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羽田委員 午前中副
長官から、ただいま鳴動を続けております
桜島あるいは
浅間山の
噴火また
爆発につきまして御
報告があり、また同僚
委員からも幾多の御質問があったわけでございます。
わが国は
火山王国ということでございまして、世界でも有数な
火山国であるわけでございます。しかし、その
火山の学問につきましても、わりあいと新しく行なわれておる、その歴史というものは非常に浅い。しかし、世界の中ではなかなか進んでおるということを私どもお聞きしておるわけでございます。しかし、学問的にはわりあいと進んでおるのだけれども、
防災科学的な面が非常におくれておるんじゃないかということをいわれるわけでございます。そして、
防災の
関係で一番大切なのは、何と申しましても、
爆発がいつ起こるか、あるいは
噴火がいつ起こるかという予知がいっときも早くなされているならば、その
災害というものは非常に少なくて済むわけでございます。
歴史始まって以来今日まで、非常に大きな
爆発が各所でありまして、幾多の人命を失っている場合もございます。特に私どものほうでは、
浅間山なんかの場合ですと、天明三年でございますか、この
爆発によりまして、二千人からの人がなくなっておるという事実もございます。また、一七〇七年に
爆発しました富士山の
爆発、これでは、とにかく小山あたりまでニメートルぐらいの灰が積もったというようなことも聞いておりまして、その
被害も相当大きかったのじゃないかと思います。
火山というのは、そういった
爆発という非常に危険な
災害を呼び起こすこともあるのでございますけれども、それと同時に、
火山の恵みといいますか、景勝地をつくる、あるいはそこに湖をつくるとか、また温泉を噴出するとかいうようなことで、私どもの特に新しい時代の生活には、非常に大きな潤いも与えてくれておるわけでございます。しかし、それだけに、もし過去の
爆発以上に大きな
爆発があるならば、しかもそれが予知されなかったならば、その
災害というものはうんと大きくなるのじゃないかということを私たちはおそれるわけでございます。
桜島の
爆発はもう一年近く続いておりまして、先ほど
委員の方からも御発言がございましたように、
桜島大根あるいはミカン、そういったものにも大きな
被害を与えております。
浅間山の場合には、土砂あるいは礫というものを、何か茨城県あたりまで飛ばしておるという報道を私ども受けておるわけでございますけれども、まだ大きな人的な
災害というものはございません。しかし、もしこれがほんとうの観光シーズンなんかに起こったとするならば、やはりたいへんな人災も出てくるのじゃなかろうかというようなことでございまして、何とか十分な予知というものをしていただきたいというのが、私たちの感じであるわけでございます。また
住民も、そのことを非常に望んでおるのです。
ちょうど私ども、
浅間山の
爆発というものが起こった直後の新聞等を見ましても、予知の点ではわりあいと進んでおり、しかも
浅間山の場合には非常な特徴を持っておる山であるというようなことで、八〇%ぐらいまで正確な予知というものは確実じゃないかということがいわれております。しかし、この間の
爆発のときには、何かそういった動きがある、しかしいますぐ
噴火活動に入る可能性は少ないという、その結論をつけた数時間後に
爆発が起こっておるわけでございます。そして東大の萩原教授なんかも、おかしいな、
浅間山は
火山の中でも
爆発予知の適中率が高い
火山で、いまの学問水準でいくと八割ぐらいまでは予知できるのですけれどもねということを、この中では言っておるわけでございます。そして、軽井沢測候所の職員の方のお話でございますと、いまの観測人員、器具では非常に予知しがたいということも言っておるわけでございますけれども、今度の四十八年度における
防災関係の
予算、この中で
火山に関する
予算、これは予知だけでなくて全体の
予算でございますけれども、一体どのくらいおとりになっておるのか、まずこの一点をお聞きしたいと思います。