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1973-06-13 第71回国会 衆議院 懲罰委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十八年六月十三日(水曜日)     午前十一時二十七分開議  出席委員    委員長 早稻田柳右エ門君    理事 稲村 利幸君 理事 粕谷  茂君    理事 木部 佳昭君 理事 田邊  誠君    理事 東中 光雄君       小渕 恵三君    梶山 静六君       小島 徹三君    小林 正巳君       野田  毅君    羽田  孜君       羽田野忠文君    保岡 興治君       井岡 大治君    中村  茂君       山本 幸一君    坂井 弘一君       玉置 一徳君  委員外出席者         議     員 大村 襄治君         議     員 坂村 吉正君     ————————————— 委員の異動 六月十二日  辞任         補欠選任   中村  茂君     佐々木更三君   坂井 弘一君     竹入 義勝君   玉置 一徳君     佐々木良作君 同日  辞任         補欠選任   佐々木更三君     中村  茂君   竹入 義勝君     坂井 弘一君   佐々木良作君     玉置 一徳君 同月十三日  辞任         補欠選任   浜田 幸一君     小林 正巳君   石橋 政嗣君     井岡 大治君   玉置 一徳君     小宮 武喜君 同日  辞任         補欠選任   小林 正巳君     浜田 幸一君   井岡 大治君     石橋 政嗣君   小宮 武喜君     玉置 一徳君     ————————————— 本日の会議に付した案件  議員小林政子懲罰事犯の件  派遣委員からの報告聴取      ————◇—————
  2. 早稻田柳右エ門

    ○早稻田委員長 これより会議を開きます。  議員小林政子懲罰事犯の件を議題といたします。  この際、御報告いたします。  去る六日の委員会において、中村茂君の質疑に対し、大村襄治議員から、懲罰動議提出国会法第百二十一条第三項の規定に基づいて行なったものであり、第一項の規定趣旨弁明の際に言いましたのは言い違いである旨の発言がありましたため、委員会は休憩となり、理事会においてその取り扱いを協議いたしました。  理事会においては、事務総長出席を求めてその見解をただす等協議いたしました結果、大村議員の明らかな言い間違いであることが確認されましたが、去る五月十日の本会議録にはこれが記載されておりますので、これをどうするかの取り扱い議院運営委員会に一任することとし、私から海部議院運営委員長にこの旨申し入れました。  去る八日、海部委員長から、同日の議院運営委員会理事会において協議の結果、本会議録大村議員発言の中の、「国会法第百二十一条第一項」の字句は、「第百二十一条第三項」に訂正することとした旨回答がありました。  以上、御報告を申し上げます。  この際、動議提出者大村襄治君から発言を求められておりますので、これを許します。大村襄治君。
  3. 大村襄治

    大村議員 去る五月十日、衆議院会議における議員小林政子君を懲罰委員会に付するの動議趣旨説明を私が行なった際、その根拠条文について、国会法第百二十一条第三項とあるのを同条第一項と読み違え、たいへん御迷惑をかけたことはまことに相すみません。ここにつつしんで遺憾の意を表するとともに、訂正について何とぞよろしくお願い申し上げます。  以上が、六月八日の議院運営委員会理事会における私の発言要旨でございます。  以上、御報告申し上げます。     —————————————
  4. 早稻田柳右エ門

    ○早稻田委員長 次に、本委員会は一昨十一日、群馬利根月夜野町に委員を派遣し、現地調査を行なったのでありますが、この際、派遣委員を代表して、便宜私から、経過概略を御報告申し上げます。  派遣委員は、私のほかに、自由民主党から稲村利幸君、粕谷茂君、木部佳昭君、日本社会党から中村茂君、日本共産党革新共同から東中光雄君、公明党から坂井弘一君、民社党から玉置一徳君、また現地において自由民主党小渕恵三君、日本社会党田邊誠君が参加されました。  一行は、同日正午過ぎ水上駅に到着群馬県庁のバスで月夜野町奈女沢に直行、同所にて昼食の後、地元並びに日本鉄道建設公団当局より説明を聴取いたしました。  その概略を申し上げますと、西山月夜野町長より、上牧荘の沿革並びに同荘所有地概略についての説明がありました。  西山町長説明を要約いたしますと、現在の上牧荘は、昭和初期には大室温泉として発足し旅館業を営んできたが、昭和二十五年に現在の上牧荘に改名、その間数人の手を経て、昭和四十三年に現在の入内島氏に受け継がれた。その所有地については、登記簿上岩竹日影地区山林原野が合計四千六百九十四平米あり、また石倉地区の駒沢というところには、上牧荘の敷地を含めて所有地が一万七千三百十九平米あるとのことでありました。  なお、登記件数年月日等について説明がありましたが、正確を期するため登記簿の写しを取り寄せましたので、詳細はその資料によって御承知を願いたいと存じます。  次に日本鉄道建設公団大平新幹線部長から、上越新幹線計画について概要説明を聴取いたしました。  大平新幹線部長説明を要約いたしますと、上毛高原駅の位置決定経緯については、上越新幹線中央部に大山脈があるため、高崎からどんどん上り勾配となり、二十二キロ三百という世界最長の大清水トンネルを通って、日本列島のまん中を貫くという、他の新幹線に類を見ないものであり、その頂点は五百メートル以上に達し、上り勾配トンネル空気抵抗を考慮に入れた限度一杯の千分の十二という技術的な要素に加えて、利根川山脈という天然の地形の制限、並びに高崎から四十二キロ、湯沢トンネルに三十一・七キロという距離的問題等、いろいろの条件が重なって、渋川、沼田、後閑、水上等各地から新駅誘致の運動もあったが、技術的に検討を重ね、最終的に選び抜かれて現在の上毛高原予定地となった。  ちなみに上越新幹線基本計画公示昭和四十六年一月十八日、調査指示昭和四十六年一月十九日、建設指示昭和四十六年四月一日、線路・駅位置認可昭和四十六年十月十四日であるとのことでありました。  以上、地元及び日本鉄道建設公団から説明聴取後、午後二時より現地調査に入り、道順に従って、岩竹日影地区山林をはじめとして、利根川をはさんだ対岸より石倉地区視察、さらに利根川を渡り国道二百九十一号線を南下して上毛高原予定地付近視察の上、再び国道二百九十一号線を北上、石倉地区上牧荘西側山間部を迂回して、午後四時過ぎ水上駅に到着、予定された全行程の視察を終了した次第であります。  本現地調査を通じて地元群馬県及び月夜野町並びに日本鉄道建設公団当局の御協力を賜わりましたことに感謝申し上げるとともに、派遣委員諸君の熱心な調査経緯を表しまして、簡単でありますが、報告を終わります。     —————————————
  5. 早稻田柳右エ門

    ○早稻田委員長 次に、懲罰動議提出者に対する質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中村茂君。
  6. 中村茂

    中村(茂)委員 ただいま委員長から、前回の委員会国会法第百二十一条一項は三項の間違いである、このことが明らかになった、その取り扱い経過について御報告がありました。また、大村議員からはその釈明があったわけでありますが、私は、間違ったから議事録を訂正した、申しわけなかった、これだけでは何かまだ釈然としないところがあるわけであります。それで、大村議員にお聞きしたいわけでありますが、この三項を一項と間違えたということについて責任をお感じになっておられるかどうか、その点。
  7. 大村襄治

    大村議員 先ほど申し上げましたとおり、読み違えたことについては相すまないという遺憾の意を表した次第でございます。
  8. 中村茂

    中村(茂)委員 特に、この動議を本会議において採決したその内容は、提出された大村議員の所属の自民党が賛成、野党全体が反対、こういう経過で成立している内容でありますし、間違えたことは申しわけなかったという釈明でありますから、いさぎよく、この際この動議を撤回したらいかがなものでしょうか、私はこういうふうに考えるわけでありますが、いかがでございますか。
  9. 大村襄治

    大村議員 手続上の誤りについては遺憾の意を表したのでございますが、撤回をする考えはございません。
  10. 中村茂

    中村(茂)委員 撤回する考えはない、こういうことでございますので、次の質問に入らせていただきますが、小林議員物特質問をいろいろされたわけでありますけれども、その議事録のどの部分が懲罰事犯の、法的に何法の何条に、どういうふうに該当するのか、具体的にひとつ明らかにしていただきたい。
  11. 大村襄治

    大村議員 お尋ねの四月二十六日の物価問題特別委員会における小林政子委員田中内閣総理大臣に対する質問は、前半は、議題となっておりますところの生活関連物資の買占め及び売惜しみに対する緊急指貫に関する法律案について総理に対する考え方を聞いておられ、その半ばごろにおきましては、「計画発表される以前に情報をいち早くキャッチして、その地域資金を持っている者が買い占めていくというようなこういう行動に対しては、規制をすべきではないだろうか、」そういうふうに言及されたのでありますが、そのあとに引き続きまして、「上越新幹線の上毛直原駅が発表になった昭和四十六年の十月以前に土地相当あの近辺で買われているという事実が、私の調査によっても明らかになっております。その土地上毛高原駅からわずか一・五キロメートル以内の山林原野、ここが具体的に昭和四十三年から四十四年にかけて、群馬利根郡のいわゆる月夜野町の字石倉地区という地域相当土地を買われているわけでございます。しかも、買い主は株式会社のいわゆる上牧荘という旅館といいますか、」以下省略いたしますが、「田中総理とは、たいへん古くからのお知り合いで、親しい間柄だということがいわれております。」また途中におきましては、「当時村の人たちは、あんな山の中、しかもほとんどお客もないようなそういうところに広大なビルが建つ、こういうようなことはおかしいんじゃないか」、こういうことも言っているのを私は聞いております、そんなようなことを言われまして、そして、「たまたま新幹線計画発表された時点の中で、そのすぐ近くに駅ができるというようなことはいろいろと——しかもその近辺土地が、山林原野相当買われているというような事実については、私はやはり田中総理の当時の——いままでの実情からいって、この問題について責任をお感じにならないかどうか。この点について一国の大総理が、みずからの政治的地位を、その当時は総理ではなかったにしても、その地位を利用されてこのようなことがやられたんじゃないか、こういう問題等につきまして、私は非常に大きな疑問を持たざるを得ないのでございます。」そしてさらに、「一国の総理大臣が、この点についてほんとうに政治姿勢を改めると同時に、そのようなことをやっていたのでは、いまの不当な商社のこの賢い占め、本気になってこれを取り締まり、やめさせていく、こういうことができるだろうかどうだろうか、明確な答弁を要求いたします。」これが小林政子議員のこの問題についての質問要旨でございます。  この点につきまして私が調査しますと、距離面積並びに時期の諸点からして、小林君が発言したように、田中総理は当時の地位を利用して、旅館上牧荘相当山林原野を買わせたような事実は全く見受けられぬのであります。しかるに、あたかも事実であるかのごとく発言して、総理政治姿勢を疑わせるような発言をしましたことは、国会法百十九条の、無礼の言を用いたことに相当するとともに、また、公開の席上で総理を直接名ざしで指名して以上の発言をされましたことは、国会の品位を傷つけたことにもなりますので、衆議院規則二百十一条にも触れる、以上が私ども動議提出した理由でございます。
  12. 中村茂

    中村(茂)委員 問題は、距離面積、時期、こういうふうに番われているわけでありますけれども、この距離ということについて考えてみれば、経過からして二つの問題点というか、受け取り方が出てくるのじゃないか。言ってみれば、一・五キロという、本人は一・五里を言い間違えた、こういうふうに言っておるわけでありますから、その言い間違えた一・五キロということを主体にして、その周辺に土地が買われているかどうか。それから、言い間違えたというふうに言っているわけでありますから、一・五里の中でどうか。言い間違いという問題について懲罰事犯の中でどういうふうに位置づけていくか。この距離という言い方の中には幾つかの問題があるのではないか、こういうふうに私は思うのであります。  そこで、まず言い間違いという問題について、本人も、本会議一身上弁明の中で、言い間違いについては釈明することはやぶさかではない、こういうふうに言っているわけでありますから、事犯要素として言い間違いをどういうふうに考えているか、その点についてひとつ明らかにしていただきたいと思います。
  13. 大村襄治

    大村議員 小林委員がこの点についてやぶさかでないということは、本会議一身上弁明の際に確かに申されたように記憶しております。しかし、正式に訂正されましたのは、先週の半ば開かれました物価問題特別委員会であったように承知いたしておるのであります。したがいまして、当日の物価特別委員会における発言は、「わずか一・五キロメートル」ということを言われたのでありまして、当時私どもの聞いた印象といたしましては、駅の近くというのはやはり非常に近いのではないかという印象を持ったのでございます。しかるに、後日になりまして、一・五里であるというふうに訂正された。やはり委員会発言当時の重要な点が変わっておる。また、土地売買取引常識からいいますと、一・五キロと一・五里では非常に違うということも、否定できない問題ではないかと思うわけであります。
  14. 中村茂

    中村(茂)委員 ですから、私のお聞きしているのは、いま申し上げたように、懲罰動議として提出しているわけでありますから、その懲罰事犯がどういうふうに関係してくるか、こういうことについて、あなた自身も、先ほど釈明されたように、間違いがあった。人間はとかく間違いがあるわけであります。この間違いについて、やはり本人も認め、本会議また先般の物特で正式に訂正している、そういうふうに考えてみると、やはりこの場では間違いは間違いとして、いずれにしても一・五里の間に土地売買が行なわれたかどうかということが、先ほど言われました距離という問題で考えてみる必要があるのではないか、こういうふうに私は思うわけでありますが、その点いかがですか。
  15. 大村襄治

    大村議員 おことばではございますけれども、私どもは、四月二十六日の物価問題特別委員会における小林議員発言に基づいて、動議を同月の二十八日に提出いたしたのでございます。小林議員一身上弁明は五月の十日に行なわれておるのでございまして、動議提出の段階においては、「わずかに一・五キロ」という発言がもとになって動議提出され、またこれを撤回する意思がないのでございますので、その点はひとつ御了承願いたいと思う次第でございます。
  16. 中村茂

    中村(茂)委員 これはいろいろな経過がありますから、また皆さんに判断していただくとして、いずれにしても一・五里、本人が間違いだと言っている、この一・五里の中に土地売買が行なわれたかどうか、こういうことを検討していきますと、当日の小林議員発言では一・五キロ以内の「石倉地区という地域相当土地を買われている」、相当土地が買われている、こういうふうに言っているわけであります。そして「石倉地区」、こういうふうに地区をはっきり言っているわけであります。そうしますと、この「石倉地区」は、いずれにしてもここで言っております一・五キロ以内の「石倉地区」というふうにはならないわけであります。一・五キロよりか離れているわけであります。  そこで、石倉地区相当土地が買われている。われわれの実際に行った調査によりましても、それから五月十日の小林議員身上弁明でも、大村議員趣旨弁明でも、この石倉地区及び岩竹日影地区に、これは上毛高原駅に予定されている地域よりは、直線距離にすれば距離は少し短くなると思いますけれども、いずれにしてもこの地域土地が買われているわけであります。その土地が買われているという事実についてはお認めになると思いますが、いかがですか。
  17. 大村襄治

    大村議員 小林議員は、四月二十六日の物価特別委員会におきましては、「石倉地区という地域相当土地を買われている」、こう言われておりまして、「相当」という具体的な数字は、そのときはあげておられないのでございます。翌日の新聞あたりを見ますると、二万三千とか四千とかいう数字小林議員の談として載せられておるのを拝見したのでございますが、当日は数字には触れておられません。そんなわけで「相当」でありますが、相当狭いという印象は私は受けなかった。やはり相当広いのではないか、そういう印象を持っておったことは事実でございます。  そこで上牧荘が、言われております四十三年から四十四年にかけて、石倉地区ではたして土地を買った事実があるかどうか、これを調べてみましたところ、ごくわずかございます。すなわち、上牧荘が四十三年の二月に、石倉地区の現在の旅館の隣接のがけ地を約五百坪、平米にいたしまして千六百二十九平米取得しているという事実がございます。それから、いま先生がお述べになりましたとおり、この上牧荘からさらに一キロぐらい離れた、正確にいうと七、八百メートルかと思いますが、離れた、石倉地区ではない、岩竹日影地区におきまして、四十三年の五月に約千三百四十坪、平米にしまして四千四百二十七平米を取得しているという事実があるわけでございます。  しかしながら、これらはいずれも新駅予定地からは六・五キロないし七キロ離れたところでありまして、先生は、岩竹日影地区のほうが新駅予定地よりも近いように言われたのでございますが、私ども実地調査をいたしましても、地図を見ましても、新駅位置からは岩竹日影地区のほうがさらに遠いというふうに認識いたしているのでございます。
  18. 中村茂

    中村(茂)委員 ですから、ここでは「相当土地を買われている」という「相当」が、先ほど大村議員は「距離面積」というふうに言っているわけですけれども、その二番目の「面積」という問題に当たってくるのじゃないか、こういうふうに思うわけであります。これはその人の置かれている立場なり、それから、問題になりました物価対策特別委員会は特に土地買い占め売り惜しみ等が問題になっている委員会でありますから、そういう中における「相当」というのは大体どのくらいの程度だろう、そして新しくできる上毛高原駅と関連して「相当」というのはどのくらいだろうか。これはその後はいろいろ出ておりますけれども、当日の発言は、平米はどのくらいということが全然出ていないわけでありますから、いずれにしても相当面積が買われたこの事実については変わりないのじゃないか、私はこういうふうに思うわけでありますが、いかがでありますか。
  19. 大村襄治

    大村議員 私も言語学者ではございませんが、常識で申しまして「相当」といいますと、相当広い——不動産取引のあれがあれば、山間地山林原野では何十町歩とかなんというのが常識的な単位ではないか。東京都内では千坪、二千坪でもたいへんなものでございますが、群馬県の北部の山林原野ということになりますと、「相当」というのが四畝や五畝だというのは、ちょっと常識として考えられないところではないかと思います。
  20. 中村茂

    中村(茂)委員 私も当日物価特別委員会出席していた一人でありますから、そのときの空気なりいろいろ承知しているわけでありますけれども、その後議事録を調べてみても、いま申し上げましたように、土地相当買い占めたとかそういう字句は使っていないわけですよ。それから、平米も全然出てこないわけです。相当買った、しかも旅館を経営している人でありますから、先ほどから申し上げているような千以上の平米になれば、相当買ってある、こう言うことが常識じゃないか、こういうふうに私は思うわけであります。ですから、先ほど言われました「面積」という問題について、動議の対象ということでいろいろ取り上げられているようでありますけれども、この点については、あとではいろいろ出てきていますよ。しかし当日は、何回か言いますけれども、「相当土地を買われている、」こういうふうに言っているわけでありますから、その点については、面積という問題について、公平な立場で、やはり相当土地買い占められたわい、こういうふうに理解し、解釈するのが正しいのじゃないか、こういうふうに私は思うわけであります。この点についてもう一回。
  21. 大村襄治

    大村議員 先ほども申し上げましたとおり、当日の委員会の模様を議事録によって見ますというと、小林議員田中総理に対する質疑の中で、前半生活物資買い占め取り締まり法に関する質疑をされているのでございます。先ほども申し上げましたように、「計画発表される以前に情報をいち早くキャッチして、その地域資金を持っている者が買い占めていくというようなこういう行動に対しては、」規制をすべきではないかと、これは一般論でございますが、その次に、「上越新幹線上毛高原駅」云々と具体的な問題を言っておりますので、どうも同席しましたこれは私だけじゃないと思うのでありますが、やはり直接買い占めということばは使われておらない、一般論として買い占めということを言い、具体的事実としてこういうことがあるという提起のしかたをされますと、この「相当」というのは相当広いのではないかというのがむしろ常識的な受け取り方ではないか、すなおに考えてみても、そのように思うわけであります。
  22. 中村茂

    中村(茂)委員 別に不動産会社でもない、旅館を経営していて、自分の旅館を広げていこうとするかそういうことで業務内容を広げていこう、こういう立場土地をお買いになったわけでありますから、私はまあ、この程度土地を買ったのは通常、相当土地を買った、こういうふうに言うのが常識じゃないか、こういうふうに思うわけです。しかし、そこは、なかなか意見が合ってこな  いようでありますから……。しかし、繰り返して申し上げますと、先ほど言われましたように「距離面積」こういうふうに言われるわけでありますから、私は、この面積という問題について、相当土地を買ったということにちょうど該当しているぐらいな面積、こういうふうに理解していることを強く申し上げておきたいというふうに思います。  それから次に、「時期」というふうに言われたわけでありますけれども、これは実地調査のときにお聞きしました。上越新幹線経過等いろいろお聞きしたわけでありますが、それとあわせて私も調査してきた内容によりますと、四十四年五月三十日に新全総の発表があって、あらかたでありますけれども新幹線というものを全国的にネットワークにしていく、こういう方向が打ち出されております。そして四十五年の五月十八日に全国新幹線鉄道整備法が公布されております。この中で新幹線方向については相当明確になってきている。四十六年一月十八日に東北、上越、成田、基本計画公示になっている。四十六年一月十九日に上越調査公団に指示されている。四十六年四月一日に上越整備計画決定になっている。同日、やはり四月一日ですけれども上越建設公団に指示されている。そして四十六年十月十四日に工事実施計画認可になって、上毛高原駅が仮決定になった、こういう経過だと思うわけです。  そう見てまいりますと、やはり四十四年から四十五年、四十六年にかけて、いずれにしても上越新幹線というものがいろいろ論議されたり、ちまたでいろいろいわれるようになってきた。ですから問題は、時期の問題でありますけれども、この上越新幹線という新しい新幹線が、いずれにしてもここへ敷かれる、こういう状況と、土地の買われた時期というものは大体合致してくるのではないか、こういうふうに思われますけれども、いかがです。
  23. 大村襄治

    大村議員 ただいま御指摘のとおり、四十四年の五月に新全国総合開発計画決定されております。また四十五年の五月に全国新幹線鉄道整備法が公布されておりますが、いずれも大まかなものでございまして、どこを通るか、どこに駅ができるなんというのは海のものとも山のものともつかない状況だったと思います。そこで、御指摘のように、四十六年の一月に上越新幹線基本計画が東北、成田と同様に決定いたしましたが、これもまた、内容は文字どおり基本計画でございまして、路線名とか起点と終点、主要経過地点というのが載せられてないのでございます。同年の、四十六年四月に整備計画決定いたしまして、走行方式とか最高設計速度とか、費用の概算などが決定を見たのでありますが、具体的にきまりましたのは、御指摘のとおり、四十六年の十月十四日の工事実施計画認可のときに初めて上毛高原駅がきまった、こういう経過でございまして、旅館が取得した時期の四十三年、四十四年とは非常にかけ離れているというふうに考えておるわけでございます。
  24. 中村茂

    中村(茂)委員 具体化してきたのは四十五年の後半から四十六年にかけてでありますけれども上越新幹線がいずれにしても計画されるというような状況が出てきたのは四十四年、四十五年、それから四十六年にかけて具体化されてきた。ですから、いずれにしても新幹線が通るということになれば、いまこの地域ばかりではなしに、そういう話が出ただけでも相当全国的に土地買い占め等が行なわれている、こういう状況を見ても、やはり四十四年、四十五年それから四十六年にかけて買われた土地というのは、この新幹線というものと関連なしに考えるわけにはいかないのじゃないか。これは人によっては、全然関係なしに買っている人もあります。しかし、自分でも、やはり新幹線ができてお客の誘致が楽になる、そうすればうち等も広くしよう、または新しい施設をつくろう、こういうことでそういう計画を立てるのは当然じゃないか、私はこういうふうに思うわけであります。したがって、問題は、この時期を問題にしているわけでありますから、そういう状況の中で四十四年、四十五年、四十六年、この時期に買われたという事実もあるわけでありますから、そうなってくれば、先ほど言われましたように、時期が全く違う、こういうことにはならないのではないか、こういうふうに思うわけであります。
  25. 大村襄治

    大村議員 その点は認識の相違と申し上げざるを得ないわけでございますが、いずれにいたしましても、石倉地区上牧荘の取得した土地約五百坪それからだいぶ離れたところの岩竹日影地区の約千四百坪、合計しましても千九百坪、いずれも旅館建設なり業務用に買った土地でございます。この新幹線の駅と結びつけて、総理が当時の地位を利用して買わせたということとはほど遠いのではないか、そのことをあわせて申し上げます。
  26. 中村茂

    中村(茂)委員 先ほども申し上げましたように、私はその席へも出席させていただいていて率直に感じたことは、距離とか面積とか時期、これは田中総理と関係なしにでも、自分の商売上からも買えるわけでありますし、距離とか面積、時期というものについては、それほど、懲罰事犯にするというほどの大きな開きもなかったし、問題もなかったんじゃないか。ただ、いま言われましたように、田中総理が当時の地位を利用して、大村委員は買わせたというふうに言うわけですけれども小林議員は別に買わせたというふうに言っていません。この点については、「このような」とか「そのような」と、まあこういう言い方は二回程度出ていると思いますけれども、だから、そのことが、どういう土地を買おうが、どれだけの距離があろうが、時期がどうであろうが、この事案として一番の問題は、田中総理上牧荘の入内島さんとの関係でこういう土地が買われたのかどうか、ここが一番の問題点じゃないか、こういうふうに私は思うわけであります。  そこで、問題になりますのは、小林議員は、そういう疑惑について質問するのは当然国会議員としての義務だ、こういうふうに言われておりますし、大村議員は、推測をもってとこういうふうに言われているわけであります。疑惑ということと推測ということではでかく違うわけでありますから、そこのところはどういうふうに解明されるかということが、この事案全体を通じて一番のポイントじゃないか、私はこういうふうに思うわけであります。  そこで、この疑惑か、まあ推測か、こういう問題になるわけでありますけれども、私は、疑惑というのは、やはり疑惑というふうになる条件が整っているかどうか、このことが非常に重要になってくるというふうに思うわけであります。そこで、私はやはり、いろいろな条件を検討してみた場合に、まあ疑惑とこういうふうに言い得る条件があったのではないか。これは、これから申し上げますけれども、そういうふうに思うわけでございます。推測と、こういうふうにきめつけられた点については、どこをさして推測というふうに言われたのですか。
  27. 大村襄治

    大村議員 先ほども申し上げましたとおり、小林議員総理に対する質問中に「新幹線計画発表された時点の中で、そのすぐ近くに駅ができるというようなことはいろいろと——しかもその近辺土地が、山林原野相当買われているというような事実については、」これを受け身で言われておりますが、その前に、旅館の主人と総理と親しい仲であったということを詳しく言っておられますが、山林原野相当買わせているという印象を与える発言をされているのでございます。しかも、そのあと引き続いて、「一国の総理大臣が、この点についてほんとうに政治姿勢を改めると同時に、そのようなことをやっていたのでは、」云々と、断定的な発言もされているのでございます。したがいまして私どもは、事実についての単なる質問をしたのではない、その上に推定が加わって総理政治姿勢を追及する、こういう発言になったのではないかというふうに見ているのでございます。しかも、田中総理がこの点についてたびたび否定されているにもかかわらず、「いろいろと私どもも具体的に調査をした上で、いやしくもここで発言をする以上は、そう無責任なことを私どもは言っているわけではございません。」こういうふうに言われているのでございまして、こういった点を通じてみますると、事実に反し、推測に基づいて総理政治姿勢に疑惑を持たせる、そういう発言をされたというふうに受け取らざるを得ないというふうに考えております。
  28. 中村茂

    中村(茂)委員 推測が加わってと、こういうふうに言うわけですけれども、私はどういうところが推測が加わったのか、いまのお答えでは具体性がないわけでありますけれども先ほど申し上げましたように、疑惑というのは、やはりそれだけ疑惑を持つような条件があったのかないのか、この点がやはり、疑惑になるのか推測になるのか、ここら辺のところがポイントじゃないか、こういうふうに思うわけであります。  そういう立場に立ってこの事案を考えてみますと、いずれにしても株式会社上牧荘が、四十六年十月十四日の上毛高原駅の決定前に相当土地を買収している。相当という解釈については双方意見が違いますけれども、いずれにしても土地を買っている事実についてはこれは変わりはありません。双方、買ったということについては意見が一致していると思うのです。そういう条件が整ったということ。  それから、上牧荘の代表取締役の入内島金一さんと田中総理は、田中総理自身「刎頸の友」、こういうふうに二回にわたっておっしゃっておりますから、これはほんとうに親しい間柄にあった、これはだれも否定することではないと思います。総理自身も言っているのでございますから。  それから田中総理は、新幹線それから上越新幹線、こういう政策というか、ものについて、自民党の幹事長、通産大臣、まあ実力者でありますし、いま総理大臣でありますから、相当強い発言力があったことは、これはだれも否定するものはないと思います。これはその知っていることを、いま事案になっている漏らすか漏らさないかということは別問題であります。いずれにしても田中総理の置かれている立場というものは、相当新幹線等についての発言力の強い地位にあることは、これは否定できないことだと思います。  現実にこれは、私は長野県でありますけれども、北回り新幹線が、いまの信越線を通って長野へ行くのか、それとも群馬県の、上州というふうに言っておりますけれども、三原のほうを通って上高地を抜けて長野のほうへ行くのか、こういう問題が起きておりますけれども、よくいわれておりますように、どうも群馬県のここのほうは福田行政管理庁長官、中曽根通産大臣、まあこちらを通したまえという意見があるようだからなかなかと、こういう意見が相当方々に出ております。しかし、それは出ているのは事実であって、しかしその人たちがどれだけの内容を持ち、どれだけのことができるか、そういうことは私にはわかりません。しかし、そういうことをいわれているのは事実であります。  そういうふうに、この新幹線というものについては、古くは岐阜県にできた大野伴睦先生の駅だということも、私聞きました。新幹線というこういう大きい問題については、特に自民党の役職にある実力者というか、相当の関係があるということは、世間の通則みたいになっているのじゃないか、こういうふうに思います。  それから、これは私もよく知っているわけでありますけれども、長野県でのいままでの仕事が新潟まで含めた仕事でありましたから、田中総理地元のこともよく知っております。身辺の人も土地に関係した業者の人が多いことも知っております。  だから、そういうふうに考えてみますと、いま申し上げましたように、入内島さんと田中総理が非常に深い仲にある、それで土地が買われた、そういうふうになっていくと、世間通則では、やはり疑惑というか、そういうふうに勘ぐるというか——しかし、議員でありますから、ただそういう世間のことだけでなかなかできる問題ではありません。これはどれだけの事実に基づいてという追及になるのではないか、こういうふうに思います。しかし、そういう疑惑を持つということについては、世間通則では通用している面があるのではないか、私はこういうふうに思うわけであります。だから、そういうことを今度きちっと整理し、議員という立場でそのことをただしていくという場合に、どれだけの資料とどれだけの事実に基づいて行なわれるか、そこが一番大事な問題になってくる。だから、この問題を考えてみた場合に、私はもう一度その当日の議事録をずっと目を通していただきたいと思うわけでありますけれども、これは大体において疑惑をただす立場に立っているのです。そんなに推測とかきめつけとか、そういうことではなしに、疑惑をただす。特にこういうことを小林議員発言しているわけであります。「私は非常に大きな疑問を持たざるを得ないのでございます。」と。これは大体締めくくりのことばになっているはずであります。そうなっていくと、先ほどから申し上げておりますように、その当日も参加した一人としてこの問題を全般的に通じて見て、距離とか面積とかそれから時期とか、そういうことではなしに、総理と入内島さんとの間柄の中で、総理がその地位を利用して、何かサゼスチョンを与えて買うようにしむけたのか、そこのところが一番のポイントで、そのほかのところはそれほどポイントにはなってこないだろう。そこのところをわれわれがどういうふうに解明していくかということが一番重要ポイントで、ここのところが切れてしまえば、あとは何にもないことなんです。  それで、先ほども申しましたけれども、そこに触れる発言としては、「そのようなことをやっていたのでは、」というところが一つあります。それから「このようなことがやられたんじゃないか、」これは先ほど大村さんが言われましたように、事実を調べてということも、小林議員は何回か言っております。審議をずっと見ていただければわかりますけれども、「事実」とか「このような」とかいうことは、入内島さんが土地を買ったのかどうか、この点に大体焦点がしぼられてきているのですよ。(「新聞の要約を読んでみたら、どういう書き方をしているかわかるじゃないか」と呼ぶ者あり)それは、議事録を読んでみてもらえばわかります。前段のほうは入内島さんとの関係、それから新幹線の関係、こういうことを触れてきています。  それで、このときに土地が買われているか買われていないかということで、田中総理も勘違いしたと思いますけれども、いや、田中総理に、買ったというふうに言っているんじゃないよ、こういうやじとかそういうものが出て、それで本人も、いや、田中総理が買ったというふうに言っているんじゃたい、上牧荘が買ったというふうに言っているんだ、こういうふうになってきているのですよ。だから、その疑惑という問題の中で一番焦点になる点についても、小林議員も言っているように、私は非常に大きな疑問を持たざるを得ないのでございます。  こういうふうに考えてみますと、この事案については国会法または議事規則の何条に当たるのかと先ほど質問したわけでありますけれども、この中で問題になってきますのは、国会議員の品位の問題、それから無礼という問題。この場合の品位というのは、どこのところがどういうふうに品位に当てはまるのですか。
  29. 大村襄治

    大村議員 中村委員が言われまするとおり、私はこの問題の核心は、田中総理と入内島氏との関係からして、総理が当時の地位を利用して、新幹線の駅の近くに相当土地を買うにあたって情報を漏らしたりそういった関係があるかどうか、その辺が一番ポイントだと思うわけであります。  先ほども申し上げましたとおり、小林委員が具体的に質問に入る前に、一般論としてではございますが、「列島改造論と地価の急騰」ということを次第に出しながら、「計画発表される以前に情報をいち早くキャッチして、その地域資金を持っている者が買いしめていく」こういうことをはっきりうたわれて、その直後にその具体的な問題に入っている。そういう意味では、やはり田中総理の当時の地位利用がはたしてあったかどうか、あるいは旅館の経営者入内島氏が、そういう情報を事前に得てこれらの土地を買ったのかどうか、その辺が一番の問題である。面積とか時期とか距離とかいうことを申し上げましたのも、それに関連の一つの要素として申し上げたのでございます。  その点からいいますると、繰り返して申し上げますが、小林委員は「たまたま新幹線計画発表された時点の中で、そのすぐ近くに駅ができるというようなことはいろいろと——しかもその近辺土地が、山林原野相当買われているというような事実については、私はやはり田中総理の当時の——いままでの実情からいって、この問題について責任をお感じにならないかどうか。」「その地位を利用されてこのようなことがやられたんじゃないか、」と繰り返し発言され、さらに「そのようなことをやっていたのでは、」こういうふうに言われているのでございます。「そのようなこと」がどういう意味であるか、これは小林議員に直接お尋ねいただきたいと思うのでありますが、私は、前後の関係からいたしまして、やはり、田中総理が当時の地位を利用して新幹線の駅についての情報を事前に漏らした、そのために入内島氏が付近に土地相当買ったのではないかということを質問されながら、非常に大きな疑惑を持たざるを得ない、さらに、そのようなことでは——だんだんと断定に進んでいるわけです。しかも、田中総理がそういった事実はないと繰り返し否定しているにもかかわらず、事実に基づいての発言であるというふうに主張を続けられた。そういった観点からいたしまして、総理に対する無礼な言に当たる、国会法第百十九条に当たることは明白でございますが、それとともに、公開の議場で、田中総理を名ざしでそういった発言をしたということは、国民の国会に対する信頼を傷つけることにもなりますので、そういう意味で、衆議院規則第二百十一条の議院の品位を傷つけたことにもなる、そう考えているのでございます。
  30. 中村茂

    中村(茂)委員 特に品位というのは、衆議院規則からいけば、二百十一条、「議員は、議院の品位を重んじなければならない。」この項は、第二節の秩序という項からこの品位の問題が出ているわけであります。秩序の中からの品位ということになれば、いま言われましたように、小林議員田中総理との質疑応答があった、全体としてこれは日本列島が出てきて、土地買い占め、こういうものがずっと出てきたということは、資料を見ても明らかでありますし、それからここの中でも、これは全体的なものとして冷静に質問していたのではないか、こういうふうに考えていけば、これはどこに無礼な発言というものがあり、そして秩序の中の品位というところにそれが関連してくるのか、私にはなかなか理解できないわけであります。特に無礼ということについては、これは国会法の、特に第十四章の「紀律及び警察」の中で、無礼のことばを用いてはいけない、こういうふうになっているわけであります。ですから、あの日の小林議員発言の中で、紀律を乱すような無礼であったかどうか。私は、紀律を乱すような無礼はなかったのではないか。もっと言わしてもらうなら、こういう紀律の面から起きる無礼、それから秩序という面からくる品位ということになれば、答えるほうの田中総理自身の発言の中にも、総理としてはどうかなと思うような発言が多く見られたわけであります。そのことは、私そこに参加して率直に感じました。  ですから、全体的なものを通じて、いま申し上げました国会の品位とか無礼というそれが、紀律、秩序という法体系の中でどういうふうに結びついてくるのか、先ほど申し上げたように、私には理解できません。そこら辺のところをもう少しわかるように説明していただきたい、こう思います。
  31. 大村襄治

    大村議員 中村委員もよく御承知のとおり、憲法五十八条に、国会の秩序を乱した議員を懲罰することができるという基本規定があることは、よく御承知のとおりだと思います。(中村(茂)委員「いま何条と言われたのですか」と呼ぶ)憲法五十八条でございます。それを受けまして、国会法衆議院規則にいろいろ関係の条文がある、このように私ども承知いたしておるのであります。そのうちで、国会法第百十九条の規定がございまして、これは第十四章、紀律及び警察の章にあらわれておりますが、「各議院において、無礼の言を用い、又は他人の私生活にわたる言論をしてはならない。」こういうはっきりした条項が置かれております。また、次の百二十条には、侮辱に対する処分要求の規定も設けられているのでございます。  今回の小林議員物価特別委員会における発言は、私どもが見るところによれば、田中総理に対する無礼のことばである。無礼とは何かと申しますと、字引きを引いてみましても、礼儀をわきまえないこと、あるいはぶしつけということになっておりまして、まさにこれに該当するものであると考えるものでございます。また、田中総理が再三否定されたにかかわらず、ずっと主張を続けられて、非常に詰問されるような語調で公開の席上でやっておられることは、これがまたマスコミを通じて報道されることでございますので、国民の皆さまに、国会の権威でございますか、あるいは政治に対する信頼を失わせることに響くかもしれない。そういった点からいいますと、衆議院規則の二百十一条、これは秩序の章にあるようでございますが、その品位を傷つけたことにもなる。さらに申し上げますれば、第三者である旅館の経営者入内島氏も、何か総理にあやかって広大な面積土地買い占めたような印象を植えつけられたという点では、やはり個人の名誉、第三者の名誉も傷つけている、かように考える次第であります。
  32. 田邊誠

    田邊委員 ちょっと関連質問。  いま中村委員質問していることは、この懲罰事犯の核心に触れるところでありますが、大村議員からの答弁の中にもありましたように、この新幹線網なり高速道路なりが計画をされて、また実施に移されるという段階で、かなり土地買い占めが全国各地で行なわれていることについては、御承知のとおりですね。それからまた、非常に土地の値上がりを来たしたことも御案内のとおりです。そういった点から見て、日本列島改造論を提唱されている田中総理が、全国各地のいわば地域を指定して、こういうところに中核都市をつくる、あるいはまた、新幹線はこういうところにつくるというようなことを提唱され、本に書かれたとたんに、その地域土地の値上がりがさらに激しくなってきた、こういうことも事実なんですね。そういういわば前提条件があると思うのですよ。ですから、この上越新幹線についても、この実施計画発表された前後から、かなりの土地買い占めが行なわれてきていることも、あなたは御存じだろうと思うのです。私のおります群馬県内においても、かなりそういうことが行なわれている。これは坂村さんも御案内のとおり。そういう事実をまずわれわれは頭に置いて、ものごとを処理しなければならぬと思うのです。したがって、小林委員発言も、そういう土地の投機が非常に激しいという状況の中で、政治に携わる者、特に政治の中核にある総理政治姿勢は厳たるものでなければならぬ、こういう観点でもって質問を展開されてきていると思うのですね。  この上越新幹線の仮称上毛高原駅の付近も、これが計画発表され、ルートを決定をされ、あるいはまた駅が設置をされるという、そういう前後から土地が非常に騰貴をしている、また買い占めが行なわれつつあるということも、これは疑えない事実だと私は思うのです。せんだっての現地調査でも、ちょうど駅が設置をされるといわれておる付近の地点でもっていろいろと実情をお聞きをしましたが、実はたまたま私はあの付近の人に話を聞きましたところが、坪十万円ぐらいだといわれているけれども、最近はどうも言い値が二十万円ぐらいになっているぞ、こういう話をしておった。ですから、そういう騰貴とそれから買い占めの傾向というものが拍車をかけられているということは、これは疑えない事実だ。一般の人たちは、さっき中村委員が言われたように、新全総が発表され、それからまた新幹線の問題が四十五年に出てまいり、東北、上越新幹線網が四十六年の一月に出てまいった、その前後、その後はもちろんですが、その前後から買い占めが激しくなったということになるわけです。ところが、この上牧荘が石倉鼬沢地区なり岩竹日影地区土地を買収したのはそれより以前である。大体四十三年から四十四年。それから岩竹日影の場合は四十四年と四十六年に若干地続きを買った、こういう状態なんです。それがいわば一つの問題点ですね。普通の人であれば、新幹線のルートがはっきりきまり、それから駅の設置が明確になる、その前後から土地買い占めを行なうという形であるけれども、この上牧荘の場合はそれより少しさかのぼった時期に買収が行なわれたというところに、一面においては関係がないではないか、また一面から見れば疑惑を持てるじゃないか、こういう接点だろうと私は思うのですよ。  そういうことと、上牧荘田中総理とが刎頸の友であり、一時経営に加わったことがある、こういう関係であるから、したがって田中角榮氏が、この刎頸の友である上牧荘に、この辺に上越新幹線が通るぞ、この辺にどうも駅ができるかもしれぬぞというようなことを事前に情報として漏らした、その情報をもとにしていち早く土地買い占めをしたのじゃないか、こういう疑惑を小林委員が持ったのじゃないかと私は思うのですね。ですから、それが上越新幹線網に関連をしない土地の取得であるのか、関連をしてその土地買い占めを行なったかということは、これはなかなか判定にむずかしいところだと思うのですよ。ですから、その点に対して、そういう刎頸の友である上牧荘が買った土地に対して、総理が事前に情報を漏らしてそういった土地の取得に対して一役買ったんではないか、こういう素朴な疑問を持ったことも、これは私は決してとっぴな着想だというふうには思えないのですよ。この観点で小林委員質問を展開をしている、こういうように私は認識をしている。あなたは一体それに対してどう考えるでしょうか。  それと、田中総理もこの答弁の中で、「入内島君がこの上牧荘の経営者であることも事実であります。しかし、上毛高原駅などの近くに土地を買収している事実は、全く私は知っておりません。」その次にこう言っているのですね。「知っておらないばかりでなく、そんな事実はないはずであります。」こう言っておる。この総理の答弁というか、発言自身も、実は前後の関係からいうとそこはおかしいのであります。私は知っておりませんと言っておりながら、その次に、そんな事実はないはずです、こういうように断定をしておるのですね。ですから、知らないなら知らないということになるのだけれども、いや、そんな事実はないはずだ、こういうように断定をしていることも、われわれから見ると、いささかこの発言は的確性を欠くのではないか、こういう気がしているわけなんですが、それはともかくとして、ですから小林発言の真意というものは、私がいま申し上げたような前提から、どうも一般の人たちは四十六年ぐらいから大幅の買い占めが行なわれてきている、新幹線の付近について買ってきている、そういう思惑買いが非常に多くなってきているけれども上牧荘の場合はそれよりもさかのぼった時点で買っておるのだが、この買ったということが、どうも総理である田中角榮氏から事前に何かあそこら辺にできるぞというようなことを漏らされて、いわばそのサゼスチョンでもって土地を買ったのではないか、こういう疑問を持った意味の発言ではないかというように私は考えるのですけれども、あなた方はそれに対してどういうふうに受け取っておられますか。
  33. 大村襄治

    大村議員 たいへん小林議員に対する御同情のある御発言でございまして、私も傾聴いたしたのでございます。しかしながら、先ほど来繰り返し申し上げておりますとおり、一般論としては、新幹線の近くに土地買い占めがたくさんあるじゃないか、これは私も承知しております。私の出身県におきましても中国縦貫道路というのが建設中で、付近の山林原野相当大規模単位に買い占められておる、十町、二十町、そういう事実があることは承知しているのでありますが、それから具体論に入りまして、いろいろ述べられて、入内島さんと田中総理の関係を述べられた。そういうことで、やはり質問の核心は、田中総理が事前に情報を漏らして親しい友人である入内島氏にそういう土地を買わしたのではないか、そこがやはりポイントでございます。なるほど初めの間は、大きな疑問を持たざるを得ない、こう言われているのでありますが、次には、そのようなことをやっていたのだという非常に断定的な口調になり、それから、総理が否定されましても、依然主張を続けられている。田邊さんは、総理が、知っておらないばかりでなく、そんな事実はないはずです。——これは、入内島氏の人格を尊重して総理が言われたのではないかと、私は私なりに受け取っておるわけでございますが、依然として、事実だとかあるいは登記簿もあるというようなことで主張を最後まで続けておられる。そういった点からいいまして、総理の入内島さんとの関係から、俗なことばでいえばくさい関係があったのではないか、こういうふうに持っていかれているのではないかと思うわけです。  それで、この委員会発言ではなかったのでありますが、本会議小林さんの趣旨説明を見ますと、この上牧荘がたびたび増資をしている、初めのときから四十数倍、入内島さんが経営してからも二・五倍、こういうようなことを言われていますが、その点、私どもも全部調べてみたのですが、これは全部赤字埋めの増資である。土地を買うなんという余裕は全然ないわけです。その入内島さんが継承されるまで、昭和の初めからこの旅館はずっとあるのですから、一坪も土地を買っておりません。  入内島さんが継承してから、まず隣の宅地、これは先生方ごらんになったのでおわかりでございましょうが、これが上牧荘の全体の敷地である。その隣のがけ地及び次の竹のはえているところ、それを譲りたいという人があったので買ったということです。いまごらんのような竹やぶばかりのところです。それからもう一つ、旅館の裏のほうにおいなりさんがある。これは屋上にあったのを移すために買ったのです。それからもう一つがちょっと離れて岩竹日影地区、ごらんのようにカラマツがはえている非常に傾斜面の土地でございます。全体で千四百坪くらいある。この左のがけの下のほうにずっと細長い道路に面した土地でございますが、これは宅地をブルでやっても四、五十坪ぐらいしかできないような土地でございます。四十六年と言われるのは、道路の向かいに、現在桑畑になっておりますが、将来マスでも飼おうかと思って約八十坪買ったということです。  これだけの事実で、当時の総理地位とか入内島氏の関係を結びつけて総理政治姿勢を追及する、疑惑を持たれるということは、ちょっとどう考えても無理ではないか、行き過ぎではないかというのが私の率直な感じでございます。
  34. 田邊誠

    田邊委員 どういう目的で買ったかは、これは、そういうふうに言ったからといって、その目的で買ったかどうかということはなかなか判定しづらいのです。それから、買ってあるということは事実ですが、買った土地がはたしてそういった新幹線決定による思惑買いであるかどうかということについても、これはまたわれわれはわれわれの判断はありますが、私は、この入内島さんが買った事実があるわけですから、小林委員はそういった買った事実があるということを指摘したのだろうと思うのですよ。  問題は、ですから、総理政治姿勢として、そういったことに対して事前に情報を漏らすなりあるいは何かの暗示を与えるようなことがなかったか。事実、小林委員も言っていますけれども、問題になって副議長をやめた荒舩さんは、この上越新幹線のルートそれから停車駅等は自分と福田さんと田中さんできめたというようなことを言って、それで副議長のいすを棒に振っているわけですね、これは。そういういわばいろんな状況があるわけですよ。ですから、田中角榮氏もそういったことに対して関与をして、いわば土地の思惑買い等に対して一役買っておるんではないかという疑惑を持つのは、何ら差しつかえないと私は思うのですよ。ですから、もしいま大村議員の言われるようなことであるとするならば、これは、国会委員会においてそういう疑念を持った質問があれば、総理は、いや、私はそういったことに関係ありません、そんな情報を漏らしたこともなければ、そういった地位を利用して一役買うなんというような気持ちは毛頭ない、ひとつ事実は事実としてお調べいただいて発言願いたい、こう言って答弁すればそれで済むことなんです。ですから、そういったことをとらえて議員の身分に関する懲罰に付するという真意がわからぬというのが、中村委員質問要旨ではないか、こういうふうに私は思うわけです。  ですから、その点は、中村委員質問を正確にとらえていただいて、物特でもって発言をされたこの質疑応答は、それはそれなりに、現在の物価高にあえぐところの国民の立場に立って政府がりっぱな施策をするように、そうしてまたその責任者である総理は、物価値上げの状態というものをひとつなくすような施策を推進をする、そのために自分自身も政治姿勢を正す、こういうことが必要であるというふうになれば、何ら差しつかえない形じゃないかと私は思うのでありまするけれども、もう一度だけお聞きして、あとバトンを渡します。
  35. 大村襄治

    大村議員 田邊さんの言われますとおり、小林委員は、新幹線駅の付近の土地相当買われている事実を申されると同時に、田中総理がみずからの政治的地位を、当時は総理ではなかったにしても、その地位を利用してこのようなことがやられたのじゃないかということに非常に重点を置いておられるので、私どもはそれは無視することができないと考えておるのでございます。また、田中総理大臣は「事実をお示しください。この問題は、ひとつ委員長、十分お調べの上、国会議員の発言として明確にされたい。」と言われたのに、小林委員はなお質問を続けまして、「具体的に調査をした上で、いやしくもここで発言をする以上は、そう無責任なことを私どもは言っているわけではございません。こういう点は、事実を明らかにすると同時に、」と言われ、また「うわさではなくて、私は、事実を調べた上で」云々、さらに「登記簿を持っております。」というようなことを続けて発言されておるところを見ますと、ちょっと単なる質問ではない、そのように受け取れるわけでございます。さらにこの質問が終わったあと、私ども与党の理事を通じて委員長のおことばどおりの善処をお願いしたのでございますが、その意には沿えないというようなお話であり、かたがた、国会法の三日以内という時期にきましたものですから、(「委員長のことは言うなよ」と呼ぶ者あり)そういった次第でございますので、ただ事実だけ発言をされたから懲罰にしたのではないということを申し上げたいと思います。
  36. 坂村吉正

    ○坂村議員 補足して……。  法律論でいろいろどうこうということではございませんが、先ほど田邊委員のお話で私の名前も出ましたものですから、私も同じ群馬県人であります、土地勘もありますので、いまの問題について、私の立場で私の感じ方を中心にしてお答えしておきたいと思うのですけれども、上牧温泉というのは私もよく知っております。この間現地調査していただいて皆さん方もよくおわかりだと思うのです。あそこで相当土地上牧荘が買った、大体そういう内容物特委員会での話であります、簡単にいえば。それがいかにも田中総理情報をもらって買ったのだ、いわば買い占めだというような感じに実はとっておりました。あそこで買ったということになれば、私はあの裏のほうに相当な、上毛高原駅ができるような地帯の土地に何万坪とかあるいは何十町歩というような土地が買われておるんじゃないかということ、実は聞いておってそういう印象を率直に申し上げまして受けました。あそこに行って現に調べてみれば、先ほどお話しのように、自分のホテルの付属地で、がけ地になっていてどうしようもないところを買ってくれと言われて、わずかな金で買ってやったんだ、子供のテレビ代にでもひとつしようかということを実は言っていた、こういうことを私は言ってみまして聞いておるんです。そういうことを考えて、それからそのほかの土地を見ましても、別の土地を見ても、千二、三百坪か千四、五百坪、その程度土地旅館の経営として一応買っておる、こういう実態でございます。その前に、私ども物特理事といたしまして、小林委員登記簿があるんですと、こうやってやっていたものですから、委員長にもお願いして、その登記簿の証拠とは何だろうかと思って見してもらった。そうしたら、ずっと前の入内島さんが買ったのではない土地がずっと前に、三十何年か前から引き継いだものの合筆登記をやっただけ。だから、そういうことをいろいろ考えてみますと、現地へ私行ってみて非常にびっくりしたんですが、これはそんな印象のものじゃない。それをわざわざ、いかにも田中総理地位を利用して買わしたというような印象を与えるような、しかもそんなことはないのだということを田中総理がはっきりと否定しておる、それを、いかにも押しつけるような質疑の方法だ、こういうように私は感じました。  そういうことを考えれば、疑惑を解くのはけっこうなんだけれども、疑惑を解くのじゃなくて、わざわざ疑惑を生ませるような質疑をやっていた、こういう感じを私は受けておりますので、そこら辺は、事実とその発言及びそのときの状況等を十分考えてみれば、これは当然懲罰に値するものだ、こういうぐあいに感じて提案者の一人になっておるわけでございます。
  37. 中村茂

    中村(茂)委員 疑惑を解くのはいいけれども、疑惑をつくるようにいたしたのではないか、こういうことですけれども、私は、先ほど質問いたしましたように、憲法五十八条に基づいてそれぞれ国会法とか衆議院規則ができているわけですけれども、この五十八条にしても、秩序ということを中心にそれぞれ懲罰の関係の問題については憲法でいっているわけでありますし、それから国会法にしても、衆議院規則にしても、秩序または規律、そういう立場から考えてみれば、言論というものについて品位とかまたは無礼ということについて、やはり相当憲法で保障されているように、国会の中においても保障されていかなければ、われわれ国会議員としての国事に携わって重要な審議をしていく場合に、これは相当問題になる点ではないか、こういうふうに考えてみた場合に、これは言論で言っているのは、先ほども言われましたように、入内島さんは非常に迷惑というふうになっているわけですけれども、これは「他人の私生活にわたる言論をしてはならない。」というのが国会法の百十九条にあります。この「私生活」ということが、俗にいわれておりますようにプライバシーにわたるような点が私生活、そうすれば、田中総理との関係とか、特に物特で問題になり、発言があったような関連についてはプライバシー、私生活、こういうところまではいっていないのじゃないか、ずっと見たところ、言論についてはそういうことであります。ですから、先ほどから私は質問しておりますけれども、また田邊委員が言われましたように、質問している趣旨というのが、特に大商社等の買い占め、売り惜しみの規制法案を田中総理を呼んで質問した、いろいろ聞いてそれを打ち上げてしまおう、このときの委員会であります。ですから、そういう責任者である田中総理が、こういう買い占め、売り惜しみのときに、ほんとうに疑惑を持たれるというようなことでなしに、政治姿勢を正してこの物価高という問題について対処してもらいたい、こういう念願から、私は、先ほど言っておりますように、多少の言い間違い、幅はあったと思いますけれども、これは真剣な問いでありました。それに対して、田中総理のほうが、先ほどもちょっと言いましたけれども、先に頭に来たのかどうか知りません、もう答弁の一番初めに「不愉快、不愉快」それから質問している途中に「委員長」というような発言を繰り返したり、また「同じ新潟県人でありながら、党が違えば」というような発言を繰り返してみたり、これはどちらかというと、私のほんとうの気持ちを言えば、田中総理にもっと冷静にきちっと答えていただきたかった、総理という立場ですから、やはり総理自身の品位という問題、こういう問題にも関連してまいりますので。そういうことを総体的に、私は、あの物特のことを考えてみた場合に、これが懲罰動議として出されて懲罰になる、こういうことでは、これはたいへんなことになるのではないか、こういう印象を率直に言って受けました、これは総体的に見て。しかも、会議が終わってしまったあと、共産党の林百郎議員に田中総理が、おまえやらしたのかと言って二回ほど私どもの前でこづいていたのですけれども、そういうことが総理として、幾ら終わってしまったあとでも、これはもう少し考えていただかなければ、国政の一番の長として、先ほど言っておりますように、それこそ無礼で、もう少し考えてもらわなくてはならぬ、こういうふうに思っておるわけであります。ですから、そういう全体的な立場から、私は、いろいろお聞きしましたけれども、どの点をとらえてみても、懲罰事犯に該当するところはない、こういうふうに思うわけであります。いま私が申し上げたことについて、大村議員の気持ちをひとつ明らかにしていただきたい。
  38. 大村襄治

    大村議員 繰り返し申し上げますとおり、当日の委員会出席しての状況並びに議事録から見まして、小林議員発言には行き過ぎがあったということは明白でございますので、私どもは、総理に対する無礼な言また国会の品位をそこなったものとして懲罰事由に該当するものと考えます。
  39. 中村茂

    中村(茂)委員 終わります。
  40. 早稻田柳右エ門

    ○早稻田委員長 この際、休憩いたします。    午後一時八分休憩      ————◇—————    午後二時十九分開議
  41. 早稻田柳右エ門

    ○早稻田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  議員小林政子懲罰事犯の件を議題とし、動議提出者に対する質疑を続行いたします。東中光雄君。
  42. 東中光雄

    東中委員 私は、この懲罰動議は全く事実に基づかないで、逆に懲罰に値する事実と称するものをつくり上げて、そしてそれを攻撃するという態度に出ている、こういうふうに思わざるを得ないわけです。こういう形での国会での言論、国会での質疑あるいは疑惑を正す行為を懲罰ということで抑圧してくるというのは、これはまさに言論に対する、そしてまた議会制民主主義に対する乱暴な数によるじゅうりんというか、そういう性質のものだと思っています。  それで動議自体についていろいろお聞きしたいと思うのですが、動議の理由は三点を示されております。そして一番初めの前文と結論部分というふうに分かれております。そこで、さきの質問者も問題にされましたが、前段の、いわば前文といいますかの部分で、この動議提出する法的根拠として国会法第百二十一条第一項というふうに言われた。これはすでに読み間違い、言い間違いで訂正されておるわけでありますけれども、こういう発言をすれば、一項と言っておるんだから一項に基づいてやったのである、一項には議員が懲罰動議提出する権限を規定していない、規定していない権限に基づいた、だから権限のないことでやったんだ、形式的にはそういう論理が成り立つわけですが、そういう論理を私は駆使しようとは思わない、間違えたということはあり得るんだから。こういう間違いはあったとして、そのこと自体は懲罰動議の対象になり得るというふうに考えておられるか。それは言い間違いであるから、言い間違いは懲罰動議の対象にはならないというふうにお考えになっておるか。まずその点をお聞きしたい。
  43. 大村襄治

    大村議員 お答え申し上げます。  去る五月十日の衆議院会議における議員小林政子君を懲罰委員会に付するの動議趣旨説明の際に、国会法第百二十一条第三項を第一項と読み間違えたことにつきましては、先ほど報告申し上げましたとおり、議運理事会におきまして釈明いたしまして、訂正をお願いいたしたのであります。  ただいまのお尋ねの問題でございますが、当日の経過を正確に申し上げますと、まず議長から「木部佳昭君外六名から、成規の賛成を得て、議員小林政子君を懲罰委員会に付するの動議提出されております。右動議議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。」ということで私が登壇しまして、趣旨説明をいたした。その個所でいまの条文を読み違えたということでございまして、成規の賛成を得て議題になっているものを説明で間違えた、こういうことでございます。したがって、その提出されている動議の有効性には何ら関係がなかったというふうに考えております。  なぜ議運の理事会で相すまないと遺憾の意を表したかと申し上げますと、御承知のとおり会議録は官報号外として全国に流布されておるのでございまして、これだけ見ますと、提出の根拠が間違っておるのじゃないかという印象を与えるおそれがございます。その点につきまして御迷惑をかけた点で遺憾の意を表した、こういうことでございますので、提出された動議自体の有効性には何ら変わりはないというふうに考えております。
  44. 東中光雄

    東中委員 私が聞いているのは、懲罰動議が手続的に成立しないかするかということではなくて、言い間違いをやったということ、これは条文は明らかに一項があり三項がある。一項は議長がやるんであって、一項の議長権限でやられた事案ではないというのが本件の事案であるわけです。だから、三項でやったものを一項だというふうに間違ったことは、これはもう明白な間違いであり、訂正されるのは当然だし、訂正された。そういう間違いが懲罰の対象になるというふうに考えるか考えないのか。もちろん考えてないということだと思うのですが、その点だけを確かめているわけです。
  45. 大村襄治

    大村議員 懲罰の対象にならないと考えております。
  46. 東中光雄

    東中委員 そこで私は聞きたいのですが一・五キロと一・五里あるいは一里半、これを言い間違えたこと自体、それは懲罰動議の対象になるのかどうか。実体的な内容についてはあとでお聞きしますから、そういう読み違い——一里半と言う場合もあるだろうし、書くときも一里半を一・五里と書く場合もあるわけで、一・五キロと一・五里と言い間違えたという場合、そういう言い間違い自体が懲罰の対象になるかどうかということをまず聞いておきたいのです。それ自体ではならないというお考えではないのかということです。
  47. 大村襄治

    大村議員 それだけ抜き出してのお尋ねでございますのでお答えしにくいのでありますが、なることもあるしならぬこともある、ほかとの関連でございます。
  48. 東中光雄

    東中委員 数字の言い間違い、キロと里の言い間違いが一々懲罰の対象になるというようなことは、これはならないというのはあたりまえのことなんであって、そこでお聞きしたいのですが、あなたの言われた動議提出趣旨説明で、「まず第一に小林君は、株式会社上牧荘が、上越新幹線上毛高原予定地から下五キロメートル以内に土地を購入した事実があると繰り返し指摘されていますが、」云々とこういうように言っているわけですね。「一・五キロメートル以内に土地を購入した事実があると繰り返し指摘」しているというふうに指摘しているのですが、どこで小林議員が繰り返し一・五キロメートル以内の土地を購入したと言っているか、それを指摘していただきたい。
  49. 大村襄治

    大村議員 物価問題等に関する特別委員会議録第十一号、もちろん第七十一回国会衆議院でありますが、それの第五ページをお聞き願いたいと思います。それの一番下の段、「〇小林(政)委員上越新幹線上毛高原駅が発表になった昭和四十六年の十月以前に土地相当あの近辺で買われているという事実が、私の調査によっても明らかになっております。その土地上毛高原駅からわずか一・五キロメートル以内の山林原野、」云々であります。これが第一カ所。次にお開き願いまして、第六ページ第二段でございますが、第二段の一番左から四行目、カッコの下から読みますと、「上牧荘の所有者が買っているということは、しかも、その新幹線駅がそこから距離にして約一・五キロというようなところ」云々こう言っております。これも小林(政)議員の発言の個所でございます。  以上二カ所申し上げたわけであります。
  50. 東中光雄

    東中委員 いま大村議員の指摘されたところでは、あなたが言っておるような、一・五キロメートル以内に土地を購入した事実があるというふうに言っておるんではない、明白じゃないですか。  第一にあげられた部分はこう言っている。「その土地上毛高原駅からわずか一・五キロメートル以内の山林原野、」あなたはそこまでしか言われなかった。しかし「山林原野、」中間ちょっとありますけれども、「群馬利根郡のいわゆる月夜野町の字石倉地区という地域相当土地を買われているわけでございます。」買うということがかかっておる場所は石倉地域と言っているわけです。石倉地域とそして駅との距離がここでは言われておるだけであって、一・五キロ以内に買うたんだ、それ以外では買うていないんだという意味で言っておるんでないことはきわめて明白である。しかもその一番初めに書いてあるのは、「あの近辺で買われている」非常に近辺、周辺、こういったことばで言っておる。その説明のしかたとして、先ほど言ったように一・五キロと一・五里を間違えるということは、これはあり得るわけです。現に間違えた、言い間違えた。しかしそれは石倉地区で買われていると言っているんであって、一・五キロ以内に土地を購入した事実があると指摘しておる——指摘していないじゃないですか。  二回目にあなたが言われたところでいけば、一・五キロというようなところを通っている、こう言っているのですよ。これだって明白に、あなたがまとめておるような言い方ではしていない。  だから、あなたは自分の都合のいいようにかってに曲げて、そして一・五キロ以内に買った事実はない、「私の調査によると、そのような事実は全く認められません。」事実無根だ、こういう論理展開をしておる。この論理展開でいけば、あなたが一項と三項とを間違った、一項にはあなたの言うような権限は全くない、こういう論理展開をするのと全く同じことじゃないですか。繰り返し述べていると言うけれども、ここに書いてあるようなことを繰り返し言っていない。通っていると言っているんじゃないですか。「石倉地区」と言っているんじゃないですか。故意に曲げているんじゃないですか。これは日本語として当然そう読むべきじゃないですか。その点どう思いますか。
  51. 大村襄治

    大村議員 もう一度申し上げます。  第五ページの下段「その土地上毛高原駅からわずか一・五キロメートル以内の山林原野、ここが具体的に昭和四十三年から四十四年にかけて、群馬利根郡のいわゆる月夜野町の字石倉地区という地域相当土地を買われているわけでございます。」この中に「、」がございますが、この「、」は、すなわち、言いかえるならば、というふうにとるのがすなおな見方じゃないか。「土地上毛高原駅からわずか一・五キロメートル以内の山林原野、」その土地は「群馬利根郡のいわゆる月夜野町の字石倉地区という地域」同じ土地を目ざしているものと受け取るのがすなおな読み方じゃないか。相当その土地が買われている。  それから六ページのほうの第二段でございますが、「上牧荘のいわゆる近辺相当——何も田中総理の個人名の土地を買ったというのではなくして、すでにあの山の中にビルが建つなどということがおかしいと言われるほど、そしてあの近辺土地が、山林原野が買われているということ、こういうことは……上牧荘の所有者が買っているということは、しかも、その新幹線駅がそこから距離にして約一・五キロというようなところに通って、」これは同じことのようにとるのがすなおであって、東中先生のようにとられるのはちょっとどうかなという気がしてならないわけです。
  52. 東中光雄

    東中委員 あなたがいま言うたことで、一・五キロ、それは石倉地区ということとイコールなんだ、こういうふうにあなたいま言われた。まさに石倉地区のことを言っているわけで、それを一・五里というところを、あるいは一里半というところを一・五キロと言っただけで、もの自体は石倉地区のことを言っているんだから、ないものをあると言っているのじゃなくて、あるものをあると言って、そこの距離が違っておる、言い間違えたというだけじゃないか。その点は、あなただって現にここで言い間違いの見本を示されているわけだから、そういうことはあり得るわけですね。そうじゃないですか。  あなたはいま、石倉地区と一・五キロはイコールだと言われた。石倉地区というのはずいぶん広いんですよ。だから概略のことを言っているわけですね。石倉地区の端から端までといったって、これだって相当ありますよ。だから、そういう地域について指摘をしているのであって、その距離の言い間違いがあったことは事実だけれども石倉地区のことについて言っているということもこれまたこの文面を読めば、あなた自身が認めているように、はっきりとイコールだというんだから、イコールのところがイコールでなくなっているのは、距離についての言い間違いをしただけだ、こういうことではないですか。それなら、あなたのまとめてある趣旨とはまるきり違ったことになる。
  53. 大村襄治

    大村議員 申し上げます。  石倉地区だと言われているのでありますが、その形容詞として「わずか一・五キロメートル以内の山林原野、」と、なおその前に、これは第五ページの第三段でありますが、小林議員発言として、列島改造論と地価の急騰という関係をはじめとして、「このような問題について計画発表される以前に情報をいち早くキャッチして、その地域資金を持っている者が買い占めていくというようなこういう行動に対しては、」云々という発言があるのでございます。そのあとを受けての具体的な問題の提起ということでございますので、やはり新駅からわずか一・五キロというと、うーんと耳を傾けるのでありますが、これは初めから一・五里であった場合には非常に違った印象の与え方をしたのではないか。あとのほうも同じようにまた「約一・五キロ」をかりに一・五里に置きかえるといたしましても、その点はずいぶん違ってくるんじゃないか。それをあたかも事実であるように言われたという点がやはり一つの問題としてあることは間違いない、こう思うわけでございます。
  54. 坂村吉正

    ○坂村議員 私も聞いておりまして、これが答えになるかどうかわかりませんけれども、その石倉地区が一・五キロ以内にあるんだという印象を実は受ける、知らない人はですね。言い間違いといたしましても、これは重大だと思うのです。それで世間の知らない人は、石倉地区というのが一・五キロ以内のところにあるんだという印象——私が群馬県の人間であの地方を知っているにもかかわらず、石倉地区はそんなに近いところにあるのかなという感じを実は持ったのです。だからそういうことを考えると、実態をやはりこれは、私は一・五里と一・五キロと間違ったとはどうも思えないのですね。  それで小林議員は、あの質疑の中でも全部メートルを使っています。何々平方メートルとか、何キロとか、こういうことをやっておりまして、その中で突然ここの距離だけを一・五里だというのは、これはどうも常識として私はうなずけない、こういう感じがするのでございまして、これはあの当時この質疑を聞いていた人間からすれば、もう当然一・五キロというつもりでやっておった。それをあとになって、これはまずかったので、一・五里の間違いですと、こうやってわざわざ言い直したのじゃないかという感じを、実は私は率直にいって受けるわけです。ちょっと常識はずれのような感じがするわけです、一・五里の間違いだということは。
  55. 東中光雄

    東中委員 いま大村議員説明では、わずか一・五キロというのは石倉地区の形容詞だというふうに言われた。まさにそうなんですよ。だから、石倉地区土地が買われているということを指摘して、その石倉地区説明をするのに言い間違いがあったということであって、その形容詞について、知らぬ人が聞いたらそれが実態であるかのように思ったと言われたんだけれども、それなら、官報で告示された百二十一条一項というのだって、知らぬ人が聞いたらみなそう思う。むしろ、懲罰動議を出すということであって、しかも本会議で原稿に基づいて言っているわけです。そして間違っているじゃないですか。問題は全然違うじゃないか。むしろ、本会議で原稿に基づいて、言い間違いをする、そんなことではないでしょう。一と三と読み間違えるほど、そんなに、(「目が悪いんだ」と呼ぶ者あり)目が悪いのは、そうです。目が悪いので本会議で、目の悪いのをそのままにして、そしていいかげんなことを、読み違える、そういうことを平気でやるのですからね。だから、私ははっきり言っておきたい。あなた方の言っていること自体、自分たちの言っている論理をそのままここへ適用すれば、これは読み違い、言い違いということになることは明白じゃないか。そこで、ぼくは、この近くにということを言っているわけです。  それで、この上毛高原駅ができて、かりに一・五里と一・五キロとの言い間違いがあったとして、石倉地区土地を買うたということは間違いないんだから、事実としては石倉地区土地買収をやっているんだから、そこでの土地買収はないという、そういう結論を持っていくのは、これは明らかにおかしいじゃないか。それだったら、百二十一条一項に基づく権限はないということを強弁しているのと同じ論理じゃないか、形容詞が間違いだったら言い間違っていたということなんであって。しかも、上毛高原駅ができて、この周辺地域のいわゆる開発構想というものが発表されている。いま、土地がだいぶ買われています。そういう買われておる土地の、地域開発構想というのはどの範囲のものかということを、あなた方知っていますか。調べていますか。
  56. 大村襄治

    大村議員 存じません。
  57. 東中光雄

    東中委員 そんなことも知らぬのだったら、一・五里と一・五キロの違いがどういう意味を持っているのかということについてあなた方は全然わかっていないということになるじゃないか。いま、県が発表した、周辺地域の開発計画というのがありますよ。その、県の企画部が発表したという開発計画、あなたはそれも知らないのですか。もう一回確かめておきましょう。
  58. 大村襄治

    大村議員 本案に関係はないと思って調べておりません。
  59. 東中光雄

    東中委員 駅周辺、駅の近くの土地を買ったか買わぬかということが問題になっておって、そして言い違いをとらえての動議提出者にしては、周辺土地の買収あるいは開発計画というのはどういうふうに進んでおるのかということもわからないままで、調べもしないままで、そして、これは一・五里と一・五キロとはまるきり印象が違うんだなんというようなことを言っておるのは、これは軽率もはなはだしいものだと思うのです。  ここに上毛新聞というのがあるわけですけれども、「上毛高原駅周辺開発基本構想がまとまる」「周辺部開発のポイント」「県企画部」こういう見出しで出されている。これを見ますと、上毛高原駅から、これは方角でいくと西になるのですか、大峰山という山がある。ずいぶん遠いですよ。いま問題になっておるところより、地理的にも、直線でいってはあまり変わらぬぐらいのところ、しかし実際は、山ですから、ずいぶん先になる。この地域をレクリエーション地と予定している。それから、その逆のほう、東側に、これは三峰山というのですか、レクリエーション地ということで構想している。これはずいぶん遠いですよ。しかし、上毛高原駅周辺開発構想、周辺のものということになっているのですよ。しかも、その二つのレクリエーション地の中間に、福祉施設を置く地帯というものを構想している。それが本件のところなんです。それも、本件の上牧荘からまだ北のほう、駅から遠いところ、こういう関係になっているのですよ。こういう構想、図面まで発表されている。そういうところから見るならば、まさに駅周辺、駅の近くで土地を買っている、石倉地区で買っているんだ、こういうふうに言っているのが、何が事実に反するのですか。ただそれが、あなたの言われる形容詞で一・五キロと一・五里の言い間違いがあったというだけであって、ずうっと遠くで買われているわけですよ。あるいはそういう構想がやられておる。その駅に近いところの地域土地買収があるという指摘をしているのが、どうして事実がないということになっているのか。あなたはそれを調べもしないで、そういうことを言っておる。全くつんぼで、一・五キロと一・五里とはどれだけ違うのだ、そういう算術みたいなことばかりを言っている。あまりにも軽率じゃないですか。その点どう思いますか。
  60. 坂村吉正

    ○坂村議員 ただいま東中先生からお話がございましたが、その上毛新聞にあるそういう開発計画ですね、これは四十六年に大体意見がきまって、それを中心にして県としてもあの地帯をどういうぐあいに開発しようかということを考えた、最近出てきた、そういう計画だろうと思うのです。詳しくは私も知りませんが、大峰山とかなんとかというのも私は知っております。そういうふうなことで計画を進めているようですけれども、私は、問題にしたら、その問題とこの問題とは違うと思うのです。  それで石倉地区相当土地が買われている、こういうことです。それじゃ石倉地区相当土地が買われているかといえば、先ほど質疑の中にございましたように、ホテルのがけっぶちのササやぶ地を五百坪ばかり買い足した、こういうことと、お稲荷さんを移すために、三十坪か五十坪買った。屋敷のうちのようなものです。だけれども、それが、相当土地が買われている、石倉地区でというのは、どうも私はわざわざそういうぐあいに疑惑を与えるようなそういう発言をしたのだというふうにしかとれないのです、感じがですね。その開発計画なんかとは別問題で、石倉地区の問題として考えますと……。
  61. 東中光雄

    東中委員 問題のすりかえはいかぬと私は思うのです。いまあなたが言われているのは、面積の問題をいま言われた。私は面積の問題をいま言っているのじゃないのです。距離のことを言っているのです。これは言い間違いだということは、小林議員自身も、間違いですし、それは認めているし、現に懲罰動議を本会議で言うときでさえも間違えることがあるんだから……。だから、そのこと自体じゃなくて、駅周辺という概念の中には、駅ができたらその周辺の開発ということで土地問題というのは問題になるのだから、現実に県でいえば、そういう大峰山とか三峰山という非常に遠いところ、こういうところでさえも、周辺開発ということでやっているんだから、そういう点でいうと、距離の点で近いということを言っていること自体は、これは社会的に見て、だれが見たっておかしなことを言っているわけでも何でもない。県が開発をやるについて、そんな大規模である——新幹線の駅なんですから、そういう点からいえば一・五キロと一・五里の言い間違いが、実態的にそうたいした意味を持っているものじゃないということを私はいま言っているわけです。  さらに、同じ石倉地区で、昭和四十五年ごろから——発表される前ですね、四十五年ごろから、たとえば鳳翔建設株式会社というのが石倉地区土地買収に入っています。現にその買収は相当進んでいます。これは共有地域ですけれども、大字石倉地域の小川原、それから吉野入、和美、それから高萩地域、こういったところで、昔のおそらく部落有だったのだろうと思うのですが、共有地が、総面積で四十二町歩、実測百町歩、いますっと買われています。その買われている地域はどうかといえば、この地域よりは、駅からいえば、同じ石倉地区でも少し遠いところなんです。だから、やはりこれも上毛高原駅周辺の開発を見込んで買っているわけなんで、それより近くで買われておるということを言っているのであって、これはもう常識的にいってあたりまえのことじゃないか。  さらに、そのほかにもあります。上毛高原駅を中心とする開発計画、第三セクターというのが、水上産業株式会社、これは水上町が中心になっている。この計画を見ても、大峰山開発計画を見ても、問題の石倉地区の駒沢地域でこの上牧荘の買収土地があるわけですから、そこよりもずっと遠い。それから岩竹日影の地域よりも遠い。だから数字の間違いというのはこれはまさにケアレスなので、駅周辺地域が買われているのです。現にいま買われている。あるいは県が発表している計画がある。そういう点から見たら、その計画からいえば、それよりも近いところなんですよ。だから郵便局の近くとかなんとかというような問題じゃなくて、それだったら一・五里と一・五キロはうんと違うでしょう。事は新幹線新駅新幹線というのは上牧駅があるというのに新しく仮称上毛高原駅がつくられるわけですから、そういう大規模のものから見た場合に、近くにという場合に一・五里であろうが一・五キロであろうが、これは間違わなければ間違わないほうがいいけれども、間違えることもあり得る。しかし周辺地域であり、近くであるということについてはあたりまえのことじゃないですか、常識をもって考えるならば、だれもそういうことじゃないですか。田中総理があの答弁をしているときも、一・五キロ云々ということを言っているのじゃなくて、近くに買うたものじゃないと、こういうように言っているわけですよ。だから、問題になったのは近くのということなので、近くという場合に、新幹線駅の近く、周辺地域から見て近くじゃないですか、こういう指摘をしているのであって、それの事実がなかったということはこれはあり得ぬわけですから、だからあなたが一・五キロ以内にないというふうなことで断定をして、いわば大きな筋を曲げてやっているということにならざるを得ない。そういう全体の状態というものをあなた方は全然調べもしなければ、関係ないという形で、そして一・五里と一・五キロ、いわばことばじりをとらえてやっているということになると思うのですが、所見をお聞きしたい。
  62. 大村襄治

    大村議員 小林委員発言のどこを見てもそういう名前の計画はないので、したがって私は調べておらないのです。ただ、この石倉地区という土地土地が買われているということだけは、相当土地を買われている、それだけが問題になっているのじゃない。民間の取引が何町歩あろうと何坪あろうと、それが一々国会の問題になるはずがないのでありますから、小林議員はそのあとで買い主が株式会社上牧荘という旅館であるということで問題を提起されているのでありまして、それを切り離して、裸にして言われるのはいかがかと思われるわけです。それから、なお小林委員は本会議一身上弁明におきまして、訂正にやぶさかでないと言われる。そして先週のたしか六日ですか、物価特別委員会で訂正をされております。私も同席いたしたのでありますが、そのときは小林議員はこの速記録の五ページの部分に、すなわち「上毛高原駅からわずか一・五キロメートル以内の山林原野、ここが具体的に昭和四十三年から四十四年にかけて、群馬利根郡のいわゆる月夜野町の字石倉地区」というふうに言って、ここでわずか一・五キロと言っているのは一・五里の誤りであると訂正されているのでありますが、私があとで読み上げましたこの記録でいえば、六ページのほうのことはそのときは触れておられないのであります。これも誤りかもしれないのでありますが、これはごらんのように初めのほうは新駅から一・五キロ以内のところに石倉地区があり、そこの上牧荘がそういう関係において土地を取得したという点が問題になってきているのでありますから、あとのほうは今度は逆に駅から旅館までが一・五キロ、こういうふうに言われている。うらはらの関係になっている。前のほうは訂正されているけれどもあとのほうはどういうわけか訂正されていない。そうしますと、小林さんのお心の中には、やはり駅に近いというのは、一・五里よりも一・五キロというのが心の中に残っておられたのじゃないか、そういうようなことも私、傍聴しておりまして気づいた点を申し上げます。
  63. 東中光雄

    東中委員 私がいま申し上げたように、新幹線仮称上毛高原駅というもの、その性格ですね。新幹線新駅だというそういう性格から見て、ここの開発、土地買収といえば、周辺地域といえども相当広範囲にやられるのだ。現にやられておるのだ。そういう中で上牧荘のあの土地を駅の近く、こういうふうに指摘することは、今日の時点になってもあなたはまだ間違いだと思っているのですか。やっぱり遠いというのですか。もっと遠いところを買うているけれども、県はもっと遠いところをやっているけれども、周辺地域、開発構想といっている。おかしい。だから近くという、この数字をのけて考えれば、近くという点はこれは近くじゃないですか。この点、どうですか。
  64. 大村襄治

    大村議員 先ほども申し上げましたように、駅の周辺でだれが土地を買ったかどうかということを一々調べる筋合いのものではない。やはり小林議員が指摘されました石倉地区上牧荘土地を買った、そこのところが問題になるのでありまして、それ以外のことを一々調べて動議提出するということは関係のないことでございます。
  65. 東中光雄

    東中委員 それなら、石倉地区上牧荘土地を買うたことが問題なんだ、そのとおりであります。それをあなたは事実無根だと言っているけれども相当であるかどうか、この議論は別にしましょう。土地を買ったと言っているのだから、購入したと言っているのだから、あなたはそれは事実無根だときめつけている。事実無根じゃなしに、あなた方が何と言われようと、現に買うたことがあることは間違いないじゃないですか。四十三年から四十四年にかけて買っている事実があるじゃないですか。事実無根だと言っているけれども、事実あるじゃないですか。その点はどうなんですか。
  66. 大村襄治

    大村議員 繰り返し申し上げますように、知人なり私の法人がただ土地を買ったかどうかが問題であるのではなくて、その土地を買った経営者、それと総理との関係、そういった点から一つの問題でありますところの土地距離ということを申し上げているのでありまして、それを無理に切り離して、土地売買があるためにそれだけで懲罰の理由になるかと申されましても、そういうわけにはまいらないのでございます。
  67. 東中光雄

    東中委員 あなたは初めにどう言っているのか。「上越新幹線上毛高原予定地から一・五キロメートル以内に土地を購入した事実があると繰り返し指摘されていますが、私の調査によると、」そういうようなことは全くありません。あなたは先ほど説明では、石倉地区土地を買うたかどうかということが問題なんだ、こう言っているじゃないですか。ここで指摘したことといまと違う。そして小林議員委員会質疑をしているのも、石倉地区という地域で買われていると、こう言っているわけです。形容詞のほうが言い間違いがあったというだけだ。あなた自身がここで認めているじゃないですか。そして上牧荘が買うたかどうかということ、それはあなた自身の動議説明あとのほうで言っているのだから、それはあとで論議しましょう。審議しましょう。私がいま言っているのは、上牧荘周辺近くの地域、石倉地域、ここで土地を買った事実は、あなたは事実無根だと言っているけれども、事実無根じゃなくて、多いか少ないか、相当であるかないかというのは、これは判断の問題です。事実買ったことはあるじゃないですか。事実無根だと言うのは、それこそいわばでっち上げじゃないか。
  68. 坂村吉正

    ○坂村議員 先ほど私もお答えしましたように、土地を買った買わないの問題よりも、相当土地を買った、相当買われている、こういうことで、その主体が上牧荘だということに続いてくるわけでしょう。そうするとやはりそこに上牧荘相当土地上毛高原駅に関連して買い占めをしたのだ、こういう感覚で質疑をされているわけですよね。そういう点から考えれば、先ほど言ったようにがけ地を五百坪買い足しをしたということや、お稻荷さんの敷地を買ったということが相当土地を買ったということについては、これは事実無根だ。私はもうそのとおり事実無根だと言っていいと思うのです。それはそのとおりだと思うのですがね。
  69. 東中光雄

    東中委員 問題をそらすことをやめてもらいたい。もっと理性的にきっちりと審議しましょう、人の身分に関することなんですから。「相当」というのは、この動議説明を見てごらんなさい。あとのほうでそれはそれとして論じているのですよ。初めのほうで言っているのは購入の事実は無根だ、これを先に言っているじゃないですか。そのことについて私はいま聞いているのです。「相当」のことはあとで論じているのだから、あとで聞きましょう。しかし前のほうで、いまここでは、審議の過程で一・五キロということではなくて石倉地区というところだ、一・五キロはそれの形容詞だ、はっきりと大村議員自身が言っているのです。だからそういう点でいま私は、石倉地区で買われた事実は全くありませんと言っているのは、これは違ったことを言っているじゃないですか。これはそのとおりだから、事実を認めなさい。あなたの言ったことで言っておるのてあって、その点はどうですか。
  70. 大村襄治

    大村議員 お答えいたします。  五月十日の私の趣旨説明でございますが、「その事実を明らかにすれば、まず第一に小林君は、株式会社上牧荘が、上越新幹線上毛高原予定地から一・五キロメートル以内に土地を購入した事実があると繰り返し指摘されていますが、私の調査によると、そのような事実は全く認められません。」当時におきましては一・五里の誤りだということはわかりませんから、一・五キロメートル以内に土地を購入した事実があると繰り返し指摘されていますが、調査によるとそのような事実は認められませんと申し上げているのですが、その点には全く間違いございません。
  71. 東中光雄

    東中委員 あなたが間違いだということを断定されたのはいつですか。一・五キロ以内に土地を買うていないということを断定されたのはいつですか。
  72. 大村襄治

    大村議員 動議提出いたしましたのが五月十日でございますので、その時点でございます。
  73. 東中光雄

    東中委員 形式的なことを言っているのじゃないのですよ。形式的なことを言っているのじゃなくて、実際動議提出したときまでは、それまではさまっていなかったということですか。
  74. 大村襄治

    大村議員 もうおわかりだと思いますけれども、念のために申し上げます。小林委員発言は四月二十六日でございます。それを調べまして動議提出しましたのが四月二十八日でございますので、そのときまでに調べまして、幾ら地図で調べましても上毛高原予定地の一・五キロ以内に旅館上牧荘土地を買ってないということが明らかだったので、そのとおり申し上げたのです。
  75. 東中光雄

    東中委員 いま重大なことを言われたのですが、幾ら地図を調べてみても一・五キロ以内には上牧荘土地を買うていない。地図を調べてだれが土地を買うたかというのはわかるわけはないのはあたりまえですよ。地図というのは地図なんです。(「ことばじりをとらえるな」と呼ぶ者あり)ことばじりをとらえて懲罰動議を出しているんじゃないか。それでは聞きましょう。石倉地区土地が買われておるということはあったのかなかったのか。そのとき調べておったのかおらなかったのか、どっちですか。
  76. 大村襄治

    大村議員 ちょっと委員長、地図をひとつお願いいたします。
  77. 東中光雄

    東中委員 石倉地区で買われたことがあったかどうか。質問に答えなさい。
  78. 大村襄治

    大村議員 お答えをするための資料をお見せするのでございますので、委員長の許可があれば……。委員長の許可をお願いしている次第でございます。
  79. 早稻田柳右エ門

    ○早稻田委員長 それじゃひとつ見ましょう。
  80. 東中光雄

    東中委員 いま私が聞いているのは、石倉地区について、その当時一・五キロのところは地図を見たらなかったと言われるから、それは地図でそんなものがあらわれてこないのはあたりまえだ、私はそう思う、これを言って、その次に言っているのは、それでは石倉地区で買うたことを調べたのか調べなかったのか、購入の事実があったのかなかったのかということを聞いているのであって、地図は何も要らぬじゃないか。
  81. 大村襄治

    大村議員 地図が要らぬというならば、この話について東中さんはお詳しいようだから地図ば要らぬようでございますが、ほかの委員の方もありますので、委員長のお許しがあれば……
  82. 東中光雄

    東中委員 調べたか調べなかったというようなことは……
  83. 大村襄治

    大村議員 登記所によって調べたのでございます。それによりますと、旅館上牧荘石倉地区において所有している土地は以下のとおりであります。群馬利根月夜野町大字石倉字鼬沢で四十四年十月一日合筆登記、六件ほど山林、宅地、原野、合わせまして一万六千八百九十八・三六平米があるわけでございます。これは合筆登記だから購入と関係がないと判断いたしたものでございます。次に石倉地区が四十三年二月、月夜野町大字石倉字沢、甲再九十番、山林一千六一平米、乙百九十番、山林五百六十八平米、計一千六百二十九平米が新たに取得されている。これが上牧荘名義の石倉地区における土地取得の事実でございます。
  84. 東中光雄

    東中委員 登記を調べて購入していることがわかった。登記を見れば買収と書いてあるのだから、まさに購入し、買収している。石倉地区において土地買収の事実はあったじゃないですか。何が事実無根ですか。全く違うじゃないか。それで、そういうふうに問題をすり変えて、あなた方は一・五キロのところへからみついて、言い間違いのところへからみついて言っているだけであって、現に石倉地区で購入の事実があるということは、いまあなた自身認めておるじゃないか。それが相当であるかどうかということは、これは先ほどから論議されているから一々私はここで言いませんけれども、購入されている事実はある。事実無根だと言っているのは、あなたのほうがまさに事実を変えて言っているんじゃないの。こういう性質のものだということをはっきりしておきたい。  それで上毛高原駅、あそこに駅ができた場合、新幹線駅ですから、どうせ相当遠いところから来る人です。そこで、駅は乗降するわけですから、ここへおりた人は一体どこへ行くためにおりるのか、ここから乗る人は一体どこから来て乗るのか、その点はあなた方どう思っていますか。
  85. 坂村吉正

    ○坂村議員 あそこの立地条件を見ましても、北のほうには水上がある、湯桧曽がある。それから東のほうには後閑があり、沼田があり、前橋、高崎——高崎は別ですが、渋川、草津とか、そういう各地のところに便利だからというので、地理的ないろいろの技術的な条件もあったでしょうけれども、私はあそこへつくったのだろうと思う。だから、そういう地域の人が行ったりそれからそういう地域に散ったり、こういうことじゃないかと思うのです。
  86. 東中光雄

    東中委員 というのは、沼田とか水上とか比較的人口のあるところでいえば、そういう地域、後閑は駅がありますけれども、それは行政区画じゃないから、そういう地域になる。そうした水上とかあるいは沼田というところへ散る、またはそこから集まって乗ってくるということになれば、上牧荘土地が買われた石倉地域というのは、それらのところよりは駅にずっと近い、そういうところに位置している。これは地理的に明白でありますが、そのこと自体は大村議員御承知でございましょうか。
  87. 大村襄治

    大村議員 坂村議員が群馬県御出身ではるかに土地勘があるわけでございますが、いま言われました沼田、水上のほかに、国道何号線でしたか、三国峠に行くのがございます。そちらのほうにも三国三温泉とか相当な観光地がございますので、そういった観点からして上毛高原駅が——ほかにももちろん技術的な地形とか距離とかいろいろあったと思いますが、そういうふうに聞いているのでございます。また石倉地区から近いところといえばむしろ水上のほうが、ちょうど月夜野のほうの北の境目ですからそっちのほうが近いわけでありまして、ちょっとお話がおかしいのじゃないかと思います。
  88. 東中光雄

    東中委員 あなた何を言っているんですか。新幹線駅からの距離を言っているんですよ。水上新幹線駅がつくのですか。それこそ全くあさってみたいなことを言っているじゃないですか。駅から見てどこが近いのかと言って聞いているときに、水上に近い——水上新幹線駅をつくるのですか。
  89. 大村襄治

    大村議員 予定地としては水上もあったように聞いているので、それは石倉地区により近いということを申し上げたわけです。
  90. 東中光雄

    東中委員 上越新幹線予定地水上があった、こういうふうにいま大村議員言われましたが、あったのですか。
  91. 大村襄治

    大村議員 候補地としてあったということを申し上げたのであります。
  92. 東中光雄

    東中委員 予定地と言ったじゃないですか。
  93. 大村襄治

    大村議員 それは候補地の間違いでございます。
  94. 東中光雄

    東中委員 取り消しですか。
  95. 大村襄治

    大村議員 そうです。候補地の誤りでございました。
  96. 東中光雄

    東中委員 だから、予定地上毛高原駅で乗る人、おりる人、その人たちが行くのは、水上はその駅から遠くなるし、それよりはずっと近いところに上牧荘土地を買うた地域がある、これは事実じゃないですか。
  97. 大村襄治

    大村議員 石倉地区上牧荘土地を買ったのは、先ほど申し上げましたように、一万六千平米昭和の初めに買った土地でございまして問題になりません。隣接のがけ地の約五百坪を四十三年に買った事実がある、そういうことを申し上げているんですが、それと新幹線の駅とどういう関係があるのか、ちょっと質問者の気持ちがよくわからぬものですから……。
  98. 東中光雄

    東中委員 一・五里と一・五キロ、その違いというのはたいした意味がないのだということをいま言っているんであって、そのためには、この新駅ができて新駅で乗る人の中心は水上あるいは沼田の人なんだ、こういう答弁をしているんじゃないですか。それよりも近いところにある。だからこの点をはっきりとさせておきたい。全くの詭弁でごまかすというようなことはやめなさいよ、事は懲罰委員会なんだから。  それで、ここへ行くについて、沼田へ行くにしてもあるいは水上に行くにしても、この駅ができたら一番最初に通る道は一体どこですか。
  99. 大村襄治

    大村議員 どこへ行く道のことでございますか。ちょっとはっきり伺わないと、お答えしそこなうとまた失礼でございますから……。
  100. 東中光雄

    東中委員 はっきり言っている。速記を見たらわかる。新幹線上毛高原駅ができた場合に、水上の人なりあるいは沼田の人が乗るのだ、それが多いのだというさっきの話だったから、そこから乗ったりおりたりするについては通る道路があるはずだ、その最初に通る道路は一体どこなんだ、こう聞いているのです。
  101. 大村襄治

    大村議員 これも坂村議員のほうがお詳しいと思うのでありますが、私の調べによると、国道十七号線というのがありまして、ずっと南のほうから沼田を通り後閑の駅の前を通り、ちょっと西のほうへそれて三国温泉を通って三国峠へ行く。これが従来からある。ところが……(「懲罰事犯質問以外の質問を受けてもわからないだろう」と呼ぶ者あり)しかしお尋ねがあるものですから、私の知っていることを申し上げているのです。四十四年に県道から国道に昇格いたしました国道二百九十一号線という道路がありますね。それも上毛高原駅から石倉地区方面に続く道路としてあります。
  102. 東中光雄

    東中委員 ここではっきりと私は申し上げておきたいのですが、この上毛高原駅が正式に発表をされる前に、昭和四十五年四月一日にこのでこぼこ道のいなか道を国道二百九十一号線に昇格させた。しかもこれを国道にする必要というのは、駅の設定が前提になってなかったらその必要性というのはほとんど考えられない。すぐ横にはいま有料道路になっている県道がある。この間の現地調査で走ったところです。それから新潟のほうに行くのだったら国道十七号線がある。だからこの道はわざわざ国道に昇格する必要がない。それが昇格されて、そして駅の真横を通る、そして少し行くと上牧荘の横を通る、そういうかっこうになっておる。だから、上牧荘土地とこの駅との距離というのは、社会的距離というのはうんと縮まってくる。そういう関係にあるのです。そういう事実を大村議員は知っておって言われておるのか、この点はどうでしょう。
  103. 大村襄治

    大村議員 国道二百九十一号線が昇格した理由は、東中議員も御承知のとおり、国道昇格につきましては原則として主要地方道の中から選定されることになっております。しかも道路法第五条に定める国道指定の要件に該当していることが必要でございまして、交通需要の増大その他社会経済情勢の進展に対応して、国道網としての間隔や交通量等の路線の重要度を勘案して追加指定になる。何年かおきにまとめて指定されるのでありますが、二百九十一号線が昇格したのは昭和四十四年でございます。同年における国道昇格は、本路線を含めて七十二路線、延長約五千六百キロメートルだというふうに承知いたしております。
  104. 東中光雄

    東中委員 上毛高原駅ができるということが決定されるという変化がない限りは、この地域国道に昇格させるような——社会事情の変化に基づいてと言われたけれども、そういう変化は何もなかった。そして石倉地域においても、土地の買収なんというものは何もなかった——何もなかったというか、少なくともわれわれの知っている範囲ではなかった。ただ上牧荘が買われたというのがおそらくは土地が動き出した最初じゃないか、こう考えるわけであります。そういう点で、駅に非常に近いというのは、大峰山とそこから上牧荘と直距離の近さでなくて、やはり社会的な観点から見ての近さということが問題になるから、近くのところで土地買収がされておる、こういう事実を指摘しておるので、それ自体はいま答弁されておること自体によって認められておるとおりじゃないか、こう思うわけであります。それについての評価や法的な根拠などということは、いまそれこそ懲罰委員会では問題にならない、私はそう考えておりますが、どうですか。
  105. 大村襄治

    大村議員 いま申し上げました国道が昇格したのは四十四年であります。上毛高原駅が決定しましたのは四十六年十月でございます。関係がないものと私は考えております。
  106. 坂村吉正

    ○坂村議員 ただいまの東中議員の御質疑でございますが、ただ問題は、土地がそこの近くで、石倉地区で買われてたか買われてないかということは——これは非常に大事な問題でありますけれども、問題は上牧荘が三十坪や五十坪の土地を買ったということが問題なのではなくて、相当土地上毛高原駅に関連していかにも買い占めされたような印象でそういう発言をやっておるから問題なんです。だからそういうことを言えば、もう事実無根でございますということをはっきり言えるんじゃないかと思う。現地を御調査になってその実態、地理的な条件はよくおわかりになったんじゃないかと思うのですが、そういうことを補足してお答えしておきます。
  107. 東中光雄

    東中委員 結局は相当土地の範囲というところへ問題をそらされておる。私が言っておるのは、買収の事実は事実無根である、こういう断定をやって、これは明らかに間違いだ。一・五キロというようなことでなくて、それは形容詞であって、石倉地区だ、そこで土地が買われたという事実があった。これはいまお認めになったとおりであります。  ところで、その趣旨説明の理由の第一の結論として言われておるのは、「大規模の土地を買いあさっているがごとき小林君の発言は、事実に反するものだと断定する」、こう言っておる。「大規模の土地を買いあさっている」ということばですね。これは小林発言にあるのかどうか、その点をまず聞きたい。
  108. 大村襄治

    大村議員 四月二十六日の物価特別委員会小林委員発言をずっと聞いておりましても、たくさんの委員の方が聞いておられたのでありますが、また速記録をすなおに見てみましてもそういうふうな印象を受けられた方が多い、私もそのとおり受け取ったのでございます。
  109. 東中光雄

    東中委員 印象を私は聞いているのじゃないのです。そうでない印象を受けている。印象というのは受ける側の主体的条件で変わるわけです。だから、小林質問の中で大規模の土地買収という事実を指摘したことがあるか。大規模……(「相当だ」と呼ぶ者あり)大規模と相当と一緒か。そういう見解でおるのかどうか、はっきりしてもらいたい。
  110. 大村襄治

    大村議員 読み上げます。  「以上の土地のすべては、小林君の指摘するような地域内には全く所在しておりません。したがって、同駅から一・五キロメートル以内で大規模の土地を買いあさっているがごとき小林君の発言は、事実に反するものと断定せざるを得ないのであります。」かように申し上げておるのでございます。
  111. 東中光雄

    東中委員 そんなことはわかり切っている。そんなことを聞いているんじゃない。小林質問の中で大規模な土地を買ったというふうに言っている個所があるかどうか。ないならないと言えばいいじゃないですか。
  112. 大村襄治

    大村議員 速記録の第五ページをごらん願いたいと思うのであります。まん中辺にございます。   小林(政)委員 列島改造論と地価の急騰というものは、私、具体的に何件か調べてみましたけれども、関係が深い関係にあるという事実が明らかになっております。たとえば一つには、新幹線や高速道路または地域開発というようなものが、その計画が出されますと、その周辺の地価が相当やはり目に見えるほどの急騰をいたしているわけでございます。総理は、このような状態を放置しておいたままでよいというふうにお考えになっていらっしゃるのか。このような問題について計画発表される以前に情報をいち早くキャッチして、その地域資金を持っている者が買い占めていくというようなこういう行動に対しては、これは至るところに起こっておりますけれども規制をすべきではないだろうか、このように考えておりますが、この点についてお伺いをいたしたいと思います。 それに対して田中総理大臣が「規制をしております。」云々とお答えし、それに引き続いて   小林(政)委員 上越新幹線上毛高原駅が発表になりた昭和四十六年の十月以前に土地相当あの近辺で買われているという事実が、私の調査によっても明らかになっております。その土地上毛高原駅からわずか一・五キロメートル以内の山林原野、ここが具体的に昭和四十三年から四十四年にかけて、群馬利根郡のいわゆる月夜野町の字石倉地区という地域相当土地を買われているわけでございます。しかも、買い主は株式会社のいわゆる上牧荘 こう言われておるのでありまして、やはりずっと聞いている者からいえば、そう狭い土地じゃない、狭い土地を一々ここで言うはずはないのでありますから。相当広い土地が買われているということに初めて質問の意味があるのではないかと思います。そういうふうに受け取ったわけでございます。あとのほうにつきましてもまた「近辺土地が、山林原野相当買われているというような事実」云々、こういうふうに言っております。そう五百坪や千坪の土地がここで問題になっておるとは私ども想像しておらなかったのであります。
  113. 東中光雄

    東中委員 毎年「新幹線や高速道路または地域開発というようなものが、その計画が出されますと、その周辺の地価が相当やはり目に見えるほどの急騰をいたしているわけでございます。」、そのとおりじゃないですか。そして、「総理は、このような状態を放置しておいたままでよいというふうにお考えになっていらっしゃるのか。」、当然の質問じゃないですか。「このような問題について計画発表される以前に情報をいち早くキャッチして、その地域資金を持っている者が買い占めていくというようなこういう行動に対しては、これは至るところに起こっておりますけれども規制をすべきだ」、そのとおりじゃないですか。ここではっきりと一般的なことばとして買い占めというようなことばを使っておる。あとのところでは買い占めなんということは一つも言ってない。大規模なんということは言っていない、はっきり分けて発言しているじゃないですか。あなた方は正確に質問を聞いていなかった。そして印象をかってにとった、それがこの懲罰動議の第一の理由の結論になっておる、こういわざるを得ない。ここでは一般的な問題では買い占めということを言っておるけれども、具体的な問題では買い占めなんということは一言も言ってないじゃないですか。買いあさりというようなことを言っていないじゃないですか。大規模な土地なんということは言ってないじゃないですか。それを大規模な土地を買いあさる、こういうふうに結論づけて、だからひん曲げておる。そしてそれを攻撃する、こういうことがあなたの懲罰動議の第一の理由の結論になっておる。買い占めとかあるいは買いあさりとかあるいは大規模な土地ということを言っておるというなら指摘しなさい、どこにもないじゃないですか。
  114. 大村襄治

    大村議員 確かにこの発言の中には買われているということば土地相当買われている、そういう表現でございます。ただ先ほど申し上げましたように、前後の関係からその「相当」というものは相当広い面積を意味しておるように受け取られたのであります。  それから翌日の新聞でございますが、四月二十七日の読売新聞を見ますと、(東中委員「新聞は関係ない」と呼ぶ)ちょっと参考に申し上げます。「上越新幹線計画もらし親友をもうけさせた」云々ということで、これは「小林氏によると、群馬利根月夜野町の上牧荘という会社が、四十三年から四十四年にかけ急に山林原野約二万四千ヘクタールを買い入れたが、まもなく、付近に上越新幹線の「上毛高原」駅の開設が明らかになった」云々という記事がございます。  それからまた毎日新聞四月二十七日、「首相、衆院委で激怒「友人が山林買占め」の野党追及に」ということで、この日の物価特別委員会は、「小林議員によれば、四十三年から四十四年にかけて「上牧荘」」云々これも一・五キロと書いてありますが、「小林政子議員は、新幹線や高速道路などの建設にともない、事前に情報を入手した者が周辺の土地を買占め、膨大な利得を得ていると一般論を展開したあと上越新幹線上毛高原駅近くの山林が、計画決定の前に田中首相の“友人”によって買い占められた事実がある」こういう記事がございます。さらに「赤旗」の四月二十七日を見ますと、もっとはっきり書いてあるのでございますが、「山林買いあさる」(東中委員「新聞は関係ない」と呼ぶ)田中首相の関係者……(「新聞を懲罰にするのか」「社会的印象だよ」と呼ぶ者あり)それから「赤旗」の同じ日の……     〔発言する者多し〕
  115. 早稻田柳右エ門

    ○早稻田委員長 御静粛に願います。
  116. 大村襄治

    大村議員 「小林議員が追及上越新幹線土地買占め」という見出しが出ておりまして、二十六日の午後質問がありまして、翌日の新聞にこれだけ買い占めという見出しで出ております。一般の人はどういう印象を受けるか、これは御想像にかたくないと思うのでございます。  それから「赤旗」の記事のほうは、その距離につきまして一・五キロとも一・五里とも書いてない。上牧荘より四キロ前後しか離れていない。四キロということは載っております、これはどういうわけかわかりませんが。そういったことから見ましても、そういうかのごとき発言だったというふうに私は受け取ります。
  117. 東中光雄

    東中委員 懲罰委員会動議趣旨説明は、あなた方は物価問題特別委員会での発言を言っておって、趣旨説明の中でもそれしか言っていない。ところがいま何ですか、新聞の記事にそう書いてある——じゃあなたは新聞の記事で、それで名誉を棄損されたと言うのだったら、これは別のことですから、それは国会内の問題でも何でもない。そういうものを出してこなければ説明がつかないくらいに実はあなたの公式の発言が根拠薄弱、小林議員質問自体の中では指摘できなくて、そしていま読売新聞の、私はあれはおそらくヘクタールなんと書いてあるのは全くのミスだろうと思うのです。そういうものをとらえて、そして補強しなければならない、何と苦しいことだというふうにいわざるを得ぬわけですけれども、その点を指摘しておきたい。  それから……(大村議員「いま関連してお答えいたします」と呼ぶ)まだ質問をしています。(大村議員「いまの問題について」と呼ぶ)質問中です。  この発言の中で、「株式会社上牧荘が石倉地域土地相当買っていると申されていますが、これは、合筆登記を新規取得と誤認して、いかにも大量の土地がその時点において売買されたかのごとき発言をされたのではないか。もしそうだとすれば、軽率きわまりない」云々ということで批難しているのです。まさに仮定の事実を想定して「もしそうだとすれば」、みずからそう言っているのじゃないですか、動議提出者自身が。事実に基づいて言うのではなくて、そういう事実を断定しているのではなくて、「ではないか。もしそうだとすれば、」、こういう前提で小林議員に対する批難、誹謗、中傷をやっている。ここは討論会ではないのですから、懲罰動議というのは慎重のうちにも最も慎重にやらなければいかぬことです。あなたは、推測に基づいてやってはいかぬということがこの懲罰動議の柱になっている。ところがみずからは明白に、こうこうではないか、「もしそうだとすれば」、こうして小林議員を中傷するような発言というのは、これは一体どういう観点でやられているのか。あなた方の言われている論理自体からいってはなはだしく逸脱している。あなたの論理でみずからの発言の首を締めているということになるのじゃないか。これは一体どういうことか、はっきりしてほしい。
  118. 大村襄治

    大村議員 「相当土地」の関係の御発言と思いますので、その点について私どもの調べた経過を申し上げます。  先ほど申し上げましたように、月夜野町における旅館上牧荘の所有している土地がどこにあるかということを台帳について調べたのでございます。そうしましたところ、大字石倉字駒沢に四十四年十月一日に合筆登記になった土地が合計いたしまして一万六千八百九十八一三六平米あるようでございます。これは合筆登記ですから問題にならぬではないか、そういう感じが私もいたしたのでございます。その次は、先ほど申し上げましたように四十三年二月の二か所、合計千六百二十九平米が新しく購入されたものだ、まあこういうことでございます。ところが、先ほどもちょっと引用いたしました各新聞によりますると、二万三千平米とか二万四千平米とか、そういう数字が載っておりまして、それがたまたまいまの上牧荘に近い石倉地区の駒沢の用地に相当いたしますので、二万三千ないし四千平米というものが一応頭にあったんではないか。しかし、新規に取得したものとしては千六百二十九平米しかない。まあそういうことで、具体的な問題になっておるのはこのあとのほうの土地ではないか、(東中委員「推定じゃないか」と呼ぶ)そういうふうな判断をいたしたのでございます。これが誤りでなければそのとおりであるというふうに御了承願いたいと思います。
  119. 東中光雄

    東中委員 それじゃあなたは、新規取得と誤認して、いかにも大量の土地がその時点において売買されたかのごとく発言をされたのではないか、かってにそういうようにあなたのほうが新聞を見たり何かして思い込んで、そうしてそれは事実でないだろうということがわかっておるから、「ではないか」という仮定にして、「もしそうだとすれば」ということで攻撃、論難する。これは、はなはだもって、一極のいわばトリックですね。もし懲罰理由に仮定の事実を設けて、そしてその仮定の事実があれば懲罰に値するということで動議提出する、そういうことが一体許されるのかどうか。あなたのまず見解をお聞きしておきたい、一般的にですよ。
  120. 大村襄治

    大村議員 見解を申し上げます。  先ほども申し上げましたように、小林委員は、新幹線の近いところで、「情報をいち早くキャッチして、その地域資金を持っている者が買い占めていく」こういうことをまず申されまして、それから引き続きこの問題に入っておられるのでありまして、やはり買い占めという印象が残っているときの発言なんですよ。でありますから、私のほうもまじめに、その石倉地区における上牧荘土地がどういうふうな所有形態になっているか、いつ取得したのか、それを調べました結果、そういう先ほど申し上げたことが判明したのですから、その初めから持っておった合筆登記の分を間違えられてなければこれは幸いであると思いますが、そういう趣旨で申し上げたのでございまして、決してそのトリックにかけるとか、そういう意思はさらさらなかったのでございます。
  121. 坂村吉正

    ○坂村議員 補足して。  いまの問題ですね、事実関係だけ一つお答えしておきますけれども、まあ私は小林議員をできるだけ弁護しよう、こういう気持ちでその趣旨説明をやっておると思うのです。といいますのは、あのときに登記があります、証拠がありますと、それでやっておるわけです。その登記を——ですから私どもはその書類を借りてそうして調べたところが、それは大部分が合筆登記であって、何も四十四年に買ったもんじゃないと、こういう事実がはっきりしたもんですから……。しかし、それはあまり表向きどうこうというのもなにですから、幾らかことばもぼやかして、そうして小林議員に対する温情といいますか、そういう気持ちでそういう趣旨説明をやっている、こういうぐあいに私は考えておる。事実はそういうことなんです。
  122. 東中光雄

    東中委員 周辺の土地売買の問題を先ほどお聞きしたときには、それは関係がないから調べておりません、こう言われた。いま、土地買収の事実があったかどうかということが問題になっている。買収のやつはあるわけですから。ところが買収してない部分、合筆登記の登記簿謄本をあなた方が見たからと言って、それで人が誤認したとかあるいは「もしそうだとすれば」、そこからあと非難の文句が一ぱい出てくるわけですね。不謹慎きわまるとかそういう非難を仮定の事実を設けて言うているということは、これは重大な問題ですよ。あなた方自身が言われている論理は、推定に基づいて人の名誉を傷つけたと言っているわけですよ。その人たちがこの中で、小林議員は誤認した、そして軽率きわまりない、あるいは不謹慎な発言をしたかのように想定しているわけですからね、「もしそうだとすれば」と言って。これは単なる弁論大会じゃないのです。国会の本会議で、しかも懲罰動議として出すというのに、それこそまさに軽率きわまりない、不謹慎な、人の名誉を傷つけるような発言だ。あなた方の論理をそのまま適用せざるを得ぬようなそういう構成になっているということを指摘しておきたい。  それからさらに同じような関連で、一番最後のところに出てくる「小林君の発言が、同君の意思のみに基づくものにあらずして、周囲に動かされての発言であるとすれば、事は一そう重大であるといわねばなりません。」そして、最後に、「議会制民主主義の崩壊につながるものといわざるを得ない」ここまで論理を展開している。これも、どうです、もし何々であるとするならば、仮定じゃないですか。この短い趣旨説明の中で再び仮定の問題を出して、そしてそれについてちょうちょうと論難、非難する、こういう発言を本会議であなたやられている。これは、あなたのここで言われている論旨からいって、きわめて不適当であるだけじゃなしに、不当な攻撃を加えている、中傷、非難をやっているということになるじゃないですか。これは仮定で言っているのですね。明白にあなた自身の発言がそうなっているんだから。そういう仮定で論難をする、それは一向にかまわないという見解に立っておられるのかどうか、お聞きしたい。
  123. 大村襄治

    大村議員 東中さんはその個所のしりだけ読み上げられておりますね。関係の部分を初めのほうから読み上げて御説明したいと思いますので、しばらく御清聴を賜わりたいと思います。「私は、これまでに小林君とは、大蔵委員会で席を同じくし、同君の平生のまじめな態度にはひそかに敬意を抱いておりました。しかるに、同君の今回の発言は、同君の平生に似ない無責任かつずさんきわまりない発言であり、どうしてこのような発言をされるに至ったか、私の理解に苦しむところであります。同席の委員の方々も、おそらく同様の感を抱かれたものと思います。もし、小林君の発言が、同君の意思のみに基づくものにあらずして、周囲に動かされての発言であるとすれば、事は一そう重大であるといわねばなりません。」私がこう申しましたのは、小林議員の、総理に対する発言の途中、共産党所属の、物価特別委員でない議員の方が小林君の席に近づかれて、いろいろ話をされたり、資料の手渡しなどをされているものを私、見ておったのでありまして、同席の委員の方もごらんになっておったと思うのです。そういった点からしまして、「もし、小林君の発言が、同君の意思に基づくものにあらずして、周囲に動かされての発言であるとすれば、事は一そう重大」ではないか、そのように申し上げたのでありまして、根拠がないわけではございません。また、「そのようなことが放置されるならば、」ということを申し上げたのでありまして、これが反省の機会になって、そのようなことが繰り返されないなら、こういうことを申し上げる必要はないというふうにいまでも考えております。
  124. 東中光雄

    東中委員 あなたのいま言われた部分は懲罰の理由として理由の中に入っているのですか、入っていないのですか。懲罰の対象事実になっているのですか、なっていないのですか。
  125. 大村襄治

    大村議員 私の発言の関連事実として、私のこの中にはあったということを申し上げておるわけです。
  126. 東中光雄

    東中委員 私のお聞きしているのは、懲罰の対象にしているのかしていないのか。関連事実で、つい一言、言わぬでもいいことを言うたというだけのことなのか、そこはどうなんですか。
  127. 大村襄治

    大村議員 そうであるとすれば事は一そう重大である。そうでなくとも重大でございますが、そうであればなお一そう重大であると申し上げたわけです。
  128. 東中光雄

    東中委員 これは普通の政治的な政策論争じゃないのです。議員の身分に関することです。これは懲罰理由になるのかならぬのかということを聞いておるのです。「もしそうだとすれば、」という部分と先ほど指摘した部分と二点あるわけですが、これは懲罰理由になるのかならぬのかということを聞いておるわけです。
  129. 大村襄治

    大村議員 提案者としては、なるものと考えております。
  130. 東中光雄

    東中委員 そうすると、仮定の事実が懲罰理由になる、そういう考え方ですね。
  131. 大村襄治

    大村議員 これをごらんになってすなおにお読みいただければおわかりになると思いますが、「もし、小林君の発言が、同君の意思のみに基づくものにあらずして、周囲に動かされての発言であるとすれば、事は一そう重大である」このとおりでございます。
  132. 東中光雄

    東中委員 私はそういうことを聞いているのじゃないのです。そこで終わっているのじゃないのです。「何となれば、」と言って、さらにずっと理由を言っているわけでしょう。相当長い文章ですよ。それは懲罰理由なのかどうか。懲罰理由ではないけれども、ただこれを読めば、「もしそうだとすれば、」という仮定を設定しておいて、小林議員を非難し中傷する、そしてあなたの言われる、まさに印象を与えていく典型的な発言じゃないですか。しかし、仮定の事実も懲罰理由だということを堅持されるんだったら、はっきりそう言ってもらいましょう。
  133. 坂村吉正

    ○坂村議員 ずうっと長々と趣旨の説明をしておるもんですから、うしろのほうにはこういうことがありましたけれども、これを懲罰の本体だと思ってやっておるわけじゃございません。懲罰事犯の本体だということではなくて、その当時のいろいろな環境がありますから、そういうものをずっと説明につけ加えてある、こういうぐあいに理解していただいていいんじゃないかと思います。
  134. 東中光雄

    東中委員 最後につけ加わっているだけじゃないのですよ。先ほど言ったように、「新規取得と誤認して、いかにも大量の土地がその時点において売買されたかのごとき発言をされたのではないか。もしそうだとすれば、」これはまん中に出てくるわけですよ。そういう仮定のことを、「もしそうだとすれば、」と言うたあとに、議論がだあっと展開されているわけです。しかも、それが不謹慎きまわりないとか、あるいはいま言ったように議会制民主主義を否定するとか、そういうことをちょうちょう便々と述べているわけですよ。これはあなた、何か悪い印象を与えるために述べたとしか言いようがない。懲罰理由本体そのものではないというふうにいま坂村議員はおっしゃった。大村議員は、さっきは違うように言うた。これは一体どういうことなんですか。
  135. 坂村吉正

    ○坂村議員 初めのほうのことばと最後につけ加わったことばは違うと思うのです。初めのほうのは、小林議員発言がいかにも大量の土地を、相当土地を買ったというふうな論法でやっていて、総理情報を提供して大量の土地買い占めさしたんじゃないか、そういうぐあいに持っていこうとしてやっていたとしかとれない。それは懲罰の本体にひっかかってくると私は思うのです。あとの部分は、もし小林議員一人だけの判断じゃなくて、ほかの人から言われたのならこれは重大だというのは一つの説明であって、それは懲罰の本体だとは思わないというふうに考えていいんじゃないかと思います。
  136. 東中光雄

    東中委員 前のほうは、「合筆登記を新規取得と誤認して、いかにも大量の土地がその時点において売買されたかのごとき発言をされたのではないか。もしそうだとすれば、」軽率だ、不謹慎だとこうあるのですが、この前の部分は、これはしかし新規取得と誤認したと言っているんじゃないんですね。誤認したとは言わない。しかししたんではないか、もしそうだとすれば、そんなあやふやなことで懲罰されたんではたまったものじゃない。
  137. 坂村吉正

    ○坂村議員 前のほうの部分は、先ほど私が申し上げましたように、これが証拠ですというふうに、登記簿を持っておりますと、こうやっていたでしょう。それで、それじゃその証拠だという登記を調べてみれば、それは非常にもう、実際取得したものじゃなくて合筆登記だ、こういうことでありますから、そういうものをいかにも誤認した姿で、いかにもこれを買ったのだという印象を与えるために、これは証拠ですよ、こうやってやっていれば、それは当然事実無根のものをもとにして、それをいかにも総理に疑惑を与えるような、あるいは入内島さんに迷惑をかけるようなそういう発言になっていますから、そこでこれは議員の品位も落とすし、それから個人に対する無礼でもあり、こういうことで、これは懲罰事犯の本体に私は関連してくることにくっついている問題だ、こういうぐあいに考えております。
  138. 東中光雄

    東中委員 そうすると、前のほうは本体ではないが、本体に関係してくる、うしろのほうはもっと離れて、とにかく言わぬでもいいことだということをいま言われたように思うのですが、ただ、私ははっきり申し上げておきたいのですけれども、新規取得と誤認して合筆登記云々というのは、その合筆の登記を持って言っておった、それだけで発言しておったのだったら、これはあなたの言われるとおりですよ。上牧荘の名義になっているものを全部調べてみて、その中で買収したものがあるから、だから調べてみなければわからぬわけだから、買収したものがあるといって、その事実を指摘しているのであって、合筆したものを誤認するとかなんとかというのは全然邪推なんです。(「相当と言っている」と呼ぶ者あり)相当ですよ、二千坪は。特に岩竹日影、あれは実測どれくらいあると思っておられるのですか。
  139. 坂村吉正

    ○坂村議員 いまのおことばでございますけれども、やはりそれは中身を調べてみなければ正確なことはわかりませんけれども、あそこで聞いておれば、これが証拠ですとこう言って、証拠はあります、登記簿もありますと言っていれば、その中に相当土地——登記のいろいろがあるわけですから、そうすると、これを私は小林議員は買ったんだと思ってやったんじゃないかというふうに推測するのもこれは当然だと思うのです。調べてみればそれは合筆だ。しかもそういう正確でないものを取り上げて、いかにも事実のようにこれだけのものを買っているではないかという、こういう言い方をすること自体、これはあまり適当でない、非常な故意に、誇大にそれを強調している、こういうぐあいに考えていいんじゃないかと思うのです。
  140. 東中光雄

    東中委員 あなたの説明理由の発言によると、「院内の言動はあくまで国会議員みずからの責任において、事実に基づいて正々常々行なわれるべきであり、単なる推測に基づいて個人を誹謗したり、国会の品位を傷つける等の行為が断じてあってはならないことは論をまたない」こう言っているのです。こう言うておられること自体はいいのですけれども、ところが、いま「もしそうだとすれば、」と言って誹謗し、論難しておるわけです。かりにそうだとすれば、と言ってまたやっておる。これはあなたの言っていること自体からいって明白におかしいじゃないですか。事実に基づき正々堂々とやるべきだ。単なる推測に基づいてやってはいかぬのだ。あなたはまさに推測で言っているじゃないですか。買うたものがあるから、買うたものを書いてある登記を持っていって、それ以外の分も書いてある。誤認じゃない。あなた方も誤認だとは思ってない。思ってないから、もし誤認だとすればと、まさに推測じゃないですか、あとのほうだってまさに推測でしょう。
  141. 大村襄治

    大村議員 前のほうについて申し上げますと、先ほども申し上げましたように、翌日の各新聞を見ますと、二万三千というのは翌日の新聞にも載っております。しかも小林議員談として載っておる。また、それが取り消し、変更されたというのも見ておらないのであります。そういたしますると、私ども現にこの登記を全部調べてみまして、この石倉地区の駒沢に合計一万六千平米土地が、これは合筆取得として入っているが、それ以外はごくわずかでございますから、二万四千なり二万三千の中にはこれが入ったんじゃないのか、もしその中に入れて勘定されたとすれば、これは間違いではないんでしょうかということを申し上げたのでございます。また、岩竹日影地区のほうの実測云々でございますが、これは登記簿によりますと原野山林、五筆合計で四千四百二十七平米、それからちょっと道をはさんで隣の畑が甲区四番、五十九平米として二筆合計五十九と二百八平米、合計二百六十七平米ございますので、合計、一切を含めますと四千六百九十四平米、こういうことでございます。現状をごらんになっておわかりのようにずっと山林でございますので、しかも滝のところからずっと細長いわけでございます。なわ延びというものは往々にしてありがちでございますけれども、見受けましたところ、公簿記載の記録とそれほど隔たりがあるものとは受け取れないのでございます。
  142. 坂村吉正

    ○坂村議員 何か、私のお答えがまだどうも東中議員にはふに落ちないようでございますから、もう少しつけ加えておきたいと思います。あの、誤認したのではないかという趣旨説明がありますのは、これは私は、小林議員に対する一つの辞令だと思うのです。誤認でなくて、ほんとうにそれを知っていて間違っていることを持ち出している、それで間違っているならなお悪いんじゃなかろうか。そういうことで、事実が、非常にもう話をしていることと中身が違うものですから、誤認したのではないかと言って、温情あることばで私は趣旨弁明しているというふうに御理解いただきたいと思う。
  143. 東中光雄

    東中委員 さっきの大村議員説明では、新聞に小林議員談とあった——談なんというものはありゃせぬということがまず一つ、そこでも大きく、少しずつすりかえられている。そこから、実際に小林議員は新聞社にそのとき坪数云々で説明をした事実は全くない。すぐに本会議に入ったんです。あとで電話で聞きにきて、だれかが登記簿を見ながら説明をしたことはあったかもしれないけれども、そんなものは小林議員責任でも何でもない。いわんや新聞にそんなことが出されたからといって、ヘクタールなんということを出されている、こういうのは報道の問題であって、全く関係がない。いまここで言われているのは委員会発言なんでしょう。委員会発言で坪数なんか何も言ってないじゃないですか。それを委員会発言で、かってに新聞を見てあなた方がきめつけてしまって、そして新聞で、今度はそれと違うからということで推測している。まさにこれは根拠のない推測ですよ。推測に推測を重ねて、そして、そうだとすれば、こういう論理の懲罰動議というものはよほど無理をされたなあと、ここまでして言論を押えなければいかぬのかと、ここまでして自民党は少数党の言論を押えるのか、こういうことを、これはもう如実に示しているということをはっきり申し上げておきたい。  それからもう一つ、岩竹日影の問題でありますけれども、わざわざ趣旨説明で従業員の福利厚生施設の建設予定地だというふうに言われているわけですけれども、これはどういう根拠に基づいて言われているんですか。
  144. 大村襄治

    大村議員 あの土地は、東中さんも実地をごらんになっておわかりだと思うのでございますが、滝の近くから道路に面しての傾斜のきびしい土地でございまして、山林原野、カラマツがはえている急斜面の土地でございます。公簿上は四千四百四十七平米、約千三百四十坪に当たるわけでございますが、全体が急傾斜ですから、あれが全部宅地に利用されるものとはとうてい思えません。しいて、滝に近いところはブルでならせば四、五十坪の家が建てられるんじゃないか。経営者の入内島さんは、従業員の宿舎がいまあるところは独身者用なんだから家族持ちのものを将来建てたい、あるいは自分の隠居場所にしてもいい、そういう気持ちで買ったものである、こう申されております。またあとになって買い足しまして、道路の向こう側の川っぷちの現在桑のはえておる畑でございますが、合計二百六十七平米、約八十坪であります。これはマスの養魚場にしたい。いずれも旅館の営業の範囲で、売る人があったから買った、そういうふうに私は受け取っているわけでございます。
  145. 東中光雄

    東中委員 旅館の従業員、いま従業員宿舎は、わざわざ昭和四十年の九月十六日に、床面積六十九・一二平米、二階面積七十・二〇平米、これだけの宿舎をつくってある。ここの従業員というのは一体何人おるのか。ほとんどは地域のアルバイトの女性。旅館の従業員の数というのは知れたものであります。それで、いま大村議員の言うところによれば、四十坪ぐらいの宿舎を建てようと思っているんだ、四十坪の宿舎を建てるために、滝の横に建てるために実測二千坪の土地を買う、そういうことを入内島氏が言っているからといって、それをそのまま真に受けて本会議で堂々と言われる。全く不見識どころか、これもためにする議論だといわざるを得ない。どこの世の中に建てたばかりの——せいぜい十数人か、数十人もいないでしょう。部屋数からいったってそんなに従業員がいるはずがない。それだけの宿舎を建ててまだほかに——実測二千坪ですよ、公簿は千二百坪ばかりかもしれぬが、先ほど相当土地ということが問題になっていたけれども、ある委員は私の家は五十坪だと言っていました。(「東京といなかと違うよ」と呼ぶ者あり)東京じゃないですよ。だから二千坪。そして五百坪、これを相当土地というふうに言うのは、これは相当広い土地と言っているわけでもない。それはただ相当土地と言っている。こういう問題をあげ足取りをしてやってくるということなんであって、現に福利厚生施設なんということになったら、いまあなたが言われたように五十坪ぐらいあります。あの山は五十坪ぐらいが平地というようなものじゃないです。ブルでならすんだったら全部同じょうにならしますよ。そうしたら二千坪でしょう。しかもそれを買ってから五年たってもまだ何にも手をつけていない。それが福利厚生施設のための用地なんて、これは通らぬですよ。そういうことまで、これはいわば一介の旅館業者の発言をそのままとらえて、社会的妥当性、だれだって納得しやせぬですよ。そういうことを懲罰理由の中で堂々と言われている。全く軽率じゃないですか。常識からいったら、これもまたうのみにしたことを不見識にそのまま言われていることになる、こういう性質のものじゃないですか。
  146. 大村襄治

    大村議員 上牧荘の従業員は全体で四十人でございます。現在の従業員宿舎は昭和四十年に建てられたものでありまして、独身者が十二、三人使用している。家族持ちのほうは別に補助金を与えて借家をしている。したがって、近いところにいい土地があれば、将来赤字でもなくなったときには建てたいということで、そう不自然な説明でないように私は受け取ったのでございます。
  147. 東中光雄

    東中委員 あなた自身の言によれば、四、五十坪の福祉施設を建てるのに二千坪の土地を買うというのが不自然でないと言われるとしたら、あなたの感覚のほうがよほどおかしいことを指摘をしておきたいと思います。
  148. 大村襄治

    大村議員 東中委員現地調査をされているので長く申し上げる必要はないと思ったのでありますが、全体は傾斜面でございまして、いかにブルを用いましてもこの全体が全部宅地になるというようにはだれが見てもとれない性状の土地でございます。滝のところにやや傾斜の楽なところがあるので、そこあたりは宅地に使用できるのじゃないか、こういうことです。現地の事情からいえば、あれが全体が宅地になるとおとりになるほうがちょっと、だいぶ曲がった見方じゃないかという感じがするわけでございますが、これはもう委員の皆さん御視察になっていますから、私は多くは申し上げません。
  149. 東中光雄

    東中委員 いま宅地とかゴルフ場をつくるとかいうことで、あの辺でずっと買われている土地は、ずっと山の奥ですよ。これはまだ奈女沢温泉へ行く入り口、しかもあれはあの近くに家を建てるとすれば、あの滝というのは非常にりっぱなものになるでしょう。いまの山の中の滝とは違った意味を持ってきますから、そういう土地をとにかく二千坪なんですから。だから、山地だからというようなことをいまごろあなたおっしゃるとすれば、開発計画でやっているのは山やらやぶやら、とにかく大阪なんかでもそうですよ、こんなところがと思うようなところがどんどん開発されていくのであって、そういうものとして二千坪買われているんだ。単なる福祉施設で買うなんて、そんな説明がつきますか。それだったら四十坪か五十坪買っておいたらいいじゃないか。そういう事実を曲げて言っておられる。これはだれだって納得できません。その点をはっきりと指摘をしておきたいと思います。
  150. 大村襄治

    大村議員 詳しく申せば各筆に分かれておるのでございまして、それをまとめて買ってくれというのを買ったのであって、より取りができるような状態のものでもないものですから……。
  151. 東中光雄

    東中委員 あんまりしようがないことを言わぬでほしいのですね。各筆に分かれておるものを何で何筆も買うのだという理屈になるわけですよ。一緒に買うてくれといわれたから買うたんだ、そんなものは理屈にならぬじゃないですか。一緒に買うてくれといわれて、福祉施設を建てるために四、五十坪のものがほしいから二千坪のものを買う、そんなものはどこへ行ったって常識的に通用しないですよ。その点はひとつはっきりと、あなたもそこまで無理をして言っているんだということを——これはだれが見たってそうですよ、はっきりとさせておきたいと思います。  それから、この趣旨説明の第二点の初めに出てくるのですが、「小林君の指摘する時点及び地域の中での土地の購入が行なわれていないことは明白であり、したがって責任の有無を論ずること自体がナンセンスといわざるを得ない」と言っている。ところが先ほど言ったように、小林君の指摘する時点、昭和四十三年から四十四年、この時点でその石倉地域、駅の近く、ここで量は別として、量についての見解はある、しかし土地の購入が行なわれておることはあなた自身認めている明白な事実であって、それが相当土地だというかどうかということについての見解が違う。ここで相当土地と書いてあるのじゃないのです。言っているのは「小林君の指摘する時点及び地域の中での土地の購入が行なわれていないことは明白であり、」と書いてある。これも明らかに事実に反する。いままでの論議の中で明白に出てきておる。この点も、これはもう時間がかかるから、論議してきたことですから繰り返しません。この点ははっきり指摘しておきたい。  それからさらに小林議員は、「国会の場を利用して、事実を確かめもせず、内閣総理大臣の友人であるということだけで、善良なる市民を名ざしで買占めの張本人であるがごとき発言を行なった」、どこに先ほど来言っておるように、買い占めということばを使っているのか。何々かのごとき発言というのは、何々かのごとく印象づけられる発言とあなた方が言うているんじゃなくて、あなた方は——いまはそう言っているんです。事実ないのに事実あるかのごときと、こういうふうに日本語というのはなるんであって、「がごとき」と書いてあるからといって、これは印象づけられたというようなことで自分の主観でこういう表現をするのは、表現としては全く実態と違った表現をしていることになるわけです、これは国語の問題でありますけれども。  ところで、「善良なる市民」と言われているのはだれのことなんですか。
  152. 大村襄治

    大村議員 この場合、主として入内島氏のことを申し上げています。
  153. 東中光雄

    東中委員 上牧荘じゃなくて入内島氏だというふうにお聞きをしておきましょう。  入内島氏が買い占めの張本人であるというふうにどこで言っていますか。
  154. 大村襄治

    大村議員 小林議員質問を聞いておりますと、そういう印象を強く受けたのであります。また速記録をすなおにずっとお読みになれば、そういうことになるものと思っております。
  155. 東中光雄

    東中委員 この部分という具体的事実を指摘することができないから、印象を受けた、印象によって懲罰請求をした、こういま答弁されたので、そういう薄弱なものだと理解をしておきます。  そこで小林議員は、発言時間が「二十分という時間だから」私は詳細に言えないけれども登記簿を持っております。」——現に登記簿を持っておったわけです。買収の事実もあったわけです。時間が短いから意を尽くせない、そうもはっきり言っているわけです。そういう質問をとらえて、「事実を確かめもせず、」——登記簿を持っているんだから事実を確かめているわけでしょう。「確かめもせず、」と断定しておられる根拠は一体どこにあるのか、はっきり言ってもらいましょう。
  156. 大村襄治

    大村議員 速記録をごらんになっておわかりのとおり、田中総理大臣は小林さんの質疑に対して、「上毛高原駅などの近くに土地を買収している事実は、全く私は知っておりません。知っておらないばかりではなく、そんな事実はないはずであります。」「だから、事実をお示しください。」と発言され、それに対しまして小林さんは、「具体的に調査をした上で、いやしくもここで発言をする以上は、そう無責任なことを私どもは言っているわけではございません。こういう点は、事実を明らかにすると同時に、」とまた繰り返し事実をと言っております。また総理はそれに対して「そんな事実は絶対にある男じゃありません。」と言っておりますのに、また小林議員は「うわさではなくて、私は、事実を調べた上でもって、いま申し上げたことを強く要望いたして、」云々、また「登記簿を持っております。」こう言っておりまして、(東中委員「そのとおりじゃないですか」と呼ぶ)質問の時間がきまっているんなら、総理ははっきり事実はないと答えているんですから、そこでおやめになるのがほんとうじゃないでしょうか。
  157. 東中光雄

    東中委員 総理は、事実は知りませんと言っているんですよ。知りませんけれどもないはずだ、こう言っているんです。しかもそれは、相当土地とかいうふうな形容詞は何もつけないで、駅の近くで土地を買うたという事実はないはずだ、こう総理は言っている。それに対して先ほど来言っているように、いまはずっと遠くで買われているけれども、そのときで言うたら駅の近く、石倉地区土地を買うたという事実がありますよ。そんなに広くないんじゃないかと言っているのに、いや広いんだと言っているんなら、これは話は別だ。買い占めていないと総理が言っているのに、いや買い占めたと言っているんならそれはあなた方の言うとおり。総理は買うた事実はないはずだと言うから、登記簿を見たらこういうふうに買うたやつがありますよ、こう言うている。これはあたりまえのことじゃないですか。総理は、買い占めとかあるいは一・五キロとか、相当のとか、大規模なというふうな形容詞を何もつけないで、買うた事実はないはずだ、こう言うから、いや登記簿に基づいたらあるじゃないか、こう言っているんであって、一体買い占めとかなんとかいう問題はどうして出てくるのが。総理が言っていることを否定したと言うが、総理買い占めの事実はないなんて一言も言っていない。
  158. 大村襄治

    大村議員 総理は「上毛高原駅などの近くに土地を買収している事実は、全く私は知っておりません。」そう言われておるのでありまして、「上毛高原駅などの近くに土地を買収」ですよ。(東中委員「買収しているのがあるじゃないですか」と呼ぶ)ただ狭い土地を買っているのが買収に当たるのでしょうか。小林議員はこの質問に入る前に、冒頭に、買い占めの事実があるということを言って具体的な事実に入っているでしょう。そして相当買われているということを繰り返している。その前句から見れば、やはり買い占めにつながりがあるということは一目りょう然ではないでしょうか。
  159. 坂村吉正

    ○坂村議員 補足します……。
  160. 東中光雄

    東中委員 これは判断と見解の違いになっちゃう。あなたはいまはっきりと、総理はこう言うているんだ、上毛高原駅近くで買収している事実はないはずだと言っているんだとこう言うた。ところが上毛高原駅の近くで買収している事実があるじゃないか。面積のことをいま言っているんじゃないですよ。買収の事実がないと言うが、買収の事実は岩竹と駒沢である。登記にも載っている。あたりまえのことじゃないですか。
  161. 坂村吉正

    ○坂村議員 先ほどから私お答えしておりますように、どうも問題の取り上げ方が東中議員ちょっと違うんじゃないかと思うのです。この問題はあなたのおっしゃるようにただ土地を買ったとかなんとかいうことよりも、前の、前後のいきさつをずっと考えれば、そういう買い占めをやっているような印象を与えつつ相当土地を買っている、こういうことできているわけです。しかもそれは総理情報を漏らして買わしたんじゃないかとか、上毛高原駅ができることを当てにしてこれを買ったんじゃないかということできているわけです。それに対して総理が、土地を買ったそういう事実はありませんと言えば、相当土地を買った事実はない、こういうことを言っているととるのが当然だと思うのです。それで、事実は相当土地は買ってないじゃないか、こういうことですから、これは事実無根のことを取り上げていかにも誇大にこれを宣伝して、これを総理にくっつけようとしておる。そういう意味にしかこれはとれないじゃありませんか。そういうぐあいに理解するのが私は当然な日本語の理解のしかただと思うのですが、ひとつ御理解をいただきたい。
  162. 東中光雄

    東中委員 これは同じことで何回言ったってしょうがないから、はっきりと事実だけを言っておきますが、総理が言うているのは「上毛高原駅などの近くに土地を買収している事実は、全く私は知っておりません。知っておらないばかりではなく、そんな事実はないはずであります。」あくまでも人のことについて言うているんです。それから「事実は知りませんよ。知りませんが、いずれにしても、そんな事実は絶対にある男じゃありません。」これも人のことについて言っているんです。だが、そう言っても上牧荘は現に買うていますよ。買うた事実がないと言うから、買うていますよ、登記もありますよと言っているんであって、ほかの問題は……(「それは言いがかりだ」と呼ぶ者あり)言いがかりはあなた方のほうが言いがかりです。これをはっきりとしておきましょう。
  163. 大村襄治

    大村議員 総理は入内島氏は長い知り合いであるけれども、しっかりした人物であるから、総理の当時の地位から情報を受けて土地を買うようなそんな男ではないという趣旨で申し上げているものと確信いたします。
  164. 東中光雄

    東中委員 そういう趣旨で言うておるものと確認せねばいかぬ程度のことしか総理は答えていないのです。総理がそう言えばいいんじゃないですか、そう答弁すればいいんじゃないですか。それを総理は答弁していないのです。それで、買うている事実は知らぬ、ないはずだ、こう言うから、ありますよとこう言うているんであって、いまあなたの言っているような趣旨だったら、あの能弁な総理がそう言えばいいんじゃないですか。総理がそう言うてないことも、これまた速記上明白な事実なんです。その点をはっきりして、何ぼ同じことを言ったって時間がかかってしょうがないから次へ進みます。  ところで、趣旨説明の第三ですけれども、「株式会社上牧荘土地を取得した時期と上越新幹線計画との関係は全く認められません。」、こういうふうに言われている。要するに、この委員会でも時期の問題ということを言われている。  ところでその次に出てくるのは、「上越新幹線の構想が始まったのは、昭和四十四年五月新全国総合開発計画決定に始まり、昭和四十六年一月十八日に」云々というふうに言われている。こういう決定公示がされたことを私たちが否定するとか争うということではなくて、私がいま言いたいのは、東京から上越線を通って新潟へ行くという上越新幹線の構想は、あなたの言われるような四十四年五月に卒然としてあらわれたのか。もっと前からあったのじゃないか。この点はどうですか。
  165. 大村襄治

    大村議員 四十四年五月三十日、新全国総合開発計画決定されたのであります。  なお、小林議員弁明か何かに、四十二年八月全国幹線鉄道網の計画があったというような点があります。この点調べてみましたら、四十二年八月に国鉄がそういう構想を発表したという事実があることは承知しております。
  166. 東中光雄

    東中委員 一番初めに上越新幹線構想が出されたのは、昭和四十二年七月二十一日、国土縦貫高速鉄道構想という形で鉄道建設公団が試案として発表している。この事実は知っていますか。
  167. 大村襄治

    大村議員 そのほうはよく知りませんが、四十二年八月、日本国有鉄道として……
  168. 東中光雄

    東中委員 七月二十一日のことを聞いているのです。知らなかったら知らぬでいい。
  169. 大村襄治

    大村議員 知りません。
  170. 東中光雄

    東中委員 あなたは、構想が始まったのは四十四年だと言っているのだけれども、現に四十二年七月二十一日にそういう鉄建公団の構想が出されて、それは四十二年七月二十一日の新聞に出ています。「国土縦貫高速鉄道 鉄道建設公団が新構想を」こういう形で出ている。構想が発表されたということを言っているのです。その構想の書き方のどこが間違っているというようなことを言っているのじゃないです。だから、四十四年というのはまるきり違うということが第一。これは鉄建公団です。  その次に、四十二年八月二十一日、国鉄が全国幹線鉄道網等の整備計画をまとめたということで発表している。九月一日付の新聞にも載っている。そしてその整備計画構想は自民党の都市政策調査会に報告をしている。その事実は知っていますか。
  171. 大村襄治

    大村議員 四十二年八月の日本国有鉄道の発表した全国幹線鉄道網の整備についてという文書は承知いたしております。ただ、これは別表にごく大ざっぱな地図がついているだけでございます。  その次の自民党の方針でありますが、四十四年九月十七日に自局党がそういう方針を決定したという事実も承知しております。
  172. 東中光雄

    東中委員 私が言っているのは、国鉄がそういう構想を自民党都市政策調査会に報告をした。この報告をするについては、報告を求めた人がいるわけです。それは、自民党都市政策調査会会長の田中角榮氏じゃないですか。そして、その報告上越新幹線構想というのは出されている。そうじゃないですか。
  173. 大村襄治

    大村議員 その点は調べてからお答えいたします。
  174. 東中光雄

    東中委員 調べてからじゃないですよ。田中総理上越新幹線構想に関係がないというふうにあなた方は言っているのでしょうが。ところが、四十二年の夏の段階で、自民党の都市政策調査会の会長の資格で国鉄にその構想を求めて、しかも報告まで受けている。中心になっているのは、会長の田中角榮氏であった。これは明白な事実じゃないですか。
  175. 大村襄治

    大村議員 私どもが申し上げておるのは、上越新幹線がどこどこを通って、どこに駅ができるか、それについては田中総理は関係してないということを申し上げておるのでありまして、大ざっぱな、どこを通る構想にあるいは関係されておったとしましても、本筋に関係のないことでございます。
  176. 東中光雄

    東中委員 あなたの発言では、「上越新幹線の構想が始まったのは、昭和四十四年五月」こう言っている。ところが、実際はこの構想が始まったのは、田中角榮氏を会長にする自民党の都市政策調査会の求めによって国鉄が報告をした、その中で上越新幹線構想というのは明らかになった。これはあなた方自民党自身が出しておる都市政策大綱、一九六八年に出ているその中にちゃんと書いてあるじゃないですか。それでもあなたは、自民党所属議員であって、この懲罰動議を出す人が、そういうことも知らぬでやったということになるのですか。
  177. 大村襄治

    大村議員 構想が始まったのはそのとおりでございますが、上越新幹線に関する限り、新駅がきまりましたのは四十六年十月であるということを申し上げておるわけでございます。
  178. 東中光雄

    東中委員 あなた、何を言っていますか。あなたの趣旨説明を私読んでいるのですよ。上越新幹線の構想が始まったのは、四十四年五月新全国総合開発計画決定に始まるんだ、こう言っているじゃないですか。いま、構想が始まったのは、四十二年三月十六日に発足した自民党都市政策調査会会長田中角榮氏が求めを出して、それに対する国鉄側の報告という形で、この構想が出ている。だから二年間、あなたずらしているじゃないですか。あなたの言っていることは明白に違う。
  179. 大村襄治

    大村議員 国鉄あるいは鉄建公団あるいは自民党の政調の一部で、いろいろ新しい問題について検討し、その構想を発表することはあるわけでございますが、それを政府の公の意思としてきめたのが四十四年五月三十日であるということを申し上げておるわけでございます。
  180. 東中光雄

    東中委員 政府の公の意思として決定したなんということは、あなた一つも言ってない。本会議趣旨説明でそうは言っていないじゃないですか。無条件に「上越新幹線の構想が始まったのは、」と言っている。上越新幹線の構想はそれより二年前の、しかも田中氏が、現在の総理が直接会長になって報告を求めて、国鉄側が出したんだ。これは明らかに違う。その点は訂正されますね。そう書いてあるんだから、そうあなたが言ったんだから。
  181. 大村襄治

    大村議員 正式にきまって構想が始まったという趣旨で申し上げたのでありまして、訂正の必要はないものと考えます。
  182. 東中光雄

    東中委員 正式にというようなことはどこにも言ってない。
  183. 大村襄治

    大村議員 正式でないとも言っておりません。
  184. 東中光雄

    東中委員 それからこの問題は、自民党の都市政策調査会会長田中角榮氏と上越新幹線上毛高原駅の決定、これはどういう関係があるのかということが中心の争点です。その中心の争点の田中氏が会長をやっているところが最初に求めて、そして国鉄当局から報告を出して、構想ができた。そしてそのあとですよ。昭和四十二年の十月に基本問題、大都市問題、地域問題、財政金融問題の四分科会を設置した。そして四十三年の二月から精力的な作業を開始して、結局調査会として四十三年五月二十二日に総会で土地政策大綱中間報告決定した。次いで五月二十四日——いずれも四十三年です、政務調査会。五月二十七日に自民党総務会でいずれもこの土地政策大綱を了承した。与党の正式機関ですよ。しかもこれはちょこっとしたものじゃないです。これはもとになっていることですよ。そういう形で進んでいって——政治的な行動というのはそういうことじゃないですか。形式的な決定、閣議にかける、あるいは形式的な鉄建公団調査、こんなものはまさに形式的なんですよ。政治というのはもっとその前から動いていくんじゃないですか。現にこういうふうに自民党の土地政策調査会、それから政務調査会、総務会、ここで四十三年段階で上越新幹線構想というものは決定してきた。この事実はお認めになりますか。
  185. 大村襄治

    大村議員 そのころ党の政調の、内部の機関としてそういう検討が行なわれたことは承知しております。
  186. 東中光雄

    東中委員 会長である田中氏は上越新幹線構想の、これだけではありませんけれども、全国新幹線構想の中心の中にいた。国鉄のことについては非常に詳しいですよ。この間の運輸委員会の答弁を聞いておって、局長のかわりみたいなことをどんどん答弁される。非常に詳しい。こういう影響力を持っている人であるということです。あなたはそれを形式的に——ずっとあとの問題、時期的にずれていると言うけれども、時期的にはまさに本件の土地買収がやられた四十三年、四十四年にこの構想が田中さんを中心にして進んでおった。これは事実じゃないですか。
  187. 大村襄治

    大村議員 そういうふうに関連づけておとりになるのは御自由でありますが、私どもはそれは非常に無理ではないかというふうに考えております。
  188. 坂村吉正

    ○坂村議員 補足して……。  そういうようなことに党内で議論が進んでおったにしても、そのときの議論というのは、先ほどから大村議員が言っておりますように非常に抽象的な、全体としての姿をいろいろ議論しておった、そういう内容でございまして、これがどこを通って、どこに駅ができて、それだからここは土地が上がるぞ、もうかるぞ、だから買っておけ、そういうようなことをやれるような立場にはなかった、こういうぐあいに私ども考えておるわけです。
  189. 東中光雄

    東中委員 私たちは、もうかるぞ、土地を買うておけというようなことを田中総理が言うたなんということは一つも主張していないし、小林議員もそうは言うていない。かってにそう言われたら困る。  ここで時期との関係をはっきり申し上げましょう。株式会社上牧荘が岩竹日影の土地を買収したのは、昭和四十三年五月一日仮登記になっている。あなた方はこの仮登記のことだけを言われておるわけですが、所有権移転の本登記をやったのは四十四年四月十二日であります。  ところで、昭和四十三年五月一日仮登記をやった。少なくとも売買の意思表示をした。その時期はどういうことかというと、自民党の土地政策調査会で土地政策大綱が決定される直前であります。しかも、先ほど言ったように、土地政策大綱というのは分厚いものなんです。印刷だけでも時間がかかる。まさに、内容土地政策調査会できまって正式に文書になるこの時間くらいの前にちょうどこの土地を買った。これは仮登記ですよ。そして昭和四十四年四月十二日の所有権移転登記をしたこのときというのは、新全総が発表される直前です。これは政府としての閣議決定だ。まさに、自民党の中で大体決定するということがきまったときに仮登記をやっている。閣議決定がされるということになったら本登記になっておる。こんなに符合しておるんですから、疑惑を持つのが——そういう事実があったという断定をしておるんじゃないのです。疑惑を持つのはあたりまえじゃないですか。そういう関係のことをあなたは一切ほおかぶりして動議を出しておる。この点はどうお考えになりますか。
  190. 大村襄治

    大村議員 疑惑を持たれるのはあたりまえと自分で言われておるのでありますが、その点は一向納得できないわけでございます。  確かに田中総理は自民党の土地政策調査会長を四十二年から四十三年にかけてされておりまして、新幹線鉄道の問題もございましょうし、今日問題になっております国土総合開発の問題、いろいろ大所高所からやられたのでございますが、その間に岩竹日影地区土地をある程度総理の年来の友人である入内島氏が代表しておる旅館上牧荘が買った事実があるからといって、それとこれを結びつけて当然だと言われるお気持ちがさっぱりわからないわけでございます。
  191. 東中光雄

    東中委員 あなたはこの前の自民党の質問に対する答弁では、時期がずれているんだということを一つの大きな論拠にされておった。ところが、いまは時期がずれておるんじゃなくて、まさに符合して進んできているんだということが明らかになったじゃないですか。あなたが最初に説明されたこととはまるっきり違う。あなたはいまの答弁では、時期の問題を問題にしたら、今度はまた違うことの答弁をされておる。私はいま時期のことを聞いているのです。四十六年だとあなたは言われた。四十三年から四十四年にかけて買収された事実がある、こういうふうに小林議員は指摘をしている。それは田中総理と無関係とは言えない。買収している上牧荘は、田中総理と関係がある。これは田中総理自身が取締役をやっていたこと、また刎頸の友と言われましたけれども、正確には刎頸の交わりのある友でしょうけれども、その人のやっていることだ。これも緊密な関係があるということは言われた。そして上牧荘が買うた。仮登記をした時期、移転登記をした時期、それは新幹線構想が進んでいくその時期とまさに符合しながら進んでいるんだというこの事実、これは厳然たる事実ですね。あなたは、時期の問題を問題にしたときには、今度はまたほかのことを言うている。さっき買収のことを問題にしたときにはほかのことを言う。こういう逃げではなくて、この事実自体はちゃんと認めなさい。
  192. 大村襄治

    大村議員 私が野田君の質問に対してお答えいたしましたのは、上越新幹線新駅決定しましたのは四十六年の十月でございます。したがって、岩竹日影地区土地を約一千五百坪ほど四十三年の五月に仮登記をしておりますが、これとは全く時点がかけ離れておるということを申し上げたのでございます。
  193. 東中光雄

    東中委員 実質的に、政治的に話が進んでおるとき、そのときと買収のときとが符合しておるということをわれわれ言っておるわけであって、形式的に買収が発表された時期、発表というのは形式ですから、その時期とずれておるというようなことで懲罰理由の中心的な問題にするというのは、これは的はずれもはなはだしいということを指摘しておきたいと思います。  さらに次の問題に進みますが……。
  194. 大村襄治

    大村議員 ちょっと、ただいまのことにつきまして関連して申し上げておきます。  実質的に云々と申されるのでありますが、上越新幹線につきましては、いろいろな過程を経まして、具体的に進んだのは四十六年の一月の基本計画決定、さらに整備計画決定と、順を追ってきている。どこを通るか駅がきまったのは四十六年の十月になってきまったのでありまして、四十三年ごろに大ざっぱな構想があるからといって、具体の問題としてはどうしても結びついてこない。実質的にいってもかけ離れているということを私は申し上げておるのであります。
  195. 東中光雄

    東中委員 非常に形式論を言っておられるわけでありますが、それでは自民党の政調会とか都市調査会とかいうのは、全く何の権威もないことになってしまうのか。そうじゃないでしょう。政府・与党で、しかも幹事長がその会長になり、やってきて、総務会まで持っていった。だから実質的にはそこで進んでいく。これはだれが考えてもそうです。そんなことを強弁したらいかぬ。そういう過程で出てきているから、そのことで具体的な事実があるんだったら、われわれは具体的に言いますよ。具体的でないから、しかし疑惑があるから、疑惑をただしているのであって、そういうものなんだということを事実として認められるべきだ。そうでなければ、自民党というのは、こういう政策指導に何も力が持てないことになる。決定するまでは何もなかったんだ、そんなこと言ったって通るものじゃないということ、これが第一点。  それから駅の決定の問題というのは、それは形式的には線を書いて駅を書くでしょう。しかし、どこからどこへ旅客を運ぶかということが先になって、それからどこを通るかということになるのであって、どこへ駅をつけるのか、どこからどこに旅客を運ぶのかわからぬままに、とにかく線を引いて、そしてまるをつけていくというようなものではないでしょう。だから構想が発表されたときというのは、同時に、駅というものも進んでいく。それは、たまたま一官僚が情報を漏らしたというふうなものじゃなくて、自民党の実力者であり、総理になる幹事長であった、こういう人がその問題に取り組んでいた。全然取り組んでいなかったのなら別です。取り組んでいたという事実がある。そして、その構想が進んでいくに従ってそういう買収行為がある。だから、そういう姿勢だったらいかぬというので、姿勢をただすというのが、本件の小林議員質問の趣旨だ。明白にしておきたい。  さらに上毛高原駅の決定そのものについて、これもずいぶん疑惑があります。これは先日の現地調査のときにも出ておりましたけれども月夜野町の町長、町議会議長、課長にしろ、月夜野町の中へ上毛高原駅が来るというふうには思っていなかったし、そういう誘致運動もしていない。新沼田駅ということで誘致運動をしていたくらいだ。だから地元の意思あるいは一般の常識からいって、あの人口まばらのところに上毛高原駅が来るというふうなことは考えていなかった。そこに来たんだ。  ところが、そこに来る直前に、いままで土地なんか買われるということがめったになかったところが買われている。しかも上牧荘は、土地売買あるいはビルの管理、こういうものまで定款変更して載せているわけです。そうなると、こんなところにビルが建つのか、おかしいじゃないかという疑惑を持つのはあたりまえです。そういう駅の決定、場所についての疑惑の問題、同時に上牧荘の定款の目的変更、こういうものが関連して疑惑をただす。根拠のある、しかも事実に基づいた質問ではないですか。いろいろ言いたいけれども、時間がないから言えないんだと言いながら、それを抽象的に質問しておる。当然の国民の疑惑をただしたことになる、こう思うのですが、いかがでしょう。
  196. 大村襄治

    大村議員 上毛高原駅の設置された理由につきましては、私ども、このように承知している次第でございます。  まず、観光資源の現状と将来を考慮し、地形上の制約から現在の位置決定されたのであります。決定された位置は、尾瀬沼の入り口になる沼田、温泉郷の水上、猿ケ京等からほぼ等距離にあり、地域一帯の発展が期待される。また隣接駅である高崎より四十二キロメートル、越後湯沢より三十二キロメートルの地点にあり、運転上からもまた適当な位置にある。地形的に沼田、水上の在来駅に新駅を併設することは困難があった。観光地駅は今後特に自動車とのアプローチを重視する必要がある。その点からいいますと、沼田駅、水上駅は駅前広場が狭隘でむずかしい。そういうことでございまして、なお四面年の実績による観光地のお客さんの数とか、そういった点からいたしましても、この地点が適当であるというふうに決定されたのでございます。  また、入内島氏が上牧荘の経営を取得されたほぼ同じ時期に定款の変更がされているということを申されておりますが、その理由は、入内島氏はこれまでも東京都内のビルの管理をやっておられますので、経営を取得されました以上は、その定款に加えておく必要があった。全く営業上の必要に基づくものでございます。  また、その後たびたび増資をやっているじゃないか、それが土地の取得資金に使われる可能性があったのではないかというお話もございますが、この点につきましては数千万円にのぼる赤字を増資によって埋めて経営を維持するというためでございまして、これと土地の買収とを結びつけることはきわめて困難であると私ども考えております。
  197. 東中光雄

    東中委員 入内島氏が会社の代表者ないし中心的な経営者になっておる会社が室町産業株式会社、新星企業株式会社、この二つあります。いずれも本社は東京であります。東京で、しかもビルの管理とか土地造成、不動産の売買、こういうのをやっている会社です。これをなくして向こうに持っていったのではない。東京は東京でやっている。そして、あの山峡の地へ行って、その土地が何も動かないときに、そういう定款変更をやる。しかも駅の近くである。総理も関係していた会社だ。しかも、あそこに置かれた駅というのはそこからずっと遠いところから乗ってくるんだ。それに、先ほども言いましたけれども水上にしろ沼田にしろ、国道二百九十一号線で行けば、上牧荘の横を通ってから水上に行くわけですから、そういうところで土地を買われた。観光資源の云々と言われましたけれども、まさに上牧温泉といえば普通名詞であると同時に固有名詞であるという関係になっているところでしょう。そして県の開発構想によれば、あそこは福祉施設地帯にするということになっている。そこで土地を広げていく。これは大いに意味のあることじゃないですか。東京から四十分そこそこで上毛高原駅に着く。そこから温泉に保養に行くということになれば、これは水上へ行く前に上牧荘に寄るということになりかねない。順番からいえばそうなる。そういうところで、しかも土地売買というのを目的変更までやっているということになれば、これは疑惑を地域人たちが持つのはむしろあたりまえじゃないですか。なぜあんなところにビルが建つのだ、こうなる。その国民の疑惑をとらえて、小林議員国会質問した。大村議員のいまの説明のようなことが真実であり、それが何人も納得させることができるものであるならば、堂々とそういうふうに答弁されたらいいわけなんです。堂々と答弁しないで、総理は同じ新潟県人としてそういうことを言われるとは思わなかったというような、全く個人的な発言までされておる。質問しているほうは、疑惑を率直にただしているのだから、それに対して答えられたらいいことであって、それを懲罰で抑圧してくる。全く筋違いもはなはだしいというふうに思うわけであります。その点いかがでしょうか。
  198. 大村襄治

    大村議員 先ほど私が申し上げましたのは、各種資料に基づいて申し上げたのでございますので、事実に基づいておるものであるということを御了承願いたいと思います。  また、あんなところに、土地や、ビルが建ったと言われておりますが、上牧荘旅館の建物が鉄筋の建物だといたしますならば、これは三十三年ですか、火災復旧の後建ったので、入内島氏の経営移譲とは何も関係がないので、ちょっとそれはどういう意味で言われているのか不審に思うわけでございます。あんなところにビルが建った、入内島氏に経営移譲したから、定款の変更をし、あんな山の中にビルが建つのはおかしいと言われたと思うのですが、——言われなかったのならその点はやめておきます。
  199. 東中光雄

    東中委員 ビルの管理を会社の事業目的にしているわけでしょう。ビルはないわけでしょう、温泉はありますけれども。五階建ての堂々たるものだけれども、それは自分の旅館だから、それを管理するのはナンセンスなんで、そんなことを言っておるのじゃない。ビルの管理を業とする、その会社の事業目的に加えるということは、そこにビルが建つということが前提でしょう。まさか東京のビルの管理をやるために、東京に自分の関係しておる会社があるのに、ここで定款変更をするというような、そんなことを考えるとしたら、まさに詭弁であり、非常識である。すなおに読めば、ビルも何もない山のところで、何でそんなものが定款、事業目的になるのか。何も土地が動いてないところで不動産の売買、あっせん業というのがわざわざ入ってくるのか。そして、現に土地を買うているじゃないですか。こういうことで疑惑を持つ。その疑惑を持つことがいかぬというのかどうか。まずその点を聞きましょう。
  200. 大村襄治

    大村議員 その定款を変更したのは、入内島氏が東京に持っている土地、建物等の管理など、経営を統轄するために行なったものであります。
  201. 東中光雄

    東中委員 私は、入内島氏がどういうふうに思っておったか、主観的にどうであったかということを聞いておるのじゃないのです。客観的に登記簿謄本をとって明らかにされている事実ですね、客観的に公示せられている事実について言っているのです。そして、地域人たちが、あるいはその事実を調査した小林議員が、こんなところで不動産の売買何もありはせぬのに、四十三年、四十四年段階でそういう定款変更をやる、ビルもないのにビルの管理というのを入れる。おかしいじゃないか、なぜだろう、こう思っておったら、ちょうどその時期に符合して、田中さんが会長になっているその調査会のところで結論が出てきて、自民党としても結論の出てくる時期だ。しかも大かたの人々が予想してなかったところに駅が来るんだ。そして周辺でいまずっと開発計画が構想がつくられて、大きく開発され、あるいは相当大きく買われておる。その買われておる中で言えば、非常に近いところ、駅に一番近いところで買っておるのだから、その事実を指摘している。そしてその疑惑をただす。  私がまずお聞きしたいのは、そういう条件で——見解は違うかもしれませんよ、見解が一致しておったら、大体党派に分かれる必要はないと思う。見解は違う。しかしそういう疑惑を持つということ自身がいかぬというお考えなのかどうか、これが第一点  そういう疑惑を持つ場合に、その疑惑をただすということを国会でやったらいかぬのかどうか。その点についての見解はどうなのか、これを聞いているわけですよ。
  202. 大村襄治

    大村議員 簡単にお答えいたします。  私が申し上げているのは、小林委員物特における発言中、当時の山の人たちが、あんな山の中に広大なビルが建つのはおかしいじゃないか、こう言われたと言っておるのでありますが、これは入内島氏に経営移譲するずっと前のことなんで、関係のないことじゃないか。  それから、入内島さんは定款変更したから土地の人がおかしいと思うのは当然じゃないかと言うが、定款変更は一般の人はわかりませんから、それも無理なお話じゃないかという気持ちがしているわけです。
  203. 東中光雄

    東中委員 あなたは質問の言っていることについて率直に答えてほしいと思うのですよ。あるいは見解を出してもらったらいい。ごまかすようなことはぼくはしないでほしいと思うのですよ、こういう懲罰委員会ですから。これだけはあまりにも卑怯だということになりますよ。  だから私は率直に言っているのだけれども、そういう点について見解は違うかもしれぬと言うのです。しかしそこまでいろいろな点で符合してぐると、なぜここへ駅が来るのかということについて、大かたの人は予想してないところへ駅が来たということ、これも事実なんです。そこから——それは技術的な見解というのはいろいろあるでしょう。あるけれども、予想してない、地元の町長でさえ思ってないところへ来た、これも事実です。それから、その辺には、すぐ近くには人口稠密地とかそういうものはないです。これも客観的な事実です。そして今度は、土地が何も動いてないときに買われたということ、これも事実なんです。これは相当かどうか。相当についての見解の違いはあるでしょう。しかし二千五百坪といえば相当だというふうに考えちゃいけない、こうは言えないのじゃないか。それから、しかもその会社は、資本金を増資した過程で不動産の売買あっせんという項目をわざわざ入れた。しかもビルもないのにビルの管理というのを入れた。  こういうふうになってくれば、入内島氏がどういうふうに説明しようと、そのこと自体は客観的な事実なんです。そういう事実に基づいて疑惑がある。  だって、副議長が、荒舩さんが、どこを通すか、どこへとめるかというのは田中さんも含めて三人できめたんだと言っているのですからね。それは真意かどうか、事実かどうかわからない。わからないけれども、そういうふうに大ぜいの人に言っているわけですよ。そういうものを総合的に見てみて、こういうことがあったらいかぬ、当時は総理でありませんでしたけれども、政治的な立場、自民党の都市問題の調査会長あるいは幹事長、総理になる前の、大蔵大臣をやめたばっかりのそういう立場の政治的な地位のある人が、そういう疑惑を持たれるような事態が、総理に関連した、あるいは総理が取締役であったそういう会社のことに関連して、普通の人が疑問をもつこと、それを整理して、事実が時間がなくて十分言えないけれども、その疑惑を質問した、政治姿勢をただした。それが本件の筋道ですよ。  そういう疑惑を、いろいろな要素を含めて疑惑を持ったらいかぬのだ、事総理に関することだから、ということはまさか言われぬだろうと思うのです。同時に、疑惑を持った場合に疑惑をただすということは、これは国会議員としてあたりまえのことじゃないか。やらなくてもそれはいいでしょう。しかしやるのはあたりまえのことでしょう。それに対して答えられたらいいのですよ、そういう全体について。ところが感情的に激高して、そして土地を買うた事実はないはずだ、知らぬけれどもないはずだ、こういう問題の立て方というのは、これはむしろ感情的になり、あまり適当でなかったなと思うのは総理のほうなんですね。そういう問題について総理がおこったからといって、懲罰でやってくる。国会の中で疑惑をただすことが、これは多数で懲罰でやられる。これはまさに言論の府としての自殺行為になる。議会制民主主義に対する重大な侵犯になる。これは日本のいままでのことばの評価の問題じゃないのです。こういういろいろな疑惑については、ただしたらいいのです。そういういろいろないままでの議会史上の、これは非常に大きな汚点を残すと思うのです。  私はそういう意味で、そういう疑惑を持つことがいかぬというのか、疑惑を持っているということ、これは事実なんだから、持った場合にそれを質問することがいかぬというのかということを、動議提出者としてどうお考えになっておるか、お聞きしたい。
  204. 大村襄治

    大村議員 国会議員として疑問があった場合に、その質問をすることは当然のことでございます。ただ、小林君の当日の発言をしばしば引用いたしましたが、今回は省略いたしますけれども、それを見ますると、質問の域を越えている行き過ぎな点が多いのではないか。また、総理がそれに対して事実でないとはっきり答えられましても、まだ質問を続ける。また、それに基づいて政治責任はどうかとか、あるいは、このようなことでは一体取り締まりができるのかとか、非常に詰問的な論調で終始されている。その点が、単なる質問の域を越えて、品位を傷つけ、あるいは礼を失する、そういった懲罰事由に該当するものと私は考えておるわけでございます。
  205. 坂村吉正

    ○坂村議員 先ほど来からいろいろ御質問のように疑惑があって、一般のことを疑惑を持って見ることは人によっていろいろ違うでしょうから、これはどうもこうだ、こうだといって疑いを持って見たり、あるいはもう別な見方をすることもあるかもしれませんけれども、その疑惑を、まあ大体ほんとうのことであればまたこれは別かもしれませんが、あとで調べてみれば実際そういう事実はない、そんなものをひとつ取り上げて、そして疑惑を晴らすといいながら質問して、そんなことはありませんと言っても、あくまであるかのごとく、いかにも総理に黒い霧があるのじゃないかという感じで、あの公の議場でしかもきめつけていくということは、私は、国会議員の議場における発言としては適当でないと思うのです。現実にそういう姿が物特委員会で出ているわけです。そういうことで、何も疑惑を晴らすことが悪いというのじゃありませんけれども、いかにもあの場合の小林議員発言は、先ほど申し上げましたように、疑惑を晴らすのじゃなくてわざわざ疑惑をつくり上げているような感じ、そういう感じにしかとれない、それが私はあの日の小林議員発言じゃないか、こういうぐあいに考えております。  それで、そんなことを言えば、例でございますけれども、自分でこう思うからとかってなことをいろいろ言って、人の名誉を傷つけるようなことを議場でどんどんやられたら、そうやられた人は、かりにそれがほんとうでなかったらたいへんな迷惑をするわけです。議員はもちろんですが、外の第三者だってたいへんな迷惑をするわけですから、そういうことは国会議員としては慎重にやっていかなければならぬ。私はそれを、懲罰に値する、そういうことでやっているわけです。
  206. 東中光雄

    東中委員 私はいま、疑惑を持つに至ったいろいろな問題点をあげました。これは事実に基づいて言っているわけなんです。ずいぶん重なっているわけですね。そして、そういう疑惑が持たれる、いわゆる黒い霧があるということになると、これはむしろただされなければいかぬことだと思うのです。この小林質問は、黒い霧があったというて、そしてそれに対して糾弾するというような質問じゃないですね。明白にそうじゃない。だから、時間もないから抽象的にポイントだけを言うて、そしてこの政治姿勢をただした。だから総理は、一点もそういう疑惑はないという姿勢を堂々ととられたらいいわけなんで、それが感情的になっている。そして、皆さん方の先ほど来の御答弁を聞いておっても、印象感じということを言われるわけですね。印象感じというのは、それはまさにその人によって、そのときの虫の居どころの違いによっても変わってきます。だから、やはり言っている発言のその内容の範囲において、しかも、いろいろ時間の制約があるから言えないんだということも言っているものですから、そういう状況で内容的に言うならば、私がきょう質問の中で明らかにしたような事実がずっとあって、それに基づいて疑惑を持っということになれば、これは当然、疑惑を晴らすということこそ国民の前で総理はやられるべきことなんであって、それをその発言がいかぬということで、秩序を乱したとかそういう形でやれば、これは言論の府としてのまさに自殺行為である、こう思うわけであります。  こういう点で私たちは、懲罰動議に出すこと自体にも反対でありますけれども、単に反対しているだけじゃなくて、これは議会史上に汚点を残す。賛成か反対かという問題じゃなくて、悪いことなんだ、やっちゃいけないことなんだ、議会制民主主義をじゅうりんしていくような、議会史上に汚点を残すような、そういう性質のものだということを強く強調して、私の質問を時間も過ぎましたので終わります。
  207. 早稻田柳右エ門

    ○早稻田委員長 坂井弘一君。
  208. 坂井弘一

    坂井委員 懲罰動議趣旨弁明によりますと、「小林政子君の総理大臣に対する質問のうち、推測に基づき事実に反する発言によって、個人の名誉をはなはだしく傷つけ、院の品位を失墜させる部分があった」、こう提出者が説明されているのでありますけれども、一方、小林政子君の身上弁明によりますと、国会の場において土地問題の疑惑を取り上げたその趣旨、それからまたその事実関係については、この両者にかなり食い違う部分がございます。  先日、十一日に現地調査をしたわけでございますけれども、まず最初に動議提出者にお尋ねしておきたいと思いますことは、この事実関係の調査の方法ですね。これはどのような方法によられましたか、お伺いしたいと思います。
  209. 大村襄治

    大村議員 調査は登記に関する書類、現地の地図、また現地調査、そういったものに基づいて行なったのであります。
  210. 坂井弘一

    坂井委員 登記簿謄本等もおとりになって詳しくお調べになったということでしょうか。
  211. 大村襄治

    大村議員 そのとおりであります。
  212. 坂井弘一

    坂井委員 そうしますと、私、事実関係について若干確認をしておきたいと思いますが、上牧荘の所有の土地は約一万六千七百平方メートルである、こう述べられております。そして、それと別にこのほかに、昭和四十三年二月に購入した地続きのがけ地一千六百二十九平方メートル、これが別にある、こういう意味だと思いますが、そういたしますと、石倉地区には一体、上牧荘の所有の土地が幾らあるのか。同時に、先ほどから質疑の中で出てまいりました岩竹日影、ここに購入した土地が四千四百二十七平米ということでございますが、これらを合算いたしますと、上牧荘所有の土地は全部で幾らになりますか。
  213. 大村襄治

    大村議員 私ども調査によりますると、上牧荘群馬利根月夜野町大字石倉において所有しております土地は、昭和四十四年十月一日合筆登記をしました分が、合計いたしまして一万六千八百九十八・四平方メートルございます。これはもともと、株式会社上牧荘が以前の経営者から引き継いだものであります。次に、四十三年二月の十六日に隣接のがけ地を追加購入しましたものが一千六百二十九平米ございます。石倉地区はそれだけでございます。そのほかに月夜野町上牧字岩竹日影というところに、四十三年五月十日取得し、仮登記をしました山林原野が、合計いたしまして四千四百二十七平米ございます。さらに、四十六年七月十六日に地続きの畑を二百六十七平米買い入れております。以上を一切がっさい全部合計いたしますと二万三千二百二十一・三九平米、こういう状況でございます。
  214. 坂井弘一

    坂井委員 再度確認しておきますが、そういたしますと、それを立証するものは登記簿謄本である、こういうことでございますか。
  215. 大村襄治

    大村議員 そのとおりでございます。
  216. 坂井弘一

    坂井委員 趣旨弁明の中に「小林君がいう、土地相当買われているとはいえないのであります。」こう言明されているわけですけれども、つまり新しく土地が買われたという事実は、いわゆる岩竹日影におきまして、四十四年の四月十二日の登記でございますが、四千四百二十七平方メートル、これが購入されておる。それから四十六年四月十六日にさらに二百六十七平米買い増しいたしまして、計四千六百九十四平米、こういうことに相なるわけでございますが、これが「相当買われているとはいえないのであります。」こう提案者は言明していらっしゃる。つまり、これが相当に当たるかどうか。この相当の認識につきましては、おのおの異なるところであろう。しかしながら、相当といえば確かに相当である。少なくとも四千六百九十四平米という土地でありますから、相当土地であるということはいえることではないか。この相当をめぐって先ほどから議論があるわけですけれども、これをどう見るかということは、それぞれの見方によって異なると思う。相当とはいえないとこう断定される。それには、相当といえないという断定を下されるに足るだけの何か背景あるいは根拠というものがおありなんでしょうか。
  217. 大村襄治

    大村議員 確かに相当相当でございますが、その発言の状況の前後の関係、それから相当という土地がどこにあるかによってだいぶ違ってくる。これは坂井さんもよく御承知のとおりだと思います。東京都内相当土地を買ったという場合と群馬県の北部の山林原野相当買われたというのと、おのずから相当開きがあるということは当然であると思うのであります。そこで、私どもの承ったところによれば、相当広い、ああいうところの相当広いというものは、そう二畝とか三畝とかそういうものじゃなくて、少なくとも十町単位くらいのものが普通いわれている相当土地売買だ、そういうふうな理解をしたのであります。
  218. 坂井弘一

    坂井委員 私にとっては、たとえば山林原野であろうとも、たとい百平米でも相当土地に当たるわけですね。これは認識あるいは評価の相違だと思います。  そこで、この相当とはいえないと言われる土地ですが、これは、従業員の福利厚生施設の建設予定地として、千三百四十坪ほどの土地を購入しております、こう断定されていらっしゃる、先ほどのやりとりによりますと。これは一体、従業員の福利厚生施設の建設予定地であるという根拠は何かという問いに対しまして、入内島氏がそう言っておる、こういうことであったように思うのですが、そのとおりでございましょうか。
  219. 大村襄治

    大村議員 そのとおりでございます。
  220. 坂井弘一

    坂井委員 そういたしますと、私率直に申し上げますが、この趣旨弁明という非常に大事な弁明において、少なくとも事実に基づいて正確に弁明されなければならぬこの弁明を見る限りにおいては、「従業員の福利厚生施設の建設予定地として、四千四百二十七平方メートル、すなわち、千三百四十坪ほどの土地を購入しております。」これはつまり、入内島氏がそう言っているからこう表現したのだということになるかと思うのです、いまの御答弁によりますと。ですから、少なくとも、ここで土地を購入したと入内島氏はそう言っておる、こういう表現が正しいわけです。何だか、これだけを見ていきますと、われわれから言わせれば——これほどの相当面積土地であります。これを従業員の福利厚生施設の建設予定地に充てたのだ。これだけを見ますと、そんなばかでかいところを従業員の福利厚生施設のために必要なのかどうなのか、どうもそれがちょっと理解しがたい。これは、何らかの意図があってここにこの相当土地を求めたのではないかというようにもとれないことはないのですね。したがって、こういうところはやはり正確に表現してもらいたいと思う。  それから、この趣旨弁明の中の五ページでございますか、「事実無根のことを公の場で名ざしで発言することによって、」こうあるのです。事実無根と、ここも断定されていらっしゃいます。少なくとも土地が買われたということは事実であります。大きいか小さいか、これが相当に値するかどうか、その認識、判断についてはおのおの異なるところはあるでしょう。あるいは距離的にどうであったかこうであったか、つまり新幹線建設に伴う仮称上毛高原予定地から一・五キロあるいは一・五里、これは言い誤りであるということははっきりしました。それが駅周辺に当たるかどうか。そういうことについては、これはおのおのの見方もまた異なるところであろうと思う。しかしながら、少なくとも事実関係として、土地が買われたということは全くの事実である。その事実をもって事実無根と、こう断定されたのはいかなる意味によるものでしょうか。
  221. 大村襄治

    大村議員 お答えいたします。  私どもは単に、土地が買われたということだけで問題にしておるのではございません。総理大臣が当時の地位を利用して新駅位置などに関する情報を漏らして、それを受けて入内島氏がそういう土地を取得したことがあるかどうか、その点を含めて申し上げているのであります。
  222. 坂井弘一

    坂井委員 そういたしますと、やはり八ページに参りまして、終わりから三行目、「事実に基づいて正々堂々行なわれるべきであり、単なる推測に基づいて個人を誹謗したり」云々と出てまいります。つまり、単なる推測に基づく、こうまで言われているわけでありますが、F小林政子君は全く単なる推測に基づいて発言をしたのである、こう受け取っていらっしゃるんでしょうか。
  223. 大村襄治

    大村議員 その点について申し上げますと、小林政子君の物価特別委員会における発言の中にございます「一国の大総理が、みずからの政治的地位を、その当時は総理ではなかったにしても、その地位を利用されてこのようなことがやられたんじゃないか、こういう問題等につきまして、私は非常に大きな疑問を持たざるを得ないのでございます。」そして少しおいて、「一国の総理大臣が、この点についてほんとうに政治姿勢を改めると同時に、そのようなことをやっていたのでは、いまの不当な商社のこの買い占め、本気になってこれを取り締まり、やめさせていく、こういうことができるだろうかどうだろうか、」こういったことを私どもはもとにいたしまして、そのようなことを申し上げているわけでございます。
  224. 坂井弘一

    坂井委員 私は、少なくとも単なる推測で発言したとは思いません。少なくともこの発言の裏づけとして、先ほどから、これまた、提案者の言われる意味と私の思うところは違いますが、つまり質問者は登記簿を持っておりますね。少なくとも今回のこの事案の調査として、提出者のほうも登記簿によって確認をされた、調査をなさった。質問の時点で発言者は、登記簿を持って発言をしておるわけです。これは事実であります。単なる推測に基づく発言ではないという、私は、少なくとも何よりの証左であろうと思う。そういう事実がはっきりしているにもかかわらず、単なる推測で発言をしたんだ、これはちょっとおかしいんではございませんか。
  225. 大村襄治

    大村議員 登記簿調査し、いろいろやったわけでございますが、小林君の発言にあるように、総理が当時の地位を利用して、土地を取得するにあたって情報を漏らした、取得にあたって協力したかのごとき発言、こういったことは全然見受けられない、その点を問題にいたしているわけであります。
  226. 坂井弘一

    坂井委員 そのことはあとで触れたいと思いますが、私は、つまり疑惑の中での話であろうと思う。少なくとも、いま申し上げましたように、事実関係については登記簿謄本を持って、そしてこの土地面積であれ、あるいは買われた地点であれ、発言をしておる、これは事実なんですね。総理がそういう事実はないと言うにもかかわらず、あえて発言者はなお登記簿謄本を持ってということを先ほどおっしゃっておったようでありますけれども、これは議事録を見る限りにおいて、事実を提示してやってもらいたい、こう総理が言っておるわけですね。しかもそのあとで、そうでなければ責任を負っていただきたい、これはまことに問題の発言だと私は思うのです。総理からそう迫られたので、登記簿を持っておりますよ、しかし二十分というわずかな時間だからそれを事こまやかに質問するゆとりはなかった、こう言っているにすぎない。むしろこれは、総理の、そうした事実を示せということに答えたにすぎない。そういうところの認識、評価ということについては、これは率直にこの議事録を見る限りにおいては、発言者は流れとしてきわめて当然のこととして登記簿を示した、ということだと私は受け取ります。  それから、先ほど同じく出たわけですが、これは非常に重要な問題だと思いますが、つまり提出者が言われております「周囲に動かされての発言であるとすれば、」こうおっしゃっておるのです。これは推測ですね。確認しておきます。
  227. 大村襄治

    大村議員 そのとおりであります。
  228. 坂井弘一

    坂井委員 そういたしますと、この推測をもって懲罰に付する理由の一つとした、これも大村議員から先ほど発言がございました、そのとおりでございましょうか。
  229. 大村襄治

    大村議員 その点につきましては、坂村議員が引き継いで述べられたとおりでございます。
  230. 坂井弘一

    坂井委員 坂村議員との発言には、両者おのおの異なる発言であります。大村議員は、はっきりとこの部分も、懲罰動議に付した理由の一つであるということを明言されたわけであります。その経緯、背景等について坂村議員が述べられた、私はこう解しているわけであります。少なくともこのことは、つまり「周囲に動かされての発言である」ということは推測であり、かつ、この推測をもって懲罰に付する理由の一つとしたということは明言なさったのでありますから、よもやお取り消しになるということはないでしょう。いかがですか。
  231. 坂村吉正

    ○坂村議員 ただいまの御質問でございますが、それは大村議員がお答をしましたのを私が訂正をしたのでございます。同じ提案者でございますから、ときどき立って、こうやっていろいろ質問されますと頭が混乱することもありましょうし、そういうこともあったんじゃないかと思うのでございまして、訂正したのでございます。私のお答えを正しいものというふうに御理解をいただきたいと思います。
  232. 坂井弘一

    坂井委員 強弁されたら困るのです。非常に重要な部分だと私は思いますよ。あとで訂正したのだ、大村議員発言が誤っておったんだ、あなたそこまでおっしゃられますか。提出者のお一人です。少なくともきょう大村議員質問者の質問する趣旨に答えて明確におっしゃった、つまり理由の一つである、それを私のほうが訂正したんだ、ああそうでございますかというわけでとんとん拍子に進みますか、こんなばかな話はないと私は思います。大村議員からは何の発言もございません。あなたがただ単に勘ぐる中で一方的に大村議員発言をひっくり返された、こんなおかしなことが——この形のままでは私は進めることはできない。委員長いかがですか。
  233. 坂村吉正

    ○坂村議員 大村議員のお答えを聞いておりまして、舌足らずのところもございました。ですから、同じ提案者でございますから、私が正式に言い直して訂正したわけでございます。
  234. 坂井弘一

    坂井委員 重ねて大村議員は、いまお認めになったわけですよ。
  235. 大村襄治

    大村議員 ただいまの坂井さんの御質問は推測ですかというようなお話でございまして、懲罰事由に含まれるかどうかは言われなかった。そこで、その問題については坂村議員のお答えしたとおりだというふうに申し上げたのでございますので、さよう御了承願いたいと思います。
  236. 坂井弘一

    坂井委員 そういたしますと、先ほど大村議員が理由であると言われたことは間違いであったのだ、こういうことでございますか。
  237. 大村襄治

    大村議員 推測ではありますが、私は私なりの根拠は持っている。それは、委員でない議員の方がいろいろ打ち合わせに来られている点も目撃しておりますので、そういったことを申し上げておるのでありますが、これが懲罰の理由の主たるものであるかと申し上げますと、そうではない。私の発言におきましても、終わりに、「一そう重大である」と、一そうということばを申し上げたので、そういう意味で主たるものではない、あってもまあ追加的なものである、こういうことを私は申し上げたのでございます。
  238. 坂井弘一

    坂井委員 そういたしますと、懲罰動議の主たるものではない。主たるものではないということは、やはり懲罰動議を理由づける一つのファクターには違いない。先ほどの御答弁の趣旨と全く同じですね。つまり、主たるものではないが懲罰理由の一つを構成するものである、こういういま御答弁であったように思うのですけれども、そのように受け取ってよろしゅうございましょうか。
  239. 大村襄治

    大村議員 私が承知した状況に基づいて申し上げているのでありますが、それが当たってない場合にはもちろん懲罰の理由に当たらない、こういう意味でございます。
  240. 坂井弘一

    坂井委員 これは非常に大事なところだと私は思うのです。先ほどの答弁の中にもありましたが、つまり当該委員会委員でない議員がその場に来て、そして何やら耳打ちをしておったというような、そういう情景といいますか、その場の状況から判断してと、こういう御発言もあった。当該委員会委員でない者が他の委員会に出ていって、そして助言したりあるいは参考意見を言ったり、そういうことはあり得ることであります。そういうことをもって、周囲に動かされたのではないか、そういう発言であるとすれば、これはまさに推測であります。事はきわめて重要である。そのことはこの懲罰動議を付する主たる理由ではないとしても、少なくとも理由の一つとして構成しておる、そう受け取られてもやむを得ないのではありませんか。なぜ、わざわざことさらに、このようなことを懲罰動議趣旨弁明において言われるのか。その意図、真意というものをくみ取るのに私は非常に苦しむわけであります。この部分が非常に大きなウエートを占めたのではなかろうかとも受け取れる。かといって、推測に基づくものを主たる懲罰の理由にされるわけはなかろう、そうも思う。だから、いま、くだくだしいかもしれませんけれども、何の意図を持ってこのようなことをわざわざ言われたのかということをただしておかなければ、今回のこの事案がはたして懲罰に値するかどうかというわれわれの判断がつかないということになりますので、聞いておるわけであります。もう一回ひとつ明確にお答えいただきたい。事由にならなければ、ならない、なるならなる。
  241. 大村襄治

    大村議員 理由ではございません。参考の資料として申し上げております。
  242. 坂井弘一

    坂井委員 では、前回の答弁と変わったわけですね、参考のために言ったんだと。では、そう受け取っておきましょう。  そこで、小林委員がこの質問をしたその趣旨というもの、つまり土地売買土地の賢い取りということに疑惑があるのではないか。つまりこの疑惑たるや、まあ先ほどから議論をしておると、こもごもなされておりましたので、その経緯、具体的な内容等についてはいまさら触れるまでもございませんが、つまり疑惑がある、そういう趣旨で質問をした。その疑惑を解明せんがために質問をした。それが私は質問者の本旨であろうと思う、意図するところであったのであろうと思う。そういう中で、少なくとも総理政治姿勢というものはいかなるものであるか、少なくとも国民の一部においては疑惑がある、それを明らかにしなければならない、そういう意図を持って質問をした、こう私は理解をしておるのですけれども、提案者は、そうではない、こういうお考えに立っているらしい。どう考えても、そのところで考え方が違うわけであります。はたして小林政子君がどうした意図を持って、いかなる愚図を持って、あるいは趣旨に基づいて質問をしたか。本人の意向はどこにもあらわれていない。ただ、ここで甘えることは、面積であるとか距離であるとかあるいは時期的な問題等々いわゆる群実関係等について、ああでもない、こうでもないという、「相当」に当たるか当たらないか、一・五キロか一・五里かというような議論がちょうちょうとして繰り返される。少なくとも、そういう議論を辿っていけば、土地が買われたという事実があることはある。確かにある。そういう中でまた、少なくとも今日土地買い占め、商品投機であるとかいわゆる列島改造論によるところの全国的に起こったそうしたもろもろの問題を背景にして、そういう中でこの地域に焦点を当てて、少なくとも具体的な一つの事実をもって質問をしている。その疑惑を晴らそうとしておる。そういう中で政治姿勢を正そうとしておる。私はそれが質問者の質問の趣旨であろうと思うのですね。その質問をしたことが、一体なぜ院の品位を傷つけることになるのか。ここに非常に大きな飛躍がある。たとえば買収をやった、供応をやった、あるいは悪質な選挙違反ですね。あるいはまた地位を利用して政策を金で売る、つまり汚職である、あるいは収賄である、こういう行為があるならば、これは明らかに院の品位を傷つける行為以外の何ものでもないと思う。あるいは私行上の行ないにおいて大衆からきわめて大きな非難を受ける、これは国民の代表者たる国会議員としてまことにあるまじき行為である。そういう大衆の批判を受ける悪徳な行為をする。あるいは傷害罪、詐欺罪、これは院の品位を著しく傷つける行為だと思います。したがって懲罰ということもあり得るでしょう。しかし、国民の代表者としてその責務を感じて、国民の疑惑の声にこたえて、国会の場においてその疑惑を解明し、そうした中で政治姿勢を正していこうという趣旨で質問をした。その質問がなぜ一体国会の品位を汚すことになるのか、私にはどうしても理解できない。提案者から親切に教えていただきたいと思います。
  243. 大村襄治

    大村議員 坂井委員が仰せのとおり、国会議員として、疑問を持っている点につきまして疑惑をただす質問をする、これは当然のことであります。しかし、当日の小林君の発言をその場におりまして聞いておりましても、また、公式の速記録を繰り返し読んでみましても明らかなとおり、当日の小林君の発言は、単に疑惑をただすというだけの発言とは認められないのであります。  なぜならば、小林君は、総理なり第三者を名ざしでいろいろ言われているのでありますが、その小林君の質問に対して総理は、再三にわたりはっきりそうではないということをお答えしているのにもかかわらず、あくまで事実であり登記簿もあると主張し、あたかも総理大臣政治姿勢を疑わしめるような発言をしているのであります。また、このことがマスコミを通じて全国に流布せられまして国民に心配をかけている、これはあくまで否定できない事実であります。このことは、総理大臣に対する無礼な発言であるとともに、国民の政治に対する信頼を失わせる、国会の品位を傷つけるということにまさに該当するものと断ぜざるを得ないのであります。
  244. 坂井弘一

    坂井委員 議事録のどこを見ましても、総理が直ちに買い占めさせたとかいうような個所はどこにもありません。少なくとも疑惑として、この疑惑を解明しようという立場に立っての論議が展開されておる。しかも、その疑惑ということについては、いままた登記簿のことをおっしゃいましたけれども、むしろ登記簿謄本をもって追及する、つまり事実に基づいて私はこの疑惑を晴らすんだ、そういう質問者の姿勢じゃございませんか。もしここに登記簿がなければ、いま大村議員のおっしゃることは、また変わった言い方をされるだろうと私は思いますがね。ということは、前段申し上げました、なぜ登記簿を出したかということは、証拠を出しなさいと総理が言うから、「登記簿を持っております。」と言ったにすぎないのです。ただし、この質問をするにあたっては、登記簿によって、少なくとも事実関係等については一応発言者としての責任上調べた上で私は発言をしているんだ、こう言っておるわけなんです。それは土地が「相当」に当たるかどうか、距離がどうであるとかこうであるとかいう問題ではないと私は思う。名ざしであったと言う。名ざしであって何が悪いのでしょう。そうした根拠をもって取り上げることについては、私は何ら差しつかえないと思う。それじゃ立場を変えますが、一般論的に言いまして、議員が国会において職責を果たそうとする場合、しばしば問題になるのは院の品位の問題だと思う。国会の品位、議院の品位を保つということは、これは議員は感情にとらわれないで客観的な情勢を踏まえながら、そういう立場でそういう認識によって発言をしなければならぬと思います。ただし、考え方の違いであるとかあるいはまた思想の違い、そういうものは当然あるでしょう。あるでしょうが、しかし、少なくとも客観的な認識に基づいて、感情を交えず、冷静に国事に参加する、これが院の品位を保つことである、私はそう思う。そういう姿勢に立って疑惑を晴らす、これまた国会議員として私は当然の責務であろうと思うのですけれども一般論的にそうした考え方は間違いでしょうか、あるいはこれをお認めになるでしょうか。
  245. 大村襄治

    大村議員 一般論として、議員の発言が、その信念に基づいて、事実もできる限り調査して、正々堂々発言しなければならないという点につきましては、私も及ばずながら、その方向に向かって日夜努力しているつもりであります。そういった意味では賛成でございます。ただ、当日の小林君の発言は、繰り返し申し上げますように、田中総理を名ざして、「一国の大総理が、みずからの政治的地位を、その当時は総理ではなかったにしても、その地位を利用されてこのようなことがやられたんじゃないか、」とまで言われているのです。そしてまた引き続き、そのようなことをしておったのではとてもその任にたえぬではないかということまで発言されておる。それに対して総理自身も、そのような事実はない、相手の地主もそんな男ではないとはっきり否定されておるのです。だから、もう時間が来たのでまた後日やるということで済むならば、それでさっぱり済んだと思うのでございますが、その後におきましてもいろいろ言われて、結局言い合いになって時間切れになった。こういうような形でございますけれども、その辺がどうも進め方として、私どもの理解する発言の自由の限界を越えている点があるのではないか、そのように受け取っているわけでございます。
  246. 坂井弘一

    坂井委員 田中総理が出られておるのですね。総理が出られておるのです。総理に対して質問者が質問をする。それに対して総理が答えるのです。一国の大総理と名さしで言ったって——総理が出られ、総理に対して疑惑を究明すべく質問をする。むしろ当然過ぎるほど当然のことである。総理に対して質問することが院の品位を傷つけ、個人の名誉を傷つける、こういうことになるのでしょうか。質問者の意図するものは、少なくとも登記簿謄本という、一つの事実関係を証する根拠をもって質問をしておるわけです。疑惑を晴らそうとしている。それがなぜ直ちに飛躍して、一国の総理大臣ということに結びつくのか、私にはどうしても理解できない。再度お願いします。
  247. 大村襄治

    大村議員 坂井さん、当日も御出席であったし、またいろいろお調べになったから、全部を申し上げなくてもおわかりだと思いましたので、終わりの部分だけ引用したのですけれども、繰り返し申しますように、小林さんは、当日の委員会一般論として、新幹線の駅の付近で情報を漏らす者がおって買い占めがやられているじゃないか、そういうことは取り締まるべきじゃないかということを言ったすぐあとで、その具体の問題を持ち出して、そして総理政治姿勢はどうか、こう言っているわけですからね。ただ、土地が私人の間で千坪買われようが千五百坪買われようが、国会の問題になるはずはない。この問題に焦点を当てて、やはり総理と近い人であるから情報を漏らしてそういうことをさせたのではないか、重大な疑惑を持つということを言っておられまして、単なる疑惑を晴らすということを越えているんじゃないでありましょうか。そして問題は政治責任と言われていることを引用すれば、そういうことではとても国政を担当する資格がないかのような発言のもとに姿勢を改めろと断定的に言われているのですよ。ですから、この前後をずっと見ますと、ただ土地売買があったかどうか、そういう質問ではないということは一目瞭然ではないでしょうか。
  248. 坂井弘一

    坂井委員 単なる疑惑とおっしゃいましたけれども、単なるというようなつもりでなくて、むしろ、まことにまじめにこの疑惑を晴らさなければならぬ、この疑惑を解明して、そうした中で政治姿勢を正していこう、少なくともそういう質問者の本旨であった、私はそう解するわけです。ですから、そうした立場考え方に立って国民の疑惑を明らかにして政治姿勢を正す、その責務を感じ発言する、その行為自体は何ら誤りではないし、むしろ議員として当然のことである、こう私は思うわけです。  ところで、この言論で懲罰動議に付するということは、これはぎりぎりのことだと思う。つまり、よくよくのことでなければできないことだと思う。少なくとも事実関係等においてはたいした問題じゃないと思うのですね。むしろ逆にいえば、土地を買われた事実はあるわけですから、それを議論しても、私はさして意味はないと思う。先ほどからおっしゃるような印象であるとか、総理に対してその域を越えた無礼の言があったとか、疑惑といいながら、疑惑ならずして、むしろ何かを意図して疑惑を広げよう、つくろおうというような意図があったのではないかということをおっしゃっているのですけれども、その問題は一応、両者間において食い違いがあるわけですからさておいたとしましても、少なくとも事実関係は一応おいても、この言論、言ったこと、その意図するもの、こういう言論でもって懲罰に付する、これはよくよくのことだと思います。たとえば人をなぐった、傷つけた、あるいは院内を故意に撹乱した、あるいは破廉恥罪であるとか、そういう行動をとった、そういう場合は当然懲罰に付してしかるべきだと思います。しかし、事は言論なんですよ。これはきわめて尊重されなければならぬ。物価問題特別委員会における山中委員長に対する善処の申し入れに対し、遺憾ながらその意に沿えない、こういうことが趣旨弁明者の説明にも述べられております。そういう経緯を経て、そして言論をもってこの問題を提起する、こういうことになったことは、よくよくのことだと思いますけれども、まさに提案者はよくよくのことである、そういう認識に立たれてお出しになったのでしょうか。
  249. 大村襄治

    大村議員 そのとおりでございます。
  250. 坂井弘一

    坂井委員 よくよくのことと認識してお出しになったというのですね。  先ほどから、印象ということがしばしば言われておりますね。つまり、印象によってということですね。それは感じです、感覚です。雰囲気といいますか、ある意味では空気といいますか、もこたるもの、そういう印象、雰囲気によって懲罰動議を出された。これがむしろ懲罰動議をお出しになる非常に大きな理由だと思うのですよ。これは事実関係とかどうとかこうとかでなくして、雰囲気の問題、印象の問題です。ことばがたとえば同じあったとしても、ある場合には懲罰に付さない、しかし、ある場合には懲罰に付する、そういうことはあり得るのでしょうか、お尋ねしておきます。
  251. 大村襄治

    大村議員 議院の秩序を乱した場合には懲罰に付することができるという憲法五十八条二項の規定がございますが、懲罰事由は議院がそれこそ自律権に基づいて自主的にきめる場合でございますので、仰せのように、いろいろな場合があり得る、一律に律するわけにはいかないというふうに考えております。
  252. 坂村吉正

    ○坂村議員 補足してお答えを申し上げますが、前々から何回も申し上げておりましたように、印象とか雰囲気とか、それだけでやっておるわけじゃないのですよ。そういうあの場の雰囲気、あの場の全体の動きというのがそういう非常に大きな要因をなしております。その中での発言ですから、それなりにやっぱりみんな評価をしなければならぬし、それから、その発言がどういう影響を与えているか、これは客観的に見なければいかぬと思う。ですから、そういうことを考えますと、あの当時、先ほど新聞を引くのはどうだというような話もありましたけれども、あの物特委員会発言は、新聞で取り上げるのは、総理の黒い霧だとか、上牧荘の買いあさりか、そういう取り上げ方をして、全体の世間には、いかにも政治が悪いことをしているような印象を与えておる。印象というか、感じを与えておるわけです。このことは、議員の国会の中での発言の影響力というものは非常に大きいので、それをわれわれは見のがすわけにいかない。それであるからこそ、国会議員の発言は慎重でなければいけない。かりに疑惑を晴らすにしても、事実関係ももっと正確に調べて、そうしてみんなが納得のいくような、そういうことでなければいかぬと私は思うのでございます。そういうことを考えれば、これをこのままほっておけば、これは議員の発言自体にあとあと相当影響がまいります。これをほっておくわけにいかないから、これはやっぱり国会の品位にかけても、議院の名誉にかけても、きちんとした処分をしておかなければいかぬ。これは私はよくよくのことで、同じ物特委員会理事をしておるのでございまして、同僚でございますから、こういうことを提案者になってやるのは、私としてもこれは忍びないことでございますが、国会の名誉のために、これはよくよくのことでございまして、提案者になって提案しているわけでございますから、御理解いただきたいと思います。
  253. 坂井弘一

    坂井委員 事実をよく調べてと再三おっしゃるのですけれども、少なくとも事実については、私は発言者は調べたと思う。それは何か。登記簿を持っておりますよ。それから買ったというところもあるわけなんです。大きさの違いでしょう。「相当」に当たるかどうかでしょう。距離の問題にすれば、一・五キロと一・五里である。たとえば、何もないものをここに買ったのだ、これは問題でしょう。少なくとも買った事実はあるのじゃございませんか。しかも、新幹線計画があるのじゃありませんか。これが周辺であるか周辺でないか、その辺の評価はおのずから異なるでしょう。「相当」と同じですよ。しかし、何ら事実に基づかない、つまり単なる推測、でっち上げ、邪推、それだけでもって発言したというならば、これは議員にあるまじき発言でしょう。これはまさに院の品位を傷つけるといわれてもいたし方がない。この委員会質疑を見る限りにおいては、少なくとも当の発言者が、私は事実に基づいて発言しておるのだ、こう言っておる。そして調査したところ確かにそういう事実もある。地点はいささか違う。距離が違う。これは誤りであったということをはっきり認めていらっしゃる。だから私は、その辺のところでどうも理解できないわけなんですがね。いまの問題で、私は端的に聞いたことは、したがって、全体の流れの中からということをおっしゃるから、それならば、たとえことばが同じあっても、その場の雰囲気であるとか印象によって懲罰に付する場合もあり、また付さない場合もある、そういうことなんでしょうか、こうお聞きしたわけです。もう一回お答えいただきます。
  254. 大村襄治

    大村議員 賢明なる坂井さんの御質問でございますので、ごく簡単にお答えしたのでございますが、事実、事実といいましても、ただ買った、売っただけではございません。私は繰り返し、時間的、空間的の要素があるということを申し上げておるのでありまして、距離面積、そしてまた総理がはたして当時の地位を利用してその土地の買い受けに一役買っているか、情報を漏らしているかどうか、その辺ひっくるめての事実があったかどうかという点を申し上げているわけでございます。その点につきますと、私ども調査しますと、全くそういう事実は見受けられない。それをあたかもあったように断定して、総理政治姿勢を詰問されているわけでございます。その点が私どもとしましては、発言内容、これは速記録の裏づけもございます。また関連した新聞報道もあったということも坂村議員は言われているのでありますが、そういったものをひっくるめまして、やはり懲罰の事由にこの場合は該当するのではないか、そのように考えている次第であります。
  255. 坂井弘一

    坂井委員 この懲罰動議の扱いについてでありますけれども、あるときには、まずいなと思ったら出さぬ、しかし、だいじょうぶであろうと思うときには出す、そういうように、私はきわめて恣意的にやられる危険が非常に多いと思うのです。今回の場合もはなはだそういう恣意が働いたのではなかろうか。つまり印象であるとか雰囲気であるとか一貫した流れの中で、どうもこれはおもしろくないというような感情が先に立ったような気がしてならなかったわけでございます。ただ、議員の国会における発言に関してでございますけれども、これは憲法五十一条、この趣旨に沿いまして、発言はその信条、思想のいかんにかかわらず自由にこれができる、これは憲法の五十一条の趣旨であります。提案者はいかがですか、どうお考えでしょうか。
  256. 大村襄治

    大村議員 まさに御指摘のとおりでございます。同時に、憲法五十八条はその第二項におきまして、「両議院は、各々その會議その他の手續及び内部の規律に關する規則を定め、又、院内の秩序をみだした議員を懲罰することができる。但し、議員を除名するには、出席議員の三分の二以上の多數による議決を必要とする。」こういう規定もございますので、両者をよく見まして事実に即して判断をしなければならない問題であると考えております。
  257. 坂井弘一

    坂井委員 なるほど、自律上の規制ということは、私も守られなければならぬと思う。発言の自由の反面、議員として自律上の規制が要請される、これは当然でしょう。ただ、しかしながら、お互いに党派が違う、政治的立場が異なる。そうした場合にその発言内容が、つまりその議員の所信というものがその発言に示される場合において、それはその意味においては全く自由であろうと思うのです。ただ、自律の精神に反しちゃいかぬ、自律の規則は守らなければならぬということでございますけれども、そのことは、その限界というものは非常にむずかしい問題だと思う。つまり、その発言する議員の意図、趣旨、それは那辺にあるのかということは、第三者的に客観的にどう冷静に判断しようと思っても、当事者でない限りその判断は容易ではない。つまり自律の規制ということについては、その発言は、議員の所信、意図というもの、これがさだかでなければ、明確にされなければ軽々に判断することはできない。  ただ、ここで一言私聞いておきたいことは、つまり思想、信条を問わない、議員は自由に発言できるということを憲法において保障されておる。われわれはその権利を有しておる。このことについては、提案者はお認めになることにはやぶさかではないと思うのです。再度確認になるかと思いますけれども、いかがでございましょうか。
  258. 大村襄治

    大村議員 その点は私も十分認めるところでございます。
  259. 坂井弘一

    坂井委員 少なくとも今回のこの懲罰動議を出されたということ、つまりこの言論の問題をもって懲罰に付されようとすること、これはもうぎりぎりのことです。懲罰権をもって議員の政治的な発言をある意味においては抑圧するということにもなります。そうなりますと言論の自由は保障されない。一方、議員のその職責を果たす、職務を果たすという議員本来の使命の上に立って考えれば、議員の政治的な発言は自由でなければならない、こういう要請がある。そういう中でこの種の発言をどう判断するかということは、これは非常にむずかしいし、それだけに慎重であらねばならぬ。それだけになおかつ、懲罰に付するか付さないかということについては、なおなお慎重でなければならぬ、これはお互い議員の立場として私は申し上げるわけであります。  そういう慎重な御判断に立たれて懲罰に付されたのかどうなのかということを私は考えてみますときに、けさほどからの質疑を通じて非常に疑問を抱かざるを得ないわけであります。三権分立ということが、わが国の憲法においてこれはたてまえであります。明記されております。その中で国会は国権の最高の権威である。その国会において初めて主権者たる国民から、総理、首相という権限を与えられておる。質問者はその主権者たる国民の疑惑にこたえて、代表者としてそれを国会の場において疑惑を晴らそうとして、総理政治姿勢を問うたわけですね。私は少なくともそう解しておるわけです。しかし、その事実関係において相違があったというならば、むしろその場においてやり取りの中で解明し、明らかにされたらいいことであって、それをなされずに結果的には懲罰に付された。これは私は非常に遺憾だと思う。むしろ、そういうような指摘がかりになされた場合に、事実でないならば事実でないとはっきりその場でお答えになればいいことだ。それを一方的に、事実であるかどうか、それを確認してもらいたい、事実でなければ責任を負っていただきたい、これは私は、一国の総理の、主権者たる国民の代表、国民から信託を受けた議員に対する発言として、きわめて不穏当だと思う。むしろその場で総理は、そうした疑惑に対して、質問者の質問に対して、具体的な事実を持って質問しているわけですから、その事実が誤りであるとするならば、それは事実ではないのだ、ここに事実があるのだと、正々堂々とその場で明らかにされればいいわけだ。そういう態度が私は総理の態度でなければならぬと思う。いやしくもその場の感情に左右されるようなことがあっては断じてならぬと思うんですね。おそらくこの議事録を見る限り、これは非常に感情的ですね。「不愉快な発言をお聞きしました。」「あなたも新潟県の人であり、私は、同県人でありながら、党が違えばこんな無責任発言をされるのかと思って、ほんとうに不愉快なんです。」こう言う。そして「事実を提示してやってもらいたい。そうでなければ責任を負っていただきたい。」(「全く個人感情だな」と呼ぶ者あり)全くもう感情以外の何ものでもないと思いますね。いわんや、そうした疑惑を晴らそうという真摯な議員の質問に対して、一方的にその言論を封圧する、抑圧する、そういうことであるならば、もはや国会は民主的な言論の府ではなくなってしまう、そうい言わなければならぬ。むしろそのことのほうが私は重要だと思うのです。提案者はどうお考えになりますか。
  260. 大村襄治

    大村議員 一般論として、国会議員の発言が自由でなければいけない、まことに御同感でございます。ただ、物価特別委員会における小林議員発言は、速記録によりましても、また、ずっと在席しました者の聞いておりましたあれからいたしましても、単なる土地売買質問ではないわけであります。総理地位を利用してこの土地を買ったことがあるのじゃないか、こういう質問を急に聞かれた場合、そういうことがない以上ああいう、はっきりないと言ってお答えになる、それに対してまたたたみかけてくる、事実でなければ責任をとってもらいたい、これはやはり立場をかえてみれば、むしろ当然ではないでしょうか。予告もなく急に、あなたの友人の買った土地はあなたが地位を利用して情報を漏らしたのじゃないか、こうきめつけられれば、坂井さんがかりに総理になられたといたしましても、これはきっぱり否定される。それをまたしつこく追及されれば、間違った場合は責任をとってもらいたいというぐらいのことはあってもふしぎではない。お互い立場がございますのですが、なかなか公平な見方というのはむずかしいかもしれませんが、やはり立場を置きかえて考えればそれほどあれではないと私は受け取っているわけでございます。
  261. 坂井弘一

    坂井委員 率直に申し上げまして、動議提案者の趣旨弁明を一読いたしまして、相当無理をなさっていらっしゃるようですね。つまり一方的な断定もあります。それから推測、まあ憶測というのですか、見方によったら、逆の見方をすれば邪推されたという見方も成り立つと思いますね。仮定という、仮定の事実に立って——仮定の事実なんかあり得るはずがない。先ほども「周囲に動かされての発言であるとすれば、」こういうことを言ったということは、これは推測であるということをはっきりされた。つまり、そういう推測なんかの、雰囲気であるとか空気であるとか、つまりけしからぬというようなそういう感情の中から、そこから推測が起こる。そして、これもおかしい、あれもおかしいのではないかというような形の趣旨弁明だといわなければならぬですね。  たいへん無理をなさった、率直に申し上げまして、私はそういう感じをぬぐうことは実はできません。したがって、この小林政子君の懲罰事犯につきましては、さらに今後審議を進められていくと思いますけれども、少なくともいままでのやりとりの中におきまして、私はこれはいささかも懲罰に値するものではないという立場を明確にいたしまして、本日の質問を終わりたいと思います。     —————————————
  262. 早稻田柳右エ門

    ○早稻田委員長 この際、おはかりをいたします。  衆議院規則第二百四十条により、本人小林政子君に対し、次回、二十日の本委員会出席を求めることといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  263. 早稻田柳右エ門

    ○早稻田委員長 御異議なしと認めます。よって、議長を経由して、本人出席を求める手続をとることといたします。  次回は、来たる二十日水曜日、午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後六時十三分散会