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1973-07-03 第71回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十八年七月三日(火曜日)     午前十一時一分開議  出席委員    委員長 大原  亨君    理事 宇田 國榮君 理事 小沢 一郎君   理事 高鳥  修君 理事 三ツ林弥太郎君    理事 金丸 徳重君 理事 村山 喜一君    理事 諫山  博君       越智 伊平君    大西 正男君       志賀  節君    竹中 修一君       旗野 進一君    森  美秀君       安田 貴六君    吉永 治市君       綿貫 民輔君    山本弥之助君       米田 東吾君    柴田 睦夫君       高橋  繁君    折小野良一君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (総理府総務長         官)      坪川 信三君  委員外出席者         内閣総理大臣官         房参事官    杉岡  浩君         大蔵省主計局主         計官      藤仲 貞一君     ————————————— 委員の異動 六月二十八日  辞任         補欠選任   福岡 義登君     川崎 寛治君 同日  辞任         補欠選任   川崎 寛治君     福岡 義登君     ————————————— 本日の会議に付した案件  活動火山周辺地域における避難施設等整備等  に関する法律案起草の件  小委員長からの報告聴取      ————◇—————
  2. 大原亨

    大原委員長 これより会議を開きます。  災害対策に関する件について調査を進めます。  この際、活動火山周辺地域における災害対策について、災害対策の基本問題に関する小委員長から、小委員会調査の経過並びに結果につきまして報告したい旨の申し出があります。これを許します。災害対策の基本問題に関する小委員長宇田國榮君。
  3. 宇田國榮

    宇田委員 御報告申し上げます。  災害対策の基本問題に関する小委員会におきましては、去る二月二十二日設置されて以来、活動火山周辺地域における災害対策について、精力的に取り組み、鋭意検討を重ねてまいりました。  この間、去る四月には、鹿児島県の桜島に当災害対策特別委員会から多数の委員が派遣され、火山爆発に伴い発生しております被害実態等につきまして、現地の実情をつぶさに調査してまいりました。その結果につきましては、すでに報告されておりますので、委員各位におかれましても十分御承知のことと存じます。  桜島は、昨年十月の爆発以来、噴火を続けておりますが、去る六月一日には、相当規模の爆発があったのであります。たまたま私は、所用のため現地に居合わせ、その現状をまのあたりに見る機会を得ましたが、いまさらながら、爆発の脅威を痛感するとともに、一たび大爆発が発生すれば住民生命が危険に瀕するものと憂慮した次第であります。  本小委員会におきましては、去る六月二十八日、桜島爆発に伴い発生しております被害実態などを契機として、所要立法を行なうことに意見が一致し、お手元配付活動火山周辺地域における避難施設等整備等に関する法律案草案を決定した次第であります。  以下、本案の趣旨及び内容につきまして御説明申し上げます。  わが国は、地理的、気象的悪条件に災いせられ、年々歳々おびただしい風水害等自然災害をこうむり、その被害がきわめて甚大と相なっておりますことは、いまさら申すまでもありません。  さらに、わが国は、地震国であるとともに、環太平洋火山帯の西側に位置する火山国でもあります。わが国の国立、国定公園を中心とした山紫水明の風光や、至るところでわき出る温泉などは、火山の与えるはかり知れない恩恵でありますが、一方、雲仙岳や磐梯山等の大噴火により、古来、多数の犠牲者を出すとともに、地域産業とりわけ農作物等に多大な被害を与えているのであります。  近年、開発が進むにつれ、地域住民のみならず、火山の恵みを活用せんとして人が集まり、施設をつくるため、一たび火山が活動すると、以前には考えられなかったような炎害の発生が予想されるのであります。  いわゆる一般災害対策及び予防につきましては、災害対策基本法をはじめ、各種の法律並びに行政運用により対策が講ぜられているところでありますが、残念ながら活動火山による災害及びその予防につきましては、従来十分な措置が講じられておりません。火山爆発予知困難性及び爆発の態様によっては、相当悲惨な事態を招くことも考えられることから、事前に避難施設等整備し、考えられる対策を樹立する必要にかられているところであります。  そこで、今次の桜島爆発に伴い発生しております被害実態等にかんがみ、これを契機所要立法措置を講じようとするものであります。  次に、本法案内容についてその概要を申し上げます。  まず、本法案の目的は、火山爆発により著しい被害を受け、または受けるおそれがあると認められる地域について、避難施設整備することによりまして住民等生命及び身体の安全をはかるとともに、住民生活をささえております農業についての防災施設等整備することなどによりまして、民生の安定に寄与しようとするものであります。  第二は、避難施設緊急整備地域指定についてであります。  内閣総理大臣は、火山爆発により住民等生命及び身体被害が生じ、または生ずるおそれがある地域で、その被害を防止するための施設を緊急に整備する必要がある地域避難施設緊急整備地域として指定を行ない、これを公示することといたしております。  第三は、避難施設緊急整備計画策定等についてであります。  地域指定を受けた区域を持つ関係都道府県知事は、避難施設緊急整備計画を作成し、内閣総理大臣の承認を受けるものといたしております。  なお、同計画には、  一、道路または港湾の整備に関する事項  二、広場の整備に関する事項  三、退避壕その他の退避施設整備に関する事項  四、学校、公民館等不燃堅牢化に関する事項  五、その他政令で定める事項 について定めるものといたしております。  なお、同計画に基づく事業は、法律規定により国等が実施するものを除いて、市町村が実施するものとしております。  第四は、財政上の措置についてであります。  避難施設緊急整備計画に基づく事業につきましては、国は、毎年度、財政の許す範囲内において、必要な経費を予算に計上することを義務づけるとともに、地方公共団体等に対しましては、補助金の交付、資金融通あっせん等、必要な措置を講ずることができるものといたしております。  また、当該事業にかかわる地方公共団体の必要な経費につきましては、地方財政法第五条に該当しないものにつきましても、地方債をもってその財源とすることができることとし、国が資金運用部資金等をもって引き受けるものといたしております。  第五は、防災営農施設整備計画についてであります。  火山災害特殊性の一つは、相当長期間にわたる降灰などにより、農作物等に甚大な被害を及ぼすことであります。都道府県知事は、避難施設緊急整備地域またはその周辺地域で、火山爆発によって生ずる農作物被害農業経営に著しい支障を及ぼすおそれがあると認められる地域につきまして、防災営農施設整備計画を作成することといたしております。  なお、国は、同計画に基づく事業の実施に要する経費の一部を補助し、また、被害農林漁業者に対しましては、国及び地方公共団体は、長期かつ低利の資金融通について、必要な措置を講ずるようつとめるものといたしております。防災営農施設としては、たとえば、畑地かんがい被覆裁培施設あるいは果樹等集荷施設が予定されております。  第六は、火山噴火予知重要性にかんがみまして、国及び地方公共団体は、火山現象の研究、観測のための施設及び組織の整備につとめなければならないこととしております。  なお、この法律は、公布の日から施行することとしております。  この際、お手元配付活動火山周辺地域における避難施設等整備等に関する法律案草案委員会成案とし、これを委員会提出法律案と決定されるようお願いいたす次第であります。  委員各位の御賛同をお願いいたします。
  4. 大原亨

    大原委員長 これにて小委員長からの報告は終わりました。     —————————————
  5. 大原亨

    大原委員長 次に、活動火山周辺地域における避難施設等整備等に関する法律案起草の件について議事を進めます。  本草案趣旨内容につきましては、ただいま小委員長報告にありましたので、説明を省略いたします。
  6. 大原亨

    大原委員長 別に発言の申し出もありませんので、この際、衆議院規則第四十八条の二の規定により、内閣意見があればお述べ願いたいと存じます。
  7. 坪川信三

    坪川国務大臣 活動火山周辺地域における避難施設等整備等に関する法律案につきましては、政府といたしましては特に異存はございません。  以上。     —————————————
  8. 大原亨

    大原委員長 おはかりいたします。  活動火山周辺地域における避難施設等整備等に関する法律案起草の件につきましては、ただいまの小委員長からの報告にありました、お手元配付の案を委員会成案と決定し、これを委員会提出法律案とするに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立
  9. 大原亨

    大原委員長 起立総員。よって、さよう決定いたしました。  なお、本法律案提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 大原亨

    大原委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  小委員長並びに小委員各位には、まことに御苦労さまでございました。  本日は、これにて散会いたします。    午前十一時十三分散会