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1973-07-13 第71回国会 衆議院 内閣委員会 第41号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十八年七月十三日(金曜日)    午前十時三十六分開議  出席委員    委員長 三原 朝雄君    理事 奥田 敬和君 理事 加藤 陽三君    理事 笠岡  喬君 理事 中山 正暉君    理事 藤尾 正行君 理事 大出  俊君    理事 木原  実君 理事 中路 雅弘君       伊能繁次郎君    江藤 隆美君       越智 伊平君    大石 千八君       近藤 鉄雄君    竹中 修一君       丹羽喬四郎君    旗野 進一君       三塚  博君    吉永 治市君       鈴切 康雄君    受田 新吉君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 新谷寅三郎君  出席政府委員         防衛庁参事官  大西誠一郎君         外務省アメリカ         局長      大河原良雄君         運輸省鉄道監督         局長      秋富 公正君         運輸省自動車局         長       小林 正興君         運輸省航空局長 内村 信行君         運輸省航空局技         術部長     金井  洋君  委員外出席者         科学技術庁原子         力局次長    倉本 昌昭君         運輸省自動車局         業務部旅客課補         佐官      谷口  茂君         内閣委員会調査         室長      本田 敬信君     ————————————— 委員の異動 七月十二日  辞任         補欠選任   近藤 鉄雄君     濱野 清吾君   竹中 修一君     中村 寅太君 同日  辞任         補欠選任   中村 寅太君     竹中 修一君   濱野 清吾君     近藤 鉄雄君     ————————————— 七月十二日  靖国神社法制定に関する請願外一件(足立篤郎  君紹介)(第八三六二号)  同外十一件(植木庚子郎君紹介)(第八三六三号)  同外十二件(臼井莊一君紹介)(第八三六四号)  同外十件(小澤太郎紹介)(第八三六五号)  同外三件(木野晴夫紹介)(第八三六六号)  同外二十六件(久保田円次紹介)(第八三六七  号)  同外五件(左藤恵紹介)(第八三六八号)  同(塩川正十郎君紹介)(第八三六九号)  同(田中龍夫紹介)(第八三七〇号)  同外六件(高鳥修紹介)(第八三七一号)  同外四件(八田貞義紹介)(第八三七二号)  同外七件(服部安司紹介)(第八三七三号)  同(原田憲紹介)(第八三七四号)  同外二件(山下徳夫紹介)(第八三七五号)  同外九件(江藤隆美紹介)(第八四五四号)  同外三十六件(小平久雄紹介)(第八四五五号)  同外三件(松野頼三君紹介)(第八四五六号)  同(田中龍夫紹介)(第八四五七号)  同外二十二件(草野一郎平紹介)(第八四五八  号)  同外七件(渡海元三郎紹介)(第八五五九号)  同外六件(羽田孜紹介)(第八五六〇号)  同外四十一件(森美秀紹介)(第八五六一号)  靖国神社国家管理反対に関する請願木下元  二君紹介)(第八四五九号)  同(木下元二紹介)(第八四九六号)  同(清水徳松紹介)(第八四九七号)  同(田代文久紹介)(第八四九八号)  同(細谷治嘉紹介)(第八四九九号)  同(武藤山治紹介)(第八五〇〇号)  同外一件(安井吉典紹介)(第八五〇一号)  同(山本幸一紹介)(第八五〇二号)  同(木下元二紹介)(第八五六二号)  同(田代文久紹介)(第八五六三号)  同(村上弘紹介)(第八五六四号)  両眼失明重度戦傷病者に対する恩給等改善に関  する請願園田直紹介)(第八五〇三号)  自衛隊機飛行中止等による市民生活安全確  保に関する請願小平忠紹介)(第八五六五号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  航空事故調査委員会設置法案内閣提出第一一  号)      ————◇—————
  2. 三原朝雄

    三原委員長 これより会議を開きます。
  3. 越智伊平

    越智(伊)委員 議事進行について委員長お尋ねをいたしたいと思います。  先般わが党の竹中議員発言をいたしまして、委員長速記をとめるし、正規の審議にはなっておりませんけれども皆さん周知のとおりでございます。そして私どもは、靖国法案を早く提案理由説明をしていただくようにお願いをいたしまして、理事先生方にもお願いをいたしまして、話し合いをするからしばらく待て、こういうことでございますけれども、ちょうど一週間たちましたが、いまだに結論が出ておりません。そしてわれわれは毎日公報を見て、きょうはきょうはと待っておりますけれども、一向に進んでいないのが現実でございます。  そこで私は、いまの段階でどうなっておるか、委員長お尋ねをいたしますとともに、早くこの上程をしていただいて審議の場にのせていただく、このことを要望いたしたいと思いますので、その後どうなっておるか、また見通しがどうであるか、このことを、会議に入る前に、委員長からひとつここで御説明を簡単にいただきたい、かように思うのでございます。(拍手)
  4. 三原朝雄

    三原委員長 このことにつきましては、速記をとめて竹中委員はじめ皆さん方に申し上げましたように、あくまでも国会審議ルールにのせて運営をいたしたいということを申し上げました。お話のとおりです。その後皆さん方のそうした御要望もございますので、理事会のありますたびに御相談を進めておりますが、各党も、多年にわたりますきわめて重要な法案なものですから、党内の御意見等を伺いながら、党を代表して理事会で御相談をしてもらっておりますけれども、まだ話し合いがつく段階になっておりません。したがって、先ほども理事会で出ましたが、本委員会終了後、またあらためて理事懇談会を開いて御相談をするということでございますので、もうしばらく理事会におまかせを願いたいと思います。
  5. 越智伊平

    越智(伊)委員 いま御説明がございましたが、ルールにのせると。ルールにのせるということは、国会法なり衆議院規則なりにちゃんとございますので、もちろん理事さんが話し合いをしていただくことはけっこうでございますけれども、いつまでもそのことによって審議ができないということでは困りますので、なるべく早急にひとつやっていただきたい、かように思います。そして結論を出していただく。あるいは結論が出ない場合には、この委員会にはかってひとつ進めていただくようにお願いをいたしたい、かように思いますが、委員長いかがでございましょうか。
  6. 三原朝雄

    三原委員長 そういう御趣旨を十分受けとめまして、理事会でまたよく御相談いたします。おまかせ願いたいと思います。
  7. 三原朝雄

    三原委員長 航空事故調査委員会設置法案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。受田新吉君。
  8. 受田新吉

    受田委員 まず、この法案に直接関係する委員会構成等に関する質問をいたしたいと思います。  今度の法案が成立しましてさっそく設置される委員会構成、非常に権威ある委員会になって、国家公安委員会等と大体均衡のとれたような権威を持っているわけで、それほどこの問題を重視しているという法案でありますが、常動の委員非常動委員とがあるわけですか。
  9. 内村信行

    内村(信)政府委員 おっしゃるとおりでございます。
  10. 受田新吉

    受田委員 常勤委員待遇非常勤委員待遇の比較ですが、常勤委員待遇は、特別職委員として一応高位の給与をもらうという形のようになっております。しかし非常勤委員はどうなっておるのですか。
  11. 内村信行

    内村(信)政府委員 非常勤でございますから、その当該会議においでいただいたとき、その委員手当として通常きまっているような程度のものを差し上げるということになっております。
  12. 受田新吉

    受田委員 金額にして、人事院の定める数字でどれだけになりますか。
  13. 内村信行

    内村(信)政府委員 最高の場合が約八千円くらいかと存じます。
  14. 受田新吉

    受田委員 出勤した日だけ八千円ほど支払う。
  15. 内村信行

    内村(信)政府委員 そのとおりでございます。
  16. 受田新吉

    受田委員 そうして勤務しない日には、常勤委員とは違って給与をもらわないのでございますから、給与をもらわない者に対する責任はどうなっておるのですか。
  17. 内村信行

    内村(信)政府委員 この場合は非常勤でございますから、それ以外のときには通常勤務を普通によそでおやりいただいてけっこうでございまして、通常勤務をよそでやっておられる方に対しまして、特に非常勤でございますから、そのつど委員手当を差し上げる、こういうことに相なっております。
  18. 受田新吉

    受田委員 そうしますと、常勤委員俸給をもらっているんだから常時責任がある、それから非常勤委員俸給をもらう日だけしか勤務責任はない、こう了解してよろしゅうございますか。
  19. 内村信行

    内村(信)政府委員 責任の問題とはこれはいささか別でございまして、責任につきましては、五人の合議制でございますから、そこでもって全体について共同責任が発生するというふうに思いますけれども、ただし最終的には委員長責任かと思います。  しかし、その手当関係につきましては、やはり常勤というものは、平生、常時委員会のほうに勤務しておられて兼職も認められないということでございますから、当然それに見合うべき給与を差し上げるし、非常勤の方は、そのつど定められた方に来ていただくわけでございますから、その意味手当はつく。しかし、その委員会議事を決定するとか、内容についての発言をするとか、合議制できめる場合にその票の軽重は何ら変わりはないわけでございます。
  20. 受田新吉

    受田委員 ここに一つ問題があるのですけれども勤務する日だけ報酬を受ける、その報酬を受けない日は、報酬を得ずして勤務責任を感ずるというような形ということになるかどうかが問題です。
  21. 内村信行

    内村(信)政府委員 非常勤でありますけれども、これは特別職公務員になりますので、それによる責任というものは当然発生いたします。それと手当の問題はおのずから別ではないかというふうに私は考えます。
  22. 受田新吉

    受田委員 ここはひとつ明確にしておかないと……。サラリーをもらって勤務される日、それは当然、たとえ非常勤といえども特別職公務員として、正常な勤務に対する正当な報酬としてお受けになる。  ちょっとここでお尋ねしておきたいのですが、事故調査委員会開催回数などというものは、一体どういう構想をお持ちですか。事務局としてはお考えがあるはずです。常時やるか。
  23. 金井洋

    金井政府委員 常勤非常勤がありますが、常勤はもちろん毎日出勤するわけですけれども非常勤の場合につきましても、事故調査を行なうにあたっては絶えず調査研究しておく必要があるというような観点から、いま私どもが考えておりますのは、大体一週間に一度くらいは必ず出ていただいて、委員五人で会議を開く。当日は出勤として、先ほど局長も申し上げましたように、最高額の八千円程度手当を出すというふうにして、大体週に一度くらいは出ていただくというふうに考えております。
  24. 受田新吉

    受田委員 常勤委員は毎日出るといまお話でございましたね。毎日出勤される場所はどこになっておりますか。
  25. 内村信行

    内村(信)政府委員 それは事故調査委員会部屋でございます。物理的には運輸省の中に部屋がございます。
  26. 受田新吉

    受田委員 運輸省の中に一室が設けられるわけですか。
  27. 内村信行

    内村(信)政府委員 さようでございます。
  28. 受田新吉

    受田委員 そうすると、常勤委員は毎日出勤をする、これは明確ですか。委員会開催日だけ、あるいは思いついたときとかということでなくして、毎日出勤すると明言されてけっこうですか。どうですか。
  29. 内村信行

    内村(信)政府委員 毎日でございます。
  30. 受田新吉

    受田委員 そうすると、毎日大体定刻出勤して定刻にお帰りになる。  そこでもう一つは、何か事故が起こった、調査を必要とするというようなときは、非常勤の人も毎日出ていくということになるのかどうかということです。
  31. 内村信行

    内村(信)政府委員 先ほど申し上げましたように、通常の形の場合には、非常勤の方は一週間一回程度出ていただくことになりますが、何か現実に大きな事故でも発生したというふうな場合には、それにかかわらず、もっと多数の日数を御出勤願わなければならぬということに相なるかと思います。
  32. 受田新吉

    受田委員 委員会開催日以外にも毎日出勤するということでございますが、これは運輸省でも御調査されておるかどうかですが、国家公安委員会委員常勤の方は毎日出勤しておるのか。その他、ここにある土地鑑定委員会常勤委員中央更生保護審査会常勤委員、こういうような者は毎日出勤しておるのか、お調べになっておるかどうかです。  これは同じ性質で、国家公務員の中の特別職でございますから、その形を同じにしておかぬと、航空事故調査委員会常勤委員は毎日出勤しておる、国家公安委員会委員は、同じような月給をもらっておりながら、委員会のある日しか出勤しないであと自分のうちにおるとか、こういう統制がとれぬことになると、これはたいへんやっかいな問題であると思うのですが、ちょっとお電話でもいいですが、国家公安委員会委員は毎日常勤出勤しているかどうか、直ちにお電話していただいて……。  航空事故調査委員会委員は毎日出られて精励恪勤する、同じようにサラリーをもらっている、同じように国家法律の規定に基づく他の委員会委員は、常勤でありながら毎日は出ないとか、こういうことになると、国家統制がとれていないということになってくる危険があると思うのです。これはただ単に運輸省の問題にとどまらず、他の関係機関との関連において、勤務形態は統一しておかぬと不平等のそしりを免れないと思います。この勤務形態については非常に大事なことでございまして、電話で調べられたあとで各省間の調整を要請しておきます。  電話結論までそのほうはお待ちしておくといたしまして、これ以上に権威あるかっこうになっておるほど、この問題を重視しておられるということはよくわかるわけでございますので、引き続き、権威ある委員会に対する質問を、別の角度から進めていきたいと思います。  提案理由の中にも、事故をなくするのにこしたことはないが、事故が起こったらこうだということでございますが、私はほんとうの気持ちからいって、事故が起こったらどうするかというようなことでなくして、事故をないようにすればいいわけなんですから、事故を起こさないというほうが前提であって、事故が起こったらどうするかということを考えるのは主客転倒である。このことについての局長の御所見を伺いたい。
  33. 内村信行

    内村(信)政府委員 まことに先生のおっしゃるとおりであると思います。それで、まず事故というものは起こさないこと、そのために万全の措置を講ずることがまず第一でございます。そのためには、航空保安施設なり管制なりの整備を十分進めていくというような安全施策は、私どもといたしましても、できるだけのことは進めておるつもりでございます。しかし、かりに不幸にも事故があった場合には、その事故というものが再び同じような事故再発につながらないように、あくまでもその原因を確かめて、その原因たるべきものを今後取り除いていくということによって事故再発を防止するというふうなことを考えなければならないということが趣旨でございまして、先生のおっしゃるように、防止ということがまず第一。しかし、不幸にして事故が起こったならば、同種の事故を起こさないように厳密に事故調査を進めるということは今後の安全のためにも大切である、こういうことが私の気持ちでございます。
  34. 受田新吉

    受田委員 いままでこういう機関を設けなくて済んだ理由はどこにあるのかを御答弁願いたいのです。
  35. 内村信行

    内村(信)政府委員 いままで外国の例を見ましても、大体におきまして、アメリカあたりは非常に大きな事故調査機能を持っておりますが、ヨーロッパその他におきましても、大体従来と同じように、運輸省なりそれに該当する部局の中、しいていえばそれの航空部局の中に事故調査課というふうなものがあってやっておりますというふうなことが現状でございます。  事故と申しましても非常に多うございまして、非常に軽微な事故、たとえば翼端接触をちょっとして翼端が振れるとか、あるいはエンジンカバーがはずれるとか、そういったようなものから、過去における大惨事のような、ああいうふうな大きな事故までたくさんあるわけでございます。そうして、この事故調査でやりますことは、小さな事故も全部拾い上げてこれを調査する。そういったものが大きな事故につながらないように平生から調査していて、そこについての対策をまた考えて出していくということが事故調査課の使命でございます。  そういうことにつきましては、幸か不幸か従来はそれほど大きな事故はなかった。しかし、今回のような事故が連続してみますと——今回と申しますのはもうだいぶ前になる話でございますけれども、この法案が元来提出されました時点を申し上げておるわけでございますが、いままでは、そういうふうな小さな事故は、航空局の中の事故調査課において処理しておりましたけれども、大きな事故がございますと、そのつど臨時の委員会なり調査班設置いたしまして御調査を願っておったというわけでございますが、そういうことでは確実性と申しますか、効率性と申しますか、そういうことも担保できないということから、どうしてもこの際は恒常的なものをつくる必要があるということが一つ。  それからもう一つは、これは運輸省内で事故調査をやることがいいことかどうか。もっと極端に申しますと航空局の中で事故調査をやることがいいかどうかという問題があるわけでございます。と申しますのは、航空局の中には、管制でございますとか、あるいは航空保安施設設置、維持、運用でございますとか、レーダー運用とか、いわゆる安全に関するものが多分にあるわけでございます。これは私どもといたしましては、そういったことにかかわりなく厳正中立にやっておるつもりではございますが、よそから見れば、事故原因としてはえこひいきしておるのではないか、自分のほうに責任がかからないような事故原因というものを推定しているのではないかというふうに思われがちでございますし、制度としては少なくともそういうふうなものはよろしくない。制度としては航空局から切り離して、全然独立の存在として、航空局のやっておる仕事も、民間航空の行なっておる運航仕事も、全部ひっくるめて公正な立場からこれを見ていくという独立委員会がどうしても必要ではないかということから、こういう委員会設置というものをお願いしておるわけでございます。
  36. 受田新吉

    受田委員 事故が起こった、あわてて調査会を開くというようなことでいままで手落ちが起こっておったことは、運輸省当局も御存じのとおりなんですが、私は個人的にも、航空機事故の際になかなか権威ある発言をしておられる木村秀政先生などは、非常によく知っておる。先生たちの御所見からも、常時こういうものの機関があっていけば常に事前に防止できる、対策検討もできるというふうな声も聞いておったわけでございますが、その意味で私、こうしたものができることを、おそまきながらけっこうであると思います。  しかし、もう一つ、空の過密時代というものがいま来たわけで、陸、海、空、この交通機関は、それぞれの特色を持ちながら、過密体制をどうするかという問題になってきたわけなんです。そこで、ここにも陸の局長も来ておられるのでございますが、私きょうは資料だけ要求しておくにとどめます、質疑の通告をしてないので。陸は人的、物的輸送量がどのような変化で今日まで進んできておるか。鉄道輸送自動車輸送、これによって物資の量がどれだけ進んできたか。海はどういうふうに船舶による物資と人間の輸送が進んでおるか。空はどういうふうに進んできたか。その最近の傾向、ごく最近の資料。陸海空にわたって輸送機関による輸送量の進みぐあいを見て、それを総合的に判断しながら、運輸行政でそれぞれの過密を防止する対策を考えなければいけないわけだ。一部局の海とか空とか陸とかでなくして、総合的な人的、物的輸送の政策というのが常に間断なく研究がされなければならないわけです。どうです。
  37. 秋富公正

    秋富政府委員 ただいま受田先生の御指摘のとおりでございまして、運輸行政というものは総合的に輸送量あるいは輸送力というものを踏まえていかなければならないわけでございまして、われわれも常々、そういった意味におきまして総合交通という見地から検討を進めておるわけでございますが、ただいま御指摘のとおり、本日は資料を持っておりませんので、後刻御説明申し上げたいと思います。
  38. 受田新吉

    受田委員 そこで監督局長さん、陸には陸の交通安全関係法規というのがある。御指摘を願いたいのです。
  39. 秋富公正

    秋富政府委員 鉄道につきましても、道路運送につきましても、それぞれ交通安全法規というものは整備いたして、常々輸送の安全ということは、私たちといたしまして最大の責務でございますから、そういう意味で努力いたします。
  40. 受田新吉

    受田委員 海にも今回海上交通安全法というのができました。昨年の国会で通った。空には航空法という、膨大な対象を含んだ、とてつもない広規模、広範囲の法律がありまして、長期にわたってこれがそのままに残っておる。空の交通安全法というものをつくるべきだと、私、三年前の交通安全特別委員長時代に、運輸省へ強力に提案したことを御記憶いただいておると思うのですが、陸と海は交通安全法ができた。空にはまだその法律ができていない。過密を防止して空の交通安全のルールを樹立するために、航空法の中から交通安全に対する特別のものを抜粋して特別の法規をつくる時期が来ておると私思う。私が三年前に特別委員長として御提案申し上げたことに対して、その後、御検討が進められておるかどうかをお答え願いたいのです。
  41. 内村信行

    内村(信)政府委員 実は航空法改正、ある意味ではそういうふうな形になるかと思いますが、これにつきましては、全日空の事故以後、国会連合審査のほうで、航空法を至急に改正すべしだというふうなことが御決議いただいたわけでございます。それによりまして私どもは部内に航空法改正検討委員会というものを設けました。これには、部外の学識経験者、あるいはいわゆる新聞の論説委員方々、そういった方々も含めまして、御一緒にいろいろと検討してまいりました。  そこで、結論を申しますと、まだ結論を得ておりません。航空法というのは、さっき先生指摘のように、非常に膨大な法律でございます。したがいまして、それを全部掘り下げて究明いたしますと、いろいろと問題がございまして、これは一挙に解決することはできないので、したがいまして、さしあたりその運航に関する部分、いま先生のおっしゃったいわゆる交通規則的な部分、この部分だけを一応最小限度まず取り上げて改正しようではないかということで、その部分改正して提案いたしました航空法一部改正が、今国会にもまた再提出されておるわけであります。  そこで、先生指摘の、あんまり膨大にわたり過ぎる、もう少しばらばらに分けたらどうか、こういう御説も確かに一つの御議論だと思います。ただ、航空法と申しますのは、航空機の機体の安全性耐久性の問題とか、あるいは整備検査の問題。それから乗員の資格、これは技能証明の問題、免状の問題等ございます。それから、先生のおっしゃいました運航の方法、管制のしかた、そういったものがございます。そういったようなものと、それから飛行場につきましては、やはり航空安全のためにいろいろな保安施設整備しなければいけませんし、航空安全のために重大な関係を持つ。それから、飛行場のみならず、いわゆるVORでございますとか、DMEでございますとかあるいはILS、あるいはTACAN、いろいろな航空保安施設がございます。レーダーもございます。そういったような航空保安施設に関することもきめてございます。そのほかに、いわゆる事業監督的な規定、それからもう一つ国際航空に関する規定、こういったようなものが大体全部まとまっているというのがいまの航空法でございます。  それで、いま申し上げた点でもおわかりのように、こういった規定のほとんど多くの部分、たとえば国際航空の部分とかいうものはかりに置くといたしましても、ほとんどの部分が安全に関するもので、これが相互に関連しつつ、入り組み合いながら一体としての安全性を保っていくというふうなことが実体ではないかというふうな気もいたします。  それからさらに、事業監督と申しましても、これは私ども、たとえば便数を認める、利用計画を認めるに際しても、飛行場の状況はどうであろうか、それから乗員はどうであるか、それからパイロットの数はどうであるか、それから機材の繰り回しはどうか、整備上はどうかというふうなことまで一々チェックいたしまして、機材側の事情、乗員の事情、飛行場側の事情、そういったものを全部一々チェックいたしまして、利用計画なりあるいは便数というものをきめておるわけでございます。  そういった意味におきましては、事業法と安全面というものとは重大な関係があるということから申しまして、これは直ちに結論を出せない問題でございますが、欧米等の諸外国においても大体一本の総合的な動きでやっておるようでございます。ただ、これは反面から申しますと、先生指摘の、何か膨大過ぎてわかりにくい、どこに何があるかさっぱりわからぬ、こういうふうなお考え方もございましょうと思いますけれども、そういった点も考えながら、先生の御指摘も踏まえながら、なお検討しようとは思っておりますが、そういったような問題があるというのが現状でございます。
  42. 受田新吉

    受田委員 交通安全の対策の中にはいま御指摘のいろいろな面があるわけでございますが、その中でまずパイロットの養成の問題に触れておきたい。乗員の人による安全というものがまず基本になるわけです。現にパイロットの養成その他を通じて、パイロットの需要供給関係をめぐってどうなっておるのか、総合的な答弁と具体的な答弁とをそれぞれお願いしたいと思います。
  43. 内村信行

    内村(信)政府委員 パイロットの需要につきましては、かつて約一年半くらい前になりますか、乗員部会で大体年間六百名程度必要であるというふうなことが考えられた時期がございました。そのころはいわゆる航空というものが、毎年三〇%近い急激なカーブで国際も上がっていったというような状況でございました。ともかく乗員というものは、養成をして一人前にするためには相当の年数がかかるわけでございます。したがいまして、五年ないし十年というふうな相当先の長期的な読みをしてかかってまいりませんと、乗員の養成の数というものはきめられないということで、その当時の情勢からすれば、いままでの伸びが非常に大きいというふうなことから、相当多くを予想いたしまして、年間六百名程度の新規需要があるのではないか、養成の必要があるのではないかということで進めておったわけでございますが、その後国内につきましても、飛行場の情勢その他、あるいは管制能力の限界というものもございまして需要が鈍化してくる。それから国際線についても、ドルの問題その他国際市況の問題もこれあり、市況が若干鈍化してきたというふうなこともございまして、その需要が最近、前に計画しましたよりも鈍化しているということは事実でございます。  そこで、現在につきまして見ますと、会社の長期的な需要というものを一応三者集めていろいろ検討したわけでございます。大体年間二百四十名程度新規に養成を充てていったらいいではないかというのが現在の状況でございます。それに対しまして、養成のしかたといたしましては、航空大学校で大体年間百三十五名を養成しでおります。それから防衛庁からの割愛を受けておりますのが約六十名。それから一方、防衛庁に会社から委託をして訓練をしていただく、こういうのがございますが、これも大体年間約六十名でございましたが、四十八年度はこれが四十数名程度に減少しております。大体二百四十名程度というふうなことでございます。そういうふうなことで、若干現実の時点におきましては需要が減少しておりますが、しかし、ともかく先ほど申し上げましたように、航空というものは長期的に見れば伸びていくだろう、それから将来の予測というものもやはり相当長期間というものを見ていかなければならないということで、あまり目先にとらわれないで、長期の展望に立って需要というものを考え、養成をしていく必要があるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
  44. 受田新吉

    受田委員 防衛庁独自の養成目的でパイロットが育てられる。その一人のパイロットを養成するのに数千万円の予算がかかっている。防衛庁費の中にはそのパイロット養成費は相当高額のものを占めておるわけで、防衛予算を高額ならしめる原因にもなっておるわけです。ところが、防衛庁でせっかく養成したパイロットを、いま航空局長のお話によると六十名、また委託をする者が約六十名、百二十名を防衛庁に期待しているという。航空大学校で百三十五名ということでございますから、おおよそ半分は防衛庁にパイロットを期待するというような現象ですね、これ。このことははなはだけげんなことなんでございますが、防衛庁というお役所から運輸省は大量のパイロットをお世話になっているという現状です。防衛庁自身は、国費をもって国土、国民を守るための航空自衛官を養成し、パイロットを養成している。養成しておいては、防衛庁から委託を含めて約半数は運輸省へ差し上げておるという、その理屈が私にわからぬのですが、参事官、ひとつ御答弁を願いたい。
  45. 大西誠一郎

    ○大西政府委員 ただいまの、防衛庁からパイロットを民間の航空業者に転出をさせ、また委託を受けて教育をするという問題は、航空局長が答弁されましたように、拡充期におけるパイロットの給源をどこに求めるかという問題に対して、国家全体の立場から考えた措置であるというふうに私どもは理解しております。  そこで数字的に申し上げますと、大体、防衛庁ではパイロットを平均いたしまして二百名ないし三百名程度年間養成しております。それから、それに直接見合いませんけれども、民間に転出をさせておりますパイロットの数は四十ないし六十名程度でございます。それから、これとは別個に、新人教育を自衛隊の教育の施設を活用してやっておるというものが、先ほど航空局長から申し上げましたような数字になっております。そういうような経過でございます。
  46. 受田新吉

    受田委員 それはどうしてそういうことになるのか。防衛庁は民間航空のパイロットを一部養成担当をしておる、こういうことになると、あなた方のほうの予算の上で、二百名、三百名養成する。最近の時点で、一人のパイロットができ上がるまでに予算が幾らかかるのか、ちょっとその数字をまず示していただきたい。
  47. 大西誠一郎

    ○大西政府委員 四十七年度の予算で申し上げますと、航空自衛隊のF104のジェットパイロットは約八千五百万であります。それから海上自衛隊のP2Vのパイロットがやはりほぼ同額でございます。陸上自衛隊のヘリコプターのパイロットは約一千万円ということになっております。
  48. 受田新吉

    受田委員 一億に近い養成費をかけてF104のパイロットを養成しておる。それをある年限になってくると民間航空のほうへ差し上げておる。防衛予算が膨大になっておるということ、その部分だけ削っても防衛費が節約できる印象を国民に与えるわけなんですが、これはどうですか。運輸省は防衛庁のほうにお世話にならなければパイロットの養成は不可能だ。航空大学校を中心にして民間は民間で単独養成する、それから防衛庁は防衛庁で、自衛官としてある年限になって、源田実さんのような特異な存在は別として、普通はもう役に立たぬころには管理職に持っていって、最後まで自衛官として生き延びてもらうほうが筋としては通ると思うのです。お払いを民間航空へ持っていく。民間航空のほうが待遇がいい。自衛官の俸給と民間を比べたらたいへんな相違です。  そうすると、ちょっと聞きますが、大型のジェット機の乗員の待遇、それから防衛庁のパイロットの最高給。実際乗れる力を持った人ですよ。管理者にならぬでみずから操縦できる人の最高待遇、それぞれちょっと言うてください。
  49. 金井洋

    金井政府委員 民間の定期のパイロットの場合には、飛行手当一時間幾らという航空手当がございますけれども、それを含めまして、月に、機長の場合に五十万から七十万ぐらいでございます。
  50. 受田新吉

    受田委員 それから防衛庁。
  51. 大西誠一郎

    ○大西政府委員 手元に俸給表がございませんので、正確な数字を申し上げられませんが、一尉のところで、航空手当を入れまして大体十五万円ぐらいではなかろうかというふうに思います。
  52. 受田新吉

    受田委員 十五万から一挙に五十万、七十万もらうことになると、防衛庁のパイロットは民間航空のパイロットになることを心から願うようになる。国土、国民を守るほうよりも、金もうけのほうへ走るという気がまえに変わってくると思うのです。いかがですか、これは。
  53. 大西誠一郎

    ○大西政府委員 まさにそういう心配がございまして、昭和三十五、六年ごろに民間航空が非常に拡充期を迎えたときにあたりまして、自衛隊のパイロットの引き抜きが非常にございました。そこで自衛隊としても、いま先生がおっしゃいましたように、多額の経費をかけ相当の期間をかけて養成しているパイロットが無秩序に流れていくということでは非常に困りますので、運輸省、大蔵省とも相談いたしまして、計画的に割愛するというふうに相談をいたしたわけであります。
  54. 受田新吉

    受田委員 これは政治の上からも行政の上からも非常に大事な問題だと思うのです。つまり、国土、国民を守るための公務員と、金もうけをする民間人と、一挙に数倍の多額の収入の得られる民間パイロットへ心の中ではいつかわろうかなと思いながら104操縦しているうちに事故が起こってくるという危険。つまり、金銭によって、いつ自分民間航空へかわっていこうか、将来を考えたら五十万、七十万になる、おれはいま十五万しかもらっておらぬが、五十万、七十万になったらしあわせになるな、というようなことを思いながらジェット機を操縦したときにはどうなるかです。私はその点は、自衛官としては、終始、最後まで自衛官として生き抜いて、国土、国民を守るためのこの栄誉ある地位を生涯守るという、そういう自衛官を養成してもらいたい。これはちょっとおかしい。この点は政府として、われわれに不愉快な感じを与える、自衛官在任中から、大もうけができるところへかわりたい熱願を持っているのが何人かおるということだけでも、私は防衛力にひびが入ると思うのです。参事官はその点、自衛官として採用したパイロットはあくまでも自衛官として守る、年が四十、五十になってきたころには、操縦能力が減退するというときには、管理職とか別のほうで道を開いてあげればいいのじゃないですか。  それから、航空局運輸省は、自衛官の力をからなければ民間航空のパイロットが養成できぬようなだらしない養成というのは、運輸大臣、あなたは一体この現実をどう考えておられますか。防衛庁にお世話にならなければ航空大学校の卒業生も優秀なのがおらぬ。そこで、防衛庁で輸送機みたいなのを操縦する人は大型ジェット機の操縦ができるわけですから、そういう方面などを考えて——それを運輸大臣にひとつ御答弁を願いたい。
  55. 新谷寅三郎

    ○新谷国務大臣 具体的にこまかいことはよく存じませんでしたが、いまお話を聞いておりまして、やはりその点は筋を通したほうがいいと思います。おそらく現在のそういう防衛庁との関係は、急激に日本の航空業というものが発展をいたしましたための過渡的な問題で、現実的な問題として生まれてきたことじゃないかと私は考えます。基本的には先生のおっしゃるような方向でどこまでもいかなければならぬだろう。これが本筋だと思います。そういう意味におきまして、私どものほうも、民間航空の操縦士としての本来の養成をこれからももっと拡充をし、そしてそういう方向で考えていかなければならぬと思いますが、ただ、よくほかにもありますが、技術的な問題ですから、そういった問題で、非常に適当な人があった場合に、それをどこまでも排撃するというような形ではなしに、この点は実際問題として両方がお互いに本筋を守りながら調和をとって進めていくというようなことが実際行政上は必要ではないかと思いますけれども、本筋の問題としては、先生のおっしゃるように、私もしなければならぬだろうと考えております。
  56. 受田新吉

    受田委員 大臣が来られたから、大臣に、来られたら質問しようという問題を取りまとめて短い時間で質問を終わりますが、そうしたら、民間航空のパイロット養成計画というようなものが、防衛庁のお世話にならぬことがまれにはあるにせよ、いまのように、委託した分と合わせて半分は防衛庁にお世話になるような、こういう行き方では独立した運輸省とは言えません。これからどんどん空の交通が拡大されようというときに、これは基本的に対策をあなたのほうでお立てにならないといかぬ。いまのあなたのはなまぬるい御答弁です。民間のパイロットは運輸省で養成する。ちゃんと区別してやらなければいかぬ。  それから、聞きかけてもう一つ。いま羽田に米軍の郵便局がある。これが格納庫その他をつくるのにたいへんじゃまになっておる。羽田の空港の中に米軍郵便局、これは一体どういうことなんですか。これは成田なら成田へ移せないのでございますか。移すと日米双方の外交問題としてややこしいことがあるのかどうか。これをちょっと……。
  57. 新谷寅三郎

    ○新谷国務大臣 前半の民間航空の乗員養成の問題は先ほど申し上げましたが、なまぬるく聞こえたかもしれませんが、そういうつもりで言ったのではないのです。本筋は通したほうがいい。ですから、一挙に非常にたくさんの人を養成するということも実際できなかったでしょうから、私が申し上げたのは、急激に拡張され拡充された日本の航空界のことでございますから、過渡的な問題として実際上そういうことになったんだろうということを申し上げたわけでございます。今後の方向としては、自分のほうの運輸省の養成機関をもっと拡充をして、本筋の民間航空の乗員を養成するのが本来でございますということを申し上げておるわけでございます。  それから、あとのほうの問題は、聞いておりますけれども、羽田にありますこれについては政府委員のほうからお答えさせたいと思いますが、いま成田でもそういうふうな要望がございまして交渉中でございますが、これについては、両方合わせまして答弁させます。
  58. 内村信行

    内村(信)政府委員 いまの軍事郵便の問題でございますが、これは羽田に現在米軍の軍事郵便物を取り扱う軍事郵便所がございます。これは、従来の経過からいたしまして取り扱っておったわけでございますけれども、今後とも米軍の郵便物というものは、やはり国内のほうへも民間機を使って配るというふうなことがございますので、そういった意味から、やはり羽田空港には置いておくということになるのではないか。これは本来施設庁なり外務省なりの問題でございましょうけれども、そういうことに相なるのではないかというふうに考えております。
  59. 受田新吉

    受田委員 あまり質疑応答繰り返さないでポイントだけをただしますが、大臣、あなたの党が出された、羽田の滑走路をさらにD線まで持っていく、沖合いへもう一つ加えよう、こういう御計画があるのを御存じですか。現在の滑走路の沖合いを埋めて新しい滑走路を設けていこうという、過密を防ぐための対策を自民党が用意している。
  60. 内村信行

    内村(信)政府委員 党が御用意なさっているかどうか、これは私、存じませんけれども、客観的情勢を申し上げますと、羽田の飛行場も非常に飽和状態になっている、これは確かでございます。それから、成田ができますと国際線は成田に移るということでございますが、国内線の需要も、いままでのペースから申しますとやはり伸びていくであろう。そうすると現在のキャパシティーだけでは足りなかろうというふうなことは、現実の客観的にとらまえられる事実でございます。したがいまして、私どもといたしましては、将来の需要に備え、また騒音対策から考えましても、沖に出して羽田を拡張していくということがやはりよろしいのではないかというふうに考えておりますが、これはまだ確定的に決定した段階ではございません。そういうふうなアイデアもあり、いろいろと調査をしておるというふうな段階でございます。
  61. 受田新吉

    受田委員 これで質問を終わりますが、空の過密がどんどん進んでくる理由は、陸のほうは新幹線ができる、道路ができるが、もうまさに過密です。やはり空へみなそれが向いてくるのです。そうしてくると、空の国内線という問題もあるが、もう一つ、いまの日本航空と全日空というものが互いにみがき合いをして、空の過密を防いでいきながら輸送に協力するという体制に持っていかなければいかぬ。この二つをけんかさせてしまってはいけない。どうですか、全日空がいま不定期で、韓国等の近いところ、香港ぐらいのところへ飛ばしているわけですが、全日空にも、近いところの外国へは国際線を大いに開放して、日航と全日空とが二つ、外国にもそういうふうに道が開けておる。こういうのをひとつ道を開いて定期便が行けるようにする。日中航空協定をいま結ばれる段階にもなるわけなんです。日中などというのは全日空と一緒の路線を考える。いま政府は、日中航空協定の構想の中に日本航空だけを考えておられる。近いところです。韓国とか北朝鮮とか、あるいは日中とか、こういうところへ全日空にもみがきをかけさして、がんばらせたらいいんです。南西航空の沖繩だってそうです。競争でいけばおかしいことになる。そういうようなことをもっと雄大な構想をもって、国際線への二つの会社が競争していくということ、日中航空協定の中入全日空も一緒に考えていくというような構想を、大臣、あなたは勇敢に国務大臣としてお持ちになってしかるべきだと思うのだが、どうですか。
  62. 新谷寅三郎

    ○新谷国務大臣 御承知のように、数年前に日本の航空体制をどうするかということについて閣議で了解を求めまして、運輸省としましては、いまはその方針で臨んでおることは御承知のとおりです。そこで、いま将来を考えてということですが、日中航空協定のほうはまだ具体的に進行しておりませんので、これは何とも具体的には申し上げる段階ではございません。しかし、全般的に考えましてそういうようなこともございますので、チャーター機の範囲内では、全日空のほうも、近回りのところは国外に飛んでおりますことは、御承知のとおりでございます。今後、経常的に定期航空路を開かせるかどうかという問題になりますと、これはもう少し将来の世界の航空界における日本の航空というものを考えまして、もう少し広い視野で検討していかないと、閣議の決定を結局根本的に変更することになりますから、これは一つの大きな国策として十分に慎重に検討しなければならぬ問題だと思います。いままでにきめた閣議決定に永久に固執するわけではございませんが、しかし政策の変更についてはよほど慎重に検討しませんと、いまおっしゃったような結論については、にわかにそのとおりでございますからそういたしますというように御回答するのには、まだ私としては決心ができておりません。いまのところは閣議決定の線に沿って政策を実行しておる。将来の問題としては、日本の将来の航空界の状況を見、世界の航空界の状況を見まして、それについても検討をいたします。こういうお答えしかできないのでございます。
  63. 受田新吉

    受田委員 大臣、あなたはある程度勇気を持って閣議をリードしなければいかぬです。したがって、いま日航一本でなくて、近接した地域の国際線には全日空も一緒に仲間入りをさしてみがき合いをさせる、もうそういう時期です。過密を防ぐにはそのほうがいいですよ。日中航空協定などへも、日航だけでなくて、全日空のラインも一つ合わせる。チャーター機だけでなくして定期便も近いところには行く、こういうことによってほんとうに日本の航空機行政の成果があがると私は思うのです。閣議できまっておるから一歩も前進せぬというようなことでなくして、私の提案したことは、新しい時代を見詰める運輸大臣として、保守、墨守でなくて進歩的な角度でものを考える意味で、私の提案をもっと積極的に考え直してはどうか。大臣、勇気を出しなさいよ。
  64. 新谷寅三郎

    ○新谷国務大臣 いま申しましたように、慎重に検討させていただきます。
  65. 受田新吉

    受田委員 これで終わりますが、さっきの私が提案した、一番先、大臣が来られたらと言うた分です。
  66. 内村信行

    内村(信)政府委員 先ほど電話でもって確かめたわけでございますが、国家公安委員会委員は、定例日は木曜日であるが、その他の日はいつでも出てきてもらえるように、特異事象あれば出勤されるという体制になっております、そういう意味常勤です、こういうふうなことでございます。それから運輸審議会のほうは、毎日おいでいただいているということでございます。
  67. 受田新吉

    受田委員 以上のとおりで、大臣、ほかの委員会国家公安委員会などは、事実お呼びすれば来るんだが、毎日出なくてもいい委員会がある。これは毎日出るようになっているという話です。だからこの事故調査委員会委員出勤ですよ。それから非常勤責任が薄いというような考えがある。それを責任は同じだというかっこうにしないと困る。月給をもらわぬ日は責任がないんだというような感じじゃいけないという問題をいま提案したんです。国家公安委員は毎日は出てはおらぬ。定例日の一週間に一ぺんしか出ておらぬ。あとは出てはおらぬ。ところが今度は毎日出る。そういうように、同じような形の委員がこんなにおかしなかっこうじゃいけない。よく相談して、よくそこを調整をとってくれとさっき要望したわけですが、答えがやはり出ました。全然出なくて、定例日だけしか出ない委員会もあるということがいまわかったわけです。  では、これで質問を終わります。
  68. 三原朝雄

    三原委員長 大出俊君。
  69. 大出俊

    ○大出委員 最初に申し上げておきますが、この国会の各種委員会でいろいろ議論をいたしまして、運輸大臣に権限があるから、運輸大臣にその点は明らかにしてもらいたいという点、たとえば建設省の設置法をめぐる質問の中でも、帝都高速度交通営団法に基づく地下鉄ビルディング等の件は、金丸建設大臣から、権限は運輸大臣にある、任命権は私にもありますから一半の責任はありますが、というふうに残っている問題がありまして、また、予算の分科会で新谷さんに私、質問しましたが、タクシー料金等の問題でございますが、これも御検討いただくということでございましたから、あらためて質問を申し上げることにいたしておりますし、また先般、横路委員質問をいたしました、合同委員会の合意議事録をめぐる、この事故調査委員会の権限が米軍の飛行機の場合に及ぶかどうかという問題、これも残っている問題でございまして、幾つかここで処理しておかなければならぬ問題がございますが、幾ら何でもどうも二十五分でこれらの問題を詰めろと言われても、残念ながら時間がない。きょうは初めから妙なことがございまして、まあなかなか皆さん威勢がいいわけでございますから、それなりに心情はわからぬわけではありませんけれどもルールがございます。したがって、きょうこれ詰まらなければ、私ども反対をいたしますから、そうすれば緊急上程はできませんので、次の機会にしていただくということにいたしたいと思います。  そこで、まず冒頭に、大河原さんのお時間があるそうでございますから、そちらのほうから承りますが、「航空交通管制に関する合意」、こういうことで、本文、第一附属書及び第二附属書というのがございまして、これは日米合同委員会における航空交通管制に関する合意事項でございます。これとの関係がございます今回の航空事故調査委員会なるものの設置、この権能との関係、この点を明らかにしていただきたいのでございますが、非常にこの法律の立て方が複雑でございますために、米軍の軍用機が衝突事故を起こしたような場合、こちら側が民間機であった場合でも、あるいは自衛隊機であった場合でも、はたして権能が及ぶのかどうか。つまり、ここでこしらえようとする航空事故調査委員会調査できるのかどうかという点。筋を立てて、こうこういうわけで適用除外されているならいると、ひとつはっきりさせておいていただきたいわけであります。いかがでございますか。
  70. 大河原良雄

    ○大河原(良)政府委員 一昨日横路委員から御質問ございました、昭和二十七年の日米合同委員会におきまして合意を見た航空機事故の場合の共同調査の問題に関しましては、御要望に従いまして資料を提出いたしました。  ただいま御審議をいただいております国内法に基づく航空機事故調査と、この合同委員会に基づく日米共同調査委員会との関係でございますが、一般的に申しまして、外国軍隊の駐留に伴います地位協定等特別のとりきめがございまして、それに基づく明確な規定がない場合には国内法は派遣国の軍隊には及ばない、こういう国際法の原則がございます。したがいまして、国内法で制定されます事故調査委員会の手続その他に関しましては、そのままでは米軍との事故の場合に及ばないわけでございまして、その関係を規定します合同委員会の合意に基づく共同調査委員会が設立されるわけでございますが、実体的には、これは運輸省の御所管でございますが、国内法に基づく調査委員会責任者が米軍との共同調査委員会のメンバーとして出席されて共同調査の実をあげる、こういうことが当然期待されるわけでございますし、おそらくそういう運用がはかられるというふうに私ども承知しているわけでございます。
  71. 大出俊

    ○大出委員 そこはそういう答弁をなさるから、これははっきりしない。問題の焦点を明らかにするために一つずつ承りますが、航空法の七十六条というのは、米軍の場合適用されますか、されませんか。
  72. 大河原良雄

    ○大河原(良)政府委員 地位協定に基づきまして制定されております航空法の特例法に基づきまして、航空法七十六条は在日米軍に対しては適用を除外されております。
  73. 大出俊

    ○大出委員 つまり航空法の特例、これが地位協定の関係その他できまっております。この中では第六章を除いているわけですね。つまりその中に航空法七十六条がある。まず「機長は、左に掲げる事故が発生した場合には、運輸省令で定めるところにより運輸大臣にその旨を報告しなければならない」という報告義務があるわけですね。そしてこの七十六条を受けて、同航空法百三十二条、これは第九章「事故調査」という項ですね。「運輸大臣は、第七十六条第一項各号に掲げる事故があったときは、遅滞なくその原因について調査しなければならない」、こうなっておりますね。いいですか、内村さん。つまり、七十六条の報告の義務、「運輸省令で定めるところにより運輸大臣にその旨を報告しなければならない」、この報告が運輸大臣に出されて、そこで運輸大臣の権限に基づいて「七十六条第一項各号に掲げる事故があったときは、遅滞なくその原因について調査しなければならない」、つまり百三十二条。ところで百三十二条は適用除外されておりません。地位協定上適用除外されていない。いないが、百三十二条というのは、七十六条の報告義務、つまり報告を受けて発動されるその報告義務のほうの七十六条が特例法によって適用除外されている。つまり米軍の事故の場合には報告義務がない、報告を受けないから大臣は調査権限の発動ができない、こういう関係なんです。そこのところをどっちなのかはっきりしてくれぬと、ものを言うのに困る。関連条項はいろいろありますから、言えば切りがありませんけれども、ここのところをひとつ内村さんはっきりしてもらわなければ困る。あなたのほうの所管じゃないですか。
  74. 内村信行

    内村(信)政府委員 私どもは一応こういうふうに考えております。先ほど大河原局長からもお話がございましたが、元来一般国際法上の通念といたしまして、外国の軍隊については、特に明文をもって合意した場合を除きまして、接受国の国内法令の適用はないというふうに考えておるわけでございます。そこで、航空法の特例法において適用除外がございます。その適用除外の規定がないものは当然に米軍機に適用があるかというと、必ずしもそうではない。たとえば事故調査というものは、報告聴収とか、立ち入り検査とか、そういった強制権を伴ってまいります。これはほかに航空法第百三十四条にやはり同様に、立ち入り検査とか、そういった強制権を伴う規定が入っております。これは同様に、あえて適用除外というものを規定しなくても、もともと本来の性格上適用がないというのが私どもの解釈でございます。
  75. 大出俊

    ○大出委員 それじゃだめなんですよ。そうなると、その議論をしなければならぬのですから。そこで、私は具体的に聞いているのだから、具体的なことに答えてください。航空法七十六条というものは適用されるのかどうかと聞いているのだから。内村さんどうですか。
  76. 内村信行

    内村(信)政府委員 七十六条は適用されません。
  77. 大出俊

    ○大出委員 適用されなければ、米軍のほうには報告義務はないでしょう。
  78. 内村信行

    内村(信)政府委員 そのとおりでございます。
  79. 大出俊

    ○大出委員 そうならば、報告のないところに百三十二条は発動できないでしょう。いかがですか。
  80. 内村信行

    内村(信)政府委員 百三十二条は、「運輸大臣は、第七十六条第一項各号に掲げる事故があったときは、遅滞なくその原因について調査しなければならない」と書いてございまして、七十六条の報告があったときは調査しなければならないとは書いてございません。したがってそういう意味では、その報告の有無、報告という部分の条項の適用があるとは関係なしに、この条文について適用がないというふうに私は考えております。
  81. 大出俊

    ○大出委員 いずれにせよ百三十二条について、これは適用除外になっていませんね。いかがですか。
  82. 内村信行

    内村(信)政府委員 特例法上は適用除外ということは書いてございませんが、私が先ほど申し上げた理由によって適用されておらないというふうに考えております。
  83. 大出俊

    ○大出委員 時間の関係で中心点をしぼりますが、そこで、いずれにせよ、どちらの解釈をとるにしても、米軍は報告義務もない。また日本側の解釈は、つまり外務省、運輸省の解釈は、報告がない、だから七十六条各号に規定されている事故が起こっても、国際法の通念からいってそれに対する調査権限を持たない。百三十四条等の関係もあり、立ち入り調査その他というものも困難であるということを含めて、調査権限がないと解釈をしている、こういうことになりますな。念のために。
  84. 内村信行

    内村(信)政府委員 法律的には権限としては持たないというふうに思います。
  85. 大出俊

    ○大出委員 そうすると、この合同委員会の合意議事録というのは、どういう意味できめたんですか。
  86. 内村信行

    内村(信)政府委員 あるいは外務省からの御答弁のほうが適切かもしれませんが、私といたしましては、先ほど申し上げましたように、事故調査については、本来国際法の一般的な考え方から申しますと、法律上外国の軍隊にまでは及ぼさないということでございますが、安保条約に基づく行政協定によりまして在留米軍というものがおる、そういった場合に、日本国あるいは日本における民間航空、それと米軍とがからまる事故というものはあり得るのであって、そういう場合にほうっておけば、日本側は日本側だけの事故調査する、米軍は米軍だけの事故調査するというふうな形になって、これはまずい。したがいまして、特に事故調査というものはお互いに協力し合って真実を探求するということが必要でございますから、特にこの点については両方が共同で調査をいたしましょうという特別の合意を結んで事故調査の完遂を期したい、これが趣旨であると私は考えます。
  87. 大出俊

    ○大出委員 答弁が二転、三転をいたしますが、ここで明らかにしていただきたいのですが、その前に、先ほど冒頭に申し上げました日米合同委員会における航空交通管制に関する合意、これは提出をしたとおっしゃいますが、質問者の横路君に提出した、こういう意味でございますか。どこまでのものを提出なさったのですか。
  88. 大河原良雄

    ○大河原(良)政府委員 昭和二十七年六月の日米合同委員会におきまして合意されました航空事故に関する手続、これの要旨を委員会のほうに提出いたしました。
  89. 大出俊

    ○大出委員 それは出ていますか。——なるほど。これは議事録の関係がありますから、はっきり申し上げておきましょう。  「昭和二十七年六月二十五日合同委員会承認」、表題は「航空交通管制に関する合意」で、本文、第一附属書及び第二附属書、こういうものでありますが、この中の「第四章手続」、この中に一、二、三、四、五、六項ございます。この中の四項が「航空機事故共同調査委員会の運営に関する規則及び手続並びに同委員会の作成する報告書の内容は、委員の多数決によって決定する。多数決は、任命された投票権を有する委員の三分の二によりなるものとする」、ここまでが、いま要旨とおっしゃいましたね、大河原局長。この四項の要旨、「三分の二によりなるものとする」、ここまでが出ておりまして、ここに現物がございますけれども、この現物によりますと、このあとに「ある事項又は論点について多数決を得ることができない場合には、少数者は、別個の報告書を作成し、且つ提出することができ、又は可否同数の場合には、おのおのの側のものが別個の報告書を作成し、且つ提出するものとする」、これだけ抜いてありますね。  ところで、要旨と、こういうわけですか。これは何で抜いたのですか。完全なものを出してはまずいから抜いた、そういうことですか。
  90. 大河原良雄

    ○大河原(良)政府委員 先般も御説明申し上げましたけれども、合同委員会の合意の中身につきましては、かねてよりの米側との合意に基づきまして、全文を公にするということは差し控えるということにいたしてまいりました。今回、横路委員からの御要請がございまして、これをもとに米側に対しまして了承取りつけの折衝をいたしまして、米側の了承のもとにお手元の要旨を国会に提出するという手続をとったわけでございます。
  91. 大出俊

    ○大出委員 したがって、この四項は途中までお出しになった、こういうことですな。
  92. 大河原良雄

    ○大河原(良)政府委員 お手元に原文をお持ちだというふうに伺いましたけれども委員会のほうに提出いたしておりますのは要旨でございまして、全文そのものではないことは確かでございます。
  93. 大出俊

    ○大出委員 お認めになりましたからそれはいいのでございますが、ここでいっておりますのは、委員が五、五でございますから、三分の二ということになると、米軍の側が五人反対すれば過半数でございまして、つまり事故調査をやった報告書——米軍のですよ。米軍の事故が起こった、その場合に、日米合同委員会の合意によりますと、投票権を有する同数の委員を出す、つまり「手続」の第二項で、「在日米軍及び日本国政府は、おのおのの航空機事故共同委員会において、投票権を有する同数の委員を出す」、こうなっているわけですね。これはそれでいいでしょう。五人なら五人、五人ずつ出した場合に、いま読み上げました四項では「三分の二によりなるものとする」。つまり「航空機事故共同調査委員会の運営に関する規則及び手続並びに同委員会の作成する報告書の内容は、委員の多数決によって決定する。多数決は、任命された投票権を有する委員の三分の二によりなるものとする」、こういうわけですから、米軍側が反対である、こうなると三分の二にならない。ということになると、報告書は出ない、中身がきまらないのですから。そういうことになる。  そこで、これは横路君が取り上げた趣旨もそうですし、私はあと引き受けてきょう質問をいたしておりますのもそうなんですけれども、いま世の中で航空機事故が起こって損害賠償その他で訴訟になるという場合に、事故調査の報告書、これが賠償請求その他の訴訟案件の非常に大きなウエートを占めている。米軍の事故でこちら側が損害を受けた。たとえば、あってはなりませんが、米軍の軍用機と日本の民間機が衝突するというようなことがあった場合に、補償問題が起こった。その場合に、日米合同委員会で合意している日本側と米側の両方で事故調査をやる。やった結果可否同数、委員が半々出ているのですから。しかもこの合意書は三分の二でないと報告書の中身がきめられないのですから。米軍が反対なら半分しかないのですから、半数じゃきめられない。そうすると報告書は出ない。つまり論拠となるものがない。こういう結果になりかねない日米合同委員会における合意ですね。そう見なければならない。  内村さん、そこが私どもに言わせれば、せっかく航空事故調査委員会設置法案という、いまのこの法律をきめるにあたりまして、もう少し国民のために、米軍あるいは日本の民間機の事故が起こったような場合であっても、明確な事故調査が行なわれて、損害賠償なら賠償を請求するに足る論拠になるように、私どもからすると、米軍機の事故であっても当然調査をし報告がなされなければならない。つまりせっかくつくる事故調査委員会というものはその権限を持たねばならぬ。これは、前に議論をしている横路君もおりますから、深い議論をしたくないから、かいつまんで申し上げているのですけれども航空法七十六条あるいは百三十二条との関係等からいって、私は、七十六条が適用除外をされている、だから百三十二条の発動ができないという解釈をとるのが至当のような気がするのですけれども、あなた方は、その前に国際法というものがあって、つまり相手が軍である、軍であるから、百三十四条のように立ち入り調査をしなければならぬという問題等も含めて、調査の権能を本来有しない、こういう解釈をまずおとりになる。どちらであるにせよ調査ができないことに変わりはない。米軍機の場合は調査ができないということを前提にすればこそ、今日ここでつくろうとする事故調査委員会はそっちに権限が及ばないのだから、それでは困る、及ぶようにしたいという考え方がぼくらにある。だから質問している。そこで、時間の節約のために私のほうから申し上げましたが、もう一つ論点を申し上げます。  地位協定に三項目、条文にしてわずか三条でございますが、これは私が例の相模原の戦車の問題のときに、外務大臣以下防衛庁長官、建設大臣ほか何人か大臣おいでになりましたが、ここで質問をして明らかにした点なんです。議事録にございますが、それは地位協定の十六条、「日本国において、日本国の法令を尊重し、及びこの協定の精神に反する活動、特に政治的活動を慎むことは、合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにそれらの家族の義務である」という条文がございます。これはあとからの挿入条文です。この第十六条に基づいて、「日本国において、日本国の法令」、これを尊重することが「合衆国軍隊の構成員」、軍人をさしております。軍人、軍属その他全部を含みます。「合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにそれらの家族の義務である」。つまりこれは日本国において日本国の法令を尊重することが義務なんです。これと、地位協定五条その他との協力義務、一つの港から一つの基地に物を輸送する、そういう意味での日本側の米軍に対する協力義務、この二つを対比して一体どう考えるかという点を詰めた。国内法尊重の原則をお認めになるかと詰めた。結果的に国内法尊重の原則を認める。木村国家公安委員長兼建設大臣も、大平外務大臣も、防衛庁の長官も、三人お並びになっておってお認めになった。  そこで、そのときの外務省の答弁はどうなったかというと、だから日米合同委員会におけるこの種の合意というものは、でき得る限り国内法の原則に従って合意されている、こういうことになっている。たとえば検疫法でもそうです。あるいは植物防疫法でもそうです。検疫法だって、港へ入ってくる米軍の軍医が検疫をやる。検疫済みの旗を立てれば日本にはわからぬ。しかし米軍の軍医は、日本の国内法の検疫法の趣旨に従って合意されているのだから、そのとおりやるはずです。全くそのとおりやっておれば、確かに国内法の尊重に通ずるところはある、国内法そのものを認めていなくても。だから私は、この十六条に基づく日本の国内法令の尊重、この大原則に従って合同委員会で合意されたもの、こう解釈をしたいのだし、そう答えたはずなんだ、あなた方は戦車闘争のときには。だが、さっき内村航空局長が答えたのは、国内法と全く関係ない、適用にならない、本来軍だから。適用にならぬけれども調査をしなければ困る場合があるからこういう合意をしたのでしょうという言い方をあなたはする。全くこれは一体何のために地位協定十六条があるのかということになる。国内法尊重の原則、米軍といえども、あるいは軍属といえども、その構成員といえども国内の法令を尊重する、この大原則に従って合同委員会は運営されていなければならぬのですよ。そこをはずしたのでは、何のための合意議事録かということになる。何のための合同委員会の合意かということになる。日本の主権というものは存在するのだから。そうでしょう。そうすると、あなたの答弁というのは、戦車のときの、あれだけ長い、私はここで三回やっておるのですが、やりとりの答弁と全く違ったことになる。当時のものの考え方は、国内法がある、ぴたりそれが適用できない場合に日米合同委員会で合意をしていく、この合意は国内法尊重の原則に従って合意がされている、できるだけそれを守っていくというふうに合意されている、こういう答えになっている。そこのところはどうなったのですか。百八十度違った答弁をいまになってされては困る。
  94. 内村信行

    内村(信)政府委員 私は別に矛盾した答弁をしておるつもりはございません。いま大出先生のおっしゃった御説明、私、全く賛成でございます。先ほど申し上げたのは、当然の権限ではないけれども、やはり形の問題としては日米間の合意というものを事故調査については結ぶ必要がある、そうしないと事故調査というものができないということを申し上げたわけで、今度その形の中に盛るべき内容をどうするかということは、いま先生のおっしゃるとおり、やはり国内法尊重というものをたてまえにして内容を盛り上げるということは当然だろうと私は思っております。ただ、前の附属書につきましては、何ぶん相当以前の問題でございまして、昭和二十七年当時、事故調査の何ものかもよくわからぬようなときのものでございますから、そういった意味で、今後国内法尊重というたてまえでなお検討すべき余地はあるかというふうに私は考えます。
  95. 大出俊

    ○大出委員 そこが問題の論点、言いたいところなんです。いみじくもあなたは非常に古いものだということをおっしゃった。確かにさっき私が申し上げましたように、昭和二十七年六月二十五日です。古い。つまり占領下にありまして、まず何ごとによらず米軍の言うことを聞かなければならぬ、そういう筋合いの時代なんですね、二十七年ということになると。私はやはりこの席で、いまの官房副長官をやっている後藤田さんが警察庁長官のときに、CIAの問題をこまかく追った。あのときに、講和発効以前というのは実は全く米軍の言うとおり日本の警察は動いておりました。それ以後においてもそういう傾向が強かった。だからCIAが起こした事件なんというものを調査する権能を持たなかった。しかし、この質問、今日を契機に、CIAの問題であっても警察庁は調査の対象にいたしますということを言い切られたので、私はあの事件はおさめた。世の中変わっているのですよ。戦後、今日までこんなに長い年月たって、まだ二十七年の合意議事録が生きている。そういうふざけたことは許されない。  国際的に航空事故調査委員会というものはどこにもある。日本にない。そこで初めて運輸大臣所管のもとに航空事故調査委員会に関する法律をここでつくる。つくるんだとすれば、これは新しい国内法なんですよ。そうでしょう。そうすると、国内法尊重の原則に立って、だからこそ二十七年の日米合同委員会の合意議事録に盛られている中身、五人、五人の委員が出て、米軍の側が五人、こっちが五人なんだから、向こうが五人反対すれば調査報告も出せないというばかなことになっているということでは、国内法尊重の原則も何もあったものじゃない。だから、事故調査委員会そのものの権限が直接米軍機の事故に及ばぬでも、やはりこの法律をつくるこの機会に、二十七年に合意をした中身というものは変えてもらって——これは長い将来のことですからわかりません。将来、米軍機と日本の民間機の事故なんということがあり得るとした場合に、原因、結果が明確に調査され、それが報告できるような中身に変えなければ意味がない。二十七年のものをそのまま盛っておくなんて、あなたもいま言っておられたけれども、だからそこのところを、これをつくるこの際にと、おそらく横路君も取り上げた趣旨はそこにあったんだと私は思うんだけれども。  しかもこういう答弁があるのですよ。相模原の戦車のあの問題のときに、私の質問に答えて各省の方々は、国内法と合同委員会で取りきめた日米合意、これは、検疫法だ、植物防疫法だ、いろいろありますけれども、これらのものについて、全般的に一ぺん当たり直して、国内法優先の原則に立って正すべきものは正す。ああいう雰囲気の状態だったから、皆さんはそこまでお答えになっているのですよ。そうだとすると、まさにこれは正すべきものは正さなければならぬ中身の趣旨です。将来に向かって早急に検討をして、二十七年ごろのものがぞろぞろ生きているなんというふざけたことでなしに、国内の法律は変わっているのですから、さらにそれを国内法尊重の原則の方向に手直しをしていくのが当然でしょう。それを全然おやりになろうとしないという姿勢は私は不納得で、そこのところを明確にしていただきたい。大臣いかがでございますか。
  96. 新谷寅三郎

    ○新谷国務大臣 この問、横路先生にも、同じような質問がございまして、お答えをしたのですが、これは私のほうだけでは処理のしようがありませんが、私は、いまおっしゃったような趣旨で、これは結局、日米合同委員会で取り上げてもらいまして——これはアメリカはアメリカのやり方があるのですね。日本は日本のやり方があるのです。     〔加藤(陽)委員長代理退席、委員長着席〕 それを日米合同委員会で、こういう飛行機の事故があった場合に、どう処理をして、事故原因の探求をどうするかというようなことを、両方で話し合って新しいルールを設定してもらうようにするのが順当じゃないかと思いますということを申し上げたのですが、いまのお尋ね趣旨は、そういう方向で考えろということだと思いますので、これは外務省を通じまして、先方にそういうふうな提案をなるべく早くしてもらうようにしたい、私はそう思っております。
  97. 大出俊

    ○大出委員 航空交通管制に関する日米合同委員会の合意書、これが先般は表に出ないままの議論でございました。外務省が要旨をお出しになった、省略をしておりますが。これは国際間のやりとりでございまして、明らかにしない約束だから全文は出せない、だから多少ずつ切ってお出しになった。そのあとに続いているのだけ切って、これは法眼さん苦心の作なんですが、お出しになった。だがそれでも中身はわかる。だからそういう合意があるという前提で、大臣のいまの答弁につながっているのならば、合同委員会でひとつ詰めて、国内法尊重の原則に従って、この法律が通れば航空事故調査委員会をおつくりになるわけだから、これを機会に、つまり合同委員会で合意をなさった二十七年の中身というのは、「手続」の第四項だけとらえてみても、たいへんに不合理でございますから、そういう点を、外務省等と御相談の上で手直しの御努力を願って、というふうに受け取って終わりたいと思うのですが、この点はよろしゅうございますか。
  98. 新谷寅三郎

    ○新谷国務大臣 そのとおりお考えくだすってけっこうでございます。
  99. 大出俊

    ○大出委員 次に、金丸建設大臣に前後二回ほど私が質問をいたしましたが、例の渋谷の地下鉄ビルディング株式会社が建てております首都高速度交通営団にかかわる、その子会社が地下鉄ビルディング株式会社でございますが、五千万の資本金全額首都高速度交通営団の出資でございます。ところで、首都高速度交通営団なるものは、営団法に基づきます公法人でございまして、運輸大臣、建設大臣、両大臣の監督下にある。人事等につきましても両大臣が連名でおきめになる、こういう性格のものであります。資本金は国鉄と東京都が全額出資をいたしているわけであります。国鉄が百六十億円、東京都が百二十一億円、計二百八十一億円、これが同営団の資本金総額であります。つまりすべて公の金が資本になっている。ほかから民間資本は一切入ってない。国鉄百六十億円、東京都百二十一億円。国鉄運賃法改定その他が出ておりますけれども、たいへん大きな赤字をかかえる国鉄が出資をしている、こういう機関であります。しかもこれは年々、国、東京都から補助金をもらっておる。なおしかし百四十八億円からの累積赤字が重なっている、こういう性格のものであります。  この首都高速度交通営団が、四十一年九月完成の小田急ビルをつくるときに、地下鉄ビルディング株式会社なるものをつくられまして、これは高速度交通営団の子会社であります。五千万の資本金でありますが、全額首都高速度交通営団の出資であります。この地下鉄ビルディング株式会社が渋谷に地下鉄ビルを建てる計画をお立てになりまして、ここに八百坪の営団所有の土地があります。土一升金一升というところでございますから、現在の評価額で八百坪で二十四億円、たいへんな価値のある土地でございます。ここに塔屋部分を入れると十六階に及ぶビルを建てる。ところがこのビルは随意契約で東急建設に建てさせることにした。ところが妙なことに、ビルに入るのはだれかといったら、東急建設並びにその子会社であります。そっくり貸してしまう、実はこういう奇怪なことができ上がりまして、裁判記録その他を全部読みまして、この点を二回にわたって質問を続けましたが、皆さんは事実を全部お認めになった。  これは日照権その他をめぐる裁判が起こっております。この裁判記録その他全部ここに持ち合わせておりますし、貸し室賃貸借予約契約書という、つまり予約契約が今日行なわれております。この予約契約によりますと、二億二千四百四十万円を予約契約のときに東急建設が払いまして、本年の五月三十一日、二回目の二億二千四百四十万円をさらに払いまして、これは保証金でございます。そして残りを払うという契約ができております。したがって三回に分けて払うわけであります。  そういうことで東急に貸すのでありますが、平米当たりの家賃が千九百円。町の中でバラックのアパートを借りましても、私の親戚が借りて住んでおりますけれども千六百円。ずいぶん安いことになる。どうしてこういうばかなことをするのか。東急といえども、いかに大きくても民間営利会社には違いはない。  そこで、この予約契約の中に解除のできる項目が入っております。違約金を払えば解除できる。営団は、さっき申し上げたように、国鉄と東京都が出している。累積赤字が百四十数億ある。毎年国が補助金を出している。その会社が五千万出資をしてこしらえた子会社である。全額出資でございます。その地下鉄ビルディング株式会社が、営団が持っている八百坪の土地の上に、しかも随意契約で東急建設に建てさせて、そっくりそのまま安い家賃で全額貸してしまう。二億四千万円ずつ三回払いますけれども、それは保証金だから、契約が解除になれば返ってくる。  こういうことならば、これは、なくなりました右翼の中心人物の一人佐郷屋さんを中心とする恐喝事件が起こっておりますが、これも実は、警察庁なりあるいは法務省なりから資料もいただき、この席でやりとりをいたしましたが、私のほうで申し上げたとおりの結果が出てきている。これじゃ恐喝事件ぐらい起こりかねない。だから私は早急にこれは、こんな安い金で入れるなら、世の中の中小零細企業を山ほど入れてやったらいい。公の営団がやっているのですから、金が出ているのは東京都と国鉄なんですから、民間資本は一つも入っているのじゃないのだから。こんなべらぼうなものを建てて、こんな安い家賃で営利企業に貸すならば、何で一体、世の中、中小零細企業の困っているのが一ぱいいるんだから、貸してやらぬか。その意味でこの契約は解除していただきたい、こんなふざけたことが世の中通るはずがない、こう私は建設大臣に申し上げたが、御趣旨の点よくわかる、洗い直してみたい、何べんかそういう答えをなさいました。最終的に、私のみならず運輸大臣が権限をお持ちなんだ、だから運輸大臣には申し上げるが、運輸大臣からひとつ最終的な答弁を求めてくれ、こういう金丸建設大臣のお話だから、そこで新谷さんにひとつ、どうお考えになるのか。たくさん資料を持ち合わせておりますから、お答えいかんでは幾らでもやります。調べ尽くしてございますから。  そこで、念のために一つ申し上げておきますが、妙なところから東京都の住宅供給公社が飛び出してきた。私が第一回の質問をして、それがサンケイ新聞でこざいましたか、載りました。その数日後に、東京都住宅供給公社労働組合委員長さんから連絡がございました。昨年実は住宅供給公社などといううわさ話があった、と思っているうちに、どうもわが供給公社があそこに入るような話になってきた。聞いてみたら、供給公社は場所がなくて方々へ点在してこういう仕事をしている。全部入れてくれるなら話はわかる。一部分入れますという。一部分じゃどうにもならぬ、かえってぐあいが悪いというので反対したら、そう言わないで入ってくれ、組合もそれを認めてくれという。これは、先生質問されているんだけれども、どうなっているんだ。それで二回目の質問を今度いたしましたら、また連絡が参りまして、二回目のは朝日新聞に大きく載りました。そうしたら、何か知らぬけれども、もう少しよけい入れますからと言ってきた。もう少しよけい入れるというのだけれども、全部が入れるのじゃないのだ。どうせそうならこれは全部入れてくれというのです。ごもっともな話ですね、一緒に仕事ができるのですから。そうすると、最近になってまた、新谷さんにきょう質問するわけだけれども、今度はどうも全部入れそうであるという。どうもやることがいささかこそく千万だという気がする。そうならそうと、質問者の私に言うてくれたらいいでしょう。どうも東急が幾ら大きくたって、これは営利企業じゃないか。随契でやらして幾らもうかるか知らぬけれども、これはどうも話がおかし過ぎるじゃないか。そうしたら、いや、これはそうじゃございません、今度は民間の営利企業だけではございませんで、東京都の住宅供給公社などを入れるようにしたのですという理由がここで一つくっついてくることになる。  しかし私は、そのことがやはり営団の性格上、あるいは地下鉄ビルディングなる会社の性格上、公共性のあるものにという趣旨ならば、住宅供給公社がお入りになることにあえて反対はしません。しませんが、本質的には、そういうこそくなことをするのではなくて、随意契約でやらせた、そこまではいいけれども、そっくりそのまま貸してしまうなんというようなことをおやりになるべきではない。鉄監局の方や何かみんな呼んで私が承った限りは、東急建設が何階から何階使います、何階から何階は子会社を入れます、東急道路であるとかプレハブであるとか、これこれです、そういうお話です。裁判記録を読んでもそう答えておられる。裁判記録の中にも、私が直接承った限りの中にも、東京都の住宅供給公社の話は何も出ていない。  そういうわけでございますから、こそくなことはおやりにならぬで、この際あっさり契約は解除されたらいかがか。そうしていただかぬと、私はもう少しものを言いたい材料がございまして……。いかがでございますか。
  100. 新谷寅三郎

    ○新谷国務大臣 実は申しわけないのですけれども、具体的にあなたのいまお述べになったような詳細については、私も研究が足りないのでございます。建設大臣ともまだ十分相談しておりません。おっしゃる趣旨はよくわかります。事務当局から御説明させましても、何べんも御質疑があったようでございますから、同じことを繰り返すようなことになるかもしれません。  私は一般的に、最近報告を受けまして考えますことは、やっぱりそういうふうな世間から非常に疑惑を招くようなことはないようにしなければいけないということは私も痛感いたします。これについては、具体的な問題で契約を解約させよというようなお話もございましたが、そういう点は、いまここでそういたしますと言うわけにもまいりませんが、関係の大臣ともよく相談いたしまして、そういった誤解を招くようなことは避けるようにするのがこういう公共的な機関の使命であろうと思いますから、そういう方向でこれから努力させていただくということで、きょうは御了承いただく以外にないと思います。
  101. 大出俊

    ○大出委員 これはけっこう詳しく、「子会社に営利事業」なんというので新聞に出ているのです。これは毎日新聞でございますが、ほかの新聞にも出ておりまして、二回にわたる私の質問をお書きになっている新聞があるわけであります。だから、方々から問い合わせがくる、そのたびに資料が集まってくるという妙なかっこうになっているわけでしてね。もうないかと思ったら、また資料が出てきまして、これがまた疑惑の種という新聞記事になりそうな中身なんですよ。  だから私はここで、先々のこともございますので、ひとつ明確にしておいていただきたいのは、この株式会社地下鉄ビルディングの役員は、取締役会長さんが鈴木清秀さん、これが元交通営団の総裁でございまして、これは新谷さんご存じ。もっとも新谷さんは私と一緒に逓信ですから、運輸じゃございませんからあれですが……(新谷国務大臣「知っていますよ」と呼ぶ)この方は運輸次官ですから。大臣とは、きのうきょうじゃない、長いおつき合いでございますけれども、どうも同じ畑の下のほうに私はおりますから……。そこで、元交通営団総裁、これは知っていますよとおっしゃるように、たいへん力のおありになった運輸次官でいらっしゃる。今日社長をやっておられる牛島辰弥さん、この方も、これまたたいへん力のあった前運輸次官でいらっしゃる。取締役会長も前運輸次官、社長も前運輸次官、いずれもこれはもと交通営団の総裁をおやりになった方です。専務取締役の里見富次さん、この方は元交通営団理事でございます。これは内務省の方。それから取締役の佐々木英夫さん、これまた前交通営団理事。それから石井栄三さん、これは元交通営団監事。この方は御丁寧に元警察庁長官でいらっしゃる。佐々木さんという方は東京都の企画調整局長。市村益夫さん、この方は元交通営団理事、国鉄東京工事事務所長さん。現場のことは何でも知っている。木村晃一さん、元交通営団経理部長、これも運輸省の方。大塚末雄さん、これも元交通営団秘書役、これも運輸省出身の方。それからここに監査役さんもおいでになりますが、鈴木亀太郎さんという方は現在交通営団の監事。監査役まで現職の交通営団の監事で、東京都の前の交通局長さん。うまくでき過ぎているですよ。網谷順一さん、この方が前交通営団監事、東京都民生局長。これは全く運輸省と東京都、そこに警察庁長官も入れちゃって、これはできないことないですよ。何だってできますよ、これ。そうでしょう。  それは、疑惑を招くようなことをしないことにしなければいかぬと大臣おっしゃるけれども、これはどなたがながめたって疑惑を持ちますでしょう。こんなでき過ぎた話はない。だから私は、さっきの東京都の住宅供給公社の話じゃないけれども、そういう現場で苦労された方々もたくさんいるのだから、組合の役員やった方だっているのだから、現場の諸君の意に沿うような方を、やはりこういうところに何人か入れなければ……。そうすれば、いろいろここで練ることがそのまま伝わるわけですから、そうすれば疑惑も誤解も解けていきますよ。何か少しそこらを頭をひねって考えていただかぬと、ものごとは形式というのは大事なんですよ。制度というのは大事なんですよ。行政だって、局長一人つくる、たいしたことはないのだけれども、部を局にする、局長をつくる、それは何かというと、行政全般が前に出ることなんだから。そうでしょう。そういうことで機構というのは意味があるのですから。そうするとこういうおぜん立てじゃ……。前運輸次官が二人も上に並んでいる。  あなた、いまの運輸省の人事を見てごらんなさい。新谷さん着任なさっておわかりになったと思うのだけれども、いまの現職の運輸省の次官以下何にもきめられやせぬじゃありませんか。全部一人残らずOB人事じゃありませんか。局長あたりきめるのだって、現職の次官何の権限もない。全部OBがきめる。OBの力のある方が集まってきめなければ何にもきまらぬ、運輸省人事なんというものは。そうでしょう。そういうことになっている。てっぺんのOBの偉い方々がここにすわっちゃってこういうことになっておったのでは、これはちょっと気のきいた人なら、少しほじくってやろうかという気になりますよ。そうでしょう。こういうばかげたことを大臣お認めになっておっちゃいけませんよ。御検討いただけますか。事と次第によってはもう少し言いたいことがある。いかがですか。
  102. 新谷寅三郎

    ○新谷国務大臣 いろいろ御注意をいただきましてありがたいことですが、運輸省の人事はそんなぐあいにきめようとは、私は思っておりません。もう少し運輸省の将来を考えまして、独自の立場からきめたいと思っております。  この問題について私も、御質問があるというので、役員人事を取り寄せてみましたが、いまおっしゃったとおりです。少しこれは結果的に片寄ったなという気がいたします。それで、投資会社ですから、投資会社から一切入れちゃいかぬなんということは、これはできないだろうと思います。適当にやはり投資会社は人事権を持っていなければいかぬと思いますが、しかし、いまおっしゃったような点で、これもさっき申し上げたように、世間から疑いを起こすようなことがあっちゃいかぬと思いますから、これは営団に具体的にもう少し広く適当な人を求めるように指導するようにいたしたいと思います。もう少し時間をください。結果をごらんいただきたいと思います。そういう方向で指導してまいります。
  103. 大出俊

    ○大出委員 私は、いまの人事の問題も、さっきから申し上げた趣旨に従って御検討いただくということですから、これはほかにも例がありますが、公共性の強いこの種の事業をやるわけですから、どこから考えても筋の通ることになっていなければいかぬのですよ。そういう意味で、ぜひこれは前向きで、大臣、取り組んでいただきたいので、運輸省の人事に触れましたのはいささか私の勇み足でございますけれども、私もきのうやきょうじゃないので、いろいろ調べてみるとそうなっておりますから言い切りますが、だからやはり大臣の言うように、私は国民のためにきめたいとおっしゃるんですから、この辺でひとつ、新谷さんの力量をもって旧来の陋習を断ち切る、そういうふうにしていただきませんと、やはり古いからについ閉じこもりがちになる。日航の社長さん等をめぐっても、なかなかいろいろむずかしい問題が出てくる。内紛というのはいろいろな情報がみんな入ってきちゃうことにできているんです。殖産住宅の問題だってずいぶん大きな内紛です。だから、そこらのところはお気をつけ願わぬと困る、こう思いますから、ぜひひとつ御勇断を御発揮を願いたいわけです。  それから解約条件がくっついているんだから、解約してしまえと私は何べんも申し上げているんですがね。東急に何も貸すことはないじゃないか。あんなにもうかって、それこそ天下の大東急で、三十六万平方キロの日本全国土のうちのたいへんな土地を買い占めちゃっている東急なんですから。東急土地開発なんというのは一番よけい土地を買っているんですから。そうでしょう。もうけ過ぎている東急なんですから、もう少しそれは給料よくしろと言いたいところなんだけれども、それのみならず、こういう公共性のあるところまで取り込んでしまわぬでもいい。また、そんな利益を与えなくたっていい、これは。だから解約と、こう言うのだけれども、解約すると違約金を取られますね。そうでしょう。だからそこのところは、私は、住宅供給公社なんか入れてきて、今度はそうかといって、私にそう言えば、えらいどろなわ式じゃないかと、こういうことになるのでおっしゃらなかったのだと思うのだけれども気持ちのほどはわからぬでもない。つまり、どうもまずいなというところだと思う。だから、まずいならまずいで、まずくないように、期限があるんですから、おかえになるということをしていただかぬと困るので、私はだから、あえて解約をしろと、こう申し上げているので、そこのところ、もしどうしても解約できないというなら、しかしこれは、契約書には解約の条件がぴちっと書いてあるんですから、いつだって解約できるんですから。そうでしょう。だから、そこらを含めて御検討いただく。  大臣、さっき、詳細な点、研究不十分で、どうもそこから先まだ建設大臣に聞いてない、こう言うんですから、聞いてなければ、金丸さん二回答えたんだから、お二人並べておいて、何で言わなかったのだ、ほんとうに言わなかったのか、ほんとうに聞かなかったのか、詰めなければいかぬですが、しかしきょうは時間がございません。そういうわけで、ひとつそれは私が保留させていただきまして、大方の疑問に答えるという意味で、どうか納得できる解決のしかたをぜひこれはしていただきたい、これはお願いをいたしておきます。そういう意味で解約という点は保留をしておきます。ぜひひとつ前向きでお取り組みをいただきますよう、お願いをします。いかがでございますか。
  104. 新谷寅三郎

    ○新谷国務大臣 その問題も含めまして検討させていただきます。
  105. 大出俊

    ○大出委員 次に、かけ足で申し上げますので、要点の御答弁をいただきたいのでありますが、使用済みの核の燃料でございます。  先般、私、資源エネルギー庁を通産省がつくるというので、核の問題に触れて、使用済みの核燃料の取り扱いに対する基準というのはどうきめるのか、今日ないではないかという点を少し触れて申し上げたわけであります。で、基準がない。じゃ、東海村のこの使用済み核燃料というふうなものはたいへん危険なものだが、どうしているのだと言ったら、コンクリートの部屋の中にドラムかんに詰めて置いてあるのだ、スペースがけっこうあるのでまだ置けると、こう言う。ずいぶんまた中途はんぱな御答弁でございましたが、この使用済みの核燃料、これを横浜の港からアメリカに積み出している。これは非常に危険でございまして、再処理能力がある、ない、あるいは再処理能力をつくる、つくらぬという問題とからむ。これは実はアメリカ側のこの基準その他全部私入手して、こまかく調べてみました。したがって、ここに英文、日本文の両方のものがございますが、これ、実はこまかく詰めますと、科学技術庁も非常にお困りになる各種の問題がある。ただし、時間がたいへんきょうは限られておりますので、大臣の時間の御都合もおありのようでございますから、まず原則たるべきものを承って、あと次回にあらためてこまかく承りたいのであります。  この使用済み核燃料を横浜等の港から積み出すということ、横浜市は自今これ、積み出されては困るということを明らかにして、運輸大臣に文書をもって申し入れておりますが、運輸省としては、この運搬について、一体どういうふうな考えでいままで運搬をされておったのか、今後一体どうするおつもりか。原子力発電というものの一つの時代も控えまして、たいへん大きな問題でございますが、また東海村あたりでは、いまなおたいへん大きな反対の運動が絶えない。観測車なんというものを県がおつくりになる、予算が七十万しかないというようなことになっております。  したがいまして、コンビナートでも起こるはずがない事故が起こっております。コンビナートの事故というのは起こらぬということになっておるから取り締まりの法律がない。高圧ガス取締法しかない。つまりコンビナートに関する取り締まり法規は何にもない。なぜかというと、コンビナートというものは事故が起こらぬということになっておるから。なっておるんだが起こった。そういう点を考えまして、全く不備な形で使用済み核燃料を輸送するということ、輸送という面に関する限りこれはあり得べきではないと私は思っておるのですが、いかがでございますか。
  106. 新谷寅三郎

    ○新谷国務大臣 内容は非常に技術的な問題でございますから、御質問によっては政府委員からお答えさせます。私の知っている範囲では、お示しの核燃料物質等についての取り扱いにつきましては法律がございまして、この法律によって全般的な規制が行なわれていることは、御承知のとおりでございます。特に使用済みの核燃料でございますが、これの輸送については一般的な規制のほかに特に厳重な規制が行なわれておるのでございます。つまり鉄道とか自動車等の陸上交通機関による輸送でございますが、これについては、これは省令でございますけれども法律に基づいた省令でございます。放射性物質車両運搬規則というのがございまして、容量とか包装について運輸大臣が許可をするということで、その許可にあたりまして安全基準というものがございますので、それに従って積載方法その他運搬時の安全について法令にきめられた基準を順守しなさいということで、これは非常に強い義務が課されておることは御承知のとおりでございます。  それから船舶による輸送でございますが、これも御承知のことかと思いますが、船舶安全法に基づきまして、これは前から古い規則がございますが、危険物船舶運送貯蔵規則というのがございます。これによって、容器の強さとか、収納の方法であるとか、荷役の方法などにつきまして、運輸大臣の指示を受けてこれを行なうということになっておるわけでございます。またこれを船積みいたします場合には海運局の検査を受けるという義務を課せられておるのでございます。  そこで問題は、安全についての基準がどうなっているかという問題。この安全基準さえ守られておれば、世界各国も行なっておることでございますから、一応御安心が願えるということだと思いますが、これについては国際的にいろいろ会議が行なわれたようです。これはあるいは科学技術庁あたりからお答えがあるかもしれませんが、国際原子力機構で決定いたしました放射性物質安全輸送規則、これを基本にいたしまして日本の国内の安全規準というものをきめておるということを聞いております。  それからなお、去年でございましたか、この国際機関が安全規準の内容について相当の改正を加えたということでございまして、いま関係各省の間でこの内容について検討中である。これは近くこういう国際基準に従った安全基準というのがきまる見込みである、こういうことでございます。この安全基準というものをもとにいたしまして、われわれのほうも輸送の上で万全を期するようにしておるわけでございます。  なお、具体的なことは政府委員のほうから、必要に応じましてお答えいたします。
  107. 大出俊

    ○大出委員 いま大臣が申されておりますのは、横浜市が各省に提出をしております書類の中にも触れている問題でございまして、そこらを全部踏まえた上で、自今横浜から積み出すということにあたって許可はできない、この間のは、混乱を起こしてもいかぬのでまあ認めて船積みをしてアメリカに送る、しかしこれから先は困りますよ、こういうことを申し上げているわけなんですね。  そこで、ここで一つ承りたいのは、科学技術庁にお見えいただきましたが、私ここに持っておりますのは、「核利用時代の発想」という今井隆吉さんの、これは皆さんよく御存じの、核防条約なんかのときにも御出席になっておりまして、有名な核燃料に関する学者でもおられる日本最高といわれる方であります。国際査察の問題あるいは燃料問題の専門家のお一人でございましょう。この方が、特に「放射性廃棄物と環境」という項を設けてお書きになっている。近い将来ではない、遠い将来まで、アメリカ流に言って紀元二〇〇〇年ぐらい先まで見通して、原子力発電というふうなものをめぐって核燃料廃棄物の処理というものがどうなっていくのだろうかということを、アメリカの研究その他も引き合いに出してこまかく触れておられる。結果的に万全だと言えるものは、研究しているがない。つまり安全な永久貯蔵法はないのか、ない、したがってこれは一体どうすればいいんだということに触れているのです。これは人類の生存にかかわるたいへん大きな問題だと思うのですね。したがって私は、この際、科学技術庁に、この使用済み核燃料の取り扱いについて、FPと、こう言っております高濃度のもの、再処理をされたあとのもの、これらについて、日本は将来、原子力発電、いま方々で大騒ぎが起こっておりますが、そこらも踏まえてどういうふうに一体考えておられるのかという、まず基本的な点を聞きたいと思います。一体将来どういうことにしようとするのかという点。  この間、私が聞いた限りでは、通産省の資源エネルギー庁をつくるにあたってお答えになっておるのは、方法はない、コンクリートの部屋の中にドラムかんみたいなものに入れて積んである、こういうわけなんです。深海に投入をするといっても、二、三の国が了解したからといって、FPの場合にはそれはできない。アメリカなんかは、太陽に打ち込むというようなことまで考えているけれども、これも一つ間違って、現在の技術でやって地球上に高濃度の放射性廃棄物がばらまがれたらどうするか、人類の生存にかかわるからこれはできない。岩塩のたいへん深い穴の中に鉄のおりに入れてほうり込む。これもアメリカがずいぶん研究している。ところが鉄と岩塩ですからやがて溶けてしまう。そうすると、放射能と岩塩との作用でガラス状の、つまり周辺を取り巻く容器式なものができてしまう。そこに閉じ込める。しかし、それでも絶対的に地球に流出することがないかといわれると保証ができない。等々ずいぶんこれは研究されております。研究されておりますが結論がない。しかし日本は原子力発電に着手をされておる。だから安全性の問題を含めて議論がたいへん激しいわけでありますが、そこらのところを一体基本的にどうお考えかを聞いておきたいわけであります。
  108. 倉本昌昭

    ○倉本説明員 原子力開発に関連いたしまして、確かに、ここで使用いたします核燃料物質、これは御存じのように、いわゆる放射性を持っておりますウラン235あるいはプルトニウム239というようなものでございますけれども、これをウラン鉱山から取り出しまして、これを精錬し核燃料物質にする。それを日本に運んできて、日本で核燃料体、核燃料要素というものにこれを加工いたすわけでございます。それからこれを原子炉に入れまして、これが燃えていく。そうすると、これが燃えますと今度は使用済み核燃料という形になってまいりまして、これをまた再処理工場というところへ持ってまいりまして、ここで再処理をいたすわけでございますが、その際には、その燃料を切ったり溶かしたりいろいろするわけでございます。そうしますと、核燃料要素の中には、原子炉の中で燃焼いたしました際に出てまいります核分裂性物質という、いわゆるFP、フィッションプロダクトというものが出てまいります。これが気体状、固体状のもの、非常に数ございますけれども、これがいわゆる非常に高い放射能を持った物質であるということで、こういう核燃料サイクルの過程におきましていろいろな放射性物質の運搬あるいは放射性廃棄物というものが出てまいります。  現在、核燃料を加工いたします工場、あるいは原子力発電所等から出てまいります放射性廃棄物といいますのは、その過程で出てまいります比較的放射能の低い物質。あるいは発電所等から出てまいりますのは、発電所の中のいろいろ放射性のものの洗たく水でありますとか、そういうような比較的放射能の薄い物質、これを蒸発いたしましたりして固化して、これをコンクリートの中に詰めて、発電所の中あるいは加工施設等の中にこれを保管しておく。これは現在保管廃棄といっておりますが、これは比較的放射能の低いものでございます。  そこで、ただいま先生指摘ございました、使用済み核燃料、及びその再処理工場から出てまいりますいわゆる高放射性の廃棄物という、これの取り扱いという問題になってくるわけでございますが、この再処理工場から出てまいります高放射性廃棄物は、これは再処理工場で一応保管をするという形になっておるわけです。そこでこの核燃料物質の輸送段階でございますけれども輸送段階では、いまの使用済み燃料といいますのは、発電所の中で出てまいりまして、ある期間燃やしますと、これを原子炉の施設の中に、冷やしますためのクーリングポンドというものがありまして、そこへ一応移します。移しまして、そこで再処理を行ないますまで、半年あるいは九カ月とかいう期間、そこへ次の燃料交換を行なう時期まで入れるとかいうようなことができるわけでございます。その期間を終えますと、これを再処理工場へ運んでいかなければならないということになりまして、その場合には、この使用済みの燃料を輸送いたします特別の輸送容器というものがございまして、これにつきましては、国際原子力機関というところで、この輸送容器についての基準というものを国際的に定めるというので、これが前に一九六七年度の基準というものが一応定められまして、それに基づきまして、わが国におきましては、昭和四十三年に核燃料物質の輸送容器の安全性についての審査基準というものを原子力委員会で一応設定をいたしまして、これに基づいて現在のところはやっておるわけでございますが、一九七二年にまたこれの見直しを国際原子力機関がやりまして、現在、これについてまた新しい私どものほうの輸送基準の見直しを、運輸省はじめ私どものほうと一緒になりまして、検討会を設けて現在検討を進めておる段階でございます。
  109. 大出俊

    ○大出委員 多く言いませんが、つまり現在検討中である。これはなぜ再検討するようになったかという理由があるわけですからね。これは中身に触れますと時間がかかりますから、時間の関係で省略をいたしますが、数字で今井さん明らかにしておりますけれどもアメリカあたりの紀元二〇〇〇年のアメリカの高レベル放射性廃棄物予測、どのくらいのものになるかという。アメリカを基準にすると、国際的に大体アメリカの廃棄物の二・五倍から三倍というのが地球全体の廃棄物予測になるということで予測をあげておりますが、この高レベル廃棄物累積、液体が三十五万立方メートル、固体二万八千立方メートル、こうなっているのですね。これはアメリカですから、この二・五倍から三倍。そうなると、地球という意味責任が負えるか、方法はないと今井さんは言っている。だから、何かいい方法が将来できればいいんだがというところで終わっている、今井さん自身のこまかい検討の中身を読んでみますと。つまり、いまの方法ではたしていいのか、責任が負えるのかといったときに、どうもいまのままでは、つまり地球の人類が住んでいるところに還流することはないのかという。ないと言い切れないところに国際的にもう一ぺん考え直してみる必要がありはせぬか。深海に入れるといっても、一国や二国や三国じゃできないのだからという。それこそ人類の永久的な生存というものを考えての哲学的な議論まであるわけですね。  だからそうなると、ほかでやっているんだからいいんだというだけで事が済むかということに戻ってくる。そういう意味で、横浜市あたりでものを言い始めていることについて、運輸省という立場で、輸送という面でいま検討中であるとすれば、いま研究会を開いているとおっしゃるのだけれども、その結果がどういうものになって、キャスクならキャスクの扱い方から大きさからいろいろございますが、一々触れませんけれども、横浜から運んでいるんだということが明らかになって、一体これはどういう経路で運んでいるんだという問い合わせがしきりにやってくる、事が事ですから。そこらが納得し得るようにならなければ、市民相手にものを考えるわけですから、簡単にまいりません。したがって運輸省の側で、あるいは科学技術庁と御相談の上で、どういうふうにいま運んでいって、それが今度はどういうふうになるのかということを明らかにする資料などを早く私はいただきたい。したがって、いまの検討の過程でどういう検討をなさっているのかということを含めて、いま質問すれば皆さんがお答えになるからいいのだけれども、時間がありませんから、たくさんございますけれども、皆さんのほうで用意をされている、現在出し得る資料はお出しいただきたい。その上でひとつ考えさせていただきたい。横浜は、あと認めない、こう言っていますけれども、また戦車じゃありませんけれども、いろんなことになっても困るので、早目にそれはお出しをいただきたい。よろしゅうございますか。
  110. 新谷寅三郎

    ○新谷国務大臣 要するにこれは安全性の問題だと思うのです。国際的に相当権威のある国際機関だと思いますが、そこで安全性の問題について相談をして新しい方向を出した、それに基づいて関係各省庁でいま相談をしているということでございますから、これは私、単独でどうこうというわけにいきませんが、科学技術庁とも相談いたしまして、そういった基準が出れば、なるべくこれは関係者に早くわかるように措置をすることはけっこうだと思います。やはり安心してもらわなければいかぬと思います。それから今後それについてなるべく早くそういった結論が出ますように、学者の方々にも努力してもらいまして、われわれも督促するようにしたいと思います。  それから、横浜の市長がいろいろなことをおっしゃっていますが、これはいま、具体的にこの一つ一つについて、たとえば専用港をどうしろとかいうようなことについては、これはまだちょっと結論を出すのは早いかと思います。いずれそういった問題が基本的に安全基準の問題で確立してくれば、市長さんも安心されるのじゃないかと思います。いずれその上でまたわれわれの見解を申し上げることにしたいと思います。
  111. 大出俊

    ○大出委員 これは横浜の飛鳥田市長とも相談の上で実は問題提起をいたしておるのです。つまり先般のような、そこまでいってしまいますと、何でもかんでも運ばしてくれということになってくると、また妙なトラブルになっても困る。だから、あらかじめどうすれば安全なのかという、こうすれば安全なんですよという、いまおっしゃるように、専用港なら専用港をどうするんだという具体的な皆さんの案が早くほしい。そうしていただかぬと、対市民の問題ですから、そういう意味で問題提起をしているわけでございまして、中身に触れれば、学者を集めて相談したんですから、いろいろな問題ございますけれども、とりあえず時間がございませんから、皆さんのほうから早く提起を願いたい、こう申し上げているわけでございます。大臣がその方向でということでございますれば、それでいいのでございますが、いかがですか。よろしゅうございますか。
  112. 新谷寅三郎

    ○新谷国務大臣 はい、けっこうです。
  113. 大出俊

    ○大出委員 大臣がそういうことだということでございますから、あと二つだけ簡単な質問をいたしまして終わりたいと思うのでありますが、予算分科会で大臣に、私、三十分の時間でございましたが、数々ございましたので、中途になっておりますけれども、時の大臣の答弁は、検討をいたしてみたいというお話でございました。  そのポイントは、先般のタクシー料金の値上げにかかわります問題で、値上げ率において、東京、横浜で一〇%東京が高い、横浜は低い、こういうかっこうになっているわけであります。これはどうも理由づけを調べてみても不合理でございまして、納得いたしかねる。  そこで、東京、横浜というのは、御存じのとおり六郷を渡れば東京であり横浜なんです。所要増収率において、東京は四三・七%、横浜は三三・八%、名古屋が三三・五、大阪が三二・七、京都が三二・九、神戸が三三・五、これが所要増収率一覧。それから収支率の一覧、四十五年のもの等いろいろございますが、どういうわけでこういう格差を設けたのかという、そこのところがまず明確でない。  私がいち早く連絡をいたしまして、皆さんのほうから資料をお出しいただきましたが、その中身からいたしますと、簡単に言えば、料金値上げの前に東京陸運局が調査をした限り、一日一車の平均走行キロ数は東京が三百七十ばかりあった。横浜はこの三百七十の東京に比べてだいぶ低い。これが一つの論点。それから、タクシー会社の企業収益をながめてみて、横浜より東京のほうが悪いというようなことが理由になっているのですね。ところが、よけい走れるところというのは水揚げは多いのですから、それで会社がどうもぐあいが悪いというのならば経営が悪いのです。走れないから困っているわけですから、一日の走行キロが三百七十あるところと三百三十のところと比べて、三百七十あるところをよけい格差を認めて高く上げるということになるとすれば——よけい走れるということは何かと言えば、水揚げが多い、営収が多いということですから、多いほうに一〇%よけい認めるということになるとすれば、走れないところはたまったものじゃない。筋道から言ってそうでしょう。水揚げが多いほうが経営が苦しくて、水揚げが少ないところが経営が楽だなんというばかなことはあり得ない。それなら従業員がずいぶん安月給で働いていることになる。そんなことはない。理屈にならない。  これは運輸省、前科がありまして、四十五年の値上げのときもでたらめで、話にも何もならぬ。だからこの理由づけもどうもインチキで、ざっくばらんに言うと、東京は政治勢力が強いからちょっとそっちを上げておけなんということじゃないかという町のうわさがある。これは町のうわさですが、そうじゃないかと言いたくもなる。そこらはいかがでございますか。
  114. 新谷寅三郎

    ○新谷国務大臣 非常に具体的なこまかい問題になりますから、政府委員から答えさせてもいいんですが、私、検討いたしました。結局、タクシーといいますか、自動車行政については、自動車の需要が急激にふえてきておるものですから、いまの社会の進み方というものから見まして率直に言ってそぐわない点があるかもしれません。しかしこれは、そんなにでたらめなものではないのですね。  御承知のように、タクシーでは事業区域というものをきめておりますね。どこに行ってもいいというわけではない。いまは都市を単位に事業区域をきめております。そういたしますと、東京都と横浜、あるいは川崎とで、たとえば需要とか人件費なんというもの、いわゆるコストと称せられる要素を洗っていきますと、隣でありましてもやはり違いがあるのですね。結局、そういったものをもとにしてタクシー料金というものを認可するものですから、勢いそこに差がついてくるというのは、いまのこの制度を維持する以上やむを得ない。それならそれを取り去るのに、東京も横浜も、あるいは千葉も、一つの経済圏じゃないか、その経済圏一本にしたらどうだ、こういうような議論が出てくるかもしれません。しかしそれには、いまの自動車行政につきまして、基本的な考え方、政策の転換をしなければならぬわけでございまして、これは決して将来に向かってそういったことを全然考えないというわけではないのですが、いまそれを急に変えるということは、実際上、行政上、非常に困難なことでございます。たぶん、そういうことを言っているからだめだとおっしゃると思いますが、現在の状態からいきますと、こういう事業区域をきめて、その事業区域ごとにきめていくという制度がある程度定着しておりますから、そのきめた認可運賃が適当かどうか、これはまた別の問題でございますが、そういう制度の上に立って考えますと、いまのようなやり方が、これはどうもいろいろ御批評がありますけれども、やむを得ないといいますか、いま考えられるいい方法じゃないか、私はそういう結論を出しておるわけです。
  115. 大出俊

    ○大出委員 時間の関係がありますから、これでまたものを言い出しますと、えらい長い時間かかるが、小林さん、大体あなたは東京陸運局長をおやりになっておったのだから、よくおわかりになっておるはずだ。谷口さんは横浜の陸運事務所においでになったのだから、輸送課長をおやりになったのだから、みんな百も二百もわかっている。横浜は谷口さんが一番よく知っている。  そこで、さっきインチキと言ってしまいましたから、あのやろう、どうも根も葉もなく言ったなどと思われると困るので申し上げるのですが、これは四十五年の料金値上げのときのおたくの正式の資料なんです。四十五年のときにどういうことをやったかというと、四十三年の基準で上げた。谷口さんこっくりしているけれども、あなたが否定してもだめですよ、持っているのだから。——ああそうか、肯定されたわけですね。肯定されればいい。四十三年の実働率九四・三%。百台の自動車があるとすると九十四台しか動いていない。六台はほこりをかぶって遊んでいる、運転手さんがいない、こういう状態です。ところが四十五年の実働率を見ると八八・一です。四十三年には百台の自動車のうち六台眠っていたが、四十五年には百台のうち十二台は運転手さんがいなくて寝ていた。ほこりをかぶって動いていない。四十三年の資料できめようとすると、四十五年との間にたいへんな開きが出てくるのはあたりまえです。にもかかわらず実働率は九四・三なりということで算定なさっている。実際には八八・一、十二台は遊んでいるというわけです。これが、実働率のみならず、実車率にしても、あるいはだからキロ当たり収入が違うのでありますが、先ほど申し上げました一日一車の走行平均キロ数にしても、四十三年と比べてみると四十五年は走れなくなっている。あたりまえであります。だから、平均して料金は二二・五%上がったことになっているが、しかし実際には一九%しか上がっていない。看板に明らかに偽りがある。おたくの資料というのはそういうズレもある。正しくない面もたくさんある。  それは運輸省責任だと言ってくれるな、それだけは言わぬでくれと、あなた方の前任者がおっしゃったから私は言わぬけれども、私に言わせるとそういうことなのだから、二つに分けてといいますか、地域別あるいは事業区域別料金制度をおとりになっていることは知らないわけではないが、東京、横浜となりますと、六郷を渡って横浜に夜行ってごらんなさい。東京の車ばかりです。片っ端から東京の車です。そうでしょう、東京から帰る人が多いのだから。六郷を渡って羽田に行く車がたくさんある。羽田に行けば横浜の車は一〇%安いのだから、両方並んでいたら安いほうに乗ってしまう。そんなものだから、羽田に客を連れていけば、横浜に帰る客だっているのだから、帰りがあれば乗ってくるのはあたりまえですから、横浜の車が羽田に行けば追い出してしまう。そういうふざけた矛盾がある。運転者の立場からすれば納得しないですよ。六郷の川のこっちと向こうで、年じゅう一緒に東京と横浜の車が走っているのだから。そういう意味で、営業区域別というけれども、東京、横浜というのは、実際にはそういう区別はない。コスト計算しようというなら、東京だって三多摩から向こうと都心とは違うのです。そこでコスト計算すれば、違いが出てくるのはあたりまえでしょう。明らかな矛盾です。ただ、これを数字をあげて申し上げている時間がないだけの話です。  だからといって、永久にそういうことでもないと大臣は言うのですが、やはりこの格差というものは、営業収入にも、またハンドルを持つ諸君の給料にもはね返るわけですね。たとえば、距離・時間併用メーターを使わなかった横浜と、使っている東京の差は、数字上歴然としているのですから、そういう点の手直しは皆さんのほうで考えないと、このままではハンドル持つ人が逃げて、体車現象がますます激しくなる。ハンドル持つ諸君がどんどん大型バスその他に行ってしまう。だから、それならば基本的に、東京の二万五千台なら二万五千台というタクシー台数は、同じ規模のニューヨークだとかロンドンに比べて、あっちが九千台前後でしょうから、政策的に、じゃ基本的にどうあるべきかということを明らかにしなければならぬ、そこまでかかわる問題ですよ。ですからそこのところは、私は、皆さんのほうでもう一ぺん基本的な立場に立っての検討をすべきものである、こう思っているのですけれども、いかがですか。
  116. 小林正興

    ○小林(正)政府委員 タクシーの運賃の原価計算につきましては、先ほど大臣が申し上げましたとおり、それぞれの都市を単位に、これを事業区域と申しておりますが、それごとに原価計算をしてきめておるわけでございます。したがって、増収率何十何%というのは結果的に出てきた数字でございまして、特に意図的に格差を設けるとか、あるいは平準化するということはないわけでございます。ただ問題は、その原価計算の方法等につきましては、対象とする事業者、これを全事業者でとるか、あるいは非常に能率的な事業者だけにするか、そういったことでやはり相当な差が出てくるかと思います。こういったコスト計算においての一つの問題としては、原価計算の対象事業者をどういうふうに選ぶかということについては、今後改善をしていきたい。  それからもう一つ、コストのうちおよそ七割が人件費でございます。そういった点、確かに先生指摘のとおり、賃金水準が平準化するといいますか、各都市非常に似たようになってきておるというようなことでございますので、今後の方向としては、確かに東京、横浜というような場合には、運賃というものはあまり差がないという方向に持っていくべきだと思います。  それから時間・距離併用制度という、これは制度の問題でございますが、こういった点につきましても、四十七年の改定のときに東京並みにいたしたというようなことで、方向といたしましては、そういったことで今後やっていきたいと思っております。
  117. 大出俊

    ○大出委員 これは四十五年の改定のときは、東京の四十社を対象に実態調査を四十三年にされているが、それの追跡調査をされている。その四十五年の資料があって、それをさっき両方突き合わして私申し上げたのですが、これは事業所の選び方によってうんと違う。だから合わせようと思えば幾らでも合う。これは千差万別なんですから。それは皆さんがよく知っているでしょう。だから私は、そういう意味で少しインチキではないかということを言ったのですが、それはインチキだなんであなた認めるわけにいかぬのですから、結果的に出てくる数字だという。しかし事業所の選び方によって違うということはお認めになっているわけですが、全部お調べになったんじゃないですから、四十社なんですから、そこのところは、いま御答弁にございましたように、大臣、将来に向かって都市間の差がなくなっているのですから、その現実を認めてひとつ検討なさるということにしていただきたいのですが、いかがでございますか。
  118. 新谷寅三郎

    ○新谷国務大臣 そういう方向で検討します。
  119. 大出俊

    ○大出委員 最後に、一言でございますが、自動車局傘下の車検の職場でございますけれども、私、長年かかりまして、航空部門の管制官であるとか通信士であるとかいう方々や、おたくのパイロットさんはあまり民間に比べて安過ぎまして居つきやしないんだけれども、しかし、そういう航空手当についても上げてもらいたいというので、人事院と再三やりとりをしてまいりました。おのおの上げてきた。  そうなると、ここに大きなバランス論がありまして、きらきら光らない部門だから、管制官なんというと、早い話が落っこっちゃたいへんだということだから、比較的手当がよけいつくんだけれども、車検なんというと、検査しているんだからというので、これもずいぶんひどいことになっているんですよ。だから一日百五十円ぐらい何とか手当をつけてくれぬかという、特殊勤務手当でございます。  そこで、ポイントだけ申し上げますが、六年ぶりなんですから、この要求は。人事院といろいろ詰めた話をしてみますと、あなた方の熱意が少し足らぬというのだ、早い話が。予算要求をしたときに、最後まで運輸省ががんばってくれて、この手当を入れてくれ、大蔵省に認めろと突っぱる。突っぱればどうなるかというと、大蔵省は人事院に判定を求めるわけですよ。そうでしょう。人事院がマイナスの判定をすれば落ちるのです、これ。人事院が認めればつくのですよ。そういうシステムじゃないですか。そうでしょう。そこのところは、運輸省が予算の要求のときにがんばってくれぬと、その気になってくれぬと、これはできないのです。自動車局の業務部の仕事でしょう、これは管理課長さんのところの。だからそこのところは、人事院勧告が目の先にきていますが、私は何としても勧告の中に、特殊勤務手当の中に拾ってもらいたいので人事院といろいろやっておりますが、もう少し皆さんのほうも、大臣、直接担当の部門にものを言って、もう少しやる気になって人事院にものを言ってくれ。そしてよしんばそれがだめでも、ことしの十二月には予算折衝でしょう、そのときには、去年のようなことを言わないで、四十九年度予算の中でこれだけは何とかしろと言う。人事院に判定が行ったら、人事院は今度はだめだとは言わない。その約束は明確にとりますから、やってください。いかがでございますか。
  120. 新谷寅三郎

    ○新谷国務大臣 いまおっしゃった以上に運輸省は力を入れております。いまから人事院と交渉中でございます。ことに理由も、特殊の勤務で排気ガスを吸ったり健康を害するような場合が多いということで特殊の手当を要求しておりますから、結果をひとつ見ていただきたい。努力はいたします。
  121. 大出俊

    ○大出委員 これは車検の規模別に見ると大、中、小いろいろあります。千差万別です。それから台数もたくさん差がございます。だから一律一がいにいけない面があることは私も承知です。だがしかし、問題は、検査手当というものの制度をつくることがまず第一に必要だということですよ、いまおっしゃるような意味で。そしてその中で台数があり規模がありするけれども、そこらのところは、ワクをつくるという、制度をつくるという前提で検討ができる、そういうわけでございますから、ぜひひとつこれは本腰を入れておやりいただきますように、大臣にお願いいたしまして終わります。
  122. 三原朝雄

    三原委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
  123. 三原朝雄

    三原委員長 ただいま委員長の手元に、加藤陽三君外四名より自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党の各派共同をもって本案に対する修正案が提出されております。
  124. 三原朝雄

    三原委員長 提出者より趣旨説明を求めます。加藤陽三君。
  125. 加藤陽三

    ○加藤(陽)委員 ただいま議題となりました航空事故調査委員会設置法案に対する自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党の各派共同提案にかかる修正案につきまして、提案者を代表してその趣旨を御説明申し上げます。  案文はお手元に配付してありますので、朗読は省略し、そのおもな内容を申し上げます。  第一に、航空事故調査委員会独立性を確保するため、委員長及び委員の職権独立行使の規定を設けるほか、委員の罷免及び専門委員の任命にあたって委員会の意見を聞くものとすること。  第二に、航空事故調査は、国際民間航空条約の規定並びに同条約の附属書として採択された標準、方式及び手続に準拠して行なうものとすることを明らかにすること。  第三に、委員会による航空事故調査の公正な実施を確保するため、航空事故調査を終える前において、聴聞会を開き関係者又は学識経験のある者から意見を聞くことができることとするとともに、必要に応じ航空事故調査の経過について公表するものとすること。  第四に、航空事故調査報告書には、少数意見を付記するものとすること。  第五に、委員会の求めに応じて陳述等をする者を保護するため、これらの者に対する解雇その他の不利益取り扱いを禁止するとともに、質問に対する不陳述等に関する罰則を削除すること。  第六に、委員長及び委員の秘密保持義務違反に対する罰則を削除すること。  第七に、事務局に航空事故調査官を置くことであります。  以上が本修正案の趣旨であります。よろしく御賛成くださいますようお願い申し上げます。
  126. 三原朝雄

    三原委員長 これにて修正案についての趣旨説明は終わりました。
  127. 三原朝雄

    三原委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に付するのでありますが、別に討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  航空事故調査委員会設置法案及びこれに対する修正案について採決いたします。  まず、加藤陽三君外四名提出の修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
  128. 三原朝雄

    三原委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。  次に、ただいまの修正部分を除いて、原案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。
  129. 三原朝雄

    三原委員長 起立総員。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。
  130. 三原朝雄

    三原委員長 ただいま議決いたしました航空事故調査委員会設置法案に対し、加藤陽三君外三名より、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党の各派共同をもって附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者より趣旨説明を求めます。加藤陽三君。
  131. 加藤陽三

    ○加藤(陽)委員 ただいま議題となりました自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党の各派共同提案にかかる航空事故調査委員会設置法案に対する附帯決議案につきまして、提案者を代表してその趣旨を御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。 航空事故調査委員会設置法案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行にあたり、航空事故調査に十分な実効をあげるため、次の事項について積極的に対処し、航空事故調査体制の整備充実に万全を期すべきである。 一 航空事故調査委員会の予算及び定員については、航空事故調査が円滑に実施できるよう十分に配慮すること。 一 事務局職員の事故調査能力を向上させるため、研修その他の方策を講ずること。 一 航空事故調査委員会において学識経験者から航空事故に関して意見をきく場合及び航空事故の経過について中間的に公表する場合には、事実関係資料をできるだけ公開するよう努めること。 一 航空事故に関する報告書は、当該航空事故について国民が理解できるようできる限り詳細に記載すること。 一 防衛庁長官は、自衛隊の航空機について事故調査を実施したときは、特に必要がないと認めた事故を除き、事故防止に役立つ情報を航空事故調査委員会に提出すること。 右決議する。  本案の趣旨につきましては、先般来の当委員会における質疑を通じて、すでに明らかになっていることと存じます。  よろしく御賛成くださいますようお願い申し上げます。
  132. 三原朝雄

    三原委員長 採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
  133. 三原朝雄

    三原委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。  この際、新谷運輸大臣より発言を求められておりますので、これを許します。新谷運輸大臣。
  134. 新谷寅三郎

    ○新谷国務大臣 ただいまは慎重御審議の結果御採決いただきまして、まことにありがとうございました。厚くお礼を申し上げます。  本法案の修正個所につきましては、御審議の経過にかんがみまして、その趣旨の徹底をはかりますとともに、航空事故再発防止になお一そうの努力をいたしたいと存じます。  また、決議されました附帯決議の内容につきましては、その趣旨を十分尊重し、誠意をもって実施に当たる所存でございます。
  135. 三原朝雄

    三原委員長 なお、ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  136. 三原朝雄

    三原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。〔報告書は附録に掲載〕
  137. 三原朝雄

    三原委員長 次回は、明十四日土曜日午前十時より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後一時十四分散会