○松尾委員 いま検査機関の問題をそちらから言われましたけれ
ども、これは治療
専門の
研究機関を設置しなさい、そうして早くこの治療
方法をはっきりさせて、病状の
実態の究明、胎児に及ぼす影響等を明らかにしなさい、こう言っておるわけでありますが、いまあなたのおっしゃるのは、いままで福岡なりまたは長崎医大、そういうところの
研究班にやらせておって、特別にこの治療体制というものは確立されていないように私は思うのですよ。ですから、いまこのように治療体制としてはもうはっきりできた、福岡なら福岡にこのようなものをつくりました、長崎なら長崎の
大学の中にこういうものを付設いたしました、そこで、これは国としての
一つの治療機関であるというようなことをあなたが言えるかどうか。いまお答えの中では非常にいい話ばかりでありますけれ
ども、現実にはそのように進んでおりません。ですから、きのうからきょうにかけてこのカネミ油症患者は
全国大会を開いて会社のほうにもいろいろ要望を出しますけれ
ども、応じない。すでに五年、四年とたって生活がますます困窮しておる。それから生活資金を出したとおっしゃいますけれ
ども、これは特定の人間でありまして、すでにその実績をぼくのほうは持っておりますけれ
ども、これはわずかなものであります。九万から十二、三万の金で何年と経過して、はたして生活資金になるかどうかという問題がありますよ。おまけに県は期限が来たから返せといって
回収まで途中でしょうとしたのでありますけれ
ども、この被害者の
実態からこれは無理だ、むしろこれは救済
措置を強力にやらないといかぬということで厚生省はやったと言いますけれ
ども、それはわずかな一部分でありまして、これが行き渡っておるとかなんとかということは、現実はとうてい言えないのですよ。そして難病
対策にも取り上げられない。それは原因者がはっきりしているからだ、こうおっしゃいますけれ
ども、この場合は、難病
対策等で
一つの
法律、食品中毒者救済法というようなものを検討する、その間のつなぎとしてとりあえずこの難病
対策で救っていきましょうというようなお答えがありながら、いまごろになって、その難病
対策では原因者がはっきりしておるから取り上げない、これはまたおかしいと思うのですよ。私はここではっきり聞いたのだから、そうしたらいまのようなお答えがあって、早くそのような難病
対策で取り上げられたなら、生活資金一万円くらい出るのじゃないですか。おまけに治療のほうも会社に言っておるとおっしゃいますけれ
ども、非常に困っておるのは、特に玉之浦という町が被害者が多いのでありますけれ
ども、この町の保険財政というものはいまカネミ油症患者のほうに食われまして、町の保険財政というものはいま非常に苦しんでいます。要するに、原因者がはっきりしておりながら、なぜ
国民健康保険でやるのか、一般の掛け金をしたその地域の人々は適切な治療も受けられぬ。ほとんど財政の八〇%以上はカネミ油症患者に食われておるという問題まで引き起こしておいて、町も困っておる。おまけにその地域の人々は、あるいは会社と話し合って妥結した人もおれば、いまだに訴訟をしてがんばっておる人もおる。両方に分かれて地域の空気というものも非常に険悪です。なぜなら原因者がはっきりしておるのに、何年も何年もかかっても解決できない。まだ
全国大会を開いてやらないといかぬのか、こう思うのですよ。
あなたはいま非常にかわいそうだ、生活も苦しいであろう、厚生省としてはこのようにやりましたというようなお答えでありますけれ
ども、そのお答えのとおり実際出ていないのですよ。そしてあらゆるところにそのしわ寄せが来て全部が困っておる。患者なんかかわいそうですよ。認定も百名ふえたとおっしゃいますけれ
ども、認定の
方法もやっといろいろの問題が提起されて、患者の組合のほうから出て、それを県が厚生省と相談して取り上げて、やっと少し前進しただけであります。ですから、そういう認定の問題も含めて早急にやりませんと、これは非常に重大なる社会問題でありまするし、今後ともこれは発展いたしますよ。もうたまらないというところへきますと、これはまだいろいろ取り上げて、われわれもあらゆる角度から取り上げてこれを追及していかなければなりません。もう一回いま私が言ったことを総ざらいしてはっきり答えてください。