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大出委員 そこで問題は、なかなか複雑な事件ということになりますと、世上、なぜ一体証拠不十分になり不起訴になったのかと、首をかしげるようなことが間々ある。あるが、しかし残念ながら、それは私どもの所管でない。私が長らくかかって調べた結果としても、建設省の方々に贈賄事件があったのではないかと思われる節々がある。あなた方もそう思って調べられたんだから、私の調査の資料の中でそう思われるものがあってもふしぎではない。だがこれは結論が出ない。なぜならば、時間的なズレその他の中で証拠が完全につかめなかったという一点に尽きる。真偽のほどは、したがってわからない。あったのではないかという疑惑は残る、こういうわけです。中村幸雄さんという方、建設省の
局長のおにいさんとここに書いてある。この方についても、あるところに金を持っていったという事実がある。たいした金じゃない。
ところで、つながり、縁というものを使って、なぜこの中村さんが、当時、東急プレハブの社長をしていた谷島さん、そこの顧問になったかということも、これもまた疑惑を持てば持てる。一千万の金を、初めは承知で、つまり何とかするからといって持ち出した金をそのように使わなかったら、あとになったら、おまえはうそを言ったじゃないか、おれをだましたではないかということになるけれども、本来その一千万円の金を使う先があってやったことならば、結果的には谷島さんの
立場は苦しくなるからいろいろ言うけれども、これはまた建設省との
関係を疑えば切りがない。そこらはみな証拠が明確でないということで不起訴になっている。これは現状です。なるほど役員の方々には、悪くとれば
関係の向きに顔のきく方も何人もおられる。元警察庁長官の方もおいでになる。また内務省の方もおいでになる。非常に私はこれは不明朗きわまる。
問題は裁判の途中ですから、私は分立している
権限の
立場から、深入りはいたしません。いたしませんが、ただ厳として残ることは、私が先ほど申し上げたように、貴重な
土地八百坪、土一升金一升といわれる
土地、都心の、しかもどんどん開けていくまん中の、そこらはみんな地下鉄が入ってきている。渋谷の駅のうしろのほうにある。だが公共性だけは全くない。この塔屋三階を含めて十六階の建物には、公共の用に供するものは何もない。
さて、地域住民の方々には何と
説明したかといえば、皆さんがどんどん来たり何かできるようにいたしますとかなんとか言ったが、結果的に営利、採算が成り立たないということで何もつくらない。近所の住民の方々、みんなかんかんにおこっておりますよ。そして十六階ものものをこしらえて、そこらじゅう日照が奪われる。すぐ隣の建物なら勝てる裁判ですけれども、隣に何ブロックかあって、裁判を起こされた方々はその先のブロックですから。
しかも裁判を起こした方はどういう方かというと、国会の衛視さんなどもここに住んでおられるが、いまでも残念がっていますが、ワンブロック先の隣も、実はすでに東急の手のついているところなんです。そうすると、ワンブロックおいたすぐ先に十六階建ってしまうと、今度すぐ隣に建てるという合法的な
理由が生まれる。間違いなく建つ。そうなれば、これはみんな引っ越したいというわけだ。住んでいる方々は一致して、都営の宮下アパートの七十世帯の方々は、一人三千円ずつ出して裁判を起こしているのです。おまけにここには児童公園がある、この建物のすぐうしろに。行って見てごらんなさい、完全な日陰になってしまいました。ここには
東京都の児童公園がある。宮下町のいま建てているすぐこちら側に
東京都児童会館という建物がありまして、ここが児童公園、美竹公園、こういうふうになって続いている。それが全部日陰になってしまった。こういうことまで地域に影響を与えながら、なぜこういうばかげたことをやるかという点が厳として残っている。あまりといえばこれはでき過ぎている、こういうことです。
私は、時間の
関係がございますから、あらためて運輸大臣に、運輸省の
関係のところはたくさんあるわけですから、承るつもりでおりますけれども、私は、この
法律で規定をされております、この帝都高速度交通営団法に基づく営団、この方々の中にもたくさん親しい人がおります。組合の方々も知っています。こちらの方々に向かって何を言おうという気持ちももちろんない。これはこのままやっていただいてけっこう。だが、現にあらわれた現象形態をながめてみたときに、こういうふざけた
土地の利用のしかた。公法人が使う
土地、公法人の
土地です。しかも公法人に入っている資金は、国鉄と、
東京都、二つだけなんですから。年々補助金も出しているのですから。だいぶ最近補助金もふえております。ここまで
国民の税金を使ってやっているこの高速度交通営団が、五千万円全額出資してつくった会社が地下鉄ビルディング株式会社。ほかから一銭も入っていない。その会社が親会社である営団から八百坪の
土地を借りて、そこにビルを建てる。十五億金を借りてきて、一億自己資金をつくって、そこは随契で東急建設に建てさせる。問題の谷島さんが専務でして、五島昇氏が社長でしょう。そこに建てさせて、普通の建築会社なら、それだけのものを建てるなら何億かもうかりますよ。もうけさせておいて、保証金だけで安い家賃でそっくり貸してしまう。そして裁判所の記録によれば、専務の里見富次さんという方が言っている中身というものは、全く公共性の仕事をやっているので、利潤を目的にしていないという。それじゃ一体、利潤を目的にしていないですっぽり貸す相手は何だ、営利会社だ。利潤を目的にしないで営利会社に貸せば、営利会社は安く借りられるからもうかるに違いない。それだけの利権を生んでいるのだったら、東急に金を出せと言えば出しますよ、それくらいのことは。そういう
関係がわかれば、恐喝事件の一つや二つ出ますよ。あたりまえだ。
こういうふざけた話を、私は幾ら方々から何と言われてみても、黙って腕組んで見ているわけにいかない。私の申し上げたことに皆さんの反論がないようだから、大臣は建設大臣でございまして、運輸省の方々は非常に多いのだけれども、しかしこれは建設省にも
関係がある。なぜならば、
都市再
開発法の
趣旨にのっとって
企画されたと、こういう。こんなたいへんな再
開発をされちゃたまったもんじゃないです。大臣、これ、どういうふうにお考えになりますか。