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1973-02-21 第71回国会 衆議院 内閣委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十八年二月二十一日(水曜日)     午後零時七分開議  出席委員    委員長 三原 朝雄君    理事 加藤 陽三君 理事 笠岡  喬君    理事 鯨岡 兵輔君 理事 中山 正暉君    理事 藤尾 正行君 理事 大出  俊君    理事 木原  実君 理事 中路 雅弘君       越智 伊平君    大石 千八君       奥田 敬和君    近藤 鉄雄君       旗野 進一君    林  大幹君       三塚  博君    吉永 治市君       上原 康助君    坂本 恭一君       山崎 始男君    横路 孝弘君       和田 貞夫君    木下 元二君       東中 光雄君    鈴切 康雄君       受田 新吉君  出席国務大臣         外 務 大 臣 大平 正芳君         自 治 大 臣 江崎 真澄君         国 務 大 臣         (防衛庁長官) 増原 恵吉君  出席政府委員         内閣官房長官 山下 元利君         防衛庁参事官  長坂  強君         防衛庁防衛局長 久保 卓也君         防衛庁人事教育         局長      高瀬 忠雄君         防衛施設庁長官 高松 敬治君         防衛施設庁施設         部長      平井 啓一君         外務省アメリカ         局長      大河原良雄君         外務省条約局長 高島 益郎君         運輸省航空局技         術部長     金井  洋君         自治省行政局長 林  忠雄君  委員外出席者         内閣委員会調査         室長      本田 敬信君     ――――――――――――― 委員の異動 二月一日  辞任         補欠選任   東中 光雄君     不破 哲三君   正木 良明君     矢野 絢也君 同日  辞任         補欠選任   不破 哲三君     東中 光雄君 同月三日  辞任         補欠選任   近藤 鉄雄君     瀬戸山三男君   東中 光雄君     不破 哲三君   矢野 絢也君     正木 良明君 同日  辞任         補欠選任   瀬戸山三男君     近藤 鉄雄君   不破 哲三君     東中 光雄君 同月五日  辞任         補欠選任   東中 光雄君     不破 哲三君 同日  辞任         補欠選任   不破 哲三君     東中 光雄君 同月六日  辞任         補欠選任   東中 光雄君     中島 武敏君 同日  辞任         補欠選任   中島 武敏君     東中 光雄君 同月七日  辞任         補欠選任   東中 光雄君     津金 佑近君 同日  辞任         補欠選任   津金 佑近君     東中 光雄君 同月九日  辞任         補欠選任   東中 光雄君     津金 佑近君 同日  辞任         補欠選任   津金 佑近君     東中 光雄君 同月十日  辞任         補欠選任   東中 光雄君     中島 武敏君 同日  辞任         補欠選任   中島 武敏君     東中 光雄君 同月十二日  辞任         補欠選任   東中 光雄君     津金 佑近君 同日  辞任         補欠選任   津金 佑近君     東中 光雄君 同月十三日  辞任         補欠選任   越智 伊平君     水田三喜男君   坂村 吉正君     河本 敏夫君   東中 光雄君     不破 哲三君 同日  辞任         補欠選任   河本 敏夫君     坂村 吉正君   水田三喜男君     越智 伊平君   不破 哲三君     東中 光雄君 同月二十日  辞任         補欠選任   東中 光雄君     不破 哲三君 同日  辞任         補欠選任   不破 哲三君     東中 光雄君 同月二十一日  辞任         補欠選任   坂村 吉正君     奥田 敬和君   中馬 辰猪君     吉永 治市君     ――――――――――――― 一月三十一日  国家公務員寒冷地手当に関する法律の一部を  改正する法律案内閣提出第六号)  在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務  する外務公務員の給与に関する法律の一部を改  正する法律案内閣提出第八号)  厚生省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第九号)  農林省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第一〇号)  建設省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第一二号) 二月二日  外務省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第一四号)  文部省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第一五号) 同月七日  通商産業省設置法の一部を改正する法律案(内  閣提出第二二号)  法務省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第二四号) 同月十三日  航空事故調査委員会設置法案内閣提出第一一  号)  経済企画庁設置法の一部を改正する法律案(内  閣提出第一九号)  内閣法等の一部を改正する法律案内閣提出第  二七号) 同月十七日  恩給法等の一部を改正する法律案内閣提出第  四一号) 同月二十日  国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律  案(内閣提出第六二号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 二月九日  課税及び徴税の行政監察強化に関する陳情書  (第一号)  中小階級保護のための行政施策実施に関する陳  情書  (第二号)  各種審議会の構成及び運営に関する陳情書  (第三号)  恩給年金制度の改善に関する陳情書外十一件  (第四  七号)  海上自衛隊による残存機雷の探査、除去促進に  関する陳情書  (第四八号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  国の防衛に関する件      ――――◇―――――
  2. 三原朝雄

    三原委員長 これより会議を開きます。  国の防衛に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大出俊君。
  3. 大出俊

    大出委員 だいぶ時が過ぎまして、長官が御病気だったものですから、直接長官に真意を伺えなかったのですけれども、そういう意味では多少現地の市民の皆さんその他に申しわけない気がするのですけれども立川問題などを中心にひとつ承りたいのですが、その前に、一連の問題が次々に、ある意味では既成事実の積み重ねということで出てまいりますので、承っておきたいことがございます。  一つは、調べてみましたが、岩国の問題がいまいろいろ起こっておりますが、あそこにベトナムから第一海兵航空団スカイホークあたりが三十機くらい帰ってきておりますが、とたんに訓練空域を独自に設定をしてもらいたいというたいへん強い要求で、しかも七月の会計年度の初めまでにというのですね。これは実は前にF86Fの訓練空域とからみまして非常に重大な問題だった。これは江崎さん御存じだと思います。これは例の航空自衛隊の雫石の事故のときですけれども、あのあとです。これは運輸省側がどうしても困るという地域。  ところが、これをどうも皆さんのほうは、だいぶ詰めた話をなさっている。関東計画その他ながめましてもそうですけれども立川もそうですけれども、どうも自衛隊日本全土基地の再編成かつ強化という形が至るところに見える。それと自衛隊のあり方がミックスされてきている、こういうふうに平面的に見ると見える。その中で訓練空域をまた新しく設定しようなどということを、よもやあなた方、安易におのみにならぬと思うのだけれども、心配の節が幾つもある。証拠をあげてもいいですけれどもね。  したがって、まず承りたいのは、岩国ベトナム帰りの第一海兵航空団のために訓練空域を新たに設定をする御意思があるのかないのか、まず承りたい。
  4. 増原恵吉

    増原国務大臣 この訓練空域の問題は、御承知のように、外務、運輸で所管をしておりますので、私のほうではまだ話を十分に聞いておりませんが、きょう関係官見えておると思いますので、そのほうから説明をさせてもらいたいと思います。われわれは、その前言として申されました、何か前提事実をつくっていくというふうな、そういう趣旨でものは考えないことにいたしております。
  5. 大出俊

    大出委員 これは時間をかけたくありませんけれども、たいへん重要な問題だから聞くのですが、今日新たに設定をして、いま自衛隊訓練している空域がたしか十一カ所あると思うのですが、米軍との訓練共同使用という形になっている地域がたくさんありますね。ところがこのほかに、場所を簡単におわかりやすく申し上げれば、山口県の沖合い、それから島根県の北にあたる沖合いの非常に広い矩形地域。ここは大韓航空民間航空路線。これは86Fの訓練空域で前からいろいろ問題になったところですけれども運輸省認めてなかった。これがどうも七月という目途で相手の要求が非常に強い。こういうかっこうになっているのです。外務大臣がお見えになっていますが、いま増原長官外務省運輸省の問題だとおっしゃる。いま大河原さんお見えになりましたから、初めからやり直しますと時間がかかりますから、ずばり一問式に聞きます。  最近、ベトナム戦争の終結に伴って、日本国内関東計画その他を含む米軍基地の再編成縮小という名の強化と私は言いたいのですが、その一環としていろいろな問題がいま出てきておる。手に負えぬほどある。立川とからみますから、それをひとつ聞きたいのです。  そこで第一に、岩国ベトナムから帰ってまいっております第一海兵航空団司令部岩国にありますが、これがいまスカイホーク三十機あたり帰ってきているのでありますが、最終的に百機くらいになるだろうと私は思っております。ここが新たな海兵隊航空団訓練空域をよこせという。場所山口県の沖合いの三角形の地域。これは前に、F86Fの自衛隊訓練空域にするしないで、さんざんもめたところ。島根県のやはり沖合い矩形地域大韓航空が大阪と釜山を行ったり来たりしておるところ。四便たしかある。ここのところを、いま皆さんのほうでやっているのを、必要ならば、運輸省に聞いておりますからあとから申し上げますけれども、どうやら形を変えてお認めになろうという、そちらの方向に動いている。大臣、これどうお考えになりますか。御存じですか。
  6. 大平正芳

    大平国務大臣 一月二十三日の安保協議委員会合意を見ましたのは、いま大出委員指摘の関東平野の問題と那覇周辺の問題でございました。しかし、その際の合意といたしましては、今後も引き続き米軍基地整理縮小ということにつきましては協議を進めていこうということになっております。私もそう承知いたしておりますが、いま御指摘岩国の件につきましては、まだ私事務当局から報告を受けていないのであります。
  7. 大河原良雄

    大河原(良)政府委員 大臣の答弁を補足させていただきまして、私から御答弁申し上げます。  一昨年の夏に自衛隊と全日空の衝突事故がありましてから、航空安全対策要綱に基づきまして訓練空域の確定を行なっておりまして、北日本から逐次これを実施いたしております一ただ西日本の問題につきましては、一部に未調整のものがございまして、その観点から運輸省米側協議を続けております。したがいまして、ベトナム停戦に伴って、あるいはベトナムから帰ってきました海兵隊のほうとの関係において、米側から新しい要求が出ているということはないわけでございます。
  8. 大出俊

    大出委員 前から86F時代から問題になっておるのは百も承知なんで、前に聞いたこともあります。だから、ベトナムから帰ってきて、つまり専用の訓練空域設定してもらわなければ実際に特殊な戦闘をやる海兵隊航空団としては困る、前から引き続いてはいるけれども、七月新会計年度までに決着をつけてもらいたい、こうなっておる。運輸省内村航空局長はお見えになりませんが、私が話をしてみたら、米軍からそういうのがあるけれども、何としてもあそこだけは困るとおっしゃっておる。きょうはお忙しいようだから、その衝に当たっておられますから、技術部長さんに来ていただく、そういうふうになっておる。連絡はとってあります。  あなたはそれを知らぬはずはないじゃありませんか。何でお隠しになりますか。あなたのほうは、この訓練空域を、山口県の沖合い三角地域については、大韓航空が直接その上を通っているのではないから高度で何とかできる、ところが島根県の沖合いの四角い地域のほうは大韓航空が通っておるから二つに分ける。アメリカ側は、二つに分けられては困る、訓練の成果があがらない、こういうやりとりになっておるわけですね。あなたは、運輸省だけにまかせっぱなしという手はないじゃないですか。いま増原さんがお答えになっておる。外務省が知らぬことはないでしょう。だから、それをお認めにならぬということならいいのですよ。
  9. 大河原良雄

    大河原(良)政府委員 日米合同委員会の下に航空分科会がありまして、そこの場で現在航空航路についての折衝が行なわれております。そういう状況でございまして、ベトナム停戦に伴って新しい要求が出てきたということでございませんで、前から未調整のものを調整を急ごうとしておるわけでございます。こういう状況でございます。
  10. 大出俊

    大出委員 そう一々言い抜けてもだめなんで、いままでいなかったんだから、訓練していなかった、岩国は。最近帰ってきているのを御存じでしょう。何機帰ってきておりますか。
  11. 大河原良雄

    大河原(良)政府委員 約一個スコードロンの航空飛行団というふうに承知いたしております。
  12. 大出俊

    大出委員 A4スカイホークが三十機帰ってきておる。現認しておる。現地で調べておる。三十機帰ってきておるが、間もなくこれは百機になる。P3Cオライオンだって三沢に移る。そうすれば、あそこに百機もいて訓練しないで済みますか、第一海兵航空団が。だから矢の催促になる。あたりまえじゃないですか。新しい時代でしょう。許可するのかしないのか、あなた方の意思はどうなんだと聞いている。いかがですか。
  13. 大河原良雄

    大河原(良)政府委員 この問題につきましては、技術的な点もございますので、航空分科会で現在調整中でございます。
  14. 大出俊

    大出委員 それじゃ運輸省が来たら知らしてください。運輸省の意見は聞いてありますから。  次にもう一つ簡単にいきます。横浜の一番北のほうにあります上瀬谷の例の通信基地、あそこにアメリカの第七艦隊所属部隊が新たに入ってくる。これは通信関係であります。この件について、あなた方のほうはどうとらえておられますか。地域住民は返してくれといっているところに、あなた方のほうは、あえてこれをお認めになりますか。
  15. 大河原良雄

    大河原(良)政府委員 米側から得ております情報によりますと、事実関係としては次のような状況でございます。すなわち米海軍は、現在、那覇海軍航空施設にございます第七艦隊哨戒部隊司令部スタッフ上瀬谷通信基地へ移したい、こういう考えを持っておりまして、移転目的は、那覇空港空域におきます米軍の存在を減らすということでありまして、米軍の全般的な統合計画一環であるということでございまして、この移転の対象になっております人員は、約五十名の軍人と約二十世帯家族ということでございますが、それに司令部移転に伴います艦船なりあるいは航空機の移動はない、こういうことでございます。
  16. 大出俊

    大出委員 これは私は、何べんか皆さんに電話で聞いたりもいたしましたが、おわかりにならぬというお答えだけだった。初めてあなたは、はっきりものを申された。ずいぶん前から私は何べんか確かめたのだけれども、あなた方のほうは言を左右されておった。中身は第七艦隊所属の第七二機動部隊司令部内の参謀部五十人がとりあえず移ってくる。家族二十世帯。これは上瀬谷並び厚木周辺の地区の民間のところに入ると、こうなっていた。ところが最近は、上瀬谷住宅、つまり米軍の隊舎、米軍住宅ですね、あそこに人を入れて直している。  こういうことが次々に起こってくるのは、これは外務大臣聞いておいていただきたいのですが、五十人というけれども、二十世帯というけれども、いままで全部あけっぱなしになっておったところに入ってきて、あれだけ大きなトラブルがあったところに、みんないなくなった、沖繩本部半島に移った、あと上瀬谷通信基地、これが中曽根さんのときにいろいろやってようやく明らかになった。せっかくそこまでいっておるのに、また今度、いまお話がございました再編成にからんで、本七のあいた基地の中にどんどん入ってくるということが至るところでとられたんじゃ、たまったものじゃない。これは基本的な問題になるのです。  あとから大臣お答えしていただきたいのですが、訓練空域を新たに設定しようとする、認めようとあなた方はなさる。そこへもってきて七二機動部隊の一部が入ってくる。ふえてくるかもしれません。ふえない保証はない。P3にしたって三沢に行く。普天間経由の玉突きじゃない。次々にそういうかっこうになってきたのじゃ、これは一体どう考えればいいんだという問題が出てくる。  ところで、もう一つ承りたいのですが、山下さんのところで、官房長官おいでになるけれども官房中心になって、つまり関東計画に基づく米軍基地集約に伴って、基地周辺対策ということで特別な立法措置をお考えになる。御相談になってますな、官房中心に、外務省防衛庁等入りになって、大蔵省もお入りになって。それは一体どういうことになるのですか。
  17. 高松敬治

    高松政府委員 基地対策基地周辺整備につきましては、従来からいろいろ問題がございます。それで私どもは、いわば一つの曲がり角にきている時期であるということで考えておるのですが、たまたま今度の嘉手納あるいは横田というような問題について、多くの基地は撤去されますけれども、そこには逆に基地統合と申しますか、集約と申しますか、そういった形になって、それに対して、そういう機会にもなりましたので、これに従来の基地対策を一ぺん関係各省集まって抜本的にひとつ検討してみようじゃないか、こういうことで、自治、大蔵、それから私のほう、それが内閣審議室、その上は後藤田副長官でございますが、そこに集まっていまいろいろ検討を加えておる、こういう状況でございます。
  18. 大出俊

    大出委員 そこで特定の地域にあなた方は特別な立法をつくる。具体的に申しましょう。この横田三沢横須賀岩国佐世保嘉手納、ここを中心に新しい周辺対策という意味特別立法をお考えになっておる。これは一体どういう趣旨なんだ。防衛施設周辺整備法という法律が今日ある。しかも、これは外務大臣に承らなければいかぬのだけれども関東計画皆さんがお認めになった二十三日の安保協議委員会で、米側は、必要な移転及び建設のための日本政府協力、援助に対して謝意を表明している。ここにいろいろ書いてある。つまり移転についていろいろなトラブルが起こる。それに対する日本政府協力という意味だと思う。そうすると、この新しい特別立法というのは、あなた方が相当な金を使って、集約されていく米軍基地周辺市町村というところに、重点的な周辺整備をおやりになろう。確かにそれは必要があるかもしらぬ。あるならあるで、これは考え方をちゃんとしなければいけません。だからそこで、今日防衛施設周辺整備法というのは、私はここで財満さんが施設部長時代に三日間議論したことがある。貴重な議論でございました。いまここに新たにおやりになろうとする。これは一体何だ、この点を私は聞きたい。  いま高松さんのお話ですが、そういう趣旨なんですね。つまり関東計画その他の集約が行なわれる。たいへん規模の大きなもの、たいへん金もかかるものです。しかもそれは一々いろいろな問題が起こりそうな基地です。だからそれを全体的にながめ直してみよう、検討し直してみようということで、いまのスタッフがお集まりになった。間違いない、そこまではそのとおり。私もちゃんと聞いている。だから、そのねらいというのは、安保協議委員会で取り上げられてこういう文書になっておりますが、あなた方は、いま私があげた横田三沢横須賀岩国あるいは嘉手納というふうなところを重点的に考える。ほかはなくなっていくのだから、集約されていくのだから、そういう考え方でしょう。
  19. 高松敬治

    高松政府委員 いまのおあげになりましたような土地だけではなしに、飛行場、演習場、射爆場、それから弾薬庫、港湾、そういうふうないま非常に問題になる基地というのはたくさんございます。そういうものについて特別な方法を考えられないだろうか。周辺整備法は、御承知のように、現実に起こった障害除去するということが目的でございます。それ以上のことは周辺整備法ではできない。ほかのことを考える余地があるかどうかということの検討でございます。確かに横田とか嘉手納とかいうのは今度出てまいった問題ですけれども、私どもはそれだけに限って考えておるわけではございません。
  20. 大出俊

    大出委員 つまり周辺整備法は、起こった障害に対する除去。四条その他そうですね。ところでそうすると、そのほかのことはこの法律では考えられない。だからそのほかのことについて検討しよう、こういうわけです。そのほかのこと、つまり周辺整備法の想定していないほかのことというのは何ですか、どんなものですか。
  21. 高松敬治

    高松政府委員 従来から地元の市町村から、非常に要望の強い事業がたくさんございます。しかし私どものほうで、周辺整備法の性質から申しましてそれを取り上げることができないというものが、これはかなり多いわけです。(大出委員「たとえば」と呼ぶ)たとえば学校の問題にいたしましても、学校保育所、幼稚園の防音工事については周辺整備法で取り上げることができます。しかし、そのほかのことはできない。あるいは緑地帯をつくるとか、あるいは公園とか、そういうふうな問題についても、これは直接の管轄でなくてできない。そういうふうな面もあるいは加えることができるかどうか。できるかどうかは私もわかりませんけれども、そういうことを問題として取り上げてやっている。しかも基地集約ということが、外務大臣からもお話がありましたように、ますますこれから進んでいくであろう。そういうことになってきますと、そういう残るところの基地について、より手厚く何とか措置を講ずるということが必要ではなかろうかというのが、私どものいま検討している目的でございます。
  22. 大出俊

    大出委員 いま高松さんは、私があげた、横田三沢横須賀岩国佐世保嘉手納というようなところは非常に重要なところだ。そのほかにも、弾薬庫であるとかいろいろある。私があげたのは重点をあげたのです。重点はここにある。そのほかにもいろいろあるでしょう。しかも周辺整備法。三日間、私ここで論議して、教科書みたいにできている。防衛施設庁は本をおつくりになっている。私の質問が一ぱい書いてある。百も二百も知っています。それでできないものということになると、たとえば防音工事はできるけれどもほかのことはできないと言われれば、学校を建てること、これはできません。いまのお話では、学校を建てるということです。そうでしょう。公園をつくる、あるいは緑地帯をつくる、確かにこんなことはできません。あるいは病院をつくる、これもできません。病院も、患者さんがたいへんだからというので防音装置はできますけれども病院そのものはできません。改築もできません。あるいは防災施設、こんなものは新しくつくることはできません。あるいは下水道なんかも、本格的にやるとなると、これは防衛庁がいったってそうはいかない。つまり、いまのお話を聞いていると、河川から何からそこまで手を広げてお考えになっている構想だということになる。つまりいまの周辺整備法では手のつかないものをつくる、こういう理解ですな。よろしゅうございますね。
  23. 増原恵吉

    増原国務大臣 いま施設庁長官からお答えしました方向でございまして、御承知のように、周辺整備法は、議員立法といいますか、議員各位のきわめて熱意ある要望で生まれたといっていいようなものでございます。でき上がって相当に喜んではもらったが、やはりカバーできないものがある。しかし、これをカバーするようにというのが実はなかなかむずかしいので、いままで特に防衛庁当局は相当に検討を続けてきておったようでございまするが、なかなかしっかりした対策は具体的にできないというので、このたび関係官庁がまとまりまして知恵をしぼるということになったのでございまして、やはり重要な基地であればあるほど、ある意味のいわゆる基地公害が大きいといいますか、それを除去し、あるいは除去にかわる何らかの措置をとるようなことを考えてみなければなるまいという方向でいま知恵をしぼっている、残念ながらそういう段階でございます。
  24. 大出俊

    大出委員 これは言い方が悪いかもしらぬけれども沖繩では、ここに上原さんおるけれども、土地問題、基地問題その他をめぐって、会館を建ててあげましょう、学校をこうしてあげましょうとか一ぱいあった。話にもならぬ。これは言うならば懐柔策だ。今回は関東計画に合わせて大々的にあなた方はその周辺市町村に手をつけようという。これは市町村に通知を出して相談をされたのですか。あなた方は大々的におやりになろうとしている。  これは国民のサイドからすれば、関東計画そのものに、集約移転に伴って二百億をこえるたいへんな金がかかる。二百五十億ぐらいかかるんじゃないですか。ここに私は計算したのがありますけれども、きょうは時間がありませんから出しません。あらためてじっくりやりますが、地域別に何をおやりになるか、調べてみるとたいへんなものです。へたすれば三百億かかる。にもかかわらず、そのほかに集約され強化されるという周辺に、国民の税金を使ってたいへんな施設をつくろうという。ここまで何で日本側がせにゃいかぬのですか、外務大臣。一体そんなことまで何で考えなければいけないのですかね、大平さん。私はこの関東計画の中で、楢崎君の質問もありますが、地位協定の関係はこまかく詰めたいと思っております。だけれども、なぜそこまでのことをまずやらなければいけないのですか。  それは集約的に最後に聞きますが、さっきの米軍海兵隊訓練空域運輸省の金井技術部長がお見えになりましたので……。目下のところ小委員会でやっておられる中身を私は仄聞をいたしておりますけれども、どうやら山口県の沖のほうは高度で認めていこう。島根県の沖、四角いところ。これは86F時代から三角の地域、四角の地域も問題になった。これは大韓航空、KALがまん中を通るから分けて認めざるを得ないかもしれない、そういう形に進んじゃっては困るのです。安全対策要綱もできているわけですから。そこのところ、どうなっていますか。
  25. 金井洋

    ○金井政府委員 ただいま御指摘訓練空域は、米軍のほうから訓練空域設定したいということで、十一カ所ばかり申請がありました。その中で一応実現可能なものから順次検討しておるわけでございますけれども、ただいま御指摘の、大阪から釜山へ行くグリーン3という航空路がございますが、このグリーン3にまたがって訓練空域設定してほしいという要請がございました。ここは大韓航空日本航空が通っておりますので、この民間機に支障のない範囲内で設定可能かどうかということについて、まだ検討中でございます。近日中にその最終結論を出したいというふうに考えております。
  26. 大出俊

    大出委員 これは増原さんも大平さんも聞いていただきたいのですがね。近日中にというのはどういう意味かといいますと、さっき私のほうから例をあげたアメリカスカイホーク三十機、これが帰ってきているわけですね。これは訓練をすぐやらなければならぬというわけですよ、私がいろいろな方に聞いている限りでは。ところがその共同使用訓練空域ではやれないというわけです。専用の訓練空域がほしい。ついては早急に結論を出してもらいたい。七月からの新会計年度、これが目途なんだから、こういうわけですね。そこで、いま私が例にあげたように、三角の地域は高度で何とか調整をして認める。大韓航空の通っているところは両側に分けて認める。ところが向こうは、両側に分けられちゃ訓練ができないから困るというのでしょう。そうでしょう。——お認めになっておられますが、そこまできていて、近日中にきめる。きめられてからでは困る。  さっきもちょっとお話が出ましたが、この前の全日空機事故のときに、航空交通安全対策要綱を私持っておりますが、民間航空路の下は訓練空域設定しない、またがるものは設定しない、これはさまっているのです。そうでしょう。だから、そこのところは、これはもう事務当局云々の問題じゃない。またまた軍事優先なのかという問題に触れる。ここのところを一体どうお考えになりますか。この辺で、事情はおわかりになったはずですから、外務大臣いかがでございますか。
  27. 大平正芳

    大平国務大臣 基地の整理統合の問題でございますが、これは大出委員も御承知のとおり、沖繩のほうが若干内地よりも広い基地を持っておられるわけでございますので、関東平野もさることながら、沖繩基地の整備という問題は、沖繩開発計画との関連におきましても、何としても急がなければならぬことでございます。これはアメリカ側の事情というより日本側の事情でございます。  それから関東平野の問題は、こういうように高密度な地域でございまして、基地問題というのは非常な緊張を呼んでおる地域でございますので、順序としてはまず関東平野から取りかかるべきじゃないか。これも、アメリカの事情というよりも日本の事情でございます。したがって、われわれとしては、そういう日本側の事情を踏まえてアメリカ側協議して、整理縮小計画を進めておるわけでございます。アメリカとしては、安保条約並びに地位協定上持っておる権能で支障ないわけでございましょうけれども、われわれのほうとしての都合でそういうことをアメリカ側に要請し、理解を求めて始めておる計画であることをまず御承知願いたいと思うのです。したがいまして、米側にそれに同意していただく上におきましては、地位協定上支障のない限りは米側の要望もわれわれはくまなければいかぬ立場にあるわけでございまして、その辺をひとつ基本の問題として御理解をいただいておきたいと思うのであります。  それからいま岩国の問題でございますが、これは伺っておりますと、沖繩空港を民間空港に完全に開放するという目的のために、あそこにおりますP3とか海兵隊とかいうようなものをよそへ移さなければならぬわけでございまして、そこの要員があそこに移ってまいる問題のように承知しておるわけでございまして、これもアメリカ側が都合でそうするわけじゃなくて、こちらから沖繩空港を開放するという趣旨で、あそこにおる米軍の移動を考えていただかなければならぬことから起こった問題のように私は理解するわけでございます。  しかし、第二の問題として、その訓練区域の問題というのは、これに関連して起こったのか、それとも前々から話があったかという問題でございますが、いま伺いますと、前々からそういう話はあったんだということでございますから、いま専門家が検討しておるそうでございます。私どものレベルに上がってきた場合には、そういう十分な検討を踏まえた上で判断させていただきたいと考えております。  ちょっといま私申し間違いました。上瀬谷のほうへ要員が移ってくるという問題は、岩国じゃなくて沖繩空港との関連だということでございます。それから岩国の問題は、沖繩空港を開放するという関係のものではないようで、もともとあった話し合いのようでございますから、専門家の検討を待って判断させてもらいたいと思います。
  28. 大出俊

    大出委員 時間がありませんから先に進めますが、あとからまた詰めます。ただ二つだけ聞いておきたいのですが、いま出ました上瀬谷の通信部隊那覇空港からの移駐というのはいつになるのですか。それからもう一つ、ミッドウェーが来るとか来ないとかいろいろうわさが流れております。現地のいろいろな準備も進んでいます。したがってこれは、この夏とかこの春、前のいきさつからすると春。ここに資料がございますが、来春と、こうなっているわけですね、当時のいきさつは。いま六月ごろにパイロットその他がやってくるということになっている。六百人ばかり米海軍航空隊のサンジエゴにいるパイロットがやってくる、こうなっている。これは一体現時点でどの辺に見通しをお立てになっておられるわけですか、二つの時期だけひとつはっきりさせていただきたい。
  29. 大河原良雄

    大河原(良)政府委員 最初の上瀬谷への第七二の移転の問題でございますが、今月下旬というふうに承知いたしております。それからミッドウェーの横須賀への寄港の問題でございますけれども、近くミッドウェーは横須賀に寄港するというふうな話があるというふうなうわさがあるようでございます。確かめてみましたところが、米側として、いまのところそういう予定はないということでございます。家族の居住の問題につきましては、時期的に春といい夏というふうなことがいわれておりましたけれども、現在具体的な時期についてはまだ承知いたしておりません。
  30. 大出俊

    大出委員 そうすると、この上瀬谷のほうはたいへん早いことになるのですね。これがその後ふえないという保障はないわけでありまして、相当な問題がおそらく起こるだろうと思うのでありますが、ミッドウェーのほうは落ちておりますから、あるいは春とか夏とかでなくなったのかもしれません。ここらのところはひとつ、地域住民、市民の皆さんの感情というものもありますので、その辺は少し慎重にお取り扱いをいただかぬと、ことごとに問題が起こる。そういう形で外務大臣、これは御検討いただきたいと思うのでありますが、時間がございませんので先に進みます。  増原さん、立川の問題ですが、前の国会で、江崎さんが隣においでになりますが、佐藤総理が犬養総理の話までなさって、話せばわかる、だから私は話をつけます、こういう発言をなさったわけでございまして、各党それを了承して、それではひとつ話をつけてもらいたい、一国の時の総理が話をつけると言い切られたのだから、よろしゅうございますと、こうなっているわけです。あなたはそれを御存じでございましたか。
  31. 増原恵吉

    増原国務大臣 直接に存じているわけではないのですが、その後のあれで、佐藤総理のそのときの答弁が、民主主義のルールを守り、そして話をつける、話し合う、こういう姿勢であるというふうな趣旨の速記録が残っているわけでございます。十分話し合いをして、そして移っていくのだというふうに話をされたわけでございます。このことは大出委員も十分おわかりをいただいていると思いますが、防衛庁としても、係からこまかく時間があれば説明させますが、十分話し合いをせんとしてその姿勢を整え、努力をいたし、いまもなおその努力を続けておる状態でございますが、いままでのところ、立川に移ることには反対であるということ、当初よりそれ一本で、話し合うとかいうことにならず、話し合いの場をつくっても全然話し合いに入れなかったということもあるということで、その点は私どもとしても残念しごくに思っておりますが、佐藤総理の申された趣旨に私どもは十分沿って話をつける、話し合うということに全力をあげておるのでございまして、この後もなおその努力をしっかり続けてまいりたい、この点はひとつ御了承を賜わりたいと思うのでございます。
  32. 大出俊

    大出委員 これは増原さん、政党政治でございますから、しかも公の委員会でのやりとりでございますから、時の総裁であり総理である方が民主主義のルールを説明をされまして、犬養さんの話を出されまして、話をつける、こういうふうに議事録に残っているように言い切られた場合に、これはやはり時の総理大臣としては最高の発言ですよ。野党の私どもも、時の総理にそれ以上の確約をたたくなどということはできかねる。その総理が話をつけると言い切られたんだから、ぼくはそこで質問をぽっと切りている。総理がそこまでおっしゃったんだから信用しましょう、それしかない。そういうやりとりでも、江崎さんに言わせると、いや、あのときはあなたの気魄に押されて総理はついそう答えたと言っているけれども、それが民主主義のルールでしょう。言ってしまったらしょうがないです。それが現に議事録に残っている。私だけじゃない。伊藤惣助丸さんだって、東中さんだって、みんながあとから質問して、この点に触れて信用しましょうということで預けたわけです。それをあなた方は、議会側の筋には何の話もない。それでは将来、総理が、そういうふうに議事録に残っている、話をつけると言ったものをひっくり返しちゃっても、何があったって平気であなた方やってのけるというんじゃ、それこそ議会制民主主義の原理、原則が成り立ちません。あなたが知っておっておやりになったんだったら、どういう責任をおとりになるのですか。そんなばかな話はないじゃないですか。あなた方を信用してやりとりできぬじゃないですか。少なくとも一カ月やそこら待てぬはずはないじゃないですか。物理的に開けない時期なんだから。  あなた方の強行移駐というのは、かつては夜陰に乗じて、今度はあき巣ねらいじゃないか。それではいかぬよ。そういう点はなぜ一カ月待ってはっきりしなかったのですか。でなければ委員会開いてもらいたいくらいのことをあなた方言ったらいいじゃないですか。そうでしょう。人がかわったって、それならばあなた方の趣旨を聞きますよ。そうしなければ、せっかくやりとりをして、時の総理がそこまで言っている。それをみんなが確認をして話がついている。予算委員会のほうから引き継いでまとめたのです。それを一言もものを言わぬで、かってにあなた方が、話をつける、一生懸命やったと言ったって、これを見てごらんなさい。あなた方がお出しになった文章の中には、「自衛隊の使用計画を調整のうえ」となっている。いいですか。これは十二月二十日あなた方が出した文章四項目。この中には、「飛行場地区のうち、立川市議会議長から要望のあった地区(B地区)について、すみやかに自衛隊の使用計画を調整のうえ、返還を実現すること」。自衛隊が使うことを前提にする、それを認めた上で返還をすること。こんな文章を出して話し合えますか、向こうにすれば。むちゃくちゃじゃないですか。だからいまあなたが言うような話し合いに入れぬのですよ、これは。  私が、現場の格納庫の中で、現地に行って話をしたときだって、あくまでも暫定的なんです。大蔵省の関東審議会だってはっきり、これはその意味では暫定的なんです、白紙なんですと言っているじゃないですか、皆さんは。これでは白紙じゃないじゃないですか。こういうことをされて向こうが話に乗るはずがないじゃないですか。一言も話がない。これでは将来あなたが何を言ったって、そんなものはこんりんざい信用しませんよ。
  33. 増原恵吉

    増原国務大臣 大出委員の御趣旨も私どもわからぬわけじゃございません。私どもの立場もまたくんでいただきたいように思うのでございます。この暫定的使用というのはもちろんいまも生きておるわけでございまして、この間の協議委員会で大体三年くらいの間には——一、二年と三年とに分かれまするが、返ってくる。私どもがいま使わしてもらいたいと言っておるところは、三年ぐらいのうちには返してもらう。その際には、いま大出委員指摘のように、これはあらためて話し合いをする問題でございます。その姿勢を私どもは変えたりごまかしたりしているつもりはございません。私どもとしては、いろいろ大出委員はよく御承知でおられる。説明もいろいろな意味でお聞きになったでしょうが、やはり、東京都を中心とする大震災というか、大災害というようなものを予定した場合の災害対策として、あそこに相当のヘリコプターその他を持った災害救助部隊を置くことがどうしても必要だという立場の上で、何とか使わしてもらいたいという考えお話し合いを一生懸命やる、話をつける。総理もそういうふうに言われたものと私は存ずるのでございます。われわれのほうでその点は十分努力をし、手続をとり、回数を重ね、一生懸命やってまいったが、なかなか思うようにいままでなっていないというところは、さらに今後努力を続けてまいりたいというふうに考える次第でございます。
  34. 大出俊

    大出委員 十二日に立川市議会の皆さんとあなた方は、箕輪さん以下話し合われたでしょう。山下さんは行かなかったですか。あのときに新聞の発表しか見ておりません。あと現地の一、二の人から聞いただけですからわかりませんが、あなた方は、永久に使用するのだというような趣旨のことを言っているじゃありませんか。あなた方と新聞が違っていれば別だが、新聞にもそういうことを述べている。それで、いまあなたは、あくまでも暫定措置だ、返還されたら白紙なんだとおっしゃった。その点、明確にしていただきたい。  この昭和四十六年六月に開催された国有財産関東地方審議会の際の立川飛行場の審議に関する資料、この中身に、立川飛行場はまだ米軍に提供中のものであって、米軍が管理している。それで、ここでは、こま切れに立川だけの審議は困るじゃないか、あるいは住民感情もあるじゃないか、また首都圏整備委員会の計画もあるじゃないかという問題点が提起されて、いまここで審議はできぬ。これに対して、米軍がいま飛行場を管理している、したがって、管理している間の全く暫定的な共同使用なんだ。だから三項に、それらの意見をもとに、つまり、いま私の申し上げた首都圏整備委員会のマスタープランもある、また、こま切れに立川だけ審議もできぬ、あるいは住民感情もある、そういう意見がある中で、しかし、自衛隊の使用は、米軍に提供している間の一時的な使用であることを前提に、立川飛行場が返還された場合には、当審議会においてその利用についてあらためて審議すべきものである。あくまでもこれは一時的な使用であって、暫定措置なんだ、返還されたらあらためて白紙でこれは審議するとちゃんと書いてあるじゃないですか。そうでしょう。それを何であなた方は、四項目の中に、「自衛隊の計画を調整のうえ、返還を実現すること」、自衛隊はこう使います、こっちは返します、調整ができたその上で返還する——一体何ですか、これは。これじゃ使用が前提になっているじゃないですか。関東財産審議会がせっかくここまで、議事録まであるのに、何ですか。この点は一体どっちが、あなた方、真意なんですか。住民感情を考えなさいよ。十三万もいる中で八割も署名しているのだから。その点は、ここでフェアに論議されているように、あくまでも一時的な使用であるという点を認めなさいよ。だから、返還されれば白紙であらためて審議するのだ。あなた方が審議するのじゃないですよ、財産審議会がやるのだから、その点は明確にしておいてください。
  35. 長坂強

    ○長坂政府委員 二月十二日の市議会議長以下との懸談会のお話も出ましたので、関連いたしましてお答え申し上げたいと存じますが、いま大出委員指摘のいわゆる国有財産審議会におきますところの審議過程におきまして、いま御指摘のようないろいろな事項をあげられまして、このような過程を経て、返還の際にはあらためて審議することとし、とりあえず返還まで自衛隊が一時使用することはやむを得ないという結論になったということは、私どももよく承知をいたしておるところでございます。したがいまして、昨年の十二月二十日、防衛事務次官名をもちまして、立川市長及び立川市議長に対しまして、私どもがこの基地のあり方等に関しまする四点をお伝えいたしました際には、これに基づいての一時使用である、暫定使用であるという点を明らかにしておるわけでございます。
  36. 大出俊

    大出委員 長坂さん、繰り返して言うことはない。一つだけ言ってくれればいい。要するに一時使用、暫定使用だとあなた方が認めてくれればそれでいい。長官もよろしいですね。
  37. 増原恵吉

    増原国務大臣 それはいま長坂参事官が申しましたとおり、この間の話で私どもが申したのは、私どもとしては、他に適当な場所が関東エリアにない場合には、三年後になりますか、返ってきたときも使わしてもらいたい希望を持っておるということを申したと私ども報告を聞いておるのでありまして、現在の使用が一時使用である、返ってきたときにあらためてお話し合いをするというたてまえは動きません。
  38. 大出俊

    大出委員 それで、あなた方がよけいな願望なんか言うから、ものごとは混線する。新聞だって、よけいな願望と思わない、長官の腹の中だと思うから書いてしまう。無用なトラブルを起こさないでもらいたい。きまっていることはさまっているのだから。  ところで、一時的にというのはどういうことなんですか。地位協定にいう、二4(a)ですか、一時的というのは。どのくらいの期間が一時的ですか。山下さん、さっきあなたのところの官房の合議を聞きたかったけれども、あなたは答えないからいいですよ。
  39. 長坂強

    ○長坂政府委員 二4(a)の期間が続いている間、つまり、地元には三、四年と言ってございますが、その程度でございます。
  40. 大出俊

    大出委員 そうじゃない。あなたじゃない。地位協定を聞いている。事実行為を聞いているのじゃない。二条四項(a)というところに書いてある「一時的に」という表現は、一体どのくらいの期間をさして一時的というのか、こう聞いている。
  41. 大河原良雄

    大河原(良)政府委員 地位協定二条四項(a)に基づきます一時的にと申しますのは、使用の実態に照らしましていろいろなケースが考えられると思います。したがいまして、その使用の形態に照らしまして、長いものもございますれば、比較的短いものもある。したがって、まさに態様いかんというふうに考えておるわけでございます。
  42. 大出俊

    大出委員 そうすると、長いものもあるというと、五年たっても十五年たっても一時的ですか。日本語というのはそれしかないのですよ。
  43. 大河原良雄

    大河原(良)政府委員 おのずからそこに合理的な範囲でということがございまして、十年春二十年もということには当然これはならないと思います。
  44. 大出俊

    大出委員 合理的な範囲というのはどこに書いてありますか。
  45. 大河原良雄

    大河原(良)政府委員 解釈上また適用上の問題として、そういうふうに考えます。
  46. 大出俊

    大出委員 かってな解釈をしちゃいけませんよ。地位協定を合理的にとあなたは言うが、どこに合理的にと書いてあると言ったら、解釈上だ。あなた方がそう考えたってだめです。一時的にということが何年もたってしまう。そんなばかなことはないでしょう。安保条約が締結されてことしで何年ですか。そんなこと言うなら、安保の地位協定ができて以来何年たっておりますか。
  47. 大河原良雄

    大河原(良)政府委員 現行地位協定ができましたのは一九六〇年でございます。
  48. 大出俊

    大出委員 六〇年なら、それ以来十三年しかたっていないじゃないですか。これは、夜陰に乗じて夜盗のごとく先遣隊が入ってから、去年からことしまで一年だ。この一年たったあと三年続いたら四年じゃないですか。十三年間で四年間、一時的に使うのですか。そんなべらぼうな話がどこにありますか。どうなんですか、そんなことは通用しませんよ。いかがですか、大臣。十三年間しかないものを四年間で、それで一時的ですか。ふざけるな。
  49. 増原恵吉

    増原国務大臣 そういうふうにおっしゃられるとまことに困るのですけれども、「一時的に」というのは、やはり、アメリカ局長が言いましたように、態様に即して考えていただかなければいけないので、いままで約一年、あと三年くらいで返ってくるという間は、私どもはやはりこれは一時的と地位協定上考えていただいていいんじゃあるまいか、そういうふうに考えるわけです。
  50. 大出俊

    大出委員 あなたそう答弁せざるを得ないということですよ。「一時的に」という日本語は、四年もかかって一時的ですか。そんなことじゃないんじゃないですか。いかなる法律を見たって、「一時的に」というのを四年だ、五年だと、そんなことはないでしょう。十三年間しかない地位協定、その中で四年間、そんなことを「一時的に」と認められますか。そんなことはめちゃくちゃじゃないですか。  「一時的に」というのは、−将来のこともあるので、ニクソン・ドクトリンというのは、みんな共同使用方式をとろうというのだ。「一時的に」ということで、三年も四年もほっぽらかされたらたまりませんよ。「一時的に」ということは、それならどういうことか、明確にそこら辺相談してください。大河原さんのほうは合理的に、解釈上、あなたのほうは三年か四年ぐらいならば「一時的に」ということでしょう、そういういいかげんなことで、対国民で通りますか。この地位協定の二条四項(a)にいう「一時的に」というのはどういうことかということを、あなた方は私のほうにひとつ見解を出してください。そんないいかげんなことじゃ困りますよ、出してください。  二4(a)というのは、比較的いままで期間が短かった。しかも建物一つなんということがよくあった。たとえば、板付の空港における建物一つとか滑走路、そういう部分的なものを二4(a)でよくやっておった。だから、これは前長官もそこにおいでになるけれども、二4(a)については、返還されたものについてだからいろいろなことがあるので、これはずいぶん論議した。二4(b)は「一定の期間」。この「一定の期間」、「一時的に」、いずれにしても限度があるのです。二4(b)のほうが中心で論議をされましたが、その中で中曽根さんは私に、半年、少なくとも半年をこえても一年にもなることはないでしょう、こう答えた、それは「一定の期間」なんです。「一定の期間」と「一時的に」とどっちが長いのだ。「一時的に」というほうが短い。だから、一ぺん一時的に使ったらまた行くということもある、反復、断続的に。そういうことはあるのだというんだ。「一時的」というのはそういう論議もいままでやってきている。だけれども、「一時的に」というのを四年だなんてばかなことを言った人は、いままで一人もない。あなた一人だ。四年間あっても「一時的に」でございますなんていうことをぬけぬけと言った長官は、あなた一人だ。日本語の解釈上通用しない。しかもまた大河原さんみたいに、合理的に、そんなものはどこに書いてあると聞けば、いや解釈上。てまえがってに解釈したって、そんなことはだめですよ。これははっきりしてください。
  51. 増原恵吉

    増原国務大臣 そういうふうにたたみ込まれてきますると、いまここで明確にお断わりをいたしかねますので、相談をさしていただいて、あとでひとつお答えをさしていただくということに願いたい。
  52. 大出俊

    大出委員 そんならば、一年なら一時的か、二年なら一時的か、三年なら、四年ならどうなんだ、五年ならどうなんだ、答えてください。一年なら一時的で、五年なら一時的じゃないのか。それなら六年ならどうなんだ。一年といえば三百六十五日、差がないんだから、あなたは四年まで一時的というのなら、五年だって一時じゃないですか。違いますか。
  53. 増原恵吉

    増原国務大臣 そこは、さっきアメリカ局長も言いましたように、合理的にとか態様によってとかという、あれがあったわけでございまして、そういう、ことばではいま的確にお答えがいたしにくいので、相談をしましてあとお答えをするようにさしていただきたい、こういうふうにいま申し上げているわけでございます。
  54. 大出俊

    大出委員 事ごとに拡大解釈をする、曲解をする、都合のいいようにこじつけるということで既成事実を積み上げるということはやめたほうがいいですよ。国民感情が悪くなるばかりです。だから、そこのところはあとで文書か何かにしてください。よろしゅうございますか。先々のことがあるから、よろしゅうございますな。
  55. 増原恵吉

    増原国務大臣 さようにいたします。
  56. 大出俊

    大出委員 いまこの席だって、外務省の北米局長さんのお話増原さんのほうで違うんだから、そこら辺、御相談の上、はっきりしてください。  それからもう一つ、二条三項。これはここではっきり書いてあるじゃないですか。こんなに長い間使用目的を失ったものを何で置いておかなければならぬのですか。これは日本側に返すことになっているんじゃないか。念のために読み上げましょうか。二条三項「合衆国軍隊が使用する施設及び区域は、この協定の目的のため必要でなくなったときは、いつでも、日本国に返還しなければならない」。これは基本ですよ。「合衆国は、施設及び区域の必要性を前記の返還を目的としてたえず検討することに同意する」、こうなっている。これは立川の場合には、皆さん御存じのとおりに、飛行停止をしたのは四十五年でしょう。これだけほっぽっておかなければならぬ理屈はどこにあるんですか。立川飛行場の飛行停止の発表は一九六九年、四十四年十月。だから、飛行停止をして、七三年なんですから足かけ四年でしょう。あと三年で七年でしょう。地位協定ができて十三年でしょう。七年間も使用目的を失っている。滑走路は短いんだから、砂川闘争で延びなかったんだから、ジェット機は使えないんだから、朝鮮だの何だの、この基地は物資輸送だの連絡しかやってなかったんだ。そうなると、四十四年に飛行停止の発表があってから今日まで、これからまた三年間、何で一体返還ができないんですか。あくまでもあなた方は暫定使用でしょう。いかがですか。
  57. 大河原良雄

    大河原(良)政府委員 立川の飛行場は、滑走路を中心として、中地区をはさんで東地区、西地区と分かれてございます。したがいまして、滑走路を中心といたします、飛行停止の状況において、東地区、西地区の処置につきまして、十分な計画が現在立たない段階において分離返還は困難であるという状況のもとにおいて、とりあえず中地区、つまり滑走路部分につきましては共同使用認められた。今回東地区、中、西地区につきまして全体として返還ということになったわけでございますので、二条三項の趣旨もございまして返還の方向に踏み切ることになったわけでございます。ただ、返還にあたりましては、いろんな移設その他の問題がございまして時間がかかりますので、今後三年内にということに合意を見たわけでございます。
  58. 大出俊

    大出委員 これはあなた、うそ言ってはだめですよ。ここにありますが、これは第二百二十四回の合同委員会の中身です。ここに「昭和四十四年十月、米軍は当地区における飛行活動の停止を発表した。同年十二月以来飛行活動は停止され現在に至っている。陸上自衛隊の東部方面航空隊は、現在宇都宮に置かれており、かねてより首都防衛及び災害時の活動を容易にするため」と、「首都防衛」がちゃんと入っている。増原さん、あなたは災害、災害と言われるが、ちゃんと「首都防衛」が入っている。「首都防衛及び災害時の活動を容易にするため首都近郊に配置すべく検討中のところ、米軍の飛行活動停止に伴い」——四十四年飛行活動停止のときに、すぐ自衛隊のほうは、ここのところをあとよこせと言っているんだ。それをこの合同委員会で向こうさんが認めたわけだ。「立川基地の飛行場部分を同航空隊が地位協定二4(a)により共同使用すべく施設部会を通じて提案中であったが」——あなた方はちゃんと提案されていた。それを「今般の合同委員会において承認された」、こうなった。いいかげんなことを言ってはいけませんよ。あなた方が共同使用を提案しているからこれが延びている。その気がなければ返す。また、増原さん、あなたは災害出動だと言うけれども、「首都防衛」はちゃんと明確になっているじゃないですか。陸上自衛隊の東部方面航空隊は、首都防衛及び災害時の活動を容易にするために、アメリカ側にかねてから申し入れていた、それが今回飛行停止になったんで合同委員会はそれを認めた、こうじゃないですか。何が災害ですか。うそばかり言ってだめですよ。いまの点について反論があれば言ってください。
  59. 増原恵吉

    増原国務大臣 このたびの立川へ宇都宮から移転をしまする際の質疑応答の中で、もっぱら首都及びその近傍の災害対策のために使いますということを申したわけでございます。しかし、自衛隊部隊でありまするから、基本的には防衛なりの任務は持っておるわけでございまするから、この首都防衛の必要が生じた場合に絶対使わないということでないことは、この法文解釈上御理解をいただいていいのではないかというふうに思うわけでございます。  そういう意味で、また一方では治安出動のためではないかという御疑問もその時分にございましたが、やはりもっぱら災害出動、災害派遣、災害救助のためであるというふうに申しておるわけでございます。これもしかし、法律上と申しまするか、任務上治安出動には絶対当たらないという筋合いのものではないというふうな言い方を私は申したことがあるわけでございまするけれども、現在の状態を考えまして、私どもがこの首都周辺に治安出動をやるなんということは考えられない事態であるとも思いまするし、もっぱら災害派遣、災害救助のためであるという申し方を前任者以来いたしておることを、間違って申したと申しまするか、そういうことではなく、やはり災害出動をもっぱら目的とするという意味で宇都宮からあそこへ移転をしてまいった、こういうつもりでございます。
  60. 大出俊

    大出委員 つまり合同委員会のこの中身は、先般ここで、全部でありませんが、私は明らかにした。外務省の方もおいでになったが、皆さん反論なかった。いまあなたも明確に否定をしていない。ちゃんと「首都防衛」というものが一本入っている。「首都防衛」が前に出て「及び災害時の活動」が入っている。「首都防衛」という中には治安出動も含まれている。基本的に隊法に明確なんだから、これははずせませんよ。そこのところをはっきりしてください。  そこで江崎さんに伺いたいのは、実はこの住民基本台帳法に基づく例の登録問題がございました。立川市長阿部さん、那覇市長平良さん、革新市長会の飛鳥田さん、三者がお見えになりましていろいろ相談をいたしました。ところが問題があとにたくさん残ります。なぜかといいますと、那覇の場合でも、家を建てたいといって、三件、家の確認申請が那覇市に出ているが、一件しか許可していない。それは市がごねればできませんよ、治外法権なんだから。そうでしょう。あなた方が革新市長会の質問に答弁された答弁書からすると、つまり日本の主権が区域、施設を提供することを認めたんだというわけです認めた、だから一主権は存在をする、ただしかし、そこで地位協定で調整をしたんだと、こういう。その中に書いてある。だけれども、現実にしからば及ぶかというと、及ばないことは間違いないのです。管理権は向こうにあるんだから。諸外国の基地だってそうだと書いてある。そうでしょう。そうすると、いけないものを許可できない。新しい法律条項を持ってくれば、これは幾らでもまた同じ問題が起こる。そこで、じゃ消防車は火事になった場合に持っていけないのか、狂犬が飛び込んだら行けないのか。そうでしょう。何も人の家のとびらをあけて中に入り込むことを自治体は言っているんじゃない。おのおの法律認められている範囲内で、いかがでございますかということを自治体のほうは言っているのです。強行手段をもって中に入ろうなんということを言ってはいない。  そこで問題は、一番の基本は、まず自治権は憲法で保障されているわけです。明治憲法じゃない。だから安保条約の第三条だって自国の憲法に従うことを前提にして締結をされている。そうすると、日本国憲法は自治権を認めているんだから、その自治権というものを尊重する限りは、自治権と治外法権になっている基地との関係というものはどうなのかということは、いずれにせよ明らかにしていかなければならぬ筋合いです。そうでないから問題が起こる。したがって私は、国内法優先だなんということを前にも強調したんだ。そうすると日本政府の側は、憲法に保障された自治権を尊重しようというならば、法律関係いろいろございます。ございますが、最大限の努力をして自治権が通り抜けていくように努力をするのはあたりまえでしょう。横浜の市長や那覇の市長や立川の市長が対米折衝するんじゃないんだから、二国間の条約、協定なんだから、そうならば最大限の努力をするのはあたりまえでしょう。それを突き詰めていけば、憲法が認めている自治権なんだから、自衛隊だって憲法のワクの中でつくられている。本音はともかく、たてまえはそうなんだから。そうだとすると、その限りでは、市議会が、あるいは県議会が反対だといってきめたことについては、まず国は認めるべきですよ。でなければ自治権の存在はなくなってしまう。とこの問題なんですね、まず焦点は。だから、自治省の立場からも、そこのところをはっきりさせておかないと……。  三市長の私どもに対する言い分は、将来自衛隊を派遣する、じゃその市議会がそれを認めるのか、認めないという結論が出たら、自治権を尊重する立場で答えてもらいたい。そこまでのことをやはり国は詰めるべきではないか、アメリカの側とも。たとえば米軍の場合も一緒です。そこまでいかないと、自治権の存在はないんじゃないか。特に自衛隊というのは総理が責任者なんですから、自治権の関係はそう考えるべきじゃないかということなんですね。この基本が割り切れれば、それは登録だって認めたっていいんだというわけですよ。国がそこまでの努力をする。いまここで、市議会が認めなかったら派遣できませんというところまで、いきなりはきまらないでしょう。きまらないが、日本国の新しい憲法のもとにおける自治権というものを尊重するんなら、二国間の条約なんだから、地位協定なんだから、そういう意味では自治権が尊重される、その前提で最大限の努力を国がする、これが正しい、こういうことになるということなんですね。この基本についてははっきりしておいていただきたい。そうでないと次々に住民登録拒否式のトラブルが起こってしまう。いまここで皆さんが、向こう向けと言って、それじゃ認めましょうと言っても、それでおさまらないということなんですね。そこのところをどうお考えになっているかという点だけは、ひとつはっきりしておいていただきたい。
  61. 江崎真澄

    江崎国務大臣 最初に、今度問題になりました住民基本台帳法に基づく問題でありますが、これは、私ども何べんも申し上げてきましたように、立ち入り権というものではない。相手の許諾を得て、また今度の場合でも、よろしゅうございますという了解があるわけですね。したがって、居住に関するいろいろな条件を調査するという場合は、これはもう相手の了承のもとに入ることができる。これはいま大出委員もおっしゃるように、相手が拒否するものを押しのけて入っていく、これを立ち入り権といいますが、そういうていのものではないということだけは終始主張してまいったところでございまして、必要に応じて、屎尿の処理はどうなっているか、清掃関係がどうなっているか、じんあいの処理はどうか、これは当然相手と話し合いのつく問題ですから、住民基本台帳に関する限りは、これは話し合いのもとに調べていただくことができるであろう、こういうふうに考えております。  それから第二点の、地域の議会が絶対反対であるといっておるところへ、自衛隊あるいは米軍にしろ、それぞれ乗り込んでいくということはけしからぬではないか、そういう場合はやはり、自治権を認めた以上は自治体の議決というものが尊重されなければならない、こういう御趣旨ですね。これはもとより議会の議決というものは尊重されなければならぬと思います。そういうところに、今度の立川の場合でも、話し合いをつけようということで再三再四にわたって話し合いをしたわけです。地方議会の議決と国の国策の方針とが違う場合、これはあり得ると思うのですね、それをはっきりしろ、こういうことなんですが、やはりこれはできるだけ話し合いをする、これはもうそういうことで、基本的に私どももそうなければならぬというふうに考えております。  前回の、たとえば具体的にこの立川の問題を申しましても、あの当時市議会から条件が十二項目にわたって出まして、そうして話し合いに入っておったわけですね。それがまたその後変わったというわけでありまするが、やはり話し合いの場面があったことは事実だと思うのです。まあこれが十分意思疎通しなかったという点はいかにも残念でありまするが、これは私が申し上げるより、防衛庁長官が繰り返し申しておられるように、何べんも話し合いに入ろうと思ったが、相手が入ってこない、何ともならなかった、国策遂行を優先させたというわけでありますが、これはどうもいたし方のない仕儀になったと思いますが、今後にかけましても、当然、地域住民の声、特に市議会、県議会等、地域の議決があった場合において十分話し合っていくということの方向は、これは自治省として尊重していかなければならぬというふうに考えております。
  62. 大出俊

    大出委員 では、自治体の長の方々は、その点をいまここで、法律改正だ云々だという、そういう手続的なことを言っておる時間的余裕はない。きょうあす起こる問題ですから。狂犬が飛び込んじゃったらどうするんだろうという問題だってあるわけですよ。腕章をつけて入っていったら、いけないと言われるのか。だからそういうところは、自治権を尊重していく、事前にしかるべき二国間折衝をしなければならぬだろう。つまりそれは、憲法にいわれる自治権を、治外法権といいながら最大限認めていく、その努力なしに全く治外法権のままであったとするならば、治外法権であるために市は責任を負えないわけだ。負えないものが家を建てると言われたってできぬじゃないか、こういうことになる。何か間違いが出たらどうするんだということになる。確認はない、じゃ建ててけが人でも出たらどうするんだということになるじゃないか。だから、そういう意味で、自治権というものをどこまで尊重するかという政府の明確な方針が必要であろうということですよ。そうでなければ似たような問題が起こる。ぜひこれは御検討いただきたい。  それから地位協定の関係は、残念ながら、昔の記録を見ましたが、たとえば路線権なんという、安保条約、地位協定の問題を国会で論議した時代、たまたま岡田春夫さんが路線権という問題を質問されておりますけれども、こまかくはないのですよ。そこに一時的に行ったら、その一時的は三年でも一時的だ、四年でも一時的だということになりかねないことになる。それじゃ困るんで、やはりこの辺は、ここまで来たら、戦後じゃないんだから、十三年たった地位協定なんだから、政府の自主性というものをぴしっとしていただかないと、そこに政治不信につながる場面も出てくるので、これを厳密に運用する必要があると思うのです。  そういう意味で、どうでしょう、ひとつこの先は、御回答いただいた中で地位協定の問題たくさんあるので、時間もございませんからあらためてやることにして、保留さしていただきます。
  63. 三原朝雄

    三原委員長 中路雅弘君。
  64. 中路雅弘

    ○中路委員 いまの関東計画をはじめとした基地集約移転、こういった基地問題全般について、あらためて時間をとっていろいろお尋ねしたいわけですけれども、きょうは限られていますから、立川の問題だけに限ってお尋ねしたいと思います。  最初に、前回の一月十六日に行なわれたこの委員会で、防衛庁長官がおいでにならなかったので、箕輪政務次官が答弁されているわけですけれども、この中では、立川に対する移駐について、これは箕輪政務次官の答弁ですけれども、「そこに居すわるという考えはいまから固めているわけではございません。そういう時点において、あと地の利用については、地元側、特に昭島市や立川市とよく相談を申し上げてきめていきたい、こういう腹でおります」。またほかの個所で、「全く白紙で返還時には御相談を申し上げたい、こういうことでございます。特に私どもがこだわってそこに居すわるという気持ちは、現在のところ持っておらない」という答弁を繰り返しされておるわけですね。ここで言われておるのは、いまから居すわるという気持ちも腹もないのだ、全く白紙だという答弁をされているわけですけれども、その後、先ほどもありましたけれども防衛庁長官あるいは長坂参事官も、あるいはきょうの答弁でも、その時点でおらしてもらいたいという希望を述べたということが答弁されておるわけですけれども、この前のこの委員会の中での答弁は、全く白紙なんだ、居すわる腹はいまから固めておるわけではないのだということを繰り返し言われておるわけですね。この点を最初に、防衛庁長官がこの前は欠席だったでしょう、だからまずはっきり聞きたい。
  65. 増原恵吉

    増原国務大臣 御質問の点は、先ほどからもたびたび申し上げたことでございますが、たてまえといたしましては、いま御指摘になりましたように、あるいは政務次官がお答えをしましたように、白紙であるということでございます。ただ私どもとしては、大体三年ぐらいということで、あれが本格的に返還をされるという時期に、いろいろ手続もあることでありますし、あらためて白紙で相談をするわけだが、首都の災害派遣といいますか、災害救助というふうなものを考える場合に、もし他に適当なところがないというふうなことであるならば、そういう場合になお続いて使わしてもらいたいという希望は持っておる。これはそういう希望を申し述べたので、基本としてのたてまえを変えてまいったときには白紙で御相談を申し上げるという意味は変わりはない、そういうつもりでおるわけでございます。
  66. 中路雅弘

    ○中路委員 そのときの答弁では、希望を持っているとか、そういうことではないのですね。いまからこういう居すわるという考えはございません、あと地については地元とよく相談申し上げていきたいということですね。希望だけじゃなくして、そういう腹もまだないんだ、固まっておるわけじゃないんだということを言っておられるわけですね。そういう意味で、たてまえじゃなくて腹もまだ白紙なんだと、この答弁は受け取れるのです。それからあと防衛庁としては居すわる気持ちがあるのだ、希望があるのだということでは、明らかに違うのじゃないですか。
  67. 増原恵吉

    増原国務大臣 そういう点のやりとりについては、あなたも御承知のように、相当経過、経路があるわけでございまして、私がいまのようなお答えを申し上げましたのは、最近に、防衛庁側と市議員の有志の方と申しまするか、懇談の際に、いま申したような意味における希望があるという——これは懇談の席でございまして、速記をとってあれをしたというふうなたてまえの会合ではなかったわけですが、そういう場合にそういうことを防衛庁側で申したということでありまするので、私はそのことにあえて触れて申し上げたのでございますが、そういうことを申しましても、その際に、政務次官が申し上げました、白紙であるという基本的なたてまえは変わらないということに御理解をいただき、御承知を願いたい、こういうつもりでございます。
  68. 中路雅弘

    ○中路委員 それでは、ここで答弁されているように、その時点では、地元の側、特に拝島市や立川市とよく相談申し上げてきめていきたい、このことについては変わりはありませんね。
  69. 増原恵吉

    増原国務大臣 十分御相談をし、また話し合いに乗っていただくように努力をいたしまして、よく話し合いをして話をつけてまいりたい、こう思います。
  70. 中路雅弘

    ○中路委員 一月十六日のあと、二十三日に第十四回の日米安保協議委員会があったわけですが、ここで防衛庁長官は四次防の概要についても説明をされているという報道をされた新聞もありますけれども、この協議委員会のところで、立川飛行場の返還の問題が発表文に出ていますけれども、関東地区の空軍基地を集中、統合するという問題と、自衛隊立川にいわば移駐するというこの問題と、この間でアメリカといろいろな話し合いや約束は全くないわけですか。自衛隊の暫定的な移駐というのは防衛庁の自主的な方針でやられたわけですか。
  71. 増原恵吉

    増原国務大臣 いわゆる関東計画自衛隊立川へ移駐をしてまいったということは、関係なく決定をいたしたことでございます。
  72. 中路雅弘

    ○中路委員 これもこの前の議事録で久保局長が、これは受田さんがアメリカ基地の使命について質問をされた答弁ですけれどもアメリカが将来おそらく手放すかもわかりませんが、当面の間は米軍としては常に代替基地というものを保持をしておきたいという考えがございます。したがいまして、そういったような要素が当面しばらく存続するであろうということで、共同使用の形になるであろうと思いますけれども、という答弁をされているわけですね。横田に集中をしても、軍事のほうは詳しい久保さんの答弁のほうが非常に正確だと思うのですけれども、その近くに補助的な基地、代替基地を置いておきたいというのは、これは軍事的な常識だと思うのですね。現に沖繩でも、嘉手納基地の近くに読谷ですか飛行場がある。私も去年見てきましたけれども、滑走路なんか草がはえておっても、これは手放さない、置いておくということで、この関東の空軍基地を集中するという中でも、その近くにアメリカとしては予備的な基地を持っておきたい、補助的な基地を持っておきたい、これは安上がりに自衛隊に確保さしておく、そしてまた自分たちもある場合には当分の間使えるようにするというようなことが、当然軍事的な意味からいえば考えられるわけですね。  こういう点でもう一度お伺いするのですけれども自衛隊の移駐というのは、アメリカとのこういう約束や話は全くなくて、全く防衛庁の判断でやられたのだ。そうだとすれば、これが全面的に返還になった場合は、地元の意思、そういったものを十分尊重してあとをどうするかということをきめる自主的な立場を持っているのだというのかどうか、その点についてもう一度はっきりお伺いしておきたいと思います。
  73. 増原恵吉

    増原国務大臣 必要があれば防衛局長から補足をさせますが、最後のところがあなたの大事な質問点だろうと思いまするが、立川へ参りましたのは、あくまで防衛庁が首都における災害派遣ということを考えてやりましたので、いわゆる関東計画の補助計画であるとかなんとかいうような意味は持っておりませんので、関東計画とは関係なく、私ども立川の問題はもちろん処理していく。先ほども申し上げたように、地元ともよく相談を、いままでも一生懸命やっておることですが、これからも続けてまいりたい、そういうたてまえでございます。なお、局長から補足をさせます。
  74. 久保卓也

    ○久保政府委員 特別ございませんけれども、軍用機だけでなくて民間機でありましても、常に、オールターネート、いざという場合の代替の飛行場をほしいというのは当然でありましょう。しかしこの場合にはやはり、立川基地を返還してほしいという日本国側の要望と、それから経費節減という米側の希望というものが合致したものであろうというふうに思います。米側としては、運用上若干の不便は忍びましても、この返還というものは実現するわけで、かりに代替地がほしい場合に、たとえば厚木を使うか、どの辺を彼らとして希望するか、そのところは私どもまだ確認はいたしておりません。
  75. 中路雅弘

    ○中路委員 この協議委員会の発表文によりましても、この横田への空軍基地集約移転というのが、新しいニクソン・ドクトリンに基づいた米軍基地のより効果的な運用をねらった再編成一環であると思いますけれども、しかしこの発表文自身の中でも、立川基地の返還の問題はこういうふうになっておるわけですね。「日本側は、全国的な急速な都市化にみられるような最近の社会、経済および環境の変化を指摘するとともに」とあって、しばらくあって、「人口稠密地域において深刻化している土地問題および安保条約の目的上必要でなくなった施設・区域の返還についての日本政府の要望を考慮に入れていることを説明し」というのがあるわけですけれども、この発表文で見る限り、アメリカのほうも、この人口過密地域におけるこのような軍事基地について、この事情も考慮に入れて返すんだということを説明でいっているわけですね、その中の一つの要因として。こういうことで返されるとすれば、当然これは人口過密の地域におけるいろいろな矛盾、こういう問題が出てきているわけです。これはこの協議委員会趣旨からいっても、当然地元の住民に返される。ここへまた自衛隊が入って飛行場に使うというのは、この立川の返還の発表文自身からいっても趣旨に合わないじゃないですか。この点はどうでしょうか。
  76. 増原恵吉

    増原国務大臣 その点は、いままで皆さんから御指摘を受けておる大事な点でございます。私どもも、この立川という、もう首都圏の中に入っておるいわば過密地域にああいうものを持っていくことをやらないで済めば、もうこれにこしたことはないという考え方は持っておるわけでございます。遺憾ながら現在のところ、首都周辺で東に木更津がありまするが、西のほうに一カ所ほしい、ヘリコプター相当数を災害に備えて集約できるようなところがないということで、いろいろ地元にもお話をしお願いをして、ああいう現在のような成り行きになってきておるのでございます。大体返ってくる面積の中の五分の一くらいのものを使わしてもらいたい。五分の一といえども、市及びその住民にとりましては、ほかに使いたいことがあることも私どももわからぬわけではございませんが、首都の災害派遣ということを考えました際に、いまほかに相当の地を見つけることがきわめて困難であるということで、あそこに災害派遣のための部隊を持っていった、そういうことでございまして、米軍関東計画基地集約とは関係はないということでございます。
  77. 中路雅弘

    ○中路委員 先ほど地位協定の二条三項が問題になりましたけれども、この二4(a)の「合衆国軍隊が施設及び区域を一時的に使用していないときは」というのは、アメリカのほうが管理権を持っていて、それを米軍が「一時的に使用をしていないとき」ということですね。立川は四十四年の十月からすでに四年間飛行停止になっている。これからも、これは返還されるということで、使わないわけですね。この地位協定の中に「一時的に使用していないときは」ということがあるわけですけれども、これからいっても、当然この基地は直ちに返されるというのが当然だと思うのです。先ほど大出さんから、自衛隊が借りる、使う場合の一時的な話がありましたけれどもアメリカが「一時的に使用していないとき」という、この「一時的」というのはどのくらいの期間なんですか。
  78. 増原恵吉

    増原国務大臣 この問題も、先ほどの大出さんのあれときわめて関連のあるあれでございまして、これはやはり私どもも、外務省側と相談をいたしませんと、まことに申しわけないのですが、お答えをいたしかねますので、協議をしてお答えをするまで御猶予を願いたいと思います。
  79. 中路雅弘

    ○中路委員 それでは、この地位協定二4(a)の「合衆国軍隊が施設及び区域を一時的に使用をしていないとき」の「一時的」というのは、期間でいえばどういう状態なのか、これはあとで返事をいただけますか。
  80. 増原恵吉

    増原国務大臣 あとで御返事を差しあげることにします。
  81. 中路雅弘

    ○中路委員 もう少し中身についてお伺いしたいのですけれども立川基地が使用停止になって、先ほどその東側、西側返還の話がありましたね。この地域にはまだ病院住宅の施設はありますね。一番使っていないのは滑走路でしょう。A地区は一両年とか、東側地区、西側地区とありますね。しかし、返す順序からいえば、全く使っていないその滑走路の部分から返すのが当然じゃないですか。それが逆になって、この全く使っていない滑走路だけ一番最後まで残しておくというのは、この地位協定の「この協定の目的のため必要でなくなったときは、いつでも、日本国に返還しなければならない」、こういう趣旨からいっても反対になっているんじゃないですか。その点はどうなんですか。
  82. 増原恵吉

    増原国務大臣 この返還をきめまする最近の日米協議委員会でも、外務省中心にして防衛庁も若干参加をいたしましたが、米側とたいへん精力的に協議をしてああいうものをまとめ上げたわけでございます。米側が使わなくなりました立川の地区は、滑走路と東側地区、西側地区とありまするが、やはり米側としては、関東計画というような集中能率化計画も考えておる際でもありまして、一つ一つ要らなぐなったものを返すというやり方は、米軍としてもとりにくい立場であったと見えて、全体をまとめて考えていく。これはほかの地区でも、使わなくなりましても、なかなかすぐ返してくれるというふうな形にはなっておりません。そういう点は、その方面の基地全体をにらんだというふうな形——そういう意味では、関東計画と全然関係がないとさっき申し上げたのと、私は矛盾はしておらないつもりで申し上げておるのであります。そういう意味で、全体をにらんだ上での形でありましたので、こういうふうに日本側へ返すのが約三年ぐらいというふうなことにきまった、こういう経過であると思います。
  83. 中路雅弘

    ○中路委員 関東計画そのものについては、きょうは質問しませんけれども、関連があるのでこのことは聞いておきますが、関東計画で約二百五十億ぐらいと新聞にも出ていますけれども、施設の費用としてことしすでに三十七億の予算が計上されていますが、立川基地横田集約する場合、この中で大体幾らの金を出すということになっているのですか。
  84. 高松敬治

    高松政府委員 個々の基地について幾らを集約するというふうな話し合いよりも、むしろいま関東計画で申しますと六つの施設がございます。その六つの施設の中で幾らぐらいを横田に必要であるか、こういうことでございまして、住宅で申しますと、現在は六つの施設に二千五百十二戸ございます。それを横田に二百七十五戸つくる。約一割ぐらいのものをつくる。それから既存の建物だけで申しますと、大体百五万平米ぐらいございますが、これは二十七万平米ぐらいに集約するというのが全体の計画でございます。そういうことでございますので、何戸が横田に移る勘定になるかということは、実は計算いたしておりません。全体として計算をしておるということでございます。
  85. 中路雅弘

    ○中路委員 そうしますと、一つの例でお尋ねしますけれども、いま飛行停止になって全く使っていないわけですが、この立川飛行場の米軍の航空管制機械、これはアメリカが持っていくのですか。それとも自衛隊がこれを使うのですか。
  86. 久保卓也

    ○久保政府委員 私は現地を存じませんけれども、いま自衛隊のほうでは二月一ぱいに管制器材を整備すべく努力いたしております。したがいまして、米側の管制器材はおそらく撤去されたものではなかろうかと思っております。
  87. 中路雅弘

    ○中路委員 そうしますと、アメリカのほうの管制機械は持っていって、それをこちらが買い取るとか、そういうことはないですか。
  88. 久保卓也

    ○久保政府委員 米側のものを買い取るのではありませんで、自衛隊が国内の業者から整備していくというふうに聞いております。
  89. 中路雅弘

    ○中路委員 立川基地への自衛隊の移駐は暫定的な使用だということで、先ほどお話のように、国有財産審議会のときには白紙なんだ、地元の意向も十分尊重して相談に乗るのだというお話ですね。しかし実際には、いまのお話だったら、これから自衛隊のほうが施設もそこにつくって、航空の管制の機械まで、アメリカのほうの管制の機械をそれこそ一時使用するんじゃなくて、それは取り払って、自衛隊はここに新しくそういう航空管制の機械も備えつけるんだということになれば、これは全く居すわりじゃないですか。それを見越していまからいろいろ着々と準備をしているということしかないんじゃないですか。
  90. 久保卓也

    ○久保政府委員 いずれにせよここはヘリコプターを飛ばせる基地になるわけでありますから、ヘリコプターを飛ばせるためには、管制器材を設置しないと自由に飛ばせるわけにはまいりません。現在のところは、横田米軍の管制のもとに臨時的に飛ばしておりますけれども、正式には運輸省の許可を得て、管制器材、管制官を置いて運用する。そのことと、それから、三年後でありますか、その際にあらためて審議会にかけて御相談申し上げるということとは、必ずしも矛盾するものではないと思います。
  91. 中路雅弘

    ○中路委員 これはやはり、いまの久保局長の話は、結局、そういうことで現地をごまかしながら、防衛庁がここへ入ってくるのは、三年後もうはっきりここへ居すわるんだという準備をいまから着々とやっている。それは、ここの答弁の中では、白紙だ、いまからそういう居すわる腹づもりもないんだという答弁をしながら、たまたま現地のほう、国会の外になれば、防衛庁長官にしても、長坂参事官なんかはっきり腹のうちを話しているのです。この間も地元の代表と会って、私たちの党の市会議員も出席したのですが、ここに居すわらせてもらいたいんだということをはっきり言っているわけですね。国会の中での答弁の中ではうまいことごまかしながら、実際には防衛庁の腹の中は、そういうところでどんどんと出ていっている。これは現地の住民をだまかす。全戸にビラを配って、あくまで暫定的なんですということで出している。そしてあくまで居すわりを策するという二枚舌を使っているとしか思えないわけですね。この点は、この移駐というのは暫定なんだ、白紙なんだ、しかもアメリカとの何の約束もないんだ、自主的にこの住民の意向も十分尊重して、このあと地をどうするかということについては、防衛庁のほうも居すわる腹づもりをいまから固めているわけでなくて、相談をするんだという、この点を私はもう一度はっきりとお伺いしたい。
  92. 増原恵吉

    増原国務大臣 御要望でございますから、繰り返して申し上げます。  立川のほうへ自衛隊が参りますことは、関東計画とは関係ございません。自衛隊が首都の災害派遣、災害救助計画として、若干小さい固定翼はありますが、ヘリコプター基地をつくりたいということでございます。そうしてこれが三年以内ぐらいにもうちゃんと日本に返ってくる。返ってくれば手続上も、国有財産審議会でありますか、そういうところで正式に権威的にきめるという手続もあるわけでございます。私どもはたてまえとして、それまでの状態、そのときは白紙でこの御相談をする。ただ、私どもの心持ちは、いま見渡してもそうでありまするが、三年先を見渡しても、なかなか適地が見つかりそうもないからということで、できれば続いて使わしてもらいたいという希望は持っておる、これはそういうことでございます。たてまえは、繰り返して申し上げまするが、日本へ返ってまいりました際に白紙で御相談をする、こういうことでございます。
  93. 中路雅弘

    ○中路委員 これはこの前の委員会でも出ていますし、御存じなわけですけれども、東京都もすでにこの立川あと地の利用計画を含めた多摩の連関都市の構想というのを、あと地を中心にして都市計画を出しているわけですね。立川基地の返還というのは、この東京の構想の中心をなしているわけですし、また立川市自身も、立川基地あと地利用の計画案というものを持っているわけですから、十分この住民の要望に沿っていくように強く要請したいわけですけれども、五日にこの問題で立川の市長が、このときは官房長官おられなくて後藤田さんですか、官房長官にお会いになって、二つ要求を出しておられるわけですけれども、基本的な点は、いま私がお話ししましたように、立川基地の全面返還ということがすでに安保協議会できまっているわけですから、ここに居すわるという口実はくずれたわけで、基礎はないわけですから、この全面返還と、それからあと地の利用計画、これについての質問ですけれどもあと地のこういう計画を進めていく上で、返還になったときにそれから準備ということではたいへんですから、立川市長も言っていますように、いまからその利用計画を策定するために基地内の立ち入り調査、測量を保証してくれということを第一番に要望されているわけですが、この点についてまず最初にお聞きしたいと思うのです、山下さんから。
  94. 山下元利

    山下(元)政府委員 二月五日、立川市長の阿部市長さんが内閣総理大臣あての要望書を後藤田副長官にお手配されたことは、御指摘のとおりでございます。その点につきましては、私どもも種々検討いたしておりますが、そういうことにつきましては、事柄が防衛庁関係いたしておりますので、防衛庁のほうからお答えいただきたいと思っております。
  95. 長坂強

    ○長坂政府委員 立川市長からの問い合わせは二点あると思いますが、その一点の立ち入り調査、測量ということはございますが、この立川基地の返還は、日米間の細部調整を経まして実施されるということになっておりますが、この返還後の国有地の利用ということは、この前から御答弁申し上げておりますように、大蔵省が所管でございますので、中心となりまして、地元、地方公共団体等の要望を十分勘案していくということで慎重に検討されるものと思います。  それで、そういったそれに必要な立ち入り調査とおっしゃいますが、実はせんだっての市議会の方々にもお話ししたのですが、大蔵省所管ではございますが、私どもも、いままで接触しております関係から、市の方の御要望をよく聞きながら大蔵省に御協力する、地元にも御協力するということでお話し合いをしていこうじゃありませんかというふうに申し上げたのですが、その話し合いがまだ進んでおりません。したがって、今後、それをこの前十二日に呼びかけたわけですが、そういうあと地利用の調整の進捗状況に応じまして、必要と認められる場合には米側とも協議いたしまして、実施できるような御便宜をはかってまいりたいというふうに感じております。あと一点……
  96. 中路雅弘

    ○中路委員 ちょっともう一つ、いまお話しされようと思ったのだと思いますが、もう一つの問題ですね。これは、いまのいわばさしあたっての要望だと思うのですけれども、全面返還までの過渡的な処置として、基地内の道路、広場の無条件一時使用を保証するということで、私も現地を見てきたのですが、いま立川では、基地の前の高松大通りですね、ここは朝の七時から八時までは、バスを除いた一般の車は、こんじゃって全部停止になっているのですね。だから、うしろの砂川のほうから通う人たちは、向こうを通れば十五分ぐらいで行くのだけれども、通過するのに四十分、一時間かかっているわけです。だから、いま使っていない基地内のこの道路だけでもさしあたって通してもらいたいという要望も出ていますし、それからもうすぐ時期的にも迫っているのは、たとえば立川の市民大会ですね。四月にいつもあります。これが、アメリカが主催にならなければ使わせないということで、去年はやれなかったという経過があるわけですけれども、こういう市民の祭りについて、条件をつけないでこのときには広場を開放するというような問題、こういった点について、これは市のほうから非常に迫られている問題ですから、ここでもとりあえず過渡的な問題としてこれだけはということで要望されているのですが、この点についてはどうですか。
  97. 長坂強

    ○長坂政府委員 いま御質問が二つあったと思いますが、あとのほうの立川祭りというようなことは、一昨年以前は、日米共催と申しますか、日米親善という趣旨でございまして、市側と現地米軍側と相携えまして、共催の形でずっと長い間行なわれてまいりました。そういうことで、日米親善の趣旨によって市民のための行事のために使用していくということは、米軍関係者ももうつとに趣旨がわかっております。したがって、その管理に支障のない限り、私どもとしても、とのような行事が円滑に開催できるように御協力申し上げる所存でございます。  それから、いま申されたのは高松バイパスのことではないかと思いますが、それにつきましては、用地の返還というようなことは決定しておりますし、道路の補助事業としては予算要求中であるというふうに施設庁のほうから伺っております。  以上でございます。
  98. 中路雅弘

    ○中路委員 時間も過ぎているようなので、大体きょうは終わりたいと思うのですけれども大河原さんに、ミッドウェーの問題でお聞きしたいことがあったのですけれども、帰られたのですね。——この問題は外務省でないとむずかしいですかね。では、ドックの使用の問題について施設庁のほうに……。  最後に一つだけ、いずれこの問題はあらためてゆっくりお伺いしたいのですけれども外務省関係でないほうだけお尋ねしますけれども自衛隊関係で、横須賀の艦船修理部ですね。一号ドックから六号まであって、いろいろ経過があって、返還するとか、あるいはまたそれを撤回するというような経過がありまして、いま一号から三号は自衛隊との共同使用ということで話が進んでおるようですね。四号から五号は民間ですか、アメリカの管理のもとで。六号はアメリカということですが、この使用形態はどういう使用形態になるのか。話はどこまで進んでいますか。
  99. 長坂強

    ○長坂政府委員 お話し申し上げて差しつかえないと思いますが、実は日米間でスペシャル・ワーキング・グループというのを設定いたしまして、そこでいま、運輸省防衛庁防衛施設庁アメリカ軍というところで構成されるもので相談をいたしております。しかし現段階においては、原則として二4(a)の使用形態でまいりたいというのが米側のほうの希望でもございます。従来のお話もそうであったと思います。そういうことで進んでおりますが、どのようなことにするか、具体的なことはまだ結論は出ておりません。
  100. 中路雅弘

    ○中路委員 大体いつごろになるのですか。
  101. 長坂強

    ○長坂政府委員 自衛隊のほうといたしましてはできるだけ早くやりたい、民間のほうもできるだけ早くやりたいというようなことですが、米軍調整に手間どっております。
  102. 中路雅弘

    ○中路委員 これで終わりますが、最後は御答弁願わなくてもいいのですけれども、先ほどからお話ししましたように、立川の問題では、東中議員がこの前の国会でも質問いたしまして、先ほど大出議員も言っていましたけれども、これはあくまで地元と話をつけて、話し合いをしてやるという約束があったわけですが、そういうこともはからないで強行移駐する、しかも移駐したあと、これはあくまで暫定的なんだ、そして白紙で、居すわる腹づもりはいまから持っているわけではないと、こう答弁していながら、実際には居すわっていくというようなこと。あっちこっちでそれに近い発言をされているわけですね。この点できょう何べんかお尋ねしましたけれども、あくまでこれは、東京都議会も、都知事、立川の市議会、それから市長あるいは住民も、全体が全面的な返還については要望しているところですし、また最初に先遣隊が移駐したときは、立川の市議会が、受け入れるということは一応いいだろうということになったから、これが非常に大きな重要な資料として判断をして先遣隊の移駐をやったのだという当時の答弁もあったわけですね。しかしその後、立川の市議会も、いや反対だということをはっきりされておるわけですし、災害救助といっても、もちろん自衛隊が独自に災害で動くという答弁もありますけれども、災害の場合、やはり地方自治体が要請をして災害に出ていくわけですから、要請するほうが立川の移駐にはみんな反対なんですから、こういう点で、このあと地を住民、市民の皆さんの要望にこたえる方向でよく話をするということを繰り返してもう一度私は要望をして、一応終わりたいと思います。
  103. 三原朝雄

    三原委員長 鈴切康雄君。
  104. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 昨年の六十八通常国会で、三月七日、予算委員会の最中にちょうど自衛隊が抜き打ち移駐をした。そしてその反省のもとに、総理大臣が国会において、地元の方との話し合いによって行なうということを約束したにもかかわらず、さらに昨年の暮れ移駐をされました。そのことについて私は、国会における総理大臣の答弁に対する防衛庁のやり方は、まことにこれは責任がある問題として公約違反である、この問題については白紙撤回をせよという立場には、私、変わりないのでありますが、しかし、一応防衛庁のほうの考え方も聞いておく必要があろうと思うのです。  そこで、まず第一点に、今後、立川基地にあるところの部隊の残存部隊はどのようにされるのか、またその移駐を見合わせをするかしないかという問題もあろうと思いますし、地元の立川市とは今後どのような話し合いをされるか、またどういう方法でおやりになるかという問題について、まず防衛庁考え方をお聞きしたい。
  105. 増原恵吉

    増原国務大臣 先ほど来の御質問にもその点が出まして、お答えをしておるのでございますが、私どもは、総理が国会でお答えになりました、話し合いをする、話をつけるというお考えにのっとって努力をしてきたつもりでございます。話し合いが円滑に進行しないで現在のような状態になっておることは、まことに残念であり、申しわけないのでございますが、十分話し合いをする、話をつけるという方向で努力をしてまいったということは申し上げて、御理解をいただきたいと思うのでございます。  なお、部隊をどういうようにこれからするのかという問題は、防衛局長からお答えをいたします。
  106. 久保卓也

    ○久保政府委員 ただいまの御質問は、私と施設担当参事官とで御説明申し上げたいと思いますが、部隊のほうは、現在人員で約二百五十名、航空機で十機ございます。そこで、施設、器材の整備とともに、三月末を目標にいたしまして、人員にいたしまして約五百三十名、航空機にして二十八機ふやしてまいりたい。この過程におきましては、先般来話し合いも進めておるわけでありまして、なるべくいろんな事柄を調整しながら話を進めるというふうに持ってまいりたいと思います。
  107. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 いわゆる本隊の残余の部隊については、三月の末をめどとして一応移駐をしたいという考え方だと思います。もしも地元のほうとの話し合いがつかない場合にはどのようにされますか。
  108. 久保卓也

    ○久保政府委員 私どもといたしましては、なるべく誠意を尽くしまして事情をのみ込んでいただきたいと思うのです。もちろん国の施策と地元の施策が矛盾する場合が往々にしてございます。その場合には、どちらが必ず一〇〇%認めるかということではありませんで、やはり国と自治体との調和というものがございましょうと思います。したがいまして、市議会から出されておりまする要望書におきましても、あと地の平和利用ということがありますので、担当参事官のほうからも説明されておりまするように、相当地元の御要望と、うものはいれられている。したがって、ある部分は政府側の要望もまたのみ込んでいただきたいということを誠意を尽くして御了解を求めたいというふうに思っております。
  109. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 立川市においては、移駐に対しては反対の立場をとっているわけであります。そうなりますと、これから防衛庁がさらに話を煮詰めていくにしても、話し合いがつかない時点が三月末に必ず到来するのではないか、そのように私は想像されます。そうした場合にどういうふうにされますか。
  110. 久保卓也

    ○久保政府委員 これは私、直接の交渉をやっておりませんので、よくわかりませんけれども、地元としてある程度受け入れていただくという勢力の方も相当あるわけでございますし、また内心そう思われてもなかなか口で言えないというような場合もございましょうから、やはり全般の空気を察しまして、大体御了解いただけそうだというような認識があれば、なるべく私どもとしては移駐をしたいというふうに考えております。
  111. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 大体の認識というわけでありますけれども、いまのところ立川市においては、市議会において、立川移駐に対しては反対という決議をいたしております。そういうことであれば、大かたの認識というその判断のしかたによって、あるいは強行移駐をさらにやるというふうにも考えられるわけですが、その点についての判断の基準はどこに置いておられますか。
  112. 久保卓也

    ○久保政府委員 その辺はなかなかむずかしいと思います。たとえば市長さんの立場からしまして、公によろしいと言えないような場合もございましょう。あるいは私どものほうの努力によって、いわゆるあと地の平和利用というものが相当に進んでまいる見通しができるというようなことで、暗々裏にやむを得ないというような認識もございましょう。具体的にどういう基準かということはなかなか申し上げかねまするけれども、そういったときの長官の御判断でもって、強行ということばは当たらないと思いまするけれども、なるべく円満な形で移駐するということが望ましいというふうに思っております。
  113. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 それは、円満な話し合いで移駐をするということが望ましいことは事実でありますけれども、どうしても防衛庁としては三月の末までに移駐を完了しなくてはならないという、そういう基本的な方針ですか。
  114. 増原恵吉

    増原国務大臣 三月末までにしなくちゃならぬというふうに言い切ってしまうというふうな立場には、いまわれわれもないわけでございまして、最近、市議会議員の有志の方々との話し合いを、円満に二時間余にわたりましてすることができた。引き続きもちろん要望も出たわけでございますが、こういうことも続けて、お話し合いを続けていく。もう方針はきめたんだとか、てこでも動かぬとかいう、そういうものではございませんで、われわれとしてもあらゆる話し合いをし、誠意を尽くし、返ってまいりまする地域の利用全体、そのうちの五分の一を私どもに使わしていただくという実相を十分に御理解をいただくようあくまで努力をいたしまして、そういう努力の上で移駐をさせてもらいたいというふうに願うわけでありまして、そういう方針をきめてもう動かぬというふうな考え方ではございません。あくまでも話し合いをいたして、この話し合いをつけて移駐をしてまいりたい、こういうふうに念願をいたしておるわけでございます。
  115. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 それでは、いわゆる話し合いに入っている事態において、三月末になってもまだ話し合いがつかないという場合において、さらに話し合いはずっと延ばされるというふうに判断をしていいでしょうか。防衛庁長官、基本的な考え方は……。
  116. 長坂強

    ○長坂政府委員 十二月のときのお別れのしかたですね、それはやはり絶対反対だということでありましたものですから、こういうことではどうにもならない。私どもが話し合おうとしても、お話の場に出てきていただかなければどうにもならないと存じます。それで、私どもが念願をいたしておりますのは、あと地の利用計画とか、そういうようなことをよくせんだっても議員さん方にもお話しいたしました。また理事者の方にも、これは大蔵省の所管ではあるけれども協力する立場で話したい、よく案を練ろうじゃありませんかという呼びかけをいたしまして、そういう話し合いをきっかけにしましてお話し合いを進めてまいりたい、そういうふうに考えておりますが、それに出てこられないではいたしかたない、こういう感じでございます。
  117. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 話し合いといっても、要するに防衛庁の一方的な固定した考え方を押しつけるという、そういうふうなことでは話し合いといえるわけはないじゃないですか。話し合いというのは、ある程度あなたのほうにもやはり柔軟な態度があって初めて相手方が話し合えるということじゃないですか。そういうふうな考え方で一方的に今日まで押しつけてきたからこそ、地元との話し合いがつかなかったということになるのですが、そういう点について防衛庁長官としては、総理大臣が話し合いをつけるというふうな基本的な答弁をされている以上は、そういう姿勢をもって地元との話し合いに今後応じられるかどうか、その点について……。
  118. 増原恵吉

    増原国務大臣 先ほど来私申し上げている趣旨は、そういう趣旨で申したつもりでございまするが、私どももあくまで、やはり市会の方々などが中心になられるかと思いまするが、地元の方々と話し合いをし、話し合いをすることができますると、やはりそれにはこういう要望があるという要望も出てくるわけでございまして、その要望を、私どもの手でできることは自分で片づけまするし、他の省庁の所管のものは、これに取り次いで実現をはかるということもできまするし、考えまするし、話し合いをしっかりいたして、話し合いをつけて進んでいくというたてまえはもう十分に尽くしていく。皆さんの御要望もちゃんと出してきていただいているわけでございます。だんだん話し合いが進んでいき得るのではないかというふうに私は考えておるわけでございます。
  119. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 時間がありませんので、次に進みたいと思いますが、去る十二月二十日の日に箕輪政務次官が地元で示した自衛隊の配備目的によれば、もっぱら首都の災害救助活動を目的とする。これは地元に対しては再三再四災害救助、災害救助ということを言っておられる。ところが、あなたが二十六日に、治安出動のためには使わないとは言えないという実際の発言をされておりました。地元の方は、ああやはり防衛庁長官は衣のそでによろいが見える、いよいよ出てきたなという感じを持ち、実は地元のほうではたいへんに不安と警戒を示しておるわけですが、その点について、防衛庁長官がそのとき発言された真意についてお伺いいたします。
  120. 増原恵吉

    増原国務大臣 たしか新聞報道の方々とお話をしたときに出た問題であったと思うのでございます。そのときに、立川における移駐というものはもっぱら災害救助、災害派遣のためであるということであるけれども、それでは絶対に治安出動というものはやらないかという質問があったわけでございます。その質問に対して私は、立川へ参る部隊も、いわゆる自衛隊法に定められた部隊であって、自衛隊の一部である、であるから、自衛隊目的である直接、間接の侵略に対してわが国を守る、そのほかに災害派遣があり、あるいは治安活動がありというふうなことがあるという基本は、それはかぶるので、絶対にないかと言われると、絶対にありませんというような筋合いのものではありませんというようなお答えをしたのでございます。これが記事となって簡潔にぱっと出るものですから、そういうようなことばになって皆さんのあれに響いたと思います。  先ほども御質問があったのでございますが、宇都宮からあそこへ部隊を移駐させますのは、もっぱら災害派遣のためでございます。先ほどは防衛活動にも使わないかと言われましたが、防衛活動というものは、起きたら、これはもう隊法のたてまえに従って活動することはもちろんあり得る、しかし目的はもっぱら災害派遣である。そうしてまた治安出動に関連しましては、現在のような首都周辺の治安の状況から考えて、治安出動というようなことは、私ども考えられないとも考えておりますし、私どもが、もっぱら災害派遣のために移駐させていただくのだという趣意は、そういう意味でございます。法律のたてまえをやかましく言われると、それはそういう意味もあるという意味を言ったのが、それを主として取り上げられたということでございまして、あくまでも災害派遣をもっぱら行ないまするために立川を使わしていただく、移駐させていただくという考え方に違いはございません。
  121. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 自衛隊の任務の中に、自衛隊の出動には三通り、防衛出動と治安出動へ災害派遣という主たる任務があるわけですけれども、あえて治安出動ということばが出た以上は、防衛庁長官の治安出動に対する認識というものを聞いておかなければならぬと思います。そういう意味において、治安出動の命令権者は当然内閣総理大臣であるわけですが、あなたの認識というものは、やはり重要な今後のそういう問題についても左右されてくるわけでありますが、治安出動はできるというふうに判断をされるのには、どういうふうな基準がございましょうか。それについて防衛庁長官から。
  122. 増原恵吉

    増原国務大臣 ちょっと最後のことばが……。
  123. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 要するに、命令による治安出動ができるというその判断に立たれる基準は、どういうふうにお考えになられますか。
  124. 増原恵吉

    増原国務大臣 これは、やはり御説明は抽象的なことばで申すよりほかないので、あまり役に立たぬのじゃないかと私は思いますが、騒擾、暴動等が起こって現在の警察力では処理できないというふうな事態になったときに、警察力を補うものとして自衛隊が出動するものを治安出動という、これではちょっと私は御答弁にならぬと思うのでございますが、私どもは、いま特に、首都周辺の治安状況等を考え合わせ、ここにいわゆる治安出動の必要が起こるというようなことは考えられないといま判断をいたしております。そういうこともあって、もっぱら災害派遣のために移駐させてもらうという説明をいたしておる、こういうことでございます。
  125. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 あなたのおっしゃる、いわゆる命令による治安出動というのは、一つは、間接侵略その他の緊急事態が発生しても、当然に命令による治安出動を命じ得るものでは実はないのです。さらにそれには、一般の警察力をもっては治安を維持することができないことが必要である、このようにいわれているのですから、あなたの考え方は、それなりに一応正しいと思うわけですけれども、そこで一般の警察力とはどういう判断ですか。一般の警察力で治安を維持することができないというような、そういう事態をどのようにあなたはお考えになっておられますか。
  126. 増原恵吉

    増原国務大臣 ちょっとこれは、いまの日本の状態、あるいは最近におけるアジアのいわゆる緊張緩和の状態を考えまして、私どもが具体的にどういうふうなときに治安出動が手続に従って命令され出動が行なわれるか、いま考えにくいと申しますか、考えられないと申しますか、そういうふうな御説明を申し上げるよりほかないのでございます。
  127. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 じゃ、もう一度さらに突っ込んでお聞きしますが、おおむね警察力をもって担任し得る場合、このときには治安出動はない、そのように考えてよろしゅうございましょうか。
  128. 増原恵吉

    増原国務大臣 法文をいま正確に覚えておりませんが、そういうときには出動を命令することができなかったのではないかと思いますが、しかし、法文のあるなしにかかわらず、通常警察力で担任できる状況のもとで治安出動が命ぜられることはない、こう考えます。
  129. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 そこがやはり防衛庁長官は、治安出動という以上は、細密にわたってすべてを想定をした上においての発言がなされなくちゃならない。おおむね警察力をもって担任し得る場合、この場合でも要するに治安出動ということは考えられるわけですよ。これは、「治安出動の際における治安の維持に関する協定」の中に、あなたのほうがはっきりと明文化されているわけですが、その点はいかがでしょうか。
  130. 久保卓也

    ○久保政府委員 警察が、全国的に見まして、緊急事態に対してそれを処理し得る能力がある場合に自衛隊が出動を命ぜられるという、命令による治安出動はないと思います。しかしながら、そういった全般的には警察の能力をもっては対処し得ない、たとえば非常に広域になり、かつ長期にわたるという場合、これは警察の能力外でございます。あるいはまた、相手方が非常に大きな火器を持った場合、そういう場合は例外であります。したがって、そういう場合には自衛隊が治安出動する場合があります。そういった全般的な体制の中で、部分的に見まして、おおよそは警察の能力で足りるけれども、まだ手薄なところが生じてくる。たとえば警備であるとか後方関係、そういうような場合にどうしても警察力では十全ではないというときには、おおむね警察力で担任し得るけれども、そういった後方のところは自衛隊が担当するということで、全般的な事柄と、それから担任ということばが使われておりますように、個々の具体的な場合とを分けてお考えいただきたいと思います。
  131. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 おおむね警察力で担任し得る場合においても、治安出動というものが実際に発動されることが軽々にあるということになれば、私はたいへんなことだと思います。少なくとも警察力でおおむね治安が維持できるというにもかかわらず、もうすでに、自衛隊は言うなれば支援活動を行なうということの取りきめが、警察と防衛庁の間において行なわれているわけです。それについて防衛庁長官はどのように思いますか。
  132. 増原恵吉

    増原国務大臣 先ほど防衛局長が説明をしましたように、警察との任務分担というような定め方をしてありまして、「暴動の直接鎮圧および防護対象の警備に関して、おおむね警察力をもって担任しうる場合においては」という、これはいまのおおむねできるという場合ですが、そういう場合には「自衛隊は、主として警察の支援後拠として行動する」ということでございまして、この場合でも治安出動というのは、要請出動にしろ、命令出動にしろ、きわめて厳格な条件をもって行なわれるということになっておるわけでございます。
  133. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 要するに、治安出動の際における治安の維持に関する協定から、さらに細部のいろいろのことを防衛庁と警察とで取りきめをやっておるわけです。その中の第五番に、そこにあなたが見ておられるそれと同じですが、「相互援助」という問題があります。「相互援助」の中には、「自衛隊および警察は、任務遂行に支障のない範囲内において、死傷者の収容、治療および後送、通信その他の施設の利用並びに自動車両その他の諸物品の使用等に関して、相互に援助するものとする」とあります。で、自衛隊の物品その他の支援について何かこまかい取りきめがなされているかのように聞いておりますが、その点について、そういう通達があれば、いっその通達が出されたか、お聞きいたします。
  134. 久保卓也

    ○久保政府委員 後方関係、すなわち通信、輸送等の援助につきまして、あるいは給養関係の援助につきまして、これは治安出動外におけるいわゆる官庁間協力という形で警察と自衛隊とが協力をするということは、たしかそれは私の所管でありませんで、装備局になりますが、その間で協定を結んでいるはずだと思います。その時期は、正確ではありませんが、おそらく昭和三十四、五年前後ではなかろうかと思います。
  135. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 要するに、その通達が出されているということなんですけれども、その通達が出されているかいないか、それについてお聞きいたします。
  136. 久保卓也

    ○久保政府委員 所管ではありませんので、厳密にお答えできかねますが、協定があったと思いまするから、通達が出されてもおかしくはないのではなかろうか。しかし、責任ある御答弁ではありませんので、確認をしてみたいと思います。
  137. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 私の調査によれば、昭和三十六年一月二十六日にこの通達が出ているわけです。ですから、この通達に対する資料を要求いたします。委員長、その点についてお計らい願いたいのです。
  138. 三原朝雄

    三原委員長 あと理事会で御相談いたしまして……。
  139. 久保卓也

    ○久保政府委員 再々、私が答弁する資格はないと思いますけれども、警察との協定でありますので、警察と協議をいたしまして提出するように関係者に申し述べたいと思います。
  140. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 これは内容的には非常に問題のあるあれでございますし、ですからこの資料は一応提出していただきたい。その提出をした時点において再度質問をするようにいたしますから、その点については保留いたします。私の質問は、その後また質問をするといたしまして、一応保留しておきます。  以上です。
  141. 三原朝雄

    三原委員長 受田新吉君。
  142. 受田新吉

    ○受田委員 十分だけで終わります。  長官、非常にややこしい問題に発展しているこの立川基地自衛隊使用問題で、長官は国務大臣として別の角度からこの問題の処理を考えられたことがあるかどうか。それは、自衛隊のヘリコプター部隊がここへやってくることは、首都を中心とした災害対策だという御趣旨のようですし、その災害対策というものは、地震その他いろいろあると思うのですけれども、それは海上保安庁のヘリコプターをこれに代行せしめる方法もあると思う。つまり災害目的だけであるならば、ちょうど今度用意されている十機ないし二十機程度のヘリコプターであれば、ごく簡単に海上保安庁に任務を転換できると思うのです。それは自衛隊法の第百一条にも、防衛庁長官御自身が常に、海上保安庁、地方航空局その他幾つか羅列してある機関と緊密な連絡をとれ、そして長官防衛上必要と認めるような場合には、この海上保安庁、地方航空局等に協力を求めることができる、もし求められた場合には海上保安庁等は特別の事情がない限りこれに応じなければならぬと法律に明記してあるのです。したがって、災害目的だけである、救援目的であるとするならば、むしろややこしい紛争を好んで派生するような形の現在の進行形のやり方でなくして、むしろ海上保安庁にいまのヘリコプター部隊をそのまま提供する、そしてそこに勤務する。陸と海の相違はありましても、自衛官たる公務員は、海上保安庁の職員に自動的に異動できる法律的基礎をつくって、公務員の出向あるいは身分の変更等でいけるような法律をつくって、またもし必要があれば自衛官にも戻れるというような形をあわせ検討すべきではなかったか。自衛官であるというので、地元もまなじりを決して、また各党も非常な抵抗を感じておるようなことになっているのですからね。海上保安庁のヘリコプター部隊、これは陸のまん中にあっても海上保安庁の部隊であるという形にすればいいので、もしまた立川がややこしければ、むしろ東京湾の埋め立て地区などで非常に狭い区域でも私は間に合うと思うのです。それを新しく企画されまして、日本列島改造論の実施の一面と考えてもいいと思う、その意味における。そういうものを、国務大臣として、海上保安庁担当の国務大臣とも相談をされて、国政全般の立場から、災害救援という目的であるならば、ここで敢然と自衛隊のヘリコプター部隊は海上保安庁にひとつ任務を変更しようというような高度の政治性を御検討になったかどうか。つまり防衛庁長官としての狭い目だけから東京都の地震等を考えておられるか。もっと角度の広い立場から国政を考えられるか。国務大臣としてはそこへ目を向けておられなくちゃならぬと思うのです。そういう雄大な計画を持った国務大臣であってほしい。増原さんに私は要望したいのですがね。そうすれば非常にスムーズにこの進行が取り運ぶと思うのです。御答弁を願いたい。
  143. 増原恵吉

    増原国務大臣 立川基地の問題と、いま受田さんのおっしゃった問題とは、非常に重要な問題ではあるが、私はちょっと基本的に違うところがあるように思うのです。あそこに持ってきましたヘリコプター、陸上自衛隊、これは平素は陸上自衛隊としての勤務にもつくわけなんです。主たる任務はあそこを災害救助の基地にする。いざというときには、現在は十八機くらい置くようになっておりまするが、災害というときには、周辺のほうからヘリコプターを集めて、百機とかあるいはそれ以上というようなものをもって災害救助に当たるというふうなものになるわけです。  で、受田さんのおっしゃった、海上保安庁にそういうようなヘリコプターをたくさん持たせる、それはまあ自衛隊のものだから移したらいいというふうには、これはなかなかちょっとまいりにくい問題で、立川といたしましても、いまの立場は、海上保安庁であったらばいいが、自衛隊という名前がくっついているからまことにというふうではないのじゃないかというふうな気もいたしておりまして、もともと、この方針が議せられ、きまりましたのは私が長官になる前ではありまするが、だんだん話を聞いてみまして、やはりいろいろな面でいろいろ考えられた結果、主としては、宇都宮といまの立川とでは、首都災害に際してのヘリコプターの活動において格段の行動能力の違いから、あそこに来たものである。それで、東のほうは木更津を使って、これにもやはり百機内外のものを集めて東のほうをやる。西のほうは立川というところがありますので、いまの御提言は十分検討すべきものとして私ども研究をさせていただきますが、目前の立川の災害派遣のためのヘリコプターの基地というものについては、海上保安庁に切りかえるという問題はちょっとむずかしいことではあるまいか。しかし、なお若干答弁を保留させてもらって、もう少しあれをしてから決定的なお答えをするということにしたいと思います。
  144. 受田新吉

    ○受田委員 法律の規定の中にも、海上保安庁に協力を求める規定があるのです。したがって、いざというときには海上保安庁のヘリコプターも防衛目的協力させればいい。しかし、その設立の目的が、一方は海上警備あるいは災害であるが、これも当然海難その他の任務につくことになっているわけです。したがって、いま百機要る、海上保安庁のほうはなかなか思うようにいかぬというような問題ではない。いざというときには、海上保安庁のヘリを全国からかき集めてくることもできるわけなんです。それはちゃんと法律の規定に明記してある。決して支障はない。むしろこの際、立川のような、平和都市的な雰囲気が周辺にある、そういうところへは、自衛隊が来たのと海上保安庁の救難ヘリが来たのとでは、市民に与える平和の守り神という意味から考えると非常に大きな相違がある。市民感情なども、これが自衛隊機でなくして、首都防衛の災害派遣用のヘリをここへ置くんだ、海上保安庁のヘリが来るんだというような考え方をもう一度議せられたら、それはそう大きな抵抗はないと私は思うのです。立川のほかに木更津、それから東京湾の埋め立て地区もあるわけなんで、そういうところは新しい計画でどうにでもできる。これからまだ操作ができる。今度の目的が災害目的だとしばしばおっしゃっておるのですから、いまの治安出動とか防衛出動だとかいう議論を除いて、そこへ海上保安庁のヘリ部隊を置く、こういうことになれば、結果的には協力を求める体制の一環になるのです。  そういう意味で、自衛隊法にもいろいろな他の機関との協力関係がちゃんと明記されているのですから、これは高度の政治性といいますか、現実の日本の置かれている国民感情——私たち最小限の自衛措置を一応認めている政党です。その政党の立場であっても、立川基地が返った、そこへまた自衛隊がいすわってきた、こういう感じよりも、いついかなる災変が起こっても、平和の守り神が、海上保安庁のヘリコプター部隊がここへ来てくれたんだということになるならば、市民感情、国民感情の上に非常に大きなプラスになる。それから、自衛隊の職員、自衛官を海上保安庁の保安官に転移できるような人事交流なども自由にできてくるというようなことで、人事行政上にも妙味が発揮できると思うのです。これは国務全般の立場から考えていかれる必要がある。  それから、強引にこれを押し込められる気配が見えるのですが、先般来の議論を承っておりますと、立川に今度移駐し、また今後移駐してくるヘリコプター部隊というものは何年間おるか。一時的という議論がいまお答えいただけるわけですけれども、一体いつまでこのヘリコプター部隊は置くように考えておるのか。  それから、三年後の返還という関東計画の実施の時期は一体いつどこへ置いておられるのか、これをお答え願いたいです。
  145. 増原恵吉

    増原国務大臣 三年後というのは、三年後までにはそこらを全部まとめて返してもらう、おそくとも三年後までにはという意味で、なるべく早く全体を、これは関東計画の他の地域もあるわけですが、返してもらおう。そのうちには、大体一両年と昨年の暮れ申しましたので、ことし以内には返る部分があるわけでございますが、あとは三年内くらいにこれを返してもらおう、こういうことでございます。
  146. 受田新吉

    ○受田委員 今度のヘリ部隊は……。
  147. 増原恵吉

    増原国務大臣 それで、ヘリ部隊は、さっきから問題になっておるわけでございますが、私どもとしては、三年でいよいよ返ってきましたときは新しい形になるわけですから、立場としては白紙で、国有財産審議会などの議もあるわけでございますが、白紙の立場で御相談をしたい。そしてわれわれの心持ちは、現在のような事情のもとでは、東京周辺に適当なヘリの基地をなかなか認めがたいといういまの状況のもとで、地元に協力を得られれば続いてこの部隊を置きたいという希望は持っておりまするが、これはあくまでも、アメリカから返ってきますれば、白紙であらためてその点は御相談をするというたてまえをとっておるのでございます。
  148. 受田新吉

    ○受田委員 長官、私の懸念しておるのは、白紙でとおっしゃるのですが、できればそのまま存続されるように地方自治体とも相談したいという御趣旨、つまり基地が返還された後において今度は自衛隊独自の使用を継続したいという御意思がある。それは明白なんですね。
  149. 増原恵吉

    増原国務大臣 ここはあまり簡明にやられると困るのですけれども、さっきからことばを尽くして申し上げておるように、私どもは、いまの状態を考えますると、ほかになかなか適地を見出しがたいという事情、それが二年後、三年後返ってきたときでもやはり適地を求めがたいというようなことであれば、それまでに十分に市民の皆さまとお話しをし、理解を願って続いて使わしてもらいたいという希望は持っておるということでございまして、これはくどいことを言うようですけれども、前後をちゃんとつけて考えていただきませんと、中をぽつんと切られますとたいへん誤解を起こしまするので、私どもは、返ってまいりましたら白紙で相談をいたすというたてまえ、その際にいまのような状態のもとでは何とか使わしてもらいたい希望は、防衛庁としては持っておる、こういうことで、白紙で御相談をすることは間違いございません。
  150. 受田新吉

    ○受田委員 そうすると、明白になったのは、長官の今後の対策としては、基地が返還されるその時点においてヘリ部隊が残るか残らぬかは全く白紙だ、こう了解してよろしゅうございますか。
  151. 増原恵吉

    増原国務大臣 そのとおりでございまして、しかしそのあとに、私どもは希望は持っておるということがつくわけでございます。
  152. 受田新吉

    ○受田委員 それは白紙ということが明白に長官から発言された。しかし、首都の警備災害対策というものは必要である、それに対してはほかに立川以外のところがあるかどうかの検討もするという意味ですね。白紙だけれども、ほかに適当なものがあればまたよそへかえる。つまり、全部ほんとうの白紙なら、もうあそこは使わぬことでほかのところを考えるということにならなければいかぬ。希望があるということになると、これはやはりほかのほうをさがす努力を怠りますよ。これはだれでもそうです。執念の深い彼女に思いを寄せていると同じことであって、それはそのほうがあるとほかのものは目につかぬ。  私、そこでひとつ新提案ですが、いまさっき申し上げた海上保安庁のヘリ部隊ですね。太平洋岸に海難が起こったといえば、それにも飛べるし、地震が起こったらそれにも飛べる。そして、いざ防衛目的を果たすために自衛隊協力が必要であるならば、長官が海上保安庁に要請すれば、特別の事情がない限りは——普通そういうときは事情などはないですよ。そういうときには協力を求められるという手があるのですから、国政全般から、運輸大臣、総理大臣とも御一緒に相談されて、高度の角度から、首都の異変が起こったとき——異変というのは災害ですね。これを防止し、救難に当たる、こういうたてまえを、国務大臣として高度の政治力を発揮して、部内自衛隊だけに目を向けておらぬように。いいですか、あなたは一方で国務大臣でいらっしゃるのだから、国政全般の立場から、ひとつ閣内でも、私の提案したことは、野党が言うた変な提案だからなどと捨てないで、受田発言には傾聴すべきものがある、そういうことと、それからいま申し上げた内容等では、自衛官と海上保安庁との人事異動というようなことも自由にできるようにしておく。人事行政上の妙味も発揮できる。国民感情からも非常にいい。それから、そうなれば、立川でなくて東京湾の埋め立て地区でも間に合う。いろいろなところでもう一度、この立川基地に執念を持っておられることを白紙、それは文字どおりの白紙、名は体をあらわす形で全部白紙というところで検討をされるということをひとつ提言申し上げて、私の十分の質問を終わりました。これで失礼いたします。
  153. 三原朝雄

    三原委員長 次回は、明二十二日木曜日、午前十時より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後二時五十三分散会