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1973-04-11 第71回国会 衆議院 物価問題等に関する特別委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十八年四月十一日(水曜日)     午前十時五分開議  出席委員    委員長 山中 吾郎君    理事 稲村 利幸君 理事 木部 佳昭君    理事 小坂徳三郎君 理事 坂村 吉正君    理事 竹内 黎一君 理事 井岡 大治君    理事 松浦 利尚君 理事 小林 政子君       石井  一君    上田 茂行君       大村 襄治君    粕谷  茂君       近藤 鉄雄君    塩崎  潤君       高橋 千寿君    羽生田 進君       三塚  博君    山崎  拓君       金子 みつ君    中村  茂君       渡辺 三郎君    野間 友一君       有島 重武君    石田幸四郎君       小沢 貞孝君    塚本 三郎君       和田 耕作君  出席政府委員         経済企画政務次         官       橋口  隆君         経済企画庁国民         生活局長    小島 英敏君         国税庁次長   江口 健司君  委員外出席者         大蔵大臣官房審         議官      岩瀬 義郎君         参  考  人         (三菱商事株式         会社取締役副社         長)      山田敬三郎君         参  考  人         (三井物産株式         会社代表取締役         会長)     橋本 栄一君         参  考  人         (丸紅株式会社         社長)     檜山  廣君         参  考  人         (伊藤忠商事株         式会社取締役社         長)      越後 正一君         参  考  人         (住友商事株式         会社社長)   柴山 幸雄君         参  考  人         (日商岩井株式         会社取締役社         長)      辻  良雄君     ————————————— 委員の異動 四月十一日  辞任         補欠選任   羽生田 進君     塩崎  潤君   和田 耕作君     塚本 三郎君 同日  辞任         補欠選任   塩崎  潤君     羽生田 進君   塚本 三郎君     小沢 貞孝君 同日  辞任         補欠選任   小沢 貞孝君     和田 耕作君     ————————————— 四月十日  木材建設資材異常価格の引下げに関する請  願(久保三郎紹介)(第二五三八号)  生活物資安定供給に関する請願鈴木善幸君  紹介)(第二五三九号)  公共料金値上げ反対に関する請願平田藤吉  君紹介)(第二六〇一号)  同(北側義一紹介)(第二六九五号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  生活関連物資買占め及び売惜しみに対する緊  急措置に関する法律案内閣提出第八六号)  生活関連物資買占め及び売惜しみに対する規  制措置等に関する法律案松浦利尚君外三名提  出、衆法第一三号)      ————◇—————
  2. 山中吾郎

    山中委員長 これより会議を開きます。  内閣提出生活関連物資買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律案及び松浦利尚君外三名提出生活関連物資買占め及び売惜しみに対する規制措置等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。  両法律案審査のため本日御出席参考人は、三菱商事株式会社取締役社長山田敬三郎君、三井物産株式会社代表取締役会長橋本栄一君、丸紅株式会社社長檜山廣君、伊藤忠商事株式会社取締役社長越後正一君、住友商事株式会社社長柴山幸雄君、日商岩井株式会社取締役社長辻良雄君、以上の方々でございます。  この際、一言ごあいさつ申し上げます。  本日は、御多用中のところ御出席くださいまして、ありがとうございました。  すでに御承知のごとく、本委員会において審査中の両法律案は、現下における経済情勢にかんがみ、国民生活の安定をはかるため、生活関連物資買占め及び売惜しみに対する緊急措置もしくは規制措置等をそれぞれ講じようとするものであります。  最近の物価動向を見まするに、企業、特に大企業の豊富な資金力によって節度のない物資買占め、売惜しみを行なっていることが、物価騰貴の最大の原因であるといわれております。このことが国民生活の安定にとりて重大な脅威となり、世論企業社会的責任を問うております。  参考人各位におかれましては、企業社会的責任を十分に認識され、真摯な態度で、事実について委員質疑に率直にお答えいただくよう強く要望いたします。  なお、参考人からの御意見の聴取は、委員からの質疑お答えいただくという方法で行ないますので、さよう御了承願います。  また、御発言の際は、委員長の許可を得て御発言くださるようお願いいたします。  それでは、これより質疑を行ないます。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。稲村利幸君。
  3. 稲村利幸

    稲村(利)委員 私は、自由民主党を代表して、というよりは国民立場に立ちまして、現在国民を非常に悩ませ、不安におとしいれている買占め、そして売惜しみ等による重大問題について、大手商社参考人に率直に意見を聞かしていただきたいと思います。  最近の大きな政治、社会問題は、交通地獄の解消であり、公害問題でありました。しかし、それといま真剣に取り組んでいるさなかに、そういう問題が薄れて、にわかに国民が大きな不安にとりつかれて悩んでいる問題は、インフレを助長し、物価騰貴をかもしだす節度のない一連商行為、たとえば土地、株、あるいは生活直結商品、こういう買占め、売惜しみによる一連行為に、私は大きく起因するところがあると思います。  そこで、私が一番懸念することは——私は少年時代に「ベニス商人」というシェークスピアの本を読みました。そして少年時代記憶が、一商人心がまえが悪かったために、その国、その国民に対する世界じゅうのイメージが非常に消えない。私は、いままさに、日本大手企業国民に対してやらんとすることは、さらには、世界から日本株式会社だ、エコノミックアニマルだという非難を浴びていることは、将来、十年、五十年、百年先に日本がこのシェークスピアの小説の「ベニス商人」のシャイロックになりたくないし、国民にその汚名を着せたくないために、私は、ここで率直に参考人代表の方、たとえば橋本参考人に伺いますが、率直に社会的責任を、道義的責任を感じていたらお答えいただきたいと思います。
  4. 橋本栄一

    橋本参考人 ただいまの御質問関連して、私からお答えいたします。  確かに大企業社会的責任ということにつきましては、われわれが自覚を持たなければならない問題でございまして、アメリカにおきましても、従来の、生産高あるいは取り扱い高利益の大きな会社というものを企業ランキングの上位に置くというふうな傾向から、次第に、企業社会に対する貢献度というふうなところに企業ランキングつけ方の重点を置くというふうな風潮が出ております。そういうことも、いままでのいわゆるもうけ主義といいますか、規模の大きさを誇るといいますか、そういうふうなことが企業基準にならないんだというふうな意味で、確かにこれから考慮されなければならないことでございますし、私ども、もし私どもの行為社会に非常に迷惑を与えたということでありますれば、これはもう重大な責任を感ずるわけであります。  ただ、一言私が申し上げたいと思っておりますことは、先般もちょっと申し上げたのでありますけれども、大体われわれ商社の本来の機能というものは、一番重要な機能は、海外からわが国に足らない物資とか食糧とかを輸入してきまして、要するにそれを水ぎわ日本配給機構に乗せるということが、一番大きな職能であります。したがって、そういう意味におきましては、私自身は、われわれのやっておりますことが社会に非常に迷惑を与えたというふうには、うち会社につきましては感じておりません。ただ、この間、通産省からも六社の連合で一つの数字が出ておりますし、そういうものを一体として考えまして出てきた数字につきましては、これは若干の判定を通産省から得ておりますので、そういうことにつきましては、十分共同して社会的な責任を感じておるわけであります。
  5. 稲村利幸

    稲村(利)委員 水ぎわから水ぎわまでということで物資安定供給について触れられ、通産省等意見にも責任を多少は感じているという橋本さんのお答えでございました。  そこで、私は確認をしたいのでございますが、ちょうどいまから一週間前、四月三日の閣議中曽根通産相が、六大商社営業活動の結果報告をいたしました。  その内容は、四十六年八月以降、商社に合計約九千五百億円の資金が流れ込み、四十七年九月末現在で、うち約六千六百億円が流動性の高い資金として滞留した。もう一点は、これら資金土地証券商品の購入に向けられ、羊毛毛糸綿糸生糸買占めが行なわれた疑いがあるなどであります。  さらに、この調査の中で大臣が触れられたことは、商社資金手元流動性は、市中金融の推移から見て、四十七年末から四十八年初めにかけてさらに高いと推定されると指摘し、商社投機アニマル的行為が四十七年九月以降一段と激しくなっているということを指摘しているわけでございますが、これについて、もしこれを是認されるとしたら、商社責任は、私は先ほども申し述べましたが、たいへん大きなものがある。  そこで、さらに一歩進んで、商社の扱う品目行動基準経営モラルというようなものの考えを、端的にお聞かせいただければありがたいと思います。橋本さん。
  6. 橋本栄一

    橋本参考人 ただいまの、商社手元におきます流動性の問題につきましては、御指摘のように、従前に比べてかなり流動性が高いということは事実であります。しかし、その流動性そのものがどういう形で企業の中に保存されておるかということにつきましては、企業ごとに違うと私は思います。それを実態をやはりよくお聞きいただかなければならぬと思うのでありますが、私個人の考えを申し上げてよろしゅうございますか。——私といたしましては、流動性と申しましても、この金はやはり借金でございますから、自分の手元の金がふえたわけじゃありませんから、そういう意味では返さなくてはならない。しかも、その金には利子のついておる金でございますので、その払わなければならない利子をキープすると同時に、要するに、元金を返すときに返せなくなるような投機にその金を使うということは、私は間違っておると思うのです。したがいまして、私の会社のことを申し上げてはなはだ悪いのですが、私の会社では、そういう流動性資金商品投機には一切使っておりません。  そして、それはどんな形であるのだと言われますと、一番流動性の高いのが短期債券でございますね。これで利子を受け取り、短期債券は結局もとが減りませんから、必ず返すときには返せる。その他、中長期の信託預金というふうなものに全部キープしております。したがって、現在は資金繰りが順次困難になっておりますから、これは今後順次減っていくと思いますけれども、そういう形になっております。  それから、御質問の点、最後のところがちょっと私わかりかねたのですけれども……。
  7. 稲村利幸

    稲村(利)委員 中曽根通産相閣議でこう申されておる、これは認めざるを得ないと思うのです。そこで、商社の扱う品目行動基準経営モラルというようなものに対するお考えを簡潔に……。
  8. 橋本栄一

    橋本参考人 商品の扱う範囲というものは、総合商社もだんだん大きくなってまいりましたので、非常に広範囲にわたっております。したがいまして、これをある程度のところでまとめ上げませんと切りのない話になりますので、各社とも、この整理につきましては現在検討中だと私は思っております。  それから、行動基準につきましては、日本貿易会中心にいたしまして、どういうところに基準を置いて行動するのが、いまおっしゃいました社会的な責任につながるのかということにつきまして、現在慎重に検討中でございまして、なるべく早い機会に結論を得たいというふうに思っております。
  9. 稲村利幸

    稲村(利)委員 けさのニュースやその他で、いま丸紅の米の買占めが問題になっておりますが、捜査の段階ですので、私はこの問題については触れようとしません。  いまの中曽根通産相閣議報告について丸紅ではどう思っておるか、同じことを、簡潔にお答えいただきたいと思います。
  10. 檜山廣

    檜山参考人 私も橋本参考人と同じく、中曽根通産大臣考え方に賛成をいたします。
  11. 稲村利幸

    稲村(利)委員 中曽根通産大臣考え方にということは、つまり商社商行為モラルに重大な責任を感じている、これから商品の取引、扱う品物は厳選していく、経営モラルについては十分反省している、こう解釈してよろしいわけですか。
  12. 檜山廣

    檜山参考人 けっこうです。
  13. 稲村利幸

    稲村(利)委員 さらに通産省が、最近の生活関連物資について商社買占め及び売惜しみを行ない、該当物資の品がいろいろ騰貴原因をなしているということがあるので調査したわけです。三月十三日から十五日にかけての調査でございます。その通産省からの資料をもっていろいろお尋ねをしたいと思いますが、特に生活必需品関係がありますし、繊維なんかにも触れますので、これば繊維に強い伊藤忠社長さんにお願いします。  商社段階で明白な買占め及び売惜しみが行なわれたとは必ずしも一〇〇%は断定できないが、羊毛毛糸綿糸及び生糸について買占め、少なくとも買い急ぎが行なわれたという、この通産省報告をお認めになるでしょうか。
  14. 越後正一

    越後参考人 ただいまの御質問、また通産大臣発言、承認せざるを得ません。まことに遺憾に存じます。われれわ自身としては売惜しみ、買占めをした覚えはないと思いますけれども……。したがいまして、社会的な責任及び総合商社立場として非常に申しわけない、大いに反省していきたい、こういうぐあいに考えております。
  15. 稲村利幸

    稲村(利)委員 越後参考人から、心から反省しているというお答えがございました。  さらに、先般、日本貿易会、これは御存じの商社関係の業界の団体ですが、通産次官との話し合いで、通産省調査には協力する、大いに国民の不安をかき立てているのだから、どうぞいろいろ調査には協力するからということを言明された。それと、商社のもたらす影響の大なることにかんがみ、その社会的責任は自覚する、これは先ほどの御答弁のとおりであります。  これは伊藤忠越後さんのおことばだったと思いますが、大企業は少なくとも奉仕の精神心がまえを持って企業に従事しなければならないということを社員に訓辞されているということを、うわさの域ですが、私は聞いておるわけでございますが、もしそれならば、私から具体的に提案をするわけです。国民生活必需品生活物資が非常に品不足あるいは買いたくてもない、高くて手が出ない、困っておるわけですから、この際大豆、羊毛木材、その他いろいろ土地買占めで、私は国民疑惑を招かざるを得ないものがあろうと思いますが、こういうものを思い切って国民にサービスというか、物価安定のために放出をする、そういう心がまえはないかどうか、引き続いて越後参考人にお尋ねいたします。
  16. 越後正一

    越後参考人 われわれといたしましては、社会福祉のためにプラスになるのであれば、現在、在庫半月分足らずで常時経過いたしておりまして、余分なものはございませんが、無理して供出する必要があれば、通産省とも相談いたしまして、出させていただいてもけっこうです。ただし、おおよその商品が全部、繊維にいたしましても原材料が大部分でございますので、いわゆる既製品関係その他の直接消費者に渡る品物の保有は、ほとんどゼロに近いものであることを御了承願いたいと思います。
  17. 稲村利幸

    稲村(利)委員 在庫はいまほとんどない、しかし、通産省と相談して、もしほんとうに国民の要望があれば検討してもいい、こういうことでございますので、これは国民にとってはたいへんうれしい答えが聞けたということで、たいへん満足しています。  そこで、国民の疑問にさらに答えるために、問題になっている商品等の前年度比在庫売り上げ高を、ごく最近の例でもけっこうですから、知っていれば、ついでにお答えいただければありがたいと思います。
  18. 越後正一

    越後参考人 具体的な数字は詳しく存じませんが、担当者から聞いておりますところによりますと、売り上げ高もふえておるので、在庫も多少ふえておるが、大体繊維関係は〇・五カ月分の在庫でございます。その在庫数字は金額的にはときどき発表されまして、絶対に大きな在庫を持たないように注意いたしております。したがいまして、先ほども触れましたように、余分な在庫をかかえておるということは、実際問題としてはございません。
  19. 稲村利幸

    稲村(利)委員 前年度比……。
  20. 越後正一

    越後参考人 前年度からば多少ふえておるかもわかりませんが、私の記憶では、最近むしろ減ってきたと思います。ほとんど変わらないか減ってきた……
  21. 稲村利幸

    稲村(利)委員 売り上げ高は……。
  22. 越後正一

    越後参考人 売り上げ高は、現在流れておる、デリバリーをやっておるだけでございますから、その範囲内の動きはしております。
  23. 稲村利幸

    稲村(利)委員 ただいま参考人から聞きましたが、私は六大商社の各参考人に、ぜひ近い将来に前年度比の在庫売り上げ高国民の前に明らかにして、少しでも国民の納得できる答えを出していただけたらと、これを強く要望いたします。  次に、最近、公定歩合の大幅引き上げをきっかけにして、金融の引き締め、さらには投機追放世論の高まりから、いわゆる商品投機——特にここのところ鎮静化傾向にあって、たいへん喜ばしいのでございますが、こうした暴騰暴落、こういう異常な現象をいかがお考えでありますか。どなたかお答えいただければありがたいと思います。柴山参考人、いかがですか。
  24. 柴山幸雄

    柴山参考人 ただいまの御質問お答えいたします。  われわれといたしまして、暴騰しておるものが鎮静化するということは非常にけっこうだと思いますし、そういうように消費物資が、あるときには非常に上がり、あるときには非常に下がるという混乱を来たすことはも非常にいけないと思います。われわれといたしましても何とか、できる限り経済生活の安定ということについて貢献したいと思っておるわけでございます。
  25. 稲村利幸

    稲村(利)委員 商品暴騰暴落、この問題は、ただ経済現象動向でながめておるわけにはいかない。これで利益を得た者があれば、たいへんな苦しみをし傷ついた人もあると思うのです。  続いて、率直に柴山参考人にお尋ねしますが、これは利益を得た者、傷ついた者をあえて言えというのは酷かもわかりませんが、それに触れられ、さらに、もし中小企業零細企業でこういう買占め等投機によって傷ついた者に対する救済措置のようなものが何かあったら、お答えいただきます。
  26. 柴山幸雄

    柴山参考人 われわれは、中小企業の方と相提携して、共存共栄精神でやっております。したがって、もし非常にお困りの方があれば、われわれは御協力申し上げたい気持ちでおります。
  27. 稲村利幸

    稲村(利)委員 繊維に特に強い伊藤忠参考人、いまのお答え、いかがでしょう。
  28. 越後正一

    越後参考人 御承知のとおり、物資市況の騰落は、中心的には需給関係、しかもそれが世界的な需給関係で動いてまいります。したがって、望ましくないが、暴騰もするし、暴落もしたというのであります。  いま柴山参考人の言われましたとおり、われわれも数多くの、おそらく数ははかり知れない中小企業方々得意先として、北海道の端から九州の端まで、各地にいろんなグループをつくって、これに対しまする対処を間違いないようにやっていくということで、藤友会藤和会、いろんな会をつくりまして、私自身も半期に一ぺん、岡山、九州まで出かけてまいりますこともございますが、研究努力いたしまして、中小企業方々が見込みが違って失敗した場合もございますけれども、相手の方々がまじめな努力家であるならば、われわれはあえて救済措置手段をとることもございます。要するに問題は、相協力する、一方的になげうっていく、利益だけ得るという考え方ではございません。
  29. 稲村利幸

    稲村(利)委員 両参考人から、大企業中小企業零細企業まで、真の共存共栄をはかるという、国民的立場に立った発言を私は了といたします。  そこで、問題を進めますが、商社の本来の任務は、国民に安定した物資供給をするものだ、これは橋本さんも触れられました。  そこで、三菱山田参考人にお尋ねいたしますが、最近、私が知り得た情報で、さらに通産省化学工業局長商工委員会で触れられた問題ですが、最近私が実に不愉快であり、不謹慎だなと思った商社の遺憾な行為について、それはセメントの非常な品不足、大工さんや中小企業建築屋さんが特に悩んでいる問題ですが、通産省がこれを韓国から緊急に輸入するという方針を立て、これをセメント協会で扱うということにきめましたら、それを商社、私は六大商社と言いませんが、商社筋がこの情報をキャッチして、先に手を回してしまった。そして予定の半分が四月八日に広島港についたということを聞いておりますが、この点についてお聞きかどうか。
  30. 山田敬三郎

    山田参考人 山田でございます。  実は、いま御質問セメントの問題については、うちのほうとしましては、三菱セメントの販売だけやっておりますので、輸入関係については正式にタッチしておりません。  ただ問題は、そういう買い付けの問題に対する商社過当競争がもしありますとすれば、これが相当世間に対する疑惑を起こしている問題でございまして、今後は適正な競争、協調、そういうことを十分顧慮しまして、国民の一般の生活の向上に寄与するようになりたいと思っております。
  31. 稲村利幸

    稲村(利)委員 この問題については、参考人は具体的に知り得ない。  そこで私は、この際、商社隠れみのになっているダミー関連子会社、こういうものを通産省なり経済企画庁なり関連の当局は相当調査して、国民の前に整然とする必要があると思いますし、ここにおいでの六大商社自身、これを整然として隠れみのにしておかないで——土地ダミーに肩がわりさせる、関連子会社にさせる、こういうようなことを私自身知っております。そこで、こういうものを明らかにする用意があるかどうか、続いて山田参考人にお尋ねいたします。
  32. 山田敬三郎

    山田参考人 いま御指摘の問題は、いつでもそういうふうにする用意があります。
  33. 稲村利幸

    稲村(利)委員 政府の企画庁で橋口先生母見えですので、この問題についてひとつ御協力を願いたいのですが、御答弁をお願いいたします。
  34. 橋口隆

    橋口(隆)政府委員 ただいまの御発言につきましては、通産省とも相談をいたしまして、万全の手配をしたいと考えております。
  35. 稲村利幸

    稲村(利)委員 私は、この六大商社及びいまの橋口次官お答えで、土地中心とする、そういう国民生活に直接関係のあるものの買占めをやっている、その隠れみのとされているものを表に出すことによって、私は、国民が相当に不安を解消することができると信じますので、これはぜひともすみやかに、きびしくこの両者にお願いをし、念を押しておく次第でございます。  時間もございませんので、次に私は、日経ビジネスの三月十九日号に出ておる、東京証券市場一部上場主要会社五百六十社の営業報告書、ここに私は実物を持ってきておりますが、「“怪物”過剰流動性実態を洗う」という題で出ております。そして「吹き荒れる土地・株・商品投機の嵐、主役は? その演出者は?」だれか。これはもう言うまでもなく、その五百六十社の過剰流動性総額の二兆六千億円のうち大手六社だけで全体の四割弱を占める。ここに数字が書いてありますから、一々私が説明しなくとも参考人には納得していただけると思いますが、この問題について私はさらに、これまで質問した四問に関連して、ほんとうに自重していただきたいんだ。先ほど、借りている金だから、やたらなものは買わないという橋本参考人のおことばがございましたが、こういう実例が出ているのですが、ほんとうにそうだかどうだかをもう一度念を押しておきたいと思いますが、いかがでしょう。
  36. 橋本栄一

    橋本参考人 それは各社によりまして、それぞれものの考え方が若干違うのではないかと私は思います。私が先ほど申し上げましたのは、要するに、流入いたしました過剰流動性というものにつきましては、これは利子がついておる。あるいは、借金だから、ある時期に返していかなければならない。この二つの前提がございますので、騰落が激しいような商品投機にそれを回したりしますと、これは損をしたときには返すことができないわけであります。したがいまして、いわゆる投資信託ではございませんが、元金が保証されておるものに回さないと堅実な経営ができないということは事実でございます。したがいまして、株式のような騰落の激しいものに過剰流動性を回すということは、私は邪道だと思います。
  37. 稲村利幸

    稲村(利)委員 もう一度檜山参考人に、同じ問題についてお答えいただきます。
  38. 檜山廣

    檜山参考人 過剰流動性がいつまで続くかということは非常にむずかしい現況にありますが、しかし、ただいま申されたように、あくまでも、そういう過剰流動性投機に向かうというようなことは絶対相ならぬということを申し上げたいと思います。
  39. 稲村利幸

    稲村(利)委員 過剰流動性について国民に及ぼした影響、また絶対に相ならぬというようなお答えです。たまたまきょう参考人で来られている六大商社の皆さんだけが悪いという小さな問題ではない。これは私も国民の一人として承知しています。銀行が昨年来、金を返済したいといえば、いや使っていてけっこうだというような行為もあったことは否定できない。白銀あるいは大蔵省当局が指導を誤っていたと率直に私は思います。ですから、この問題についてはどうかひとつ留念をされまして、慎重にお願いします。  それともう一つ、商社、これはさきの新聞で見たのですが、橋本会長のことばに、いまの商社の力を国内で振り回さずに世界に向けていきたい、この間、こういう発言を新聞で見ました。私は、一部これを了解すると同時に、一部非常に心配しております、このことばを。一方で、このことに関して、豪州で羊毛、アメリカ、カナダで木材買占めをやっている。ところが、世界でインフレをあおって、いろいろの批判を浴びている。アメリカにおいては木材の輸出規制という問題も生じている。私は、これらの国際的な問題こういうものに関しても一つモラルの問題があると思うのです。いかがでしょうか、橋本参考人
  40. 橋本栄一

    橋本参考人 ただいまの御質問の点についてお答えします。  私のことばが少し足りませんでして、国内でよりも国外に大いに活躍すべきだということを言ったのは事実でありますけれども、そのことばだけでは私は不十分だったと思います。  それで、私の考えは、日本の経済並びに国民生活にとって一番大事なことは、資源並びに食糧の確保であります。そういう意味で、われわれはもっとそういうことに精力なり力なりを使うべきである。それも、おっしゃるように、無統制にやったのではいろいろ問題を起こすだろうと思いますので、その点につきましては十分な配慮が必要だと思いますが、むしろ商社活動の重点というものはそういうところに置かるべきであるということを、私は申し上げたのであります。
  41. 稲村利幸

    稲村(利)委員 新聞あるいは一部のことばだけで、そう言ったのは、まあ橋本さんからことばが足らなかったということで、たいへんよく了解いたしました。  そこで、私は時間がありませんので最後に、率直に思いますことは、私は、代議士というのは、選挙近くなると金帰火来ということで、しょっちゅう選挙区に帰る。私は栃木県で近いですから、金帰火来をいつもやっているわけです。市民との対話をしょっちゅうやっている。たいへんな国民の怒りを浴びているわけです。その国民の怒りが、自由民主党よ、しっかりしなさいということなんです。そこで、自由民主党が大企業の味方だというイメージを、私は国民の前に払拭したい。先ほど一連参考人答弁で、中小企業零細企業あるいは農民、こういうものと共存共栄をやるという一連のことばを私は聞きまして、たいへん安心しているのですが、私どもは、いつでも国民立場に立ち、弱い者の味方であるということで自由民主党は進んでいきたい。それだからこそ私か質問に立っているということで、私は国民に向って、自由民主党を信頼してほしい、これを断じて、次の質問者である自民党の近藤さんにかわります。
  42. 山中吾郎

    山中委員長 近藤鉄雄君。
  43. 近藤鉄雄

    ○近藤委員 ただいま同僚委員である稲村委員の御質問で、いろいろ私たち国民商社の皆さんの活動に対して疑いを持っている疑義が晴れたわけであります。  ただ一点だけ、時間もございませんので、お聞きしておきたいわけでありますけれども、それは、通産省の統計その他を見ましても、たとえば一つの例でございますが、羊毛の輸入量なども、一昨年が約二百四、五十万俵であったのが、ことしは二百八十万俵以上も国内に入っております。としますと、国内では品薄現象が見られて、いろいろ毛織物その他の買い急ぎが進んでいるわけでありますけれども、しかし実際輸入を取り扱っていらっしゃる商社方々にとっては、これはもう昨年よりもある程度量の羊毛が入ったことは、おわかりになっているはずだと思うのであります。とすると、そのような状況をおわかりになってなおかつ——先ほど橋本さんの御意見、お話かあったのですが、ただ買いつなぐだけだというお話がございますけれども、みすみす過剰になることがわかっていて、ただ注文があるから買い継ぎをされるというような行為がはたして許されるかどうか。ある程度、これは国内的に相当の需要に見合うだけの輸入があるんだから、もうそろそろ買い控えなさってもいいのじゃないかというくらいの助言をおやりになることが、まさに、国際的な、また国内的な情報網を整備していらっしゃる大商社社会的な責任じゃないか、かように考えるわけでございますが、その点について御説明をいただきたいと思います。
  44. 橋本栄一

    橋本参考人 ただいまの近藤さんの御質問、きわめてごもっともなところがございまして、私自身も長年そういう商社について経験を持っておりますが、一番激しい例が、朝鮮事変のときの新三品の暴落でございます。これは確かにわれわれは、人よりも情報を持っておるわけでありますから、いまおっしゃるように、少し腹が一ぱいになったときには、これは買い控えたほうがいいなという御忠告をすべきであります。  ところが、山に入る者山を見ずとか、鹿を追う猟師は何とかを見ないとかいうふうなことで、やはりその中で熱中しておる人間は、ついそういうことについての冷静な判断を忘れることはあり得ると私は思います。しかし、御注意の点は、十分商社機能として注意をして、問題を起こさないようにすべきであろうと私は思います。
  45. 近藤鉄雄

    ○近藤委員 いま橋本参考人から御説明があったようでありますが、繊維をやっていらっしゃる伊藤忠越後参考人にも一言だけお聞きしたいわけでありますが、まさに森に入って、木を見て森を見ず、こういうようなことでございますけれども、実際取引をやっていらっしゃってそういうことがおわかりにならぬものかどうか、その点についてなお確かめておきたいと思いますが、御答弁賜わりたいと思います。
  46. 越後正一

    越後参考人 これは真剣にみな努力、調査いたしておりますが、なかなか容易にわからない。わからないやつをどうして決定していくかということになるわけでありますが、それだけに非常に危険であります。しかし、その危険を最小限度にとどめながら売る、買うをきめていくわけであります。われわれ、先ほど申しましたように、需要者の機屋さんその他の紡績と御相談申し上げて、こういう環境だからこういうぐあいに考えますというわれわれの考え方をざっくばらんに率直に申し上げて、意思の決定をしてもらっております。
  47. 近藤鉄雄

    ○近藤委員 ぜひひとつ、そういう国際的な情報網を駆使されて、社会的な責任を今後果たされますことを強くお願いをいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
  48. 山中吾郎

  49. 松浦利尚

    松浦(利)委員 まず橋本参考人にお尋ねをするのですが、三月二十日の「エコノミスト」で、あなたが記者団と会見した個人的な内容が発表されております。これを興味深く読ませていただいたのですが、その中であなたはこういうことを言っておられる。主食である米のようなものは商品として扱うべきではない。また同時に、供給に限りある土地などを扱うべきではない。こういうふうに「エコノミスト」に記載されておるのですが、だとするなら、この三井物産会長発言を、丸紅檜山参考人は認めるのかどうか、その点を明確にしてください。
  50. 檜山廣

    檜山参考人 まず土地ですが、いわゆる商社としても、デベロッパーでありあるいはオルガナイザーとして宅造とかあるいは市街地開発とか、同時にまた流通段階の、流通のにない手として、いわゆる物的手段としての倉庫とかあるいは加工場であるとかスタンドとか、そうしたものの建造のためにはどうしても土地というものが付随するということで、いわゆる物的流通段階の合理性なり経済性を追うためには、土地というものが全然商社として所有ができないということでは、商活動ができないと思います。しかし、それはあくまでも営業用であります。また、事務用としてもやはり土地を持たねばならないものもありますし、デベロッパーとして営業用として、商品用としてやる場合がある。したがって土地も、そういう意味土地のいわゆる売買の対象と申しますか、営業用の土地それからそういう事務所用の土地ということで、商社はやはり土地というものは所有しなければならない、こういうふうに考えます。  米については、私ども従来いろいろと、くず米とかそういうものに対してやってまいりました。したがって、米についてもいわゆる自主流通米あるいはくず米とか、そういうものの取り扱いはやってまいっております。
  51. 松浦利尚

    松浦(利)委員 参考人は正確に答えてもらいたいと思うのです。私が参考人質問しておるのは、橋本参考人が「エコノミスト」に発表しておる、米を商品として扱ってはならない、あるいは土地商品として扱ってはならない、こういうことを意見として述べられておられる。そのことをあなたは認めるか、こう聞いておるのです。それだけでけっこうです。認めないなら認めないと言ってもらえばいいのです。
  52. 檜山廣

    檜山参考人 これは私が現在認めないと申しますか、やはり私のほうはやっておりますので、それは認めないという答えになると思います。
  53. 松浦利尚

    松浦(利)委員 それは認めるということを言っておると思うんだけれども、だとすると、あなたは、四十八年四月五日付けで、われわれ議員に対してこういった文書をばらまいておる。それは「弊社の米取引について種々批判を招いていることは、商社社会的責任を深く自覚しなければならない時期において、まことに申し訳ないことと考えております。現在当局において、私どもの取引先を調査されている段階で、結果については承知しておりませんが、もちろん弊社としても当局の調査に全面的に協力申し上げる所存であります。」こういったことを書いたあと、「弊社としましては、当局の調査ないし判定の如何を問わず、姿勢を正す意味からも、今後内地米の取扱いをやめることに致しました。」こういったものを、あなたはわれわれ議員仲間に配っておるのです。  この意図がどこにあるかは別にして、現実にあなたのところは、きょう捜査が入るというニュースも流れておる。米を扱ったということについて食管法違反ということで、あなたの会社はいま摘発の対象になっておる。そういう段階で依然として——橋本参考人が述ベておる、米を商品の対象としないのだ、こういう一つのモラルとしての発言だと思うのだけれども、それをあなたは、現在の段階においても認める意思はないの。
  54. 檜山廣

    檜山参考人 現在は、その私の新聞発表したとおり、一切内販の米はやめる、内地米の取り扱いをやめるということに重役会で決定しましたので、そのとおりに回覧を回したので、今後は絶対やらないということで、いまの、時差があると思うので、従来、いままでやってまいったのでいまそう申しましたが、現時点においては全然やっておりませんし、また、やめました。今後もやりません。
  55. 松浦利尚

    松浦(利)委員 いままでとってきた行為に対して、あなたは国民に謝罪する意思はありますか。
  56. 檜山廣

    檜山参考人 十分あります。
  57. 松浦利尚

    松浦(利)委員 それじゃ、わびてください。(「そんな必要ないよ、参考人じゃないか。検察庁じゃないもの」と呼ぶ者あり)  それでは、参考人に重ねてお尋ねをいたしますが、いま私の手元に、あなたのところから出した商社の米取り扱い状況の資料がきておるのです。その中で、モチ米以外に普通のウルチ米についても、あなたのところは四十七年度において、この報告によると約四万トン、三万九千八百トン近くを売買の対象として扱っておられる。これは現実にあなたのところから出た資料です。しかも、いまモチ米の問題についてそういった疑惑が問われておるわけですから。いままで四十五年、四十六年とずっと、あなたのところはそういったモチ米、ウルチ米について手をつけておられる。しかも食管法違反という状態も出てきておる。ですから、この際、不規則発言——われわれには、こういった文書で、あなたはおわびをくれておるわけだ。だから国民に対して、わびるということばが語弊があれば、こういう問題を起こした感想を、あなた自身述べていただきたい、簡単に。
  58. 檜山廣

    檜山参考人 全く私どもの、私自身の監督不行き届きでこういうことを、いま疑惑を招かれて捜査中であるということに対しては、こういうお騒がせをしたことに対して、まことに相済まない、そのことば以外に何ものもございません。いずれ捜査の結果判明しましたら、その当局の指示に従って、全部そのとおりに行動をいたしたい、こう思います。  どうも皆さま、お騒がせしまして、まことに相済まないと思っております。全く私の監督の不行き届き、それ以外に、また情けなくて、まことに相済みませんということば以外に何もありません。
  59. 松浦利尚

    松浦(利)委員 それで、三井物産の橋本参考人にお尋ねをするわけですが、実は私の手元にきておる資料によりますと、丸紅だけでなくて、あなたのところもモチ米、米を実は扱っておられるわけだ。  そこで、実はあなたのところのモチ米の買い上げ状況を調べてみました。ところが、四十四年にあなたのところは、肥料卸商業協同組合というものをつくっておられる。四十四年米の自主流通米が発生したときに肥料卸商業協同組合というものをつくられて、三井本社の中に三井肥料卸商業協同組合連合会という組織をつくっておられます。これを全国的に九ブロックに分けて、その九ブロックに約五百から七百近くの小売りを持っておられる。これに対して、肥料会社一商店当たり大体百平米から三百三十平米、平均して百六十五平米の倉庫をつくらせるべく、長期低利の融資をおたくが行なっておるわけです。しかも協同組合法によってできた組織でありますから、これを調べてみますと、これは関東でありますけれども、関東三井肥料商業協同組合に対しては、商工中金から共同購入資金として一億四千四百万、設備資金として一億八百万、奥村商事に対して運転資金として一千四百八十万、あるいは芝沼商事に対して運転資金として八百二十万、こういったように、協同組合に加盟しておるところに対しては、ほとんど全部に対して商工中金の金が出されておるわけです。  肥料の需要期というのは大体一月から八月まで、そのあと倉庫がからになる。その倉庫がからになったところを、米が自由化されるあるいは自主流通米、こういったものを保管していくという意味で、実はこれは私の手元にきておる資料ですが、四十七年において、モチ米において約六千百トン、それからウルチ米において五万三千七百トン、これだけの売買を実際に行なっておられるわけです。  だとすると、あなたが「エコノミスト」に言っておられる、米は対象にすべきではないと言ったころから見て、こういった行為に対して参考人はどういうふうに考えておられるのか。丸紅だけの問題じゃないと思うのですよ。
  60. 橋本栄一

    橋本参考人 私が「エコノミスト」に、あるいは「東洋経済」だったと思いますが、米とか土地とかいうものは扱うべきでない、これはかねがね私の持論でございまして、率直にその意見を発表したわけであります。  ただいまの御質問の肥料の問題につきましては、私のところは、商業系統として唯一の肥料の販売組織を持っておる会社でございまして、お得意先も、明治以来続いておるところがたくさんございます。そこに対して融資をしたものだと私は考えております。  米の問題につきましては、ただいま御質問がございましたが、私の承知しております範囲では、当社は、酒屋さんの委任を受けました酒造米の買い付け代行というのをやっております。それは私承知しております。それから米菓業者といいますか、あられ屋さんとかそういうところへのくず米とかそういう種類の米の取り扱いを、委任を受けてやっておるということも承知しております。しかし、食糧のウルチ米というのは、私のところはやっておりません。(松浦(利)委員「酒米はウルチ米ですよ」と呼ぶ)いや、飯米というのはやっておりません。
  61. 松浦利尚

    松浦(利)委員 これはあなた方に聞いておってもらいたいのですが、実は食糧庁のほうでモチ米の必要な実需者から申し込みを受けて、それを確保して実需者に渡すために、食糧庁、政府機関が努力をしておる。ところが、昭和四十四年以来、実需申し込みに対して販売実績が伴わない。政府手元に集まってこないのです、米が。昭和四十七年度において三十万八千トンのモチ米が必要だったにかかわらず、実際には十三万三千トンしか手に入らない。作付面積を見ると、実際に少しは減っておるけれども、実質的にこの実需を満たすだけのものはある。ところが、これが買占めの対象として、未検査米あるいは検査米等も通じてどんどんと商社のほうに買われてしまっておるという現実があるのですね。たいへんな問題だと思うのです。  おそらくそういった面を考え橋本参考人は、米には手を出すな、こういうことを言っておられるのだと私は思うのですが、六人の商社の皆さん方全部にいろいろ聞いておっては時間がありませんので、この際、橋本参考人から——現にあなたのところも、こういった酒米も含めて、酒米の数量からいえばこれはたいへんな数量なんですよ。酒米の年間必要量からくれば、おたくが買っておる量というのはたいへんな量になるのです。そういった点を考えると、これほど問題になっておる、しかも国民の主食である、あるいは他に影響を与える米というものに対して、商社はやはり、あなたの言うように撤退をすべきだ、このように考えるのですね。この際、橋本参考人代表してあなたの御意見を承っておきたいと思うのです。
  62. 橋本栄一

    橋本参考人 私が皆さんの意見代表して申し上げるというわけにはいきませんけれども、私の考えといたしましては、現在酒米をやっておる事情を私よく聞いてみたのですが、それは酒米のいままで入っておったのが、いろいろ品質の不統一とかあるいは包装の不行き届きとかいうふうなことで、いろいろ原料として問題がある、そういう点を、われわれに委任買い付けをすることによって改良することができるという観点から介入をしておるというふうに、私は承知しております。  つきましては、そういう問題点が、はたしてわれわれが実際に功労と申しますかメリットが介入にあるということであれば、これは私どもが単純に簡単に、それじゃそういうことで、かってに自分の意思でやめるというふうに言うのも、相手のあることでございますから、よく相談をしまして善処しなければならないと思います。しかし、私個人の意見としましては、前からこれはもう、私いま言っておるわけではないんで、まあ米のような問題には商社は手をつけないほうがいいんじゃないかという私の個人の考えは変わりません。
  63. 松浦利尚

    松浦(利)委員 米は三菱商事も全く同じなんですね、三井と大同小異。自主流通米移行後、米をねらって流通開発チームというようなものをつくって、大阪支社を中心にして米に手をつけておることは事実なんです。これは、われわれよりもあなたが一番知っておられると思うんです。だから、いま言われた橋本参考人意見を、あなた自身も、どう思うかという意見をぜひここで述べていただきたいと思う。
  64. 山田敬三郎

    山田参考人 いま御指摘の点でございますけれども、わが社は酒造米を扱っております。しかし、これは実は食管法、それから食糧庁長官、全部打ち合わせまして、いわゆる酒造業者の利益考え効率化を考えてやっておりますので、別に、この問題については社会的にむしろプラスになっておる仕事と思って、続ける意思でございます。
  65. 松浦利尚

    松浦(利)委員 この問題はまたあとの機会にやりますけれども、あなたのところは、年間処理能力二十万俵の精米所を二カ所建設をして、そして実際に飯米用にまで手をつけるべく現実にやっておられる。酒米だけじゃない。この問題だけに限定しておっては時間がありませんから、いずれにしてもこの問題については、また後刻われわれのほうで議論をさしていただきたいということで、一応打ち切っておきたいと思うのです。  それから、これはやはり橋本参考人にお尋ねをするのですが、商社は売り手と買い手の仲介をする仕事なんだ、そして輸入物資については水ぎわまで運んでくればいいんだ、こういうふうに商社活動としての定義を述べておられる。ところが、実際にわれわれが調査した範囲内では、水ぎわまでどころか、もう水ぎわからずっと上陸をしてしまいまして、消費者末端まで完全に垂直統合が完了しつつあるわけなんですよ。商社活動は輸入物資について、水ぎわだけじゃない、もう現にずっと末端までいってしまっておる。その点について、あなたはこう発言をしておられる。先ほども与党の質問発言をされたし、新聞等でも、あなたはそういうことを言っておられるのですけれども、商社活動が現実にそこまでで終わっておると、あなたはいまでも思っておられるのですか。
  66. 橋本栄一

    橋本参考人 私の申し上げますのは、商社活動の基本というものは輸入行為、つまり水ぎわまで物を持ってくるのが一番重大な行為である。もちろん、その持ってきた物を水ぎわで渡してあとは知らないというふうなわけには、商品によっては私はいかないだろうと思います。しかし、その基本は、輸入して水ぎわまで持ってくる行為が一番重大な、本質的なものであるということを申し上げておるわけであります。
  67. 松浦利尚

    松浦(利)委員 それでは、水ぎわまで持ってくることが大切であると同時に末端まで持っていくことも大切になりつつあるということを、私はいまから、ルートを通じて御説明を申し上げておきたいと思うのです。  これは、四十七年度の木材輸入が一番多かった三井物産、日商岩井ですね、ですから日商岩井の辻参考人にお尋ねをしておくのですが、これは通産省報告にも出ておるのですけれども、まず米材を私のところで調べてまいりますと、非常に国内材の値上がりがあった。ところが、実際に通関統計等から調べてまいりますと、一番材の上がった八、九月に入ってきました米材の価格を一立米メートルに直しますと、八月で一万六千百五十八円、九月で一万六千三百九十三円、十二月で一万六千六百六十八円と、輸入原木の価格というのはさして上がっておらない。ところが国内価格がべらぼうに上がって、消費者がたいへんに迷惑をしておるわけです。これを通産省のほうの、六大商社取引量ということでこの前中曽根通産大臣が発表したわけでありますが、そういった安い材が入ってきておるにかかわらず、四十七年度の下期における売買益の総額は百四十九億一千五百万円、売買益はマージン率として一二%という高額のマージンをとっておる。  こういう事実を見ましたときに、入ってきておる原木がさして値段が変わらないのに、国内において売られた価格がきわめて高くなった、その高くなった原因は一二%という高いマージンが含まれておるというところに大きな要因があるというふうに私たちはとるのですけれども、日商岩井の辻参考人は、そうじゃない、こういうふうに思われますか。
  68. 辻良雄

    ○辻参考人 ただいまおっしゃいましたとおり、昨年の暮れごろに入った原木につきましてはかなりの利潤が生じております。  ただ、この原木の、特に米材の場合の取引の実情を一言申し上げて御了解を得たいのでございますが、われわれ、米材の買い付けをして、そして現実にこちらに入ってきて販売できるような状態にするまでには、平均少なくとも六カ月以上の……(松浦(利)委員「そういうことはわかっておるのです」と呼ぶ)それで販売のほうは、内地側に持ってきたときの買い手との相談によってきめるわけでございます。したがいまして、最近入った材につきましてはかなりの利益が出ておるのは事実でございます。  しかし、さらに申し上げたいのは、一時的と申しますとなんですが、仕入れがこのくらい先行するために、今度のように、持ってきて利益を生ずることもございますが、また、御承知かとも思いますが、二年ほど前には、約一年間にわたりまして、持ってくる材が常に赤字続きというので、われわれ商社は相当損をした事実もございます。したがいまして、われわれの木材によって得る利益は、またまた今度は相当の利益になりましたが、どうか長期に御判断願えればけっこうだと思います。
  69. 松浦利尚

    松浦(利)委員 橋本会長、いまの辻参考人の御意見も含めて、あなたに今度は質問したいのですが、実は、いま言われたことは、私たちもよく知っておるのです。辻参考人の言っていることは、過去に損失をしたから、もうかるときには何ぼでももうけろという理屈にしか聞こえないのですが、それが商社活動の基本ですか。損したら、もうかるときにはとことんまで、一二%もマージン率をかけてもうける、これが商社ですか。どうです。
  70. 橋本栄一

    橋本参考人 辻さんの御説明にありましたように、こういう国際市況商品につきましては、商社は非常に損をすることもありますし、またそういうことを免れるときもあると思うのであります。ただ、辻さんのいまのお話を聞いておりますと、それを平均して考えてくれということをおっしゃっておるように私は思いますが、御質問のように、もうかるときにはとことんまでもうけていい、そういうことは考えてはいかぬと思います。
  71. 松浦利尚

    松浦(利)委員 それでは、もっと具体的にお聞きします。  橋本参考人と辻参考人、どちらでもけっこうですが、今度木材輸入価格で取ったこの一二%という売買益、これは適正だと思いますか。高過ぎると思いますか。もっと取れると思いますか。どうです。
  72. 辻良雄

    ○辻参考人 いまのような高利潤がいつまでも続くということは適正ではないと思います。
  73. 松浦利尚

    松浦(利)委員 適正じゃないということは、一二%というのが適正でないということですか。もっと具体的に明確に答えてください。一二%は適正でない、こういうことですか。
  74. 辻良雄

    ○辻参考人 一二%そのものをとりますと適正ではございませんけれども、先ほども申しましたように、ならしてお考え願いたい。  それと、もう一つ申し上げたいのは、一二%というのは、たしか郡司さんがどこかで申されたことばを総合してお出しになったあれではないかと思いますが、私どもの見たところ、もっと少ないのじゃないか、こう思います。
  75. 松浦利尚

    松浦(利)委員 それでは、通産省の資料が間違っておるということをあなたは言いたいわけですか。私は通産省の資料で申し上げておるのです。私が通産省からもらった資料です。その点はどうなんです。
  76. 辻良雄

    ○辻参考人 荒利益と純利益あるいは……(松浦(利)委員「そんなことはわかっているのですよ。売買益だ」と呼ぶ)売買益であるいはそれくらいになっておるかとも思いますが、大体一一%くらいではないかこ思います。
  77. 松浦利尚

    松浦(利)委員 いずれにしても、こういったことが木材価格高騰に拍車をかけたことだけは事実です。この際商社各位の反省を求めておきたいと思います。  同時に、これは三井物産に例をとりますが、原木を輸入します。そうして、いま三井の場合は、苫小牧、新潟、鳥取、博多、東京、千葉あるいは大阪、いろいろなところに丸太購入の水中貯蔵庫を持っておるほかに、いま申し上げたところに製材品輸入陸揚げ場所というのをつくっておられる。さらに三井建材センターというものをつくりまして、これをセンターにして三井農林市販部というのがありまして、これが系列問屋に全部おろしていく。そして垂直統合というのを、三井は原木について終わっておる。  この前、物特で木材関係者を呼んだときに、合板会社社長がいみじくも発言をしたのですが、いま原木を商社を通じて輸入して、合板になったその製品について、約八割商社のほうにまた売り戻します、こういう答弁をしておるのです。ですから、あなた方は、原木材から製品材にわたって価格をコントロールする力を今日持っておる。垂直統合が終わってしまったのですから、水ぎわどころか、もう輸入品については末端までコントロールする力をあなた方は持っておる。  こうなってきますと、橋本会長木材を例にとってみても、商社活動の一つが日本の物価に非常に重大な影響を与える。ですから、いまや商社の活動というのは水ぎわまででなくて、もう内陸まで上陸してしまって末端まで支配しているというのが、今日の商社活動の定義なんです。だとするなら、従来のそういった感覚を改めて、もっと適切な価格にして——商社は、売惜しみ、買占め等の行為を行なって価格を上げる、あるいは流通機構を狭くすることによって価格を支配することができる、こういった能力をあなた方はもう持っておるのです。これは橋本参考人でけっこうですが、こういった新しい段階に対してのあなた方の考え方をひとつ発表していただきたい。どのように対処しようとしておられるのか。
  78. 橋本栄一

    橋本参考人 ただいまお話がございました末端とわれわれの結びつきというものにつきましては、私は、いまのお話の中の、各地に陸上貯木場を持っておるとか、あるいは広島にセンターを持っておるということは承知しております。ただし、それぞれの合板工場もしくは問屋さんというものは、やはり私どもと別個の企業でございまして、われわれはそこに、あるものを買えとか、あるものを一定の値段で売れとか、そういうことは絶対にしておりません。
  79. 松浦利尚

    松浦(利)委員 また法案の審議の過程で、商社代表の方と流通段階のそれぞれの方に来ていただいて、ここで具体的に議論しなければならぬと思うのです。しかし、私たちが把握する限りでは、この前、合板の代表者が、原木を輸入して、その原木の製品はそのまま商社のほうに八割売ります、こういうことを言っておられるのです。それで、商社系列でずっと末端までおりていくんだ。もっと具体的に言うと、大手のところにはどんどん合板は出ていく。商社と契約を結んでおる大手の建設会社などには、合板はどんどん出ていく。小さな家を一軒建てるとか二軒建てるとかいう大工さんのところには、合板がなかなか回ってこない。いままでは回ってきたのが回ってこなくなったということは、流通が変わったということです。従来の流通経路が変わったということです。それが、商社活動によって流通機構がいま変わろうとしておる。その点は、あなたとここで言っておっても水かけ論ですけれども、もう一ぺんそういった点について、具体的に商社としてのやはり——ただ、承知しておりませんとかそういったことじゃなくて、やはりあなた方も、そういった点について、トップですからね、下部末端のことは知らないことがあるかもしれない。だとするなら、六社のきょうここにおられる皆さん方、そういった国内の流通について、全部もう一ぺん洗いざらい、あなた方自身検討してもらわなければ困ると思う。どうですか、その点は。
  80. 橋本栄一

    橋本参考人 私は木材の専門家ではございませんので、若干答弁に至らぬところがあったかと思いますけれども、御指摘の点につきましては十分調査いたしまして、もしそういう事実がありましたら、それに対して善処するようにやりたいと思います。
  81. 辻良雄

    ○辻参考人 ただいま合板の国内販売についてお話がございましたが、確かに合板メーカーから合板の問屋に流れる過程において、最近商社がこの取引に介入いたしております。それは商社がというよりか、むしろメーカーさんが、一括商社に売れば、金融上の心配もない、販売上の心配もないという、言うなれば販売力を買って、われわれに販売を委託しておる。したがいまして、われわれはいわば大問屋的あるいは金融的なトンネルの役をつとめておるだけでございまして、これはわれわれが手持ちをしてどうこうという段階ではございません。その程度のことは私承知いたしておりますので、お答え申し上げます。
  82. 松浦利尚

    松浦(利)委員 私のほうには責任がないと言いたいんだろうと思う。しかし、流通経路が一つふえればそれだけ価格が上がるんですよ、商社が介入したことによって。一次問屋とメーカーとの間にあなた方が介入したことによって、それだけ価格が上がるんですよ。そんなことぐらい、だれでもわかるじゃないですか。しかもそれが強制されておるのかどうか。それは原木を輸入する商社の意に反したら、原木が手に入ってこなくなれば、メーカーはお手上げですよ。そういった問題については、ここでは水かけ論になりますから、また日を改めて、法案審議の過程で内容を明るくしていきたいと思います。  そこで、三菱商事の山田参考人にお尋ねいたしますが、最近マグロの一船買いというのがある。盛んに新聞等で出てきておる。あなたのところは清水に、東洋冷蔵というものを昭和四十六年に設立しておられますが、その点は事実ですか。
  83. 山田敬三郎

    山田参考人 いま東洋冷蔵のお話がありましたけれども、一部株を持っていることは事実でございます。
  84. 松浦利尚

    松浦(利)委員 最近、清水において三菱商事が一船買いを行なっておるわけですが、これは最近でなくて、もう早くからこういった行為三菱商事において行なわれておるというふうに私たちは承知しておるのですが、その点、参考人承知しておられますか。
  85. 山田敬三郎

    山田参考人 私、担当でないものですから、ほんとう申し上げると承知をしておりません。ただ、そういう関係会社があることだけは承知しております。
  86. 松浦利尚

    松浦(利)委員 私が調べた範囲内でお話をしておきます。  清水に清水市場の埠頭があるのです。ところが、場外に船を着けて、三菱商事の指示によってマグロの一船買いというのがひんぱんに行なわれてきておるわけです。これは極端に言いますといまの市場法の抜け道でありまして、市場の港に入ってこずに、ほかの市場外の港に着けて——そのときに東洋冷蔵と船との間にやりとりがあったかどうか、それは私たち把握できませんけれども、いずれにしても市場外の港にマグロ船が着く。そこで一船買いが行なわれておるのですよ。しかも、それが三菱商事と、あなたのほうの持ち株の東洋冷蔵というものが現実に介在をしておることは事実です。これをやられますと、公営の市場から抜けたところでそういった行為が行なわれると、そのことが国民生活に重大な影響を与えるのだ、こういうことについて、あなたはそういうふうに思われますか。あるいは思われませんか。どうです。
  87. 山田敬三郎

    山田参考人 いま申し上げましたように、その問題について内容よく存じませんので、基本的な方針として、社会に反するような行為は絶対にやらないという基本的な方針でございますから、その観点からよく事情を調べまして御報告いたします。
  88. 松浦利尚

    松浦(利)委員 それでは、いまの三菱商事の一船買いの問題については、その事実行為について東洋冷蔵等を通じて資料を本委員会に御提出いただきたいということを、念を押して申し上げておきたいと思います。  そこで、伊藤忠さん、越後参考人でありますか、お尋ねをしておきたいのですが、あなたのところは、東京築地のある荷受け会社と共同出資によりまして中央食品商事というものをつくられましたが、参考人承知しておられますか。
  89. 越後正一

    越後参考人 申しわけございませんが、全然承知いたしておりません。
  90. 松浦利尚

    松浦(利)委員 それでは、これもひとつ、参考人のほうで資料を御提出いただきたいと思うのです。  これは、私が農林省の市場課あるいは東京築地の市場等を調べますと、中央魚類株式会社という荷受け会社があります。ここと伊藤忠が、共同出資によりまして中央食品商事というものをおつくりになっておられます。そして、この中央食品商事というのは、築地の魚はもちろんでありますが、場外で、たとえばAという港の産地卸から直接、この中央魚類株式会社を通じて中央食品に魚を流すというバイパスを、現実につくっておられるのです。これは市場を通らないバイパスであります。そういったことが現実に行なわれておるわけでありますが、こうした問題についてせひ参考人のほうでお調べの上で、これまた本委員会のほうに御提出いただきたいというふうに思います。  あと、時間がなくなりましたから、最後に丸紅檜山参考人にお尋ねいたします。  これは新聞に大きく報道されたのですけれども、豚肉の輸入問題で実に一億五千万円の脱税をしておられる。昭和四十六年十月の豚肉の自由化問題を利用いたしまして、輸入価格の操作をすることによってたいへんな脱税行為が行なわれておるわけです。ところが、これに対して、新聞の発表等を見ますと、安い豚肉を供給するのが何で悪い、こういう開き直り方が新聞に出ておる。ところが、実際にあなた方が安くしようと思ってしたかどうかは別にして、豚肉の値段というのは下がっておらない。逆に上がっておる。こういった違法行為をして、しかも消費者末端における豚の価格は一向に安定せずに上がりっぱなし、こういったものに対して、これは丸紅が介在をしておると新聞に出ておるのだ。この問題について、あなたのほうはどのように考えておられるのか。これは正しい行為だったといまでも思っておられるのか。消費者に安い豚肉を供給するのだからかまわないのだという開き直りで今日もおられるのかどうか、その点をひとつお聞かせいただきたいと思うのです。
  91. 檜山廣

    檜山参考人 そういうことは一向ありません。いま何か税関のほうで調査中ということを聞いておりますので、その結果を待っておりますが、それを、いま税関のほうで調査中ということを報告を受けました。  いまの一億五千万というようなことは、私、初耳ですが、何か、要するにスライド関税について疑義があるということで調査中であるということも承りましたが……。
  92. 松浦利尚

    松浦(利)委員 いまそういったものについて調査中だということしか承知しておらないのだ、私のところはやっておらぬのだ、こういうふうにいま聞こえておるわけですが、そういったことはやらなかったのですか。
  93. 檜山廣

    檜山参考人 そういうことじゃありません。要するに、調査中ということで、その結果を待っておるわけです。
  94. 松浦利尚

    松浦(利)委員 調査中だから云々じゃなくて、そういったことはしたのかしなかったのかということだけを聞いておるのです。だから、しなかったらしなかったと言われればいいじゃないですか、したらしたと。どうですか、その点は。
  95. 檜山廣

    檜山参考人 事実を調査中であるもので、まだ結果がわかっておりませんので、私がここで申し上げるわけにいきませんが、いま調査中であるということを聞いて、そのままになっておるわけです。
  96. 松浦利尚

    松浦(利)委員 調査中であるから私はここで言えないということは、逆に言うと、結果が出たときにどういう責任をとられるのかということまで、われわれは国会で、証人として呼んででも追及せざるを得ないと思うのです。結果が出たときには。自分のところでやった行為に対して反省するどころか、逆に、いや、それはいま調査中ですから、調査の結果が出るまではここでは何とも言えませんということであるなら、逆に言うと、商社モラルというのはもう存在しないということだ。食管法の違反をやって、警察が入れば、それはまた司直の手の結果が出るまでは云々、こういうふうにしてしまうし、あるいは脱税をやったって、これはいま司直の手が入っておりますから、結果が出るまでは何も言えません、そして結果が出たら、申しわけありませんでした。——そういうことであれば、まさしく法であって法でないじゃないですか。商社まさに法ですよ。商社行為そのものが法でないですか。  いまいったことを考えると、商社モラルというのはそういった問題じゃないと思う。現実に警察が入り、あるいは関税違反で問題を問われたとするならば、かりそめにも疑いであったにしても、現実にそういった行為は、商社モラルとしてこれから慎しむのだ。少なくても疑いのあるような行為はやめるのだ。間違っておったかどうかは、司直の手なりあるいは税務署の決定を待つけれでも、少なくとも世論に対して疑いをとるような行為のあったことについて反省をする。これが私は商社モラルでなければならぬと思う。ところがそうじゃなくて、全然やった行為については、向こうさんが調べておるというのだから、結論が出るまでは何も言えませんということであれば、これからでもこういうことが続くでしょう。  私は、この際、本委員会において、商社モラルを確立するために、あなた方自身であなた方がやれないんだから、そうなってくれば、法の許す範囲内においてわれわれがあなた方のモラルをつくり上げなければならぬ、このように思うのです。そういうことを私はここで最後に申し上げて、参考人意見を聞きたいと思う。
  97. 檜山廣

    檜山参考人 全くいまおっしゃったとおりで、決して、やったのをどうとかこうとかでなしに、結果を待ってその処置に従いますということで、それ以外に申し上げられないことは私の心境なんで、いま先生のおっしゃられたとおりの気持ちでございます。いま先生のおっしゃられたとおりの気持ちで私はおります。
  98. 松浦利尚

    松浦(利)委員 私の質問はこれで終わりますが、なお機会を見て、きょう来られた各参考人に対して、さらに参考人もしくは証人として本委員会で審議されるように、御出席いただけるように委員長のほうで御配慮いただくことを最後に希望して、私の質問を終わります。
  99. 山中吾郎

    山中委員長 小林政子君。
  100. 小林政子

    ○小林(政)委員 檜山参考人にお尋ねをいたしたいと思います。  あなたの会社で取り扱っておりますモチ米の数量は、昭和四十五年度産米について一万三千トン、金額に直して二十一億円、また四十七年度産米については四十億円と新聞に報道されておりますけれども、これは事実でございますか。
  101. 檜山廣

    檜山参考人 大体その見当の数字だと承っております。(「承っておるとは何だ、ふざけたことを言うな」と呼び、その他発言する者あり)
  102. 小林政子

    ○小林(政)委員 四十億円は、一俵一万円ということで計算してみますと四十万俵になるわけです。したがってこれは二万四千トンということになるわけですけれども、農林省が報告をいたしておりますあなたの会社の四十七年度産のモチ米の実需者の代行買い付けのこの数量は、七千八百トンなんです。     〔委員長退席、井岡委員長代理着席〕 この二万四千トンから七千八百トンを差し引いた一万六千二百トン、これは自主流通米以外の米、つまり、いまいろいろと問題になっておりますやみ米を扱ったということになりますけれども、この事実を認めますか。
  103. 檜山廣

    檜山参考人 ただいま、しかられるかもしれませんけれども、本日あたりから捜査の最中であると思いますので、その捜査の結果、その結果十分判明すると思います。
  104. 小林政子

    ○小林(政)委員 私は、犯罪捜査という立場からこの問題を取り上げているのではございません。いま大きな社会問題になっておりますいわゆる米の買占め問題、これらの問題を含めて、国民の中から、この際やはりこの点については明確にしてほしいという大きな期待が国会にかけられております。私は、警察が捜査に入っているという問題については、これは司直の手でやればいいと思います。しかし、私はそういう立場ではなくて、買占めという問題についてお伺いをいたしておりますので、国会は御承知のとおり国民の最高機関でもございますので、ここで良心に従って正しい答弁をしていただきたいと思います。
  105. 檜山廣

    檜山参考人 買占めとか売惜しみということは絶対いたしません。そういうことは絶対ありません。(発言する者多し)
  106. 小林政子

    ○小林(政)委員 質問に正確に答えてください。  数量の点については、先ほど、大体そのぐらいだと承っておりますということを聞いたんですけれども、ちょっとおかしいなと思いましたけれども、しかし、あなたがそのことを認めたということは、大体そうだと思いますということを述べたということは、これは正規に扱ったこのモチ米、その大体倍以上のやみ米を扱ったということに数字の上では出てくるんです。一体、この責任についてはどうお考えになりますか。
  107. 檜山廣

    檜山参考人 それが司直の結果判明しましたならば、それに対して、その次第に従うつもりでございます。
  108. 小林政子

    ○小林(政)委員 私は、少なくとも丸紅責任者として、御自分のところの問題でございますので、一番よく御存じだと思うのです。したがってお聞きをいたしているわけですから、その点については国民が聞いているという立場で、ひとつ正確にお答えをいただきたいと思います。
  109. 檜山廣

    檜山参考人 私、まことに監督不行届きで相すみませんですが、全くわからないのです。それで、いま私も大いにあれをやっているのですが、司直の捜査の結果はっきりすれば、それによって私ども、全部のあれをしようと思っております。
  110. 小林政子

    ○小林(政)委員 司直の手が入っているからといって、私が具体的な事実をお聞きをしているのに対してお答えできないというようなことは、これは筋違いではないでしょうか。それでは、国会に参考人としてお呼びしても、何も聞けないということになるじゃありませんか。そんなばかなことはないと思います。
  111. 檜山廣

    檜山参考人 いま、やみであるかどうかということを調べておる段階でございますので……。
  112. 小林政子

    ○小林(政)委員 四十五年産米の取り扱い量は一万三千トンであって、そして四十七年度産の取り扱い量が二万四千トンということを認められたわけですけれども、そうしますと、三年間でその取り扱い高というものは倍になっているわけです。したがって、このような正規ルートの、代行買い付け以外のものも含めて、これが倍になっている。わずかの期間に二倍になったというようなことについては、ここにやはり問題の本質、いわゆる投機が、買占めが行なわれていたんではないか、こういうことを私は指摘したいと思いますけれども、この点についてどのようにお考えですか。認めますか。
  113. 檜山廣

    檜山参考人 これは全部覚え書きをかわしておりまして、その覚え書きに従って集荷をしておる、また販売をしておる。また、委任状をそのつどいただいて、そして各需要家に荷渡しをしておる。そういうことで、売惜しみあるいは買いだめというようなことは絶対ありません。ただ、何か小口で集めて大きくまとめて荷渡しをするので、その間若干在庫として停滞するというようなことであるそうですが、いずれにしましても一俵の手持ちもありませんし、集荷したものを需要家に荷渡ししているということでございます。
  114. 小林政子

    ○小林(政)委員 食糧庁がさきに食管法違反の疑いがあるといって告発をいたしました東京都あられ工業協同組合に対して、丸紅さんは、いわゆる東京都あられ工業協同組合名義の委任状を三月の二日に作成して、しかも四十七年十月に日時を遡及して捺印をしてくれ——委任状というものはこういうものですか。これじゃ明らかに偽造じゃないかと私は思うのです。しかも天下の丸紅が、一体なぜこんなことをやらなければならないのですか。私は、これは明らかに捏造じゃないか、偽造ではないか、このように考えますけれども、この事実についてお答えをいただきたいと思います。
  115. 檜山廣

    檜山参考人 東京あられ工業協同組合さんとは、昨年の八月二十三日に正式に取りかわした覚え書きがありまして、それによって買い付け委任を受け、大体荷渡しのときに委任状あるいは個々の契約書を作成するという商習慣になっておるそうです。それで、大体、例年の例によりますと二月に荷渡しが集中しますので、覚え書きがベースになっており、そしてそのあと覚え書きによって、今度はそれを基準に契約書をそのつど、荷渡しに従って作成していく、こういうことで、あられ組合が八月二十三日の覚え書き、その次の契約書の日付が一月十七日になっておるということを聞いております。
  116. 小林政子

    ○小林(政)委員 これは東京都あられ工業協同組合だけじゃないのです。これはともかく昨年の十月にはるか遡及して実際に判を押させたという事実は、新潟その他のいわゆる加工業者も、全く一致しているのですよ。このことは、やはり丸紅が十月に、いま問題にもなっておりますけれども、米の買占めをしていて、その在庫米をいわゆる代行買い付けだ、委任状をもらった代行買い付けなんだというようなことに見せかけるための、それこそ偽造じゃないか。この点はっきりさしてください。
  117. 檜山廣

    檜山参考人 新潟三社とも同じように、九月の二十六日に七万一千七百五十俵の買い付け委任をいただいておって、そして二月十六日に今度は品物を渡した際に契約をつくっておる、こういうことであります。大体、従来のお得意の関係で、さらに口頭取引のケースが多い。そこで、覚え書きが一本あるので、あとは口頭取引で、逐次その集荷状況をにらんで委任状を書き、また個々の契約書に作成していく、こういうことになっております。
  118. 小林政子

    ○小林(政)委員 委任状がなくてどうして品物が集まりますか。どういうルートでどのようにやるのですか、委任状がなくて。実需者の委任状を得て……。
  119. 檜山廣

    檜山参考人 委任状を九月二十六日にもらっておるわけです、新潟三社とそのほかに対して。
  120. 小林政子

    ○小林(政)委員 それじゃ東京あられをはっきりさしてください。
  121. 檜山廣

    檜山参考人 東京あられは、八月二十三日に覚え書きができておりまして、一月十七日に契約書をつくっております。(「委任状はいつなんだ」と呼ぶ者あり)委任状の日付はわかりませんが、口頭で逐次……(「それを聞いているんだ」と呼ぶ者あり)それは追ってまた……
  122. 小林政子

    ○小林(政)委員 三月二日ですよ。
  123. 檜山廣

    檜山参考人 いずれにしましても口頭取引でやっておるので、そういう書類がジグザグになるということを聞いておりますが……。     〔井岡委員長代理退席、松浦(利)委員長代理着席〕
  124. 小林政子

    ○小林(政)委員 いまの問題についても、まだ釈然としないのです。しかし、委任状があとからつくられる、しかも昨年の十月にさかのぼって、日にちを遡及した委任状をつくっている。あるいは取り扱い量についても、このわずかの期間にはるか二倍を上回るというような米の取り扱いをやっておられる。こういう事態の中で、私は先ほど委員長にお断わりをいたしましたので、ちょっと図面で説明したいと思います。  お米の相場、価格の上がり状況を、私はグラフにしてわかりやすく説明をしたいというふうに思いますけれども、これはモチの玄米の、いわゆるやみ米の東京相場の推移図の一覧表ですけれども、     〔松浦(利)委員長代理退席、井岡委員長代理着席〕 この資料は、日経新聞の主要市中相場からずっと新聞に出ておりますものを抜き取りまして、そしてこのグラフを作成したものですけれども、四十七年産にいわゆる買い占めた相場の特徴を、私はこのグラフによって説明したいと思うのです。  本来であれば、米の相場というものは端境期は比較的高くて、そして新米が出始めてくる場合に一応下がるわけですね。このグラフでも、こう下がるわけです。たとえば四十五年産米を見てみますと、ここでずっと、この茶色い線が示しているように、若干上がり下がりがございますけれども、しかし、実際には平均をしているわけですね。そしてまただんだん、端境期が来ると徐々に徐々に高まっていって、そして新米の出るころに価格が下がる。これがずっとここのところ、平常のペースが続いているわけです。四十五年産あるいは四十六年産米と。  ところが、これは四十七年産米のグラフです。四十七年産のこのグラフを見ますと、四十六年の端境のいわゆる最高のところをそのまま引き継いで、下がるどころか、ずっと上がりっぱなしです。全く急カーブで一直線に上がりっぱなし。そして、いま一番低目のところで見ても一万四千円、このグラフでおわかりになると思いますけれども、このように価格が暴騰しているのですよ。しかも、おたくがいわゆる買占めに入ったといわれるような時期は、それを境にしてぐっとここでもって——私どもやはり米の買占めというものが、何も丸紅だけじゃないけれども、そのほかの商社も私はあると思いますけれども、その時期を境にしてぐっとここでもってこのような急カーブを描いているということは、私は問題だと思います。  これらの点について、一体どうお考えになっていらっしゃるか。
  125. 檜山廣

    檜山参考人 私のところは、先ほど申し上げましたように、基本契約によって契約を代行をやっておりますので、一万一千円と九千七百円、この値段で全部荷渡しもしておるし、契約も履行しております。そんな高い値段でなしに、自主流通米の……
  126. 小林政子

    ○小林(政)委員 実際に自主流通米に乗る量が五%でも減れば、それだけ価格が、相場はどんどんつり上がっていく。こういうような関係はおわかりでしょう、専門ですから。     〔井岡委員長代理退席、委員長着席〕
  127. 檜山廣

    檜山参考人 いずれにしましても、私どもではモチ米の九千七百円と一万一千円でしか商売しておりませんから、そういう上がったというようなことは——ただ、要するに委託代行をやって、そして覚え書きの一万一千円と九千七百円で全部処理しておるので、それはそういうだけで、私のほうでそういう高値で買い進んだということなら、これはまた問題でしょうが、要するに九千七百円と一万一千円で売っているということですから……。
  128. 小林政子

    ○小林(政)委員 いま私はあなたにこの価格のことで話をしたのは、先ほども話が出ていましたけれども、自主流通米のいわゆる全農、全集を通して正規のルートの米が、横からどんどん買い占められていけば、そのルートというものは非常に細くなっていく。したがって、そこで価格もやはりつり上がっていく。こういうような点が現在のお米の相場の中に反映をしてきているのではないか、こういうことを私は言っているのです。これについてあなたはどういうふうに考えるかということをおっしゃっていただきたい。
  129. 檜山廣

    檜山参考人 私どもは、この代行によって非常に上がったとすれば、これは申しわけないことなんで、それ以外に何も、申しわけないと申し上げるほか、おわびを申し上げるほかございません。もし、私どもがこれだけの、先ほど申し上げましたような取り扱いをやったために、しかもその値段は先ほど申し上げましたような値段で処理して、にもかかわらずそういう高騰が、私どもの行為のために上がったとしましたらば、私はもうまことに申しわけないし、その……
  130. 小林政子

    ○小林(政)委員 あなたのところは前から、いわゆる全農、全集を通らない、自主流通米という、いわゆる検査米という米を持っていたわけでしょう。具体的に、四十六年のときに一万六千俵、これをおたくが持っているということをはっきりと確認して、ある実需者がおたくに、ことしはもう少し集めてもらえるのではないかというような期待を込めて話をしたという事実があるのですよ。すなおに、やっぱり事実は事実として認めなければ、まずいと思いますけれども、……。
  131. 檜山廣

    檜山参考人 いつでございますか。
  132. 小林政子

    ○小林(政)委員 昨年の八月の時点です。
  133. 檜山廣

    檜山参考人 先ほど申し上げましたように、とにかく小口で集めたものを一括して各地に発送するということで、その間に、寄託者として丸紅なら丸紅という各前が載っておった時代があったのかと思いますが、しかし、それは全部、各需要家の委任状によって受託代行しているわけで、いずれにしても、わが社が一粒のお米でもほかに、要するに東京あられとかあるいは新潟の三社とかそれ以外のところに一粒の米でも渡ったことはありませんし、値段も全部九千七百円と一万一千円でございまして、そういう配送の関係で、あるいは一時的にそういう倉庫に在庫があった時代があったのかもしらないと、私は想像します。
  134. 小林政子

    ○小林(政)委員 私は、参考人としてお呼びしているのであれですけれども、しかし、正確に——私どもも調査をした上でこれは述べているのですから。ですから、きちっと答えてもらわないと、これは問題だと思うのです。たとえば一月十六日に丸紅のほうから、標準の価格よりも二千円ぐらい高い金を出せば、水稲一万三千円で、あるいはオカボの場合は一万一千七百円で買わないかというような声をかけられた具体的な事実の、私は証人の人のお話も聞いております。私どもは具体的に調べ上げた上で質問しているのですから、こういう事実があったのかなかったのか、そういう点、明確にしていただきたいと思います。
  135. 檜山廣

    檜山参考人 その点も私調べてみましたのですが、先ほどの図にありましたように、だいぶ自主流通米の値段が上がったころに、なかなか集荷も容易じゃないが、何か少しはというような話をしたことはあるということを、その担当課長が言っていましたが、しかし、それは契約書に基本契約があるので、そのまま九千七百円と一万一千円で全部履行して、その二千円とかなんとかというようなことは全然ない。それも、調査の結果十分おわかりになると思います。
  136. 小林政子

    ○小林(政)委員 そういう事実はなかったということですね。
  137. 檜山廣

    檜山参考人 ええ。
  138. 小林政子

    ○小林(政)委員 はっきりとなかったと断言なさいますね。
  139. 檜山廣

    檜山参考人 話をしたということは、課長は言っていました。
  140. 小林政子

    ○小林(政)委員 そうであれば、もう少し私のほうは具体的にしたいと思いますけれども、間違いありませんね。
  141. 檜山廣

    檜山参考人 課長がそこへ行って話をして、こんなにずいぶん上がった、ずいぶんおれたちも苦労をしているんだ、どうなんだというようなことは話をしたことはあります、ということを私に明言しておるのです。しかし、二千円とかなんとかというようなことじゃなしに、非常に苦しいからどうなんだということは、結局それは契約どおりに履行するということになったということで、それははっきり帳簿も、私も見てまいりましたが、そのとおりになっております。決してそういう高いものを売ったとか、そういうことは全然ありません。全部九千七百円と一万一千円ということで処理されておりますし、また、そうなっておると思います。
  142. 小林政子

    ○小林(政)委員 私は、おたくがこのような二千円高で、そういうものならばお世話するということを言ったこと自体が、やはり相当の在庫を持っていて、おたくが買占めをやっていたからそういうことができるんじゃないか、こういうことをこの問題で質問したのですよ。
  143. 檜山廣

    檜山参考人 買占めをやったからということじゃなしに、お互いに非常に長いおつき合いなものですから、こういう集荷にもたいへん手間どるし、なかなかむずかしいからどうだというようなことで、持っているものを高く買えとかそういうことではなしに、なかなか集荷がむずかしい、そういうことはどうなんだということを意向打診したが、それはもうそういうことでは要らないということで、結局九千七百円と一万一千円ということになっておるということです。
  144. 小林政子

    ○小林(政)委員 丸紅の今回のいわゆる米の買占め問題は、いま警察の捜査を受けている幾多の製造業者だけではなくて、私どもはこの問題について相当調査をいたしました。その結果、これはもうほとんど東京を中心に相当広範な地域にこのような事実があるということを、具体的な調査資料に基づいて私どもは確認をいたしてまいりましたけれども、たとえば、丸紅会長の市川さんの友人であります小野瀬さんが役員をしております茨城の食糧販売協同組合、略称茨食というふうに言っていますけれども、ここでも約二千八百八十俵、これを金額に直して二千七百九十三万六千円相当の丸紅との直接の取引があったという事実も、私ども確認しております。また、そのほかにも、具体的には川光物産あるいは川光倉庫、こういったようなところとの取引も、具体的な数字を確認しておりますけれども、こういう事実、お認めになりますか。
  145. 檜山廣

    檜山参考人 私、まことに監督不行き届きか、全然それも詳しくわかりませんので、いま何とも申し上げられません。
  146. 小林政子

    ○小林(政)委員 それでは、北海道の旭川の六条通りにある旭川米穀株式会社に対して丸紅が指図をしてモチ米を買わせていた、こういう事実、これは北海道へ行ってお聞きになればわかりますけれども、町の中で有名な話ですよ。こういったような事実があったんでしょうか。
  147. 檜山廣

    檜山参考人 これは北海道農産物集荷協同組合ですか。
  148. 小林政子

    ○小林(政)委員 旭川米穀。
  149. 檜山廣

    檜山参考人 それじゃ、まことに相すみません、これは調べてまた御連絡申し上げます。  いずれにしましても、先ほど申し上げましたように、私どもは、要するに融資による委託代行で、実需先の集荷のためで、買占めとかなんとかいう意味であれでなしに、各地でそういう集荷をお願いして、それを実需者に渡したということでございますので、その点だけは、ぜひともここで御理解をお願いしたいと思います。
  150. 小林政子

    ○小林(政)委員 正規のルートを通った米でないのを、私はいま幾つかずっとお聞きしているわけです。そののほかまだたくさんございますけれども、しかし時間の関係でいま二、三を、私どもは具体的に足で調査をして、党として具体的に内容を調べたところについて、二、三報告をしたにすぎないのです。  私どもは、時間があれば、もっともっと具体的な事実に対してもここで出していきたいというふうに考えますけれども、このように反社会的な、明らかに相当広範囲にわたって米の買占めが行なわれている、こういう疑いというものはますます強まるばかりです。私どもは、やはり社会福祉に反する、反社会的な行為というものについて、これはほんとうにきびしく反省もしてもらい、そうしてまた、このようなことが一体どういう形で具体的に行なわれているのかという実態等も、国民は非常な関心を持って見ております。このような事実をやはり克明に明確にしていくことは非常にいま重要な段階ではないだろうか、このように考えますし、また、本来、証人であるならば、私ども、そういう問題についても具体的に、虚偽の、間違った、そういう事実に反することを言われれば、これに対しても、これは偽証ということにもなるわけですけれども、この問題については非常に強い態度で今後明らかにしていかなければならないというふうに考えますし、また、いまの問題を国会の中で明らかにしていくために、米の在庫についてのたなおろし表だとかあるいはまた仕入れ元帳とか販売元帳あるいは添付書類、未検査米のあるいは規格外米の買い付け契約書、こういったような問題を具体的に、私どもはこの国会に資料として提出してほしいと思うのです。
  151. 檜山廣

    檜山参考人 全部、その調査の結果に従って、皆さんにはっきりさしたいと思います。
  152. 小林政子

    ○小林(政)委員 ただいまの私が申し上げましたこの資料については、委員会提出をしてもらうように委員長から……。  これは当然あるべき帳簿ですから、お出しいただけますね。——以上四点の書類についてお出しいただけますね。
  153. 檜山廣

    檜山参考人 これは調査の結果、必要な書類は全部皆さんにはっきりさせるつもりでいます。
  154. 小林政子

    ○小林(政)委員 何の調査を言っているのかわかりませんけれども、私はこの四点を……。
  155. 檜山廣

    檜山参考人 いま当局の調査の結果、これがこうである、こうであるということがわかりましたら、それについて……。
  156. 小林政子

    ○小林(政)委員 これは犯罪捜査と関係なく、おたくが持っている帳簿を出してくれということです。警察に出せるけれども、国会には出せないとおっしゃるのですか。
  157. 檜山廣

    檜山参考人 そういう意味ではないのです。結果が白黒がはっきりした上で当然出すべきものは出してあげますということです。
  158. 小林政子

    ○小林(政)委員 出してあげますということじゃなくて、ここの国会に以上の点を明確にしていくためにも、こういう四点を、私は資料要求としてこの委員会に出してほしい。出せるのか出せないのかという点を明確に言ってください。
  159. 檜山廣

    檜山参考人 ただいま申し上げましたように、はっきりしました上で当然出すべきものは出すということを申し上げます。
  160. 小林政子

    ○小林(政)委員 私は、やはりこれは当然、いまこれだけの大きな問題にもなっておりますので、国会に提出をしていただきたいと思います。そうでなければ、具体的に審議はもう進まないと思いますね。お聞きしても、具体的にはおわかりにならない。こういうことでは審議は進まないと思いますし、私はそういうことであれば——いま私が申し上げました書類は、おたくにございますね。
  161. 檜山廣

    檜山参考人 何と何ですか、ちょっとお知らせください。
  162. 小林政子

    ○小林(政)委員 何のことだかおわかりにならなかったのですか。
  163. 檜山廣

    檜山参考人 いや、はっきりさせるためにです。
  164. 小林政子

    ○小林(政)委員 米の在庫についてのたなおろし表です。
  165. 檜山廣

    檜山参考人 いつのですか、何月何日の……
  166. 小林政子

    ○小林(政)委員 仕入れ元帳、販売元帳……
  167. 檜山廣

    檜山参考人 何月何日現在の在庫表ですか。
  168. 小林政子

    ○小林(政)委員 四十七年産米についてですよ、私が言っているのは。
  169. 檜山廣

    檜山参考人 いつ現在のですか、何日の時点におけるですか。
  170. 小林政子

    ○小林(政)委員 四十七年産米の今日までのですよ。
  171. 山中吾郎

    山中委員長 小林君、ちょっと整理しますから……。
  172. 檜山廣

    檜山参考人 在庫は、何日現在で幾らという……
  173. 山中吾郎

    山中委員長 檜山参考人、ぼくの許可を得てから質問するようにしないと……。
  174. 小林政子

    ○小林(政)委員 それに、仕入れ元帳、販売元帳、それに添付する書類ですね。あるいは未検査米、規格外米の買い付け契約量ですね。この明細をお出しいただきたいと思います。
  175. 檜山廣

    檜山参考人 では、確認するためにお聞きしますが、四十七年産米のモチ米の何日現在の在庫ですか。
  176. 山中吾郎

    山中委員長 檜山参考人委員長の許可を得てやってください。それで、答えるだけ答えたらすわってください。
  177. 檜山廣

    檜山参考人 あと仕入れ元帳と販売元帳と未検査米の取り扱い数量ですか。
  178. 小林政子

    ○小林(政)委員 そうです。それを出してもらえるのですか、もらえないのですか。出せるのか出せないのか、はっきりしてください。
  179. 檜山廣

    檜山参考人 これは出せると思います。しかし、元帳というのはいまどういうふうな書式になっているかわかりませんが、いずれにしても、これに類似するような数字は出せると思います。
  180. 小林政子

    ○小林(政)委員 そうしますと、委員会提出をしていただけるということですね。
  181. 檜山廣

    檜山参考人 出せると思います。
  182. 小林政子

    ○小林(政)委員 いつごろ出せますか。
  183. 檜山廣

    檜山参考人 そんなに時間はかからないと思いますが、いつごろまでに御所望ですか。
  184. 小林政子

    ○小林(政)委員 すぐにでも提出をしていただきたいと思います。——いますぐにでもいうことについてお答えをいただきたい。
  185. 檜山廣

    檜山参考人 時間はあまり確約できませんが、とにかくできるだけ早くいたしましょう。
  186. 小林政子

    ○小林(政)委員 では、時間がもう切れておりますので、以上で質問を終わります。
  187. 山中吾郎

  188. 石田幸四郎

    ○石田(幸)委員 私は、まず檜山参考人にお伺いをしたいと思いますが、今回のモチ米の買占め事件につきまして、各紙にいろいろと報道をされております。こういった状況になったところから、今日の委員会におきましても、今後米の取り扱いをやめる、このようなお話がいまあったわけでございますけれども、私どもがいままでお話を聞いてきた経過、あるいは一昨日におきます自民党と皆さんとの対話の状況等の新聞を拝見をいたしておりますと、このような事件が指摘されて以来、たいへん世間に御迷惑をかけたので、今後は米の取り扱いをやめたい、このような御意見のようでございますけれども、この問題について、私は単に世間を騒がしたからやめるというのでは、商社の道義的な責任は十分に果たしてない、このように考えざるを得ないのでございます。と申しますのは、もし木材あるいはその他の問題におきましても、世間を騒がしたからやめるというのであれば、これはいろいろな問題に波及してくるわけであります。  さらにまた、一昨日の自民党との会合におきましても、橋本参考人は、商社の活動対象を縮小されたいという希望に対して、小さな商品の扱いは整理したいという旨も表明されております。しかし、これとても、小さな商品だからというような、取り扱い高が小さいからというような問題で考えるべき性質のものではなかろうと思います。やはり、社会的に大きな影響を与えております商社の最高責任者といたしまして、その理由をもう少し明確にする必要があるのではないかと私は考えるわけであります。  しからば、米の問題についても、そういう社会問題にならなければ従来どおり行なうのか、あるいはそういった米の問題がいわゆるほとぼりがさめてしまえばまた行なうのかというような疑念もまた、当然わいてくるわけであります。そういう意味におきまして、まず檜山参考人に対し、この米の取り扱いをやめるもう少し正確な意見を述べていただきたい、このようにまず質問を申し上げる次第であります。
  189. 檜山廣

    檜山参考人 私の気持ちとして、全く監督の不行き届きからこうした世間をお騒がせしたということで、まず第一にそれが、今度やめる動機になりました。  同時に、米という商品そのものは、一体われわれ商社の取り扱い対象として、今後とも取り扱うことが是か非かということもいろいろ考えてみましたが、やはりこの主食というものは、人類の生活にとって何といっても非常に大切なものであるということで、商社という性格からいって、米というものは、やはり内地米というものは取り扱わないのがいいんじゃないか、そういうことで、むしろまだ米それ自体が、今後食管のあり方がどういうふうな方向に向かっていかれるかわかりませんが、一体ほんとうに自由というふうな方向にいくのか、あるいはさらにきつい統制ということにいくべきなのか、その辺も非常にさだかでないということから、この際やはり商社としては、内地米というものの取り扱いをやめたほうがいいんじゃないか、こういうことでやめた次第でございます。
  190. 石田幸四郎

    ○石田(幸)委員 いまの御意見でも、まだ判然といたしません。この檜山参考人のお考えが、生活物資の中軸である、そういう性格を持っているから米をやめるとおっしゃっているのか、あるいはまた、自由競争というような問題がまだ完全に解決されていないからやめるとおっしゃっているのか、そこら辺のところがまだ判然としないように私はいま承りますから、もう一度御答弁を願いたいと思います。
  191. 檜山廣

    檜山参考人 両方を勘案しております。
  192. 石田幸四郎

    ○石田(幸)委員 それでは橋本参考人に……。  先般の、いわゆる小さい商品について云々ということばがあったと思いますけれども、ここら辺だけでは、これは十分な解明ではないわけでございまして、先ほど土地の問題あるいは米の問題に対する「エコノミスト」での見解も承りましたけれども、そこら辺のところをあわせて、もう少し具体的におっしゃっていただきたいと思います。
  193. 橋本栄一

    橋本参考人 お答えいたします。  私の、土地や米というものはやるべきでないという考え方は、土地そのものをわれわれが売買するということに対しては、あまり社会的に意味がないんじゃないか。しかし、その上にいろいろ工業団地をつくるとかあるいは工場を建てるとか、用地を取得することそのものがいけないと、私は特に言っているわけではありません。土地そのものの売買ということは、われわれはあまりやるべきではなかろうということを申し上げているのでございます。  それから米の問題につきましては、私が先ほど申し上げましたように、米というものは国民生活に非常に重大な影響を与える商品でありますから、かりに商社が介入いたしまして、そして価格がかりに上がったという誤解を受けますれば、消費者に非常に迷惑をかける。また価格が下がったという誤解を与えましたら、これは生産者である農民の方にたいへん迷惑をかけるというふうな観点から、こういうものについてはおのずから扱いに限度があろうということを私は表明しているわけであります。  その私の考え方はいまも変わっておりませんが、ただ、当社が酒米に介入しておりますのは、先ほども申しましたように、酒造業者の側から、酒造米の品質をよくするあるいは包装を改良するという観点から、商社の介入が意義があるのでぜひやってくれという考え方でやっておるわけでありますが、これは今後の段階でいろいろよく相談してきめていきたいというふうに考えております。  それから、商品の整理の問題につきましては、私は、これは自分の考えでありますが、あまり小さい商品と申しますか、小さい商品というとことばが悪いのでわかりにくいかもわかりませんが、あまり大商社の扱うにふさわしからざる商品というものは整理したほうがいいんじゃないかと思っております。だから、そういう方向で検討したいと思いますが、商社行動基準というものもいろいろこれから考え段階でございますから、その段階で皆さんともよく相談していきたい、私はかように考えます。
  194. 山中吾郎

    山中委員長 参考人方々に申し上げますが、一時過ぎまで続行したいと思いまするが、協力願いたいと思います。  なお、御用便等は、できたらその間申し出て、どうぞ御自由に……。
  195. 石田幸四郎

    ○石田(幸)委員 続いて橋本参考人にお伺いをしたいのでございますが、いまの米の問題については、基本的な問題はお伺いをいたしました。さらに酒米の関係、この点もお伺いをいたしましたけれども、しかし、あれでございますね、三井物産では、いわゆる米を買うという問題について、先ほど社会党の松浦委員よりも話題になりましたように、その買い方のルートもしくは小売りまでの系列化をいろいろしていらっしゃいます。  たとえば、具体的に申し上げますと、この流通機構を私どものことばで言えば支配をしているというふうに考えざるを得ないのでございますが、前回、これは官僚の天下り問題で話題になったことではございますが、それに付属いたしまして、新潟におきます米の買い付けにつきましての系列化。三井物産の下には、三井農産販売株式会社というのが四十五年十二月に設立をされております。これは三井物産の農産物の取り扱い会社でございますが、その下に集荷業者といたしまして、四十五年十一月の設立で、新潟県食糧卸株式会社というものをつくっておられます。ここには三井物産の資本が、資本金四億六千万のうち一億出資されておるわけであります。さらにその下の卸業者といたしまして、木徳というのですか、この卸業者は三井物産の中に新潟営業所を持って、そしてこれは、三井物産との共同出資であります。さらにまたその下の精米会社、四十四年六月設立の都米穀株式会社、この資本金の三分の一が三井物産からの出資であります。このようにして系列化をしていらっしゃる。  さらに、特に問題になりますのは、このような米の問題に関しまして、いまもちょっと触れましたけれども、食糧庁の古手の官僚を大量に重役等に入れて、そうしてこの流通機構の人的支配をしている、こういうふうに私は考えざるを得ないのであります。  具体的な例を見ますと、三井物産には元大阪食糧事務所長、こういう人たちが入っております。さらに、その子会社である三井農産販売株式会社には、新潟食糧事務所長、宮城食糧事務所長、秋田の食糧事務所の検査課長、宮城の食糧事務所の石巻の次長、こういうような人たちが入っております。さらにまた、集荷会社におきましても同様であります。卸業者の木徳株式会社においても、二人の元食糧庁のそういう古手の官僚が入っておる。さらにまた、精米会社の都米穀においても、そういうような人たちが入っているわけであります。  こういう資本の系列、いわゆる資本金を導入し、さらにまた役員までも送り込んで系列化をはかっていくことが、はたして——そのような仕入から販売まで一つの系列化で、社会の一つのシェアを占めている。先ほどのお話でございますと、木材関係のお話が出たときに、問屋は問屋で、私たちとは関係のない別会社であるというようなお話をされましたけれども、このように資本の問題を考えてみても、あるいは役員の人的構成の問題を考えてみても、これでは完全な系列化を末端までしかれていることは明瞭だと思う。しかも、こういうような古手の食糧庁の役人をどうしてこれだけ集めなければならないのか、こういうような問題についても、私は国民の大きな疑惑が存在すると思います。もし三井物産におきまして今後米の問題を縮小するというのであれば、こういうような古手官僚を大量に関係会社に入れる必要もなかろうと思う。  こういった癒着について、橋本参考人はどのようにお考えでございましょうか。
  196. 橋本栄一

    橋本参考人 お答えいたします。  ただいま御質問の点の三井物産農産販売株式会社につきましては、これは一〇〇%当社の出資の会社でございます。名前も三井物産という名前をつけておりまして、設立の理由は、米のようなむずかしい商品をやるのに、私どもの会社の三井物産ということでこれにアテンドしておりますと、転勤とかあるいはその他しょっちゅう係がかわるものでございますから、そういうことははなはだよろしくないんじゃないかという趣旨で、これは専門的にやる目的でつくり上げたものだと私は了解しております。  それから、御質問の新潟県食糧卸ですか、この会社につきましては、実は私どもはこの会社と何の関係もなかったのでございますが、数年前にこの会社が、倉庫を建て過ぎて非常に悪くなりまして、配当もできない、借金も返せないというような状態になったものですから、地方の銀行のあっせんで、株主の中の小売りのお米屋さんの方が持っておられる株を、配当もない株を持っておれぬからぜひ肩がわりしてやってくれという御依頼がありまして、それでその一億円の株を肩がわりして引き受けたわけであります。当社がこれに介入しました理由は、われわれは米の問題よりもむしろ、新潟県食糧卸の持っておりますルートを通じて、油だとかあるいは小麦粉だとかいうものを流すことができればたいへんいいんじゃないかという意味で、この会社に参加をしたわけであります。実は九十億円ばかりこの会社は年商をいたしておりますが、当社はその中で、そういう資材類約九億円を扱っておるというのが実情であります。  それから、木徳さんの話につきましては、私はよく存じません。この木徳という会社は、実は三井物産と明治以来非常に古い関係がございまして、そういう関係で、穀物関係とか飼料関係とか卵だとかいうふうなことではよく名前の出てくる会社で、私もよく知っておりますが、この件で新潟でどういう関係になっているかということは、私、詳しくは知りません。  それから都米穀という会社も、実は私、あまりよく知らないのでございますが、ただいま御質問の締めくくりとしまして、官僚の方がお入りになっておる、これはどういうわけだという御質問でございますが、われわれが官僚の方を採用いたしましたのは、先ほどから問題になっておりますように、米という商品はたいへんむずかしくて取り扱いに注意をしなければならぬ、そういう意味で、そういう諸手続とか内容というものをよく御存じの官僚の方に仕事に当たってもらうということが間違いをなくすゆえんでないかという意味で採用したようなわけだと、私は記憶しております。ただ、将来われわれが米を縮小する方向に向かいました場合には、この方にほかのことをやってもらうようなことになるかもわかりませんが、現在のところは、この方を整理してどうこうということはまだ考えておりません。
  197. 石田幸四郎

    ○石田(幸)委員 いまの問題で引き続きお伺いいたします。  集荷会社であります新潟県食糧卸株式会社、これは、なぜこのような会社が設立になったかについてもう少し明らかにする必要があると思うのでございますが、この会社の前身ともいわれるべきものは、新潟県米穀株式会社でございましょう。そしてこの会社は、四十四年に月間約五百俵の政府米をやみで横流しをした。年間六千俵に及ぶようなそういう米の横流し。それから四十五年にも、同じく百五十トンの未検査米をやみ業者に横流しした。そういったところから、米穀の卸売登録業者の資格を失っておるわけです。そういうところから、この新潟県食糧卸株式会社というのが新たに設立をされた経過があるわけです。ですから、現在もこういうような会社は、同じ建物の中に存在をしておるわけです。  それからまた、直接関係はないとおっしゃいましたけれども、この新潟県食糧卸株式会社の中に取締役として入っていらっしゃる上野さんという方は、三井物産の新潟支店長で、現職じゃございませんか。こういうような人的支配というものについて、また先ほど高級官僚の問題も申し上げましたけれども、じゃ商社というところは、いろいろな商品を扱うについて、その商品について正確な知識がないからといってどんどん古手官僚を入れたのでは、まさにこのやり方は第二食糧庁と同じじゃないですか。そういうふうにして各商品についてどんどん古手の官僚を入れたのでは、商社なんだか官庁なんだかわからぬじゃないですか。現に、食糧庁関係のこういう役員が全部集まって、糧友会という懇談会みたいなものをつくっておるわけです。そういったところはあらゆる情報が入るような仕組みになっておるわけでしょう。これでは競争の上からいいましても、皆さんみたいな大きな大手商社は別として、中小の商社においては、皆さんに太刀打ちができないのは当然じゃありませんか。そういうようなことをあえてなさることが、今日問題になっておる商社社会的な道義責任としてどうお考えになるのか、こう私は、もう一度お伺いをしたいわけであります。
  198. 橋本栄一

    橋本参考人 お答えいたします。  われわれは、先ほど申しましたように、決して第二食糧庁をつくるというような大それた考え方は持っておりません。したがいまして、現在われわれのほうで来ていただいておる方を直ちにどうこうするということは、私申し上げられませんが、今後これをふやしていくという考え方はございません。  新潟支店長は、非常勤の取締役で入っております。これは一億円株の肩がわりをしましたときに、どうしても常勤役員を入れてくれという御要請があったのですけれども、しかし常勤役員を入れるということは、われわれが仕事の主体を握っておるわけでないのにぐあいが悪いというわれわれの主張で、それじゃ非常勤でもいいから入ってくれということで、新潟支店長が非常勤の取締役に入っております。事実であります。これはしかし、あるいは先方と相談いたしまして、やめさせたほうがよろしいならばやめさせますが、現在のところは特に考えておりません。
  199. 石田幸四郎

    ○石田(幸)委員 いま三井物産の例をあげたわけでございますけれども、食糧庁関係の古手の官僚は、三菱商事にも入っていらっしゃる、丸紅にも入っていらっしゃる、それから住友商事にも伊藤忠にも入っていらっしゃる。そのほか安宅産業とかトーメンとか、全部入っているわけですね。  私は、この点についてのいまの御答弁はたいへん不満なんでありますが、それでは檜山参考人にお伺いいたしますけれども、こういうような、自分のところの米の問題を取り扱うのに古手の官僚を入れる。そしてまた、たとえば日経新聞で問題になりましたように、愛知県の米穀商協同組合を買収しようというようなことが一時盛んに話題になりました。そういうようないわゆる系列化というものが、商社にとってどうしてもやむを得ないものなのか、あるいは今後もこれはやむを得ないという態度で進めていかれるのかどうか。こういった古手の官僚を入れる。それは、官庁あるいはまたその他の流通機構の情報に精通するためにこういう人たちを入れるのでしょうけれども、そういうようなことは、今後も皆さんの商売のやり方としてどうしてもやむを得ないことであると考えていらっしゃるのかどうか、ここら辺のところを檜山参考人にお伺いしたいと思います。
  200. 檜山廣

    檜山参考人 企業の系列化ということは非常にむずかしい問題だと思います。企業経営上、物を買いそれを売る、売ってまた買うというような場合に、一つの系列ということになると、経営の安定化とかいうことから考えれば、系列化ということは非常に重要なあれではないか。しかし、この系列化ということがあまりにも独占化とかあるいは寡占化というふうな方向に進むということは、これまた国民大衆にとってもデメリットが出てくるというふうに考えます。したがって、今後いろいろな商品別にどういう系列をつくっていくかということは、いろいろこれはむずかしい問題があろうと思いますが、私は、すでに各社ともそれぞれの企業系列というようなものができておりますので、今後さらにそれを深めて、それが社会的な、系列化のために国民大衆にマイナスになるというようなことは考えておりませんし、また、そこまでいくのは非常にいけないのじゃないかということで、どういうふうな系列化がいいかということは、系列化に対する今度は再検討というか、再吟味が必要な段階ではないかというふうに考えます。  それから、今後お役人さんなんかの場合に、たとえば商社の場合なんかでも私どもいろいろ考えてみて、商社はそろばんだけで走ってしまうというような場合に、いろいろな法規——たとえば海外でジョイントベンチャーを一つやるにしても、やはり役人は役人なりのいろいろな知識を持っておる、われわれ商人商人なりの知識を持っておる。そういう場合にいろいろな法規なり労働慣行とか、そういう意味会社の健全経営のためにブレーンとして必要だというような場合には、役人の方で、許すならばそういう知的のブレーンとしてお願いすることもありますし、したがって、今後これをやめてしまうとか、あるいはこれ以上ふやさないということは申し上げられませんが、人的資源の活用というようなことから、あるいは企業の経営にプラスになる場合に一そうした、つまり糧友会を結ぶのだとか、あるいは役人同士でそういう企業に入ってから徒党を組んでどうこうというようなことであれば、これは非常に弊害があると思いますが、そうでなしに、企業の人となって、あくまでもその企業の健全経営に役立つようなブレーンであるとするならば、これはまた考えなければならぬだろうというふうに考えますが、いまさしずめ、しからば私がそういう今後の丸紅の経営にあたって役人を採用していくのかというようなことは考えてはおりません。
  201. 石田幸四郎

    ○石田(幸)委員 それでは、橋本参考人にもう一度お伺いしますが、こういった役人の天下り人事というのは、新聞にもずいぶん問題になっているわけです。国民の皆さんも、そういうような形で再就職をされる、その地位利用というような問題について、たいへん疑惑を持っていると私は思います。国民はそういう疑惑を持っていないというふうにお考えなのでございましょうか、お伺いいたします。
  202. 橋本栄一

    橋本参考人 三井物産本体につきましては、創業以来、わが社は官僚の方をお迎えするということはしておりません。したがってそういうことはないんでございますが、いまの子会社につきましては、そういう業務の習熟度その他を考えて入れたことは、ただいま御指摘のとおりであります。このことにつきましては、われわれの意図そのものは、決して悪いことをしようという気持ちでやったわけではございませんので、私は疑惑を持たれておるとは思いませんでしたけれども、そういう御指摘に対しては十分留意をして、今後行動したいと思います。
  203. 柴山幸雄

    柴山参考人 ちょっと先ほどのお話で、住友商事に農林出身の役人が、やられた方がいるというお話でありましたが、三月三十一日に定年でやめました。それで、現在はおりません。ちょっとその点、申し上げておきます。
  204. 越後正一

    越後参考人 先ほど質問の、伊藤忠商事も食糧庁から人を迎えておるというお話がございましたが、伊藤忠は一人も採用しておりません。御訂正をお願いいたします。
  205. 石田幸四郎

    ○石田(幸)委員 その問題については、じゃまたあとで詰めましょう。  次の問題に移ります。  私は、こういうような商社の系列化、また、大量の資金によりまして容易に仕入れが安くできるというような状況について、さらに、社会的な道義の上からたいへん大きな問題ではないかという問題を、これからお伺いします。  丸紅檜山さんにお伺いしますが、現在、男子の社員のうち、いわゆる管理職といわれるような人たちは何人ぐらいいらっしゃいますか、おわかりですか。——わからなければ、三井物産の橋本参考人、おわかりでしたら、お答え願いたいですが、大体おわかりですか。大体でけっこうです。
  206. 橋本栄一

    橋本参考人 正確には私、覚えておりませんが、約七、八百人おると思いますが……。
  207. 石田幸四郎

    ○石田(幸)委員 けっこうでございます。いま大体七、八百人であろうかというふうにおっしゃっておりますので、この有価証券報告書の総覧を見ますと、各社の交際費が、四十七年九月末現在で報告をされております。丸紅飯田は十二億七千六百万、三井物産が二十億八千九百万円、伊藤忠が十六億七百万、日商岩井が十三億九千六百万。その他、交際費等が含まれておりますので、ちょっと問題になりませんけれども、そうしますと、大体管理職というものが男子社員数の約一割というふうに考えられます。そうしますと、そういった管理職の人たちが年間に使用している交際費の総額というのが約三百五十万から四百万円、こういうような価額になってくるわけであります。たとえば伊藤忠の場合、四十六年三月末で男子社員が四千二百二十二名いらっしゃいます。その後ふえているでしょうが、大体一割としましても一人当たり三百八十一万、こういう交際費を使っているわけであります。  これは小さな商社から比べますと、あるいは中小企業等に比へますと、たいへんな交際費の使い方ではなかろうか。豊富な資金用意して、そして札ビラでほっぺたをひっぱたいて、そして飲ましたり食わしたりして商売を進めていく、こういうようなことが、はたして社会道義の上から混乱を起こさないような行為と言えるのかどうか、私はたいへんに疑惑を持つわけであります。そういうような商売を大手商社日本の中におきましてもきわめて影響力のある大手商社が平然と行なっているということになりますれば、商売というものが、交際費を使わなければ商売ができないんだというような慣行が、現にだんだん社会の中に浸透しつつある。そういうようなことは、私は、大手商社の、一つのこういった実態を見ますと、責任じゃないかと思う。この点について、社会的道義の上からどのような責任をお感じになるか、日商岩井の辻参考人にお伺いしたいと思います。
  208. 辻良雄

    ○辻参考人 お答えします。  ただいまの御趣旨、われわれもなるほどと思う点もございます。しかし、よくこの内容も検討しまして、皆さんから懸念を抱かれないような方向に持っていきたい、かように考えます。
  209. 石田幸四郎

    ○石田(幸)委員 もうあまり時間がありませんので、最後に、こういう方面から各商社の最高責任者にお伺いをしたいのでございますが、今度の土地の問題にいたしましても、各商社並びに商社関連会社が相当土地を買っていらっしゃいます。そのために土地は高騰して、国民はマイホームの夢をむざんに破られている。あるいは木材の高騰、確かにその高騰のいろいろな要因というものがあると思います。しかし、結果的に、そういう物価高騰の傾向に乗って、あるいは便乗して、皆さんがたいへんな金額をもうけられたことも事実ではないかと私は思います。そういった意味におきまして、結果的には、そういう物価高騰のためにマイホームの夢を破られ、あるいは生活を圧迫させられているというような感覚を多くの国民が持っていらっしゃるわけです。そういうことに対して、商社は、先ほどのように、混乱をするからじゃやめるんだというような、そういうようなことでは私は、道義的な責任は果たすことはできないと思います。そういう問題を含めて、皆さんは、今後どのような方向で、今日の社会に対してどのような姿勢でおこたえをしていかれようとするのか、これを総括的に各参考人——時間がありませんから、伊藤忠越後参考人並びに住友商事の柴山参考人、御両人から代表してお伺いをしたいと思います。
  210. 越後正一

    越後参考人 お答え申し上げます。  当社の土地勘定といたしましては、固定資産勘定と商品土地と二つに分かれておりまして、固定資産関係は社屋、流通センター、加工センターその他のものであります。商品は住宅、工業用団地、レクリエーションセンターその他のために必要とする土地でございまして、いわゆる投機的な、思惑的な対象で買ったものは一坪もございません。国家及び地方公共自治体、地方住民の御希望に沿った開発をしていきたいということを念願いたしておるのでありまして、この大目的、社会開発のために、地方からの御要望にこたえて善処するということに徹底して今後も進めていきたい、こういうぐあいに考えておりますので、何とぞ御了解いただきたいと思います。
  211. 柴山幸雄

    柴山参考人 当社は、ちょっとほかの商社の方と違いまして、元来が、大正八年に土地造成をやっておりました大阪北港株式会社、その後住友土地工務株式会社、それが戦後そのほかに商事部門もやりまして住友商事となったものであります。したがって、当社の不動産経営は創立以来の仕事であります。  最近はいろいろの不動産経営をやっておりますが、その主眼は、ほとんど七、八〇%はマンションの分譲をやっております。それから、あとの多少を住宅のための宅地造成をやっております。これらのマンション及び宅地造成は、わが国の住宅問題に今後ますます必要だと思っておりますので、われわれは、優良なるマンションを提供し、また優良なる宅地造成をやっていってお役に立ちたいと思っております。
  212. 石田幸四郎

    ○石田(幸)委員 私の質問にはお答えをいただいておらぬので、私は非常に残念に思います。この問題は、そういう土地をお買いになったり、あるいは合板なんかの問題にいたしましても、原材料を支給するのは商社、また製品を総体的にお買いになって流す中心者も商社、そういうような方々が、結果的に、現在のインフレ傾向の中でもうけられているじゃありませんか。そのためにその他の商品も上がっておる。いわゆる土地なんかの問題は、個人が買えないくらい高くなっておるんです。このあとの問題でやろうと思いましたけれども、三菱商事の場合も、足立区でたいへん新聞で話題になりました。そして地価も、公示価格よりも倍の値段で買っていらっしゃるわけでしょう。そうしてこれは、社会的に騒がれたから半分お返しをするというようなことは、私もその努力はたいへんに多といたします。しかし、その近辺の土地の問題はどうなるのですか。一ぺん、そのように皆さんがどんどん土地をお買いになって、大手商社が手を入れたからこの土地はどんどん上がるだろう。大手商社はまだ買えるでしょう。付近の住民は買えないじゃないですか。そういう社会的な道義の責任をどうするんですかと私は聞いておるのです。明確な御答弁をお願いしたい。いまの、お二人に、もう一度御答弁を願いたいと思います。こんなことじゃ国民疑惑は晴らされません。
  213. 越後正一

    越後参考人 実例を一つ述べさせていただきますと、青森県の十和田湖に三百万平方、百万坪、これはいま第一次マスタープランを青森県庁に出しております。そのほか長野県の……
  214. 石田幸四郎

    ○石田(幸)委員 そんなことを聞いているんじゃない。委員長質問に正確に答えるように御注意願いたいと思うのです。私は具体的な問題をここで取り上げているのではない。
  215. 越後正一

    越後参考人(続) 思惑的な買い方はいたしておりませんし、また、高いものを買って採算が合うとも思いませんが、しかし、今後こういう問題に対しましては、先ほど冒頭にも申しましたように、社会的な責任を十分痛感して善処したい、こういうぐあいに考えます。
  216. 山中吾郎

    山中委員長 質問に対して、簡潔に該当する事項をお答えください。
  217. 柴山幸雄

    柴山参考人 私どもは、その点最も注意しております。すなわち、われわれが土地を買うことによって周辺の土地を上げるとか、あるいは土地を買って、そしてさらに、地価が上がったからほかに高く売るということはいたしておりません。われわれのマンションのやり方は、マンション経営をなすにあたりまして、土地代は、その金利、税金の実費を負担して、あと建築費を加算しまして、そしてマンションの各戸の住宅にそれを分譲して売るときの値段としております。
  218. 石田幸四郎

    ○石田(幸)委員 時間がありませんからこれで終わりますが、私は、いまの各参考人の御答弁については、もちろん、見解が違うと言われればそれまでのことでございましょうけれども、しかし、皆さんの商活動については、やはり国民生活という立場から、いわゆる上から見るのではなくて、下からの影響も十二分に考えてもらわなければ、皆さんのいわゆる商法に違反をしないといわれる商活動であっても、社会的な背任行為みたいな、そういうような責任を免れるものではないと思う。国民の非難を免れるわけにいかない、これだけを申し上げまして、なお、われわれの意見も十二分にお考えをいただき、今後の商活動を進められんことを希望して、私の質問を終わります。
  219. 山中吾郎

  220. 和田耕作

    和田(耕)委員 今朝来の各党代表者の質問を聞いておりまして、そしてそれに対する答弁を拝聴いたしておりまして、商社のトップの皆さま方は、社会的な責任という問題について若干誤解があるのではないかという感じを私持っているのです。皆さま方は資本主義社会の鬼のような存在で、いままでの日本の経済成長をささえてきました。そしてここまで日本の経済の発展をする先頭に立ってこられた。したがって、皆さま方御自身は、自分たちは悪いことをしていない、社会には迷惑をかけていないという気持ちを一様に持っておられることは、理解できます。しかし、そのことと社会的な責任という問題は別に考えていただかなければならないのではないかと思います。  最初に、橋本会長は、私は社会に迷惑をかけていない、相当豊富な過剰流動性といわれるお金は持っておっても、それを短期の株あるいは投機資金に使っていないというようなことをおっしゃっておられます。また、土地を多量に手当てした伊藤忠社長さんは、こういうふうにして買った、これをできるだけ迷惑がかからないように運用をしたいというふうに言っておられる。こういうことば理解できるのですけれども、ここで問題になっておる、国民が大きな不安を持ち、政府自体も皆さま方に自粛を要請しておるということは、問題は別です。その問題について私どもも同じように、日本の経済、国民生活に対して大きな影響を持つ皆さま方が、そのような意味社会的な責任を感じていただかなければならない、こういうふうに思うわけなんです。その点についてひとつ皆さま方から、一言でいいですけれども、そのような社会的な責任は痛感いたしております、いままでいいと思っておったけれども、これが国民にさまざまな迷惑をかけておるということがわかって、申しわけありません、というお答えはいただけないでしょうか。
  221. 山中吾郎

    山中委員長 順次お聞きいたしましょう。
  222. 山田敬三郎

    山田参考人 いま先生から御指摘になった問題に対する所見でございますけれども、考えますと、過去十年、日本はGNP至上主義で走りました。これは確かでございます。客観情勢も、あらゆる天然資源が買い手市場だったことも事実でございます。そういうことで、商社全体もそれに乗って動いたことは事実でございますけれども、ここ一、二年、急激にこの情勢が変わりまして、いわゆる福祉経済の問題の転換、それから、あらゆる資源は売り手市場に変わっております。それに加えて、国際通貨の問題が、過去十年安定した通貨が混乱しております。この転換期に処しまして、商社としましても、どういうふうに生きるかという問題を、どういうふうな社会的役割をすべきかという問題を真剣に考えております。  いまの問題、つくづく考えますと、自分たちとしてはあたりまえと思った点が、社会通念からいってある程度批判されたことについては、お互いに反省しなければいけない問題があると思っております。  そういう意味合いにおきまして、この段階においてわが社の方針としては、所期奉公というのが会社の基本的な姿勢になっております。奉公の問題は、これは国民大衆に対する奉仕といま解釈しておりますので、そういう観点から真剣に経営方針、やり方、教育、そういうことを考えておりますので、その点、あしからず御了承願いたいと思います。
  223. 橋本栄一

    橋本参考人 ただいま山田参考人からお話がございましたように、過去十数年にわたりまして高度成長経済というものに、その中でやってまいりました。その惰性が現在、混乱期、あるいは安定成長、福祉経済というものに変わってきて、しかも外界にいろいろな混乱がありますこの段階において、頭の切りかえがちょっとおそかったのではないかということは自覚いたします。そういう意味で、これからわれわれの行動なり考え方なりというものは、ちょっと角度を変えなければならない、そういうふうに考えております。これはなかなか、何をどうするということをいいましても簡単にいきませんが、その点は真剣に、これから具体的な問題として具現していきたい、かように考えております。
  224. 檜山廣

    檜山参考人 ただいま山田橋本参考人から述べられましたように、まさに経済の転換期に直面しておりますので、私ども、いままでやってきたことに対して十分反省をしながら、今後のあるべき姿に対して真剣に取っ組んでいきたいということを考えております。
  225. 越後正一

    越後参考人 社内に対しましては、数カ月前から、法律違反はもとより、社会から批判を受けるような商行為は一切相ならないという厳命を下して、自粛をいたしております。今後、さらに一段と反省いたしまして、多少とも疑問のあるような仕事は担当者が絶対にタッチしないように、さらに反省を加えて善処さしていきたい、こういうぐあいに考えます。
  226. 柴山幸雄

    柴山参考人 社会的責任の重大なることを実に痛感しておるわけでございます。ことに住友の事業は、営業の要旨といたしまして、三百年以来二つのことをはっきりいっておるのでございます。一つは、信用を重んじ確実を旨とすべし。一つは、いやしくも浮利に——浮いた利益、浮利に走り軽進すべからず、軽々しく進んじゃいかぬということでありまして、われわれ、かねてそれを体してはやっておるわけでありますが、しかし、反省すべき点はあると思います。今後、社会的責任をますます痛感して、反省してやっていきたいと思っております。
  227. 辻良雄

    ○辻参考人 申し上げるまでもございませんが、福祉社会の建設と国際化は日本のいま非常に大きな二つの問題かように了解いたしております。その観点に立ちまして、社内的には、従来のごとく利潤のみを追う商活動というものは許されない、あるいはまた、単に社会福祉に反しないからいいというだけでは、いささか企業としての責任が果たせないのではないか、より積極的に社会福祉に貢献するという考え方で今後は進まなければならぬ、こういうふうに方針をすでに昨年あたりからはっきりいたしまして進んでおる次第でございます。
  228. 和田耕作

    和田(耕)委員 きょうは参考人の皆さま方に御意見をお聞きするのでありまして、政府の側についてはここで質問をするわけではありませんけれども、今回の問題は、私は、半分以上は政府責任があると思っておるのです。  たとえば田中角榮総理の日本列島改造論、これを何らの対策なしに、そして誇大に吹聴するというところで、今後は大いにやるぞというので、土地を買う、あるいは株を買う、あるいは木材その他に対して投機的なものを含んだ行動をする、そういう問題になってくるわけだと思うのです。また、食管制の事実上これを廃止していく方向の自由化政策、昭和四十四年の自主流通米の創始以来、あなた方のやったことは現に黙認してきたわけですね。あなた方自身は、これは正しいことだ、いいことだと思ってやってこられた。政府はそれまで黙認してきた。今度の問題が起こって、そして告発問題が起こってきたということですから、政府に大きな責任があると私は思っておるのです。  政府の問題を、私どもは別途に追及してまいります。皆さま方は、政府責任という問題について、どのようにお考えになっておられるのか。政府責任——皆さま方の感想でいいのす。端的に橋本さんから、代表としてひとつ……。
  229. 橋本栄一

    橋本参考人 私は、この間、自民党との物価の懇談会のときに申し上げたのでありますけれども、商社そのものを、要するにいろいろ責められまして、商社も大いに自覚、反省を加えなければならないということはよくわかりますが、それだけでは、この問題は基本的には解決しないんだ、基本的には、やはり過剰流動性の誘発から来ます、また世界的な通貨の過剰から来るインフレマインドというものをどういうふうに抑制するかという、その長期的な、総合的な対策が立てられなければ、これは問題の基本に触れていないんだ、そういうふうにぜひお考えいただきたいということを、はなはだことばはやんわりと申し上げたのでございますけれども、お願いしたようなわけでございます。そういうふうに考えております。
  230. 和田耕作

    和田(耕)委員 そのことは私どもも、政府自身がいままで正しいことをやっていなくて、そして国民から怨嗟の声が出てくると悪者をつくってくるという行動もあったと思います。その点では、私も丸紅さんには非常に同情しているのです。同情しているのですけれども、それだからといって、丸紅さんの今度のモチ米の問題についての行動がよかったとはお思いになっていないでしょう。そういう性質のものなんです。したがって、商社のトップの皆さま方が真剣に——つまり、ある日突然、いままでいいと思ったことが悪くなってきたのです。いままでのビヘービアは許されなくなってきたということを、もっと真剣にひとつ御反省を賜わりたいと思うのです。  そこで二、三お伺いしたいのですけれども、先ほど橋本会長は、たくさんの過剰流動性はあるけれども、投機には使っていないというおことばがあったのですけれども、この意味投機というのは、つまり相場を張るという意味投機というふうに、狭い意味投機とお考えになっていると思いますけれども、ここで最近問題になっている投機ということばは、そういう狭い意味だけじゃないのです。土地を皆さま方が相当多量に手当てをするということも、投機の概念の中に入ります。あなた方自身は、伊藤忠社長さんのように、私は投機に買ったんじゃないと言っても、現在のこの土地が非常に大きく値上がりしているときには、これはあなた方自身行動では済まされないのです。先ほど公明党の代表がおっしゃったような大きな問題があるわけです。そういうものをひとつ含めて、いや、私どもは金はあったけれども投機には使ってないなんということは、おっしゃらないようにしていただきたいと思うのです。  第一、その一つの例が、私この前、この物価委員会で大蔵省に資料要求をしたことがあるのですけれども、その資料によりますと、代表的な社をあげるのですけれども、三井物産は、この一年間に五百億円以上の株を——有価証券全部じゃないのです、株をふやしております。これは間違いないですか。
  231. 橋本栄一

    橋本参考人 こういう情勢で株を持ってくれという御依頼がありまして、株式を持ったことは事実でありますが、五百億という数字、私の考えとはちょっとかけ離れておるように思います。私のところは、勘定科目を前九月期にたしか変更いたしまして、投資信託だったと思いますが、これを長期債権という観点から勘定科目の変更をいたしまして、いままでのなにから、株式という名目でなくて長期債権というふうな形で計上しておりますが、それが若干混同されておるのじないかと思うのですが、私ちょっと、正確にいま覚えておりません。
  232. 和田耕作

    和田(耕)委員 それではもっと詳しく申し上げましょう。  この大蔵省の昭和四十八年三月十六日の調べ、私の資料要求に対する調査ですけれども、昭和四十六年の九月には、有価証券合計で三井物産は千七百六十八億七千二百万円、これが四十七年の九月、去年の九月には二千八百九十四億一千八百万円、そういう数字を私、大蔵省から正式にいただいているのですけれども、そのうちで株式が、四十六年の九月には一千七十八億二千四百万円、そして四十七年の九月には一千五百六十一億七千一百万円、こういうようになっているのですね。それで私、五百億円ふえているというふうに申し上げておるのですけれども、その次に多いのは丸紅です。丸紅は、四十六年の九月には七百八十七億一千五百万円、これが四十七年の九月には千五百二十一億三千百万円。その次に持ち率が多くなっているのは伊藤忠です。まあ数は、時間がかかりますから申し上げません。大体同じ程度の数です。  つまり、このような形で、去年の九月までの一年間に相当多量の短期と思われる株式を——短期というのはおかしい表現ですけれども、すぐこれは処分しようかなという、いわゆる投機的な意味を持つ株式を保有している数字があるのですけれども、これは間違いですか。
  233. 橋本栄一

    橋本参考人 私のところは、それは子会社株式、つまり海外で合弁をやったり資源開発をやったりしているあるいは投資したりした会社、子会社の株式と、一般の上場株式と合計したものだと思います、それの合計は。  それで、実は私のところは前九月期におきまして、ちょっとほかから笑われたのですけれども、株式の売却益が三百万円しかありませんでして、実は持っておる株は、子会社と上場株式を合わせましてそのくらいの数字だと思いますが、ほとんど売ってないのです。これは、売ってないということは事実でありまして、短期の売買をするために持った株でないということは、それで御承知いただけるかと思うのであります。
  234. 檜山廣

    檜山参考人 私のところの数字は、ただいま先生がおっしゃられた数字と大体符合します。  企業結集のための株式保有と業界有力企業との提携強化によって基盤を拡大するための株式保有と株主安定工作のための株式保有、この大体三つに分けますと、グループ内の企業結集のために約二百二十億、それから二と三、この業界の大きな企業提携の分野、それからお互いに外資、資本の自由化等に備えての安定工作として、その他海外店の増資とかそういうものが三百八十億、こういうことになっております。  ただ、いまの短期の株式のうちのいわゆる投資有価証券でなしに短期的に取り扱ったものは、四十七年の三月期で七十億、四十七年の九月期で五十九億、今度の四十八年三月期が十六億であります。
  235. 和田耕作

    和田(耕)委員 丸紅さんにもう一度その問題をお伺いしたいのですが、日本経済新聞の四月七日の紙面に、丸紅さんが、短期の投機的なと思われる株式をこの二月ごろに全部処分されたという記事があるのですけれども、これは事実ですか。
  236. 檜山廣

    檜山参考人 ただいま申し上げましたように、ゼロになるということで、全部ないと思います。
  237. 和田耕作

    和田(耕)委員 つまり、先ほども申し上げたとおり、投機には金をあまり使ってないということですけれども、いまの三井の会長さんのお話では、これは子会社その他の投資あるいは海外での合弁会社の投資であって、というお話がありましたけれども、しかし、こういうものは、現在の状態では投機であるか投機でないかという区分がさだかでないものが非常に多いんですね。それにもかかわらず、最近の株価の引き上げというのは、大手が引き上げておるというのは一般の常識になっておるのです。商社というわけじゃないのですよ。そういうふうなことで、商社も株価の引き上げに対して大きな役割りを演じておるというふうに見て、これは投機に使おうと使うまいと、株価の引き上げに対して大きな影響を持っておるということになると思うのですね。こういう問題も、たくさんの金があるからといって、こういうふうな他に迷惑を及ぼすようなものにあまり出てはいけないというふうに私どもは思うのですけれども、今後、そういう問題もぜひともひとつ御検討いただいて、国民の信頼をそこなわないような行動をとっていただきたいと思うわけです。  それと関連しまして、いま橋本会長から子会社その他の株式を持つというお話があったのですけれども、この問題がつまり系列会社につながっていくという可能性を持っているわけです。先ほど松浦君からの質問がありましたけれども、先日、物特で木材関係質疑がありました。業界の代表の方がお見えになりました。そのときに、ベニヤ業界の代表者の方の発言で特に私、心にとめておる問題は、いままで私どもは、取引は問屋を通じてやっておった、この数年か二、三年のうちに全部取引は商社——全部ということはじゃないけれども、ほとんど大部分は商社に取引がかわっていったんだ、この問題を松浦君は指摘されたと思うのですけれども、こういう形で、この株式の保有というもので系列会社をつくっていくという方向に大きな資金が投ぜられておる。この投資も、皆さん方は、間違ったことをやっておるとは思っておられないでしょう。自分の商売の安定のためにやろうとしているのですけれども、このこと自体がまた、問題になってきているわけですね。  先ほど木材の価格、最近の状況は違うようですけれども、木材の市場相場は四割方下がったけれども、末端の価格は下がってないという事実が二、三カ月続きました。これはいろいろ原因がありましょう。末端の工務店の人たちは、高い値段で木材を仕入れてそれを持っておるから、安くは売れないという問題はありましょうけれども、これはよそから見れば、つまり商社が大きな資本力を持ってこの流通過程にずっと入り込んできた、系列化してきた、このことと無関係だとは思われないですね。つまり、木材相場というのはごく一部の商品でつくられる相場であって、もっと大きな筋は商社から直接いろんな流通、自分の系列を通じて工務店までいくという機構に大部分がなってしまっておるんです。そのあたりの判断はわかりません、量的な判断は。しかし、そういう傾向が顕著にあることは事実です。したがって、そういう場合の価格形成という問題になると、市場での価格形成というものは実際の末端の価格と無関係になってくるという影響が、各品目に出てきておる。こういう形を通じて、皆さま方の子会社あるいは系列会社への投資というものが日本の物価の自由な価格形成を阻害する要因になっておるという事実はいなめないのですね。皆さん方は、そればそんなことをやるつもりでやったんじゃないとおっしゃるでしょう。しかし、客観的に見ればそういうようなことになっているという事実があるわけです。  そういうことですから、お金があるからといって、日本の価格を結局左右するような状態を起こすビヘービアというものは、これは慎んでもらわなければならないということになると思うのですけれども、この点いかがでしょう。
  238. 橋本栄一

    橋本参考人 われわれは、意図的にそういうことをやったわけでは決してありませんが、御指摘のような誤解を招くことは私はあり得ると思いますので、そういう点は、今後のビヘービアで十分注意をしていきたい、かように考えます。
  239. 和田耕作

    和田(耕)委員 それで、せんだって通産省で、六大商社のいろんな実態調査をなさいました。そして、幾つかの品目は黒であり、幾つかは灰色であり、幾つかは白であるという結果が出てきておるのです。これについて、商社の皆さま方はまだお認めになってないものもあるようですけれども、最後のところで通産省が強く指摘しておる問題は、問屋、小売店を含む流通過程の実情把握が必要だということを結論的に申しておるわけですけれども、これをちょっと読んでみますと、「今回の調査の結果、その実態を把握するためにはさらに問屋段階、小売段階などの流通段階に突っこんで調査することが必要と考える。たとえば商社はその系列下または関係取引先に多くの問屋(場合によっては小売店までも)をかかえていることが多く、本当の実情はその段階までほり下げて調査しなければ明らかにできたい場合が少なくない。」という総合判断を下しておられるわけですね。  こういうことを通じまして商社——まあ、ここにお見えになっておられる商社のトップの方々は、自分の会社ではやってないというお気持ちがあると思いますけれども、膨大な資本を通じてこの数年間に流通機構にずっといろいろな形で入っていった、この働きは、いまここで指摘しているような問題で、少なくとも通産省自身疑惑を与えておる。こういうことは厳重にひとつ反省をしていただかなければならないと思います。皆さま方の御意図がどこにあるかどうかというのは別にして、いままでのビヘービアというものが大きな一つの問題を起こしておるのだ、特に日本の物価の問題については悪い影響を及ぼし始めたのだということについては、厳重に反省をしていただかなければならない、こういうように思うのですけれども、しばしば橋本さんに代表をお願いして申しわけないのですが、三菱の副社長さんにもこの問題についてはお願いしたい。
  240. 山田敬三郎

    山田参考人 いま御指摘がありました配給機構、流通機構の問題でございますが、これは商品によって、いろいろ歴史もありますし、違うと思います。問題は、うちの場合のことを申し上げて恐縮でございますけれども、うちはそんなに配給機構の小さい販売店のほうに、実は頼まれて持つことはありますけれども、積極的にやったケースは少ないのでございます。ただ問題は、こういうふうに情勢がいろいろ変わってまいりますと、やはり初めの輸入から末端までの配給ルートの再検討という問題は、今後の物価政策にとっては大きな問題じゃないかということを、印象だけを申し上げたいと思います。
  241. 和田耕作

    和田(耕)委員 配給あるいは流通機構の問題は、非常にめんどうな問題がたくさんあります。合理化という面から見れば、形式的に見れば皆さん方の行動は合理化につながるということもあります。ありますけれども、しかし、それがまた独占という面になれば、これは非常に悪い結果になるわけです。その二つの面がいま出てきておるわけです。  特に、いま物価に対して悪い影響を及ぼすのは独占という問題です。ベニヤ業界の代表が申されたのは、ぼくはそのとおりだと思うのです。自分たちはいいことをしておるけれども、これは問屋さんとかそういうところの問題だろうというふうにおっしゃるこのおっしゃり方は、それは個々の商社には濃淡はあると思いますけれども、そういうことは言えない状態になってきておる場合が多いということですね。そういう点から、皆さま方のそういう意味での御反省を特にいただきたいと私は考えるわけです。  そこで、時間もあまりなくなりましたが、お米の問題について若干立ち入って御質問申し上げたいのですけれども、最近のモチ米の生産数量というのは大体五、六十万トンということになっているわけです。いま丸紅さんは、未検査米を取り扱ったということで非難を受けているわけですけれども、この未検査米というものは、単に丸紅さんが扱ったものだけではなくて、あるいはその他二、三の商社もあるようですが、丸紅さん、端的にこの問題について、農林省、食糧庁の取り扱いをどういうようにお考えになっておりますか。
  242. 檜山廣

    檜山参考人 まず、私ども、今後は絶対やらない、こう先ほど申し上げましたが、自由米になるということで、おそらく各商社さん——わかりませんが、私どものところでは、やはりそういう系統機関と商人系統ということで、二つの流れをもって米の内販体系というものはできるのじゃないかということで今日までやってきているうちに、いま先生のおっしゃったような疑惑が出てきた。まことに情ない感じを持っておるわけなんですが、今後、私の感じとしては、これは今後の農政にも大きく響くことですからわかりませんが、二本柱というのは非常にむずかしいんじゃないかというような気がしますのですが……。それが是か非かということはわかりませんが、統制か自由か、あるいはバッファー的な何万トンかを買い上げておってあとは自由にするとか、いろいろな方法があると思うのですが、しかし、私としましても、これはどれがいいか悪いかということは、全然いまは考えておりません。  いずれにしましても、私どもは、そういう疑惑を抱かれたことに対しては、まことに情けない。しかも、私が生まれた水戸の生家のほうでそういうことが出てきたなんということは、まことに私、くににも帰れないのじゃないかと思うような恥ずかしい思いをしているわけで、農政がどうかということはあまり考えておりませんが、いずれにしましても、非常に監督不行き届きということだけに対して、それだけにいま自責の念だけで一ぱいです。
  243. 和田耕作

    和田(耕)委員 大体まあ五、六十万トンというモチ米の生産量が、ラウンドナンバー、大きな数字で見て大体二十万トン近いものが検査された米、二十万トンが農家の自家消費、二十万トンがやみという数字になっているわけですね。ところが今年は、まあ作柄が悪いこともあって、十三万トンしか検査米はない。つまり、あとの四十万トン以上は未検査米です。これを扱えば、全部いまの食管法違反になるわけです。しかし、これは現在、四十五年、四十六年、四十七年と、農林省、食糧庁はこれを黙認してきたわけです。黙認して、ここでこういう形で告発をしたという問題がある。これは私ども、農林省に対してその責任を追及しますけれども、商社の側としていいこと——そう悪いことじゃないと思って扱っておったものが、突然ある日告発されたという感じを持っておりますか、おられませんか、そのことをひとつ。
  244. 檜山廣

    檜山参考人 私ども、最初から悪いと思ってやっておりませんで、非常にいいことだと思ってやってまいったのが、こういうまことに情けない——情けないというか、間違った疑惑を抱かれたことなんで、まあ、それ以上何も申し上げることはありません。悪いと思ってやってまいったわけではございません。
  245. 和田耕作

    和田(耕)委員 いま申し上げたとおり、この四十数万トンは未検査米だ。これを扱う商社は多いわけです。丸紅さんだけじゃありません。それは量の多い少ないはありますけれども、大体商社方々は扱っているところが多い。少し、一千トン、数千トンのレベルになれば……。そういう問題ですから、この問題は、一つの重要な問題は、モチ米というのは国民の主食です。主食を、少なくとも丸紅さんの場合はちょっと度が過ぎているという感じを私もいたします。あの値段がずっと棒上げに上げるときに丸紅さんの取り扱い量が非常にふえているということは事実なんですから。そういうふうな意味でこの米などという、特にモチ米なんという昔から投機性の強いものに大商社が出ていくということは、私は適当でないと思います。また、いままで食糧庁の集めている、全農の倉庫にある十三万トンあるいは二十万トンぐらいのものがはたして適正に配給されておったかどうか、少なくともそういう問題は、たいへん問題があると思います。大手のあられ業者にはいくけれども、中小にはなかなかいかない。中小は困って、いろいろな方法でモチ米を買いあさった、その結果がこういうことになったということもあるわけです。だから、これは食糧庁に大きな責任があると私は考えておるんです。この問題は。といって、この丸紅さんの果たした悪い役割りというのは、これは当然反省してもらわなければならない。そういう性質のものですから、この際に、自分は悪いことをしなかったということではなくて、あなた方が社会に対して心からあやまる。そうすれば、政府も決していいことしてないんですから、あなた方よりもっと悪いことをしている場合が非常に多いんですから、(「冗談じゃないよ」と呼ぶ者あり)いや、おれのほうがもっと悪いんだというようなことになる。そういうふうな働きがあるわけですから、ぜひともひとつ皆さま方の、この問題の社会的な重要性にかんがみまして深刻な反省を求めまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
  246. 山中吾郎

    山中委員長 午前の会議はこの程度にとどめ、午後二時二十分再開することとし、この際、休憩いたします。     午後一時三十五分休憩      ————◇—————     午後二時二十七分開議
  247. 山中吾郎

    山中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。石井一君。
  248. 石井一

    ○石井委員 今回のこの問題の背景といたしまして、いろいろの問題が指摘されておるわけでございますが、私は、商社の体質ということ、ここにも大きな一つの問題点がひそんでおる、こういう感じがいたしてなりません。  要するに、商社の自己資本率というのを調べてみますと平均で二・九%、これは産業界の全体の平均が一八%から二〇%ということですから、異常な借金経済というものをささえて、激しい金の引き回しをやりながら仕事をやっておられる。しかも会社の中には事業部体制などしかれておりまして、たいへんなコンペティションがある。社内金利というふうなものもある。したがって、激しくやらなければいかぬ。ここに会社のいわゆるモラルなり、いわゆる商売上のルールなりというふうなものにある程度の無理がくるという感じが私にはいたしてなりません。  トップの方として、こういう時期に、先ほどからいろいろ問題になっておりますが、商社の体質、活動の範囲、取り扱うべき商品の限定、社員のモラルというふうなことに関してひとつ再出発をしていただきたい、こういう感じがしてならぬわけでございます。  そこで、私の時間は非常に限られておりますので、端的にお答えをいただきたいのですが、私も、商社にも友人がたくさんありますが、ほんとうに激しい戦いを毎日やっておる姿を見ております。いわゆる社員同士のコンペティションが激し過ぎないか、そういう感じが、上から見ておられて、ないか。皆さん方の顔も知らぬという社員がたくさんおります。それからもう一つは、商社間同士のコンペティションというのがあまりにもきびしくないか。これは、六大商社の中で末席をけがされておる辻参考人あたりから、上からの突き上げと下からの追い上げということで、端的にひとつお答えいただきたいと思います。
  249. 辻良雄

    ○辻参考人 お答えを申し上げます。  自己資本が非常に少なくて借金経済をやっておる、御指摘のとおりでございます。とにもかくにも過去こういう形、あるいはこれに近い形で日本の経済の発展に寄与してきたということは、これはお認め願えるだろうと思うのです。  さて、最近のように社会情勢が変わってきた今日、なお同じ方法あるいは同じ行き方でいいかどうかということにつきましては、われわれとしても深く反省しておる次第でございます。それに関連しまして、会社の間のシビア・コンペティションに加えて、それぞれ自分たちの立場を強くするために、また社内においても各本部制をしきまして、いわゆるハッパをかけてきたということも事実でございます。  しかし、こういう問題につきましては、先ほどから他の商社社長さんからもお答えがございましたように、てまえどもも同様反省しておる次第でございますので、おそらく近い将来にわれわれ商社の行き方というものは相当変わってくるのじゃないか、かように申し上げて御返事にかえたいと思います。
  250. 石井一

    ○石井委員 私は、この大きな国際経済のうねりというものに対処するだけの政府側の一つの施策の欠如ということも、与党ながら、やはり認めていきたいと思うのです。また、商社に対する監督官庁というものが存在しておらぬというふうな面で、われわれ、政府側としてもこれは大いに反省をしなければいかぬという認識をいたしております。しかし、それと同時に、私は、いま辻参考人なんか非常に政治的にお答えになったと思うのでございますけれども、もっとそれぞれの参考人の心の中には、なるほどそうだ、ああいう点はやはり社内で変えていかなければいかぬし、商社間ももう少し秩序とルールというものを打ち立てなければいかぬということもお感じになると思います。私は、この点に対して特に注意を喚起しておきます。  次に、私、問題として指摘したいのは、やはり国民生活ということから考えましたときに、いろいろの商品が午前中も取り上げられましたが、やはり一番大きいのは株の取得と土地問題だ、こういう感じがしてなりません。これは、これから政治的にもきびしいメスを入れて、皆さん方の御反省もしていただいて変えていかなければ、庶民が納得しない、こういう問題だと思うのであります。  いろいろ資料がございますが、端的にひとつ、これは丸紅さんのほうにお伺いを——きょうは非常に焦点の人になっておるようでありますが……。  私が調べました、大蔵省へ提出された有価証券報告書の四十七年四月から九月までの十社の株の保有増、これは前期からふえた分だけで二千五百七十六億、そして売買益は、丸紅の三十七億を筆頭に、伊藤忠の二十一億、そして三菱の十億、あと日商岩井なり住友さんは非常に低い、一億前後ですが、三井さんは不明ということになっておりますが、この辺の低いのも、昨今の異常値を考えると非常に合点のいかぬ面があるのですけれども、要は、先ほど和田委員にもお答えになっておったように、何百億という資金が株の操作のために動いておるということは確かだと思う。皆さん方の説明では、いわゆる安定株主工作その他企業の防衛のために必要だと言われるが、この点での反省は、もっともっときびしく参考人にしてもらわなければいかぬのじゃないか、私はこういう感じがしてなりません。  一々これの答弁を求めておるだけの時間がありませんので、さらに論を進めまして、これは私、よく雑誌その他で読んだことでございますけれども、丸紅の場合、四十七年三月期で株の運用益が二十四——間違っておったらあとで訂正していただきたいのですが、同年九月期で三十七億を、この有価証券報告書の中に記載されておりますが、三月期の決算の純利益が二十億一千八百万円でありますので、それを上回ったいわゆる株の利益というものを上げておられる。それを、あなたのところの社長室長の伊藤さんという人が、名前をあげて恐縮ですが、これを操作された。そういう結果、この人は非常に若くして、その功績が認められて常務に就任をされた。こういう事実がもしあるとすれば、これはいわゆる株の取得でやったということでなしに、やはり大量資金というものによる投機買いであったというふうに見られても何ら抗弁ができぬのではないか、こういうふうに思うのですが、この点について、説明は要りません、こういう事実もあったのだ、どうかということを、ひとつ檜山参考人からお伺いしたいと思います。
  251. 檜山廣

    檜山参考人 私のほうの株式の所有が四十六年の九月期が五百三十八億。四十七年の三月期で、運用有価証券が七十億、投資有価証券が七百六億。四十七年の九月期が、運用有価証券が五十九億、投資有価証券が千百三十億。この三月期で運用有価証券がゼロで、投資有価証券が千三百十億となっております。そこで、四十六年の九月期が——この有価証券売買益というのは、公社債と貸付信託その他の全部の合計になっておりますが、公社債を二百十一億、株式を六十億、貸付信託その他合計の売却によって十二億の利益証券益として出ております。四十七年三月期が、公社債が二百九十五億、株式が百四十億、信託その他が五億で二十億。四十七年の九月期が公社債が百二十九億、株式が百九十七億、貸付信託その他が二十一億で三十七億。こういうかっこうになっております。  数字は合っておりますが、この三十七億も荒利でありまして、同時に、御存じと思いますが、株を、たとえば五十円の株を持っておりまして今後二百円の株を買った。それを販売する場合には二百円と五十円を平均したプール価格で販売する、それが企業会計の基準に従ってやるものですから、有価証券の昔から持っておる、非常に含んだ益、含み益も一緒にこの利益に計上されてしまうという企業会計の基準になっているものですから、この三十七億というものは非常に大きいように見えますが、そういうものを引きますと、たいした——たいしたと申し上げますとあれですが、額としてはそう大きなものではない。むしろ利益は、かつて五十円とかそういうので持った株と今度新たに投入した株との平均でやるものですから、有価証券の含み益までが全部売買益となって出てくる。こういうことで……。  それから最後の、伊藤常務なる者は、決してそういう、株でもうけたからというようなことでございません。先生みずからひとつ人間の診断をしていただいてみてもわかりますが、私は、少なくともあの年次では最も優秀な役員ではないか、こういうふうに考えて登用しました。
  252. 石井一

    ○石井委員 基本的なデータについては了解をしたわけですが、原則的な問題として御指摘申し上げたいのは、やはり庶民が、主婦が、どれぐらいの金額で株を買っておるか、わずかな金額で、少し上がったことに対して一つの喜びを感じておるわけです。いろいろの理由があるにしましても、これは正当なんだという説明ばかり当初からやられておるような気が私はしてなりませんが、要は、大商社がやはり何百億という金を半期に動かして株を操作しておるということには違いがない。そのことによって異常な株価の変動が昨今起こっておるということも事実なんです。しかも、これは大蔵省の正規の書類に出ておるものであって、これ以外に含み資産、含み財源というものがどれだけあるかということを考えると、この点はもう少し反省をしていただけないかという感じがしてなりません。  ここで、このものは、幾らやっておっても平行線をたどりますから、ひとつ委員長にお願いいたしまして、現在保有しておる株の明細、それからその購入価格と持ち株数というものを、できたらひとつ公表していただきたい。後日でけっこうでございますから、これを六参考人にお願いを申し上げておきます。  それと同時に、私の同僚の稲村委員からも、いわゆるダミー会社であるとか関連会社についてリストを出してほしいというふうな要望をしたようでございますが、これらが皆さんにかわって株の取得をしておるということもたくさんあるわけです。われわれも事実を知っておりますが、こういう系列会社が何社あるか、おそらく、大きなところでは百社どころではきかぬのじゃないかという想像を私はしております。子会社の次には子会社の子会社もあるし、子会社の子会社の子会社もある。あるいはまた、販売ルートのチェーンの末端まで掌握しておられるというふうなものもありますが、これはある程度の限度がありますけれども、少なくとも親会社から融資をして株を取得せしめたものとか、あるいは全額出資しておる、半額出資しておる、系列会社として非常に関係の深いそういう会社が、一体ここ一年間どれくらいの株を皆さん方を中心にして動かしてこられたか、この点についてひとつ、いま申した資料を資料要求としてお願いをさしていただいて、私はそれを拝見して少し調べますと、皆さんの言っておられることがなるほど公正な取引上必要なことか、あるいはある程度やはり投機的な買いだということが断定できると思いますので、この点をひとつ御要望しておきたいと思います。  それからもう一つ、やはり問題になりますのは土地の問題だと私は思うのです。これは私のデータでも、六大商社が四十八年一月末の手持ちが三千七十万平方メートル、こういいますから、簿価で、買ったときの値段で千百五十億円というのが、私がちょっと調べた中でも出ていますが、こんなものは氷山の一角だという感じが私にはしてなりません。土地のつり上げをしたのは何も商社だけでないということは、私もよく知っております。しかし、その一翼をになって、結果的には貢献されたということは確かだ。で、こまかくは、三菱商事が岡山県のどこどこで、伊藤忠が千葉県の市原でどうのこうのというデータは全部ございますが、これは一々いま申し上げませんが、やはりこういう買占め商社の手で、特に丸紅伊藤忠というもので非常に激しく行なわれてきたということも、われわれ伺ってきております。  それでは、ひとつ今度は伊藤忠参考人にお伺いをさせていただきたいと思うのですが、自分のところ独自の不動産の事業それから関連の事業として、これまでどれくらいの投資をされたというふうにお考えですか、これは土地の問題に関して。
  253. 越後正一

    越後参考人 申し上げます。  固定資産勘定では百六十八億、商品土地といたしまして金額で三百八十八億でございます。
  254. 石井一

    ○石井委員 これは伊藤忠プロパーのものなんでしょうね。いわゆる関連会社ダミー会社というふうなものは、現在そういう資料は一応お持ちになっておらない。
  255. 越後正一

    越後参考人 私どもは、ダミー会社は一切ございません、土地に関する限り。ただ伊藤忠不動産が、昭和二十四年から資本金二十億円の歴史を持ってデベロッパーとして活躍しておりますが、この持っております量はちょっとここに、金額はわかりません。
  256. 石井一

    ○石井委員 それでは同参考人にお伺いしますが、千葉県の市原というところで一千二百万平方メートル、これは膨大な土地だと思いますが、これを取得されたという御記憶はありますか。
  257. 越後正一

    越後参考人 青森県、長野県の例は三つ聞いてまいりましたが、千葉県の例は伺っておりません。
  258. 石井一

    ○石井委員 それじゃ、これも非常に恐縮ですが、土地問題は今後の大きな政治課題でございますので、そういう意味で、大商社がプロパーにやられたものに限らずに、五〇%かあるいは一部分いわゆる出資されたそういう子会社をも含めて、金を融資して土地を買わしておるもの、あるいは関係会社がやっておる事業というものも含めて、これまでの土地を扱っておられる量、そのリスト、当時の購入された金額というふうなもの、これもひとつできればわれわれに御提出をいただきたい、こう思うのですが、これは委員長、お計らいいただけますか。
  259. 山中吾郎

    山中委員長 本日の質疑者から参考人に要望されておる資料については、あらためて委員長から参考人にお願いをしておきます。
  260. 石井一

    ○石井委員 私がただいま申しましたのは、一つは企業内の体質という問題、企業間の体質という問題それから第二、第三は、いろいろの商品もありますけれども、土地と株という問題これは庶民生活ということから考えますと重大な問題である。皆さん方が罪を犯したという議論は少し早計だと思いますが、結果的にはこれらに対して非常に大きな影響を与えておるということを、ひとつこの際御認識をいただきたい。私たちもえりを正して、この問題について真剣に取り組んでいきたいと思いますが、それに対する資料提供もしていただき、また綱紀粛正といいますか、一つの商社における一つの再編成、そういうふうなことも同時にひとつ、この重要な問題について考えていただきたい。これがいわゆるいま問題になっておる社会的道義、社会的責任という問題だと私は思います。  このことを御指摘いたしまして、次に譲りたいと思います。
  261. 山中吾郎

    山中委員長 三塚博君。
  262. 三塚博

    ○三塚委員 きわめて簡単に質問をしますから、明快に御答弁いただきたいと思います。  もう各委員からの質疑で尽きておるようですから、私は、具体的な資料で御質問申し上げることはやめます。  まさに、聞いておりまして、論議は平行線であります。買占め、売惜しみをやっておったのではないかという議論に対しまして、参考人各位からは、そういう事実はないのでありますと、こういうことであります。あくまでもそれは商社商行為でありまして投機ではないというお話。また買占めはしておらない、買いだめは——週刊サンケイでありましたが、それに檜山社長が、買いだめは商行為の正当行為である、こういうようなことでインタビューされておったようでありますが、その買いだめか買占めかという問題も明確ではございません。商社は本来注文で買い、それを水ぎわで売るだけでありますと。しかし、それは買ってから注文に応じたと見られる、そういう節も当然あるわけであります。先ほど出された大豆の例にしても、国際価格が六千円、商社の手を通ずると一万二千円、どうして六千円のこの差がつくのかという大きな疑問を国民は持つわけであります。依然、皆さま方の御答弁は、正当な商行為であって買占め、売惜しみはないとおっしゃっておりましても、各政党の皆さんも私も、国民の多くは、商社買占め、売惜しみによって今日の生活関連物資の高騰があった、こう認識をいたしております。そうして皆さま方も、その論議は一応おくとして、今日の事態を反省をすると、先ほどそれぞれの代表から言われました。反省をするということ自体は、やはりそこに私は、善意か故意かという議論でいたしますと、知らなくてやったことであるけれども、そこには未必の故意というものがあったのではないかということをお認めになった言動であると思います。  そこで、反省をするというそのことばの中から、しからば、反省をしたならば、その次に出る行動は何であろうかということであろうと思います。もう買い占めた物資はないということであれば、それを放出して生活関連物資の安定をはかるということも考えられない。ただ一つ、皆さま方に、これだけの大騒ぎをさした、また物価高騰の直接的原因であろうと間接的原因であろうと、プライスメーカーとして、わが日本経済の基本的な中枢にある巨大商社として、世界の商社としてのここにおられる六社の方が、日本経済界を代表されて今回答弁されてあってもしかるべきと思います。そういう意味で、反省をされたという皆さま方の言質の中から、しからばその反省をどのような形で今後あらわすのか。私は、この反省の上に立ったあらわし方は、これだけの社会問題を提起したのでありますから、政治家ならば、出処進退をはっきりいたしまして辞職しなければなりません。皆さま方もそういう意味——会社の首脳陣としておられたそのことがマネージメントに欠ける点もあったと言われており、また機構上、社員の運営上にも手ぬかりがあったと認められております以上、私は、マネージメントとして、経営者として適格を欠いたのではないかというふうにいわざるを得ません。そういう意味でひとつ、まず、米の丸紅といわれる檜山社長から、そして株の伊藤忠といわれる越後さんから、逐次山田さん、橋本さん、辻さんに、この責任を反省の上に立ってどうとるのか、会社社長をおやめになるのかどうか、そういうものも含めてひとつ、これは国民が聞きたいところでありますから、ざっくばらんにお聞かせをいただきたいと思います。
  263. 檜山廣

    檜山参考人 私、いろいろ考えておりますが、社長をやめるときに何がしか、こうして世間をお騒がせしたことに対して、何か世間の皆さんに対して、なるほどこれだったなというようなことを今後具体的に考えて、——それは具体的に何をしようかということはいまありませんが、必ず何かを私が隠退のときに、このお騒がせしたことに対する報いとして何かやっていくというかたい決心をしております。
  264. 越後正一

    越後参考人 私も、具体的な反省の事実につきましては、今後幅広い、また深い考え方会社をもう一ぺん見直して対処していきたい、こういうぐあいに考えます。また、お騒がせいたしました責任は十二分に痛感いたしておりますが、社長をやめるのはいと簡単でございます。企業責任者として慎重に考慮さしていただきたいと思います。
  265. 山中吾郎

    山中委員長 山崎拓君。
  266. 山崎拓

    ○山崎(拓)委員 私は、せっかくのよい機会でございますから、いままで各議員からいろいろ指摘されました個別的な問題ではなくして、最も基本的なことをお尋ねしたいと思います。  それは、商社社会的な責任、それから社会的な役割り等について、今日、これまでるる御指摘があり、かつ皆さま方の御意見の開陳があったわけでございますが、私は、参考人の皆さんのお話を承っておりまして、それぞれの方のお持ちになっておる経営理念と申しますか、そういったものに若干の差があるのを、率直なところ感じておるわけでございます。そういった意味で、皆さま方に再度、商社社会的責任社会的役割り、経済社会の中での役割りと申し上げてもいいと思いますが、この二点についてもう少し聞いてみたいと思うわけでございます。  まず、社会的な責任の問題でございますが、今回のこの物価騰貴は、参考人からも御指摘がありましたように、私はひとり商社責任ではないと考えておるわけであります。と申しますよりは、むしろ過剰流動性による景気過熱、そういったものが基本的なものでございまして、そういった問題を解決しなければ、この物価騰貴の問題はもちろん解決ができない。しかし、その物価騰貴原因の一つとして大手商社による商品投機があったのではないかという認識が、国民に広く一般化しておることも事実でございまして、こういう点については究明し、かつ反省をしていただくということも肝要な時期に来ておる、この意味参考人の喚問があったと私は思うわけであります。  今日、われわれを含めまして国民全体が、いわばエコノミックアニマルと申しますか、経済的な利益を追求することをいわば至上主義にして、精神的な豊かさといったものを求める心に欠けておるという点が、これは一億あげて反省すべき時期に来ておる。その中でたまたま今回この商社の問題が取り上げられて、商社行為が諸悪の根源であるかのごとき指摘になっておると思うわけであります。もちろん、商社行為の中にわれわれが追求すべき問題はたくさんあると思うのでありますが、そういった意味で、今後、いわゆるGNP至上主義ではなくして、われわれはやはり、個々人もそうでありますが、企業もまた、いわば企業社会的責任というものをどういうふうに自覚していくか。メーカーは公害の問題で反省を求められておるわけでございますが、商社にもまた同様の社会的責任というものについてもっと深く突っ込んで考えていただくべき時期に来ておる。こういう点について一つはお伺いしたいわけであります。  もう一点は、社会的な役割りでございますが、日本は自由主義経済をとっておる。私どもまた、自由主義経済の信奉者であるわけであります。そういった意味で、今日まで、自由競争の利点を牛かしてGNPを拡大してきた。そういった意味でわれわれは、今後とも自由経済のもとで国家の繁栄というものをはかってまいりたい、そういった意味で、商社の存在かこの自由経済の中で最も象徴的な存在であり、また貿易立国のわが国の中で非常に大きな役割りを果たしてきたと、私は評価しております。かつて、私が十余年前学生でありましたときには、将来商社マンたらんと志したこともあったわけでございまして、私は、この日本の経済の中で今日の商社が、国内の商品流通過程に深く介入しておる、あるいはデベロッパー的な仕事もやっておる、こういった方面に今後商社が伸びていくことが、日本の自由主義経済の立て役者としてはたして必要なことであるかどうか、あるいはそのことが必要であるという認識のもとにおいてやっておられるのかどうか、今後の方針について皆さま方の御見解を承りたい。  時間がございませんので、この辺でやめますけれども、代表いたしまして橋本参考人、それと辻参考人に御意見を承りたいと思います。
  267. 橋本栄一

    橋本参考人 ただいまのお話の、商社社会的責任というのをどういうふうに自覚するかという問題でございますが、われわれ、御指摘のように、非常に競争といふうな自由主義の最も先端的な面と申しますか、悪い面と申しますか、そういうところで生きてきたことは事実であります。だけれども、私が感じますのに、私どもが教育を受けてまいりました戦前の状態に比べまして、このごろは全く自由である。先ほどもちょっと御指摘がありましたが、社内間で競争するとか、あるいは横の連絡が全くないような動きをするというふうなそういう問題は、これからそれでは商社の経営ができなくなってくるのではないか、私どもはそう考えております。つまり、もっと総合的な判断、下から積み上げたものでなく、上からもっと総合的に指導していくような考え方でなければ、商社の経営が非常に複雑になっているというふうに思っておりますので、そういう意味で、いま申し上げております商社行動基準その他にそれを織り込んで、どういうふうにわれわれの考え方のギャップを埋めていくのがいいかということを慎重に考えなければならないというふうに思っております。  それから、いまの商社の役割りの問題でございますけれども、これは基本的に言いますと、われわれの国は非常に物資の足らない国でございますから、そういうものを安定的に数量を確保して、安定した価格で一般に供給するという形が理想的なのでありまして、そういう意味ではコスト・プラス適正口銭でいつでも供給ができるということが私は理想だと思うのです。だけれども、これが簡単にいかぬところは、これはなかなか御説明してもわからないのですけれども、国際商品の逆ざやという問題。コストで買ってきてそれにプラスアルファして売ったら、それが適正であるかどうかということについては、非常にむずかしい問題か一つある。これをどういうふうに——それでは損したときはおまえたちが持って、利益のときだけはコストプラス適正でやれ、こういったのではやる人がなくなるわけです。その問題はどういうふうにアジャストしていくのかというようなことを慎重に考えてやっていく必要があるのではないかと思っております。  それから、国内の流通の問題につきましては、確かに御指摘のように、われわれが流通機構に深く入っていくということにつきましては、私は問題があると思いますけれども、私の私見ですけれども、戦後日本の経済は、生産は非常に大きくなった。ところが流通のパイプというものは、生産に比べてあまり大きくなってないのです。やはり弱くて細いですね。だから、そういう意味で、流通のパイプを生産の規模に見合わすようにする必要があるのです。われわれは、流通に介入しておる面におきましては、そういうことの一翼がになえるのではないかという考え方でやったし、また弱いほうの流通の人にすれば、そういうことをしてもらうことが強くなるんだという考え方を基本的に持っていると思うのですけれども、しかし、いま御指摘のような問題が出ますと、非常に悪い面が出るわけでありますからというて、これをすぐ、それじゃ私どもそれからやめる、こういうと、たださえ細いパイプがなお細くなるおそれが非常にあると思うのです。なかなかこの処置はむずかしいと思います。むずかしいと思いますが、そのパイプを適当に大きくして、しかもわれわれがそれをあまり介入して末端まで握るという形でなく、どういうふうにそれをモデファイしてモデレートな形で実現することができるか。これは非常にむずかしい問題でありますけれども、われわれなりに研究をして結論を出してみたい、いまこういうふうに思っております。
  268. 辻良雄

    ○辻参考人 商社社会的責任あるいは役割りということにつきましては、各社の社長さんはじめ私も、多少いままでの答弁で触れてまいりましたが、基本的には、目下集まって作成しておる商社行動基準、これに、きわめて抽象的ではありますが、とにもかくにも共通の理念を盛り込んでいく。その上でこの具体的なあらわれは、これはやはり各社各様の行き方がございますので、同じような現象としてあらわれるということはあるいはないかとも思いますが、いずれにしても相当変わった行き方になるであろうということを御理解願いたいと思うのです。  それから、かなり橋本さんが具体的に商社の役割りというものを、いわゆる流通面のパイプというようなことにたとえられてお話しになりましたが、大体私も同じような見解でございます。ただ、商品によりまして、その流通形態というものを一律にきめるということはなかなか困難がございます。しかし、原則としましてわれわれの場合、国内の流通過程に万一入り込むとすれば、輸入品の延長として、輸入品の取り扱い上商社がこれに関与したほうが、少なくとも社会的見地から見て有利である、有益であるというようなもののみにしぼっていきたい、かように考えております。
  269. 山中吾郎

    山中委員長 井岡大治君。
  270. 井岡大治

    ○井岡委員 同僚の皆さんからかなり具体的に御質問なさって、そしておのおの答弁をいただいておりますから、私はごく簡単に、商社商社活動というものがいかに社会的責任を果たすかということ、同時に、そのことが悪い面で悪く出てきた場合大きな責任がある、こういうことについてお伺いしたいと思うのでございます。  私は、大蔵省並びに通産省から資料をいただきました。これは皆さんが出された資料に基づいてつくっておることでございますが、どの商社も一律に——これは一番初めのは三菱さんのでございますが、取り扱い高の比率、建設関係が四・九、あるいは燃料が七・九、そうして食糧関係が一二・四。次に三井さんでございますが、食糧関係は一四、こういうように非常に高い率を占めておいでになるわけです。  そして、調べてまいりますと、たとえば大豆の問題をとって申しますと、大豆は世界的不作だったのだ、だから高くなったのだ、こういうように申されておりますけれども、皆さんの商社の中で、三国貿易を非常にたくさんやっておいでになる。おわかりでしょう。大体三〇%から三五%の三国貿易をやっておいでになります。これは資料に出ております。  私は、ここに問題があるのだろうと思うております。そして木材の点については、アメリカは木材が足らなくなった。ところが、皆さんどんどん買い占めて、ほかに三国貿易に出しておいでになる。通産省にいたしましても大蔵省にいたしましても、このことに関する限りはどうにも手が出ません、こういっている。ここに日本人に対する、日本商社に対する世界的な大きな非難が出てきているのは御存じでしょう。思いませんか。橋本参考人にひとつお尋ねします。
  271. 橋本栄一

    橋本参考人 ただいま先生から御質問かありました三〇%というのは、取り扱いの中に三〇%くらいの三国貿易をやっているという意味ですか。——それはちょっと間違いじゃないでしょうか。私はかなり数字はよく知っておりますが、三%くらいじゃないでしょうか。(井岡委員「ここに出ている。」と呼ぶ)それは拝見しますけれども、それで、それをふやそうと思って努力しておりますのですけれども、私は五%くらいまでふえた商社があろうと思いますが……。戦前のわれわれの会社は、確かにおっしゃるように、全取り扱いの三割が三国貿易だったことはあるのです。現在はとても一割までいかないというのが実情ですから、そんな大きな数字はありませんし、かたがた、木材については三国貿易をやっている会社はないのじゃないかというふうに思っております。
  272. 井岡大治

    ○井岡委員 この論争をやっておったら時間がございませんから、私はやめます。やめますが、三国貿易というのがいかに世界のひんしゅくを買っておるかということ、このことだけはお認めいただかなければならぬと思うのです。日本に必要のないものを買って、そしてよその国に売っておるわけですから。この点はお認めにならなければいかぬ。しかも、そのことが向こうの価格のつり上げになっている。  伊藤忠さんにお尋ねしますが、たとえば綿糸の問題です。パキスタンの綿糸二十番、百五十六ドルであったものを百ドル上乗せにしてきたでしょう。そのために国内の綿糸が足らなかったでしょう。あなたは、それは向こうに綿糸が少なかったから上がったのだ、こう言われるけれども、買い過ぎたじゃないですか。どうです。
  273. 越後正一

    越後参考人 詳しくは存じませんが、私の聞いておる範囲内におきましては、欧州市場が極端な需要増と供給不足で買い上げたので、その後は日本へのオファーはほとんどストップされた、こういうことは聞いておりますが、どういう原因で高くなったかは、もうちょっと研究する必要があると思います。
  274. 井岡大治

    ○井岡委員 ここに問題があるのです。先ほど申し上げましたように三国貿易と——パキスタンであなたのところが買われたのは綿糸二十番手、最初お買いになったのは一コリ百五十六ドル。ところが、その次に、あなたのほうが買い過ぎたために、向こうは一ぺんに百ドル上げてきたでしょう。そうして日本に入らなくなったでしょう。ここが問題なのです。  したがって、先ほどからいろいろ言われておりますけれども、やはり皆さんのいままでの、もうかったらいいのだ、これだけではいけない。そのことが国民にいかに大きな影響をもたらしているか、こういうことを考えて、いろいろ反省をする、しなければいかぬ、こう言われておいでになりますけれども、具体的にこれからあらわしていかなければ、日本全体が世界から経済的に孤立をする、その結果国民生活に重大な影響を及ぼす、私はこういうように考えます。この点について一言山田さんから……。
  275. 山田敬三郎

    山田参考人 いま三国貿易についてお話がありましたけれども、これはいろいろな商品はあると思いますけれども、実はぼくは三年ニューヨークにおりまして、そのとき具体的に、アメリカのエクジムバンクのカーンズ氏も、おれのところではうまく輸出できないから商社でぜひやってくれというお話がありまして、もちろん日本の需要を優先しまして、そしてほかの国に対する、ユーゴスラビアにも出しました、そういう仕事をやっておりますので、一がいに三国貿易が悪いということは絶対にないとぼくは思います。これはもちろん各国の事情は違いますので、その要請を聞いてやることは、絶対にひんしゅくを買うことではなくて、喜ばれることであって、そういう点に商社としての活路を開くべきであるし、これはまた、日本の名声のためにもなることと私は信じております。
  276. 井岡大治

    ○井岡委員 この問題については、いろいろまた後ほど、私たちやりたいと思いますから、私の質問はこれで終わります。
  277. 山中吾郎

    山中委員長 中村茂君。
  278. 中村茂

    ○中村(茂)委員 私からは、羊毛毛糸関係して若干御質問いたしたいというふうに思いますので、時間がありませんから簡潔にお答え願いたいと思います。  特に毛糸の相場について見ていきますと、四十八番の標準銘柄について、ずっと、昨年のこれら毛糸が上がるまでの値段は、一キロ大体千二百円前後でありました。それが昨年の十二月十九日に二千円台になり、ことしの三月八日についに三千円台になりました。そこで三月九日に、政府の命令によって商品取引所が立ち会い閉鎖になった。その後ずっと閉鎖が続いて、四月二日にこの取引所が再開されると、その後ずっとトップ安の状況が続いております。それはいま、立ち会い閉鎖前の大体二割安になっているわけです。  毛糸の相場をずっといま申し上げたわけでありますけれども、衣食住というふうにいわれる、国民生活に非常に関係のある衣が、相場がこのように変動してまいりますと、国民生活に非常に悪影響を来たしてきます。この中で私は一番問題だと思いますのは、取引所の立ち会い閉鎖をした寸前の相場、これは平常よりも二倍以上の相場になっているわけでありますから、この異常な急騰に対して商社として関係があるのかないのか、明確なお答えを願いたいというふうに思います。特に、この面についての取り扱い高に強い伊藤忠商事の越後参考人にひとつお願いいたします。
  279. 越後正一

    越後参考人 羊毛の取り扱いにつきましては、数年前から日本第一位のランクで取り扱いをさせてもらっておりまして、大体一割近くの取り扱いができておるのではないかという報告を受けております。  このように、いまお話のとおりに価格がべらぼうに高騰したということは、まことに遺憾のきわみでありまして、私どもはあえてそういうことを期待し、また予測してやったわけではございませんが、しかし、この点に対しましては、担当者をはじめ大いに自粛、反省して、世間の悪評を買わないように善処するということに、最大の注意を払うよういたしております。
  280. 中村茂

    ○中村(茂)委員 このような値上がりを別に予測してやったわけではないけれども上がってしまった、今後十分自粛して気をつけます、こういうことでございますが、この急騰した原因についていろいろ調査し、考えてみますと、一番の問題は、この原産地であるオーストラリアにおける商社中心にした青田刈り、買占め、こういうことが昨年集中的に行なわれたということが明らかになってきました。特に毛糸羊毛等については、いままでは日本のそれぞれのメーカーが、それぞれメーカーに特徴があるわけでありますから、自分のところの糸をつくるための羊毛を、それぞれのメーカーから現地に派遣されて、自分のところの糸をつくるのに必要な品質のものをそれぞれのメーカーで買い付けるという方向が非常に多かったわけであります。ところが、昨年に至りますと、商社の皆さんがその間に介入しまして、いままでほとんど日本の買い付けは原毛に集中していたわけでありますけれども、皆さんが、昨年だけで見ていきますと、いままで日本で買い付けなかった毛糸六千トン、トップ二万トン、それに、いままで買っていました原毛は、その前の年の同期に比較しますと三割五分も多く買い付けている。ですから、これを全体的に見ていきますと、一年間の需要量以上に、相当買占めを行なうという結果がそこに生まれてきた。このことは、いま申し上げましたように、いままで大体メーカーが行って、自分のところに合った原毛を買っていたのが、皆さんが入ることによって、今まで買い付けなかった毛糸、それからトップを大量に買った、その上に、メーカーに合わないものでも何でも買いあされということで、原毛を多く買い付けた。  その結果、どういう現象がオーストラリアに起きたかというと、一キロ当たり、いままでは百二十セントから大体百八十セントのものが、急に六百セントにも急騰してしまった。このことが日本にも反映して、先ほど申し上げたような、ついに商品取引所を閉鎖せざるを得なかった、こういうところに追い込まれてしまった。ところが、日本でこの立ち合いを閉鎖しますと、一日に大体百五十セントもどんどん下がる、こういう現象がオーストラリアに起きたわけであります。  ですから、これを考えてみますと、何といっても、皆さんが商社として商売していく際、一つの商売としてのルールがあります。日本のそれぞれのメーカーが自分のところの銘柄をつくるための羊毛を、合ったものを買おう、こういうふうにきちっとしたルールの中で商取引が行なわれた場合には、先ほど申し上げたような平常の、大体一キロ千二百円程度の安定した価格を保ってきた。ところが昨年、いま申し上げたように皆さんがそういうところへ介入して、このルールというものがもう全然乱れてしまった。その中から国民に重大な影響を与えるような相場の急騰という問題が起きてきた。これがまず一つであります。  それから、いろいろ言いますけれども、やはり皆さんのそういう一国における一つの品物買占めによって、それが世界的に大きな影響を与えるということ。いままでは、原毛を買ってきて毛糸日本でつくった。その毛糸だけでも、全世界の使用量の六割も占めるということですでに問題になっていたところを、オーストラリアにおいて皆さんがそういう買占めをしたわけでありますから、今度その七割をも日本が買い占める、こういう状況が出てきている。そしてその中から世界的な非難を浴びる。世界的な羊毛または毛糸の急騰を見る。そしてそれが日本へも反映してきて、先ほどお答えがありましたように非常に価格の変動を来たして、国民生活に重大な影響を与えてきておる。  だから、皆さんがいままで買占めをしていないとかそういうふうに言いますけれども、私は買占めとかどうとかと言う前に、そういう買い付け、結果的にはそれが買占めになり投機になり、非常にその幅が大きいわけでありますから世界的な変動を来たし、日本の相場も上がって国民生活に重大な影響を与える、こういうことになるわけでありますから、先ほどお答え願いましたけれども、伊藤忠商事の越後参考人に、いま私がずうっと現地から連絡をとりながら調査しておることについて、間違いがあったら間違った点を指摘してもらって、いま申し上げたように、皆さんのそういうような活動が世界的にも国内的にも影響してきたというふうに私は判断するわけでありますが、御意見をお聞かせ願いたいというふうに思います。
  281. 越後正一

    越後参考人 最初に、先ほどおっしゃいました十二セントという数字は、私の参考資料によりますとございません。四十五年の八月が百六十六セント、四十六年が百二十五セント、四十八年三月が六百セント、四十八年四月が三百七十五セント、こういうぐあいになっております。  いまいろいろ伺いまして、私自身も啓発されたものもたくさんございます。われわれは、ほかの商品と違いまして、羊毛に関する限りは、品種が紡績の指定的なインデント式になっておるのが通常でございまして、したがいまして、ふだんは全く右左の取り扱いをやらしていただいておるだけであります。ところが、羊毛価格が上がるという段階に入りまして、紡績会社は、自分のインデントだけの品質のきまったものだけを買っておってはおくれるので、一般のもののおファーでそれに似たものを買い進むということになりまして、中には、そういうものをどんどん買ってもらった方々はたいへん喜んでもらっておるし、買わなかった方は非常に困ったということを伺っておるのであります。  いずれにいたしましても、いまのお話のごとく、買占め的な意見を前に持っておったのではなしに、紡績会社の需要によって大量に買い進んだということなんでありまして、したがいまして、在庫その他もきわめてわずかなもの、ほとんどふだんはゼロでありました。今日の場合におきましても、ほとんどゼロに近いもので、たいしたものを持っておりません。そういう羊毛の特殊の仕事でございますので、その点十分御理解願えることと存じます。  以上、御報告申し上げます。
  282. 中村茂

    ○中村(茂)委員 答えになっていないのですけれども、私の言っておりますのは、皆さんが介入することによって、いままでの一つのルールというものが非常に乱れて、しかもそれが大量に取引するわけでありますから、相場に重大な影響を来たしてきている、この二点について申し上げているわけであります。ですから、先ほどもそれぞれ皆さん、質問お答えになっていますように、何をやってもいい、こういうことじゃないはずです。一つの商売をするにも商社としてのモラルというものがある。日本のそれぞれのウールのメーカーが原毛を買い付けるという場合に、それぞれのルールに基づいてやっていたものが、皆さんの介入によってそれがめちゃくちゃになってしまった。そういう中から問題が出てきている、この一点あるわけです。その点について反省するというふうに言われたわけでありますから、今後の措置を含めてひとつはっきりとお答え願いたい、こういうふうに思います。
  283. 越後正一

    越後参考人 ただいま申し上げましたとおり、インデント方式がくずれておファー取引がふえてきた、これは全部じゃございません。大部分がやはりインデント取引であります。したがいまして、市況も落ちつけば自然に紡績の買いオファーというものはなくなりまして、右左のインデント方式に落ちつくものと思いまして、私はそんなに心配——特殊のケースであるというくあいにお考え願っていいのではないかと思います。専門家でございませんから、これ以上ちょっとわかりません。  いずれにいたしましても、価格の高騰をいかにして阻止するかということはわれわれの任務であり、また、いかに安い原料を、また品質のいいものを大量に輸入してくるかということが使命でありますので、その使命を忘れないように努力いたしていきたいと思います。
  284. 中村茂

    ○中村(茂)委員 楽観的なことをいま言われたわけでありますけれども、これは国内的な一つのルールを乱したのみならず、先ほど申し上げましたように、それぞれのメーカーにはそれぞれの銘柄があって、それに見合った羊毛を買ってきたのを、皆さん今度国内に持ってきて、これは強引に、違う原毛をそれぞれのメーカーに押しつけているわけでありますから、——押しつけという言い方、ちょっと妥当でなければあれですけれども、私の聞いているメーカーでは、押しつけられて迷惑していると。それはそうでしょう。いままでの原毛というものについては、こういうものをつくってくれ、自分のこういう銘柄になるということでよりえって買ってきたのを、そういうものを抜きにして皆さんが買いあさってきて、それでそれぞれのメーカーに押しつけているわけでありますから、今度違った銘柄ができてきます。そういう意味で非常に迷惑している。それだから、国内における銘柄、そういうものに対しても、いままでのルールというものを根本的にくずしてしまった。それで最近特に言われているのは、だから、どういうふうに言っても、皆さんからルールをくずされたオファーについてなかなか直すわけにはいかない、将来のことを考えてみた場合にも、なかなかこれは正常なルールに乗せるわけにはいかないのだ、こういうふうに嘆いています。それが間違いなら、ここのところに、そういうふうに嘆いている証人を私は連れてきます。  そういうふうになってきて、それでもう一つ、時間がありませんから簡単にお答え願いたいと思うわけでありますけれども、いま、皆さんのところから情報が出てそれぞれのメーカーから言われていることは、特に羊毛を原料とする洋服生地等については、いままだそれほど上がっていない。しかし、裏地、糸等についてはもうものすごく上がってきている。しかし、この洋服の生地等についても、もう二、三カ月すればものすごく上がる。それは、三月の時点で非常に問題になって、現地で買い付けたそういうものが入ってきて、それが製品になってくる時期にはもっと上がります、こういうふうにメーカーでも、利用者の皆さんに言っているわけですよ。  だから問題は、そのことをずっと考えてみますと、皆さんが原毛を買って、こういうふうに流れてきて、それが製品になっていく、そのものについてまで、もっと上がる上がるという情報がどこから出てくるのかということなんです。その点について、相場ですから、そういうふうに持っていきますというふうに一がいには言うことができないでしょうけれども、一つのものを買い付けて、このルールを見ていきますと、皆さんから出てくる情報、いまの問題でいけば、オーストラリアについては、昨年、将来への見通しを立てて、羊を減産したので将来少なくなってくる、だから買い付けた、こういう情報もあります。しかし、それはそれとして、そういうことから始まって、高くなるぞ、こういう流れてくる情報ですね、こういうものが国民に非常に迷惑を与え影響を与えて、値段というものがどんどん上がってくる、こういう側面があるわけでありますから、それもやはり皆さんの商道徳の一つに入ると私は思うのです。  この洋服生地の問題等についても、非常に楽観的なことを言われておりますけれども、そのとおりいけばけっこうであります。いま情報で流れているように、やはり六割、七割というふうにもう二、三カ月たてば上がるのか上がらないのか、皆さんの責任をもって、いまの値段よりもっと下がった値段で保てる自信があるのか、その点についてひとつ明らかにしていただきたいというふうに思います。
  285. 越後正一

    越後参考人 最初に、オファー取引で相手が迷惑しておられるという話は、初めて伺いました。長い間の取引でありますので、相手が喜ばれないものを持っていったら、必ずあとのリピートオーダーは参りません。したがいまして、一ぺんや二へんの取引だけで終わるわけでもございませんので、十分御納得のいくように取引はできておるものと私は解釈いたしております。  なお次に、織物の価格の問題でありますが、原材料が上がれば、製品に影響する、これはもう採算的に当然そうなるだろうと思います。そういうことになることを非常に心配いたします。私自身も社内では、投機的な、いわゆる相場ということばを禁じております。長年使っておりました相場を言わせない。何々市況ということばを使えということに改めておるのでありますが、まあ、私だけでこの価格をどうこうするわけにはまいりませんので、ただ希望するだけでありまして、われわれの力では——紡績加工業者あるいは小売り段階その他によって形成されるのでありまして、できるだけこれがあまり上がらないような結果が生まれてくることを希望いたします。
  286. 山中吾郎

    山中委員長 渡辺三郎君。
  287. 渡辺三郎

    ○渡辺(三)委員 午前中の参考人に対する質問の中で、特に参考人のほうからは、商社営業活動として、水ぎわから水ぎわまで、こういうふうな話がありました。一方、私ども先日、木材関係の問題につきまして、それぞれの参考人の方に来ていただいて意見を開陳をしてもらったわけですが、その中では、特に国内の流通経路というものがきわめて複雑になっておる、しかもその過程で商社の介入が著しくなっておる、そういう点から木材の値上がりというふうなものも大きく出てきておるのではないかというふうなお話を承りました。  そこで私は、いま同僚の中村議員から羊毛の問題が質問されておりますから、これに関連して具体的に二、三お聞きしたいと思うのであります。  それは、ことばの上では水ぎわから水ぎわまでという非常にきれいごとが言われておりますけれども、実態はそうなっていないのではないかというふうに思うのであります。まず最初に、三井物産の橋本参考人にお伺いをしたいわけでありますけれども、昭和四十年からフリードマンマークス社からロッキンガムスーツの技術の導入をして、そしてロッキンガムの全国ネットがいまや完成をしておる、こういうふうに私どもは見ておるわけであります。問題は、これをめぐって、いわゆる羊毛の買い付けから国内の販売ルートの掌握というふうなものまで、相当完備された流通経路が確立をされておるのではないか、こういうふうに思うのですが、その点についてひとつ橋本参考人のお考えをお伺いしたいと思うのです。
  288. 橋本栄一

    橋本参考人 ただいまの御質問のロッキンガムという問題につきまして、私、非常に残念でございますが、知らないのです。そして、私のところでは、羊毛の問題につきましては非常に商売がへたと申しますか、インデント商売以外は全然やっておりませんので、実はあまり関心がないと申したら悪いのですけれども、いまの御質問の点は、ほんとうのところ知りません。調べます。
  289. 渡辺三郎

    ○渡辺(三)委員 まあ何も知らないという非常に謙遜された言い方なんですが、それでは、私のほうから若干申し上げたいと思うわけであります。  まず、生産段階でありますけれども、生産段階では三東スーツ、それから前橋三東縫製、これはズボンでありますけれども、それから郡山三東縫製、本宮三東スーツ、高田三東スーツ、名古屋三東スーツ、これが、三井物産が大東紡と協力をして、十年前から縫製段階のグループ化をはかってこられておる。このいま申し上げましたそれぞれのメーカーが大東紡に事務所を置きまして、毎月定例会議を開いて、どのようにしてここでつくられたスーツとかあるいはズボンとかそういうものの販売を拡大していくかというふうなことを協議されながら、まず生産段階からさらに末端の販売経路まで、拡大のための仕事を強化しておるというのが実情だろうと思うのです。この生産能力は、私どもの調べによりますと、大体スーツで三十五万着、ズボンで五十五万本、そのほかにネクタイ、これは菱屋でありますけれども、それからドイツシャツ、加島ブランカーで生産ルートづくりをしておるわけですが、こういうふうな形で販売経路を拡大しておる、これが実態だと思うのです。  これは参考人、ほんとうに御存じにならないのでしょうか。——わかりませんか。  それでは、いま申し上げましたような点は、いずれ委員長にもひとつ資料の御提出を取り計らっていただきたい、こういうふうに思っておるわけであります。  さらに、三井物産の問題について申し上げたいのでありますけれども、関西地区における拠点といたしましてエフワン、これは昭和四十八年から五カ年計画で、年商百二十億を目ざして、この中で、従来の直接販売店システムを発展させてフランチャイズチェーン構想を進めておる、こういうふうに私ども承知をしておるわけであります。さらにまた、福井においてもあるいは足利産地においても、それぞれ三大産元の商社の一つを押えて、そしてそれを系列下に置く、こういうふうなやり方を進められておるわけでありますから、単に水ぎわから水ぎわまでというふうな状態ではなくて、もう羊毛を輸入してそれをどのように国内市場を押えるかというふうなところまで進んでいるのが現在の商社実態ではないか、こういうことを強く申し上げたいわけであります。その点をひとつ明らかにしていただきたいと思うわけです。
  290. 橋本栄一

    橋本参考人 私、先ほど申し上げましたように、水ぎわから水ぎわまでが商社の仕事の大部分じゃないかということを申し上げましたのは、これが仕事の非常に重要な部分である、商社本来の仕事として一番重要な部分ではないかということを申し上げたのであります。  それから、いまの御質問のエフワンの問題は、私も存じておりますが、これは正確に年月日は覚えておりませんけれども、昭和四十何年かに、エフワンという前の方のやっておられた会社が、非常に大きな損失を出して倒産に瀕せられましたので、ぜひこれを救済してくれという話でわれわれのところが介入したわけであります。その後、たいへん既製服の売り込みというのはむずかしゅうございまして、何べんも陥落に瀕したのでございますけれども、ようやく最近それが軌道に乗って一人前にできるようになったというふうに聞いております。ただ、このことが非常に悪いことだということは、私はちょっと意識しておりませんでしたので、なお非常に不行き届きの点がありますれば、それは改めるのにやぶさかでありません。
  291. 渡辺三郎

    ○渡辺(三)委員 時間がありませんから、さらに私、こまかに一つ一つを申し上げたいわけでありますけれども、それは省略をします。  ただ、いまは橋本参考人にお伺いをしたわけですけれども、これはひとり三井物産だけではございません。他の商社の場合にも、たとえば、その内容が違っておっても、同じような原料から生産、加工してそれを販売をする、しかも末端の市場を非常に大きな力でもって影響するような商品の取り扱いの実態というものは、私がここで指摘するまでもなく、参考人の皆さんはもう十分に、自分たちがやっておることなんですから、わかり切っていると思うのですよ。もし時間があれば、私は、三菱山田参考人に対しても、あるいは丸紅檜山参考人に対しても、具体的に指摘をしながら、どのような流通経路で申し上げようとする商品を握り販売をしておるかという実態を申し上げたいと思うのです。これは一つ一つを申し上げる時間がございませんけれども、たとえばいま羊毛の例であげましたが、これは山田さんにもぜひお聞きしたいと思うのですけれども、福井地区における大手産元商社の酒伊、広燃、これの系列化工作というものを三菱さんも進めておられる、こういうふうに私どもは承知をいたしております。もし意見が違っておれば、ひとつ述べていただきたいと思うのです。
  292. 山田敬三郎

    山田参考人 御存じのとおり、羊毛繊維については三菱商事は後輩でございまして、扱い量は少ないのでございますけれども、福井の問題は、細部の問題にわたっては知りませんけれども、あそこの問題につきましては業者のほうがだいぶへばりまして、その救済を頼まれましてやっておるわけでございまして、何か御指摘の点がありましたら、十分調べてまた御連絡さしてもらいたいと存じますが、あしからず……。
  293. 渡辺三郎

    ○渡辺(三)委員 さらに、丸紅のブロイラーの問題についても、これは時間がありませんから、私、一々いま申し上げません。この点については檜山参考人のほうからお伺いをいたしたいわけでありますけれども、これについては相当大がかりな、生産から加工あるいは流通経路の支配をやっておられる。支配という表現が悪ければ、それに非常に大きな力を尽して握ろうとしておられるわけでありまして、この点についてはどうでしょう。
  294. 檜山廣

    檜山参考人 おっしゃるとおり鶏、飼料、養鶏、ブロイラー、これがコンバーターシステムで全く一元的な作業において行なわれております。それが非常に、たとえば社会的なマイナスというようなことであれば、これはまた十分考えなければならぬと思います。
  295. 渡辺三郎

    ○渡辺(三)委員 それじゃもう一つだけ申し上げたいと思うのです。同じ檜山参考人でありますけれども、いまは養鶏の問題を申し上げましたが、肉牛についても同じような形で活動をされておるというふうに私ども承知をいたしておるのですが、その点はどうでしょう。
  296. 檜山廣

    檜山参考人 肉牛については、私まだ存じておりません。
  297. 渡辺三郎

    ○渡辺(三)委員 それでは、これも私のほうでは資料を、先ほど橋本参考人と同じように、委員長のほうから要求していただきたいと思います。
  298. 山中吾郎

    山中委員長 承知しました。  金子みつ君。
  299. 金子みつ

    ○金子(み)委員 関連して一つだけ伺わせていただきたいことがございます。  けさからずっとお話を伺っておりましたところが、きょうの参考人の皆さま方の御答弁は非常におじょうずで、政府答弁よりももっとすぐれているように伺っておりましたが、肝心なところにまいりますと非常に歯切れが悪くて、私などにはあまりよくつかみ取れないところもずいぶんございました。ただ、きょうは朝からずっと具体的な質疑が続いておりますので、私は具体的なものを取り上げるつもりではございませんで、基本的な問題として商社の皆さま方にぜひお考えを披瀝していただきたいことを一つだけ、お願いしたいと思っております。  今日のような、昨年の秋から続いております物価の急激な高騰の原因などにつきましても、けさほど来いろいろと質疑が行なわれておりましたので、それらを踏まえた上でのお考えを聞かせていただきたいわけでございますが、商社の使命がもちろん利潤を追求することであるということはわかっておりますけれども、商法に違反しない限りは何をしてもいいというような姿勢でお臨みになっていらしたのかどうか、これは先ほど来のお話を伺っておりますとうかがい知ることはできるのでございますけれども、それらは一応おくといたしまして、今後の問題に私は入っていきたいと思うのでございます。  それで、きょうおいでいただきました参考人の皆さま方のようなところが日本商社代表すると考えていいと思うのでございますけれども、御自分の会社の運営だけでなくて、中小企業をはじめ最末端のものまで動かすことができる非常に強い力を持っていらっしゃるということがわかりますので、そういう立場からも非常に考えていただきたいと思うわけでございます。  それで、先ほど答弁の中にも出ておりましたけれども、商社の任務というのが国民に必要な物資安定供給するというところにあるのだという御答弁が、先ほど午前中に伊藤忠参考人の方から御答弁がございました。まことにそのとおりだと思うのですけれども、それが行なわれていないから問題になっているわけでございます。それで、今後の問題といたしまして伺いたいと思っておりますことは、商社としての倫理観、倫理観と申しますか、モラルの問題でございますが、先ほど申し上げましたように、違法でなければ何をしてもいいというようないき方ではなくて、商社が発展し、そして盛んになっていくことによって、それがそのまま国民社会福祉に結びつく、社会福祉のために貢献するものであるということを前提とした運営に進めていっていただかなければならないと思います。先ほど責任をもって反省するのだったらば、責任をもって社長をやめるかという質問が出ておりましたけれども、私は、やめてもらったんじゃ仕事にならないと思うんですね。やめるのは簡単だと思います。やめたからといって責任は解消するとは思いません。ですから、むしろやめないでいて、そして今後の運営を、いわゆる社会保障を充実させることのために商社の運営があっていただきたい、そういうふうに考えるわけでございます。  で、ただいまのような現象でございますね、すなわち国民に非常に迷惑をかけたというこのような現象を二度と再び起こさないために、各参考人の皆さま方は、絶対にこれからはこういうようなことを起こさないということについての約束をしていただけるかどうか、そのお返事だけいただきたいのです。これは正直に教えていただきたい。とてもうちはだめだとお思いになったらできませんとおっしゃっていただきたいし、約束をしますと考えてくださるところは約束をするとおっしゃっていただきたいわけでございまして、その点をきょうこの委員会で聞かせていただければ、私の質問はそれで終わりでございます。
  300. 山中吾郎

    山中委員長 全部ですか、代表でいいですか。
  301. 金子みつ

    ○金子(み)委員 いえ、代表じゃ、私の会社は違いますとおっしゃるかもしれませんので、お一人ずつ、すみません。
  302. 山中吾郎

    山中委員長 逐次御答弁願います。
  303. 山田敬三郎

    山田参考人 いま御照会の点でございますが、先ほども申しましたように、日本がいま福祉経済に進んでいる、GNP時代は去ったという問題この時代にとってどういうふうに進んでいくかという立場から十分検討しておりますので、こういうことが起きないように——ただ、この問題は商社だけの責任じゃない、少なくともぼくは、責任じゃないと思います。これはやはり国民全体も考えていかなければならない問題だろうと思いますので、そういう立場から、そういうことを起こさないようにやりたいと思いますから、御了承願います。
  304. 橋本栄一

    橋本参考人 私、たびたび申し上げておりますように、自由経済と申しましてもやはりそこにレールが敷かれておるわけでありまして、それを逸脱して、ルールのない、何でもやっていいというふうには決して思っておりません。したがいまして、そういうことにつきまして、私は二度とそういうことが起こらないように最善の努力をすろつもりでございますが、何ぶんにもたいへん広範な問題でございます。あるいはその努力が及ばずして目こぼしが出たとか、あるいは手が漏れるというようなことがないとは言えませんが、しかし、できるだけの努力をして、物価高騰を避けるということについて商社責任を感ずるべきたというふうに思っております。
  305. 越後正一

    越後参考人 私も、先ほど来何回か申し上げておりましたとおり、最善の努力、また権限をもって指示いたします。今日まで、大阪、東京その他名古屋におきましても、幹部会に出て、外部から非難を受けるようなことはやってくれるなということを、声を大にして唱えてまいっております。今後はこれをもっと具体的に、商品別に本部長、部長、課長を呼んで、これでいいのかということを私が納得するまで話を聞いて、今後対処していきたい、こういうぐあいに考えでおります。
  306. 柴山幸雄

    柴山参考人 われわれとしては、分に応じまして最善の努力をいたします。
  307. 檜山廣

    檜山参考人 二度と絶対にかかることがないように努力いたします。
  308. 辻良雄

    ○辻参考人 商社社会的責任につきまして、私の努力の及ぶ限り最善の努力をいたしますし、また社内にも徹底さす決心でございます。
  309. 金子みつ

    ○金子(み)委員 ありがとうございました。ただ、私の満足のいくようなお返事のないのもございましたが、今後この問題につきましては、私も一緒に見守っていきたいと思っております。ありがとうございました。
  310. 山中吾郎

    山中委員長 野間友一君。
  311. 野間友一

    ○野間委員 私は、午前中の小林議員の質問関連して、まず丸紅社長に対して質問したいと思います。  まず、四十七年度産のモチ米の扱い量について、食糧庁の統計によりますと七千八百トン、一俵一万円で計算しますと約十三億円、こうなるわけですけれども、この事実は間違いありませんね。
  312. 檜山廣

    檜山参考人 四十七年度でしたか。——四十七年度の上期が十八億円です、金額にして。(野間委員「モチ米ですよ」と呼ぶ)ええ、モチ米です。四十六年産が、上期が十五年億、下期が十二億で、二十七億円です。
  313. 野間友一

    ○野間委員 時間がありませんから質問だけに答えてください。  四十七年度は……。
  314. 檜山廣

    檜山参考人 四十七年度は、十八億と——三十九億円です。
  315. 野間友一

    ○野間委員 扱った数量について、食糧庁の統計では七千八百トン、こういうようになっておるのですけれども、どうですか。
  316. 檜山廣

    檜山参考人 てまえどもの計数では二万四千トンでございます。
  317. 野間友一

    ○野間委員 それでは、食糧庁の統計によると七千八百トン、あなたのほうでは二万四千トンも扱っておるわけですか。食糧庁に虚偽の申告をしたことになるわけですが、どうですか。
  318. 檜山廣

    檜山参考人 食糧庁の数字基準と私のほうの数字基準が、何か統計の基準が違うんだと思いますが、また……(「どう違う」と呼ぶ者あり)じゃ、一ぺんまた、後刻調べて御連絡します。
  319. 野間友一

    ○野間委員 どう違うのか、それをちょっとここで述べてください。四十七年度産米については、四十七年というのはきまっておるわけですよ。ここでどれだけ扱ったか。食糧庁では七千八百トンと、ちゃんと統計があるわけですよ。あなたがいま言うのは全然数字が違う。どういうふうに扱いが違うのか、明らかにしてください。
  320. 檜山廣

    檜山参考人 じゃ、追って資料を提出いたします。
  321. 野間友一

    ○野間委員 そういうふうに最初からあいまいなことで参考人として臨むこと自体に問題があると思うのですよ。国民は非常に迷惑しておる、憤っておる、この中で満足に答えることができない、そういう態度に対して、私は強くあなたに反省を促したい。  それから次に聞くのは、これは確認になりますけれども、四月九日付の朝日新聞の夕刊、これは午前中の小林議員の質問に対してあなたは確認したわけですけれども、さらに私のほうで確認を求めますが、モチ米の扱い量について、あるいは金額について、昭和四十五年度は一万三千トンで二十一億円、それから四十七年度が四十億円、これについてあなたは午前中に確認したけれども、これは間違いありませんね。
  322. 檜山廣

    檜山参考人 四十六年度が三十億でしたね。二十七億ですか。それから四十七年度が……
  323. 野間友一

    ○野間委員 委員長、ちょっと整理してください。聞いたことについて答えてください、落ちついて。
  324. 檜山廣

    檜山参考人 四十六年度が二十七億、(「四十五年度と七年度」と呼ぶ者あり)四十五年が十九億円です。
  325. 野間友一

    ○野間委員 数量にしてどのくらいですか。
  326. 檜山廣

    檜山参考人 千三百トンです。約千三百トンです。
  327. 野間友一

    ○野間委員 一万三千トンでしょう。千三百トンでいいのですか。一万三千トンと違いますか。
  328. 檜山廣

    檜山参考人 よく調べてお届けします。
  329. 野間友一

    ○野間委員 こういうことでは、全く、私のお伺いしたいことば進まないわけですよ、あなたのほうでね。いままだとっかかりなんですよ。ところが、数字は全く違う。十分にお答えできない。参考人、そういうことは、非常にこちら困るわけですよ。あとでまた私のほうで資料をお願いしますけれども……
  330. 檜山廣

    檜山参考人 たいへん失礼いたしました。一万三千トンでございます。
  331. 野間友一

    ○野間委員 四十七年度の扱い数量はどのくらいですか。
  332. 檜山廣

    檜山参考人 約二方四千トンでございます。
  333. 野間友一

    ○野間委員 そうしますと、二万四千トンの金額ですね、これは、朝日新聞によりますと四十億円というふうに書いておりましたけれども、この点についても、大体その程度とお伺いしてよろしいわけですね。
  334. 檜山廣

    檜山参考人 はい、そのとおりです。
  335. 野間友一

    ○野間委員 次に進みますけれども、さらに確認しますが、午前中の、資料提出することをお願いしました資料の内訳ですけれども、売買報告書、仕入れ元帳、販売元帳、未検査米の買い付け契約書、それからたなおろし表、このたなおろし表については、四十七年度のモチ米について、九月以降の各月ごとのものをお出しいただけますか。
  336. 檜山廣

    檜山参考人 追って提出します。
  337. 野間友一

    ○野間委員 それじゃ、時間がありませんので質問を進めます。  次に、商品土地のことについてお伺いしたいわけでございますけれども、四十六年の下期、それから四十七年の下期、これはほかの参考人の方にもずっとお伺いするわけですけれども、商品用の土地として購入した面積と金額、これをひとつそれぞれの参考人、ここで答えていただきたいと思います。
  338. 檜山廣

    檜山参考人 数字が、事業用と営業用と商業用と一緒になっているものですから、あとでまたこれは分析しますが、営業用と事業用を含めて、四十六年の四月から四十八年の一月に至るまでの二年間の取得の合計が二千四百七十八万平米、この金額が三百六十九億、同期間における売却が三百六十九万平米で金額が五十五億、現在の商業用の土地が千七百十七万平米で三百十二億、これが昨年の九月末現在の商業用の手持ちのあれでございます。
  339. 野間友一

    ○野間委員 こういう調子で全部参考人に聞きますと、それだけでも時間ありませんから、私の質問したことについて資料をお出し願えるかどうか、それぞれお答え願いたいと思います。
  340. 檜山廣

    檜山参考人 提出いたします。
  341. 山田敬三郎

    山田参考人 私のほうは、一月現在で商品用として持っていますのは百五十万平米です。それから……
  342. 野間友一

    ○野間委員 私の質問はちょっと違うのです。
  343. 山田敬三郎

    山田参考人 お出しいたします。
  344. 野間友一

    ○野間委員 ちょっと確認しておきますけれども、四十六年の下期と四十七年の下期、このそれぞれの期間における土地を取得した総面積、商品用の土地ですね。それから金額、これです。
  345. 山田敬三郎

    山田参考人 わかりました。
  346. 山中吾郎

    山中委員長 あらためて、委員長のほうから資料提出を要望しておきます。
  347. 野間友一

    ○野間委員 それじゃ質問を続けなければしようがありません。  伊藤忠関係についてお聞きしたいと思いますけれども、伊藤忠は、非常にいま土地の買いあさりが目に余るものがあると思います。私たちが調査しただけでも、たとえば青森県の十和田の法量、先ほど参考人のほうからも話がありましたけれども、百三十五万坪、三十五億円、これは購入価格ですね。それから宮城県の利府町、これは山林ですけれども、十二億円で取得しておる。埼玉県の岩槻、二千八百坪、六億五千万円、それから大阪の堺、五千二百九十六坪、十四億円、それから岡山の哲西町、二十六万三千坪、これは二億円、安い価格で買っておるのですけれども、これだけを例をあげても合計が六十九億五千万円、これは四十七年の十月以降に取得した土地の購入価格、こういうことになっておるわけです。  さらに、そのほか伊藤忠は、日本全国各地に土地を買いあさっておる。たとえば沖繩県の浦添、広島、島根、兵庫、静岡、長野の美ケ原、東京の白金台、苫小牧、札幌、わずか十月から今までで、これだけの土地を買っておる。私たちの調査によると、この期間だけで取得金額は三百億円を下るものではない。しかも特徴的なのは、自民党の田中総理が日本列島改造論というものを唱えました、そのころから急に土地買いが伸びておる。こういう事実を、われわれは調査の結果明らかにしております。  この事実について、越後参考人は事実を確認するかどうか、まずお答え願いたいと思います。
  348. 越後正一

    越後参考人 まず、商品土地といたしまして、面積は一千七百二十七万七千平方メートル、これは住宅用が七二%、金額で二百七十七億、工業用地が八億、二%、レクリエーション用地が百億、二六%、こういうことになっております。私の手元には青森と長野県の二つの資料が、説明は受けましたが、おそらくお話のとおり事実であろうと思います。いささかあせって買ったような結果になっておるのじゃないかというぐあいに考えております。
  349. 野間友一

    ○野間委員 これは自民党の一昨日のときにも、総面積についてお答えになっておりますが、千七百二十万平方メートル、いまも言われたわけですけれども、これは坪に直しますと五百三十三万二十四坪、一戸五十坪のうちを建てるとして一体どのくらいの敷地がとれるのか、こう計算しますと、何と十万六千六百のりっぱな敷地ができるわけです。これだけのものをあなたのほうで握っておる。しかも、先ほど申し上げたように、四十七年の十月から今日までの間に三百億をこえるような金額で土地買占めをやっておる。これによってあなたが買われた各地、調査しましたけれども、たとえば十和田町の場合、これは平均して 坪七百円弱で買っておる。ところが、これがいまもう数倍になっておる。このようにして、あなたのほうで買い占めた土地の周辺がいま異常な高騰を続けておる。一体、こういう責任をどう考えますか。
  350. 越後正一

    越後参考人 その後値上がりをしたという事実は初めて伺いまして、たいへん御迷惑をおかけした。これに対しましては担当者によく注意をいたしまして、二度とこういうことをやらないようにさせていただきます。
  351. 野間友一

    ○野間委員 そういうおざなりな答弁じゃ、私はもう納得できません。  特にここで御指摘申し上げたい。いまの十和田の場合、あなたは、レジャーランドの計画について県にすでに計画を出した、こういうふうにたしか言ったと思うのですけれども、これは事実かどうか、確めたいと思います。
  352. 越後正一

    越後参考人 昨日私は、担当責任者でございませんけれども、第一次マスタープランを青森県に提出したという報告は受けました。
  353. 野間友一

    ○野間委員 きょうこの参考人として出頭する、こういうことでいろいろ手配したのじゃないかと思うけれども、それにしても、きょう昼、青森県のほうに電話で照会したところが、この農地のほうでは、このレジャーランドの計画は出していない。ただ、二月ごろに口頭で話を聞いたにすぎない。しかもその内容は全く大ざっぱで、はっきりしないものであった。たとえば鹿島建設にレジャー事業をやらせるとか、このようなことを口頭で言っただけだ。しかも、私がここで指摘したいのは、あなたは、伊藤忠に限ってダミーを使って土地の取引をしたことはない、こう言われた。しかし、この十和田の場合、調べてみますと、それが全くの虚言であるということが明らかになっております。  たとえば、一つ例を出して申し上げますと、この原野あるいは林野、これについてあなたのほうが移転登記したのは四十七年の十月二十四日、こういうようになっております。ところが、これに至る経緯ですが、須藤商事、大末建設、それからあなたのところのダミー、むつ十和田開発株式会社、それから東京都共済農業協同組合連合会、これは代物弁済の予約で所有権の移転が行なわれておりますけれども、このようにして四十六年から四十七年、わずか一年の間に五つの所有権の移転が行なわれて、伊藤忠が移転登記を完了しておる、こういう事実も明らかになっております。しかも、調べてみますと、むつ十和田開発というのは、これはダミーじゃありませんか。しかも、あなたのほうで一年間になぜこのように転々と移転登記をして、そして自分が取得しなければならぬのか、何か悪いことでもしておるのかどうか疑うような、こういう経過がありますけれども、どうなんですか、これ。説明してください。
  354. 越後正一

    越後参考人 専務決裁で事業を進めておりますので、詳細な、いまおっしゃったような詳細につきましては、私は全然何も聞いておりません。きのう、いま申し上げましたような簡単な報告だけを受けたのでございまして、もしそれが間違いでございましたらおわび申し上げます。
  355. 野間友一

    ○野間委員 いま申し上げたように、土地買占めが問題になっているわけでしょう。あなた自身も、六大商社あるいは十大商社としていろいろと世間から非難を浴びている。きょうもこうやって、参考人として来なければならぬ。しかも、きょう来るのにあたっては、いろいろと調査をし、あるいは資料を整理して臨んだと思うのですよ。しかし、こういう事実についても十分に答えることができない。さらに、いま言ったように、レジャーランドの計画についても、全く県に対してはなされていない。あなたがここで言ったのはうそになりますよ。証人としてこの場で調べる場合に、虚偽の供述をすると、これは重い刑事罰があるわけですよ。参考人だからといって、思いつきでここでものを述べてもらったら困るわけですよ。どうですか。  しかも、申し上げたいのは、この十和田開発の中に約三十ヘクタールの農地があります。これは第一種農地で転用はできない。しかも、この部分については、むつ十和田開発から、農地法ですから、伊藤忠との間では仮契約がいまなされておる。農林省の農地業務課で聞きますと、むつ十和田開発株式会社がすでに農地法に違反しておる。その違反した土地を約三十ヘクタール、これを伊藤忠が仮契約、仮登記で買い受けておる。農林省の話によりますと、こういう土地を取得するのは好ましくない、農民にこれを戻すべきである、こういうように言っておるわけですけれども、これは私も当然、そのように農地法に違反して買い受けあるいは仮登記をするのは許されない、法律に違反することは許されないと思うのですけれども、これを農民に返すということをここで約束できますか。
  356. 越後正一

    越後参考人 法律に違反してまで営業する意思は毛頭ございません。したがいまして、それが事実といたしますれば農民に返します。
  357. 野間友一

    ○野間委員 一例をあげただけでも、あなたのところではこういうようなことをしてまで買っておる。しかも、レジャーランドと言いますけれども、現地はまだ現況のままなんですね。具体的な計画はまだ立ててない。しかも面積は、もう膨大な面積になっておるわけですね。これは開発をねらって、縦貫線とか新幹線、こういうものをねらって買い受けた、こういうこと以外には考えられないと思うのです。これを称して私たちは買占めと言っておるのです。  特にあなたのところでは、これは目に余るものがある。こういう土地について、自民党との会合の中では、一つの過疎対策にもなるのだ、こういうようなしらじらしいことをあなたは言われておる。もし、そのような殊勝な気持ちがあるなら、先ほど申し上げた、一戸五十坪の敷地にして十万六千六百の敷地ができる、ほんとうにこれらの土地を、買った値段で国民に開放する、そういう意思があるのかないのか、どう思いますか、ひとつお答え願いたいと思います。
  358. 越後正一

    越後参考人 個々のケースによりましてそれぞれ違う処置をすべきであると思います。いま申しましたように、青森県の十和田湖のような問題がほんとうに事実であるならば、これはもう全然問題になりません。全部農民に返還いたします。それ以外のところにおきましても同様のことが言えると思います。個々のケースを詳しく存じませんので、これで失礼します。
  359. 野間友一

    ○野間委員 そこで、伊藤忠参考人に重ねてお伺いしたいと思うのですけれども、私たちがここわずかの間に調べただけでもこういう事実がわかったわけですね。したがって、この事実からしても、これだけからでも、いかに多くの土地を買い占めておるかということが明らかになったと思うのです。  そこで、私はお願いしたいのは、買った日時、それから地域、あるいは購入目的、取得金額、保有状況、入手の方法、現在の推定時価、これらについて、四十六年、四十七年、今日まで、ひとつ詳細を本委員会に明らかにしてほしい、こういうふうに要求しますけれども、お答え願いたいと思います。
  360. 越後正一

    越後参考人 詳細に報告いたします。
  361. 野間友一

    ○野間委員 それから、次にお聞きしますのは、通産省が三月十三日から十五日にかけて、六大商社社長らを呼びましてヒヤリングを行なっております。これについて通産省のほうからも、調査についてという文書が四月三日にできておりますけれども、これによりますと、調査の対象になった商品が、羊毛毛糸、綿花、綿糸、大豆、木材生糸土地あるいは米、非常に多くの商品について調査がされております。この際に、これらの商品についてそれぞれ詳細な文書、資料をお出しになっておると思いますけれども、その点についての確認を、まず山田参考人からお聞きしたいと思います。
  362. 山田敬三郎

    山田参考人 詳細の資料と申しますと、通産省に全部出してあります。ありのままを出してあります。
  363. 野間友一

    ○野間委員 それじゃ次、橋本檜山越後柴山、辻、この順番にひとつお答え願いたいと思います。
  364. 橋本栄一

    橋本参考人 通産省の発表されましたものは、われわれの資料に基づいて出されたものであります。
  365. 檜山廣

    檜山参考人 出しております。
  366. 越後正一

    越後参考人 通産省提出いたしました。
  367. 柴山幸雄

    柴山参考人 当社も出しております。
  368. 辻良雄

    ○辻参考人 資料は提出いたしております。
  369. 野間友一

    ○野間委員 そこで、私のほうからお伺いを申したいと思います。  まず、出した資料ですけれども、これは通産省の指導において、次のような商品あるいは項目について資料が出されておるわけです。  土地について申し上げますと、土地の転売状況がわかる明細表、これは表としては第八表ですね。それから固定資産、有形固定資産の土地明細、これは表としては第七表のA、B表。次に流動資産中、購入契約により手付金等にて取得し、また取得しようとしている土地の明細、これは第七表のA、B表です。同じですね。次に、関係会社がそれぞれの会社の出資または貸し付けらによって取得した土地の明細。これが土地についてのあなたらが出した書類であります。  それから、その他の品目につきましては、いま申し上げたように米、大豆、羊毛綿糸生糸木材など、これについては各品目ごとの仕入れ量、仕入れ価格、これは輸入も含むわけですが、半年間の推移。さらに販売量、販売価格、これも輸入を含めて半年間の推移。次に、商品勘定の期末残高の過去三年間の推移。未着商品勘定の期末残高の過去三年間の推移。先物取引の状況。関係会社がそれぞれ会社から出資、貸し付け、債務保証などを受けて行なった商品取引の明細。これはいつ、何を、どれだけ取引し、損益はどれだけかという明細です。これはそれぞれ一表、二表、三表。表にあなたら出しておるわけです。  さらに有価証券について、流動資産項目の有価証券勘定の推移。固定資産項目の投資有価証券勘定の推移。次に有価証券売却状況、五表、六表。  さらに、関係会社に対する貸し付け金の状況明細、第九表のA。次に、関係会社に対する債務保証の明細、これは第九表のB。そこで関係会社とは、大蔵省令の四十九号第八条の定義。  こういうような連絡を受けて、それぞれの資料を出しておるわけなんです。これらの通産省に出した資料を本委員会にすべて提出されたい。これについて、それぞれ参考人一人ずつお答え願いたいと思います。
  370. 山田敬三郎

    山田参考人 通産省に出してありますので、そちらのほうからおとり願えればけっこうと思います。
  371. 野間友一

    ○野間委員 私のいまあなたに言ったことについてお答え願いたいと思うのです。こういう書類について、あなたは出すか出さぬかということをお答え願いたいと思います。
  372. 山田敬三郎

    山田参考人 委員会で御要求があればお出しいたします。
  373. 橋本栄一

    橋本参考人 委員会の御要求があれば出します。
  374. 檜山廣

    檜山参考人 出します。
  375. 越後正一

    越後参考人 提出いたします。
  376. 柴山幸雄

    柴山参考人 私のほうは、通産省と打ち合わせの上出します。
  377. 野間友一

    ○野間委員 あなた、それ、問題ですよ。ちょっとお聞きしますけれども、通産省に出したものがなぜここに出せないのか。官庁に出したものを、なぜ国権の最高機関である国会に出せないのか。
  378. 柴山幸雄

    柴山参考人 通産省は、通産省限りでこれは処置しますからということで資料の徴取を求められたわけです。
  379. 野間友一

    ○野間委員 国会に出せないかどうか、通産省に出してもここに出せない、その理由をひとつ聞かしてほしいと思います。出せないなら出せないで、もう一ぺん確認を求めたいと思います。
  380. 柴山幸雄

    柴山参考人 検討させていただきます。
  381. 辻良雄

    ○辻参考人 委員会から御要求があれば提出いたします。
  382. 野間友一

    ○野間委員 最後に一言だけ触れておきたいと思いますけれども、私は、なぜこのような書類の提出を要求するかということについて、一言述べておきたいと思うのです。  先ほど申し上げたように、いまあらゆる商品について、生活関連必需物資に特にそうなんですけれども、商社買占めにおいて高騰を続け、国民生活が苦しくなっておる。そのときに通産省は、一応六大商社の人を集めて書類を出させ、そして事情聴取はしております。しかし、先ほど一例をあげて、伊藤忠土地関係について私がお話ししましたように、四十七年の十月以降において、私の調査では三百億を下ることがない土地を入手しておる。ところが、通産省の「大手商社営業活動実態調査について」この書面によりますと、全くその取得面積も金額も少ない。たとえば九ページにありますけれども、「第五表商品土地の期別購入額」四十七年下期、金額にしてわずか三百四十五億なんですね、六大商社で。面積が千百十二万平方メートル。全くこれはでたらめじゃないか、こういうふうに断ぜざるを得ないと思うのです。したがって、通産省がこの資料をつくるのを、うその資料をつくったのか、あるいはあなた方が虚偽の申告をしたのか、それはわかりません。あるいはほかの理由があるかもわかりません。したがって、そういう資料を提出していただいて、それをわれわれが分析して国民疑惑にこたえる、このことが当然の義務になる、こう考えますので、皆さんに提出を要求するわけです。  では、これは委員長にお願いして、ぜひこれらの一件資料を全部委員会に出す、こういうことでお願いしたいと思います。  終わります。
  383. 山中吾郎

    山中委員長 有島重武君。
  384. 有島重武

    ○有島委員 商社方々行動基準考える、そのように言っておられるようでありますけれども、先ほど石田委員から発言がありましたとおり、商社の系列化ということが今後の重大な課題であろうと思います。特に子会社関連会社に対する人的支配、資本の、資金の支配によって、アイデアの規制から製造過程の規制、そういったところまで行なっておる。一例をあげますと、商社と末端小売店までが直結で、たとえば大型スーパーの販売政策の一環といたしまして、婦人服だとか子供服だとか、この基本的な構成材料である原反の織り方をまずスーパーが決定して、この決定に基づいて商社と談合する。それで原反を製作して第二次製品メーカー、洋服をつくるメーカー、こういうものに発注して納入せしめる、こういう仕組みがございますですね。そして、こうしたスーパーと商社と、この談合内容というのが、原反のデザインから数量までを全部きめてしまう。  これはまた、ほかの分野でありますけれども、伊藤忠のほうで、食用豚の飼育について強力な一貫作業をやっていらっしゃるようですね。その内容なんか見ますと、管理農場との契約条件というのがあって、常時二百頭以上を飼育し得る良好なる豚舎設備を持っていること、二番目、契約以外の豚を飼育してはならない、三番目、契約保証金として一頭につき五百円を納入するとか、農民側に義務規定をかぶせまして、子豚はすべて会社供給のものを使うとか、飼料は全部伊藤忠系の味えさを使うとか、あるいは豚の飼養管理については会社側のきめた飼養基準を守れとか、あるいは技術面については一切会社の技術指導員の指導に従うとか、あるいは管理のしかた、豚の育成状況を毎月必ず会社報告して、それで最終的に出荷は一切会社の計画に基づいて行なうとか、こういったような義務規定を約束させた上でもって、会社側の保証規定というものは全く皆無である、そういうようなことがすでに行なわれておるわけですね。  それで、私ども、きょうは縦のカルテルといいますか、系列の閉ざされた強力な規制力によって価格操作ができる仕組みを、これは大いに考えなくてはいけない。それで、商社方々にとってはいままでいろいろに努力をされてきた、努力すればするほど今度は国民生活を圧迫しあるいは中小メーカーなり企業を圧迫していく、こうした機構について、ほんとうにこれはお考えにならなければならないと思うわけであります。  それで、基本的なことを言うと、一口に民主主義と言いますけれども、一つの力を持って、その力による規制の方向、それを除去して、逆転して、個人個人の自由な活動へと世の中を変えていくというのが民主主義でありますね。そうした立場からいきますと、きょうはたいへん長い時間、皆さん方御苦労さまであったと思うのですけれども、一難去って一安心というわけにはいかない。われわれは今後とも、国民生活を守る立場からきびしくこういった点は監視を続け、追及も続けていくつもりでおりますので、きょうは、それぞれに割り当てられました時間も非常に短いわけでありますけれども、この場限りでは絶対ないということを確認し合うというか、御覚悟をいただきたいと思うわけであります。  そこで、商社側では、扱う商品を整理するというようなことを言われました。これは皆さん方からも伺いたいのですけれども、三菱さんのほうが代表で言っていただきたいのですけれども、これはいつごろその内容を発表できるか、いつごろ整理できるか、そういうめどはいかがですか。
  385. 山田敬三郎

    山田参考人 いま御質問の点でございますけれども、貿易商社としましては、基本的問題は、行動基準の問題は大体四月中に各商社できめます。  それから、取り扱い商品の問題につきましては、これは各社ともいろいろないきさつがありますので、先ほど申しましたように、わが社としましては、この間も自民党でも申し上げましたけれども、ちょうどこういうふうな福祉経済に変わっているときでございますので、全面的に、全社をあげまして各取り扱い商品の再検討をやっております。必ずしも全然捨てるものばかりでなくて、新しく取り上げる問題、そういう問題を、現在の経済情勢に応じ社会情勢に応じて、いま検討しております。一応の目安は六月にしておりますが、大きな仕事になりますので、あと二、三カ月余裕はいただかないと、ちょっと無理じゃないかと思います。そういう情勢でございます。
  386. 有島重武

    ○有島委員 それでは三井物産のほうも、各社とも同じことを——いま三菱さんのほうから、四月をめどにし、あるいは六月をめどにするというお話がございましたけれども、伺わしてください。
  387. 橋本栄一

    橋本参考人 行動基準につきましては、三菱さんと同じように、一応四月末を目標にしてやっております。  商品の整理につきましては、私はそういうアイデアを持っておりますのですが、これは私どもだけの考えで実行いたしますと、従前やっておりました相手側にいろいろ影響を与えることでございますから、その点を納得してもらい、あるいはよく検討しまして、その結果について十分な見通しをつけてやる必要が私はあると思います、責任あるの者の立場としては。したがいまして、こういうものをやりたいという考え方は二、三カ月のうちにまとめたいと思いますけれども、それを実行するのには若干そこにタイムラグがあるのじゃなかろうかと私は思っております。
  388. 檜山廣

    檜山参考人 大体今期中に見通しをつけたいと思っております。
  389. 越後正一

    越後参考人 あと二カ月以内に最後決定をさしてもらいます。
  390. 有島重武

    ○有島委員 両方ともですね。
  391. 越後正一

    越後参考人 行動基準はもっと早くできるでしょう。
  392. 柴山幸雄

    柴山参考人 行動基準は、やはり四月末をめどにやりたいと思います。  それから、整理の品目につきましては、われわれ五月中旬に支店長会議をやる予定でございますので、そこへかけまして、そこでよく討議しまして、あと原案をつくりまして、それからお得意さんなり取引先によく相談したいと思って、それで実行したいと思います。
  393. 辻良雄

    ○辻参考人 行動基準につきましては、これはいわゆる基本でございますので、各社同一歩調をとりまして、大体四月終わりごろにはつくり上げる予定でございます。  取り扱い商品につきましては、先ほども申し上げましたけれども、取り扱っていくのが社会福祉に合致するか、あるいは続けて仕事をすることが社会福祉上思わしくないというような観点から、まず商品の判別をしたいと思いますが、取り扱いから撤退するにつきましては、やはり取引先の関係あるいは社内における人員配置の問題、いろいろと事情がございますので、早急にはいたしますが、どれをいつまでということはちょっと申し上げかねます。
  394. 有島重武

    ○有島委員 きょうは、私は大豆を中心にして伺いたいと思います。  大豆じゃもうけていないんだということを再三言われておるようでありますけれども、商社がもうからない商品を扱うわけはないと私は思うのです。事実もうからないならば、大豆から手をお引きになるお考えはあるのかどうか。いまの整理については期日をそれぞれ言われましたから、ここでは期日については言いませんけれども、身近な問題ですから、具体的な問題に入ります。  ここに大豆のサンプルを持ってきたわけです。こちらはホーカイという製品でございまして、これは三井物産、御存じですか。——これは、四月五日で東京都のとうふ屋さんで一俵八千八百円、そういう値段でもって入手しているものであります。一俵六十キロです。  それからもう一つございまして、こちらは、米国産の黄色ナンバー2、そういう製油用の大豆なんです。見比べていただきたいのですけれども、価格安定のために農林省のあっせんによって放出があったその大豆です。これは來雑物がたくさん入っておりまして、トウモロコシなんかもまじっておりますし、それから黒くなったのや形の悪いのや割れたのや、たくさんまじっております。  農林省の資料によりますと、放出大豆の品種というのは米国産黄色ナンバー2という製油用大豆であって、その放出価格がトン当たり九万円、一俵六十キロ当たり五千四百円、こういうことになる。あとからお渡ししたほうがナンバー2であります。私が都内のとうふ屋を調べましたところ、三月中に放出大豆ナンバー2と称する大豆を、おとうふ屋さんでは七千四百五十円で入手しております。この五千四百円の大豆が、どうしておとうふ屋さんの手に七千四百五十円で入手しているのか。これは農林省の説明によりますと、この一俵六十キロ五千四百円の放出大豆が、原料五千三百十円、選別代一千七百七十円、運賃百五十円、組合の手数料百七十円、この組合手数料は、全国と関東ブロックの分が百四十円で東京だけの分が三十円、合わせて百七十円ということになっておりますけれども、合計が七千四百円ということです。  おとうふ屋さんが実際に手に入れました七千四百五十円、それからここに計算されました七千四百円、五十円の値の開きがありますけれども、ここではこのことは問題にしないで、ここで三井物産のほうに伺いたいのですけれども、お手元のナンバー2の製油用の大豆ですね。これは未選別のものですね。ちょっと開いてください。——これは未選別ですね。お答えください。
  395. 橋本栄一

    橋本参考人 と私は思います。専門家でないからわかりませんが……。
  396. 有島重武

    ○有島委員 先ほどの農林省の話ですと、選別をして運賃なんか全部含んで七千四百円になるというのですけれども、そうすると、その悪いほうの大豆ですけれども、それは、私はとうふ屋でもって手に入れたのですよ。おとうふ屋が、放出された大豆というのはこれですと言って、そばにあるかますの中から出して見せてくれたので、私はきょう袋に入れて持ってきたわけです。  そういうことがいま行なわれているということ、こんな粗悪品が出回って、おとうふ屋さんは泣いています。消費者もまずいおとうふを食べさせられるわけであります。そうしてその値段が、私は全国的におとうふの値段を調査いたしましたけれども、三百五十グラム三十円だったものが大体六十円、目減りをさせて五十円というふうに、これはいま一〇〇%の値上がりをしているわけです。  こうしたことについて、三井物産としてはどういうふうにお考えになるか、ひとつ御感想を伺いたい。
  397. 橋本栄一

    橋本参考人 私、大豆の品質についてはしろうとでございますけれども、まあ見たところ、ハクホウに比べるとたいへん見劣るように思います。ただ、これが、私の信念からしますと、未選別であるのに選別した費用をもらい受けるというようなことは、うち会社は絶対ないと信じております、ただ、大豆を、もしいただけるなら持ち帰りまして、そうして現実の事情について調べてみたい、かように思いますが、製油会社のものですけれども、選別してあるかないかという問題じゃないかと私は思うのです。あれが、アメリカの製油大豆としてはああいうふうなことが選別なのか、あるいはもっとしなければならないものなのか、それをよく確かめてみないと私はいかぬと思うのです。よく実情を調べてみます。
  398. 有島重武

    ○有島委員 こうしたことが現実に行なわれている。そうして、これは直接商社責任とはおっしゃらないかもしれない。農林省がきめてこういうふうにやらせたのだというふうに言うかもしれないけれども、実際の消費者、とうふ屋をばかにするのもはなはだしいというようなものが出回っているわけですね。しかも、この大豆を手に入れるためには、おとうふ屋さん一軒当たり三万円の保証金を積まなければこの放出大豆がもらえないというふうになっておったわけです。あらかじめ購入数量を約束させられまして、この契約の際には品物は見せてもらえない。しかも私、先日、都内のあるとうふ屋さんで聞きましたならば、東京の組合に対して二月二十三日に四万五千円、放出をもらうために納めた。これは代金の前払いかと思っておったが、あとからこれは保証金だといわれた。そしてまた一万五千円さやを抜かれて、そうして、保証金ですからいずれ返ってくるかもしれませんけれども、これは都内全部のとうふ屋さんがこういうことだと、その金利だけでもたいへんなことであります。  現在は食用大豆が——そちらのホーカイ大豆というきれいなほうです、これが八千八百円あるいはそれ以下で入手できるのです。これとても八千八百円、一月初旬の二倍の高値ですね。食用大豆はいまどんどん値下がりの傾向にありますけれども、この放出大豆を買うことは、もうおとうふ屋さんは約束してしまっているわけでありますから、この七千四百五十円の粗悪の放出大豆をその約束量だけは買わなければならない。結果といたしまして、弱味につけ込んであくどい金もうけが行なわれているということ。一時はどうしてもほしかったのだから。そして放出大豆はそういうふうでもって高く売れたのですから。そして、いまもってまだ買わなければならないのですから。  それで、いまは、その高値を押えるために放出したはずの商品が、今度は値下がりを食いとめているような効果を生んでしまっているわけですね。こんな、高値を押えるために放出したはずの商品でさらにもうけようなんていう——実態としてはそうなっているわけですね。ぼくは一番最初に申しましたが、こうしたことは、私たち商社は関知いたしません、水ぎわから水ぎわまででございますなんておっしゃるけれども、実態はそうはなっておりませんので、子会社があって、その系列があって、その価格の操作はずっと綿密になされているわけなんですね。そういうことについて、責任をいささかでもお感じになるかどうか。
  399. 橋本栄一

    橋本参考人 実は私は昔、とうふ屋さんが大豆を直接商社から購買するといいますか、あれが、私の記憶では十五年か二十年くらい前だと思いますが、そのときに、私、大豆の専門家じゃありませんが、そういうことにタッチしたことがありますので、よくとうふ屋さんのことを知っております。ああいう零細な方をわれわれが搾取するなんて、そんなことは毛頭考えてないのですが、おそらく、いまのお話を聞きますと、大豆がなくて、ぜひ放出大豆を分けてくれという御要求があって、それを分けたのじゃないかと私は思うのです。うちのほうから積極的に、これを買いなさいといっておすすめにいったのではないと私は信じております。  ただ、これはちょっと余談になりますが、大豆の見通しを言いますと、ことしは大豆を二百七十万トンこれから入着のものを、新穀までの間に買っておるそうであります。そのほかに大豆かすが三十万トン、それは豆ベースで四十万トンになるそうでありますが、そうすると、これはほとんど一年分の日本の需要量に相当する大豆がこれから入ってまいるということになります。相場は早くもそれを具現しまして、シカゴの十二、三万円に対する日本の相場は八万円を割っておるという状態になっておるのじゃないかと私は考えております。  そういう状態で、それはまだ荷物が着いていないのですから、これから荷物がどんどん入ってきますと、この大豆市況というのはかなりむずかしい場面を呈する。むずかしい場面というのは、使う人にとって安くなるのはいいのですけれども、これはかなりむずかしいというか、相場を維持するのに困難な場面が出るのじゃないかというふうに想像しておりますので、いま御指摘のようなああいう問題が、そのときには、非常に大豆がないというから、ぜひほしいという話でやったんだと私は思いますけれども、この大豆がどんどん入着してきますと、これはアメリカ大豆ですけれども、大豆の市況が頭が重くなると、この始末についてばかなりいろいろ政治的配慮が必要なんじゃないかなということが心配されております。  要するに、高いものを押しつけたって結果的にそういうことになったのではまずいので、これはよくとうふのほうの組合と話さなければならない場面があるんじゃないか、私はそういうふうに思っております。
  400. 有島重武

    ○有島委員 一分の責任をお感じになるという、大ワクはそういうふうに受け取ってもよろしいかと思うのです、それでもってその処置をとらなければならない場面が出てくるのじゃないかとおっしゃいましたので。  私は、そこにありますナンバー2が、必ずしも三井物産のものであるかどうか、それはまだ確かめておりません。あるいはほかの商社のかもしれません。いまもう時間がないから、ほかの方々からは聞きませんけれども……。  きょう、農林省来ておりますね。農林省とは、私は別にまた話ししますけれども、この放出大豆の価格を一ぺんはきめたけれども、実勢価格を見てもっと安く修正することはできないか。あるいは品質を改善することはできないか。あるいはさきの契約関係を、いまの状態ではこんなものは買い切れないという状態にまでなっているわけですから、そうした契約の解除ということも考えてあげる、そういうような処置がとれないか。さもないと、現時点で、ほんとうに実勢価格はずいぶん下がっておりますから、中国のなんのというのは四千円ぐらい下がっているところもあるようでありますから、非常に非現実的なことになりかねない。そういうことも、今後農林省には言いたいところです。  こうした考え方について、三井物産の参考人の方の御意見を最後に承って、私の質問を終わりたいと思いますが、もう一ぺんお願いします。
  401. 橋本栄一

    橋本参考人 まあ商売人の立場からしますと、契約したものでございますけれども、しかし、いま申しますような事情がありまして、たいへんな大豆の軟化市況でございますから、これが小さいところにあるいは引き取れないところが出てくるんじゃないか、あるいは品物をかえてくれというような希望だとか、必ず出ると思うのです。契約したものが全部うちが取りかえるということ、それは私、困難だと思いますけれども、その御事情を聞きまして善処するよりほかにないんじゃないかと思います。だから、それは一つ一つの、あるいはこれでも使えるとおっしゃる方もあるかもわかりませんし、あるいはこれはもう少しこういうふうなものにかえてほしいという御希望もあるでしょうし、それから値段をまけてくれたらいいんだというようなお考えの方もあると思いますが、私のほうで、おっしゃるのを全部聞くというわけにはいきませんけれども、私どもととうふの組合とのつき合いというものは非常に長いのです。私いま申しましたように、きのうきょうのつき合いじゃないのでございまして——何ぶんにも全国に四万軒もあるおとうふ屋さんでございますから、一々おとうふ屋さんと折衝するという性質のものではありません。一俵とか二俵とかというふうな、おとうふ屋さんの使用量でございますから、それをやっておったのではとても間尺に合いませんので、組合を通じましてできるだけ善処したい、かように思います。
  402. 有島重武

    ○有島委員 きわめて卑近な、小さいけたのお話で、あるいは、大きな数字ばかり扱っていらっしゃる商社代表方々にとっては小さな問題に思えるかもしれませんけれども、一つの例をあげまして、皆さん方が何か考えておられるその意識とそれから国民の実感とギャップがあるのだ、そのギャップをどうにか埋めなければならないのだ、そういうことの御反省の一つにしていただけばよろしいと思うわけであります。  終わります。
  403. 山中吾郎

    山中委員長 参考人の皆さんに申し上げますが、予定より少しおそくなりましたが、五時三十分まで協力願いたいと思います。  塚本三郎君。
  404. 塚本三郎

    塚本委員 生活関連物資買占め及び売惜しみによって急騰しつつある生活物資の値上がりの第一の責任は何といっても政府にあるというふうに、私たちは基本的に考えております。政府の、需要に対する見通しを誤り供給に対する指導を怠った政治責任が問われなければならない、このように私たち民主党は、第一に政府の政治責任指摘いたしております。  当予算委員会室において去る三月十日、私は田中総理及び愛知大蔵大臣にこのことをきちっと問い詰めてみました。田中総理は、「反社会行動に走るようなおそれのあるものに対しては、数字を見てからなどということではなく、政治の責任で締めるところはびしっと締めてまいりたい、こう思います」こういうふうに、総理はきちっとその点を御反省なさって、これから締めるというふうにおっしゃってみえます。そうして愛知大蔵大臣は、「多くを申し上げませんが、ただいま総理のお考えのような方向で具体的に、金融政策はもちろんでありますが、たとえば関税政策あるいは財政措置、あらゆる面におきまして実効のあがるようにいたしたいと思います」と、そのような決意のほどを大蔵大臣も、きちっと三月十日に私の質問に対して、ここに速記録がありますが、載っております。  今回の異常なまでの社会問題化したことは、以上のごとき政府の経済政策の失敗の上に、政府が根本的にいわゆる需要の見通しを誤り、そしてその需要に対する供給の生産指導なりあるいはまた輸入に対する指導を誤ったことによって基本的に不足した、その上に実は商社の皆さま方が悪乗りをして値をつり上げた、こういうふうに——皆さま方が第一義的にやったとは私たちは見ておりません。まあ品物によって違いますけれども、しかし、不足したからこれ幸いと悪乗りをして、売惜しみのような形になって値をつり上げた。その結果不当な利をむさぼられただけではなくして庶民にたいへんな迷惑をかけられた。このことが実は国民の怒りとなってきておる、私たちはそういうふうに判断をいたしております。  自由主義経済体制下において経済の規制というものは、きわめてこれはむずかしいものだということを私たちも知っております。おそらく、先ほどから各党の委員方々がきめ手となるものは、米だけでございます。米はきちっとした食管法という法律の裏づけがありますから、だから米に対しては、皆さま方に対しても責めやすいわけです、われわれの立場から言いますと。あとは、自由経済体制でございますからきめ手がないと、私たちも自覚をいたしております。しかし、そういうふうな法律に違反をしておらないからといって、おれたちは知らぬ、かってだというわけにはまいらぬと思っております。  日本の戦後におきます経済の発展に対して、皆さま方商社の活動が相当に努力があったことを、私たちは率直に高く評価をいたしております。しかし、そのことが、最近におきまして、今日最も国民が困ったときにかえって安く供給する努力をする、そういう努力をなさればすばらしかったと思っております。しかし、これ幸いと、このときに悪乗りをしたことが、われわれ議員が、言ってみるならば下品な発言をしてまで、そういう表現まで使って社長さん方に申し上げなければならぬのは、それほどまでに実は庶民の諸君が困っておるという事態であることは、御認識いただいたと思っております。したがいまして、やはり法に違反をしておらないからといって、反社会的、非道徳的な行動は断じて許されない、かように思っております。しかし、もはやこの点は、もう朝から社長さん方には再三、各党の代表の先生方からの質問で、感想も、あるいはまた所信も述べていただいておりますから、私はあえて繰り返そうとはいたしておりません。このことを前提にして、私は四、五点についてお尋ねをしてみたいと思っております。  しかし、何と言いましても、第一義的には政府責任でありますから、社長さん方を前に置いて、私は政府の見解を尋ねてみたいと思っております。  第一に、国税庁長官にお尋ねいたしますが——次長さんですね。  世間では、商社が値のつり上げを行なった、しかし、国会で騒ぎ出したときにはもうお祭りは終わった、こういうふうにいわれております。われわれ商売にうといところの政治家や政府ががたがた言い出したときにはもう上がってしまって、どんどんどんどんと売り逃げをしてしまった。それが証拠に、最初にはマスコミで取り上げられました。国会が騒ぎ出しました。政府がやっと重い腰をあげました。もうその時点ではどんどんどんどんと、特定の物資を除いては値が下がりつつあります。売り逃げをしてたいへんな利をかせいだというふうに世間ではいわれております。  あとからわれわれ民社党も、実はかってないほどの態勢でもって各商社調査に出かけて、御迷惑をかけた会社もあります。しかし、われわれしろうとでは、実際のところ、実態がそんなにつかめるものでないことを承知しつつも、いわゆる政治的な責任としてやってみたわけでございます。ほんとうのところ、その実態が、一番この中身のつかみ得るのは、私は国税庁だと信じております。今度の政府の規制のための法律の原案の中にも、物価調査官というものが設けられておりまするが、どれだけ実際帳薄を見てわかるであろうか、専門以外のことはわからないと思っております。したがって、一番はっきりとこのことをつかむことのできるものがもしあるとするならば、私は国税庁ならば専門でわかると思います。したがって、これほどに世間を騒がせておりまするので、国税庁としては、いわゆるどういう体制で特別の調査の体制を組んでみえるか、このことについて最初お伺いしたいと思います。
  405. 江口健司

    ○江口政府委員 お尋ねの点でございますが、特に、最近問題になっております大商社あるいは特殊なメーカー等の調査関係でございますが、従来から大企業につきましては、事業所が全国に非常に多くございますし、それから最近の状況では海外に支店あるいは関係法人、これは在外法人と称しておりますが、そういうものが非常にたくさんございますので、一般の税務署の所管ではなかなか調査が困難でございます。したがって、大法人、原則として五千万以上の法人につきましては各国税局が担当するということになっておりますが、特に先生が問題意識を持っておられますようなマンモス法人等につきましては、さらに国税局の中で特別国税調査官システムというのをとっております。  この中身を若干申し上げますと、主力は二十年以上のベテラン経験者を中心にいたしまして、現在、大体東京、大阪、名古屋、それから最近では広島方面にそういうマンモス法人ができつつある傾向がございますので、この四局につきまして特にわれわれ、いま申し上げた特別国税調査官というものを、まあ特官グループと称しておりますが、二十年選手以上の、いわゆる部内では最もベテランな職員を中心にいたしまして、百三十九名の全体勢力がございます。これがもっぱら、そうしたマンモス法人等につきまして、全国の連携をとりながら調査をしておるというのが現状でございます。  なお、最近は為替関係あるいは対外取引等についていろいろ問題がございますので、ここ数年来予算をお認めいただきまして、ほとんど大きな法人等につきましては、海外調査も連年実施しておるということでございます。  なお、調査実態でございますが、一番最近の確定的な数字で申し上げますと、四十六事務年度、これは四十七年の六月末でもって一応過去の分の締め切りになりますが、それの実績を申し上げますと、いま申し上げた大法人、特にマンモス法人はおおむね資本金六十億円以上の会社がこれに該当いたしますが、これらにつきましては、ほとんど連年実調という形をとっております。一般の五千万以上の法人ですと大体二四%程度が実調率でございますが、マンモス法人の場合には五〇%、それも二期一緒にいたします。大体、大法人の場合には六カ月決算のものが大部分でございますから、上期と下期とを合わせて調査することが最も効率的でございます。したがって、二期一緒にやるというのが常道でございますが、そういう関係で連年実調ということになっております。  なお、少し先のお話を申し上げて恐縮でございますが、最近の問題事項は、各決算法人から見ますと、大体三月、九月の決算法人が多うございますが、特に昨年の四十七年の三月、それから四十七年の九月に問題が集中しておるようにわれわれは把握してございますので、各種の資料をもとにいたしまして、現在その二期分について、主力をあげて調査を実施しておるという段階でございます。一部、外国調査等も現在実施中でございます。
  406. 塚本三郎

    塚本委員 それは四十七年の三月と九月の調査を特別にしておられるということですが、それらの問題、具体的に明らかになるのはいつごろになりましょうか。
  407. 江口健司

    ○江口政府委員 普通、いま申し上げたマンモス法人等につきましては、これは延べ日数でございますが、四十六事務年度の実績によりますと大体三百数十日、これは延べ日数でございます。一グループ数名でいたしますので延べということばを使いますが、そういうことで現在調査を実施中でございますが、まあ外国の支店あるいは関係在外法人等の調査を含めますと、かなりの日数を要すると思いますが、まあ大体、この夏前までには一応調査を終了するというようなことになろうかと思います。
  408. 塚本三郎

    塚本委員 特に私ども希望するのは、数字のことは、商社のほうはこれはもう明確になると思いますが、在庫の問題を特に厳密にこの点を捜査していただいて、そして、これから物価調査官ができるでしょう、そのときに、こうすべきなんだという模範をきちっと示していただいて、そして、得た商社利益というものは国民にきちっと還元するような体制を、せめて政府のいわゆる失政に対するしりぬぐいというとたいへん恐縮ですけれども、その点、法に基づいてきちっとやっていただきたい。その決意のほどをお伺いしたいと思います。
  409. 江口健司

    ○江口政府委員 的確な調査をいたしまして、特に、最近国会その他で問題にされておりますような点につきましては、極力資料を収集してございますので、十分調査をいたしまして適正な課税を実施したいと思っております。
  410. 塚本三郎

    塚本委員 次に、銀行局長にお尋ねいたしますか、銀行局は——局長はまあしようがないけれど、審議官だな。  実は商社の活動の中で、私も最初はびっくりしたのですが、最近はまあこれは普通になってしまっているのですが、商社が金を貸すんですね。こういうふうに貸すと、金利まで商社がきめて貸す。これ、聞いてみたら銀行法の違反にはならぬようでございますけれども、系列会社に対して、苦しいから貸してあげるというなら、まだ好意的でよろしい。関係のない、全く他人さまに、金利まで指定して金を貸し付けて、そうして、そのかわりわが傘下に入りなさい、こういうふうにやるわけでございます。結局、銀行から系列の商社に対して金を貸す。商社が今度は、自分たちのシェアを獲得するためか、あるいはまた支配力を伸ばすためかわかりませんけれども、それがために金利まで指定して他人の会社に対して金を貸す、こういうことをやっていますが、これ、一体銀行局はどう考えられますか。
  411. 岩瀬義郎

    ○岩瀬説明員 ただいまのお尋ねでございますが、商社が銀行から資金を借ります場合は、大体において、その資金の大部分は短期資金でございます。長期資金との割合は、三対一か四対一くらいの割合だと思いますが、そういう資金が一体、商社の側から見ましてどこに流れるかということにつきましては、短期資金の流れを銀行のところで見ます場合に、それがどういうふうに使われるかということについては、一般の企業におきますと同じように、まあ、ある程度企業責任といいますか、経営方針というか、そういうものにゆだねる場合が多いわけでございます。したがいまして、商社の場合に、その商社資金があるいは法人に対して貸し付けられたという場合にも、商社活動に基づいて行なわれる、商社の本来の姿によって行なわれるものであるならば、それは普通の会社におきましても子会社資金を貸し付けるという場合もございますので、一がいにそれが金融法規に違反するということにはならないと考えております。
  412. 塚本三郎

    塚本委員 もちろん、それは私も調べてみて、違反にはならないということは承知しておりますけれども、そういうふうで運転資金で貸したその金かどうかわかりませんけれども、工場の設備まで金を貸すんですよね。これは運転資金じゃないんですね。そのかわり製品はうちへよこしなさいよ、こういう形で系列化していくわけなんです。  私がこのことをお聞きしますのは、庶民が将来の夢を託して銀行に預けた。その銀行が商社に貸した。商社が、いわゆる一般独立でやっておる、自由競争でやっておる工場を系列化していく。こういうことによって価格形成が支配的にならしめて、物価つり上げになるという形にみんな系列化されてしまっておるんです。自分たちが将来の夢を託して預けた金が、自分たちの首を締める形に利用される、こういうような形になることをたいへん私は残念に思っております。だから、そういうふうに利用されるという形になれば、私は、法律に違反しておるということではないとしても、これは不道徳な使い方だと思いますが、いかがですか。
  413. 岩瀬義郎

    ○岩瀬説明員 私は、先ほどお答えいたしましたことは一般的なことでございますが、ただ、商社そのものは、設備を本来持たないで、他人の商品を売買するというようなところから発生したものであろうと思います。したがいまして、製造設備そのものは自分が持たないで資金を貸し付ける、あるいは資金を融通することによってその商品をまた他に売買するというようなことがあろうかと思います。ただ、社会的な批判を受けるような形の融資というものがそこに行なわれるということでございますれば、これはむしろ銀行、金融の問題というよりも、会社の経営責任というか経営態度といいますか、そういう方面の問題ではなかろうかと私どもは存じております。
  414. 塚本三郎

    塚本委員 それじゃ商社代表して、そういう事実が——私は、いまここで、時間ございませんから、どこがどうだということを申し上げると時間が長くなりますから、こういうふうな形で、いわゆる工場を持たないがために、金をそういうふうに貸し付けることによっていわゆる系列化をするというふうな形で使うという使い方は、私は正しい使い方——違反だと責めるつもりはありませんけれども、そういう形で商社が支配体制をとるというやり方は、私はいわゆる穏当なやり方ではないと思いますけれども、どなたか商社の中で、代表お答えいただきたいと思いますが、どうでしょうか。
  415. 橋本栄一

    橋本参考人 金で中小企業を縛るという形になるようなことはよくないと思いますが、現実の姿といたしましては、われわれがそういうことを頼まれましてお金を出す場合には、ほとんど、私の承知しております範囲では、私のほうから、お金を貸してあげましょう、設備をいたしませんかということを言うていったことは、まずありません。これは、設備をするについて金が要るんだけれども、ぜひお金を貸してくださいというこちらに対する申し入れがあって、それはよほど慎重に検討しませんと、そう簡単にお金というのは貸しませんので、ずいぶん慎重に検討してやっておりますけれども、そういう形が大部分であります。したがって、それはもう……。
  416. 塚本三郎

    塚本委員 それは会長、おっしゃるけれども、こちらから頼むやつは、あなたのほうは絶対貸しはせぬのだよ。安心して、りっぱなやつで、そして貸してほしくないところだけぶつけていってやるわけなんです。反対なんですよ。それが実態。もういま時間がないから、このことだけでやっているとあれですけれども、あなたはそういうふうに指導しておると私は思うです、りっぱなもう大商社会長さんですから。末端へいきますと反対に、健全なほうが逆に、いわゆる金を貸してやるからこうせよといって、貸してくれなんというほうは逃げちゃって相手にしてくれない。こういう形なんですよ、実態は。
  417. 橋本栄一

    橋本参考人 それはぼくはちょっと、多少水かけ論的になると思いますけれども、それはよく実態を調べてみないと、一がいに私は、先生のおっしゃるほうが正しくて私のほうが間違っているというふうには思いませんが、よく勉強してみましょう。
  418. 塚本三郎

    塚本委員 いいところだけそうやっては系列化していき、悪いところなんか、いったって何も相手にしてくれないのです。そういうことだから、社長さん方、末端のやっていることをもう一度目を通して、非難を受けないようにしていただきたい。  さらに、実はこれは、私のたまたま関係したことだから申し上げるのですけれども、名古屋のある会社がニューギニア開発に出かけたわけですね。そして基金から、実は金を十億ほど借りることになりました。そのときに、まっ先に、海外経済協力基金の大蔵省から行っておる理事さんが、商社を入れなさい、こう言うのですよ。向こうの政府と合弁会社までできてしまっておるのに、商社を入れなさい、こういう形を言ってくるのです。こういう形で、わざわざ商社の支配体制を、いわゆる大蔵省が一生懸命やらしておるような形になっている。商社みたいなものはうちが使っておるんだといって、その社長は鼻っ柱の強い人だったから、そんなピンはね会社みたいなものに入ってもらわなくてけっこうですと断わって、それでも再三言うから、私が断わりに出かけたのでございます。こうすることによって商社の支配体制をつくらしておいて、大蔵省から因縁をくっつけて天下り人事がここで始まる、こういう形になっておるのです。  どうでしょう。まあ大臣に言わなければ、あなたじゃいかぬけれども、商社の皆さん方もそれで逆に、頼みもしないのに、そうやって、実は海のものとも山のものともわからないものに引きずり込まれてしまって、人事だけもらい受けを押しつけられるという形になって悪い関係になっておる、こういうことなんです。どうでしょう、大蔵省。
  419. 岩瀬義郎

    ○岩瀬説明員 お答えいたします。  私の所管ではございませんので、直接お答えになるかどうかわかりませんが、もしそういう実態がございますれば、それは調べて入ませんと、なかなか一口にお答えできない問題ではなかろうかと思います。たとえば、商社が入りますのは、あるいはその投資のために、日本立場から見ても相手国の立場から見ても非常に有効であるというふうに判断がなされたのかもしれませんので、その辺は実態を存じませんので……。
  420. 塚本三郎

    塚本委員 あなたからそれ以上答えてもらっても無理だと思いますから……。  もう一つ、商社がもうけるということの問題とともに、そこにきちっと並んでおいでになるけれども、実際は、同士は同士でもかたき同士で、商社同士が、いわゆるえらくせり合うわけなんです。これも一つの南方からの木材輸入の例ですけれども、ある会社が、一石当たりオーストラリアドル四ドルで買い付けた。ところが、船をそこまで持っていって、そして三ドル九十セントにしようといってたたきまくっておる、こういうふうな形。船を岸壁につけながら、契約しておいてなお値をたたく。そうすると別の商社が来て、おれのところは四ドル十セントで買ってやろう、こういうことになると、オーケーで逃げちゃうのですよ。それで、船を回すと、それきりで今度は四ドル九十セントと、こうくるわけです。今度は、四ドル十セントで契約したほうが着くころには、船をからで帰えすわけにはいかないから五ドルで積まなければしようがない、こういう形なんですよ。いまもう荷積みをしておるころでございますけれども、現にこれは、私が直接に話を聞いている。  こういう行儀の悪いやり方というものは、これは日本商社同士が利益よりもシェアを広げることの競争、このことをひとつ商社の皆さま方は——実は余談かもしれませんけれども、フィリピンにおいて日本商社員が銃撃で殺されました。うわさでは、殺されるのがあたりまえだ、あれだけ現地人にひどいことをしておれば、やられるのはあたりまえだ、こういうことが現地では公然のうわさとなっておるということが、私の耳に入ってきておるわけでございます。この行儀の悪い姿というものは、それは発展期においてはたいへんな力になったかと思いますけれども、しかし、いまこれだけ強くなった日本総合商社というものの姿は、逆にたいへん日本そのものを傷つける形になっておるということを、強く私は御注意申し上げておきたい。  最後にもう一つ。実はきのう私のところへ、繊維の小売り屋さんの代表がやってまいりました。塚本さん、商社社長質問なさるということですけれども、一言だけ言ってもらいたい。これは消費者が泣いておるだけではなくして、小売り業者がどれだけ泣いておるかわかりませんよ。繊維のごときは、不買運動がいま町じゅうに行なわれております。一番悲しんでおるのは小売り業者です。高く仕入れさせられて、そして不買だといってデモで押しかけられておる小売り業者の姿を考えてください。このことを社長たちに伝えてください、こういうふうに言ってまいりました。  あなた方にとって最も大切なのは、あなた方の材料を仕入れて末端で働いておる中小企業の需要家たち、あるいは一番先頭で消費者にいわゆる非難されながら売っておる小売り商人、こういう人が一番泣いておるということを、ひとつ十分気をつけていただきたい。  この二つを申し上げて、どなたか代表でそれに対する信念のほどだけ伺って、関連がありますから、ちょっとかわらせていただきます。どなたかどうでしょう。三菱さん、どうでしょう。
  421. 山田敬三郎

    山田参考人 一番最初に過当競争のお話がありましたけれども、この点は、先ほども申しましたように、十分反省してやっております。現実に大きなプロジェックトについては商社全部で一緒にやるとか、フェアな競争をやっていって、そういうことの誤解がないようにしたいと思います。  それから、いまお話しの小売り商の問題ですが、これは先ほど三井の橋本さんもおっしゃいましたとおり、系列のと申しまますか、取りきめの古い関係については、十分その利益はカバーするように努力したいと思います。
  422. 山中吾郎

  423. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 時間がありませんので、私、一つだけ質問をいたしたいと思います。  それは、政府の高級あるいは中堅の役人が大手商社へ天下りで入っていって、そうして政府とぐるになって情報の提供を受けてという、その天下りという一つの図式があるわけであります。  いま一つは、ここに資料を持っておりますが、大手商社が多額な政治献金をして、この雑誌のことばではないが、「政治まで買い占める大企業」こういうようなぐあいに片方では献金をする。  こういうことになると、政府から役人は行くわ、政府から情報は提供するわ、閣僚級のそれぞれの派閥に政治献金をするわ、こういう形になれば、みんながぐるになって、政府、自民党幹部、閣僚、大手商社がぐるになって今日の事態を引き起こしているんだ、こういう図式になるわけであります。  たとえば、私の手元に人事院の発表の営利企業への就職の承認に関する年次報告。私は、急にいま質問しようと思ったから、詳細には調べてまいりませんでしたけれども、丸紅さんに四十三年に大蔵省の大臣官房付の小川肇、これが行って、同じ年に伊藤忠さんに通産省繊維雑貨局長の金井多喜男さん、これはおそらく繊維の買い占め等で、いま三、四年たって働き盛りでやっているに違いないというように私は勘ぐるわけであります。それから、四十三年には住友さんへ通産省大臣官房付の小田五郎さん、四十四年に三井物産に大蔵省大臣官房付の柴崎芳博さん、四十五年には大蔵省大臣官房付の坪井哲郎さん、これは海外総括部長付、こういうようなことをやっておるようであります。それから、住友さんに四十五年に大蔵省の印刷局長岸本好男さん等々、ここにずいぶんあるわけであります。  このほかに、先日公明党の方が発表された、丸紅さんには田中頼包元福井食糧事務所長さんとか、岡田文吉元兵庫食糧事務所長さん、日産丸紅さんのほうに山田浩太郎元食糧庁買入課員。それから、これは私の知っておる範囲では、武井仙太郎元宮城食糧事務所長、こういう人が丸紅さんに行っておるし、伊藤忠さんのほうには柏原豊元大阪食糧事務所係長、こういうぐあいに大ぜいの方が、天下り人事で大手商社に行っているわけであります。  そうして、片や政治献金のほうは、先ほどの「政治まで買い占める巨大企業」というようなことで、ここに出ている資料は自治省発表で、資料収集した方は現代選挙制度研究会、こういう人が詳細にこの資料を集めたわけでありますが、四十年から去年の前半までに大手商社六社かあるいは八社、これだけで四億何千万という政治献金であります。それもまた、献金の中身が三井、三菱伊藤忠丸紅競争だ、こういうことで、ちょっとそこだけ読んでみますと、まるで申し合わせたようであります。「四大商社国民協会への献金は、一昨年は老舗の三菱と三井は、仲良く千三百二十四万円、新興の丸紅伊藤忠は、同じく一千万円。また四十五年も三菱と三井は、九百六十万円、伊藤忠丸紅は六百六十万円」、あちらのけたがこのくらいならこちらのけたはこのくらいだぞ、老舗同士は申し合わせてやろうじゃないか、こういうような申し合わせまでしてやっているというのが実態ではなかろうか、こういうように考えるわけです。  そこで、時間がないから委員長から取り計らっていただきたいが、先ほど申し上げたこの天下り人事のほうは、高級の官僚の人事院の報告だけではなくて、まだ中堅幹部等が大手商社に行っているわけであります。そういうものを、商社みずからひとつ資料を出していただきたい。これが一つであります。  いま一つは、これは自治省へ堂々と報告したわけでありますから、みんな実績があるはずであります。したがって、各派閥に、国民協会のみならず、第一国政研究会幾ら、新財政研究会へ幾らというぐあいに、各派閥ごとにいままで出した、昭和四十年から今日までの献金の実態を、ひとつ商社から資料を提出していただきたい、こういうわけであります。三井物産さんが最高、その次が三菱さん、こういうように資料が出ておるわけでありますが、この資料をひとつ提出していただきたい。  この二つについて、各商社からひとつ御答弁をいただきたいと思います。
  424. 山田敬三郎

    山田参考人 最初の問題につきましてお答えします。  第一番の問題については、三菱商事としましては、高級官僚の方は一人もおとりしておりません。ただ、先ほどの食糧庁の関係で、技術屋の方を一人とっているだけであって、それも嘱託でありまして、全然採用しておりません。  それから……
  425. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 ちょっと途中だが、いま最後まで読み上げませんでしたが、昭和四十六年に食糧庁総務部付加藤さんが行っているわけです。
  426. 山田敬三郎

    山田参考人 その問題、いま申し上げましたように、一人だけ中級の官吏の方を技術屋として、嘱託として採用しているだけでございます。マネージメントには一人もいませんということを申し上げます。  それから、献金の問題につきましては、自治省に、先ほどそちらから御説明かありましたとおり、ちゃんと報告がとってありますから、あらためて二重に御報告する必要はないと思いますが……。
  427. 橋本栄一

    橋本参考人 三井物産といたしましては、管理職以上に高級官吏の方をもらい受けるということは、原則としていたしておりません。ただ、私どもが昭和四十一年に木下産商を合同いたしまして、そのときに合併によりまして一人引き継いでおります。そのほかに、私どものマネージメントに役所の方はおられません。  それから、政治献金の問題につきましては、ただいま山田さんが申し上げたように、全部明細がわかっておるんじゃないでしょうか。そのとおりでございます。
  428. 檜山廣

    檜山参考人 第一問については、私ども、何さまいわゆる人物が、三菱さんや三井さんほどそろっておらないということで、マネージメントの段階で通産から二人ほど、いま丸紅におります。それから、去年北海道からの小林元橡というのが来ております。いずれにしましても、そういうブレーンを結集するという意味においていろいろ人材をいただきましたが、しかし、あれで大体新しいプロパーの者が成長してきておりますので、当分はそういうことはないんではないかというふうに考えております。  なお、政治献金については、自治省に全部報告しておりますので、そのとおりでございます。
  429. 越後正一

    越後参考人 私のところは大蔵省から一人、通産省から一人、役員として迎えております。いま伺いますと、食糧庁から課長級の人が何か来ておられるように聞いております。私は、まだものを言ったこともございません。社内の振り合いもございますので、そう簡単に多くの人をとるわけにはまいりませんが、慎重に、弊害の起こらないようにやっていきたい、こういうぐあいに考えております。  政治献金の内容につきましては、自治省に報告を申し上げておるとおりでございます。
  430. 柴山幸雄

    柴山参考人 私のほうは、先ほどもちょっと申しましたけれども、終戦後商事会社を始めた関係で、広く人材を求めておったわけでございます。したがって、役人の方のみならず、メーカーの方あるいはほかで商売をなさった方も来ておられます。中級の幹部その他も報告しろということなら、いつでも御報告いたします。  献金については、前の方と同じでございます。
  431. 辻良雄

    ○辻参考人 役人の方の社員採用につきましては、二、三ずいぶん前にあったように記憶いたしておりますが、最近は、社員としての採用はございません。(「いい人は使いなさいよ。もったいないよ、能力ある者を」と呼ぶ者あり)使う使わないというんでなくして、現在使っておりません。  それから、献金の問題につきましては、皆さんのお話のとおり、自治省に届けてございますので、そのとおりでございます。それを御参照願います。
  432. 山中吾郎

    山中委員長 締めくくってください。
  433. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 それじゃ、時間ですからこれで終わりたいと思いますが、ただ問題を、たとえば食糧等で問題を起こしておる丸紅さんとか伊藤忠さんには、明らかに食糧庁から大ぜい行っているわけであり、そういう者が情報を提供し、そして第一線に立って活動しているという事態が今日の事態を招いたんではないか、こういうように私は考えるわけです。  以上申し上げて、それじゃひとつ資料を出してくれるところは出していただくことにして、質問を終わります。
  434. 山中吾郎

    山中委員長 本日、各質疑者から要望されておる資料については、理事会にはかって善処いたします。  本日の参考人に対する質疑は、これにて終了いたしました。  参考人各位には、長時間にわたり御出席をいただきまして、ありがとうございました。ここに、委員会代表して御礼を申し上げます。  次回は、来たる十六日月曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時三十八分散会