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近藤委員 長官からたいへん前向きな御答弁をいただいて、私も喜んでいるわけでございますが、よく、紙切れを集めてどうだというようなことをいろいろなところでいわれるわけでありますが、私は、決して
ドルは紙切れだとは思わない。それは国内、円で見れば安くなっているわけですが、
ドルで見る限り、少なくともアメリカの
商品なり
ドル圏の
購買力は変わってないわけですから、いろいろなところであれは紙切れだという議論は、私は基本的に間違いだと思っているわけでございますが、それにしても、どうもだんだんだんだん下がっておる
感じで、
感じが悪いわけであります。その他いろいろな問題がございますので、そういういわゆる過剰
外貨の適切な活用方式としても、ある程度長期的なベースの
日本の
経済に必要な
商品の購入、また資源の確保、そういったことについてもお
考えになっていただきたい、かように
考えておるわけでございます。
先ほど来、私、申し上げておりますが、現在の
物価上昇というものに対して
一般の消費者が非常に困るのは、先行き全く見通しが立たないということ。国際的にもいろいろな事件がどんどん起こっておりますし、円はフロートしておるし、戦争で物がない
状態から、最近は物が余って困った
状態、そして急に何か物がなくなってしまって、一体この
状況はどこまで続くかわからない。言ってみれば、やみの中に消費者はぽんとぶん投げ出されている。そういう
一種の不安感、焦燥、そういったものが消費者をかりたてて、場合によっては、買いたくないようなものすら、買わなくてもいいようなものすら買わされておるという
感じがするわけであります。だれかが言っておりましたが、これはババ抜きのババみたいなもので、だんだんやっているうちに、一番最後に持ったやつが損をするというので、いまそのババがどこまでいっているか、だんだん最後にいって、消費者がババを持ったときに、それでゲームは終わりだということになりかねないわけであります。
そこで私は、最後に
長官にお願いしたいのですが、いまの
物価が一体どういう
状況にあるかということを、これまでもいろいろな機会を通じて、
経済企画庁なり
政府が
説明をしていただいております。こういう
物価対策特別
委員会を通じて
国民にものを言っていただくこともけっこうですが、しかし、残念ながら
物価対策特別
委員会は、私がこう話をしても、NHKが来てテレビをとるわけでもないし、民放が入っておるわけでもない。
国民は全くわからないわけであります。そこで、私は出なくてもけっこうでございますが、どうかひとつテレビをもっと使っていただきたい。具体的に申しますと、主婦がよく見る、朝の「スタジオ一〇二」とか「こんにちは奥さん」とか、ああいう番組の、たとえば五分間でもいい、十分間でもいいです。どうもNHKは最近評判が悪いようですから、罪滅ぼしを兼ねて
国民にサービスをする。たとえば今週、たとえばきょうはこういう
物価状況です、きょうは、たとえばホウレンソウが高いかもしれない、しかし白菜は安いんです、マグロのさしみは高いかもしれない、しかしアジは安いですとか——どうもマスコミが悪いと思いますのは、高いものばっかりいうわけですよ。野菜が高くなりました、大根が高いです。そこで主婦は、高いといわれますから、八百屋さんに行って高い大根を見つけて、なるほど大根は高いわいといって安心して高い大根を買ってくる。そのときにホウレンソウが安いかもしれない。ですからマスコミは、高いものを取り上げないで、むしろ安いものを一生懸命取り上げていただきたい。安いものはあるのです。東京でも山形でも、
新聞を見れば、スーパーやデパートで、きょうはこれがお買い得ですとか、在庫払いだとかいって、安いものを宣伝しています。チラシがこんなに来るのです。ああいうものを場合によっては取り上げて、極端に言えば、どこどこではこれを安く売っていますというようなこともローカルの局に取り上げさせる。要は、安いものを積極的に
政府なり適当な機関が取り上げて、テレビを通じて主婦にPRするようなことをお
考えいただく。よしんば高いものを取り上げるにしても、これはこういう理由でいま高いのです、しかし、いまこういう政策をとっているので、一週間後に、一カ月後に、また半年後にこれは安くなりますから、いまは買わないでくださいというようなことを積極的におやりになることが、ほんとうに消費者の身になった
物価政策である、私はかように
考えておりますが、新たに
物価局をおつくりになって真剣に
物価行政に取り組まれようとしておられる小坂
経済企画庁長官の御意見を承って、私の質問を終えたいと思います。