○石原政府
委員 全体の数を申し上げます。
先生ただいま御
指摘のように、元来、全体で八十二ございました。それで、四十六年度以前までにいわゆる併設
——併設と申しますのは、たとえば福岡県の例でいいますと、筑後川の場合は久留米にありました。久留米にあった通報所を福岡管区気象台へ持ってくる。持ってきましてもその通報所自体は福岡の管区気象台に置かれるわけでございますが、久留米からいえばそれはなくなったということになるわけでございます。そういう
意味合いの併設が四十六年度以前までに二十八ございました。それから四十七年度に三つ、四十八年度に七つ、合計いたしまして三十八カ所を併設する。併設については三十八カ所でございます。管区気象台、地方気象台あるいは測候所に併設するわけでございますけれ
ども、そのうちで地方気象台以上にありますものは、これはそれぞれの地方気象台の技術課等の中で、通報所の残された仕事ということができるわけでございます。そういうような観点から、技術課のほうの予報なり観測なりの業務の中に含めてやるというふうな
意味合いで廃止をするというような
計画になっているものがございます。これは四十七年度に三カ所、四十八年度に同様に三カ所ございまして、さらに四十九年度には二十一カ所廃止をするというふうな
計画でございまして、合計いたしまして廃止は二十七カ所でございます。したがいまして、一ぺん併設をいたしましたものをさらに廃止するということがございますので、その
計画が四十九年度までに
計画どおりに進みますと、八十二の通報所が結局、併設されるのが十一、廃止されるのが二十七、それから従来の形で存続するものが四十四というふうな形に相なるわけでございます。
しからば、こんなことをなぜするかということでございます。
この点につきましては、気象通報所の任務というものは、実は二いろございます。一つは山の上にロボット雨量計がございまして、そういったものが各地方気象台等の予報機関のほうへ雨量等の観測データを送るわけでございますが、そのために、たとえば筑後川の場合でございますと鳥屋山にロボット雨量計がございまして、当時は、それを直ちに福岡のほうへ送ることができませんので、筑後川の久留米に通報所を置きまして、そこで中継いたしましてそういったものを福岡に送るというふうなことをいたしておりました。そういうふうな
意味合いの、無線ロボット雨量計の受信、中継をやるというふうな任務を持つものが一つの種類でございます。さらにもう一つの種類は、ダムの管理機関等がございまして、そういったダム管理機関等に対しまして気象情報を連絡し解説するというふうな
意味合いの使命を持つものがございます。
こういうふうな二種類の通報所があるわけでございますが、そのうちでさきに申し上げました無線のロボット雨量計の受信、中継につきましては、開設当時はそういうふうな中継をする必要があったわけでございますが、その後の施設的な改善等によりまして、直接管区気象台あるいは地方気象台のほうにそういうデータが入るというふうな機械的な施設的な
整備が行なわれますと、途中の中継所が要らなくなるわけでございます。そういうような通信所につきましては、これは廃止する、あるいは併設するというふうなことが
考えられるわけでございます。
それから第二の種類でございますダム管理機関等に対する気象情報の連絡、解説でございますが、そういったものに対しましては、当初はダムのそばに管理機関がおるというふうな事情が多かったわけでございますが、そういったものをリモートコントロールする、町におってそこでダムを管理する、操作をするというふうにだんだん進んできております。そういたしますと、そういうふうなダム管理機関に対する情報の連絡なり解説というものは、何もダムのそばでやる必要がなくなるわけでございますから、これをダムのそばから町のほうへおろしてくるというふうなことが可能になるわけでございます。
そういうふうな
意味合いで、通報所というものはそれぞれ、そういうふうな中継が要らなくなるとか、あるいはダム管理機関というものがそういうふうな山からおりてくる。そういたしますと、
先生御
承知のように、現在では地方気象台を中心にいたしまして、予報についての体制を
整備しつつあるわけでございますので、したがって、通報所等のようなところよりは、むしろ地方気象台のほうに聞いていただいたほうが的確なる情報の連絡なり解説ができるということでございます。そこで、たとえば山形県の場合でございますと、尾花沢までおりてくるのをさらに山形の気象台のほうへ連絡していただければ、何も尾花沢へ置かなくてもいいというふうなことになるわけでございます。そういうふうなことで逐次、そういう目的を達したと思われるものについては、こういった通報所を併設なり廃止するということを従来から
検討しておるわけでございます。
ただ、そういった場合に問題がございまして、一つは、そういうような
意味合いで元来通報所というものは置かれたわけでございますけれ
ども、しかしながら、実際に置かれますと、一つは、私
どもの職員はすべて観測ということが業務の基本になっておるわけでございます。したがいまして、通報所の職員といえ
ども、そういうふうな中継なり解説なりするほかに、その地点におきまして気象観測をいたします。現実に通報所において、そういうような私
どもの職員が直接観測するというふうな
意味合いのことが行なわれておるわけでございますので、したがって、そういうような通報所の位置を変更する場合には、そのための観測点をどうするかという問題が一つございます。
この点につきましては、たとえば筑後川の久留米の場合でございますと、元来民間に委託観測をいたしておりましたけれ
ども、そういった通報所が置かれますときに、委託観測でなくて私
どもの職員ができるわけでございますので、それは通報所で観測するということにいたしたわけでございますが、四十五年にそういうふうなことで久留米から福岡に移したときには、その辺について、観測点についていろいろ問題が起こらぬようにということで、ちょうど私
どもの通報所の元来ありました隣に
建設省の筑後川
工事事務所がございますので、そこで観測したデータを私
どものほうにちょうだいするというふうなことで、観測点のマイナスになる点についてはそういうことによって防止するというふうにいたしておりますが、いずれにいたしましても、そういうふうな通報所の位置を変更する、併設なり廃止するような場合におきましては、観測点がそういうことによりましてマイナスにならぬような措置をするというような
考え方を原則にとっております。
それから第二には、通報所の先ほど申し上げましたような任務についてでございますけれ
ども、実際問題として気象庁の
出先機関でございますので、したがって、そこの所在の町なり村の方々がいろいろと気象庁のほうに相談に来られるわけでございます。そういう
意味で、いわば天気相談みたいなことを実際果たしておるというのが実情でございます。したがいまして、通報所の本来の任務であるかどうかは問題でございますけれ
ども、現実にそういうふうな事態がございますので、したがって、通報所の位置を変更する場合には所在の
市町村においてそういった点について支障がないように、たとえば久留米の場合でございますと福岡管区気象台のほうに問い合わせいただくというふうなことになるわけでございますが、そういうふうなことをしていただいたほうがむしろ充実したようないろいろな情報を提供できるからということで
お願いいたしまして、そして所在
市町村の御了解をとった上でやるというふうなことをいたしております。
したがいまして、現在
計画いたしております併設するものについて、まだ四十八年度で七カ所ございますけれ
ども、これは
計画でございまして、そういうふうな了解が得られたものをやるということでございまして、現実に申しますと、そのうちの一カ所だけは現にまだそういうふうな了解がとれていないというふうな事情でございます。そういうふうなことで現在は進めてきております。
将来においてはどうかということでございますが、これはさらにそういうような情勢について同じような
考え方で今後ともやっていきたい、こういうふうに
考えております。