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1973-06-21 第71回国会 衆議院 逓信委員会 第24号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十八年六月二十一日(木曜日)     午前十時三十八分開議  出席委員    委員長 久保田円次君    理事 宇田 國榮君 理事 小澤 太郎君    理事 梶山 静六君 理事 金子 岩三君    理事 羽田  孜君 理事 阿部未喜男君    理事 古川 喜一君 理事 土橋 一吉君       内海 英男君    草野一郎平君       左藤  恵君    志賀  節君       長谷川四郎君    宮崎 茂一君       村上  勇君    大柴 滋夫君       金丸 徳重君    久保  等君       島本 虎三君    田中 昭二君       小沢 貞孝君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 久野 忠治君  出席政府委員         郵政大臣官房長 廣瀬  弘君         郵政省郵務局長 溝呂木 繁君         郵政省人事局長 北 雄一郎君         郵政省経理局長 浅見 喜作君  委員外出席者         警察庁警備局警         備課長     山田 英雄君         郵政大臣官房首         席監察官    森田 行正君         逓信委員会調査         室長      佐々木久雄君     ————————————— 委員の異動 六月二十一日  辞任         補欠選任   木村 武雄君     左藤  恵君   園田  直君     宮崎 茂一君   米田 東吾君     島本 虎三君 同日  辞任         補欠選任   左藤  恵君     木村 武雄君   宮崎 茂一君     園田  直君   島本 虎三君     米田 東吾君     ————————————— 本日の会議に付した案件  逓信行政に関する件      ————◇—————
  2. 久保田円次

    久保田委員長 これより会議を開きます。  逓信行政に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。左藤恵君。
  3. 左藤恵

    左藤委員 だいぶ時間がたっておるのでありますけれども、今般の春闘が行なわれましたその際に、京都府の西舞鶴局スト拠点局になったようであります。そのとき応援管理者負傷したということを聞いておるのでありますが、その間の状況につきまして御説明をいただきたいと思います。
  4. 北雄一郎

    北政府委員 お示しのように、当該局はことしの四月二十六日のスト拠点局になったわけでございます。ストライキの前日の二十五日の午後から、部外単産応援も含めまして約四百名の人々が、管理者の制止を振り切りまして、局の構内あるいは局舎内部にまで乱入する事件がございました。このために同局管理者それから応援管理者局長室等に監禁された形になりまして、さらにはこれらの管理者が室外へ出ようとすると、これを強引に引きずり出し、そして多数で中庭まで連行いたしまして、その中でいわゆる渦巻きデモあるいは洗たくデモというものをかけられまして、管理者のからだをもみ上げたり、こづく、けるというような暴行を多数で加えた、こういう態様があったわけでございます。このような状況の中で、たいへん残念なことでございましたが、応援管理者八名が肋軟骨骨折その他の傷害を負う、こういう事態発生した次第であります。
  5. 左藤恵

    左藤委員 ただいまお話を伺いまして、相当きびしい情勢であったということがうかがわれるのでありますが、そうしたときに、外部からの応援というような問題があって人数が四百名にものぼったということで、集団的に局舎内に侵入したという問題があったわけであります。そうしますと、私は当然不退去罪公共事業妨害罪というようなものの容疑というものがそこで生ずると思うのでありますが、そうした段階において、管理者先ほどお話しのように負傷するとかいうようなことにならない段階において、何か手を講ずるということができなかったのかどうか、この辺についてお伺いをいたしたいと思います。
  6. 北雄一郎

    北政府委員 ことしの春闘の場合には、従来と若干様相を異にしておりまして、組合のほうが多数のピケを動員するということが全国的に予想されておったわけでございます。当該西舞鶴局におきましても同様の事態があったわけでございまして、そういった関係の中で不測の事態を生ずるかもしれないということはあったわけでございます。したがいまして、事前にそういった状況につきましては警察当局にも連絡はとっておったわけでございますが、先ほど申し上げました現実事態というものは前日に突発的に起こったというので、結果的にそういうふうな事態発生した、こういうことであります。
  7. 左藤恵

    左藤委員 突発的にというお話でございますけれども、私はやはり前日に、二十六日のスト拠点局であれば、その前段階においていろいろな問題が出てくると思うのです。その段階からいろいろと対処しておく必要があり、今回起こったことはいたし方ないわけでありますが、これからの問題として、そうしたことについても十分配意をしていただかなければ、管理者業務運行責任を持つということが非常にむずかしくなってくるという心配を私は持つわけであります。今回の原因組合側ピケ行き過ぎにあるというようなことでありますけれども、こういったことを放置しておきますと、いま申しました管理者郵政業務を守るという一つの情熱を失うことになりはしないかということを私は心配するものであります。西舞鶴局におきまして発生したこの行き過ぎピケによって負傷をした管理者に対して、省としてはどういうふうにされたか。そして負傷ということが現実にあったわけでありますが、そうしたことについて、加害者といいますか、はっきりしておる場合に、告発をしたかどうか、そういった状況についてお伺いいたしたいと思います。
  8. 北雄一郎

    北政府委員 負傷いたしました管理者に対しましては、郵政局等から郵政局長の名前で当然慰問をいたしております。それからこういった残念な事件が起こったわけでございますが、ただいまその、だれが加害者であったかということにつきまして調査をしております。告発はいたしております。
  9. 左藤恵

    左藤委員 いまお話しのように非常に不意を打たれたといいますか、そういう形で、しかも外部から相当応援体制を強化してこのピケがつくられたということによって、その段階におきまして、たとえば証拠の写真をとるとかあるいは加害者を確認するとかいうようなことについて、いろんな困難はあったであろうと思いますが、やはりそういった暴力というものが行なわれていいわけはないわけでありまして、やはり告訴できるものにつきましてはとにかくそういった措置を講じて、何かうやむやにしてしまわないように配慮を特に要望いたしておきたいと思います。  ところで、こういった西舞鶴の例を私は取り上げてみたわけでありますが、全国的にこの種のいろんな問題について、こういうピケとかいうことで管理者との間における行き過ぎあるいはトラブルあるいはまた負傷した事件というふうなものが、どのような実情にあったかということについて御説明いただきたいと思います。
  10. 北雄一郎

    北政府委員 今次春闘におきまして、四月の十七日に最初のストがあったわけでございますが、それ以来二十七日まで、全国で大小合わせて二百八十の局が拠点になったわけであります。二百八十局でストライキが実施されました。この中でピケのために動員された組合員等暴力行為によりまして百五十二名が負傷する、こういう状況でございました。
  11. 左藤恵

    左藤委員 そうした負傷の中に、負傷程度被害の大きかったというケースはどのようなものがあるか、一、二の事例を御説明いただきたいと思います。
  12. 北雄一郎

    北政府委員 負傷状況でございますが、治療一カ月を要するというのが一番重いわけでございましたが、そういうのが四名被害を受けております。東京で一名、近畿管内で一名、九州管内で一名、東北管内で一名、合計四名でございます。あと三週間程度負傷というものが合計十名、二週間程度負傷が十五名、十日間程度負傷が十三名、一週間程度の者が三十六名、こういう状況でございました。
  13. 左藤恵

    左藤委員 管理者が自分でピケに相対するということにつきましては、私は当然限界があると考えます。特に管理者は、そういったピケというような問題だけでなくて、業務正常運行をいかにして進めていくかということが管理者の使命でなければならないと私は思うのでありまして、したがってほかの局からの応援体制とか、拠点局が指定されてそれに対してほかから応援に行くというような問題につきましても、局舎事情というふうな問題についても、すぐに行って十分理解できるわけでもないわけでありますから、そうしたことでピケに相対するというところでは、私は当然限界があると考えるのであります。そこで、そうした非常の際にはやはり警察の努力が必要となってくる、このように思うのでございますが、いま取り上げました西舞鶴局の場合、警察としてどういうふうな措置をおとりになったか、この点についてまずお伺いしたいと思います。警察庁からお伺いしたいと思います。
  14. 山田英雄

    山田説明員 お答えいたします。  ただいま郵政省のほうから御説明いたしましたように、西舞鶴局事案につきましては、当日午前三時二十分までの間に、先ほど御説明ありましたような事案が繰り返されておったようでございます。警察といたしましては、当局出動要請によりまして、午前三時二十分に警察部隊西舞鶴局に派遣いたしました。そこで、そこに滞留いたします労組員に対しまして警告を発しましたところ、庁舎外退去をいたしたということでございます。  発生しました傷害事件につきましては、実は多数の混乱の中で発生したようでございます。当日退去警告部隊によって発しました段階においては、警察としてはその事実を認知しておらなかったわけでございます。事件管理者から事情を伺いましたところ、ただいまお話がありましたような負傷者が出ておったということでございまして直ちに関係者から事情を聴取いたしまして、捜査を開始したわけでございます。  その間、五月二十八日、西舞鶴郵便局長から所轄署長あて告訴状も提出されましたので、鋭意捜査につとめておるわけでございますが、何ぶんにも犯行が支援労組員により行なわれたということ、それから被害者管理者方々他局から応援派遣されておったという状況でございます。したがいまして、加害者被害者相互に面識もございませんし、また参考人方々も地理的にたいへん広範囲にわたっておりますので、捜査が難航しておることにつきましてははなはだ遺憾に思っておるわけでございます。いずれにいたしましても悪質な事犯であるというふうに判断いたしております。早急に捜査を遂げて、事案の真相を明らかにいたしまして、被疑者を検挙する、こういう方針で現在おるわけでございます。
  15. 左藤恵

    左藤委員 警察としてもそういう出動をされて、その段階においてはこの管理者負傷事件というものはキャッチしておられなかったということであります。非常に混乱の中にこういったことが行なわれておったということは理解できるわけでありますが、警察とされて、西舞鶴局実情というふうなもの、あるいは当日どのくらいの動員をかけられてくるかということについての予測とかについて、郵便局側警察とは事前にそういう連絡をとっておられたかどうか、その辺についてちょっと御説明いただければ……。
  16. 山田英雄

    山田説明員 お答えいたします。  西舞鶴郵便局スト拠点に指定されておったこともございます。そういう意味におきましては、他の拠点局と同様に、郵政当局とあらかじめ不法事案発生のおそれがあるかどうか、その場合の管理措置についてはどのようなことをおとりになるか等を含めまして、いろいろ連絡はしておったところでございます。
  17. 左藤恵

    左藤委員 ピケを排除するということに重点を置かれて、そういった対策を講じられたということでありますけれども、先ほど冒頭から申し上げましたように非常に多数の組合員の乱入ということで、混乱の中でそういった負傷事件があるわけでありまして、警察としてもそういったことについての配慮はいろいろ御苦心いただいておる点はわかるわけでありますけれども、今後の問題については、いかなる理由があるにせよ、暴力を厳に取り締まっていくということについてなお一そう御配慮をいただきたいと思います。  ところで、私は郵政大臣一つだけお伺いいたしたいと思いますが、どういう理由にありましても、暴力というものは厳重に取り締まらなければならない。こういうスト、それぞれの主張があり、そのときの戦術はいろいろあろうと思いますけれども暴力は厳に慎まなければならないと私は思うわけであります。労使関係ということでこういった暴力的な行動が少しでも看過されることがもしあるとすれば、今後の正常、健全な労使関係をつくり出していく上においてもゆゆしい問題だ、遺憾なことだ、私はこのように思いますが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
  18. 久野忠治

    久野国務大臣 御指摘西舞鶴郵便局負傷事件につきまして、詳細にわたって質疑応答が繰り返されたわけでございます。このような負傷事件発生したということは、私はたいへん遺憾に存ずる次第でございます。常々秩序ある明るい職場づくりに努力いたしております私にとりましても、最近郵便局において少なからず傷害事件発生しておることにつきましては、きわめてゆゆしい問題であり、遺憾なことであると私は存ずる次第でございます。  ただいま御指摘のように、いかなる理由があろうとも暴力は絶対に容認できないことであります。日本の国は法治国家でございます。でありますから、やはりこのような暴力事犯というものは容認できないのでございます。不幸にして発生をいたしました場合におきましては、個々の事実に照らしまして厳正なる措置を講じてまいってきており、今後ともこの姿勢で臨みたい、かように存ずる次第でございます。
  19. 左藤恵

    左藤委員 いま大臣の御所見がありましたように、やはりそうしたことにつきまして厳正な態度で、今後暴力をふるったり、いろいろなことが起きないように、対策を十分配慮していただきたいと思います。  以上をもって私の質問を終わらせていただきます。
  20. 久保田円次

    久保田委員長 次に、宮崎茂一君。
  21. 宮崎茂一

    宮崎委員 私は、去る六月七日に久保田委員長その他の委員方々とともに豊島郵便局視察に参りました。その視察当日に聞いたり見たのしたことを中心にいたしまして、郵便物遅配問題職場規律の問題若干郵便事業のそういった実態につきまして当局にお尋ねをしたいと思うわけであります。時間があまりございませんので、当日の大体のことを私から申し上げますから、もし間違いがございましたら当局のほうで御指摘願いたいと思います。  私どもの参りました豊島局は、定員が五百八十四名だという説明でございます。そして実人員は六百三名、郵便集配をやっておりますところは第一、第二合わせまして二百三十一名、実員は二百五十名でございます。組合組織といたしましては、全郵政が三百九名、全逓が二百三十五名未加入二十九名、管理者三十名、計六百三名ということでございます。十三万世帯を扱っていて、百十八の区に分けているということでございます。  当日の滞留状況は、通常の郵便物が約十八万二千通、書留が約二千九百通、速達が約二千八百通、小包が約二千八百個、こういったものが現実滞留をいたしております。そしてまた、局長説明によりますと、市民からしょっちゅう苦情が出ている、こういうことでございまして、速達配達を完了するには四、五日かかるのじゃないかというような話でございました。その原因はサボタージュ、山ネコ闘争だというような話でございました。その状況を、私の口で説明しますよりも、当日の朝日新聞に載っておりますので少し読み上げてみます。「久保田円次委員長(自民)ら五党八人の委員から成る第一班は、午前十一時からまず豊島局へ。郵便滞貨が十八万通と記録的な数に達している同局内には、利用者へのおわびのビラや、組合局側双方ビラがベタベタ。一行は局側案内集配室へ。腕章をつけた全逓組合員たちが「断固闘うぞ」「郵政マル生粉砕」などと激しいシュプレヒコール。局長案内滞貨の山をながめる議員たちに「なにしにきたんだ」などとヤジも飛ぶ。それを止めようとする管理職との間で口論。」こういったような記事が朝日に出ております。  そこで私は国民の立場からひとつお尋ね申し上げたいのでございますが、さらに東京新聞の六月十九日の夕刊に、前の公取委員長でございますか、谷村さんがこういうことを書いておられます。「郵便混乱はいまもって回復していない。五月下旬に一週間まるまる配達がなかったのに比べればまだましだが、それでも週に二度か三度という程度である。」そしていろいろと国鉄との比較をなさいまして、郵便遅配に対しても文句は言うけれども、局まで押しかけたりしない。これは国鉄がいわゆるストをやりますとお客さんがあのように新橋の駅、そういったところでうっぷんを晴らす対象があるわけでございますけれども郵便物遅配に対しては国民としてはまだそこまではでな抵抗は示していない。だけれども、非常に各人が心の中で怒り、憤りを感じているというようなことでございます。私どももこういう郵便物遅配に対して、またある新聞にはこういうこともいろいろございます。通信教育を受けている人がさっぱり郵便が来ない。ですから、そういった通信教育の妨げになる、いろいろなことがございます。私ども国鉄ストをいたしましても、あるいは私鉄で来るとか、あるいはまた自動車で来るとかバスで来るとか、会社がバスを手配するとか、いろいろございますけれども郵便物に対しましては何ともいたし方のないような歯がゆさ、いらいらしさを感じます。この点は非常に労使ともにと申しますか、郵政当局もあるいはまた組合側もよくひとつ考えていただいて、表面立って局舎を攻撃するとかあるいは郵便配達夫暴行を加えるということはないでしょうけれども、どうしてもこの点はほんとうに都民が怒っております。そしてまた、たとえば会議を主催する側でも普通の郵便で出すものを速達で出さぬといかぬ、あるいはまた書留で出さなければならぬ、こういうようなことになります。つまり、郵政事業に対する不信というものが出てきます。これは私は非常にゆゆしいことだと考えております。したがいまして、このような郵便事業のおくれということに対しましては、もっともっと当局また組合ともにこの郵便送達業務の安定をはかるように努力しなければならぬと思うわけでございます。これに対してひとつ当局のお考え方をお聞きしたい。     〔発言する者あり〕
  22. 久保田円次

    久保田委員長 お静かに願います。
  23. 溝呂木繁

    溝呂木政府委員 ただいま東京都内郵便遅配についてきびしいおしかりがございました。今回の東京管内に起きた郵便遅配というものはまさに郵便史上初めてといっていいくらいの大きな滞留を生じまして、われわれとしては管理者一同何とかしてこの遅配を解消したいということでいろいろの手を打ちました。しかし結果的には、御承知のとおり従業員の手によって配達される郵便物でございまして、その従業員がふだんの能率の十分の一とか、あるいは業務命令を出しても配達に出ていかないとか、こういった事態で、いろいろ郵政局始まって以来の応援も出しましたし、あるいはまじめに働いている人たちに超勤をしてもらってそれを穴埋めするとか、あらゆる手を打ったわけでございますが、不幸にしてただいまおしかりのとおり東京管内においてそういった郵便物滞留が生じたということを私どもは非常に遺憾に思っております。問題は労使関係から起こった問題でございます。われわれとしてはまず労使関係正常化を望むわけでございますが、いずれにしても郵便物がおくれたということに対しては、都民の皆さんに対して非常に損害を与えたということで、私どもは非常に申しわけなく思っているわけでございます。今後もそういった点についてあらゆる手を講じて、それから労使紛争が生じた場合も郵便物の配送を確保するよういろいろな手を打っていきたい、こういうふうに思っているわけでございます。
  24. 宮崎茂一

    宮崎委員 それではこの前のいわゆる山ネコ闘争と申しますか、先ほど御説明いたしました豊島局でやられましたようなああいった闘争でございますが、どうしてああいうことになったのか、春闘を簡単にひとつお伺いいたしたいと思います。
  25. 北雄一郎

    北政府委員 今度の春闘でございますが、いわゆる実力行使といたしましては四月の二十七日のストでもって一応終わったわけでございます。ところがそれを受けまして当該組合は五月の九日に臨時中央委員会を開きまして、全国的に闘争収拾ということになったと聞いております。全国的にはそういうことで五月の十六日からはいわゆる基準法三十六条の協定も結びまして、そしてやっていく、こういう方針を立てたよしでありますけれども、その中で東京地方本部という東京都一円の組織がございますが、ここで東京独自の問題がある、これが解決するまでは東京地方本部傘下組合闘争を中止しないということにしたようでありまして、この点は中央本部も承認する、こういう形であったようであります。東京独自の問題、当時百数十項目あるということでございました。そういうことで、これを受けまして五月の中ごろに東京地本ではこの独自要求というものを五月一ぱいで解決しよう、こういうことでいわゆる業務規制闘争、すなわちサボ戦術に出ることにしたようでありまして、これを受けまして五月の十九日ごろから、都内で七十七の集配普通局がございますが、そのうち四十数局におきまして能率ダウンというような規制闘争が顕著にあらわれ始めました。したがって郵便物が非常にたまりだす。特に週が明けまして二十三日ごろからは、これに加えまして管理者業務命令あるいは作業指示というものを一切拒否する、こういう態様も数十局において発生をする、こういうことでありまして、月末には二百万通をこえる郵便物が滞る、こういう業務混乱を生ずるに至った次第であります。  この間、当方それから東京地本、すなわち当方東京郵政局でございますが、東京郵政局東京地本の間で交渉を精力的に行なっておりまして、五月の三十日に当局側から一定の最終的な回答をいたしまして、これを組合のほうでも了承して交渉妥結したわけでございます。この東京における妥結という状況を受けまして、全逓中央本部も同じ五月三十日に指令を出しまして、東京独自闘争収拾しろ、そしてあくる六月一日以降三六協定も結べという指示をしたように聞いております。ところが、その五月三十日の指令を出しました翌日、東京組合のほうの会議があったようでございますけれども、その中で闘争収拾反対という意見が強く出まして、この本部指示を撤回させろというような動きがハプニング的に起こった。中央本部地方本部指導統制に服さないというような形が出てきたと聞いております。これに対しまして本部としても懸命な説得をするとかいろいろやったようでございまして、六月四日の晩にはそういったものを一切中止しろ、もし六月五日以降も闘争を続ける場合の責任本部は負わぬぞというような強い態度も示したように聞いております。ところが実際問題といたしまして、闘争中止の期限というものは遅々としてはかどりませんで、六月の十日過ぎまでこの指示に従わないいわゆる山ネコと称せられるような状態が続きまして、業務混乱もしたがってずっと続いたわけでございます。六月二十日現在、昨日現在では都内全局がほぼ三六協定を結んでおりまして、ごく一部の局を除きましてはその仕事ぶりも平常に復す、こういう状況でございまして、したがいまして、郵便物のおくれというものも昨今ではおおむね平常に復しておる、こういう経過、状況でございます。
  26. 宮崎茂一

    宮崎委員 それではもう一ぺん確めますけれども、五月の半ばころから末までストライキというのですか、全逓が何か統一的なことをやって、それで収拾がついたと思ったところが、ごく一部、下部組合が言うことを聞かずに山ネコ闘争をやったのだ、こういうことでございますね。
  27. 北雄一郎

    北政府委員 いま御説明申し上げましたように五月三十日には妥結したのでございます。事後そういう妥結という情勢と違うような情勢が東京都内の相当の局に継続された、こういうことでございます。
  28. 宮崎茂一

    宮崎委員 私は、ここで当局組合との間の交渉とか、あるいはまた、これもどうせ東京の郵政局管内の職員でございますから、その間の中でどうだった、こうだった、その行為が正しいとかなんとかいうことは言いたくないのですが、それはまた別な話になると思います。私が申し上げたいのは、五月の三十日に大体闘争が終わりまして、これから正常な業務につくのだというふうに国民は期待をしておったと思うのです。それからさらに一週間も十日もそういったような遅配というものが続くということは、ほんとうに耐えられないですよ。いつもわれわれ郵便物を受ける側からいたしますと、国民の側からしますと、これは組合の中の事情はどうあろうと、私はそれをとやかく申し上げているわけではありません。つまりそういう郵政省郵便事業に従事している方々、これは組合も含めてそういった方々国民との間の問題ですね。これは郵政当局も、郵便の送達速度ということは窓口に、昨年の十月ですかおととしですか、手紙、はがきの標準送達所要日数というのが書いてあるわけです。このとおり私どもは差し出し人に出しますということを約束しておるわけです。公約をしておるわけです。ですから私はこういうことを、いろいろの理由がございましょうけれども、もっともっとひとつ真剣にやっていただきたい。延べにいたしますと一カ月近いですね。これはほかの方法にかえられないだけに、ほんとうにいらいらするわけです。私もその依頼を受けまして、こういう実際の被害を受けた人たちの話を聞きました。会議にも出席できなかった、こういうようなことのないように、これからは——この前の山ネコというのですか、これはさらにストにプラスしたようなものでして、非常に国民としては困ると思うわけでございます。今後ともそういうことについてはこういうことのないように、ひとつ大臣から十分に当局に注意していただいて励ましていただきたいと思います。大臣としてこの際何かこういうことに対しまして、郵便遅配の問題について大臣の所信を承りたいと思います。
  29. 久野忠治

    久野国務大臣 宮崎委員御承知のとおり、今次春闘につきましては四月二十七日、政府対春闘共闘委員会との間に七項目にわたります合意が成立いたしまして、春闘は終息したわけでございますところがこの七項目の合意事項を受けまして、各地域におきまする全逓本部がいろいろその地域の労働組合との間に処置について話し合いをせられたわけでございます。これが東京都内の一部におきまして、不幸にして十分話し合いができずに、依然として郵便遅配の状態が継続されたということは、私は郵政省を預かっておりますものといたしましてたいへん遺憾に存じ、御迷惑をおかけいたしました東京都民の皆さんにおわびを申し上げるような次第でございます。  今回東京都内において発生しました問題につきましては、組合の内部におきましても十分反省あるいは検討されるよう強く希望いたしておるのでございます。また省といたしましても、より一そう真の労使関係改善のために積極的に今後とも努力してまいりたい、かように存ずるような次第でございます。
  30. 宮崎茂一

    宮崎委員 それでは次に進ませていただきます  私どもが当日豊島局に参りましたときに、腕章をした方々が集まって、先ほど新聞で読みましたようにシュプレヒコールを繰り返しておったわけでございます。あれは職場を放棄しておられるのじゃないかと私は思います。そしてまた一部には郵便物の整理が非常に進んでおりまして、きれいになっているところもございます。そこで職員の方々でそのシュプレヒコールに加わらない方も一部おいでになったと思います。  人事局長にお伺いしますが、豊島局ではそういったような同じ建物の中におるわけです。二階においでになるわけなんです。だけれども実際には仕事をしていない。そして私ども実情調査に行ったにもかかわらず、いま新聞で読み上げたような郵便マル生粉砕ですか、あるいは何しに来たのだこういうような声、これは私は職務専念の義務を怠っていると思うのですが、公務員法か公労法かわかりませんが、それに違反しておると思いますが、その点はどうですか。
  31. 北雄一郎

    北政府委員 目下詳細に調べておりますが、おそらく大部分の者は勤務時間中、しかも割り当てられた仕事があるのにかかわらずその仕事をしないでおった者というふうに思います。したがいまして、そういった場合、その御視察いただきましたときも、仕事をせよということを管理者業務命令をかけていると思いますけれども、それに従わないでそういうことをしておったのだろうというふうに考えるわけです。そうであればこれは国家公務員法違反です。職務専念義務にも当然違背する事態でございます。したがってそういった者につきましては、勤務すべき時間を勤務しておらぬわけでございますから、まず第一にその間は欠務という処理をするわけでございます。その他いろいろな状況をあわせまして、さらに適正な措置を講ずるということも考えられる事態だというふうに理解しております。
  32. 宮崎茂一

    宮崎委員 私どもが行きました節はたぶん十二時前だったと思います。そのあとで早昼を食べたわけですから、十一時過ぎですから勤務時間内でございます。そういうようなことで違法行為だということをお認めになるわけですね。  それでは私は豊島局だけしか知りませんけれども、今度の山ネコ闘争というような闘争態様というのですか、ああいったようなシュプレヒコールのほかにどういったような態様があるのか、そういう点を——これは都内大体大きなものはどういうようなサボタージュの形態をしたのか、御説明願いたいと思います。
  33. 北雄一郎

    北政府委員 いろいろな形がございますわけで、たとえば郵便物を区分する場合に、平常は普通の人であれば一分間に四、五十通を区分しております。これを一分間に十通以下に落とすとか、極端な場合一分間に一、二通しか区分しないという超のろのろ作業をやるというようなケース、あるいは配達すべき郵便物の二、三〇%くらいしか持ち出さない、あとは局へ残しておく、あるいは持ち出したものの九割ぐらいを配達しないで帰ってくるというようなケース、それからもういわゆる道順組み立てというものが終わりましていつでも出発できる形になっており、かつ管理者がもう出発しなさいという命令をかけましても、これに応じないで黙殺して局内でぶらぶらしておるというような状況、それから管理者業務命令あるいは作業指示をいたしましてもこれを聞かない、あるいはこれに対して暴言をはいたり、あるいは集団抗議をかけるというようなケース、それから能率よく作業しておる職員、あるいは他の組合に所属しておる職員、あるいは非常勤職員に対しまして、執拗ないやがらせをするとかいうような状況、そんなような状況が一般的でございます。
  34. 宮崎茂一

    宮崎委員 いまお話しのいろいろな争議の態様と申しますか、そういうのがあるわけでありますけれども、これはいずれも違法行為だと私は思うのです、その勤務時間中に正常な業務の運行を阻害しているわけですから。ですからそういう方々に対して当局はどういうような対処のしかたをされるのか、その辺をお伺いしたいと思います。
  35. 北雄一郎

    北政府委員 いずれも違法もしくは不当の行為だというふうに思います。したがいまして具体的個々の状況をよくただいま調べておりますが、その結果に基づきまして適正な措置をとる、従来もとってまいりましたし、本件についてもとる、こういう考え方であります。
  36. 宮崎茂一

    宮崎委員 やはり私は、豊島局で見ましたときには、シュプレヒコールを繰り返しておった方々は非常に若い方々のようにお見受けいたしました。ですから当局のほうできびしく対処するというのは、国家公務員でございますからあるいはそれ相応のそういった法律に照らした処分もあるだろうと思います。しかし一方、やはり指導してやるというようなことが必要だと思うのです。いなかから出てきた高校卒のまだ若い方々だと思います。そういった方々には、公務員としてのあるべき姿、また郵便事業というものがどういうふうに国民に対して重要なものか、一番基礎的な問題でございますから、そういったことを指導と申しますか、郵政省として訓練される必要があると思いますが、そういった訓練の状態、組織といったものについてお伺いしたいと思います。
  37. 北雄一郎

    北政府委員 新規採用職員でございますが、ことに郵便集配、この両部門につきましては、仕事の性質上なるべく若い人を新規採用するようにつとめておるわけでございます。新規採用いたしましたならば、当該局で職場訓練というのをまずいたします。おおむね一週間程度かけまして、仕事をさせながら職場訓練というものをやります。それで当座の訓練をいたしまして、それからその後一年以内に仕事から離しまして、所在の研修所というものがございます、全国にこの種の研修所は十カ所ございますが、必ず全員この研修所へ入れまして初等部訓練というものを実施いたしております。これは前期と後期に分かれておりまして、まず初等部前期という訓練を二週間やります。それからここを出まして一年以内に、初等部後期訓練というのにやはり二週間のコースが設けてございますが、この初等部訓練というものを全員に対して施す、こういうことをやっております。
  38. 宮崎茂一

    宮崎委員 大臣にお伺いしたいのですが、いまのような郵政事業をほんとうに国民のためのものとして、お出しになった郵便物もきちっと配達するというようなことにするためには、職場の規律ということも必要でございます。そしてまたそういった訓練とかいったことも必要だと思うのです。またあまりひどい人は処分ということもやはりき然とした態度でやらなければならぬと思います。こういった問題につきまして、大臣の今後の方針と申しますかお考え、そういったものをお聞かせ願いたいと思います。
  39. 久野忠治

    久野国務大臣 今回東京都内の一部で起きました業務の運行の阻害の状態につきましては、私は全く異例のことであるという認識でございます。このような事態が生じましたことは、私自身としても遺憾に存ずるような次第でございまして、先ほども申し上げましたように、二度とこのようなことを繰り返さないように、今後とも労使間の協調関係を樹立することによって避けたい、かように考えておるような次第でございます。  特に、この郵政事業は人力に依存する度合いの強い国の事業でございます。でありますから労使関係の安定がきわめて大切な課題であることは言うまでもございません。そのためには、省といたしましては自律すべき点は率直に自律して、労使間に好ましい労使関係が確立されるよう努力いたしておるような次第でございまして、今後このような不幸な事態が二度と起きないように、また先ほど御指摘になりましたような職場規律の違反の処置の問題でございますが、内容についてただいま厳重に調査をいたしておる段階でございます。調査の終わり次第、何らかの措置を講じたい、かように存ずる次第でございます。
  40. 宮崎茂一

    宮崎委員 もう約束の時間も参りましたので、最後に一つ、私はいまの大臣お話のように郵政労使一体になって、国民の期待にそむかないようにお願いをして、私の質問を終わります。
  41. 久保田円次

    久保田委員長 次に、島本虎三君。
  42. 島本虎三

    島本委員 やはりいろいろな問題があるようでございますが、この郵便遅配であるとか、あるいは暴力行為であるとか、あるいはストライキであるとか、こういうような現象だけをとらえて、その処分であるとかその措置にのみ没頭しても労使正常化にはならない。やはりその辺が根本的な省としての考え方でなければならないと私は思うのです。私どもはこの問題に対して深い関心を持っております。したがって、郵政労使が今日のような不信状態になった原因はどこにあるか。この点について十分心しなければこの問題の解決にはならぬのです。現象だけやって、処分ばっかり追って歩いて、どうしてこれらの解決になりますか。考え方を改めないとだめだ、私はそう思うのです。この労使の不信状態、この原因については十分究明しなければなりません。私は大臣にこの際はっきりこのことを申し上げ、前者も質問してございましたが、私もこの問題で相反することの質問に入るわけです。その前に、両方合わせてみてもどうしてもいまのようなことを言わざるを得ないわけです。現象を追い過ぎませんか。処分だけにとらわれ過ぎませんか。そういうようなことに没頭する結果が労使の不信関係今日のごときものになる。そして、いまや抜き差しならぬようになっているというのが現状じゃありませんか。私はこの点を改め、そして原因はどこにあるのかというようなことをもう一度再思三省しなければならない。こう思いませんか。
  43. 北雄一郎

    北政府委員 確かに労使間に不信感あるいは信頼感の欠除という現実が若干あることは私どももそれを考えております。その原因ということになりますと、これはやはり歴史的ないろいろな問題もその大きな原因一つであろうと思います。先生も御承知と思いますが、三十年代の初めに、当時の公労法のもとで団体交渉ができないというような問題がございまして、職場闘争というようなものが組合一つの基本方針になるというようなところからそもそも淵源しておるというふうに私どもは考えております。しかし、そういった淵源がございましても、そういうままであっていいとは思っておらないわけでございまして、これは私ども労務に当たります者の解決すべき多年の課題というふうに受けとめてまいっております。その中で、これまた御承知と思いますが、昭和四十五年にいろいろ労使間に曲折がございまして、その年に四月九日の四・九確認、暮れの十二月十四日に一二・一四確認というものをいたしまして、それを踏まえて私どもといたしまして、私どもの部内すなわち管理者に対しまして、そのあくる年の一月に郵人管三十号、五十号という通達をいたしまして、これを基本に労使関係の改善につとめる、こういう姿勢をとっておるわけでございます。その中身といたしましては、これまた御承知と思いますが、要するに不信感があるという現実、これをまず払拭する、そうして新しい信頼関係を樹立していく、そのために具体的になすべきことあるいはとるべき態度というものを、その二つの通達の中に、一二・一四確認を受けましてはっきり示しておる、こういうことでございます。
  44. 島本虎三

    島本委員 特に、大臣もいらっしゃいますが、この問題について答弁だけはきれいにいままでなされておるのです。議事録を見てもきちっと答弁がなされておるのです。それでいながら、やるやると言いながら、なぜこういうようなことがあとを断たないのですか。むしろその辺が、大臣原因なんです。あえて私も調べてもらいました。これは郵政省の資料です。昭和四十一年、ことし四十八年でしょう。昭和四十一年の五月二十四日、郵人管第九十号、通達が出ているでしょう。正常の労使関係の確立について、という表題ですよ、大臣。それから四十三年四月二十二日にも郵人管第七十五号で、これもまた正常なる労使関係確立について、そうですね。今度は四十五年十二月十四日に組合と確認し合った事項について、今後の労使関係の改善について、これは確認されているのですよ。そうしてその後昭和四十六年の二月九日郷人管第三十号、大臣依命通達が出ております。昭和四十六年二月二十二日に郵人管第五十号、人事局長通達が出ているのであります。なぜこんなに九年間も八年間も出なければならないのですか大臣。なぜこれほど出てもまだあとを断たないのですか。言っていることをやらない存在があるからじゃありませんか。こういうように通達を出しても、中間管理者や下級管理者がそれを無視して実行しないからじゃありませんか。なぜこんなに八年間に通達や確認事項が流されても、いまのようにあとを断たないのでしょう。労使ともにこれをやるとしたならば、結論が出るじゃありませんか。これが出ない。八年間もかかって依然として同じ状態だとするならば、皆さんのいわゆる機構が無視されているか、綱紀紊乱です。そうでなければ中間管理者が、それらのものは来てもやらなくてもいいという、いわゆるむほんを起こして指導しているか、そうでなければ下級管理者がこういうようなものを無視しているか、いずれかですその一つをとってもこれは重大な問題なんです。その重大な問題が官側の機構の中にあるということじゃありませんか。なぜこんなにたくさん八年間にわたって通達を出してもあとを断たないのでしょう。なぜこういうように出しても、いまだにあとを断たないのでしょう。これは疑問じゃございませんか。
  45. 北雄一郎

    北政府委員 ただいまおっしゃいましたように四本の通達が出ております。最初の四十一年の通達と申しますのは、たしか……
  46. 島本虎三

    島本委員 それは言わぬでいいのです。おれが言ったとおりでしょう。
  47. 北雄一郎

    北政府委員 中身について若干申し上げますと最初の四十一年の通達と申しますのは、たしか非常に簡単な通達でございまして、三行か四行ぐらいのいわゆる不当労働行為というものをしてはならぬという通達でございまして、四十三年の通達は、その四十一年の通達とほぼ同一の内容の通達でございました。それからあとの二つの郵人管三十号、五十号、これは二度に分けましたけれどももともとは一本のものでございまして、先ほども申し上げました四十五年の暮れの労使の確認、これを年が明けまして、私どものほうで管理者に対しまして示達をしたものであります。そのうち、根幹的な部分につきましては依命通達の形で二月九日に出し、それからその比較的細部の問題につきましては、人事局長通達ということで二十二日に出したものでございまして、この二つは一本のものでございます。その間、先生も御承知のようないろいろな経緯があったわけでございますが、先ほど触れましたように、この種の労使関係の問題、昭和四十五年がわれわれの労使間で一番大きな問題になったのでございまして、その年の四月と十二月に二度の労使間の確認がなされまして、そこで省としてもはっきりした方向というものを定立いたしまして、自後この定着、浸透に努力をしておる次第であります。したがいまして私どもの考えでは、この二つの労使の確認を受けました二つの通達で省の向かうところをはっきりいたしましてからあと、いわば四十五年がピークであって、漸次労使関係はよくなってきておるというふうに思います。  ただ残念ながら、完全にびっしり徹底しておるかということになりますと、まだ若干遺漏があるようでございまして、この点については私ども大いに反省をしておると同時に、さらにいろいろな方法によりまして徹底を期さなければならないということを思っておる次第であります。
  48. 島本虎三

    島本委員 徹底を期す、それはもう当然でありますが、いままで徹底を期していなかったのですか。これから徹底を期すなんというのはおそ過ぎます。これはあたりまえなんです。通達そのものは徹底させるために出してあるのです。これから徹底を期すなんて、そんな答弁、それは取り消しておいたほうがいいですよ。  それで私は、今度は大臣、もう一つこういうような問題の中で——前の大臣は廣瀬郵政大臣でしたね、廣瀬郵政大臣辞任される直前に、やはりこのマル生問題解決のために努力され、心配していたんです。特に今後絶対これをやらせない、したがって、ということでいろいろわれわれも協力するために踏み切りました。そして今後のために確認を得ました。そのために法案も成立し、現行のようになっております。その際に、もう再びこういうようなことはやりません、やらせません。そのために人事局長、あなたは特命を受けているでしょう。それと郵政事務次官、これも今後やらせないというために特命を受けて現職にとどまり、いまその責を果たしつつあるのじゃありませんか。それが依然あとを断たないというならば、ただスタイルだけはいいけれども、実行はさっぱり伴わない、こういうばかなことがあってはなりません。こういうような意味で、前の廣瀬大臣からもこの問題で、はっきりこれを根絶します、あとを断ちますというようなことで、郵政事務次官、それと人事局長、はっきり言われておるはずです。あえて言うと特命を受けているはずです。にもかかわらず、こういうような状態があるということはどういうことですか。そして、通達はこのようにしていままで、数限りなくと申しませんけれども、四十一年からずっと出ていても守られない。皆さんのほうがほんとうにやろうとするならば、上から下まで、はっきりこれを通達して守られるような機構でないと、綱紀紊乱ですよ。中間管理者でこれを守らなくていいという管理者がいなかったかどうか。下級管理者でそれを無視して自由自在にやっているというような管理者がいなかったかどうか。この辺の処分、この辺の措置を甘くしておくからこういうことになるのです。八年間そういうようにしてきているからこういうことになるのです。胸に手を当ててゆっくり考えてごらんなさい。いまこういうようになっているのは、三つのうちのいずれですか。特命を受けたあなたとして、私はこれをはっきり聞きたい。
  49. 北雄一郎

    北政府委員 私ども常に、ただいま申し上げました四十五年の一二・一四確認、これは私がやはり人事局長でございまして、その面接の衝にあってああいう確認になったわけであります。したがいまして、これは省の命題であると同時に、担当の私としての最大の命題であると心得てやっておる次第でございます。したがいまして、私のほうの見方からいたしますれば、その後逐年それは徹底をし改善されておるというふうに考えます。ただ、先ほど申しましたように、じゃ全職員一人残らず徹底しておるかどうかということにつきましては、四十五年当時に比べればそういった件数は激減しておるわけでございますけれども、ときどきそういった問題がなおあるということにつきまして、たいへん残念だと思います。したがいましてさらに徹底をはかっていく必要があるというふうに考えておるわけでございます。またその間、私のほうといたしましても、この方針といいますか、三十号、五十号というものに違背し、踏みはずすというようなケースにつきましては、そのときどきにおきまして必要な措置をとってきておるつもりでございます。
  50. 島本虎三

    島本委員 その必要な措置が、やった本人を優遇して特別昇給をさしたり特別のポストを与えたり、そういうふうな結果、なおさらこういうふうなものを守らないのが抜てきされる基準になる、こういうようなことを守らないことが自分の栄進の道である、こういうように考えている人がまだいるからですよ。厳重な措置を怠ったからですよ。そう思いませんか。
  51. 北雄一郎

    北政府委員 私どもはそのつど適正な措置をとっておるつもりであります。決してそのことのゆえをもって逆に栄進させるとかいうようなことは考えておりません。
  52. 島本虎三

    島本委員 もしそういうような事実があった場合には、直ちにそれに対して厳正な措置をしますね。
  53. 北雄一郎

    北政府委員 従来もやってきたつもりでありますし、今後も適正な措置をとる所存であります。
  54. 島本虎三

    島本委員 じゃ人事局長、皆さんのお考えでもいいですが、昭和四十七年十月十三日付で国家公務員法第八十二条によって懲戒免職になった豊平郵便局貯金課の一条進次という人、これは郵政事務官で主事です。この事情を御存じでしょう。何のためにこれは懲戒免になったのか、これを御説明願いたい。
  55. 森田行正

    ○森田説明員 お答え申し上げます。  一条君は数年間にわたりまして郵便貯金を横領した容疑でもって検察庁に送られまして、その点郵便局へ通知いたしまして、その結果、郵政局長のほうから懲戒処分がなされたものでございます。
  56. 島本虎三

    島本委員 懲戒処分にするということ、これは最大の犯罪ですね。その犯罪を犯した人が郵政大臣表彰を三回も受けているのですが、これは何の間違いでしょうか。
  57. 北雄一郎

    北政府委員 懲戒免職を受けたわけですからそれで身分がなくなったわけでありまして、そういった犯罪をやる前に表彰を受けている事実はございます。これは当人が貯金の外務員でありますので、定額貯金の募集成績がよかったということをとらまえてそういった表彰をしたものというふうに記憶をしております。
  58. 島本虎三

    島本委員 そうしてその成績のよかった人が定額貯金において三百七十三万円、そしてそれは前後六回にわたって、これが支払ったものもあり支払われないものもあり、合計して三十万二千百六十八円を横領したということで首になっているのです。本人は、これは私が横領したのじゃない、第二組合をつくるために資金としてこのものを使ったんだ、そしてこれを使うまでの間に歴代の局長から五万円、六万円ともらってやっていたんだ、それが不足したからこれをやったんだ、私は私腹を肥やしたんじゃない……。第二組合をつくれと命令した人はどなたなんだ。一部始終全部私の手元に資料があるのです。結局は局長が歴代にわたって第二組合をつくれ、そして金を五万円、六万円とやって彼をしてやらせ、全然いなかったのが二名、三名、五名、十名、五十名、それ以上ふえなくなったら、今度は百名まで伸ばせ。これこれの者は落ちそうだというメモをやる。そしてそのメモをもらってまた働きかける。飲ませ、食わせ、金が足りなくなる。したがってこれを流用したのであって、私のポケットには一銭も入っておりません、これは官の命令によって私は第二組合づくりをやったときの金なんだとはっきり疎明しておるじゃありませんか。私どもにはっきりこれを言っているのですよ。一体こういうことが労使関係を円満にさせようとするこの通達の意向をくんだやり方なんですか。そのときの局長は全部郵政局のほうに栄転しています。栄転しているのに何であなたはそれに対してそのままにしておくのですか。これじゃおかしいじゃありませんか。私はこれ一つだけでもほんとうに納得できない。本人はもう首になっている。そしてそのまま局長は、泣きの涙で見舞い金として一万円をやっているのです。こういうふうなことをさせてまでも第二組合をつくること自身が犯罪だと思いませんか。それがこの通達が守られない重大な原因だと思いませんか。下部管理者の反乱ですか、中間管理者の指導ですか、上部からの指導ですか、これははっきりこの面については調べがついていると思います。
  59. 北雄一郎

    北政府委員 詳細についてはただいま調査中でございます。しかし、ただいままで北海道郵政局を通じまして私どもも一部承知をしておるわけでございます。その中で、この問題を知るに至りましたのはたしかことしの五月でございますので、仰せの人事等は当然それ以前のものでございますそれから金の授受というものが一条君といろいろな管理者との間であったということについても一部私ども承知しておりますが、それはそれぞれこちらのほうの管理者に言わせますれば、それなりの理由があってポケットマネーを渡したんだ、こういうふうに聞いております。
  60. 島本虎三

    島本委員 本人はこれについて具体的にはっきりわれわれの目の前に資料を提出しているのです。皆さんのほうにもこれぐらいのは行っているでしょう。これによると、昭和四十七年三月一日、水車町十一丁目の豊平郵便局庶務課長宅へ呼んで一万六千円、三月二日、同じく庶務課長宅で一万六千円、四月の初旬にこれは豊平郵便局で二万円四月の中旬に本人の一条宅へ行って一万円、当時の丸山局長から豊平局内で六万円、そして八月になって局長を更迭し、かわりに柴田局長になってまた六万円、現金でこれはもらっているのです。これは全部ポケットマネーですか。
  61. 北雄一郎

    北政府委員 私どものほうでは金額が若干違っておりまして、いろいろな人からいろいろな時期に合計で十万八千円というふうに聞いております。それはいずれもポケットマネーであるというふうに把握しております。
  62. 島本虎三

    島本委員 これは大臣、こういうようなところが原因なんですから、あなた黙って聞いていてくださいよ。  その本人に対して金を渡して、これは工作に使う資金であるというふうに指示しているのです。みんなこれは局長、庶務課長並びに当時の土田という労担主事、これらの人がやっているのです。一体こういうような金は、春闘その他では各局にそれぞれ行っていると思うのです。前回横路君もこの点について触れて、私もそれを参考にして、これはなお驚いております。函館や旭川は大局です。その辺はその対策費が七万円だった。豊平の郵便局は二十二万円労務対策費として行っている。豊平は函館や旭川より小さいのですか、大きいのですか。何のためにこれは必要なんでしょう。やはり第二組合をつくるための資金としてこれを流すために必要なのじゃありませんか。どうしてこういうような労務対策費がおりるのに各局によって差があっていいものですか。
  63. 北雄一郎

    北政府委員 それは当然ピケ態様でありますとか、あるいは豊平の場合は御承知のように札幌市内で第二番目の大きな局でございます、したがって郵政局あるいは付近の管理者が大量に動員をされた、それから就労者も非常に多くていろいろなトラブルがあったというような事情に基づくわけであります。そういった場合いろいろ車代もかかる、それから報償金の関係も要る、それからいろいろ打ち合わせも必要であるというようなことでそうなっておるわけであります。
  64. 島本虎三

    島本委員 その点だけは局長の言うのとあなたの言うのと一致します。全部ポケットマネーであるという点とハイヤー代であるという点は一致します。  ただ、この点は本人がそうだと言い、その他についてはおそらく皆さんはそうじゃないと言うでしょうが、これはゆゆしいことで、許されないことが一つあります。昭和四十四年の十月十三日に、豊平郵便局には扇子という名前の庶務課長さんがおったわけです。その人が一条を衛生室へ呼んで、全逓を脱退して全郵政の組織をつくってほしい、こういうようなことを私は命令されましたと言う。それはできませんと私が断わると、当時の浅見喜作郵政局長の命令であるぞ、よく考えて返事をするように、こういうふうに言って帰っているわけです。それが扇子庶務課長です。同じく四十四年十月十七日、仲田という貯金課長が一条を午後六時三十分ごろ自宅に来るように要請した。それで行ったら、おそいのによく来てくれたということで酒食のもてなしを受けた。そしてそのあとで、全郵政の組織づくりに取り組むようにぜひこれをやりなさいといって命令を受けた。そして、その際にもまた浅見郵政局長の命令であるよ、こう伝えられた。二人の点から、それぞれ違う課長から浅見郵政局長の命令だ、こう言われることはどちらが正しいかどうか、これは重大な問題です。もしここではっきりできなければ証人を喚問してはっきりさせるのでなければ、全逓のマル生はなくなりません。当然こういうようなことを出していながら、あなたたちはやってはいけませんよと言っていながら、中間管理者が反対のことを命令しておるじゃありませんか、局長。こういうような事実があったのかどうか。こういうようなことがあったのかどうか。本人もおられますから、もしそうでないということであるならば、これはそうでないようにはっきりさせておかないといけません。私の目の前にはっきりこれが疎明されました。これをはっきりさせてもらいます。
  65. 北雄一郎

    北政府委員 扇子課長の場合は、そういうことを言った覚えは絶対ない、こういうふうに言っております。仲田貯金課長の話はいま初めて伺いましたので調べてみます。
  66. 島本虎三

    島本委員 これはもうすでに本人の名前が出たのでありまして、当時の郵政局長であるならば、私は、この際やはり本人としてもこのような事実に対してはっきり弁疎しておく必要があるのじゃないか、疎明する必要があるのじゃないかと思います。ただ人伝えにそんなことはなかったというのは、本人としてもどうかと私は思いますが、これはどうなんでございますか。やはりこういうような事実を下部の末端管理者に命令したのですか。
  67. 浅見喜作

    ○浅見政府委員 札幌郵政局長といたしまして在任期間中、そのようなことを命じた覚えはございません。
  68. 島本虎三

    島本委員 命じたことがないと言う。本人は命令されたと言う。こういうようなことであるならば、やはりこれは今後本人を呼んで、ここで証人としてでもこれをはっきりさせるのでなければ、やはりこれはマル生運動の根絶にはならないのじゃなかろうか、私はそう思うのであります。したがって委員長に、二人を呼んで、ひとつ証人として喚問してもらいたい、このことを要請いたします。
  69. 久保田円次

    久保田委員長 理事会で相談いたします。
  70. 島本虎三

    島本委員 そうしていただきます。  なお私としては、もうこういうようなことをしてはならないのだということで、もう一つ二つ例があるのであります。あまり例はございません。というのは、やはり四十五年の八月ごろには、当時の郵便局長や庶務課長や局長代理や労務担当主事や全郵政の委員長以下十一名の人とやはり南十四条西郵便局へ行って、そこでいろいろ打ち合わせしておるわけです。公然とこういうようなものに使うために郵政会館をわざわざつくってあるのじゃありませんか。なぜこの南十四条西郵便局でそれも晩の七時から、局長とほかの管理者と全郵政執行委員方々とここで話さなければならないのですか。そして終わったあと、午後八時から場所を変えて懇親会を開いているわけです。当然これは打ち合わせのためにやったということでしょう。打ち合わせのためにやるとするならば、何のために郵政会館ができているのですか。郵便局まで使わなければ場所がないのですか。それも特定局に晩の七時、こうまでして懇親会を開かなければならないほど札幌市内においては場所がないのですか、局長。郵政会館はそれらの需要に応ずるために建て増しをして、現在はかつての二倍くらいにもなって、ゆうゆう使えるようになっているのです。こういうようなことだとすると、全逓さんともやっていますか、こういうことを。懇親のためだ、打ち合わせのためだというならば全逓ともやっておりますか。
  71. 北雄一郎

    北政府委員 これは、その年の七月に局長、庶務課長が異動いたしまして、他の局から赴任してきておるわけです。そして八月の初めだったように聞いておりますが、全郵政のほうから、局長、庶務課長がかわったのだから、われわれと初顔合わせをやってくれ、こういう話があってやった、こういうことと聞いております。  ただ、なぜそういう場所を選んだかということでありますが、これは当時組合が二つございまして、いろいろしのぎを削るといいますか、ありましたために、普通なら自局内でやるわけでありますけれども、刺激を避けるという意味で、南十四条西局の局長を丸山局長が知っておったものですから、たまたまそこを借りた、こういうことと聞いております。  それから全逓ともやったかということでございますが、これは一般的には、私どももそうでありますけれども、やはりかわれば各組合といろいろな意味で初顔合わせをしたり、その後におきましてもいろいろ会合したりすることがございます。ところが当該局におきましては、全逓管理者の間でそういうことをする雰囲気に当時全然なかった、したがって現実全逓のほうからはそういう申し入れもなく初顔合わせもしておらぬ、こういうことであります。
  72. 島本虎三

    島本委員 なかなか答弁が無理なようです。晩の七時に——南十四条西は豊平の局からは何キロありますか。何のために遠い郵便局を選ばなければならないのですか。その中間点に郵政会館という郵政従業員のための施設がりっぱにあるじゃありませんか。そこも使えないということは秘密を要するから使えないのですか。そういうようなことをやることを皆さんとして公然と認めていなさるのですか。懇親会ならば、打ち合わせ会ならば公の場所を使って堂々とやるべきじゃありませんか。片方はそういう雰囲気にないからやめる、片方は夜陰に乗じて——午後七時といったら夜でしょう、そうしてそれも一番遠い局まで行って、そこで懇親をやっておる。何かなくてこんなことできますか。これは普通の状態ですか。こういうようなものの積み上げが現在のようなマル生運動になっておるのです。そのあげくの果てに、——これももうすでに終わったと思いますが、われわれはこれに対して結論を得たいから聞くのです。やってはならないことさえもやっておるじゃありませんか、組合員をふやすために。当然昇級昇格するような人、そういうような人たちのメモを職制がちゃんとそれを渡しておるのです。そうしてそういうような人たちの肩をたたいて、おまえは昇進するのだから全郵政に入りなさい、こういうようにしてだんだんふやしていっておる。そして、そういうようなことが目に余るようなことがあって、ついにそれに対してもはっきりやめなさいという訓告さえ受けておる、こういうような事実はありませんでしたか。(「あると言った」と呼ぶ者あり)これは答弁要らない。これは、あると言ったそうです。そのとおりです。もしそうだとするならば、当然それは不当労働行為として、これは認めることになります。不当労働行為であるとするならば今度はこんなことをさせることは悪いことになりますから、今後はそうさせた人に対して処置をしなければならないことになります。それもあいまいにしておくからこういうようになるのです。一たんこういうように通達を出したならば、これを厳正に守らせなければいかぬはずです。守るためにも、その責任の所在をはっきりさせて、そしてこの責任をはっきりとらせる。処置をさせる。はっきり言うと処分させる。これがはっきりしないから、そうやった人たちが栄転したり栄進されたりして、これが中に暗い要素をかもすことになるのです。私は、そういうような点から重大だと思うのです、これをしたとするならば。そういった人は栄進していますね。こういうようなことじゃいけません。これは、何回私がここへ来て注意したら皆さん聞いてくれるのです。おまえは正式の逓信委員じゃないから、一時間しゃべったらあと来ないだろうからと、かってな答弁ばかりしてきたから、いままでこんなことが続いているのです。今度はそうじゃないですよ。根絶をしなければならない。あなたは特命を受けているのですからね、このために。依然としてこれが続いている。処置に対して、はっきりするかしないか、この点を伺います。
  73. 北雄一郎

    北政府委員 最初に申し上げましたように、私ども北海道郵政を通じて一応現状というものを把握しておりますが、さらに現在、別途、詳細調査中であります。調査の結果を待ちまして、わがほうの一つの基準といいますか、すなわち郵人管三十号、五十号でございますが、そういった方針というものと照らし合わせまして、必要な場合に適正な措置をとる。(「処分しなければいかぬよ」と呼ぶ者あり)そういう場合に、適正な措置をはっきりとるということを申し上げておきたいと思います。
  74. 島本虎三

    島本委員 厳重にそれはすべきであります。  それと、私自身もこの調査にあたりまして不可解な点が一、二ございました。良識者の育成対策というものを依然としていまでもやっていなさるのですか。
  75. 北雄一郎

    北政府委員 良識者ということばは現在生きております。これは、先ほど申し上げました四十五年の一二・一四確認当時もそのことははっきりしておるわけでございまして、要するに良識者とは何か、これはよく法律を守る、また企業意識のある人間、こういうことにはっきり定義づけておるわけでございます。しかし、良識者がすべてであるということではないぞということも十分指導しております。良識ということは大事だけれども、良識があっても全然仕事がなっておらぬという者はこれは全然評価できない、そういうことであって、これは取り違えなく、ということははっきりさせております。
  76. 島本虎三

    島本委員 この一条君は、やはりそういうような状態で懲戒免になりました。その際に始末書をとられております。その始末書には、この金の使途について全郵政をつくるために使った、こういうふうに書いたところが、監察によって、そう書かないでほしい、良識者の育成のためにというふうに書いてほしい、こういうふうに言われて、始末書はそういうふうになっているはずですが、こういう犯罪にまで、良識者を育成するために、これは使われるのですか。これは良識者がまだ生きているとするならば、その良識者育成のために、これは使った犯罪ですよ。本末転倒していませんか、郵政省は。
  77. 北雄一郎

    北政府委員 ただいまの点は、始末書は監察に出すものではございませんで、当該局長に出すものでございますので、当該局の庶務課長に実際は出したようでございまして、庶務課長と本人との間のやりとりであったように私ども承知をしております。そのときに、結局、そういう詳細な文句までは存じませんが、始末書の内容に、その金は確かに横領したけれども、それは全郵政の組織拡大のために使ったという趣旨のことが書いてあるそうでございます。そこで、そういうことを書いても、そのことによって、不正行為が正当化されるものではないぞ、だからこういうようなものは書かぬほうがいいじゃないかということで書き直しをすすめたことは事実なんでございます。しかし、そのときに当該御本人は、書き直しをすると言わなかったそうであります。そして、そのときには、本人は始末書を一応出さないで——そういうやりとりがあったので、出さないで持ち帰ったそうでありますが、後日出されたのを見ると、前に書いたものと同一であって、何にも直してなかった、こういうふうに承知しております。
  78. 島本虎三

    島本委員 現在もそういう始末書になってございますか。こういうふうに書きなさいと言ってそのサンプルまで持ってきて、良識者育成のために、こういうようなことにして出させたと本人は言っておりますが、それはそうじゃなくて、全郵政育成のために使ったと書いてあるならば、本人もこれまたうそを言ったことになります。本人は、それじゃ困るから良識者育成ということばに直してもらいたい、こういうふうに言われて、そのとおり書きましたと言っているのです。それがまた全郵政育成のためにと書いてあるとするならば、これは今度は、そっちのほうがほんとうかもしれません。しかしながら、なかなかこういうような点では、私どももまことに了解に苦しむわけなんでありますが、ほんとうにそれがその理由だとするならば、その理由をそのまま書いてやるのが始末書じゃないかと思うのです。その始末書の書き方までそれを指導して書かせる。良識者ということがまだ生きているとするならば、良識者を育成するためにこういう犯罪を犯す、こういうようなことは認められるということに通ずるじゃありませんか。その考えは間違いではありませんか。私はほんとうにこの点は遺憾です。  それと同時に、労務担当主事というものは、どういう仕事をするように、いま位置づけられておるのでございますか。
  79. 北雄一郎

    北政府委員 労務担当の主事は、これはすなわち庶務担当の主事でありまして、庶務担当の主事ですから庶務の仕事、それから庶務の仕事の中には労務の仕事も当然入るわけですから労務の仕事こういった仕事をする。したがいまして、そのうちの労務だけをとってみますれば、通常、局側組合側との接点になるわけであります。通常、労務担当主事が、両方で交渉会見をするという場合の窓口の最前線といいますか、をになう、こういうこと、あるいはいろいろ必要ないわゆる情報というようなものもキャッチをする、こういうような仕事をするわけでございます。
  80. 島本虎三

    島本委員 ところが、これもまた優秀な土田という労務担当主事は、さっぱりそれをやらないで、金を渡したり、使い走りをしたり、第二組合をつくるために狂奔したり、そういうことばかりやっているのですね。資料によって明らかです。一つ一つこれは言いたいのですけれども、これはもう省略します。はっきり言えばあるのですよ。そういうような状態で労務担当主事を使うのは、これはやはりマル生運動を大いに盛り上げる原因をなくするためには、もう何にも用をなしません。私、この際、労担主事、こういうようなもののあり方を十分考えるべきじゃないか、こういうように思うのです。それと同時に、この一条が管理者から金をもらった、これは五万円、六万円もらっております。管理者も一条に金を渡した、スト資金の補てんとかなんとか言っておりますが、このストライキ対策費の支出状況については、これは監察局の監査を受けているはずですが、監察局では、こういうようなことは全然調査しないものですか、しているのですか。この点は私ども調査でまことに不分明なところであります。出した金についてほんとうにこれは調査しているのですか、いないのですか、この点……。
  81. 森田行正

    ○森田説明員 お答え申し上げます。  特別に郵政局から依頼がありまして個別的に相調べますときを除きましては、監察官が郵便局の考査に参りますときには非常にたくさんの項目について考査をいたしますので、そういう金銭の授受その他については、ある意味で適法な支出をしておるかどうかという形式的要件というふうなことを調べるのが大体の実情ではなかろうかと思います。
  82. 島本虎三

    島本委員 業務監査もあるのでしょう。それだったら中身についてもやらなければならないのでしょう。これはやはり官側にもし不利な事態であるとするならば、そこは目をつぶってやらないこともあり得るのだ、こういうふうなことでよろしいのですか。
  83. 森田行正

    ○森田説明員 そういうことではございません。
  84. 島本虎三

    島本委員 じゃ、ストライキ対策費の支出状況について監察局は十分調査したのですか。
  85. 森田行正

    ○森田説明員 豊平局のそのお金を監査したかどうか、私いま具体的に資料を持ち合わせておりません。いずれ調べまして御報告申し上げます。
  86. 島本虎三

    島本委員 もうすでにそれはわれわれのほうで先に調べてあるのであります。十分調べたところが、その点は厳として発表できないと言うのです、言えないのだというのです。というのは、逓信委員会からはっきり議長の承認を得てやったいわゆる議会の調査権の発動じゃないから、したがってこれは言えないというのです。今度はここは逓信委員会です。したがって逓信関係業務の運営についていま聞いているのであります。言えないと言ったことをいま皆さんが知らないわけないでしょう。ちゃんと資料は上がっているでしょう。もう人事局長のほうにはあらゆる資料が上がってきているじゃありませんか。あなたのほうだけ上がってきていない理由は私はごうまつもないと思うのです。ここで、どうなっておるのかちょっと言ってくださいませんか。
  87. 北雄一郎

    北政府委員 その点につきましては調査中でございます。
  88. 島本虎三

    島本委員 監察の件を調査中だというのは、人事局長……。
  89. 森田行正

    ○森田説明員 この問題につきまして監察が犯罪の捜査をやりましたときには、いわゆる官からポケットマネーか何か知りませんけれどもお金が出たというふうなことは全然われわれ考えておりませんでしたし、予想もしていなかったことでございまして、ことしの五月になりましていろいろな案件が起こってきたわけでございます。先月の末に札幌郵政局から札幌郵政監察局に対し、こういうふうに新聞報道もあるが、この点を調査してもらいたいという正式の依頼が参りましたので、ただいま札幌郵政監察局におきまして豊平郵便局の書類等を引き上げまして目下調査中でございます。その結果はまだ出ておりません。
  90. 島本虎三

    島本委員 その程度はよくわかりました。早くこの調査を終了するように、結果を出すように特に要請しておきますが、これは少し重要なんです。少なくともこれは官であろうとも局長であろうとも、おかしい支出をしていた場合には摘発すべきです。それが個人である従業員のほうには重点的にやって、そっちのほうは目をつぶる、こういうようなことがあってはならないし、今後の態度としてはそういうようなことを繰り返してはならないと思うのです。  それと同時に、ちょっと急いで申しわけありませんが、この処置というものも、私はもうすべての人に同じにやるように局長は指導しなければならないと思うのです。いろいろあります。いろいろありますが、せんべつということで丸山局長が一万円本人の自宅へ行って本人に渡しているのです。本人も懲戒免ということになったらこれはもう苦しいだろうし、そして局にもいろいろ功労もあったし、そしてその見舞いとして私のポケットマネー一万円だという。これはもう懲戒免になる場合には、どなたであろうともまさに重大なことです。官に奉職する者にはこれ以上きびしい処分はないのですから。じゃ、ほかに懲戒免になった人に全部やっているのかといったら、だれにもやっていない。一条さん一人だ。というのは、これはいままで自分らがやらしておいて、そうして金も支出してやったけれども、それ以上の支出を要し、そしてこの貯金に手をつけた、それがまたこうなった、これはあばかれたらたいへんだ、口どめ料として持ってきたということは一条本人が言っておるのです。この一万円もしやるならば、自分が指導して育成してこれをりっぱにしなければならない試用期間中の人が一人あったわけです。残念ながらその人も懲戒免になった。それに対してはあと足で砂をかけるようにしてそれを去らした。なるほどわかるのです。それは自分の責任でりっぱにしなければならない、局長権限で指導しなければならない義務があったはずです。それがうまくないからといって、その場合はぽんとほったらかしてやって、今度は第二組合をつくるために一生懸命やって、ついにそれが官金に手をつけたということでやめざるを得なくなった人、半ば自分の意思も当然入ってやらしていた人ですから一万円というやつを出してやった。(「少ないな」と呼ぶ者あり)これは確かに少ない。少ないかもしれませんが、同じゃるにしてもこういうように差をつけてやっているのです。おかしいのです。こんなのをやったのですから、あえて金額の多寡なんか問題にしません。  それでこの扱いもおかしいのです。懲戒免になる、これに対して出勤停止を命じながら、年休の手続をとれといって判を押さしておる。この扱いは正当なんですか。
  91. 北雄一郎

    北政府委員 その扱いは正当でございます。と申しますのは、出勤停止という措置はございませんので、職務の一部執行停止という措置でございます。したがいまして、犯罪が発覚して身分措置がきまるまで、ことにお金の関係の犯罪でございますと、職務の執行の一部停止ということを通達によってやっております。これはどういうものかといいますと、出勤させる。出勤させるがそういう犯罪に関連したような職務にはつけない。通例どこかへ置いて何か別の仕事を与える、こういう措置をとるようにしております。その場合、本人が休みたいと言えば、年休があれば休ます。こういうことをやっておりまして、何も本件に限った特別の措置ではございません。
  92. 島本虎三

    島本委員 まことにその点は答弁としてきれいな答弁です。しかし不当労働行為として認めた以上、これは当然処分する。処分するその条項等についてはそれぞれあるようですから、当然それはするでしょう。しかし大臣、これはもう一回大臣としても考えてもらいたいのは、いまあげた事例はほんの氷山の一角なんです。したがって、たまたま出てきたというだけなんです。そういうようなものがまだまだあちこちに充満しておる。しかしながら、これは名前が出てきた以上、その上のほうからはちゃんと通牒なり通達なりがきちっと出されておるにもかかわらず、中間管理者のほうで別な指導をしておった、こういうようなことは許されないと思うのです。したがって、東京、札幌、この方面で当時局長をしておりました浅見喜作氏、それが種をまいていっておる。したがって、まいた種は刈らないといけません。責任をもってつまなければならない。そうしないのならば、この通達を撤回しなければならない。通達を大臣の意思によって生かしておいたとするならば、特命を受けている人事局長は、あなた身命を賭してやらなければならないはずです、通達の実施のために。それで、それに反するような芽がいまはえているから、そういうような不当労働行為が発生しているのでしょう。責任をもってこれをつまなければなりません。二葉にしてつまないからこれが大きくなるのです。私はそういうようなことからして、今後のこれに対する措置はまことに重要だと思います。たとえ柴田局長や丸山局長が、金を出してもこれはポケットマネーであり私金である、こういうようなことを言っても、あるいは一条が言うようにこれは公金であるのだ、いずれにしても、どんな性格であっても不当労働行為になる。まことにこれは望ましくないことなんです。私はこの点を厳重に今後注意してもらいたい。それで、今後こういうようなことが再び起きるようなことがないようにはっきりした態度をいまにしてとってもらいたい。  私は社会労働委員と公害のほうにおるのです。いま日本ではああいうふうに公害が充満しているけれども、企業そのものは、法や命令あるいは行政措置によってやっておる行為、これは違反ではありませんと言っておるのです。それで日本国民がこれほど、チッソやその他の会社によって示されておるように、水銀やカドミウムやPCB、こういうような物質によって痛めつけられておるでしょう。これだって法や行政指導のとおりにやっていてこうなっておるのです。問題は、そのとおりやっておるのだからいいのだじゃない、いままで発覚しないからいいのだじゃないのです。その目的とするところがどこにあるか、ここをはっきり考えて厳正に手を打たなければなりません。今後こういう問題を再び繰り返さないためにも特段の配慮が必要であり措置が必要である、このことを私は大臣に強く要請いたします。同時に大臣のかたい決意を承って、私は終わりたいと思います。
  93. 久野忠治

    久野国務大臣 下部の管理者に対しまして、不当労働行為もしくはそのような疑惑を招くような行為は絶対に行なわないよう常々指導してきたところでございます。今回の豊平局の問題は、ただいまるる経過についてあるいは内容についてお話を伺いました。まことに遺憾な行為であるということを私は十分念頭におきまして、厳正な措置を講ずる所存でございます。しかし事人事でございますから、ただいま一、二名前をおあげになりましたが、そういう事柄につきましては私といたしましては名前をあげるべきことは適切ではない、かように存じますので、その点については御理解を賜わりたいと存じます。
  94. 島本虎三

    島本委員 終わります。
  95. 久保田円次

    久保田委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。    午後零時三十四分散会