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吉田(太)
政府委員 数字でお答えする前に、一般論として申し上げますと、これはいわばたての両面のようなことではなかろうかと思います。過剰流動性ということばは、単に世の中にございます現金だけではなくて、
預金がむしろ八割を占めているわけで、いわば通貨の八割が
預金をもとにする貸し出しである、こういう
状況がございます。これが過剰流動性ということで今日までいろいろ問題になっておったわけでございます。これが多過ぎるか、多過ぎないかということが問題でございますが、今日のような
状況でございますと、やはり多少そういう
預金をもとにする貸し出しを押えていく。まあこれはできるだけ大
企業のほうではなくて
中小企業あるいは個人の利用者の側に向くべきじゃないかという御
指摘だろうと思います。その辺のところは、先ほど来お答えいたしておりますように、できるだけそういう
方向にはやっていきたいと思いますが、まず供給サイドとして、全体の
預金そのもののふえ方というのは、ここ数年に見られない非常な
預金量の増加が起こっております。
パーセントで申し上げましても年率にして二割をこすのではないかと考えております。たとえば
相互銀行でございますと二二%、
信用金庫も二二・八%、
信用協同組合が一八・九%という伸びでございまして、そういう伸びそのものは非常に、むしろ従来以上に高いというのが
状況でございます。
これに対する
融資、貸し出しにつきましても、四十三年から四十七年の春までは大体一〇%の上のほうでございましたが、昨年は二二、三%の伸びになっておるという
状況でございます。
信用金庫以下については窓口規制というものは総体としては行なっておりません。
相互銀行については昨年の同期よりも一・五%くらいにふやしていくという
程度の手心でやっておるわけでございます。確かにこれで十分だとは申しませんが、現在の引き締め下における手心といたしましては精一ぱいではなかろうかと私は考えておるわけでございます。