することは大事でございますけれども、同時に、国が財政的にこれらを引き上げる施策を行なうということは、この施設設備を未来に向かってもっと充実発展させる大きな要素ではないかと思います。そのことを私強く願うものでありますが、これについての大臣の御見解、御決意を承りたいと思います。
  116. 奥野誠亮

    奥野国務大臣 いろいろおあげになりました問題、みんな私たち積極的に検討していかなきゃならない課題だと考えております。文部省は、学校を設置いたします市町村あるいは都道府県が、設置しやすいように財政的な面についてもお世話をするということではなかろうかと、かように考えるわけでございます。お世話をする場合に、国庫財政から支出さるべきもの、地方財政から支出さるべきもの、両方あろうかと思うのでございます。どちらについても支出されやすいようなめんどうを見ていくということではなかろうかと、かように考えているわけでございまして、そういうような総合的な面で積極的な努力を尽くしていきたいと思います。
  117. 長谷川正三

    ○長谷川(正)委員 第二の問題は、これもいままでの御審議の中で一番尽くされたところでありますが、今回も屋内運動場について三分の一から二分の一にする、あるいは人口急増地帯について校舎建築を二分の一から三分の二にする、たいへんけっこうなんですけれども、二分の一だとか三分の一だとかいうことばがまことに絵そらごとの感じがする。実情は非常にかけ離れておるということは、私この前、予算委員会でも一、二の例をあげて申し上げたし、この委員会でもたくさんの事例があがっております。これがもちろん先ほどから議論になっておりますように、単価の押え方の問題、それから面積の算定の問題、さらにはそのつくり、かまえ、専門語では仕様というのですか、つくりざまというのですか、そういう問題の標準、これらが現状よりたいへん低いために、この二分の一とか三分の一というのが、実際に学校を建ててみれば五分の一くらいにしかあたらないとか、二分の一というのが三分の一にも達していないとか、こういうことが起こってきておりまして、今日の地方財政の仕組みそのものに抜本的な改革を加えるという問題はあるにいたしましても、少なくとも現状の中では非常な地方自治体の圧迫となり、そのしわ寄せは、子供が一年じゅうプレハブ教室からプレハブ教室へ移動していくというようなまことに非教育的な中に、大切な一度しか経験のできない小学校一年の生活、小学校六年の生活、そういったものを、そういうまことに非教育的な状態の中に、その子供としては一生一度限りの生活を過ごしていくということを考えますと、現在、国の負担率をきめておりますけれども、それがほんとうに文字通り保証されるような方向にもっと努力しなければならないということを、今回の諸審議を通じても痛感いたしたのであります。  この第二の、いま一応国の負担として率を策定しておるけれども、決してその上にあぐらをかけないという現状を十分、私、きょうは具体的な例を申し上げる用意をしておりますけれども、これはまた時間がありませんから一切省略いたしまして、いままでの各委員の審議にも相当に出ておりますので、この点についていろいろ御答弁がありまして、それはデラックスであるとか、少し広過ぎたので市民も使うことを考えて広くしたのではないかとか、いろんなおことばがありますが、しかし、私はいまの現状の中で、そんなデラックスというようなものを学校が建てているわけがないのであって、あの程度のものを普通とみなすべきではないか。そういう点で、単価におきましても、面積におきましても、引き上げの努力は今回もされたわけでありますが、まだまだ不十分で、特に標準の建設費の算定というものはまことにお粗末な状況だと思うので、これについて抜本的な引き上げをぜひやる決意を文部当局にも持ってもらいたい。このことを強く申し上げて、それに対する御見解、御決意を伺います。
  118. 奥野誠亮

    奥野国務大臣 まことにごもっともな御意見だと思います。またいつか議論にもなったわけでございますが、地方財政法の第十八条に「国の負担金、補助金等の地方公共団体に対する支出金の額は、地方公共団体が当該国の支出金に係る事務を行うために必要で且つ充分な金額を基礎として、これを算定しなければならない。」と明示されているわけでございます。この点に沿って逐年改善が加えられてまいってきているわけでございますけれども、ことしは、たびたびまた議論になっておりますような国際的な影響もあるわけでございますけれども、ものによりましてはかなりの暴騰も来たしておる。そういうことで一そう御心配をいただいておりますが、こういう点もよく注視しながら、今後さらに改善を加えるように努力をしていく決意でございます。
  119. 長谷川正三

    ○長谷川(正)委員 三番目に、今回の御審議を通じて、一番またこれは深刻に指摘された問題ですが、理事会等でも、沖繩の実情を文教委員会としてぜひ視察してくる必要がある、そして国全体として問題提起をする必要があるというような議まで出たくらいでありまして、残念ながらこれはいまのところ実現しないわけでありますけれども、御承知のように、地価の高騰に始まりまして、建築資材、諸物価の高騰の中で、とうてい常識的な来年度の教育予算、各地方自治体におきましても、学校建設予算等では、はたしてほんとうに来年は学校が間に合っていくのかどうか。非常な緊急事態に追い込まれているということがこれまた各委員から強く指摘されたところであります。  私は本来、この施設国庫負担法の審議を通しまして、総理大臣、大蔵大臣、自治大臣、そして文部大臣、あるいは必要があれば建設大臣、こうした方々が一堂にひとつそろっていただいて、この義務教育の危機というものが、もちろん住宅の建設にも、道路港湾の建設にも、同様に響いておりますけれども、一刻もはずすことのできないこの子供の成長を守る教育の仕事は、最優先にこれを万全を期すという政府全体の決意をしていただくことが、私は本委員会の大きな使命であり任務である、こういうふうに考えところでありますが、きょうもし関係各省の方がおいでになれば、その方からも御決意をいただきたいのですが、大臣がおいでになってないようですが、代表して文部大臣から、非常事態が起こっておる、これの措置としては、単にことしの予算がどうであるということを乗り越えて万全の措置をとる決意だ、こういう力強い御答弁を心から期待して御質問申し上げます。
  120. 奥野誠亮

    奥野国務大臣 沖繩が日本に復帰するにあたりまして、将来の沖繩の飛躍的な発展の基礎をつくりたい、日本国民あげてそれに協力をしたいということで、いろいろな施策を講じてまいってきているわけでございますけれども、その一つに海洋博覧会があるわけでございます。従来の沖繩の経済の規模から見ますと、格段の大きな規模の事業になっているわけでございまして、それに加えて最近の物価高の問題もあったりいたしまして、あらゆる面について本土並み整備を急ごうとかかっていますことがいろいろな悪影響を受けているようでございます。そういうこともございますので、海洋博も成功させたい。本土並み整備も早く成立させたい。特に御指摘文教施設につきましては、整備を充実させるために、ものによりましては十分の九という高い国庫負担率も使っておりますし、また本土においては補助制度をとっておりません高等学校等の施設につきましても補助制度をとるというようなことで、力を入れているわけでございます。しかし、それがいま申し上げましたようなことから達成が困難になってはいけませんので、政府をあげましていろいろな資材の面でありますとか、あるいは労務の問題でありますとか、総合的に配慮していこう、こういう決意をもっていまかかっておるわけでございます。文教の問題につきましては私の責任が重大でございますので、一そう万全を期するように努力をいたしたいと思います。
  121. 長谷川正三

    ○長谷川(正)委員 私の質問のしかたが悪かったかもしれませんが、沖繩についてはいま一応御答弁がありました。私は沖繩の事態は実に象徴されている最も代表的な事態であって、実はこれが日本全土に及んでおる事態であるということを御指摘を申し上げ、これ全体に対してもだからこそ先ほど申し上げたとおり、ほんとうは各大臣の御列席を願って、その決意をお聞かせいただきたかったわけであります。ちょっとその点が落ちておりますので、私の質問の真意の半分ぐらいしかお答えがなかったということで、再度御答弁をお願いします。
  122. 奥野誠亮

    奥野国務大臣 文教施設整備が、全体にわたりまして悪影響を受けて整備が進まないということのないように、私自身としてもいろいろな面を見守っていきたい、かように考えておるわけでございます。先般もセメントのお話がございました。幸い、関係の向きにおきましても、災害等緊急を要する次のランクの中に文教施設をあげていかなければならないというような認識になっておるようでございまして、喜んでおるわけでございますけれども、全体的にそういう空気になりますように努力をしていきたいと思います。
  123. 長谷川正三

    ○長谷川(正)委員 終わります。
  124. 田中正巳

    田中委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————
  125. 田中正巳

    田中委員長 この際、本案に対し、塩崎潤君外四名より自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党の五党共同提案による修正案が提出されております。
  126. 田中正巳

    田中委員長 提出者より趣旨の説明を求めます。塩崎潤君。
  127. 塩崎潤

    ○塩崎委員 私は、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党を代表して、ただいま議題となっております義務教育学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案に対する修正案について御説明を申し上げます。  案文につきましては、すでにお手元に配付されておりますので、朗読を省略させていただきます。  修正案の趣旨は、本案の施行期日はすでに経過しておりますので、これを公布の日から施行し、昭和四十八年四月一日から適用することに改めようとするものであります。  何とぞ委員各位の御賛成をお願いいたします。
  128. 田中正巳

    田中委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。     —————————————
  129. 田中正巳

    田中委員長 これより原案及び修正案について討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに義務教育学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案について採決いたします。  まず、塩崎潤君外四名提出の修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  130. 田中正巳

    田中委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。  次に、ただいまの修正部分を除いて、原案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  131. 田中正巳

    田中委員長 起立総員。よって、修正部分を除いた原案は可決いたしました。  これにて本案は修正議決いたしました。
  132. 田中正巳

    田中委員長 次に、ただいま修正議決いたしました本案に対し、長谷川正三君外四名より、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明民党及び民社党の五党共同提案による付帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  この際、提出者より趣旨の説明を求めます。長谷川正三君。
  133. 長谷川正三

    ○長谷川(正)委員 私は、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党を代表して、ただいまの法律案に対し附帯決議を付すべしとの動議を提出いたします。  まず、案文を朗読いたします。     義務教育学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   義務教育学校施設の重要性及び最近における物価状況にかんがみ、政府はすみやかに次の措置を講じ、もつて地方財政の負担を軽減するよう努めるべきである。  一、公立義務教育学校の危険建物の改築費に係る国の負担割合を引き上げること。  二、児童生徒急増市町村学校用地の取得費に対する助成の拡充を図ること。  三、公立義務教育施設整備事業が円滑に実施されるように配慮すること。 右決議する。 以上であります。  その趣旨につきましては、本案の審査に際し十分御承知のことと存じますので、案文の朗読をもって趣旨説明にかえさせていただきたいと思います。  何とぞ御賛同くださいますようお願い申し上げます。
  134. 田中正巳

    田中委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  135. 田中正巳

    田中委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。  この際、本附帯決議に対し、政府の所見を求めます。奥野文部大臣
  136. 奥野誠亮

    奥野国務大臣 公立義務教育学校施設についてのただいまの御決議につきましては、御趣旨を体して今後努力をいたしたいと考えております。     —————————————
  137. 田中正巳

    田中委員長 なお、ただいま修正議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  138. 田中正巳

    田中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  139. 田中正巳

    田中委員長 この際、暫時休憩いたします。    午後一時四十六分休憩      ————◇—————   〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕