○小沢(貞)
委員 調査会で具体的にそういう問題を含めて御検討いただく、こういうことなので、ひとつせっかく御検討いただくようにお願いして進ませていただきたいと思います。
これは
決算とかそういうことには直接
関係がありませんが、前の衆議院議長の
中村議長がおやめになるいきさつについて、これは本人の意向というものを私は全然聞く機会もなかったし何もなかったわけであります。野党をごまかした、こういうようなことをどこかで
発言したことがきっかけになって
中村議長はやめざるを得なくなった、これは報道で私は聞いているだけであります。新聞、
テレビ、そういうもので聞いているだけであります。なるほど野党をごまかしたということはたいへんな話だ、こう思っていきり立っておったわけであります。そして
中村議長は、すたこらすたこらやめていってしまいました。ところが、一週間か十日たって、
中村前議長から
辞任の弁といいますか、あいさつ状をいただいたわけであります。そうしたらば、ごまかしたということばの使い方が、どうもこんな程度のことならわれわれだってウイットみたいなことでそのくらいのことを言うのはあたりまえじゃないかな、これは真実であるかどうかはわかりませんが、
中村前議長がわざわざ書いてくれたそのことばを見ると、これはまあたいへん早計なことであったな、こういうようにも実は感じたわけであります。新聞や報道だけで
中村議長の首が飛んでいってしまったのじゃなかろうか、いまになってそういうように私は感ずるわけであります。
そういう例がたくさんあるわけですが、いま
一つ、これはまだ真実ははっきりしませんが、昨今新聞を見ていると、去年、富山の神通川かどこかでカドミウム汚染によるイタイイタイ病が問題になった、この犯人はあそこの三井金属である、これは新聞や報道を見ている限り
国民すべてがそうでないかと思って、三井の犯罪間違いない、何をしているんだとわれわれも怒りを感じておったわけです。しかし、だんだんカドミウムのことを研究していって、この前も北海道で学術会の討論や何かあったが、どうもそれは全然違うようなぐあいに最近は変わりつつあるように私
たちは受けとめるわけであります。あのときは、報道から聞いている限り、三井金属が犯人だ、何をしているんだ、こういう怒りしかわれわれにはなかったわけでありますが、この間北海道で学術会の討論をやったら、まるきりどうも学説が変わっていってしまうみたいなことで、これはまだ真偽のほどはわからぬわけでありますが、これもまた、もしあやまちがあったとすれば新聞報道の大きなあやまちじゃないか、こういうように私は考えるわけであります。
私は、日本の政治を右にするも左にするも、よくするも悪くするも報道の
重要性というものはきわめて大きい、こういうように常日ごろ感じておるわけであります。そういう中における
NHKの報道に対する態度というものもきわめて大きいのではなかろうか、常日ごろ私はこういうように感じておるわけであります。したがって、社会的なムード、せつな主義、そういうものに押されることなく、せめて
NHKくらいは、多少はおくれても真実を正確に、こういう態度が貫かれるのでなければならないのではないか、常にそう感じておるわけであります。これについて
会長なりあるいは副
会長なり、ぜひ御
答弁をいただきたい、こういうように考えるわけであります。