○野田
政府委員 簡易保険の加入者福祉施設につきまして非常な御理解と激励をいただきまして非常にありがたく思っておる次第でございますが、御
指摘のように、簡易保険の加入者の非常な数に比べまして施設の数がまだ十分でございませんし、
利用の
申し込みに対しましてもこれをお断わりするというような実情が、特に繁盛をいたしております施設におきましては非常に多いということをわれわれ現実に知っておりまして、今後とも努力をいたしていきたい、このように考えておるのでございます。
概括的に申しまして、今後の
生活水準の向上なりあるいは余暇時間の増大というようなことから、レジャーも高度化、多様化していくと思いますし、既設の福祉施設あるいはそういうパターンだけでは加入者の
要望に十分こたえ切れないだろう、このように考えます。そういうふうに考えるわけでございますけれ
ども、現在の
計画といたしましては、
先ほど申し上げましたような一応
経営状況が安定し好調であるということ、さらにわれわれは地域開発にも資していきたい、こういうことを目的といたしまして今後大体五カ年間、四十八年度も入れまして一応総額六百億円をちょっとこすくらいの資金をもちまして既存の施設を
拡充整備すると同時に、
先ほど申し上げましたような
国民の
需要の多様化、高度化に対応いたしまして、大規模な総合レクリエーションセンター、あるいは簡易に
利用できるキャンプセンターを高原や海浜に設置をするということによりまして、現在の
利用人員を約五倍
程度まで収容可能な、御
利用いただけるような施設にしていきたい、このように考えておるわけでございます。
ただ御
指摘の加入者ホームといいますか
——まあわれわれ加入者ホームと言っておりますが
一般的な老人ホームでございますが、この点につきましては現在
全国十三カ所ございます。一応この
計画の中では、既存の施設の中の短期ホームというか短期
利用の部分、最長一カ月、六十歳以上の方々が、一番長くて一カ月御
利用いただける施設を
拡充いたしたい、このように考えております。加入者ホームが本来のねらいとします、老人の方が老後を養うほんとうの
意味での長期に滞在されます老人ホームにつきまして、これは非常に加入者が多いにかかわらずどうしても
利用者が固定をされる。現在
全国の十三カ所で約二千人くらいの方々が
利用されておられるわけでありますが、ほとんどの方が一ぺんお入りになりますと出られない。数千万に及ぶ簡易保険の加入者につきまして、その
利用の均てんが得られないということが行政監察の結果でも
指摘をされております。したがって、これは回転を十分にするかあるいは施設を非常に拡大するか、こういうジレンマがございます。さらにもう
一つは、これは収支の
関係からいきますと、現在の収支率につきまして申し上げますと
——収支率といいますか、必要とします経費のほとんど一〇%
程度の
収入しかないような実情でございます。これを非常に
拡充をいたすということは、またそういう
意味からも
一般加入者の負担の増大を来たす、こういうこ
ども考えられるわけでございまして、この点今後の老人対策の国の施策などをにらみまして、われわれもう少し高い料金で、少なくとも支出はカバーできるような
利用料金をいただくような施設にするかどうかということも今後の研究の課題にしていきたい、こういうふうに考えております。