○関谷説明員 ただいま、野菜を中心にしまして、
市街化区域の農業の問題についてお尋ねがあったわけでございます。全般的には、
都市地域、特に
都市計画地域の農業の問題については、
都市計画制度の趣旨に沿いまして、
市街化調整区域と
市街化区域の線引きをいたしておるわけです。この際には、ただいま野菜
計画課長から
お答え申し上げましたように、野菜指定産地のような基幹的な産地はもちろんのこと、たとえば土地改良事業等の
公共投資をやっておる
地域とか、あるいはそういう調査
計画中の
地域、それからまた、集団的にまとまっております生産力の高い
農地、こういうところはできるだけはずしていく、こういう方向で
市街化区域の線引きに、農林省としては調整に参画いたしておるわけです。
そういうことで調整をいたしたわけですが、同時に、では
市街化区域の中についてはどういうことかという問題でございますが、御承知のように、現在までの線引きでは、約二十八万ヘクタールの
農地が
市街化区域の中に含まれております。この
農地については、
都市計画法上の性格から、おおむね十年以内に、優先的に、また
計画的に市街化を進めていくという
地域でございますので、農林省の方針としては、農業政策の中では、たとえば土地改良事業のような、十年以上は及びますようなかなり長期的な効果を持つ農業
公共投資は、やはり原則として差し控えていくということにしよう。ただ、そういう方針でございますが、一方、その
都市計画の
市街化区域の中では、現実にかなり長い間農業経営が行なわれるわけでございます。市街化
都市農業としてかなり重要なものが野菜その他の面でもあるわけでございますので、たとえば技術指導でございますとか、植物の病害虫の防除、それから家畜の衛生
対策、その他、たとえば指導研修等の技術向上の面の
対策、こういう経営と
関連いたします
施策については、
市街化区域内外ということは問題にしないで、同様に
対策もいたしておるわけであります。
今回も含めまして
宅地並み課税の問題についてどうだという、こういうお尋ねにつきましては、非常にむずかしい問題でございますけれ
ども、
市街化区域内
農地二十八万ヘクタールの中でもかなり評価額が高いというところは、逆に言いますと、市街化的な諸施設と申しますか、道路その他の面で、
宅地面として見た利用価値がかなり高いという
農地になるわけでございます。そういう
農地については、もちろん具体的に
特定の
農地をとってみますと、農業経営が現に行なわれておりますし、これから相当農業経営を行なう意欲を持った農家の方が利用しておられるということになるわけでございますが、全体的な土地利用の位置づけという面から見ますと、
市街化区域の中の、かなり限定されて、しかも
都市的な意味での利用価値の高い部分については、課税上なり何なりの判断をして
一つの見方が出てまいる、こういうような意味合いについては、原則的な問題としてやむを得ないことではなかろうか、こういうふうに
考えるわけでございます。
ただ、そういうことでございますけれ
ども、農業経営のこういう面なり、農業の今後のそういう
地域におけるあり方という問題につきましては、ただそういうことだけでよろしいというわけにはまいりませんで、今年度から、農業
委員会の活動等を通じましての
都市近郊農家
対策という事業として、営農のあり方でございますとか、それから、生活の今後の再建
措置と申しますか、生活相談の問題を含めた
都市近郊農家の
対策を、農業
委員会を中心にしていろいろ検討をいたしておる。こういう予算も計上いたしておりますし、また、農業の面で、さらに別の
地域で農業を継続していこうという意欲もあり、また能力がある農家の方もございますので、ご承知とは思いますが、そういう農家が
市街化区域外へ移転しまして
農地を取得する場合には、資産の買いかえの特例の中で、現在の制度で申しますと、現有
面積の五倍までは買いかえを認める。それから不動産取得税については、五年間徴収猶予をする。こういうようなことにいたしておりまして、そういう
対策を兼ね合わせまして
都市農業に慎重に対処してまいりたい、こう
考えております。