○中山(正)
委員 これは人民日報と北京放送が出したもので、「むだな騒ぎ」というのと、いま言いました「一握りの牛鬼蛇神が大いに妖風をあおる」ということを書いておるのがあるわけでございます。
そこで、ここに中国語の原文がありますが、これは
日本解放工作秘密指令書というやつです。中国語の原文で書いてあります。中国語を読めないものですから、
日本語に訳したので失礼いたしますが、「解放工作組の任務」というところに「
日本の平和解放は、左の三段階を経て達成する」と書いてあります。「我が国との国交正常化」と向こうから言うのですから、向こうとの国交正常化が第一期の工作の目標である。第二期の工作の目標は「民主聯合
政府の形成」である。第三には「
日本人民民主共和国の樹立−天皇を戦犯の首魁として処刑」、これが第三期工作の目標である、こう書いてあります。
〔
委員長退席、藤尾
委員長代理着席〕
その中で「任務達成の手段」として、
本工作組の上記の任務は、工作員が個別に対象者に接触して、所定の言動を、その対象者に行なわしめることによって達成される。則ち、工作員は最終行動者ではなく、かくれたる使嗾者、見えざる指揮者であらねばならない。以下に示す要領は、すべて、対象者になさしめる言動の
原則を示すものである。
きょう
大出先生の話の中に松本俊一さんの話が出てきた。松本俊一さんなんかも、情けないことに所定の言動を行なわせしめられている人ではないだろうか。私は
大出先生のさっきの御
質問を聞きながら
考えておったのでありますが、どうも中国へ行ってくる
人たちの話を聞くと、どうも何かきめられたような話のしかたに、だんだん行っていらっしゃるうちになってくるのを感じるわけでございますが、この中にはいろいろなことが書いてあります。たとえば、
中国の書画、美術品、民芸品等の展覧会、舞劇団民族舞踊団、民謡団、雑技団、京劇団の公演、各種スポーツ選手団の派遣を行なう。
第一歩は、
日本人大衆が中国大陸に対し、今なお持っている「かがやかしい伝統文化を持っている国」、「
日本文化の来源」、「文を重んじ、平和を愛する民族の国」、というイメージをかきたて、更に高まらせることである。
我が国の社会主義改造の誇るべき成果についての宣伝は、初期においては少ない方がよく、全然ふれなくてもかまわない。
スポーツ選手団の派遣は、ピンポンの如く、試合に勝ち得るものに限定してはならず、技術的に劣っている分野の選手団をも数多く派遣し、
日本選手に学ぶという率直な
態度を示して、好感をかちとるべきである。
そういわれてみますと、ピンポンの
あとにやってまいりましたのが
日本のバレーチームにこてんこてんに負けましたバレーのチームでございます。
あとはいろいろなことが書いてあります。無報酬で教員を各大学に押しつけろと書いてあります。半分くらいは断わるだろうけれ
ども、いずれは学生が騒げば先生が騒いで、女と男の二人を組みにした先生を各大学に配れと書いてある。
またマスコミに対する工作も書いてある。
偉大なる毛主席は「およそ政権を転覆しようとするものは、必ずまず世論を作り上げ、まず、イデオロギー面の活動を行なう」と教えている。田中内閣成立までの
日本解放(第一期)工作組は、事実で、この教えの正しさを証明した。
日本の保守反動
政府を、いくえにも包囲して、我が国との国交正常化への道へと追いこんだのは、
日本のマスコミではない。
日本のマスコミを支配下においた我が党の鉄の意志と、たゆまざる不断の工作とが、これを生んだのである。
日本の保守反動の元兇達に、彼等自身を埋葬する墓穴を、彼等みずからの手で掘らせたのは、第一期工作組員である。田中内閣成立以降の工作組の組員もまた、この輝やかしい成果を継承して、更にこれを拡大して、
日本解放の勝利を勝ちとらねばならない。特に「十人の記者よりは一人の編集者を獲得せよ」と書いてあります。
民主聯合
政府について。「民主聯合
政府」樹立を、大衆が許容する温床を作りあげること、このための世論造成、これが本工作を担当する者の任務である。
「民主聯合
政府」反対の論調をあげさせてはならぬ。しかし、いかなる方式とを問わず、マスコミ自体に「民主聯合
政府」樹立の主張をなさしめてはならない。これは、敵の警戒心を呼びさます自殺行為にひとしい。ずっと読んでおると時間がかかるのですが、たとえばこの間の田英夫さんの参議院での
質問なんか、ばんと新聞のまっ正面に出ておりますことを思い出しますと、これなんかおもしろい現象です。
朝鮮民主主義人民共和国ならびに、
ベトナム民主共和国との国交樹立を、社説はもとより全紙面でとり上げて、強力な世論の圧力を形成し、
政府にその実行を迫る。
と書いてあります。
このごろのエロ・グロはんらんに、これなんかぴったりです。テレビ、ラジオのことですが、
これらは、資本主義国においては「娯楽」であって、
政府の人民に対する意志伝達の媒介体ではない。この点に特に留意し、「娯楽」として利用することを主点とすべきである。
具体的な方向を示せば、「性の解放」を高らかに唱い上げる劇又は映画、本能を刺激する音楽、歌謡、等は好ましい反面、スポーツに名をかりた「根性もの」と称される劇、映画、動画、又は歴史劇、映画、歌謡、並に「ふるさとの歌祭り」等の郷土愛、民族一体感を呼びさますものは、好ましくない。
非常に
日本の将来を憂うるという感覚で、私はこの解放工作指令書を見ておるわけでございます。
一般娯楽面の出版については「デンマークの進歩を見ならえ」として、出版界における「性の解放」を大々的に主張せしむべきで、春画、春本のはんらんは好ましい。政党に対しては非常に失礼なことが書いてあります。民社党も公明党も全部つぶしてしまえと書いてあります。
国
会議員は工作員が支配
下記により国
会議員を個別に掌握して、秘密裡に本工作員の支配下におく。
第一期工作組がすでに獲得した者を除き、残余の議員全員に対し、接触線を最少四線設定する。
右のほか、各党の役職者及び党内派閥の首長、有力者については、その秘書、家族、強い影響力を持つ者の三者に、個別に接触線を最少二線設定する。
右の接触線設定後、各線を経て知り得る全情報を整理して「議員身上
調査書」の充実を期し、公私生活の全貌を細大もらさず了解する。
右により、各党ごとに議員を「掌握すべき者」と「打倒排除すべき者」に区分し、「掌握すべき者」については「聯合
政府の樹立にのみ利用し得る者」「聯合
政府樹立より共和国成立に至る過渡期においても利用し得る者」とに区分する。
ここに言う「打倒、排除」とは、その議員の党内における勢力をそぎ、発言権を低下せしめ、孤立に向わせることを言う。
掌握又は「打倒」は、
調査によって明らかとなったその議員の弱点を利用する。
金銭、権力、名声等、ほっするものをあたえ又は、約束し、必要があれば、中傷、離間、脅迫、秘している私事の暴露等、いかなる手段を使用してもよい。
敵国の無血占領が、この一事にかかっていることを思い、いかなる困難、醜悪なる手段もいとうてはならず、神聖なる任務の遂行として、やりぬかねばならない。
招待旅行
右の接触線設置工作と併行して、議員及び秘書を対象とする我が国への招待旅行を左の如く行なう。各党別の旅行団。一団体の人数は固定せず、実情に応じて定める。但し、団体構成の基準を「党内派閥」「序列」「年令」「地域別」「その他」そのいずれにおくかは慎重に検討を加え、工作員の主導のもとに、我が方に有利なる方法をとらしむるよう、工作せねばならない。
党派をこえた議員旅行団。議員の職業、当選回数、選挙区、選挙基盤団体、出身校等を仔細に考慮し、多種多様の旅行団体を組織せしめる。
駐日
大使館開設後一年以内に、全議員を最低一回、我が国へ旅行せしめねばならない。自民党議員中の反動極右分子で
私みたいな者だと思いますが、
招待旅行への参加をこばむ者に対しては、費用自弁の個人旅行、議員旅行団以外の各種団体旅行への参加等、形式の如何を問わず、我が国へ一度旅行せしめるよう工作せねばならない。
私まで来いということになるそうでございます。
旅行で入国した議員、秘書の内、必要なる者に対して、
国内で「C・H・工作」を極秘裡に行なう。
治安当局に聞きましても、「C・H・工作」というのは何のことかわかりません。
自民党はバラバラに分解
基本方針。自民党を解体し、多数の小党に分裂せしめる。
自民党より、衆院では六十名前後、参院では十余名を脱党せしめて、聯合
政府を樹立するというが如き、小策を取ってはならないことは先に述べた所であるが、右派、左派の二党に分裂せしめることも好ましくない。これは、一にぎりの反動右派分子が、民族派戦線形成の拠点として、右派自民党を利用する可能性が強いからである。
従って、多数の小党に分裂する如く工作を進めねばならず、また、表面的には思想、政策の不一致を口実としつつも、実質的には権力慾、利害による分裂である事が望ましく、少くとも大衆の目には、そう見られるよう工作すべきである。
手段
自民党内派閥の対立を激化せしめる。
自民党の総裁選挙時における派閥の権力闘争は常に見られる現象で、通常は、総選挙を経て若干緩和され、
一つの党としての形態を曲りなりにも保持して行く。今回はそれを許してはならない。
田中派と福田派の対立の継続と激化、田中派と
大平派、三木派、三派の離間、中間五派の不満感の煽動等を主点として、第一期工作組は工作を展開中である。
総選挙後、若干の変動があっても、派閥の対立を激化せしめるという工作の
原則は変らない。
派閥対立を激化せしめる最も有効なる方法は、党内の非主流派となって、政治活動資金の調達に困難を生じている各派に、個別に十分なる政治資金を与えることである。
政治献金は合法であり、これを拒む政治家はいない。問題は方法のみであり、工作員からAへ、AからBに、BからCへ、CからDに、Dから議員又は団体へ、というが如くに間接的に行なうのはいうまでもない。
先に述べた、議員個人の掌握は、それ自体が聯合
政府樹立の有効な手段となるが、派閥対立激化についても活用するのは、もとよりである。
それから
対社会・公明・民社各党工作
基本方針
各党内の派閥闘争を激化せしめ、工作組によ操縦を容易ならしめる。派閥というに足りる派閥なき場合は、派閥を形成せしめる工作を行なう。但し、党を分裂せしめる必要はなく、分裂工作は行なわない。
日本共産党を含めた野党共闘を促進する。
手段
自民党の項に同じ。
自民党の項では金を渡すことをいろいろ書いております。
これを読んでおりますと長くなりますが、しかし、こんなことを
大臣に申し上げる機会というのはないものですから、特にしつこく読んでおるわけでございますが、
米帝が
日本の教育理念、制度を徹底的に破壊し、国家、民族を口にすることは、あの悲惨な敗戦をもたらした、軍国主義に直結するものであると教育せしめたことは、高く評価されねばならない。
問題は、聯合
政府樹立直後の民心の大衆化にある。大衆は、「聯合
政府−共和国成立」という革命図式がデマではなく事実だと直感するであろう。彼等をだまし続けて来たマスコミへの怒り、彼等の意思を完全に無視して首班指名選挙を行なった議員への怒り、生活様式が一変るという恐怖感、これらが組織されて
爆発したらどうなるか?
この時点で、統一された、組織ある極右勢力が存在すれば、これほど大きな危険はない。彼等の微小な力「一」は、たちまちにして「百」「千」となろう。大衆は、彼等の武装決起に背を向けないどころか、それを望み、それに投じるであろう。
もとより、最後の勝利は我が方に帰するが、一時的にせよ、内戦は避けられず、それは我々の利益とはならない。
日本で暴力革命を起こすことはわれわれの利益とはならないと書いてある。
ほかにも一ぱい書いてあります。一ぱい読みたいことがありますが、この辺でやめるといたしまして、ですから、中国
大使館が出てくると、最後は二千人くらい送ってくるのではないかという話が書いてあります。二千人くらいの
大使館の
関係者を
日本に入れてきます。それがあらゆる
日本の、たとえば廖承志が来ると北方領土を見にいくと言っています。これなんかも、ソ連が返さないのはけしからぬという発言が必ずあるだろうと思いますが、その辺の中ソ論争。特に今度来た陳という人はソ連通だそうでございます。ソ連通というところが私はまた逆にあやしいと思っております。ソ連を警戒するために来たんだといいますが、私はその逆ではないだろうか、ソ連との
連絡がしやすいようにソ連通が来ているのではないか、こういうふうに実は見ておりますが、特に今度は中国の
大使館あとを中華人民共和国
政府に渡したとか、渡すとか渡さないとか、かぎをどうしたとかいう話がありますが、中国
大使館あとというのはこれから一体どういうふうに処理されますか。
〔藤尾
委員長代理退席、
委員長着席〕