○武藤(山)
委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、提案の趣旨を簡単に御
説明申し上げます。
案文は、お手元に配付いたしてありますので、朗読は省略させていただきます。
御承知のとおり、最近における
わが国経済社会の動きの中で、国民生活に大きな影響を与えているものに、人口の老齢化の進行と老齢者の
立場の変化並びに賃金、物価の著しい上昇があります。これらの現象を背景として、医療保険及び老齢者の生活保障の充実が強く要請されるに至っており、特に
年金制度に対する期待と関心が一段と高まりつつあります。
国家公務員及び公共企業体職員の
共済組合制度につきましても、これまで幾多の検討改善が加えられ、また、既裁定
年金の額も、連年その引き上げがはかられてきたところでありますが、なお組合員及び
年金受給者より、給付水準の引き上げと
年金の実質価値保全のための具体的対策等が求められているのであります。
本附帯決議案は、このような
事情にかんがみ、
共済組合の給付に要する費用負担とその給付内容のあり方、長期給付の財政方式等制度充実のため検討すべき諸点を取りまとめ、その実現方について、政府に一そうの努力を傾注されるよう要望するものであります。
もとより、これらの諸点を実現するに際しましては、他の公的
年金制度との均衡、
年金財政の長期見通しと財源負担の原則等解決すべき困難な諸問題が存することも十分に承知いたしておりますが、新制度発足以来すでに十数年を経過いたしており、また、国家公務員の
共済組合につきましては、たまたま財源率の再計算期を来年に
控えているというこの機会に、職員及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与するとともに、公務の能率的運営に資するという法の
目的に照らし、
共済組合制度全般について抜本的な検討を加えるべきであると
考える次第であります。
したがいまして、この際、本
委員会において論議が重ねられてまいりました
共済組合制度改善のための諸問題につきまして、政府に特段の考慮を払うよう強く要請するものであります。
以上が本附帯決議案の提案の趣旨であります。
何とぞ、御賛成くださいますようお願い申し上げます。
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昭和四十二年度以降における
国家公務員共済組合等からの
年金の額の
改定に関する
法律等の一部を改正する
法律案及び
昭和四十二年度以降における
公共企業体職員等共済組合法に
規定する
共済組合が支給する
年金の額の
改定に関する
法律等の一部を改正する
法律案に対する付帯決議(案)
政府は、
共済組合制度の充実を図るため、左記事項を実現するよう、なお一層努力すべきである。
一
共済組合の給付に要する費用の負担及びその給付内容の改善については、他の公的
年金制度との均衡等を考慮しつつ、適切な措置を講ずるよう検討すること。
二
国家公務員共済組合等及び
公共企業体職員等共済組合からの
年金について、国民の生活水準、国家公務員及び公共企業体職員の給与、物価等の上昇を考慮し、既裁定
年金の実質的価値保全のための具体的な対策を早急に進めること。
三 長期給付の財政方式については、賦課方式の問題も含めて検討すること。
四 旧令、旧法による
年金額の改善については、引きつづき一層努力すること。
五
国家公務員共済組合及び
公共企業体職員等共済組合両制度間の
年金算定の基礎俸給、最低保障額等の差異について、是正するよう検討すること。
六 家族療養費の給付については、他の医療保険制度との均衡を考慮しつつ、その改善に努めること。
七 長期に勤続した組合員が退職した場合において、医療給付の激変をさけるための措置をすみやかに検討すること。
八 労働組合の非在籍専従役員が
共済組合員としての資格を継続することについて検討すること。
九
共済組合の運営が一層自主的、民主的に行なわれるため、運営
審議会等において組合員の意向がさらに反映されるよう努めること。
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