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1973-04-04 第71回国会 衆議院 逓信委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十八年四月四日(水曜日)     午前十時三十七分開議  出席委員    委員長 久保田円次君    理事 小澤 太郎君 理事 梶山 静六君    理事 金子 岩三君 理事 羽田  孜君    理事 古川 喜一君 理事 土橋 一吉君       内海 英男君    亀岡 高夫君       志賀  節君    渡海元三郎君       中村 寅太君    長谷川四郎君       本名  武君    村上  勇君       大柴 滋夫君    金丸 徳重君       久保  等君    森井 忠良君       米田 東吾君    平田 藤吉君       田中 昭二君    小沢 貞孝君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 久野 忠治君  出席政府委員         郵政大臣官房長 廣瀬  弘君         郵政大臣官房電         気通信監理官  舘野  繁君         郵政省人事局長 北 雄一郎君  委員外出席者         厚生省公衆衛生         局防疫課長   岩城 栄一君         日本電信電話公         社総裁     米澤  滋君         日本電信電話公         社営業局長   玉野 義雄君         日本電信電話公         社計画局長   清水 通隆君         日本電信電話公         社施設局長   山本  孝君         日本電信電話公         社経理局長   好本  巧君         逓信委員会調査         室長      佐々木久雄君     ————————————— 委員の異動 三月二十七日  辞任         補欠選任   内海 英男君     長谷川 峻君 同日  辞任         補欠選任   長谷川 峻君     内海 英男君 同月二十八日  辞任         補欠選任   平田 藤吉君     紺野与次郎君 同日  辞任         補欠選任   紺野与次郎君     平田 藤吉君 同月二十九日  辞任         補欠選任   宮崎 茂一君     渡海元三郎君   田中 昭二君     伏木 和雄君   小沢 貞孝君     稲富 稜人君 同日  辞任         補欠選任   伏木 和雄君     田中 昭二君   稲富 稜人君     小沢 貞孝君 同月三十日  辞任         補欠選任   田中 昭二君     伏木 和雄君 同日  辞任         補欠選任   伏木 和雄君     田中 昭二君 四月三日  辞任         補欠選任   小沢 貞孝君     稲富 稜人君 同日  辞任         補欠選任   稲富 稜人君     小沢 貞孝君     ————————————— 本日の会議に付した案件  逓信行政に関する件      ————◇—————
  2. 久保田円次

    ○久保田委員長 これより会議を開きます。  逓信行政に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので順次これを許します。米田東吾君。
  3. 米田東吾

    米田委員 私、まず、大臣にお伺いを申し上げますが、今回郵政省職員電波監理局塚原君が真性天然痘診断を受けまして、現在隔離されているわけでありますけれども、まあ二十年近い今日の時期に、直性天然痘診断を受けて現在隔離されて、世間を非常に騒がしておるわけであります。まことに遺憾だと思うのでありますが、大臣部下である郵政省職員であるだけに、大臣もこの問題についてはいろいろ対策を講じられ、またこの天然痘患者が、少なくとも二次感染を防ぎ、すみやかに回復されるように部下を指揮されて、努力をされておることと思うのでありますけれども、この問題について、大臣としての見解、それから今日の対策等につきましてまず、ひとつ御説明をいただきたいと思うわけであります。
  4. 久野忠治

    久野国務大臣 このたび郵政省職員の中から天然痘感染患者発生をしたということは、まことに遺憾に存ずる次第でございます。  そこで私といたしましては、第二次感染者発生しないように万全の措置を講ずるよう指示をいたしまして、省内はもちろんのことでございますが、関係者方たち種痘を命じまして、二千名以上の種痘が終わったわけでございます。私自身は直接本人には接触はいたしておりませんが、私自身予防接種をいたしたような次第でございます。  経過等につきましては政府委員より答弁をいたさせます。
  5. 北雄一郎

    北政府委員 経過につきましては、患者が帰国いたしましてあとしばらくは正常の状態にあったのでありますが、二十三日ごろに本人が異常を感じまして、二十六日に東京逓信病院入院したわけであります。  自後逓信病院診断治療に当たっておったわけでございますが、三十日になりまして、天然痘疑いが強いということで、そのほうの専門家であります部外先生電話連絡をいたしまして、来診をお願いしたところ、翌三十一日に見えまして、その診断の結果、その疑いが濃いということでございました。そこで三十一日の午後に都立荏原病院のほうに本人を送る、その前に保健所に届け出をするということをしたわけであります。その後三十一日の夜になりまして、九九%真性である。最終的に四月一日になりまして真性と断定された、こういうわけであります。  また当方の対策といたしましては、そういったことで疑いが濃くなりまして、また部外のそのほうの専門家に見ていただきましたあと、一切を保健所指示を仰ぐ、こういう形にしております。そういった中で、当省といたしましても事態を重視いたしまして、三十一日には本省、それから東京逓信病院、それぞれに対策本部というものを設置いたしました。そしてそれぞれ東京都及び厚生省連絡をとりまして、対策に万全を期した次第であります。  具体的にとりました措置といたしましては、まず患者と特に接触が多かったと見られますところの電波監理局放送部業務課職員三十五名につきまして、翌四月一日に保健所種痘を受けさせました。それからまた患者行動範囲でありましたところの本省の一部、それからエレベーターだとか車、こういったところにつきましても日曜日、四月一日に東京衛生局による消毒を実施いたしました。それから四月二日には本省内の全員に呼びかけまして種痘を実施いたしまして、三日までやりましたが、約千五百名の接種を終わっております。また東京逓信病院につきましても同様でございまして、院内の職員全員、それから入院患者、それから出入りのいろいろな業者、こういったところに対しまして予防接種を済ませました。また患者への面会というものにつきましても予防接種を受けた人に限っておりましたが、その後四月三日以降は見舞いも原則として禁止するという措置をとっております。また当然でありますが、この病院のうちの一部につきまして消毒を完全に行ないました。それから特に病院の中で患者と濃厚に接触をした人たち医師八名、看護婦六名、放射線技師一名、計十五名がおるわけでございまして、これらの人々につきましては自宅と病院以外にはむやみに出向くことのないように行動を制限しております。それから同時に、この人たちが発病するということになりますと、これまたその人たちにとってもたいへんでありますし、また第三次感染ということにもなりかねませんので、これらの人につきましては厳重な健康監視を続けておるわけであります。それから患者がおりました宿舎、この関係につきましても入居者全員予防接種、それから消毒実施済みでありまして、この人々にも当分の間不必要な外出を避ける、あるいはからだに異常があったら、逓信病院がすぐ近くでございますので、逓信病院のどこそこへすぐ連絡しなさいというようなことも指示してございます。  そういったことでございまして、いま申し上げました郵政省本省内に勤務する人々、それから逓信病院内に勤務する人々、あるいは宿舎人々につきまして、この健康状態を見ておりまして、異常な状態発生の有無というものを毎日東京都の衛生局へ報告しておる。以上のような措置をとっておる次第であります。
  6. 米田東吾

    米田委員 厚生省、来ておりますね。——それで厚生省にお伺いいたしますけれども、どうでしょうか。新聞等報道によりますと、ここ一両日、あすあさってくらいが二次感染患者が出るか出ないかの山だというような報道もなされておりますし、けさ新聞まででは、まだそういう異常な状況はないというような報道もなされておるように見ておりますけれども、二次感染その他現在のところ厚生省で掌握しているこの関係についての状態というものはどうなっておりましょうか、ひとつ聞かせていただきたいと思うのです。
  7. 岩城栄一

    岩城説明員 痘瘡の場合に患者さんからほかの人にうつりますのは、これまでの多数の学者の研究その他の調査実績から見まして、ある期間に限られておりますが、この患者さんの場合、この患者さんを診察されました医師その他の学者の意見を総合いたしますと、感染の危険が考えられるのは二十三日から三十一日に隔離されるまでの間である、こういうことでございます。そこで、私どもこれを中心にして防疫対策を進めておるわけでございます。  それからもう一つは、痘瘡感染しましてから発病するまでの潜伏期間が大体十二、三日くらい、十日から十四日間くらいの間、なお多少の幅はございますが、そういうことでございますので、したがって、いまの二十三日から三十一日までの間に接触された方がおおむね十四日間以内に、もし発病されるとすればある、こういうことになりました。そういうことからまいりまして、ただいま先生のお話のございましたような期間にぼつぼつもし出るとすれば出るであろう、こういうことでございます。  それで現在までのところの状況でございますが、同じ航空機に乗っておられた方、乗務員、これらの方につきましては現在すべての方の把握が終わりましたが、現在まで一応ございませんので、まず二次患者発生はなかろうと思います。しかしながら、患者さんの家族及びそのほか患者さんに接触された方、この方の中にはすでに感染しておられる方がおると見なければなりません。したがって、この方の中から発病者があるかもしれないということで、現在防疫対策を進めておるわけでありますが、この方の中からの二次発生が絶対にないとはいえないという状況でございます。  そこで対策としては、患者さんの隔離、それから患者さんの立ち回り先消毒、それから患者さんに接触をされた方の種痘健康監視などでございますが、患者さん及びその患者さんの家族はすでに隔離、収容してございます。それから、立ち回り先消毒は済ませまして、それから接触者については現在種痘もすでに行なわれておりますので、今後さらに健康監視を厳重に続けまして、これ以後の拡大を防ぐということで極力努力しておるところでございます。
  8. 米田東吾

    米田委員 いま心配ありませんね、きょうだだいまの状態では。
  9. 岩城栄一

    岩城説明員 ただいままでのところでは異常者は見つけられておりません。
  10. 米田東吾

    米田委員 そこで、もう少し郵政省にお聞きしたいのでありますけれども、この塚原事務官は、新聞では、日本政府海外技術協力計画の一環としてのバングラデシュラジオテレビ放送拡充改善計画調査団に加わって、遠路バングラデシュ等長期にわたって出張されたというふうに報道されておりますが、これは実際問題としては、どういう身分でどういう目的で海外旅行をされておるのか、これをはっきり聞かしておいていただきたいと思う。  それからなお、この一行の中にはまだ郵政省職員が残っておるのかどうか、現在インド、パキスタンあるいはバングラデシュ、この天然痘が特に猛威をふるっているといわれる地域郵政省職員旅行その他で行っているかどうか、あわせてひとつ答弁をしていただきたい。
  11. 北雄一郎

    北政府委員 本人バングラデシュ国政府要請に基づきまして、同国のラジオテレビ放送拡充改善計画調査団の一員として二月八日に出発をし、約四十日間にわたってダッカにおきまして調査等を行ないまして、三月十八日に帰国したわけでございます。一行たしか五名であったと存じますが、全員同時に出発をし、同時に帰国いたしております。  このほか、現在そういった天然痘流行地域郵政省からほかに職員が行っておるかどうかというお尋ねでございますが、その点は、天然痘流行地域というものと、それから一定地域へ出かけておるわがほうの職員というものの突き合わせというものにつきましては、まだその結果を持ち合わせておらない次第であります。
  12. 米田東吾

    米田委員 大体私どもが海外旅行をする場合でも感ずるわけでありますけれども、いうところの南回りといいますか、東南アジア、インド等を経ましてヨーロッパに行く場合、あるいはこの地域旅行や出張の場合、特にコレラとか天然痘、こういうどちらかといえば開発途上国、後進地域、それから熱帯地域でありますとかいう地域には、特別検疫その他につきましては十分な注意が払われておるし、ことにそれぞれの国の入国についての検疫なんかも私は厳重だと思うのでありますが、この塚原君の場合は、もともといま説明がありましたように、主としてバングラデシュ国要請によってということになっておるわけでありますから、その地域はすでに新聞等で明らかにされておりますように、ことしは特別に天然痘猛威をふるっておる、例年の十倍くらいの流行で驚くべき状況にあるということがいわれておるわけでありまして、そういうところでありますれば、これは当然事前に相当注意、それから防疫その他については十分な体制が指示されておらなければならぬ、こういうふうに思っておるわけでありますけれども、少なくとも郵政省が派遣したのでありますから、その場合におけるあなたのほうの措置というものは適切であったのかどうか、この点はいかがでありますか。
  13. 北雄一郎

    北政府委員 いろいろな疫病流行しておる地域旅行する職員もおるわけでございます。これにつきましては、そういう地域へ行く場合の一つの国としての手続の中に、一定地域に行きます場合には、たとえば黄熱病でありますとかあるいはチフス、コレラ等予防注射が義務づけられ、あるいは種痘というものが相当広く義務づけられておる。そういうことにつきましては、これは当然の必要手続でもありますので、これにつきましては当然やっておるわけでありますけれども、それ以上に、特段にそういう流行地域であるから、そういうところに職員を行かせないというようなことも実はいたしておらないわけでございます。やはり仕事の必要があります場合には、当然それ相応注意というものは本人にはいたしますけれども、防疫措置としては、地域別に指定された所定の防疫措置ということをいたしまして、その上でそういう地域一定注意をして送り出す、こういうことでございます。
  14. 米田東吾

    米田委員 私の質問しているのは、バングラデシュ、そういう国柄は、あえて申すまでもなくまだ戦後あらゆる面で荒廃から立ち直っておらない。しかも、天然痘が蔓延しておる熱帯地域疫病状態というものは最悪の状態のところに派遣をされるわけでありますから、本人健康管理その他等については、一般的な検疫その他の関係以外に、あなたのほうとしてはそれ相応措置本人の心がまえを含めてなされておらなければならないものではないか。普通常識としてもアメリカへ行くとかヨーロッパへ行くとかいうのと違うわけであります。しかも相当長期にわたって任務につくわけであります。それから、この内容からいきましても、バングラデシュ等では相当各地、奥地にも足を入れてテレビ放送関係調査やそういうものにも当たっておられる。初めからそういう任務がわかっておるわけでありますから、君、からだのほうはこうせい、天然痘関係はこうだと、いろいろそういうことについては上司から適切な措置というものが普通であればあるべきだろうと私は思うのでありますけれども、そういうものがなかったのかどうか。というのは、帰ってこられてから発病されるまでの間の関係あとでちょっと聞きたいと思いますけれども、どうもあなたのほうとしては、十八年間もなかったわけでありますからこれはわからないわけじゃありませんけれども、天然痘が非常に流行している地域から帰ってきた者に対する取り扱いといいましょうか、措置というものが適切さを欠いておるように私は思うのであります。ちょっとその辺、外国旅行して帰ってきた翌日からひとつ働いてもらうというのとちょっとケースが違うだろうと私は実は思っておりますだけに、初めからあなたのほうではそういう注意力といいますか、措置というものが足りなかった、あるいは忘れておったといいますか、軽率だったといいましょうか、そういうものではないかと実は思っておるのでありますけれども、その点についてはどうでございましょうか。
  15. 北雄一郎

    北政府委員 仰せのように、そういった地域職員を派遣するということは、やはりわが国の後進国援助というような一つの国の使命と申しますか、そういったことからしてあり得ること。といたしますれば、仰せのように出発前にそれ相当注意を与えるということは必要であると存じます。また本件の場合もやはり戦後間もない暑い国でございますので、そういった注意は当然与えられていたろうと思いますが、今後その点の励行につきましては十分気をつけてまいりたいと存じます。そういった地域で生活し、あるいは通過をして帰った人間をしばらくの間、すぐ仕事につけなくてもいいじゃないかという仰せでございますが、この点につきましてはいろいろむずかしい問題であろうか。仕事につけなくてもうちにおらせて自由に外出されたのではかえってまずい面がありますし、通過ということまで入れれば非常にたくさんの人が通過をするわけでございますから、この問題につきましてはひとつ関係の向きとも十分協議をいたしまして、どういう方法が一番いいのか、その結論を得ました上で、現在のやり方を改める必要があれば改めるということにいたしたいと存じます。
  16. 米田東吾

    米田委員 それからもう一つ、これは局長にお聞きしたいのでありますが、いまの御答弁によりますと、東京逓信病院で診察を受けられまして——受けられたのは二十六日でありますね、そして直ちに入院をされておる。それから真性天然痘として大体九九%の診断を下されたのが三月三十一日、しかもそのときは荏原病院にすでに隔離されておるわけでありますね。東京逓信病院で最終的に天然痘としての診断を下されたのですか。この点、あとで聞かしてもらいますが、いずれにしても東京逓信病院に約六日間くらいおられるわけですね、二十六日から三十一日ごろまでということになりますと。東京逓信病院相当医療臨床の面で検査され治療されたことだと思うのでありますけれども、何といいましょうか、おかしい…。報道によりますれば、二十三日ごろから水疱が出たというような徴候が出ている、斑点が出ているというような徴候もあったというようにいわれておるわけであります。どうも発見なり適切な治療がおそいように思いますし、適切を欠いたようにも思うのでありますけれども、東京逓信病院での六日間というのは、これは十分な措置がなされておったのでしょうか。この点、東京逓信病院の名誉のためにもひとつはっきり答弁をいただきたいと思うのでありますが、どんな治療がなされておったのか。これは専門家を呼んでいるわけじゃありませんから詳しいことはいいのですけれでも、あなたのほうで掌握している程度答弁をしていただきたいと思うのです。
  17. 北雄一郎

    北政府委員 二十六日正午ごろ入院いたしまして、三十一日の夕方荏原病院へ移送されたわけでありますから、仰せのように足かけ六日間東京逓信病院診断治療に当たったわけでございます。その間、最初入院しましたときの状況では、三十八度五分の発熱、それから躯幹部及び手足部径二ミリの発赤ということでございまして、むしろリケッチア症というものを疑ったということであります。と申しますのは、天然痘の場合は、定型的にはまず顔面症状が出てまいります。ところが顔面には全然症状がなくて、躯幹部及び手足部症状が出ておったということから、まずリケッチア症を疑ったということであります。二十八日になりまして水泡を生じた。そこで今度は水痘ではなかろうかという疑い中心診断につとめた。三十日になりまして、どうもこれは天然痘疑いもあるというふうに考えました。ところが天然痘症状が、いま申し上げましたとおり、御本人の場合いわば非常に非定型的に出てまいっておったということでありまして、そこで天然痘であると断定することができませんで、したがって、三十日に国立予防衛生研究所ウイルス部長という先生——もう斯界の最高の権威者であられるそうでありますが、その方に電話をいたしまして、そして症状連絡いたしまして、その疑いもあるので、ひとつ逓信病院へ来ていただいて診断をしていただけまいかという連絡をしたわけであります。それでは行こうということで、あくる三十一日のたしか午前十一時ごろにお見えいただきまして、それからその先生診断をされましてその疑い濃厚ということになったわけであります。濃厚ということになった段階で、逓信病院といたしましては麹町の保健所に午後一時に連絡をいたしました。自後、一切保健所それから東京都の衛生局指示に従うということにいたしまして、その中で四時ごろに荏原病院から車が来て荏原病院に移送した。その後、国立予防衛生研究所のほうで、検体を電子顕微鏡で見られるんだそうでありますが、見られまして、三十一日の夜には九分九厘天然痘に間違いない。正式に天然痘だと断定されましたのは四月一日だとかように聞いておる次第であります。
  18. 米田東吾

    米田委員 これは私の質問がちょっと無理だと思うのです。それは一応御答弁でわかりました。ただ私しろうと考えで、局長こういう感じがするのですよ。これは本人カルテに書かれておるかどうか私わかりませんけれども、普通かぜを引いた、あるいは腹痛だといって医者へ行きますと、大体お医者さんは診断する前に患者の最近の健康状態、たとえば熱があるといえば、あなたきのうは何しておられました、仕事はどういう関係にありましたとか、いままで病気はどんなものがあったかとか、いろいろ医者の立場で必要な患者に対する健康上の質問をされまして、そうして総体的に診断を下されるわけですね。ですから、塚原さんの場合でも、十八日にお帰りになって四日か五日で発熱しているわけですから、医者へ行ってそういう事情——実は二月の八日からバングラデシュに行ってきたんだ、そうして十八日に帰ってきたばかりなんです、二、三日調子よかったけれども、けさから熱がある、その程度のことは当然一番最初の、初診の段階におけるカルテには患者質問に対する答えとしてある程度のものは載っているんだろうと私は思うのですね。二十三日から二十六日までずっと熱が続いているわけでありますから。そうして、その中で水泡とかいまあなたが御答弁なさったようなそういう異常な徴候というものが皮膚に出てきておるわけでありますから、普通の医学の専門家なら、私の考えしろうとで甘いんでしょうか、ぴんとこなければならぬはずだと思うのですね。だけれども、それが決して診断が適切でなかったという意味で私は言っておるわけじゃないのですけれども、もう少し早くこの関係というものが、これはおかしいというようなものが判断されなかったのかどうか、その点が実は私はわからないわけなんです。そういうことでお聞きをしておるわけでありますけれども、主治医を呼ぶわけにもいきませんし、そういう疑問を持っているということだけ申し上げておきます。  いずれにいたしましても、いまのところ他に異常者は出ておらない、二次感染や三次感染の心配もなしとはしないけれども、今日ただいまの状態ではまだそういう徴候はないということでありますから、これは安心であります。ひとつ、なお一そう適切に、郵政省の、接触されたといわれる電波局の中の関係職員の管理それから宿舎家族を含めての管理その他、東京都の衛生局でいろいろ追跡調査をされたり、防疫体制を完全に進めておられますから、厚生省も含めまして十分な体制をつくっていただきまして不安が除けるように、幸いに患者そのものは平熱に復したというようなことも報道されておりますが、非常にほっとしているわけであります。ぜひ万全の措置をとっていただきまして、二次、三次等の感染やこの忌まわしい天然痘が一そう蔓延するようなことのないように、要望だけ申し上げておきたいと思います。
  19. 久野忠治

    久野国務大臣 米田委員御指摘の点は全く私は同感でございます。今後、郵政省職員健康管理につきましては十分配意をいたします。もちろん海外出張等につきましては予防措置が講ぜられるように配慮いたしたい、またその措置をいたしたい、かように考えておる次第でございまして、今回のような事件を二度と起こさないように十分注意をいたしたい、かように考える次第でございます。
  20. 米田東吾

    米田委員 次に、また大臣の御見解をお聞きしたいのでありますが、実はきのうの新聞でございますけれども、東京各紙出ておるわけでありますが、日中の海底ケーブル建設について基本的な合意に達せられたということが報道されておるわけであります。私もこれはまことに歓迎すべきものとして評価をいたしておるわけでありますが、このことにつきまして、その衝に当たられました大臣に、この際二、三お聞きをしておきたいと思うのであります。  まず大臣から合意に達した事項、新聞では一応報道されておりますけれども、正確を期する意味で、大臣から合意に達した事項等について説明をいただきたいし、あわせて総局長との間にいろいろ友好的な会談が行なわれておるわけでありまして、その会談の今後に関係するであろう部分等につきましても、まとめて大臣から報告していただきたいと思うのであります。ただ国際間の問題でありますので、そこは十分大臣判断していただいてけっこうでありますから、いまこの委員会に報告できる範囲でひとつ報告していただきたいと思うのです。
  21. 久野忠治

    久野国務大臣 一昨日午後、私が招請しました中国の電信総局長鍾夫翔先生一行と私は正式会談を郵政省省内で行ないました。そして最終的に日中海底ケーブル敷設につきまして合意に達したわけでございます。しかし、この際会談をいたしました内容は、海底ケーブル敷設だけにとどまらなかったのでございます。  まず最初にその要点を申し上げますが、日中電気通信関係の改善強化、この問題について忌憚のない意見の交換を行ないました。第二点といたしまして、日中の海底ケーブルの敷設についての基本的な事項について協議をいたしました。それから、この両者の意見はいろいろ交換がなされましたが、討議は継続して行なうということになりました。そうして第三点といたしましては、総局長から今回の訪日は大きな成果があったことを評価されまして、郵政省当局はもちろんのことでございますが、日本の国民各位に感謝を申し上げたいという意味のことばがございました。最後に残されておりまする討議を継続するために、私に訪中してほしいという要請がございました。  以上がその主たる会談の内容でございますが、その中で一番重要な部分を占めまするものは、日中海底ケーブルの敷設についてでございます。  その討議内容につきましては、数点に分かれておるのでございますが、第一には目的でございます。その目的は、日中通信に使用するとともに第三国通信にも使用することを目的としてケーブルの早期完成を期する。容量につきましては、この目的に沿い得るようなかなり大容量のものにするという点が第一に合意いたしました点でございます。第二点は、建設、保守、運用の協定の当事者でございますが、日本側はKDD、日本国際電信電話株式会社がこれに当たる。中国側は上海市電信局を指定をいたしました。第三点は、陸揚げ地点でございますが、中国側は上海地域を予定しておると言われました。日本側は未定である、とう答えました。それから、第四点につきましては、費用と所有の関係などでございますが、原則といたしまして、投資は折半、所有も折半、それから、回線の割り当て等具体的な事項については引き続き協議をするということにいたしました。それから第五点は、調査、設計、工事等の関係でございますが、これは共同の責任で実施するということにいたしました。第六点は、建設の時期でございますが、当事者協定締結後、三年前後で完成を予定をする。なお短縮できるよう協議を続けるということにいたしたような次第でございます。  このような六点につきまして、完全に合意がなされたものでございます。以上でございます。
  22. 米田東吾

    米田委員 そこで、大臣にお聞きしたいのでありますが、いまもお話しありましたように、この基本的な合意に基づいて当事者間、いわゆるKDDと上海市電信局、この間でまた当事者間の協定が結ばれると思うのであります。そこで、大臣と電信総局長との間で基本的に合意に達した、いまの報告のありましたものについては、これはどういう性格と効力を有するように理解したらよろしいのでございましょうか。というのは、いわゆる共同声明的なものとして理解してよろしいのか。ということは、両者の、大臣と総局長との調印行為等はないわけでありまして、会談の結果合意に達して、そしてそのことを確認して内外に明らかにしたということでございまして、それらの関係についてはどういう理解をしたらいいのかということが実は疑問として残ったわけであります。そして、あわせて、この基本合意事項は二国間の一つの条約的なものとして理解すべきものと私は思うのでありますけれども、それはどういうように理解したらよろしいのか。この点だけはひとつ明確に答弁をいただいておきたい、こう思うのでありますけれども、いかがでございますか。
  23. 久野忠治

    久野国務大臣 ただいまの御指摘の点につきましては、中国側といたしまして非常に強く主張いたしましたことは、これは政府間の協定事項として扱いたいという主張でございました。しかし、わがほうが主張をいたしましたことは、日本の法令上そのような権限は郵政大臣にはございません、そのために、これを政府間協定という形で、何らかの合意事項として協定に署名捺印するということは非常に困難がございます、しかし何らかの形でこれを処置する方法はないものか、その点については外務省当局、関係省とも十分協議をいたしまして、そうしてできる得る限り御貴意に沿うように処置をいたしたいと思いますが、今日の日本の法制上の立場からいきますれば、今回はこのような措置をとる以外に道はない、かように明確にお答えをいたしておいた次第でございまして、ただいま御指摘がございましたように、合意したということを内外に声明したにとどまったわけでございます。
  24. 米田東吾

    米田委員 わかりました。  次に、内容について一、二この機会にお聞きをしておきたいのでありますが、いまも御説明がありましたけれども、この海底ケーブルの施設でありますけれども、この協定といいますか合意事項の中に、日中間及び他の諸国との通信にも使用することを目的とし、とありますように、もう基本的に、日中間とそれから第三国の使用にも供し得るあるいは供するということを合意の基本にされておるということは非常に私は重要だと実は思うのであります。今後、北京からの以遠あるいは東京からの以遠というものが、それぞれ第三国、他の国に向けてこのケーブルは有効な効果を生むというふうに理解してよろしいだろうと思うのでありますけれども、これは具体的に、話し合いの中では、いわゆる第三国ないしは他の国というものについては両者はどういう希望、どういう話し合いがなされてまいりましたか、この点差しつかえなかったら答弁していただきたい。どの程度の第三国、どの程度の他の国が大体予想されるかということであります。これをひとつ聞いておきたいと思います。
  25. 久野忠治

    久野国務大臣 以遠権の問題につきましては、これは合意事項の第一位に掲げられておるわけでございます。しかし具体的にどういう国々との間にこれをつなぐかという事柄につきましては話し合いは出ませんでした。私のほうからももちろん出しませんでした。しかし、この日中海底ケーブルの敷設というのは、ただ単に日本と中国との間の通信の改善のためにこれを敷設するのであるということだけではございませんということだけについて合意をしたわけでございますが、米田委員御承知のとおり、わが国におきましては、第二太平洋ケーブルの建設計画であるとか東南アジアケーブルの建設計画であるとか、従来そういうような計画があったことはよく御承知のところであろうと思うのでございます、そういう意味から、おのずと以遠権の問題につきましては今後いろいろ検討すべき事項が多々あろうかと思うのでございまして、こうした点につきましては、事務当局等を通じまして継続して両国の間に協議を行なうということで話し合われたような次第でございます。
  26. 米田東吾

    米田委員 わかりました。まだ時期尚早だと私も思います。しかし道が開かれておることについては非常に私はけっこうだと思いますし、評価すべきだ、こう思っておりますから、今後の協議の段階で、両国は平等の利益を受ける立場で、ひとつ今後とも折衝していただきたい、こう思っておるわけであります。  関連して、この機会に大臣にお聞きしたいのでありますけれども、日本と朝鮮民主主義人民共和国との通信の問題であります。いま私が承知している限りでは、中華人民共和国の北京用中継基地として回線があるやに承知をいたしておりますけれども、この状態でいきますれば、これは三年の間にかりに敷設されましてこのケーブルの機能が生かされることになりますと、平壌、要するに朝鮮との通話等はこのケーブルに乗るということが確実になると思うのであります。しかし、私が承知しているのでは、いわゆる国際電電等におきましては、前々から朝鮮民主主義人民共和国との間に直通の短波回線を持ちたい、そういう希望を持っているやに実は承知しているわけでありますけれども、私は、今後日朝間の通話の量の拡大、それから、その持つ政治的な意義、いろいろ考えますと、この日中の海底ケーブルを利用することもこれは重要でありますし、けっこうなことでありますが、だからといって、日本と朝鮮との関係における直通回線等については、そのことがもう必要がないというものではないと思いますし、むしろ今後の日本と朝鮮との通信量の飛躍的な増大が予想される今日の日朝間の経済、文化その他の面の交流状況を見ますと、すみやかに直通回線の必要が痛感されると思うのでありますけれども、この関係等につきましては、これは国際電電といいましても大臣が監督者でございます、どういうふうに御理解をなさっておられますか。ひとつこの機会に見解もお聞きしておきたい、こう思うのであります。
  27. 久野忠治

    久野国務大臣 朝鮮民主主義人民共和国、いわゆる北朝鮮との間の通信関係の改善問題についての御質疑でございますが、御承知のとおり、電報は、モスクワそれから北京、上海、香港等を通じまして月間約六千通に及んでおるのでございます。電話につきましては、モスクワとそれから北京を通じまして月間約二百五十度でございます。最近、経済の交流、人的交流、文化その他の交流が進められておりますので、徐々にこの通信の童も拡大をいたしておるわけでございます。そして、その拡大に応ずるためには、一日も早く直通回線を設けることが適切ではないか、かような考え方に立ちまして、国際電電から朝鮮民主主義人民共和国いわゆる北朝鮮の当事者に向かいまして、直通回線を設けたい旨の申し入れがなされたことは事実でございます。これに対しまして、まだ正式な協議も持たれておりません。それから北朝鮮側の態度もまだ未確定でございます。  そういうような事情のために、今日まだ具体的な方向はきまっていないのでございますが、しかし、去る三月十四日に北京の電信局から日本の国際電電に向かって通報がございまして、平壌と北京との間の通話の回線について、それから北京と東京との通話の回線についてこれを中継をするということについて、北朝鮮とそれから中華人民共和国、中国との間に合意がなされたという意味の通報が国際電電にあったのでございます。でありますから、従来とられておりましたような措置が一歩進んだことは事実でございます。しかしながら、やはりこの通信事情を改善をするためには直通回線を設けることが必要であるというふうな立場に立ちまして、国際電電がただいまいろいろと折衝を重ねておるような次第でございます。
  28. 米田東吾

    米田委員 わかりました。  もう一つ、この両当事者間の協定が合意に達するのは、大臣、いつごろと見ていいのでしょうか。おそらくいま総局長を団長とする代表団が来日中でありますから、あともう滞在日数はわずかだと思いますけれども、この期間にある程度の国際電電との会談やその他も進められておると思うのでありますが、今回協定が結ばれるかどうかはこれは私はわかりませんけれども、大体両当事者間が、原則はもう大臣のこの合意によって確立したわけでありますから——費用の折半、収入の折半、利用の折半等は確定をしているわけでありますし、あと技術的な面が両当事者間でこれから話し合いをなされまして合意に達するということになるわけでありますので、そう時間を要するわけではないだろう、しかも前々から接触はあったはずだと私は思います。そうなりますと、この両当事者間が合意に達して、三年以内に完成のめどを立てたわけでありますが、これはしかも、なおすみやかにやろうということについても合意に達しておる。大体そういうことから判断いたしまして、当事者間がいつごろ合意に達して協定できるのか、それから工事その他を含めまして、三年というめどがどの程度に大体つけられるか、私は判断できると思うのでありますが、それらの関係につきましては、大臣どういうふうに承知しておられましょうか。
  29. 久野忠治

    久野国務大臣 先ほど御報告を申し上げましたが、日本の陸揚げ地点がまだ決定をいたしていないのでございます。その決定をしていない一番大きな理由は、やはり陸揚げ地域の海底の事情によるのでございます。もちろんその近海の事情だけではございません。それは、中国と日本との間の敷設をいたしまする海底の事情等も調査をいたしませんと、これは陸揚げ地点をどこにするかということが決定をしないわけであります。でありますから、一刻も早くこの陸揚げ地点を決定するための基礎的な調査をする必要があるわけでございまして、この基礎的な調査は従来も行なわれておりましたが、この海底ケーブル敷設についての両国間の所管省庁との間の合意がなされたのでございますから、今後は本格的にこの調査が進むものと私は思います。大体九月ごろをめどにいたしまして、当事者間で協定調印がなされるのではないかと期待をいたしておるような次第でございますが、先ほど申し上げましたように、でき得る限り早期にこれを敷設をしたいということが合意されておるのでございますから、早期に敷設をするためには、やはり協定も早期にいしませんと事業に着工することができませんので、そのような意味から、この調査を一日も早く進めるように監督、指導をいたしておるような次第でございます。
  30. 米田東吾

    米田委員 よくわかりました。  最後にもう一点。大臣が報告されました最後の項に、大臣御夫妻が中国の電信総局長から招待をされておられるわけでありますし、大臣はそれを受諾されたというふうに報道もされておるわけでありますが私は非常に歓迎すべきことだと実は思うのでありまして、この際、郵便、電気通信、電波、この関係を総括される大臣がこの招請にこたえて中国に行かれて、そしていわばケーブル線の以遠の問題等についても打診をされるなりあるいは調査をされるなり、それから他の電気通信関係全般について、この合意にありますように今後とも交流し、また技術その他の相互の協力も進めようという基本もあるわけでありますから、そういう全般の問題をはじめとして、日中間の国際的なこの国交の正常化をさらに前進させるためにも、ぜひこの際大臣はこの招請にこたえて訪中されるべきだと私は実は思うのでありますけれども、単なる儀礼的に大臣は受諾されたのじゃないと思うのでありますが、大臣の御見解はいかがでございましょう。
  31. 久野忠治

    久野国務大臣 御指摘の事項につきまして率直に話し合う必要があろうかと私も考えております。そのために私は訪中に対して承諾をいたしたわけでございます。しかし私がそのときに申し上げましたことは、ただいま国会開会中でございます、であるために国会の承認が得られるならばということを私は申し上げておきました。それで皆さんの御承認が得られるならばできるだけ早い機会に訪中をいたしまして、ただいま御指摘のありましたような事項につきまして十分隔意なく意見の交換をいたしたい。さらに先ほども少し触れましたが、やはり中国政府側としては何らかの形で書類でこれを残したいというような意向が残っておるようでございまして、その取り扱い等につきましても事務的にただいまいろいろ詰めておる次第でございますが、そうした点等につきましても配慮した上で、国会の御承認が得られるならば私は早期に訪中をいたしたい、かように考えておるような次第でございます。
  32. 米田東吾

    米田委員 次にもう二、三、別の問題でございますけれども、この機会に大臣の御見解をお聞きしたいのであります。  大臣御承知のとおり、春闘がいま大きなうねりで賃上げを中心とした闘争が組まれております。ことしは単に賃上げだけじゃなしに、福祉、年金、社会保障の充実というような課題もございます。あるいは労働者の週休二日制、時間短縮というような課題もございます。多様な課題をもちまして春闘がいま進められておるわけでありますが、これから四月下旬、五月にかけまして政治的にも相当憂慮すべき事態が出てくることも予想されるわけであります。  そこで私、大臣にお聞きしたいのでありますが、ここで大事なのは、特に大臣関係されます全逓等の労働組合の関係におきまして、私は大臣に慎重な配慮をしていただくことが必要だと実は思っておるわけでありますが、聞くところによりますと、全逓のトップと大臣はあまりお会いにならないようでありますね。私は先般の動労の関係、国労の関係等見ましても、やはりトップがある程度意思が疎通するということ、このことは私は非常に大事だと思うのでありますし、大臣の所管の仕事を進められる上からいっても、私は労働組合の意思、委員長の判断というものを絶えず大臣は知っておかなければならないと思うのです。そういう意味で、全逓の委員長あるいはトップとの会談等については積極的に大臣のほうから求められるべきじゃないか。文部大臣とか何かは非常に硬直しておりますけれども、わが久野郵政大臣はそういうことはないと私は思うのでありますが、この点につきまして大臣の御見解はいかがでございましょう。
  33. 久野忠治

    久野国務大臣 労使間の関係を円滑に進めていきたい、かような考え方を私が持っておることは皆さん御承知のとおりでございます。でありますから、就任の際にもこのことを強く主張いたしまして、そこで第一回の組合の関係者の皆さんとの会談は行ないました。そうして率直に皆さんと当面しておる問題につきまして隔意なく意見の交換を行なったのであります。その後私は第二回、第三回と引き続き会談を持ちたいというので、私の意向を事務当局を通じまして、組合関係者の皆さんとの間にいまその時日等について折衝中でございます。国会開会中でございますために、私の時間がなかなかとれませんのと、先ほど来御論議をいただきました中国の代表団の皆さんがおいでになっておられますために、私の日程が非常に詰まっておりまするためにその時間がとれないのでございますが、でき得る限り早い機会に私は組合の関係者の皆さんとお会いをいたしまして、率直に意見の交換を行ないたい、かように考えておりますし、私はただ単に形式的にこれを行なうのでなしに、実質的の問題についても皆さんの意のあるところを十分お聞きいたしたい、かように考えておるような次第でございます。
  34. 米田東吾

    米田委員 次に、大臣、きょう私新聞を見て思ったのでございますが、新聞の伝えるところによりますと、いよいよ人事院も八月の給与勧告にあたって、公務員の週休二日制について勧告に織り込もうと非常に積極的な姿勢をとられておるようでありまして、あの人事院がようやく重い腰を上げたという感をしたわけでありますけれども、田中内閣も週休二日制の問題等につきましては、私はそれぞれの所管の大臣、機関等を通しまして検討させておるというようなことについては予算委員会の答弁等によってある程度理解いたしておりますが、事郵政大臣はこの問題についてはどのような御見解をお持ちかということが実は大臣に聞きたいところなんであります。郵政省も現業をかかえており、いろいろめんどうな面はあると思いますけれども、世界の趨勢、日本の趨勢であり、しかも七〇年代の人間優先の一つのこれはバロメーターになる。労働者の基本的権利、そうして福祉政策の一つのバロメーターにもこの週休二日制の問題はなると私は思うのであります。それだけにもう郵政省はよそがやってからそれからというわけにはいかぬ。私はテンポが早くこの問題は進んでおると実は思うのです。きょうの人事院がそこまで踏み切ったわけでありますから、田中内閣でも抵抗しない限りは、八月の勧告に人事院は独自にこの週休二日制について私は勧告するだろうと思うのです。中身はまだきまっておりませんし、調査中でありますから固まってはおらないと思いますけれども、しかし、週休二日制という国民的課題だけはことしの勧告に織り込まれて、その道が開かれるというふうに確信して差しつかえないと私は思うのです。  そこで、郵政省関係につきましては一体どうされるのか。かつて昭和四十四年の三月に、これは人事局長もおいででございますが、郵政事業長期計画を出されて、組合といろいろ折衝された段階で時短の問題が取り上げられて、そのときの時短は週休二日制じゃなしに、おそらく一日の労働時間を二十分詰めたらどうかとか、あるいは週四十二時間制にしたらどうかというようなことが中心であったと思うのであります、昭和四十四年でありますから。しかし、そのときでも、大体郵政省としては四十七年ないし四十八年においては具体的に時短の問題について解決のめどが立つ、そういう答弁といいましょうか合意といいましょうか、そういう点について両者の話し合いで了解がついたという経過も、これは経過でありますけれどもあるというふうに私は承知しておるわけであります。したがって、郵政省もこの週休二日制、週四十時間制という問題に当然取り組んでいかなければならぬし、またおると思いますが、これは今度の春闘の一つの柱にもなっているんですね、率直に申し上げて。したがって、賃上げにある程度話がついても、この面に話がつかないと、いま総評をはじめ日本の労働者は春闘の戦いをおさめないという決意もあるように私は承知しておるのです。これは相当本腰になって大臣からも局長からも取り組んでもらわないとならぬ問題だと私は思うのですけれども、幸いに人事院も重い腰を上げた時期でもありますし、郵政省としてこの週休二日制の問題についてどのように対処されようとするか、この機会に大臣と人事局長からひとつ所信を披瀝してもらいたい、こう思います。
  35. 北雄一郎

    北政府委員 週休二日制の問題、人事院勧告というのは、実は私新聞報道によって承知をしておる段階でございまして、それ以外の情報は持っておらないわけでございます。しかし、それにいたしましても、そういった週休を現行の一日というのでなくて二日制あるいは週休をとにかくふやすという方向、わが国の企業の中で漸次これを実施するところがふえておるということは認識しておるわけであります。すなわち、わが国といたしましてもそういった週休をふやす、そういう趨勢にあるということは十分に承知をしておるつもりであります。それを郵政省の場合いかにするかということも、これまた郵政省として当然関心を払わなければならない問題だというふうに認識をしておりまして、かたがた関係組合からの要望もすでに数年前からございまして、この問題にそういう意味で取り組んでおるわけであります。  先生御指摘の、かつて四十七、八年ごろには云々ということでございますが、これもそういう話が四十三年でしたかにあったわけであります。四十七、八年ごろになればそういった週休をふやすということが可能になるだろうという一つの、これは約束ではなくて当時の当局側の観測を述べたわけでありますが、ただ、それには前提といたしましていろいろ条件がついておったわけであります。こういったもろもろの条件が実現すればという大前提がついての話でございまして、その後、その条件というものをめぐって関係組合といろいろ話をしておるという現状でございます。しかし、現段階ではそういった条件について解決を見ておらないわけでございます。先生も御了解なさっていると思いますが、わが郵政事業の場合は、なかんずく郵便の仕事をお考えいただきますと明瞭だと思いますが、週休をふやすというためには、やはりサービスをどうするかという問題も少なくとも問題になり得ると思います。それから職員の服務が現行のままではとてもできないのでありまして、これをどういうふうにしていくかということに関するもろもろの条件、あるいは定員をどうしていくかというような問題、そういった非常に困難な問題が多数これを取り巻いておるのでございまして、こういった状況から非常にむずかしい実情にあります。しかし、むずかしいからといって手をこまねくという態度ではございませんので、そのむずかしい諸条件を一つ一つ詰めていくという立場でおるわけでございまして、そういう角度から関係組合との間にも、事の性質上団体交渉ということは避けまして一つの専門委員会というものをかねてから組織いたしておりまして、その中でそういったことについて議論をし、結論を得るべく努力を重ねておる、こういう状況でありますので、ひとつ御了解いただきたいと思います。
  36. 久野忠治

    久野国務大臣 ただいま事務当局から御説明がありましたように、郵政省の業務の態様からいきまして、週休二日制については非常な困難な問題も多々ありますということが指摘をされたわけでございます。しかし、週休二日制というのは今日の日本にとりましてはもう時代の趨勢であると思います。そういう認識の上に立って十分検討していきたい、私はかように考えるような次第でございます。
  37. 米田東吾

    米田委員 わかりました。ひとつ御努力いただきたいと思うのです。  人事局長、もう一点だけ。これは表に出ておりませんけれども、おそらくまだ試行の段階ではないかと私は思うのでありますが、私が調査して知っておるところでは、三公社五現業の中に隔週二日制を試行しておるところがあります。これは前向きに検討しておるということから試行的におそらく労使で合意してやっておるところではないかと私は思うのです。そういうところもあるわけでありますから、あなたのほうもせっかく専門委員会をつくって検討中だということでありますので、さらに一歩を進めてこの趨勢におくれないように、もう少し前向きにあなたのほうもこの対策を進めてもらわないと後手になってしまうのじゃないか、そのために紛争がまた長引いたり起きたりしてはたいへんなことになるわけであります。したがって、そういう点でぜひひとつ御努力をいただいておくことをこの機会に申し上げておきたい。これはよろしゅうございますね。
  38. 北雄一郎

    北政府委員 先ほど申し上げましたように、わが郵政事業ではたいへん困難な問題でございますが、その反面、世の中はそういう点では進行していくということがございます。したがいまして、この問題につきましては労使お互いに努力して、それがわが事業で可能になるように従来以上に努力してまいりたい、こう考えます。
  39. 米田東吾

    米田委員 ぜひひとつそのことについては努力していただくことを重ねて申し上げておきます。人事院等は具体的に各省に対してアンケートその他各省別の調査もやられておるというふうにもいわれておりますし、あなたのほうでも、省内で特にめんどうなのは郵便だと私は思うのでありますが、郵便関係等につきましては私も経験がありますだけにこれは非常にむずかしいと思いますけれども、やはり基本は労働条件向上の趨勢であります。これは私はやはり郵政省といえども避けて通ることはできない。ぜひひとつ専門委員会等を充実して、そして具体的、科学的に検討を急いでいただきますように申し上げておきたいと思います。  最後に、もう一点だけ大臣をわずらわしたいのでありますが、これは賃金の関係につきまして大臣の見解をこの際聞いておきたいのです。私の承知しておるところでは、たしか全逓は二万三千六百円の賃上げ要求を二月二十八日に大臣に出しておるわけであります。そうして、これに対する大臣の第一次回答が三月三十日になされております。中身はありません。要するに郵政省の現在の事業の現状からして、とてもじゃないが二万三千円の要求を受けることはできない、しかしよそとのつり合いもあるから今後検討しましょうという程度の一次回答だというふうに私は聞いておるわけでありますが、誠意があるのかどうか、この回答を見る限りにおいては私は疑わしいと思いますし、それから、まだまだ真に詰まった段階での回答でありませんから多少余韻があることは理解できるのですけれども、私は、当事者能力というものをはたして真剣に郵政大臣はじめ郵政省関係局長が理解しているかどうか疑わしいと実は思うのです。  そこで、ひとつこの際に大臣から聞きたいのでありますけれども、もうすでに日本の政府だけじゃなしに、日経連であろうと経団連であろうと、財界、経済界あげて、円の再切り上げあるいは再々切り上げ、これらの問題を解決するためには、もう労働者の賃金を上げるということが一つのものさしでありますけれども、内需をふやす、拡大する、そうして全体として国民生活を底上げする、そして経済のバランスを変えていかなければ基本的な解決にならぬ、貿易対策の面からいたしましても、ようやく私どもがかつて繰り返し繰り返し主張してまいりました方向に、政府も財界のおえらかも目を向けてきたわけですね。そういう時期に今度の春闘が行なわれておるわけであります。私は、基本的にもうことしの場合は従来のようなゼロ回答とか、あるいは適当になたをふるって要求を切り下げて、そうして、いいところで落ちつけるなどということはもうできない情勢にある。本気になって日本の経済そのものを脅える立場でこの労働者の賃上げに取り組んでもらわなければならぬ。これは大臣局長も姿勢を変えてもらわなければならぬと私は思うのですね。そういう面からいきまして、この二万三千六百円の要求、これに対して大臣はどういうふうに一体処理されようとするか。決して大臣一人で、郵政省の台所の関係だけに結論は出せないと思いますよ。思いますが、問題は大臣の姿勢なんです。私は、その点で大臣のひとつ基本的な考えをお聞きしておきたいのです。あわせて人事局長からも、このあと交渉は続いておるはずでありますけれども、しかも予測される事態は、きわめて郵便の関係でいきますれば国民に迷惑をかけるような事態も予測される、そういうような情勢からいきまして、局長もしっかりとこの方針を持っていただいて、そうして単期にこの問題について組合との間で合意が成立するように取り組んでもらわなければならぬと私は思いますので、局長からもこの関係について、ひとつ腹がまえをこの際お聞きしておきたい、こう思います。
  40. 北雄一郎

    北政府委員 私どもも、従来もこの問題に対する取り組みについてはそれなりに努力をしてきたつもりでございますが、本年度もそういう要求が今期の主要な要求として出ておるわけでございまして、これに対しましては誠心誠意をもって対処したいと思っております。  また当事者能力に御言及ございましたけれども、御案内のように当事者能力の問題は、根本的には、これは政府といたしまして公務員制度審議会にその問題をゆだねておる状況でございますが、しかし実際の扱いといたしまして、過去数年来、毎年当局の段階におきまして、金額的にはそれが最終決着にはなりませんでしたけれども、やはり当局の段階におきましてそれなりに実額の問答をしておる、こういう状況であります。今年度もそういったことで大いに努力をしてまいりたいというつもりでございます。
  41. 久野忠治

    久野国務大臣 ただいま御指摘のとおり、高度の福祉社会を実現をしたい、そういう政策を進めていきたいということは田中内閣の姿勢でもありますし、田中首相自身が国会を通じて国民の皆さんにお約束をしておられるところでございます。高度の福祉社会建設の一つの要件として、賃金体系をどういうふうにするかということも非常な大きな問題であろうと思うのでございます。でありますから、この郵政省職員の皆さんの賃金体系をどうしていくかということにつきましては、民間賃金の動向その他の諸事情なども十分注視しながら、私といたしましては適切に対処していきたい、かように脅えておるような次第でございます。
  42. 米田東吾

    米田委員 質問を終わりますが、私は繰り返して要望申し上げておきますけれども、賃金の問題それから週休二日制の問題あるいは全逓との接触の問題等につきましては、ことしの春闘の非常に中心課題であるし、それからまた全逓との関係がこじれたり何かいたしますと、せっかくいま郵政省の場合労使の関係というものが回復しつつあると私は思うのです、そうして全国的には心配された郵便等の遅配も徐々に正常に戻りつつある、そういう時期だと私は思うのでありますが、それがまたもとのもくあみに戻ってしまって、再び労使の不信感が拡大をする、そうして迷惑は国民に及ぼされるというようなことになりますと、これはまことに遺憾だと私は思います。ひとつ十分大臣は誠意を尽くしていただきまして、そうしてせめてことしぐらいは、局長答弁しましたが、公労法上の制約なんかはあまり横目ににらまぬで、ということは、仲裁だとか調停なんということはあまり考えないで、予算上の制約はあったとしても当事者で解決するという、そういう新しい方向をひとつ打ち出しませんか。私はこのことが一番いま郵政労使の関係において非常に大事な時期だと実は思うのです。ぜひそういうふうにして、誠意を尽くして御努力いただきたいということを最後に要望いたしまして終わりたいと思います。
  43. 久保田円次

    ○久保田委員長 この際、午後一時再開することとし、暫時休憩いたします。    午後零時十分休憩      ————◇—————    午後一時二十三分開議
  44. 久保田円次

    ○久保田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。質疑を続行いたします。平田藤吉君。
  45. 平田藤吉

    平田委員 私は、電電公社の予算を中心にして質問をしたいと思います。  まず最初にお聞きしておきたいのですけれども、最近ビル電話がだいぶ普及しているようですけれども、ビル電話のおもな機能はどんなものか、ひとつ聞かしていただきたい。
  46. 玉野義雄

    ○玉野説明員 お答え申し上げます。  いままでのビルのPBXによります交換でまいりますとオペレーターが一々つなぐわけでございますが、今回のビル電話でございますと、いきなり外からダイヤルでオペレーターを通じないでかかるようになるわけでございます。ですから、直接ダイヤルできるという点が一番の特徴でございます。
  47. 平田藤吉

    平田委員 この説明はそれだけですけれども、おもな特徴はそういうことだとおっしゃいますが、電電公社の宣伝ですとずいぶん仕組みがよくできておりまして、ビル電話を使用する人たちにとっては、こんないい仕組みはないと思われるようなものなんです。こういう、大企業にとってはたいへんけっこうなものができているわけですけれども、その設備料並びに債券の額、それぞれ幾らかについて聞かしてください。
  48. 玉野義雄

    ○玉野説明員 債券につきましては、ビル電話につきましては一般のPBXの局線に相当します部分が中継線に相当するわけでございますが、それに一般的に五個の電話がつくわけでございます。そういう関連で、一個について九万円でございますので、一般の加入電話と同じベースで局線当たりという考え方に修正しますと、これの五倍になりますので四十五万円の債券になります。  それから設備料につきましては、この中継線当たり電話機五個という計算でまいりますと……(平田委員「一個について幾らかということを聞いている」と呼ぶ)一個では九万円でございます。  それから設備料も同様でございます。電話機一個につきましては二万五千円でございます。これを局線音たりに直しますと十二万五千円でございます。
  49. 平田藤吉

    平田委員 ややっこしくわかりにくいように説明しようとなさるので、簡単明瞭にというふうにお願いしているのですが、いずれにしましても一個については二万五千円、債券が九万円であるということなんですね。一般加入電話の場合は設備料が五万円ですから、ビル電話はその半分であるということになるわけです。それから債券にしましても、一般電話では最高が十五万円ですから、ビル電話の場合はそれよりも六万円安いということになるわけです。こういうふうにビル電話にはたいへん大きなサービスをしているわけです。  それでは一体、こんなにサービスをして、四十八年度予算におけるビル電話からの設備料収入、債券収入、それと両方の合計、この三つは幾らになるかについて聞かしてください。
  50. 好本巧

    ○好本説明員 ただいまちょっと集計させていただきます。それから御答弁いたします。——加入者債券で、約五万個でございますので四十五億円、設備料で約二億三千万円、合計約六十八億円でございます。
  51. 平田藤吉

    平田委員 これは四十八年度予算におけるビル電話からの設備料ですよ。それは間違いないですか。それから債券の額、それから両方の合計、こういうふうに聞いているのです。四十八年度のあなた方が組んだ予算を聞いておるのですから。どこかのむずかしい数字を聞いているのじゃないのですよ。
  52. 好本巧

    ○好本説明員 どうもたいへん失礼いたしました。ただいまのは四十七年度でございまして、四十八年度でありますと、債券収入が六十二億円、設備料収入が約十六億円でございますので、合計いたしまして約八十億円でございます。
  53. 平田藤吉

    平田委員 これもどうやらまだ数字が違っているようですけれども、まあ先へ進みましょう、そう根本から狂うような数字じゃございませんから。  それじゃ、このビル電話の取りつけのための工事費は幾らですか。あなた方のむずかしいことばではサービス工程などといっているようですけれども、世間では取りつけ料といっております。この取りつけの工事費は四十八年度で一体幾らなのか。
  54. 山本孝

    ○山本説明員 工事費総額で百三十二億円ほど予定しております。
  55. 平田藤吉

    平田委員 私のほうで計算した数字によりますと、一加入当たりでほぼ十五万五千円になるという見当だが、それは間違いないか。大体それぐらいになるだろうと思う。それから五カ年計画ではこれはどうなるのか。
  56. 山本孝

    ○山本説明員 ただいま先生のおっしゃいましたように、総平均いたしますと十五万幾らかになりますが、四十八年度で新規につけるものにつきましては、電電公社の予算におきまして十五万七千円ほど予定しております。
  57. 清水通隆

    ○清水説明員 五次計画の五年間で五十六万加入を考えておりまして、約一千億でございます。これは総がかり費を含んでおります。
  58. 平田藤吉

    平田委員 私のことばがちょっと足りなかったかと思うのですけれども、先ほど申し上げましたように、五カ年計画では収入の部で設備料が幾らになるのか、債券が幾らになるのか、その合計は幾らか。それから支出、これは主として工事費ですね。これが幾らになるのか、この四つの数字を言ってください。
  59. 清水通隆

    ○清水説明員 ただいま数字をちょっと計算しておりませんのでお時間をちょうだいいたしたいと思いますが、先ほど御説明いたしましたように、五次計画の中ではビル電話として五十六万を考えております。先ほど先生の御指摘の一加入者当たりの建設工事費というのは、この五年間それほど違いないと思いますので、あるいは設備料、債券等も含めまして、大体四十八年度の予算と同じような数字で掛け算をすれば分計できると思っております。
  60. 平田藤吉

    平田委員 数字を計算して出すのでしょう。——めんどうだから、私のほうで大体あなたのほうの出した数字で計算してありますから、言ってみますから間違っておったら言ってください。設備料収入が百四十億円、債券収入が五百四億円、合計で六百四十四億円、支出で工事費が、これは約でありますけれども八百六十八億円、こういうことになると思うんだが、大体違っていないと思うが、どうか。
  61. 清水通隆

    ○清水説明員 ちょっといま計算をいたしまして、債券と設備料につきましては、先生のおっしゃいました数字そのままでございます。建設関係につきましては、直接的な経費だけでございますといまおっしゃいました数字になるわけでございますが、それ以外に当然総がかり費等が入るわけでございまして、それらを含めまして約一千億と先ほどお答えしたわけでございます。
  62. 平田藤吉

    平田委員 それでは次に、四十八年度の一般加入電話は収入、支出でどうなりますか。先ほどあげておりますように、収入の部では設備料と債券、それから支出では取りつけ工事費、これはどれくらいになるか。四十八年度ですよ。
  63. 好本巧

    ○好本説明員 一般加入電話三百十万工程でございまして、一加入当たり約十一万円の加入者債券収入がございますので、金額といたしましては三千四百億円程度でございます。
  64. 平田藤吉

    平田委員 設備料は。
  65. 好本巧

    ○好本説明員 設備料は一加入当たり五万円弱でございますので、約一千五百億円でございます。
  66. 平田藤吉

    平田委員 いまの計算でいきますと、若干の数字の差はありますけれども、合計でほぼ四千六百五十億円、取りつけ工事費の分が約五百八十九億円、こういうことになると思うが、違いないですか。
  67. 山本孝

    ○山本説明員 ただいまの五百八十九億円という数字は、加入電話三百十万に端末部分の工事費をかけただけでございますので、端末部分だけの工事費と考えていただきます。
  68. 平田藤吉

    平田委員 それでは五カ年計画による一般加入電話のほうはどうなるか。やはり収入で設備料が幾ら、債券が幾ら、合計幾ら、支出で工事費支出が幾らになるのかということを出してください。
  69. 清水通隆

    ○清水説明員 お答え申し上げます。  五次五カ年計画の建設投資額総額で七兆円でございますが、そのうち電話の拡充の分といたしまして五兆九千五百億、これに一部電報分が入っておりますが、比較的少のうございますのでこれを足しておりますが五兆九千五百億、これだけの建設投資を考えますが、いま先生おっしゃいましたその収入という意味におきます、これは収入ではないわけでございますけれども、債券といたしまして一兆八千八百二十億、それから設備料が七千八百八十二億、こういうようなことでございます。
  70. 平田藤吉

    平田委員 そうすると、合計で約二兆四千億円になるわけですね。
  71. 清水通隆

    ○清水説明員 ただいまの加入者債券と設備料を足しますと二兆六千七百二億でございます。
  72. 平田藤吉

    平田委員 支出のほうはどうですか。
  73. 清水通隆

    ○清水説明員 支出というとあれですが、建設投資額というふうにお答えいたしたわけですが、これには端末も、あるいは電話局の設備、そういったものも一切含んでおりますが、それが五兆九千五百億というふうにお答えしたわけであります。
  74. 平田藤吉

    平田委員 私がさっきから聞いているのは、いわゆる取りつける工事費を聞いている。あれこれを聞いておるんじゃないですよ。ですから、私のほうで計算するとほぼ三千五百億円くらいに該当するだろうというふうに脅えておる。  こうしていまずっと数字を聞いてみましたけれども、大体きのうおいでになったときに、私のほうでは、あすの質問では電電公社の四十八年度の予算とそれから五カ年計画についてお尋ねします、それぞれについてわかるようにしておいてくださいというふうにお話ししてあるわけです。えらい手回しが悪いなということを感じるわけです。これはおそらく計算のしかたが、私が計算したのと皆さんが計算して出しておられるのと違うので、おそらく時間がかかっているんじゃないかというように思っているわけです。  いま数字をずっと見てきますと、これはたいへんなことが明らかになってきていると思うのです。それは五次五カ年計画によりますと、一般加入電話の場合に取りつけ工事費がいま申し上げたように三千五百億円見当なのに、設備料の名目で一般加入者が取られる費用というのは七千八百億円、つまり実際にあなた方が組んでいる設備料予算の二・二倍にもなっているわけであります。これにはいろんなものを含んでいるというふうに言われておりますが、これは別の問題としてあとで論じなければならないと思うのです。それから設備料と債券を合わせると実に工事費の六・七倍に相当するわけですよ。これはどういうことなんだろうか。つまり一般加入者から債券と設備料を合わせて、そして実際にかかる費用の六・七倍も取り立てることになっているわけです。これはたいへんだと思うのです。これは一体どういうことなんだろうかというふうに考えるわけです。その点でひとつここのところを解明しておいていただきたいというふうに思うのです。
  75. 清水通隆

    ○清水説明員 ただいま先生のおっしゃいました数字、実はちょっと私ども理解いたしかねるわけでございますが、たとえば五次五カ年計画の資金調達のところをごらんいただきましても、先ほど言いました七兆円という建設投資額が私ども必要であるわけでございます。これで千五百三十万の加入者の架設をするということであるわけでありますが、その七兆円の所要資金に対しまして、内部資金等でもちろん補充いたしますが、外部資金の中でかなり大きなウエートを占めておりますのが加入者債券と設備料になるわけでございます。七兆円に対しますパーセンテージで申し上げまして加入者債券が約二六%、それから設備料が約一〇%、こういうような数字で、これらをわれわれ外部資金と申しておるわけでございますが、先生のおことばをちょうだいすれば支出というふうにおっしゃっておられるわけでございますけれども、これを建設に回します場合に、私どもといたしましては、たとえば市内におきましてはまず敷地を購入いたしまして、そこに電話局を建てまして交換機を入れる、あるいは電話をつけます場合には、当然のことでございますけれども加入者のところまで線路を引っぱっていかなければいけない。しかも一般的には必ず二本の線を電話局まで延ばすというふうなことでございます。また、その線路をふやしますためには、当然大都市におきまして地下のトンネルをつくり、それから管路を設け、そしてそこへケーブルその他を通しますし、あるいはそれ以外に電柱等も立てるわけでございます。先生のおっしゃいました数字は、私ちょっと想像で申しわけございませんが、おそらく端末の、電柱から先の工事費のことをおっしゃられたんじゃないかと思うわけでございますが、当然それ以外にも膨大な基礎設備が必要になるわけでございます。これらが私どもといたしましてはむしろ端末の金よりも必要になるということが一つございます。それからさらにもう少し申し上げますと、もうすでに二千万以上のお客さまがあるわけでございまして、これらに対しまして良好な電信電話サービスを維持していくためにはかなりの経費も必要になっておりますので、それらを総合いたしますと、先ほど申し上げましたような五兆九千五百億という数字が出てまいっておるわけでございます。
  76. 平田藤吉

    平田委員 たぶんそうおっしゃるだろうと思っていたのですよ。たとえば、あなた方が予算に組んだこの新局舎建設費、これを全部一般加入電話取りつけ工事費に加えたとしても、あなた方の予算の中で占める比重から推計しますと一兆七千五百億円。設備料が二兆三千四百億円だから五千九百億円も余ることになるのですね、これは局舎建設を全部一般加入にぶち込んだとして。そうなりませんか。そこのところ、どうなります。
  77. 清水通隆

    ○清水説明員 ただいまの数字に私どうしてもならないというふうに存ずるわけでございますが、ちょっと先生の根拠をお聞かせいただけましたら……。
  78. 平田藤吉

    平田委員 じゃ、あなた方はその新局舎建設のための予算を幾ら組んだか出してごらんなさい。
  79. 清水通隆

    ○清水説明員 先ほど御説明いたしましたことでの新局舎というようなものにいたしますと、いろいろなあれがございますものですから、私どもでは一加入者に帰納したかっこうで単金を出しておるわけでございますが、それの分でまいりますと、過去におきまして新しく増設するといいましょうか、一つ電話をおつけします場合に必要な資金というのが、一加入者当たりに帰納いたしますと約二十六万円ということでございます。これが先生おっしゃいました新しくおつけするときのお金かと思います。
  80. 平田藤吉

    平田委員 それを聞いているんじゃないんだよ。局舎に幾らかかるのか。
  81. 好本巧

    ○好本説明員 四十八年度につきましては、一千八百九十九億円を計上しております。
  82. 平田藤吉

    平田委員 五カ年では。
  83. 清水通隆

    ○清水説明員 ただいまちょっと手元に数字がございませんので、調査いたします。
  84. 平田藤吉

    平田委員 手元に数字がないというのはどういうことなんですか。そこにないのですか。どこかに取りに行かないとないのですか。
  85. 清水通隆

    ○清水説明員 局舎、線路その他、ちょっと分計しておりませんのであれでございますが、新しく増設する分といたしましては四兆百億でございます。
  86. 平田藤吉

    平田委員 どんぶり勘定をしなさんなというのですよ。そこにごまかしがあるから、私は聞いているんだ。あなたの積算根拠を出しなさいというようなものの言い方をするのだったら、ちゃんと局舎の費用を出しなさい。ちゃんと計算は積み上げられてつくられているはずなんだから。どんぶり勘定でいいかげんに、まあこれくらいかかるんだんべといってきめるのじゃないはずです。出しなさいよ。
  87. 清水通隆

    ○清水説明員 失礼いたしました。局建設として八千六百億でございます。
  88. 平田藤吉

    平田委員 八千六百億に、工事費としてかかるものを含めて三千五百億、そうすると一兆二千百億ですか。まあ私のほうがその両方だけを単純に見れば少し多目に見積もっていますわ。あなた方は国民の皆さんに対して、とにかくわけのわからないような数字を出してごまかそうとしているんですよ。だからごらんなさい、うろたえているじゃないですか。数字を聞かれてまともに答えられないじゃないですか。いかにしてごまかすかということを日常的に考えてやっている証拠じゃないか。こういうことをしておいて、あなたの算定の根拠を出しなさいというものの言い方がよくやれたものだ。これがいつでも官僚のやる手ですよ。そうして国民をごまかしているんですよ。幾ら取ったって黙ってついてこいという式で取り立てているのですよ。私は、こういうやり方をあなた方自身が改めなければならないと思うんだ。しかも、局舎建設その他にいろいろかかります——局舎建設は何のために必要なんだ。一般加入電話のためだけに必要なのか。そんなことはないんですよ。そうでしょう。あなた、局舎建設の中へも、ここのところ何が入ってきていますか。専用線、ファクシミリ、テレックス、あげればきりがないでしょう。こういうものがどんどん入れられているのです。一般加入者にはあまりかかわり合いがないのですよ。いま一般家庭でいえば、市販されているあの電子計算機か何かでもって間に合うようなものばかりなんだ。ですから、こういうものは大体大企業のためのものなんですよ。局舎建設と一口におっしゃって、加入者がうんと多いものですからというふうに国民の前に言おうたって、そうはいきませんよ。こうして見てくると、やはり大企業のためのサービスをまかなうためにこの予算自身もふくれ上がっているのです。局舎建設の必要性もふくれ上がっているのですよ。これをいま言ったように計算してみれば、大体一般電話加入者から取り立てた金で全部まかなっていこうというかっこうになっている。まあ全部というと言い過ぎかもしれません。大半まかなっていこうとしているんですよ。  一方、大企業のためにはどうなんだ。五カ年計画のさっきの説明では、ビル電話の設備料は百四十億でしょう。それでいて実際に使う工事費は幾らかけるのですか。百四十億円大企業のビル電話から設備料を取って、そしてかけるお金は何と八百六十八億円じゃないですか。一般加入者からは、取った金の半分も設備料にかけていないのですよ。それなのにビル電話などからは、取ったお金の何倍ですか、これは六・二倍も金をかけていることになっているじゃないですか。こういうやり方がまかり通っているじゃないですか。ですから、ビル電話に関する限りをいえば大赤字です。設備料と債券を合わせても六百四十四億円ですから、工事費全体の八百六十八億円にはなお二百二十四億円も不足しているのですよ。しかも、この八百六十八億円の工事費の中には、さっきの大企業の利益をおもにした局舎建設費は全く含んでいない上での話ですよ。ビル電話に関する限りは局舎建設とあなた方は言わないんだ、入っていないんだから。含めてなくてもこんなざまなんですから、まさに全体から見たら、そういうことを考えたらこれは大赤字ですよ。この赤字分を住宅電話をはじめとして、中小企業や中小の商店やこういう小さな事務所などに全部負担させていこうという計算になっているんですよ。この事実をあなた方は何として説明されるか。これは総体的な、全体的なことですから、米澤総裁にお願いします。
  89. 米澤滋

    ○米澤説明員 お答えいたします。  ただいま御質問ございましたけれども、これは建設投資という面と収入の面と二つ問題があると思います。  収入につきましては、ビジネス電話に対しまして住宅電話が大体三分の一から四分の一の収入でございます。現在公社は一般加入電話約二千百万ぐらいございますが、その中で現在住宅電話が五五%を占めておりまして、残りの四五%がいわゆる事務用電話ということになっております。ところで、その五五%の一般加入電話で得る収入というものは、ビジネス電話の三分の一から四分の一である、こういうのが収入の面から見た実態でございます。  それから建設投資の問題につきましては、第五次五カ年計画の中で総額七兆円で建設投資をいたしますが、この中で加入電話は最終年度におきまして申し込みの積滞を全部ゼロにする、全国的規模において申し込んだらすぐつけるようにいたします。そうすると、その際にどれだけ電話をつけなければならぬかといいますと、約手五百万つける。その千五百万の中の千二百万は一般加入電話、いわゆる住宅電話が約千二百万でありまして、ビジネス電話は約三百万だ。ですから、第五次五カ年計画の中では建設投資が圧倒的に住宅電話が多い。ところで、債券、設備料は建設投資に対して大体三四、五%占めております。ですから残りのものは、たとえば減価償却あるいはまた一般の公募債あるいは特別債というような金で資金を調達する、こういうことでございます。
  90. 平田藤吉

    平田委員 そうやってあなた方は国民の皆さんに説明なさる。実際はどうなんだ。いま具体的な数字をずっとあげてきて比べてみせているのですからね。少しやはり考え直してもらわなければまずいと思うのですな。住宅電話のほうの収入は少なくて、一般電話のほうの収入は比重としては少ないのでございますというふうにおっしゃいますけれども、それはあたりまえなんですよ。少ないのは見込んであなた方は機械もつくり、設備もつくっているのでしょう。ちゃんとそれは見込んでいるのですから。一般家庭で大企業並みに電話を使ったら、あんな電話局なんかもたないですよ。一ぺんに吹っ飛んじゃいますよ。それが証拠には、先月十三日の上尾に起こった事件、私は上尾から毎朝通勤列車で通っていますからよくわかるのですけれども、あの事件が起こったときに、上尾の電話局は市外通話を全部ストップしたのですよ。これは奇々怪々な事態が起こった。聞いてみると、かつて船橋にもそういうことがあった、そのほかにもあったそうだ。あなた方は一般家庭の利用する度合いというのが少ないということを見込んでいるから、そういう電話局ができている。少し電話が集中したら交換機が焼け切れる。したがってストップして守らなければならぬという事態が起こるのですよ。そういうふうにちゃんと見込んでやっているということは何を意味しているかというと、大企業がどんどん使えるようにしていくことをちゃんと見込んで、そして住宅の便宜もはかって、住宅のほうから金を取って、それを十分大企業のほうへ回してやるという仕組みで仕事をやっていることはさっきのデータでちゃんと出ているのですから、米澤総裁、そういうものの言い方でのがれられるものじゃなかろう、私はそう考える。今度の事態を、この予算を私もずっと検討してみまして痛感しましたのは、この電電公社の五カ年計画は、電話が早くほしいという国民の願いをさか手にとって、意識的に積滞がつくり上げられて、そして一般加入者からごっそりと収奪し、その金で独占資本のためのビル電話や通信回線の建設、新規サービスをはかろうとすることがこの五カ年計画の本質なんですというふうに私は感ぜざるを得なかった。  大臣、いま一般的に言っているのじゃないですよ。さっきのようにずっと数字をあげて、一件の加入電話の値段からずっとあげてきてそう言っているのですから。この立場から見ると、明らかに一般加入電話が高いですよ。これは時間があれば料金問題も論じたいところですよ。どんなにうまいことを言って隠したって隠し切れるものじゃないのですから。したがって、いまのこの状態を見ると、公衆電気通信法の第一条、これは私が読み上げるまでもないことだと思うのですけれども、第一条にこう書かれているわけですね。「公衆電気通信役務を合理的な料金で、あまねく、且つ、公平に提供することを図ることによって、公共の福祉を増進することを目的とする。」というように第一条でうたわれているわけです。この第一条に違反しているのではなかろうか、こう考えられる疑いがきわめて濃いと言って差しつかえないと思う。特に、これまで明らかになった事実からだけ見ても、「合理的な料金で、あまねく、且つ、公平に提供する」という、こういうことにはなっていないのじゃないか、法律の目的と要件を満たしているとは、とても言えないのではないか、私はそう考える。この点、総裁どうお考えですか。
  91. 米澤滋

    ○米澤説明員 お答えいたします。  電電公社が発足いたしましてちょうど満二十一年になりますが、この電電公社ができたときには、加入電話が百四十万でございました。そしてこれが現在二千百万ぐらいになりまして、いわゆる住宅電話がまん中の五〇%以上をこえるようなところになりまして、私たちといたしましては、公衆電気通信法できめられている線に沿いまして、今後とも、たとえば第五次五カ年計画におきましては、加入電話を全部で千五百万つけるということにしておりますが、その中で、いわゆる住宅電話を特に優先いたしまして千二百万つける、一般電話は三百万しかつけないというくらいでございますから、この五カ年計画、これから進む五カ年計画におきましては、こういう要素を十分考えているというふうに思います。  ただ、過去におきまして、何といいましても、やはり資金が不足したとかいろいろございますので、これまでの点を言いますと、必ずしも住宅電話は優先されていなかった時代がございました。しかし、たとえば東京二十三区のようなところ、あるいは大阪の中央の場所なんかにおきましては、もうすでに申し込んだらすぐにつけるようになっておりますので、住宅電話も一般のビジネス電話と同じように取り扱えるような状態になっております。
  92. 平田藤吉

    平田委員 前は多少そういうきらいがあったけれども、いまはだんだんそうではなくなってきているというような問題じゃないのですよ、総裁。これは、たとえばプッシュホンというのが何か今度出ているようですけれども、だいぶ電電公社では奨励なさっている、家庭電話に。あれは少し高いのですね。まあ、あれをつくっている企業とどんなかかわり合いがあるか知りませんよ。しかし場所によっては、一般電話だと二年かかるけれどもプッシュホンならすぐつきますということがいわれている。たいへん力を入れてこれはやっているんだな。しかし、入る金は確かに三万円くらいですか高いような気がしますので、しかも、あれは何でも三つ押せば何とかというようなことじゃなくて、二十五軒分の電話が記憶できるのですか、そんな程度のものなのですね。一般家庭にはあまり必要ないのですよ。これをつければ早くつくのだというようにいわれるような状態がまだかなり広く残っているわけですよ。私は上尾に住んでいますけれども、ここだってまだまだなかなかどうして、申し込んで一年半、二年という状態が引き続いてきている、まだ解決してないのですよ。ですからそういう意味では、それは一部にはそういう部分も出ているかもしれませんけれども、全国的に見たらそうはなっていない。しかもさっきあげたように、加入するときの金額からしてたいへんな違いが出ている。この事実はいなめない事実だ。公平だとはとても言える筋合いのものじゃないというように思うのです。  さて、データ通信についても同じようなことが言えるんではなかろうかというように思っておりますが、五カ年計画の中でデータ通信からの設備料、債券の合計は幾らぐらい入るのか、建設工事費が幾らかかるのか。これをまた事務当局でいいですから、聞かしてください。
  93. 清水通隆

    ○清水説明員 データ通信につきましては、加入者債券を八百八十四億、設備料を五十一億、合計九百三十五億の見積もりをいたしておりまして、建設投資としては五千億を予定いたしております。  なお、先ほど先生の御質問に対しまして、私ちょっと的確に理解できずにたいへん失礼を申し上げましたが、先ほど私八千六百億と言った数字は、いわゆる局舎を新しく建てるときだけの金でございまして、たとえばそれ以外に線路をふやしますときは六千七百億というふうな、それ以外にもたくさん金がかかるわけでございまして、決して加入者債券等で得たものよりも少ない支出であるということは、絶対にないことをちょっと補足さしていただきたいと思います。
  94. 平田藤吉

    平田委員 これでまた入ってくる金は九百二十五億で、工事にかかる金は五千億ですよ。これが実態ですね。ですから、さっきからあげたデータどれを見ても、一般加入電話の便宜をはかっております、大企業からも正当にちゃんと納めてもらっていますということが、胸を張って言える筋合いのものではない、私はそう考える。こんなに国民に大きな負担を負わせて大企業に奉仕する独占資本本位の五カ年計画と、それに基づく四十八年度予算には、私は、これは何としても賛成するわけにはいかぬ、とてもこれは認められる筋合いのものではない。したがって、公衆電気通信法の立場に立ち返って、この問題はやはり検討し直してみる必要がある。こう考えるわけです。  郵政大臣、いまの論議を聞かれて、一体どうお考えか。国民の利益を守る、それから大企業の利益を守る、このどっちをとるか。大企業の利益を守るために国民の負担を重くしているというこのやり方を私はやはり改めるべきだというように思っているのですが、大臣はどうお考えか、お聞かせをいただきたい。
  95. 久野忠治

    久野国務大臣 いろいろ御意見の存するところは、私はただいまお聞きをいたしたわけでございます。しかし、経済社会というのは、経済の発展に伴いまして非常な変化をいま遂げつつあるわけでございます。この情報化社会に即応するような通信網の整備改善をはかるということは当然のことであろうと私は思う次第でございまして、その際に新しい通信網の整備なりあるいはこの制度なりが設けられまして、そうして私たちの社会生活を改善をしていく、こういうような観点につきまして、幾多の問題点はあるでありましょうけれども、しかしそうした問題点を改善をしつつ時代の要請に応じたい、かように考えておるような次第でございます。
  96. 平田藤吉

    平田委員 それでは次にお尋ねしますが、この常任委員会で、前々回土橋委員質問したことに関連して、あらためてお尋ねしたいというように思うのです。  米灘総裁にお伺いしますけれども、これはこの間土橋委員が示した本ですよ。「電電20年の歩み」の推薦の辞を米澤総裁が書いておられるわけです。その中で広域時分制に触れてこういっておるのです。「広域時分制の採用は、」ずっとそこにつながりまして「公衆電話網を民間のコンピュータに開放するという要望に応ずるための改正であり、現在および今後の社会情勢に即応できる近代的な料金制度であるといえる。」これは非常に重大な事柄が広域時分制ということでいわれているわけですけれども、それはさておくとして、こういう重大なことが書いてあるわけです。ところがこの委員会で、土橋委員質問に対して総裁は、自分が書いたものではないのでという趣旨の答弁をされておりました。そこで私もこの間聞いておりまして非常に疑問に思ったのです。これはこうやって堂々と発行されているのです。けっこうな値段で売っているのですよ。これが売られているのだが、大臣はわしは知らぬ……。そうなるとだれが書いたのか、これをひとつ米澤総裁、はっきりさせてください。
  97. 米澤滋

    ○米澤説明員 お答えいたします。  この間土橋委員の御質問にお答えいたしたのでございますが、私もよく序文を書いてくれということを頼まれて、なるべく書かないようにしているのですけれども、私も非常に忙しかったりいたしますと、発行する人がこういうのを書いてくれと言って持ってくることがよくあるのでありまして、たとえば公社の人が自分で本を出すというような場合もしばしばあります。そういうときに私のところへ、著者が序文を書いてくれとか推薦の辞を書いてくれといってまいりますが、そういう場合に、私中を見るわけでございませんので、その発行者にあるいは著者に、書いて持ってきてくれと言うことがしばしばありまして、それにざっと目を通すということなんでありまして、今回も結局発行者の人がそれを持ってきて、あまり目を通さないで出した、こういう経緯がございますので、率直に申し上げておきます。
  98. 平田藤吉

    平田委員 経緯は、そうすると目を通した点ではあなた責任を負っているのじゃないですか。責任があるわけでしょう。それはどうなんです。
  99. 米澤滋

    ○米澤説明員 お答えいたします。  私は、要するにもう少し詳しく経緯といいますか中身の説明——たとえば広域時分制につきましては私も前々からしばしば国会等で御説明したように、これは市内、市外の区別をなくして、そして過去におきましてはいわゆる手動方式が中心であった電話システムが自動システムにかわってきたということ、それからもう一つは、要するに電話というものを長く専有すれば、そこで当然電話というものは共通部分が非常に多いわけでありますから、その共通部分に対して料金を支払っていただくというシステム、あるいは近代的なシステムが必要だというふうに、そういうことをむしろ述べるのが必要だったと思いますが、実は私の名前が出ているという意味においては確かに責任がありますけれども、十分見なかったということはまた事実でございますから、それだけ申し上げておきます。
  100. 平田藤吉

    平田委員 あなた自身責任を感じていないのですかというふうに聞いているわけなんで、その点はやはりはっきり答えておいていただきたいと思うのです。
  101. 米澤滋

    ○米澤説明員 お答えいたします。  経緯は先ほど申し上げましたが、中身に対しては確かに不十分な点がある、説明が不十分であったという点は私考えております。
  102. 平田藤吉

    平田委員 そこで、この広域時分制の問題について説明が不十分だ、こうおっしゃるのだけれども、そんなことはないのですよ。あなたはあれで十分説明しているのですよ。あまりあっちこっち一ぱい書いて、あとになって都合が悪いものだからそれを言いつくろうようなことをしてはだめだと思うのです。材料を出してみましょうか。幾らでもあるのです。私は、時間もありませんから例を一ぱい引くわけにはまいりません。幾らでもあるのです。これは星正也という人が書いております。おたくのほうの人でしょう。「広域時分制の採用とデータ通信制度の法定化は、電気通信事業の将来を方向づける画期的なものであり、いよいよ本年十一月に迫った広域時分制の実施に伴って、新たにデータ通信・画像通信のために電話網を利用する途が開かれようとしている。」こういっているのですよ。これはあなたと同じことをいっているのですよ。まだありますよ。これはあなたのほうで発行したとらの巻だ。「データ通信のために公衆通信回線を開放するよう強く要請され、その要望に応えるため、一般の電話のそ通を妨げない条件のもとで一般に開放することにしたが、広域時分制を実施し時分制を採用するのは、それが主な目的ではない。」そういうことをしたけれども、それがおもな目的ではないのだというふうにいっているのですよ。これはお客さんから聞かれたら、こうやって説明しなさいというとらの巻なんです。いかにあなた方はこのことを気にして、そうして打ち消すために必死になっておるかという証拠ですよ。「広域時分制実施の理由として、公衆通信網を使用するデータ通信の実施をあげることは、データ通信のために時分制が採用され、一般の加入者がそのために犠牲を強いられているという誤解を与える恐れがあるのでさけること。」ほんとうのことだけれども、これを言うのは誤解を生む危険があるから避けたほうがいい、こういう言いわけをしなさいとあるのですよ。この論文の中にもずいぶん各所に出てくるのです。広域時分制とデータ通信とは切っても切れない縁があるんですよ。兄弟の申し子みたいなものです。ですから私が最初からずっと一貫して指摘しているのはここのところなんですよ。あまりあなた方があれやこれやむずかしくわからないようにわからないようにしているものですから、予算の内容を私は単純化して国民の皆さんにわかりよくしていく。今後ともあなた方がそうやって言いくるめてごまかしていこうというのならば、私は徹底的にこれを明らかにするために今後とも奮闘していくという決意です。そうして大企業本位の電電公社の現在の姿勢はおおい隠せるものじゃない、私はそう思うのです。また、これは隠すべきものではなく、誤りは改めるべきものである。また、正しくないこと、圧倒的多数の国民に奉仕する立場が十分でない場合は、改めるべきことなんですよ。隠すべきことじゃないのです。さっきからの論議では、ここのところをあなた方は避けて通っている。避けて通っているけれども、こうして一つ一つの事例をあげればまだ切りがないほどあるのです。切りがないほどあります。しかし、時間も参りましたので、私はこれで質問を終わりますけれども、あなた方が頑迷に今後ともこの態度をとり続けるなら、私のほうも徹底的にこれは今後とも追及していくということを最後に申し上げて、私の質問を終わります。
  103. 久保田円次

    ○久保田委員長 次回は明五日木曜日午前十時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後二時三十一分散会