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平林委員 特別な配慮を加えるわけにいかないと言うけれども、特別な配慮を加えているから私は問題にしているのですよ。つまり、
農地に扱っていないということが問題を提起しているわけです。
そこで、ちょっと最近の農業経営の実態を考えてみますと、
都市近郊の農業におきましても、むしろ被
相続人と農業後継者になっておる者とは共同の経営、つまり共同で営農している場合が多いのですね。ですから、これは配偶者控除を設けたと同じような
意味で、
相続すべき財産である
農地に特別の配慮をしてもいいのじゃないか。日本の農業、
都市近郊にもやはり農業があったほうが消費者にとっても必要であるし、
都市化の波の中で緑地を残しておくということは、自然環境の
意味でも必要なことであるし、それはいろいろな
法律の中でもその必要性が認められて立法化されておる現状から考えてみても、
土地の供給をさせるためにねらい撃ちをして、そのためにこれ以上農業をつぶすという必要性は、私は問題があるのではないかと思う。
それから、最近の
都市周辺
地域の
土地評価が確かに高まったということは事実ですね。しかし、
都市近郊では、
農地の
宅地並み課税問題を先ほども私、述べたとおり、
相続税についても、
農地等の農業資産の
評価が、生産の手段として不相応に急激な引き上げが行なわれるということは問題だ。つまり、特別の考慮を払うわけにいかないという
意味であなたはおっしゃったわけですけれども、むしろどうも特別な悪いほうの考慮をやっているのではないか、逆に言えば。私はその点を指摘しておるわけなのです。何も
都市近郊の農業だから純
農地と区別して
相続税を配慮しろ、こう言っているわけではないのであって、逆に
都市近郊農業については、むしろ特別な措置をやっているのは政府がやっちゃっているのだ、悪いほうに配慮しているのじゃないか、これを私は言っておるわけなのでありまして、
相続税の納付が農業経営の継続を困難にさせているという現状は、やはり再検討する必要があるというのが私の議論なんです。
そこで、先ほど私はそういう
意味で質問をしましたが、
相続税の
意味は、財産化したものを所得の分配機能を働かせる、それから偶発的、一時的なものの所得であるから担税力ありというふうなことでかける、こう言われたのですが、それは
都市近郊もそうですがと言ったら、大体そうだと考える、純
農地はあれだが、
都市近郊はそれでやっているのだ、こういう
お話ですが、きょう地方税法の一部を改正する
法律案が本
会議で議論になりました。この中に、新たに特別
土地保有税というのが今度は創設されることになりましたことは、御承知だと思うのです。その条項の中に、
相続というものは、形式的な所有権の移転であるという規定があるわけです。いまおっしゃった財産化したものの所得分配機能とか、偶発的、一時的のものは担税力ありとかいうことで、
相続税を課するといういまのお答えと、特別
土地保有税の場合におきましては形式的な所有権の移転である、こうみなして非課税にしておるという考え方とは食い違っておると私は思うのですが、その点はどうですか。私は、むしろ特別
土地保有税の考え方の中には、農業政策サイドがかなり織り込まれている、こう思うのです。あなたのいまの御説明は、先ほど私が指摘したように、農業サイドからの視点というものが全く欠けている。配慮がない。特別な配慮をするのはどうかと言いながら、特別な配慮をしてしまっている。これはどうなんですか。